説明

PLL制御装置及びPLL制御方法

【課題】親機、複数台の中継機、複数台の子機を備えた大規模なシステムでも、オーバーヘッドが増大したり、MAC効率が極端に低下することなく、低コストでジッタを低減できるようにする。
【解決手段】開示されるPLL制御装置は、TIM抽出回路101と、2次PLL回路102と、時間分散制御回路103と、VCXO94とを備えている。TIM抽出回路101は、入力信号からタイミング成分を抽出する。2次PLL回路102は、抽出されたタイミング成分の位相及び/又は周波数に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する14ビットのデータを出力する。時間分散制御回路103は、2次PLL回路102から出力された14ビットのデータを10ビットのデータに時間的に分散して複数回に分けて出力する。これにより、VCXO94は、時間分散制御回路103から出力された10ビットのデータに基づいて、出力信号の周波数を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、データ通信用モデムのような伝送装置などにおけるPLL(Phase Locked Loop)制御装置及びPLL制御方法に関し、特に、電力線を介してデータ通信を行う電力線通信(PLC:Power Line Communication)システムに用いて最適なPLL制御装置及びPLL制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技店(ホール)では当然遊技者ごとにパチンコ遊技機等の遊技機が設けられ、学校では児童、生徒又は学生及び教職員ごとにパーソナルコンピュータ(パソコン)が設けられていることが多い。さらに、最近の病院には、医師や看護婦ごとにパソコンが設けられているだけでなく、病棟のベッドごとにデータ端末が設けられているものがある。
【0003】
遊技機、パソコン、データ端末等(以下総称するときは、「端末」という。)とサーバや管理装置等は、通常、専用の通信ケーブルを介して接続されるが、既存の施設に通信ケーブルを敷設するのでは、経費も時間もかかってしまう。そこで、最近では、施設に当初より設置され、端末に電力を供給する電力線を介してデータ通信を行うPLCシステムが以下に示すように提案されている。
【0004】
すなわち、従来、電力線ネットワークを介してデータをポイント・ツー・マルチポイントディジタル伝送する多重アクセス及び多重伝送方法がある。この方法では、アップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルにより、電力線ネットワーク上で双方向通信する複数のユーザ装置と1つのヘッドエンド装置とが設けられている。アップストリームチャンネルでは、データは複数のユーザ装置からヘッドエンド装置に伝送され、ダウンストリームチャンネルでは、データはヘッドエンド装置から複数のユーザ装置に伝送される。
【0005】
各ユーザ装置及び各ヘッドエンド装置は、複数のユーザ装置が送信可能なデータ量を最大化し、かつ、複数のユーザ装置における遅延時間を最小化するための媒体アクセスコントローラ(MAC)を含んでいる。電力線ネットワークは、周波数分割多重及び時分割多重の少なくとも一方によりアップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルに分割される。
【0006】
また、この方法では、OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)及びCDMA(符号分割多重アクセス)のうちの少なくとも1つのアクセス方法を用いて、アップストリームチャンネルにおける複数のユーザ装置による同時アクセスが可能である。
【0007】
さらに、この方法では、搬送波ごとのビット数増大又はS/N向上により、OFDMシステムにおける各搬送波の伝送容量を増大させ、アップストリームチャンネル及びダウンストリームチャンネルの両方において伝送容量を最大化するように、各搬送波を、その時点で送信するデータを有する1つ又は複数のユーザ装置に対して動的に割り当てる基準をサポートしている。
【0008】
また、この方法では、データのタイプと送信を要求するユーザ装置とに依存してサービス品質(QoS)を調整することをサポートしている。サービス品質は、異なる瞬間における周波数応答と、複数のユーザ装置及びヘッドエンド装置の間の異なる距離とに従って適応化可能である。
【0009】
さらに、この方法では、システムの全帯域幅にわたって、複数のユーザ装置及びヘッドエンド装置によって観測されるS/Nを常に計算しかつモニタリングすることにより、個々の通信要求の間で、利用可能な帯域幅をヘッドエンド装置により動的に割り当てることをサポートしている。これにより、OFDMシステムにおけるすべての搬送波は、各瞬間における各ユーザ装置の送信の必要性と、当該ユーザ装置に対して確立されたサービス品質(QoS)パラメータと、システムの全容量を最大化する基準と、送信遅延時間を最小化する基準とに従って分配される。
【0010】
分配される伝送リソースは、OFDMAが使用される場合には1つのシンボルに係る複数の搬送波において、TDMAが使用される場合には時間的にシンボル間において、CDMAが使用される場合には複数の符号において、複数のユーザ装置間で再分配され、常に変化する電力線の品質パラメータを常にモニタリングすることにより再分配を最適化している(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
【0011】
ところで、複数のユーザ装置とヘッドエンド装置との間で電力線ネットワーク上でデータ通信するには、送信側と受信側とで同期をとる必要がある。そのためには、PLL制御装置が必要不可欠であるが、従来、以下に示すものがあった。すなわち、このPLL制御装置は、A/D変換器により受信信号をサンプリングした後、復調器により復調し、タイミング成分抽出回路によりタイミング成分を取り出し、第1積分回路及び第2積分回路により積分した後、電圧制御発振器を駆動して得られたサンプリング・クロックを当該A/D変換器に印加するものである。このPLL制御装置では、電圧制御発振器の入力側に直流成分検出回路を設けている。まず、第2積分回路のみを使用してタイミング引込みを行い、引き込み後、直流成分検出回路により電圧制御発振器の入力側の直流成分を検出する。次に、検出された直流成分値を用いて第1積分回路を初期化し、以後第1積分回路と該第2積分回路を使用してタイミング引込みを行う(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
【0012】
【特許文献1】特表2004−531944号公報
【特許文献2】特許第2078797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、前述したホール、学校、病院等の施設が大規模になるに従って、端末の台数も当然増大する。ホールでは、例えば、最大で2400台の遊技機が設置されることがある。ホールでは、複数台の遊技機をひとまとまりとして「島」と呼び、この「島」を複数個設けることにより全体のシステムを構築しており、大規模なホールでは最大63個の「島」が設けられていることが想定される。したがって、最大で2400台の端末が接続されるシステムを構築するには、63個の「島」入口それぞれに63個の中継機を設置するとともに、各中継機に最大で64台の子機をそれぞれ設置する必要がある。
【0014】
したがって、親機からある中継機を介して当該中継機に属するある子機にデータを送信する場合、親機と当該中継機との間で同期をとるとともに、当該中継機と当該子機との間でも同期をとる必要がある。第1及び第2の従来例を組み合わせて前述した最大で2400台の端末が接続されるシステムを構築する場合、以下に示す不都合が発生すると思われる。
【0015】
まず、親機から中継機、中継機から子機にデータが順次転送される場合、中継機が備えるPLL制御装置で生成したクロックに発生したジッタ(中継機ジッタ)がそのまま、当該中継機から子機に転送される信号に重畳されている。したがって、子機が備えるPLL制御装置で生成したクロックには、中継機ジッタと、当該PLL制御装置で発生したジッタとが加算されるため、トータルのジッタが増大する。この結果、子機等の基本性能も悪化してくるため、前述した最大で2400台の端末が接続されるシステムなど、中継機を備えたシステムでは、ジッタ低減が大きな課題となる。
【0016】
前述したジッタを低減する簡易な方法としては、前述したシステムで送信されるマスタフレームの1回の送信ごとに複数個の同期信号を含ませることが考えられる。しかし、この場合、オーバーヘッド(ユーザデータ伝送に直接関係しない時間)が増大し、MAC効率(対物理レイヤー利用効率)が極端に低下してしまう。したがって、MAC効率を考慮すれば、1個のマスタフレームには1個の同期信号を含ませることが望ましい。
【0017】
また、前述したジッタを低減する簡易な方法としては、中継機や子機が備えるPLL制御装置を高精度化することが考えられる。しかし、この場合、PLL制御装置、中継機や子機、ひいてはシステム全体のコストアップとなるため、あまり得策ではない。
【0018】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題を解決することを課題の一例とするものであり、これらの課題を解決することができるPLL制御装置及びPLL制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前述した課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るPLL制御装置は、入力信号からタイミング成分を抽出するタイミング抽出部と、前記抽出されたタイミング成分の位相及び/又は周波数に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する第1のビット数のデータを出力するPLL部と、前記PLL部から出力された前記第1のビット数のデータを前記第1のビット数よりも小さい第2のビット数のデータに時間的に分散して複数回に分けて出力する時間分散制御回路と、前記時間分散制御回路から出力された前記第2のビット数のデータに基づいて、出力信号の周波数を制御する可変発振器とを備えていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のPLL制御装置に係り、前記時間分散制御回路は、前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット情報に基づいて複数個の符号系列を発生するとともに、発生した各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算することを特徴としている。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のPLL制御装置に係り、前記時間分散制御回路は、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータを分離する上位ビット分離回路と、前記第1のビット数のデータの最下位ビットから前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット数分のデータを分離する下位ビット分離回路と、前記下位ビット分離回路から供給されるデータに基づいて、複数個の符号系列を発生する符号発生回路と、前記符号発生回路から供給される各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する加算器とから構成されていることを特徴としている。
【0022】
また、請求項4に記載の発明に係るPLL制御方法は、入力信号から抽出したタイミング成分に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する第1のビット数のデータを出力する第1の過程と、前記第1のビット数のデータを前記第1のビット数よりも小さい第2のビット数のデータに時間的に分散して複数回に分けて出力する第2の過程と、前記第2のビット数のデータに基づいて、出力信号の周波数を制御する第3の過程とを有することを特徴としている。
【0023】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のPLL制御方法に係り、前記第2の過程では、前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット情報に基づいて複数個の符号系列を発生するとともに、発生した各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算することを特徴としている。
【0024】
また、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のPLL制御方法に係り、前記第2の過程は、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータを分離する第4の過程と、前記第1のビット数のデータの最下位ビットから前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット数分のデータを分離する第5の過程と、前記第5の過程で得られたデータに基づいて、複数個の符号系列を発生する第6の過程と、各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する第7の過程とを有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、親機と、複数台の中継機と、各中継機に属する複数台の子機を備えた大規模なシステムでも、オーバーヘッドが増大したり、MAC効率が極端に低下することなく、低コストでジッタを低減することができる。これにより、前述した大規模なシステムにおいて、データ通信の最大実効速度を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るPLL制御装置を適用したPLCシステムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るPLCシステムは、最大で2400台の遊技機(端末)1が設置されるホールに適用されるものである。各端末1には、それぞれPLCモデム61(図3参照)を有する子機2がそれぞれ接続されている。各端末1は、最大で64台がひとまとまりとなって島3を構成しており、各島3には、PLCモデム(図示略)を有する1台の中継機4が設けられている。島3は最大で63個設けられるため、中継機4は、最大で63台が必要となる。
【0027】
各中継機4は、AC100Vの電力を供給するための電源ケーブル5を介して例えば、32分岐回路6及び分岐アダプタ(分岐ADP)7に接続されている。32分岐回路6は、後述するフロア入口分電盤31から供給されるAC100V単相2線又はAC100V単相3線の電圧を最大で32分岐して、電源ケーブル5及び8を介して、それぞれ中継機4、分岐ADP7及び変圧器9に供給する。分岐ADP7は、中継機4から電源ケーブル5を介して供給される信号を分岐して通信線10を介して各子機2に供給するとともに、各子機2から通信線10を介して供給される信号をまとめて電源ケーブル5を介して中継機4に供給する。変圧器9は、AC100Vの電圧をAC24Vに変換して、電源ケーブル11を介して各端末1に供給する。
【0028】
一方、当該ホールが入っている建物の、例えば、屋上には、受電設備(図示略)が設けられている。この受電設備には、受電設備内分電盤21が設けられている。受電設備内分電盤21は、変圧器22と例えば、6分岐回路23とを有している。変圧器22は、外部から供給されるAC6.6kVの電圧をAC100Vの電圧に変換して電源ケーブル24を介して6分岐回路23に供給する。6分岐回路23は、変圧器22から供給されるAC100Vの電圧を最大で6分岐して、電源ケーブル25を介してフロア入口分電盤31に供給する。
【0029】
フロア入口分電盤31は、1個の例えば、32分岐回路32と、複数個の例えば、32分岐回路33と、親機34及び34と、分岐アダプタ(分岐ADP)35とを有している。1個の32分岐回路32と、複数個の32分岐回路33とは、それぞれ独立した電源ケーブル25を介して前述した6分岐回路23からAC100Vの電力が供給されている。32分岐回路32は、電源ケーブル26を介して親機34にAC100Vの電力を供給している。この電源ケーブル26は、電源ケーブル42と接続されている。電源ケーブル42は、ホール内監視室41の壁コンセント43と接続されている。
【0030】
親機34は、PLCモデム(図示略)を有しており、ホール内監視室41から電源ケーブル42及び26を介して供給される信号及び親機34から信号線37を介して供給される信号に基づいて、各種信号処理を行う。一方、親機34もPLCモデム(図示略)を有しており、親機34から信号線37を介して供給される信号及び分岐ADP35から通信線37を介して供給される信号に基づいて、各種信号処理を行う。また、親機34は、生成した信号を通信線37を介して分岐ADP35に供給する。分岐ADP35は、親機34から通信線37を介して供給される信号を分岐して電源ケーブル38を介して各32分岐回路33に供給するとともに、各32分岐回路33から電源ケーブル38を介して供給される信号をまとめて通信線37を介して親機34に供給する。
【0031】
ホール内監視室41には、サーバ44と、ホール内LAN45と、子機46とが概略設置されている。子機46は、PLCモデム61(図3参照)を有しており、電源ケーブル47及び差し込みプラグ48を介して壁コンセント43に接続されているとともに、通信線49を介してホール内LAN45に接続されている。サーバ44は、通信線50を介してホール内LAN45と接続されている。ホール内LAN45は、通信線51、WAN52及び通信線53を介して、リモート監視センタ内に設置されたセンタ内サーバ54に接続されている。
【0032】
本発明は、親機、複数台の中継機、複数台の子機を備えた大規模なシステムでも、オーバーヘッドが増大したり、MAC効率が極端に低下することなく、低コストでジッタを低減できるようにすることを目的としている。まず、オーバーヘッドを最小化するとともに、MAC効率を極端に低下させないために、本実施の形態に係るPLCシステムで送受信される1個のマスタフレームには、図2に示すように、ビーコン信号(同期信号)BC1及びBC2をそれぞれ1個含ませる。ビーコン信号BC1は、親機34と子機46との間及び親機34と中継機4との間で同期をとるための同期信号である。一方、ビーコン信号BC2は、中継機4と当該中継機4に属する複数台の子機2との間で同期をとるための同期信号である。図2に示すマスタフレームは、時間長が例えば、約16msである。したがって、ビーコン信号BC1及びBC2は、それぞれ約16msの周期に1回の頻度で送信されることとなる。
【0033】
図3は、子機2を構成するPLCモデム61の構成を示すブロック図である。PLCモデム61は、ディジタル部62と、アナログ部63と、電源部64と、送信ドライバ回路(DV)65と、トランス66と、コモンモードチョーク(CMC)67と、接続部68とから構成されている。
【0034】
ディジタル部62は、PLCメディアアクセス(PLC−MAC)制御部71と、多重化処理部72と、多重分離処理部73とから概略構成されている。PLC−MAC制御部71は、接続部68を介して外部と送受信データの授受を行うとともに、CPU等からなるコントローラ85からの指示に基づいて、時分割処理等を行い、コントローラ85からの制御データの転送やユーザデータのタイムスロット管理を実施する。多重化処理部72は、送信データを多重化して送信する。多重分離処理部73は、受信信号を分離して受信データとする。
【0035】
多重化処理部72は、スクランブラ(SCR)・和分回路74と、信号点発生部75と、逆高速フーリエ変換部(IFFT)76と、変調部(MOD)77と、D/A変換器78とから構成されている。スクランブラ(SCR)・和分回路74は、PLC−MAC制御部71からの送信データをランダム化し、送信スペクトルの安定化又は漏洩電界の安定化を実現するとともに、回線変動に耐えるべく位相和分を行う。
【0036】
信号点発生部75は、複数チャネルの送信信号点を発生するとともに、必要に応じて、ノッチの生成やスペクトル拡散等を行う。また、信号点発生部75は、同期信号であるビーコン信号BC1及びBC2を発生する。
【0037】
IFFT76は、信号点発生部75から供給される複数チャネルの送信信号点である周波数軸上のデータを、時間軸上のデータに変換する。MOD77は、IFFT76から供給される時間軸上のデータを波形整形した後、変調する。IFFT76及びMOD77は、信号点を時間軸上はナイキスト時間間隔で、かつ、周波数軸上はナイキスト周波数間隔で多重化するように構成されている。D/A変換器78は、MOD77からの変調信号をアナログ信号に変換する。
【0038】
多重分離処理部73は、A/D変換器79と、復調部(DEM)80と、高速フーリエ変換部(FFT)81と、タイミング同期部(TIM抽出&PLL)82と、信号点判定部83と、差分・デスクランブル(DSCR)回路84とから構成されている。A/D変換器79は、アナログ部63からの受信信号を14ビットのディジタル信号に変換する。DEM80は、A/D変換器79からのディジタル信号に変換された受信信号を復調してベースバンド信号とした後、不要帯域を除去する。
【0039】
FFT81は、DEM80からの信号の時間軸上のデータを周波数軸上のデータに変換する。信号点判定部83は、FFT81からの周波数軸上のデータについて受信信号点を判定する。タイミング同期部82は、FFT81からの個々の周波数軸上のデータに基づいて、同期信号であるビーコン信号BC1及びBC2について処理を行い、ビーコン信号BC1及びBC2を検出する。そして、タイミング同期部82は、電圧制御型水晶発振器(VCXO)94を制御して、所望の同期を確立する。
【0040】
差分・DSCR回路84は、受信信号点が判定された信号の位相差分をとった後、ランダム化されていた状態を元に戻すことにより、送信データを再生する。この送信データは、PLC−MAC制御部71及び接続部68を介して端末(図示略)へ転送される。
【0041】
アナログ部63は、第1ローパスフィルタ(LPF)91と、ハイパスフィルタ及びゲインスイッチ部(HPF&GSW)92と、第2LPF93と、VCXO94とから構成されている。第1LPF91は、多重化処理部72から供給されるアナログ信号上の不要帯域を除去する。HPF&GSW92は、CMC67及びトランス66とを介して入力された受信信号より不要な低域成分を除去した後、所定レベルまで増幅する。第2LPF93は、HPF&GSW92からの受信信号の高域の不要帯域成分を除去する。VCXO94は、タイミング同期部82を構成するD/A変換器104(図4参照)から供給されるアナログ信号(電圧)に基づいて、所定の発振周波数の基準クロックを生成してA/D変換器79に供給する。
【0042】
接続部68は、端末1側からインターフェイス86を介して入出力される信号について、フィルタリング処理、フラグメント処理、再送処理、暗号化処理及びスイッチング処理等を行うPLCスイッチ部(PLC−SW)87を有している。
【0043】
電源部64は、例えば、DC電圧5Vの動作電圧を各部に供給する電源出力部95と、スイッチング電源で構成された電源出力部95のスイッチング雑音の漏洩を抑制する電源フィルタ96とを有している。送信ドライバ回路65は、第1LPF91から供給される信号を増幅した後、トランス66及びCMC67を介してAC100Vの屋内配電線側に送信する。
【0044】
また、図4は、本発明の実施の形態に係るPLL制御装置の構成を示すブロック図である。図4において、図3の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。A/D変換器79は、アナログ部63からの受信信号を、例えば、14ビットのディジタル信号に変換する。DEM80は、A/D変換器79からのディジタル信号を復調してベースバンド信号とした後、不要帯域を除去する。FFT81は、DEM80からの信号の時間軸上のデータを周波数軸上のデータに変換する。
【0045】
タイミング同期部82は、FFT81からの個々の周波数軸上のデータに基づいて、同期信号であるビーコン信号BC1及びBC2について処理を行い、ビーコン信号BC1及びBC2を検出する。また、タイミング同期部82は、VCXO94を制御して、所望の同期を確立する。VCXO94は、タイミング同期部82を構成するD/A変換器104から供給されるアナログ信号(電圧)に基づいて位相/周波数を制御した基準クロックをA/D変換器79に供給する。
【0046】
タイミング同期部82は、タイミング成分(TIM)抽出回路101と、2次PLL回路(PLL部)102と、時間分散制御回路103と、D/A変換器104とから構成されている。TIM抽出回路101は、FFT81からの周波数軸上のデータよりタイミング成分を抽出する。2次PLL回路102は、抽出されたタイミング成分の位相及び/又は周波数に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する制御信号を出力する。
【0047】
ここで、2次PLL回路102を用いている理由について説明する。受信ダイナミックレンジを大きく確保するためには、その分受信側に高精度が要求される。この高精度の要求は、データ伝送路に対してだけでなく、同期系に対しても同様である。また、雑音耐力も要求される。この点、1次PLL回路は高速で引き込むことが可能であるが、前述した精度が十分ではない。また、1次PLL回路は広帯域であるため、雑音に弱いという問題がある。結果として、1次PLL回路では受信ダイナミックレンジの確保が困難となり、安定したデータ伝送が実現できないということになる。そこで、本実施の形態では、これらの問題を解決するために、2次PLL回路102を用いている。なお、TIM抽出回路101及び2次PLL回路102の詳細については、例えば、先に特許文献2として説明した特許第2078797号公報を参照されたい。
【0048】
時間分散制御回路103は、低コストでジッタを低減するために導入するものである。前述したように、図2に示すマスタフレームは、時間長が約16msであるので、同期信号であるビーコン信号BC1及びBC2は、それぞれ約16msの周期に1回の頻度で送信されることとなる。このため、ビーコン信号BC1及びBC2の送信速度は約16msと低速であり、PLL制御装置は、図3に示す第2LPF93からの受信信号よりタイミング位相を抽出し、この抽出した結果に基づいて制御を行うこととなる。
【0049】
前述したように、A/D変換器79がアナログ部63からの受信信号を14ビットのディジタル信号に変換するため、本発明の実施の形態に係るPLL制御装置の出力は、14ビットの高精度である。しかし、PLL制御装置からの出力頻度は、約16msに1回の低速となる。
【0050】
本実施の形態に係るPLL制御装置では、VCXO94を用いているため、前段にD/A変換器104が必要となるが、一般に、14ビット程度の高精度の分解能を有するD/A変換器は高価である。一方、VCXO94に換えてDCXOを用いた場合、高精度のD/A変換器は不要であるが、DCXO自体が14ビットの高精度が要求されるので、多数の高精度キャパシタが必要となってくるため、これまた高価となる。
【0051】
そこで、発明者らは、この周期約16msの間に、高精度な14ビットのデータを時間的に分散して出力することにより、コストの削減と高精度化という一見相反する要求を満足することができるものと理解した。時間分散制御回路103は、その実現手段である。つまり、本実施の形態に係るPLL制御装置では、比較的安価な10ビットの分解能を有するD/A変換器104を用いるとともに、時間分散制御回路103は、2次PLL回路102から供給される14ビットのデータを時間的に分散して複数回(例えば、16回)に分けて10ビットのデータとして出力するのである。
【0052】
具体的には、異なる10ビットのデータを1個のマスタフレームが送信される約16ms内に16回順次転送する。これにより、転送される情報量は、10ビット×16回=160ビットとなり、14ビットの情報が1回転送される情報空間と比較して多くの情報量がVCXO94又はDCXOに転送できることになる。前述した手法をPLL制御装置に適用するので、時間積分の結果として14ビットの精度が得られれば良く、かつ、本来解決すべき課題であるジッタの低減の観点から、14ビットのデータと10ビットのデータの差分の4ビット情報に基づいて、160ビットの情報空間からジッタが少ない符号パターンを抜き出し、これを元々の10ビットのデータに加算して転送することにより、低コストで十分な精度(今の場合、14ビットの精度)の実現が可能となる。
【0053】
以下、本実施の形態について、さらに詳細に説明する。
図5は、本実施の形態に係るPLL制御装置の特徴である時間分散制御回路103の構成を示すブロック図である。この時間分散制御回路103は、低速で高精度の2次PLL回路102の14ビットの出力データを高速で低精度の10ビットの分解能を有するD/A変換器104に供給することにより、D/A変換器104の出力信号をVCXO94に供給し、VCXO94における高速で低精度の制御により、最終的に等価的な低速で高精度の制御を得るものである。
【0054】
時間分散制御回路103は、上位10ビット分離回路111と、下位4ビット分離回路112と、時間分散ROM(符号発生回路)113と、加算器114とから構成されている。図4に示す2次PLL回路102からは、15ビット目を丸めて有効ビット数14ビットの低速で高精度の情報(今の場合、約16msのマスタフレームに1回、14ビットの信号出力)が上位10ビット分離回路111及び下位4ビット分離回路112に供給される。
【0055】
上位10ビット分離回路111は、図4に示す2次PLL回路102から供給された14ビットの低速高精度情報から上位10ビットを分離する。一方、下位4ビット分離回路112は、図4に示す2次PLL回路102から供給された14ビットの低速高精度情報から下位4ビットを分離する。これにより、14ビットの低速高精度情報は、それぞれ上位及び下位に分離される。
【0056】
図6は、図5に示す時間分散ROM113の内容の一例を示す図である。この時間分散ROM113の内容は、+LSB又は0の時系列信号であるため、1又は0の時間分散制御パターンとなっている。図6において、総和とは、時間分散した結果を加算した結果を示している。また、図7及び図8は、それぞれ時間分散ROM113の下位4ビットが4である場合及び12である場合の具体的な出力内容の一例を示す図である。図7及び図8からは、時間分散制御パターンが可能な限り均等に分散した形となっていることが分かる。つまり、時間分散ROM113のから出力される時間分散制御パターンは、エネルギが部分的に集中せず、また形状としても均等となっていることから、余分なジッタが発生しない形を実現している。
【0057】
下位4ビット分離回路112から出力された下位4ビットは、前述した時間分散ROM113により、16サンプルの時間分散制御パターンに変換される。この時間分散制御パターンは、加算器114において、上位10ビット分離回路111から供給される上位10ビットの値と加算される。これにより、高速で低精度(時間長が約16msのマスタフレームに10ビットの信号を16回所定間隔で出力)の出力信号が得られる。
【0058】
図9は、図5に示す時間分散制御回路103から出力される16通りの時間分散制御パターンを時間積分した結果の一例を示す図である。図9において、aは下位4ビットが「0」の場合、bは下位4ビットが「1」の場合、cは下位4ビットが「2」の場合、dは下位4ビットが「3」の場合の時間積分結果の一例である。同様に、eは下位4ビットが「4」の場合、fは下位4ビットが「5」の場合、gは下位4ビットが「6」の場合、hは下位4ビットが「7」の場合の時間積分結果の一例である。iは下位4ビットが「8」の場合、jは下位4ビットが「9」の場合、kは下位4ビットが「10」の場合、lは下位4ビットが「11」の場合の時間積分結果の一例である。mは下位4ビットが「12」の場合、nは下位4ビットが「13」の場合、pは下位4ビットが「14」の場合、qは下位4ビットが「15」の場合の時間積分結果の一例である。
【0059】
図9からは、最終的に、16通りの積分結果が設計通り0〜15(の計16通り)段階の値になっていることが分かる。この時間積分結果は、14ビットの低速高精度のD/A変換器を使用した場合の時間積分結果と一致している。つまりこの時間分散制御回路103を用いることにより、等価的に低速で高精度の制御が得られたことが分かる。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、最大で2400台の遊技機(端末)1がホールに設置され、親機34と中継機4を介して接続されるような大規模なシステムにおいて、PLCモデムを構成するPLL制御装置に時間分散制御回路103を用いている。これにより、図2に示すマスタフレーム内で送信するビーコン信号BC1及びBC2は、1個のマスタフレーム当たり1回で良いため、オーバーヘッドが増大することなく、MAC効率を向上させることができるとともに、低コストで高精度のPLL制御装置を実現することができる。これにより、前述した大規模なシステムにおいて、データ通信の最大実効速度を確保することができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述した実施の形態では、VCXO94及びD/A変換器104を設ける例を示したが、これに限定されず、VCXO94及びD/A変換器104に換えて、ディジタル制御水晶発振器(DCXO)を設けても良い。VCXO94及びDCXOの両方を含む概念として、「可変発振器」を挙げることができる。
【0062】
また、上述した実施の形態では、子機2を構成するPLCモデム61の構成のみについて説明した。中継機4、親機34及び34並びに子機46を構成するPLCモデムの構成は、接続部68の構成以外は、前述したPLC61の構成と異なることはない。ただし、各PLCモデムが取り扱う信号、データや実行されるプログラム等が異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係るPLL制御装置を適用したPLCシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るPLCシステムで送受信されるマスタフレームの構成の一例を示す図である。
【図3】子機を構成するPLCモデムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るPLL制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示すPLL制御装置を構成するタイミング同期部の一部である時間分散制御回路の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示す時間分散制御回路を構成する時間分散ROMの内容の一例を示す図である。
【図7】図6に示す時間分散ROMの内容のうち、下位4ビットが4である場合の一例を示す図である。
【図8】図6に示す時間分散ROMの内容のうち、下位4ビットが12である場合の一例を示す図である。
【図9】図5に示す時間分散制御回路から出力される16通りの時間分散制御パターンを時間積分した結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1…遊技機(端末)、2,46…子機、3…島、4…中継機、5,8,11,24,25,26,38,42,47…電源ケーブル、6,32,33…32分岐回路、7,35…分岐アダプタ(分岐ADP)、9,22…変圧器、10,37,37,49,50,51,53…通信線、21…受電設備内分電盤、23…6分岐回路、31…フロア入口分電盤、34,34…親機、41…ホール内監視室、43…壁コンセント、44…サーバ、45…ホール内LAN、48…差し込みプラグ、52…WAN、54…センタ内サーバ、61…PLCモデム、62…ディジタル部、63…アナログ部、64…電源部、65…送信ドライバ回路(DV)、66…トランス、67…コモンモードチョーク(CMC)、68…接続部、71…PLCメディアアクセス(PLC−MAC)制御部、72…多重化処理部、73…多重分離処理部、74…スクランブラ(SCR)・和分回路、75…信号点発生部(同期信号発生手段)、76…逆高速フーリエ変換部(IFFT)、77…変調部(MOD)、78,104…D/A変換器、79…A/D変換器、80…復調部(DEM)、81…高速フーリエ変換部(FFT)、82…タイミング同期部(TIM抽出&PLL)、83…信号点判定部、84…差分・デスクランブル(DSCR)回路、85…コントローラ(CPU)、86…インターフェイス、87…PLCスイッチ部(PLC−SW)、91…第1ローパスフィルタ(LPF)、92…ハイパスフィルタ及びゲインスイッチ部(HPF&GSW)、93…第2LPF、94…電圧制御型水晶発振器(VCXO)、95…電源出力部、96…電源フィルタ、101…タイミング抽出回路、102…2次PLL回路(PLL部)、103…時間分散制御回路、111…上位10ビット分離回路、112…下位4ビット分離回路、113…時間分散ROM(符号発生回路)、114…加算器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号からタイミング成分を抽出するタイミング抽出部と、
前記抽出されたタイミング成分の位相及び/又は周波数に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する第1のビット数のデータを出力するPLL部と、
前記PLL部から出力された前記第1のビット数のデータを前記第1のビット数よりも小さい第2のビット数のデータに時間的に分散して複数回に分けて出力する時間分散制御回路と、
前記時間分散制御回路から出力された前記第2のビット数のデータに基づいて、出力信号の周波数を制御する可変発振器と
を備えていることを特徴とするPLL制御装置。
【請求項2】
前記時間分散制御回路は、前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット情報に基づいて複数個の符号系列を発生するとともに、発生した各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する
ことを特徴とする請求項1に記載のPLL制御装置。
【請求項3】
前記時間分散制御回路は、
前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータを分離する上位ビット分離回路と、
前記第1のビット数のデータの最下位ビットから前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット数分のデータを分離する下位ビット分離回路と、
前記下位ビット分離回路から供給されるデータに基づいて、複数個の符号系列を発生する符号発生回路と、
前記符号発生回路から供給される各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する加算器と
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のPLL制御装置。
【請求項4】
入力信号から抽出したタイミング成分に応じて自身のクロック信号の位相及び/又は周波数を制御する第1のビット数のデータを出力する第1の過程と、
前記第1のビット数のデータを前記第1のビット数よりも小さい第2のビット数のデータに時間的に分散して複数回に分けて出力する第2の過程と、
前記第2のビット数のデータに基づいて、出力信号の周波数を制御する第3の過程と
を有することを特徴とするPLL制御方法。
【請求項5】
前記第2の過程では、前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット情報に基づいて複数個の符号系列を発生するとともに、発生した各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する
ことを特徴とする請求項4に記載のPLL制御方法。
【請求項6】
前記第2の過程は、
前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータを分離する第4の過程と、
前記第1のビット数のデータの最下位ビットから前記第1のビット数のデータと前記第2のビット数のデータとの差分のビット数分のデータを分離する第5の過程と、
前記第5の過程で得られたデータに基づいて、複数個の符号系列を発生する第6の過程と、
各前記符号系列を、前記第1のビット数のデータの最上位ビットから前記第2のビット数分のデータに加算する第7の過程と
を有していることを特徴とする請求項4に記載のPLL制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−10773(P2010−10773A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164572(P2008−164572)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】