説明

mGLuR4増強剤としての置換されたベンゾイミダゾールスルホンアミド類および置換されたインドールスルホンアミド類

mGLuR4増強剤として、置換されたベンゾイミダゾールスルホンアミド類および置換されたインドールスルホンアミド類が開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
アミノ酸 L-グルタメート (本明細書では単にグルタメートと呼ばれる)は、哺乳類の中枢神経系(CNS)における、主な興奮性神経伝達物質である。CNS内で、グルタメートはシナプス可塑性(例えば長期増強電位(学習および記憶の基礎)、運動制御および知覚において重要な役割を果たしている。現在、限定されないが、統合失調症 一般的精神病および認知障害を含む種々の神経および精神疾患は、グルタメート作動系における機能不全に関連することが十分に理解されている。したがって、グルタメート作動系の調節が治療の重要な目標である。グルタメートは、2つの異なる受容体:イオンチャンネル型および代謝型グルタメート受容体を通して作用する。第一のクラスのイオンチャンネル型グルタメート受容体は、興奮性ポストシナプス電流を仲介する複数のサブユニットリガンドゲート化イオンチャンネル(multi-subunit ligand-gated ion channels)からなる。イオンチャンネル型グルタメート受容体の3つのサブタイプは同定されており、グルタメートは3つの全ての受容体サブタイプに対してアゴニストとして働くにもかかわらず、各サブタイプを活性化する選択的リガンドが発見されている。イオンチャンネル型グルタメート受容体は、それらのそれぞれの選択的なリガンドにちなんで、カイネート受容体、AMPA受容体およびNMDA受容体と名前が付けられている。
【0002】
代謝型グルタメート受容体(mGluR)と呼ばれるグルタメート受容体の二番目のクラスは、それらの場所(プレ-またはポスト-シナプス)に基づいて神経伝達物質放出またはシナプス伝達の強度を調節するG-タンパク質共役受容体(GPCR)である。mGluRは、受容体のアミノ末端ドメインでの大きな(〜560アミノ酸)「ハエジゴク(venus fly trap)」アゴニスト結合ドメインによって特徴付けられるCファミリーのGPCRである。この特有のアゴニスト結合ドメインは、CファミリーGPCRを、AおよびBファミリーGPCRから区別し、該アゴニスト結合ドメインは、7-ストランド(strand)膜貫通(7TM)領域内またはこの領域にストランドを結合する細胞外ループ内に位置する。今まで、8つの異なるmGluRが同定され、クローン化され、および配列決定がされている。構造的類似性、細胞内シグナル経路への第一のカップリング、および薬理学に基づいて、mGluRは、3つのグループ:グループI (mGluRlおよびmGluR5)、グループII (mGluR2およびmGluR3)およびグループIII (mGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8)に割り当てられている。グループIのmGluRは、Gαq/11により結合され、イノシトールリン酸および代謝を増加させ、その結果、細胞内カルシウムを増加させる。グループIのmGluRは、主としてポストシナプスに位置し、イオンチャンネル活性化および神経細胞の興奮性において調節効果を有する。グループII (mGluR2およびmGluR3)およびグループIII (mGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8)の mGluRは、主としてプレシナプスに位置し、そこで、グルタメートのような神経伝達物質の放出を調節する。グループIIおよびグループIIIのmGluRは、Gαiおよびアデニル酸シクラーゼのようなその関連エフェクターに結合される。
【0003】
mGluR4は、グループIII mGluRのサブファミリーに属し、主に中枢神経系のプレシナプス部に位置し(Benitez ら, 2000; Bradleyら, 1996; Bradleyら, 1999; Mateosら, 1998; Phillipsら, 1997)、そこでGABAおよびグルタメートの両方の放出を制御するために、それは自己-およびヘテロ-受容体としての役割を果たす。mGluR4はまた、いくつかのポストシナプス部で低レベルで発現することが示されている (Benitezら, 2000)。多くの報告は、mGluR4がほとんどの脳の領域、特に大脳基底核の機能(Bradleyら, 1999; Cortiら, 2002; Kuramotoら, 2007; Marino ら, 2003a)、学習および記憶(Bradleyら, 1996)、視覚(Akazawaら, 1994; Koulenら, 1996; Quraishiら, 2007)、小脳機能(Makoffら, 1996)、摂食および視床下部ホルモンの調節(Florら, 1995)、睡眠および覚醒(Noriegaら, 2007)ならびに他の多くにおいて重要な役割を果たすことが知られているニューロンにおいて発現されていることを示している。現在、パーキンソン病(Battagliaら, 2006; Lopezら, 2007; Marinoら, 2005; Marinoら, 2003b; Ossowskaら, 2007; Valentiら, 2003)、不安神経症(Stachowiczら, 2006; Stachowiczら, 2004)、アルコール摂取後の運動作用(Blednovら, 2004)、神経運命拘束(neurogenic fate commitment)およびニューロンの生存(Saxeら, 2007)、てんかん(Chapmanら, 2001; Pitschら, 2007; Sneadら, 2000; Wangら, 2005)および癌、特に髄芽腫(Iacovelliら, 2004)におけるmGluR4調節の役割を記載している多くの文献がある。
【0004】
さらに、(ランゲルハンス島に発現された)mGluR4受容体の活性化が、グルカゴン分泌を阻害するだろうとの証拠がある(Ueharaら, 2004)。したがって、mGluR4の活性化は、低血糖症、2型糖尿病および肥満のようなグルコース代謝の欠陥を含む障害の効果的な治療法になり得る。
【0005】
また、グループIII mGluR、特にmGluR4の活性化は、多発性硬化症のような神経炎症性疾患および関連障害の効果的な治療法になり得る(Besongら, 2002)。
【0006】
味覚組織に発現するmGluR4受容体の2つの変異型があり、それゆえ、mGluR4の活性剤は、味覚エンハンサー、特定の味覚の阻害または風味剤、香味剤もしくは他の食品添加物として用いられ得る(Kurihara, 2009; Chaudhariら, 2009)。
【0007】
mGluR4研究の進展にも拘らず、グルタメート作動性神経伝達機能不全および疾患に関連する神経障害および精神障害、ならびに炎症性中枢神経系障害、髄芽腫、グルタメート作動性機能不全に関連する代謝性障害および味覚増強、ならびにmGluR4受容体が関与する疾患の治療にも効果的である、mGluR4を効果的に増強する化合物の不足がまだある。さらに、慣用のmGluR4受容体調節剤は、一般的に満足のいく水溶解度を欠いており、乏しい経口生物学的利用能を示す。これらの要求および他の要求は本発明によって満足される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的によれば、本明細書に具体化され、幅広く記載されているように、一つの態様において、本発明は、mGLuR4増強剤としての置換されたベンゾイミダゾールスルホンアミド類および置換されたインドールスルホンアミド類に関する。
もう一つの態様は、mGLuR4受容体活性のアロステリック(allosteric)調節剤として有用な化合物、それを作る方法、それを含む医薬組成物、およびそれを用いてグルタメート機能不全に関連する神経および精神疾患、例えばパーキンソン病を治療する方法に関する。さらに、mGluR4活性に関連する疾患の治療方法および治療に有用な医薬組成物を開示する。一つの態様において、開示される化合物は、それ自身、オルトステリック(orthosteric)アゴニスト結合部位に結合することなくか、またはオルトステリックアゴニストとして作用することなく、mGluR4受容体のアゴニストに対する感受性に影響を及ぼすことができる。
【0009】
哺乳類における神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全またはmGluR4活性に関連するその他の疾患状態の治療方法が開示され、前記化合物は、次の式:
【0010】
【化1】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有するか、またはその医薬的に許容な誘導体である。
【0011】
式:
【化2】

【0012】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つを、対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量で対象物に投与する工程を含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法も開示される。
【0013】
少なくとも一つの化合物を、少なくとも一つの細胞のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な量で少なくとも一つの細胞に接触させる工程を含む、少なくとも一つの細胞のmGluR4受容体活性を増強する方法も開示され、前記少なくとも一つの細胞のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な量での化合物が、式:
【化3】

【0014】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体である。
【0015】
式:
【化4】

【0016】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の治療的に有効な量ならびに医薬的に許容な担体を含む医薬組成物も開示される。
【0017】
mGluR4受容体活性増強のための化合物の使用も開示され、前記化合物が、式:
【化5】

【0018】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体である。
【0019】
mGluR4受容体活性に関連する症状の治療用医薬の製造における化合物の使用も開示され、前記化合物が、式
【化6】

【0020】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体である。
【0021】
式:
【化7】

【0022】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物もしくはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つ、および一以上のmGluR4受容体アゴニスト、mGluR4受容体活性増強することが知られている剤もしくはmGluR4受容体活性が知られている剤を含むキットも開示される。
【0023】
式:
【化8】

【0024】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;ここで、Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり;Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物もしくはその医薬的に許容な誘導体も開示される;但し、R1 およびR2 の両方が水素であり;Y がNまたはC-Hであり;Z1、Z2およびZ3 が全てC-Hであるとき;Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリル、または4-チアゾリルであり;かつCy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである。
【0025】
構造:
【化9】

【0026】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択され;Xは脱離基である]
を有する化合物を用意し、構造:
【0027】
【化10】

(式中、R2 は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキルまたは加水分解性残基であり; Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10有機残基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法も開示される。
【0028】
構造:
【化11】

【0029】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
を有する化合物を用意し、構造:
【0030】
【化12】

(式中、Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機酸基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法も開示される。
【0031】
構造:
【化13】

【0032】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
を有する化合物を用意し、構造:
【0033】
【化14】

(式中、Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法も開示される。
【0034】
構造:
【化15】

【0035】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択され;Mは対イオンである]
を有する化合物を用意し、構造:
【0036】
【化16】

(式中、R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である)
を有する化合物と反応させることを含む、化合物を製造する方法も開示される。
【0037】
少なくとも一つの細胞を、少なくとも一つの細胞のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な量で、開示される少なくとも一つの化合物と接触させる工程を含む、少なくとも一つの細胞のmGluR4活性を増強する方法も開示される。
【0038】
対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量における、開示される少なくとも一つの化合物の治療的に有効な量を対象物に投与することを含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法も開示される。
【0039】
哺乳類のmGluR4神経伝達機能不全もしくは他のmGluR4介在疾患状態に関連する障害を治療するのに有効な投薬量および量で、開示される少なくとも一つの化合物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の前記障害を治療する方法も開示される。
開示される方法の生成物も開示される。
【0040】
式:
【化17】

【0041】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物もしくはその医薬的に許容な誘導体を組み合わせることを含む、哺乳類のmGluR4受容体活性を増強する医薬の製造方法も開示される。
【0042】
哺乳類のmGluR4受容体活性を増強するための化合物の使用も開示され、ここで、前記化合物は、式:
【化18】

【0043】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有するかまたはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体である。
【0044】
哺乳類のmGluR4活性に関連する神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化19】

【0045】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を代謝型グルタメート受容体活性を増大することの知られている副作用を有する薬物と一緒に哺乳類に併用投与(co-administering)する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法も開示される。
【0046】
哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化20】

【0047】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を、代謝型グルタメート受容体活性を増大することに関連する障害を治療することの知られている薬物と共に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法も開示される。
【0048】
哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化21】

【0049】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を、神経伝達機能不全を治療することの知られている薬物と共に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法も開示される。
【0050】
式:
【化22】

【0051】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体、ならびに一以上の代謝型グルタメート受容体活性を増大することの知られている副作用を有する薬物、代謝型グルタメート受容体活性を増大することに関連する障害を治療することの知られている薬物および/または神経伝達機能不全を治療することの知られている薬物を含むキットも開示される。
【0052】
本発明のさらなる利点は、以下の記載の一部に述べられ、該説明から部分的に明らかになるか、または本発明の実施により習得され得る。本発明の利点は、添付の請求項において、特に指摘される要素および組み合わせにより実現され、得られる。前述の一般的記載および以下の詳細な説明の両方は、単に例示および説明であって、特許請求される本発明を制限しないことを理解されたい。
【0053】
本発明は、本発明の以下の詳細な説明および本明細書に含まれる実施例を参照することによりさらに容易に理解され得る。
【0054】
本化合物、組成物、物品、システム、デバイスおよび/または方法を開示および記述する前に、特別の定めのない限り、特定の合成方法、または特別の定めのない限り、特定の試薬に限定されず、したがって、当然、異なり得ることを理解されたい。また、本明細書に使用される用語は、特定の態様を記載するためのものであり、限定を意図するものではないことを理解されたい。本明細書に記載されるものと同様のまたは等価なあらゆる方法および材料は、本発明の実施または試験において使用されることができるが、実施例の方法および材料がここで記載される。
【0055】
本発明の態様は、システム法定クラスのような特定の法定クラスに記載され、特許請求されることができるが、これは便宜上のみで、本発明のそれぞれの態様は、任意の法定クラスに記載され特許請求されることができることを当業者は理解するであろう。別に明確に記載されていなければ、本明細書に示される任意の方法または態様は、その工程が特別な順で行われることを要求するものと解釈されることを決して意図しない。したがって、方法請求項が、その工程が特定の順序に限定されることを、その請求項または説明に具体的に示していない場合には、いかなる点においても、順序が推定されることを決して意図しない。このことは、工程もしくは操作フローの配列、文法構成または句読点に由来する明白な意味、または本明細書に記載される態様の数もしくはタイプに関する理論的な事項を含む解釈のための任意の可能な非明示の根拠に適用される。
【0056】
この出願を通じて、種々の刊行物が言及される。これらの刊行物の開示がそっくりそのまま、この出願に関連する技術の状況をより完全に記載するために、参照として本明細書に組み込まれる。開示される参照はまた、該参照が依存する文中で議論される、それらの中に含まれる材料に対する参照として、本明細書に個々にかつ明確に組み込まれる。本明細書には、先願発明に基づいて本発明がこのような刊行物に先行する権利がないことが認められると解釈されるものは何もない。さらに、本明細書に提供される刊行物の日付は、実際の刊行日とは異なる場合があり、独立して確認する必要があり得る。
【0057】
A.定義
本明細書および添付の請求項に使用される、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に違ったふうに指示していなければ、複数形の意味も含む。したがって、例えば、「官能基(a functional group)」、「アルキル(an alkyl)」または「残基(a residue)」の意味は、2個以上のそのような官能基、アルキル、または残基等の混合物を含む。
【0058】
範囲は、「約」ある特定値から、および/または「約」別の特定値までとして本明細書に表現されることができる。そのような範囲が表現される場合、さらなる態様は、ある特定値から、および/または別の特定値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」の使用により、特定値がさらなる態様を形成することを理解されよう。それぞれの範囲の端点は、他方の端点と関連して、および他方の端点と関係せず、有意であることがさらに理解されよう。また、本明細書に開示される多くの値があり、各値はまた、その値自身に加えて「約」の特定値として、本明細書に開示されることも理解されたい。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。また、2つの特定の単位間の各単位もまた開示されることも理解されたい。例えば、10および15が開示
される場合、11、12、13および14もまた開示される。
【0059】
本明細書で使用される、有機化合物を含む化合物の命名は、一般名、命名に対するIUPAC、IUBMBまたはCAS推奨を用いて与えられることができる。1以上の立体化学特性が存在するとき、立体化学優先順位、E/Z 特定化等を指定するために立体化学に対するカーン‐インゴールド‐プレローグ則が用いられ得る。名前が与えられれば、当業者は、命名規則を用いる化合物構造の体系的変形(systemic reduction)によるか、あるいはCHEMDRAW(商標) (Cambridgesoft Corporation, U.S.A.)のような市販のソフトウェアのいずれかにより化合物の構造を容易に確定することができる。
【0060】
本明細書に使用される、「任意の」または「任意に」の用語は、それに続いて記載される事象または状況が起こり得るか、起こり得ないことを意味し、該記載は、該事象または状況が起こる例および起こらない例を含むことを意味する。
【0061】
明細書および結末請求項で用いられる化学種の残基は、その部分が化学種から実際に得られるかどうかに関係なく、特定の反応スキームまたはそれに続く構築または化学生成物において化学種から生じる生成物質である部分を意味する。したがって、ポリエステルにおけるエチレングリコール残基は、エチレングリコールがポリエステルを製造するのに用いられたかどうかに関係なく、ポリエステル中の1以上の-OCH2CH2O-単位を意味する。同様に、ポリエステル中のセバシン酸残基は、該残基が該ポリエステルを得るためにセバシン酸またはそのエステルを反応させることによって得られるかどうかに関係なく、ポリエステル中の1以上の-CO(CH2)8CO-部分を意味する。
【0062】
本明細書に使用される、「置換された」の用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが意図される。広範な態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環式および環式置換基、または分枝および非分枝置換基、炭素環および複素環置換基、ならびに芳香族および非芳香族置換基を含む。例示的な置換基は、例えば、以下に記載されるものを含む。許容される置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上でかつ同一または異なり得る。本開示のために、窒素のようなヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の水素置換基および/またはあらゆる許容される置換基を有することができる。本開示は、有機化合物の許容される置換基により、あらゆる手段において限定されることを意図されない。また、「置換」または「〜で置換される」の用語は、そのような置換が、置換された原子および置換基の許容される原子価にしたがい、置換が、安定化合物、例えば、転位、環化、脱離等によるような変化を自然発生的に行わない化合物をもたらすという暗黙の条件が含まれる。
【0063】
種々の用語を定義する際、「A1」、「A2」、「A3」、および「A4」は、種々の特定の置換基を表すために一般的な記号として本明細書に使用される。これらの記号は、本明細書に開示されるものに限定されず、任意の置換基であり得、一例において、ある置換基であるように定義される場合、別例において、一部の他の置換基として定義され得る。
【0064】
本明細書に使用される「アルキル」の用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等のような1〜24個の炭素原子、例えば1〜12個の炭素、1〜8個の炭素、1〜6個の炭素、または1〜4個の炭素の分枝または非分枝の飽和の炭化水素基である。アルキル基は、環式または非環式であり得る。アルキル基は、分枝または非分枝であり得る。アルキル基はまた、置換または非置換であり得る。例えば、アルキル基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1個以上の基で置換され得る。「低級アルキル」基は、1〜6個(例えば、1〜4個)の炭素原子を含むアルキル基である。「アルキル」の1つの例は、C1-6 アルキルである。
【0065】
本明細書にわたって、「アルキル」は、一般に、非置換アルキル基および置換アルキル基の両方を意味するために使用されるが、置換アルキル基はまた、アルキル基における特定の置換基を特定することにより本明細書に特定される。例えば、「ハロゲン化アルキル」の用語は、特に、1つ以上のハライド、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素で置換されるアルキル基を意味する。「アルコキシアルキル」の用語は、特に、以下に記載される、1つ以上のアルコキシ基で置換されるアルキル基を意味する。「アルキルアミノ」の用語は、特に、以下に記載される、1つ以上のアミノ基で置換されるアルキル基を意味する、等である。「アルキル」が、一例において使用され、「アルキルアルコール」のような特定の用語が別において使用される場合、「アルキル」の用語が、「アルキルアルコール」等のような特定用語も意味しないことを暗示することを意味するものではない。
【0066】
このプラクティス(practice)はまた、本明細書に記載される他の基にも使用される。すなわち、「シクロアルキル」のような用語は、非置換および置換シクロアルキル部分の両方を意味し、さらに、該置換部分は、本明細書に具体的に特定され得、例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば、「アルキルシクロアルキル」のように称することができる。同様に、置換アルコキシは、例えば、「ハロゲン化アルコキシ」のように具体的に称することができ、特定の置換アルケニルは、例えば、「アルケニルアルコール」等であり得る。さらにまた、「シクロアルキル」のような一般用語および「アルキルシクロアルキル」のような特定用語を使用するプラクティスは、該一般用語が特定用語も含まないことを暗示することを意味するものではない。
【0067】
本明細書に使用される「シクロアルキル」の用語は、少なくとも3個の炭素原子から構成される非芳香族炭素ベースの環である。シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[6.1.0]ノニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、およびビシクロ[3.3.1]ノニル等を含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクロアルキル」の用語は、上記に定義される、シクロアルキル基の一種であり、「シクロアルキル」の用語の意味の範囲内に含まれ、該環の少なくとも1個の炭素原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンのような、それに限定されないヘテロ原子と置き換えられる。ヘテロシクロアルキル基の例は、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパン、およびチアゾカンを含むが、これらに限定されない。
【0068】
シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含むが、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。
【0069】
本明細書に使用される「ポリアルキレン基」の用語は、互いに結合された2個以上のCH2基を有する基である。ポリアルキレン基は、「a」が2〜500の整数である、式-(CH2)a-により表され得る。
【0070】
本明細書に使用される「アルコキシ」および「アルコキシル」の用語は、エーテル結合を通して結合されるアルキルまたはシクロアルキル基を意味する。すなわち、「アルコキシ」基は、A1が上記に定義されるアルキルまたはシクロアルキルである、-OA1として定義され得る。「アルコキシ」はまた、ちょうど今記載されたアルコキシ基のポリマーを含む。すなわち、アルコキシは、「a」が1〜200の整数であり、A1、A2、およびA3がアルキルおよび/またはシクロアルキル基である、-OA1-OA2または-OA1-(OA2)a-OA3のようなポリエーテルであり得る。
【0071】
本明細書に使用される「アルケニル」の用語は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。(A1A2)C=C(A3A4)のような非対称構造は、EおよびZ異性体の両方を含むことが意図される。このことは、非対称アルケンが存在する本明細書の構造式において推定され得るか、または結合シンボルC=Cにより明白に示され得る。アルケニル基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含むが、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。
【0072】
本明細書に使用される「シクロアルケニル」の用語は、少なくとも3個の炭素原子から構成される非芳香族炭素ベースの環であり、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、すなわち、C=Cを含有する。シクロアルケニル基の例は、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、ノルボルネニル等を含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクロアルケニル」の用語は、上記で定義される、シクロアルケニル基の一種であり、「シクロアルケニル」の用語の意味の範囲内に含まれ、該環の少なくとも1個の炭素原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンのような、それらに限定されないヘテロ原子で置き換えられる。ヘテロシクロアルケニル基の例は、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパン、およびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルのモノ-、ジ-またはトリ-不飽和類似物を含むが、これらに限定されない。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含むが、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。
【0073】
本明細書に使用される「アルキニル」の用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する構造式を有する2〜24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、非置換であるか、または本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含むが、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。
【0074】
本明細書に使用される「シクロアルキニル」の用語は、少なくとも7個の炭素原子から構成される非芳香族炭素ベースの環であり、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する。シクロアルキニル基の例は、シクロへプチニル、シクロオクチニル、シクロノニニル等を含むが、これらに限定されない。「ヘテロシクロアルキニル」の用語は、上記で定義される、シクロアルキニル基の一種であり、「シクロアルキニル」の用語の意味の範囲内に含まれ、該環の少なくとも1個の炭素原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンのような、それらに限定されないヘテロ原子と置き換えられる。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、置換または非置換であり得る。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。
【0075】
本明細書に使用される「アリール」の用語は、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼン等を含むが、これらに限定されない、あらゆる炭素ベースの芳香族基を含有する基である。「アリール」の用語はまた、芳香族基の環内に組み込まれる少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族基を含有する基として定義される、「ヘテロアリール」も含む。ヘテロ原子の例は、窒素、酸素、硫黄、およびリンを含むが、これらに限定されない。同じく、「アリール」の用語にも含まれる、「非ヘテロアリール」の用語は、ヘテロ原子を含有しない芳香族基を含有する基を定義する。アリール基は、置換または非置換であり得る。アリール基は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含むが、これらに限定されない、1つ以上の基で置換され得る。「ビアリール」の用語は、アリール基の特定の一種であり、「アリール」の定義に含まれる。ビアリールは、ナフタレンにおけるように、縮合環構造を介して共に結合されるか、またはビフェニルにおけるように、1つ以上の炭素-炭素結合を介して結びつけられる、2個のアリール基を意味する。アリールの例は、フェニルおよびナフチルを含むが、これらに限定されない。ヘテロアリールの例は、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、インダゾリル、キノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、およびベンゾトリアゾリルを含むが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書に使用される「アルデヒド」の用語は、式-C(O)Hにより表される。本明細書にわたって、「C(O)」は、カルボニル基、すなわち、C=Oの略語である。
【0077】
本明細書に使用される「アミン」または「アミノ」の用語は、式NA1A2A3で表され、式中、A1、A2およびA3は、独立して、水素または本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。
【0078】
本明細書に使用される「カルボン酸」の用語は、式-C(O)OHにより表される。
【0079】
本明細書に使用される「エステル」の用語は、式-OC(O)A1 または-C(O)OA1により表され、式中、A1は、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。本明細書に使用される「ポリエステル」の用語は、式-(A1O(O)C-A2-C(O)O)a-または-(A1O(O)C-A2-OC(O))a-により表され、式中、A1 およびA2 は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得、「a」は1〜500の整数である。「ポリエステル」は、少なくとも2個のカルボン酸基を有する化合物と少なくとも2個のヒドロキシ基を有する化合物との間の反応により生成される基を記載するために使用される用語である。
【0080】
本明細書に使用される「エーテル」の用語は、式A1OA2により表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。本明細書に使用される「ポリエーテル」の用語は、式-(A1O-A2O)a-により表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得、「a」は、1〜500の整数である。ポリエーテル基の例は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびポリブチレンオキシドを含む。
【0081】
本明細書に使用される「ハライド」の用語は、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素)を意味する。
【0082】
本明細書に使用される「複素環」の用語は、環の要素の少なくとも一つが水素以外である、単環および多環の芳香族もしくは非芳香族環系を意味する。複素環は、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェン、ピロール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾールおよび1,3,4-オキサジアゾールを含むオキサジアゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾールおよび1,3,4-チアジアゾールを含むチアジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾールを含むトリアゾール、1,2,3,4-テトラゾールおよび1,2,4,5-テトラゾールを含むテトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジンおよび1,3,5-トリアジンを含むトリアジン、1,2,4,5-テトラジンを含むテトラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アゼチジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を含むが、これらに限定されない。
【0083】
本明細書に使用される「ヒドロキシ」の用語は、式-OHにより表される。
【0084】
本明細書に使用される「ケトン」の用語は、式A1C(O)A2により表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。
【0085】
本明細書に使用される「アジド」の用語は、式-N3により表される。
【0086】
本明細書に使用される「ニトロ」の用語は、式-NO2により表される。
【0087】
本明細書に使用される「ニトリル」の用語は、式-CNにより表される。
【0088】
本明細書に使用される「シリル」の用語は、式-SiA1A2A3により表され、式中、A1、A2およびA3は、独立して、水素または本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。
【0089】
本明細書に使用される「スルホ-オキソ」の用語は、式-S(O)A1、-S(O)2A1、-OS(O)2A1または-OS(O)2OA1により表され、式中、A1は、水素または本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。本明細書にわたって、「S(O)」は、S=Oの略語である。「スルホニル」の用語は、式-S(O)2A1により表されるスルホ-オキソ基を意味するために本明細書に使用され、式中、A1は、水素または本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。本明細書に使用される「スルホン」の用語は、式A1S(O)2A2により表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。本明細書に使用される「スルホキシド」の用語は、式A1S(O) A2により表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載される、任意に置換されたアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であり得る。
【0090】
本明細書に使用される「チオール」の用語は、式-SHにより表される。
【0091】
「有機残基」の用語は、炭素含有残基、すなわち、少なくとも1個の炭素原子を含む残基を定義し、本明細書の前記に定義される炭素含有基、残基、または基(radical)が挙げられるが、これらに限定されない。有機残基は、種々のヘテロ原子を含有するか、または酸素、窒素、硫黄、リン等を含むヘテロ原子を介して別の分子に結合することができる。有機残基の例は、アルキルもしくは置換アルキル、アルコキシもしくは置換アルコキシ、一置換もしくは二置換アミノ、アミド基等を含むが、これらに限定されない。さらに、限定されない例は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキリルを含むが、これらに限定されない。有機残基は、好ましくは、1〜18個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を含むことができる。さらなる態様において、有機残基は、2〜18個の炭素原子、2〜15個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜4個の炭素原子、または2〜4個の炭素原子を含むことができる。
【0092】
「残基」の用語の非常に近い同義語は、「基(radical)」の用語であり、本明細書および結末請求項に用いられる場合、どのように分子が製造されるかにかかわらず、本明細書に記載される分子のフラグメント、基(group)、またはサブ構造を意味する。例えば、特定の化合物において、2,4-チアゾリジンジオン基は、チアゾリジンジオンが該化合物を製造するために使用されるかどうかにかかわらず、構造
【0093】
【化23】

を有する。いくつか態様において、該基(例えば、アルキル)は、1つ以上の「置換分基」をそこに結合させることによりさらに修飾され得る(すなわち、置換されたアルキル)。所定の基において原子数は、本明細書の他の部分にそうでない旨が示されない限り、本発明に重要な意味を持たない。
【0094】
本明細書に定義され、使用される、用語「有機基」は、1個以上の炭素原子を含有する。例えば、有機基は、1〜26個の炭素原子、1〜18個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有し得る。さらなる態様において、有機基は、2〜26個の炭素原子、2〜18個の炭素原子、2〜12個の炭素原子、2〜8個の炭素原子、2〜6個の炭素原子、または2〜4個の炭素原子を有し得る。有機基は、しばしば、有機基の少なくともいくつかの炭素原子に結合する水素を有する。無機原子を含まない有機基のうちの一例は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル基である。いくつかの態様において、有機基は、そこに結合するか、またはその中に、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リン等を含む、1〜10個の無機へテロ原子を含むことができる。有機基の例は、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環、または置換複素環基を含むが、これらに限定されず、それらの用語は、本明細書の別の部分で定義される。ヘテロ原子を含む有機基のいくつかの限定されない例は、アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、アセトキシ基、ジメチルアミノ基等を含む。
【0095】
本明細書に定義され、使用される、用語「無機基」は、炭素原子を含まず、それゆえ、炭素以外の原子のみを含む。無機基は、水素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、セレン、ならびにフッ素、塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲンから選択される原子の結合された組み合わせを含み、それらの化学的に安定した組み合わせにおいて、個々に存在するか、または共に結合し得る。無機基は、共に結合される上記に記載されるように、10以下、または好ましくは1〜6個もしくは1〜4個の無機原子を有する。無機基の例は、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、チオール、サルフェート、ホスフェート等、および同様の一般に知られている無機基を含むが、これらに限定されない。無機基は、周期律表の金属元素(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド金属、またはアクチニド金属のような)をその中に結合しない。しかし、そのような金属イオンは、時には、サルフェート、ホスフェートのようなアニオン性無機基または同様のアニオン性無機基に対して医薬的に許容なカチオンとしての役割を果たす。一般的に、無機基は、本明細書の他の部分に特別に示されない限り、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、砒素、スズ、鉛、もしくはテルルのような半金属元素、または希ガス元素を含まない。
【0096】
いくつかの態様において、化合物の構造は、式:
【化24】

により表されることができ、それは、
【0097】
【化25】

(式中、nは一般的に整数である)
と等価であると理解されたい。それゆえ、Rn は5つの独立した置換基、Rn(a)、Rn(b)、Rn(c)、Rn(d)、Rn(e)を表すと理解されたい。「独立した置換基」により、R置換基は、それぞれ独立して定義され得ることが意味される。例えば、ある場合に. Rn(a) がハロゲンであるとき、その場合にRn(b) は必ずしもハロゲンでない。
【0098】
上記で定義される用語の特定の事例は、構造式において一度ならず起こり得る、そのような発現において、それぞれの用語は、他のものから独立して定義されるであろう。
【0099】
本明細書に使用される、「受容体の正のアロステリック調節剤」の用語は、動物、特に哺乳類、例えばヒトにおける、内因性リガンド(グルタメートのような)の存在下または不存在下で、該受容体の活性を直接または間接的に増加させる、あらゆる体外から投与される化合物または薬剤を意味する。「受容体の正のアロステリック調節剤」の用語は、「受容体アロステリック増強剤」または「受容体アロステリックアゴニスト」である化合物、ならびに「受容体アロステリック増強剤」と「mGluR受容体アロステリックアゴニスト」の両方としての混合された活性を有する化合物を含む。
【0100】
本明細書に使用される、「受容体アロステリック増強剤」の用語は、動物、特に哺乳類、例えばヒトにおける、受容体のオルトステリック部位に結合するとき、内因性リガンド(グルタメートのような)によって生み出される応答を直接または間接的に増加させる、あらゆる体外から投与される化合物または薬剤を意味する。該受容体アロステリック増強剤は、オルトステリック部位(アロステリック部位)以外の部位に結合し、アゴニストへの受容体の応答を正に増加させる。それは、受容体の脱感受性を誘発しないので、受容体アロステリック増強剤として化合物の活性は、純粋な受容体アロステリックアゴニストの使用に優る利点を提供する。そのような利点は、例えば、安全性の限界の増加、より高い忍容性、乱用の可能性の減少、および毒性の低下を含むことができる。
【0101】
本明細書に使用される、「受容体アロステリックアゴニスト」の用語は、動物、特に哺乳類、例えばヒトにおける、内因性リガンド(グルタメートのような)の不存在下で、該受容体の活性を直接増加させる、あらゆる体外から投与される化合物または薬剤を意味する。該受容体アロステリックアゴニストは、受容体のオルトステリックグルタメート部位に結合し、該受容体のオルトステリック部位に直接影響を及ぼす。
【0102】
本明細書に使用される、「対象物(subject)」の用語は、投与の対象を意味する。本明細書に開示される方法の対象物は、哺乳類、魚類、鳥類、爬虫類または両生類のような脊椎動物であり得る。したがって、本明細書に開示される方法の対象物は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたはげっ歯類であり得る。該用語は、特定の年齢または性を意味しない。したがって、雄性であろうと雌性であろうと、大人および新生の対象物、並びに胎児が対象とされることが意図される。患者は、疾患または障害を患っている対象物を意味する。「患者(patient)」の用語は、ヒトおよび動物の対象物を含む。
【0103】
開示される方法のいくつかの態様において、対象物は、投与工程の前に、1以上の神経および/または精神障害および/またはグルタメート機能不全に関連するあらゆる他の疾患状態の治療が必要と診断されている。開示される方法のいくつかの態様において、対象物は、投与工程の前に、代謝型グルタメート受容体活性の増強が必要と診断されている。開示される方法のいくつかの態様において、対象物は、投与工程の前に、代謝型グルタメート受容体活性のパーシャルアゴニズム(partial agonism)が必要と診断されている。いくつかの態様において、開示される方法は、開示される障害の治療の必要性を有する対象物を特定する工程をさらに含み得る。
【0104】
本明細書に使用される、「治療」の用語は、疾患、病態、または障害を、治療する、改善する、安定させるか、または予防する意図での、患者の医学的管理を意味する。この用語は、積極的治療、すなわち疾患、病態、または障害の改善に特に向けられた治療を含み、また、原因治療、すなわち関連疾患、病態、または障害の原因の排除に向けられた治療も含む。さらに、この用語は、緩和治療、すなわち疾患、病態、または障害の治癒よりもむしろ症状の緩和のために設計された治療、予防的治療、すなわち関連疾患、病態、または障害の進行を最小限にする、あるいは、部分的または完全に阻害することに向けられた治療、ならびに補助的治療、すなわち関連疾患、病態、または障害の改善に向けられた別の特定の治療を補完するために利用される治療を含む。種々の態様において、前記用語は、哺乳類(例えばヒト)を含む対象物のあらゆる治療に及び、(i) 疾患に罹りやすくなっているが、疾患を有するとまだ診断されていない対象物に疾患が発症することを防ぐこと;(ii) 疾患を抑制すること、すなわちその進展を止めること;または(iii) 疾患を取り除くこと、すなわち疾患の退行を引き起こすことを含む。ある態様において、対象物は霊長類のような哺乳類であり、さらなる態様において、対象物はヒトである。「対象物」の用語はまた、家庭的動物(例えばネコ、イヌ等)、家畜(ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)および実験動物(例えばマウス、ウサギ、ラット、モルモット、ショウジョウバエ等)を含む。
【0105】
本明細書に使用される、「予防する」または「予防」の用語は、特に事前の措置により、何かが生じるのを不可能にする、回避する、未然に防ぐ、未然に食い止める、停止させる、または妨害することを意味する。軽減する、阻害する、または予防するが本明細書に使用される場合、特別の定めのない限り、他の2つの単語の使用はまた、明白に開示されることを理解されたい。
【0106】
本明細書に使用される、「診断される」の用語は、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、診断され得るか、または本明細書に開示される化合物、組成物、または方法により治療され得る病状を有することが認められることを意味する。例えば、「mGluR4の増強により治療可能である障害と診断される」とは、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、診断され得るか、またはmGluR4を増強することができる化合物または組成物により治療され得る病状を有することが認められることを意味する。 さらなる例として、「mGluR4の増強が必要と診断される」とは、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、mGluR4活性により特徴付けられる病状を有することが認められることを意味する。そのような診断は、本明細書で議論されるように、制御されない細胞増殖等のような障害に関してであり得る。
【0107】
本明細書に使用される、「障害の治療が必要であると特定される」等の語句は、障害の治療の必要性に基づく、対象物の選択を意味する。例えば、対象物は、熟練者によるより早期の診断に基づいて、障害(例えば、mGluR4活性に関連する障害)の治療の必要性を有するとして特定され、その後、該障害の治療を受けることができる。ある態様において、前記特定は、診断を行う人とは異なる人によって行われ得ることが意図される。さらなる態様において、投与は、投与をその後に行う人によって行われることも意図される。
【0108】
本明細書に使用される、「代謝型グルタメート受容体活性の増強が必要と診断される」の用語は、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、診断され得るか、代謝型グルタメート受容体活性の増強により治療され得る病状を有することが認められることを意味する。
【0109】
本明細書に使用される、「代謝型グルタメート受容体活性のパーシャルアゴニズムが必要と診断される」とは、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、診断され得るか、代謝型グルタメート受容体活性のパーシャルアゴニズムにより治療され得る病状を有することが認められることを意味する。
【0110】
本明細書に使用される、「グルタメート機能不全に関連する、1以上の神経および/もしくは精神障害またはあらゆる他の疾患の治療が必要と判断される」とは、熟練者、例えば医者により理学的検査を受け、グルタメート機能不全に関連する、1以上の神経および/もしくは精神障害を有することが認められることを意味する。
【0111】
本明細書に使用される、「投与する」および「投与」の用語は、対象物への医薬製剤を提供するあらゆる方法を意味する。そのような方法は、当業者に公知であり、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻腔内投与、局所投与、膣内投与、眼内投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、ならびに静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、および皮下投与のような注射を含む非経口投与を含むが、これらに限定されない。投与は、継続的または間欠的であり得る。種々の態様において、製剤は、治療的に投与され得る、すなわち、既存の疾患または病状を治療するために投与される。さらに種々の態様において、製剤は、予防的に投与され得る、すなわち、疾患または病状を予防するために投与される。
【0112】
本明細書に使用される、「接触させる」の用語は、開示される化合物と細胞の標的ヒスタミン受容体、または他の生物学的存在(biological entity)とを、直接的、すなわち標的自身との相互作用によるか、あるいは間接的、すなわち標的の活性が依存するもう一つの分子、共同因子、因子またはタンパク質との相互作用するかのいずれかにより、標的(例えばスプライセオソーム、細胞等)の活性に影響を及ぼすことができる方法でくっつけることを意味する。
【0113】
本明細書に使用される、「有効量」の用語は、所望の結果を得るのに十分な量か、または望ましくない状態に影響を及ぼす量を意味する。例えば、「治療有効量」とは、所望の治療結果を得るか、または望ましくない症状において効果を及ぼすのに十分であるが、副作用を引き起こすのには一般的に不十分である量を意味する。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効量レベルは、治療される障害およびその障害の重篤度;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、一般健康、性別、および食事;投与の時間;投与経路;使用される特定の化合物の排出速度;治療の期間;使用される特定の化合物と組み合わせるか、または同時に使用される薬物を含む種々の要因、ならびに医療技術における公知の要因等に依存するであろう。例えば、所望の治療効果を達成するために必要とされるものよりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投与量を漸増することは、当該分野の十分な技術の範囲内である。必要なら、効果的な1日量は、投与のために複数回投与に分けることができる。それゆえに、単回の投与組成物は、そのような量、または、1日量を成すその分割量(submultiples)を含むことができる。該投与量は、あらゆる禁忌の事象において、個々の医師により調整され得る。投与量は変わり得、1日または数日間、1日当たり1回以上の用量投与において投与され得る。ガイダンスは、医薬品の所定のクラスに対する適切な投与量に関する説明書に見出され得る。さらに種々の態様において、製剤は、「予防的有効量」、すなわち、疾患または病状を予防するのに有効な量において投与することができる。
【0114】
「医薬的に許容な」の用語は、生物学的または他の点で好ましくなくはない、すなわち、望まない生物学的効果の許容できないレベルを引き起こすことがないか、有害な様式で相互作用することがない材料を表現する。
【0115】
本明細書に使用される、「医薬的に許容な担体」の用語は、無菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液、または乳剤、ならびに使用直前の無菌の注射液または分散液への再構成のための無菌粉末を意味する。適した水性または非水性担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のような)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適した混合物、植物油(オリーブ油のような)、およびオレイン酸エチルのような注入可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティング材の使用、分散の際に必要とされる粒度の維持、および界面活性剤の使用により維持され得る。これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤のようなアジュバントを含有し得る。微生物の作用の予防は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等のような種々の抗菌剤および抗真菌剤の包含により確保され得る。糖類、塩化ナトリウム等のような等張剤を含むことも望ましい。注入可能な医薬剤形の持続的吸収は、吸収を遅延する、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような薬剤の包含により引き起こされ得る。注入可能なデポー剤形は、ポリラクチド−ポリグリコライド、ポリ(オルトエステル)、およびポリ(無水物)のような生分解性のポリマー中の薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作製される。ポリマーに対する薬物の割合および利用される特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出の速度が、制御され得る。デポー型注入可能な製剤はまた、体内組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンにおいて薬物を封入することにより製造される。注入可能な製剤は、例えば、細菌保持濾過器を通して濾過により、または滅菌水に溶解されるか、または分散され得る無菌固体組成物、または使用直前に注入可能な他の無菌の注入可能な媒体の形態中に、滅菌剤を組み込むことにより、滅菌され得る。適した不活性担体は、乳糖のような糖類を含むことができる。望ましくは、活性成分の粒子の少なくとも95重量%は、0.01〜10マイクロメータの範囲の有効な粒径を有する。
【0116】
本明細書に使用される、「誘導体」の用語は、親化合物(例えば、本明細書に開示される化合物)の構造から誘導される構造を有し、その構造が、本明細書に開示される構造と十分に類似し、その類似性に基づいて、当業者により、請求項の化合物と同じかもしくは同様の活性および有用性を示すことが予測されるであろう化合物であるか、または請求項の化合物と同じかもしくは同様の活性および有用性を引き起こすための前駆体としての化合物を意味する。例示の誘導体は、親化合物の塩、エステル、アミド、エステルの塩もしくはアミドの塩、およびN-オキサイドを含む。
【0117】
「加水分解性残基」の用語は、例えば、塩基性または酸性条件下、加水分解を受けることができる官能基を指すことが意味される。加水分解性残基の例は、限定なしに、酸ハライドもしくは活性化カルボン酸、および当該技術で公知の種々の保護基(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」 T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Wiley-Interscience, 1999を参照)を含む。
【0118】
「脱離基」の用語は、それと一緒に結合電子を取り込み、安定な種として置き換えられ得る、電子吸引活性を有する原子(または原子のグループ)を意味する。好適な脱離基の例は、トリフレート、メシレート、トシレート、ブロシレートを含むスルホネートエステルおよびハライドを含む。
【0119】
本明細書に使用される、「EC50」は、生物学的過程、またはタンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボヌクレオタンパク質等を含む工程の成分の50% アゴニズムのために必要とされる物質(例えば化合物または薬物)の濃度を意味することが意図される。一つの態様において、EC50は、本明細書の別の場所でさらに定義されるように、インビボでの50% アゴニズムのために必要とされる物質の濃度を意味し得る。さらなる態様において、EC50は、ベースラインと最大応答の真ん中の応答を引き起こすアゴニストの濃度を意味する。
【0120】
本明細書に使用される、「IC50」は、生物学的過程、またはタンパク質、サブユニット、細胞小器官、リボヌクレオタンパク質等を含む工程の成分の50% 阻害のために必要とされる物質(例えば化合物または薬物)の濃度を意味することが意図される。一つの態様において、IC50は、本明細書の別の場所でさらに定義されるように、インビボでの50% 阻害のために必要とされる物質の濃度を意味し得る。さらなる態様において、IC50は、物質の最大阻害濃度(IC)の半分(50%)を意味する。
【0121】
本明細書に記載される化合物は、1つ以上の二重結合を含み、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体、ならびに他の立体配座異性体を潜在的に発生させ得る。別途そうでない旨が規定されない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のある異性体、ならびにそのような異性体の混合物を含む。
【0122】
別途そうでない旨が規定されない限り、くさび形あるいは破線ではなく、実線のみで示される化学結合を有する式は、それぞれに可能性のある異性体、例えば、それぞれの鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびにラセミまたは非ラセミ(scalemic)混合物のような異性体の混合物を意図する。本明細書に記載される化合物は、1つ以上の不斉中心を含むことができ、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体を潜在的に発生させ得る。別途そうでない旨が規定されない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のあるジアステレオマー、ならびにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋に分割された鏡像異性体、すべての可能性のある幾何異性体、ならびにその医薬的に許容な塩を含む。立体異性体の混合物、ならびに単離された特定の立体異性体もまた、含まれる。そのような化合物を製造するために使用される合成手順の過程中、または当業者に知られているラセミ化またはエピマー化手順を用いる際、そのような手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
【0123】
本発明の組成物を製造するために使用される成分、ならびに本明細書に開示される方法の範囲内で使用される組成物自体を開示する。これらおよび他の材料は、本明細書に開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループ等が開示される際、それぞれの種々の個別および集団的な組み合わせ、ならびにこれらの化合物の順列の具体的な参照が、明示的に開示され得ないが、それぞれが、本明細書に具体的に検討および記載されるように、開示されることを理解されたい。例えば、特定の化合物が、開示および議論され、その化合物を含む多くの分子に成され得る多くの修飾が論じられる場合、別途そうでない旨が示されない限り、化合物の各々およびあらゆる組み合わせおよび順列ならびに可能性のある修飾が、具体的に意図される。したがって、分子A、BおよびCのクラス、ならび分子D、EおよびFのクラスが、開示され、組み合わせ分子、A-Dの一例が開示される場合、それぞれ個別に列挙されない場合でも、それぞれが、個別および全体的に意図される、すなわち、組み合わせA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-EおよびC-Fが開示されると見なされることを意味する。同じく、これらのあらゆるサブセットまたは組み合わせもまた、開示される。したがって、例えば、A-E、B-FおよびC-Eのサブ-グループも開示されると見なされる。この概念は、本発明の組成物を作製および使用する方法における工程に含まれる、本明細書のすべての態様に適用される。したがって、行われ得る種々の追加の工程がある場合、これらの追加の工程のそれぞれが、あらゆる具体的な態様または本発明の方法の態様の組み合わせと共に行われ得ることを理解されたい。
【0124】
本明細書に開示される組成物は、ある機能を有することを理解されたい。本明細書に開示されるのは、開示される機能を行うためのある構造条件であり、開示される構造に関する同一の機能を行い得る種々の構造があり、これらの構造が、一般に、同一の結果を達成することを理解されたい。
【0125】
別に明確に記載されていなければ、本明細書に示される任意の方法は、その工程が特別な順で行われることを要求するものと解釈されることを決して意図しない。したがって、方法請求項が、その工程が特定の順序に限定されることを、その請求項または説明に別途具体的に示していない場合には、いかなる点においても、順序が推定されることを決して意図しない。このことは、工程もしくは操作フローの配列;文法構成または句読点に由来する明白な意味;および本明細書に記載される態様の数もしくはタイプに関する理論的な事項を含む、解釈のための任意の可能な非明示の根拠に適用される。
【0126】
B.化合物
一つの態様において、本発明は、mGluR4活性の増強剤として有用な、化合物またはその医薬的に許容な誘導体に関する。一般的に、開示されるそれぞれの誘導体は、任意にさらに置換され得るとことが意図される。いずれかの1以上の誘導体が本発明から任意に除外され得ることも意図される。開示される化合物は、開示される方法によって与えられることを理解されたい。開示される化合物は開示される使用の方法で用いられ得ることも理解されたい。本明細書に開示されるそれぞれの可変部は、明確に述べられていてもいなくても、互いに独立していることを理解されたい。例えば、「R1 およびR2 がフェニルであるかハロゲンである」の語句は、R1 およびR2 がそれぞれ独立して、フェニルまたはハロゲンであることを意味する。同様に、k、m、n等によって修飾されたそれぞれの置換基は、お互いに全て独立している。
【0127】
1.構造
一つの態様において、本発明は、式:
【化26】

【0128】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を含む化合物またはその医薬的に許容な誘導体に関する。
【0129】
さらなる態様において、本化合物は、置換されたベンズイミダゾールであり、式:
【化27】

で表される構造を有する。
【0130】
さらなる態様において、本化合物は、ベンズイミダゾールであり、式:
【化28】

で表される構造を有する。
【0131】
さらなる態様において、本化合物は、置換されたインドールであり、式:
【化29】

で表される構造を有する。
【0132】
さらなる態様において、本化合物は、インドールであり、式:
【化30】

で表される構造を有する。
【0133】
一つの態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり; Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)である。さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり; Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)であり;該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す。さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり;Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリル、または4-チアゾリルであり;Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチル、または4-シアノフェニルであり、Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)である。さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり;Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリル、または4-チアゾリルであり;Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチル、または4-シアノフェニルであり、Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)であり;該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す。
【0134】
一つの態様において、本発明は、式:
【化31】

【0135】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;ここで、Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、 3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり;Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を含む化合物もしくはその医薬的に許容な誘導体に関する;但し、R1 およびR2 の両方が水素であり;Y がNまたはC-Hであり;Z1、Z2およびZ3 が全てC-Hであるとき;Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリル、または4-チアゾリルであり;かつCy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである。
【0136】
さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり; Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)である。さらなる態様において、Y はC-R3(ここで、R3 は水素ではない)である。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 の少なくとも一つは水素ではない)である。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3 の少なくとも一つはNである。さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり;Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4(ここで、R4 は水素である)であり;該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す。
【0137】
さらなる態様において、本発明は、式:
【化32】

【0138】
(式中、R1 およびR2 は、独立して、水素または任意に置換されたC1〜C6 アルキルであり、Cy1 は任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたヘテロアリールであり、Cy2 は任意に置換されたフェニルまたは任意に置換されたピペリジンであり、Y はNまたはC-R3である)
で表される構造を含む化合物に関する。
開示される化合物は、開示される方法、組成物、キットおよび使用に関して用いられ得ると理解されたい。
【0139】
2.R1
一つの態様において、R1 は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基である。さらなる態様において、R1 は水素である。さらなる態様において、R1 は任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6 アルキルである。さらなる態様において、R1 は任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキシルから選択されるC3〜C6 シクロアルキルである。さらなる態様において、R1 は加水分解性残基である。
【0140】
3.R2
一つの態様において、R2 は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基である。さらなる態様において、R2 は水素である。さらなる態様において、R2 は任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6 アルキルである。さらなる態様において、R2 は任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキシルから選択されるC3〜C6 シクロアルキルである。さらなる態様において、R2 は加水分解性残基である。
さらなる態様において、R1 およびR2 の両方は水素である。
【0141】
4.Cy1
一つの態様において、Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である。さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルから選択されるC3〜C10 有機残基である。さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、フェニルおよびナフチルから選択されるアリールである。さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、インダゾリル、キノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾトリアゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0142】
さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[6.1.0]ノニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニルおよびビシクロ[3.3.1]ノニルから選択されるシクロアルキルである。
【0143】
さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルである。
【0144】
さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロへキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロノネニルおよびシクロノナジエニルから選択されるシクロアルケニルである。
【0145】
さらなる態様において、Cy1 は任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルのモノ-、ジ-またはトリ-不飽和類似物を含むヘテロシクロアルケニルである。
【0146】
さらなる態様において、Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルである。さらなる態様において、Cy1 はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルである。
【0147】
5.Cy2
一つの態様において、Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である。さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルから選択されるC3〜C10 有機残基である。さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、フェニルおよびナフチルから選択されるアリールである。さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、インダゾリル、キノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾトリアゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0148】
さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[6.1.0]ノニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニルおよびビシクロ[3.3.1]ノニルから選択されるシクロアルキルである。
【0149】
さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルである。
【0150】
さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロへキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロノネニルおよびシクロノナジエニルから選択されるシクロアルケニルである。
【0151】
さらなる態様において、Cy2 は任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルのモノ-、ジ-またはトリ-不飽和類似物を含むヘテロシクロアルケニルである。
【0152】
さらなる態様において、Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである。さらなる態様において、Cy2 は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである。
【0153】
6.R3
一つの態様において、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である。さらなる態様において、R3 は水素である。 さらなる態様において、R3 はハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである。さらなる態様において、R3 は任意に置換されたC1〜C6 有機残基である。さらなる態様において、R3 は任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6 有機残基である。
【0154】
7.R4
一つの態様において、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である。さらなる態様において、R4 は水素である。 さらなる態様において、R4 はハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである。さらなる態様において、R4 は任意に置換されたC1〜C6 有機残基である。さらなる態様において、R4 は任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6 有機残基である。
【0155】
8.Y 基
一つの態様において、Y はNまたはC-R3である。さらなる態様において、Y はNである。さらなる態様において、Y はC-R3である。
【0156】
9.Z 基
一つの態様において、Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4から選択され、ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3 は全てC-R4であり、ここでR4 は水素である。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3の一つはNである。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3の二つはNである。さらなる態様において、Z1、Z2およびZ3の三つはNである。さらなる態様において、Z1 はNである。 さらなる態様において、Z1 はC-R4である。さらなる態様において、Z2 はNである。さらなる態様において、Z2 はC-R4である。さらなる態様において、Z3 はNである。Z3 はC-R4である。
【0157】
10.典型的な化合物
種々の態様において、化合物は、式:
【化33】

【0158】
(式中、R2 は水素または任意に置換されたC1〜C6 アルキルであり、Cy2 は任意に置換されたフェニルまたはピペラジン(piperadine)であり、Cy1 は任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリールである)
で表される構造で存在し得る。さらなる態様において、Cy2 は少なくとも一つのハロゲンまたは任意に置換されたC1〜C6 アルキルで置換される。他の態様において、Cy1 ヘテロアリールは、任意に置換されたベンゾジオキソール、フラン、ピラン、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、ピペリジン、ピリジン、イソオキサゾール、ピラジン、チオフェンである。
【0159】
さらなる態様において、化合物は、次として存在し得る:
【0160】
【化34−1】

【0161】
【化34−2】

【0162】
【化34−3】

【0163】
【化34−4】

【0164】
【化34−5】

【0165】
C.化合物の製造方法
一つの態様において、本発明は、mGluR4活性に関連する障害の治療に役立ち得るmGluR4増強剤として有用な化合物の製造方法に関する。この発明の化合物は、文献で公知の他の標準的な操作に加えて、開示されるスキームに示される反応、本実験の部に例示されるかまたは当業者に明らかな反応を用いることにより製造され得る。明確にするために、多数の置換基が本明細書に開示される定義下で許される場所で、少数の置換基を有する例が示され得る。
【0166】
典型的な合成ルートが、次のスキーム 1に示される:
スキーム 1:方法 A
【化35】

【0167】
一般的に、本方法は、求核置換反応における、一級または二級アミンのスルホニルハライドとの反応を含む。出発物質は、製造できるか、商業的に入手できる。付加的塩基は、縮合された酸、HXを吸収するために用いられ得る。この変換は、置換されたベンズイミダゾール類、非置換のベンズイミダゾール類、置換されたインドール類、およびインドール類の製造に適用され得る。したがって、この反応の生成物はスルホンアミドであり、それは単離され得るか、または単離されない形態でもう一つの化学変換が行われ得る。
【0168】
したがって、一つの態様において、本発明は、構造:
【化36】

【0169】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択され;Xは脱離基である]
を有する化合物を用意し、構造:
【0170】
【化37】

(式中、R2 は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキルまたは加水分解性残基であり; Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10有機残基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法に関する。
【0171】
典型的な合成ルートが、次のスキーム 2に示される:
スキーム 2:方法 BおよびC
【化38】

【0172】
一般的に、本方法は、縮合反応における、アリール-1,2-ジアミン類似物のアルデヒドとの反応を含む。出発物質は、製造できるか、商業的に入手できる。必要なら、付加的脱水剤が、縮合物を吸収するために用いられ得る。この変換は、置換されたベンズイミダゾール類および非置換のベンズイミダゾール類の製造に適用され得る。したがって、この反応の生成物はベンズイミダゾールであり、それは単離され得るか、または単離されない形態でもう一つの化学変換が行われ得る。
【0173】
したがって、一つの態様において、本発明は、構造:
【化39】

【0174】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
を有する化合物を用意し、構造:
【0175】
【化40】

(式中、Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機酸基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法に関する。
【0176】
もう一つの態様において、本反応は熱的に行われる。さらなる態様において、本反応はマイクロウエーブ照射下で行われる。
【0177】
代替の合成ルートが、次のスキーム 3に示される:
スキーム 3:方法 D
【化41】

【0178】
一般的に、本方法は、アミド化/縮合反応順序における、アリール-1,2-ジアミン類似物のカルボン酸との反応を含む。出発物質は、製造できるか、商業的に入手できる。必要なら、付加的脱水剤が、縮合物を吸収するために用いられ得る。この変換は、置換されたベンズイミダゾール類および非置換のベンズイミダゾール類の製造に適用され得る。したがって、この反応の生成物はベンズイミダゾールであり、それは単離され得るか、または単離されない形態でもう一つの化学変換が行われ得る。必要なら、中間体アミドが単離され得ることも意図される。
【0179】
したがって、一つの態様において、本発明は、構造:
【化42】

【0180】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
を有する化合物を用意し、構造:
【0181】
【化43】

(式中、Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である)
を有する化合物と反応させる工程を含む、化合物を製造する方法に関する。
【0182】
代替の合成ルートが、次のスキーム 4に示される:
スキーム 4:方法 E
【化44】

【0183】
一般的に、本方法は、求核置換反応における、一級または二級アミンのベンズイミダゾールスルホネートの塩(例えばピリジニウム塩)もしくはインドールスルホネートの塩(例えばピリジニウム塩)との反応を含む。当業者により容易に理解されるであろうように、該塩は、例えばトリフリック無水物との反応によりその場所で親電子化合物に変換され、脱離基を形成し得る。出発物質は、製造できるか、商業的に入手できる。付加的塩基は、縮合された酸、HXを吸収するために用いられ得る。この変換は、置換されたベンズイミダゾール類、非置換のベンズイミダゾール類、置換されたインドール類、およびインドール類の製造に適用され得る。したがって、この反応の生成物はスルホンアミドであり、それは単離され得るか、または単離されない形態でもう一つの化学変換が行われ得る。
【0184】
したがって、一つの態様において、本発明は、構造:
【化45】

【0185】
[式中、R1は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択され;Mは対イオンである]
を有する化合物を用意し、構造:
【0186】
【化46】

(式中、R2は水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基である)
を有する化合物と反応させることを含む、化合物を製造する方法に関する。
【0187】
一つの態様において、本発明は、式:
【化47】

【0188】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の治療的に有効な量と医薬的に許容な担体とを組み合わせることを含む、哺乳類のmGluR4受容体活性を増強するための医薬の製造方法に関する。
【0189】
開示される方法は、開示される化合物、組成物、キットおよび使用に関連して用いられ得ることを理解されたい。
【0190】
D.医薬組成物
一つの態様において、本発明は、開示される化合物を含む医薬組成物に関する。すなわち、医薬組成物は、開示される少なくとも1つの化合物もしくは開示される方法の少なくとも1つの生成物の治療的に有効な量と医薬的に許容な担体とを含んで提供される。
【0191】
ある態様において、開示される医薬組成物は、活性成分として開示される化合物(その医薬的に許容な誘導体(例えば塩)を含む)、医薬的に許容な担体、および任意に、他の治療成分またはアジュバントを含む。本組成物は、経口投与、直腸投与、局所投与、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与に好適なものを含むが、任意の所定の場合において最適な経路は、特定の宿主、ならびに活性成分が投与される疾病の性質および重篤度に依存するであろう。医薬組成物は、簡便に単位剤形で提示され、薬学分野で公知のいずれかの方法により製造され得る。
【0192】
開示される化合物は、慣用の非毒性の医薬的に許容な担体、アジュバントおよび各投与ルートに適した賦形剤を含む適当な単位投与製剤で、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは点滴、皮下注射、またはインプラント)により、吸入噴霧、鼻、膣、直腸、舌下もしくは局所の投与ルートにより投与され得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル等のような温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に対して効果的である。本明細書に使用される、「組成物」の用語は、所定の量または割合で特定の成分を含む生成物、ならびに特定の量で特定の成分の組合せから直接的または間接的に生じるあらゆる生成物を包含することが意図される。医薬組成物に関するこの用語は、1つ以上の活性成分と不活性成分を含む任意の担体とを含む生成物、ならびに2つ以上の成分のいずれかの組合せ、複合または凝集からか、1つ以上の成分の解離からか、または1つ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用から直接的または間接的に生じるあらゆる生成物を包含することが意図される。一般的に、医薬組成物は、活性成分を液体担体または微粉化した固体担体あるいは両方と、均一かつ完全に会合させることにより、次いで必要なら、生成物を所望の製剤に成形することにより製造される。医薬組成物中に、活性な目的化合物は、疾患の過程または病状に所望の効果を生じるのに十分な量で含まれる。したがって、医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容な担体とを混合することにより作られるあらゆる組成物を包含する。
【0193】
本明細書に使用される「医薬的に許容な塩」の用語は、医薬的に許容な非毒性塩基または酸から製造される塩を意味する。本発明の開示される化合物が酸性である場合、その相当する塩は、無機塩基または有機塩基を含む、医薬的に許容な非毒性塩基から簡便に製造され得る。そのような無機塩基から生じる塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二銅および第一銅)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二マンガンおよび第一マンガン)、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩を含む。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、およびナトリウム塩である。医薬的に許容な有機非毒性塩基から生じる塩は、第1級、第2級、および第3級アミン、ならびに、自然発生置換アミンおよび合成置換アミンのような環状アミンおよび置換アミンの塩を含む。塩が形成され得る他の医薬的に許容な有機非毒性塩基としては、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等のようなイオン交換樹脂を含む。
【0194】
本明細書に使用される「医薬的に許容な非毒性酸」の用語は、無機酸、有機酸、およびそれらから製造される塩、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、および酒石酸である。
【0195】
実際には、本発明の化合物、またはそれらの医薬的に許容な塩は、慣用の医薬複合技術に従い、完全な混合物中の活性成分として、医薬担体と組み合せられ得る。担体は、投与に望ましい製剤の形態、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)に依存して多種多様の形態を取り得る。したがって、本発明の医薬組成物は、所定の量の活性成分をそれぞれ含有するカプセル、カシェ剤、または錠剤のような経口投与に好適な別個の単位として提示され得る。さらに、該組成物は、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型乳剤、または油中水乳液として提示され得る。上記に提示される一般の剤形に加えて、本発明の化合物、および/またはその医薬的に許容な塩はまた、制御された放出手段および/または送達デバイスにより投与され得る。組成物は、薬学の方法のいずれかにより製造され得る。一般に、そのような方法は、1つ以上の必要成分を構成する担体と活性成分を会合させるステップを含む。一般に、該組成物は、液体担体もしくは微粉化固体担体または両方と、活性成分を均一かつ完全に混合することにより製造される。次いで、製造物は所望の形態に簡便に仕上げられ得る。
【0196】
したがって、本発明の医薬組成物は、医薬的に許容な担体および本発明の化合物または該化合物の医薬的に許容な塩を含むことができる。本発明の化合物またはその医薬的に許容な塩はまた、1つ以上の他の治療的に活性な化合物と組み合わせて医薬組成物に含まれ得る。
【0197】
使用される医薬担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例は、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸を含む。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナツ油、オリーブ油、および水である。気体担体の例は、二酸化炭素および窒素を含む。
【0198】
経口剤形のための組成物を製造する際には、いずれかの簡便な医薬媒体が用いられ得る。例えば、水、グリコール、油、アルコール、着香剤、保存料、着色剤等を使用して、懸濁液、エリキシル剤、および溶液のような経口液体製剤を形成することができる一方で、デンプン、糖、微結晶性セルロール、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等のような担体を使用して、粉末、カプセル、および錠剤のような経口固体製剤を形成することができる。投与の容易さから、錠剤およびカプセルが、好ましい経口投薬単位であり、これらには、固体の医薬担体が使用される。任意に、錠剤を、標準的な水性または非水性の技法により被覆することができる。
【0199】
本発明の組成物を含有する錠剤は、任意に、1つ以上の補助成分またはアジュバントと共に、圧縮または成形することにより製造することができる。圧縮錠剤は、任意に、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤、または分散剤と混合された粉末または顆粒のような易流動形態の活性成分を、好適な機械で圧縮することにより製造することができる。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤された粉末化合物の混合物を、好適な機械で成形することにより作製することができる。
【0200】
本発明の医薬組成物は、活性成分として本発明の化合物(またはその医薬的に許容な塩)、医薬的に許容な担体、および、任意に、1以上の付加的治療剤またはアジュバントを含み得る。本組成物は、経口投与、直腸投与、局所投与、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与に好適な組成物を含むが、任意の所定の場合において最適な経路は、特定の宿主、ならびに活性成分が投与される疾病の性質および重篤度に依存するであろう。医薬組成物は、簡便に単位剤形で提示され、薬学分野で公知の方法のいずれかにより製造され得る。
【0201】
好適な非経口投与のための本発明の医薬組成物は、水中の活性化合物の溶液または懸濁液として調製することができる。好適な界面活性剤は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等を含むことができる。また、分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの油中混合物中で調製されることもできる。さらに、微生物の有害な成長を防止するために保存剤を含めることができる。
【0202】
注射用に好適な本発明の医薬組成物は、滅菌水溶液または分散液を含む。さらに、該組成物は、そのような滅菌注射用溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末の形態であってもよい。すべての場合、最終的な注射用形態は、無菌でなければならず、容易に注射できるように、効果的に流動性を有さなければならない。医薬組成物は、製造および保存条件下で安定でなければならず、したがって、好ましくは、細菌および真菌等の微生物の汚染作用から保護されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、植物油、およびそれらの好適な混合物を含む溶媒または分散媒体であり得る。
【0203】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、散布剤、洗口剤、うがい剤等のような局所使用に好適な形態であることができる。さらに、該組成物は、経皮デバイスでの使用に好適な形態であることができる。これらの製剤は、慣用の加工法により、本発明の化合物またはその医薬的に許容な塩を用いて製造することができる。一例として、クリームまたは軟膏は、所望の軟度を有するクリームまたは軟膏を製造するために、約5重量%〜約10重量%の該化合物と親水性材料および水を混合することにより製造される。
【0204】
本発明の医薬組成物は、担体が、固体である、直腸内投与に適する形態であることもできる。混合物は、単位用量の坐剤を形成することが好ましい。好適な担体は、カカオ脂、および当技術分野で一般に使用される他の材料を含む。坐剤は、軟化または溶融した担体と本組成物をまず混合し、次いで、型の中で冷却し、成形することにより簡便に形成され得る。
【0205】
上述の担体成分に加えて、上記に記載される医薬製剤は、必要に応じて、希釈剤、緩衝液、着香剤、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤、保存剤(酸化防止剤を含む)等のような1つ以上の追加の担体成分を含むことができる。さらに、製剤を所期の受容者の血液と等張するために、他のアジュバントを含めることができる。本発明の化合物および/またはその医薬的に許容な塩を含有する組成物はまた、粉末または液体濃縮物の形態で製造することもできる。
【0206】
開示される化合物の有効量と組み合わせて投与されるmGluRアゴニストの増強量は、1日につき体重1キログラム当たり0.1ミリグラム (0.1 mg/kg/day)〜約100 mg/kg/dayで変化することが予測され、開示される化合物の有効量を伴わずに投与されるときに同じ効果を与えるのに必要とされる量より少ないことが予測される。併用投与されるmGluRアゴニストの好ましい量は、当業者により決定され得る。
【0207】
代謝型グルタメート受容体活性の増強を必要とする病状の治療において、適切な用量レベルは、一般に、1日につき患者の体重1kg当たり約0.01〜500 mgであり、単一投与または複数回投与において投与され得る。好ましくは、投薬量レベルは、1日につき約0.1〜約250 mg/kg、さらに好ましくは、1日につき約0.5〜約100 mg/kgであり得る。好適な投薬量レベルは、1日につき約0.01〜250 mg/kg、1日につき約0.05〜100 mg/kg、または1日につき約0.1〜50 mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05〜0.5、0.5〜5.0または5.0〜50 mg/kgであり得る。経口投与のために、該組成物は、活性成分を1.0〜1000ミリグラム、特に、治療される患者の投薬量の症候性適合に対して活性成分の1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供されるのが好ましい。該化合物は、1日につき1〜4回、好ましくは、1日につき1回または2回の投与計画において、投与され得る。この投与計画は、最適な治療応答を提供するために調整され得る。
【0208】
しかしながら、あらゆる特定の患者に対する具体的な用量レベルおよび投薬の回数は、変化し得るし、用いられる具体的な化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、一般健康、性別、食事、投与の様式および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、特定の病状の重篤度、ならびに治療を受ける宿主を含む種々の要因に依存することを理解されたい。
【0209】
開示される医薬組成物は、本明細書でさらに議論されるように、上記の病状の治療に通常適用される、他の治療的に活性な化合物をさらに含み得る。
【0210】
したがって、一つの態様において、本発明は、式:
【化48】

【0211】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の治療的に有効な量と医薬的に許容な担体と含む医薬組成物に関する。
【0212】
さらなる態様において、医薬組成物は、開示される化合物の1以上のいずれかの治療的に有効な量と医薬的に許容な担体とを含み得る。さらなる態様において、医薬組成物は、開示されるいずれかの方法の1以上の生成物の治療的に有効な量と医薬的に許容な担体とを含み得る。一つの態様において、本発明は、開示される少なくとも一つの化合物または開示される方法の少なくとも一つの生成物を医薬的に許容な担体もしくは希釈剤と組み合わせることを含む医薬の製造方法に関する。
【0213】
したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1以上の他の活性な成分を含有するものを含む。
【0214】
上記の組み合せは、開示される化合物と1つの他の活性な化合物ばかりでなく、2つ以上の他の活性な化合物との組み合わせも含む。同様に、開示される化合物は、開示される化合物が役立つ疾患または症状の予防、治療、制御、改善、または危険性の減少に用いられる他の薬剤と組み合わせて用いられ得る。そのような他の薬剤は、そのために一般的に用いられる経路および量で、本発明の化合物と一緒に、同時または連続して投与され得る。本発明の化合物が、1以上の他の薬剤と同時に用いられるとき、本発明の化合物に加えてそのような他の薬剤を含む医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて1以上の他の活性な成分も有するものを含む。
【0215】
第二の活性成分に対する本発明の化合物の重量比は、変化し得るし、各成分の有効用量に依存するであろう。一般的に、それぞれの有効用量が用いられるであろう。したがって、例えば、本発明の化合物がもう一つの剤と組み合わされるとき、他の剤に対する本発明の化合物の重量比は、一般的に、約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200の範囲にわたるであろう。本発明の化合物と他の活性な成分との組み合わせも、一般的に上記の範囲内になるであろうが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分の有効用量が用いられるべきである。
【0216】
そのような組み合せにおいて、本発明の化合物および他の活性剤は、別々または接近して投与され得る。さらに、1つの成分の投与は、他の剤の投与の前、同時または連続であり得る。
【0217】
したがって、本主題化合物は単独、または対象用途に有益であることが知られている他の剤か、または開示される化合物の効果、安全性、利便性を増すか、または望まない副作用もしくは毒性を減少するかの、受容体もしくは酵素に影響を及ぼす他の薬剤と組み合わせて用いられ得る。本主題化合物およびその他の剤は、併用療法または固定された組合せのいずれかで、同時投与され得る。
【0218】
一つの態様において、本化合物は、抗アルツハイマー剤、β-セクレターゼ阻害剤、γ-セクレターゼ阻害剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤、イブプロフェンを含むNSAID(非ステロイド系抗炎症剤)、ビタミンEおよび抗-アミロイド抗体と組み合わせて用いられ得る。さらなる態様において、本主題化合物は、鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬(anxiolytics)、抗精神病薬、抗不安剤(antianxiety agents)、シクロピロロン類、イミダゾピリジン類、ピラゾロピリミジン類、マイナー トランキライザー、メラトニン アゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動性剤、ベンゾジアゼピン類、バルビツレート類、5HT-2 アンタゴニスト等、例えば、アディナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミスルピリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラール ベタイン、抱水クロラール、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロルジアゼポキシド、クロレタート、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デキスクラモール、ジアゼパム、ジクロラールフェナゾン、ジバールプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エチクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、フォサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタクアロン、ミダフルール、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、クエチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロフォス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデム、およびそれらの塩、ならびにそられの併用等と組み合わせて用いられ得るか、または、本主題化合物は、光線療法または電気刺激のような物理的方法の使用と組み合わせて投与され得る。
【0219】
さらなる態様において、本化合物は、レボドーパ(カルビドーパまたはベンセラジンのような選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤と共にか共にではなく)、ビペリデン(任意に、その塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩のような抗コリン剤、エンタカポンのようなCOMT阻害剤、MOA-B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニストならびにアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールのようなドーパミン受容体アゴニストと組み合わせて用いられ得る。ドーパミン アゴニストは、医薬的に許容な塩、例えば、アレンテモール 臭化水素酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩、フェノルドパム メシル酸塩、ナキサゴリド 塩酸塩およびペルゴリド メシル酸塩の形態であり得ることを理解されたい。リスリドおよびプラミペキソールは、一般的に非塩の形態で用いられる。
【0220】
さらなる態様において、本化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよび神経弛緩剤のインドロン類と組み合わせて用いられ得る。フェノチアジンの好適な例は、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンを含む。チオキサンテンの好適な例は、クロルプロチキセンおよびチオチキセンを含む。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モルインドロンである。他の神経弛緩剤は、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンを含む。本主題化合物と組み合わせて用いられるとき、神経弛緩剤は、医薬的に許容な塩、例えば、クロルプロマジン 塩酸塩、メソリダジン ベシレート(besylate)、チオリダジン 塩酸塩、アセトフェナジン マレイン酸塩、フルフェナジン 塩酸塩、フルフェナジン エナタート(enathate)、フルフェナジン デカノエート、トリフルオペラジン 塩酸塩、チオチキセン 塩酸塩、ハロペリドール デカノエート、ロキサピン スクシネートおよびモルインドン 塩酸塩の形態であり得ることを理解されたい。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは、一般的に非塩の形態で用いられる。したがって、本主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドーパ、ベンセラジド
と共にレボドーパ、カルビドーパと共にレボドーパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モルインドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジンまたはジプラシドンと組み合わせて用いられ得る。
【0221】
一つの態様において、本化合物は、ノルエピネフリン再取込阻害剤(第3級アミン三環系および第2級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)、モノアミン オキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミン オキシダーゼの可逆阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン類、5-HTJA アゴニストもしくはアンタゴニスト、特に、5-HT1Aパーシャルアゴニスト、およびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む、抗うつ剤もしくは抗不安剤と組み合わせて用いられ得る。具体的な剤は、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド:ベンラファキシン;ドゥロキセチン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、ならびにそれらの医薬的に許容な塩を含む。
【0222】
mGluR4活性の増強を必要とする病状の治療において、適切な投薬量レベルは、一般に、1日につき患者の体重1kg当たり約0.01〜500 mgであり、単一投与または複数回投与において投与され得る。好ましくは、投薬量レベルは、1日につき約0.1〜約250 mg/kg、さらに好ましくは、1日につき約0.5〜約100 mg/kgであり得る。好適な投薬量レベルは、1日につき約0.01〜250 mg/kg、1日につき約0.05〜100 mg/kg、または1日につき約0.1〜50 mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05〜0.5、0.5〜5.0または5.0〜50 mg/kgであり得る。経口投与のために、該組成物は、活性成分を1.0〜1000ミリグラム、特に、治療される患者の投薬量の症候性適合に対して活性成分の1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000
ミリグラムを含有する錠剤の形態で提供されるのが好ましい。該化合物は、1日につき1〜4回、好ましくは、1日につき1回または2回の投与計画において、投与され得る。この投与計画は、最適な治療応答を提供するために調整され得る。しかしながら、あらゆる特定の患者に対する具体的な用量レベルおよび投薬の回数は、変化し得るし、用いられる具体的な化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用の長さ、患者の年齢、体重、一般健康、性別、食事、投与の様式および時間、排出速度、薬物の組み合わせ、特定の病状の重篤度、ならびに治療を受ける宿主を含めた種々の要因に依存することを理解されたい。
【0223】
開示される組成物は、開示される化合物から製造され得ることを理解されたい。開示される組成物は、開示される使用方法に用いられ得ることも理解されたい。
【0224】
化合物、製品および組成物を用いる方法
mGluR4は、グループIII mGluR サブファミリーに属し、主に中枢神経系のプレシナプス部に位置し、そこでGABAおよびグルタメートの両方の放出を制御するために、それは自己-およびヘテロ-受容体としての役割を果たす。さらに、mGluR4はまた、いくつかのポストシナプス部で低レベルで発現する。mGluR4はほとんどの脳の領域で発現し、特にニューロンにおいて、CNSの次の機能において重要な役割を果たすことが知られている:
a) 学習および記憶;
b) 随意運動および他の運動機能の調節
c) 運動学習
e) 情動反応
f) 繰り返し作業および固執思考過程を含む習慣形成報酬系(reward systems)
g) 視覚および嗅覚
h) 小脳機能;
i) 摂食および視床下部ホルモンの調節;および
j) 睡眠および覚醒。
【0225】
したがって、mGluR4は、CNS-関連疾患、症候群および非CNS関連疾患または病状等、例えば、
a) パーキンソン病、パーキンソン症候群、および運動不能または運動緩慢を含む他の障害
b) 筋失調症
c) ハンチントン病および不随意運動およびジスキネジーを含む他の障害
d) トゥーレット症候群および関連のチッキング(ticking)障害
e) 強迫(obsessive)/強迫(compulsive)障害および他の固執行動障害
f) 嗜癖障害(薬物乱用、摂食障害等)
g) 統合失調症および他の精神障害
h) 心的外傷後ストレス障害
i) 不安障害;
j) アルコール摂取後の運動作用または他の薬物誘発運動障害;
k) 神経運命拘束およびニューロンの生存;
l) てんかん;
m) ある種の癌、例えば髄芽腫;
n) 2型糖尿病、および/または他の代謝性障害;および
o) 味覚増強/遮断
の調節に重要な役割を果たす。
【0226】
開示される化合物は、代謝型グルタメート受容体活性(mGluR4)の増強剤として作用することができる。それゆえ、一つの態様において、開示される化合物は、哺乳類において機能不全を引き起こす1以上のmGluR4関連障害を治療するために用いることができる。
【0227】
開示される化合物は、単剤として、または式Iの化合物または他の薬剤が役立つ前記の疾患、障害および症状の治療、予防、制御、改善、または危険性の減少に1以上の他の薬剤と組み合わせて用いることができる。ここで、薬剤と一緒の組み合わせは、どちらの薬剤単独より安全またはより効果的である。他の薬剤は、そのために一般的に用いられる経路および量で、開示される化合物と同時または連続して投与され得る。開示される化合物が、1以上の他の薬剤と同時に用いられるとき、そのような薬剤と開示される化合物を含む単位投薬形態での医薬組成物が好ましい。しかしながら、組み合わせ治療は、重複スケジュールで投与もされ得る。1以上の活性成分と開示される化合物の組み合わせは、単剤としてのどちらより効果的であることが、想定もされる。
【0228】
1.治療方法
本明細書に開示される化合物は、グルタメート機能不全に関連する種々の神経および精神障害の治療、予防、改善、制御または危険性の減少に役立つ。したがって、対象物における障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの開示される化合物;少なくとも一つの開示される医薬組成物;および/または少なくとも一つの開示される製品を対象物に投与する工程を含む、対象物の障害を治療するか予防する方法が提供される。
【0229】
対象物における障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの開示される化合物;少なくとも一つの開示される医薬組成物;および/または少なくとも一つの開示される製品を対象物に投与する工程を含む、対象物のグルタメート機能不全に関連する一以上の神経および/または精神障害を治療する方法も提供される。
【0230】
グルタメート機能不全に関連する障害の例は、心臓バイパス手術および移植後の脳欠損、脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭蓋骨損傷、周生期低酸素症、心停止、低血糖神経損傷、認知症(AIDS誘発認知症を含む)、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、眼損傷、網膜症、認知障害、突発性および薬物誘発パーキンソン病、筋肉けいれんおよび振戦を含む筋痙直に関連する障害、てんかん、ひきつけ、偏頭痛(migraine)(偏頭痛を含む)、尿失禁、物質耐性、(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン類、コカイン、鎮静剤、睡眠薬等を含む)物質に対する依存症を含む常習行為、そのような中毒性のある物質(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン類、コカイン、鎮静剤、睡眠薬等を含む)からの離脱、肥満、精神病、統合失調症、不安神経症(全般性不安障害、パニック障害、および強迫神経症を含む)、気分障害(うつ病、そう病、双極性障害を含む)、三叉神経痛、聴力損失、耳鳴り、眼の黄斑変性症、嘔吐、脳浮腫、疼痛(急性および慢性の疼痛状態、激痛、難治性疼痛、神経障害痛、および外傷後疼痛を含む)、遅発性ジスキネジー、睡眠障害(ナルコレプシーを含む)、注意欠陥/多動性障害、行為障害、糖尿病および他の代謝性障害、味覚変調のような急性および慢性の神経および精神障害、ならびに癌を含む。
【0231】
本明細書に開示される組成物により治療または予防され得る不安障害は、全般性不安障害、パニック障害および強迫神経症を含む。常習行為は、物質(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン類、コカイン、鎮静剤、睡眠薬等を含む)に対する依存症、そのような中毒性のある物質(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン類、コカイン、鎮静剤、睡眠薬等を含む)からの離脱および物質耐性を含む。
【0232】
したがって、開示される方法のいくつかの態様において、障害は、認知症、譫妄、健忘障害、加齢関連認知低下、統合失調症、統合失調症を含む精神病、統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短期(brief)精神障害、物質関連障害、運動障害、てんかん、舞踏病、疼痛、偏頭痛、糖尿病、筋失調症、肥満、摂食障害、脳浮腫、睡眠障害、ナルコレプシー、不安神経症、情動障害、パニック発作、単極性うつ病、双極性障害、心因性うつ病である。
【0233】
対象物における障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの開示される化合物;少なくとも一つの開示される医薬組成物;および/または少なくとも一つの開示される製品を対象物に投与することを含む、不安神経症を治療または予防する方法も提供される。現在、「the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-IV) (1994, American Psychiatric Association, Washington, D.C.)」の第4版が、不安神経症および関連障害を含む診断手段を提供する。これらは、広場恐怖症を有するかまたは有さないパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、特定恐怖症、社会恐怖症、強迫神経症、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、全身病状による不安障害、物質誘発不安障害および不特定の不安障害を含む。
【0234】
一つの態様において、本発明は、哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類における神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態の治療方法に関し、ここで、前記化合物は、式:
【化49】

【0235】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;ここで、Cy2 は任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有するかまたはその医薬的に許容な誘導体である。
【0236】
種々の態様において、前記機能不全は、パーキンソン病、統合失調症、精神病、「統合失調症-領域(spectrum)」障害、うつ病、双極性障害、認知障害、譫妄、健忘障害、不安障害、注意障害、肥満、摂食障害、またはNMDA受容体関連障害の一つ以上である。種々のさらなる態様において、前記機能障害は、パーキンソン病;不安神経症;アルコール摂取後の運動作用;神経運命拘束およびニューロンの生存;てんかん;ある種の癌、例えば髄芽腫の一つ以上である。
【0237】
2.対象物のmGluR4活性の増強
さらなる態様において、本発明は、対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を対象物に投与することの工程を含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法に関し、ここで、前記化合物は、式:
【化50】

【0238】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有するかまたはその医薬的に許容な誘導体である。
【0239】
一つの態様において、対象物は、投与工程より前にmGluR4受容体活性の増強の必要性が診断されている。さらなる態様において、前記方法は、mGluR4受容体活性の増強の必要性を有する対象物を特定する工程をさらに含む。
【0240】
3.細胞のmGluR4活性の増強
さらなる態様において、本発明は、少なくとも一つの細胞のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物と少なくとも一つの細胞を接触させる工程を含む、少なくとも一つの細胞のmGluR4活性を増強する方法に関し、ここで、前記の少なくとも一つの化合物は、式:
【化51】

【0241】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有するかまたはその医薬的に許容な誘導体である。
【0242】
一つの態様において、前記細胞は哺乳類の細胞、例えばヒトの細胞である。さらなる態様において、前記細胞は、接触工程の前に対象物から取り出されている。さらなる態様において、前記対象物は哺乳類、例えばヒトである。さらなる態様において、接触は対象物への投与による。
【0243】
一つの態様において、本発明は、対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量における、少なくとも一つの開示される化合物の治療的に有効な量を対象物に投与する工程を含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法に関する。
【0244】
一つの態様において、本発明は、哺乳類のmGluR4神経伝達機能不全または他の疾患状態に関する障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの開示される化合物を哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の前記障害を治療する方法に関する。
【0245】
開示される化合物は、グルタメート機能不全に関連する広範な神経および精神障害ならびに他の疾患状態を治療するために用いられ得る。これらの疾患の非限定的な例は、運動不能症および無動性硬直症候群(パーキンソン病を含む)を含む運動障害、筋失調症、てんかん、舞踏病、認知症のような神経生成疾患、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、ピック病、クロイツフェルト-ヤコブ病、疼痛、偏頭痛、糖尿病、肥満および摂食障害、ナルコレプシーを含む睡眠障害、全般性不安障害を含む不安神経症または情動障害、パニック発作、単極性うつ病、双極性障害、心因性うつ病、および関連障害、認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、脳卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病および他の全身病状または物質乱用に関連する)を含む認知障害、譫妄、健忘障害、加齢関連認知低下、統合失調症または統合失調症(妄想性、解体性、緊張性または未分化)を含む精神病、統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短期(brief)精神障害、物質関連障害、癌および炎症(MSを含む)を含む。上記の障害の中で、パーキンソン病、運動障害、認知障害、神経変性疾患、肥満および疼痛が特に重要である。
【0246】
一つの態様において、開示される化合物は、運動障害を治療するために用いられ得るか、運動障害を治療するために用いられる医薬組成物の成分であり得る。したがって、本明細書に開示される運動障害の治療方法においては、哺乳類における前記障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を、治療の必要な哺乳類に投与する工程を含み、ここで、前記障害は、パーキンソン病、ハンチントン病、筋失調症、ウイルソン病、舞踏病、運動失調症、バリスム、静座不能、無定位運動症、運動緩慢、硬直(ridigity)、姿勢の不安定、フリードライヒ運動失調症、マチャド‐ジョセフ病のような遺伝性運動失調症、脊髄小脳失調症、トゥーレット症候群および他のチック障害、本態性振戦、脳性麻痺、脳卒中、脳症、ならびに中毒から選択される。
【0247】
さらなる態様において、開示される化合物は、認知障害を治療するために用いられ得るか、認知障害を治療するために用いられる医薬組成物の成分であり得る。したがって、本明細書に開示される認知障害の治療方法においては、哺乳類における前記障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を、治療の必要な哺乳類に投与する工程を含み、ここで、前記障害は、認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、脳卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病および他の全身病状または物質乱用に関連する)、譫妄、健忘障害、加齢関連認知低下から選択される。「the Diagnostic and Statistical Manual ofMental Disorders (DSM-IV-TR) (2000, American Psychiatric Association, Washington DC)」の第4版(改訂)が、認知症(アルツハイマー病、虚血、外傷、脳卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病および他の全身病状または
物質乱用に関連する)、譫妄、健忘障害および加齢関連認知低下を含む認知障害のための診断手段を提供する。
【0248】
さらなる態様において、開示される化合物は、神経変性疾患を治療するために用いられ得るか、神経変性疾患に用いられる医薬組成物の成分であり得る。したがって、本明細書に開示される神経変性疾患の治療方法においては、哺乳類の神経変性疾患を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を、治療の必要な哺乳類に投与する工程を含む。
【0249】
さらなる態様において、開示される化合物は、統合失調症または精神病を治療する方法を提供する。したがって、本明細書に開示される統合失調症または精神病に関連する障害を治療する方法においては、哺乳類における前記障害を治療するのに有効な投薬量および量で、少なくとも一つの化合物を、治療の必要な哺乳類に投与する工程を含み、ここで、統合失調症または精神病に関連する前記障害は、妄想性、解体性、緊張性または未分化の統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短期精神障害、物質誘発精神障害から選択される。「the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM-IV-TR) (2000, American Psychiatric Association, Washington DC)」の第4版(改訂)が、妄想性、解体性、緊張性または未分化の統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短期精神障害、物質誘発精神障害を含むに対する診断手段を提供する。
【0250】
本主題化合物は、mGluRアゴニストを含む、他の剤と組み合わせて、前記疾患、障害および病状の予防、治療、制御、改善、または危険性の減少にさらに役立つ。
【0251】
ある態様において、対象物、例えば、哺乳類またはヒトは、投与工程の前に前記機能不全と診断されている。さらなる態様において、開示される方法は、前記機能不全の治療の必要性を有する対象物、例えば、哺乳類またはヒトを特定する工程をさらに含むことができる。さらなる態様において、対象物、例えば、哺乳類またはヒトは、投与工程の前にmGluR4受容体活性の増強が必要であると診断されている。さらなる態様において、開示される方法は、mGluR4受容体活性の増強の必要性を有する対象物、例えば、哺乳類またはヒトを特定する工程をさらに含むことができる。 さらなる態様において、細胞(例えば、哺乳類の細胞またはヒトの細胞)は、接触工程の前に、対象物、例えば、哺乳類またはヒトから単離されている。さらなる態様において、接触は、対象物、例えば、哺乳類またはヒトへの投与による。
【0252】
4.mGluR4応答の増強
一つの態様において、本化合物は、ラットmGluR4でトランスフェクトしたヒトの胚腎臓において、本化合物の不存在下でのグルタメートに対する応答と比較して、本化合物の存在下での非最大濃度のグルタメートに対する応答の増加のように、グルタメートに対するmGluR4応答の増強を示し、それは、約1.0×10-5未満、例えば約5.0×10-5未満、約1.0×10-6未満、約5.0×10-7未満、約1.0×10-7未満、約5.0×10-8未満、または約1.0×10-8未満のEC50を有する。
【0253】
5.併用投与方法
開示される化合物は、単剤として、または式Iの化合物または他の薬剤が役立つ前記の疾患、障害および症状の治療、予防、制御、改善、または危険性の減少に1以上の他の薬剤と組み合わせて用いられ得る。薬剤と一緒の組み合わせは、どちらの薬剤単独より安全またはより効果的である。他の薬剤は、そのために一般的に用いられる経路および量で、開示される化合物と同時または連続して投与され得る。開示される化合物が、1以上の他の薬剤と同時に用いられるとき、そのような薬剤と前記化合物を含む単位投薬形態での医薬組成物が好ましい。しかしながら、組み合わせ治療は、重複スケジュールで投与もされ得る。1以上の活性成分と開示される化合物の組み合わせは、単剤としてのどちらより効果的であり得ることが、想定もされる。
【0254】
一つの態様において、本化合物は、抗アルツハイマー剤、β-セクレターゼ阻害剤、γ-セクレターゼ阻害剤、ムスカリン アゴニスト、ムスカリン増強剤、HMG-CoA還元酵素阻害剤、NSAIDおよび抗-アミロイド抗体と組み合わせて同時投与され得る。さらなる態様において、本化合物は、鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)、モノアミン オキシダーゼ阻害剤(MAOI)、5-HT2アンタゴニスト、GlyT1阻害剤等、例えば、それらに限定されないが、リスペリドン、クロザピン、ハロペリドール、フルオキセチン、プラゼパム、キサノメリン、リチウム、フェノバルビタール、ならびにそれらの塩およびそれらの組み合わせと組み合わせて投与され得る。
【0255】
さらなる態様において、本主題化合物は、レボドーパ(選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤と共にか共にではなく)、ビペリデンのような抗コリン剤、エンタカポンのようなCOMT阻害剤、A2aアデノシン アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、ドーパミン アゴニストと組み合わせて用いられ得る。
【0256】
一つの態様において、本発明は、哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化52】

【0257】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を、代謝型グルタメート受容体活性を増大することの知られている副作用を有する薬物と共に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法に関する。
【0258】
一つの態様において、本発明は、哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化53】

【0259】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を、代謝型グルタメート受容体活性を増大することに関連する障害を治療することが知られている薬物と共に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法に関する。
【0260】
一つの態様において、本発明は、哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化54】

【0261】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つの化合物を、神経伝達質機能不全を治療することが知られている薬物と共に哺乳類に同時投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全およびmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法に関する。
【0262】
開示される方法は、開示される化合物、方法、組成物およびキットに関連して用いられ得ることを理解されたい。
【0263】
E.代謝型グルタメート受容体活性
開示される化合物および組成物は、代謝型グルタメート受容体活性、特にmGluR4活性の増強剤として作用するそれらの能力に対して、当該技術分野で公知のいずれか適切な公知の方法論により評価され得る。例えば、ヒトmGluR4でトランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞またはラットmGluR4およびG-タンパク質調節内向き整流カリウムチャンネル(Inwardly Rectifying Potassium channel)(GIRK)でコトランスフェクトされたHEK細胞を、Hamamatsu FDSS 蛍光プレート リーダー(Fluorometric Plate Reader)でのアッセイのために、透明ボトムのアッセイプレートに播種した。細胞を、Ca2+高感度蛍光染料 Fluo-4またはタリウム応答染料BTC, AMのいずれかで負荷し、プレートを洗浄し、適当なキネティク(suitable kinetic)プレート リーダー中に置いた。ヒトmGluR4アッセイのために、3〜5秒間で蛍光ベースラインを確立し、次いで、開示される化合物を細胞に加え、細胞中の反応を測定した。約2分半後、最大アゴニスト反応の約20%(EC20)を誘発するmGluR4アゴニスト(例えば、グルタメートまたはL-AP4)の濃度を、細胞に加え、反応を測定した。2分後、最大アゴニスト反応の80%(EC80)を誘発するmGluR4アゴニスト(例えば、グルタメートまたはL-AP4)の濃度を、細胞に加え、反応を測定した。ラットmGluR4/GIRK実験のために、約5秒間でベールラインを確立し、開示される化合物を加え、アゴニストのEC20またはEC80のいずれかの濃度を、約2分半後に加えた。開示される化合物によるmGluR4のアゴニスト反応の増強を、化合物の不存在下でのアゴニストへの反応と比較した、化合物の存在下でのアゴニストのEC20濃度への反応の増加として観察した。同様に、開示される化合物によるmGluR4のアゴニスト反応のアンタゴニズムを、化合物の不存在下でのアゴニストへの反応と比較した、化合物の存在下でのアゴニストのEC80濃度への反応の減少として観察した。
【0264】
上記のアッセイは、2つのモードで実施された。第1のモードにおいて、開示される化合物の様々な濃度を細胞に加え、続いて、アゴニストの単一固定濃度を加える。化合物が、増強剤として作用するなら、増強に対するEC50値およびアゴニストのこの濃度で、化合物による増強の最大限度を、非線形曲線適合により決定する。化合物が非競合的アンタゴニストとして作用するなら、IC50値を非線形曲線適合により決定する。第2のモードにおいて、開示される化合物のいくつかの固定濃度を、プレート上の種々のウエルに加え、続いて、開示される化合物の各濃度に対して、様々な濃度のアゴニストを加える。化合物の各濃度における、アゴニストに対するEC50値を、非線形曲線適合により決定する。試料化合物の増加する濃度に伴うアゴニストのEC50値の減少(アゴニスト濃度反応曲線の左方シフト)は、試料化合物の所定の濃度における、mGluR4増強度の指標である。試料化合物の増加する濃度に伴う、アゴニスト効力の右方シフトを伴うか、伴わないアゴニストの最大反応の減少は、mGluR4での非競合的アンタゴニズムの度合いの指標である。第2のモードは、試料化合物もアゴニストに対するmGluR4への最大反応に影響を及ぼすかどうかも示す。
【0265】
特に、開示される実施例の化合物は、前述のアッセイにて、mGluR4受容体の増強において活性を有し、一般的に、増強に対するEC50は約10μM未満であることが判った。開示される化合物の一つの態様は、増強に対して約500 nM未満のEC50を有して、ラットおよびヒトmGluR4受容体を増強する活性を有する。これらの化合物は、3倍を超えるアゴニストEC50の左方シフトをさらにもたらした。これらの化合物は、ヒトおよびラットmGluR4の正のアロステリック調節剤(増強剤)であり、他の7つのサブタイプの代謝型グルタメート受容体と比較して、mGluR4に対して選択的であった。
【0266】
F.医薬の製造
一つの態様において、本発明は、式:
【化55】

【0267】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体と、医薬的に許容な担体とを組み合わせることを含む、哺乳類のGluR4受容体活性を増強するための医薬の製造方法に関する。
【0268】
したがって、開示される化合物および組成物は、1以上の開示される化合物、製品、または組成物を医薬的に許容な担体もしくは希釈剤と組み合わせることを含む、哺乳類(例えば、ヒト)におけるグルタメート受容体活性を増強(例えば、グルタメート機能不全に関連する1以上の神経および/または精神障害および他の疾患状態の治療)するための医薬の製造方法にさらに向けられ得る。
【0269】
G.化合物の使用
一つの態様において、本発明は、哺乳類におけるmGluR4受容体活性を増強するための、式:
【化56】

【0270】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の使用に関する。
【0271】
哺乳類におけるmGluR4受容体活性を増強するための開示される使用は、対象物、例えば、哺乳類またはヒトにおける、1以上の障害、例えば、グルタメート機能不全に関連する神経および精神障害ならびに他の疾患状態(例えば、パーキンソン病)の治療における使用のためにさらに向けられ得る。
【0272】
H.キット
一つの態様において、本発明は、式:
【化57】

【0273】
[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体と、代謝型グルタメート受容体活性を増強することの公知の副作用を有する薬剤、代謝型グルタメート受容体活性を増強することに関連する障害を治療することが知られている薬剤、および/または神経伝達機能不全および他の疾患状態を治療することが知られている薬剤の1以上を含むキットに関する。
【0274】
種々の態様において、キットは、開示される化合物、組成物、および/または他の成分と共に包装された、共に製剤化された、および/または共に送達された製品を含み得る。例えば、薬剤製造業者、薬剤販売代理店、医師、または薬剤師は、開示される経口剤形および患者への送達用の別の構成要素を含むキットを提供し得る。
【0275】
さらなる態様において、キットは、1以上の他の成分(例えば、代謝型グルタメート受容体活性を増強することの公知の副作用を有する薬剤、代謝型グルタメート受容体活性を増加することに関連する障害を治療することが知られている薬剤、および/または神経伝達機能不全および他の疾患状態を治療することが知られている薬剤の1以上)および1以上の開示される化合物、組成物、および/または製品を用いて患者に同時投与することの使用説明書を含み得る。例えば、薬剤製造業者、薬剤販売代理店、医師、または薬剤師は、1以上の他の成分(例えば、代謝型グルタメート受容体活性を増強することの公知の副作用を有する薬剤、代謝型グルタメート受容体活性を増加することに関連する障害を治療することが知られている薬剤、および/または神経伝達機能不全および他の疾患状態を治療することが知られている薬剤の1以上)および1以上の開示される化合物、組成物、および/または製品を用いて患者に同時投与することの使用説明書を含むキットを提供し得る。
【0276】
I.実験
以下の実施例は、本明細書で請求される化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法をどのように製造し、評価するかについての完全な開示および記載を当業者に提供するために提出され、本発明の単に例であることが意図され、本発明者が発明と見なすものの範囲を限定することが意図されない。数字(例えば、量、温度等)に関する正確さを確保するために努力がなされたが、いくらかの誤差および逸脱は考慮されるべきである。別に指示がなければ、部は重量部、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧または大気圧の近くである。
【0277】
本明細書に開示される化合物を製造するいくつかの方法が、以下の実施例で説明される。出発物質および必要な中間体は、ある場合には、商業的に入手可能であるか、または文献の方法によるか、もしくは本明細書で説明されるようにして製造され得る。全ての反応は、標準の化学的手法を用いてアルゴン雰囲気下で行われた。抽出、洗浄およびクロマトグラフィーのための溶媒は、HPLCグレードであった。全ての試薬は、最高級の市販品質でAldrich Chemical Co.から購入し、精製なしに用いられた。マイクロウエーブ-アシスト(assisted)反応は、Biotage Initiator-60を用いて行われた。全てのNMRスペクトルは、400 MHz Bruker AMX NMRで記録された。1H ケミカルシフトは、DMSO中、内部基準としてのTMSからの低磁場のppmでのδ値で示される。データは、次のように示される:ケミカルシフト、多重度((s = シングレット、d = ダブレット、 t = トリプレット、q = カルテット、br = ブロード、m = マルチプレット)、積分、カップリング定数(Hz)。13C ケミカルシフトは、39.5 ppmに設定された、DMSO炭素ピークを用いて、ppmでのδ値で示される。低分解能マススペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を用いてのAgilent 1200 LCMSで得られた。高分解能マススペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を用いてのWaters QToF-API-USプラスAcquityシステムで記録された。分析薄層クロマトグラフィーは、250μM シリカゲル 60 F254 プレートで行われた。Merckシリカゲル(60、粒径0.040-0.063 mm)をフラッシュ カラムクロマトグラフィーのために用いた。分析HPLCは、ELSD 検出とともに214および254でのUV検出を用いてのAgilent 1200分析LCMS HP1100で行われた。ライブラリー(library)化合物の分取精製は、マス検出によって引き起こされる収集を有する、注文の(custom)Agilent 1200分取LCMSで行った。全ての収率は、分析的に純粋でかつ完全に特徴付けられた物質(1H NMR、13C NMR 分析LCMSおよびHi-Res MS)を参照する。
【0278】
1.方法 A
【化58】

【0279】
a. N-(2-ブロモフェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
乾燥ピリジン (3 mL)中の2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホニル クロライド (0.147 g, 0.502 mmol)の撹拌溶液に、2-ブロモアニリン (0.104 g, 0.603 mmol)を加え、得られる溶液を室温で2日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル (30 mL)で希釈し、水 (5×20 mL)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、真空下で濃縮し、粗生成物 (0.303 g)を得た。該物質をヘキサン/酢酸エチル100:0〜3:2で溶出するカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製し、白色固体として生成物 (0.027 g, 13%)を得た。
【0280】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.79 (br s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.81(d, J = 11.1 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.63-7.50 (m, 5H), 7.30 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.10 (br s, 1H). LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.61分; m/z 430.1 [M+H]+.
【0281】
【化59】

【0282】
b. N-(2-クロロフェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
方法 Aにしたがって製造し、マス指示(Mass Directed)分取HPLCで精製した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.91 (s, 1H), 8.18 (dd, J = 8.2 Hz, 1.7 Hz, 2H), 7.93 (s, 1H), 7.73 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.64-7.52 (m, 4H), 7.37 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.33-7.23 (m, 2H), 7.22-7.13 (m, 1H). LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.58分; m/z 384 [M+H]+.
【0283】
2.方法 B
【化60】

【0284】
a. N-(2-クロロフェニル)-2-(ピリジン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
水 (10 mL)およびエタノール (100 mL)中の3,4-ジアミノ-N-(2-クロロフェニル)ベンゼンスルホンアミド (2.00 g, 6.72 mmol)、亜硫酸水素ナトリウム (1.28 g)および2-ピリジン カルボキシアルデヒド (0.791 g, 7.39 mmol)の混合物を 90℃で15時間加熱した。反応を室温に冷却し、沈殿物を濾過し、黄色の固体として生成物 (1.88 g, 73%)を得た。
【0285】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.92 (m, 1H), 8.77 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 8.35 (dd, J = 7.7 Hz, 6.9 Hz, 1H), 8.11-7.99 (m, 1.5H-互変異性体), 7.91-7.84 (m, 1H), 7.69-7.62 (m, 1H), 7.62-7.53 (m, 1.5H-互変異性体), 7.41-7.33 (m, 1H), 7.32-7.22 (m, 2H), 7.22-7.13 (m, 1H). LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.65分; m/z 384 [M+H]+.
【0286】
3.方法 C
反応混合物をマイクロウエーブ中、160℃で20分間加熱する以外は方法 Bにしたがって。生成物を濾過またはマス指示分取HPLCによって得た。
【化61】

【0287】
a. N-(2-クロロフェニル)-2-シクロヘキシル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.45分; m/z 390.1 [M+H]+.
【0288】
【化62】

【0289】
b. N-(2-クロロフェニル)-2-(ピリジン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.32分; m/z 385.1 [M+H]+.
【0290】
【化63】

【0291】
c. N-(2-クロロフェニル)-2-(チオフェン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.56分; m/z 390.1 [M+H]+.
【0292】
【化64】

【0293】
d. N-(2-クロロフェニル)-2-(ピラジン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.70分; m/z 386.1 [M+H]+.
【0294】
【化65】

【0295】
e. N-(2-クロロフェニル)-2-(ピリダジン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.66分; m/z 386.1 [M+H]+.
【0296】
【化66】

【0297】
f. N-(2-クロロフェニル)-2-(チオフェン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.69分; m/z 390.1 [M+H]+.
【0298】
【化67】

【0299】
g. N-(2-クロロフェニル)-2-(チアゾール-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド ビスTFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.56分; m/z 391.1 [M+H]+.
【0300】
4.方法 D
【化68】

【0301】
a. N-(2-クロロフェニル)-2-(ピリミジン-4-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
DMF (2.0 mL)中の3,4-ジアミノ-N-(2-クロロフェニル)ベンゼンスルホンアミド (0.100 g, 0.336 mmol)、HOBt (0.045 g, 0.336 mmol)、EDCI (0.084 g, 0.436 mmol)、4-ピリミジンカルボン酸 (0.042 g, 0.336 mmol)の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン (0.23 mL, 1.31 mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を水 (5 mL)で希釈し、酢酸エチル (2×10 mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサン 0〜70%で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製し、中間体アミド (0.06 g)を得た。
アミド (0.06 g, mmol)をエタノール中の10% 酢酸 (3 mL)に溶解し、マイクロウエーブ中、160℃で 分間加熱した。反応混合物を水で希釈し、沈殿物を濾過し、50℃で真空下に乾燥し、生成物を得た。
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.66分; m/z 386.1 [M+H]+.
【0302】
次の化合物を方法 Dにしたがって製造した。
【化69】

【0303】
b. N-(2-クロロフェニル)-2-(6-クロロピリジン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 3.11分; m/z 419.1 [M+H]+.
【0304】
【化70】

【0305】
c. N-(2-クロロフェニル)-2-(6-フルオロピリジン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 3.11分; m/z 403.1 [M+H]+.
【0306】
【化71】

【0307】
d. N-(2-クロロフェニル)-2-(チアゾール-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: 93.6% @ 214 nm, tR = 2.84分; m/z 391.1 [M+H]+.
【0308】
【化72】

【0309】
e. N-(2-クロロフェニル)-2-(3-フルオロピリジン-2-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド
LCMS: 94.1% @ 214 nm, tR = 2.66分; m/z 403.1 [M+H]+.
【0310】
5.方法 E
メチレンクロライド (1.57 mL)中のトリフェニルホスフィンオキサイド(0.087 g, 0.314 mmol)の撹拌溶液に、トリフリック無水物 (23.8 μL, 0.141 mmol)を加え、得られる溶液を室温で15分間撹拌した。該溶液を、ピリジニウム 2-フェニル-5-ベンズイミダゾール スルホネート (0.050 g, 0.142 mmol)の撹拌溶液に加え、得られる混合物を30分間撹拌した。トリエチルアミン (39.4 mL, 0.283 mmol)およびアミン (0.5225 mmol)の溶液を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水 (2 mL)で希釈し、メチレンクロライド (3 mL)で抽出した。有機抽出物を分離し、濃縮し、組成生物を得、マス指示分取HPLCによって精製した。
【0311】
【化73】

【0312】
a. 2-フェニル-N-(ピリジン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド ビスTFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.21分; m/z 351.1 [M+H]+.
【0313】
【化74】

【0314】
b. N-(2-フルオロフェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.71分; m/z 368.1 [M+H]+.
【0315】
【化75】

【0316】
c. N-シクロペンチル-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.62分; m/z 342.2 [M+H]+.
【0317】
【化76】

【0318】

d. N-(4-シアノフェニル)-2-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-スルホンアミド TFA塩
LCMS: >98% @ 214 nm, tR = 2.62分; m/z 375.1 [M+H]+.
【0319】
【表1−1】

【0320】
【表1−2】

【0321】
【表1−3】

【0322】
【表1−4】

【0323】
【表1−5】

【0324】
【表1−6】

【0325】
【表1−7】

【0326】
【表1−8】

【0327】
【表1−9】

【0328】
【表1−10】

【0329】
種々の修正および変更が、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明においてなされ得ることは、当業者に明らかであろう。本発明の他の実施態様は、本明細書の考慮および本明細書に開示される本発明の実施から当業者に明らかであろう。本明細書および実施例は、例示のみとして考慮され、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示されていることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表わされる構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つを、哺乳類における神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の神経伝脱機能不全またはmGluR4活性に関連するその他の疾患状態を治療する方法。
【請求項2】
哺乳類がヒトである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機能不全がパーキンソン病である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記機能不全が、統合失調症、精神病、「統合失調症-領域」障害、うつ病、双極性障害、認知障害、譫妄、健忘障害、不安障害、注意障害、肥満、摂食障害、またはNMDA受容体関連障害である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記機能不全が、パーキンソン病;不安神経症;アルコール摂取後の運動作用;神経運命拘束およびニューロンの生存;てんかん;またはある種の癌、例えば髄芽腫、炎症(例えば、多発性硬化症)および代謝性障害(例えば、糖尿病)およびmGluR4受容体が関与するグルタメート作動性不全および疾患に関連する味覚増強である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
投与工程の前に、哺乳類が前記機能不全であると診断されている請求項1の方法。
【請求項7】
前記機能不全の治療の必要性を有する哺乳類を特定する工程をさらに含む請求項1の方法。
【請求項8】
式:
【化2】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つを、対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量で対象物に投与する工程を含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法。
【請求項9】
対象物が哺乳類である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
対象物がヒトである請求項8に記載の方法。
【請求項11】
対象物が投与工程の前にmGluR4受容体活性の増強が必要と診断されている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
mGluR4受容体活性の増強の必要性を有する対象物を特定する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
式:
【化3】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも一つを、少なくとも一つの細胞中のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な量で少なくとも一つの細胞に接触させる工程を含む、少なくとも一つの細胞のmGluR4活性を増強する方法。
【請求項14】
細胞が哺乳類の細胞である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
細胞がヒトの細胞である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
細胞が接触工程の前に対象物から単離されている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
対象物が哺乳類である請求項16に記載の方法。
【請求項18】
対象物がヒトである請求項16に記載の方法。
【請求項19】
接触が対象物への投与によってである請求項13に記載の方法。
【請求項20】
化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
化合物が約1.0×10-6未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
化合物が約1.0×10-7未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
化合物が約1.0×10-8未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
化合物が、式:
【化4】

で表される構造を有する請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
化合物が、式:
【化5】

で表される構造を有する請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
化合物が、式:
【化6】

で表される構造を有する請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
化合物が、式:
【化7】

で表される構造を有する請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
R1が水素である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
R1が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6アルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
R1が、任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキシルから選択されるC3〜C6シクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
R1が加水分解性残基である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
R2が水素である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
R2が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6アルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
R2が、任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、チクロペンチル、シクロヘキシルおよびビシクロ[3.1.0]ヘキシルから選択されるC3〜C6シクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
R2が加水分解性残基である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
R1およびR2の両方が水素である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
Cy1が、任意に置換された、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルから選択されるC3〜C10有機残基である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
Cy1が、任意に置換された、フェニルおよびナフチルから選択されるアリールである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
Cy1が、任意に置換された、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、インダゾリル、キノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾトリアゾリルから選択されるヘテロアリールである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
Cy1が、任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[6.1.0]ノニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニルおよびビシクロ[3.3.1]ノニルから選択されるシクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項41】
Cy1が、任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
Cy1が、任意に置換された、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロノネニルおよびシクロノナジエニルから選択されるシクロアルケニルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
Cy1が、任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルのモノ-、ジ-またはトリ-不飽和類似物を含むヘテロシクロアルケニルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項45】
Cy2が、任意に置換された、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルから選択されるC3〜C10有機残基である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項46】
Cy2が、任意に置換された、フェニルおよびナフチルから選択されるアリールである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項47】
Cy2が、任意に置換された、フラニル、ピラニル、イミダゾリル、チオフェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、インダゾリル、キノリニル、ナフチリジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリルおよびベンゾトリアゾリルから選択されるヘテロアリールである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
Cy2が、任意に置換された、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキシル、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル、ビシクロ[5.1.0]オクチル、ビシクロ[6.1.0]ノニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[4.2.0]オクチル、ビシクロ[5.2.0]ノニル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニルおよびビシクロ[3.3.1]ノニルから選択されるシクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
Cy2が、任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
Cy2が、任意に置換された、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロノネニルおよびシクロノナジエニルから選択されるシクロアルケニルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
Cy2が、任意に置換された、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ-2H-ピラン、オキセパン、オキソカン、ジオキシラン、ジオキセタン、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキセパン、ジオキソカン、チイラン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロ-2H-チオピラン、チエパン、チオカン、ジチイラン、ジチエタン、ジチオラン、ジチアン、ジチエパン、ジチオカン、オキサチイラン、オキサチエタン、オキサチオラン、オキサチアン、オキサチエパン、オキサチオカン、アジリジン、アゼチジン、ピロリドン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、ジアジリジン、ジアゼチジン、イミダゾリジン、ピペラジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ヘキサヒドロピリミジン、トリアジナン、オキサジリジン、オキサゼチジン、オキサゾリジン、モルホリン、オキサゼパン、オキサゾカン、チアジリジン、チアゼチジン、チアゾリジン、チオモルホリン、チアゼパンおよびチアゾカンから選択されるヘテロシクロアルキルのモノ-、ジ-またはトリ-不飽和類似物を含むヘテロシクロアルケニルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
Cy2が、2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
YがNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
YがC-R3(ここで、R3は 水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6有機残基である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
R3が水素である請求項54に記載の方法。
【請求項56】
R3がハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである請求項54に記載の方法。
【請求項57】
R3が任意に置換されたC1〜C6有機残基である請求項54に記載の方法。
【請求項58】
R3が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6有機残基である、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
Z1、Z2およびZ3が全て C-R4(ここで、R4は水素である)である請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項60】
Z1、Z2およびZ3の1つがNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項61】
Z1、Z2およびZ3の2つがNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項62】
Z1、Z2およびZ3の3つがNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
Z1がNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項64】
Z1がC-R4(ここで、R4が水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6有機酸基である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
R4が水素である請求項64に記載の方法。
【請求項66】
R4がハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
R4が任意に置換されたC1〜C6有機残基である請求項64に記載の方法。
【請求項68】
R4が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6有機残基である、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
Z2がNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項70】
Z2がC-R4(ここで、R4は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6有機残基である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項71】
R4が水素である請求項70に記載の方法。
【請求項72】
R4がハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである請求項70に記載の方法。
【請求項73】
R4が任意に置換されたC1〜C6有機残基である請求項70に記載の方法。
【請求項74】
R4が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6有機残基である、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
Z3がNである請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項76】
Z3がC-R4(ここで、R4は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6有機残基である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項77】
R4が水素である請求項76に記載の方法。
【請求項78】
R4がハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオールまたはアルキルスルホニルである請求項76に記載の方法。
【請求項79】
R4が任意に置換されたC1〜C6有機残基である請求項76に記載の方法。
【請求項80】
R4が、任意に置換された、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、シクロプロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、シクロブチル、n-ペンチル、i-ペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、i-ヘキシル、s-ヘキシル、ジメチルブチルおよびシクロヘキシルから選択されるC1〜C6有機残基である、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
R1およびR2の両方が水素であり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項82】
R1およびR2の両方が水素であり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項83】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)である、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項84】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50で mGluR4の増強を示す、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項85】
化合物が、式:
【化8】

(式中、R1およびR2は、独立して、 水素または任意に置換されたC1〜C6アルキルであり、Cy2は任意に置換されたフェニルまたはピペラジンであり、Cy1は任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリールである)
で表される、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項86】
Cy1のヘテロアリールが、任意に置換された、ベンゾジオキソール、フラン、ピラン、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、ピペリジン、ピリジン、イソオキサゾール、ピラジン、チオフェンである請求項85に記載の方法。
【請求項87】
化合物が、式:
【化9−1】

【化9−2】

【化9−3】

【化9−4】

で表される構造を有する、請求項1、8および13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項88】
式:
【化10】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の治療的有効量と医薬的に許容な担体とを含む医薬組成物。
【請求項89】
化合物が、約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項88に記載の医薬組成物。
【請求項90】
化合物が、約1.0×10-6未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項88に記載の組成物。
【請求項91】
化合物が、約1.0×10-7未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項88に記載の組成物。
【請求項92】
化合物が、約1.0×10-8未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項88に記載の組成物。
【請求項93】
化合物が、式:
【化11】

で表される構造を有する請求項88に記載の組成物。
【請求項94】
化合物が、式:
【化12】

で表される構造を有する請求項88に記載の組成物。
【請求項95】
化合物が、式:
【化13】

で表される構造を有する請求項88に記載の組成物。
【請求項96】
化合物が、式:
【化14】

で表される構造を有する請求項88に記載の組成物。
【請求項97】
R1 およびR2 の両方が水素であり、Y がNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3 が全てC-R4(ここで、R4 は水素である)である、請求項88に記載の組成物。
【請求項98】
R1 およびR2 の両方が水素であり、Y がNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3 が全てC-R4(ここで、R4 は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-6未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項88に記載の組成物。
【請求項99】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)である、請求項88に記載の組成物。
【請求項100】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-6未満のEC50で mGluR4の増強を示す、請求項88に記載の組成物。
【請求項101】
化合物が、式:
【化15】

(式中、R1 およびR2 は、独立して水素または任意に置換されたC1〜C6アルキルであり、Cy2 は任意に置換されたフェニルまたはピペラジンであり、Cy1 は任意に置換されたフェニルまたはヘテロ環である)
で表される構造を有する請求項88に記載の組成物。
【請求項102】
Cy1 ヘテロ環が、任意に置換されたベンゾジオキソール、フラン、ピラン、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、ピペリジン、ピリジン、イソオキサゾール、ピラジン、チオフェンである、請求項101に記載の組成物。
【請求項103】
式:
【化16】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の治療的有効量と医薬的に許容な担体とを組み合わせることを含む、哺乳類のmGluR4受容体活性を増強するための医薬の製造方法。
【請求項104】
化合物が、約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
化合物が、約1.0×10-6未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
化合物が、約1.0×10-7未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
化合物が、約1.0×10-8未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
化合物が、式:
【化17】

で表される構造を有する請求項103に記載の方法。
【請求項109】
化合物が、式:
【化18】

で表される構造を有する請求項103に記載の方法。
【請求項110】
化合物が、式:
【化19】

で表される構造を有する請求項103に記載の方法。
【請求項111】
化合物が、式:
【化20】

で表される構造を有する請求項103に記載の方法。
【請求項112】
R1 およびR2 の両方が水素であり、Y がNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3 が全てC-R4(ここで、R4 は水素である)である、請求項103に記載の方法。
【請求項113】
R1 およびR2 の両方が水素であり、Y がNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3 が全てC-R4(ここで、R4 は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項114】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)である、請求項103に記載の方法。
【請求項115】
R1およびR2の両方が水素であり、Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり、YがNまたはC-R3(ここで、R3は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50で mGluR4の増強を示す、請求項103に記載の方法。
【請求項116】
式:
【化21】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な誘導体の、哺乳類のmGluR4受容体活性を増強するための使用。
【請求項117】
式:
【化22】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容な誘導体の、mGluR4受容体活性に関連する病状の治療用医薬の製造における使用。
【請求項118】
式:
【化23】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される化合物またはその医薬的に許容な誘導体の少なくとも1つ、および
1以上の
a. mGluR4受容体アゴニスト、
b. mGluR4受容体活性を増大することが知られている剤、または
c. mGluR4受容体活性が知られている剤
を含むキット。
【請求項119】
1以上のアゴニストまたは剤がグルタメートを含む請求項118に記載のキット。
【請求項120】
少なくとも1つの化合物および1以上のアゴニストまたは剤が一緒に製剤化されている、請求項118に記載のキット。
【請求項121】
少なくとも1つの化合物および1以上のアゴニストまたは剤が一緒に包装されている、請求項118に記載のキット。
【請求項122】
式:
【化24】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり;
Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルであり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を含む化合物またはその医薬的に許容な誘導体、但し、
R1およびR2の両方が水素であり、YがNまたはC-Hであり、Z1、Z2およびZ3が全てC-Hである場合、Cy1はフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルであり、かつCy2は2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである。
【請求項123】
R1 およびR2 の両方が水素であり、YがNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)である、請求項122に記載の化合物。
【請求項124】
YがC-R3(ここで、R3は水素ではない)である請求項122に記載の化合物。
【請求項125】
Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、少なくとも1つのR4は水素ではない)である請求項122に記載の化合物。
【請求項126】
Z1、Z2およびZ3の少なくとも1つがNである請求項122に記載の化合物。
【請求項127】
R1 およびR2 の両方が水素であり、YがNまたはC-R3(ここで、R3 は水素である)であり、Z1、Z2およびZ3が全てC-R4(ここで、R4は水素である)であり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項122に記載の化合物。
【請求項128】
R1 およびR2 の両方が水素であり、YがNであり、Z1、Z2およびZ3が全てC-Hであり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項122に記載の化合物。
【請求項129】
R1 およびR2 の両方が水素であり、YがC-Hであり、Z1、Z2およびZ3が全てC-Hであり、該化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す、請求項122に記載の化合物。
【請求項130】
化合物が約1.0×10-5未満のEC50でmGluR4の増強を示す請求項122に記載の化合物。
【請求項131】
化合物が約1.0×10-6未満のEC50でmGluR4の増強を示す請求項122に記載の化合物。
【請求項132】
化合物が約1.0×10-7未満のEC50でmGluR4の増強を示す請求項122に記載の化合物。
【請求項133】
化合物が約1.0×10-8未満のEC50でmGluR4の増強を示す請求項122に記載の化合物。
【請求項134】
化合物が、式:
【化25】

で表される構造を有する請求項122に記載の化合物。
【請求項135】
化合物が、式:
【化26】

で表される構造を有する請求項122に記載の化合物。
【請求項136】
化合物が、式:
【化27】

で表される構造を有する請求項122に記載の化合物。
【請求項137】
化合物が、式:
【化28】

で表される請求項122に記載の化合物。
【請求項138】
Cy1がフェニル、2-ピリジニル、シクロヘキシル、3-ピリジニル、2-チオフェニル、3-チオフェニル、4-ピリミジニル、6-クロロピリジン-2-イル、6-フルオロピリジン-2-イル、3-フルオロピリジン-2-イル、ピラジニル、ピリダジニル、2-チアゾリルまたは4-チアゾリルである、請求項122に記載の化合物。
【請求項139】
Cy2が2-クロロフェニル、3-ピリジニル、2-フルオロフェニル、シクロペンチルまたは4-シアノフェニルである、請求項122に記載の化合物。
【請求項140】
化合物が、式:
【化29】

(式中、R1およびR2は、独立して、水素または任意に置換されたC1〜C6アルキルであり、Cy2は任意に置換されたフェニルまたはピペラジンであり、Cy1は任意に置換されたフェニルまたはヘテロアリールである)
で表される構造を有する、請求項122に記載の化合物。
【請求項141】
Cy1ヘテロアリールが任意に置換されたベンゾジオキソール、フラン、ピラン、イミダゾール、チアゾール、ピリミジン、ピペリジン、ピリジン、イソオキサゾール、ピラジン、チオフェンである請求項140に記載の化合物。
【請求項142】
【化30−1】

【化30−2】

【化30−3】

【化30−4】

として存在する請求項122に記載の化合物。
【請求項143】
請求項122〜142のいずれか1つに記載の少なくとも1つの化合物を、少なくとも1つの細胞のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な量で少なくとも1つの細胞に接触させる工程を含む、少なくとも1つの細胞のmGluR4活性を増強する方法。
【請求項144】
対象物のmGluR4受容体活性を増強するのに有効な投薬量および量において、請求項122〜142に記載の少なくとも1つの化合物の治療的有効量を、対象物に投与する工程を含む、対象物のmGluR4活性を増強する方法。
【請求項145】
対象物が哺乳類である請求項144に記載の方法。
【請求項146】
対象物がヒトである請求項144に記載の方法。
【請求項147】
対象物が、投与工程の前にmGluR4受容体活性の増強が必要と診断されている、請求項144に記載の方法。
【請求項148】
mGluR4受容体活性の増強の必要性を有する対象物を特定する工程をさらに含む、請求項144に記載の方法。
【請求項149】
請求項122〜142のいずれか1つに記載の少なくとも1つの化合物を、哺乳類における神経伝達機能不全を含むmGluR4疾患状態に関連する障害を治療するのに有効な投薬量および量で哺乳類に投与する工程を含む、哺乳類の前記障害を治療する方法。
【請求項150】
前記障害が、精神病、統合失調症、行為障害、破壊的行動障害、双極性障害、不安神経症の精神病エピソード、精神病に関連する不安神経症、重度大うつ病性障害のような精神病気分障害、精神障害に関連する気分障害、急性そう病、双極性障害に関連するうつ病、統合失調症に関連する気分障害、精神発達遅滞の行動的発現、行為障害、自閉性障害、運動障害、トゥーレット症候群、無動性硬直症候群、パーキンソン病に関連する運動障害、遅発性ジスキネジー、薬物誘発および神経変性に基づくジスキネジー、注意欠陥/多動性障害、認知障害、認知症および記憶障害から選択される、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記障害がパーキンソン病である請求項149に記載の方法。
【請求項152】
前記障害が、mGluR4受容体活性機能不全に関連する神経および精神障害である、請求項149に記載の方法。
【請求項153】
前記障害が、統合失調症、精神病、「統合失調症-領域」障害、うつ病、双極性障害、認知障害、譫妄、健忘障害、不安障害、注意障害、肥満、摂食障害およびNMDA受容体関連障害から選択される、mGluR4神経伝達機能不全に関連する神経および精神障害である、請求項149に記載の方法。
【請求項154】
哺乳類がヒトである請求項149に記載の方法。
【請求項155】
哺乳類が、投与前に前記障害と診断されている請求項149に記載の方法。
【請求項156】
前記障害の治療の必要性を有する哺乳類を特定する工程をさらに含む、請求項149に記載の方法。
【請求項157】
哺乳類のmGluR4受容体活性を増強するための、式:
【化31】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の使用。
【請求項158】
前記化合物が医薬的に許容な担体と組み合わされる請求項157に記載の使用。
【請求項159】
前記化合物が、請求項122〜142のいずれか1つに記載の化合物である請求項157に記載の使用。
【請求項160】
哺乳類がヒトである請求項157に記載の使用。
【請求項161】
味覚エンハンサーとして請求項157に記載の使用。
【請求項162】
哺乳類の障害の治療として請求項157に記載の使用。
【請求項163】
前記障害が、mGluR4受容体活性機能不全に関連する神経および/または精神障害である請求項162に記載の使用。
【請求項164】
前記障害がパーキンソン病である請求項162に記載の使用。
【請求項165】
哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化32】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも1つの化合物を代謝型グルタメート受容体活性を増大することの知られている副作用を有する薬物と一緒に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類のmGluR4活性に関連する神経伝達機能不全を治療するための方法。
【請求項166】
哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化33】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも1つの化合物を代謝型グルタメート受容体活性を増大することに関連する障害を治療することが知られている薬物と一緒に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全またはmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法。
【請求項167】
哺乳類の神経伝達機能不全を治療するのに有効な投薬量および量で、式:
【化34】

[式中、R1 およびR2 は、独立して、水素、任意に置換されたC1〜C6 アルキル、任意に置換されたC3〜C6 シクロアルキル、または加水分解性残基であり;
Cy1 および Cy2 は、独立して、任意に置換された環状C3〜C10 有機残基であり;
Y はNまたはC-R3(ここで、R3 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)であり;
Z1、Z2およびZ3 は、それぞれ独立して、NまたはC-R4(ここで、R4 は水素、ハライド、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、シアノ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、アルコキシ、チオール、アルキルスルホニル、または任意に置換されたC1〜C6 有機残基である)から選択される]
で表される構造を有する化合物またはその医薬的に許容な塩もしくは医薬的に許容な誘導体の少なくとも1つの化合物を神経伝達機能不全を治療することが知られている薬物と一緒に哺乳類に併用投与する工程を含む、哺乳類の神経伝達機能不全またはmGluR4活性に関連する他の疾患状態を治療するための方法。
【請求項168】
併用投与が実質的に同時である請求項165〜167のいずれか1つに記載の方法。
【請求項169】
併用投与が連続である請求項165〜167のいずれか1つに記載の方法。
【請求項170】
哺乳類がヒトである請求項165〜167のいずれか1つに記載の方法。
【請求項171】
前記機能不全がパーキンソン病である請求項165〜167のいずれか1つに記載の方法。
【請求項172】
前記障害が、統合失調症、精神病、「統合失調症-領域」障害、うつ病、双極性障害、認知障害、譫妄、健忘障害、不安障害、注意障害、肥満、摂食障害またはNMDA受容体関連障害である請求項165〜167のいずれか一つに記載の方法。

【公表番号】特表2013−500267(P2013−500267A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521845(P2012−521845)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043110
【国際公開番号】WO2011/011722
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(511183973)ヴァンダービルト ユニバーシティー (9)
【氏名又は名称原語表記】VANDERBILT UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】305 Kirkland Hall, Nashville, Tennessee 37240, U.S.A.
【Fターム(参考)】