説明

maxi−Kチャネル開口薬としてのピリミジン、ピリジン及びトリアジン誘導体

式(A)[式中、環Aは、芳香環又は芳香族複素環であり;Rは、独立に、ハロゲン、シアノなどであり;X、X及びXのそれぞれは、CR又は窒素であり;Rは、独立に水素などであり;nは、0、1、2、3又は4であり;−D−Yは、−O−CHCOOHなどであり;そしてGは、置換アミノ、置換複素環基などである]で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、BKチャネルの開口活性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頻尿、尿失禁、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脳梗塞、クモ膜下出血、過活動膀胱などのような疾患の治療に有用な、新しい化合物及びこの化合物を含む高コンダクタンス型カルシウム感受性カリウムチャネル開口薬に関する。
【背景技術】
【0002】
カリウムは、最も豊富な細胞内陽イオンであり、生理的ホメオスタシスを維持するのに非常に重要である。カリウムチャネルは、ほとんど全ての脊椎動物の細胞中に存在し、このチャネルへのカリウム流入は、過分極した静止膜電位の維持に必須である。
【0003】
高コンダクタンス型カルシウム感受性カリウムチャネル(BKチャネル又はmaxi−Kチャネルともいう)は、特に神経細胞や平滑筋細胞中に発現している。細胞内カルシウム濃度の上昇と膜脱分極との両方が、maxi−Kチャネルを活性化しうるため、maxi−Kチャネルは電圧依存性カルシウム流入を調節するのに重要な役割を果たしていると考えられてきた。細胞内カルシウム濃度の上昇は、神経伝達物質の放出、平滑筋の収縮、細胞増殖及び細胞死などのような多くのプロセスを媒介している。事実、maxi−Kチャネルの開口は、強い膜過分極を引き起こし、こうしてこれらのカルシウム誘導性反応を阻害する。したがって、maxi−Kチャネルを開口する活性を有する物質は、種々の脱分極に媒介される生理的反応を阻害することにより、脳梗塞、クモ膜下出血、頻尿、尿失禁などのような疾患の治療に有用である。
【0004】
BKチャネルを開口する医薬は、モルモットの気道標本の電気的に誘発された収縮を阻害する活性を有するという報告がある(非特許文献1)。したがって、これは、例えば、喘息、COPDなどの治療に有効である。また、BKチャネルを開口する医薬は、勃起不全などのような性機能障害の治療用薬剤となりうることが示唆されている(特許文献1)。
【0005】
高コンダクタンス型カルシウム感受性カリウムチャネル開口薬については、種々の報告がある。例えば、ピロール誘導体(特許文献2)、フラン誘導体(特許文献3)、窒素原子がフェニル又はベンジルで置換されている含窒素5員環誘導体(特許文献4)、ジフェニルトリアゾール誘導体(非特許文献2)、Celecoxib誘導体など(特許文献5)、ジフェニル複素環化合物(特許文献6)、含窒素5員複素環化合物(特許文献7)、イミダゾール化合物(特許文献8)、チアゾール化合物(特許文献9)などである。
【0006】
シクロオキシゲナーゼインヒビターを投与することを含む、哺乳動物の下部尿路の神経筋機能障害を治療する方法についての報告(特許文献10)、及びシクロオキシゲナーゼインヒビターとして知られているニフルム酸(Niflumic acid)を投与することを含む、頻尿を治療する方法についての報告(非特許文献3)がある。しかし、COX−1及びCOX−2として知られているシクロオキシゲナーゼを阻害することにより引き起こされる、副作用についての種々の報告もまた存在する。非ステロイド性抗炎症薬(「NSAID」)(この主要な薬理作用は、COX−1とCOX−2の両方の阻害である)の投与に伴う主要な副作用は、胃腸の不調と傷害である。これらの作用は、主としてCOX−1経路を介して産生される防御性プロスタグランジンの阻害によるものと、一般には理解されている。COX−2インヒビターに伴う副作用については、心血管イベントの発生率の上昇が報告されている(非特許文献4〜6など)。
【0007】
ピリミジン、ピリジン及びトリアジン誘導体に関しては種々の報告がある。例えば、ピリミジン誘導体(特許文献11、12及び13)、トリアジン(非特許文献7)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO 00/34244
【特許文献2】WO 96/40634
【特許文献3】JP 2000-351773
【特許文献4】WO 98/04135
【特許文献5】EP 1400243
【特許文献6】JP 2000-516925
【特許文献7】WO 02/83111
【特許文献8】WO 2006/030977
【特許文献9】WO 2007/51133
【特許文献10】US 6440963
【特許文献11】WO 2006/034473
【特許文献12】WO 2004/011442
【特許文献13】WO 2006/084017
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Pharmacol. Exp. Ther., (1998) 286: 952-958
【非特許文献2】J. Med. Chem., Vol. 45, p.2942-2952 (2002)
【非特許文献3】Therapy, 1970, XXV, 1051
【非特許文献4】N. Engl. J. Med., 352, 1071 (2005)
【非特許文献5】N. Engl. J. Med., 352, 1081 (2005)
【非特許文献6】N. Engl. J. Med., 352, 1092 (2005)
【非特許文献7】Zhurnal Obshchei Khimii (1972), 42(10), 2280
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、優れた高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口活性を有し、かつ頻尿、尿失禁、喘息、COPD、脳梗塞、クモ膜下出血、過活動膀胱などのような疾患の治療に有用な化合物であって、COX類の阻害により引き起こされる副作用を包含する副作用がほとんど又は全く無い化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意研究し、その結果、以下に示される式の化合物が、優れた高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口活性を有することを見い出し、こうして本発明を完成した。
【0012】
即ち、本発明は以下のとおり説明される。
【0013】
(1) 式(A):
【化1】


[式中、環Aは、芳香環又は芳香族複素環であり;
は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基によって置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
、X及びXのそれぞれは、独立にCR又は窒素であるが、ただし、X、X及びXのうち少なくとも1個は、窒素であり;
は、独立に、水素、ハロゲン、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Yは、カルボキシ、テトラゾリル又はアルコキシカルボニルであり;
Dは、下記式:
【化2】


で示される基であり;
は、水素又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヘテロアリールから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
、R、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキルであるか、あるいは
、R、R、R、R、R及びRのうちの2個は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環又は場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成してもよく;
Gは、−NR1011、−OR14、場合により1個以上のR15で置換されているフェニル、又は下記式:
【化3】


で示される基であり;
10は、アルキル(場合により、アルコキシ、ヒドロキシ、及び下記式:
【化4】


で示される基から選択される1個以上の置換基で置換されている)、又は場合により1個以上のR12で置換されているシクロアルキルであり;
11は、水素、又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
12は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
13は、独立に、ヒドロキシ、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、アルキルスルホニル、オキソ、ハロゲン、シアノ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、又はアルキル(場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、及び場合により置換されているアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
14は、アルキル(下記式:
【化5】


で示される基で置換されている)又は下記式:
【化6】


で示される基であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
環Bは、含窒素複素環であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
15は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
16は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
mは、0、1、2又は3であり;そして
rは、0、1、2又は3である]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【0014】
(2) 下記式:
【化7】


で示される基が、Rで置換されているピリミジン、又はトリアジンである、(1)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0015】
(3) 下記式:
【化8】


で示される基が、Rで置換されているピリミジンである、(1)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0016】
(4) 下記式:
【化9】


で示される基が、
【化10】


である、(1)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0017】
(5) 下記式:
【化11】


で示される基が、
【化12】


である、(1)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0018】
(6) Rが、水素である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0019】
(7) 環Aが、芳香環である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0020】
(8) 環Aが、ベンゼンである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0021】
(9) 環Aが、芳香族複素環である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0022】
(10) 環Aが、チオフェンである、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0023】
(11) Rが、独立に、ハロゲン、アルコキシ、又は場合により1〜3個のハロゲンで置換されているアルキルである、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0024】
(12) Rが、独立に、ハロゲン、又は場合により1〜3個のハロゲンで置換されているアルキルである、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0025】
(13) nが、1又は2である、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0026】
(14) Yが、カルボキシ又はアルコキシカルボニルである、(1)〜(13)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0027】
(15) Gが、下記式:
【化13】


で示される基である、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0028】
(16) Gが、−NR1011である、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0029】
(17) Gが、場合により1個以上のR15で置換されているフェニルである、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0030】
(18) 環Bが、ベンゼン又は単環式芳香族複素環である、(16)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0031】
(19) 環Bが、単環式含窒素複素環である、(15)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0032】
(20) R10が、場合により1個以上の下記式:
【化14】


で示される基で置換されているアルキルである、(16)若しくは(18)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0033】
(21) R10が、下記式:
【化15】


で示される基で置換されているアルキルである、(16)若しくは(18)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0034】
(22) R10が、場合により1個以上のR12で置換されているシクロアルキルである、(16)若しくは(18)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0035】
(23) Dが、下記式:
【化16】


で示される基である、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0036】
(24) Dが、下記式:
【化17】


で示される基である、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0037】
(25) Dが、下記式:
【化18】


で示される基である、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0038】
(26) Dが、下記式:
【化19】


で示される基である、(1)〜(22)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0039】
(27) Rが、水素又は場合によりヘテロアリールで置換されているアルキルである、(25)若しくは(26)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0040】
(28) Rが、エチルであり、そしてRが、エチルである、(23)〜(27)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0041】
(29) Rが、メチルであり、そしてRが、メチルである、(23)〜(27)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0042】
(30) Rが、水素であり、そしてRが、水素である、(23)〜(27)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0043】
(31) R及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成する、(25)若しくは(26)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0044】
(32) R及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成する、(1)〜(27)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0045】
(33) R及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環を形成する、(1)〜(27)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0046】
(34) R及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されているシクロプロパン環を形成する、(33)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0047】
(35) R及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されているシクロペンタン環を形成する、(33)に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0048】
(36) Dが、下記式:
【化20】


で示される基であるとき、Gが、下記式:
【化21】


[式中、R13aは、非置換若しくは置換アリール又は非置換若しくは置換ヘテロアリールである]で示される基ではない、(1)〜(35)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0049】
(37) Gが、フェニル又は1個以上のR15で置換されているフェニルであるとき、環Aが、芳香環である、(1)〜(36)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0050】
(38) Gが、フェニル又は1個のR15で置換されているフェニルであるとき、Dが、下記式:
【化22】


[式中、R4a、R5a、R6a及びR7aのうちの2個は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環又は場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成する]で示される基である、(1)〜(37)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0051】
(39) Gが、−OR14である、(1)〜(38)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0052】
(40) 治療において使用するための、(1)〜(39)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0053】
(41) BKチャネルの開口に応答性の障害又は疾患の予防及び/又は治療のための、(1)〜(40)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【0054】
(42) BKチャネルの開口に応答性の障害又は疾患の予防及び/又は治療のための方法であって、有効量の(1)〜(39)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法。
【0055】
(43) (1)〜(39)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を含む、高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口薬。
【0056】
(44) (1)〜(39)のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を含む医薬。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以降、本明細書におけるそれぞれの記号で示される各基を説明する。
【0058】
「アルキル」としては、直鎖又は分岐のC1−6、好ましくはC1−4アルキル、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル、ペンチル、ヘキシルなどが例示される。
【0059】
「アルコキシ」としては、直鎖又は分岐のC1−6、好ましくはC1−4アルコキシ、より具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが例示される。
【0060】
「アルカノイル」としては、直鎖又は分岐のC1−6、好ましくはC1−4アルカノイル、より具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどが例示される。
【0061】
「芳香環」としては、単環式、二環式又は三環式の6〜14員、好ましくは6〜10員の芳香環、より具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなど、特に好ましくは、ベンゼン及びナフタレンが例示される。
【0062】
「アリール」としては、単環式、二環式又は三環式の6〜14員、好ましくは6〜10員のアリール、より具体的には、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリルなど、特に好ましくは、フェニル及びナフチルが例示される。
【0063】
「炭素環」としては、部分的又は全体的に飽和している単環式又は二環式の3〜14員炭素環が例示され、そしてより好ましくは単環式炭素環が例示される。
【0064】
単環式炭素環としては、好ましくは部分的又は全体的に飽和している3〜8員炭素環基が例示され、そしてより好ましくは、シクロアルカン及びシクロアルケンなどが例示され、そして更に好ましくはシクロアルカンが例示される。
【0065】
「シクロアルカン」としては、3〜8員シクロアルカン、好ましくは3〜6員シクロアルカン、より具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなど、好ましくは、シクロプロパン、及びシクロペンタンが例示される。
【0066】
「シクロアルケン」としては、4〜8員シクロアルケン、好ましくは5〜7員シクロアルケン、より具体的には、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなど、好ましくは、シクロプロペン、及びシクロペンテンが例示される。
【0067】
二環式炭素環としては、好ましくは部分的又は全体的に飽和している7〜14員炭素環基が例示され、そしてより好ましくは、芳香環又は単環式炭素環に縮合したシクロアルカン、及び芳香環又は単環式炭素環に縮合したシクロアルケンなどが例示される。
【0068】
「シクロアルキル」としては、C3−8、好ましくはC3−6シクロアルキル、より具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが例示される。
【0069】
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が例示される。
【0070】
「複素環」としては、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、部分的又は全体的に飽和している単環式又は二環式の4〜10員複素環が例示される。この部分的又は全体的に飽和していてもよい単環式又は二環式複素環基は、オキソで置換されていてもよい。
【0071】
単環式複素環としては、好ましくは窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、部分的又は全体的に飽和している4〜7員複素環基が例示され、そして具体的にはアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペラジン、ホモモルホリン、ホモチオモルホリン、ホモピペリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、オキサゾリジンなどが例示される。
【0072】
二環式複素環としては、上記の同一であるか若しくは異なる単環式複素環のうちの2個が縮合している二環式複素環基、又は上記単環式複素環基とベンゼン環若しくは芳香族複素環とが縮合している二環式複素環が例示され、そして具体的にはジヒドロインドール、テトラヒドロキノリンなどが例示される。
【0073】
「芳香族複素環」としては、窒素、酸素及び硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する、単環式又は二環式の5〜10員芳香族複素環が例示される。好ましくは5〜10員芳香族複素環、より具体的には、オキサゾール、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラジン、テトラゾール、チアゾール、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾールなどが例示される。
【0074】
「ヘテロアリール」としては、単環式、二環式又は三環式の5〜14員ヘテロアリール、好ましくは5〜10員ヘテロアリール、より具体的には、オキサゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどが例示される。
【0075】
「含窒素複素環」としては、1〜4個の窒素と、酸素及び硫黄から選択される0〜3個のヘテロ原子とを含有する、部分的又は全体的に飽和している単環式又は二環式の4〜10員複素環が例示される。
【0076】
A) 下記式:
【化23】


で示される基
【0077】
環Aの好ましい「芳香族複素環」としては、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、フラン、ピリミジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ピリジンなど、より好ましくは、フラン、チオフェン、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン、更に好ましくはチオフェンが例示される。
【0078】
好ましい環Aとしては、芳香環、並びに硫黄原子及び酸素原子から選択される1個のヘテロ原子を含有する芳香族複素環が例示され、そしてより好ましい環Aは、ベンゼン、及びチオフェンである。
【0079】
の「アルコキシ(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C2−6−アルコキシ、ヒドロキシ−C2−6−アルコキシ及びトリハロアルコキシ、より好ましくは、2−アルコキシエトキシ、3−アルコキシプロポキシ、2−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、及びトリフルオロメトキシが例示される。
【0080】
の「アルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル及びトリハロアルキル、より好ましくは、アルコキシメチル、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、及びトリフルオロメチルが例示される。
【0081】
は、好ましくは、ハロゲン、シアノ、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり、そしてより好ましくは、ハロゲン、アルコキシ、場合により3個のハロゲンで置換されているアルキルであり、そして更に好ましくはハロゲンである。
【0082】
下記式:
【化24】


で示される好ましい基としては、1個又は2個のハロゲンで置換されているベンゼン、及び1個又は2個のハロゲンで置換されているチオフェンが例示される。
【0083】
下記式:
【化25】


で示される他の好ましい基としては、下記式:
【化26】


で示される基が例示されれ、そして更に好ましくは下記式:
【化27】


で示される基が例示される。
【0084】
下記式:
【化28】


で示される他の好ましい基としては、下記式:
【化29】


[式中、R1aは、Rである]で示される基が例示される。
【0085】
好ましいR1aとしては、ハロゲン原子、アルコキシ(場合により、ハロゲン及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)が例示され、そして具体的には、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル、メトキシ、及びエトキシが例示される。
【0086】
Gが、場合により1個以上のR15で置換されているフェニルであるとき、環Aの好ましい「芳香族複素環」は、単環式芳香族複素環であり、そして具体的には、ピリジン、ピリミジン、チオフェン、フラン、チアゾール、オキサゾール、及びピラゾール、そしてより好ましくは、ピリジン、チオフェン、チアゾール、及びピラゾールが例示される。
【0087】
B) 下記式:
【化30】


で示される基
【0088】
以下のとおり、X、X及びXの組合せには7つのパターンが存在する:
(1)Xが窒素であり、Xが窒素であり、そしてXが窒素である、
(2)XがCRであり、Xが窒素であり、そしてXが窒素である、
(3)Xが窒素であり、XがCRであり、そしてXが窒素である、
(4)Xが窒素であり、Xが窒素であり、そしてXがCRである、
(5)XがCRであり、XがCRであり、そしてXが窒素である、
(6)Xが窒素であり、XがCRであり、そしてXがCRである、及び
(7)XがCRであり、Xが窒素であり、そしてXがCRである。
【0089】
の「アルキル(アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル及びトリハロアルキル、より好ましくは、アルコキシメチル、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、及び3−ヒドロキシプロピルが例示される。
【0090】
は、好ましくは、水素、アルコキシ、及びアルキルであり、そしてより好ましくは水素である。
【0091】
C) −D−Y
の「ヘテロアリールで置換されているアルキル」の「ヘテロアリール」としては、単環式ヘテロアリール、より好ましくはピリジンが例示される。
【0092】
及びRは、好ましくは同一である。
【0093】
及びRは、好ましくは同一である。
【0094】
及びRは、好ましくは同一である。
【0095】
、R、R、R、R及びRのそれぞれの「アルキル」としては、好ましくはC1−3アルキル、より好ましくは、メチル及びエチルが例示される。
【0096】
、R、R、R、R、R及びRのうちの2個が、これらが結合している原子と一緒になって形成する、場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環としては、下記式(a)〜(d)、より好ましくは式(a)〜(c):
【化31】


[式中、R4a、R6a、及びR7aのそれぞれは、独立に水素又はアルキルであり、環Bは、複素環であり、Qは、−O−、−CR−又は−NR−であり、RXは、独立にアルキルであり、そしてqは、0、1、2又は3であり、そして他の記号は、上で定義したとおりである]が例示される。
【0097】
好ましいRは、アルキル(場合により、アルコキシ、及びヘテロアリールから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)である。
【0098】
、R、R、R、R及びRのそれぞれは、好ましくはアルキルである。
【0099】
式(a)の好ましい環Bとしては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリン、好ましくは、ピロリジン、ピペリジン及びモルホリンが例示される。
【0100】
式(b)の好ましい環Bとしては、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、及びチオモルホリン、好ましくは、アゼチジン、ピロリジン及びピペリジンが例示される。
【0101】
式(c)又は(d)の好ましい環Bとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、及びピペリジンが例示される。
【0102】
、R、R、R、R、R及びRのうちの2個が、これらが結合している原子と一緒になって形成してもよい、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環としては、下記式(e)及び(f)、より好ましくは式(e):
【化32】


[式中、環Bは、シクロアルカンであり、そして他の記号は、上で定義したとおりである]が例示される。
【0103】
好ましい環Bとしては、3〜6員シクロアルカン、そしてより好ましくは、シクロプロパン及びシクロペンタン、更に好ましくはシクロプロパンが例示される。
【0104】
好ましい−D−Yとしては、下記式:
【化33】


が例示される。
【0105】
D) −G
D1) −NR1011
10としては、好ましくは、アルコキシ−C2−6−アルキル、及び下記式:
【化34】


で示される基で置換されているC1−6−アルキルが例示される。
【0106】
10のアルコキシ−C2−6−アルキルとしては、2−アルコキシエチル、及び3−アルコキシプロピルが例示される。
【0107】
環Bの「芳香環」は、好ましくはベンゼンである。
【0108】
環Bの「芳香族複素環」は、好ましくはピリジンである。
【0109】
の「炭素環」は、好ましくは芳香環に縮合していてもよいシクロアルカンである。
【0110】
12の「アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、非置換アルコキシ、アルコキシ−C2−6−アルコキシ、ヒドロキシ−C2−6−アルコキシ及びトリハロアルコキシ、より好ましくは非置換アルコキシが例示される。
【0111】
12の「アルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル及びトリハロアルキル、より好ましくは、アルコキシメチル、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、及びトリフルオロメチルが例示される。
【0112】
12としては、好ましくは、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)が例示される。
【0113】
環Bとしては、好ましくは、芳香環、芳香族複素環及び炭素環が例示される。
【0114】
好ましい下記式:
【化35】


で示される基で置換されているC1−6−アルキルとしては、フェニルアルキル、シクロアルキルアルキル、及びピリジルアルキルが例示される。
【0115】
11の「アルキル(アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、好ましくは、アルコキシ−C2−6−アルキル、及びヒドロキシ−C2−6−アルキル、より好ましくは、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、2−ヒドロキシエチル、及び3−ヒドロキシプロピルが例示される。
【0116】
好ましい−NR1011の1つは、1個又は2個のアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基により独立に置換されている)で置換されているアミノである。
【0117】
好ましい−NR1011の1つは、R10が、下記式:
【化36】


で示される基で置換されているアルキルであり、そしてR11が、水素である基である。
【0118】
D2) 下記式:
【化37】


で示される基
【0119】
環Bとしては、好ましくは、1〜4個の窒素と酸素及び硫黄から選択される0〜3個のヘテロ原子とを含有する、部分的又は全体的に飽和している単環式4〜8員複素環又は二環式8〜10員複素環が例示される。
【0120】
環Bの単環式複素環としては、好ましくは1個又は2個の窒素と酸素及び硫黄から選択される0個又は1個のヘテロ原子とを含有する、部分的又は全体的に飽和している4〜7員複素環基が例示され、そして具体的には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ホモピペラジン、ホモモルホリン、ホモピペリジン、及びホモチオモルホリンが例示される。
【0121】
環Bの二環式複素環としては、好ましくは上記含窒素単環式複素環とベンゼン環又は芳香族複素環とが縮合している二環式複素環基が例示され、そして具体的には、ジヒドロインドール、テトラヒドロキノリン、及びテトラヒドロイソインドリンが例示される。
【0122】
環Bとしては、好ましくは単環式複素環が例示され、そして具体的には、ピロリジン及びピペリジンが例示される。
【0123】
13の「アルコキシ(ハロゲン、シクロアルキル、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C2−6−アルコキシ、ヒドロキシ−C2−6−アルコキシ、C3−6−シクロアルキル−C2−6−アルコキシ及びトリハロアルコキシ、より好ましくは、2−アルコキシエトキシ、3−アルコキシプロポキシ、2−ヒドロキシエトキシ、3−ヒドロキシプロポキシ、シクロプロピルメトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロエトキシ、及びトリフルオロメトキシが例示される。
【0124】
13の「アルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル及びハロアルキル、より好ましくは、アルコキシメチル、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、及び3−ヒドロキシプロピル、更に好ましくは、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、1−メチル−1−ヒドロキシ−1−エチル及びフルオロメチルが例示される。
【0125】
13の「ヘテロアリール」としては、ピリミジン及びピリジンが例示される。
【0126】
好ましいR13としては、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、オキソ、ハロゲン、アリール、アルコキシカルボニル又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、より好ましくは、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル、及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、更に好ましくは、アルコキシアルキル及びアルコキシが例示される。
【0127】
下記式:
【化38】


で示される好ましい基の1つは、2位でアルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)で置換されているピロリジルであり、更に好ましくは2−メトキシメチルピロリジルである。
【0128】
下記式:
【化39】


で示される好ましい基の1つは、
【化40】


である。
【0129】
D3) 場合により1個以上のR15で置換されているフェニル
15の「アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、非置換アルコキシ、アルコキシ−C2−6−アルコキシ、ヒドロキシ−C2−6−アルコキシ及びトリハロアルコキシ、より好ましくは非置換アルコキシが例示される。
【0130】
15の「アルキル(ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)」としては、アルコキシ−C1−6−アルキル、ヒドロキシ−C1−6−アルキル及びトリハロアルキル、より好ましくは、アルコキシメチル、2−アルコキシエチル、3−アルコキシプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、及びトリフルオロメチルが例示される。
【0131】
15は、好ましくは、ハロゲン、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり、より好ましくは、ハロゲン及びアルコキシである。
【0132】
好ましい「場合により1個以上のR15で置換されているフェニル」は、1個又は2個のR15で置換されているフェニルであり、より好ましくは2個のR15で置換されているフェニルであり、具体的には下記式:
【化41】


で示される基である。
【0133】
D4) −OR14
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環である。
【0134】
好ましい環Bは、芳香環又は芳香族複素環である。
【0135】
環Bの好ましい芳香環としては、ベンゼンが例示される。
【0136】
環Bの好ましい芳香族複素環としては、チオフェン、ピリジン、ピリミジン、キノリン及びイソキノリンが例示される。
【0137】
好ましいR16としては、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)が例示される。
【0138】
16は、好ましくは、ハロゲン、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びシクロアルキルから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン及びアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり、より好ましくは、ハロゲン、又はアルコキシである。
【0139】
14の「下記式:
【化42】


で示される基で置換されているアルキル」中の好ましいアルキルとしては、メチル及びエチルが例示される。
【0140】
本発明の式(A)の化合物の薬学的に許容しうる塩の例としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は臭化水素酸塩のような無機酸塩、及び酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシラート又はマレイン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。また、カルボキシのような酸性基を有する化合物の場合には、塩基(例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエチルアミン塩のような有機塩基塩;又はリシン塩のようなアミノ酸塩)との塩が挙げられる。
【0141】
式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、その分子内塩、及び水和物のような溶媒和物のいずれをも包含する。
【0142】
本発明の式(A)の化合物には、不斉炭素に基づく光学異性体が存在してもよく、その異性体及びその混合物のいずれもが本発明に包含されてよい。更に、本発明の式(A)の化合物が、二重結合又はシクロアルカンジイル部分を有する場合には、シス型及びトランス型が存在してもよく、そして本発明の式(A)の化合物中のカルボニルなどのような不飽和結合に基づいて、互変異性体が存在してもよく、そしてこれらの異性体及びその混合物のどれもが、本発明の式(A)の化合物に包含されてよい。
【0143】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、遊離形で、又は薬学的に許容しうる塩の形で本医療用途に使用することができる。式(A)の化合物の薬学的に許容しうる塩の例には、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は臭化水素酸塩のような無機酸塩、及び酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシラート又はマレイン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。更に、カルボキシのような酸性基を有する化合物の場合には、塩基との塩(例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;トリエチルアミン塩のような有機塩基塩;又はリシン塩のようなアミノ酸塩)を挙げることができる。
【0144】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、その分子内塩、及び水和物のような溶媒和物を包含する。
【0145】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、経口又は非経口投与することができ、そして薬学的に許容しうる担体又は希釈剤と共に、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉剤、注射剤及び吸入剤のような一般的な製剤として使用することができる。
【0146】
経口投与製剤用の薬学的に許容しうる担体は、一般に使用される物質、例えば、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント及びポリビニルピロリドンなど)、賦形剤(乳糖、糖類、トウモロコシデンプン、リン酸カリウム、ソルビット及びグリシンなど)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール及びシリカなど)、崩壊剤(バレイショデンプンなど)及び保湿剤(無水ラウリル硫酸ナトリウムなど)を包含する。
【0147】
他方で、本発明の活性成分が非経口投与されるとき、これは、注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などを用いることにより注射若しくは点滴用の剤形に、又は坐剤に処方してもよい。
【0148】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の用量は、投与経路、患者の年齢、体重、症状又は疾患の種類若しくは程度に応じて変化させることができ、一般には1日に約0.1〜50mg/kg体重、特に好ましくは1日に約0.3〜30mg/kg体重である。
【0149】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、優れた高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口活性を有しており、かつ細胞の膜電位を過分極させるため、これは、例えば、高血圧、過敏性腸症候群、慢性心不全、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、クモ膜下出血、脳血管けいれん、脳低酸素症、末梢血管障害、不安、勃起不全、糖尿病、糖尿病性末梢神経障害、他の糖尿病合併症、尿石症とこれに伴う疼痛、頻尿、尿失禁、夜尿症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息若しくはCOPDに伴う咳、脳内出血、外傷性脳症、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺炎に伴う疼痛、過活動膀胱などの予防、軽減、及び/又は治療用の薬剤として使用することができる。
【0150】
本発明の式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩の一部は、COX阻害活性が非常に弱いか又は全く無いため、この化合物は、副作用がほとんど又は全く無く、BKチャネル開口に応答性の障害又は疾患の予防及び/又は治療に有用である。
【0151】
式(A)により表される本発明の化合物は、以下の方法により調製することができる。
【0152】
更には、特に断りない限り、本明細書において使用されるとき以下の略語は、それぞれ以下の意味である。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
Bz:ベンゾイル
Me:メチル
Et:エチル
Pr:イソプロピル
Bu:第3級ブチル
Ac:アセチル
【0153】
一般合成スキーム:
【化43】


[式中、Xは、塩素又は臭素原子であり、
PGは、カルボキシの保護基であり、
Wは、下記式:
【化44】


で示される基であり、
は、−OR14、−NR1011、又は下記式:
【化45】


で示される基であり、そして
他の記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0154】
化合物(2)は、Tetrahedron Letters, 36, 8761 (1995)を参照して化合物(1)から合成することができる。化合物(2)を、アルカリ金属アルコキシドのような塩基の存在下でアルカノールのような溶媒中で溶媒の還流温度で1〜24時間、化合物(3)と反応させることにより、化合物(4)が得られる。化合物(4)を、POClなどのようなハロゲン化剤と、室温〜還流温度で1〜24時間反応させることにより、化合物(5)が得られる。化合物(5)を、水素化ナトリウムなどのような塩基の存在下でTHF、DMFなどのような非プロトン性溶媒中で−78℃未満〜室温で1〜24時間、化合物(8)と反応させることにより、化合物(6)が得られる。化合物(7)は、塩基の存在下で溶媒中で−78℃未満〜溶媒の還流温度で1〜24時間、化合物(6)を化合物(9)と反応させることにより合成できる。この溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り、厳密には限定されない。この塩基としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩及びアルカリ金属フッ化物のような無機塩基、又はトリエチルアミンのような有機塩基が例示され、そしてこれらが適切に使用される。化合物(7)を、常法下で脱保護することにより、化合物(A−1)が得られる。PGとしては、メチル、エチル、及びt−ブチルなどのようなアルキル;メトキシメチル、2−トリメチルシリルエトキシメチル及びp−メトキシフェニルメチルなどのような置換メチル;2−ハロエチルなどのような2−置換エチル;アリル;並びにt−ブチルジメチルシリル、トリエチルシリルなどのようなトリアルキルシリル、好ましくは上述の化合物(6)が得られる条件のような塩基性条件下で脱離されない保護基が例示される。
【0155】
式(8−2):
【化46】


で示される化合物は、化合物(8)の代替として本スキームに使用することができる。
【0156】
【化47】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0157】
化合物(10)を、水素化ナトリウムなどのような塩基の存在下でTHF、DMFなどのような非プロトン性溶媒中で−78℃未満〜室温で1〜24時間、化合物(8)と反応させることにより、化合物(11)(主生成物)及び化合物(12)(副生成物)が得られる。
【0158】
【化48】


[式中、Zは、−B(OH)、−B(OR)又は−Sn(R)であり、Rは、アルキルであり、そして他の記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0159】
化合物(11)を、同様の方法でパラジウム触媒の存在下で化合物(15)と反応させることにより、化合物(13)(主生成物)及び化合物(14)(副生成物)を合成する。パラジウム触媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)などのようなゼロ価又は二価パラジウム触媒が例示され得る。本反応が、化合物(15)(ここで、Zは、−B(OH)又は−B(OR)である)を用いて実施されるとき、好ましくは塩基が存在する。塩基としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属フッ化物などのような無機塩基、及びトリエチルアミンなどのような有機塩基が例示され得る。溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り厳密には限定されず、そしてジメトキシエタン(DME)、THF、ジオキサン、DMF、DMA、トルエン、ベンゼン又はこれらの混合物が例示され得る。本反応は、一般に60〜150℃、好ましくは80〜120℃で、そして一般には1〜24時間進行する。
【0160】
【化49】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0161】
化合物(13)を、スキーム1と同様の方法で化合物(9)と反応させることにより、化合物(47)を合成する。
【0162】
化合物(47)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−2)が得られる。
【0163】
式(8−2):
【化50】


で示される化合物は、化合物(8)の代替としてスキームに使用することができる。
【0164】
【化51】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0165】
化合物(17)は、化合物(12)からスキーム1と同様の方法で調製することができる。
【0166】
スキーム2中の化合物(14)から、対応する式(1)の化合物を、同様の方法で調製することができる。
【0167】
化合物(8)の代わりに、スキーム1に記載された化合物(8−2)も使用することができる。
【0168】
化合物(17)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−3)が得られる。
【0169】
【化52】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0170】
化合物(21)は、スキーム1〜3と同様の方法で化合物(2)から調製することができる。
【0171】
化合物(21)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−4)が得られる。
【0172】
【化53】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0173】
スキーム1と同様の方法で反応を実施することにより調製される化合物(23)を、スキーム1と同様の方法で化合物(26)と反応させることにより、化合物(24)を合成する。化合物(25)は、化合物(24)から、水素雰囲気下でのPd触媒などの存在下での還元によるか、又はFe、Sm、Cu、Co及びPd試薬などを用いる1,4−還元により入手することができる。
【0174】
【化54】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0175】
化合物(30)は、スキーム1〜5と同様の方法で反応を実施することにより調製できる。
【0176】
式(8−2):
【化55】


で示される化合物は、化合物(8)の代替として本スキームに使用することができる。
【0177】
化合物(30)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−5)が得られる。
【0178】
【化56】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0179】
化合物(33)は、化合物(31)からスキーム1〜6と同様の方法で反応を実施することにより調製できる。化合物(33)を、トリエチルアミンのような有機塩基の存在下でトリホスゲンと、−78℃未満〜0℃、好ましくは−10℃〜−5℃で反応させることにより、化合物(34)が得られる。化合物(35)は、化合物(34)をスキーム1〜6と同様の方法で化合物(15)と反応させることにより調製できる。
【0180】
式(8−2):
【化57】


で示される化合物は、化合物(8)の代替として本スキームに使用することができる。
【0181】
化合物(35)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−6)が得られる。
【0182】
【化58】


[式中、Lは、アルキルチオ又はアリールチオであり、そして記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0183】
化合物(37)は、化合物(36)からスキーム1〜6と同様の方法で反応を実施することにより調製できる。化合物(38)は、化合物(37)からスキーム1〜6と同様の方法で反応を実施することにより調製できる。
【0184】
化合物(39)を、化合物(38)からOrg. Lett. 2002, 4(6), 979に記載されるやり方で反応を実施することにより調製できる。
【0185】
式(8−2):
【化59】


で示される化合物は、化合物(8)の代替として本スキームに使用することができる。
【0186】
化合物(39)は、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−7)が得られる。
【0187】
【化60】


[式中、RYは、アルキル又はアリールであり、そして記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0188】
化合物(40)は、化合物(37)からスキーム1〜6と同様の方法で反応を実施することにより調製できる。
【0189】
化合物(42)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−8)が得られる。
【0190】
【化61】


[式中、tは、0、1、2、3又は4であり、そして他の記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0191】
化合物(44)は、化合物(6)をパラジウム触媒の存在下で化合物(43)と反応させることにより合成できる。化合物(44)を、常法により脱保護することによって、化合物(A−10)が得られる。
【0192】
式(8−2):
【化62】


で示される化合物は、化合物(8)の代替として本スキームに使用することができる。
【0193】
【化63】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0194】
化合物(13)を、スキーム1と同様の方法で化合物(43)と反応させることにより、化合物(45)を合成する。
【0195】
スキーム10に記載された化合物(8−2)は、化合物(8)の代替として使用することができる。
【0196】
【化64】


[式中、記号は、上で定義されたものと同じ意味を有する]。
【0197】
化合物(46)は、スキーム1と同様の方法で化合物(12)から調製することができる。
【0198】
化合物(46)を、スキーム1と同様の方法で脱保護することにより、化合物(A−11)が得られる。
【0199】
スキーム1に記載された化合物(8−2)は、化合物(8)の代替として使用することができる。
【0200】
なお、上記のスキームにおいて、本発明の化合物、中間体化合物、出発化合物などが、官能基(ヒドロキシル、アミノ、カルボキシなど)を有するとき、この官能基は、有機合成化学において一般に使用される保護基で保護してもよい。ヒドロキシルの保護基としては、テトラヒドロピラニル、トリメチルシリル、ベンジルなどが挙げられる。アミノの保護基としては、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。カルボキシの保護基としては、メチル、エチルなどのようなアルキル、ベンジルなどが挙げられる。
【0201】
更に、本発明の化合物及び中間体化合物が、上記のスキームにより調製された後、官能基は、必要に応じて従来法により変換又は修飾することができる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
【0202】
(1) アミノの修飾
場合によりアミノを保護した後、(i)ハロゲン化アルキルなどとの反応を、塩基(水素化ナトリウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下で実施するか、又は(ii)アルコールなどを、アゾジカルボン酸ジアルキル及びトリフェニルホスフィンを用いる光延反応に付し、そして場合により脱保護を実施することによって、アミノをモノ−又はジ−アルキルアミノに変換してもよい。
【0203】
(2) アミノのアミドへの変換
アミノは、ハロゲン化アシルと反応させることにより、対応するアミドに変換してもよい。
【0204】
(3) カルボキシのカルバモイルへの変換
カルボキシは、アミンと反応させることにより、対応するカルバモイルに変換してもよい。
【0205】
(4) C=C二重結合の水素化
C=C二重結合は、遷移金属(白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケルなど)触媒を用いる接触還元により、対応する単結合に変換してもよい。
【0206】
(5) エステルの加水分解
エステルは、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を用いる加水分解により、対応するカルボキシに変換してもよい。
【0207】
(6) カルバモイルのニトリルへの変換
カルバモイルは、トリフルオロ酢酸無水物と反応させることにより、対応するニトリルに変換してもよい。
【0208】
(7) カルボキシの4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イルへの変換
カルボキシは、縮合剤の存在下で2−ハロエチルアミンと反応させることにより、対応する4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イルに変換してもよい。
【0209】
(8) ヒドロキシルのハロゲン化及びアルキル化
ヒドロキシルは、ハロゲン化剤と反応させることにより、対応するハロゲン化物に変換してもよい。また、ハロゲン化物は、アルコールと反応させることにより、対応するアルコキシに変換してもよい。
【0210】
(9) エステルの還元
エステルは、還元剤(水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウムなどのような金属還元剤、ジボランなど)を用いる還元により、対応するヒドロキシルに変換してもよい。
【0211】
(10) ヒドロキシルの酸化
ヒドロキシルは、酸化により、アルデヒド、ケトン又はカルボキシに変換してもよい。
【0212】
(11) ケトン又はアルデヒドのアミノ化
ケトン又はアルデヒドは、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなど)の存在下でのアミンによる還元的アミノ化によって、モノ−又はジ置換アミノメチルに変換してもよい。
【0213】
(12) ケトン又はアルデヒドの二重結合への変換
ケトン又はアルデヒドは、Wittig反応により、二重結合に変換してもよい。
【0214】
(13) スルホンアミドの塩への変換
スルホンアミドは、アルコール(メタノール、エタノールなど)中で水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどで処理することにより、対応するスルホンアミド塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)に変換してもよい。
【0215】
(14) アルデヒドのオキシムなどへの変換
アルデヒドは、塩基(重炭酸ナトリウムなど)の存在下でアルコール(メタノール、エタノールなど)中でヒドロキシルアミン又はO−アルキルヒドロキシルアミンと反応させることにより、対応するオキシムに変換してもよい。
【0216】
(15) ハロゲン化物のニトリルへの変換
ハロゲン化物は、シアン化剤と反応させることにより、対応するニトリルに変換してもよい。
【0217】
(16) ハロゲン化物のアミノ化
ハロゲン化物は、Tetrahedron, 2002, p.2041に開示される方法により、対応するアミンに変換してもよい。
【0218】
(17) カルボン酸のカルバモイル又はヒドロキシメチルへの変換
カルボン酸は、N−ヒドロキシスクシンイミドと縮合することにより、スクシンイミドエステルを得て、これをアミンと反応させることにより、対応するカルバモイルに変換してもよい。また、このスクシンイミドエステルは、還元剤(水素化ホウ素ナトリウムなど)で処理することにより、対応するヒドロキシメチルに変換してもよい。
【0219】
(18) 脱ハロゲン化
ハロゲン置換芳香環は、接触還元により脱ハロゲン化してもよい。また、Organometallics 2001, 20, 3607に開示される方法により、パラジウム触媒の存在下でカリウムメトキシドと反応させることにより、脱ハロゲン化することもできる。
【0220】
(19) ハロゲン化アリールの変換
ハロゲン化物は、ハロゲン化アリール又はハロゲン化ヘテロアリールを、Pd触媒などを用いて求核試薬(第1級アミン、第2級アミン、アルコール、フェノールなど)と反応させることにより、対応するアミノ、アルコキシ又はアリールオキシに変換してもよい。
【0221】
(20) ハロゲン化ヘテロアリールのアルキル化
ハロゲンは、Chem. Commun., 1996, 2719、J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1988, 638、又はTetrahedron Lett., 37, 1309 (1996)に開示される方法により、アルキルに変換してもよい。
【実施例】
【0222】
以下において、本発明を、実施例、参照例及び実験例を参照することによりより詳細に説明するが、本発明は、実施例などに限定されない。
【0223】
実施例1:
【0224】
【化65】

【0225】
塩化アンモニウム(15.0g、280mmol)のトルエン(103mL)中懸濁液に、トリメチルアルミニウム(トルエン中2.0M溶液;127ml、255mmol)をアルゴン雰囲気下で0℃にて滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。化合物1(19.8g、127mmol)をそこに加え、混合物を80℃で一晩撹拌した。冷却後、反応混合物をクロロホルム中のシリカゲル及び水のスラリーにゆっくりと注いだ。混合物を30分間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルでトリチュレートして、化合物2(18.9g、71%)を固体として得た。
MS:173/175[M+H]、APCI。
【0226】
ナトリウムエトキシドの溶液を、ナトリウム(5.87g、256mmol)を無水EtOH(170mL)に溶解することにより調製した。そこに化合物2(17.8g、85.3mmol)及びマロン酸ジエチル(16.4g、102mmol)を0℃で加えた。混合物を3時間還流した。冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、36%塩酸水溶液で酸性化した。沈殿物を濾過により回収して、化合物3(20.0g、97%)を粉末として得た。
MS:241/243[M+H]、APCI。
【0227】
化合物3(10.0g、41.6mmol)、塩化ホスホリル(39mL)及びN,N−ジエチルアニリン(13mL)の混合物を、22時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を氷−水に注ぎ、それを酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製して、化合物4(11.2g、97%)を固体として得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 7.82 (1H, t, J = 8.4 Hz), 8.06 (1H, s), 8.14-8.19 (2H, m)。
【0228】
化合物4(9.00g、32.4mmol)及び2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(4.60g、38.9mmol)のTHF(180mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.56g、38.9mmol)を−78℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製して、ジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、化合物5(9.02g、77%)を粉末として得た。
MS:359/361[M+H]、APCI。
【0229】
化合物5(60.0mg、167μmol)のTHF(1.67mL)溶液に、ピペリジン(82.5μl、835μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=19:1)により精製して、化合物6(67.6mg、99%)を固体として得た。
MS:408/410[M+H]、APCI。
【0230】
化合物6(66.4mg、163μmol)のMeOH(1.00mL)及びTHF(1.00mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(407μl、814μmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を1Mクエン酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層をChem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた遊離酸(58.5mg、149μmol)をアセトンに溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(72.8μl、146μmol)で処理し、次に減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物7(48.4mg、73%)を粉末として得た。
MS:392/394[M−Na]、ESI。
【0231】
実施例2:
【0232】
【化66】

【0233】
化合物1(2.00g、5.57mmol)とメタンスルフィン酸ナトリウム(2.01g、16.7mmol)のDMF(27.8mL)中混合物を、50℃で一晩撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、化合物2(2.16g、96%)を粉末として得た。
MS:403/405[M+H]、APCI。
【0234】
化合物2(60.0mg、149μmol)のTHF(1.67mL)溶液に、プロピルアミン(68.7μl、835μmol)及びトリエチルアミン(27.9μl、201μmol)を加え、混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物3(55.3mg、97%)を粘性油状物として得た。
MS:382/384[M+H]、APCI。
【0235】
化合物4を、化合物3を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:366/368[M−Na]、ESI。
【0236】
実施例3:
【0237】
【化67】

【0238】
化合物1(100mg、290μmol)、インドリン(51.8mg、435μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(13.3mg、14.5μmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(25.2mg、43.5μmol)及び炭酸セシウム(189mg、579μmol)の1,4−ジオキサン(2.90mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で一晩還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:1)により精製して、化合物2(33.5mg、27%)を固体として得た。
MS:428/430[M+H]、APCI。
【0239】
化合物3を、化合物2を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:398/400[M−Na]、ESI。
【0240】
実施例4:
【0241】
【化68】

【0242】
化合物1(60mg、168μmol)、2−ピロリジノン(16μL、204μmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8mg、8μmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(15mg、25μmol)、及びリン酸三カリウム(50mg、236μmol)の1,4−ジオキサン(3mL)中混合物を、アルゴン雰囲気下で6時間還流した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→13:7)により精製して、化合物2(62.3mg、91%)を固体として得た。
MS:406/408[M+H]、APCI。
【0243】
化合物2(47mg、116μmol)とヨウ化リチウム(109mg、814μmol)のコリジン(4mL)中混合物を、アルゴン雰囲気下で30分間還流した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、10%塩酸水溶液及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=49:1)により精製した。固体をTHF及びMeOHに懸濁し、0.5M重炭酸ナトリウム水溶液(91μL、46μmol)で処理し、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物3(19.3mg、40%)を粉末として得た。
MS:390/392[M−Na]、ESI。
【0244】
実施例5:
【0245】
【化69】

【0246】
化合物1(5.00g、25.6mmol)及びメチル 1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボキシラート(3.97g、30.8mmol)のTHF(100mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.23g、30.8mol)を−78℃で加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製して、化合物2(6.91g、98%)を固体として得た。
MS:275/277[M+H]、APCI。
【0247】
化合物2(5.00g、18.2mmol)のTHF(18.2mL)溶液に、(S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(3.37ml、27.3mmol)及びトリエチルアミン(3.81ml、27.3mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌し、更に50℃で22時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)により精製して、化合物3(6.72mg、定量)を粘性油状物として得た。
MS:354[M+H]、APCI。
【0248】
化合物3(70mg、198μmol)、4,5−ジクロロチオフェン−2−ボロン酸(117mg、594μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(24mg、20μmol)、チオフェン−2−炭酸銅(I)(117mg、594μmol)及びTHF(2mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下で2時間還流した。更なる4,5−ジクロロチオフェン−2−ボロン酸(117mg、594μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(24mg、20μmol)、及びチオフェン−2−炭酸銅(I)(117mg、594μmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で15時間還流した。冷却後、反応混合物を飽和水酸化アンモニウム水溶液及び酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、NHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物4(51mg、67%)を固体として得た。
MS:458/460[M+H]、APCI。
【0249】
化合物5を、化合物4を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:442/444[M−Na]、ESI。
【0250】
実施例6:
【0251】
【化70】

【0252】
化合物1(3.00g、15.9mmol)及び2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(2.26g、19.1mmol)のTHF(30.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、765mg、19.1mmol)を−78℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製して、化合物2(3.34g、79%)を固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.76(6H, s), 3.75(3H, s)。
【0253】
化合物2(150mg、564mmol)のTHF(2.82mL)溶液に、(S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(73.1μl、592μmol)及びトリエチルアミン(118μl、677μmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をChem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物3(218mg、定量)を固体として得た。
MS:345/347[M+H]、APCI。
【0254】
化合物3(102mg、277μmol)、4−クロロ−3−フルオロフェニルボロン酸(74.1mg、416μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(19.9mg、27.7μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(416μL、831μmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.77mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で2時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物4(108mg、89%)を粘性油状物として得た。
MS:439/441[M+H]、APCI。
【0255】
化合物5を、化合物4を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:423/425[M−Na]、ESI。
【0256】
実施例7:
【0257】
【化71】

【0258】
化合物1(5.00g、27.3mmol)及び2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(3.38g、29.3mmol)のTHF(100mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.15g、28.6mmol)を0℃で加えた。0℃で1時間後、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1)により精製して、化合物2と3の混合物(5.56g、合計77%、モル比=1:1.2)を液体として得た。
MS:265/267[M+H]、APCI。
【0259】
化合物2及び3(3.00g、合計11.3mmol)のTHF(50mL)溶液に、4−エトキシピペリジン(1.54g、11.9mmol)及びトリエチルアミン(3.16ml、22.7mmol)を加え、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した。残渣を酢酸エチルで希釈し、1Mクエン酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)により精製して、化合物4(1.78mg、34% 2工程)を粘性油状物として得た。
MS:358/360[M+H]、APCI。
【0260】
化合物4(70mg、196μmol)、カリウム 5−クロロ−2−チオフェントリフルオロボラート(88mg、392μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(16mg、19.6μmol)及びジイソプロピルエチルアミン(103μL、589μmol)のジオキサン/水(10:1、2mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で4時間還流した。冷却後、そこにカリウム 5−クロロ−2−チオフェントリフルオロボラート(88mg、392μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(16mg、19.6μmol)及びジイソプロピルエチルアミン(103μL、589μmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で3時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=23:2)により精製して、化合物5(39mg、45%)を粉末として得た。
【0261】
化合物6を、化合物5を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:424[M−Na]、ESI。
【0262】
実施例8:
【0263】
【化72】

【0264】
化合物1(500mg、1.82mmol)、4−クロロ−3−フルオロフェニルボロン酸(486mg、2.73mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(130mg、182μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(2.73mL、5.46mmol)の1,2−ジメトキシエタン(18.2mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で1.5時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物2(657mg、98%)を粉末として得た。
MS:369/371[M+H]、APCI
【0265】
化合物2(653mg、1.77mmol)のクロロホルム(8.85mL)溶液に、3−クロロ過安息香酸(896mg、3.89mmol)を0℃で加え、混合物を同じ温度で1.5時間撹拌した。そこに飽和亜硫酸ナトリウム水溶液及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、混合物をクロロホルムで抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→6:4)により精製して、化合物3(594mg、84%)を粉末として得た。
MS:401/403[M+H]、APCI。
【0266】
化合物3(70mg、175μmol)のTHF(1.75mL)溶液に、(S)−(+)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(65μl、524μmol)及びトリエチルアミン(37μl、262μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物4(77mg、定量)を粉末として得た。
MS:436/438[M+H]、APCI。
【0267】
化合物4(73.1mg、166μmol)のMeOH(1.00mL)及びTHF(1.00mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(415μL、830μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を1Mクエン酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層をChem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。得られた遊離酸(71.9mg、166μmol)をアセトンに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液(81μl、162μmol)で処理し、次に減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物5(71.1mg、98%)を粉末として得た。
MS:420/422[M−Na]、ESI。
【0268】
対応する出発物質を上記実施例のいずれかと類似の方法で処理して、以下の化合物を得た。
【0269】
実施例9:
【0270】
【化73】

【0271】
【表1】











【0272】
実施例61:
【0273】
【化74】

【0274】
【表2】











【0275】
実施例90:
【0276】
【化75】

【0277】
実施例91:
【0278】
【化76】

【0279】
実施例92:
【0280】
【化77】

【0281】
実施例93:
【0282】
【化78】

【0283】
【表3】













【0284】
実施例150:
【0285】
【化79】

【0286】
【表4】











【0287】
実施例179:
【0288】
【化80】

【0289】
実施例180:
【0290】
【化81】

【0291】
実施例181:
【0292】
【化82】

【0293】
実施例182:
【0294】
【化83】

【0295】
【表5】

【0296】
実施例186:
【0297】
【化84】

【0298】
塩化アンモニウム(15.0g、280mmol)のトルエン(103mL)中懸濁液に、トリメチルアルミニウム(トルエン中の2.0M溶液;127ml、255mmol)をアルゴン雰囲気下で0℃にて滴下し、混合物を室温で2時間撹拌した。そこに化合物1(19.8g、127mmol)を加え、混合物を80℃で一晩撹拌した。冷却後、反応混合物をクロロホルム中のシリカゲル及び水のスラリーにゆっくりと注いだ。混合物を30分間撹拌し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルでトリチュレートして、化合物2(18.9g、71%)を固体として得た。
MS:173/175[M+H]、APCI。
【0299】
ナトリウムエトキシドの溶液を、ナトリウム(5.87g、256mmol)を無水EtOH(170mL)に溶解することにより調製した。そこに化合物2(17.8g、85.3mmol)及びマロン酸ジエチル(16.4g、102mmol)を0℃で加えた。混合物を3時間還流した。冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、36%塩酸水溶液で酸性化した。沈殿物を濾過により回収して、化合物3(20.0g、97%)を固体として得た。
MS:241/243[M+H]、APCI。
【0300】
化合物3(10.0g、41.6mmol)、塩化ホスホリル(39mL)及びN,N−ジエチルアニリン(13mL)の混合物を、22時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を氷−水に注ぎ、それを酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:1)により精製して、化合物4(11.2g、97%)を固体として得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 7.82 (1H, t, J = 8.4 Hz), 8.06 (1H, s), 8.14-8.19 (2H, m)。
【0301】
化合物4(6.00g、21.6mmol)及びグリコール酸エチル(2.48g、23.8mmol)のTHF(60.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、951mg、23.8mol)を−78℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製して、化合物5(6.37g、85%)を固体として得た。
MS:345/347[M+H]、APCI。
【0302】
化合物5(42.0mg、121μmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(25.5mg、183μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(8.72mg、12.2μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(122μL、243μmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.22mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で2時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=93:7→17:3)により精製して、化合物6(34.5mg、70%)を固体として得た。
MS:405/407[M+H]、APCI。
【0303】
化合物6(32.2mg、79.5μmol)のEtOH(1.00mL)及びTHF(1.00mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(39.8μL、79.5μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物7(31.1mg、98%)を固体として得た。
MS:375/377[M−Na]、ESI。
【0304】
実施例187:
【0305】
【化85】

【0306】
化合物1(91mg、157μmol)と1,3−ジメトキシベンゼン(205μL、1.57mmol)の混合物に、トリフルオロ酢酸(1.6mL)を0℃で加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=10:1)により精製して、遊離カルボン酸(72mg、157μmol)を得た。遊離カルボン酸をTHF(2mL)に溶解し、そこに2M NaOH(77μL、154μmol)を加えた。揮発物を減圧下で除去し、残渣をヘキサン/ジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物2(66mg、88%)を粉末として得た。
化合物2:MS:457/459[M−Na]、ESI。
【0307】
実施例188:
【0308】
【化86】

【0309】
化合物2及び3を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:251/253[M+H]、APCI。
化合物3:MS:251/253[M+H]、APCI。
【0310】
化合物4を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:345/347[M+H]、APCI。
【0311】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:405/407[M+H]、APCI。
【0312】
化合物6を、化合物5を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:375/377[M−Na]、ESI。
【0313】
実施例189:
【0314】
【化87】

【0315】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:345/347[M+H]、APCI。
【0316】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:405/407[M+H]、APCI。
【0317】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:375/377[M−Na]、ESI。
【0318】
実施例190:
【0319】
【化88】

【0320】
化合物1(5.00g、27.3mmol)及びグリシンエチルエステル塩酸塩(3.80g、27.3mmol)のTHF(50.0mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(10.0ml、57.2mmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。そこにグリシンエチルエステル塩酸塩(761mg、5.45mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.91ml、10.9mmol)を0℃で加え、混合物を室温で5時間撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルに分配した。有機層をブラインで洗浄し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物2(3.90g、57%)を固体として、化合物3(26.6mg、39%)を固体として得た。
化合物2:MS:250/252[M+H]、APCI。
化合物3:MS:250/252[M+H]、APCI。
【0321】
化合物4及び5を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:344/346[M+H]、APCI。
化合物5:MS:344/346[M+H]、APCI。
【0322】
化合物6を、化合物5を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:416/418[M+H]、APCI。
【0323】
化合物7を、化合物6を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物7:MS:386/388[M−Na]、ESI。
【0324】
実施例191:
【0325】
【化89】

【0326】
化合物2を、化合物1使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:404/406[M+H]、APCI。
【0327】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:374/376[M−Na]、ESI。
【0328】
実施例192:
【0329】
【化90】

【0330】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:344/346[M+H]、APCI。
【0331】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:404/406[M+H]、APCI。
【0332】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:374/376[M−Na]、ESI。
【0333】
実施例193:
【0334】
【化91】

【0335】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:325/327[M+H]、APCI。
【0336】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:343/345[M+H]、APCI。
【0337】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:415/417[M+H]、APCI。
【0338】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:385/387[M−Na]、ESI。
【0339】
実施例194:
【0340】
【化92】

【0341】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:243/245[M+H]、APCI。
【0342】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:311/313[M+H]、APCI。
【0343】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:389[M+H]、APCI。
【0344】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:359[M−Na]、ESI。
【0345】
実施例195:
【0346】
【化93】

【0347】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:319/321[M+H]、APCI
【0348】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:337/339[M+H]、APCI。
【0349】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:418/420[M+H]、APCI。
【0350】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:388/390[M−Na]、ESI。
【0351】
実施例196:
【0352】
【化94】

【0353】
化合物1(74.7mg、186μmol)を、アセトンに懸濁し、そこに2M水酸化ナトリウム水溶液(91.1μl、182μmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物2(73.7mg、96%)を固体として得た。
MS:400/402[M−Na]、ESI。
【0354】
実施例197:
【0355】
【化95】

【0356】
化合物1(1.03g、2.56mmol)のEtOH(5.11mL)及びTHF(5.11mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(1.53mL、3.07mmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を1Mクエン酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、化合物2(733mg、76%)を固体として得た。
MS:375/377[M−H]、ESI。
【0357】
化合物2(300mg、796μmol)及びDMF(6.2μL、80μmol)のクロロホルム(6.00mL)中懸濁液に、塩化オキサリル(139μL、1.59mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(6.0ml)に懸濁し、飽和水酸化アンモニウム水溶液(6.0mL)に0℃で注いだ。混合物を室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートして、化合物3(276mg、92%)を固体として得た。
MS:376/378[M+H]、APCI。
【0358】
化合物3(250mg、665μmol)及びピリジン(323μL、3.99mmol)のクロロホルム(5.00mL)中懸濁液に、無水トリフルオロ酢酸(419μL、2.00mmol)を0℃で加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物をクロロホルムで希釈し、水で洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)により精製して、化合物4(179mg、75%)を固体として得た。
MS:358/360[M+H]、APCI。
【0359】
化合物4(100mg、280μmol)、アジドトリブチルスズ(191mg、559μmol)及びトルエン(2.80mL)の混合物を、8時間還流した。次に、そこに10%塩酸水溶液を加え、混合物を1時間還流した。冷却後、沈殿物を濾過により回収して、化合物5(76.5mg、68%)を固体として得た。
MS:399/401[M−H]、ESI。
【0360】
実施例198:
【0361】
【化96】

【0362】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:471/473[M+H]、APCI。
【0363】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:455/457[M−Na]、ESI。
【0364】
実施例199:
【0365】
【化97】

【0366】
化合物1(61.1mg、133μmol)のTHF(1mL)及びMeOH(1mL)溶液に、2M水酸化ナトリウム水溶液(333μL、666μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残渣を1Mクエン酸水溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→0:1)により精製して、酢酸エチルに溶解した。そこに2M水酸化ナトリウム水溶液(44μl、88μmol)を加え、減圧下で濃縮した。残渣をエチルエーテルでトリチュレートして、化合物2(40mg、63%)を固体として得た。
MS:455/457[M−Na]、ESI。
【0367】
実施例200:
【0368】
【化98】

【0369】
化合物1(25mg、60μmol)、2−ブロモエチルメチルエーテル(8.5μL、90μmol)及び炭酸カリウム(25mg、181μmol)のDMA(2mL)中懸濁液を、60℃で15時間撹拌した。冷却後、水(3ml)をそこに加えた。得られた沈殿物を濾過により回収し、水ですすぎ、乾燥させて、化合物2(25mg、87%)を固体として得た。
MS:473/475[M+H]、APCI。
【0370】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:457/459[M−Na]、ESI。
【0371】
実施例201:
【0372】
【化99】

【0373】
化合物1(30mg、72μmol)、炭酸エチレン(8mg、91μmol)、及び臭化テトラブチルアンモニウム(2mg、6μmol)のDMA(2mL)中混合物を、アルゴン雰囲気下で140℃にて21時間撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)により精製して、化合物2(10mg、31%)を固体として得た。
MS:459/461[M+H]、APCI。
【0374】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:443/445[M−Na]、ESI。
【0375】
実施例203:
【0376】
【化100】

【0377】
化合物1(1.00g、4.16mmol)、塩化ホスホリル(5.25g、56.3mmol)、及びDMF(640μL、8.32μmol)の混合物を、39時間還流した。冷却後、揮発物を減圧下で除去した。残渣をトルエンに溶解し、減圧下で濃縮し、次にトルエンに再溶解し、活性炭で処理し、Celite(登録商標)パッドを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=49:1)により精製して、化合物2(284mg、22%)を固体として得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): 7.86 (1H, dd, J = 7.9, 8.3 Hz), 8.06 (1H, dd, J = 1.9, 8.3 Hz), 8.18 (1H, dd, J = 1.9, 10.4 Hz), 10.2 (1H, s)。
【0378】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:373/375[M+H]、APCI。
【0379】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:1H NMR (500MHz, DMSO-d6): 1.22 (3H, t, J = 7.1 Hz), 4.21 (2H, q, J = 7.1 Hz), 5.25 (2H, s), 7.41 (2H, dd, J = 8.8, 8.8 Hz), 7.82-7.86 (3H, m), 8.24-8.29 (2H, m), 10.11 (1H, s)。
【0380】
化合物4(52mg、120μmol)のTHF(2mL)及びEtOH(1mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(4.6mg、120μmol)を室温で加えた。混合物を1日間撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により精製して、化合物5(38mg、73%)を固体として得た。
MS:435/437[M+H]、APCI。
【0381】
化合物6を、化合物5を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:405/407[M−Na]、ESI。
【0382】
実施例204:
【0383】
【化101】

【0384】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:238/240[M+H]、APCI。
【0385】
化合物2(1.0g、4.2mmol)とピリジン塩酸塩(2.43g、21mmol)の混合物を、200℃で10分間撹拌した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、ジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、化合物3(815mg、87%)を固体として得た。
化合物3:MS:222/224[M−H]、ESI。
【0386】
化合物3(815mg、3.7mmol)のDMF(10.0mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、951mg、23.8mol)を0℃で加え、混合物を0℃で30分間撹拌した。次に、そこにブロモ酢酸エチル(450μL、4.1μmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷−水でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→3:1)により精製して、化合物4(820mg、72%)を固体として得た。
化合物4:MS:310/312[M+H]、APCI。
【0387】
化合物4(2.12g、3.7mmol)のジクロロメタン(30.0mL)溶液に、m−クロロ過安息香酸(65%、2.73g、10.3mmol)を0℃で加え、混合物を室温で6時間撹拌し、次に50℃で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=19:1)により精製して、化合物5(1.66g、74%)を固体として得た。
MS:326/328[M+H]、APCI。
【0388】
化合物5(1.65g、5.1mmol)のトリエチルアミン(847μL、6.1mmol)溶液に、塩化ホスホリル(0.93g、6.1mmol)を0℃で加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=50:50)により精製して、化合物6(509mg、29%)を固体として得た。
MS:344/346[M+H]、APCI。
【0389】
化合物7を、化合物6を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物7:MS:404/406[M+H]、APCI。
【0390】
化合物8を、化合物7を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物8:MS:374/376[M−Na]、ESI。
【0391】
実施例205:
【0392】
【化102】

【0393】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:242/244[M+H]、APCI。
【0394】
化合物3を、化合物2使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:302/304[M+H]、APCI。
【0395】
化合物4を、化合物3を使用して実施例204と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:318/320[M+H]、APCI。
【0396】
化合物4(200mg、629μmol)及びp−トルエンスルホニルクロリド(156mg、818μmol)のグリコール酸エチル(1.5mL)溶液に、トリエチルアミン(175μL、1.26mmol)を0℃で滴下し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=80:20)により精製して、化合物5(109mg、43%)を固体として得た。
MS:404/406[M+H]、APCI。
【0397】
化合物6を、化合物5を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:374/376[M−Na]、ESI。
【0398】
実施例206:
【0399】
【化103】

【0400】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:288/290[M+H]、APCI。
【0401】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:382/384[M+H]、APCI。
【0402】
化合物3(106mg、0.28mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリホスゲン(55mg、0.19mmol)を−10℃で加え、混合物を同じ温度で15分間撹拌した。トリエチルアミン(77μL、0.55mmol)を、ゆっくりと導入し、混合物を−10〜−5℃で30分間撹拌した。水を混合物に加え、それを2M水酸化ナトリウム水溶液で中和し、続いてクロロホルムで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製して、化合物4(64mg、57%)を固体として得た。
MS:400/402[M+H]、APCI。
【0403】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:472/474[M+H]、APCI。
【0404】
化合物5(163mg、0.61mmol)のトリフルオロ酢酸(5mL)溶液を、40℃で2時間撹拌した。次に混合物を減圧下で濃縮した。得られた遊離酸(121mg、0.29mmol)を、実施例206と同様の方法で処理して、化合物6(96mg、化合物5から36%)を固体として得た。
MS:414/416[M−Na]、ESI。
【0405】
実施例207:
【0406】
【化104】

【0407】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.44(9H, s), 1.72(6H, s)。
【0408】
化合物2(154mg、0.50mmol)、ナトリウムチオメトキシド(38.5mg、0.55mmol)及びHO(9μL、0.5mmol)の酢酸エチル(1mL)溶液を、室温で4.5時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=19:1)により精製して、化合物3(65.8mg、41%)を固体として得た。
化合物3:MS:320/322[M+H]、APCI。
【0409】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:414/416[M+H]、APCI。
【0410】
化合物4(38.8mg、94μmol)、2−メトキシフェニルボロン酸(16mg、103μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(9.8mg、14μmol)、チオフェン−2−炭酸銅(I)(54mg、282μmol)及びTHF(1mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下で50℃にて2.5時間撹拌した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Celite(登録商標)パッドを通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製して、化合物5(31mg、70%)を固体として得た。
MS:474/476[M+H]、APCI。
【0411】
化合物6を、化合物5を使用して実施例206と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:416/418[M−Na]、ESI。
【0412】
実施例208:
【0413】
【化105】

【0414】
化合物1(5.00g、25.6mmol)及びメチル 1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボキシラート(3.97g、30.8mmol)のTHF(100mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.23g、30.8mol)を−78℃で加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製して、化合物2(6.91g、98%)を固体として得た。
MS:275/277[M+H]、APCI。
【0415】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:365[M+H]、APCI。
【0416】
化合物3(150mg、412μmol)、3,4−ジフルオロフェニルボロン酸(195mg、1.23mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(48mg、41μmol)、チオフェン−2−炭酸銅(I)(238mg、1.23mmol)及びTHF(5mL)の混合物を、アルゴン雰囲気下で1.5時間還流した。冷却後、反応混合物を飽和水酸化アンモニウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により精製して、化合物4(167mg、94%)を粉末として得た。
化合物4:MS:431[M+H]、APCI。
【0417】
化合物5を、化合物4を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:415[M−Na]、ESI。
【0418】
実施例209:
【0419】
【化106】

【0420】
化合物2を、化合物1を使用して実施例200と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:409[M+H]、APCI。
【0421】
化合物3を、化合物2を使用して実施例207と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:491/493[M+H]、APCI。
【0422】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:475/477[M−Na]、ESI。
【0423】
対応する出発物質を上記の実施例のいずれかと類似の方法で処理して、以下の化合物を得た。
【0424】
【表6】









































【0425】
実施例409:
【0426】
【化107】

【0427】
実施例410:
【0428】
【化108】

【0429】
実施例411:
【0430】
【化109】

【0431】
実施例412:
【0432】
【化110】

【0433】
【表7】















































【0434】
実施例624:
【0435】
【化111】

【0436】
実施例625:
【0437】
【化112】

【0438】
実施例626:
【0439】
【化113】

【0440】
実施例627:
【0441】
【化114】

【0442】
【表8】





【0443】
実施例643:
【0444】
【化115】

【0445】
2−ヒドロキシイソ酪酸tert−ブチル(6.41g、40mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.60g、40mmol)を−10℃で加え、混合物を30分間撹拌した。そこに2,6−ジクロロピリジンN−オキシドを加え、混合物を同じ温度で30分間、続いて室温で5時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、混合物が中性になるまで10%クエン酸水溶液をそこに加えた。酢酸エチルの添加後、不溶性物質をCelite(登録商標)パッドを通して濾別した。濾液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)により精製して、化合物2(3.69g、64%)を油状物として得た。
MS:288/290[M+H]、APCI。
【0446】
化合物2(1.849g、6.43mmol)、4−クロロ−3−フルオロフェニルボロン酸(1.681g、9.64mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(450mg、641μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(6.45mL、12.9mmol)の1,2−ジメトキシエタン(35mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で7時間還流した。冷却後、酢酸エチル及び水をそこに加え、混合物をCelite(登録商標)パッドを通して濾過した。二つの層を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)により精製して、化合物3(2.086g、85%)を固体として得た。
MS:382/384[M+H]、APCI。
【0447】
化合物3(106mg、0.28mmol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、トリホスゲン(55mg、0.19mmol)を−10℃で加え、混合物を同じ温度で15分間撹拌した。トリエチルアミン(77μL、0.55mmol)をゆっくりと導入し、混合物を−10〜−5℃で30分間撹拌した。水をそこに加え、それを2M水酸化ナトリウム水溶液で中和し、続いてクロロホルムで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精製して、化合物4(64mg、57%)を固体として得た。
MS:400/402[M+H]、APCI。
【0448】
化合物4(57.8mg、161μmol)と(S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン(371mg、3.22mmol)の混合物を、8時間還流した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、1Mクエン酸水溶液で洗浄し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物5(49.6mg、64%)を粘性油状物として得た。
MS:479/481[M+H]、APCI。
【0449】
化合物5(58.3mg、122μmol)とトリフルオロ酢酸(1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をアセトン−水で結晶化させて、化合物6(37.3mg、72%)を粉末として得た。
MS:421/423[M−H]、APCI。
【0450】
実施例644:
【0451】
【化116】

【0452】
化合物1(2.00g、8.81mmol)及びメチル 1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボキシラート(1.36g、10.6mmol)のTHF(40mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、423mg、10.6mmol)を−78℃で加え、混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を1Mクエン酸水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物2(1.95g、84%)を固体として得た。
MS:263/265[M+H]、APCI。
【0453】
化合物2(200mg、760μmol)及び(S)−3−(エトキシメチル)ピペリジン塩酸塩(143mg、798μmol)のTHF(7.60mL)中懸濁液に、トリエチルアミン(265μl、1.90mmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)により精製して、化合物3(270mg、97%)を粘性油状物として得た。
MS:370/372[M+H]、APCI。
【0454】
化合物3(88.0mg、238μmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(69.1mg、357μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.0mg、23.8μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(357μL、714μmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.38mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で2時間還流した。更なる4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(138mg、714μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.0mg、23.8μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(535μL、1.07mmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で2時間還流した。更なる4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(138mg、714μmol)及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.0mg、23.8μmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下で14時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物4(106mg、93%)を粘性油状物として得た。
MS:480[M+H]、APCI。
【0455】
化合物5を、化合物4を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:464[M−Na]、ESI。
【0456】
実施例645:
【0457】
【化117】

【0458】
ナトリウムエトキシドの溶液を、水素化ナトリウム(60%、191mg、4.78mmol)を無水EtOH(9.57mL)に溶解することにより調製した。化合物1(1.00g、4.78mmol)及び3−オキソピメリン酸ジエチル(1.31g、5.74mmol)をそこに0℃で加え、混合物を10時間還流した。更なる3−オキソピメリン酸ジエチル(661mg、2.87mmol)を加え、混合物を15時間還流した。更なる3−オキソピメリン酸ジエチル(661mg、2.87mmol)を加え、混合物を24時間還流した。冷却後、沈殿物を濾過により回収し、水ですすいで、化合物2(665mg、41%)を粉末として得た。
MS:339/341[M+H]、APCI。
【0459】
化合物2(768mg、2.36mmol)と塩化ホスホリル(7.68mL)の混合物を、15分間還流した。冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をクロロホルムに溶解し、シリカゲルパッドを通して濾過し、減圧下で濃縮して、化合物3(770mg、91%)を粘性油状物として得た。
MS:357/359[M+H]、APCI。
【0460】
化合物3(62.1mg、174μmol)のTHF(867μL)溶液に、4−プロポキシピペリジン塩酸塩(625mg、348μmol)及びトリエチルアミン(96.9μl、695μmol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物4(76.9mg、95%)を粘性油状物として得た。
MS:464/466[M+H]、APCI。
【0461】
化合物5を、化合物4を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:434/436[M−Na]、ESI。
【0462】
実施例646:
【0463】
【化118】

【0464】
化合物2を、化合物1を使用して実施例190と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:376/378[M+H]、APCI。
【0465】
化合物2(70mg、0.186mmol)のDMF(2mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、9.3mg、0.233mmol)を室温で加え、混合物を30分間撹拌した。ブロモ酢酸メチル(19.4μL、0.205mmol)をそこに加え、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル及びクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→3:1)により精製して、化合物3(50.2mg、63%)を固体として得た。
MS:448/450[M+H]、APCI。
【0466】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:432/434[M−H]、ESI。
【0467】
対応する出発物質を上記の実施例のいずれかと類似の方法で処理して、以下の化合物を得た。
【0468】
【表9】







【0469】
実施例684:
【0470】
【化119】

【0471】
【表10】





【0472】
実施例704:
【0473】
【化120】

【0474】
実施例705:
【0475】
【化121】

【0476】
実施例706:
【0477】
【化122】

【0478】
実施例707:
【0479】
【化123】

【0480】
実施例708:
【0481】
【化124】

【0482】
【表11】



【0483】
実施例716:
【0484】
【化125】

【0485】
化合物1(6.00g、26.4mmol)及びベンジルアルコール(2.87mL、27.7mmol)のTHF(120mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.16g、29.1mmol)を−78℃で加えた。混合物を室温に温め、同じ温度で4時間撹拌した。水及び酢酸エチルをそこに加えた。二つの層を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→酢酸エチル)により精製して、化合物2(3.47g、51%)を粘性油状物として得た。
MS:255/257[M+H]、APCI。
【0486】
化合物2(3.26g、12.8mmol)及びメチル 1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボキシラート(1.81g、14.1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、562mg、14.1mmol)を−78℃で加えた。混合物を室温に温め、同じ温度で2時間撹拌した。水及び酢酸エチルをそこに加えた。二つの層を分離し、有機層を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→83:17)により精製して、化合物3(3.85g、90%)を油状物として得た。
MS:335/337[M+H]、APCI。
【0487】
化合物3(1.50g、4.48mmol)、4−プロポキシピペリジン塩酸塩(1.21g、6.72mmol)、及びトリエチルアミン(1.87mL、13.4mmol)のTHF(22.4mL)中混合物を、室温で2日間撹拌した。次に4−プロポキシピペリジン塩酸塩(0.16g、0.89mmol)をそこに加え、混合物を50℃で一晩撹拌した。水及び酢酸エチルをそこに加えた。二つの層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→3:1)により精製して、化合物4(1.77g、89%)を油状物として得た。
MS:442[M+H]、APCI。
【0488】
化合物4(1.75g、3.96mmol)及びパラジウム担持炭素(5%、700mg)のメタノール(35mL)中懸濁液を、水素雰囲気下で室温にて撹拌した。3時間後、不溶性物質を濾別し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物5(1.36g、98%)を泡状物として得た。
MS:352[M+H]、APCI。
【0489】
化合物5(1.10g、3.14mmol)のTHF(22mL)溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(604mg、6.29mmol)及びN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(2.25g、6.29mmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をまた0℃に冷却し、ナトリウムtert−ブトキシド(604mg、6.29mmol)及びN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(2.25g、6.29mmol)をそこに加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。次に混合物をまた0℃に冷却し、ナトリウムtert−ブトキシド(604mg、6.29mmol)及びN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(2.25g、6.29mmol)をそこに加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。水をそこに加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により精製して、化合物6(1.00g、66%)を油状物として得た。
MS:484[M+H]、APCI。
【0490】
化合物6(90mg、186μmol)、3,4−ジクロロフェニルボロン酸(107mg、559μmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(44mg、37μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(280μL、560μmol)の1,2−ジメトキシエタン(1.86mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で一晩還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→7:3)により精製して、化合物7(76mg、85%)を粘性油状物として得た。
MS:480/482[M+H]、APCI。
【0491】
化合物8を、化合物7を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物8:MS:464/466[M−Na]、ESI。
【0492】
実施例717:
【0493】
【化126】

【0494】
化合物1(80mg、288μmol)、D−プロリンメチルエステル塩酸塩(53mg、317μmol)、及びトリエチルアミン(100μL、721μmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(2.88mL)中混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、4−プロポキシピペリジン塩酸塩(156mg、867μmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(30mg、289μmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(151μL、867μmol)、及び1−メチル−2−ピロリジノン(2.1mL)と合わせ、混合物を室温で一晩、続いて50℃で3時間撹拌した。4−プロポキシピペリジン塩酸塩(156mg、867μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(151μL、867μmol)をそこに加えた。混合物を50℃で一晩を撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=22:3)により精製して、化合物2(104mg、76%)を油状物として得た。MS:477/479[M+H]、APCI。
【0495】
化合物3を、化合物2を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:461/463[M−Na]、ESI。
【0496】
実施例718:
【0497】
【化127】

【0498】
化合物1(2.00g、7.71mmol)、エチル 1−アミノ−1−シクロプロパンカルボキシラート塩酸塩(1.53g、9.25mmol)、及びトリエチルアミン(2.69mL、19.3mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(38.5mL)中混合物を、50℃で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→3:1)により精製して、化合物2(2.01g、74%)を固体として得た。
MS:352/354[M+H]、APCI。
【0499】
化合物2(100mg、284μmol)、2−フルオロ−5−メトキシフェニルボロン酸(74mg、435μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(20mg、28μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(426μL、852μmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.0mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で一晩還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→3:1)により精製して、化合物3(106mg、84%)を粉末として得た。
MS:442/444[M+H]、APCI。
【0500】
化合物4を、化合物3を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:412/414[M−H]、ESI。
【0501】
【表12】



















【0502】
実施例814:
【0503】
【化128】

【0504】
実施例815:
【0505】
【化129】

【0506】
【表13】

【0507】
実施例824:
【0508】
【化130】

【0509】
【表14】





【0510】
実施例858:
【0511】
【化131】

【0512】
実施例859:
【0513】
【化132】

【0514】
実施例860:
【0515】
【化133】

【0516】
実施例861:
【0517】
【化134】

【0518】
【表15】







【0519】
実施例880:
【0520】
【化135】

【0521】
化合物1(3.00g、8.85mmol)、ヘキサメチル二スズ(3.67mL、17.7mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(358mg、310μmol)の1,4−ジオキサン(53.1mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で1.5時間還流した。室温に冷却後、揮発物を減圧下で除去し、残渣を、アルミナゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=97:3)により精製して、化合物2(2.55g、62%)を固体として得た。
MS:465/467/469[M+H]、APCI。
【0522】
化合物2(100mg、214μmol)、2−ブロモ−4,5−ジフルオロトルエン(53.1mg、257μmol)、及びジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15.0mg、21.4μmol)のトルエン(4.28mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で20時間還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1)により精製して、化合物3(55.3mg、60%)を固体として得た。
MS:431/433[M+H]、APCI。
【0523】
化合物4を、化合物3を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物4:MS:415/417[M−H]、ESI。
【0524】
実施例881:
【0525】
【化136】

【0526】
化合物1(50.0mg、140μmol)、3−フルオロフェノール(24.3mg、210μmol)、及び炭酸カリウム(57.7mg、420μmol)のDMSO(1.40mL)中懸濁液を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和水酸化アンモニウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=15:1)により精製して、化合物2(56.8mg、94%)を固体として得た。
MS:433/435[M+H]、APCI。
【0527】
化合物3を、化合物2を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:417/419[M−Na]、ESI。
【0528】
実施例882:
【0529】
【化137】

【0530】
化合物1(10.0g、36.4mmol)のクロロホルム(182mL)溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(18.4g、80.1mmol)を0℃で加え、混合物を同じ温度で1.5時間撹拌し、次に室温で2時間撹拌した。更なる3−クロロ過安息香酸(2.51g、10.9mmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。飽和亜硫酸ナトリウム水溶液及び飽和重炭酸ナトリウム水溶液をそこに加え、混合物をクロロホルムで抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルでトリチュレートして、化合物2(11.0g、98%)を粉末として得た。
MS:307/309[M+H]、APCI。
【0531】
化合物2(1.10g、3.26mmol)及び4−プロポキシピペリジン塩酸塩(644mg、3.59mmol)のTHF(16.3mL)中懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.42ml、8.15mmol)を0℃で加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層をChem Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)により精製して、化合物3(537mg、45%)を固体として得た。
MS:370/372[M+H]、APCI。
【0532】
化合物3(80.0mg、216μmol)、4−クロロ−3−メチルフェニルボロン酸(47.9mg、281μmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(15.5mg、21.6μmol)及び2M炭酸ナトリウム水溶液(216μL、433μmol)の1,2−ジメトキシエタン(2.16mL)中懸濁液を、アルゴン雰囲気下で一晩還流した。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、Chem Elut(登録商標)(Varian Inc.)及びBond Elut(登録商標)(Varian Inc.)を通して濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物4(103mg、定量)を粘性油状物として得た。
MS:460/462[M+H]、APCI。
【0533】
化合物5を、化合物4を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物5:MS:444/446[M−H]、ESI。
【0534】
実施例883:
【0535】
【化138】

【0536】
ナトリウムエトキシドの溶液を、水素化ナトリウム(60%、345mg、8.84mmol)を無水EtOH(15.0mL)に溶解することにより調製した。化合物1(1.50g、7.78mmol)及び3−オキソヘキサン二酸ジエチルエーテル(2.04g、9.42mmol)をそこに0℃で加え、混合物を12時間還流した。冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水に溶解し、2M塩酸で酸性化した。沈殿物を濾過により回収して、化合物2(1.80g、75%)を固体として得た。
MS:307/309[M+H]、APCI。
【0537】
化合物2(1.00g、3.26mmol)と塩化ホスホリル(9.12mL)の混合物を、1時間還流した。冷却後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物3(660mg、62%)を固体として得た。
MS:325/327[M+H]、APCI。
【0538】
化合物3(472mg、1.45mmol)のTHF(9.40mL)溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシリルアミド(3.38ml、3.48mmol)を−78℃で加え、混合物を−78℃で30分間撹拌した。反応混合物に二臭化エチレン(379μl、4.35mmol)を−78℃で加え、混合物を−78℃で3時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物4(180mg)の粗生成物を得た。
【0539】
化合物4(90.0mg)の粗生成物の1−メチル−2−ピロリドン(1.80mL)溶液に、4−プロポキシピペリジン塩酸塩(92.1mg、512μmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(179μl、1.03mmol)を加え、混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン:酢酸エチル=17:3)により精製して、化合物5(39.3mg、化合物3から12%)を固体として得た。
MS:458/460[M+H]、APCI。
【0540】
化合物6を、化合物5を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物6:MS:431/433[M−H]、ESI。
【0541】
実施例884a:
【0542】
【化139】

【0543】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:455/457[M+H]、APCI。
【0544】
化合物3を、化合物2を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
MS:425/427[M−Na]、ESI。
【0545】
実施例884b:
【0546】
【化140】

【0547】
化合物2を、化合物1を使用して実施例186と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物2:MS:429/431[M+H]、APCI。
【0548】
化合物3を、化合物2を使用して実施例1と同様の方法で反応させ、処理することにより調製した。
化合物3:MS:413/415[M−H]、ESI。
【0549】
【表16】



















【0550】
実施例961:
【0551】
【化141】

【0552】
【表17】











【0553】
実施例1034:
【0554】
【化142】

【0555】
【表18】





【0556】
実施例1056:
【0557】
【化143】

【0558】
【表19】





【0559】
実施例1080:
【0560】
【化144】

【0561】
【表20】

【0562】
実施例1084:
【0563】
【化145】

【0564】
【表21】

【0565】
実施例1087:
【0566】
【化146】

【0567】
【表22】













































【0568】
実施例1280:
【0569】
【化147】

【0570】
【表23】





【0571】
実施例1299:
【0572】
【化148】

【0573】
【表24】

【0574】
実施例1302:
【0575】
【化149】

【0576】
【表25】









【0577】
対応する出発物質を上記の実施例のいずれかと類似の方法で処理して、以下の中間体を得た。
【0578】
【表26】



































【0579】
【表27】



【0580】
実験例1
ヒトBKαβ1チャネルを発現したCHO細胞に対して化合物を試験する方法
細胞培養:
ヒトBKαβ1を発現するCHO細胞を、T75又は6ウェル細胞培養クラスターで培養した。培地:DMEM/F12+10% FBS+0.5mg/mL G418/Geneticin+0.1mg/mL Hygromycin。3〜4日毎に80〜90%コンフルエンスで細胞を分割した。再継代の60〜72時間後で約90%コンフルエンスのときに、細胞を実験に使用した。
【0581】
細胞調製物:
トリプシン溶液(0.05%トリプシン+0.1% EDTA)、Ca2+不含PBS、及び培地を37℃に加温した。細胞のコンフルエンスについてT75フラスコを調べた。培地を除去し、温かいCa2+不含PBSを加えて細胞を洗浄した。Ca2+不含PBSを除去し、温かいトリプシン溶液を加えた。T75フラスコを37℃インキュベーターに戻して約4.5分間入れた。培地を加えることにより、トリプシン活性を止めた。細胞を遠心分離した。細胞を120〜160μLのBK電流記録用の外部溶液に懸濁して、できるだけ早く細胞を使用した。
【0582】
電気生理学:
BK電流記録のために、PatchXpress Sealchip 16電極(AVIVA Biosciences)及びPatchXpress 7000A(Axon Instruments, Inc)を使用した。外部溶液(±化合物)を入れるために、1.5mL平底ガラスバイアル(HiPep Laboratories)を使用した。Sealchip(パッチ電極と同等)中のホールは、約1.5MΩの抵抗を有した。細胞膜キャパシタンスを補正し、アクセス抵抗も40%補正した。電圧固定プロトコール:保持電圧=0mV。+80〜+120mV間の10mVきざみの200msステップ中に2秒のインターパルス間隔でBK電流を記録した。P/−4法により、オンラインのデジタル・リーク・サブトラクションを行った。ホールセルコンフィギュレーションを確立した後、アクセス抵抗を最適化するために2分間を使用した。次にチャンバーを対照浴液で1分間洗浄して、過剰の細胞を除去した。対照浴液をロボットのピペットで加え、対照BK電流は、1分間の平衡時間後に記録した。各薬剤濃度について、45μLの薬剤溶液を「添加前吸引」モードで3回加えて、古い溶液を残した。各薬剤添加について、1分間の平衡時間を取った。各薬剤濃度でBK電流を測定した(通常、最初の薬剤添加後3.5分以内)。対照BK電流が最初に200pAを超えるときの電圧ステップでBK電流の変化%を計算した。120mVで対照BK電流が200pA未満の場合、細胞は使用しなかった。変化%は、100×(I−I)/I(ここで、Iは、薬剤の存在下での電流振幅であり、そしてIは、対照電流振幅である)として計算した。
【0583】
EC100の計算:
EC100は、上記方法により計算されたBK電流の100%上昇を引き起こす薬剤濃度として定義した。EC100は、100%のすぐ下とすぐ上のデータ点から求めた。BK電流の上昇%は、log[薬剤濃度]に対してプロットした。100%の傍らにある2つのデータ点を直線でつないだ。この直線から、BK電流の100%上昇に対応する濃度をEC100として求めた。
【0584】
マニュアルパッチクランプ及びPatchXpress用の溶液:
化合物をDMSOに溶解して、10mMストック溶液を作成した。以後の希釈は外部溶液を用いて行った。試験薬剤濃度は、化合物の力価に応じて0.1、0.3、1、3及び10μMとした。最高DMSO濃度は0.1%とした。外部溶液(mM):140 NaCl、4 KCl、1 MgCl、2 CaCl、10 ブドウ糖、10 HEPES;NaOHを用いてpH=7.4。内部溶液(mM):140 KCl、5 EGTA、1 MgCl、5 MgATP、0.2 CaCl、5 HEPES;KOHを用いてpH=7.2。
【0585】
本発明の選択された化合物の結果を、以下の表1に示す。
【0586】
【表28】

【0587】
実験例2:
麻酔ラットにおける律動性膀胱収縮に対する阻害作用:
メスのSprague-Dawleyラット(9〜12週齢、体重200〜300g)をウレタンで麻酔した(1.2g/kgの用量を皮下投与)。両方の尿管にカニューレ挿管して尿を排泄させた。カニューレは、尿道を介して膀胱に挿入し、尿道の開口部の周りを結紮して固定し、三方コックにつないだ。両端を、膀胱圧測定用の圧力トランスデューサーと、食塩水の膀胱内注入のための注入ポンプとにつないだ。静脈内(i.v.)薬剤投与のために、カニューレを大腿静脈に挿入した。20分以上の術後安定化時間と膀胱内の尿を空にした後に、食塩水を膀胱に注入(50μl/分)して、排尿反射を誘発した。律動性膀胱収縮が起きてから、膀胱への食塩水注入速度を5μl/分に変化させて、この収縮を維持した。15分かけて安定な律動性膀胱収縮が得られた後、化合物を投与した。静脈内投与(1ml/kg)のために、全ての化合物を10%ジメチルアセトアミドを含有する食塩水に溶解した。比較目的でイベリオトキシン(高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル遮断薬)を投与(0.15mg/kg、i.v.)したが、これは薬剤投与の5分前に投与した。
【0588】
薬剤投与の10分前と10分後の律動性膀胱収縮の頻度(1分当たりの収縮数)を計算した。頻度の阻害パーセントとして表される化合物の効力は、以下の式から計算した:
(1−投与後頻度/投与前頻度)×100(%)
【0589】
その結果、本発明の化合物は、収縮の振幅を変化させることなく、律動性膀胱収縮の頻度を低下させた。実施例5の化合物は、本モデルにおいて78%阻害(10mg/kg)を示した。本発明の選択された化合物10mg/kgでの頻度の阻害パーセントを、以下の表2に示す。
【0590】
【表29】


A:阻害(%)>50、B:50>阻害(%)>30
【0591】
実験例3:
COX類の阻害に対して化合物を試験する方法:
COX類を阻害する活性は、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96, 7563, 1996に記載された方法により調べることができる。
【0592】
その結果、本発明の化合物は、あまり又は全く強力でないCOXインヒビターであった。選択された化合物(実施例1、3、12、188、474、497、507、513、527、533、562、及び638)のCOX類阻害の結果は、ラットWB Cox−1 IC50>30μM、及びラットWB IC50>30μMであった。
【産業上の利用可能性】
【0593】
本発明の活性成分である式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、優れた高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口活性を有しており、かつ細胞の膜電位を過分極させるため、これは、例えば、高血圧、過敏性腸症候群、慢性心不全、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、クモ膜下出血、脳血管けいれん、脳低酸素症、末梢血管障害、不安、勃起不全、尿石症とこれに伴う疼痛、頻尿、尿失禁、夜尿症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息若しくはCOPDに伴う咳、脳内出血、外傷性脳症、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺炎に伴う疼痛、過活動膀胱などの予防、軽減、及び/又は治療剤用に有用である。
【0594】
また、式(A)の化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、毒性が全く無いか又は低いため、医薬として高い安全性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A):
【化150】


[式中、環Aは、芳香環又は芳香族複素環であり;
は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
、X及びXのそれぞれは、独立にCR又は窒素であるが、ただし、X、X及びXのうち少なくとも1個は、窒素であり;
は、独立に、水素、ハロゲン、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Yは、カルボキシ、テトラゾリル又はアルコキシカルボニルであり;
Dは、下記式:
【化151】


で示される基であり;
は、水素又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヘテロアリールから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
、R、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、又はアルキルであるか、あるいは
、R、R、R、R、R及びRのうちの2個は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環又は場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成してもよく;
Gは、−NR1011、−OR14、場合により1個以上のR15で置換されているフェニル、又は下記式:
【化152】


で示される基であり;
10は、アルキル(場合により、アルコキシ、ヒドロキシ、及び下記式:
【化153】


で示される基から独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)、又は場合により1個以上のR12で置換されているシクロアルキルであり;
11は、水素、又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
12は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
13は、独立に、ヒドロキシ、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、アルキルスルホニル、オキソ、ハロゲン、シアノ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、又はアルキル(場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、及び場合で置換されているアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
14は、アルキル(下記式:
【化154】


で示される基で置換されている)又は下記式:
【化155】


で示される基であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
環Bは、含窒素複素環であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
15は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
16は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
mは、0、1、2又は3であり;そして
rは、0、1、2又は3である(ただし、
Dが、下記式:
【化156】


で示される基であるとき、Gは、下記式:
【化157】


(式中、R13aは、アリール又はヘテロアリールである)で示される基ではなく、
Gが、場合により1個以上のR15で置換されているフェニルであるとき、環Aは、芳香環であり、そして
Gが、場合により1個のR15で置換されているフェニルであるとき、Dは、下記式:
【化158】


(式中、R4a、R5a、R6a及びR7aのうちの2個は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環又は場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成する)で示される基である)]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
下記式:
【化159】


で示される基が、Rで置換されているピリミジンである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
が、水素である、請求項2に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項4】
環Aが、ベンゼンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項5】
が、独立に、ハロゲン、アルコキシ、又は場合により1〜3個のハロゲンで置換されているアルキルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項6】
Dが、下記式:
【化160】


で示される基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項7】
及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環を形成する、請求項6に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項8】
及びRが、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されているシクロプロパン環を形成する、請求項7に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項9】
式(A):
【化161】


[式中、環Aは、芳香環又は芳香族複素環であり;
は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
、X及びXのそれぞれは、独立にCR又は窒素であるが、ただし、X、X及びXのうち少なくとも1個は、窒素であり;
は、独立に、水素、ハロゲン、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
Yは、カルボキシ、テトラゾリル又はアルコキシカルボニルであり;
Dは、下記式:
【化162】


で示される基であり;
は、水素又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヘテロアリールから独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)であり;
、R、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、又はアルキルであるか、あるいは
、R、R、R、R、R及びRのうちの2個は、これらが結合している原子と一緒になって、場合により1個以上のアルキルで置換されている炭素環又は場合により1個以上のアルキルで置換されている複素環を形成してもよく;
Gは、−NR1011、−OR14、場合により1個以上のR15で置換されているフェニル、又は下記式:
【化163】


で示される基であり;
10は、アルキル(場合により、アルコキシ、ヒドロキシ、及び下記式:
【化164】


で示される基から独立に選択される1個以上の置換基で置換されている)、又は場合により1個以上のR12で置換されているシクロアルキルであり;
11は、水素、又はアルキル(場合により、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
12は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
13は、独立に、ヒドロキシ、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、アルキルスルホニル、オキソ、ハロゲン、シアノ、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、又はアルキル(場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、及び場合で置換されているアルコキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
14は、アルキル(下記式:
【化165】


で示される基で置換されている)又は下記式:
【化166】


で示される基であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
環Bは、含窒素複素環であり;
環Bは、炭素環、複素環、芳香環又は芳香族複素環であり;
15は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ、シクロアルキル及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
16は、独立に、ハロゲン、シアノ、アルキルチオ、シクロアルキル、アルカノイル、場合によりアルキルで置換されているアミノ、アルキルスルホニル、アルコキシ(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)、又はアルキル(場合により、ハロゲン、アルコキシ及びヒドロキシから独立に選択される1〜3個の置換基で置換されている)であり;
mは、0、1、2又は3であり;そして
rは、0、1、2又は3である]で示される化合物、若しくは請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容しうる塩を活性成分として含む、高コンダクタンス型カルシウム感受性Kチャネル開口薬。
【請求項10】
BKチャネルの開口に応答性の障害又は疾患の予防及び/又は治療の方法であって、有効量の請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を投与することを含む方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を含む医薬。

【公表番号】特表2011−517658(P2011−517658A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540962(P2010−540962)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/JP2009/057541
【国際公開番号】WO2009/125870
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】