説明

α−オレフィン低重合体の製造方法

【課題】α−オレフィンの低重合体の製造にあたり、α−オレフィン低重合体を高収率且つ高選択率で得られる、α−オレフィンの低重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】反応器10に供給された溶媒中で、触媒の存在下、α−オレフィンを低重合するα−オレフィン低重合体の製造方法であって、反応器10内の気相中に、0.010体積%〜50.00体積%の割合で不活性ガスを存在させ、溶媒中でα−オレフィンの低重合反応を行い、α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から、未反応α−オレフィン及び溶媒を分離し、反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を反応器10内に循環させることを特徴とするα−オレフィン低重合体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はα−オレフィン低重合体の製造方法に関し、より詳しくは、α−オレフィン低重合体を高収率で得られるα−オレフィン低重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エチレン等のα−オレフィンを原料として、クロム系触媒を用いて1−ヘキセン等のα−オレフィン低重合体が選択的に得られる製造方法が知られている。
例えば、特許文献1においては、クロム化合物(a)、アミン等の窒素含有化合物(b)及びアルキルアルミニウム化合物(c)からなるクロム系触媒を用いて、1−ヘキセンを主体とするα−オレフィン低重合体を高収率及び高選択率に得られる製造方法が報告されている。
また、特許文献2では、同様な組成のクロム系触媒を用い、1−ヘキセンを主体とするα−オレフィン低重合体を、反応器より外部冷却装置を経て循環流路を形成した反応装置を用いて製造する際に、液循環量と外部冷却装置の冷媒温度を特定範囲に設定することにより、反応器及び外部冷却装置への副生ポリマーの付着を防止する方法が報告されている。
【0003】
【特許文献1】特開平08−239419号公報
【特許文献2】特開平11−060511号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クロム系触媒を用い、溶媒中でエチレン等のα−オレフィンを低重合反応させ、α−オレフィン低重合体を安価に製造する為には、α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から未反応α−オレフィン及び溶媒を分離し、前記反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を反応器に循環させる。
【0005】
しかしながら、前記反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を反応器へ循環させる操作を繰り返していくと、α−オレフィンからα−オレフィン低重合体への転化率が低下するという問題がある。
【0006】
クロム系触媒を用いてエチレン等のα−オレフィンを低重合反応させる場合、触媒溶液及び溶媒は、触媒成分の失活を防ぐ為に、通常、窒素、希ガス等の不活性ガス雰囲気下のドラムから反応器へ供給される。このとき、触媒溶液及び溶媒中に溶解した微量不活性ガスが反応器内に持ち込まれるため、前記反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を反応器へ循環させる操作を繰り返していくと、反応系中の不活性ガス濃度が過度に増大する。その結果、原料として使用するエチレン等のα−オレフィンの相対濃度が低下すると共に、α−オレフィンからα−オレフィン低重合体への転化率も低下するという問題が生じる。
特に、1−ヘキセンは、主として、直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマーとして大きな需要が見込まれることから、α−オレフィン低重合体を高収率で得られる製造方法が必要である。
【0007】
本発明は、上述したα−オレフィンの低重合体の製造方法における課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明の目的は、α−オレフィンの低重合体が高収率で得られる、α−オレフィン低重合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を達成するに至った。
即ち、本発明によれば、反応器内に供給された溶媒中で触媒の存在下、α−オレフィンを重合するα−オレフィン低重合体の製造方法であって、反応器内の気相中に、0.010体積%〜50.00体積%の割合で不活性ガスを存在させ、溶媒中でα−オレフィンの低重合反応を行い、α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から未反応α−オレフィン及び溶媒を分離し、反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を反応器内に循環させることを特徴とするα−オレフィン低重合体の製造方法が提供される。
【0009】
ここで、本発明が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、使用する不活性ガスが、窒素、希ガス又はこれらの混合物であることが好ましい。
また、本発明が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、例えば、気相中に存在する不活性ガスの割合が50.00体積%を超える場合は、反応器の気相部及び/又は反応器内に未反応α−オレフィンを循環供給する循環配管から、不活性ガスを反応系外に放出することが好ましい。
さらに、α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から分離した溶媒を反応器内に再び戻し、溶媒を循環使用する場合、循環させる溶媒は、溶媒ドラムを経由せず、循環配管を介して、直接反応器に戻すことが好ましい。
【0010】
次に、本発明が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、触媒は、少なくとも、クロム化合物(a)と、窒素含有化合物(b)と、アルミニウム含有化合物(c)と、の組み合わせから構成されることが好ましい。
また、触媒は、少なくとも、クロム化合物(a)と、窒素含有化合物(b)と、アルミニウム含有化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)と、の組み合わせから構成されることがより好ましい。
【0011】
さらに、本発明が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、α−オレフィンの重合反応は、クロム化合物(a)と、アルミニウム含有化合物(c)と、が予め接触しない態様で行われることが好ましい。このような態様でα−オレフィンの低重合を行うと、α−オレフィンの三量化反応が選択的に行われ、1−ヘキセン等のα−オレフィン低重合体が高収率で得られる。
さらに、本発明においては、α−オレフィンがエチレンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、α−オレフィン低重合体を、高収率で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
【0014】
(α−オレフィン)
本実施の形態が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法において、原料として使用するα−オレフィンとしては、例えば、炭素数2〜炭素数30の置換又は非置換のα−オレフィンが挙げられる。このようなα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。特に、原料のα−オレフィンとしては、エチレンが好適であり、エチレンを原料とした場合、エチレンの三量体である1−ヘキセンが高収率かつ高選択率で得られる。また、エチレンを原料として用いる場合、原料中にエチレン以外の不純物成分を含んでいても構わない。具体的な成分としては、メタン、エタン、アセチレン、二酸化炭素等が挙げられる。これらの成分は、原料のエチレンに対して0.1mol%以下であることが好ましい。尚、本発明において、α−オレフィン低重合体とは、モノマーであるα−オレフィンが、2個〜10個結合した重合体を意味する。
【0015】
触媒
次に、触媒について説明する。本実施の形態において使用する触媒としては、クロム系触媒が挙げられる。クロム系触媒としては、少なくとも、クロム化合物(a)、アミン、アミド及びイミドより成る群から選ばれる1種以上の窒素含有化合物(b)、アルミニウム含有化合物(c)との組み合わせから構成される触媒が挙げられる。
さらに、本実施の形態において使用するクロム系触媒には、必要に応じて、第4成分としてハロゲン含有化合物(d)が含まれる。以下、各成分について説明する。
【0016】
(クロム化合物(a))
本実施の形態で使用するクロム化合物(a)は、一般式CrXnで表される1種以上の化合物が挙げられる。ここで、一般式中、Xは、任意の有機基又は無機基もしくは陰性原子、nは1から6の整数を表し、2以上が好ましい。nが2以上の場合、Xは同一又は相互に異なっていても良い。
有機基としては、炭素数1〜炭素数30の炭化水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、β−ジケトナート基、β−ケトカルボキシル基、β−ケトエステル基、アミド基等が例示される。
また、無機基としては、硝酸基、硫酸基等のクロム塩形成基が挙げられる。また、陰性原子としては、酸素、ハロゲン等が挙げられる。ここで、ハロゲン含有クロム化合物は、後述するハロゲン含有化合物(d)には含まれない。
【0017】
クロム(Cr)の価数は0価乃至6価である。好ましいクロム化合物(a)としては、クロム(Cr)のカルボン酸塩が挙げられる。クロムのカルボン酸塩の具体例としては、例えば、クロム(II)アセテート、クロム(III)アセテート、クロム(III)−n−オクタノエート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート等が挙げられる。これらの中でも、クロム(III)−2−エチルヘキサノエートが特に好ましい。
【0018】
(窒素含有化合物(b))
本実施の形態で使用する窒素含有化合物(b)は、アミン、アミド及びイミドから成る群から選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。アミンとしては、1級アミン化合物、2級アミン化合物、又はこれらの混合物が挙げられる。アミドとしては、1級アミン化合物又は2級アミン化合物から誘導される金属アミド化合物又はこれらの混合物、酸アミド化合物が挙げられる。イミドとしては、1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、スクシンイミド、フタルイミド、マレイミド等及びこれらの金属塩が挙げられる。
【0019】
本実施の形態で使用する好ましい窒素含有化合物(b)としては、2級アミン化合物が挙げられる。2級アミン化合物の具体例としては、例えば、ピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、2−メチル−5−エチルピロール、2,5−ジメチル−3−エチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テトラクロロピロール、2−アセチルピロール等のピロール、又はこれらの誘導体が挙げられる。
【0020】
誘導体としては、例えば、金属ピロライド誘導体が挙げられる。具体例としては、例えば、ジエチルアルミニウムピロライド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミニウムトリピロライド、ナトリウムピロライド、リチウムピロライド、カリウムピロライド、ジエチルアルミニウム(2,5−ジメチルピロライド)、エチルアルミニウムビス(2,5−ジメチルピロライド)、アルミニウムトリス(2,5−ジメチルピロライド)、ナトリウム(2,5−ジメチルピロライド)、リチウム(2,5−ジメチルピロライド)、カリウム(2,5−ジメチルピロライド)等が挙げられる。
これらの中でも、特に、2,5−ジメチルピロール、ジエチルアルミニウム(2,5−ジメチルピロライド)が好ましい。(ここで、アルミニウムピロライド類は、アルミニウム含有化合物(c)には含まれない。また、ハロゲンを含有するピロール化合物は、ハロゲン含有化合物(d)には含まれない。)
【0021】
(アルミニウム含有化合物(c))
本実施の形態で使用するアルミニウム含有化合物(c)は、トリアルキルアルミニウム化合物、アルコキシアルキルアルミニウム化合物、水素化アルキルアルミニウム化合物等の1種以上の化合物が挙げられる。例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムヒドリド等が挙げられる。中でも特に、トリエチルアルミニウムが好ましい。
【0022】
(ハロゲン含有化合物(d))
本実施の形態で使用するクロム系触媒には、必要に応じて第4成分としてハロゲン含有化合物(d)が含まれる。ハロゲン含有化合物(d)としては、例えば、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物、3個以上のハロゲン原子を有する直鎖状ハロ炭化水素、3個以上のハロゲン原子を有する炭素数3以上の環状ハロ炭化水素の1種以上の化合物が挙げられる。(ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物は、アルミニウム含有化合物(c)には、含まない。)例えば、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、四塩化炭素、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,2,3−トリクロロシクロプロパン、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,4−ビス(トリクロロメチル)−2,3,5,6−テトラクロロベンゼン等が挙げられる。
【0023】
本実施の形態において、α−オレフィンの重合は、クロム化合物(a)とアルミニウム含有化合物(c)とが予め接触しない又は予めの接触時間が短い態様でα−オレフィンとクロム系触媒とを接触させるのが好ましい。このような接触態様により、選択的にエチレンの三量化反応を行わせ、原料のエチレンから1−ヘキセンを高収率で得ることができる。
【0024】
上記の連続反応形式における接触態様は、例えば、下記(1)〜(9)が挙げられる。
(1)触媒成分(a)、(b)及び(d)の混合物、触媒成分(c)をそれぞれ同時に反応器に導入する方法。
(2)触媒成分(b)〜(d)の混合物、触媒成分(a)をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(3)触媒成分(a)及び(b)の混合物、触媒成分(c)及び(d)の混合物をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(4)触媒成分(a)及び(d)の混合物、触媒成分(b)及び(c)の混合物をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(5)触媒成分(a)及び(b)の混合物、触媒成分(c)、触媒成分(d)をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(6)触媒成分(c)及び(d)の混合物、触媒成分(a)、触媒成分(b)をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(7)触媒成分(a)及び(d)の混合物、触媒成分(b)、触媒成分(c)をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(8)触媒成分(b)及び(c)の混合物、触媒成分(a)、触媒成分(d)をそれぞれ同時に反応器に供給する方法。
(9)各触媒成分(a)〜(d)をそれぞれ同時かつ独立に反応器に供給する方法。
上述した各触媒成分は、通常、反応に使用される溶媒に溶解して反応器に供給される。
【0025】
ここで、「クロム化合物(a)とアルミニウム含有化合物(c)とが予め接触しない態様」とは、反応の開始時に限定されず、その後の追加的なα−オレフィン及び触媒成分の反応器への供給においても、このような態様が維持されることを意味する。
また、バッチ反応形式についても同様の態様を利用するのが望ましい。
【0026】
本実施の形態で使用するクロム系触媒の各構成成分の比率は、通常、クロム化合物(a)1モルに対し、窒素含有化合物(b)1モル〜50モル、好ましくは1モル〜30モルであり、アルミニウム含有化合物(c)1モル〜200モル、好ましくは10モル〜150モルである。又はハロゲン含有化合物(d)を含む場合は、クロム化合物(a)1モルに対し、ハロゲン含有化合物(d)は1モル〜50モル、好ましくは1モル〜30モルである。
【0027】
本実施の形態において、クロム系触媒の使用量は特に限定されないが、通常、後述する溶媒1リットルあたり、クロム化合物(a)のクロム原子あたり1.0×10−7モル〜0.5モル、好ましくは5.0×10−7モル〜0.2モル、更に好ましくは1.0×10−6モル〜0.05モルとなる量である。
このようなクロム系触媒を用いることにより、例えば、エチレンを原料とした場合、選択率90%以上でエチレンの三量体であるヘキセンを得ることができる。さらに、この場合、ヘキセンに占める1−ヘキセンの比率を99%以上にすることができる。
【0028】
(溶媒)
本実施の形態が適用されるα−オレフィン低重合体の製造方法では、α−オレフィンの反応を溶媒中で行うことができる。
このような溶媒としては特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、3−メチルペンタン、ヘキサン、へプタン、2−メチルヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、デカリン等の炭素数1〜炭素数20の鎖状飽和炭化水素又は脂環式飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリン等の芳香族炭化水素等が使用される。また、α−オレフィン低重合体を溶媒として用いてもよい。これらは、単独で使用する他、混合溶媒として使用することもできる。
特に、溶媒としては、炭素数4〜炭素数10の鎖状飽和炭化水素又は脂環式飽和炭化水素が好ましい。これらの溶媒を使用することにより、ポリエチレン等の副生ポリマーを抑制することができ、更に、脂環式飽和炭化水素を使用した場合は、高い触媒活性が得られる傾向がある。
【0029】
(α−オレフィン低重合体の製造方法)
次に、α−オレフィンとしてエチレンを用い、α−オレフィン低重合体として、エチレンの三量体である1−ヘキセンの製造を例に挙げ、α−オレフィン低重合体の製造方法について説明する。
図1は、本実施の形態におけるα−オレフィン低重合体の製造フロー例を説明する図である。図1に示すエチレンを原料とする1−ヘキセンの製造フロー例には、エチレンをクロム系触媒存在下で低重合させる完全混合撹拌型の反応器10と、反応器10から抜き出された反応液から未反応エチレンガスを分離する脱ガス槽20と、脱ガス槽20から抜き出された反応液中のエチレンを溜出させるエチレン分離塔30と、エチレン分離塔30から抜き出された反応液中の高沸点物質(以下、HB(ハイボイラー)と記すことがある。)を分離する高沸分離塔40と、高沸分離塔40の塔頂から抜き出された反応液を蒸留し、1−ヘキセンを溜出させるヘキセン分離塔50とが示されている。
また、脱ガス槽20及びコンデンサー16において分離された未反応エチレンを、循環配管21を介して反応器10に循環させる圧縮機17が設けられている。
【0030】
図1において、反応器10としては、例えば、撹拌機10a、バッフル、ジャケット等が付設された従来周知の形式のものが挙げられる。撹拌機10aとしては、パドル、ファウドラー、プロぺラ、タービン等の形式の撹拌翼が、平板、円筒、ヘアピンコイル等のバッフルとの組み合わせで用いられる。
【0031】
図1に示すように、エチレン供給配管12aから圧縮機17及び第1供給配管12を介して、反応器10にエチレンが連続的に供給される。ここで、圧縮機17が、例えば、2段圧縮方式であれば、1段目に循環配管31を接続し、2段目に循環配管21を接続することにより、電気代を低減することも可能である。他方、触媒供給配管13aを介して第2供給配管13からクロム化合物(a)及び窒素含有化合物(b)が供給され、第3供給配管14からアルミニウム含有化合物(c)が供給され、第4供給配管15からハロゲン含有化合物(d)が供給される。また、第2供給配管13からは、エチレンの低重合反応に使用する溶媒が反応器10に供給される。
【0032】
本実施の形態では、反応器10における反応温度としては、通常、0℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃、更に好ましくは80℃〜170℃である。
また、反応圧力としては、通常、常圧〜250kgf/cm、好ましくは、5kgf/cm〜150kgf/cm、さらに好ましくは10kgf/cm〜100kgf/cmの範囲である。
【0033】
さらに、エチレンの三量化反応は、反応液中のエチレンに対する1−ヘキセンのモル比((反応液中の1−ヘキセン)/(反応液中のエチレン))が0.05〜1.5、特に、0.10〜1.0となるように行うのが好ましい。即ち、連続反応の場合には、反応液中のエチレンと1−ヘキセンとのモル比が上記の範囲になるように、触媒濃度、反応圧力その他の条件を調節することが好ましい。また、回分反応の場合には、モル比が、上記の範囲にある時点において、エチレンの三量化反応を中止させることが好ましい。
このような条件でエチレンの三量化反応を行うことにより、1−ヘキセンよりも沸点の高い成分の副生が抑制されて、1−ヘキセンの選択率が更に高められる傾向がある。
【0034】
次に、反応器10の底から配管11を介して連続的に抜き出された反応液は、失活剤供給配管11aから供給された失活剤によりエチレンの三量化反応が停止され、脱ガス槽20に供給される。脱ガス槽20では上部から未反応エチレンが脱ガスされ循環配管21、コンデンサー16、圧縮機17及び第1供給配管12を介して反応器10に循環供給される。また、脱ガス槽20の槽底から未反応エチレンが脱ガスされた反応液が抜き出される。
脱ガス槽20の運転条件は、通常、温度0℃〜250℃、好ましくは、50℃〜200℃であり、圧力は常圧〜150kgf/cm、好ましくは、常圧〜90kgf/cmである。
【0035】
続いて、脱ガス槽20において未反応エチレンが脱ガスされた反応液は、脱ガス槽20の槽底から抜き出され、配管22によりエチレン分離塔30に供給される。エチレン分離塔30では蒸留により塔頂部からエチレンが溜出され、循環配管31及び第1供給配管12を介して反応器10に循環供給される。また、塔底部からエチレンが除去された反応液が抜き出される。
エチレン分離塔30の運転条件は、通常、塔頂部圧力は常圧〜30kgf/cm、好ましくは、常圧〜20kgf/cm、また、還流比(R/D)は、通常、0〜500、好ましくは、0.1〜100である。
【0036】
次に、エチレン分離塔30においてエチレンを溜出した反応液は、エチレン分離塔30の塔底部から抜き出され、配管32により高沸分離塔40に供給される。高沸分離塔40では、塔底部から配管42により高沸点成分(HB:ハイボイラー)が抜き出される。また、塔頂部から配管41により高沸点成分が分離された溜出物が抜き出される。
高沸分離塔40の運転条件は、通常、塔頂部圧力0.1kgf/cm〜10kgf/cm、好ましくは、0.5kgf/cm〜5kgf/cm、また、還流比(R/D)は、通常、0〜100、好ましくは、0.1〜20である。
【0037】
続いて、高沸分離塔40の塔頂部から溜出物として抜き出された反応液は、配管41によりヘキセン分離塔50に供給される。ヘキセン分離塔50では塔頂部から蒸留による1−ヘキセンが配管51により溜出される。また、ヘキセン分離塔50の塔底部からヘプタンが抜き出され、溶媒循環配管52を介して溶媒ドラム60に貯留され、さらに、第2供給配管13を介して反応溶媒として反応器10に循環供給される。
ヘキセン分離塔50の運転条件は、通常、塔頂部圧力0.1kgf/cm〜10kgf/cm、好ましくは、0.5kgf/cm〜5kgf/cm、また、還流比(R/D)は、通常、0〜100、好ましくは0.1〜20である。
【0038】
(反応器内気相部の不活性ガス濃度)
本実施の形態では、反応器10においてエチレンをクロム系触媒存在下で低重合し、1−ヘキセンを製造する際に、反応器10の気相中に0.010体積%〜50.00体積%の割合で不活性ガスを存在させる。この不活性ガスを反応器の気相中に存在させる割合として、好ましくは、0.020体積%〜40.00体積%、より好ましくは、0.050体積%〜30.00体積%、更により好ましくは0.500体積%〜10.00体積%、最も好ましくは1.000体積%〜5.000体積%である。
【0039】
反応器10内の気相部の不活性ガス濃度を測定する方法は、特に限定されないが、通常はガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)により測定した値から求めることができる。また、反応器10の気相部には、通常、原料であるエチレンガスや触媒分解物、一部気化した反応溶媒、α−オレフィン低重合体等が含まれるが、原料エチレン中に含有する不純物成分であるエタン、メタン、又はアセチレン、二酸化炭素等が含まれていてもよい。
【0040】
ここで、不活性ガスとしては、クロム系触媒と反応せず、且つ、クロム系触媒の作用により別の化合物に変化しないものであれば特に限定されない。通常、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。中でも窒素が好ましい。
反応器10の気相中に存在する不活性ガスの割合が過度に大きいと、エチレン等のα−オレフィンの反応率が低下する傾向にある。また、反応器10の気相中に存在する不活性ガスの割合が過度に小さいと、系外に放出されるα−オレフィンの量が増大する傾向がある。
【0041】
反応器10の気相中に不活性ガスを存在させる方法は特に限定されないが、例えば、前述したクロム系触媒の各成分(クロム化合物(a)、アミン等の窒素含有化合物(b)、アルミニウム含有化合物(c)、ハロゲン含有化合物(d))を、予め不活性ガスによりシールし、これらの各成分を、それぞれ、触媒供給配管13a、第2供給配管13、第3供給配管14、第4供給配管15を介して反応器10にそれぞれ供給する際に、各成分と共に反応器10に供給する方法;不活性ガスによりシールした溶媒を、第2供給配管13を介して反応器10に供給する際に溶媒と共に反応器10に供給する方法等が挙げられる。
【0042】
本実施の形態では、前述したように、反応器10の気相中に、0.010体積%〜50.00体積%の割合で不活性ガスを存在させることが必要である。ここで、気相中の不活性ガスの割合が50.00体積%を超える場合、所定の操作により、気相中の不活性ガスの割合を50.00体積%以下に調整する。
【0043】
気相中の不活性ガスの割合を調整する操作は、特に限定されないが、通常、バルブを使って反応器10内の不活性ガスの濃度を監視しながら、反応系外へ不活性ガスを抜き出し調整することができる。
不活性ガスを抜き出す箇所は、反応系内で不活性ガスが存在している箇所であれば、どの箇所から抜き出しても良い。なかでも、反応系内又は未反応エチレン循環ラインの、不活性ガスが溜まり混みやすい箇所から、α−オレフィンと共に不活性ガスを系外へ抜き出すことが好ましい。
【0044】
例えば、反応器10に取り付けたガス排出ライン10bのバルブを開き、反応器10の気相部からα−オレフィンと共に不活性ガスを反応系外に直接放出する方法;脱ガス槽20から分離された未反応エチレンを反応器10に循環させる循環配管21に取り付けたガス排出ライン21aのバルブを開き、α−オレフィンと共に不活性ガスを反応系外に放出する方法等が挙げられる。
【0045】
また、原料エチレン中に不純物成分として、エタン、メタン、アセチレン、二酸化炭素等が含まれている場合には、α−オレフィンと共に不活性ガスを抜き出す際に、これらの成分も反応系外へ抜き出される。必要に応じて、反応器10の気相部の不活性ガス濃度以外にも、これら成分の濃度を監視しながら、反応系外への不活性ガスの抜き出し量を調整してもよい。
上述した操作は、それぞれ単独で行うことができ、また、これらの操作を組み合わせて行うこともできる。
【0046】
図2は、α−オレフィン低重合体の他の製造フロー例を説明する図である。図1の製造フロー例と共通する構成については同じ符号を使用している。
図2に示す製造フロー例においては、ヘキセン分離塔50の塔底に接続する溶媒循環配管52の他端は、溶媒ドラム60に接続せずに、溶媒ドラム60の排出側において第2供給配管13に接続される。
【0047】
これによって、ヘキセン分離塔50の塔底から得られたヘプタンは、溶媒ドラム60を経由せずに反応器10に直接循環させることができる。反応器10へ循環する反応溶媒に溶媒ドラム60の気相部に存在する不活性ガスが溶解するのを防ぐことができるため、結果として、溶存不活性ガスが反応器10に供給されなくなり、反応器10の気相中に含まれる不活性ガスの濃度が、必要以上に増大することを防ぐことができる。
【実施例】
【0048】
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
(実施例1)
図2に示すように、完全混合撹拌型の反応器10と、脱ガス槽20と、エチレン分離塔30と、高沸分離塔40と、ヘキセン分離塔50と、循環溶媒を貯蔵する溶媒ドラム60とを有し、ヘキセン分離塔50の塔底に接続する溶媒循環配管52の他端を第2供給配管13に接続し、溶媒ドラム60をバイパスさせるプロセスにおいて、エチレンの連続低重合反応を行う。
第1供給配管12からは、エチレン供給配管12aから新たに供給されるエチレンと共に、脱ガス槽20及びエチレン分離塔30から分離される未反応エチレンを圧縮機17により反応器10に連続供給する。また、第2供給配管13から、ヘキセン分離塔50にて分離される回収n−ヘプタン溶媒を、溶媒ドラム60(2kgf/cm窒素シール)をバイパスさせ、流量34L/Hrで反応器10に連続供給する。
【0050】
次に、触媒供給配管13aから、クロム(III)2−エチルヘキサノエート(a)と2,5−ジメチルピロール(b)とを含有するn−ヘプタン溶液を、流量0.1L/Hrで供給し、第2供給配管13を介して反応器10に連続供給する。また、トリエチルアルミニウム(c)のn−ヘプタン溶液を、流量0.03L/Hrで、第3供給配管14から反応器10に連続供給する。さらに、ヘキサクロロエタン(d)のn−ヘプタン溶液を、流量0.02L/Hrで、第4供給配管15から反応器10に連続供給する。
触媒各成分の溶液は、2kgf/cmの窒素シールタンク(図示せず)から供給する。
尚、触媒は、各成分のモル比が、(a):(b):(c):(d)=1:6:40:4となるように反応器10に連続供給する。反応条件は、140℃×71kgf/cmである。
【0051】
反応器10から連続的に抜き出される反応液は、失活剤供給配管11aから、金属可溶化剤として2−エチルヘキサノールが流量0.005L/Hrで添加され、その後、順次、脱ガス槽20、エチレン分離塔30、高沸分離塔40、ヘキセン分離塔50にて処理される。
このプロセスにおいて、反応器10の気相部の窒素濃度はガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)の測定により求める。この値が0.070体積%になるように、反応器10に取り付けたガス排出ライン10bのバルブを開き、反応器10の気相部から連続的にガスを抜き出し、エチレンロス率(ETYロス率)及び触媒効率(CE)を求める。結果を表1に示す。
【0052】
尚、エチレンロス率(ETYロス率)は、新たに供給されるエチレン重量SETY(単位:g/h)に対する系外に排出されるエチレン重量PETY(単位:g/h)の割合(PETY/SETY)である。数値が小さい程、エチレンの消失量が小さい。
また、触媒効率(CE)は、1時間で供給される触媒成分のクロム原子重量(単位:g)当たりの1時間で生成する生成物重量(単位:g)である。数値が大きい程、触媒効率が高い。
【0053】
(実施例2〜実施例6、比較例1,2)
実施例1のプロセスに従ってエチレンの連続低重合反応を行い、反応器10の気相部の窒素濃度が、表1に示す数値になるように、反応器10に取り付けたガス排出ライン10bから抜き出すガス量を変更し、エチレンロス率(ETYロス率)及び触媒効率(CE)を求める。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1に示す結果から、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%〜50.00体積%の範囲内(0.070体積%〜26.50体積%:実施例1〜実施例6)の場合は、ETYロス率が低く、さらに触媒効率が高いことが分かる。
これに対し、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、50.00体積%以上である69.20体積%の場合(比較例1)は、触媒効率が低下する。また、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%以下である0.005体積%の場合(比較例2)は、ETYロス率が増大する。
【0056】
(実施例7〜実施例9、比較例3,4)
実施例1で使用したプロセスに従ってエチレンの連続低重合反応を行い、反応器10の気相部の窒素濃度が、表2に示す数値になるように、循環配管21に取り付けたガス排出ライン21aから抜き出すガス量を変更し、エチレンロス率(ETYロス率)及び触媒効率(CE)を求める。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】

【0058】
表2に示す結果から、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%〜50.00体積%の範囲内(1.200体積%〜28.50体積%:実施例7〜実施例9)の場合は、ETYロス率が低く、さらに触媒効率が高いことが分かる。
これに対し、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、50.00体積%以上である68.50体積%の場合(比較例3)は、触媒効率が低下する。また、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%以下である0.005体積%の場合(比較例4)は、ETYロス率が増大する。
【0059】
(実施例10、比較例5,6)
図1に示すように、完全混合撹拌型の反応器10と、脱ガス槽20と、エチレン分離塔30と、高沸分離塔40と、ヘキセン分離塔50と、循環溶媒を貯蔵する溶媒ドラム60とを有し、ヘキセン分離塔50にて分離される回収n−ヘプタン溶媒が、2kgf/cmに窒素シールされた溶媒ドラム60を経由した後、流量34L/Hrで、反応器10に連続供給されるプロセスにおいて、エチレンの連続低重合反応を行う。
反応器10の気相部の窒素濃度が表3になるように、反応器10に取り付けたガス排出ライン10bから抜き出すガス量を変更し、エチレンロス率(ETYロス率)及び触媒効率(CE)を求める。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】

【0061】
表3に示す結果から、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%〜50.00体積%の範囲内(1.200体積%:実施例10)の場合は、ETYロス率が低く、さらに触媒効率が高いことが分かる。
これに対し、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、50.00体積%以上である68.50体積%の場合(比較例5)は、触媒効率が低下する。また、反応器10の気相中に含まれる窒素濃度が、0.010体積%以下である0.007体積%の場合(比較例6)は、ETYロス率が増大することが分かる。
【0062】
尚、実施例、比較例では、不活性ガスとして窒素ガスを用いたが、アルゴン等の希ガスを用いても同様な効果が得られることが期待できる。この理由は必ずしも明確ではないが、ヘリウム等の希ガスは、窒素よりも溶媒等の溶解度が高いため、触媒溶液、溶媒に少しでも溶ければ、反応系内に蓄積する可能性がある。そのため、系外に排出しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態におけるα−オレフィン低重合体の製造フロー例を説明する図である。
【図2】α−オレフィン低重合体の他の製造フロー例を説明する図である。
【符号の説明】
【0064】
10…反応器、10a…撹拌機、10b…ガス排出ライン、11,22,32,41,42,51…配管、11a…失活剤供給配管、12…第1供給配管、12a…エチレン供給配管、13…第2供給配管、13a…触媒供給配管、14…第3供給配管、15…第4供給配管、21,31…循環配管、21a…ガス排出ライン、16…コンデンサー、17…圧縮機、20…脱ガス槽、30…エチレン分離塔、40…高沸分離塔、50…ヘキセン分離塔、52…溶媒循環配管、60…溶媒ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器に供給された溶媒中で、触媒の存在下、α−オレフィンを低重合するα−オレフィン低重合体の製造方法であって、
前記反応器内の気相中に、0.010体積%〜50.00体積%の割合で不活性ガスを存在させ、溶媒中でα−オレフィンの低重合反応を行い、
前記α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から、未反応α−オレフィン及び溶媒を分離し、
前記反応液から分離された未反応α−オレフィン及び溶媒を前記反応器内に循環させる
ことを特徴とするα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項2】
前記不活性ガスが、窒素、希ガス又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項3】
前記反応器内の気相部及び/又は当該反応器内に未反応α−オレフィンを循環供給する循環配管から、不活性ガスを反応系外に放出することを特徴とする請求項1又は2に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項4】
前記α−オレフィンの低重合反応により得られた反応液から分離した溶媒を、溶媒ドラムを経由せずに前記反応器内に直接循環させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項5】
前記触媒は、少なくとも、クロム化合物(a)と、窒素含有化合物(b)と、アルミニウム含有化合物(c)と、の組み合わせから構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項6】
前記触媒は、少なくとも、クロム化合物(a)と、窒素含有化合物(b)と、アルミニウム含有化合物(c)及びハロゲン含有化合物(d)と、の組み合わせから構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項7】
前記α−オレフィンの低重合反応は、クロム化合物(a)と、アルミニウム含有化合物(c)と、が予め接触しない態様で行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。
【請求項8】
前記α−オレフィンが、エチレンであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のα−オレフィン低重合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−102363(P2009−102363A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326605(P2008−326605)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【分割の表示】特願2007−341365(P2007−341365)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】