説明

アミノ置換ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体

【課題】アミノ置換ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体の提供。
【解決手段】式(1)
【化1】


[式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4の数を表わし;
1=1の場合、
3は、飽和又は不飽和複素環式基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;所望により、1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基;所望により、複素環式基、アミノカルボニル基又は炭素原子数1ないし5のアルキルカルボキシ基で置換されたフェニル基を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で置換されたアルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすか;又は、R3は、Aと一緒になって、式(1a)
【化2】


(式中、n2は、1ないし3の数を表わす。)で表わされる2価の基を形成し;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされるアミノ置換ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ置換ヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体、これらの化合物の製造方法、好ましくは、紫外線の損傷からのヒト及び動物の毛の保護のための、これらの紫外線吸収剤としての使用、並びにこれらの化合物を含む化粧品組成物に関する。
【発明の開示】
【0002】
新規化合物は、式
【化1】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4の数を表わし;
1=1の場合、
3は、飽和又は不飽和複素環式基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;所望により、1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基;所望により、複素環式基、アミノカルボニル基又は炭素原子数1ないし5のアルキルカルボキシ基で置換されたフェニル基を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で置換されたアルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基;式
【化2】

で表わされる基を表わすか、又は、R3は、Aと一緒になって、式(1a)
【化3】

(式中、n2は、1ないし3の数を表わす。)で表わされる2価の基を形成し;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる。
【0003】
炭素原子数1ないし20のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、エイコシル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、クロロプロピル基、N,N−ジエチルアミノプロピル基、シアノエチル基、フェネチル基、ベンジル基、p−第三ブチルフェネチル基、p−第三オクチルフェノキシエチル基、3−(2,4−ジ−第三アミルフェノキシ)−プロピル基、エトキシカルボニルメチル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基又は2−フリルエチル基のような直鎖の又は枝分かれした、不飽和又は飽和アルキル基を表わす。
【0004】
炭素原子数2ないし20のアルケニル基は、例えば、アリル基、メタリル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソブテニル基、n−ペンタ−2,4−ジエニル基、3−メチル−ブテ−2−エニル基、n−オクテ−2−エニル基、n−ドデセ−2−エニル基、イソドデセニル基、n−ドデセ−2−エニル基又はn−オクタデセ−4−エニル基である。
【0005】
炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデシル基、好ましくはシクロヘキシル基である。これらの基は、例えば、1つ以上の同じ又は異なる炭素原子数1ないし4のアルキル基によって、好ましくはメチル基及び/又はヒドロキシ基によって置換され得る。シクロアルキル基が1つ以上の基によって置換される場合、それらは、好ましくは、1つ、2つ又は4つの、好ましくは1つ又は2つの同じもしくは異なる基で置換される。
【0006】
炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基は、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基、シクロノネニル基又はシクロドデセニル基、好ましくはシクロヘキセニル基である。これらの基は、1つ以上の同じ又は異なる炭素原子数1ないし4のアルキル基によって、好ましくはメチル基及び/又はヒドロキシ基によって置換され得る。シクロアルケニル基が1つ以上の基によって置換される場合、それらは、好ましくは、1つ、2つ、3つ又は4つの、好ましくは1つ又は2つの同じもしくは異なる基で置換される。
【0007】
ヒドロキシ置換炭素原子数1ないし5のアルキル基は、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基又はヒドロキシペンチル基である。
【0008】
アルキレン基は、好ましくは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基のような炭素原子数1ないし12のアルキレン基である。
【0009】
アルキレン基は、所望により、1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換され得る。
【0010】
1及びR2が複素環式基を表わす場合、これらは、1つ、2つ、3つ又は4つの同じもしくは異なる環へテロ原子を含む。特に好ましいものは、1つ、2つ又は3つ、特に1つ又は2つの同じもしくは異なるヘテロ原子を含む複素環である。複素環は、単環又は多環、例えば、単環、2環又は3環であり得る。それらは、好ましくは、単環又は2環、特に単環である。環は、好ましくは、5、6又は7環員を含む。式(1)又は(2)で表わされる化合物に存在する基が誘導され得る単環及び2環の複素環系の例は、例えば、ピロー
ル基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、ピラゾール基、1,2,3−トリアゾール基、1,2,4−トリアゾール基、ピリジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピラン基、チオピラン基、1,4−ジオキサン基、1,2−オキサジン基、1,3−オキサジン基、1,4−オキサジン基、インドール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、ピロリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、モルホリン基及びチオモルホリン基である。
【0011】
好ましいものは、R1及びR2が、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4の数を表わし;
1が1を表わす場合、
3は、飽和又は不飽和複素環式基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす、式(1)で表わされる化合物である。
【0012】
好ましい興味深いものは、R1及びR2が炭素原子数1ないし20のアルキル基、好ましくは炭素原子数1ないし5のアルキル基;最も好ましくはエチル基を表わす、式(1)で表わされる化合物である。
【0013】
好ましくは、式(1)におけるR1及びR2は、同一の定義を有する。
【0014】
式(1)において、n1が1を表わす場合、R3が、飽和又は不飽和複素環式基、最も好ましくは飽和複素環式基を表わす化合物が好ましい。
【0015】
これらの化合物のうち、R3が、1つ以上のヘテロ原子を有する、5、6又は7環員の単環式基を表わすもの、好ましくはR3が、モルホリニル基;ピペラジニル基;ピペリジル基;ピラゾリジニル基;イマダゾリジニル基;又はピロリジニル基を表わすものが好ましい。
【0016】
1が1を表わす場合、R3が、不飽和複素環式基、好ましくは多環式基を表わす、式(1)で表わされる更なる化合物が興味深い。
【0017】
最も好ましいものは、R3が、式(1a)
【化4】

(式中、R5は、1つ又は2つのヘテロ原子を有する多環式複素芳香族基を表わす。)で
表わされる基を表わす、式(1)で表わされる化合物である。
【0018】
好ましい興味深いものは、R3が、式(1b)
【化5】

(式中、R6は、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)で表わされる基を表わす、式(1)で表わされる化合物である。
【0019】
1が2を表わす場合、R3は、好ましくは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基、最も好ましくは炭素原子数2ないし8のアルキレン基を表わす。
【0020】
最も好ましいものは、R3が、式
【化6】

(式中、rは、0又は1を表わし、qは、0ないし5の数を表わす。)で表わされる基を表わす、式(1)で表わされる化合物である。
【0021】
式(1)において、n1が3を表わす場合、R3は、好ましくは、式(1c)
【化7】

、(1d)
【化8】

又は(1e)
【化9】

で表わされる基を表わし、
pは、0ないし3の数を表わし、
1、R2及びAは式(1)で定義した通りである。
【0022】
式(1)において、n1が4を表わす場合、
3は、式
【化10】

で表わされる基を表わし、
1、R2及びAは式(1)で定義した通りである。
【0023】
本発明の好ましい化合物は、式(2)
【化11】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、飽和又は不飽和複素環式基を表わす。)で表わされる。
【0024】
式(3)
【化12】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わす。)で表わされる、本発明の更なる化合物が好ましい。
【0025】
式(4)
【化13】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、
【化14】

(式中、pは0ないし3の数を表わす。)を表わす。]で表わされる化合物もまた好ましい。
【0026】
更に、式(5)
【化15】

(式中、
3は、式
【化16】

で表わされる基を表わし;
1、R2及びAは、式(1)で定義した通りである。)で表わされる化合物が好ましい。
【0027】
本発明の例示的な化合物は、式
【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

で表わされるものである。
【0028】
式(1)で表わされる化合物は、例えば、欧州特許第1,046,391号明細書に記載されたような既知の方法に従って製造され得る。
【0029】
好ましくは、式(1)で表わされる化合物は、
(a)式(6a)
【化23】

で表わされる化合物を脱水し、式(6b)
【化24】

で表わされる化合物とすること、
(b)得られた無水物と式(4c1)H−N(R4)−R3又はH−O−R3で表わされる化合物を反応させ、式(1’)
【化25】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4を表わし;
1が1を表わす場合、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;未置換の又は1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし10のシクロヘキシル基;(Y−O)pZ;炭素原子数6ないし10のアリール基;又は飽和もしくは不飽和複素環式基を表わし、
Yは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし;
Zは、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
pは、1ないし20の数を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる化合物とすること
によって製造される。
【0030】
前記製造方法は、本発明の更なる目的である。
【0031】
好ましくは、式(7)
【化26】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし;
5は、水素原子;炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基を表わす。)で表わされる化合物が、本発明の方法に従って得られ得る。
【0032】
反応は、通常、25ないし200℃の温度、好ましくは室温で行われる。一般的に、溶媒は、この反応工程において必要ではない。しかしながら、溶媒が使用される場合、好ましくは、製造実施例において使用されたような溶媒が好ましい。
【0033】
式(1)で表わされる化合物は、x−HCl−塩として容易に再結晶化され得る。
【0034】
式(6b’)
【化27】

(式中、R1’及びR2’’は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成する。)で表わされる中間体は、従来技術で知られていない化合物である。
【0035】
それらは、有機紫外線フィルターの製造のための出発化合物である。
【0036】
式(6b’)で表わされる化合物は、本発明の更なる目的である。
【0037】
式(1)で表わされる化合物は、紫外線フィルターとして、即ち、紫外線の作用に対する、紫外線に敏感な有機材料、特に、ヒト及び動物の肌及び毛の保護のために特に適当である。従って、このような化合物は、化粧品、医薬品及び獣医学製品中の光保護剤として適当である。
【0038】
それ故、本発明の更なる目的は、化粧品的に受容可能な担体又は補助剤と一緒に、式(1)で表わされる少なくとも1種の化合物を含む化粧品である。
【0039】
本発明に従った紫外線吸収剤は、溶解状態(可溶性の有機フィルター、可溶化有機フィルター)で、又は超微粉状態(ナノスケールの有機フィルター、粒子状有機フィルター、紫外線吸収顔料)で使用され得る。
【0040】
超微粉粒子の調製のために適当なあらゆる既知の方法としては、例えば、以下の方法が、超微粉紫外線吸収剤の調製のために使用され得る:
−水中又は適当な有機溶媒中での、硬質粉砕媒体、例えば、ボールミルにおける珪酸ジルコニウムボール及び保護界面活性剤又は保護ポリマーを用いた湿潤微粉砕(ポンプ注入可能な分散体のための低粘度超微粉法);
−連続又は不連続(バッチ)ニーダーを使用した、湿潤混練(ポンプ注入不可能なペーストのための高粘度超微粉法)。湿潤混練法のために、溶媒(水又は化粧品的に受容可能なオイル)、粉砕助剤(界面活性剤、乳化剤)及びポリマー状粉砕助剤が使用され得る。
両方の方法が、好ましくは使用され得る。
−適当な溶媒、例えば、水性懸濁液又は有機溶媒を含む懸濁液、又は水、エタノール、ジクロロエタン、トルエン又はN−メチルピロリドン等の真溶液からの噴霧乾燥;
−紫外線フィルター又はフィルターが溶解されるところの超臨界流体(例えば、CO2)のRESS法(超臨界流体急速膨張法(Rapid Expansion of Supercritical Solution))に従った膨張、又は適当な有機溶媒中1種以上のUVフィルターの溶液と一緒の二酸化炭素流体の膨張によって。
−超臨界流体を含む適当な溶媒からの再沈殿によって(GASR法=ガス抗溶媒再沈殿(Gas Anti−Solvent Recrystallisation)/PCA法=圧縮抗溶媒を用いた沈殿(Precipitation with Compressed Anti−Solvent))。
【0041】
超微粉有機紫外線吸収剤の製造のための微粉砕装置としては、例えば、ジェットミル、ボールミル、振動ミル又はハンマーミル、好ましくは高速混合ミルが使用され得る。より好ましい微粉砕装置は、最新式のボールミルであり、これらのタイプの微粉砕装置の製造者は、例えば、ネッツス(LMZミル)、ドライス(DCP−ビスコフロー又はコスモ)、ブヘラー アーゲー(遠心ミル)又はバッチホファーである。粉砕は、好ましくは、粉砕助剤を使用して行われる。
【0042】
超微粉有機紫外線吸収剤の製造のための混練装置の例は、典型的なシグマ−ブレードバッチ混練機であるが、連続バッチ混練機(IKA−ウェルケ)又は連続混練機(ウェルナー アンド プフレイデラー社製連続体)でもある。
【0043】
全ての上記超微粉法のために有用な低分子量粉砕助剤は、以下の‘‘乳化剤’’、‘‘界面活性剤’’及び‘‘脂肪アルコール’’と題した部分に開示された分散剤及び界面活性剤及び乳化剤である。
【0044】
水分散体のために有用なポリマー状粉砕助剤は、Mn>500g/molの、化粧品的に受容可能な水溶性ポリマー、例えば、アクリレート(サルケア(salcare)型)、変性又は非変性ポリサッカリド、ポリグルコシド又はキサンタンガムである。更に、アルキル化ビニルピロリドンポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アシルグルタメート、アルキルポリグルコシド、セテアレス−25又はリン脂質が使用され得る。オイル分散体は、加工中及び加工後の粘度を調整するために、化粧品的に受容可能なワックス状ポリマー又はポリマー状粉剤助剤のような天然ワックスを含み得る。他の有用なポリマー状粉砕助剤の例は、以下の‘‘ポリマー’’と題した部分に開示される。
【0045】
有用な溶媒は、水、ブライン、(ポリ−)エチレングリコール、グリセロール又は化粧品的に受容可能なオイルである。他の有用な溶媒は、以下の‘‘脂肪酸のエステル’’、‘‘グリセリルエステル及び誘導体を含む天然及び合成トリグリセリド’’、‘‘真珠箔ワックス’’、‘‘炭化水素油’’及び‘‘シリコーン又はシロキサン’’と題した部分に開示される。
【0046】
このようにして得られた超微粉紫外線吸収剤は、通常、0.02ないし2μm、好ましくは0.03ないし1.5μm、より特には0.05ないし1.0μmの平均粒子サイズを有する。
【0047】
本発明の更なる目的は、
(a)式(1’)
【化28】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1が1を表わす場合、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;未置換の又は1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし10のシクロヘキシル基;(Y−O)pZ;炭素原子数6ないし10のアリール基;又は飽和もしくは不飽和複素環式基を表わし、
Yは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし;
Zは、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
pは、1ないし20の数を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる、0.02ないし2μmの粒子サイズの超微粉紫外線吸収剤、及び
(b)適当な分散剤
を含む、紫外線吸収剤分散体である。
【0048】
本発明に従った紫外線吸収剤はまた、乾燥粉末形態で使用され得る。この目的のために、紫外線吸収剤は、減圧微粒化、向流乾燥噴霧等のような既知の粉砕方法に付される。このような粉末は、0.1μmないし2μmの粒子サイズを有する。凝集の発生を避けるために、紫外線吸収剤は、微粉砕加工の前に界面活性化合物、例えば、アニオン性、非イオン性又は双性界面活性剤、例えば、リン脂質又はPVPのような既知のポリマー、アクリレート等で被覆され得る。
【0049】
本発明に従った紫外線吸収剤はまた、化粧品のための特定の担体中、例えば、固体脂質ナノ粒子(SLN)中又は紫外線吸収剤がカプセル化される不活性ゾル−ゲルマイクロカプセル中にも使用され得る。
【0050】
本発明に従った化粧品配合物又は医薬品組成物はまた、1つ以上の更なる紫外線フィルターも含み得る。
【0051】
化粧品又は医薬品は、慣用の方法を使用して、紫外線吸収剤と補助剤を物理的に混合することによって、例えば、個々の成分を一緒に単純に攪拌することによって、特に、既知の化粧品の紫外線吸収剤、例えば、オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸イソオクチルエステル等の溶解性を使用することによって製造され得る。紫外線吸収剤は、例えば、更なる処理なしに、又は超微粉状態で、もしくは粉末形態で使用され得る。
【0052】
化粧品又は医薬品は、組成物の総質量に基づき、1つの紫外線吸収剤又は紫外線吸収剤の混合物を0.05質量%ないし40質量%含む。
【0053】
好ましいのは、質量に基づき1:99ないし99:1、特に1:95ないし95:1、好ましくは10:90ないし90:10の、本発明に従った式(1)で表わされる紫外線吸収剤と所望の更なる光保護剤の混合比の使用である。特に興味深いのは、20:80ないし80:20、特に40:60ないし60:40、好ましくは約50:50の混合比である。このような混合物は、とりわけ、溶解性を改善するため又は紫外線吸収を増加させるために使用され得る。
【0054】
本発明に従った式(1)で表わされる紫外線吸収剤又は紫外線フィルターの組合せは、肌、毛及び/又は天然又は人工ヘアーカラーを保護するために有用である。
【0055】
本発明に従った紫外線吸収剤と共に任意に使用され得る適当な紫外線フィルター物質は、あらゆるUV−A及びUV−Bフィルター物質である。
【0056】
化粧品又は医薬品は、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪組成物、スティック製品、粉末又は軟膏であり得る。上記で言及した紫外線フィルターに加えて、化粧品又は医薬品は、以下に記載する更なる補助剤を含み得る。
【0057】
水−及びオイル−含有エマルジョン(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルジョン又はマイクロエマルジョン)として、製品は、例えば、組成物の総質量に基づき、0.1ないし30質量%、好ましくは0.1ないし15質量%、特に0.5ないし10質量%の1種以上の紫外線吸収剤、組成物の総質量に基づき、1ないし60質量%、特に5ないし50質量%、好ましくは10ないし35質量%の少なくとも1種のオイル成分、組成物の総質量に基づき、0ないし30質量%、特に1ないし30質量%、好ましくは4ないし20質量%の少なくとも1種の乳濁剤、組成物の総質量に基づき、10ないし90質量%、特に30ないし90質量%の水、及び0ないし88.9質量%、特に1ないし50質量%の更なる化粧品的に受容可能な補助剤を含む。
【0058】
本発明に従った化粧品又は医薬品組成物/化粧品又は医薬品はまた、以下に記載するような更なる化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪酸のエステル、グリセリルエステル及び誘導体を含む天然又は合成トリグリセリド、真珠箔ワックス、炭化水素油、シリコーン又はシロキサン(有機置換ポリシロキサン)、弗素化又は過弗素化油、乳濁剤、補助剤及び添加剤、過脂肪剤、界面活性剤、稠度調節剤/増粘剤、及びレオロジー調節剤、ポリマー、ふけ止め剤、フィルム形成体、抗酸化剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤及び細菌抑制剤、香油、着色剤、又はポリマー状ビーズもしくはSPF強化剤のような中空球を1種以上含み得る。
【0059】
化粧品又は医薬品
化粧品又は医薬品配合物は、様々な種類の化粧品に含まれる。例えば、特に以下の製品が考慮される:
−スキンケア製品、例えば、タブレット形態又は液体石鹸、石鹸なし洗剤又は洗浄ペーストの形態の肌洗浄及び清浄製品、
−浴用製品、例えば、液状浴用製品(フォームバス、ミルク、シャワー製品)又は固形浴用製品、例えば、バスキューブ及びバスソルト、
−スキンケア製品、例えば、肌用乳液、多様な乳液又は肌用オイル、
−化粧品的な個人ケア用製品、例えば、日中用クリーム又はパウダークリーム形態のフェイスメイキャップ、フェイスパウダー(ルース及び固形)、口紅又はメイキャップクリーム、アイケア製品、例えば、アイシャドー製品、マスカラ、アイライナー、アイクリーム、アイフィックスクリーム、リップクリーム製品、例えば、リップスティック、リップグロス、リップペンシル、ネイルケア製品、例えば、ネイルマニキュア、ネイルマニキュアリムーバー、ネイルハードナー又はキューティクルリムーバー、
−フットケア製品、例えば、フットバス、フットパウダー、フットクリーム又は足用香膏、足用脱臭剤及び発汗抑制剤又はたこ除去製品、
−光保護製品、例えば、サンミルク、ローション、クリーム又はオイル、サンブロッカー(sun blocker)又は熱帯用日焼け止め剤(tropical)、日焼け前製品又は日焼け後製品、
−肌日焼け製品、例えば、セルフタンニングクリーム、
−脱色製品、例えば、肌漂白用製品又はスキンライトニング製品、
−防虫剤、例えば、防虫オイル、ローション、スプレー又はスティック、
−脱臭剤、例えば、脱臭スプレー、ポンプ作用スプレー、脱臭ゲル、スティック又はロールオン、
−発汗抑制剤、例えば、発汗抑制スティック、クリーム又はロールオン、
−汚れた肌を清浄及び保護するための製品、例えば、合成洗剤(固形又は液状)、剥離又はこすり洗いするための製品、又は剥離パック、
−化学薬品形態の脱毛製品(除毛剤)、例えば、脱毛パウダー、液状脱毛製品、クリーム状又はペースト状脱毛製品、ゲル状脱毛製品又はエーロゾルフォーム、
−シェービング製品、例えば、シェービングソープ、泡状シェービングクリーム、非泡状シェービングクリーム、フォーム及びゲル、ドライシェービングのためのプレシェービング製品、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション、
−芳香性調製品、例えば、香水(オーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、パルファムドトワレ、香水)、香油または芳香クリーム;
−化粧品毛髪用調製品、例えば、シャンプー及びコンディショナーの形態の毛髪洗浄用調製品、ヘアケア用調製品、例えば、前処理用調製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、集中的ヘアートリートメント、毛髪構成化用調製品、例えば、パーマネントウェーブ用ヘアーウェーブ用調製品(ホットウェーブ、マイルドウェーブ、コールドウェーブ)、直毛化用調製品、液体ヘアーセット用調製品、ヘアーフォーム、ヘアースプレー、漂白用調製品、例えば、過酸化水素溶液、ライトニングシャンプー、漂白クリーム、漂白パウダー、漂白ペースト又はオイル、一時的、半永久性又は耐久性毛髪着色料、自己酸化性染料を含む調製品、又はヘナもしくはカモミールのような天然毛髪着色料。
【0060】
存在形態
列挙した最終配合物は、様々な種類の存在形態、例えば以下の存在形態で存在し得る:−W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及び全ての種類のマイクロエマルジョンのような液体配合物の形態、
−ゲルの形態、
−オイル、クリーム、ミルク又はローションの形態、
−パウダー、ラッカー、タブレット又はメイキャップの形態、
−スティックの形態、
−スプレー(高圧ガススプレー又はポンプスプレー)又はエーロゾルの形態、
−フォームの形態、又は
−ペーストの形態。
【0061】
肌用化粧品として特に重要なものは、サンミルク、ローション、クリーム、オイル、サンブロッカー又は熱帯用日焼け止め剤、日焼け前製品又は日焼け後製品のような光保護製品、又は肌日焼け製品、例えば、セルフタンニングクリームである。特に興味深いものは、太陽光保護クリーム、太陽光保護ローション、太陽光保護ミルク及びスプレー形態の太陽光保護製品である。
【0062】
毛用化粧品として特に重要なものは、上記で言及したヘアートリートメント製品、特にシャンプー、ヘアーコンディショナーの形態の毛髪洗浄用調製品、ヘアケア用調製品、例えば、前処理用調製品、ヘアートニック、スタイリングクリーム、スタイリングゲル、ポマード、ヘアーリンス、トリートメントパック、集中的ヘアートリートメント、直毛化用調製品、液体ヘアーセット用調製品、ヘアーフォーム及びヘアースプレーである。特に興味深いものは、シャンプーの形態の毛髪洗浄用調製品である。
【0063】
シャンプーは、例えば以下の組成を有する:0.01ないし5質量%の本発明に従った紫外線吸収剤、12.0質量%のラウレス−2−硫酸ナトリウム、4.0質量%のココアミドプロピルベタイン、3.0質量%の塩化ナトリウム及び100%までの水。
【0064】
例えば、特に、以下の毛用化粧品配合物が使用され得る:
1)水及びいかなる所望の四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンカミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(minkamidopropyl
dimethyl−2−hydroxyethylammonium chloride)又はクォーターニウム80が添加されるところの、本発明に従った紫外線吸収剤、PEG−6−炭素原子数10のオキソアルコール及びソルビタンセスキオレエートからなる自然乳化素材配合物;
2)水及びいかなる所望の四級アンモニウム化合物、例えば4%ミンカミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はクォーターニウム80が添加されるところの、本発明に従った紫外線吸収剤、トリブチルシトレート及びPEG−20−ソルビタンモノオレエートからなる自然乳化素材配合物;
b)ブチルトリグリコール及びトリブチルシトレート中本発明に従った紫外線吸収剤の4倍濃厚溶液(quat−doped solution);
c)本発明に従った紫外線吸収剤とn−アルキルピロリドンの混合物又は溶液。
【0065】
このような配合物における他の典型的な成分は、防腐剤、殺菌剤及び制菌剤、香水、染料、顔料、増粘剤、湿潤剤、保湿剤、脂肪、オイル、ワックス、又は、アルコール、ポリ−アルコール、ポリマー、電解質、有機溶媒、シリコン誘導体、緩和薬、乳化剤又は乳化界面活性剤、界面活性剤、分散剤、抗酸化剤、抗刺激剤及び抗炎症剤等のような化粧品及び個人ケア用配合物の他の典型的な成分である。
【実施例】
【0066】
新規化合物の製造
実施例1:3−ジエチルアミノ−ジベンゾ−オキセピン(DEDO)
式(101a)
【化29】

で表わされる化合物62.7gを、攪拌下、室温において反応容器中で酢酸エチルエステル400g中に懸濁させた。酢酸エチルエステル200g中にジシクロヘキシルカルボジイミド44.4gが溶解した溶液をこの懸濁液中に混合した。温度は、約30℃まで上昇した。懸濁液を、約10時間、室温で強く攪拌し、その後、濾過した。蒸発後、式(101)
【化30】

で表わされる純粋な生成物を、酢酸エチルエステル(60g)/シクロヘキサン(220g)の混合物からの結晶化によって、黄色結晶として得た。
収量:42g FP:83.5℃
分析:C、H、N含有量は、理論値と一致した;H−NMR;C−NMR;MSによりオキセピン構造を確認した。
この方法と同様に、前記化合物は、ジシクロヘキシルカルボジイミドの代わりに無水酢酸を用いたBB−酸の脱水によって得られ得る。
【0067】
実施例2:式(102)
【化31】

で表わされる化合物の製造
2−(4−アミノフェニル)−6−メチル−ベンゾチアゾール7.2gを、室温においてジエチレングリコールジメチルエーテル60mL中で懸濁させた。ジエチレングリコールジメチルエーテル20mL中に式(101)で表わされる化合物が10.6g溶解した溶液を攪拌条件下で添加し、反応塊を90℃まで加熱した。4時間の反応時間の後、反応塊を室温まで冷却し、粗生成物を濾去した。純粋な化合物を、エタノールを使用した粗生成物の抽出によって得た。
収量:ベージュ色粉末 7.3g FP:225℃
C=71.6%;H=5.2%;N=7.8%;S=5.96%
全ての値は、理論値と一致した。
ジオキサンにおける紫外線スペクトル:
1.336nmにおける最大 e=57318
2.360nmにおける最大 e=49032
【0068】
実施例3:38%の活性含有率を有する分散体の製造:
粉砕真珠19.3g ER120S、0.3−0.4mmを備えたディスパーマット LC(Dispermat LC)中で、式(102)で表わされる化合物3.4g、アルラセルP135 0.3g及びクロダモルAB5.3gを、4.5時間粉砕した。非常に微粉砕された分散体が得られ、そしてそれは、16.4のSPF値を有した。この分散体は、非常に良好な広い紫外線範囲(320−380nm)を保護した。
【0069】
実施例4:式(103)
【化32】

で表わされる化合物の製造
式(101)で表わされる化合物6gをジオキサン40mL中に溶解した。4−アミノベンズアミド2.5gを、攪拌しながらこの溶液へ添加した。85℃における2時間の反応時間の後、ジオキサンを真空下で除去し、残渣を2−メトキシ−エタノールからの再結晶化によって処理し、純粋な生成物を得た。
収量:白色結晶 3g Fp:254℃
元素分析:C、H、N含有量は、理論値と一致した。
ジオキサンにおける紫外線スペクトル:
358nmにおける最大 e=34848
【0070】
実施例5:式(104)
【化33】

で表わされる化合物の製造
1,6−ヘキサンジオール2.36g、トルエン6g及び式(101)で表わされる化合物11.8gを、110℃で5時間攪拌した。その後、トルエンを留去し、蒸留した残渣をアセトンから再結晶化した。
収量:白色結晶 7.2g Fp:148℃
【0071】
実施例6:式(105)
【化34】

で表わされる化合物の製造
式(101)で表わされる化合物9.2g、メントールのラセミ混合物14.4g、ジエチレングリコール−ジメチルエーテル18mL、1.8−ジアザビシクロ(5.4.0)−ウンデセ−7−エン(1,5,5)0.1gを、2時間、100℃において攪拌した。その後、溶媒を真空中で除去し、カラムクロマトグラフィー方法(キエセルゲル60/トルエン−酢酸エステル 8:2)を使用して、残渣を分離した。
収量:ガラス状の非結晶塊 12.8g
分析:C/H/N=74.5%/8.4%/3.04%は、理論値と一致した。
ジオキサンにおける紫外線スペクトル:
351nmにおける最大 e=38565
【0072】
実施例7:式(106)
【化35】

で表わされる化合物の製造
式(101)で表わされる化合物6gを、室温でジオキサン30mL中に溶解した。ジオキサン20mL中に溶解した1.6−ジアミノヘキサン1.16gを、攪拌下でこの溶液へ添加した。室温での反応塊の攪拌を12時間続け、その後、ジオキサンを真空中で除去し、水での抽出後、粗生成物をメタノールから再結晶化した。
収量:黄色結晶4.2g
Fp:160℃
元素分析は理論値と一致した。
【0073】
実施例8:式(107)
【化36】

で表わされる化合物の製造
式(101)で表わされる化合物9g及びアニリン8.4gをジエチレングリコール−ジメチルエーテル18mL中に溶解した。反応を70℃まで温め、3時間この温度で攪拌した。真空中での反応塊の蒸発後、純粋な生成物をメタノールからの再結晶化後に得た。
収量:黄色結晶6.2g Fp:152℃
ジオキサンにおける)紫外線スペクトル:
359nmにおける最大 e=34724
【0074】
実施例9:式(108)
【化37】

で表わされる化合物の製造
式(101)で表わされる化合物7.4gをジオキサン25mL中に溶解した。ジオキサン10mL中に溶解したモルホリン3.3gをこの溶液中に攪拌した。反応塊を室温で約20時間攪拌し、反応混合物を真空中で蒸発させ、純粋な生成物を酢酸エチルエステルから再結晶化した。
収量:黄色結晶7.5g Fp:155℃
ジオキサンにおける)紫外線スペクトル:
360nmにおける最大 e=37900
【0075】
実施例10:式(109)
【化38】

で表わされる化合物の製造
ジエチレングリコール−ジメチルエーテル30mL中に溶解した式(101)で表わされる化合物9g、ジエタノールアミン9.5gを、3時間、85℃において攪拌した。反応塊を、真空中(0.03ミリバール/70℃)で減じた。残渣を、70℃において水約250mLで抽出した。冷却後、純粋な化合物を、水相から再結晶化した。
収量:黄色結晶2.1g Fp:141℃
ジオキサンにおける)紫外線スペクトル:
359nmにおける最大 e=35080
【0076】
実施例11:式(110)
【化39】

で表わされる化合物の製造
4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾフェノン−カルボン酸(BB−酸)12
5.2g、酢酸エチルエステル700mL、炭酸カリウム38.8g及び無水酢酸53.1gを室温で16時間、強く攪拌した。その後、反応混合物を濾去し、濾液を157gの質量まで蒸発させた。
無水形態のBB−酸(DEDO)を気化残渣から再結晶化した。
【化40】

収量:99g(黄色結晶、Fp=82℃)。
該結晶を、ジエチレングリコール−ジメチルエーテル18g中に溶解し、2−ブテン−1,4−ジオール14.6gを添加し、4−ジメチルアミノ−ピリジン1.1gを、110℃において攪拌下で、ジ−エステル(式(110)で表わされる化合物)へ添加した。
定量的収量が得られた。
純粋な化合物を、カラムクロマトグラフィー方法(キーゼルゲル60/希釈剤:トルエン酢酸エチルエステル/8:2)によって得た。破砕形態の純粋な生成物は、非晶質の黄色粉末であった。それは、良好な溶解性、例えば、フィンソルブ TN(炭素原子数12ないし15のアルキルベンゾエート)中に>10%の溶解性を有した。
ジオキサンにおける紫外線スペクトル:最大 351nm、mol Ext.65551
【0077】
実施例12:式(111)
【化41】

で表わされる化合物の製造
実施例11と同様にして、2−ブテン−1,4−ジオールの代わりに2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール17.3gを無水形態のBB−酸と反応させた。粗生成物の処理は、上記した方法に従って行い得た。得られた化合物は、非晶質の黄色粉末であった。
フィンソルブ TN中への溶解性>30%
エタノールにおける紫外線スペクトル:最大 354nm、mol Ext.65296
【0078】
実施例13から23:更なるヒドロキシフェニルベンゾフェノン誘導体の製造
実施例11に記載した方法に従って、以下の化合物を製造し得た:
【表1】

【表2】

【表3】

【0079】
適用実施例
実施例24:日焼け止め剤の製造
【表4】

【0080】
実施例25:日焼け止め配合物の製造
【表5】

【0081】
実施例26:日焼け止め配合物の製造
【表6】

【0082】
実施例27:O/Wエマルジョン
(A):
式(110)又は(111)で表わされる化合物 3g
ゴマ油 10g
グリセリルステアレート 4g
ステアリン酸 1g
セチルアルコール 0.5g
ポリソルベート20 0.2g
(B):
プロピレングリコール 4g
プロピルパラベン 0.05g
メチルパラベン 0.15g
トリエタノールアミン 0.1g
カルボマー934 0.1g
水 100mLまで

エマルジョンの製造
相(A):
まず、紫外線吸収剤をゴマ油中に溶解した。(A)の他の成分をそこへ添加し、組合せた。
相(B):
プロピルパラベン及びメチルパラベンをプロピレングリコール中に溶解した。その後、水60mLを添加し、70℃まで加熱し、その後、カルボマー934をそこに乳化させた。
エマルジョン:
強力な機械的エネルギーを使用して、(A)をゆっくりと(B)へ添加した。水を添加し、その体積を100mLに調整した。
【0083】
実施例28:デイリーケアクリーム、O/W型

INCI名 使用した
質量%
部分A グリセリルステアレート(及び)セテアリールアルコ 4.0
ール(及び)セチルパルミテート(及び)ココグリセ
リド
セテアレス−12 4.0
セテアリールアルコール 2.0
ジカプリリルエーテル 4.5
エチルヘキシルステアレート 4.0
ヘキシルラウレート 3.5
エチルヘキシルトリアゾン 1.0
ベンジリデンマロネートポリシロキサン 2.0
HDI/トリメチロールヘキシルラクトン架橋ポリマー 5.0
(及び)シリカ
ステアリルジメチコン 1.0
ジメチコン 2.0
セチルアルコール 0.8
式(110)又は(111)で表わされる化合物 2.0
部分B 水 100まで
の適量
水(及び)スクレログルカン(及び)フェノキシエタノール 2.0
グリセロール 2.0
部分C ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー 0.45
フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)エチ 0.7
ルパラベン(及び)ブチルパラベン(及び)プロピルパラベ
ン(及び)イソブチルパラベン
部分D 水(及び)酢酸トコフェリル(及び)カプリル/カプリント 4.0
リグリセリド(及び)ポリソルベート80(及び)レシチン
部分E 水(及び)水酸化ナトリウム 適量
香水 適量
製造方法:
部分A及び部分Bを別々に80℃まで加熱した。連続的に攪拌しながら、部分Aを部分Bに注いだ。その後、混合物を、ウルトラ トゥラックスを使用して、11000rpmで20秒間均一化した。混合物を60℃まで冷却し、部分Cを添加した。30℃以下の温度において、部分Dを添加し、pH値を、水酸化ナトリウムを使用して6.5ないし7.0まで調整した。最後に、香水を添加した。
【0084】
実施例29:太陽光保護クリーム、O/W型

INCI名 使用した
質量%
部分A ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート 2.0
デシルオレエート 5.7
イソプロピルパルミテート 5.8
カプリル/カプリントリグリセリド 6.5
式(110)又は(111)で表わされる化合物 2.0
エチルヘキシルメトキシシンナメート 5.0
セチルアルコール 0.7
部分B グリセロール 3.0
カルボマー 0.3
水 100まで
の適量
部分C フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)エチ 0.5
ルパラベン(及び)ブチルパラベン(及び)プロピルパラベ
ン(及び)イソブチルパラベン
部分D 2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾ 8.0
ール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)−フェノール(チノソルブM)(及び)水(及び)デ
シルグルコシド(及び)プロピレングリコール(及び)キサ
ンタンガム
水 20.0
部分E 水(及び)水酸化ナトリウム 適量
香水 適量
製造方法:
部分A及び部分Bを別々に80℃まで加熱した。攪拌しながら、部分Aを部分Bに注いだ。混合物を、ウルトラ トゥラックスを使用して、11000rpmで15秒間均一化した。混合物を60℃まで冷却し、部分C及び部分Dを配合した。混合物を、再度、短時間均一化し(5秒間/11000rpm)、穏やかに攪拌しながら更に冷却した。室温において、pH値を、水酸化ナトリウム溶液を使用して5.5ないし6.0まで調整した。最後に、香水を添加した。
【0085】
実施例30:デイリーケア紫外線保護ローション

INCI名 使用した
質量%
部分A オレス−3ホスフェート 0.6
ステアレス−21 2.5
ステアレス−2 1.0
セチルアルコール 0.8
ステアリルアルコール 1.5
トリベヘニン 0.8
イソヘキサデカン 8.0
式(110)又は(111)で表わされる化合物 5.0
部分B 水 100までの定量
グリセロール 2.0
2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾ 3.0
ール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)−フェノール(チノソルブM)(及び)水(及び)デ
シルグルコシド(及び)プロピレングリコール(及び)キサ
ンタンガム
EDTAジナトリウム 0.1
部分C 水 20.0
ジアゾリジニルウレア(及び)ヨードプロピニルブチルカル 0.15
バメート
プロピレングリコール 4.0
部分C アクリル酸ナトリウムコポリマー(及び)液体パラフィン 1.5
(及び)PPG−1、トリデセス−6
シクロペンタシロキサン 4.5
PEG−12ジメチコン 2.0
酢酸トコフェリル 0.45
水及びクエン酸 適量
部分E 香水 適量
製造方法:
部分A及び部分Bを別々に75℃まで加熱した。連続的に攪拌しながら、部分Aを部分Bに注いだ。直ちに乳化させた後、部分DからのSF1202及びSF1288混合物中に配合した。その後、ウルトラ トゥラックスを使用して、11000rpmで30秒間均一化した。65℃まで冷却した後、サルケア SC91(登録商標:SALCARE)を配合した。50℃以下の温度において、部分Cを添加した。35℃以下において、酢酸ビタミンEを配合し、その後、pH値を、クエン酸を使用して調整した。室温において、部分Eを添加した。
【0086】
実施例31:太陽光保護クリーム、O/W型

INCI名 使用した
質量%
部分A ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート 2.0
デシルオレエート 5.7
イソプロピルパルミテート 5.8
カプリル/カプリントリグリセリド 6.5
式(110)又は(111)で表わされる化合物 2.0
エチルヘキシルメトキシシンナメート 5.0
セチルアルコール 0.7
部分B グリセロール 3.0
カルボマー 0.3
水 100まで
の適量
部分C フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)エチ 0.5
ルパラベン(及び)ブチルパラベン(及び)プロピルパラベ
ン(及び)イソブチルパラベン
部分D 2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾ 8.0
ール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)−フェノール(及び)水(及び)デシルグルコシド
(及び)プロピレングリコール(及び)キサンタンガム
水 20.0
部分E 水(及び)水酸化ナトリウム 適量
香水 適量
製造方法:
部分A及び部分Bを別々に80℃まで加熱した。攪拌しながら、部分Aを部分Bに注いだ。混合物を、ウルトラ トゥラックスを使用して、11000rpmで15秒間均一化した。混合物を60℃まで冷却し、部分C及び部分Dを配合した。混合物を、再度、短時間均一化した(5秒間/11000rpm)。穏やかに攪拌しながら更に冷却した後、pHを、室温において、水酸化ナトリウムを使用して調整した。pH5.50ないし6.00の溶液が得られた。最後に、香水を添加した。
【0087】
実施例32:太陽光保護クリーム、O/W型

INCI名 使用した
質量%
部分A ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート 2.0
デシルオレエート 5.7
イソプロピルパルミテート 5.8
カプリル/カプリントリグリセリド 6.5
式(110)又は(111)で表わされる化合物(50%)と 2.0
ユビヌルAプラス(CAS登録番号:302776−68−7)
(50%)の混合物
エチルヘキシルメトキシシンナメート 5.0
セチルアルコール 0.7
部分B グリセロール 3.0
カルボマー 0.3
水 100まで
の適量
部分C フェノキシエタノール(及び)メチルパラベン(及び)エチ 0.5
ルパラベン(及び)ブチルパラベン(及び)プロピルパラベ
ン(及び)イソブチルパラベン
部分D 2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾ 8.0
ール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)−フェノール(及び)水(及び)デシルグルコシド
(及び)プロピレングリコール(及び)キサンタンガム
水 20.0
部分E 水(及び)水酸化ナトリウム 適量
香水 適量
製造方法:
部分A及び部分Bを別々に80℃まで加熱した。攪拌しながら、部分Aを部分Bに注いだ。混合物を、ウルトラ トゥラックスを使用して、11000rpmで15秒間均一化した。60℃まで冷却した後、部分C及び部分Dを配合した。混合物を、再度、短時間均一化した(5秒間/11000rpm)。穏やかに攪拌しながら更に冷却した後、pHを、室温において、水酸化ナトリウム溶液を使用して、5.50ないし6.00に調整した
。最後に、香水を添加した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4の数を表わし;
1=1の場合、
3は、飽和又は不飽和複素環式基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;所望により、1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基;所望により、複素環式基、アミノカルボニル基又は炭素原子数1ないし5のアルキルカルボキシ基で置換されたフェニル基を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で置換されたアルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基又はフェニレン基;式
【化2】

で表わされる基を表わすか、又は、R3は、Aと一緒になって、式(1a)
【化3】

(式中、n2は、1ないし3の数を表わす。)で表わされる2価の基を形成し;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる化合物。
【請求項2】
1及びR2が、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4の数を表わし;
1が1を表わす場合、
3は、飽和又は不飽和複素環式基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換されたシクロヘキシル基を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1及びR2が炭素原子数1ないし20のアルキル基を表わす、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
1及びR2が、互いに独立して、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
式(1)におけるR1及びR2が同一の定義を有する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
1が1を表わす場合、R3が、飽和又は不飽和複素環式基を表わす、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
1が1を表わす場合、R3が、飽和複素環式基を表わす、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
3が、1つ以上のヘテロ原子を有する、5、6又は7環員の単環式基を表わす、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
3が、モルホリニル基;ピペラジニル基;ピペリジル基;ピラゾリジニル基;イマダゾリジニル基;又はピロリジニル基を表わす、請求項8記載の化合物。
【請求項10】
3が、不飽和複素環式基を表わす、請求項6記載の化合物。
【請求項11】
3が、多環式基を表わす、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
3が、式(1a)
【化4】

(式中、R5は、1つ又は2つのヘテロ原子を有する多環式複素芳香族基を表わす。)で表わされる基を表わす、請求項1又は11記載の化合物。
【請求項13】
3が、式(1b)
【化5】

(式中、R6は、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)で表わされる基を表わす、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
1が2を表わす場合、R3が炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし、R1、R2及びAが請求項1で定義した通りである、請求項1ないし4、又は13のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
3が、式
【化6】

(式中、rは、0又は1を表わし、qは、0ないし5の数を表わす。)で表わされる基を表わす、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
1が、3を表わす場合、
3が、式(1a)
【化7】

又は(1b)
【化8】

で表わされる基を表わし;
pが、0ないし3の数を表わし;
1、R2及びAが式(1)で定義した通りである、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
1が、4を表わす場合、
3が、式
【化9】

で表わされる基を表わし;
1、R2及びAが式(1)で定義した通りである、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項18】
式(2)
【化10】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、飽和又は不飽和複素環式基を表わす。)で表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項19】
式(3)
【化11】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わす。)で表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項20】
式(4)
【化12】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;又は炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
Aは、−NH;又は−O−を表わし;
3は、
【化13】

(式中、pは0ないし3の数を表わす。)を表わす。]で表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項21】
式(5)
【化14】

(式中、
3は、式
【化15】

で表わされる基を表わし;
1、R2及びAは、式(1)で定義した通りである。)で表わされる請求項1記載の化合物。
【請求項22】
(a)式(6a)
【化16】

で表わされる化合物を脱水し、式(6b)
【化17】

で表わされる化合物とすること、
(b)前記無水物と式(6c1)H−N(R5)−R3又は式(6c2)H−O−R3で表わされる化合物を反応させ、式(1’)
【化18】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1は、1ないし4を表わし;
1が1を表わす場合、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;未置換の又は1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし10のシクロヘキシル基;(Y−O)pZ;炭素原子数6ないし10のアリール基;又は飽和もしくは不飽和複素環式基を表わし、
Yは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし;
Zは、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
pは、1ないし20の数を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる化合物とすること
からなる、式(1)で表わされる化合物の製造方法。
【請求項23】
前記方法が、式(7)
【化19】

(式中、
1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし;
5は、水素原子;炭素原子数1ないし12のアルキル基;又は炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基を表わす。)で表わされる化合物である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
紫外線からヒト及び動物の毛及び肌を保護するための式(1)で表わされる化合物の使用。
【請求項25】
式(1)で表わされる化合物が超微粉形態で存在する請求項24記載の使用。
【請求項26】
請求項1記載の式(1)で表わされる少なくとも1種以上の化合物と化粧品的に受容可能な担体又は補助剤を含む化粧品。
【請求項27】
式(6b’)
【化20】

(式中、
1’及びR2’は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成する。)で表わされる化合物。
【請求項28】
有機紫外線吸収剤の製造のための式(6b’)で表わされる化合物の使用。
【請求項29】
(a)式(1’)
【化21】

[式中、
1及びR2は、互いに独立して、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わすか;又は、R1及びR2は、結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員複素環を形成し;
1が1を表わす場合、
3は、水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;ヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;未置換の又は1つ以上の炭素原子数1ないし5のアルキル基で置換された炭素原子数3ないし10のシクロヘキシル基;(Y−O)pZ;炭素原子数6ないし10のアリール基;又は飽和もしくは不飽和複素環式基を表わし、
Yは、炭素原子数1ないし12のアルキレン基を表わし;
Zは、炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;
pは、1ないし20の数を表わし;
1が2を表わす場合、
3は、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアルケニレン基を表わすが、所望により、カルボニル基又はカルボキシ基で中断され;
1が3を表わす場合、
3は、アルカントリイル基を表わし;
1が4を表わす場合、
3は、アルカンテトライル基を表わし;
Aは、−O−;又は−N(R5)−(式中、R5は、水素原子;炭素原子数1ないし5のアルキル基;又はヒドロキシ−炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わす。)を表わす。]で表わされる、0.02ないし2μmの粒子サイズの超微粉紫外線吸収剤、及び
(b)適当な分散剤
を含む、紫外線吸収剤分散体。


【公表番号】特表2006−509834(P2006−509834A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502323(P2005−502323)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2003/050937
【国際公開番号】WO2004/052837
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】