説明

エッチング方法及びエッチング処理装置

【課題】レジスト膜をマスクとした反射防止膜のエッチングに適したエッチング方法及びエッチング処理装置を提供する。
【解決手段】被エッチング層上に反射防止膜(Si−ARC膜)を形成する工程と、前記反射防止膜上にパターン化されたレジスト膜(ArFレジスト膜)を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを用いて前記反射防止膜をエッチングすることにより、前記反射防止膜に所望のパターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするエッチング方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング方法及びエッチング処理装置に関する。特に、レジスト膜によるパターンをマスクとしてエッチングを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程のうち所望のパターンを形成するマスク工程では、エッチング対象膜上に感光膜をコーティングした後、露光及び現像によってパターンニングが行われる。その際、露光における反射を防止するために、エッチング対象膜の上であって感光膜の下には反射防止膜ARC(Anti Reflection Coating Layer)が形成されている。反射防止膜には、有機反射防止膜や無機反射防止膜がある。たとえば、特許文献1,2には、有機反射防止膜を用いて反射を抑えながら、所望のエッチングガスにより反射防止膜にパターンを形成する方法が開示されている。
【0003】
しかしながら、そもそも有機反射防止膜と無機反射防止膜とでは膜質が異なる。このため、適正なエッチングガスも異なる。よって、上記特許文献1,2に開示された有機反射防止膜のエッチングガスを、無機反射防止膜のエッチングに転用しても良好なエッチングを実現することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−152586号公報
【特許文献2】国際公開WO98/32162号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無機反射防止膜のうち、特に、シリコン含有無機反射防止膜(以下、Si−ARC膜ともいう)では、従来、ArFレジスト膜をマスクとし、四フッ化メタン(CF)ガスと酸素(O)ガスの混合ガスをエッチングガスとしてSi−ARC膜をエッチングしていた。しかし、この混合ガスによるエッチングでは、ArFレジスト膜とSi−ARC膜との選択比が良好でなく、ArFレジスト膜の減少量が多く、後続の工程に支障が生じるという問題があった。また、パターンのライン幅にバラツキが生じ、パターンが歪むLWR(Line Width Roughness)や、パターンのエッジが歪むLER(Line Edge Roughness)の問題が生じていた。
【0006】
上記課題に対して、本発明の目的とするところは、レジスト膜をマスクとした反射防止膜のエッチングに適したエッチング方法及びエッチング処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被エッチング層上に反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上にパターン化されたレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜をマスクとして、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを用いて前記反射防止膜をエッチングすることにより、前記反射防止膜に所望のパターンを形成する工程と、を含むことを特徴とするエッチング方法が提供される。
【0008】
これによれば、反射防止膜は、レジスト膜をマスクとして、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを用いてエッチングされる。CFガスとCOSガスとOガスの混合ガスのうち、CFガスは主に反射防止膜のエッチングに使用され、COSガスは主にそのエッチング面のコーティング(デポジション)に使用され、Oガスは主にCOSガスのコーティング(デポジション)の低減に使用される。以上から、CFガスとCOSガスとOガスのうち、CFガスにより反射防止膜をエッチングしながら、COSガスによるコーティングとOガスによる前記コーティングの抑止のバランスによりレジスト膜及び反射防止膜間の選択比の向上と、反射防止膜のLWRの改善を図ることができる。
【0009】
前記レジスト膜は、ArFレジスト膜であってもよい。
【0010】
前記反射防止膜は、シリコンを含有してもよい。
【0011】
前記エッチングガスに含まれるCOSガスの流量の上限は50sccmであってもよい。
【0012】
前記エッチングガスに含まれるCFガスの流量は、50〜300sccmの範囲内であってもよい。
【0013】
前記エッチングガスに含まれるOガスの流量の上限は100sccmであってもよい。
【0014】
前記エッチングガスに含まれるCOSガスの流量及びOガスの流量は比例するように制御されてもよい。
【0015】
前記処理室内の圧力は、30〜100mTの範囲内であってもよい。
【0016】
さらに、前記処理室内の圧力の上限は75mTであるとより好ましい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを処理室内に供給するガス供給源と、前記処理室内に所望の高周波電力を供給する高周波電源と、を備え、高周波電力を用いて前記エッチングガスからプラズマを生成し、前記プラズマにより反射防止膜及びパターン化されたレジスト膜が形成された被処理体に対して、エッチング処理を施すことによって、前記反射防止膜に所望のパターンを形成することを特徴とするエッチング処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、レジスト膜をマスクとした反射防止膜のエッチングに適したエッチング方法により、レジスト膜及び反射防止膜間の選択比の向上と反射防止膜のLWRの改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るSi−ARC膜のエッチング工程図である。
【図2】同実施形態のエッチング工程を実行するプラズマ処理装置の断面図である。
【図3】同実施形態のエッチング工程におけるプロセス条件を示した表である。
【図4】同実施形態のエッチング工程においてCOS流量を制御した場合のマスクの残存状態を示した図である。
【図5】同実施形態のエッチング工程におけるCOS流量制御とエッチングレート、選択比等との関係を示したグラフである。
【図6】同実施形態のエッチング工程においてCOS流量及び圧力を制御した場合のマスクの残存状態を示した図である。
【図7】同実施形態のエッチング工程におけるCOS流量制御及び圧力制御と選択比、LWR等との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
本発明の一実施形態に係るエッチング方法は、ArFレジスト膜をマスクとしたSi−ARC膜のエッチングに適している。図1は、本実施形態に係るSi−ARC膜のエッチング方法を説明するための積層膜の断面図である。
【0022】
図1の上側図に示したように、被エッチング層である有機膜10上にはSi−ARC膜(シリコン含有無機反射膜)が形成されている。Si−ARC膜12は、感光膜の露光工程時における反射を防止するためのものである。有機膜10は被エッチング層の一例であり、被エッチング層はこれに限られず、例えば絶縁膜又は導電膜であってもよい。被エッチング層は、シリコン基板であってもよい。
【0023】
Si−ARC膜12上にはArFレジスト膜14が形成されている。ArFレジスト膜14は、Si−ARC膜12上にArFリソグラフィーを使用して形成される。具体的には、Si−ARC膜12上に感光剤を塗布し、焼き付けたいパターンを書き込んだマスクと呼ばれる遮光材を通じて、波長193nmのArFレーザ光線を照射し露光する。露光後、感光部分を化学的に腐食(エッチング)させることにより、ArFレジスト膜14に所望のパターンを形成する。このようにして、ArFレーザを露光光源とするArFリソグラフィーを使って短波長化を進めることにより、回路の微細化が達成される。
【0024】
なお、ArFレジスト膜14はSi−ARC膜にパターンを形成するためのレジスト膜の一例であり、レジスト膜はこれに限らない。レジスト膜は、g線(436nm)、i線(365nm)、KrF(248nm)を用いて形成されてもよい。
【0025】
図1の下側図は、エッチング工程を示す。本工程では、四フッ化メタン(CF)ガスと硫化カルボニル(COS)ガスと酸素(O)ガスとからなる混合ガスをエッチングガスとしてSi−ARC膜12をエッチングする。ArFレジスト膜14はマスクとして機能する。エッチングの結果、Si−ARC膜12には所望のパターンが形成される。
【0026】
(LWR/選択比)
発明者は、CFガスとCOSガスとOガスとからなる混合ガスを用いて、Si−ARC膜12のLWR(Line Width Roughness)、及びArFレジスト膜14とSi−ARC膜12との間の選択比を向上させることができることを実験により証明した。
【0027】
その際、エッチング処理装置として、図2に示した平行平板型プラズマ処理装置を用いた。その装置構成について簡単に説明する。
【0028】
エッチング処理装置100は、処理室105を有する。処理室105は、たとえばアルミニウム等の金属により形成され、接地されている。処理室105の内部には、上部電極110及び下部電極115が対向して配設され、これにより一対の平行平板電極が構成されている。上部電極110には、複数のガス穴Opが貫通していてシャワープレートとしても機能するようになっている。つまり、ガス供給源120から供給されたCFガスとCOSガスとOガスとは、処理室内のガス拡散空間Sにて拡散された後、複数のガス穴Opから処理室内に導入される。
【0029】
下部電極115は、支持台125により支持されている。下部電極115の載置台表面にはウエハWが載置されている。下部電極115(載置台)の内部には、ヒータ115a及び図示しない冷却管が埋め込まれ、ウエハWを所定の温度に調整するようになっている。下部電極115には、図示しない整合器を介して高周波電源130が接続されている。処理室内に導入されたCFガスとCOSガスとOガスとの混合ガスは、高周波電源130から出力された高周波の電界エネルギーにより励起され、これにより上部電極110と下部電極115との間のプラズマ空間に放電型のプラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマによりウエハW上に、図1のエッチング処理が施される。
【0030】
処理室105の底面には排気口135が設けられ、排気口135に接続された排気装置140を駆動することにより、処理室105の内部を所望の真空状態に保つようになっている。
【0031】
かかる構成のエッチング処理装置100において、シリコン含有のSi−ARC膜12をエッチングした。プロセス条件として用いることができる範囲を図3に示す。具体的には、処理室105の圧力は30〜100mTの範囲内であり、推奨値は50mTである。
【0032】
ガス供給源120から供給される各ガスの流量については、COSガスは50sccm以下の範囲内であり、推奨値は30sccmである。CFガスは50〜300sccmの範囲内であり、推奨値は250sccmである。Oガスは100sccm以下の範囲内であり、推奨値は5sccmである。
【0033】
高周波電源130から出力される電力は、200〜600Wの範囲内であり、推奨値は400Wである。載置台内部のヒータ115aは、10〜60℃の範囲内であり、推奨値は30℃である。
【0034】
以下では、最初にCOSガスの流量を可変にしてエッチング処理を行った実験結果と、そのときのエッチング状態を考察し、次にCOSガスの流量と圧力との両方を可変にしてエッチング処理を行った実験結果と、そのときのエッチング状態を考察する。
【0035】
<COSガスの流量制御>
まず、COSガスの流量制御とエッチング状態との関係について、図4及び図5を参照しながら説明する。このときのプロセス条件について述べる。エッチング対象はSi−ARC膜であり、ArFレジスト膜をマスクとして機能させる。処理室内の圧力は50mT、高周波電力は400W、CFガス、COSガス、Oガスの流量は、それぞれ250sccm、0〜35sccmの可変、5sccmである。エッチング時間は、オーバエッチング時間の30%の時間であり、実際は図4に示したエッチング時間となる。なお、COSガスが40sccm以上ではCOSガスによる堆積物が過多になるため、計測していない。
【0036】
上部電極110への直流電圧DCSは印加しない。(RDCについて記載する必要であれば記載内容をお教えください。)下部電極115に設けられた図示しない冷却管内の圧力は、センタ側及びエッチ側でともに30Tである。処理室105の温度は、上部電極110及び処理室の側面がともに60℃、ウエハWの載置下部が30℃である。
【0037】
以上のプロセス条件で実験した結果を図4及び図5に示す。図4の最左上の画像は、図1の上側図と同じ断面状態であり、上から、パターン化されたArFレジスト膜14、初期状態のエッチングされていないSi−ARC膜12、下地膜が示されている。図4の最左下の画像は、上部の断面図を上から見た図であり、初期状態のレジストパターンの線幅(CD:Critical Dimension)が示されている。
【0038】
この実験では、COSガスの流量を0、10、30、35sccmと変化させる。実験の結果、図4及び図5(a)に示したように、COSガスの流量が多くなるほどエッチングレートE/R(ArFレジスト膜のエッチングレート(PR E/R)、Si−ARC膜のエッチングレート(Si−ARC E/R))が低下することがわかる。
【0039】
また、図4及び図5(b)に示したように、COSガスの流量が多くなるほど選択比が向上する。特に、COSガスの流量が30sccmから35sccmに変化する際に、選択比が顕著に向上している。
【0040】
また、図4及び図5(c)に示したように、COSガスの流量が多くなるほどLWR(Line Width Roughness)が低減され、ライン幅にバラツキが生じにくくなり、パターン形状に歪みが少なくなっている。これは、COSガスによるコーティングのためと考えられる。
【0041】
また、図4及び図5(d)に示したように、COSガスの流量が多くなるほどパターンの線幅(CD)が太くなる。これは、COSガスによるデポジションのためと考えられる。
【0042】
以上の結果から、CFガスとCOSガスとOガスの混合ガスのうち、CFガスは主にSi−ARC膜12のエッチングに使用されたものと考えられる。
【0043】
また、COSガスの流量が多いほどエッチングレート(E/R:レジスト膜のエッチングレート(PR E/R)とSi−ARC膜のエッチングレート(Si−ARC E/R))が悪くなっていることから、COSガスは主にそのエッチング面のコーティング(デポジション)に使用されたものと考えられる。そのため、COSガスの流量が多いほどArFレジスト膜の減少量が少なく、ArFレジスト膜とSi−ARC膜との選択比が良好となる結果が得られたものと考えられる。
【0044】
さらに、Oガスは主にCOSガスのコーティング(デポジション)の低減に使用されたものと考えられる。
【0045】
以上の実験結果から、ArFレジスト膜14をマスクとして、CFガスとCOSガスとOガスとからなるエッチングガスを用いてSi−ARC膜12をエッチングすることにより、ArFレジスト膜14及びSi−ARC膜12間の選択比の向上と、Si−ARC膜12のLWRの改善を図ることができることが証明された。
【0046】
<COSガスの流量制御及び圧力制御>
次に、COSガスの流量制御及び圧力制御とエッチング状態との関係について、図6及び図7を参照しながら説明する。このときのプロセス条件について述べると、トリートメント工程では、処理室内の圧力は100mT、高周波電力は200W、処理室内にはHガス及びNガスを導入し、その流量はともに450sccm、トリートメント時間は120秒、上部電極110への直流電圧DCSは印加しない。(前述と同様に、RDCの記載が必要であれば加筆します。)
【0047】
トリートメント工程後のエッチング工程では、エッチング対象はSi−ARC膜であり、ArFレジスト膜をマスクとして機能させる。この実験では、COSガスの流量を0、10、30sccmと変化させ、処理室内の圧力を30、50、75mTと変化させる。高周波電力は400W、CFガス、COSガス、Oガスの流量は、それぞれ250sccm、0〜35sccm、5sccmである。エッチング時間は、オーバエッチング時間の30%の時間である。下部電極115に設けられた図示しない冷却管内部の圧力は、センタ側及びエッチ側でともに30Tである。処理室105の温度は、上部電極110及び処理室の側面がともに60℃、ウエハWの載置下部が30℃である。
【0048】
以上のプロセス条件で実験した結果を図6及び図7に示す。図6の約左半分の画像は、COSガスの流量が10sccmの場合のエッチングの状態を示し、図6の約右半分の画像は、COSガスの流量が30sccmの場合のエッチングの状態を示す。
【0049】
この実験によれば、図6に示したように、COSの流量がいずれの場合にも圧力が低いほどエッチングレート(E/R)が上昇することがわかる。圧力が高いと堆積物が多くなり、図6の結果では、処理室内の圧力が75mTになるとCOSの堆積物が過多になってエッチング工程が成立しない。
【0050】
また、図6及び図7(a)に示したように、COSガスの流量が0より多い場合(COSガスが10sccm又は30sccmの場合)、処理室内の圧力が高いほど選択比が向上する。
【0051】
また、図6及び図7(b)に示したように、特に、COSガスが30sccm、圧力が50mTのときのLWRが最良の状態となっている。
【0052】
また、図6及び図7(c)に示したように、COSガスの流量が多くなるほどパターンの線幅(CD)が太くなる。これは、COSガスによるデポジションのためと考えられる。
【0053】
以上の結果から、CFガスとCOSガスとOガスとからなる混合ガスのうち、CFガスは主にSi−ARC膜12のエッチングに使用され、COSガスは主にパターンのエッチング面のコーティングに使用され、Oガスは主にCOSガスによるデポジションの抑止に使用されたものと考えられる。その際、特に処理室内の圧力が低いほど、エッチングレート(E/R)が高くなり、処理室内の圧力が高いほどCOSガスによるデポジションが多くなることがわかった。
【0054】
また、COSガスの流量が多く、圧力が低いほどエッチングレートE/R(レジスト膜のエッチングレート(PR E/R)、Si−ARC膜のエッチングレート(Si−ARC E/R))が良好になることがわかった。
【0055】
以上の実験結果から、選択比の向上及びLWRの改善には、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを用いるとよいが、COSガスを所定流量以上にすると、付着性の高いCOSの堆積のためにエッチストップが生じる。よって、デポジションを防止して良好なエッチング工程を実現する観点から、図6の結果に基づき処理室内の圧力は75mTが上限となる。
【0056】
なお、前述したように、COSガスが主にパターンのエッチング面のコーティングに使用され、Oガスが主にCOSガスによるデポジションの抑止に使用される性質上、COSガスの流量とOガスの流量との流量比がほぼ一定になるように制御することが好ましい。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば、本発明にかかるレジスト膜は、ArFレジスト膜に限られず、他のレジスト膜であってもよい。また、本発明にかかる反射防止膜は、Si−ARC膜に限られず、シリコンが含有されていない無機反射防止膜であってもよいし、有機反射防止膜であってもよい。無機反射防止膜は主にF系ガスでエッチングされるが、有機反射防止膜は主に酸素系ガスでエッチングされる。
【0059】
本発明のエッチングガスは、CFガスとCOSガスとOガスのみの混合ガスでもよく、CFガスとCOSガスとOガスの混合ガスに不活性ガスを加えた混合ガスでもよい。
【0060】
本発明に係るエッチング処理装置は、プラズマ処理装置であれば平行平板型のプラズマ処理装置に限られず、ICP(Inductively Coupled Plasma)プラズマ処理装置等のプラズマ処理装置でもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 有機膜
12 Si−ARC
14 ArFレジスト膜
100 エッチング処理装置
105 処理室
110 上部電極
115 下部電極
120 ガス供給源
130 高周波電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被エッチング層上に反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上にパターン化されたレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜をマスクとして、CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを処理室内に導入し、導入されたエッチングガスを用いて前記反射防止膜をエッチングすることにより、前記反射防止膜に所望のパターンを形成する工程と、
を含むことを特徴とするエッチング方法。
【請求項2】
前記レジスト膜は、ArFレジスト膜であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記反射防止膜は、シリコンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記エッチングガスに含まれるCOSガスの流量の上限は50sccmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記エッチングガスに含まれるCFガスの流量は、50〜300sccmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエッチング方法。
【請求項6】
前記エッチングガスに含まれるOガスの流量の上限は100sccmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエッチング方法。
【請求項7】
前記エッチングガスに含まれるCOSガスの流量及びOガスの流量は比例するように制御されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエッチング方法。
【請求項8】
前記処理室内の圧力は、30〜100mTの範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエッチング方法。
【請求項9】
前記処理室内の圧力の上限は75mTであることを特徴とする請求項8に記載のエッチング方法。
【請求項10】
CFガスとCOSガスとOガスとを含むエッチングガスを前記処理室に供給するガス供給源と、
前記処理室に所望の高周波電力を供給する高周波電源と、を備え、
高周波電力を用いて前記エッチングガスからプラズマを生成し、前記プラズマにより反射防止膜及びパターン化されたレジスト膜が形成された被処理体に対して、エッチング処理を施すことによって、前記反射防止膜に所望のパターンを形成することを特徴とするエッチング処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−134896(P2011−134896A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293094(P2009−293094)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】