説明

エポキシ樹脂組成物の製造方法及び半導体装置

【課題】高充填かつ高分散の無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物の製造方法を提供し、それにより製造したエポキシ樹脂組成物を用いて接合信頼性の高い半導体装置を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂11と、アルコキシド12と、酸無水物13と、カップリング剤14とを含む混合物を作製する混合工程と、前記混合物を反応させて、前記混合物の全重量に対して、50重量%以上の無機フィラーを生成する反応工程とを含むエポキシ樹脂組成物の製造方法により製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子と基板とのフリップチップ実装に用いられるエポキシ樹脂組成物の製造方法及びその製造方法で製造したエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を基板に実装して半導体装置を製造する分野では、半導体素子を高密度に実装する要求が高まっており、その要求を満たす方式としてフリップチップ実装方式が注目されている。これは、半導体素子(チップ)と基板との電気的接続をワイヤボンディングを介して達成する従来のフェイスアップ実装に代わるものであり、半導体素子をフェイスダウン実装し、半導体素子の回路面側に形成したバンプと配線基板の電極との間を電気的及び機械的に接続する方式である。
【0003】
上記フリップチップ実装において、回路面の保護や、バンプ破断の抑制等のために、半導体素子と基板との間に樹脂組成物が充填されている。この樹脂組成物には、水分や粉塵に対して半導体素子を保護する機能と、半導体素子と基板との熱膨張率差に起因する接合部の破断を抑制する機能とが必要であり、低熱膨張性、高弾性、低吸水率等が要求される。このため、通常上記樹脂組成物には、低熱膨張率化のために40〜60重量%程度の無機フィラーを含有させている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0004】
また、本発明に関連する先行技術文献としては、例えば特許文献4及び特許文献5がある。
【特許文献1】特開平10−101906号公報
【特許文献2】特開2004−346232号公報
【特許文献3】特表2004−518796号公報
【特許文献4】特開2001−59013号公報
【特許文献5】特開2005−2152号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来は主として粉末の無機フィラーを樹脂組成物に添加して用いていたため、無機フィラーの凝集が発生しやすく、半導体素子と基板との接合信頼性が低下する問題があった。特に、樹脂組成物の全重量に対して無機フィラーを50重量%を超えて添加すると、樹脂組成物の粘度が上昇し、無機フィラーの凝集も多く発生するようになり、均一な組成の樹脂組成物の作製が困難となる問題があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決したもので、エポキシ樹脂に50重量%以上の無機フィラーを均一に含有させることができるエポキシ樹脂組成物の製造方法と、その製造方法により製造したエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と、アルコキシドと、酸無水物とを含む混合物を作製する混合工程と、前記混合物を反応させて、前記混合物の全重量に対して、50重量%以上の無機フィラーを生成する反応工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の半導体装置は、上記本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法で製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とを接合したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高充填かつ高分散の無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物を製造できる。また、本発明の製造方法により製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とを接合することにより、接合信頼性の高い半導体装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施形態1)
先ず、本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法の実施形態を説明する。本実施形態のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と、アルコキシドと、酸無水物とを含む混合物を作製する混合工程と、上記混合物を反応させて、上記混合物の全重量に対して、50重量%以上の無機フィラーを生成する反応工程とを含む。
【0011】
上記混合工程において、エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物の主剤であり、酸無水物はエポキシ樹脂の硬化剤である。また、アルコキシドは無機フィラーの生成材料である。
【0012】
上記反応工程において、アルコキシドと酸無水物とは加水分解反応を起こし、無機フィラーとエステルに分解されるとともに、エポキシ樹脂は硬化剤である酸無水物により硬化する。これにより、エポキシ樹脂組成物中に無機フィラーが均一に分散される。本実施形態の方法によれば、50重量%以上の高充填かつ高分散の無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物を合理的に製造できる。
【0013】
より具体的には、上記混合工程において、エポキシ樹脂100重量部に対して、アルコキシドを140重量部以上及び酸無水物を120重量部以上200重量部以下の割合で混合することにより、50重量%以上の高充填かつ高分散の無機フィラーを含むエポキシ樹脂組成物を製造できる。無機フィラーの充填量は、アルコキシドの添加量により制御できる。
【0014】
上記アルコキシドとしては、シラン系アルコキシドが使用できる。シラン系アルコキシドを用いることにより、エポキシ樹脂組成物中にシリカフィラー(SiO2)を生成できる。このシラン系アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、テトラプロポキシシラン〔Si(O−n−C374〕及びテトラブトキシシラン〔Si(O−n−C494〕から選ばれる少なくとも1種が使用できる。
【0015】
また、上記アルコキシドとしては、アルミニウム系アルコキシドが使用できる。アルミニウム系アルコキシドを用いることにより、エポキシ樹脂組成物中にアルミナフィラー(Al23)を生成できる。このアルミニウム系アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムトリエトキシド〔Al(OC253〕、アルミニウムトリプロポキシド〔Al(O−n−C373〕及びアルミニウムトリブトキシド〔Al(O−n−C493〕から選ばれる少なくとも1種が使用できる。
【0016】
上記酸無水物としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸及び無水ナジック酸から選ばれる少なくとも1種が使用できる。
【0017】
上記エポキシ樹脂としては、例えば、固形タイプ又は液状タイプの、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、臭素化エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、ビフェニル型エポキシ等を用いることができる。これらの中でも、特にビスフェノール型エポキシ及びナフタレン型エポキシから選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂が好ましい。これらは、接合信頼性が特に高いからである。
【0018】
また、上記エポキシ樹脂組成物は、カップリング剤をさらに含むことが好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物に含まれる各成分の結合がより向上するからである。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等を用いることができる。カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂の主剤100重量部に対して、0.1重量部以上7重量部以下とすることができる。
【0019】
図1は、本実施形態のエポキシ樹脂組成物の無機フィラー生成前のイメージ図である。本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、通常液状に形成され、例えば、液状の主剤であるエポキシ樹脂11と、液状のアルコキシド12と、硬化剤である酸無水物13と、カップリング剤14とを含んでいる。
【0020】
(実施形態2)
次に、本発明の半導体装置の実施形態を説明する。本実施形態の半導体装置は、上記実施形態1で製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とが接合されている。実施形態1のエポキシ樹脂組成物を用いることにより、接合信頼性の高い半導体装置を提供できる。
【0021】
上記エポキシ樹脂組成物の原料としてシラン系アルコキシドを使用した場合には、上記エポキシ樹脂組成物中にはシリカフィラーが含まれることになる。また、上記エポキシ樹脂組成物の原料としてアルミニウム系アルコキシドを使用した場合には、上記エポキシ樹脂組成物にはアルミナフィラーが含まれることになる。
【0022】
上記半導体素子には、例えば、LISチップ、ウエハ等が含まれる。また、上記基板には、プリント基板、セラミック基板、半導体基板等が含まれる。
【0023】
次に、図面に基づき本実施形態の半導体装置の製造方法を説明する。図2A〜Cは、本実施形態の半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。本実施形態の半導体装置の製造方法では、先ず図2Aに示すように、複数の電極21が形成された基板22の上に、実施形態1のエポキシ樹脂組成物23を塗布する。この時点で基板22は、例えば50〜100℃に加熱されている。次に、図2Bに示すように、基板22の上に、複数のバンプ24を形成した半導体素子25を位置合わせする。最後に、図2Cに示すように、例えば200〜250℃に加熱した半導体素子25を基板22に押圧して、電極21とバンプ24とを接合(熱圧接)する。
【0024】
上記基板22を予め50〜100℃に加熱しておくのは、最終的に半導体素子25と基板22とを熱圧接する際の温度(200〜250℃)との温度差を小さくして、基板22の熱膨張を小さくするためである。このため、エポキシ樹脂組成物23は、基板22の上に塗布した状態の50〜100℃の温度では硬化が進まず、粘度上昇もなく、その後に200〜250℃に昇温した時には速やかに硬化する特性が望ましい。
【実施例】
【0025】
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
(実施例1)
エポキシ樹脂の主剤として室温(25℃)で液状タイプの大日本インキ化学工業製のビスフェノールF型エポキシ樹脂“EXA830LVP”(商品名)100重量部と、シラン系アルコキシドとして室温で液状のコルコート製のテトラエトキシシラン“エチルシリケート28”(商品名)200重量部と、硬化剤である酸無水物として旭電化製のメチルテトラヒドロ無水フタル酸“KRM−291−5”(商品名)120重量部と、シラン系カップリング剤として信越化学製のγ−グリシドキプロピルトリエトキシシラン“KBM403”(商品名)1重量部とを均一に撹拌・混合し、エポキシ樹脂とアルコキシドを反応させてシリカフィラーを生成させ、本実施例のエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0027】
上記エポキシ樹脂組成物中に生成したシリカフィラーの生成量を測定したところ、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して70重量%であった。
【0028】
なお、シリカフィラーの生成量の測定は以下のように行った。先ず、硬化させたエポキシ樹脂組成物の比重A(g/cm3)と体積V(cm3)を測定する。また、エポキシ樹脂組成物の樹脂成分の比重B(g/cm3)とシリカフィラーの比重C(g/cm3)とは既知である。ここで、A、B、Cについて、下記式が成立する。
A=B×(樹脂成分の体積比y)+C×(シリカフィラーの体積比x)
但し、y+x=1である。ここで、y=1−xを上記式に代入すると、下記式が成立する。
A=B×(1−x)+C×x
ここで、A、B、Cからxが求まる。従って、シリカフィラーの生成量S(g)は、下記式から求まる。
S=V×x×C
【0029】
(実施例2)
上記テトラエトキシシラン“エチルシリケート28”を140重量部使用した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0030】
上記エポキシ樹脂組成物中に生成したシリカフィラーの生成量を実施例1と同様にして測定したところ、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して50重量%であった。
【0031】
(比較例1)
上記テトラエトキシシラン“エチルシリケート28”を85重量部使用した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0032】
上記エポキシ樹脂組成物中に生成したシリカフィラーの生成量を実施例1と同様にして測定したところ、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して30重量%であった。
【0033】
(比較例2)
上記テトラエトキシシラン“エチルシリケート28”を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0034】
(比較例3)
上記テトラエトキシシラン“エチルシリケート28”に代えて、アドマテックス製の固形のシリカフィラー“SE−5050”(商品名)を、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して65重量%添加した以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0035】
(比較例4)
上記テトラエトキシシラン“エチルシリケート28”に代えて、上記シリカフィラー“SE−5050”を、エポキシ樹脂組成物の全重量に対して50重量%用いた以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を作製した。
【0036】
<エポキシ樹脂組成物の性状の観察>
上記実施例1、2及び比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物の硬化前の性状を観察した結果、実施例1、2及び比較例1、2、4では基板に塗布できる程度の粘度を有していたが、固形のシリカフィラーを65重量%添加した比較例3では、シリカフィラーの凝集が目立ち、粘度が高くなりすぎて、基板に塗布できる程度の性状を備えていなかった。
【0037】
<半導体素子と基板の準備>
半導体素子として、電極径70μm、電極ピッチ120μm、電極数120の金製の電極(バンプ)を備える縦8.5mm、横8.5mm、厚さ0.06mmのLSIチップを準備した。また、基板として、電極径70μm、電極ピッチ120μm、電極数2700の電極を備える縦40mm、横40mm、厚さ0.35mmの三菱瓦斯化学製のトリアジン系樹脂“BTレジン”(商品名)からなる配線基板を準備した。
【0038】
<半導体装置の作製>
上記実施例1、2及び比較例1、2、4のエポキシ樹脂組成物を用いてそれぞれ下記のようにして半導体装置を作製した。
【0039】
即ち、図2Aに示すように、エポキシ樹脂組成物6mgを、上記配線基板の電極周辺に塗布した。次に、図2Bに示すように、上記LSIチップのバンプと配線基板の電極とをフェイスダウンの状態で位置合わせを行った。続いて、図2Cに示すように、基板加熱温度60℃、荷重6kg、接合時間10秒、加熱ヘッド温度265℃、エポキシ樹脂組成物温度220℃の条件で加圧し、半導体素子と配線基板とを加熱接合した。
【0040】
<エポキシ樹脂組成物中のシリカフィラーの分散性の評価>
上記のように実施例1、2及び比較例1、2、4のエポキシ樹脂組成物をそれぞれ用いて作製した各半導体装置を配線基板に対して垂直に切断・研磨し、切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより、シリカフィラーの分散性を評価した。その結果、比較例4ではシリカフィラーの凝集が一部に観察され、分散性は不良と判断したが、それ以外の半導体装置ではシリカフィラーは均一に分散し、分散性は良と判断した。
【0041】
<接合信頼性の評価>
次に、上記各半導体装置を用いて温度サイクル試験を行った後に、各半導体装置の各接続点間の導通抵抗を測定することにより、接合信頼性を評価した。温度サイクル試験は、−65℃で30分間冷却、室温(25℃)で10分間放置、及び125℃で30分間加熱を1サイクルとして、500回繰り返した。導通抵抗の測定は、温度サイクル試験の前後で行い、温度サイクル試験後の導通抵抗の上昇が、温度サイクル試験前の導通抵抗に対して10%以下の場合には、接合信頼性は良と判断し、10%を超えた場合には、接合信頼性は不良と判断した。その結果、実施例1、2及び比較例4のエポキシ樹脂組成物を使用した半導体装置では、導通抵抗の上昇が10%以下と確認され、接合信頼性は良と判断された。一方、比較例1及び2では、導通抵抗の上昇が10%を超えることが確認され、接合信頼性は不良と判断された。
【0042】
以上の結果を表1にまとめて示す。
【0043】
【表1】

【0044】
以上のように、実施例1及び実施例2のエポキシ樹脂組成物は、塗布可能な粘度を有し、無機フィラーの分散性が高く、接合信頼性の高い半導体装置を提供できることが分かる。特に、実施例1では、生成シリカフィラーの量が70重量%と高充填であるにもかかわらず、高分散性を維持できた。また、生成シリカフィラーの量が50重量%以上であれば、接合信頼性が良好になることも分かる。
【0045】
以上の実施例1及び実施例2を含む本発明の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0046】
(付記1) エポキシ樹脂と、アルコキシドと、酸無水物とを含む混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を反応させて、前記混合物の全重量に対して、50重量%以上の無機フィラーを生成する反応工程とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0047】
(付記2) 前記混合工程において、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記アルコキシドを140重量部以上及び前記酸無水物を120重量部以上200重量部以下の割合で混合する付記1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0048】
(付記3) 前記アルコキシドは、シラン系アルコキシドである付記1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0049】
(付記4) 前記シラン系アルコキシドは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びテトラブトキシシランから選ばれる少なくとも1種である付記3に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0050】
(付記5) 前記アルコキシドは、アルミニウム系アルコキシドである付記1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0051】
(付記6) 前記アルミニウム系アルコキシドは、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド及びアルミニウムトリブトキシドから選ばれる少なくとも1種である付記5に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0052】
(付記7) 前記酸無水物は、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸及び無水ナジック酸から選ばれる少なくとも1種である付記1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【0053】
(付記8) 付記1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法で製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とを接合したことを特徴とする半導体装置。
【0054】
(付記9) 前記エポキシ樹脂組成物は、シリカフィラーを含む付記8に記載の半導体装置。
【0055】
(付記10) 前記エポキシ樹脂組成物は、アルミナフィラーを含む付記8に記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施形態1のエポキシ樹脂組成物の無機フィラー生成前のイメージ図である。
【図2】実施形態2の半導体装置の製造工程を示す工程断面図である。
【符号の説明】
【0057】
11 エポキシ樹脂
12 アルコキシド
13 酸無水物
14 カップリング剤
21 電極
22 基板
23 エポキシ樹脂組成物
24 バンプ
25 半導体素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂と、アルコキシドと、酸無水物とを含む混合物を作製する混合工程と、
前記混合物を反応させて、前記混合物の全重量に対して、50重量%以上の無機フィラーを生成する反応工程とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項2】
前記混合工程において、前記エポキシ樹脂100重量部に対して、前記アルコキシドを140重量部以上及び前記酸無水物を120重量部以上200重量部以下の割合で混合する請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記アルコキシドは、シラン系アルコキシドである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記アルコキシドは、アルミニウム系アルコキシドである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法で製造したエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子と基板とを接合したことを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−146055(P2007−146055A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344635(P2005−344635)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】