説明

エンジンの吸気システム

【課題】エンジンの吸気システムにおいて、過給された空気の一部、あるいはできるだけ多くを高い過給圧状態に保ったまま貯留しつつ、浪費する過給圧を少なくして逆流的に戻す空気量を減らすことにより騒音を低減し、また、次回にメインスロットルバルブが開いた際の応答時間が短くなるようにレスポンスを高く保つことにより、エンジン出力を向上するように充填効率を高くすることにある。
【解決手段】過給機28のコンプレッサ30と第一のバルブ18としてのメインスロットルバルブ19の間であって且つメインスロットルバルブ19との間に所定の容量部44を形成するようにして第二のバルブ45としてのサブスロットルバルブ46を設け、このサブスロットルバルブ46をメインスロットルバルブ19に連動させて開閉駆動制御する制御手段87を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンの吸気システムに係り、特に過給機(ターボチャージャ)付エンジンにおいて過給された空気を制御するエンジンの吸気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両においては、図10に示すように、過給機(ターボチャージャ)付のエンジン101を搭載し、このエンジン101の吸気装置114にスロットルバルブ119を備えるとともに、排気装置123に設けられたタービン131を排気ガスにより駆動してこのタービン131の駆動エネルギを吸気装置114に設けられたコンプレッサ130を駆動して吸気装置114の吸気通路116に流れる空気を過給する過給機128を備え、この過給機128をスロットルバルブ119の上流側に配設したエンジンの吸気システム143を設けたものがある。
そして、このエンジンの吸気システム143においては、排気ガスでタービン131を回転し、エアクリーナ115から取り入れた空気をコンプレッサ130で加圧して、この加圧した空気を、インタクーラ142で冷却し、そして、スロットルバルブ119で絞ってインテークマニホルド122からエンジン101に供給している。インテークマニホルド122と一体のサージタンク121には、インテークマニホルド圧(吸気管圧)を検出する圧力センサ183が取り付けられている。
また、エンジン101には、過給機128によって加圧された空気を過給機128の上流側の吸気通路116に戻すエアバイパス通路138及びこのエアバイパス通路138を開閉するエアバイパスバルブ140を備えている。
そして、車両の減速時(スロットル全閉時)には、コンプレッサ130の保護とサージ音を減少するために、コンプレッサ130とスロットルバルブ119との間に配置されたエアバイパスバルブ140を開動作してエアバイパス通路138から過給した空気を開放している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−79342号公報 特許文献1に係る過給付エンジンの制御装置は、サージタンクとインタクーラの間に設けたメインスロットルバルブ又はサブスロットルバルブとのいずれか一方の開度が所定値よりも小さい場合に、ウェストゲートバルブの開度制御を禁止して、ウェストゲートバルブの不必要な開動作制御を回避するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来、車両の減速時(スロットル全閉時)には、排気エネルギで過給した空気を捨てていた。つまり、一度貯めたエネルギは、殆ど捨てられていた。また、エアバイパスバルブでサージ音を低減する対策をしているが、エアバイパスバルブの開動作時に、大量の空気をエアバイパス通路から排出するので、気流音が発生するという問題があった。
即ち、過給機付エンジンの吸気システムであってエアバイパス通路を備えたものでは、スロットルバルブの直上流位置から上流側の吸気通路に充填されている高い過給圧且つ多量の空気を、エアバイパス通路を通じて上流側に戻す場合に、より上流側の吸気通路に存在する過給されていない空気に相対差の大きな高圧空気が、徐々にその圧力を下げながら連続して放出され、一部の空気がそのままコンプレッサに再循環し、他の一部の空気が上流側に逆流的に流れ、短時間後には、許容できる最大過給圧よりも低下した圧力、且つ大気圧よりも高圧の圧力で圧力平衡となるように向かって変化する。このような状態では、略過給不足の状態であるので、次回にスロットルバルブが開いて燃焼後の排気ガスがタービンを回転し、実利のある過給に至る次の過給までは、十分な過給が得られなくなる、いわゆる過給遅れ(ターボラグ)が生ずる。
そして、低回転型の過給機では、この過給遅れ(ターボラグ)は比較的小さく、高回転型の過給機の程、過給遅れ(ターボラグ)が大きなって応答性が悪くなる。いずれにしても、スロットルバルブを閉じる直前までに、タービンの駆動に伴う排気エネルギの低減による排気音抑制の効果はあるものの、それによって得られた過給は無駄に浪費してしまい、付加できる実益がなかった。
一般に、空気等のガスは、低圧ガスの中に高圧ガスを放出すると、均一圧力の平衡状態となるように、圧力勾配の高い方から低い方へ急速に拡散する。そのような放出が行われるのが、細い通路内であれば、通路の延出方向に向かって疎密の波となって伝播しつつガスが流れることになる。そして、疎密の伝播とは縦振動である音の伝播であって、流れも圧力も非常に乱れた状態で進行し、大きな気流音となって吸気装置の外部にまで伝播する。つまり、騒音の発生という不具合が生じ、また、体積が大きくなれば騒音も大きくなり、更に、過給圧が高く、通路長さが長くなれば、体積が大きくなる。
また、例えば、上記の特許文献1のように、過給機付エンジンの吸気システムであって、サブスロットルバルブを備えたものでは、サブスロットルバルブをメインスロットルバルブの近傍に配設し、基本的に、両方のスロットルバルブの動作を併せた結果が一つの理想的なスロットルバルブの動作となるようにしたものである。
そして、その過回転や過過給といった課題や、それに付随する過給遅れ(ターボラグ)や騒音のような課題までの認識があるとしても、その解決は、排気側のウェストゲートバルブの制御に注目してなされる。エアバイパスバルブは、低速高負荷の際に開動作されるので、スロットルバルブが閉じられた際に過給圧を逃すことが困難であった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、過給された空気の一部、あるいはできるだけ多くを高い過給圧状態に保ったまま貯留しつつ、浪費する過給圧を少なくして逆流的に戻す空気量を減らすことによって騒音を低減し、また、次回にスロットルバルブが開いた際の応答時間が短くなるようにレスポンスを高く保つことにより、エンジン出力を向上するように充填効率を高めるエンジンの吸気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、エンジンの吸気装置に第一のバルブとしてのメインスロットルバルブを備えるとともに、前記エンジンの排気装置に設けられたタービンを排気ガスにより駆動してこのタービンの駆動エネルギにより前記吸気装置に設けられたコンプレッサを駆動して前記吸気装置の吸気通路に流れる空気を過給する過給機を備え、この過給機を前記メインスロットルバルブの上流側に配設したエンジンの吸気システムにおいて、前記コンプレッサと前記メインスロットルバルブの間であって且つ前記メインスロットルバルブとの間に所定の容量部を形成するようにして第二のバルブを設け、この第二のバルブを前記メインスロットルバルブに連動させて開閉駆動制御する制御手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明のエンジンの吸気システムは、過給圧を貯留して保持し、そして、その圧力変化を監視してサブスロットルバルブを開くタイミングを図り、騒音を低減するとともに、エンジン出力を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1はエンジンの吸気システムの構成図である。(実施例1)
【図2】図2はスロットル閉時のフローチャートである。(実施例1)
【図3】図3はスロットル開時のフローチャートである。(実施例1)
【図4】図4はスロットル開時における燃料系制御のフローチャートである。(実施例1)
【図5】図5はスロットルパーシャル運転時のフローチャートである。(実施例1)
【図6】図6はスロットル全開運転時のフローチャートである。(実施例1)
【図7】図7はエンジン全体のシステム構成図である。(実施例1)
【図8】図8はエンジンの吸気システムの構成図である。(実施例2)
【図9】図9はエンジンの吸気システムの構成図である。(実施例3)
【図10】図10はエンジンの吸気システムの構成図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明は、過給された空気の一部、あるいはできるだけ多くを高い過給圧状態に保ったまま貯留しつつ、浪費する過給圧を少なくして逆流的に戻す空気量を減らすことにより騒音を低減し、また、次回にスロットルバルブが開いた際の応答時間が短くなるようにレスポンスを高く保つことにより、エンジン出力を向上するように充填効率を高くするという目的を実現するものである。
【実施例1】
【0010】
図1〜図7は、この発明の実施例1を示すものである。
図7において、車載用で多気筒(三気筒)用の過給機(ターボチャージャ)付エンジン(以下「エンジン」という)である。このエンジン1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド3とシリンダヘッドカバー4とが一体的になって構成されている。
シリンダブロック2には、気筒毎に各シリンダ5が形成されているとともにこのシリンダ5にピストン6が摺動可能に設けられ、また、シリンダヘッド3と共働した燃焼室7が形成される。
シリンダヘッド3には、吸気側において、吸気ポート8が形成され、また、吸気カム軸9が設置され、さらに、この吸気カム軸9で駆動されて吸気ポート8を開閉する吸気弁10が設けられている。
また、シリンダヘッド3には、排気側において、排気ポート11が形成され、また、排気カム軸12が設置され、さらに、この排気カム軸12で駆動されて排気ポート11を開閉する排気弁13が設けられている。
【0011】
エンジン1は、吸気装置14を備えている。この吸気装置14においては、エアクリーナ15と、このエアクリーナ15からエンジン1側に吸入空気を導く吸気通路16を形成するように、吸気管17と、第一のバルブ18としてのメインスロットルバルブ19を備えたスロットルボディ20と、サージタンク21が一体でシリンダヘッド3に取り付けられるインテークマニホルド22とが、順次に接続している。
メインスロットルバルブ19は、例えば、アクセルペダルの人為操作状態を検知してモータ等のアクチュエータによって開閉動作される電子スロットルバルブ、あるいは、スロットルケーブルやリンク機構を介して人為操作を機械的に伝えて開閉動作されるメカニカルスロットルバルブからなる。メインスロットルバルブ19をメカニカルスロットルバルブとした場合には、アクセルペダルの人為操作状態の検知が不要となり、安価な構造とすることができる。
【0012】
エンジン1は、排気装置23を備えている。この排気装置23においては、エンジン1からの排気を導く排気通路24を形成するように、シリンダヘッド3に取り付けられる排気マニホルド25と、触媒コンバータ26を備えた排気管27とが、順次に設けられている。
【0013】
エンジン1は、過給機(ターボチャージャ)28を備えている。この過給機28は、インテークマニホルド22の上流側に配設され、エアクリーナ15側からの吸入空気を過給し、この過給された空気をエンジン1側に供給するものである。
過給機28は、過給機ケース29内で、吸気管17の途中に配設されたコンプレッサ30と、排気マニホルド25と排気管27の間に配設されて排気ガス流で駆動するタービン31と、コンプレッサ30とタービン31とを連結する回転軸32とを備えている。
過給機ケース29には、ウェストゲート装置33を構成するように、タービン31の上流側と下流側との吸気通路16に連通するウェストゲート通路34と、このウェストゲート通路34を開閉するウェストゲートバルブ35を設けている。このウェストゲートバルブ35は、ウェストゲートアクチュエータ36で開閉動作される。このウェストゲートアクチュエータ36は、ウェストゲート制御弁(VSV)37で動作制御される。そして、ウェストゲートバルブ35を開閉制御することにより、タービン31への排気ガス流を調整し、コンプレッサ30による過給圧を制御する。
【0014】
吸気管17には、コンプレッサ30の上流側と下流側との吸気通路16を連通するエアバイパス通路38を形成するエアバイパス管39が設けられている。このエアバイパス管39の途中には、過給機28のコンプレッサ30によって過給された空気をコンプレッサ30の上流側に戻すエアバイパス通路38を開閉するエアバイパスバルブ40が設けられている。このエアバイパスバルブ40は、エアバイパス制御弁(VSV)41で開閉制御される。
【0015】
また、コンプレッサ30とメインスロットルバルブ19との間の吸気管17の途中には、過給機28で過給された空気を冷却するインタクーラ42が設けられている。
【0016】
即ち、図1に示すように、この実施例1に係るエンジンの吸気システム43において、吸気装置14は、エアクリーナ15、吸気管17、過給機(特にコンプレッサ30の部分)28、メインスロットルバルブ19、インテークマニホルド22及びそれらに付随する装置を含めた複合体を指し、それらの内部通路を連結して形成される吸気通路16を備え、また、吸気装置14の切り替え制御動作に加えて、付随する装置として後述の燃料噴射装置49の燃料噴射制御を含めた制御動作を行う吸気装置14の全体となっている。つまり、このエンジンの吸気システム43においては、吸気装置14に第一のバルブ18としてのメインスロットルバルブ19を備えるとともに、排気装置23に設けられたタービン31を排気ガスにより駆動してその駆動エネルギを吸気装置14に設けられたコンプレッサ30を駆動して吸気装置12の吸気通路16に流れる空気を過給する過給機28を備え、また、この過給機28をメインスロットルバルブ19の上流側に配設している。
【0017】
また、このエンジンの吸気システム43には、コンプレッサ30とメインスロットルバルブ19の間であって且つメインスロットルバルブ19との間に所定の容量部44を形成するようにして、第二のバルブ45としてのサブスロットルバルブ46が設けられている。
このサブスロットルバルブ46は、コンプレッサ30とメインスロットルバルブ19との間、具体的には、エンジン1にインタクーラ42が備えられている場合に、コンプレッサ30の出口側でエアバイパス通路38への通路接続部47とインタクーラ42の間、又は、インタクーラ42に直接取り付けられ、また、モータ等のアクチュエータ48により駆動制御可能に設けられる。つまり、サブスロットルバルブ46は、過給機28の下流側且つメインスロットルバルブ19の上流側となる吸気通路16であって、エアバイパス通路38の下流側近傍に設けられる。サブスロットルバルブ46としては、全開状態と全閉状態の二状態を選択的に動作できるものが好ましい。
また、サブスロットルバルブ46は、例えば、アクセルペダルの人為操作状態を検知してモータ等のアクチュエータによって開閉動作される電子スロットルバルブ、あるいは、スロットルケーブルやリンク機構を介して人為操作を機械的に伝えて開閉動作されるメカニカルスロットルバルブからなる。サブスロットルバルブ46をメカニカルスロットルバルブとした場合には、アクセルペダルの人為操作状態の検知が不要となり、安価な構造とすることができる。
【0018】
容量部44は、インタクーラ42、熱交換可能な材質の配管のうち1つ以上により構成している。つまり、エアバイパス通路38の下流側近傍にサブスロットルバルブ46を設け、メインスロットルバルブ12とサブスロットルバルブ46の間に所要容量を有する容量部44を形成する。
この容量部44は、吸気管17の管路長さを長くして確保しても良く、あるいは、インタクーラ42の容積によって確保しても良い。そして、この容量部44が車両走行中に走行風が充分に当たるのであれば、圧力の保持状態であっても熱交換による冷却効果を得ることができる。当然、インタクーラ42であるならば、冷却効果が高くなり、温度は下がり、空気密度が上がって充填効率が向上する。これにより、エンジン出力の向上を図れるだけでなく、燃焼温度を下げることができるので、ノッキングの発生を抑止することができ、ノッキング対策での燃料増量補正を少なく済ませることができる。
なお、容量部44としては、サイドブランチのように、容量室を別個に付加して設けることも可能である。
【0019】
エンジン1は、燃料噴射装置49を備えている。この燃料噴射装置49においては、燃料タンク50内で電磁式の燃料ポンプ51が設けられ、また、この燃料ポンプ51に燃料供給通路52を形成する燃料供給管53の一端側が接続している。この燃料供給管53の他端側は、燃料噴射弁54に接続している。この燃料噴射弁54は、インテークマニホルド22のシリンダヘッド3に接続する端部位に取り付けられ、燃料を吸気ポート8へ噴射する。
また、燃料供給管53の途中には、燃料タンク50側に燃料フィルタ55が設けられているとともに、この燃料フィルタ55よりも燃料噴射弁54側に燃料圧力レギュレータ56が設けられている。この燃料圧力レギュレータ56には、燃料戻り通路57を形成する燃料戻り管58の一端側が接続している。この燃料戻り管58の他端側は、自由端となり、燃料タンク50内に開口している。
【0020】
エンジン1は、蒸発燃料制御装置59を備えている。この蒸発燃料制御装置59においては、燃料タンク50の上部にエバポ通路60を形成するエバポ管61の一端側が自由端として開口し、このエバポ管61の他端側にキャニスタ62が設けられている。エバポ管61の途中には、二ウェイチェックバルブ63が設けられている。
また、キャニスタ62には、パージ通路64を形成するパージ管65の一端側が接続している。このパージ管65の他端側は、メインスロットルバルブ19よりも上流側のスロットルボディ20内に連通している。また、このパージ管65の途中には、パージ弁(VSV)66が設けられている。
【0021】
また、エンジン1は、アイドル回転数制御装置(ISC装置)67を備えている。このアイドル回転数制御装置67においては、メインスロットルバルブ19を迂回してスロットルボディ20内とサージタンク21内とを連通するようにアイドルエア通路68を形成するアイドルエア管69が設けられ、このアイドルエア管69の途中にエンジン1へのアイドル空気量を調整するISCバルブ(アイドル空気量制御バルブ)70が設けられている。
【0022】
シリンダヘッドカバー4には、イグニションコイル71とPCVバルブ72とが取り付けられている。このPCVバルブ72には、サージタンク21内に連通するタンク側ブローバイガス通路73を形成するタンク側ブローバイガス管74が接続している。
また、シリンダヘッドカバー4には、エアクリーナ15内に連通するクリーナ側ブローバイガス通路75を形成するクリーナ側ブローバイガス管76が接続している。
【0023】
シリンダブロック2には、インテークマニホルド22の一部に形成した冷却水通路77内の冷却水温度を検出する水温センサ78と、燃焼室7内のノッキングを検出するノッキングセンサ79とが取り付けられている。水温センサ78は、検出した冷却水温度を燃料噴射制御や点火時期制御等に利用させる。
スロットルボディ20には、メインスロットルバルブ19のスロットル開度を検出するスロットルセンサ80が設けられ、また、メインスロットルバルブ19よりも下流側に導圧通路81を形成する導圧管82の一端側が接続している。この導圧管82の他端側には、メインスロットルバルブ19の下流側の吸気通路16の圧力であるインテークマニホルド圧(吸気管圧力)を検出する第一の圧力センサ83が設けられている。この第一の圧力センサ83は、検出したインテークマニホルド圧を燃料噴射制御や点火時期制御等に利用させる。
また、インタクーラ42とメインスロットルバルブ19間の吸気管17には、前記容量部44となるメインスロットルバルブ19の上流側の吸気通路16の圧力を検出する第二の圧力センサ84が設けられている。この第二の圧力センサ84は、吸気通路16内の保持圧力の監視を行うものであり、エンジン1にインタクーラ42が備えられている場合に、インタクーラ42に取り付け可能なものである。
サージタンク21には、吸入空気の温度を検出する吸気温センサ85が取り付けられている。この吸気温センサ85は、吸入空気の温度を検出して吸気温補正値の決定等に利用させる。
排気マニホルド25には、過給機28のタービン31よりも下流側に、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ(O2センサ)86が取り付けられている。
【0024】
ウェストゲート制御弁37とエアバイパス制御弁41とアクチュエータ48と燃料ポンプ51と燃料噴射弁54とパージ弁66とISCバルブ70とイグニションコイル71と水温センサ78とノッキングセンサ79とスロットルセンサ80と第一の圧力センサ83と第二の圧力センサ84と吸気温センサ85と酸素センサ86は、制御手段(ECM)87に連絡している。
また、この制御手段87には、クランク角センサ88と、メインスイッチ89及びフューズ90を介したバッテリ91と、アイドルスイッチ92とが連絡している。クランク角センサ88は、クランク角を検出してこの検出信号を制御手段87に出力するとともに、エンジン回転数を検出する機能を有している。アイドルスイッチ92は、エンジン1のアイドル運転状態を検知、つまり、アイドルオフ(IDL OFF)・アイドルオン(IDL ON)を検知するものである。
【0025】
制御手段87は、エンジン1への燃料噴射を制御する燃料噴射制御部87Aと、エンジン1の点火時期を制御する点火時期制御部87Bと、過給圧を制御する過給圧制御部87Cと、メインスロットルバルブ19及びサブスロットルバルブ46を開閉駆動制御するバルブ駆動制御部87Dとを備えている。
制御手段87は、冷却水温度、エンジン回転数、スロットル開度の状態に応じてエアバイパス制御弁41をオン・オフ制御することで、エアバイパスバルブ40を開閉動作させ、過給圧を最適に制御する。
また、制御手段87は、エンジン回転数及びインテークマニホルド圧(吸気管圧)により基本デューティを定めておき、これに冷却水温度、スロットル開度等よる補正を加えて、ウェストゲート制御弁37を駆動制御することで、ウェストゲートバルブ35を開閉動作させ、過給圧を最適に制御する。
【0026】
また、制御手段87は、サブスロットルバルブ46をメインスロットルバルブ19に連動させて開閉駆動制御する。
具体的に説明すると、制御手段87は、メインスロットルバルブ19及びサブスロットルバルブ46を電子スロットルバルブとした場合に、メインスロットルバルブ19を全閉と判定した場合にサブスロットルバルブ46を全閉とし、メインスロットルバルブ19がアイドルオフ(IDL OFF)になった後、第二の圧力センサ84の検出した圧力が所定値を下回ったらサブスロットルバルブ46を全開とし、サブスロットルバルブ46を通常常時全開としてメインスロットルバルブ19が全閉になった時に全閉とする。
また、制御手段87は、メインスロットルバルブ19及びサブスロットルバルブ46をメカニカルスロットルバルブとした場合に、サブスロットルバルブ46をケーブルやリンク機構によってメインスロットルバルブ19と機械的に連結し、サブスロットルバルブ46を開閉制御する。
【0027】
制御手段87は、車両の減速後、メインスロットルバルブ19が開状態から全閉状態となった際に遅延を伴ってサブスロットルバルブ46を全閉駆動制御し、メインスロットルバルブ19が全閉状態から開状態となった際には圧力変化に基づく遅延を伴ってサブスロットルバルブ46を全開に向けて駆動制御する。つまり、制御手段87は、車両の減速時、アイドルスイッチ92のオンに同期してサブスロットルバルブ46を遅延して全閉とし、車両の加速時には、アイドルスイッチ92のオフに同期してサブスロットルバルブ46を遅延して全閉とする。
【0028】
制御手段87は、通常の基本燃料噴射制御では第一のセンサ83の検出値に基づいて行う一方、サブスロットルバルブ46の開閉制御を第二のセンサ84の検出値に基づいて行うとともに、第二のセンサ84の検出値が所定値(XPA2)以上であってメインスロットルバルブ19の開度が所定値(XTHA)以上となる場合には、燃料噴射を増量補正する。
即ち、制御手段87は、第二のセンサ84が所定値(XPA2)以上の圧力を検出し、メインスロットルバルブ19がアイドルオフ(IDL OFF)(アクセルペダルの踏み込み等の人為操作があった時)、エンジン回転数に応じて加速増量を噴射する。つまり、メインスロットルバルブ19が開いた直後に、第一の圧力センサ83で検知するサージタンク21内の圧力が瞬時に増加するので、通常の加速よりも大きい補正を掛ける。
また、制御手段87は、インテークマニホルド圧(MAP値)の読み込むが、他の運転条件により、必要に応じて、点火時期を進角又は遅角に補正する。
【0029】
サージ音を防止する目的から、過回転や通過給の状態で過給圧を保持すること、すなわち、許容過給庄以上の圧力を保持することは、避ける必要がある。そして、許容過給圧以下の圧力で保持するためには、エアバイパス通路38の開通タイミングの前後で少し圧力を下げれば良い。例えば、エアバイパス通路38の開通タイミングに対し少しの時間遅れをもって保持する、つまり、サブスロットルバルブ46を閉じるのが良い。
また、例えば、サブスロットルバルブ46は、エンジン1の減速後の車両の停車が長い場合には、早めに開いても良い。保持された過給圧(保持圧力)が下がり、大気圧に対して実質差がない状態であれば、保持状態を維持する必要がなく、一律にサブスロットルバルブ46の開分遅延を行った場合、発進加速にもたつきが生じる場合も考えられる。そのため、停車時のエンジン1のアイドリング状態が所定時問より長く続く場合には、メインスロットルバルブ19を開状態(アイドルスイッチ89のオフ→オン)に遅延させることなくサブスロットルバルブ46を開くか、メインスロットルバルブ19を開状態(アイドルスイッチ89のオフ→オン)を待つことなく、サブスロットルバルブ46を開動作させても良く、緩慢に開き動作を行い、この切り替えに伴うショックの発生をなくすようにしても良い。
【0030】
制御手段87は、過給状態からメインスロットルバルブ19を全閉した時、サブスロットルバルブ46を全閉にしてメインスロットルバルブ19とサブスロットルバルブ46との間の圧力を高い状態に保ち、メインスロットルバルブ19が開いてアイドルスイッチ92がオンからオフした時に(スロットル開)、過給されている空気が入って過給遅れ(ターボラグ)を解消して加速性能を向上させる。
サージ音に対しては、通常、過給して全閉になると(高圧力−低流量)の状態になりサージ音が出る。過給後の全閉でコンプレッサ30にかかる圧力を、サブスロットルバルブ46を全閉にすることにより、(低圧力−低流量)にしてサージ音を減少させる。更に、エアバイパスバルブ40を開放すれば、より効果的である。
【0031】
即ち、この実施例1においては、スロットル全閉の減速時に、サブスロットルバルブ46を閉じてメインスロットルバルブ19とサブスロットルバルブ46の間の容量部44に空気を貯留する。この場合、スロットル全閉前が過給状態であれば、容量部44が正圧になる。スロットル全閉前が一定圧力以上の時には、サブスロットルバルブ46を閉じる。そして、過給からの減速時は、コンプレッサ30の出口とサブスロットルバルブ46の間の空気がエアバイパス通路38から排出されサージ音を抑える。
これにより、エンジン1の減速時に、従来、加圧した空気がエアバイパスバルブ40から開放されるので、排気エネルギから造り出された空気が無駄になっていたが、この実施例1では、エアバイパス通路38から開放される分の空気を次の加速のために有効に使うことができ、また、空気通路のレイアウトで、コンプレッサ30のサージ音の減少、エアバイパスバルブ40の気流音の減少もできる。
【0032】
次に、この実施例1の作用を説明する。
図2に示すように、スロットル閉時において、プログラムがスタートすると(ステップA01)、インテークマニホルド圧≧所定値(XPA)か否かを判断し(ステップA02)、このステップA02がNOの場合には、この判断を継続し、一方、このステップA02がYESの場合には、メインスロットルバルブ19が全閉か否かを判断し(ステップA03)、このステップA03がNOの場合には、前記ステップA02に戻り、一方、このステップA03がYESの場合には、サブスロットルバルブ46を全閉とし(ステップA04)、プログラムをエンドとする(ステップA05)。
【0033】
図3に示すように、スロットル開時において、プログラムがスタートすると(ステップB01)、保持圧力≧所定値(XPA2)か否かを判断し(ステップB02)、このステップB02がYESの場合には、メインスロットルバルブ19の開度≧所定値(XTHA)か否かを判断し(ステップB03)、このステップB03がNOの場合には、前記ステップB02に戻り、一方、このステップB03がYESの場合には、インテークマニホルド圧≧保持圧力−所定値(XTY)か否かを判断し(ステップB04)、このステップB04がNOの場合には、この判断を継続し、このステップB04がYESの場合、又は、前記ステップB02がNOの場合には、通常の燃料噴射制御を実施し(ステップB05)、プログラムをエンドとする(ステップB06)。
【0034】
図4に示すように、スロットル開時の燃料噴射制御においては、プログラムがスタートすると(ステップC01)、保持圧力≧所定値(XPA2)か否かを判断し(ステップC02)、このステップC02がYESの場合には、メインスロットルバルブ19の開度≧所定値(XTHA)か否かを判断し(ステップC03)、このステップC03がNOの場合には、前記ステップC02に戻り、一方、このステップC03がYESの場合には、加速増量噴射制御を実施し(ステップC04)、そして、このステップC04の処理後、又は、前記ステップC02がNOの場合には、通常の燃料噴射制御を実施し(ステップC05)、プログラムをエンドとする(ステップC06)。
【0035】
次に、スロットルパーシャル運転時の制御を、図5のタイムチャートに基づいて説明する。
図5に示すように、メインスロットルバルブ19の開度が0%から徐々に大きくなり始まる時(時間t1)、サブスロットルバルブ46が全開状態であり且つエアバイパスバルブ40が閉状態であり、また、アイドルスイッチ92がオンからオフに切り替わり、インテークマニホルド圧及び保持圧力が負圧から正圧側に移行する。
そして、メインスロットルバルブ19の開度が略50%未満の所定値になった時点で(時間t2)、インテークマニホルド圧及び保持圧力が負圧側から正圧に移行する。
その後、メインスロットルバルブ19の開度が50%程度の所定値になり(時間t3)、所定時間経過してアイドルスイッチ89がオフからオンに切り替わると(時間t4)、、サブスロットルバルブ46が全閉となるとともにエアバイパスバルブ40が開状態となり、インテークマニホルド圧が正圧から負圧側に移行する。この場合、保持圧力にあっては、従来、保持圧力が急激に正圧から負圧側に移行していたが(図5の破線Pで示す)、この実施例1では、保持圧力が徐々に減少して正圧に保持される。
その後、メインスロットルバルブ19の開度が0%から大きくなり始め、アイドルスイッチ92がオンからオフに切り替わると(時間t5)、サブスロットルバルブ46が全開に切り替わり、また、エアバイパスバルブ40が閉に切り替わり、そして、メインスロットルバルブ19の開度が50%程度の所定値付近になり、インテークマニホルド圧が正圧に保持され、しかも、保持圧力が正圧に維持される。
【0036】
次いで、スロットル全開運転時の制御を、図6のタイムチャートに基づいて説明する。
図6に示すように、メインスロットルバルブ19の開度が0%から急激に100%になり(時間t1)、アイドルスイッチ92がオンからオフに切り替わり、また、サブスロットルバルブ46が全開状態であり且つエアバイパスバルブ40が閉状態であり、その直後に、インテークマニホルド圧及び保持圧力が負圧から正圧に切り替わり(時間t2)、そして、インテークマニホルド圧及び保持圧力が急激に所定値まで移行する(時間t3)。
所定時間経過し、アイドルスイッチ92がオフからオンに切り替わると(時間t4)、サブスロットルバルブ46が全閉となるとともにエアバイパスバルブ40が開状態となり、インテークマニホルド圧が正圧から負圧側に移行する。この場合、保持圧力にあっては、従来、保持圧力が急激に正圧から負圧側移行していたが、この実施例1では、保持圧力が徐々に減少して正圧に保持される。
その後、メインスロットルバルブ19の開度が0%から急激に100%になると(時間t5)、アイドルスイッチ92がオンからオフに切り替わり(時間t5)、また、サブスロットルバルブ46が全開に切り替わり、また、エアバイパスバルブ40が閉に切り替わり、そして、メインスロットルバルブ19の開度が100%に保持され、インテークマニホルド圧が正圧に保持され、しかも、保持圧力が正圧の所定値に維持される。
【0037】
以上この発明の実施例1について説明してきたが、上述の実施例1の構成を請求項毎に当てはめて説明する。
請求項1に係る発明は、コンプレッサ30とメインスロットルバルブ19の間であって且つメインスロットルバルブ19との間に所定の容量部44を形成するようにして第二のバルブ45としてのサブスロットルバルブ46を設け、このサブスロットルバルブ46をメインスロットルバルブ19に連動させて開閉駆動制御する。
これにより、無駄に浪費していた排気エネルギを確保できるので、走行性の向上と、燃費向上が図れ、特に加速・減速の頻繁な市街地走行等で特に有効となる。また、アクセルペダルの人為操作が少なくて済むようになり、排ガス成分の悪化を防止でき、浄化性能が向上する。
請求項2に係る発明は、第二のバルブ45をサブスロットルバルブ46とし、このサブスロットルバルブ46をアクチュエータ48により駆動制御可能に設け、車両の減速後、メインスロットルバルブ19が開状態から全閉状態となった際に遅延を伴ってサブスロットルバルブ46を全閉駆動制御し、メインスロットルバルブ19が全閉状態から開状態となった際には圧力変化に基づく遅延を伴ってサブスロットルバルブ46を全開に向けて駆動制御する。
これにより、エンジンの吸気システム43の耐久性を確保しつつ、応答性の向上と燃費向上が図れる。
請求項3に係る発明では、容量部44は、インタクーラ42、熱交換可能な材質の配管のうち1つ以上により構成している。
これにより、容量部44に貯留した空気を保持している間も熱交換して温度を下げることができ、エンジン出力の向上と、燃焼の安定性を得ることができる。
請求項4に係る発明は、メインスロットルバルブ19の下流側の吸気通路16の圧力を検出する第一の圧力センサ83と、容量部44となるメインスロットルバルブ19の上流側の吸気通路16の圧力を検出する第二の圧力センサ84とに連絡し、通常の基本燃料噴射制御では第一の圧力センサ83の検出値に基づいて行う一方、サブスロットルバルブ46の開閉制御を第二の圧力センサ84の検出値に基づいて行うとともに、第二の圧力センサ84の検出値が所定値以上であってメインスロットルバルブ19の開度が所定値以上となる場合には、燃料噴射を増量補正する。
これにより、サブスロットルバルブ46の開閉動作を吸気通路16の過給圧に見合った最適なものにできる。また、過給の応答性向上に見合った燃料噴射を行うことができ、燃焼の安定化と、エンジン出力の向上と、燃費向上を図ることができる。
【実施例2】
【0038】
図8は、この発明の実施例2を示すものである。
以下の実施例においては、上述の実施例1と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。
この実施例2の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、上述の実施例1のエンジンの吸気システム43において、前記第二のバルブ45を、前記サブスロットルバルブ46の代わりにワンウェイバルブ93とする。
このワンウェイバルブ93は、コンプレッサ30の出口とインタクーラ42との間、又は、インタクーラ42に配設され、且つ、コンプレッサ30の出口又はインタクーラ42の入口と同等の通路面積を有し、そして、空気の逆流を防止するとともに、減速時にはコンプレッサ30の出口との間の空気を排出してサージ音を抑えるものである。
このワンウェイバルブ93は、メインスロットルバルブ19の動作に伴う差圧に基づく自動的な応答となり、該ワンウェイバルブ93の上流側と下流側との差圧に基づく吸気通路16内の空気の流動により、加速時に空気の流動で開動作し、過給状態ならば減速時には空気圧で押されて吸気通路16を閉動作する。
また、ワンウェイバルブ93は、車両への搭載前に、テストによって開動作する設定値が予め設定され、また、吸気抵抗を減らすために、所要の開弁時通路断面積を確保して流量を多く確保させる。
これにより、上述の実施例1と同じ作用効果に加えて、エンジンの吸気システム43の可動部構造と制御部構造の簡素化を図ることができる。
【実施例3】
【0039】
図9は、この発明の実施例3を示すものである。
この実施例3の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、上述の実施例1のエンジンの吸気システム43において、前記第二のバルブ45を、上述の実施例2と同じように、前記サブスロットルバルブ46の代わりにワンウェイバルブ93とする一方、エアバイパス通路及びエアバイパスバルブを省略する。
よって、エンジンの吸気システム43は、サージ音を抑えるための空気排出機能を有さない。また、ワンウェイバルブ93は、車両への搭載前に、テストによって開動作する設定値が予め設定され、また、吸気抵抗を減らすために、コンプレッサ30の出口又はインタクーラ42の入口と同等の所要の開弁時通路断面積を確保して流量を多く確保させる。この場合、エアバイパス通路を省略したことから、コンプレッサ30の下流側の圧力が急激に下げられることがなくなり、ワンウェイバルブ93は、上流側の圧力の方が高い場合に、開弁状態を継続してしまうので、過回転や通過給の状態を防止することを含めた過給圧制御のために、ウェストゲート装置33を備える必要がある。
これにより、上述の実施例1と同じ作用効果に加えて、さらにエンジンの吸気システム43の可動部構造と制御部構造の簡素化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明に係るエンジンの吸気システムを、各種車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 エンジン
14 吸気装置
16 吸気通路
17 吸気管
18 第一のバルブ
19 メインスロットルバルブ
21 サージタンク
22 インテークマニホルド
23 排気装置
24 排気通路
27 排気管
28 過給機
30 コンプレッサ
31 タービン
33 ウェストゲート装置
34 ウェストゲート通路
35 ウェストゲートバルブ
38 エアバイパス通路
40 エアバイパスバルブ
42 インタクーラ
43 エンジンの吸気システム
44 容量部
45 第二のバルブ
46 サブスロットルバルブ
48 アクチュエータ
49 燃料噴射装置
54 燃料噴射弁
80 スロットルセンサ
83 第一の圧力センサ
84 第二の圧力センサ
87 制御手段
92 アイドルスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの吸気装置に第一のバルブとしてのメインスロットルバルブを備えるとともに、前記エンジンの排気装置に設けられたタービンを排気ガスにより駆動してこのタービンの駆動エネルギにより前記吸気装置に設けられたコンプレッサを駆動して前記吸気装置の吸気通路に流れる空気を過給する過給機を備え、この過給機を前記メインスロットルバルブの上流側に配設したエンジンの吸気システムにおいて、前記コンプレッサと前記メインスロットルバルブの間であって且つ前記メインスロットルバルブとの間に所定の容量部を形成するようにして第二のバルブを設け、この第二のバルブを前記メインスロットルバルブに連動させて開閉駆動制御する制御手段を設けたことを特徴とするエンジンの吸気システム。
【請求項2】
前記第二のバルブをサブスロットルバルブとし、このサブスロットルバルブをアクチュエータにより駆動制御可能に設け、前記制御手段は、車両の減速後、前記メインスロットルバルブが開状態から全閉状態となった際に遅延を伴って前記サブスロットルバルブを全閉駆動制御し、前記メインスロットルバルブが全閉状態から開状態となった際には圧力変化に基づく遅延を伴って前記サブスロットルバルブを全開に向けて駆動制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気システム。
【請求項3】
前記容量部は、インタークーラ、熱交換可能な材質の配管のうち1つ以上により構成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジンの吸気システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記メインスロットルバルブの下流側の吸気通路の圧力を検出する第一の圧力センサと、前記容量部となる前記メインスロットルバルブの上流側の吸気通路の圧力を検出する第二の圧力センサとに連絡し、通常の基本燃料噴射制御では前記第一の圧力センサの検出値に基づいて行う一方、前記サブスロットルバルブの開閉制御を前記第二の圧力センサの検出値に基づいて行うとともに、前記第二の圧力センサの検出値が所定値以上であって前記メインスロットルバルブの開度が所定値以上となる場合には、燃料噴射を増量補正することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの吸気システム。
【請求項5】
前記第二のバルブをワンウェイバルブとし、このワンウェイバルブは、上流側と下流側との差圧に基づく吸気通路内空気の流動によって開閉制御することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−180770(P2010−180770A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24771(P2009−24771)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】