説明

カーナビゲーション装置

【課題】道路をトレース中の指をタッチパネルから離すことなく、経路に関連する各種の指定操作の操作性を向上させたカーナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ部2の上面に設けられたマルチタッチパネル3に対する1点目及び2点目の各操作を信号処理部6が検出すると、ユーザ操作受付部7は1点目の道路地図上の道路のトレース操作と、トレース操作の静止中に行われた2点目のダブルクリック操作とを検出し、ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部5は、ユーザ操作受付部が2点目のダブルクリック操作を検出するまでの1点目のトレース操作の軌跡を経路41に指定し、ユーザ操作受付部が2点目のダブルクリック操作を検出した時点の1点目の押下地点を経由地51に指定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ部に表示された道路地図上の道路をなぞることによって、出発地から目的地までの経路を設定するカーナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーション装置では、出発地の指定、目的地の指定、経由地の指定、滞在時間の指定、経由地の挿入場所(経路上での順番)の指定というように、多くの指定操作を必要としている。
【0003】
これらの指定操作のうち、目的地に至るまでの経路を設定するために、ディスプレイ部の上面に透明のタッチパネルを設け、ディスプレイ部に道路地図を表示し、表示画面上の道路をなぞることによって、ユーザが通過したいと希望する経路を指定するように構成したカーナビゲーション装置が下記の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2006−308310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されたカーナビゲーション装置では、道路をトレース中の指をタッチパネルから離すことができないため、経路を指定した後でなければ経由地の指定ができないことになり、経路の途中に経由地を指定する際の操作性が悪いという問題があった。
【0005】
また、道路をトレース中の指をタッチパネルから離すことができないため、経由地周辺の施設の探索や、経由地における滞在時間を指定する際の操作性も悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、道路をトレース中の指をタッチパネルから離すことなく、経路に関連する各種の指定操作の操作性を向上させたカーナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、その表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記1点目の道路地図上の道路のトレース操作と、前記トレース操作の静止中に行われた前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出するまでの前記1点目の前記トレース操作の軌跡を経路に指定し、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した時点の前記1点目の押下地点を経由地に指定するように構成したカーナビゲーション装置である。
この構成により、経由地を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0008】
また、本発明は、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した後で、さらに、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記1点目の押下地点と前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作後の押下地点の距離を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定するカーナビゲーション装置である。
この構成により、道路をトレース中の指をタッチパネルから離さないで、滞在時間を指定することができるので、滞在時間を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明は、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した後で、さらに、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定するカーナビゲーション装置である。
この構成により、滞在時間を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0010】
また、本発明は、前記ユーザ操作受付部が複数回の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量の合計を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定するカーナビゲーション装置である。
この構成により、滞在時間を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0011】
前記ユーザ操作受付部は、前記1点目の押下地点から遠ざかる方向の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量をプラスの移動量として検出し、前記1点目の押下地点に近づく方向の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量をマイナスの移動量として検出し、
前記地図管理表示部は、前記移動量の合計を時間に換算し、得られた時間を滞在時間に指定するカーナビゲーション装置である。
この構成により、滞在時間を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明は、ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報及び施設情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報及び施設情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、その表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記1点目の道路地図上の道路のトレース操作と、そのトレース操作の静止中に行われる前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部によって、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作が検出された場合に、前記1点目の押下地点と前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作後の押下地点の距離に比例した位置に存在する前記施設の前記施設情報を前記地図データベースから読み出し、対応する前記施設の存在位置を前記道路地図上にハイライト表示するように構成したカーナビゲーション装置である。
この構成により、道路をトレース中の指をタッチパネルから離さないで、興味のある施設を経由地に指定することができるので、興味のある施設を経由地に指定する際の操作性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明は、前記地図データベースには、前記施設情報として前記施設ごとにその概要と詳細とが記憶され、
前記地図管理表示部は、前記施設の存在位置を前記道路地図上にハイライト表示したとき、前記ディスプレイ部の表示領域の一部に前記施設の概要を表示し、その表示中に前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作が解除されたとき、前記施設の概要に代えて、前記施設の詳細を表示するカーナビゲーション装置である。
この構成により、興味のある施設を経由地に指定する際の操作性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明は、ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路への押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が行われたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を前記次の経由地の直前の経由地に指定し、前記直前の経由地を含めて再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置である。
この構成により、経由地を追加指定する際の操作性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明は、ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路への押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する最寄りの経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が行われたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を前記最寄りの経由地に隣接する追加の経由地に指定し、前記追加の経由地を含めて再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置である。
この構成により、経由地を追加指定する際の操作性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明は、ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び複数の経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路に対する押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が検出されたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点に対する最寄りの前記経由地を前記次の経由地の直前の経由地に指定し、過去に探索が行われた前記経由地の順序を変更して再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置。
この構成により、第1指の移動を伴うシングルクリック操作と、第2指のダブルクリック操作によって経由地の順番を変更することができるので、経由地の順番を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0017】
また、本発明は、前記ユーザ操作受付部により、前記道路地図上の道路のトレース操作の静止中に、前記2点目のダブルクリック操作を検出する前に、前記2点目のシングルクリック操作が検出されたとき、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部による初回の前記2点目のシングルクリック操作の検出時に、前記トレース操作の静止地点に至る複数の経路候補を探索するとともに、前記複数の経路候補のうち最初に探索した前記経路候補を前記ディスプレイ部の前記道路地図上に描画し、その後に前記2点目のシングルクリック操作が検出されるごとに、前記経路候補をその探索順に順次切り替えて描画するように構成したカーナビゲーション装置である。
この構成により、操作中の1つの指をタッチパネルから離すことなく、複数の経路から適当と考えられる1つの経路を選択することができるので、経路を選択する際の操作性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明は、前記ユーザ操作受付部が、前記2点目のシングルクリック操作を検出した後で、前記2点目のダブルクリック操作を検出したとき、
地図管理表示部は、前記2点目のダブルクリック操作の直前に前記ディスプレイ部に描画された前記経路候補を経路に確定するカーナビゲーション装置である。
この構成により、経路を選択する際の操作性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明は、前記1点目の操作が第1指によって行われ、前記2点目の操作が第2指によって行われるカーナビゲーション装置である。
この構成により、経路に関連する各種の指定操作の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、道路地図を表示するディスプレイ部の上面に、複数の点に同時に触れて操作することができるマルチタッチパネルを設け、このマルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を信号処理部で検出し、この信号処理部の検出信号に基づき、マルチタッチパネルに対してトレース操作又はシングルクリック操作が行われる1点目の操作と、マルチタッチパネルに対してシングルクリック操作又は移動を伴うシングルクリック操作又はダブルクリック操作が行われる2点目の操作との組合せのいずれが実行されたかをユーザ操作受付部が検出すると、地図管理表示部が1点目の操作と2点目の操作の組合せに対してあらかじめ定めた指定操作を実行するので、経路に関連する各種の指定操作の操作性を向上させたカーナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係るカーナビゲーション装置の第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。図1に示すカーナビゲーション装置1は、液晶ディスプレイパネルなどの表示部を有するディスプレイ部2と、このディスプレイ部2の上面(同画面)に設けられ、複数の点に同時に触れて操作することができるマルチタッチパネル3と、道路地図情報及び道路に関連付けた施設情報が記憶されている地図データベース(図ではデータベースをDBと略記する)4と、この地図データベース4に記憶されている道路地図情報及び施設情報を読み出してディスプレイ部2に表示するとともに、経路探索などを行って経路や滞在地などを道路地図上に描画して表示状態を管理する地図管理表示部5と、マルチタッチパネル3に対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部6と、この信号処理部6の検出信号に基づき、1点目の操作内容と2点目の操作内容との組合せを検出して地図管理表示部5に提供するほか、ディスプレイ部2に表示された表示ボタンなどの表示状態を制御するユーザ操作受付部7とを備えている。
【0022】
上記のように構成されたカーナビゲーション装置1の動作について、ユーザが行う一般的な操作と関連付けて以下に説明する。ユーザはカーナビゲーション装置に対して、図2のフローチャートに示す手順に従って操作する。すなわち、ステップS11で出発地を指定する。続いて、ステップS12で経由地があらかじめ決まっているか否かを判断する。もし、経由地が決まっていた場合には、ステップS14でその経由地を指定する。反対に経由地が決まっていない場合には、ステップS13で経由地を検索した後、ステップS14でその経由地を設定する。その後、ステップS15で経由地における滞在時間を指定する。次に、ステップS16で目的地を指定する。これらの指定情報に基づいて誘導経路を探索した結果がディスプレイ部2に表示される。
【0023】
ディスプレイ部2に表示された探索の結果は履歴情報として記憶され、出発地及び目的地が同じ場合には次回の誘導に利用される。このとき、ユーザは経由地の追加指定や、経由地の順番変更や、他の経路を選択したりすることがある。そこで、ユーザはステップS17で経由地を追加指定したり、ステップS18で経由地の順番を変更したりする。さらに、経由地の指定や順番の変更などをしないでステップS19で別の経路を選択したりする。
【0024】
本発明の第1の実施の形態は、ステップS14で経由地を指定する際の操作性を向上させるもので、その具体的な動作について図3及び図4をも参照して以下に説明する。まず、図1に示した地図管理表示部5は地図データベース4に記憶されている道路地図情報を読み出してディスプレイ部2に表示する。図3は、ディスプレイ部2に表示された道路地図20を示すとともに、ディスプレイ部2の上面に設けられたマルチタッチパネル3を操作する指の状態を示したものである。この場合、道路地図20は、ノードとして取り扱われる分岐点21、リンクとして取り扱われる道路22を含んでいる。また、マルチタッチパネル3に対して、人の第1指31、例えば人差し指によって1点目の押下に伴う道路22のトレース操作が行われ、そのトレース操作が分岐点21の近傍で静止され、静止中に第2指32、例えば中指によって2点目の押下が行われることを示している。
【0025】
なお、マルチタッチパネル3は指に限らず、例えばタッチペンなどで操作することも可能である。しかし、本発明は指で操作することを前提にしているので、以下の各実施の形態においては、1点目を第1指、2点目を第2指として説明する。また、マルチタッチパネル3に対する操作のうち、押下中の指を道路に沿って移動させる操作を「トレース操作」、1回だけの押下を「シングルクリック操作」又は略して「シングルクリック」、押下中に移動する操作(ドラッグ・アンド・ドロップ)を「移動を伴うシングルクリック操作」又は略して「移動を伴うシングルクリック」、素早く2回続ける押下を「ダブルクリック操作」又は略して「ダブルクリック」と称する。
【0026】
図1及び図3において、ディスプレイ部2の上面に設けられたマルチタッチパネル3に対するトレース操作と、ダブルクリック操作とが行われたとき、信号処理部6は第1指31の押下と第2指32の押下とを区別して検出し、各検出信号をユーザ操作受付部7に加える。ユーザ操作受付部7は、信号処理部6から加えられた信号に基づき、マルチタッチパネル3に対してなされた操作が、第1指31の押下に伴ってなされた道路地図20上の道路22のトレース操作であり、そのトレース操作が分岐点21の近傍で静止され、さらに、静止中に第2指32のダブルクリック操作が行われたことを検出する。これによって、地図管理表示部5は、ユーザ操作受付部7が2点目のダブルクリック操作を検出するまでの第1指31のトレース操作の軌跡23を経路に指定し、ユーザ操作受付部7が第2指32のダブルクリック操作を検出した時点の第1指31の押下地点を経由地に指定して、車両誘導の経路探索を実行し、その結果をディスプレイ部2の道路地図20上に描画する。
【0027】
図4は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここでは、ステップS101において、第1指による経路の指定中に、この第1指が静止したまま押下中であることを認識する。次に、ステップS102において、第2指でダブルクリックされたか否かを判定する。ステップS102でダブルクリックされたと判定した場合には、ステップS103で第1指の押下地点を経由地に指定する。ステップS102において、ダブルクリックされていないと判定した場合にはステップS101及びステップS102の処理を繰り返す。
【0028】
このように、第1の実施の形態によれば、道路をトレース中の第1指31をマルチタッチパネル3から離さないで経由地を指定することができるので、その操作性を向上させることができる。
【0029】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態は、図2に示すユーザの操作手順中、ステップS14における経由地の指定、並びにステップS15における滞在時間の指定をするものである。この場合、カーナビゲーション装置の全体構成は図1に示したものと同一であるのでその説明を省略する。図5はディスプレイ部2に表示された道路地図20を示すとともに、第1の実施の形態で説明した経由地の指定操作の後で、経由地での滞在時間を指定するべく、第1指31で分岐点21の近傍を押下したまま、第2指32によって移動を伴うシングルクリック操作をした状態、すなわち、第2指32を第1指31の近傍で押下し、さらに、第2指32を第1指31から離隔する方向に移動する状態を示したものである。
【0030】
このように、マルチタッチパネル3に対して行われた第1指31及び第2指32の各操作が信号処理部6で区別して検出される。この信号処理部6の検出信号に基づき、ユーザ操作受付部7は、第1指31による道路22のトレース操作、このトレース操作の静止中に行われた第2指32のダブルクリック操作、その後に行われた第2指32による移動を伴うシングルクリック操作を検出する。これによって、地図管理表示部5は、第1指31のトレース操作の軌跡23を経路に指定し、第2指32のダブルクリック操作を検出した時点の第1指31の押下地点を経由地に指定し、さらに、第1指31の押下地点と第2指32の移動を伴うシングルクリック操作後の押下地点の距離を時間に換算し、得られた時間を経由地における滞在時間に指定する。そして、地図管理表示部5は指定した経路及び経由地に従って誘導経路の探索を実行し、その結果をディスプレイ部2の道路地図20上に表示し、滞在時間をディスプレイ部2の所定の部位に表示する。
【0031】
図6は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここでは、ステップS201において、第1指による経路の指定中に、この第1指が静止したまま押下中であることを認識する。次に、ステップS202において、第2指でダブルクリックされたか否かを判定する。ステップS202でダブルクリックされたと判定した場合には、ステップS203で第1指の押下地点を経由地に指定してステップS204の処理を実行する。ステップS202において、ダブルクリックされていないと判定した場合にはステップS201及びステップS202の処理を繰り返す。ステップS204においては、第2指の移動(ドラッグ)を伴うシングルクリックが行われたか否かを判定し、シングルクリックが行われた場合には、ステップS205で第1指の押下地点と第2指の押下地点の距離に比例した滞在時間を指定する。ステップS204でシングルクリックされていないと判定した場合にはステップS206で第1指が移動したか否かを判定し、第1指が移動していないと判定すればステップS204の処理に戻り、移動したと判定した場合にはステップS201の処理に戻る。
【0032】
このように、第2の実施の形態によれば、道路をトレース中の指をタッチパネルから離さないで、経由地及び滞在時間を指定することができるので、経由地及び滞在時間を指定する際の操作性を向上させることができる。
【0033】
なお、第2の実施の形態では第2指の移動を伴うシングルクリックが1回だけ行われた場合に、第1指の押下地点と第2指の移動を伴うシングル操作後の押下地点の距離に比例した滞在時間を指定したが、この代わりに、第2指の移動を伴うシングルクリック時の移動量に比例した滞在時間を設定することもできる。また、第2指の移動を伴うシングルクリックが複数回繰り返された場合、第2指の移動量の合計を滞在時間に指定することもできる。
【0034】
また、第2の実施の形態では、第2指を第1指の押下地点から遠ざかる方向に移動して移動を伴うシングルクリックを実行したが、第2指を第1指の押下地点に近づける方向に移動して移動を伴うシングルクリックを実行することも可能である。さらに、静止中の第1指の近傍から遠ざかる方向をプラスとし、静止中の第1指の近傍に近づく方向をマイナスとしてそれぞれ移動を伴うシングルクリックの移動量を加算し、得られた移動量の合計を滞在時間に指定することもできる。
【0035】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態は、図2に示すユーザの操作手順中、ステップS13における経由地を検索する際の操作性を向上させるものである。この場合、カーナビゲーション装置の全体構成は図1に示したものと同一であるのでその説明を省略し、図7及び図8をも参照してその動作を説明する。図7(a)、(b)はディスプレイ部2に表示された道路地図20を示すとともに、マルチタッチパネル3に対して、第1指31による道路22のトレース操作、そのトレース操作の静止中に第1指31の近傍で行われる第2指32による移動を伴うシングルクリック操作、並びに第1指31を静止した近傍の施設41、42、43の存在位置を道路地図20上に表示したものである。このうち、図7(a)は第2指32による移動を伴うシングルクリックの移動量が少ないL1である場合を示し、図7(b)は第2指31による移動を伴うシングルクリックの移動量が多いL2である場合を示している。その後、前述したように、第2指32によるダブルクリック操作が行われるものとする。
【0036】
マルチタッチパネル3に対して、上述した操作が行われたとき、それぞれの操作が信号処理部6で検出され、その検出信号がユーザ操作受付部7に加えられる。ユーザ操作受付部7は、信号処理部6の検出信号に基づき、第1指31による道路22上のトレース操作、第1指31によるトレース操作の静止中に行われる第2指32による移動を伴うシングルクリック操作を検出する。地図管理表示部5は、第1指31によってトレース操作が行われた道路22を経路に指定し、第2指32による移動を伴うシングルクリック操作時の移動量が多くなるに従って、第1指31の静止位置から距離的に近い施設から順に遠い施設の存在位置をハイライト表示する。例えば、第2指32による移動を伴うシングルクリック操作時の移動量が図7(a)に示すように少ないL1である場合、近い施設41の存在位置をハイライト表示する。第2指32による移動を伴うシングルクリック操作時の移動量が図7(b)に示すように多いL2である場合、遠い施設43の存在位置をハイライト表示する。もし、第2指32による移動を伴うシングルクリック操作時の移動量がL1とL2の間である場合、距離的に中間の施設42の存在位置をハイライト表示する。その後、ユーザ操作受付部7によって第2指32によるダブルクリック操作が検出されたとき、地図管理表示部5はハイライト表示中の施設を経由地に指定する。
【0037】
ここで、地図管理表示部5は、第2指32による移動を伴うシングルクリック操作時の移動量に応じた施設の存在位置をハイライト表示したとき、対応する施設の概要をディスプレイ部2の表示領域の一部に表示し、第2指32による移動を伴うシングルクリック操作が解除されたとき、施設の概要に代えて、その施設の詳細を表示する。ユーザは施設の詳細を閲覧した後で、前述した第2指32によるダブルクリック操作をすることもできる。
【0038】
図8は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここでは、ステップS301において、第1指による経路の指定中に、この第1指が静止したまま押下中であることを認識する。次に、ステップS302において、第2指の移動を伴うシングルクリックがされたか否かを判定する。ステップS302で第2指の移動を伴うシングルクリックがされたと判定した場合には、ステップS303の処理を実行し、ステップS303で第2指の移動を伴うシングルクリックがされていないと判定した場合にはステップS301及びステップS302の処理を繰り返す。ステップS303では第1指の押下地点と第2指の押下地点の距離に比例した順位の施設をハイライト表示する。次に、ステップS304において、第2指でダブルクリックがされたか否かを判定し、ダブルクリックされた場合にはステップS305においてハイライト中の施設を経由地に指定する。ステップ304において、第2指でダブルクリックされていないと判定した場合にはステップS306で第1指が移動したか否かを判定し、第1指が移動していないと判定した場合にはステップS304の処理に戻り、移動したと判定した場合にはステップS301の処理に戻る。
【0039】
このように、第3の実施の形態によれば、道路をトレース中の指をタッチパネルから離さないで、興味のある施設を経由地に指定することができるので、興味のある施設を経由地に指定する際の操作性を向上させることができる。
【0040】
なお、第3の実施の形態では、第2指の移動を伴うシングル操作時の移動距離に応じて、距離的に近い施設から順にハイライト表示したが、距離のみでなく、「お薦め度」などで順序付けることも可能である。
【0041】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態は、図2に示すユーザの操作手順中、S17で経由地を追加指定する際の操作性を向上させるものである。この場合、カーナビゲーション装置の全体構成は図1に示したものと同一であるのでその説明を省略し、図9及び図10をも参照してその動作を説明する。図9(a)、(b)は、経路及び経由地があらかじめ指定されている場合に、追加の経由地を挿入しようとする経路上に第1指31を押下してマルチタッチパネル3を操作する操作状態と、追加の経由地の存在位置まで第1指31を移動させ、そこで第2指32によりマルチタッチパネル3をダブルクリック操作する操作状態とを示している。図9(a)に示した道路地図20上には、それぞれ指定された経路51及び複数の経由地61、62、63が表示されている。そして、経由地61と62の間にもう一つの経由地64を追加指定する場合、第1指31を経由地61と62の間の経路51に押下する。そして、図9(b)に示したように、第1指31をユーザが滞在を希望する地点まで移動させ、第1指31を静止させまま第2指32によりダブルクリック操作をする。これによって、第1指31の押下地点を追加の経由地64に指定する。
【0042】
これらの操作は、ディスプレイ部2に表示された経路51への押下及びその押下位置から他へ移動する第1指31による移動を伴うシングルクリック操作と、この第1指31による移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる第2指32によるダブルクリック操作とに対応する。そして、これらの操作は、信号処理部6を介して、ユーザ操作受付部7で検出される。地図管理表示部5は、第1指31による移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地を検出し、さらに、第2指32によるダブルクリック操作が行われたとき、第1指31による移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を次の経由地の直前の経由地64に指定する。また、地図管理表示部5は、経由地61と経由地62の間に経由地64を追加して再度の経路探索を実行し、その結果をディスプレイ部2の道路地図20上に再描画する。
【0043】
図10は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここで、ステップS401であらかじめ指定されている経路及び経由地を道路地図20上に表示して、道路案内に関連する指定操作の待ち受け状態とする。そこで、マルチタッチパネル3が操作されるとステップS402で第1指で移動を伴うシングルクリックがされたか否かを判定する。ステップS402で第1指で移動を伴うシングルクリックがされたと判定した場合には、ステップS403で第1指が押下された経路地点から次の経由地を検出する。ステップS402でシングルクリックされていないと判定した場合にはステップS401の指定操作の待ち受け状態に戻る。ステップS403で次の経由地を検出した後、ステップS404で第1指が移動して第2指でダブルクリックがされたことを確認して次のステップS405の処理を実行する。ステップS405では移動した第1指の押下地点を次の経由地の直前の経由地に指定する。次に、ステップS406で再度の経路探索を行い、得られた経路及び経由地を再描画して、ステップS401の指定操作の待ち受け状態に戻る。
【0044】
このように、第4の実施の形態によれば、第1指による移動伴うシングルクリック操作と、第2指によるダブルクリック操作によって経由地を追加することができるので、経由地を追加する際の操作性を向上させることができる。
【0045】
なお、第4の実施の形態においては、過去に経路探索が行われた経由地の直前に追加の経由地を指定したが、過去に経路探索が行われた経由地の直後に追加の経由地を指定しなければならないこともある。この場合には、ユーザ操作受付部7が、ディスプレイ部2に表示された経路への押下及びその押下位置から他へ移動する第1指31による移動を伴うシングルクリック操作と、その移動後に行われる第2指32によるダブルクリック操作とを検出し、地図管理表示部5が第1指の移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する最寄りの経由地を検出し、第2指32によるダブルクリック操作が行われたとき、第1指31による移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を最寄りの経由地に隣接する追加の経由地に指定するようにすれば、過去に経路探索が行われた経由地の直後であっても経由地を追加指定することができる。
【0046】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態は、図2に示すユーザの操作手順中、ステップS17で経由地の順番を変更する際の操作性を向上させるものである。この場合、カーナビゲーション装置の全体構成は図1に示したものと同一であるのでその説明を省略し、図11及び図12をも参照してその動作を説明する。図11(a)、(b)は、経路及び複数の経由地があらかじめ指定されている場合に、順序的に後に指定されていた経由地を前に指定されていた経由地の直前に挿入するとき、順序的に前に指定されていた経由地に向かう経路上に第1指31を押下してマルチタッチパネル3を操作する操作状態と、順序的に後に指定されていた経由地の近傍まで第1指31を移動させ、そこで第2指32によりマルチタッチパネル3をダブルクリック操作する操作状態とを示している。図11(a)に示した道路地図20上には、それぞれ指定された経路51及び複数の経由地61、62、63、64が表示されている。そして、経由地62と経由地63の順序を変更する場合、第1指31を経由地61と62の間の経路51に押下する。そして、図11(b)に示したように、第1指31を経由地63の近傍位置まで移動させ、第1指31を静止させたまま第2指32によりダブルクリック操作をする。これによって、経由地62と経由地63の順序を入れ替える。
【0047】
これらの操作は、ディスプレイ部2に表示された経路51への押下及びその押下位置から経由地63の近傍位置まで移動する第1指31による移動を伴うシングルクリック操作と、この第1指31による移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる第2指32によるダブルクリック操作とに対応する。そして、これらの操作は、信号処理部6を介して、ユーザ操作受付部7で検出される。地図管理表示部5は、第1指31による移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地62を検出し、さらに、第2指32でダブルクリック操作が行われたとき、第1指31による移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点の最寄りの経由地63を、次の経由地62の直前の経由地に指定する。また、地図管理表示部5は、経由地62と経由地63の順序を変更して再度の経路探索を実行し、経路52と併せてその結果をディスプレイ部2の道路地図20上に再描画する。
【0048】
図12は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここで、ステップS501であらかじめ指定されている経路及び経由地を道路地図20上に表示して、道路案内に関連する指定操作の待ち受け状態とする。そこで、マルチタッチパネル3が操作されるとステップS502で第1指で移動を伴うシングルクリックがされたか否かを判定する。ステップS502で第1指で移動を伴うシングルクリックがされたと判定した場合には、ステップS503で第1指が押下された経路地点から次の経由地を検出する。ステップS502でシングルクリックされていないと判定した場合にはステップS501の指定操作の待ち受け状態に戻る。ステップS503で次の経由地を検出した後、ステップS504で第1指が移動して第2指でダブルクリックがされたことを確認して次のステップS505の処理を実行する。ステップS505では移動した第1指の押下地点の最寄りの経由地を、ステップS503で検出した次の経由地の直前の経由地に指定する。次に、ステップS506で再度の経路探索を行い、得られた経路及び経由地を再描画して、ステップS501の指定操作の待ち受け状態に戻る。
【0049】
このように、第5の実施の形態によれば、第1指の移動を伴うシングルクリック操作と、第2指のダブルクリック操作によって経由地の順番を変更することができるので、経由地の順番を変更する際の操作性を向上させることができる。
【0050】
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態は、図2に示すユーザの操作手順中、ステップS19で経路を選択する際の操作性を向上させるものである。この場合、カーナビゲーション装置の全体構成は図1に示したものと同一であるのでその説明を省略し、図13及び図14をも参照してその動作を説明する。図13は第1の実施の形態において、ディスプレイ部2に表示された道路地図上の道路を指でなぞって行う経路の指定中に、指が位置する現在地までの経路を順次表示し、そのうちのいずれか1つの経路に確定する例を示している。すなわち、ユーザが第1指31で道路地図上の道路22をなぞって地点71まで進行して静止した状態で、第2指をシングルクリックするごとに、順次別の道路が経路候補81、82として描画され、ユーザが最適と考える道路が描画された段階で第2指をダブルクリックすることによって、道路22を経路に確定する状態を示している。
【0051】
図13を用いて説明したように、第1指31による道路のトレース、第2指32によるシングルクリック操作、続いて行われる第2指のダブルクリック操作の各操作が信号処理部6で検出され、それらの検出信号がユーザ操作受付部7に加えられる。ユーザ操作受付部7は、道路をトレース中の第1指31が静止し、その状態で第2指32がシングルクリックされたとき、経路候補81、82、・・を探索して最初にトレースされた経路候補81を描画する。さらに、第2指がシングルクリックされるごとに、次の経路候補82、・・を描画する処理を繰り返す。そして、第2指がダブルクリックされた段階で現在地までの経路を確定する。
【0052】
図14は地図管理表示部5の具体的な処理手順を示すフローチャートである。ここで、ステップS601で経路の指定中(ドラッグ中)であることを認識し、次のステップS602で第1指が静止し、かつ、第2指がシングルクリックされたか否かを判定する。そして、第1指が静止し、かつ、第2指がシングルクリックされたと判定すれば、ステップS603の処理に進み、そうでなければステップS601の処理に戻る。ステップS603においては、経路候補を複数探索し、最初のものを描画する。次に、ステップS604で、さらに、第2指でシングルクリックされたか否かを判定し、シングルクリックされたと判定した場合には、ステップS605で次の経路候補を描画して、ステップS604の処理に戻る。一方、ステップS604でシングルクリックされていないと判定した場合には、ステップS606で第2指によりダブルクリックされたか否かを判定し、ダブルクリックされたと判定した場合には、ステップS607にて、現在の経路候補で現在地までの経路を確定してステップS601以下の処理を繰り返して実行する。ステップS606で第2指がダブルクリックされていないと判定した場合にはステップS604の処理に戻る。
【0053】
このように、第6の実施の形態によれば、操作中の1つの指をタッチパネルから離すことなく、複数の経路から適当と考えられる1つの経路を選択することができるので、経路を選択する際の操作性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、道路地図20を表示するディスプレイ部2の上面に、複数の点に同時に触れて操作することができるマルチタッチパネル3を設け、ディスプレイ部2の表示状態と、マルチタッチパネル3に対してトレース操作又は移動を伴うシングルクリック操作が行われる1点目の操作と、シングルクリック操作又はダブルクリック操作又は移動を伴うシングルクリック操作が行われる2点目の操作との組合せに応じて、地図管理表示部5があらかじめ定めた指定操作を実行するので、経路に関連する各種の指定操作の操作性を向上させたカーナビゲーション装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係るカーナビゲーション装置の第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】カーナビゲーション装置に対するユーザの一般的な操作手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第5の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第6の実施の形態において、ディスプレイ部に表示された道路地図に関連付けて、マルチタッチパネルを操作する指の状態を示した図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態における地図管理表示部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 カーナビゲーション装置
2 ディスプレイ部
3 マルチタッチパネル
4 地図データベース
5 地図管理表示部
6 信号処理部
7 ユーザ操作受付部
20 道路地図
21 分岐点
22 道路
31 第1指(1点目)
32 第2指(2点目)
41〜43 施設
51、52 経路
61〜64 経由地
71 地点
81、82 経路候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、その表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記1点目の道路地図上の道路のトレース操作と、前記トレース操作の静止中に行われた前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出するまでの前記1点目の前記トレース操作の軌跡を経路に指定し、前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した時点の前記1点目の押下地点を経由地に指定するように構成したカーナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した後で、さらに、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記1点目の押下地点と前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作後の押下地点の距離を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定する請求項1に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザ操作受付部が前記2点目のダブルクリック操作を検出した後で、さらに、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定する請求項1に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ユーザ操作受付部が複数回の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作を検出したとき、前記地図管理表示部は、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量の合計を時間に換算し、得られた時間を前記経由地における滞在時間に指定する請求項3に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項5】
前記ユーザ操作受付部は、前記1点目の押下地点から遠ざかる方向の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量をプラスの移動量として検出し、前記1点目の押下地点に近づく方向の前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動量をマイナスの移動量として検出し、
前記地図管理表示部は、前記移動量の合計を時間に換算し、得られた時間を滞在時間に指定する請求項4に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項6】
ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報及び施設情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報及び施設情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、その表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記1点目の道路地図上の道路のトレース操作と、そのトレース操作の静止中に行われる前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部によって、前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作が検出された場合に、前記1点目の押下地点と前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作後の押下地点の距離に比例した位置に存在する前記施設の前記施設情報を前記地図データベースから読み出し、対応する前記施設の存在位置を前記道路地図上にハイライト表示するように構成したカーナビゲーション装置。
【請求項7】
前記地図データベースには、前記施設情報として前記施設ごとにその概要と詳細とが記憶され、
前記地図管理表示部は、前記施設の存在位置を前記道路地図上にハイライト表示したとき、前記ディスプレイ部の表示領域の一部に前記施設の概要を表示し、その表示中に前記2点目の移動を伴うシングルクリック操作が解除されたとき、前記施設の概要に代えて、前記施設の詳細を表示する請求項6に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項8】
ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路への押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が行われたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を前記次の経由地の直前の経由地に指定し、前記直前の経由地を含めて再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置。
【請求項9】
ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路への押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する最寄りの経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が行われたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点を前記最寄りの経由地に隣接する追加の経由地に指定し、前記追加の経由地を含めて再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置。
【請求項10】
ディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部の上面に設けられたマルチタッチパネルと、
道路地図情報が記憶されている地図データベースと、
前記地図データベースに記憶されている前記道路地図情報を読み出して前記ディスプレイ部に表示するとともに、過去に経路探索が行われた経路及び複数の経由地の情報を記憶し、前記経路及び前記経由地を前記道路地図上に描画し、かつ、前記ディスプレイ部の表示状態を管理する地図管理表示部と、
前記マルチタッチパネルに対する1点目及び2点目の各操作を区別して検出する信号処理部と、
前記信号処理部の検出信号に基づき、前記ディスプレイ部に表示された前記経路に対する押下及びその押下位置から他へ移動する前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作と、前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作の移動後に行われる前記2点目のダブルクリック操作とを検出するユーザ操作受付部とを備え、
前記地図管理表示部は、前記1点目の移動操作を伴うシングルクリック操作で押下された経路地点に対する次の経由地を検出し、前記2点目のダブルクリック操作が検出されたとき、前記1点目の移動を伴うシングルクリック操作の移動後の押下地点に対する最寄りの前記経由地を前記次の経由地の直前の経由地に指定し、過去に探索が行われた前記経由地の順序を変更して再度の経路探索と、前記経路及び前記経由地の再描画とを実行するように構成したカーナビゲーション装置。
【請求項11】
前記ユーザ操作受付部により、前記道路地図上の道路のトレース操作の静止中に、前記2点目のダブルクリック操作を検出する前に、前記2点目のシングルクリック操作が検出されたとき、
前記地図管理表示部は、前記ユーザ操作受付部による初回の前記2点目のシングルクリック操作の検出時に、前記トレース操作の静止地点に至る複数の経路候補を探索するとともに、前記複数の経路候補のうち最初に探索した前記経路候補を前記ディスプレイ部の前記道路地図上に描画し、その後に前記2点目のシングルクリック操作が検出されるごとに、前記経路候補をその探索順に順次切り替えて描画するように構成した請求項1に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項12】
前記ユーザ操作受付部が、前記2点目のシングルクリック操作を検出した後で、前記2点目のダブルクリック操作を検出したとき、
地図管理表示部は、前記2点目のダブルクリック操作の直前に前記ディスプレイ部に描画された前記経路候補を経路に確定する請求項11に記載のカーナビゲーション装置。
【請求項13】
前記1点目の操作が第1指によって行われ、前記2点目の操作が第2指によって行われる請求項1から12のいずれか1つに記載のカーナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−48661(P2010−48661A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212851(P2008−212851)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(598051071)株式会社 モバイルメディアネット (2)
【Fターム(参考)】