説明

キナーゼ阻害薬化合物

ピリジン及びピリダジン誘導体は、タンパク質キナーゼの阻害薬としての予想外の薬物特性を有し、癌等のタンパク質キナーゼの異常活性に関連する障害の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、共に2007年1月19日に出願された米国特許出願第60/881,791号、及び第60/881,792号の利益を主張するものである。この両出願の内容は、その全体が、参照することで本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の技術分野
本発明は、新規なピリジン及びピリダジン誘導体、それらの塩、溶媒和物、水和物、並びに多形体に関する。本発明は、さらに、本発明の化合物を含む組成物、並びにタンパク質キナーゼの調節に関連する疾患及び状態を治療する方法におけるそのような組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
タンパク質キナーゼは、タンパク質のチロシン、セリン、及びスレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素である。細胞の一生の多くの局面(例えば、細胞成長、分化、増殖、細胞周期、及び生存)は、タンパク質キナーゼ活性に依存している。さらに、タンパク質キナーゼの異常活性は、癌及び炎症等の数多くの障害と関連付けられてきた。従って、タンパク質キナーゼ活性を調節する方法の識別に対して、非常に多くの労力が向けられてきた。特に、タンパク質キナーゼ阻害薬として作用する小分子を識別する多くの試みが実施されてきた。
【0004】
c‐Met癌原遺伝子は、Met受容体チロシンキナーゼをコードする。Met受容体は、145kDaのベータ鎖とジスルフィド結合した50kDaのアルファ鎖から成る、190kDaのグリコシル化二量体複合体である。アルファ鎖は、細胞外に存在するが、一方、ベータ鎖は、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを含む。Metは、前駆体として合成され、タンパク質分解によって開裂して成熟アルファサブユニット及びベータサブユニットが生成する。細胞‐細胞相互作用に関与するリガンド‐受容体ファミリーであるセマフォリン及びプレキシンとの構造的な類似性を示す。Metに対するリガンドは、分散因子ファミリーのメンバーである肝細胞増殖因子(HGF)であり、プラスミノーゲンに対するある程度の相同性を有する[Longati,P. et al.,Curr.Drug Targets 2001,2,41‐55); Trusolino,L.and Comoglio,P.Nature Rev.Cancer 2002,2,289‐300]。
【0005】
Metは、腫瘍形成及び腫瘍転移において機能する。MetがそのリガンドであるHGFと共に発現することは、形質転換性であり、腫瘍原性であり、転移性である(Jeffers,M.et al.,Oncogene 1996,13,853‐856; Michieli,P.et al.,Oncogene 1999,18,5221‐5231)。METは、著しい割合のヒトの癌において過剰発現され、原発性腫瘍から転移への移行の間に増幅される。数多くの研究において、c‐MET及び/又はHGF/SFの発現と、異なる種類の癌(肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、脳癌、腎臓癌、卵巣癌、胃癌、皮膚癌、及び骨癌を含む)の疾患進行の状態とが関連付けられている。さらに、c‐MET又はHGFの過剰発現が、肺癌、肝臓癌、胃癌、及び乳癌を含む数多くの主要なヒトの癌における不良な予後及び疾患経過と相関関係を有することが示されてきた。c‐METは、膵臓癌、グリオーマ、及び肝細胞癌等の効果的な治療計画のない癌とも直接関連付けられてきた。
【0006】
キナーゼ活性を高めるMet変異体が、遺伝性及び散発性の両方の形態の乳頭状腎癌で識別された(Schmidt,L. et al.,Nat.Genet.1997,16,68‐73; Jeffers,M.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.1997,94,11445‐11500)。HGF/Metは、頭頚部扁平上皮癌細胞にて、浮遊誘発(suspension‐induced)プログラム細胞死(アポトーシス)であるアノイキスを阻害することが示された。アノイキス耐性、又は足場非依存性生存は、上皮細胞の癌化の特徴である(Zeng,Q.et al.,J.Biol.Chem.2002,277,25203‐25208)。
【0007】
Met/HGFの発現の上昇は、結腸癌(Fazekas,K.et al.,Clin.Exp.Metastasis 2000,18,639‐649)、乳癌(Elliott,B.E.et al.,2002,Can.J.Physiol.Pharmacol.80,91‐102)、前立腺癌(Knudsen,B.S.et al.,Urology 2002,60,1113‐1117)、肺癌(Siegfried,J.M.et al.,Ann.Thorac.Surg.1998,66,1915‐1918)、及び胃癌(Amemiya,H.et al.,Oncology 2002,63,286‐296)を含む多くの転移性腫瘍で見られる。HGF‐Metシグナル伝達は、アテローム性動脈硬化のリスクの増加(Yamamoto,Y.et al.,J.Hypertens.2001,19,1975‐1979; Morishita,R.et al.,Endocr.J.2002,49,273‐284)、及び肺の線維症の増加(Crestani,B.et al.,Lab.Invest.2002,82,1015‐1022)とも関連付けられている。
【0008】
PF‐2341066等の2‐アミノ‐ピリジン類は、HGF受容体チロシンキナーゼ(c‐Met)の強力な阻害薬として報告されている(J.G.Christensen,et al. Abstract LB‐271,AACR 2006 meeting; H.Y.Zou et al. Cancer Res 2007;67:4408; 特許開示:国際公開第2004076412号,国際公開第2006021881号,国際公開第2006021886号)。
【0009】
【化1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
キナーゼが媒介する疾患に対する治療オプションにおいて、依然として満たされていない要求が存在することから、疾患、障害、又はその症状の治療及び予防に取り組むための新規な、別の選択肢としての手法を作り出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明は、ピリジン及びピリダジン誘導体化合物、その化合物を含む組成物、並びにその化合物及び化合物組成物を用いる方法に関する。この化合物及びそれを含む組成物は、タンパク質キナーゼ調節活性によって媒介される若しくはそれと関連するものを含む疾患又は疾患の症状の治療、又は予防に有用である。
【0012】
本発明は、上述の問題点を、式I又はIIの単離された化合物:
【化2】

若しくはその塩;又はそのプロドラッグ、若しくはそのプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体、を提供することによって解決し;
ここで:
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり;
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアミドであり;
は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、又はアルキルアミノであり;
は、水素又はCHであり;
は、水素、NH、又はCHであり;
及びZは、各々、独立して、ハロゲン、CN、NO、OR15、SR15、S(O)OR15、NR1516、C‐Cパーフルオロアルキル、C‐Cパーフルオロアルコキシ、1,2‐メチレンジオキシ、C(O)OR15、C(O)NR1516、OC(O)NR1516、NR15C(O)NR1516、C(NR16)NR1516、NR15C(NR16)NR1516、S(O)NR1516、R17、C(O)R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)17、R16、オキソ、C(O)R16、C(O)(CHOH、(CHOR15、(CHC(O)NR1516、NR15S(O)17であって、ここで、nは、独立して、0乃至6のこれらを含む数であり;
15は、各々、独立して、水素、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキルであり;
16は、各々、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;
17は、各々、独立して、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;並びに、
Xは、N又はCRである。
【0013】
本発明の化合物、及びそれを含む組成物は、タンパク質キナーゼによって調節される(protein kinase modulated)疾患、障害、若しくはそれらの症状、すなわち、c‐met及びronを例とするタンパク質キナーゼの阻害薬によって効果的に治療される障害の治療、又はその重症度の軽減に有用である。
【0014】
別の態様では、本発明は、疾患又は疾患の症状の治療を、それを必要とする対象に施す方法に関し、その対象に、本明細書のいずれかの式の化合物、又はその医薬塩、溶媒和物、若しくは水和物(又は、その組成物)を効果量投与する工程を含む。疾患又は疾患の症状は、タンパク質キナーゼ(例;c‐met、ron)によって調節されるものであればいずれであってもよい。疾患又は疾患の症状は、例えば、癌、又は増殖性疾患若しくは障害(例:本明細書にて示すものを含む)であってよい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
定義
「改善」及び「治療」という用語は、交換可能に使用され、両語共に、疾患(例:本明細書で示す疾患または障害)の発症若しくは進行の低下、抑制、減衰、減少、停止、又は安定化を意味する。
【0016】
「疾患」とは、細胞、組織、若しくは臓器の正常機能に障害を与える、又はこれに干渉するいずれの状態、又は障害をも意味する。
【0017】
「マーカー」とは、疾患又は障害と関連するいずれの変化をも意味する。例えば、疾患若しくは障害と関連する発現レベル又は活性に変化を有するいずれかのタンパク質、又はポリヌクレオチドである。
【0018】
本開示において、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(containing)」、及び「有する(having)」等は、米国特許法にてこれらに帰するとみなされる意味を持つことができ、「含む(includes)」、及び「含む(including)」等を意味することができ;「実質的に構成される(consisting essentially of)」、又は「実質的に構成される(consists essentially)」等は、米国特許法にてこれらに帰するとみなされる意味を持ち、この語は制限なく用いられ、列挙したものの基本的な又は新規な特性が、列挙した以外のものの存在によって変化しない限りにおいて、列挙した以外のものの存在も可能であるが、先行技術の実施形態は除く。
【0019】
本明細書で用いる「化合物」という用語は、本明細書の式の化合物の塩、プロドラッグ、及びプロドラッグの塩を含むことも意図している。この用語は、前述のいずれかの溶媒和物、水和物、及び多形体のいずれをも含む。本出願で説明する本発明の特定の態様における「プロドラッグ」、「プロドラッグの塩」、「溶媒和物」、「水和物」、又は「多形体」の具体的な列挙は、「化合物」という用語がこれらの他の形態の列挙なしに用いられる本発明のその他の態様にて、これらの形態を意図的に省略していると解釈してはならない。
【0020】
本発明の化合物の塩は、酸とアミノ官能基等のこの化合物の塩基性基との間で形成されるか、又は塩基とカルボキシル官能基等のこの化合物の酸性基との間で形成される。別の好適な実施形態によると、この化合物は、薬理学的に許容される酸付加塩である。
【0021】
本明細書で用いる「プロドラッグ」という用語は、特に断りのない限り、生物学的条件下(インビトロ若しくはインビボ)にて加水分解、酸化、又は別の反応を起こして、本発明の化合物を提供することができる化合物の誘導体を意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でのそのような反応によってのみ活性となってもよく、又は未反応の形態で活性を有していてもよい。本発明で意図するプロドラッグの例としては、これらに限定されないが、本明細書で開示する式のいずれか一つの化合物の類似体又は誘導体であって、アミド、エステル、カルバメート、カーボネート、及びホスフェート類似体等の生加水分解性部分を含むものが挙げられる。プロドラッグは、通常、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery (1995) 172‐178,949‐982 (Manfred E.Wolff ed.,5th ed)に記載のもの等の公知の方法を用いて作製することができ;Goodman and Gilman’s,The Pharmacological basis of Therapeutics,8th ed.,McGraw‐Hill,Int.Ed.1992,”Biotransformation of Drugs”、も参照されたい。
【0022】
本明細書で用いる「生加水分解性部分」という用語は、特に断りのない限り:1)化合物の生物学的活性を損なうことなく、取り込み、作用の持続時間、若しくは作用の開始等のインビボでの有利な特性を化合物に付与するか;又は、2)それ自体は生物学的に不活性だが、インビボで生物学的に活性な化合物へと変換される、官能基(例:アミド、エステル、カルバメート、カーボネート、若しくはホスフェート類似体)を意味する。
【0023】
プロドラッグの塩は、酸と、アミノ官能基等のプロドラッグの塩基性基との間で、又は、塩基と、カルボキシル官能基等のプロドラッグの酸性基との間で形成される化合物である。一つの実施形態では、プロドラッグの塩は、薬理学的に許容される塩である。
【0024】
特に好ましいプロドラッグ及びプロドラッグの塩は、そのような化合物が哺乳類に投与された場合に、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを高める(例:経口投与された化合物の血液中への吸収をより容易にすることによる)ものであり、又は、親化学種と比較して、生物学的区画(例:脳、又は中枢神経系)への親化合物の送達を促進するものである。好ましいプロドラッグとしては、水溶性、若しくは腸膜を通しての能動的な輸送を促進する基が、本明細書で述べる式の構造に付与されている誘導体が挙げられる。例えば、Alexander,J.et al.Journal of Medicinal Chemistry 1988,31,318‐322;Bundgaard,H.Design of Prodrugs;Elsevier:Amsterdam,1985;pp 1‐92;Bundgaard,H.;Nielsen,N.M.Journal of Medicinal Chemistry 1987,30,451‐454;Bundgaard,H.A Textbook of Drug Design and Development;Harwood Academic Publ.:Switzerland,1991;pp 113‐191;Digenis,G.A.et al.Handbook of Experimental Pharmacology 1975,28,86‐112;Friis,G.J.;Bundgaard,H.A Textbook of Drug Design and Development;2 ed.;Overseas Publ.:Amsterdam,1996;pp 351‐385;Pitman,I.H.Medicinal Research Reviews 1981,1,189‐214、を参照されたい。
【0025】
本明細書で用いる「薬理学的に許容される」という用語は、確実な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、及びアレルギー反応等を引き起こすことなく、ヒト及びその他の哺乳類の組織との接触への使用に適し、適切なリスク対効果比に相応する成分を意味する。「薬理学的に許容される塩」とは、レシピエントへ投与した際、直接に若しくは間接的に、本発明の化合物又は化合物のプロドラッグを提供することができるいずれの無毒性の塩をも意味する。
【0026】
薬理学的に許容される塩の形成に一般的に用いられる酸としては、二硫化水素、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、及びリン酸等の無機酸、並びにパラトルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、ビ酒石酸(bitartaric acid)、アスコルビン酸、マレイン酸、ベシル酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、ギ酸、グルタミン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、乳酸、シュウ酸、パラ‐ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、及び酢酸等の有機酸、並びに関連する無機及び有機酸が挙げられる。そのような薬理学的に許容される塩としては、従って、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン‐1,4‐ジオエート、ヘキシン‐1,6‐ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、β‐ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン‐1‐スルホン酸塩、ナフタレン‐2‐スルホン酸塩、及びマンデル酸塩等の塩が挙げられる。好ましい薬理学的に許容される酸付加塩としては、塩酸及び臭化水素酸等の鉱酸と共に形成される塩、及び、特に、マレイン酸等の有機酸と共に形成される塩が挙げられる。
【0027】
本発明のプロドラッグの酸性官能基と共に薬理学的に許容される塩を形成するのに適する塩基としては、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属の水酸化物;カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウム及び亜鉛等のその他の金属の水酸化物;アンモニア、及び無置換若しくはヒドロキシ置換モノ‐、ジ‐、又はトリアルキルアミン等の有機アミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N‐メチル,N‐エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ‐、ビス‐、若しくはトリス‐(2‐ヒドロキシエチル)アミン、2‐ヒドロキシ‐tert‐ブチルアミン、又はトリス‐(ヒドロキシメチル)メチルアミン等のモノ‐、ビス‐、若しくはトリス‐(2‐ヒドロキシ‐低級アルキルアミン)、N,N‐ジメチル‐N‐(2‐ヒドロキシエチル)アミン、又はトリ‐(2‐ヒドロキシエチル)アミン等のN,N‐ジ‐低級アルキル‐N‐(ヒドロキシ‐低級アルキル)アミン;N‐メチル‐D‐グルカミン;並びに、アルギニン、及びリジン等のアミノ酸が挙げられる。
【0028】
本明細書で用いる「水和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合した、化学量論量、又は非化学量論量の水をさらに含む化合物を意味する。
【0029】
本明細書で用いる「溶媒和物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合した、化学量論量、又は非化学量論量の水、アセトン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、又は2‐プロパノール等の溶媒をさらに含む化合物を意味する。
【0030】
本明細書で用いる「多形体」という用語は、化合物又はその複合体の固体結晶形態を意味し、例えば、X線粉末回折パターン又は赤外線分光分析等の物理的な方法によって同定することができる。同一化合物の異なる多形体は、異なる物理的、化学的、及び/又は分光学的特性を示し得る。異なる物理的特性としては、これらに限定されないが、安定性(例:熱、光、又は水分に対して)、圧縮性及び密度(製剤及び製品の製造において重要)、吸湿性、溶解性、並びに溶解速度(バイオアベイラビリティに影響し得る)が挙げられる。安定性の差異は、化学的反応性(例:ある多形体から構成された場合の方が、別の多形体から構成された場合よりも剤形の変色が早い等の、酸化の違い)、又は機械的特徴(
例:動力学的に有利である多形体が熱力学的により安定な多形体に変換されるにつれて、保存中に錠剤が崩壊する)、又はその両方(例:ある多形体の錠剤は、高湿度においてより崩壊を起こしやすい)の変化の結果生じ得る。多形体の異なる物理的特性は、その加工に影響を及ぼし得る。例えば粒子の形状又はサイズ分布のために、一方の多形体は、他方よりも溶媒和物を形成しやすい、又は、ろ過若しくは洗浄で不純物取り除くことがより難しい、等が例えば考えられる。
【0031】
本明細書で用いる「実質的にその他の立体異性体を含まない」という用語は、その他の立体異性体が25%未満、好ましくはその他の立体異性体が10%未満、より好ましくはその他の立体異性体が5%未満、及び最も好ましくはその他の立体異性体が2%未満、又はその他の立体異性体が「X」%未満(ここで、Xは、0と100の間のこれらを含む数字である)存在することを意味する。ジアステレオマーを得る、又は合成する方法は、本技術分野にて公知であり、適宜、最終化合物、又は出発物質、又は中間体に適用することができる。他の実施形態は、化合物が単離された化合物であるものである。本明細書で用いる「少なくともX%にエナンチオマー濃度を高めた」という用語は、化合物の少なくともX%が、単一のエナンチオマーの形態であることを意味し、ここで、Xは、0と100の間のこれらを含む数字である。
【0032】
本明細書で用いる「安定な化合物」という用語は、製造を可能にする程十分な安定性を有し、本明細書で詳述する目的(例:治療製品への製剤化、治療化合物の作製に用いる中間体、単離可能若しくは保存可能な中間体化合物、治療薬に反応する疾患若しくは状態の治療)に対して有用である程十分な時間の間、化合物の完全性を維持する化合物を意味する。
【0033】
「立体異性体」とは、エナンチオマー及びジアステレオマーの両方を意味する。
【0034】
本明細書で用いる「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素のラジカルのいずれをも意味する。
【0035】
「アルキル(alk)」又は「アルキル」という用語は、1乃至12個の炭素原子、好ましくは1乃至8個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐鎖炭化水素基を意味する。「低級アルキル」という表現は、1乃至4個の炭素原子(これらの数字を含む)のアルキル基を意味する。「アリールアルキル」という用語は、アルキルの水素原子がアリール基で置換された部分を意味する。「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の二重結合を持つ、2乃至10個、好ましくは2乃至4個の炭素原子の直鎖若しくは分岐鎖炭化水素基を意味する。アルケニル基が窒素原子と結合している場合、そのような基は、二重結合を有する炭素を介して直接結合しないことが好ましい。
【0036】
「アルコキシ」という用語は、‐O‐アルキルラジカルを意味する。「アルキレンジオキソ」という用語は、構造が‐O‐R‐O‐である二価の化学種を意味し、ここで、Rは、アルキレンを表す。
【0037】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の三重結合を持つ、2乃至10個、好ましくは2乃至4個の炭素原子の直鎖若しくは分岐鎖炭化水素基を意味する。アルキニル基が窒素原子と結合している場合、そのような基は、三重結合を有する炭素を介して直接結合しないことが好ましい。
【0038】
「アルキレン」という用語は、一重結合で連結された1乃至5個の炭素原子の二価の直鎖ブリッジを意味し(例:‐(CH‐、ここで、xは1乃至5)、1乃至3個の低級アルキル基で置換されていてもよい。
【0039】
「アルケニレン」という用語は、1若しくは2個の二重結合を有し、一重結合で連結され、1乃至3個の低級アルキル基で置換されていてもよい、2乃至5個の炭素原子の直鎖ブリッジを意味する。典型的なアルケニレン基は、CH=CH‐CH=CH‐、‐CH‐CH=CH‐、‐CH‐CH=CH‐CH‐、‐C(CHCH=CH‐、及び‐CH(C)‐CH=CH‐である。
【0040】
「アルキニレン」という用語は、三重結合を有し、一重結合で連結され、1乃至3個の低級アルキル基で置換されていてもよい、2乃至5個の炭素原子の直鎖ブリッジを意味する。典型的なアルキニレン基は、‐C≡C‐、‐CH‐C≡C‐、‐CH(CH)C≡C‐、及び‐C≡C‐CH(C)CH‐である。
【0041】
本明細書で用いられる「シクロアルキル」、及び「シクロアルケニル」という用語は、3乃至12個の炭素、好ましくは3乃至8個の炭素、より好ましくは3乃至6個の炭素を有する、それぞれ、飽和、及び部分不飽和の環状炭化水素基を含む。
【0042】
「アリール(Ar)」又は「アリール」という用語は、6乃至14個の炭素原子を含む、芳香族環状基(例えば、6員環の単環式、10員環の二環式、又は14員環の三環式)を意味する。典型的なアリール基としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、及びアントラセンが挙げられる。
【0043】
「ヘテロアリール」は、N、O、若しくはSから選択される環上へテロ原子を1、2、3、又は4個含む環上原子が5乃至12個であり、残りの環上原子がCであり、さらに、完全に共役したパイ‐電子系を有する、単環又は縮合環(すなわち、隣接する原子の対を共有する環)基を意味し、ここで、各環の0、1、2、3、又は4個の原子は、置換基によって置換されていてもよい。ヘテロアリール基の限定されない例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、キナゾリン、イソキノリン、プリン、及びカルバゾールである。
【0044】
「ヘテロ環」、「ヘテロ環の(heterocyclic)」、又は「ヘテロ環の(heterocyclo)」の用語は、例えば、3乃至7員環の単環式、7乃至12員環の二環式、又は10乃至15員環の三環式であって、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環上に有する、完全飽和、又は部分飽和環状基を意味し、ここで、各環の0、1、2、又は3個の原子は、置換基で置換されていてもよい。ヘテロ環基のヘテロ原子を含む各環は、窒素原子、酸素原子、及び/又は硫黄原子から選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有していてよく、ここで、窒素及び硫黄へテロ原子は、任意に、酸化されていてもよく、窒素へテロ原子は、任意に、四級化されていてもよい。ヘテロ環基は、環若しくは環系のいずれのヘテロ原子又は炭素原子で結合していてもよい。
【0045】
「ヘテロシクリル」という用語は、例えば、3乃至7員環の単環式、7乃至12員環の二環式、又は10乃至15員環の三環式であって、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環上に有する、完全飽和、又は部分飽和環状基を意味し、ここで、各環の0、1、2、又は3個の原子は、置換基で置換されていてもよい。ヘテロシクリル基のヘテロ原子を含む各環は、窒素原子、酸素原子、及び/又は硫黄原子から選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を有していてよく、ここで、窒素及び硫黄へテロ原子は、任意に、酸化されていてもよく、窒素へテロ原子は、任意に、四級化されていてもよい。ヘテロシクリル基は、環若しくは環系のいずれのヘテロ原子又は炭素原子で結合していてもよい。
【0046】
「置換基」という用語は、本明細書で示すいずれかの官能基上で「置換される」基を意味し、例えば、その基のいずれかの原子上の、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクリル、又はヘテロアリール基である。適切な置換基としては、これらに限定されないが、ハロゲン、CN、NO、OR15、SR15、S(O)OR15、NR1516、C‐Cパーフルオロアルキル、C‐Cパーフルオロアルコキシ、1,2‐メチレンジオキシ、C(O)OR15、C(O)NR1516、OC(O)NR1516、NR15C(O)NR1516、C(NR16)NR1516、NR15C(NR16)NR1516、S(O)NR1516、R17、C(O)R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)17、R16、オキソ、C(O)R16、C(O)(CHOH、(CHOR15、(CHC(O)NR1516、NR15S(O)17が挙げられ、ここで、nは、独立して0乃至6のこれらを含む数字である。R15は、各々、独立して、水素、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキルである。R16は、各々、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルである。R17は、各々、独立して、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルである。各R15、R16、及びR17のC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、及びC‐Cアルキルは、各々、任意に、ハロゲン、CN、C‐Cアルキル、OH、C‐Cアルコキシ、NH、C‐Cアルキルアミノ、C‐Cジアルキルアミノ、C‐Cパーフルオロアルキル、C‐Cパーフルオロアルコキシ、又は1,2‐メチレンジオキシで置換されていてもよい。
【0047】
「オキソ」という用語は、炭素と結合した場合にカルボニルを形成し、窒素と結合した場合にN‐オキシドを形成し、硫黄と結合した場合にスルホキシド又はスルホンを形成する酸素原子を意味する。
【0048】
「アシル」という用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、又はヘテロアリールカルボニル置換基を意味し、これらはいずれも、置換基でさらに置換されていてもよい。
【0049】
本明細書における可変部のいずれの定義における化学基の列挙も、列挙した基のいずれかの単一の基又はそれらの組み合わせとしてのその可変部の定義を含む。本明細書における可変部に対する実施形態の列挙は、いずれかの単一の実施形態としての、又はその他のいずれかの実施形態若しくはその一部分との組み合わせとしての実施形態を含む。
【0050】
本発明の化合物は、1若しくは2個以上の不斉中心を含むことができ、従って、ラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、個々のジアステレオマー、並びにジアステレオマー混合物として存在することができる。これらの化合物のそのような異性体の形態はすべて、本発明に明確に含まれる。本発明の化合物は、複数の互変異性の形態として表すこともでき、そのような場合、本発明は、本明細書で述べる化合物のすべての互変異性の形態を明確に含む。このような化合物のこのようなすべての異性体の形態は、本発明に明確に含まれる。本明細書で述べる化合物の結晶の形態はすべて、本発明に明確に含まれる。
【0051】
本発明は、式I又はIIの化合物:
【化3】

若しくはその塩;又はそのプロドラッグ、若しくはそのプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体、を提供し;
ここで:
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり;
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアミドであり;
は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、又はアルキルアミノであり;
は、水素又はCHであり;
は、水素、NH、又はCHであり;
及びZは、各々、独立して、ハロゲン、CN、NO、OR15、SR15、S(O)OR15、NR1516、C‐Cパーフルオロアルキル、C‐Cパーフルオロアルコキシ、1,2‐メチレンジオキシ、C(O)OR15、C(O)NR1516、OC(O)NR1516、NR15C(O)NR1516、C(NR16)NR1516、NR15C(NR16)NR1516、S(O)NR1516、R17、C(O)R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)17、R16、オキソ、C(O)R16、C(O)(CHOH、(CHOR15、(CHC(O)NR1516、NR15S(O)17であって、ここで、nは、独立して、0乃至6のこれらを含む数であり;
15は、各々、独立して、水素、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキルであり;
16は、各々、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;
17は、各々、独立して、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;並びに、
Xは、N又はCRである。
【0052】
別の態様では、化合物は、式IIIの単離された化合物:
【化4】

若しくはその塩;又はそのプロドラッグ、若しくはそのプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体であり;
ここで:
は、任意に置換されていてもよい、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり;
は、任意に置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、又はアルキルアミノである。
【0053】
別の態様では、化合物は、式(III)で定めた可変部を有する式(IIIc)の単離された化合物である。
【化5】

【0054】
別の態様では、化合物は、式IVの単離された化合物:
【化6】

若しくはその塩;又はそのプロドラッグ、若しくはそのプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体であり;
ここで:
は、任意に置換されていてもよい、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり;
は、任意に置換されていてもよい、アリール又はヘテロアリールであり;
は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルアミノであり;及び、
は、NHである。
【0055】
別の態様では、化合物は、式(IV)で定めた可変部を有する式(IVc)の単離された化合物である。
【化7】

【0056】
別の態様では、化合物は、本明細書のいずれかの式の単離された化合物であり(例:式I又はII)、ここで、Rは、任意に置換されていてもよいアリール(C1‐3)アルキル又はヘテロアリール(C1‐3)アルキルである。
【0057】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、アリールアルキルである。
【0058】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、置換されたアリールアルキルである。
【0059】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、トリハロ置換アリールアルキルである。
【0060】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロフェニル)‐エチルである。
【0061】
一つの態様では、化合物は、式(I)又は(II)で定めた可変部を有する式(Ia)又は(IIa)である。
【化8】

【0062】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、任意に置換されていてもよいアリールであり;別の態様では、アリールは、フェニルである。
【0063】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、任意に1乃至2個の独立したZで置換されていてもよいアミドである。
【0064】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、任意に1乃至4個の独立したZで置換されていてもよいヘテロ環である。
【0065】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、ヘテロシクリルカルボニル置換アリールであり;別の態様では、アリールは、フェニルである。別の態様では、前述のヘテロシクリルカルボニルは、任意に置換されていてもよい。別の態様では、前述のヘテロシクリルカルボニルは、モロホリニル、ピラニル、ピペラジニル、又はピペリジニルである。
【0066】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、任意に置換されていてもよいヘテロアリールであり;別の態様では、ヘテロアリールは、ピラゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルである。
【0067】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、ヘテロシクリルで置換されたヘテロアリールであり;別の態様では、ヘテロアリールは、ピラゾリル、ピリジニル、又はピリミジニルである。
【0068】
一つの態様では、化合物は、本明細書の式のいずれかであり、ここで、Rは、Hである。
【0069】
一つの態様では、化合物は、表1の化合物である。
【0070】
一つの態様では、化合物は、表2の化合物である。
【0071】
本発明の代表的な化合物を表1及び表2に示す。これらの例では、キラル炭素原子での立体化学は、独立して、RS、R、又はSである。表1の構造を含む本明細書で示す構造は、いくつかの‐NH‐、‐NH(アミノ)、及び‐OH(ヒドロキシ)基を含んでよく、ここで、対応する水素原子は明示していないが;しかし、場合によっては、‐NH‐、‐NH、又は‐OHと見なすべきである。特定の構造では、棒状の結合が描かれており、メチル基を示すことを意図している。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
本発明の代表的な化合物を以下に列挙する:
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐メタノン;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノン;
4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N‐(2‐ジエチルアミノ‐エチル)‐ベンズアミド;
4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N,N‐ジメチル‐ベンズアミド;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐ピリミジン‐5‐イル‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリジン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(6‐モルホリン‐4‐イル‐ピリジン‐3‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[6‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐ピリジン‐3‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[4‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐フェニル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐ピロリジン‐1‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン塩酸塩;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノン塩酸塩;
[1,4]ジアゼパン‐1‐イル‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐メタノン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐6’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,3’]ビピリジニル;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐フラン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐エタノール;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐2‐メチル‐ピリジン;
5’‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6’‐メチル‐[3,3’]ビピリジニル‐5‐カルボン酸ジメチルアミド;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イルメチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐2’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,4’]ビピリジニル;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐N,N‐ジメチル‐アセタミド;
5‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐1,3‐ジヒドロ‐インドール‐2‐オン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐{1‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イル]‐1H‐ピラゾール‐4‐イル}‐2‐メチル‐ピリジン;
2‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐エタノール;
4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐カルボン酸ジメチルアミド;
1‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐2‐ヒドロキシ‐エタノン;
4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐カルボン酸ジメチルアミド;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オール;
4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジン;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐カルボン酸ジメチルアミド;
{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐イル}‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐4‐イルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸メチルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐アミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐3‐イルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリミジン‐5‐イルアミド。
【0075】
本明細書の式の化合物(例:式I及びII)の合成は、当業者である合成化学者によって容易に実施することができる。該当する手順及び中間体を、例えば本明細書に開示している。本明細書で参照する特許、特許出願、及び刊行物の各々は、従来のジャーナルの形であれ、又はインターネットでのみ入手可能なものであれ、その全体が参照することで本明細書に組み入れられる。
【0076】
本明細書の式の化合物(例:式I又はII)を合成するためのその他の手法は、本明細書で引用する参考文献から容易に適用することができる。このような手順の変形、及び最適化は、当業者の技術の範囲内である。
【0077】
上記で示す具体的な手法及び化合物は、限定することを意図するものではない。本明細書のスキームの化学構造は、同一の可変部名(例:R、R、R、R’、X、等)で識別されていても、そうでなくても、それによって本明細書の化合物式の対応する位置にある化学基の定義(部分、原子、等)と同等に定義される可変部を示す。別の化合物構造の合成に用いるための化合物構造における化学基の適切性は、当業者の知識の範囲内である。本明細書のスキームに明確に示さない経路内のものも含めて、本明細書の式の化合物(例:式I又はII)、及びその合成前駆体を合成するさらなる方法は、当業者である化学者の手段の範囲内である。競合する副生物を最小限に抑える必要がある場合、反応条件を最適化する方法は、本技術分野で公知である。本明細書で述べる方法は、本明細書で具体的に述べる工程の前又は後に、最終的に本明細書の化合物の合成を可能とするために、適切な保護基を付加又は除去する工程をさらに含むこともできる。さらに、種々の合成工程を、他の順序若しくは順番で実施して、所望する化合物を得ることができる。適用可能な化合物の合成に有用である合成化学的変換、及び保護基の方法(保護及び脱保護)は、本技術分野で公知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers (1989); T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley and Sons (1999); L.Fieser and M. Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1994);並びに、L.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1995)、及びその続版に記載のものが挙げられる。
【0078】
本明細書で述べる合成方法は、いずれのスキームで述べるいずれの工程の前又は後にも、本明細書で述べる式の化合物の合成を最終的に可能とするために、適切な保護基を付加又は除去する工程をさらに含むこともできる。本明細書で示す方法は、一つの式の化合物を別の式の化合物へ変換することを意図している。変換のプロセスとは、1若しくは2以上の化学的変換を意味し、in situで、又は中間体化合物の単離を伴って実施することができる。この変換は、本明細書で引用する参考文献に記載のものを含む本技術分野で公知の技術及びプロトコルを用いて、出発物質又は中間体を追加の試薬と反応させる工程を含むことができる。中間体は、精製して(例:ろ過、蒸留、昇華、結晶化、粉砕、固相抽出、及びクロマトグラフィ)、又は精製せずに使用することができる。
【0079】
本発明によって想定される置換基及び可変部の組み合わせは、安定な化合物を形成する結果となるもののみである。
【0080】
本発明は、本明細書のいずれかの式の化合物(例:式I若しくはII)、又は、該当する場合、該化合物の薬理学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、多形体、若しくはプロドラッグの効果量;及び許容される担体を含む組成物も提供する。好ましくは、本発明の組成物は、医薬用途のために製剤され(「医薬組成物」)、ここで、担体は、薬理学的に許容される担体である。担体は、製剤のその他の成分と適合するという意味で「許容されるもの」でければならず、薬理学的に許容される担体の場合、薬剤に通常使用される量において、そのレシピエントに対して有害であってはならない。
【0081】
本発明の医薬組成物に用いることができる薬理学的に許容される担体、アジュバント、及び媒体としては、これらに限定されないが、イオン交換樹脂、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等のバッファー剤、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン等の塩若しくは電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、マグネシウムトリシリケート、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン‐ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。
【0082】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、鼻、局所(頬側及び舌下を含む)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、及び皮内を含む)投与に適するものを含む。特定の実施形態では、本明細書の式の化合物は、経皮投与(例:経皮パッチを用いて)される。その他の製剤は、都合良く、錠剤及び徐放性カプセルを例とする単位剤形として、及びリポソームとして提供することができ、製薬の分野で公知の方法のいずれによっても作製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Philadelphia,PA (17th ed.1985)、を参照されたい。
【0083】
そのような作製方法は、1若しくは2種類以上の付属成分を構成する担体等の成分を、投与されるべき分子と混合する工程を含む。一般に、組成物は、活性成分を、液体担体、リポソーム若しくは細かく粉砕した固体担体、又はその両方と、均一に及び十分に混合し、必要に応じて生成物を成形することによって作製される。
【0084】
特定の好適な実施形態では、化合物は、経口投与される。経口投与に適する本発明の組成物は、各々が所定量の活性成分を含むカプセル、サシェ(sachets)、若しくは錠剤等の別々の単位として;粉末若しくは顆粒として;水性液体若しくは非水性液体中の溶液又は懸濁液として;又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型エマルジョンとして、又は、リポソーム内に収容されて、及びボーラス(bolus)等として提供することができる。有利に化合物の吸収速度を高めることのできる軟質ゼラチンカプセルは、そのような懸濁液を収容するのに有用であり得る。
【0085】
錠剤は、任意に1若しくは2種類以上の付属成分と共に、圧縮又は成型することによって作製することができる。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒等の易流動性の形態の活性成分を、任意に、バインダー、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、界面活性剤、若しくは分散剤と混合して、適切な機械で圧縮することで作製することができる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を、適切な機械で成型することによって作製することができる。錠剤は、任意に、コーティング又は刻印を施すことができ、その中の活性成分が徐放又は制御放出となるように製剤することができる。本明細書の及び本技術分野で公知のその他の化合物等の薬理活性成分のそのような徐放性又は放出制御性組成物を製剤する方法は、本技術分野で公知であり、いくつかの発行された米国特許に記載されており、その一部としては、これらに限定されないが、米国特許第4,369,172号;及び第4,842,866号、並びにその中で引用された参考文献が挙げられる。コーティングは、化合物を腸内へ送達するために用いることができる(例えば、米国特許第6,638,534号、第5,217,720号、及び第6,569,457号、第6,461,631号、第6,528,080号、第6,800,663号、及びその中で引用された参考文献を参照)。本発明の化合物のための有用な製剤は、腸溶性ペレットの形態であり、その腸溶性層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートを含む。
【0086】
経口用の錠剤の場合、通常用いられる担体としては、ラクトース及びコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤も通常添加される。カプセルの形態での経口投与の場合、有用な希釈剤としては、ラクトース及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液を経口投与する場合は、活性成分を乳化剤及び懸濁剤と混合する。所望する場合は、特定の甘味料、及び/又は香料、及び/又は着色料を添加してもよい。
【0087】
局所投与に適する組成物としては、味を付けた基材、通常はスクロース及びアラビアゴム又はトラガカントゴム、の中に成分を含むロゼンジ剤;並びにゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム等の不活性基材中に活性成分を含むパステル剤が挙げられる。
【0088】
非経口投与に適する組成物としては、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、及び製剤を意図するレシピエントの血液に対して等張性とする溶質を含むことができる水性及び非水性滅菌注射溶液;並びに懸濁剤及び増粘剤を含むことができる水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。製剤は、密封アンプル及びバイアルを例とするユニットドーズ(unit‐dose)又はマルチドーズ(multi‐dose)容器に収容して提供することができ、注射液とするには、使用の直前に水を例とする滅菌液体担体を添加するだけでよい凍結乾燥(lyophilized)状態で保存することができる。即時注射溶液(extemporaneous injection solutions)及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製することができる。
【0089】
そのような注射溶液は、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であってよい。この懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤(例えば、Tween80等)、及び懸濁剤を用いて、本技術分野で公知の技術に従って製剤することができる。滅菌注射用製剤は、例えば、1,3‐ブタンジオール等の無毒性の非経口的に許容される希釈剤若しくは溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液であってもよい。使用することができる許容される媒体及び溶媒の中では、マンニトール、水、リンゲル液、及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油が、溶媒又は懸濁媒体として都合良く使用される。この目的のために、合成モノ‐又はジグリセリドを含むいずれの無刺激性固定油も用いることができる。オレイン酸等の脂肪酸及びそのグリセリド誘導体は、注射液の製剤に有用であり、オリーブ油又はヒマシ油等の天然の薬理学的に許容される油、特にそのエチレンオキシドを付加した形態も同様である。このような油性溶液又は懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤又は分散剤をさらに含んでもよい。
【0090】
本発明の医薬組成物は、直腸内投与のための坐薬の形態で投与することができる。このような組成物は、本発明の化合物を、室温では固体であるが、直腸内温度では液体であり、従って、直腸内で溶解して活性成分を放出する適切な無刺激性賦形剤と混合することによって作製することができる。そのような物質としては、これらに限定されないが、ココアバター、蜜ロウ、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
【0091】
本発明の医薬組成物は、鼻エアロゾル又は吸入によって投与することができる。そのような組成物は、医薬製剤の分野で公知の技術に従って作製することができ、ベンジルアルコール若しくはその他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は本技術分野で公知の可溶化剤若しくは分散剤を用いて、食塩水中の溶液として作製することができる。
【0092】
本発明の医薬組成物の局所投与は、所望される治療に、局所投与によって容易に到達可能である領域又は臓器が関与している場合に特に有用である。皮膚への局所投与に対しては、医薬組成物は、担体中に懸濁又は溶解した活性成分を含む適切な軟膏と共に製剤するべきである。本発明の化合物の局所投与のための担体としては、これらに限定されないが、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウ、及び水が挙げられる。別の選択肢として、医薬組成物は、担体に懸濁若しくは溶解された活性化合物を含む適切なローション又はクリームと共に製剤することができる。適切な担体としては、これらに限定されないが、鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2‐オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられる。本発明の医薬組成物は、直腸用坐薬製剤、又は適切な浣腸製剤により、下部腸管へ局所投与することもできる。局所用経皮パッチ及びイオン泳動投与も、本発明に含まれる。
【0093】
特に好ましい誘導体及びプロドラッグは、そのような化合物を哺乳類へ投与した場合に、本発明の化合物のバイオアベイラビリティを高める(例:経口投与された化合物の血液中への吸収をより容易にすることによる)もの、又は、親化学種と比較して、生物学的区画(例:脳、又は中枢神経系)への親化合物の送達を促進するものである。好ましいプロドラッグとしては、水溶性、若しくは腸膜を通しての能動的な輸送を促進する基が、本明細書で述べる式の構造に付与されている誘導体が挙げられる。例えば、Alexander,J.et al.Journal of Medicinal Chemistry 1988,31,318‐322;Bundgaard,H.Design of Prodrugs;Elsevier:Amsterdam,1985;pp 1‐92;Bundgaard,H.;Nielsen,N.M.Journal of Medicinal Chemistry 1987,30,451‐454;Bundgaard,H.A Textbook of Drug Design and Development;Harwood Academic Publ.:Switzerland,1991;pp 113‐191;Digenis,G.A.et al.Handbook of Experimental Pharmacology 1975,28,86‐112;Friis,G.J.;Bundgaard,H.A Textbook of Drug Design and Development;2 ed.;Overseas Publ.:Amsterdam,1996;pp 351‐385;Pitman,I.H.Medicinal Research Reviews 1981,1,189‐214、を参照されたい。
【0094】
本発明の治療薬の適用は、対象部位に投与されるように、局所的であってよい。注射、カテーテル、外套針、プロジェクタイル(projectiles)、プルロニックゲル(pluronic gel)、ステント、薬物徐放性ポリマー、又は内部への到達を可能とするその他のデバイスの使用等、種々の技術を用いて本発明の組成物を対象部位へ提供することができる。
【0095】
別の実施形態によれば、本発明は、インプラント可能な薬物放出デバイスを含浸させる方法を提供し、この方法は、該薬物放出デバイスを本発明の化合物又は組成物と接触させる工程を含む。インプラント可能な薬物放出デバイスとしては、これらに限定されないが、生分解性ポリマーカプセル又はビュレット(bullets)、非分解性拡散性ポリマーカプセル、及び生分解性ポリマーウェハーが挙げられる。
【0096】
別の実施形態によると、本発明は、本発明の化合物、又は化合物を含む組成物でコーティングし、該化合物が治療的に活性であるようにしたインプラント可能な医療デバイスを提供する。
【0097】
別の実施形態では、本発明の組成物は、第二の治療薬をさらに含む。第二の治療薬は、単独で、若しくは本明細書のいずれかの式の化合物と共に投与された場合に、有利な性質を有することが既知であるか、又は有利な性質を示すいずれの化合物、又は治療薬をも含む。これらの化合物と組み合わせることが有用であり得る薬物としては、その他のキナーゼ阻害薬、並びに/又は上記で述べた疾患及び障害の治療のためのその他の化学療法薬が挙げられる。
【0098】
そのような薬剤は、本技術分野にて詳細に述べられている。好ましくは、第二の治療薬は、癌から選択される疾患若しくは状態の治療又は予防に有用な薬剤である。
【0099】
さらにより好ましくは、本発明の化合物と共に製剤される第二の治療薬は、c‐met又はronの媒介による疾患/障害の治療に有用な薬剤である。
【0100】
別の実施形態では、本発明は、本発明の化合物、及び第二の治療薬を、互いに付随し合う別々の剤形で提供する。本明細書で用いる「互いに付随し合う」という用語は、別々の剤形が合わせて販売され、投与(順に又は同時に、互いに24時間未満以内に)されることを意図していることが容易に明らかであるように、別々の剤形が合わせて包装されるか、又は互いが接着されていることを意味する。
【0101】
本発明の医薬組成物において、本発明の化合物は、効果量存在する。本明細書で用いる「効果量」という用語は、適切な投与計画で投与された場合に、治療中の障害の重症度、存続期間、若しくは進行の低減又は寛解、治療中の障害の進行の予防、治療中の障害の後退の誘発、又は、別の治療の予防若しくは治療効果の促進又は改善が発生する量を意味する。
【0102】
動物及びヒトに対する投与量の相関関係(体表面積1平方メートルに対するミリグラム数として)は、Freireich et al.,(1966) Cancer Chemother Rep 50:219、に記載されている。体表面積は、患者の身長及び体重から近似的に決定することができる。例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardley,N.Y.,1970,537、を参照されたい。本発明の化合物の効果量は、約0.001mg/kg乃至約500mg/kg、より好ましくは0.01mg/kg乃至約50mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg乃至約2.5mg/kgの範囲とすることができる。効果投与量は、当業者であれば認識されるように、治療する疾患、疾患の重症度、投与経路、患者の性別、年齢、及び一般的健康状態、賦形剤の使用、その他の薬剤の使用等のその他の治療処置との併用の可能性、並びに治療を行う医師の判断によっても異なるであろう。
【0103】
第二の治療薬を含む医薬組成物の場合、第二の治療薬の効果量は、その薬剤のみを用いる単独療法計画で通常用いられる投与量の約20%乃至100%の間である。好ましくは、効果量は、通常の単独療法の投与量の約70%乃至100%の間である。これらの第二の治療薬の通常の単独療法の投与量は、本技術分野で公知である。例えば、各々、その全体が参照することで本明細書に組み入れられる、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(2000);PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,Calif.(2000)、を参照されたい。
【0104】
上記で述べた第二の治療薬の一部は、本発明の化合物と相乗効果的に作用することが期待される。その場合は、第二の治療薬及び/又は本発明の化合物の効果投与量は、単独療法で必要とされる量よりも少なくすることができる。このことは、第二の治療薬若しくは本発明の化合物の有害な副作用の最小化、薬効の相乗効果的な向上、投与若しくは使用のしやすさの向上、及び/又は化合物の作製若しくは製剤の全体的な費用の削減という利点を有する。
【0105】
治療方法
別の実施形態によると、本発明は、疾患若しくは障害若しくはその症状(例:本明細書で示すもの)に苦しむ、又はそれらに感受性を持つ対象を治療する方法を提供し、その方法は、該対象に、本発明の化合物又は組成物の効果量を投与する工程を含む。そのような疾患は、本技術分野で公知であり、本明細書にも開示される。
【0106】
一つの態様では、治療方法は、c‐met、ronを例とするタンパク質キナーゼによって媒介される障害の治療を含む。
【0107】
一つの実施形態では、本発明の方法を用いて、疾患若しくは症状に苦しむ、又はそれらに感受性を持つ対象が治療される。そのような疾患、障害、又はその症状としては、例えば、タンパク質キナーゼ(例:c‐met、ron)によって媒介されるものが挙げられる。疾患又は疾患の症状は、例えば、癌、又は増殖性疾患若しくは障害であり得る。疾患又は疾患の症状は、肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、脳癌、腎臓癌、卵巣癌、胃癌、皮膚癌、及び骨癌、胃癌、乳癌、膵臓癌、グリオーマ、及び肝細胞癌、乳頭状腎癌、頭頚部扁平上皮癌であり得る。本明細書で示す方法は、対象が、特定の決まった治療を必要とすると識別される方法を含む。対象がそのような治療を必要とするという識別は、対象の判断であっても、又は健康管理の専門家の判断であってもよく、主観的(例:意見)であっても、又は客観的(例:検査若しくは診断方法によって測定可能)であってもよい。
【0108】
別の実施形態では、本発明は、細胞中でのタンパク質キナーゼの活性(例:タンパク質チロシンキナーゼ、本明細書で列挙するキナーゼ)を調節する方法を提供し、その方法は、細胞を、本明細書のいずれかの式の化合物の1若しくは2種類以上と接触させる工程を含む。
【0109】
別の実施形態では、上記の治療方法は、前記の患者に対して、1若しくは2種類以上の第二の治療薬を共投与する工程をさらに含む。第二の治療薬は、本明細書で示す適応症に有用であることが公知であるいずれの第二の治療薬からも選択することができる。追加の治療薬としては、これらに限定されないが、疾患、障害、又はその症状を治療するための薬剤が挙げられ、例えば、抗癌薬、抗増殖薬、抗悪性腫瘍薬、抗腫瘍薬、代謝拮抗薬型/チミジル酸シンターゼ阻害薬型抗悪性腫瘍薬(antimetabolite‐type/thymidilate synthase inhibitor antineoplastic agents)、アルキル化薬型抗悪性腫瘍薬、抗生物質型抗悪性腫瘍薬を含み、又は、癌治療プロトコルにおいて主剤若しくは補助剤として通常投与されるその他のいずれの薬剤(例:抗吐き気、抗貧血等)も挙げられ、例えば、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネストラミド(vinestramide)、ビノレルビン、ビントリプトール(vintriptol)、ビンゾリジン(vinzolidine)、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxyfene)、酢酸メゲストロール、アナストロゾール、レトラゾール(letrazole)、ボラゾール、エキセメスタン、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、酢酸ゴセレリン、ルプロリド(luprolide)、フィナステリド、ヘルセプチン、メトトレキサート、5‐フルオロウラシル、シトシンアラビノシド、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシンC、ダクチノマイシン、ミトラマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテファン(thiotephan)、ビンクリスチン、タキソール、タキソテール、エトポシド、テニポシド、アムサクリン、イリノテカン、トポテカン、エポシロン、イレッサ、アバスチン、OSI‐774、血管新生阻害薬、EGF阻害薬、MEK阻害薬、VEGF阻害薬、CDK阻害薬、Her1及びHer2阻害薬、並びにモノクローナル抗体を含む。
【0110】
本明細書で用いられる「共投与」という用語は、第二の治療薬が、本発明の化合物と共に、単一剤形の一部として(上述のように、本発明の化合物と第二の治療薬とを含む本発明の組成物等)、又は別々の複数の剤形として、一緒に投与され得ることを意味する。別の選択肢として、追加の薬剤は、本発明の化合物の投与の前に、これに続いて、又はその後に投与することができる。そのような併用療法において、本発明の化合物及び第二の治療薬は共に従来の方法で投与される。本発明の化合物及び第二の治療薬の両方を含む本発明の組成物を対象へ投与する場合、同一の治療薬、その他のいずれかの第二の治療薬、又は本発明のいずれかの化合物の、治療継続中の別のタイミングでの該対象への別個の投与を除外しない。
【0111】
これらの第二の治療薬の効果量は、当業者に公知であり、投与の指針は、本明細書で引用する特許及び公開特許出願、並びにWells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,Conn.(2000); PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,Calif.(2000)、及びその他の医学テキストに見ることができる。しかし、第二の治療薬の最適な効果量の範囲を決定することは、十分に当業者の理解の範囲内である。
【0112】
第二の治療薬が対象に投与される本発明の一つの実施形態では、本発明の化合物の効果量は、第二の治療薬が投与されない場合の効果量未満である。別の実施形態では、第二の治療薬の効果量は、本発明の化合物が投与されない場合の効果量未満である。この方法により、いずれかの薬剤の高投与量に付随する望ましくない副作用を最小限に抑えることができる。その他の考えられる利点(限定されないが、投与計画の改善及び/又は薬物コストの低減を含む)は、当業者であれば明らかであろう。
【0113】
さらに別の態様では、本発明は、対象における上述の疾患、障害、若しくは症状の治療又は予防のための単一の組成物として、若しくは別々の剤形としての医薬品の製造における、本明細書の式(例:式I又はII)のいずれかの化合物の単独での、又は1若しくは2種類以上の上述の第二の治療薬と合わせての使用を提供する。本発明の別の態様は、対象の本明細書で示す疾患、障害、若しくはその症状の治療又は予防に用いるための、本明細書の式の化合物である。
【0114】
他の態様では、本明細書の方法は、治療の実施に対する対象の反応のモニタリングを行う工程をさらに含む方法を含む。そのようなモニタリングとしては、対象の組織、体液、検体、細胞、タンパク質、化学マーカー、遺伝子物質等を、治療計画のマーカー又は指標として、定期的にサンプリングすることを挙げることができる。他の方法では、対象は、そのような治療に対する適切性の該当するマーカー若しくは指標についてのアセスメントを行うことにより、予備スクリーニングされるか、又はそのような治療が必要であるとして識別される。
【0115】
一つの実施形態では、本発明は、治療の進行をモニタリングする方法を提供する。この方法は、本明細書で示す障害若しくはその症状に苦しむ、又はそれらに感受性を持つ対象における、診断マーカー(マーカー)(例:本明細書の化合物によって調節される本明細書で示すいずれかの標的又は細胞型)、又は診断測定(例:スクリーニング、アッセイ)のレベルを測定する工程を含み、ここで、対象は、疾患若しくはその症状を治療するのに十分な治療量の本明細書の化合物が投与されている。この方法で測定されたマーカーレベルを、健康な正常コントロール又は他の患者の既知のマーカーレベルと比較することにより、対象の疾患状態を確立することができる。好適な実施形態では、対象中のマーカーの第二のレベルを、第一のレベルの測定後のある時点で測定し、この二つのレベルを比較することで疾患の経過又は治療の効力がモニタリングされる。特定の好適な実施形態では、治療前の対象中のマーカーレベルを、本発明に従う治療を開始する前に測定し;続いて、この治療前のマーカーレベルを、治療開始後の対象中のマーカーレベルと比較することで、治療の効力を明らかにすることができる。
【0116】
特定の方法の実施形態では、対象中のマーカーレベル又はマーカー活性を少なくとも1回測定する。マーカーレベルを、例えば、同一の患者、別の患者、若しくは正常である対象から、過去に又は続いて得られたマーカーレベルの別の測定と比較することが、本発明に従う治療が所望の効果を有するかどうかの判定に有用である場合があり、それにより、投与量レベルの調整が適宜可能となる。マーカーレベルの測定は、本技術分野で公知の又は本明細書で述べたいずれの適切なサンプリング/発現アッセイの方法を用いて実施してもよい。好ましくは、組織又は体液サンプルをまず対象から採取する。適切なサンプルの例としては、血液、尿、組織、口内若しくは頬細胞、及び毛根を有する毛髪サンプルが挙げられる。その他の適切なサンプルは、当業者に公知であろう。サンプル内のタンパク質レベル及び/又はmRNAレベル(例:マーカーレベル)の測定は、本技術分野で公知の適切ないずれの技術を用いて実施してもよく、これらに限定されないが、酵素免疫アッセイ、ELISA、放射標識/アッセイ技術、ブロッティング/化学発光法、及びリアルタイムPCR等が挙げられる。
【0117】
本発明は、本明細書で示すものを含む疾患、障害、又はその症状の治療に用いるためのキットも提供する。このようなキットには:a)本明細書のいずれかの式(例:式I若しくはII)の化合物若しくはその塩;又はそのプロドラッグ若しくはプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体を含む医薬組成物であって、ここで、該医薬組成物が容器に収容されている、医薬組成物;並びにb)本明細書で示すものを含む疾患、障害、又はその症状の治療のためのこの医薬組成物の用法が記載された説明書、が含まれる。
【0118】
容器は、前記の医薬組成物を保持することができるいかなる容器(vessel)、又はその他の密封された若しくは密封可能な装置であってよい。例としては、ボトル、分割部若しくは室部の各々が該組成物の単一投与量を含む分割若しくは多室ホルダーボトル(divided or multi‐chambered holders bottles)、各分割部が該組成物の単一投与量を含む分割ホイルパケット、又は該組成物の単一投与量を供給するディスペンサーが挙げられる。容器は、薬理学的に許容される材料で作製された本技術分野で公知の従来のいずれの形状又は形態であってもよく、例えば、紙若しくはボール紙の箱、ガラス若しくはプラスチックのボトル又はジャー、再シール性バッグ(例えば、別の容器へ収容するための「詰め替え用」錠剤を保持するため)、又は治療の予定に従ってパックから個々の投与量を押し出す形のブリスターパックである。使用される容器は、関連する剤形そのものに依存する場合があり、例えば、従来のボール紙製の箱は、通常、懸濁液の保持には用いられないであろう。単一の剤形を販売する際に、単一のパッケージ内に2個以上の容器を合わせて用いることも可能である。例えば、錠剤をボトルに収容し、それをさらに箱に収容することもあり得る。容器は、ブリスターパックであることが好ましい。
【0119】
キットは、さらに、医師、薬剤師、若しくは対象のための情報及び/又は取り扱い説明をさらに含んでいてもよい。そのようなメモリーエイド(memory aids)としては、投与量を収容する各室部若しくは分割部に印刷され、そのように指定された錠剤若しくはカプセルを摂取すべき投与計画の日にちに対応する数字、又は各室部若しくは分割部に印刷された曜日、又は同じ種類の情報を有するカード、が挙げられる。
【0120】
本明細書で示す化合物は、例えば本明細書で示すものを含む、本技術分野で公知のプロトコルを用いて、その生物学的活性を評価することができる。
【0121】
本明細書で引用した参考文献は、印刷物、電子媒体、コンピュータで読み込み可能な記憶媒体、若しくはその他の形態であっても、そのすべてについて、その全体が参照することで本明細書に明確に組み入れられ、それには、これらに限定されないが、要約、論文、ジャーナル、刊行物、テキスト、専門書、技術データシート、インターネットウェブサイト、データベース、特許、特許出願、及び公開特許を含む
【実施例】
【0122】
6‐クロロ‐4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イルアミン(C)の合成
【化9】

工程1:25%水酸化アンモニウム(25mL)中のC1(2.0g、13.4mmol)の懸濁液を、封管中にて、130℃で12時間加熱した。封管を0℃まで冷却した後、混合物をろ過した。得られた固体を数回水で洗浄し、減圧乾燥することで、C2(1.43g、82%)を得た。
【0123】
工程2:メタノール(20mL)中のC2(1.45g、11.2mmol)の溶液に、NaHCO(1.88g、22.4mmol)を室温で添加し、続けて、臭素(1.79g、11.2mmol)を滴下した。添加完了後、混合物を20時間攪拌し、次に、ろ過し、メタノールで数回洗浄した。ろ液を濃縮し、残渣を水(15mL)に溶解して酢酸エチルで抽出した(25mL×3)。一つにまとめた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(25mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)、及び食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=2:1)、C3(1.27g、55%)を得た。
【0124】
工程3:0℃に冷却したメタノール(100mL)中のC4(10.0g、48.3mmol)の溶液へ、NaBH(4.4g、115.9mmol)を一部分ずつ添加した。得られた混合物を室温で約1時間攪拌し、蒸発させた。水(10mL)を0℃で残渣に添加し、続いて、pH=6まで3N HClを添加した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(40mL×4)。一つにまとめた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、濃縮してC5(8.01g、79%)を得た。
【0125】
工程4:THF(120mL)中のC5(4.0g、19.1mmol)の溶液へ、0℃にて60%NaH(0.766g、19.1mmol)を添加し、得られた混合物をその温度にて30分間攪拌し、次に、素早くC3(3.99g、19,1mmol)を添加した。得られた混合物を還流下で一晩加熱し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=4:1)、新規な(advanced)中間体C(1.46g、23%)を得た。
【0126】
5‐ブロモ‐3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐ピリジン(D)の合成
【化10】

工程1:エタノール(2.0L)中のムコブロム酸(1.3kg、5.03mmol)の溶液を、氷浴で冷却した亜硝酸ナトリウム(1.38kg)の水(2.0L)による溶液へ添加した。添加完了の後、得られた混合物を30分間60℃まで加温した。外部から加熱することなく、さらに60分間攪拌を続けた。この間に、黄色の析出物が次第に出現した。この反応混合物を、次に、一晩0℃で保持した。得られた固体をろ過で回収し、乾燥し、黄色固体として化合物D2(390g、収率56.1%)を得た。
【0127】
工程2:化合物D2(416g、3.6mol)及びD3(339g、2.6mol)を、エタノール(1.9L)、水(1.9L)、及び氷酢酸(240mL)の混合物に添加した。得られた混合物を50℃にて一晩攪拌し、次に、減圧濃縮した。残渣をDCM(5.0L)に溶解し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、白色固体として化合物D4(165g、収率30%)を得た。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ=1.23‐1.26(t,3H),2.25(s,3H),4.14‐4.21(q,2H),8.91‐8.92(t,1H),9.37‐9.38(d,1H)。LC‐MS[M+1]:210.2。
【0128】
工程3:化合物D4(300g、1.4mol)の溶液を、濃塩酸(800mL)と水(800mL)との混合物へ、室温で添加した。得られた混合物を還流下にて1時間加熱した。冷却後、溶液を水(2.0L)で希釈し、固体の炭酸水素ナトリウムを添加して、pH=5.0まで中和した。この過程の間に、析出物が次第に出現した。冷却後、混合物をろ過した。得られた固体を乾燥し、褐色固体としてD5(223g、85.7%)を得た。1H NMR(DMSO‐d6,300MHz):δ=2.84(s,3H),8.74‐8.75(d,1H),9.35‐9.36(d,1H),13.90(s,1H)。LC‐MS[M−1]:180.9。
【0129】
工程4:化合物D5(208g、1.15mol)をt‐ブタノール(2.1L)に溶解し、そこへ、DPPA(370mL)及びTEA(223mL)を添加した。この混合物を還流下で一晩加熱し、食塩水(100mL)を添加して反応を停止した。得られた混合物をEA(1.0L)により3回抽出した。一つにまとめた有機相を食塩水(100mL)で洗浄し、無水MgSO上で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:2)、黄色固体として化合物D6(114.5g、収率40%)を得た。1H NMR(CDCl3,300MHz):δ=1.54(s,9H),2.60(s,3H),6.53(s,1H),8.98‐8.99(d,1H),9.09‐9.10(d,1H)。LC‐MS[M+1]:252.0。
【0130】
工程5:DCM(3mL)中のD6(200mg、0.79mmol)の溶液へ、TFA(2mL)を添加した。この混合物を室温で4時間攪拌し、蒸発させた。残渣を水(5mL)へ溶解し、0℃まで冷却した。上記の溶液へ、濃HSO(0.24mL)を滴下し、続いて、水(1mL)によるNaNO(60mg、0.87mmol)の溶液を添加した。この混合物を0℃にて1時間攪拌し、次に、還流下で1.5時間加熱した。反応完了後、混合物に飽和NaHCO水溶液をゆっくりpH=2となるまで添加し、DCM/メタノール(10/1)で抽出し(15mL×3)、NaSO上で乾燥し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=7:1)、D8(72mg、59%)を得た。
【0131】
工程6:THF(5mL)中のD8(65.5mg、0.43mmol)とA5(81mg、0.39mmol)との攪拌混合物へ、窒素による保護下、PhP(152mg、0.58mmol)を添加した。室温で1時間攪拌後、混合物に0℃にてDIAD(117mg、0.58mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2日間攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=20:1)、D9(113mg、86%)を得た。
【0132】
工程7:還元性鉄粉(129mg、2.30mmol)及び2N HCl(0.07mL)を、エタノール(3mL)中のD9(113mg、0.33mmol)の攪拌溶液へ0℃にて添加した。得られた混合物を還流下で2時間加熱し、ろ過した。褐色固体をエタノールで数回洗浄した。一つにまとめたエタノール相を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(15mL)へ溶解し、1.5N NaCO水溶液(20mL)で洗浄した。この二相混合物を分離し、水相を酢酸エチルで再抽出した(15mL×3)。一つにまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させてD10(103mg、約100%)を得た。
【0133】
工程8:臭化水素酸(13mL)中のD11(222mg、0.70mmol)、臭化第一銅(126mg、0.88mL)、及び青銅(copper bronze)(4.5mg、0.07mmol)の混合物へ、亜硝酸ナトリウム(74mg、1.23mmol)を0℃にてゆっくり添加した。添加完了後、この混合物を0℃にて1時間攪拌し、次に、室温まで3時間加温した。反応完了後、混合物を15%NaOH水溶液で塩基性化してpH=7とし、酢酸エチルで抽出した(30mL×3)。一つにまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して(PE:EA=20:1)、D(172mg、64%)を得た。
【0134】
実施例1:(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノンの合成
【化11】

DME(11mL)中のC(0.5g、1.49mmol)、1a(0.267g、1.49mmol)、トルエン(1.2mL)、エタノール(1.2mL)の混合物へ、窒素の保護下、Pd(PhP)を添加し、続いて、2N NaCO水溶液(2.3mL)を添加した。得られた混合物を、還流下で一晩加熱し、蒸発させた。残渣をTHF(3mL)へ溶解し、2N NaOH(6mL)を添加した。得られた混合物を、還流下で3.5時間攪拌した。冷却後、混合物に水(6mL)を添加し、酢酸エチルで抽出した(15mL×2)。水相を3N HClで酸性化してpH=5とした。得られた析出物をろ過し、水及び酢酸エチルで洗浄し、白色固体として1b(0.56g、89%)を得た。
【0135】
DMF(10mL)中の1b(100mg、0.24mmol)、HATU(135mg、0.36mmol)、及びDIEA(155mg、1.20mmol)の混合物を、室温にて0.5時間攪拌し、次に、モルホリン(31mg、0.36mmol)を添加した。得られた混合物を室温にて1.5時間攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して(EA:メタノール=50:1)、最終化合物(52mg、45%)を得た。1H‐NMR(300MHz,DMSO‐d6):δ=7.81‐7.84(d,2H),7.57‐7.62(m,1H),7.46‐7.50(dd,3H),6.95 (s,1H),6.30‐6.37(m,3H),3.31‐3.60(m,8H),1.83‐1.85(d,3H)。LC‐MS[M+H]:491.0。
【0136】
実施例2:(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐メタノンの合成
【化12】

合成は、実施例1と同様にして行った(最終工程において、35mg、29%)。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=7.78‐7.82(m,2H),7.47‐7.53(m,3H),7.24‐7.30(m,1H),6.92(s,1H),6.35‐6.37(m,1H),3.50‐3.90(m,4H),2.70‐2.82(m,4H),2.52(s,3H),1.92‐1.94(ds,3H)。LC/MS[M+H]:504.0。
【0137】
実施例3:(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノンの合成
【化13】

合成は、実施例1と同様にして行った(最終工程において、35mg、30%)。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=7.79‐7.82(d,2H),7.55‐7.58(d,2H),7.46‐7.51(m,1H),7.24‐7.30(m,1H),6.91(s,1H),6.32‐6.38(m,1H),3.69‐3.92(m,4H),3.23‐3.32(m,4H),1.92‐1.94(d,3H)。LC/MS[M+H]:490.0。
【0138】
実施例4:4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N‐(2‐ジエチルアミノ‐エチル)‐ベンズアミドの合成
【化14】

合成は、実施例1と同様にして行った(最終工程において、53mg、43%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=7.81‐7.89(m,4H),7.32‐7.36(m,1H),7.07‐7.12(m,1H),6.96‐6.98(m,1H),6.89(s,1H),6.18‐6.21(m,1H),5.15(s,2H),3.47‐3.52(m,2H),2.64‐2.68(m,2H),2.54‐2.61(m,4H),1.90‐1.92(d,3H),1.00‐1.06(m,6H)。LC‐ MS[M+H]:520.2。
【0139】
実施例5:4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N,N‐ジメチル‐ベンズアミドの合成
【化15】

合成は、実施例1と同様にして行った(最終工程において、57mg、54%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=7.81‐7.85(dd,2H),7.46‐7.49(dd,2H),7.32‐7.36 (m,1H),7.07‐7.13(m,1H),6.86(s,1H),6.16‐6.23(m,1H),5.15(s,2H),3.12(s,3H),2.97(s,3H),1.90‐1.92(ds,3H)。LC‐MS[M+H]:449.1。
【0140】
実施例6:(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノンの合成
【化16】

合成は、実施例1と同様にして行った(最終工程において、31mg、23%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=7.82‐7.85(dd,2H),7.44‐7.47(dd,2H),7.32‐7.37 (m,1H),7.07‐7.13(m,1H),6.86(s,1H),6.16‐6.21(m,1H),5.08(s,2H),4.65‐4.81(m,1H),3.70‐3.82(m,5H),2.82‐3.02(m,2H),2.54‐2.57(m,4H),2.39‐2.45(m,1H),1.76‐2.04(m,5H),1.45‐1.61(m,2H)。LC‐MS[M+H]:574.1。
【0141】
実施例7:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐ピリミジン‐5‐イル‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化17】

工程1:DMSO(12mL)中の7a(0.50g、3.14mmol)、4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル(1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(0.96g、3.77mmol)、及びKOAc(0.926g、9.43mmol)の混合物を、窒素で10分間パージし、次に、Pd(dppf)Cl.CHCl(77mg、0.09mmol)を添加した。得られた混合物を100℃にて一晩攪拌し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルで溶解し、ろ過した。ろ液を食塩水で洗浄し(15mL×2)、NaSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製して(EA:メタノール=10:1)、7b(673mg、純度25%、収率26%)を得た。
【0142】
工程2:DMF(10mL)中の7b(368mg、0.45mmol)及びC(100mg、0.30mmol)の溶液へ、Pd(PhCl(16.7mg、0.024mmol)を、窒素の保護下で添加し、続いて、1N NaCO水溶液(1.3mL)を滴下した。この反応混合物を窒素で3回脱気し、80℃にて一晩加熱した。蒸発後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:3)、メタノールから再結晶して最終化合物(45mg、40%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=9.18(s,1H),9.13(s,2H),7.56‐7.58(m,1H),7.46‐7.49(m,1H),7.07(s,1H),6.53(s,2H),6.27‐6.34(m,1H),1.81‐1.83(d,3H)。LC‐MS[M+H]:379.9。
【0143】
実施例8:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化18】

工程1:0℃に冷却したTHF(25mL)中の8a(5.0g、50mmol)の溶液へ、 THF(50mL)中のLiAlH(3.8g、0.1mol)の懸濁液をゆっくり添加した。得られた混合物を0℃にて30分間攪拌し、次に、水(3.8mL)を添加し、続いて、15%NaOH水溶液(3.8mL)及び水(11.4mL)を添加した。この混合物をろ過し、固体をエチルエステルで洗浄した(70mL×2)。一つにまとめたろ液を蒸発させて、8b(5.09g,99%)を得た。
【0144】
工程2:氷浴で冷却したTHF(10mL)中の8b(1.0g、9.8mmol)及びTEA(1.12g、11.1mmol)の溶液へ、塩化メタンスルホニル(1.19g、10.4mmol)を滴下した。得られた混合物を室温にて1.5時間攪拌し、次に、ろ過した。固体を酢酸エチルで洗浄した。一つにまとめたろ液を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(30mL)へ溶解し、食塩水で洗浄し(15mL×2)、NaSO上で乾燥し、蒸発させて8c(1.06g、60%)を得た。
【0145】
工程3:0℃に冷却した無水DMF(5mL)中の8d(0.5g、3.4mmol)の攪拌溶液へ、60%NaH(0.15g、3.74mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を0℃にて1時間攪拌し、次に、8c(0.61g、3.4mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で一晩加熱した。蒸発後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=1:4)、8e(335mg、43%)を得た。
【0146】
工程4:これに続く8eから8への合成は、実施例7と同様にして行った。最終化合物(最終工程において、39mg、29%)は、最終的に白色固体として得られた。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.00(s,1H),7.72(s,1H),7.31‐7.35(m,1H),7.06‐7.12(m,1H),6.63(s,1H),6.10‐6.16(m,1H),5.02(s,2H),4.31‐4.36(m,1H),4.08‐4.14(m,2H),3.49‐3.59(m,2H),2.06‐2.13(m,4H),1.82‐1.83(d,3H)。LC‐MS[M+H]:452.0。
【0147】
実施例9:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化19】

9aから9eまでの合成は、実施例8と同様にして行った。DCM(3mL)中の9e(12mg、0.022mmol)の溶液へ、TFA(1mL)を添加した。得られた混合物を室温にて4時間攪拌し、蒸発させた。残渣をDCM/MeOH(10:1、4mL)へ溶解し、2N NaCO水溶液(3mL)で洗浄した。水相をDCM/MeOH(10:1)で抽出した(4mL×2)。一つにまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、濃縮して最終化合物(6.8mg、69%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=8.02(s,1H),7.74(s,1H),7.47‐7.52(m,1H),7.24‐7.30(m,1H),6.74(s,1H),6.27‐6.34(m,1H),4.30‐4.38(m,1H),3.20‐3.24(m,2H),2.76‐2.85(m,2H),2.11‐2.21(m,2H),2.03‐1.93(m,2H),1.90‐1.92(d,3H)。LC‐MS[M+H]:451.1。
【0148】
実施例10:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリジンの合成
【化20】

Dから表題の化合物までの合成は、実施例9と同様にして行った(最終工程において、29mg、70%)。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=8.12(s,1H),7.95‐7.98(m,1H),7.64‐7.67(m,1H),7.39‐7.44(m,1H),7.09‐7.21(m,1H),7.07‐7.09(m,1H),6.10‐6.13(m,1H),4.08‐4.16(m,1H),3.35‐3.40(m,1H),2.98‐3.05(m,2H),2.60‐2.69(m,1H),2.49(s,3H),1.81‐2.23(m,4H),1.81‐1.84(ds,3H)。LC/MS[M−H]:449.1。
【0149】
実施例11:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(6‐モルホリン‐4‐イル‐ピリジン‐3‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化21】

工程1:15mLのモルホリン中の11a(3.12g、13.11mmol)の懸濁液を、マイクロ波の条件下、120℃にて100分間反応させた。反応完了後、酢酸エチル200mLを添加した。得られた溶液を、0.1N HCl(5OmL)、水(100mL)、0.1N NaOH(50mL)、及び水(100mL)の順で洗浄した。得られた有機層を無水NaSO上で乾燥し、蒸発させて11b(3.19g、99.7%)を得た。
【0150】
工程2:DMF(10mL)中の4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル‐1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(1.25g、4.92mmol)の0℃の溶液へ、窒素の保護下、KOAc(1.21g、12.3mmol)及びPd(dppf)Cl.CHCl(0.1g、0.123mmol)を添加した。この混合物を80℃まで加熱し、DMF(10mL)中の11b(1.0g、4.1mmol)の溶液を滴下した。添加完了後、この混合物を80℃にてさらに10時間攪拌し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルへ溶解し、ろ過した。ろ液を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製して(EA:PE=1:4)、11c(940mg、79%)を得た。
【0151】
工程3:DMF(10mL)中の11c(259mg、0.891mmol)及びC(200mg、0.594mmol)の溶液へ、Nの保護下、Pd(PhP)Cl(41.7mg、0.059mmol)を添加した。この混合物を10分間攪拌し、次に、1N NaCO水溶液(2.63mL、2.63mmol)を滴下した。この混合物をNで脱気し、80℃にて一晩攪拌し、次に、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=4:1)、表題の化合物(131mg、収率47.5%)を白色固体として得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.47‐8.48(d,1H),8.14‐8.18(dd,1H),7.31‐7.36(m,1H),7.05‐7.11(dd,1H),6.79(s,1H),6.68‐6.71(m,1H),6.14‐6.21(m,1H),4.96‐4.98(m,2H),3.79‐3.84(m,4H),3.55‐3.58(m,4H),1.87‐1.91(ds,3H)。LC‐MS[M+H]:464.0。
【0152】
実施例12:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[6‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐ピリジン‐3‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化22】

合成は、実施例11と同様にして行った。最終化合物は、白色固体として得た(最終工程において、30mg、21.1%)。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.46‐8.47(d,1H),8.12‐8.16(dd,1H),7.31‐7.35(m,1H),7.05‐7.11(dd,1H),6.79(s,1H),6.69‐6.72(ds,1H),6.16‐6.20(m,1H),4.95‐4.98(m,2H),3.62‐3.65(m,4H),2.50‐2.55(m,4H),2.36(s,3H),1.89‐1.90(ds,3H)。LC‐MS[M+H]:477.1。
【0153】
実施例13:4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[4‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐フェニル]‐ピリダジン‐3‐イルアミンの合成
【化23】

ジオキサン(20mL)中のN‐メチルピペラジン(1.5g、15mmol)の溶液へ、窒素の保護下、13a(8.85g、37.5mmol)、ビナプ(Binap)(563mg、0.9mmol)、CsCO(6.85g、21mmol)、及びPd(dba)(275mg、0.3mmol)を順に添加した。この混合物を、還流下で一晩加熱した。反応完了後、混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、水及び食塩水で順に洗浄した。有機層を減圧濃縮した。残渣を、シリカゲル上でクロマトグラフィに掛け(EA:PE=1:10)、EtOAcから再結晶して13b(648mg、33.5%)を得た。
【0154】
これに続く13bから最終化合物までの合成は、実施例11と同様に行った(最終工程において、79.2mg、32.2%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=7.72‐7.76(m,2H),7.30‐7.34(m,1H),7.05‐7.11(m,1H),6.93‐6.97(m,2H),6.80(s,1H),6.13‐6.20(m,1H),4.93‐4.96(d,2H),3.27‐3.30(t,4H),2.58‐2.61(t,4H),2.37(s,3H),1.87‐1.88(d,3H)。LC‐MS[M+H]:476.1。
【0155】
実施例14:(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノンの合成
【化24】

表題の化合物の合成は、実施例1と同様に行った(最終工程において、80mg、69%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.27(s,1H),7.43‐7.49(m,4H),7.28‐7.32(m,1H),7.05‐7.08(m,2H),6.06‐6.09(m,1H),3.62‐3.78(m,8H),2.62(s,3H),1.85‐1.88(ds,3H)。LC‐MS[M+H]:489.1。
【0156】
実施例15:(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノンの合成
【化25】

表題の化合物の合成は、実施例14と同様に行った(最終工程において、86mg、63%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.26(s,1H),7.44(s,4H),7.28‐7.32(m,1H),7.02‐7.08(m,2H),6.04‐6.11(m,1H),3.71‐3.74(m,5H),2.62(s,3H),2.55‐2.58(m,4H),1.82‐2.01(m,7H),1.41‐1.62(m,4H)。LC‐MS[M+H]:572.1。
【0157】
実施例16:(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐ピロリジン‐1‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン塩酸塩の合成
【化26】

親化合物の合成は、実施例14と同様に行った。EtO(20mL)中のHClの溶液を、DCM(10mL)中の親化合物(500mg、0.90mmol)の溶液へ滴下した。得られた混合物を、室温にて3時間攪拌し、蒸発させた。残渣をDCM(30mL)中へ懸濁させ、蒸発させて表題の化合物(532mg、約100%)を得た。1H‐NMR(300MHz,DMSO‐d6):δ=11.32(s,1H),8.55(s,1H),7.45‐7.74(m,7H),6.37‐6.40(m,1H),5.75(s,1H),4.57(m,1H),3.30‐3.65(m,3H),2.75‐3.25(m,4H),2.64(s,3H),2.11‐2.21(m,2H),2.03‐1.93(m,2H),1.65‐2.23(m,12H)。LC‐MS[M+H]:556.1。
【0158】
実施例17:(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノン塩酸塩の合成
【化27】

親化合物の合成は、実施例14と同様に行った。EtO(33mL)中の6N HCl中の親化合物(122mg、0.21mmol)の溶液を、週末の間攪拌し、蒸発させた。残渣をDCM(30mL)中へ懸濁させ、蒸発させ、これを数回行って最終化合物(101mg、100%)を得た。1H‐NMR(300MHz,DMSO‐d6):δ=9.54‐9.55(m,2H),8.55(s,1H),7.45‐7.74(m,7H),6.37‐6.40(m,1H),5.75(s,1H),3.56‐3.78(m,4H),3.18‐3.41(m,4H),2.67(s,3H),1.84‐1.87(ds,3H)。LC‐MS[M+H]:488.1。
【0159】
実施例18:[1,4]ジアゼパン‐1‐イル‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐メタノンの合成
【化28】

30mLのDMF中の14a(180mg、0.428mmol)の溶液へ、HATU(224mg、0.643mmol)及びDIEA(276mg、2.14mmol)を添加した。この混合物を室温にて40分間攪拌し、次に、−50℃にて、50mLのDMF中のホモピペラジン(642mg、6.42mmol)の溶液へ滴下した。添加完了後、混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(酸化アルミニウム、塩基性)(EA:MeOH=3:1)、及び分取用HPLCにより順に精製し、表題の化合物(115mg、収率52%)を得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.25‐8.26(d,1H),7.44(s,4H),7.28‐7.32(m,1H),7.02‐7.08(m,2H),6.06‐6.09(m,1H),3.76‐3.80(m,2H),3.46‐3.52(m,2H),3.06‐3.10(m,1H),2.86‐2.97(m,3H),2.62(s,3H),1.91‐1.99(m,1H),1.86‐1.88(d,3H),1.73‐1.75(m,1H)。LC‐MS[M+H]:502.1。
【0160】
実施例19:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジンの合成
【化29】

DMF(10mL)中の8f(147mg、0.53mmol)及びD(100mg、0.27mmol)の溶液へ、窒素の保護下、Pd(PhCl(18.2mg、0.026mmol)を添加し、続いて、1N NaCO水溶液(1.1mL)を滴下した。この反応混合物に、窒素による脱気及び充填を行い、80℃にて一晩加熱した。蒸発させた後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:1)、表題の化合物(75.7mg、63.6%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.14‐8.15(d,1H),7.60‐7.65(dd,2H),7.27‐7.31(m,1H),7.00‐7.06(m,1H),6.95‐6.96(d,1H),5.99‐6.06(m,1H),4.31‐4.36(m,1H),4.09‐4.15(m,2H),3.50‐3.60(m,2H),2.56(s,3H),2.04‐2.13(m,4H),1.84‐1.86(d,3H)。LC‐MS[M+H]:450.0。
【0161】
実施例20:5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐6’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,3’]ビピリジニルの合成
【化30】

表題の化合物の合成は、実施例11と同様に行った(最終工程において、95mg、51%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.27‐8.28(d,1H),8.19(s,1H),7.54‐7.58(dd,1H),7.27‐7.32(m,1H),7.00‐7.06(m,2H),6.66‐6.69(d,2H),6.03‐6.09(m,1H),3.82‐3.85(m,4H),3.53‐3.56(m,4H),2.59(s,3H),1.85‐1.87(d,3H)。LC‐MS[M+H]:462.0。
【0162】
実施例21:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐フラン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジンの合成
【化31】

工程1:THF中の21a(0.6g、6.81mmol)及びTEA(1.05g、8.17mmol)の溶液へ、塩化メタンスルホニル(0.86g、7.50mmol)を氷浴で冷却しながら添加した。この混合物を週末の間攪拌し、次に、蒸発させた。残渣をEtOAcへ溶解し、NaHCO水溶液で洗浄した。有機相をNaSO上で乾燥し、濃縮して、21b(1.1g、収率97%)を得た。
【0163】
工程2:氷浴で冷却したDMF中の8d(0.65g、4.42mmol)の溶液へ、60%NaH(0.27g、6.63mmol)を添加した。1時間後に21b(1.1g、6.63mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で40時間攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:15)、白色固体として21c(0.79g、収率82%)を得た。
【0164】
工程3:DMF(20mL)中の21c(0.79g、3.64mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(1.11g、4.37mmol)の溶液へ、KOAc(1.07g、10.92mmol)を添加した。この混合物をNで脱気し、10分間攪拌し、次に、Pd(dppf)Cl(89mg、0.109mmol)を添加した。得られた混合物をNで脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、21d(0.63g、収率65.6%)を得た。
【0165】
工程4:これに続く工程は、実施例8と同様に行った(最終工程において、95mg、51%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.27‐8.28(d,1H),8.19(s,1H),7.54‐7.58(dd,1H),7.27‐7.32(m,1H),7.00‐7.06(m,2H),6.66‐6.69(d,2H),6.03‐6.09(m,1H),3.82‐3.85(m,4H),3.53‐3.56(m,4H),2.59(s,3H),1.85‐1.87(d,3H)。LC‐MS[M+H]:436.0。
【0166】
実施例22:2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐エタノールの合成
【化32】

工程1:EtOH(10mL)中の8d(400mg、2.72mmol)、KI(671mg、4.04mmol)、KOH(290mg、5.2mmol)、及び22a(625mg、5.0mmol)の混合物を、マイクロ波の条件下、155℃にて8時間反応させた。反応完了後、混合物を冷却し、ろ過し、蒸発させた。残渣を20mLのEtOAcに溶解し、20mLの水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濃縮し、黄色固体として22b(0.45g、収率86%)を得た。
【0167】
工程2:DMF(20mL)中の22b(0.45g、2.36mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(0.718g、2.83mmol)の溶液へ、KOAc(0.694g、7.08mmol)を添加した。この混合物を、Nで脱気し、10分間攪拌し、Pd(dppf)Cl(58mg、0.071mmol)を添加した。混合物を、Nで脱気し、80℃で一晩攪拌した。DMFを除去し、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、22c(149mg、収率26.6%)を得た。
【0168】
工程3:DMF(15mL)中の22c(149mg、0.63mmol)及びD(120mg、0.32mmol)の溶液へ、Nの保護下、Pd(PhP)Cl(22mg、0.032mmol)を添加した。この混合物を、Nで脱気し、10分間攪拌し、1N NaCO溶液を滴下した。混合物を、Nで脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=3:1)、表題の化合物(96mg、収率74%)を得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.11‐8.12(d,1H),7.59‐7.60(d,1H),7.641‐7.644(d,1H),7.26‐7.32(m,1H),7.01‐7.06(dd,1H),6.94‐6.95(d,1H),5.99‐6.05(m,1H),4.24‐4.27(m,2H),4.01‐4.04(m,2H),2.55(s,3H),1.84‐1.86(ds,3H)。LC/MS[M+H]:410.0。
【0169】
実施例23:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐2‐メチル‐ピリジンの合成
【化33】

工程1:無水EtOH(10mL)中の8d(500mg、3.4mmol)、KOH(286mg、5.1mmol)、及び23a(709mg、5.1mmol)の混合物を、還流下にて一晩加熱した。反応完了後、この混合物を冷却し、ろ過し、蒸発させた。残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濃縮して、黄色固体として23b(0.61g、収率87%)を得た。
【0170】
工程2:DMF(20mL)中の23b(0.61g、2.97mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(0.91g、3.57mmol)の溶液へ、KOAc(0.87g、8.91mmol)を添加した。この混合物を、Nで脱気し、10分間攪拌し、Pd(dppf)Cl.CHCl(73mg、0.089mmol)を添加した。混合物を、Nで脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:7)、オイルとして23c(0.34g、収率45%)を得た。
【0171】
工程3:DMF(15mL)中の23c(99mg、0.39mmol)及びD(100mg、0.26mmol)の溶液へ、Nの保護下、Pd(PhP)Cl(18mg、0.026mmol)を添加した。この混合物をNで脱気し、10分間攪拌し、1N NaCO水溶液を滴下した。混合物をNで脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をFC(EA:PE=1:1)及び分取用TLCで順に精製し、白色固体として表題の化合物(41mg、収率36.6%)を得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.15‐8.16(d,1H),7.64(s,2H),7.26‐7.31(m,1H),7.00‐7.06(dd,1H),6.95‐6.96(d,1H),5.99‐6.06(m,1H),4.27‐4.31(t,2H),3.74‐3.77(t,2H),3.35(s,3H),2.55(s,3H),1.84‐1.86(d,3H)。LC/MS[M+H]:424.0。
【0172】
実施例24:5’‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6’‐メチル‐[3,3’]ビピリジニル‐5‐カルボン酸ジメチルアミドの合成
【化34】

工程1:メタノール(20mL)中の24a(500mg、2.48mmol)の溶液へ、塩化チオニル(590mg、4.95mmol)を0乃至5Cで添加した。この混合物を、還流下にて一晩加熱し、飽和NaHCOで中和し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、水及び食塩水で順に洗浄した。得られた有機層を無水NaSO上で乾燥し、蒸発させて24b(468mg、87.5%)を得た。
【0173】
工程2:DMF(10mL)中の4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル(1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(660mg、2.60mmol)の0℃の溶液へ、KOAc(638mg、6.50mmol)及びPd(dppf)Cl.CHCl(53mg、0.065mmol)を添加した。この反応混合物を80℃まで加熱し、この時点で、DMF(10mL)中の24b(468mg、2.17mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を80℃で10時間さらに加熱し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィに掛け(EA:PE=1:10)、24c(572mg、約100%)を得た。
【0174】
工程3:DMF(10mL)中の24c(174mg、0.66mmol)及びD(100mg、0.27mmol)の溶液へ、窒素の保護下、Pd(PhCl(18mg、0.026mmol)を添加し、続いて、1N NaCO水溶液(1.1mL)を滴下した。この反応混合物を窒素で脱気し、一晩80℃で加熱し、ろ過した。ろ液を蒸発させた。残渣をCHCl/メタノール(2:1)に溶解し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、蒸発させることで粗生成物24eが得られ、これをさらなる精製を行わずに次の反応に直接用いた。
【0175】
工程4:DMF(10mL)中の、上記で得られた24e、HATU(151mg、0.40mmol)、及びDIEA(171mg、1.33mmol)の混合物を、室温で0.5時間攪拌し、次に、ジメチルアミン塩酸塩(33mg、0.40mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=3:1)、表題の化合物(89mg、75%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDOD):δ=8.71‐8.72(d,1H),8.61‐8.62(d,1H),8.27‐8.28(d,1H),7.97‐7.98(t,1H),7.43‐7.047(m,1H),7.21‐7.27(m,2H),6.23‐6.30(m,1H),3.04(s,3H),3.29(s,3H),2.60(s,3H),1.88‐1.93(d,3H)。LC‐MS[M+H]:448.0。
【0176】
実施例25:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イルメチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジンの合成
【化35】

工程1:0℃に冷却した無水DMF(5mL)中の8d(370mg、2.52mmol)の攪拌溶液へ、60%NaH(121mg、3.02mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、次に、4‐(ブロモメチル)‐2H‐3,4,5,6‐テトラヒドロピラン(25a)(496mg、2.77mmol)を添加した。得られた混合物を、次に、60℃で一晩加熱した。蒸発処理後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=10:1)、25b(541mg、87.6%)を得た。
【0177】
工程2:これに続く25bから表題の化合物への合成は、実施例11と同様に行った(最終工程において、86.6mg、70.4%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.18(bs,1H),7.63‐7.64(d,1H),7.52(s,1H),7.26‐7.31(m,1H),6.96‐7.07(m,2H),5.99‐6.06(m,1H),3.94‐4.01(m,4H),3.32‐3.41(m,2H),2.56(s,3H),2.04‐2.22(m,1H),1.85‐1.87(d,3H),1.44‐1.54(m,4H)。LC‐MS[M+H]:464.1。
【0178】
実施例26:5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐2’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,4’]ビピリジニルの合成
【化36】

工程1:モルホリン(13mL)中の26a(5.0g、38.9mmol)の懸濁液を、マイクロ波の条件下、200℃で1時間加熱した。室温に冷却後、この混合物中に析出物が出現した。エーテル(45mL)を添加し、この懸濁液を10分間攪拌した後、ろ過した。フィルターケーキをエーテルで洗浄し、乾燥して26b(6.61g、95%)を得た。
【0179】
工程2:98%HSO(308mL)及びHO(189mL)の混合物中の、氷浴で冷却した26b(6.61g、36.9mmol)の溶液へ、HO(137mL)によるNaNO(2.55g、36.9mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を、0℃で30分間攪拌し、次に、CuBr(6.09g、42.4mmol)及び48%HBr(100mL、80.91mmol)を添加した。0℃で15分間、及び60℃で30分間攪拌した後、この混合物を室温まで冷却し、中和してpH=8とし、EtOAcで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、減圧濃縮し、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、26c(5.03g、56%)を得た。
【0180】
工程3:これに続く26cから表題の化合物への合成は、実施例11と同様に行った(最終工程において、88.1mg、72.2%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.29(bs,1H),8.21‐8.23(d,1H),7.28‐7.31(m,1H),7.03‐7.09(m,2H),6.73‐6.75(m,1H),6.56(s,1H),6.03‐6.09(m,1H),3.84‐3.87(m,4H),3.46‐3.55(m,4H),2.62(s,3H),1.86‐1.93(d,3H)。LC‐MS[M+H]:462.1。
【0181】
実施例27:2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐N,N‐ジメチル‐アセタミドの合成
【化37】

工程1:無水DMF(5mL)中の0℃に冷却した8d(300mg、2.04mmol)の攪拌溶液へ、60%NaH(98mg、2.45mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、次に、27a(374mg、2.24mmol)及びKI(355mg、2.14mmol)を添加した。得られた混合物を、60℃で週末の間加熱した。蒸発処理の後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=10:1)、27b(330mg、70%)を得た。
【0182】
工程2:DMF(10mL)中の4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル(1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(436mg、1.72mmol)の0℃の溶液へ、KOAc(420mg、4.29mmol)及びPd(dppf)Cl.CHCl(35mg、0.043mmol)を添加した。この反応混合物を80℃まで加熱し、この時点で、DMF(10mL)中の27b(333mg、1.43mmol)の溶液を滴下した。得られた混合物を80℃で一晩攪拌し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィに掛け(酢酸エチル:ガソリン=1:10)、27c(76mg、19%)を得た。
【0183】
工程3:DMF(5mL)中の27c(57mg、0.15mmol)及びD(76mg、0.27mmol)の溶液へ、窒素の保護下、Pd(PPhCl(11mg、0.015mmol)を添加し、続いて、1N NaCO水溶液(0.06mL)を添加した。この反応混合物を脱気し、一晩80℃で加熱し、ろ過した。ろ液を蒸発させることで粗生成物27dが得られ、これをさらなる精製を行わずに次の反応に直接用いた。
【0184】
工程4:27d、2N NaOH水溶液(2mL、4mmol)、及びTHF(1mL)の混合物を、還流下で3時間加熱し、次に、pH=5乃至6まで酸性化した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×10mL)。一つにまとめた有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発させることで粗生成物27eが得られ、これをさらなる精製を行わずに次の反応に直接用いた。
【0185】
工程5:DMF(5mL)中の、上記で得られた27e、HATU(86mg、0.23mmol)、及びDIEA(97mg、0.76mmol)の混合物を、室温で0.5時間攪拌し、次に、ジメチルアミン塩酸塩(19mg、0.23mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:メタノール=20:1)、白色固体として表題の化合物(13.5mg、Dからの収率20%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.17(s,1H),7.71(s,1H),7.66(s,1H),7.27‐7.32(m,1H),6.98‐7.06(m,2H),6.01‐6.03(m,1H),4.99(s,2H),3.10(s,3H),2.99(s,3H),2.56(s,3H),1.82‐1.84(d,3H)。LC/MS[M+H]:451.1。
【0186】
実施例28:5‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐1,3‐ジヒドロ‐インドール‐2‐オンの合成
【化38】

工程1:−10℃に冷却したアセトニトリル(8mL)中の28a(500mg、3.76mmol)の溶液へ、N‐ブロモスクシンイミド(770mg、4.33mmol)を攪拌しながらゆっくり添加した。添加完了後、この混合物を−10℃で1時間攪拌し、次に、0℃まで2時間加温した。得られた析出物をろ過で回収し、水で洗浄し、減圧乾燥して、28b(513mg、64.4%)を得た。
【0187】
工程2:ジオキサン(20mL)中の、28b(513mg、2.42mmol)、4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル(1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(716mg、2.82mmol)、及びKOAc(878mg、8.95mmol)の混合物を、窒素で10分間パージし、次に、Pd(dppf)Cl.CHCl(108mg、0.13mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、ろ過した。ろ液を食塩水で洗浄し(15mL×2)、NaSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=4:1)、28c(470mg、75%)を得た。
【0188】
工程3:DMF(10mL)中の28c(171.3mg、0.66mmol)及びD(100mg、0.26mmol)の溶液へ、窒素の保護下、Pd(PhCl(20mg、0.028mmol)を添加し、続いて、1N NaCO水溶液(1.01mL)を滴下した。この反応混合物を脱気し、一晩80℃で加熱した。蒸発処理の後、混合物をカラムクロマトグラフィで精製(EA:PE=1:3)することで粗生成物が得られ、これを再度分取用TLC(EA:PE=1:1)で精製して、表題の化合物(5.6mg、5%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CD3OD):δ=8.13(d,1H),7.43‐7.46(q,1H),7.33(t,1H),7.20‐7.29(m,2H),6.93‐6.95(d,1H),6.19‐6.22(q,1H),3.317(s,2H),2.56(s,3H),1.89‐1.90(d,2H)。LC‐MS[M+H]:431.1。
【0189】
実施例29:3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐{1‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イル]‐1H‐ピラゾール‐4‐イル}‐2‐メチル‐ピリジンの合成
【化39】

CHCN(10mL)中の、実施例10(78mg、0.174mmol)、23a(48mg、0.348mmol)、KCO(120mg、0.870mmol)、及びKI(32mg、0.191mmol)の混合物を、マイクロ波の条件下にて、160℃で2時間反応させた。反応完了後、この混合物をろ過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:MeOH=10:1)、固体として表題の化合物(44mg、収率44.4%)を得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.14‐8.15(d,1H),7.62‐7.63(d,1H),7.59(s,1H),7.28‐7.33(m,1H),6.95‐7.06(dd,1H),6.94‐6.95(d,1H),6.01‐6.03(m,1H),4.02(m,1H),3.59‐3.63(t,2H),3.37(s,3H),3.18‐3.22(m,2H),2.71‐2.75(t,2H),2.56(s,3H),2.00‐2.43(m,6H),1.84‐1.86(d,3H)。LC/MS[M+H]:507.2。
【0190】
実施例30:2‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル}‐エタノールの合成
【化40】

合成は、実施例29と同様に行った(28mg、収率29%)。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.14‐8.15(d,1H),7.631‐7.633(d,1H),7.61(s,1H),7.28‐7.33(m,1H),7.01‐7.07(dd,1H),6.95‐6.96(d,1H),6.01‐6.04(m,1H),4.20‐4.26(m,1H),3.71‐3.75(t,2H),3.18‐3.22(m,2H),2.72‐2.74(t,2H),2.58(s,3H),2.07‐2.53(m,6H),1.84‐1.87(d,3H)。LC/MS[M+H]:493.1。
【0191】
実施例31:4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐カルボン酸ジメチルアミドの合成
【化41】

CHCl(5mL)中の10(18mg、0.04mmol)及びトリエチルアミン(16mg、0.16mmol)の溶液へ、31a(4.7mg、0.044mmol)を0℃で添加した。この混合物を、室温で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(メタノール:EA=2:15)、表題の化合物(12mg、57.7%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.16(s,1H),7.60‐7.63(d,2H),7.27‐7.32(m,1H),7.01‐7.06(m,1H),6.96‐6.97(d,1H),6.01‐6.06(m,1H),4.23‐4.28(m,1H),3.77‐3.82(m,2H),2.87‐2.97(m,2H),2.86(s,6H),2.55(s,3H),1.99‐2.19(m,4H),1.84‐1.86(d,3H)。LC‐MS[M+H]:519.7。
【0192】
実施例32:1‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐2‐ヒドロキシ‐エタノンの合成
【化42】

工程1:CHCl(5mL)中の10(18mg、0.04mmol)及びトリエチルアミン(16mg、0.16mmol)の溶液へ、32a(6.0mg、0.044mmol)を0℃で添加した。この混合物を室温で一晩攪拌し、蒸発させることで組成生物32bが得られ、これをさらなる精製を行わずに次の工程に用いた。
【0193】
工程2:メタノール(2mL)中の32bの溶液へ、水(0.5mL)及びLiOH(1.4mg)を添加した。この混合物を室温で0.5時間攪拌し、次に、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(メタノール:EA=1:6)、表題の化合物(18.7mg、10からの収率92%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.14‐8.15(d,1H),7.64(s,1H),7.57(s,1H),7.27‐7.32(m,1H),7.01‐7.07(m,1H),6.95‐6.96(d,1H),6.01‐6.04(m,1H),4.67‐4.72(m,1H),4.36‐4.39(m,1H),4.21(s,2H),3.64‐3.70(m,1H),3.13‐3.21(m,1H),2.92‐2.99(m,1H),2.56(s,3H),2.19‐2.26(m,2H),1.98‐2.06(m,2H),1.85‐1.87(d,3H)。LC/MS[M+H]:506.8。
【0194】
実施例33:4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐カルボン酸ジメチルアミドの合成
【化43】

工程1:DMF(4.5mL)中の33a(100mg、0.52mmol)の溶液へ、60%NaH(20.6mg、0.52mmol)を、0℃にてゆっくり添加した。0℃で1時間攪拌した後、得られた混合物に、DMF(0.5mL)中の31a(66mg、0.62mmol)の溶液を滴下し、次に室温で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=7:1)、33b(62.5mg、46%)を得た。
【0195】
工程2:最終工程は、実施例8と同様に行った(最終工程において、61mg、90%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.26(s,1H),8.22(s,1H),7.78(s,1H),7.29‐7.33(m,1H),7.00‐7.07(m,2H),6.01‐6.07(m,1H),3.20(s,6H),2.58(s,3H),1.85‐1.87(d,3H)。LC‐MS[M+H]:436.8。
【0196】
実施例34:2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オールの合成
【化44】

工程1:氷浴で冷却したDMF(10mL)中の8d(0.5g、3.4mmol)の溶液へ、60%NaH(164mg、4.1mmol)を添加した。この混合物を1時間攪拌した後、34a(0.796g、4.1mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:20)、34b(0.75g、収率85%)を得た。
【0197】
工程2:無水THF(10mL)中の34b(0.75g、2.87mmol)の溶液へ、Nの保護下、LiAlH(THF4mL中、120mg)を滴下した。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、次に、氷浴で冷却しながら2N HClで反応を停止し、pH=5とした。不溶物をろ過で除去した。フィルターケーキをEAで数回抽出した。一つにまとめた有機層を食塩水及び水で洗浄し、次に、NaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、34c(248mg、収率37%)を得た。
【0198】
工程3:DMF(15mL)中の、34c(245mg、1.12mmol)及びビス(ピナコラート)ジボロン(320mg、1.26mmol)の溶液へ、KOAc(309mg、3.15mmol)を添加した。この混合物を脱気し、10分間攪拌し、次に、Pd(dppf)Clを添加した。添加完了後、この混合物を脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:7)、白色状(off‐white)の固体として34d(134mg、収率45%)を得た。
【0199】
工程4:DMF(10mL)中の、34d(134mg、0.5mmol)及びD(90mg、0.24mmol)の溶液へ、Nの保護下、Pd(PhP)Cl(17mg、0.024mmol)を添加した。この混合物を脱気し、10分間攪拌し、次に1N NaCO水溶液を滴下した。この混合物を脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣を、カラムクロマトグラフィ(EA:PE=1:2)及び分取用‐TLCで順に精製し、表題の化合物(27mg、収率26%)を得た。H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.10‐8.11(d,1H),7.66‐7.66(d,1H),7.60‐7.61(d,1H),7.26‐7.31(m,1H),6.99‐7.05(dd,1H),6.93‐6.94(d,1H),5.97‐6.01(m,1H),3.80(s,2H),2.54(s,3H),1.84‐1.86(d,3H),1.57(s,6H)。LC‐MS[M+H]:437.8。
【0200】
実施例35及び36:4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジン、及び2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジンの合成
【化45】

工程1:CHCl(30mL)中の33a(1.0g、5.15mmol)の溶液へ、DIEA(2.0g、15.5mmol)を添加し、続いて、(Boc)O(1.55g、7.4mmol)を0℃で滴下した。得られた混合物を室温で2日間攪拌した。反応完了をTLCで検出後、混合物を蒸発させ、残渣をシリカカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=4:1)、35a(0.86g、収率57%)を得た。
【0201】
工程2:DMF(35mL)中の、D(400mg、1.06mmol)及び35a(467mg、1.59mmol)の攪拌混合物へ、Pd(PPhCl(74mg、0.11mmol)を添加し、続いて1N NaCO水溶液(4.7mL)をゆっくり添加した。この反応混合物を脱気し、80℃で一晩加熱した。反応完了後、DMFを蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=1:1)、35b(267mg、70%)を得た。
【0202】
工程3:DMSO(1mL)中の35b(20mg、0.055mmol)の溶液へ、35c(41mg、0.27mmol)を添加し、続いて、DBU(9mg、0.057mmol)を室温で添加した。得られた混合物を80℃で2時間加熱した。反応完了後、溶媒を蒸発させ、残渣を分取用TLCで精製し、35d(14mg、53%)及び36a(6mg、23%)を得た。
【0203】
工程4:メタノール(6mL)中の、35d(13mg、0.027mmol)及び10%Pd/C(10.7mg)の混合物を、水素雰囲気下にて、3時間水素化した。反応完了後、この混合物をろ過した。ろ液を濃縮し、分取用TLCで精製し、35(2.7mg、22%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=9.05(s,1H),8.76‐8.79(m,2H),8.27(s,1H),7.91‐7.93(m,2H),7.29‐7.34(m,1H),7.02‐7.07(m,2H),6.05‐6.08(m,1H),2.57(s,3H),1.85‐1.89(d,3H)。LC‐MS[M+H]:444.2。
【0204】
36aを同様に扱うことで、36(2.1mg、36%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=8.77‐8.79(d,2H),8.75(s,1H),8.29(s,1H),7.97(s,1H),7.29‐7.33(m,1H),7.22‐7.26(m,1H),7.01‐7.08(m,2H),6.04‐6.11(m,1H),2.59(s,3H),1.87‐1.89(d,3H)。LC‐MS[M+H]:444.2。
【0205】
実施例37:5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐カルボン酸ジメチルアミドの合成
【化46】

工程1:THF(50mL)中の37a(10g、50mmol)の溶液へ、THF(50mL)中のLiHMDSA(55mmol)の溶液を、−78℃で添加した。この温度で30分間攪拌した後、この混合物に、50mLのTHF中のN‐フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(18.2g、51mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を0℃まで加温し、3時間攪拌し、蒸発させた。残渣を中性アルミナカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=10:1)、オイルとして化合物37b(9.3g、収率58%)を得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ=1.45(s,9H),2.43‐2.45(m,2H),3.60‐3.64(m,2H),4.03‐4.04(m,2H),5.76(m,1H)。
【0206】
工程2:ジオキサン(15mL)中の、37b(0.50g、1.51mmol)、4,4,5,5‐テトラメチル‐2‐(4,4,5,5‐テトラメチル(1,3,2‐ジオキサボロラン‐2‐イル))‐1,3,2‐ジオキサボロラン(0.46g、1.81mmol)、KOAc(0.445g、4.53mmol)、及びdppf(25mg、0.045mmol)の混合物を、窒素で10分間パージし、次に、Pd(dppf)Cl.CHCl(37mg、0.045mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、ろ過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(EA:PE=1:10)、37c(448mg、95%)を得た。
【0207】
工程3:DMF(10mL)中の、37c(117mg、0.39mmol)及びD(100mg、0.26mmol)の溶液へ、Nの保護下、Pd(PhP)Cl(19mg、0.027mmol)を添加した。この混合物を脱気し、次に、1N NaCO水溶液(1.1mL)を滴下した。この混合物を再び脱気し、80℃で一晩攪拌した。反応完了後、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=10:1)、37d(120mg、収率94%)を得た。
【0208】
工程4:DCM(3mL)中の37d(120mg、0.25mmol)の溶液へ、TFA(1mL)を添加した。得られた混合物を、室温で4時間攪拌し、蒸発させた。残渣を、さらなる精製を行わずに次の反応に直接用いた。
【0209】
工程5:最終工程を、実施例31と同様に行い、表題の化合物(97mg、86%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.07‐8.08(d,1H),7.27‐7.32(m,1H),7.02‐7.08(m,1H),6.88(d,1H),5.95‐6.02(m,2H),3.88‐3.91(m,2H),3.39‐3.43(m,2H),2.83(s,6H),2.56(s,3H),2.32‐2.47(m,2H),1.83‐1.85(d,3H)。LC‐MS[M+H]:452.0。
【0210】
実施例38:{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐イル}‐モルホリン‐4‐イル‐メタノンの合成
【化47】

合成は、実施例37と同様に行った(57mg、77%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl):δ=8.05(d,1H),7.26‐7.31(m,1H),7.02‐7.08(m,1H),6.85(s,1H),5.93‐6.03(m,2H),3.92‐3.93(m,2H),3.66‐3.71(m,4H),3.43‐3.46(m,2H),3.26‐3.29(m,4H),2.55(d,3H),2.33‐2.54(m,2H),1.81‐1.87(d,3H)。LC‐MS[M+H]:494.1。
【0211】
実施例39:6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐4‐イルアミドの合成
【化48】

工程1:DMF(5mL)中のC(200mg、0.59mmol)の溶液へ、Boc2O(233mg、1.07mmol)及びDMAP(15mg、0.12mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩攪拌し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=10:1)、39a(228mg、72%)を得た。
【0212】
工程2:酢酸ナトリウム(26mg、0.32mmol)を、エタノール/DMD[(5:1)(6mL)]中の39a(85mg、0.16mmol)の溶液へ添加した。この混合物を脱気し、次に、Pd(dppf)Cl.CHCl(13mg、0.016mmol)を添加した。得られた混合物を、CO雰囲気下、90℃で一晩加熱し、次に、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィで精製し(PE:EA=1:4)、39b(54mg、59%)を得た。
【0213】
工程3:THF(9mL)中の39b(439mg、0.76mmol)の溶液へ、1N LiOH水溶液(0.9mL)を添加した。得られた混合物を室温で週末の間攪拌し、次に、2N HClで酸性化してpH=5とし、酢酸エチルで抽出した(30mL×5)。一つにまとめた有機相をNaSO上で乾燥し、ろ過し、濃縮して39c(411mg、98%)を得た。
【0214】
工程4:DCM(5mL)中の、39c(50mg、0.092mmol)及びTEA(19mg、0.18mmol)の混合物へ、塩化オキサリル(23mg、0.18mmol)を0℃で滴下した。添加完了後、この混合物を室温で2時間攪拌し、蒸発させた。残渣をDCM(2mL)へ溶解し、DCM(4mL)中の、39e(17mg、0.18mmol)及びTEA(46mg、0.46mmol)の混合物へ、0℃で滴下した。添加完了後、この混合物を室温で週末の間攪拌し、次に、蒸発させた。残渣を、DCM(3mL)及びTFA(1mL)の混合物に溶解し、室温で2時間攪拌し、蒸発させた。得られた残渣を、飽和NaCO水溶液でpH=8まで塩基性化し、酢酸エチルで抽出した(10mL×5)。一つにまとめた有機相をMgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を、分取用TLCで精製し、表題の化合物(5.1mg、13%)を得た。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=9.94(s,1H),8.52‐8.54(d,2H),7.62‐7.64(dd,2H),7.33‐7.38(m,2H),7.07‐7.13(m,1H),6.24‐6.27(m,1H),5.43(s,2H),1.89‐1.92(d,3H)。LC‐MS[M+H]:422.0。
【0215】
実施例40:6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸メチルアミドの合成

【化49】

合成は、実施例39と同様に行った(最終工程において、11mg、13%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=7.81(s,1H),7.30‐7.34(m,2H),7.04‐7.10(m,1H),6.18‐ 6.25(m,1H),5.55(s,2H),2.96‐2.98(d,3H),1.89‐1.92(d,3H)。LC‐MS[M+H]:359.0。
【0216】
実施例41:6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐アミドの合成
【化50】

合成は、実施例39と同様に行った(最終工程において、1.0mg、13%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=7.30‐7.35(m,1H),7.06‐7.13(m,1H),6.79(s,1H),6.13‐6.19(m,1H),5.16(s,2H),4.16‐4.26(m,1H),3.48‐3.78(m,2H),1.83‐1.85(d,3H),1.60‐1.60(m,6H)。LC‐MS[M+H]:429.1。
【0217】
実施例42:6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐3‐イルアミドの合成
【化51】

合成は、実施例39と同様に行った(最終カップリング工程において、36mg、32%)。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=9.85(s,1H),8.79‐8.80(d,1H),8.36‐8.38(dd,1H),8.24‐8.28(m,1H),7.40(s,1H),7.30‐7.40(m,1H),7.07‐7.13(q,1H),6.23‐6.29(q,1H),5.41(s,2H),1.89‐1.91(d,3H)。LC‐MS[M+H]:422.0。
【0218】
実施例43:6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリミジン‐5‐イルアミドの合成
【化52】

合成は、実施例39と同様に行った。1H‐NMR(300MHz,CDCl3):δ=9.86(s,1H),9.16(s,2H),8.99(s,1H),7.34‐7.39(m,2H),7.08‐7.14(q,1H),6.22‐6.27(q,1H),5.47(s,2H),1.89‐1.92(d,1H)。LC‐MS[M+H]:423.0。
【0219】
Met生化学アッセイ
試験化合物に対しては、実質的に以下に示す手順に従って、生化学的活性についてのアッセイが実施される。最終的な反応容量25μl中にて、Met(h)(5‐10mU)を、8mMのMOPS pH7.0、0.2mMのEDTA、250μMのKKKSPGEYVNIEFG、10mMの酢酸マグネシウム、及び[γ‐33P‐ATP](比活性およそ500cpm/pmol、必要に応じた濃度)と共にインキュベートする。MgATP混合物を添加することで反応を開始する。室温にて40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液5μlを添加して反応を停止する。次に、10μlの反応物をP30フィルターマット上へスポットし、75mMリン酸中にて5分間3回、メタノール中にて1回洗浄した後、乾燥し、シンチレーション測定に掛ける。
【0220】
Ron生化学アッセイ
化合物に対しては、実質的に以下に示す手順に従って、生化学的活性についてのアッセイが実施される。最終的な反応容量25μl中にて、Ron(h)(5‐10mU)を、8mMのMOPS pH7.0、0.2mMのEDTA、250μMのKKSRGDYMTMQIG、10mMの酢酸マグネシウム、及び[γ‐33P‐ATP](比活性およそ500cpm/pmol、必要に応じた濃度)と共にインキュベートする。MgATP混合物を添加することで反応を開始する。室温にて40分間インキュベートした後、3%リン酸溶液5μlを添加して反応を停止する。次に、10μlの反応物をP30フィルターマット上へスポットし、75mMリン酸中にて5分間3回、メタノール中にて1回洗浄した後、乾燥し、シンチレーション測定に掛ける。
【0221】
c‐Met受容体リン酸化アッセイ
本アッセイには、A549細胞を用いる。細胞を、増殖培地(RPMI+10%FBS)中、40000個/ウェルの密度で24ウェルプレート中へ播種し、37℃で一晩培養して接着させる。細胞を飢餓培地(RPMI+1%BSA)に曝露する。試験化合物の希釈物をプレートへ添加し、37℃で1時間インキュベートする。次に、細胞を室温まで15分間冷却し、続いて、40ng/mlのHGFで15分間刺激する。細胞を氷冷PBSで1回洗浄し、次に、110μl/ウェルの溶解バッファー(Cell Signaling #9803+0.2%プロテアーゼ阻害剤、Sigma P1860)により、4℃で1時間溶解した。細胞ライセートをマイクロ遠心チューブに移し、10000rpmにて10分間4℃で遠心に掛け、リン酸化HGFRを、Human Phospho‐HGF R/c‐Met ELISAキット(R&D、DYC2480)により、製造元の説明書に従って定量する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I又はIIの化合物:
【化53】

であって、
ここで:
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリールアルキル又はヘテロアリールアルキルであり;
は、各々、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよい、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はアミドであり;
は、水素、ヒドロキシル、アルコキシ、又はアルキルアミノであり;
は、水素又はCHであり;
は、水素、NH、又はCHであり;
及びZは、各々、独立して、ハロゲン、CN、NO、OR15、SR15、S(O)OR15、NR1516、C‐Cパーフルオロアルキル、C1‐C2パーフルオロアルコキシ、1,2‐メチレンジオキシ、C(O)OR15、C(O)NR1516、OC(O)NR1516、NR15C(O)NR1516、C(NR16)NR1516、NR15C(NR16)NR1516、S(O)NR1516、R17、C(O)R17、NR15C(O)R17、S(O)R17、S(O)17、R16、オキソ、C(O)R16、C(O)(CHOH、(CHOR15、(CHC(O)NR1516、NR15S(O)17であって、ここで、nは、独立して、0乃至6のこれらを含む数であり;
15は、各々、独立して、水素、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキルであり;
16は、各々、独立して、水素、アルケニル、アルキニル、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;
17は、各々、独立して、C‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C‐Cアルキル、又はC‐Cシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、若しくはヘテロアリールで置換されたC‐Cアルキルであり;並びに、
Xは、N又はCRである、
化合物、若しくはその塩;又はそのプロドラッグ、若しくはそのプロドラッグの塩;又はその水和物、溶媒和物、若しくは多形体。
【請求項2】
前記の化合物が、式(Ia)又は(IIa)の化合物:
【化54】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記の化合物が、式(IIb)の化合物:
【化55】

であり、
ここで、R及びRが、独立して、水素、任意に置換されていてもよいアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、並びに、R及びRが結合している窒素と合わせて0乃至3個のさらなるヘテロ原子と共に任意に置換されていてもよいヘテロ環を形成するR及びRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、1乃至4個の独立したZで任意に置換されていてもよいヘテロ環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記の化合物が、
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐メタノン;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノン;
4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N‐(2‐ジエチルアミノ‐エチル)‐ベンズアミド;
4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐N,N‐ジメチル‐ベンズアミド;
(4‐{6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐ピリミジン‐5‐イル‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐(1‐ピペリジン‐4‐イル‐1H‐ピラゾール‐4‐イル)‐ピリジン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐(6‐モルホリン‐4‐イル‐ピリジン‐3‐イル)‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[6‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐ピリジン‐3‐イル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
4‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐[4‐(4‐メチル‐ピペラジン‐1‐イル)‐フェニル]‐ピリダジン‐3‐イルアミン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐モルホリン‐4‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐(4‐ピロリジン‐1‐イル‐ピペリジン‐1‐イル)‐メタノン塩酸塩;
(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐ピペラジン‐1‐イル‐メタノン塩酸塩;
[1,4]ジアゼパン‐1‐イル‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐フェニル)‐メタノン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐6’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,3’]ビピリジニル;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐フラン‐3‐イル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐エタノール;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐2‐メチル‐ピリジン;
5’‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6’‐メチル‐[3,3’]ビピリジニル‐5‐カルボン酸ジメチルアミド;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐2‐メチル‐5‐[1‐(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イルメチル)‐1H‐ピラゾール‐4‐イル]‐ピリジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐2’‐モルホリン‐4‐イル‐[3,4’]ビピリジニル;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐N,N‐ジメチル‐アセタミド;
5‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐1,3‐ジヒドロ‐インドール‐2‐オン;
3‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐5‐{1‐[1‐(2‐メトキシ‐エチル)‐ピペリジン‐4‐イル]‐1H‐ピラゾール‐4‐イル}‐2‐メチル‐ピリジン;
2‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐エタノール;
4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐カルボン酸ジメチルアミド;
1‐[4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピペリジン‐1‐イル]‐2‐ヒドロキシ‐エタノン;
4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐カルボン酸ジメチルアミド;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐2‐メチル‐プロパン‐1‐オール;
4‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジン;
2‐(4‐{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐ピリジン‐3‐イル}‐ピラゾール‐1‐イル)‐ピリミジン;
5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐カルボン酸ジメチルアミド;
{5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐6‐メチル‐3’,6’‐ジヒドロ‐2’H‐[3,4’]ビピリジニル‐1’‐イル}‐モルホリン‐4‐イル‐メタノン;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐4‐イルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸メチルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸(テトラヒドロ‐ピラン‐4‐イル)‐アミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリジン‐3‐イルアミド;
6‐アミノ‐5‐[1‐(2,6‐ジクロロ‐3‐フルオロ‐フェニル)‐エトキシ]‐ピリダジン‐3‐カルボン酸ピリミジン‐5‐イルアミド、
のうちの一つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
対象の疾患を治療する方法であって、該対象に、請求項1に記載の化合物を投与する工程を含む、方法。
【請求項8】
対象の疾患を治療する方法であって、該対象に、請求項1に記載の化合物を含む組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項9】
前記の疾患が、c‐metキナーゼ又はronキナーゼによって媒介される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記の疾患が、癌又は増殖性疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記の疾患が、肺癌、結腸癌、乳癌、前立腺癌、肝臓癌、膵臓癌、脳癌、腎臓癌、卵巣癌、胃癌、皮膚癌、及び骨癌、胃癌、乳癌、膵臓癌、グリオーマ、及び肝細胞癌、乳頭状腎癌、頭頚部扁平上皮癌である、請求項7に記載の方法。

【公表番号】特表2010−516680(P2010−516680A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546432(P2009−546432)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/000694
【国際公開番号】WO2008/088881
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509069179)エックスカバリー,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】