説明

キーレスエントリ装置

【課題】電動ドアの施錠にまつわる操作性の向上を図る上で有利なキーレスエントリ装置を提供する。
【解決手段】キーレスエントリ装置10は、使用者が携帯する携帯機12と予め定められた情報および信号を通信することにより車両の電動ドア2の開閉、施錠解錠を行うものである。施錠予約受付手段14Dが電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否し、電動ドア2が全閉位置に位置すると、施錠予約実行手段14Fによって施錠予約を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電動スライドドアを有する車両に搭載されるキーレスエントリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用者が携帯する無線式の携帯機を用いて車両のドアの施錠、解錠を制御するキーレスエントリ装置が提供されている(特許文献1参照)。
すなわち、キーレスエントリ装置は、携帯機から送信される識別情報を受信し、該受信した識別情報と予め保持された識別情報との照合を行う。
キーレスエントリ装置は、照合結果が肯定である場合に、携帯機から送信される解錠あるいは施錠を要求する要求信号を受け付け、該要求信号に応じて車両のドアの施錠あるいは解錠を行う。
このようなキーレスエントリ装置は、電動ドアがモータの駆動力によって車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動する車両にも適用されている。
なお、電動ドアは、車両の左右の側部の一方または双方に設けられたスライドドアあるいは車両の後部に設けられたテールゲートを含む。
携帯機には、電動ドアを全開位置あるいは全閉位置に移動させるための開閉スイッチと、電動ドアの施錠を行うための施錠スイッチと、電動ドアの解錠を行うための解錠スイッチとが設けられている。
なお、前記の携帯機に加えて、電動ドアにドア側施錠スイッチ、ドア側解錠スイッチを設け、これらドア側施錠スイッチ、ドア側解錠スイッチを操作することによっても前記の携帯機を用いた場合と同様に電動ドアの施錠、解錠を行えるようにしたキーレスオペレーション装置も知られている。
本明細書では、キーレスエントリ装置は、上記の携帯機のみでドアの解錠施錠を行うキーレスエントリ装置と、携帯機に加えてドア側施錠スイッチおよびドア側解錠スイッチによる操作も可能としたキーレスオペレーション装置との双方を含むものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−2561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のキーレスエントリ装置を用いて、電動ドアを施錠する場合には、次に示すような手順が必要であった。
1)使用者は、いったん携帯機の開閉スイッチを操作することで全開位置にある電動ドアを全閉位置に向けて移動させる。
2)次いで、使用者は、電動ドアが開口部を閉塞したことを目視するなどして確認する。
3)次いで、使用者は、携帯機の施錠スイッチあるいはドア側施錠スイッチを操作することで電動ドアの施錠を行わせる。
したがって、使用者は電動ドアが全閉位置に移動するまで待機しなくてはならず、さらに開口部が電動ドアで閉塞されたことを確認しなくてはならない。
そのため、施錠にまつわる操作性に改善の余地がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、電動ドアの施錠にまつわる操作性の向上を図る上で有利なキーレスエントリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明は、使用者が携帯する携帯機が送信する識別情報と予め保持された識別情報との照合結果が肯定である場合に、前記携帯機が送信する要求信号に応じた指令信号を出力する第1の指令出力手段と、前記指令信号として開閉指令信号を受け付けると、電動ドアを車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動させる開閉手段に開閉制御信号を供給する開閉制御手段と、前記指令信号として施錠指令信号または解錠指令信号を受け付けると、前記電動ドアを施錠または解錠する施錠解錠手段に施錠信号または解錠信号を供給する施錠解錠制御手段とを備えたキーレスエントリ装置であって、前記指令信号として前記電動ドアの施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否する施錠予約受付手段と、前記電動ドアが全閉位置に位置すると、前記施錠解錠制御手段から前記施錠解錠手段に施錠信号を供給させることで前記施錠予約を実行する施錠予約実行手段とを備えることを特徴とする。
また本発明は、使用者が携帯する携帯機が送信する識別情報と予め保持された識別情報との照合結果が肯定である場合に、前記携帯機が送信する要求信号に応じた指令信号を出力する第1の指令出力手段と、前記指令信号として開閉指令信号を受け付けると、電動ドアを車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動させる開閉手段に開閉制御信号を供給する開閉制御手段と、前記電動ドアに設けられた施錠解錠スイッチの操作に応じて施錠指令信号または解錠指令信号を出力する第2の指令出力手段と、前記施錠指令信号または解錠指令信号を受け付けると、前記電動ドアを施錠または解錠する施錠解錠手段に施錠信号または解錠信号を供給する施錠解錠制御手段を備えたキーレスエントリ装置であって、前記電動ドアの施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否する施錠予約受付手段と、前記電動ドアが全閉位置に位置すると、前記施錠解錠制御手段から前記施錠解錠手段に施錠信号を供給させることで前記施錠予約を実行する施錠予約実行手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、施錠予約受付手段によって施錠予約が受け付けられたならば、施錠予約実行手段によって施錠予約が実行される。
したがって、使用者は電動ドアが全閉位置に移動するまで待機し、電動ドアの閉塞を確認してから携帯機を操作するといった手間がかからず、施錠予約が受け付けられたならば、車両近傍からいつでも立ち去ることができるので、電動ドアの施錠にまつわる操作性の向上を図る上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は本実施の形態のキーレスエントリ装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】キーレスエントリ装置10の動作の第1の例を示すフローチャートである。
【図3】キーレスエントリ装置10の動作の第2の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本実施の形態のキーレスエントリ装置10の構成を示すブロック図である。
キーレスエントリ装置10は、使用者が携帯する携帯機12と予め定められた情報および信号を通信することにより車両の電動ドア2の開閉、施錠解錠を行う機能を有している。
【0009】
キーレスエントリエントリ装置10を説明する前に、電動ドア2と、電動ドア2を開閉、施錠、解錠するための構成について説明する。
本実施の形態では、電動ドア2が車両の左右の側部の一方または双方に設けられた電動スライドドアである場合について説明するが、電動ドア2が車両の後部に設けられたテールゲートであっても本発明は無論適用される。
電動ドア2は、車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動可能に設けられている。
なお、本実施の形態では、車両に2つ以上の電動ドア2が設けられている場合について説明するが、以下では、説明の簡略化を図るため、1つの電動ドア2について説明し、この1つの電動ドア2を開閉、施錠、解錠するための構成について説明する。
したがって、実際には、電動ドア2を開閉、施錠、解錠するための構成も電動ドア2の数に対応して複数設けられている。
【0010】
車両には、電動ドアモータ22、ラッチモータ24、リリースモータ26、室内ドアノブセンサ28、室外ドアノブセンサ30、挟まれ防止タッチセンサ32、施錠アクチュエータ34、ドア開閉センサ36、室内開閉スイッチ38、車室外ブザー40、ドア側施錠スイッチ42、ドア側解錠スイッチ44などが設けられている。
【0011】
電動ドアモータ22は、開閉制御信号としての電動ドアモータ駆動信号が供給されることで電動ドア2を全閉位置から全開位置に向けて移動させ、また、電動ドア2を全開位置から全閉位置に向けて移動させる。
【0012】
ラッチモータ24は、開閉制御信号としてのラッチモータ駆動信号が供給されることで動作するものである。
ラッチモータ24は、電動ドア2に設けられた不図示のラッチを係合方向に動かすことにより、前記ラッチに対向する開口部の箇所に設けられたストライカにラッチを係合させることで電動ドア2を半ドア状態から全閉位置に移動させ、電動ドア2の全閉位置を保持するものである。
【0013】
リリースモータ26は、開閉制御信号としてのリリースモータ駆動信号が供給されることで動作するものである。
リリースモータ26は、前記のラッチを係合方向と反対方向である解除方向に動かすことにより、ストライカに対するラッチの係合を解除させることで電動ドア2の全閉位置の保持を解除するものである。
本実施の形態では、電動ドアモータ22、ラッチモータ24、リリースモータ26によって電動ドア2を全開位置と全閉位置との間で移動させる開閉手段が構成されている。
また、本実施の形態では、前記開閉手段がラッチモータ24およびリリースモータ26の2つのモータを用いてラッチをストライカに係脱する場合について説明したが、単一のモータでラッチをストライカに係脱するようにしてもよく、前記開閉手段の構成は任意である。
【0014】
図示しないが、電動ドア2の室内側には、電動ドア2を手動操作で開閉するための室内ドアノブが設けられ、電動ドア2の室外側には、電動ドア2を手動操作で開閉するための室外ドアノブが設けられている。
室内ドアノブセンサ28は、前記の室内ドアノブが開方向あるいは閉方向に操作されたことを検出するものである。
室外ドアノブセンサ30は、前記の室外ドアノブが開方向あるいは閉方向に操作されたことを検出するものである。
【0015】
挟まれ防止タッチセンサ32は、電動ドア2が全開位置に位置した状態で開口部に対向する電動ドア2の縁部に設けられ、人や物体が電動ドア2に接触したことを検出するものである。
【0016】
施錠アクチュエータ34は、電動ドア2を含む全てのドアのそれぞれに設けられている。
電動ドア2を除くドア、すなわち手動によって開閉されるドアに設けられている施錠アクチュエータ34は、施錠信号または解錠信号が供給されることにより、従来公知の施錠機構を駆動させて前記手動ドアの施錠または解錠を行うものである。
電動ドア2に設けられている施錠アクチュエータ34は、施錠信号または解錠信号が供給されることにより、従来公知の施錠機構を駆動させて全閉位置に位置する電動ドア2の施錠または解錠を行うものである。
本実施の形態では、施錠アクチュエータ34によって施錠解錠手段が構成されている。
【0017】
ドア開閉センサ36は、電動ドア2を含む全ドアのそれぞれに設けられている。
各ドア開閉センサ36は、電動ドア2および電動ドア2を除くドアが開口部を閉じる全閉位置にあるか否かを検出するものである。
したがって、ドア開閉センサ26で全閉位置が検出されていない場合、電動ドア2あるいは前記ドアは半ドア状態と全開位置との間の何れかの位置に位置していることになる。
【0018】
室内開閉スイッチ38は、車室内の例えば運転席近傍の箇所に設けられ、電動ドア2を開閉させるために操作されるものである。
【0019】
車室外ブザー40は、報知制御信号が供給されることにより、室外に向けてブザー音を発生させることにより、所定の報知動作を実行するものである。
【0020】
ドア側施錠スイッチ42は、電動ドア2を含む全ドアのそれぞれに設けられている。
ドア側施錠スイッチ42は、電動ドア2および電動ドア2を除くドアを施錠するために操作されるものである。
ドア側施錠スイッチ42としては、例えば、ドアノブに設けられ、指先で押圧されることによって作動するプッシュ式スイッチなど従来公知のさまざまなスイッチが使用可能である。
【0021】
ドア側解錠スイッチ44は、電動ドア2を含む全ドアのそれぞれに設けられている。
ドア側解錠スイッチ44は、電動ドア2および電動ドア2を除くドアを解錠するために操作されるものである。
ドア側解錠スイッチ44としては、例えば、ドアノブに設けられ、指先が接触することによって作動するタッチセンサなど従来公知のさまざまなセンサやスイッチが使用可能である。
なお、本実施の形態では、ドア側施錠スイッチ42およびドア側解錠スイッチ44によって、特許請求の範囲施錠解錠スイッチが構成されている。
【0022】
次に携帯機12について説明する。
携帯機12は、通信部12A、制御部12B、開閉スイッチ12C、施錠スイッチ12D、解錠スイッチ12Eを含んで構成されている。
通信部12Aは、後述するキーレスエントリECU14の通信部14Aと間で情報および信号を無線通信によって送受信するものである。
開閉スイッチ12Cは、電動ドア2を開閉するために操作されるものである。
施錠スイッチ12Dは、電動ドア2を含む全ドアを施錠するために操作されるものである。
解錠スイッチ12Eは、電動ドア2を含む全ドアを解錠するために操作されるものである。
制御部12Bは、予め定められた固有の識別情報を保持しており、通信部12AがキーレスエントリECU14の通信部14Aから送信される返信要求信号を受信すると、通信部12Aを介して前記識別情報を返信信号として通信部14Aに送信する。
また、制御部12Bは、開閉スイッチ12C、施錠スイッチ12D、解錠スイッチ12Eのそれぞれが操作されると、通信部12Aから要求信号として開閉要求信号、施錠要求信号、解錠要求信号のそれぞれを送信させる。
【0023】
次にキーレスエントリ装置10について説明する。
キーレスエントリ装置10は、キーレスエントリECU(Electronic Control Unit)14と、統合ECU16と、電動ドアECU18と、各ECU14、16、18を接続する通信ネットワークとしてのCAN(Controller Area Network)バス20などを含んで構成されている。
各ECU14、16、18は、CPU、制御プログラムなどを格納するROM、ワーキングエリアを提供するRAM、周辺回路とのインタフェースをとるインタフェース部などがバスによって接続されたマイクロコンピュータを含んで構成されている。
各ECU14、16、18は、それぞれのCPUが制御プログラムを実行することにより機能する。
また、各ECU14、16、18は、CANバス20を介して情報および信号の授受を行う。
【0024】
次に、キーレスエントリECU14について説明する。
キーレスエントリECU14は、通信部14A、照合部14B、指令出力手段14C、施錠予約受付手段14D、施錠予約解除手段14E、施錠予約実行手段14F、報知制御手段14Gを含んで構成されている。
本実施の形態では、キーレスエントリECU14には、前述した車室外ブザー40、ドア側施錠スイッチ42、ドア側解錠スイッチ44が接続されている。
【0025】
通信部14Aは、携帯機12の通信部12Aと間で情報および信号を無線通信によって送受信するものである。
【0026】
照合部14Bは、予め定められた固有の識別情報を保持しており、この識別情報と、携帯機12(通信部12A)から送信された前記識別情報とを照合し、その照合結果が肯定か否定かを判定するものである。
【0027】
指令出力手段14Cは、前記の照合結果が肯定である場合に、携帯機12が送信する要求信号に応じた指令信号をCANバス20に出力するものである。
すなわち、指令出力手段14Cは、前記の開閉要求信号、施錠要求信号、解錠要求信号のそれぞれに応じて、開閉指令信号、施錠指令信号、解錠指令信号のそれぞれを指令信号としてCANバス20に出力するものである。
すなわち、本実施の形態では、指令出力手段14Cによって特許請求の範囲の第1の指令出力手段が構成されている。
また、指令出力手段14Cは、前記の照合結果が肯定である場合に、ドア側施錠スイッチ42およびドア側解錠スイッチ44の操作に応じて施錠指令信号または解錠指令信号をCANバス20に出力するものである。
すなわち、本実施の形態では、指令出力手段14Cによって特許請求の範囲の第2の指令出力手段が構成されている。
【0028】
施錠予約受付手段14Dは、指令信号として電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否するものである。
本実施の形態では、前記の施錠予約指令信号として、前記の施錠指令信号を用いている。
なお、第1の条件については後述する。
また、本実施の形態では、施錠予約受付手段14Dは、施錠予約を記憶する手段として施錠予約フラグを有している。
施錠予約フラグは予めクリアされており、施錠予約受付手段14Dは、施錠予約を受け付けると、施錠予約フラグをセットし、施錠予約が解除されると、施錠予約フラグをクリアする。また、施錠予約を拒否すると、施錠予約フラグはクリアされた状態を維持する。
【0029】
施錠予約解除手段14Eは、施錠予約受付手段14Dで施錠予約が受け付けられたのち、前記施錠予約を解除すべき第2の条件が成立した場合に施錠予約受付手段14Dの施錠予約を解除するものである。なお、第2の条件については後述する。
【0030】
施錠予約実行手段14Fは、電動ドア2が全閉位置に位置すると、CANバス20を介して統合ECU16の施錠解錠制御手段16Aに施錠指令信号を供給することにより施錠解錠制御手段16Aから施錠アクチュエータ34に施錠信号を供給させて施錠予約を実行するものである。
【0031】
報知制御手段14Gは、車室外ブザー40に以下の報知動作を実行させるための報知制御信号を供給するものである。
本実施の形態では、前記の報知動作は、施錠予約の受付がなされた旨を報知する第1の報知動作と、施錠予約に基づいた電動ドア2の施錠が完了した旨を報知する第2の報知動作と、施錠予約が拒否された旨を報知する第3の報知動作と、施錠予約が解除された旨を報知する第4の報知動作とを含む。
【0032】
次に、統合ECU16について説明する。
統合ECU16は、キーレスエントリECU14、電動ドアECU18を含む複数のECUの制御を司る上位のECUである。
本実施の形態では、統合ECU16には、前述した施錠アクチュエータ34、ドア開閉センサ36が接続される。
統合ECU16は、施錠解錠制御手段16Aと、施錠解錠状態信号生成手段16Bとを含んで構成されている。
【0033】
施錠解錠制御手段16Aは、CANバス20を介してキーレスエントリECU14の指令出力手段14C(第1、第2の指令出力手段)から施錠指令信号または解錠指令信号を受け付けると、施錠アクチュエータ34に施錠信号または解錠信号を供給するものである。
また、前述したように、CANバス20を介してキーレスエントリECU14の施錠予約実行手段14Fから指令信号として施錠指令信号を受け付けると、施錠アクチュエータ34に施錠信号を供給するものである。
【0034】
施錠解錠状態信号生成手段16Bは、電動ドア2が施錠されているか、解錠されているかを示す施錠解錠状態信号S4を生成し、CANバス20に出力するものである。
この場合、施錠解錠状態信号生成手段16Bは、電動ドア2が施錠されているか、解錠されているかを、施錠アクチュエータ34の動作に基づいて、あるいは、施錠機構の動作を検出するセンサの検出動作に基づいて判定する。
本実施の形態では、施錠解錠状態信号S4は、施錠状態および解錠状態の2種類の状態を示すように構成されている。
【0035】
次に、電動ドアECU18について説明する。
電動ドアECU18は、電動ドア2の開閉、施錠、解錠にまつわる制御を司るものである。
本実施の形態では、電動ドアECU18には、前述した電動ドアモータ22、ラッチモータ24、リリースモータ26、室内ドアノブセンサ28、室外ドアノブセンサ30、挟まれ防止タッチセンサ32が接続されている。
電動ドアECU18は、開閉制御手段18Aと、電動ドア状態信号生成手段18Bとを含んで構成されている。
【0036】
開閉制御手段18Aは、CANバス20を介してキーレスエントリECU14の指令出力手段14Cから指令信号として開閉指令信号を受け付けると、電動ドアモータ22およびラッチモータ24に開閉制御信号を供給して電動ドア2を全開位置と全閉位置との間で移動させるものである。
【0037】
電動ドア状態信号生成手段18Bは、電動ドア2がどのような動作状態にあるかを示す電動ドア状態信号S0を生成し、CANバス20に出力するものである。
本実施の形態では、電動ドア状態信号S0は、電動ドアモータ状態信号S1と、ラッチモータ状態信号S2と、ドア開閉状態信号S3とで構成されている。
【0038】
電動ドアモータ状態信号S1は、非動作、開動作、閉動作の3種類の状態を示すように構成されている。
電動ドアモータ状態信号S1は、開閉制御手段18Aから電動ドアモータ22に供給される開閉制御信号(電動ドアモータ駆動信号)に基づいて決定される。
ここで、非動作とは、電動ドアモータ22が停止していることを示す。
開動作とは、電動ドアモータ22が電動ドア2を全開位置に向けて移動させる動作を示す。
閉動作とは、電動ドアモータ22が電動ドア2を全閉位置に向けて移動させる動作を示す。
【0039】
ラッチモータ状態信号S2は、非動作、ラッチモータ開動作(LM開動作)、ラッチモータ閉動作(LM閉動作)の3種類の状態を示すように構成されている。
ラッチモータ状態信号S2は、開閉制御手段18Aからラッチモータ24に供給される開閉制御信号(ラッチモータ駆動信号)に基づいて決定される。
ここで、非動作とは、ラッチモータ24が停止していることを示す。
ラッチモータ開動作とは、ラッチモータ24がラッチをストライカに係合させる場合の動作を示す。
ラッチモータ閉動作とは、ラッチモータ24がラッチとストライカとの係合を解除させる場合の動作を示す。
【0040】
ドア開閉状態信号S3は、ドア閉状態と、ドア開状態との2種類の状態を示すように構成されている。
ドア開閉状態信号S3は、ドア開閉センサ26の検出結果に基づいて決定される。
ここで、ドア閉状態とは、電動ドア2が全閉位置に位置していることを示す。
ドア開状態とは、電動ドア2が全閉位置以外の位置、すなわち、電動ドア2が半ドア状態と全開位置との間の何れかの位置に位置していることを示す。
【0041】
本実施の形態では、電動ドア状態信号S0は、電動ドアモータ状態信号S1、ラッチモータ状態信号S2と、ドア開閉状態信号S3の組み合わせに応じて決定される。
電動ドア状態信号S0として、例えば、以下に示すようなA〜Hに示す8つの状態が例示されるが、電動ドア状態信号S0は以下の状態に限定されるものではない。
A)開停止:
電動ドア2が全開位置で停止している状態。
【0042】
B)閉動作中:
電動ドアモータ22の駆動により電動ドア2が全閉位置に向かって移動している状態。
【0043】
C)閉動作&LM閉動作:
電動ドアモータ22の駆動により電動ドア2が全閉位置に向かって移動しつつ半ドア状態となりラッチモータ24がラッチをストライカに係合させる方向に動作している状態。
【0044】
D)LM閉動作:
電動ドアモータ22が停止した状態でラッチモータ24がラッチをストライカに係合させる方向に動作している状態。
【0045】
E)閉停止:
電動ドア2が全閉位置に位置し、かつ、電動ドアモータ22およびラッチモータ24が停止した状態。
【0046】
F)LM動作中:
電動ドア2が全閉位置に位置した状態でラッチモータ24がラッチとストライカとの係合を解除させる方向に動作している状態。
【0047】
G)LM開動作&開動作:
電動ドアモータ22の駆動により電動ドア2が全開位置に向かって移動しつつラッチモータ24がラッチとストライカとの係合を解除させる方向に動作している状態。
【0048】
H)開動作中:
電動ドアモータ22の駆動により電動ドア2が全開位置に向かって移動している状態。
【0049】
次に、キーレスエントリ装置10の施錠予約動作の第1の例について図2に示すフローチャートを参照して説明する。
第1の例では、電動ドア2が全閉位置に向かって移動する間に施錠の予約操作を行う場合を説明する。
例えば、使用者は車外に居り、車両の電動ドア2は全開位置に位置しているものとする。
携帯機12の識別情報の照合がなされたのち、使用者が携帯機12の開閉スイッチ12Cを操作すると、指令出力手段14Cは携帯機12から送信された開閉要求信号に基づいて開閉指令信号を開閉制御手段18Aに供給する(ステップS10)。
これにより、開閉制御手段18Aが開閉制御信号を電動ドアモータ22に供給し、電動ドア2が全閉位置に向かって移動する(ステップS12)。
使用者が開閉スイッチ12Cの操作に続いて施錠スイッチ12Dを操作すると、指令出力手段14Cは携帯機12から送信された施錠要求信号に基づいて施錠指令信号を施錠予約受付手段14Dに供給する(ステップS14)。なお、本実施の形態では、前述したように電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号として施錠指令信号を用いている。
施錠予約受付手段14Dは、施錠指令信号を受け付けると(ステップS16)、第1の条件が成立するか否かを判定する(ステップS18)。
本実施の形態では、電動ドア状態信号S0に基づいて第1の条件の判定がなされる。
第1の条件は施錠予約を実行するために必要な条件であり、言い換えると、施錠予約を実行しても支障が無い条件である。さらに言い換えると、開閉手段(電動ドアモータ22およびラッチモータ24)による電動ドア2の全閉位置への移動と施錠解錠手段(施錠アクチュエータ34)による施錠とを実行するために必要な条件である。
【0050】
このような第1の条件として、次の2つの条件が例示される。この場合、2つの条件の何れか一方が成立すれば第1の条件が成立することになる。
1)閉動作中の電動ドア2が1つ以上あり、かつ、残りの電動ドア2は、ラッチ閉動作中または閉停止であり、かつ、車両装備が電動ドア2の施錠を実行できる状態である。
2)ラッチ閉動作中の電動ドア2が1つ以上あり、残りの電動ドア2はロック可能な状態であり(閉停止)、かつ、車両装備が電動ドア2の施錠を実行できる状態である。
ここで、車両装備が電動ドア2の施錠を実行できる状態とは、例えば、「電動ドア2以外のドアが全て閉まっている」かつ「キーがキーシリンダに挿さっていない」状態をいう。
なお、車両装備が電動ドア2の施錠を実行できない状態とは、例えば、「電動ドア2以外のドアがひとつでも開いている」または「キーがキーシリンダに挿さっている」状態をいう。
このような車両装備の状態の検出は、ドア開閉センサ36を含む予め車両に設けられた専用のセンサの検出信号が例えば統合ECU16を介してCANバス20に出力されることでなされる。
【0051】
第1の条件が成立しない場合は、施錠予約受付手段14Dは、施錠予約を拒否し(ステップS30)、報知制御手段14Gを介して車室外ブザー40から施錠予約が拒否された旨を報知するためのブザー音を発生させ(ステップS32)、処理を終了する。すなわち、ステップS32の動作は特許請求の範囲における第3の報知動作に相当する。
第1の条件が成立しない場合として、例えば次の2つの場合が例示される。
1)開動作中または開停止の電動ドア2が1つ以上ある。
2)全ての電動ドア2が閉停止している。
なお、後者の場合は、指令出力手段14Cから施錠指令信号が施錠解錠制御手段16Aに供給され、施錠解錠制御手段16Aから施錠信号が施錠アクチュエータ34に供給されることで通常の施錠動作が実行されることになる。
【0052】
第1の条件が成立したならば、施錠予約受付手段14Dは施錠予約フラグをセットし、施錠予約を受け付ける(ステップS20)。なお、施錠予約フラグは予めクリアされているものとする。
次いで、施錠予約受付手段14Dは、報知制御手段14Gを介して報知制御手段14Gを介して車室外ブザー40から施錠予約の受付がなされた旨を報知するためのブザー音を発生させる(ステップS22)。すなわち、ステップS22の動作は特許請求の範囲における第1の報知動作に相当する。
【0053】
このようにして施錠予約の受付がなされたのち、施錠予約解除手段14Eは、第2の条件が成立するか否かを判定する(ステップS24)。
本実施の形態では、携帯機12の操作、各センサ26、28、30、32の検出結果、電動ドア状態信号S0などに基づいて第2の条件の判定がなされる。
第2の条件は施錠予約を解除すべき条件であり、言い換えると、施錠を実行すると不都合が生じる条件である。さらに言い換えると、電動ドアモータ22およびラッチモータ24による電動ドア2の全閉位置への移動と施錠アクチュエータ34による施錠とを実行する上で支障となる条件である。
このような第2の条件として、次の6つの条件が例示される。この場合、何れか1つの条件が成立すれば第2の条件が成立することになる。
【0054】
1)携帯機12の開閉スイッチ12Cまたは解錠スイッチ12Eが操作されることにより開閉指令信号または解錠指令信号が指令出力手段14CからCANバス20に出力された。
【0055】
2)1つ以上の電動ドア2において、室内ドアノブセンサ28、あるいは、室外ドアノブセンサ30によりドアノブの開方向への操作が検出され、その検出信号が電動ドアECU18を介してCANバス20に出力された。
【0056】
3)1つ以上の電動ドア2を開放させるように室内開閉スイッチ38が操作され、室内開閉スイッチ38から操作信号が電動ドアECU18を介してCANバス20に出力された。
【0057】
4)挟まれ防止タッチセンサ32が人や物体に接触することで電動ドア2が閉動作から開動作に反転し、あるいは、閉動作を停止した。また、ラッチモータ24がラッチ閉動作からラッチ開動作に反転し、あるいは、停止した。
すなわち、電動ドアECU18は、挟まれ防止タッチセンサ32により人や物体が電動ドア2に接触したことが検出されたならば、上記の動作を実行することで挟まれ防止動作を行う機能を有している。
【0058】
5)電動ドア2を除く他のドアが開放された。このようなドアの開放の検出は、予め車両に設けられたドア開閉センサの検出信号が例えば統合ECU16を介してCANバス20に出力されることでなされる。
【0059】
6)車両装備が、電動ドア2の施錠を実行できない状態となった。
ここで、車両装備が電動ドア2の施錠を実行できない状態とは、前記のように例えば、「電動ドア2以外のドアがひとつでも開いている」または「キーがキーシリンダに挿さっている」状態をいう。
【0060】
第2の条件が成立したならば、施錠予約受付手段14Dは、施錠予約を解除し(ステップS34)、報知制御手段14Gを介して車室外ブザー40から施錠予約が解除された旨を報知するためのブザー音を発生させ(ステップS36)、処理を終了する。すなわち、ステップS36の動作は特許請求の範囲における第4の報知動作に相当する。
【0061】
第2の条件が不成立である場合、施錠予約実行手段14Fは、電動ドア2が全閉位置に位置したならばCANバス20を介して統合ECU16の施錠解錠制御手段16Aに施錠指令信号を供給することにより施錠解錠制御手段16Aから施錠アクチュエータ34に施錠信号を供給させることで施錠予約を実行する(ステップS26)。この場合、施錠予約実行手段14Fによる電動ドア2が全閉位置に位置したかどうかの判定は電動ドア状態信号S0に基づいてなされる。
次いで、施錠予約実行手段14Fは、報知制御手段14Gを介して車室外ブザー40から電動ドアの施錠が完了した旨を報知するためのブザー音を発生させ(ステップS36)、処理を終了する。すなわち、ステップS28の動作は特許請求の範囲における第1の報知動作に相当する。
【0062】
次に、キーレスエントリ装置10の施錠予約動作の第2の例について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
第2の例では、電動ドア2が全開位置に位置している状態で施錠の予約操作を行い、次いで電動ドア2を閉じる場合について説明する。
例えば、使用者は車外に居り、車両の電動ドア2は全開位置に位置しているものとする。
携帯機12の識別情報の照合がなされたのち、使用者が全開位置にある電動ドア2のドア側施錠スイッチ42を操作すると、指令出力手段14Cは施錠指令信号を施錠予約受付手段14Dに供給する(ステップS110)。本例においても、電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号として施錠指令信号を用いている。
次いで、使用者が携帯機12の開閉スイッチ12Cを操作すると、指令出力手段14Cは携帯機12から送信された開閉要求信号に基づいて開閉指令信号を開閉制御手段18Aに供給する(ステップS112)。
これにより、開閉制御手段18Aが開閉制御信号を電動ドアモータ22に供給し、電動ドア2が全閉位置に向かって移動する(ステップS114)。
施錠予約受付手段14Dは、施錠指令信号を受け付けると(ステップS116)、第1の条件が成立するか否かを判定する(ステップS118)。
なお、図3のステップS120乃至S136のそれぞれは、図2のステップS20乃至S36のそれぞれと同一であるため説明を省略する。
【0063】
以上説明したように、本実施の形態によれば、施錠予約受付手段14Dが電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると施錠予約を受け付け、非成立であれば施錠予約を拒否する。そして、電動ドア2が全閉位置に位置すると、施錠予約実行手段14Fによって施錠予約を実行するようにした。
したがって、使用者は電動ドア2が全閉位置に移動するまで待機し、開口部が電動ドア2で閉塞されたことを目視などによって確認したのち、携帯機12の施錠スイッチ12Dを操作するといった煩雑な操作が不要となり、施錠予約をしたらならばいつでも車両近傍から立ち去ることができる。
そのため、電動ドア2の施錠にまつわる操作性の向上を図る上で有利となる。
【0064】
また、本実施の形態では、施錠予約の受付がなされた旨を報知する第1の報知動作と、施錠予約に基づいた電動ドアの施錠が完了した旨を報知する第2の報知動作と、施錠予約が拒否された旨を報知する第3の報知動作と、施錠予約が解除された旨を報知する第4の報知動作とを車室外ブザー40によって実行させるようにした。
したがって、使用者は、施錠予約の受付が正常になされたか、何らかの原因によって拒否あるいは解除されたか、施錠予約が実行されたかを的確に把握することができるため、電動ドア2の施錠にまつわる操作性の向上を図る上で有利となる。
なお、本実施の形態では、報知手段として車室外ブザー40を用いる場合について説明したが、報知手段として車両のハザードランプなどの照明装置を用い、照明装置の点滅動作によって各報知動作を行わせるようにしてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態では、電動ドア2の施錠を予約する施錠予約指令信号として施錠指令信号を用いた場合について説明したが、施錠予約指令信号として施錠指令信号とは別の信号を用いるようにしてもよい。
すなわち、携帯機12に施錠スイッチ12Eとは別に専用の施錠予約スイッチを設けてもよい。この場合、前記の施錠予約スイッチが操作されることにより携帯機12から施錠予約要求信号をキーレスエントリECU14の通信部14Aを介して指令出力手段14Cに送信される。そして、指令出力手段14Cから施錠指令信号とは別の施錠予約指令信号がCANバス20に出力される。
しかしながら、本実施の形態のようにすると、携帯機12のスイッチの数を抑制でき、携帯機12の小型化、コストダウンを図る上で有利となる。
【0066】
また、本実施の形態では、キーレスエントリ装置が携帯機12に加えてドア側施錠スイッチ42およびドア側解錠スイッチ44を用いたドアの施錠解錠操作を可能とした場合について説明したが、本発明は、キーレスエントリ装置がドア側施錠スイッチ42およびドア側解錠スイッチ44を用いない場合であっても無論適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
10……キーレスエントリ装置、12……携帯機、14C……指令出力手段(第1、第2の指令出力手段)、14D……施錠予約受付手段、14E……施錠予約解除手段、14F……施錠予約実行手段、14G……報知制御手段、16A……施錠解錠制御手段、18A……開閉制御手段、22……電動ドアモータ(開閉手段)、24……ラッチモータ(開閉手段)、26……リリースモータ(開閉手段)、34……施錠アクチュエータ(施錠解錠手段)、36……車室外ブザー(報知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が携帯する携帯機が送信する識別情報と予め保持された識別情報との照合結果が肯定である場合に、前記携帯機が送信する要求信号に応じた指令信号を出力する第1の指令出力手段と、
前記指令信号として開閉指令信号を受け付けると、電動ドアを車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動させる開閉手段に開閉制御信号を供給する開閉制御手段と、
前記指令信号として施錠指令信号または解錠指令信号を受け付けると、前記電動ドアを施錠または解錠する施錠解錠手段に施錠信号または解錠信号を供給する施錠解錠制御手段とを備えたキーレスエントリ装置であって、
前記指令信号として前記電動ドアの施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否する施錠予約受付手段と、
前記電動ドアが全閉位置に位置すると、前記施錠解錠制御手段から前記施錠解錠手段に施錠信号を供給させることで前記施錠予約を実行する施錠予約実行手段と、
を備えることを特徴とするキーレスエントリ装置。
【請求項2】
使用者が携帯する携帯機が送信する識別情報と予め保持された識別情報との照合結果が肯定である場合に、前記携帯機が送信する要求信号に応じた指令信号を出力する第1の指令出力手段と、
前記指令信号として開閉指令信号を受け付けると、電動ドアを車両の開口部の全開位置と全閉位置との間で移動させる開閉手段に開閉制御信号を供給する開閉制御手段と、
前記電動ドアに設けられた施錠解錠スイッチの操作に応じて施錠指令信号または解錠指令信号を出力する第2の指令出力手段と、
前記施錠指令信号または解錠指令信号を受け付けると、前記電動ドアを施錠または解錠する施錠解錠手段に施錠信号または解錠信号を供給する施錠解錠制御手段を備えたキーレスエントリ装置であって、
前記電動ドアの施錠を予約する施錠予約指令信号を受け付けた場合に施錠予約を実行するために必要な第1の条件が成立すると、施錠予約を受け付け、非成立の場合に施錠予約を拒否する施錠予約受付手段と、
前記電動ドアが全閉位置に位置すると、前記施錠解錠制御手段から前記施錠解錠手段に施錠信号を供給させることで前記施錠予約を実行する施錠予約実行手段と、
を備えることを特徴とするキーレスエントリ装置。
【請求項3】
前記施錠予約が受け付けられたのち、前記施錠予約を解除すべき第2の条件が成立した場合に前記施錠予約を解除する施錠予約解除手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載のキーレスエントリ装置。
【請求項4】
前記施錠予約の受付がなされた旨を報知する第1の報知動作と、前記施錠予約に基づいた電動ドアの施錠が完了した旨を報知する第2の報知動作と、前記施錠予約が拒否された旨を報知する第3の報知動作とのうちの少なくとも1つの報知動作を前記報知手段に実行させるための報知制御信号を前記報知手段に供給する報知制御手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1または2記載のキーレスエントリ装置。
【請求項5】
前記施錠予約の受付がなされた旨を報知する第1の報知動作と、前記施錠予約に基づいた電動ドアの施錠が完了した旨を報知する第2の報知動作と、前記施錠予約が拒否された旨を報知する第3の報知動作と、前記施錠予約が解除された旨を報知する第4の報知動作とのうちの少なくとも1つの報知動作を前記報知手段に実行させるための報知制御信号を前記報知手段に供給する報知制御手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項3記載のキーレスエントリ装置。
【請求項6】
前記電動ドアは、前記車両の左右の側部の少なくとも一方に設けられたスライドドアである、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のキーレスエントリ装置。
【請求項7】
前記電動ドアは、前記車両の後部に設けられたテールゲートである、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のキーレスエントリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−214341(P2011−214341A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84932(P2010−84932)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】