説明

クランプ装置

【課題】 弁孔と弁体との間の隙間の大きさを各クランプ装置で確認する必要がなく、交換部品が安価なクランプ装置を提供する。
【解決手段】 シリンダ本体2に設けた給排路22の途中に連通する弁装着穴26に装着する弁部材29に弁孔32を設け、弁部材29の弁体装着孔30に移動可能に装着された弁体31の調整弁部44を前記弁孔32に挿入させると圧流体の流量を調整する隙間Sが設けられることで、シリンダ本体2に弁部材29を装着しなくても弁孔32と調整弁部44による隙間Sの大きさを確認することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリンダ本体に設けたシリンダ室にピストンを軸方向移動可能に嵌装し、そのピストンに連結したピストンロッドをシリンダ本体の一端部から突出させ、シリンダ本体の給排路から一方のシリンダ室に圧流体を供給すると共に他方のシリンダ室から圧流体を排出することでピストンを移動させ、ピストンロッドに設けたクランパがワークに対してクランプ、アンクランプするようにしたクランプ装置は多数提案されている。
ところで、上記クランプ装置を複数設置した治具を用いて大きなワーク等をクランプする場合には、圧流体の供給源から各クランプ装置までの距離が異なることで、一定時間における各クランプ装置に供給される圧流体の供給流量が異なり各クランプ装置によるクランプのタイミングにばらつきが生じる。そのため、ワークを加工するまでの時間が長くなったり、クランプしていない箇所に外力が加わった時にワークがずれる等の問題があるので、一定時間における各クランプ装置でシリンダ室に供給する圧流体の供給流量を調整しなければならない。また、治具を小型化とするためにはクランプ装置も小型化とする必要があった。
【0003】
そこで、特許文献1のクランプ装置のように、クランプ本体内に設けた油圧シリンダの油室に接続された油路に流量調整弁を備え、流量調整弁により油圧の流量を調整するものが知られている。その流量調整弁は、クランプ本体の装着穴に螺着された筒状の弁ケースに弁部材が前後移動可能に装着され、その弁部材の弁体部を油路の途中部に形成され前記装着穴の前端に連なる弁孔に前後摺動自在に挿入して構成されている。よって、弁部材を前後に移動させると、弁部材の弁体部と弁孔との間の隙間の大きさが変化してその間を流れる油圧の流量が調整されるようになっている。また、弁部材には弁体部と弁孔との隙間をバイパスするバイパス流路と、バイパス流路を油室に油圧を供給する方向にのみ閉止する逆止弁が備えられている。
【特許文献1】特開2004−360718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のクランプ装置に備えた流量調整弁は、油路の途中部に形成した弁孔に弁ケースに装着した弁部材の弁体部を挿入し、弁体部と弁孔との間に隙間を形成するものである。また、弁部材には逆止弁が備えられている。従って、クランプ本体の装着穴に螺着された弁ケースに弁部材を装着した時に、目視出来ないクランプ本体内の弁孔に弁体部を挿入させるので、弁部材の組付けに時間がかかるおそれがあった。また、弁体部と弁孔の加工精度によって隙間の大きさが異なるので、各クランプ装置で隙間の大きさを確認しなければならない煩わしさがあった。また、弁部材の内部に逆止弁を備えるために、弁部材の鋼球収容孔に鋼球とばね部材を挿入した後、弁部材の弁体部をかしめることで、前記鋼球やばね部材の交換時には弁部材全体を交換する必要があり、交換部品が高価なクランプ装置となるおそれがあった。また、メンテナンス時に、弁部材を後方に移動させ過ぎた状態で油室から油圧を排出したり清掃等を行っていると、弁ケースから弁部材が脱落して紛失するおそれがあった。
そこで本発明の課題は、上記問題点に鑑み、弁孔と弁体との間の隙間の大きさを各クランプ装置で確認する必要がなく、交換部品が安価なクランプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シリンダ本体に設けたシリンダ室にピストンを軸方向移動可能に嵌装し、そのピストンに連結したピストンロッドをシリンダ本体の一端部から突出させ、シリンダ本体の給排路から一方のシリンダ室に圧流体を供給すると共に他方のシリンダ室から圧流体を排出することでピストンを移動させ、ピストンロッドに設けたクランパがワークに対してクランプ、アンクランプするようにしたクランプ装置において、シリンダ本体の外側面から給排路の途中に連通する弁装着穴を設け、その弁装着穴に給排路を流れる圧流体の流量を調整可能な流量調整弁を装着し、その流量調整弁は、シリンダ本体の弁装着穴に装着され、外側の給排路をシリンダ室側の給排路に連通させる弁孔と外側面から弁孔に向けて設けた弁体装着孔を有する弁部材を備えると共に、弁部材の弁体装着孔に弁孔に向けて移動可能に装着され、弁孔との間の隙間の大きさを調整可能な調整弁部と、シリンダ室側の給排路を外側の給排路に連通させる逆止弁孔を有し、逆止弁孔の途中にシリンダ室側への流れを逆止し外側への流れを許す逆止弁体を内蔵している弁体を備え、給排路に供給した圧流体を弁孔と調整弁部の間の隙間に通過させてシリンダ室に供給し、シリンダ室から排出される圧流体を前記隙間と逆止弁孔に通過させて給排路から排出するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、弁体装着孔に装着した弁体の調整弁部を弁孔に貫通させ、調整弁部の先端に弁部材に係合可能な抜け止め部材を備えて成ることを特徴とする。更に、本発明は、弁体を、弁部材の弁体装着孔に螺合された装着部材と弁部材の弁体装着孔に嵌挿された弁体部材とで構成し、弁体部材に軸線方向へ貫通する貫通孔を設け、その貫通孔のシリンダ室側部分を小径の逆止弁孔に、外側部分を大径の収納孔に夫々形成し、装着部材と逆止弁体の間に逆止ばねを介在させて成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、シリンダ本体の外側面から給排路の途中に連通する弁装着穴を設け、その弁装着穴に給排路を流れる圧流体の流量を調整可能な流量調整弁を装着し、その流量調整弁は、シリンダ本体の弁装着穴に装着され、外側の給排路をシリンダ室側の給排路に連通させる弁孔と外側面から弁孔に向けて設けた弁体装着孔を有する弁部材を備えると共に、弁部材の弁体装着孔に弁孔に向けて移動可能に装着され、弁孔との間の隙間の大きさを調整可能な調整弁部と、シリンダ室側の給排路を外側の給排路に連通させる逆止弁孔を有し、逆止弁孔の途中にシリンダ室側への流れを逆止し外側への流れを許す逆止弁体を内蔵している弁体を備え、給排路に供給した圧流体を弁孔と調整弁部の間の隙間に通過させてシリンダ室に供給し、シリンダ室から排出される圧流体を前記隙間と逆止弁孔に通過させて給排路から排出するようにしたことで、シリンダ本体に装着する弁部材に設けた弁孔に弁体の調整弁部を挿入させると圧流体の流量を調整する隙間が設けられることで、シリンダ本体に弁部材を装着しなくても弁孔と調整弁部による隙間の大きさを確認することが可能となり、各クランプ装置で前記隙間の大きさが統一されることとなる。
【0008】
また、弁体装着孔に装着した弁体の調整弁部を弁孔に貫通させ、調整弁部の先端に弁部材に係合可能な抜け止め部材を備えたことで、メンテナンス時に、シリンダ室から圧流体(圧油)を排出したり清掃等を行っても、弁体が弁部材から脱落することがなく紛失することがない。更に、弁体に設けた貫通孔の収納孔に鋼球と逆止ばねを挿入し、前記貫通孔の一方を装着部材で塞ぐようにしたことで、逆止ばねや鋼球の交換が容易に行え、交換部品も安価なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1に示すクランプ装置1のシリンダ本体2は、シリンダ穴3aを備えたシリンダチューブ3の一端がロッドカバー4で塞がれ、内部にシリンダ室5が形成されている。シリンダ室5には環状のピストン6が軸方向移動可能に嵌装されており、シリンダ室5をヘッド側シリンダ室7とロッド側シリンダ室8とに区画している。ピストン6に形成されたメネジ部9にはピストンロッド10の下端部が螺合されている。ピストンロッド10の上端部はロッドカバー4から軸線前方に突出し、その上端部のテーパ面10aにクランパ11がナット12によって固定されている。ピストンロッド10の外周面には、図5に示すように複数(4つ)の旋回用案内溝13が設けられている。旋回用案内溝13は、軸線方向に形成したカム溝14と円周方向に形成した斜めのカム溝15とから成り、カム溝14の案内面14aとカム溝15の案内面15aとが連続するようになっている。また、図4,5のように、隣り合うカム溝14,15のもう一方の側面14b,15b間に壁Tが形成されているが、側面14b,15bがなくても構わないので壁Tを加工によって取り除いてもよい。各旋回用案内溝13に係合させるピン部材16がシリンダ本体2のロッドカバー4に設けられている。
【0010】
前記ロッドカバー4は、外形がシリンダチューブ3の外形よりさらにチューブ半径方向の外側に広がった略矩形を成し、その下面4aから前記シリンダ穴3aに嵌入される嵌入軸部17が突出している。嵌入軸部17には、孔軸線HLがピストンロッド10の軸線CL(長手方向)と交差しないように設けた複数の取付孔18にピン部材16を夫々回動自在に嵌装している。図4では、ロッドカバー4の嵌入軸部17に、一対一組とする二組の取付孔18をシリンダ中心線(ピストンロッド10の軸線CL)に対して対称に設け、それら一対の取付孔18の孔軸線HLの一方がピストンロッド10側に向かってピストンロッド10の軸線CLの右側を通り、他方が左側を通るように設けてある。
【0011】
次に、取付孔18に嵌装したピン部材16のピストンロッド10側の端部19は、ピストンロッド10の軸線CL側19aと反対側19bが取付孔18の内側開口部付近に位置し、ピストンロッド10の軸線CL側19aが取付孔18の内側開口部からピストンロッド10側へ突出するように設け、ピン部材16におけるピストンロッド10の軸線CL側と反対側の外周面20が略全長に亘って取付孔18の内面で支承されるようにしてある。尚、複数の取付孔18の少なくとも2つは、それらの孔軸線HLの一方がピストンロッド10側に向かってピストンロッド10の軸線CLの右側を通り、他方が左側を通るように設け、夫々の取付孔18に嵌装したピン部材16と旋回用案内溝13との係合量Lが、ピストンロッド10の軸線CLを中心とする回動方向において互いにピン部材16の逆側で大きくなるようにしてある。
ロッドカバー4には一対の給排路21,22が設けられている。一方の給排路21は、ロッドカバー4の流体通路23を介してシリンダチューブ3の長手方向に設けた連通路24の一端に連通している。その連通路24の他端はヘッド側シリンダ室7に連通している。他方の給排路22は、ロッドカバー4の別の流体通路25を介してロッド側シリンダ室8に連通している。各給排路21,22の途中に連通する弁装着穴26をシリンダ本体2の外側面から設け、その弁装着穴26に流体通路25を流れる圧流体の流量を調整可能な流量調整弁27とプラグ28が夫々装着されている。
【0012】
前記流量調整弁27について説明する。流量調整弁27は、弁部材29の弁体装着孔30に弁体31を装着して構成される。弁部材29は、六角形状の大径部29aと外周にネジ部を設けた小径部29bとから成り、内側に弁孔32と弁体装着孔30が夫々設けられている。弁部材29の大径部29aの端面がシリンダ本体2の外側面に当接するまでシリンダ本体2の弁装着穴26に捩じ込まれている。大径部29aと小径部29bには夫々シール部材33が取り付けられている。また、弁部材29の小径部29bには弁体装着孔30に連通するように複数(4つ)の第1連通孔34が設けられている。
弁体31は、前記弁体装着孔30の外側に螺合された装着部材35と弁体装着孔30のシリンダ室5側に嵌挿された弁体部材36とで構成される。弁体部材36にはシール部材37が取り付けられている。弁体部材36に軸線方向へ貫通する貫通孔38が設けられている。その貫通孔38のシリンダ室5側部分が小径の逆止弁孔39に形成され、外側部分が大径の収納孔40に夫々形成されている。収納孔40には逆止弁体41(例えば鋼球)が挿入されている。装着部材35と鋼球41の間に逆止ばね42を介在させ、そのばね42によって付勢された鋼球41により逆止弁孔39が塞がれている。また、弁体31の弁体部材36には収納孔40に連通するように複数(4つ)の第2連通孔43が設けられている。弁体31の弁体部材36には、弁部材29の弁孔32に挿入させる調整弁部44が設けられている。その調整弁部44の先端には抜け止め部材45(例えばC形止め輪)が取り付けられている。弁体31の装着部材35には六角レンチ等の工具を係合させる六角孔46が設けられている。更に、弁体31の装着部材35に捩じ込んだナット47により弁体31が弁部材29から抜け出さないようにしてある。
【0013】
上記構成の流量調整弁27では、外側の給排路22aから圧流体(圧油)が供給される場合、図6に示すように、弁装着穴26、弁部材29の第1連通孔34、弁体装着孔30、弁体31の第2連通孔43を介して弁体31の収納孔40へ流れ込むと共に、弁体装着孔30から弁孔32と調整弁部44との間の隙間Sに流れ込むようになっている。鋼球41によって逆止弁孔39が塞がれているので、圧流体(圧油)は弁孔32と調整弁部44の間の隙間Sのみを通過することになる。一方、シリンダ室5側の給排路22bから圧流体(圧油)が排出される場合、図8に示すように、弁体31の逆止弁孔39へ流れ込むと共に、弁孔32と調整弁孔44との間の隙間Sに流れ込むようになっている。逆止弁孔39に流れる圧流体(圧油)により鋼球41が装着部材35に向かって押圧され、逆止弁孔39を開放することで逆止弁孔39から収納孔40を通過して弁体31の第2連通孔43から弁体装着孔30に流れ、弁孔32と調整弁部44との間の隙間Sを通過してきた圧流体(圧油)と共に、弁部材29の第1連通孔34、弁装着穴26を介して外側の給排路22aに流れるようになっている。従って、弁体31を前後方向に移動させ、弁孔32と調整弁部44との間の隙間Sの大きさを調整することで、外側の給排路22aからシリンダ室5側の給排路22bに供給される圧流体(圧油)の流量が調整されるようになっている。
【0014】
次に、上記構成のクランプ装置1の動作について説明する。図2に示すようなクランパ11がアンクランプ位置Bの状態において、他方の給排路22から流量調整弁27、流体通路25を介してロッド側シリンダ室8に圧流体(圧油)が供給されると、ピストン6が軸線下方に移動すると共に、ピン部材16に係合した旋回用案内溝13に沿ってピストンロッド10が軸線下方に移動しつつ90度旋回し、その後、その旋回位置を保ってワークWに向けて降下してクランプ位置Aでクランパ11がワークWをクランプするようになっている。また、図1に示すようなクランパ11がクランプ位置Aの状態において、一方の給排路21から流体通路23、連通路24を介してヘッド側シリンダ室7に圧流体(圧油)が供給されると、ピストン6が軸線上方に移動すると共に、ピストンロッド10が前記と逆に動作することで、クランパ11がアンクランプ位置Bの状態となる。
【0015】
従って、図9のような、クランプ装置1を複数設置した治具60を用いて大きなワークW1をクランプする場合には、各クランプ装置1A〜1Fに備えた流量調整弁27によりロッド側シリンダ室8に供給する圧流体(圧油)の供給流量を調整することで、圧流体(圧油)の供給源61から各クランプ装置1A〜1Fまでの距離が異なっても各クランプ装置1A〜1Fによるクランプのタイミングを同時とすることが容易に行なえる。また、シリンダ本体2に装着する弁部材29に設けた弁孔32に弁体31の調整弁部44を挿入させると圧流体(圧油)の流量を調整する隙間Sが設けられることで、シリンダ本体2に弁部材29を装着しなくても弁孔32と調整弁部44による隙間Sの大きさを確認することが出来るために、各クランプ装置1で前記隙間Sの大きさを統一させることができる。また、弁孔32を貫通した弁体31の調整弁部44の先端に抜け止め部材45を備えたことで、図10のように、メンテナンス時に、シリンダ室8から圧流体(圧油)を排出したり清掃等を行っても、弁体31が弁部材29から脱落することがなく紛失することを防止できる。更に、弁体31に設けた貫通孔38の収納孔40に鋼球41と逆止ばね42を挿入し、前記貫通孔38の一方を装着部材35で塞ぐようにしたことで、逆止ばね42や鋼球41の交換が容易に行えるから、従来に比べて、交換部品を安価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のクランプ状態であるクランプ装置の縦断面図である。
【図2】アンクランプ状態であるクランプ装置の縦断面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】ピストンロッドの外周面展開図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】図6のVII―VII線断面図でシリンダ本体を省略した図である。
【図8】圧流体を排出させた状態を示す図である。
【図9】大きなワークをクランプするように構成された治具を示す図である。
【図10】弁体を後方に移動させた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1 クランプ装置
2 シリンダ本体
5 シリンダ室
6 ピストン
10 ピストンロッド
11 クランパ
21 給排路
22 給排路
22a 外側の給排路
22b シリンダ室側の給排路
26 弁装着穴
27 流量調整弁
29 弁部材
30 弁体装着孔
31 弁体
32 弁孔
35 装着部材
36 弁体部材
38 貫通孔
39 逆止弁孔
40 収納孔
41 鋼球
42 逆止ばね
44 調整弁部
45 抜け止め部材
S 隙間
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ本体に設けたシリンダ室にピストンを軸方向移動可能に嵌装し、そのピストンに連結したピストンロッドをシリンダ本体の一端部から突出させ、シリンダ本体の給排路から一方のシリンダ室に圧流体を供給すると共に他方のシリンダ室から圧流体を排出することでピストンを移動させ、ピストンロッドに設けたクランパがワークに対してクランプ、アンクランプするようにしたクランプ装置において、シリンダ本体の外側面から給排路の途中に連通する弁装着穴を設け、その弁装着穴に給排路を流れる圧流体の流量を調整可能な流量調整弁を装着し、その流量調整弁は、シリンダ本体の弁装着穴に装着され、外側の給排路をシリンダ室側の給排路に連通させる弁孔と外側面から弁孔に向けて設けた弁体装着孔を有する弁部材を備えると共に、弁部材の弁体装着孔に弁孔に向けて移動可能に装着され、弁孔との間の隙間の大きさを調整可能な調整弁部と、シリンダ室側の給排路を外側の給排路に連通させる逆止弁孔を有し、逆止弁孔の途中にシリンダ室側への流れを逆止し外側への流れを許す逆止弁体を内蔵している弁体を備え、給排路に供給した圧流体を弁孔と調整弁部の間の隙間に通過させてシリンダ室に供給し、シリンダ室から排出される圧流体を前記隙間と逆止弁孔に通過させて給排路から排出するようにしたことを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
弁体装着孔に装着した弁体の調整弁部を弁孔に貫通させ、調整弁部の先端に弁部材に係合可能な抜け止め部材を備えて成ることを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
【請求項3】
弁体を、弁部材の弁体装着孔に螺合された装着部材と弁部材の弁体装着孔に嵌挿された弁体部材とで構成し、弁体部材に軸線方向へ貫通する貫通孔を設け、その貫通孔のシリンダ室側部分を小径の逆止弁孔に、外側部分を大径の収納孔に夫々形成し、装着部材と逆止弁体の間に逆止ばねを介在させて成ることを特徴とする請求項1または2記載のクランプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−178802(P2009−178802A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−20020(P2008−20020)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000241588)豊和工業株式会社 (230)
【Fターム(参考)】