説明

クロック発生回路及びクロック発生方法

【課題】スペクトラム拡散クロックを発生し、参照クロック信号及び出力クロック信号の高精度な位相の制御を行うことが可能なクロック発生回路及びクロック発生方法を提供すること。
【解決手段】
入力分周部70は、入力クロック信号CLKRを50分周して、分周入力クロック信号CLKSを出力する。DLL回路80は、遅延制御信号DCS1、DCS2を求める動作を行う。変調回路40は、遅延制御信号DCS1、DCS2および変調制御回路50から出力される変調信号MODに応じて、分周入力クロック信号CLKSを変調し、変調クロック信号CLKNを出力する。位相比較器11は、変調クロック信号CLKN及び分周内部クロック信号CLKMの位相差を検知する。クロック生成部20は、位相比較器11の位相差信号に応じた周波数の出力クロック信号CLKOを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクロック発生回路にかかり、特に、参照クロック及び出力クロック信号の位相差を高精度に制御してスペクトラム拡散のための周波数変調を行うクロック発生回路及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、EMI(Erectro Magnetic Interference:電磁障害)ノイズを軽減するスペクトラム拡散クロック発生器(Spectoram Spread Clock Generator:以下、SSCGとも言う)が注目を集めている。SSCGは、PLL回路を備え、出力クロック信号について、参照クロックに対する周波数ロックを行うと共に周波数変調することで、出力クロック信号の周波数スペクトラムを拡散する。SSCGを利用すると、効率よくEMIノイズ対策することができるため、これまでSSCGの利用が困難とされる装置に対しても、SSCGの利用が可能にすることへの要望が高まっている。
【0003】
図8に示す特許文献1では、PLL回路102(Phase Locked Loop:位相同期ループ)を備えた従来のスペクトラム拡散クロック発生回路が開示されている。図8に示すように、発振クロック信号CLKO100(以後、出力クロック信号とも言う)を遅延させて、それぞれ位相の異なる複数の遅延クロック信号を生成するDLL回路108と、複数の遅延クロック信号のうち1つを選択して選択クロック信号CLKS100を出力するセレクタ109を備えている。セレクタ109において、遅延クロック信号が切り替えられることにより、スペクトラム拡散のための周波数変調が行われる。セレクタ109で変調されたクロック信号は、帰還分周回路110で分周され、比較クロック信号CLKC100が生成される。
【0004】
尚、上記の関連技術として特許文献1乃至4が開示されている。
【特許文献1】特開2005−200083号公報
【特許文献2】特開2005−4451号公報
【特許文献3】特開平7−202652号公報
【特許文献4】特開平7−235862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8に示す従来技術では、セレクタ109において、発振クロック信号CLKO100の1周期内で複数の遅延クロック信号のうち1つを選択切り換えすることで変調動作を行う。このとき、遅延クロック信号の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ付近における信号レベルが安定しない領域において切り替えが行われると、スパイクノイズが発生する。また、切り換え前の遅延クロック信号の変化エッジが発生するタイミングと、切り換え後の遅延クロック信号の変化エッジが発生するタイミングとの中間のタイミングで切り替えが生じると、それぞれの変化エッジが出力され、切り換えの前後でハザードが発生する。しかし従来技術には、これらのスパイクノイズやハザード発生防止のための手段が開示されていないため問題である。
【0006】
また図8に示す従来技術では、発振クロック信号CLKO100の周期が短くなるにつれて、安定した切り替え動作を行うための時間マージンが小さくなる。特に近年の半導体集積回路の動作の高速化に伴い、発振クロック信号CLKO100の周波数が高くなる場合において、切り替え動作の時間マージンが確保できないため問題である。
【0007】
本発明は前記背景技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、スペクトラム拡散クロックを発生し、参照クロック信号及び出力クロック信号の高精度な位相の制御を行うことが可能なクロック発生回路及びクロック発生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る第1の思想におけるクロック発生回路は、参照クロックを入力とし、変調信号に応じて出力クロックのスペクトラム拡散を行うクロック発生回路であって、入力される参照クロックを分周して分周参照クロックとして出力する第1分周回路、または、入力される出力クロックを分周して分周出力クロックとして出力する第2分周回路の少なくとも何れか一方と、分周参照クロックまたは分周出力クロックのうち何れか一方に対して、それぞれ位相の異なる複数の遅延クロックを生成する第1遅延回路と、変調信号に応じて、参照クロックまたは出力クロックのうち遅延クロックに対応する方のクロックに基づくタイミングで、複数の遅延クロックのうちのいずれか1つを選択して出力する選択回路と、分周参照クロックまたは分周出力クロックのうち遅延クロックに対応しない方のクロックと選択回路によって選択される遅延クロックとの位相を比較し、比較結果に応じた信号を出力する位相比較器とを備えることを特徴とする。
【0009】
第1の思想におけるクロック発生回路は、参照クロックおよび出力クロックの少なくとも何れか一方を、それぞれ第1分周回路および第2分周回路で分周する。その後、分周後の分周参照クロックまたは分周出力クロックのうち何れか一方を、第1遅延回路で遅延させ、それぞれ位相の異なる複数の遅延クロックを生成する。このように、遅延させる前に分周を行うことで、参照クロックと分周参照クロックの組み合わせ、または出力クロックと分周出力クロックの組み合わせを得ることができる。
【0010】
第1遅延回路において、分周参照クロックに対して遅延クロックが生成される場合を説明する。参照クロックと分周参照クロックとは、互いに位相がそろい、分周参照クロックの周期が参照クロックの周期よりも大きくされる。よって、参照クロックを基準とすることにより、必ず分周参照クロックの周期のうちのある所定の時間を指定することができる。すなわち選択回路において、分周参照クロック信号および遅延クロック信号の信号レベルが安定している時間を、参照クロックを基準として指定し、当該指定時間において変調信号に応じてクロック選択動作を行うことができる。これにより、スパイクノイズやハザードの発生を防止することができるため、位相比較器において正確に位相比較を行うことができ、その結果出力クロック信号の周波数スペクトラムを高精度で拡散することが可能となる。
【0011】
また、分周参照クロックの周期は、参照クロックの周期よりも大きくされる。よって参照クロックを第1遅延回路で遅延させ選択回路で選択する場合に比して、分周参照クロックを第1遅延回路で遅延させ選択回路で選択する場合の方が、信号レベルが安定している時間領域を大きく取ることができる。よって第1の思想におけるクロック発生回路の安定動作マージンを拡大することが可能となる。
【0012】
なお、第1遅延回路において分周出力クロックに対して遅延クロックが生成される場合における動作も同様である。
【発明の効果】
【0013】
本発明を適用することにより、スペクトラム拡散クロックを発生し、参照クロック信号及び出力クロック信号の高精度な位相の制御を行うことが可能なクロック発生回路及びクロック発生方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施にかかる半導体装置について具体化した一例である第1実施形態を図1乃至図6を参照しつつ詳細に説明する。図1は、スペクトラム拡散クロック発生回路1の実施形態を示す回路ブロック図である。このスペクトラム拡散クロック発生回路1は、位相比較部10と、クロック生成部20と、変調回路40と、帰還分周部60と、入力分周部70と、DLL回路80とを備える。入力クロック信号CLKRは、周波数が25(MHz)、周期T0が40(ns)のクロック信号である。入力分周部70は、入力クロック信号CLKRを50分周して、分周入力クロック信号CLKSを出力する。分周入力クロック信号CLKSの周期T1は2500(ns)である。また帰還分周部60は、出力クロック信号CLKOを50分周して、分周内部クロック信号CLKMを出力する。DLL回路80には入力クロック信号CLKRが入力され、遅延制御信号DCS1、DCS2が出力される。変調回路40は、入力される遅延制御信号DCS1、DCS2に応じて、分周入力クロック信号CLKSを遅延させる。そして変調回路40からは、変調クロック信号CLKNが出力される。このうち位相比較部10と、クロック生成部20と、帰還分周部60とは、PLL(Phase Lock Loop)回路を構成し、変調クロック信号CLKN及び分周内部クロック信号CLKMの位相差が一定となるように制御される。
【0015】
位相比較部10は、位相比較器11と、チャージポンプ12と、ループフィルタ13とを含んでいる。位相比較器11は、変調クロック信号CLKN及び分周内部クロック信号CLKMの立ち上りエッジの時間差を検出し、検出結果に応じたパルス幅の位相差信号UP、DNを出力する。すなわち、変調クロック信号CLKNよりも分周内部クロック信号CLKMの立ち上りエッジが遅れる場合には、各立ち上りエッジの時間差に応じたパルス幅で位相差信号UPを出力する。また、この逆の場合には、各立ち上りエッジの時間差に応じたパルス幅で位相差信号DNを出力する。
【0016】
チャージポンプ12は、位相差信号UP、DNに応じ、ループフィルタ13に対して正または負の位相差電流IPを供給する。すなわち、位相差信号UPが入力される場合には、正電流を供給し、位相差信号DNが入力される場合には、負電流を供給する。ループフィルタ13は、チャージポンプ12が出力する位相差電流IPを積分して制御電圧VCを出力する。クロック生成部20は、ループフィルタ13からの制御電圧VCに応じた周波数の出力クロック信号CLKOを生成する。
【0017】
DLL回路80の回路図を図2に示す。DLL回路80は、第1電流源部81および第2電流源部83、遅延回路82、DLL制御回路84を備える。第1電流源部81および第2電流源部83は、それぞれ20個の電流源を備える。遅延回路82は、直列接続される20個のバッファを備える。遅延回路82の各バッファの電源端子に対応して、第1電流源部81の電流源が接続される。また遅延回路82の各バッファの接地端子に対応して、第2電流源部83の電流源が接続される。また第1電流源部81は電源電位VCCに接続され、第2電流源部83は接地電位VSSに接続される。DLL制御回路84には、入力クロック信号CLKRおよび遅延回路82の最終段のバッファから出力される遅延クロック信号DLYCLKが入力される。またDLL制御回路84からは遅延制御信号DCS1、DCS2が出力され、それぞれ第1電流源部81および第2電流源部83に入力される。遅延回路82の各バッファは、対応する第1電流源部81および第2電流源部83によって遅延時間が定められる。
【0018】
変調回路40の回路図を図3に示す。変調回路40は、第1電流源部41および第2電流源部43、遅延回路42、セレクタ44、変調制御回路50を備える。第1電流源部41および第2電流源部43は、それぞれ10個の電流源を備える。遅延回路42は、直列接続される10個のバッファを備える。遅延回路42の各バッファの電源端子に対応して、第1電流源部41の電流源が接続される。また遅延回路42の各バッファの接地端子に対応して、第2電流源部43の電流源が接続される。また第1電流源部41は電源電位VCCに接続され、第2電流源部43は接地電位VSSに接続される。第1電流源部41および第2電流源部43には、それぞれ遅延制御信号DCS1、DCS2が入力される。遅延回路42の第1段のバッファには、分周入力クロック信号CLKSが入力される。なお、変調回路40の第1電流源部41、第2電流源部43、遅延回路42と、DLL回路80の第1電流源部81、第2電流源部83、遅延回路82とは、それぞれ同一デバイス構造の素子から構成されている。
【0019】
セレクタ44および変調制御回路50には、入力クロック信号CLKRが入力される。また変調制御回路50から出力される変調信号MODが、セレクタ44に入力される。遅延回路42の各バッファは、遅延制御信号DCS1、DCS2によって遅延時間が定められ、分周入力クロック信号CLKSを遅延させる。各バッファの出力ノードからは、遅延クロック信号CLKD1〜CLKD10が出力され、セレクタ44に入力される。またセレクタ44には分周入力クロック信号CLKSが入力される。セレクタ44からは変調クロック信号CLKNが出力される。
【0020】
次いで、スペクトラム拡散クロック発生回路1の動作について、図4〜図6を参照して説明する。DLL回路80の動作を説明する。遅延回路82は、入力クロック信号CLKRを遅延させ、最終段のバッファから遅延クロック信号DLYCLKを出力する。DLL制御回路84は、入力クロック信号CLKRと、遅延クロック信号DLYCLKとの位相を比較し、それらの位相差が入力クロック信号CLKRの1周期分T0(40(ns))と等しくなるように、第1電流源部81および第2電流源部83の電流値を制御する。すなわちDLL回路80は、遅延クロック信号DLYCLKの位相を、入力クロック信号CLKRから1周期T0だけ遅れるように調整する動作を行う。これにより、遅延回路82のバッファ1段あたりの遅延時間を、周期T0をバッファ段数で除した値に一致させることができる。このときのバッファ1段当たりの遅延時間を基準遅延時間trと定義する。第1実施形態では、周期T0=40(ns)であり、遅延回路82のバッファは20段であるため、基準遅延時間trは2(ns)となる。
【0021】
変調回路40の動作を説明する。変調回路40の第1電流源部41、第2電流源部43のバイアス信号には、遅延制御信号DCS1、DCS2が入力される。遅延制御信号DCS1、DCS2の信号レベルは、DLL回路80の遅延回路82でバッファ1段あたりの遅延時間が基準遅延時間trと一致するときのレベル値である。また前述の通り、DLL回路80と変調回路40とはそれぞれ同一デバイス構造の素子から構成されている。よって変調回路40の遅延回路42の各バッファ1段当たりの遅延時間も、基準遅延時間trと同等とされる。
【0022】
すなわち、DLL回路80は、バッファ1段あたりの遅延時間が基準遅延時間trとなるための遅延制御信号DCS1、DCS2を求める動作を行う。そして変調回路40は、遅延制御信号DCS1、DCS2に基づき、分周入力クロック信号CLKSを基準遅延時間trずつ遅延させた遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10を生成する動作を行う。
【0023】
図4は、図3に示した変調回路40の動作を説明するためのタイムチャートである。図4において、遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10は、遅延回路42から出力される信号である。遅延回路42の初段のバッファから出力される遅延クロック信号CLKD1は、分周入力クロック信号CLKSよりも位相が基準遅延時間tr(2(ns))だけ遅れた波形になる。次段のバッファから出力される遅延クロック信号CLKD2は、遅延クロック信号CLKD1よりも位相がさらに基準遅延時間trだけ遅れた波形になる。同様に、遅延クロック信号DLYCLK3〜DLYCLK10は、位相が基準遅延時間trずつ遅れた波形になる。そして遅延クロック信号CLKD10は、分周入力クロック信号CLKSよりも位相が20(ns)遅れた波形になる。
【0024】
変調制御回路50は、変調信号MODを出力する。変調信号MODは0〜10の範囲の値を取る。セレクタ44は、変調信号MODの値に応じて、分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10のうちの何れか1つの波形を選択する。変調信号MOD=0の場合には、セレクタ44からは、分周入力クロック信号CLKSが出力される。変調信号MOD=1の場合には、セレクタ44からは、遅延クロック信号CLKD1が出力される。また変調信号MOD=2〜10の場合には、セレクタ44からは、遅延クロック信号CLKD2〜CLKD10が出力される。
【0025】
そして変調信号MODが周期T1で切り替えられることで、セレクタ44で選択されるクロック波形の位相が周期T1で変化する。これにより分周入力クロック信号CLKSの変調動作が行われる。
【0026】
ここで図4において、分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ付近における信号レベルが安定しない領域において、クロック波形の選択切り替えが行われると、スパイクノイズやハザードが発生するおそれがある。よって、分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の信号レベルが安定しているタイミングで、切り替えを行う必要がある。
【0027】
本実施形態では、切り替えタイミングを設定するための入力クロック信号CLKRと、変調対象である分周入力クロック信号CLKSとの2つのクロック信号を有している。そして入力クロック信号CLKRを分周して分周入力クロック信号CLKSを得ているため、両クロック信号の位相は揃っている。よって、入力クロック信号CLKRを用いれば、必ず分周入力クロック信号CLKSの周期T1のうち、ある所定の時間を指定することができる。そして分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の信号レベルが安定している時間を、予め入力クロック信号CLKRを用いて指定することにより、スパイクノイズやハザードの発生を防止しながら切り替え動作を行うことができる。
【0028】
具体的には、分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジの前後に存在する、信号レベルが不安定になる時間領域を避けて、切り替え動作を行う必要がある。なお、信号レベルが不安定になる時間領域の時間幅は、最大遅延時間tmax(20ns)に、セレクタ44の切り替え時間を加えた時間とされる。例えば図4においては、入力クロック信号CLKRの50クロック目の立ち上がりエッジをトリガとして、変調信号MODを切り替えることにより(矢印A1)、信号レベルが不安定になる時間領域を避けてクロック波形の切り替え動作を行うことができる。
【0029】
分周入力クロック信号CLKSの周期T1を、2(ns)刻みで2000±4(ns)に変調する場合における、変調回路40の詳細な動作を説明する。この場合、変調制御回路50はステップS1〜S8を有し、周期T1(2000(ns))ごとに変調信号MODが切り替えられる。このうちステップS1〜S4では、変調信号MODの値は、0、1、3、4の順(昇順)に切り替えられる。また、ステップS5〜S8では、変調信号MODの値は、4、3、1、0の順(降順)に切り替えられる。
【0030】
図5は、ステップS1〜S4における分周入力クロック信号CLKS及び変調クロック信号CLKNの関係を示す波形図である。まず、ステップS1においては、変調信号MODの値は0とされる。前述の通り、変調信号MOD=0の場合には、セレクタ44からは分周入力クロック信号CLKSが変調クロック信号CLKNとして出力される。従って、分周入力クロック信号CLKSと変調クロック信号CLKNとの間の位相差PC1は0になる。
【0031】
次いで、時間ts2においてステップS2に移行すると、変調信号MODが0から1へ切り替えられる。よってセレクタ44の出力は、分周入力クロック信号CLKSから遅延クロック信号CLKD1へ切り替えられる(図4、矢印A2)。その結果、遅延クロック信号CLKD1が変調クロック信号CLKNとして出力される。従って、分周入力クロック信号CLKSと変調クロック信号CLKNとの間の位相差PC2は2(ns)になる。するとステップS2における変調クロック信号CLKNの変調幅(周期T1からの増減量)は、ステップS2における位相差PC2(=2(ns))と、1つ前のステップであるステップS1の位相差PC1(=0(ns))との差分である+2(ns)となる。よってステップS2における変調クロック信号CLKNの周期TN2は、2002(ns)となる。
【0032】
次いで、時間ts3においてステップS3に移行すると、変調信号MODが1から3へ切り替えられる。よってセレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD1から遅延クロック信号CLKD3へ切り替えられる(図4、矢印A3)。その結果、遅延クロック信号CLKD3が変調クロック信号CLKNとして出力される。従って、分周入力クロック信号CLKSと変調クロック信号CLKNとの間の位相差PC3は6(ns)になる。するとステップS3における変調クロック信号CLKNの変調幅は、位相差PC3(=6(ns))と、位相差PC2(=2(ns))との差分である+4(ns)となる。よってステップS3における変調クロック信号CLKNの周期TN3は、2004(ns)となる。
【0033】
以下同様にして、時間ts4においてステップS4に移行し変調信号MODが3から4へ切り替えられると、セレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD3から遅延クロック信号CLKD4へ切り替えられる(図4、矢印A4)。するとステップS4における変調幅は、ステップS4の位相差PC4(=8(ns))と、ステップS3の位相差PC3(=6(ns))との差分である+2(ns)となる。よってステップS4における変調クロック信号CLKNの周期TN4は、2002(ns)となる。
【0034】
図6は、ステップS5〜ステップS8における分周入力クロック信号CLKS及び変調クロック信号CLKNの関係を示す波形図である。時間ts5においてステップS5に移行する。このとき変調信号MOD=4が維持され、セレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD4である状態が維持される。するとステップS5における変調幅は、ステップS5の位相差PC5(=8(ns))と、ステップS4の位相差PC4(=8(ns))との差分である0(ns)となるため、ステップS5における変調クロック信号CLKNの周期TN5は、2000(ns)となる。
【0035】
また時間ts6においてステップS6に移行し変調信号MODが4から3へ切り替えられると、セレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD4から遅延クロック信号CLKD3へ切り替えられる。するとステップS6における変調幅は、ステップS6の位相差PC6(=6(ns))と、ステップS5の位相差PC5(=8(ns))との差分である−2(ns)となるため、ステップS6における周期TN6は、1998(ns)となる。
【0036】
以下同様にして、時間ts7においてステップS7に移行し変調信号MODが3から1へ切り替えられると、セレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD3から遅延クロック信号CLKD1へ切り替えられる。するとステップS7における変調幅は、位相差PC7(=2(ns))と位相差PC6(=6(ns))との差分である−4(ns)となるため、ステップS7における周期TN7は、1996(ns)となる。また、時間ts8においてステップS8に移行し変調信号MODが1から0へ切り替えられると、セレクタ44の出力は、遅延クロック信号CLKD1から分周入力クロック信号CLKSへ切り替えられる。するとステップS8における変調幅は−2(ns)となるため、ステップS8における周期TN8は、1998(ns)となる。
【0037】
これによって、ステップS1乃至S8において、変調クロック信号CLKNの周期TNを2002、2004、2002、2000、1998、1996、1998、2000(ns)に切り替えることが可能となる。すなわち変調クロック信号CLKNの周期は、2000±4(ns)に変調され、25(MHz)±0.2(%)の変調クロックを得ることができる。
【0038】
以上詳細に説明したとおり、第1実施形態に係るスペクトラム拡散クロック発生回路1によれば、入力クロック信号CLKRを入力分周部70で分周した後に、分周後の分周入力クロック信号CLKSを変調回路40で変調する。このように、まず分周することで、セレクタ44の切り替えタイミングを設定するための入力クロック信号CLKRと、変調対象である分周入力クロック信号CLKSとの2つのクロック信号を生成することができる。なお、入力クロック信号CLKRを分周して分周入力クロック信号CLKSを得ているため、両クロック信号の位相は揃っている。次に、分周により得られた分周入力クロック信号CLKSを遅延させ、遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10を生成する。そして分周の基準となった入力クロック信号CLKRを用いて、分周入力クロック信号CLKSおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の信号レベルが安定している時間領域を指定し、当該時間領域においてセレクタ44の切り替え動作を行う。これにより、スパイクノイズやハザードの発生を防止することができるため、正確に出力クロック信号の周波数スペクトラムを拡散することが可能となる。
【0039】
また、分周後の分周入力クロック信号CLKSの周期T1は、分周前の入力クロック信号CLKRの周期T0よりも大きくされる。よって、入力クロック信号CLKRを変調する場合に比して、分周入力クロック信号CLKSを変調する方が、セレクタ44の切り替え時において信号レベルが安定している時間領域を大きく取ることができる。よってスペクトラム拡散クロック発生回路1の安定動作マージンを拡大することが可能となる。特に近年の半導体集積回路の動作の高速化に伴い、入力クロック信号CLKRの周波数が高くなる場合においても、安定動作マージンを確保できる利点がある。
【0040】
さらに、本実施形態のスペクトラム拡散クロック発生回路1では、DLL回路80の遅延回路82及び変調回路40の遅延回路42は、いずれも同一デバイス構造の遅延素子を備えている。よって、DLL回路80において、遅延素子1段あたりの遅延時間が基準遅延時間trとなるための遅延制御信号DCS1、DCS2を求める動作を行い、変調回路40において、遅延制御信号DCS1、DCS2に基づき、分周入力クロック信号CLKSを基準遅延時間trずつ遅延させた遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10を生成する動作を行うことができる。これにより、出力クロック信号CLKOの変調度をより正確に制御することができる。また、遅延回路82と42とは同一デバイス構造の遅延素子を含んでいることにより、位相差信号、周囲温度などの環境、プロセス条件などの環境が変化する場合であっても、変調回路40とDLL回路80との相関関係を一定に保つことができる。
【0041】
本発明に係る第2実施形態に係るスペクトラム拡散クロック発生回路を説明する。第2実施形態に係るスペクトラム拡散クロック発生回路は、図1に示すスペクトラム拡散クロック発生回路1に加えて、入力分周部制御回路90を備える。入力分周部制御回路90には、入力分周部70に備えられる分周カウンタのカウント値CNTが入力される。また入力分周部制御回路90からは、入力分周部70に備えられる分周カウンタのリロード値CRが出力され、入力分周部70および変調回路40の変調制御回路50(図3)に入力される。その他の構成は、第1実施形態におけるスペクトラム拡散クロック発生回路1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0042】
動作を説明する。入力クロック信号CLKRの周波数が40(MHz)、周期T0は25(ns)であるとする。入力分周部70の分周カウンタにおけるリロード値CRの初期値が100であり、帰還分周部60の分周カウンタのカウント設定値が100であるとする。このとき入力分周部70は入力クロック信号CLKRを100分周するため、分周入力クロック信号CLKSの周期T1は2500(ns)である。またリロード値CRの変化量’1’当たりの周期T1の変化量は、25(ns)である。また帰還分周部60は出力クロック信号CLKOを100分周する。
【0043】
分周入力クロック信号CLKSの周期T1を、5(ns)刻みで2500±25(ns)に変調する場合を説明する。DLL回路80に備えられる遅延回路82のバッファ回路の段数は5段とされ、基準遅延時間trは5(ns)に設定される。また変調回路40の遅延回路42には、バッファが4段備えられる。なお遅延回路42に備えられるバッファの数は、周期T0(25(ns))を基準遅延時間tr(5(ns))で除して得られる値よりも小さい数とされる。そして遅延回路42からは、遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD4が出力される。
【0044】
変調制御回路50(図3)はステップS1〜S20を有し、周期T1(2500(ns))で変調信号MODが切り替えられる。また入力分周部制御回路90もステップS1〜S20を有し、周期T1でリロード値CRが切り替えられる。なお変調信号MOD、リロード値CRの切り替えタイミングの定め方は、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0045】
ステップS1〜S20における、リロード値CR、変調信号MODおよび変調クロック信号CLKNの周期TNの関係を図7に示す。ステップS1からS3までにおいては、リロード値CR-=100とされ、分周入力クロック信号CLKSの周期T1は2500(ns)とされる。また変調信号MODが、例えば入力クロック信号CLKRの100クロック目の立ち上がりエッジをトリガとして、0、1、3の順に切り替えられることに応じて、セレクタ44においては、分周入力クロック信号CLKS、遅延クロック信号CLKD1、遅延クロック信号CLKD3が順次選択される。よって変調クロック信号CLKNの変調幅MWは0、+5、+10(ns)に順次変更されるため、変調クロック信号CLKNの周期TNは、2500、2505、2510(ns)に順次変更される。
【0046】
ステップS3の終了後にステップS4に移行する。入力分周部制御回路90は、カウント値CNTを監視することでステップS4へ移行したことを検知し、リロード値CRを100から101へ切り替える。そしてステップS4からS6までにおいては、リロード値CR-=101が維持される。すると入力分周部70では入力クロック信号CLKRが101分周されるため、分周入力クロック信号CLKSの周期T1は2525(ns)とされる。また変調制御回路50は、リロード値CRを監視することで、周期T1が2525(ns)へ変更されたことを検知する。よって変調制御回路50は、周期T1が変更される場合においても、常に入力クロック信号CLKRの100クロック目の立ち上がりエッジで変調信号MODを切り替えることができる。そして変調信号MODが1、0、0の順に切り替えられると、変調クロック信号CLKNの変調幅MWは−10、−5、0(ns)とされる。よって変調クロック信号CLKNの周期TNは、2515、2520、2525(ns)となる。
【0047】
以下同様にして、図7に示すように、ステップS7からS20においてリロード値CRと変調信号MODが切り替えられる。これにより、ステップS6からS16にかけて、変調クロック信号CLKNの周期TNを2525(ns)から2475(ns)まで5(ns)間隔で減らすことができる。またステップS16からS20にかけて、周期TNを2475(ns)から2495(ns)まで5(ns)間隔で増加させることができる。よって、分周入力クロック信号CLKSに対して、±1.0(%)の変調を行うことができることが分かる。
【0048】
以上詳細に説明したとおり、第2実施形態に係るスペクトラム拡散クロック発生回路によれば、分周入力クロック信号CLKSを変調するにあたり、入力分周部70におけるリロード値CRを変更することで分周入力クロック信号CLKSの周期T1を直接変更する第1の手段と、分周入力クロック信号CLKSを遅延させた遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD4を順次選択することで周期を変更する第2の手段とを組み合わせて用いることができる。
【0049】
このとき、第1の手段における変調幅の最小時間は、入力クロック信号CLKRの周期T0(25(ns))であり、第2の手段における変調幅の最小時間である基準遅延時間tr=5(ns)に比して十分に大きな値である。よって第1の手段により変調幅を25(ns)単位で粗調整し、第2の手段によって5(ns)単位で微調整することにより、変調幅を5(ns)単位で自由に設定することができる。よって、第2の手段に求められる変調幅のレンジは25(ns)となるため、遅延回路42に必要なバッファの段数を4段とすることができる。これにより、遅延回路42の回路規模を抑えながら、分周入力クロック信号CLKSの周期を、細かい変調幅かつ高い変調度で変調することが可能となる。なお遅延回路42に備えられるバッファの数は、周期T0(25(ns))を基準遅延時間tr(5(ns))で除して得られる値よりも小さい数であればよい。そしてバッファの数は、好ましくは、周期T0を基準遅延時間trで除して得られる値から1を減じた値(本実施例ではバッファ数=4)がよい。これにより第1の手段の変調幅を、第2の手段で均等に微調整することが可能となるため、より正確に出力クロック信号の周波数スペクトラムを拡散することが可能となる。
【0050】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。第1実施形態では、変調制御回路50はステップS1〜S8を有するとしたが、この形態に限られない。分周入力クロック信号CLKSの周期T1の変調幅および基準遅延時間trに応じて、変調制御回路50が有するステップは各種存在する。例えば周期T1が2000(ns)である場合、変調幅を±6(ns)、基準遅延時間trを2(ns)とすると、ステップS1〜S12が必要となる。そして変調信号MODを0、1、3、6、8、9、9、8、6、3、1、0と切り替えることにより、変調クロック信号CLKNの周期TNを2002、2004、2006、2004,2002、2000、1998、1996、1994、1996、1998、2000(ns)に切り替えることが可能となる。これにより、25(MHz)±0.3(%)に変調された変調クロック信号CLKNを得ることができる。
【0051】
また第1および第2実施形態では、変調回路40は入力分周部70と位相比較器11との経路間に備えられるとしたが、この形態に限られない。変調回路40は帰還分周部60と位相比較器11との経路間に備えられるとしてもよい。これにより、出力クロック信号CLKOを分周して得られる分周内部クロック信号CLKMを変調回路40で変調することになる。よって、出力クロック信号CLKOを用いて、分周内部クロック信号CLKMおよび遅延クロック信号CLKD1乃至CLKD10の信号レベルが安定している時間領域においてセレクタ44の切り替え動作を行うことができる結果、スパイクノイズやハザードの発生を防止することができる。
【0052】
また第1および第2実施形態では、DLL回路80には入力クロック信号CLKRが入力されるとしたが、この形態に限られない。DLL回路80には出力クロック信号CLKOが入力されるとしてもよい。これにより、出力クロック信号CLKOを用いて基準遅延時間trを定めることができる。なお出力クロック信号CLKOはスペクトラム拡散が行われているが、一般に出力クロック信号CLKOの周期の変調度は数%以下の小さな値であるため、基準遅延時間trを定めるに際して問題とならない。なお、変調回路40が帰還分周部60と位相比較器11との経路間に備えられ、DLL回路80に出力クロック信号CLKOが入力される形態としてもよいことは言うまでもない。
【0053】
また第1および第2実施形態では、DLL回路80が備えられるとしたが、この形態に限られず、DLL回路80を省略することも可能である。この場合、変調回路40の遅延回路42において、バッファ1段当たりの遅延時間を正確に基準遅延時間trに一致させることはできない。しかし、分周入力クロック信号CLKSの変調度を正確に制御する必要がない場合においては、DLL回路80を省略することにより回路サイズの縮小化を図ることが可能となる。
【0054】
なお、入力分周部70は第1分周回路の一例、帰還分周部60は第2分周回路の一例、入力クロック信号CLKRは参照クロックの一例、出力クロック信号CLKOは出力クロックの一例、分周入力クロック信号CLKSは分周参照クロックの一例、分周内部クロック信号CLKMは分周出力クロックの一例、変調信号MODは変調信号の一例、基準遅延時間trは単位遅延時間の一例、遅延回路42は第1遅延回路の一例、DLL回路80は第2遅延回路の一例、セレクタ44は選択回路のそれぞれ一例である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】スペクトラム拡散クロック発生回路1の回路ブロック図
【図2】DLL回路80の回路図
【図3】変調回路40の回路図
【図4】変調回路40のタイムチャート
【図5】ステップS1〜ステップS4における波形図
【図6】ステップS5〜ステップS8における波形図
【図7】リロード値CR、変調信号MODおよび周期TNの相関表
【図8】特許文献1に係るスペクトラム拡散クロック発生回路の回路ブロック図
【符号の説明】
【0056】
1 スペクトラム拡散クロック発生回路
20 クロック生成部
44 セレクタ
50 変調制御回路
60 帰還分周部
70 入力分周部
80 DLL回路
CLKD1乃至CLKD10 遅延クロック信号
CLKM 分周内部クロック信号
CLKN 変調クロック信号
CLKO 出力クロック信号
CLKR 入力クロック信号
CLKS 分周入力クロック信号
DCS1、DCS2 遅延制御信号
MOD 変調信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照クロックを入力とし、変調信号に応じて出力クロックのスペクトラム拡散を行うクロック発生回路であって、
入力される前記参照クロックを分周して分周参照クロックとして出力する第1分周回路、または、入力される前記出力クロックを分周して分周出力クロックとして出力する第2分周回路の少なくとも何れか一方と、
前記分周参照クロックまたは前記分周出力クロックのうち何れか一方に対して、それぞれ位相の異なる複数の遅延クロックを生成する第1遅延回路と、
前記変調信号に応じて、前記参照クロックまたは前記出力クロックのうち前記遅延クロックに対応する方のクロックに基づくタイミングで、前記複数の遅延クロックのうちのいずれか1つを選択して出力する選択回路と、
前記分周参照クロックまたは前記分周出力クロックのうち前記遅延クロックに対応しない方のクロックと前記選択回路によって選択される前記遅延クロックとの位相を比較し、比較結果に応じた信号を出力する位相比較器と
を備えることを特徴とするクロック発生回路。
【請求項2】
前記第1遅延回路は、直列接続される複数の単位遅延素子を有し、
前記単位遅延素子の各々から前記遅延クロックが出力されることを特徴とする請求項1に記載のクロック発生回路。
【請求項3】
前記第1遅延回路と同一デバイス構造の素子を有し、
初段の前記単位遅延素子に入力されるクロックと、最終段の前記単位遅延素子から出力されるクロックとの位相差が、前記初段の前記単位遅延素子に入力されるクロックの1周期と等しくなるように前記複数の単位遅延素子のバイアス信号を制御し、該バイアス信号を前記第1遅延回路へ出力する第2遅延回路
を備えることを特徴とする請求項2に記載のクロック発生回路。
【請求項4】
前記初段の前記単位遅延素子に入力されるクロックは、前記参照クロックまたは前記出力クロックであることを特徴とする請求項3に記載のクロック発生回路。
【請求項5】
前記変調信号に応じて、前記第1分周回路または前記第2分周回路の分周値を可変に制御することを特徴とする請求項1に記載のクロック発生回路。
【請求項6】
前記変調信号に応じて、前記第1分周回路または前記第2分周回路の分周値が可変に制御され、
前記第1遅延回路に備えられる前記単位遅延素子の数は、前記参照クロックまたは前記出力クロックの周期を前記単位遅延素子の遅延時間で除して得られる値よりも小さい値とされることを特徴とする請求項2に記載のクロック発生回路。
【請求項7】
参照クロックを入力とし、変調信号に応じて出力クロックのスペクトラム拡散を行うクロック発生方法であって、
入力される前記参照クロックを分周して分周参照クロックとして出力するステップ、または、入力される前記出力クロックを分周して分周出力クロックとして出力するステップの少なくとも何れか一方と、
前記分周参照クロックまたは前記分周出力クロックのうち何れか一方に対して、それぞれ位相の異なる複数の遅延クロックを生成するステップと、
前記変調信号に応じて、前記参照クロックまたは前記出力クロックのうち前記遅延クロックに対応する方のクロックに基づくタイミングで、前記複数の遅延クロックのうちのいずれか1つを選択して出力するステップと、
前記分周参照クロックまたは前記分周出力クロックのうち前記遅延クロックに対応しない方のクロックと選択された前記遅延クロックとの位相を比較し、比較結果に応じた信号を出力するステップと
を備えることを特徴とするクロック発生方法。
【請求項8】
前記変調信号に応じて、前記参照クロックまたは前記出力クロックの分周値を可変に制御することを特徴とする請求項7に記載のクロック発生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−81935(P2007−81935A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268332(P2005−268332)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】