説明

コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、端末装置、対象装置、および参照装置

【課題】ユーザ側の固有情報が第三者に知得されることなくコンテンツを配信する。
【解決手段】端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合する。また、対象参照装置30は対象装置20からのスポットIDおよびコンテキストIDに基づいてコンテンツを取得するための情報(URL)を端末参照装置30へ送信する。上記セッションキーの照合ができた場合に、このURLが端末装置10へ送信され、端末装置10は当該URLに応じたコンテンツをコンテンツ格納装置40から取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、端末装置、対象装置、および参照装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば公共の場所や美術館などで画像等の情報を表示して人々に情報提供を行う情報表示装置に対して、ユーザの所持する端末装置から所定の信号を送信して、情報表示装置に表示されている情報に関連した情報(以下コンテンツという)を端末装置に配信するコンテンツ配信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなコンテンツ配信システムでは、端末装置から情報表示装置へ赤外線等で端末装置のアドレスなど固有情報を送って、このアドレスを基に端末装置へのコンテンツの配信を行っていた。
【特許文献1】特開2005−244469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の技術においては、端末装置の固有情報を情報表示装置へ送信する必要があったため、セキュリティ保護や情報漏洩の観点から問題があった。特に、固有情報の送信に赤外線を用いた場合には、第三者によって赤外線を傍受されれば簡単に情報漏洩が生じてしまう危険性があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザ側の固有情報が第三者に知得されることなくコンテンツを配信することが可能なコンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、ならびにコンテンツ配信システムに用いられる端末装置、対象装置、および参照装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信する端末装置と、前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定する端末参照装置とを有して構成され、前記対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に基づいて指定されたコンテンツを前記端末装置に配信することを特徴とするコンテンツ配信システムを提供する。
【0005】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。そして、対応付けが正しいと判定された場合にコンテンツが端末装置に配信される。配信されるコンテンツは、端末装置が第1セッションキーを送信する際の第1信号に応じて指定される。すなわち、コンテンツの配信は、端末参照装置におけるセッションキーの判定結果に基づいて行われるとともに、対象装置への第1信号の送信によって、配信されるコンテンツがコントロールされる。
【0006】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、コンテンツを取得するための情報を含む第5信号を受信して該コンテンツを取得するための情報に従ってコンテンツの配信を要求する第6信号をコンテンツ格納装置へ送信し、該コンテンツ格納装置から前記要求にかかるコンテンツを受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記配信要求されるコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーと、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づく前記コンテンツを取得するための情報と、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づく前記第5信号を前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、前記第6信号を受信し、受信した第6信号によって要求されたコンテンツを該第6信号の送信元である端末装置に送信するコンテンツ格納装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0007】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、コンテンツを取得するための情報が端末装置へ送られ、端末装置がこのコンテンツを取得するための情報を基にコンテンツを取得する。
【0008】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに配信するコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーと、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づき決定されるコンテンツを取得するための情報と、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づいてコンテンツの配信を要求する第5信号を送信し、前記第5信号の送信先から前記要求にかかるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、前記第5信号を受信し、受信した第5信号によって要求されたコンテンツを該第5信号の送信元である端末参照装置に送信するコンテンツ格納装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0009】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、端末参照装置がコンテンツ格納装置からコンテンツを取得して端末装置へ配信する。
【0010】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに配信するコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づいてコンテンツデータベースからコンテンツを取り出し、取り出したコンテンツと、前記受信した第3信号に含まれる第1セッションキーと、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0011】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。また、コンテンツが対象参照装置のコンテンツデータベースから取り出されて、端末参照装置へ送信される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、端末参照装置が対象参照装置から取得したコンテンツを端末装置へ配信する。
【0012】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、コンテンツを取得するための情報を含む第5信号を受信して該コンテンツを取得するための情報に従ってコンテンツの配信を要求する第6信号をコンテンツ格納装置へ送信し、該コンテンツ格納装置から前記要求にかかるコンテンツを受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じて配信するコンテンツを指定し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記指定されたコンテンツに対する前記コンテンツを取得するための情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを取得するための情報とを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づく前記第5信号を前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、前記第6信号を受信し、受信した第6信号によって要求されたコンテンツを該第6信号の送信元である端末装置に送信するコンテンツ格納装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0013】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、コンテンツを取得するための情報が端末装置へ送られ、端末装置がこのコンテンツを取得するための情報を基にコンテンツを取得する。
【0014】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じて配信するコンテンツを指定し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記指定されたコンテンツに対するコンテンツを取得するための情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを取得するための情報とを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づいてコンテンツの配信を要求する第5信号を送信し、前記第5信号の送信先から前記要求にかかるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、前記第5信号を受信し、受信した第5信号によって要求されたコンテンツを該第5信号の送信元である端末参照装置に送信するコンテンツ格納装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0015】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、端末参照装置がコンテンツ格納装置からコンテンツを取得して端末装置へ配信する。
【0016】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じてコンテンツデータベースからコンテンツを取り出し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記取り出されたコンテンツを含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツとを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置とを有して構成されるコンテンツ配信システムを提供する。
【0017】
この発明によれば、第1セッションキーが端末装置から対象装置および対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信され、第2セッションキーが端末装置から直接端末参照装置へ送信され、端末参照装置において第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが判定される。また、コンテンツが対象装置のコンテンツデータベースから取り出されて、対象参照装置を経由して端末参照装置へ送信される。そして、対応付けが正しいと判定された場合に、端末参照装置が対象装置から取得した上記コンテンツを端末装置へ配信する。
【0018】
また、端末装置から第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を送信する対象装置と、前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信する対象参照装置と、前記端末装置から前記第1のセッションキーと対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を受信し、前記対象参照装置から前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定する端末参照装置とを有して構成され、前記対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に応じて指定されたコンテンツを前記端末装置に配信することを特徴とするコンテンツ配信システムを提供する。
【0019】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記コンテンツを取得するための情報は、当該コンテンツの格納された場所を示すURL、アドレス、ファイル名、ポインタ情報のいずれかであることを特徴とする。
【0020】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1セッションキーは前記端末装置を特定する情報を含まないユニークなビット列として構成されたことを特徴とする。
【0021】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1セッションキーと前記第2セッションキーは同一であることを特徴とする。
【0022】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第2セッションキーをハッシュ化して前記第1セッションキーとしたことを特徴とする。
【0023】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1セッションキーは乱数を含んで構成されることを特徴とする。
【0024】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1セッションキーは前記端末装置に固有の文字列に所定のカウンタ値を結合した文字列に基づいて構成されていることを特徴とする。
【0025】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記対象装置は展示物または広告物に対応付けて設けられたことを特徴とする。
【0026】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1信号は無線通信によって送信されることを特徴とする。
【0027】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記無線通信は赤外線を用いることを特徴とする。
【0028】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記端末装置が前記第2セッションキーとコンテンツの配信先を指定するアドレス情報とを含む前記第2信号を前記端末参照装置へ予め送信し、前記端末参照装置は、この第2信号を予め受信するとともに、前記対象参照装置から前記第1信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に応じて指定されたコンテンツを前記受信した第2信号に含まれるアドレス情報により指定された配信先に配信することを特徴とする。
【0029】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記アドレス情報は、IPアドレスまたはMACアドレスであることを特徴とする。
【0030】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第1信号が属性情報を含み、該属性情報に応じたコンテンツを配信することを特徴とする。
【0031】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記第2信号が属性情報を含み、該属性情報に応じたコンテンツを配信することを特徴とする。
【0032】
また、前記コンテンツ配信システムにおいて、前記属性情報は、年齢、性別、職業の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0033】
また、前記コンテンツ配信システムにおける対象装置であって、前記第1セッションキーを含む信号を受信し、該信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報とを含む信号を送信することを特徴とする対象装置を提供する。
【0034】
また、前記対象装置において、コンテンツを出力する手段と、出力するコンテンツを切り換える手段とを有し、出力しているコンテンツに応じて前記コンテンツ指定情報を切り換えることを特徴とする。
【0035】
また、前記コンテンツ配信システムにおける端末参照装置であって、前記第1セッションキーを含む信号を前記対象参照装置から受信し、前記第2セッションキーを含む信号を前記端末装置から受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、コンテンツの配信またはコンテンツを取得するための情報の送信を行うことを特徴とする端末参照装置を提供する。
【0036】
また、前記端末参照装置において、前記対象参照装置からコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を受信し、該コンテンツ指定情報に基づいて、コンテンツの配信またはコンテンツを取得するための情報の送信を行うことを特徴とする。
【0037】
また、第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を第1の送信先に送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される第2の送信先に送信し、前記第2信号と前記第1の送信先から送られた第1信号とを受信した前記第2の送信先において該受信した信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが正しいと判定された場合に配信される、前記第1信号に応じたコンテンツを受信する端末装置を提供する。
【0038】
また、前記端末装置において、前記受信したコンテンツを表示する手段を備える。
【0039】
また、端末装置が第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置に送信するステップと、対象装置が前記第1信号を受信して該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を対象参照装置に送信するステップと、対象装置が前記第1信号に応じてコンテンツを指定するステップと、端末装置が前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信するステップと、対象参照装置が前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号と同じ端末参照装置へ送信するステップと、端末参照装置が前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定するステップと、前記対応付けが正しいと判定された場合に配信される前記指定されたコンテンツを端末装置が受信するステップとを含むことを特徴とするコンテンツ配信方法を提供する。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、第1セッションキーを対象装置および対象参照装置経由で端末参照装置へ送信し、第2セッションキーを直接端末参照装置へ送信して、端末参照装置でこれら2つのセッションキーが照合できた場合にコンテンツを配信しているため、第1セッションキーに端末装置の固有情報を含ませなくてもコンテンツの配信を実現することができる。したがって、対象装置へ送る第1セッションキーに端末装置の固有情報を含ませる必要がないので、固有情報が第三者に知得されることを回避でき、セキュリティを保護することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。コンテンツ配信システムは、対象装置20に関連した情報としてのコンテンツをユーザが所持する端末装置10に配信するシステムである。対象装置20としては、例えば街中などに設置されて人々に画像情報や文字情報を提供している情報表示装置がある。この場合、上記の画像情報や文字情報に関連するコンテンツが端末装置10に配信される。また、美術館等において絵画や彫刻などの展示物近傍に対象装置20を設置して、展示物に関連するコンテンツを端末装置10に配信することもできる。
【0042】
図1において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキー(SK1とする)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキー(SK2とする)を端末参照装置35へ送信する。セッションキーSK1には、セッションキーSK2の送信先である端末参照装置35を特定(識別)する固有の情報である端末参照装置IDが付加され、また、セッションキーSK2には、端末装置10を特定する情報として端末装置10のネットワーク上のアドレスが付加される。端末参照装置IDは、例えば、端末参照装置35のネットワーク上のアドレスにより構成する。ここで、ネットワーク上のアドレスとしては、例えばIP(Internet Protocol)アドレスを利用できる。
【0043】
対象装置20は、端末装置10から受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDを対象参照装置30へ転送するとともに、対象装置20を特定する固有のスポットIDと、対象装置20の現在の状態を示すコンテキストID(このコンテキストIDによって、配信されるコンテンツを異ならせることができる)を対象参照装置30へ送信する。
【0044】
対象参照装置30は、対象装置20から送信されるセッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信して、受信したセッションキーSK1を端末参照装置35へ転送するとともに、コンテンツを取得するための情報としてコンテンツが格納されている場所を示すURL(Uniform Resource Locator)を端末参照装置35に送信する。送信先となる端末参照装置35は、上記受信した端末参照装置IDに基づき決定される。対象参照装置30が送信するURLは、端末装置10がコンテンツを取得する際に利用するものであり、上記受信したスポットIDおよびコンテキストIDに従って決定される。その決定を行うために、対象参照装置30には、スポットIDおよびコンテキストIDとコンテンツのURLとの対応付けを示す対応表が記憶されている。
【0045】
ここで、上記のセッションキーSK1の端末装置10から対象装置20への送信には、赤外線通信が用いられる。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0046】
このようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の最も単純な例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0047】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、対象参照装置30より受信した上記のURLを、セッションキーSK2を送信してきた端末装置10(セッションキーSK2とともに受信した端末装置10のアドレスに従って特定する)へ送信する。
【0048】
端末装置10に配信されるコンテンツは、コンテンツ格納装置40に格納されている。上記URLを受信した端末装置10は、当該URLに対応するコンテンツ格納装置40にアクセスしてコンテンツを要求する。そしてこの要求を受けたコンテンツ格納装置40によって、目的のコンテンツが端末装置10へ配信される。
【0049】
ここで、端末装置10により生成されるセッションキーSK1およびSK2は、端末装置10が対象装置20によって特定されることを防ぐため、端末装置10に固有の情報を含まないようにして構成する。また、端末参照装置35において異なる2つの経路で取得したセッションキーSK1、SK2が同一の端末装置10から送られたものであることを判別可能とするため、他の端末装置からのセッションキーとは重複しない文字列としてセッションキーSK1およびSK2を構成する。端末装置10は、これらの条件を満足するセッションキーSK1とSK2を得ることのできるセッションキー生成方法として、次の(1)〜(4)方法を用いる。なお、以下の(1)〜(3)の方法は、端末装置10単独でセッションキーを生成しているので、例えば何らかの管理サーバ等を設けてセッションキーを管理することが不要であり、システム構成を簡単にすることができる。
【0050】
(1)乱数によるセッションキーの生成
端末装置10は、セッションキーを生成するに当たって、所定の大きさ(桁数あるいはビット数)の乱数をその都度発生させ、発生させた乱数をセッションキーSK1およびSK2とする。この方法で生成したセッションキーは、ランダムに生成されるものであるため対象装置20で端末装置10を特定することができず、また十分に大きな乱数を用いることで重複の起きにくいセッションキーとすることができる。
端末装置10に対する厳密な匿名性が求められない場合には、発生させた乱数に端末装置10を識別可能な固有のIDを付加してもよい。こうすることで、他の端末装置からのセッションキーと重複してしまうことを避けることができる。
このようにして乱数を用いセッションキーを生成する方法は、端末装置10におけるセッションキー生成処理が軽いというメリットがある。
【0051】
(2)ハッシュ関数を用いたセッションキーの生成
端末装置10は、端末装置10に固有のIDと所定のカウンタ値とを接続した文字列をハッシュ化して得られる文字列を、セッションキーSK1およびSK2とする。セッションキーは、hをハッシュ関数として、h(固有ID+カウンタ値)で与えられる。但し、“+”は文字列としての結合を表す。ハッシュ関数の代表的なものに、MD5(Message Digest 5)やSHA−1(Secure Hash Algorithm 1)があり、いずれを使ってもよい。カウンタ値は、同じ端末装置10でも毎回異なるセッションキーが得られるようにするために用いる変数であり、例えばセッションキーを1回生成する度に値を1ずつインクリメントさせる。
ハッシュ関数の入力に、ここでは端末装置10の固有情報を含むようにしているが、ハッシュ関数は不可逆な一方向性関数であるため、その出力であるセッションキーSK1、SK2からは端末装置10を特定することができず、高い匿名性を得ることができる。またハッシュ関数の性質から、他の固有ID(他の端末装置)や他のカウンタ値から生成したセッションキーと重複することが起きにくいセッションキーを生成可能である。
このようにハッシュ関数を用いてセッションキーを生成する方法も、端末装置10におけるセッションキー生成処理が軽いというメリットがある。
なお、上記の“固有ID+カウンタ値”以外の変数をハッシュ関数の入力とすることもできる。例えば、(1)の乱数をハッシュ化してセッションキーとしてもよい。
【0052】
(3)暗号化によるセッションキーの生成
端末装置10は、端末装置10に固有のIDと所定のカウンタ値とを接続した文字列を暗号化して得られる文字列を、セッションキーSK1およびSK2とする。暗号化の方式は、情報処理分野で通常用いられているものであれば、いずれを使ってもよい。カウンタ値は、同じ端末装置10でも毎回異なるセッションキーが得られるようにするために用いる変数であり、例えばセッションキーを1回生成する度に値を1ずつインクリメントさせる。
この方法で生成したセッションキーは、暗号化によって高い匿名性を得ることができるとともに、他のセッションキーとの重複を完全に排除したセッションキーとすることが可能である。
【0053】
(4)端末参照装置におけるセッションキーの生成
端末装置10は、事前に端末参照装置35へセッションキーの発行依頼を行い、端末参照装置35が生成した文字列を取得して、その取得した文字列をセッションキーSK1およびSK2とする。端末参照装置35における文字列(セッションキー)の生成方法としては、例えば上記説明した(1)〜(3)と同様の方法を使用する。端末参照装置35自らがセッションキーを生成するため、重複の生じないようにセッションキーを生成することが可能である。
【0054】
図2は、図1のコンテンツ配信システムにおける端末装置10の構成を示すブロック図である。端末装置10は、ユーザ入力部101、セッションキー生成部102、セッションキー変換部103、赤外線送信処理部104、ネットワーク送信処理部105、コンテンツ要求処理部106、ネットワーク受信処理部107、表示処理部108、表示部109、赤外線送信部110、ネットワーク送受信部111の各部を有している。
【0055】
ユーザ入力部101は、ユーザからの操作入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、表示画面(表示部109)上のメニューやコマンドを選択するためのカーソルキーや、特定の目的のコマンドに割り当てられたボタンなどで構成される。ユーザからの操作入力の内容としては、赤外線送信部110から赤外線を送信してコンテンツの取得を開始する操作入力、端末参照装置35から受信したURLにアクセスしてコンテンツを要求する操作入力、配信されたコンテンツを表示画面に表示させ、表示されたコンテンツのスクロールなど表示状態を変更する操作入力、といったものがある。赤外線送信の操作入力が行われた場合は、セッションキー生成部102へセッションキーの生成命令が送られる。コンテンツ要求の操作入力が行われた場合は、コンテンツ要求処理部106へコンテンツの要求命令が送られる。
【0056】
セッションキー生成部102は、セッションキーSK1およびSK2を生成してセッションキー変換部103へ渡す。セッションキーの生成方法は、上述した(1)〜(4)の乱数、ハッシュ関数、暗号化、端末参照装置における生成のうちいずれを使用するかが予め設定されており、セッションキー生成部102は、当該設定されたアルゴリズムに従って、セッションキーを生成する。
【0057】
セッションキー変換部103は、セッションキー生成部102により生成されたセッションキーを所定のデータ形式に変換し、ネットワーク送信処理部105へ出力する。具体的には、セッションキーSK1にセッションキーSK2の送信先を示す端末参照装置IDを付加し、これを赤外線送信部110から送信する信号のデータ形式に変換して赤外線送信処理部104へ出力し、セッションキーSK2をネットワーク送受信部111から送信する信号のデータ形式に変換してネットワーク送信処理部105へ出力する。
【0058】
赤外線送信処理部104は、入力されたセッションキーSK1および端末参照装置IDを含むデータに対して赤外線通信で用いるデータ変調などの処理を行い、処理されたデータを赤外線送信部110から対象装置20へ送信する。
【0059】
コンテンツ要求処理部106には、ネットワーク受信処理部107から、端末参照装置35より取得されたURLが入力される。コンテンツ要求処理部106は、このURLに従って、当該URLに対応するコンテンツ格納装置40に目的のコンテンツの配信を要求するためのコンテンツ要求データを生成して、生成したコンテンツ要求データをネットワーク送信処理部105へ出力する。
【0060】
ネットワーク送信処理部105は、セッションキー変換部103から入力されたセッションキーSK2、およびコンテンツ要求処理部106から入力されたコンテンツ要求データを、所定の通信プロトコルのデータに変換する。例えば、端末装置10と端末参照装置35やコンテンツ格納装置40の間が無線LANで接続され、通信プロトコルにTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)が利用されている場合、入力されたデータのパケット化とヘッダの付加が行われる。変換処理されたデータはネットワーク送受信部111へ送られ、セッションキーSK2は端末参照装置35へ、コンテンツ要求データは対応するコンテンツ格納装置40へ、ネットワーク送受信部111からそれぞれ送信される。ネットワーク送信処理部105はまた、端末装置10のネットワーク上のアドレス情報をネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する。
【0061】
ネットワーク送受信部111は、上記のデータを送信するほか、端末参照装置35およびコンテンツ格納装置40からのデータを受信して、受信したデータをネットワーク受信処理部107へ渡す。端末参照装置35からのデータは、コンテンツ配信要求にかかるコンテンツの格納場所を示すURL情報であり、コンテンツ格納装置40からのデータは、配信されるコンテンツである。
ネットワーク受信処理部107は、ネットワーク送受信部111から入力されたデータに対してヘッダの除去やパケット化データの再構築などの処理を行う。処理されたデータのうち、端末参照装置35からのURL情報はコンテンツ要求処理部106および表示処理部108へ送られ、コンテンツ格納装置40からのコンテンツは表示処理部108へ送られる。
【0062】
表示処理部108は、入力されたURL情報やコンテンツを表示部109に表示させるための処理を行う。例えば、コンテンツが符号化された画像データであればそれをデコードして表示部109に出力し、文字データであれば文字の情報として表示部109に出力する。
表示部109は、表示処理部108から入力されるデータを表示する表示デバイスであり、例えば液晶パネルなどによって構成される。
【0063】
なお、配信されるコンテンツに音声データが含まれる場合には、音声データの再生を行う音声処理部やスピーカを併せて備えるようにしてもよい。
【0064】
図3は、上記端末装置10の外観図を示したものである。端末装置10の正面には表示部109とユーザ入力部101が設けられ、上面には赤外線送信部110とネットワーク送受信部111が設けられている。
ユーザ入力部101には、詳細は図示しないが、コンテンツの取得開始時に操作する赤外線送信ボタン、コンテンツ格納装置40からのコンテンツ配信を開始する時に操作するコンテンツ要求ボタン、メニューの選択や配信されたコンテンツの閲覧・スクロールのために操作する上下左右のカーソルキーなどが配置される。また、ネットワーク送受信部111は、無線アンテナとして構成されている。なお、ユーザが赤外線送信ボタンを押して対象装置20にセッションキーSK1を送信する際には、赤外線送信部110の設けられた面を対象装置20の方向に向けて操作を行うものとする。
【0065】
図4は、図1のコンテンツ配信システムにおける対象装置20の構成を示すブロック図である。対象装置20は、赤外線受信部201、赤外線受信処理部202、データ生成部203、スポット情報データベース204、状態管理部205、ネットワーク送信処理部206、出力処理部207、画像表示部208の各部を有している。
【0066】
端末装置10から赤外線送信されたセッションキーSK1および端末参照装置IDを含むデータは、赤外線受信部201によって受信され、赤外線受信処理部202によって所定のデータ復調などの処理が行われてデータ生成部203へ入力される。
データ生成部203は、上記受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、状態管理部205から入力されるコンテキストIDと、図示しない記憶部に保持されているスポットID(対象装置20に固有のID)とから対象参照装置30へ送信する送信データを生成し、ネットワーク送信処理部206へ出力する。
【0067】
ネットワーク送信処理部206は、入力された上記の送信データを所定の通信プロトコルにデータ変換し、変換された送信データを対象参照装置30へ送信する。例えば、通信プロトコルにTCP/IPが利用されている場合、入力されたデータのパケット化とヘッダの付加が行われる。
【0068】
スポット情報データベース204には、画像表示部208に表示する情報であるコンテキストデータと、コンテキストデータを指定するコンテキストIDとが対応付けられて格納されている。コンテキストデータを複数用意しておくことで、一つの対象装置20で多くの情報を切り換えて表示することができる。図5にスポット情報データベースの一例を示す。図5において、例えばコンテキストデータ「Context−A」にはコンテキストID「1」が割り当てられている。また、図示していないが、各コンテキストデータには当該コンテキストデータを表示する条件が予め定められている。この「条件」には、例えば、曜日、天候、気温、時間などがある。すなわち、曜日や天候や気温に応じて画像表示部208の表示を切り換えることができる。また、一定の周期で画像表示部208の表示を切り換えることもできる。
【0069】
状態管理部205は、画像表示部208に表示させるコンテキストデータの切り換えを管理する。具体的には、状態管理部205は上記の条件に従って、スポット情報データベース204からコンテキストデータを選択して取り出す。そして取り出したコンテキストデータを出力処理部207に渡す(画像表示部208への表示が行われる)とともに、取り出したコンテキストデータに対応するコンテキストIDをデータ生成部203へ出力する。異なる条件下では異なるコンテキストデータが選択されるので、画像表示部208の表示の切り換えが行われる。また、データ生成部203へ入力されるコンテキストID、すなわち対象参照装置30へ送信されるコンテキストIDは、対象装置20の現在の状態(画像表示部208の表示内容)を示すことになる。
【0070】
出力処理部207は、状態管理部205から入力されたコンテキストデータを画像表示部208に表示するための処理を行う。画像表示部208は、コンテキストデータを表示する表示デバイスであり、例えば液晶パネルやプラズマディスプレイパネルなどによって構成される。
【0071】
図6は、上記対象装置20の外観図を示したものである。図6(A)は平面ディスプレイ型の対象装置20の例であり、画像表示部208の上部に赤外線受信部201と赤外線受光表示ランプ209が設置されている。端末装置10を持つユーザは、この赤外線受信部201に向けて端末装置10を操作する。赤外線受光表示ランプ209は、赤外線受信部201でデータを受信できたことをユーザに知らせるランプであり、赤外線受信部201と連動して、データ受信時にランプを点灯させる。
【0072】
図6(B)は、画像表示部208を持たない対象装置20の例である。対象装置20の本体は、例えば展示物を載置する台座の内部に組み込まれており、図6(A)と同様の赤外線受信部201と赤外線受光表示ランプ209が台座上に設置される。なお、画像表示部208がない場合、コンテキストデータとコンテキストIDは利用されない。そのため図6(B)の対象装置20はスポット情報データベース204を備えておらず、データ生成部203は、セッションキーSK1とスポットID(対象装置の固有IDであり展示物と一対一に対応する)から対象参照装置30への送信データを生成する。
【0073】
図7は、図6(A)の対象装置20における画面表示の一例である。対象装置20の画像表示部208には、動画像表示領域2081、静止画表示領域2082、テロップ表示領域2083、ウェブコンテンツ表示領域2084などが設けられている。これら各領域の表示は、スポット情報データベース204のコンテキストデータによって切り換えを行っている。
【0074】
図8は、図1のコンテンツ配信システムにおける対象参照装置30の構成を示すブロック図である。対象参照装置30は、ネットワーク受信処理部301、ネットワーク送信処理部302、コンテンツ決定部304、コンテンツ情報データベース306の各部を有している。
【0075】
ネットワーク受信処理部301は、セッションキーSK1と端末参照装置IDとスポットIDとコンテキストIDとからなる対象装置20からの送信データを受信し、コンテンツ決定部304に渡す。
【0076】
コンテンツ情報データベース306には、スポットIDとコンテキストIDによって特定される各コンテンツに対して、当該コンテンツを取得するための情報としてコンテンツが格納されている場所を示すURLの情報が格納されている。
コンテンツ決定部304は、ネットワーク受信処理部301から入力されたスポットIDとコンテキストIDに該当するURLをコンテンツ情報データベース306から取り出して、取り出したURLをネットワーク送信処理部302へ出力する。
ネットワーク送信処理部302は、入力されたURLをセッションキーSK1とともに上記端末参照装置IDに対応する端末参照装置35宛てに送信する。
【0077】
図9は、コンテンツ情報データベース306に格納されているデータの一例である。図9において、例えばスポットID=1、コンテキストID=1に対応するコンテンツの格納場所のURLは、「http://example.com/i/」である。また、このコンテンツ情報データベースの例では、スポットID=1の対象装置はコンテキストIDを4つ有し、スポットID=2の対象装置はコンテキストIDを1つ有し、スポットID=3の対象装置はコンテキストIDを5つ有している。
【0078】
図10は、図1のコンテンツ配信システムにおける端末参照装置35の構成を示すブロック図である。端末参照装置35は、ネットワーク受信処理部351、ネットワーク送信処理部352、セッションキー管理部353、セッションキーデータベース355の各部を有している。
【0079】
ネットワーク受信処理部351は、セッションキーSK1とURLとからなる対象参照装置30からの送信データを受信し、セッションキー管理部353に渡す。また、端末装置10から送信されるセッションキーSK2と端末装置10のアドレスを受信して、セッションキーSK2をセッションキー管理部353に渡す。
【0080】
セッションキー管理部353は、上記取得したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355へ格納する。また、セッションキーSK2が受信されてネットワーク受信処理部351から入力されると、セッションキーデータベース355内のセッションキーSK1との照合を行い、入力されたセッションキーSK2と各セッションキーSK1が所定の関係(前述の通りここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係)を有しているか否かを判定する。セッションキーデータベース355内のあるセッションキーSK1が上記所定の関係を有したものであれば、当該セッションキーSK1に対応するURLをネットワーク送信処理部352へ出力する。
ネットワーク送信処理部352は、入力されたURLを、セッションキーSK2の送信元である端末装置10宛てに送信する。この時の宛て先は、セッションキーSK2とともに受信した端末装置10のアドレスに従う。
【0081】
ここで、図11にセッションキーデータベース355に格納されているデータの一例を示す。セッションキーデータベースには、セッションキーフィールドと、URLフィールドと、updフィールドの各フィールドが設けられる。updフィールドには、対象参照装置30からデータを受信した時刻が記録される。図11において、例えば1行目のデータは、端末装置10から送信されたセッションキーSK1はfa03948591fcb629a124d0s6cba1962e729ca7b01であり、対象参照装置30から送信されたURLは「http://example.com/i/」であり(これは、スポットID=1を有する対象装置においてコンテキストID=1に対応する画像表示が行われている状態でコンテンツ配信要求がなされたことを表している。図9参照)、データが受信された時刻は2006−06−05 15:22:35であることを示している。
【0082】
図12は、図1のコンテンツ配信システムにおけるコンテンツ格納装置40の構成を示すブロック図である。コンテンツ格納装置40は、ネットワーク受信処理部401、コンテンツ処理部402、コンテンツデータベース403、ネットワーク送信処理部404の各部を有している。
【0083】
ネットワーク受信処理部401は、端末装置10から送られるコンテンツ要求データを受信して、コンテンツ処理部402に渡す。コンテンツ処理部402は、コンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出してネットワーク送信処理部404へ出力する。ネットワーク送信処理部404は、そのコンテンツをコンテンツ要求元の端末装置10へ送信する。コンテンツデータベース403には、各URLに対応したコンテンツが格納されている。
【0084】
次に、上述したコンテンツ配信システムの動作を図13および図14を参照して説明する。図13はコンテンツ配信システムにおいて端末装置10がコンテンツを要求して目的のコンテンツを取得するまでの処理を示すシーケンス図であり、図14はこの一連の処理中に端末装置10の表示部109に表示される画面例である。
【0085】
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。このとき、端末装置10の表示部109には、初めの状態では図14(A)のように「ボタンを押してください」というメッセージが表示された初期画面が現れている。
【0086】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS101)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS102)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS107)。このとき、端末装置10の表示部109には、図14(B)のように「セッションキー送出中」というメッセージを有する画面が表示される。
【0087】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、記憶部に保持するスポットIDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストIDとを対象参照装置30へ送信する(ステップS103)。
【0088】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したスポットIDとコンテキストIDに該当するURLを検索によってコンテンツ情報データベース306から取り出して(ステップS104)、取り出したURLと上記セッションキーSK1とを、上記受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS105)。
【0089】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1およびURLを受信し、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS106)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS106でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS108)、取り出したURLをステップS107で受信したアドレスの端末装置10宛てに送信する(ステップS109)。
【0090】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のURLを受信し、表示部109に図14(C)のようなコンテンツアクセス用画面を表示する(ステップS110)。このコンテンツアクセス用画面には、上記受信したURLと、「コンテンツを取得しますか?」というユーザに確認を求めるメッセージと、「はい」および「いいえ」の選択アイコンなどが含まれる。ここで、ユーザにより、ユーザ入力部101のカーソルキーやコンテンツ要求ボタンなどを利用して「はい」の確認入力が行われたとする。
【0091】
上記のユーザ入力を受けると、端末装置10は、ステップS109で受信した上記のURLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツ要求データを送信する(ステップS111)。このとき、端末装置10の表示部109には、図14(D)のように「コンテンツアクセス中」というメッセージを有する画面が表示される。
コンテンツ要求データを受信したコンテンツ格納装置40は、受信したコンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末装置10へ送信する(ステップS112)。
端末装置10は、コンテンツ格納装置40から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを図14(E)のようなコンテンツ表示画面により表示部109に表示する(ステップS113)。
【0092】
こうして、コンテンツ格納装置40から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。なおここで、端末参照装置35へ送信する端末装置10のアドレスは通信毎(端末装置10からコンテンツの配信を要求する毎)に変更してもよく、そのようにすることで、端末参照装置35に対しても端末装置10の固有情報が知得されなくなる。
【0094】
また、対象装置20からスポットIDとコンテキストIDが対象参照装置30へ送信され、対象参照装置30によりこのスポットIDとコンテキストIDに基づいて配信するコンテンツを指定するURLが決定されて端末参照装置35へ送信され、上記セッションキーの照合ができた場合に、上記URLが端末装置10へ送信される。端末装置10は上記のURLに応じたコンテンツをコンテンツ格納装置40から取得する。コンテキストIDには対象装置20の状態が関連付けられており、これを利用することによって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0095】
また、端末装置10と対象装置20間の通信では端末装置10からセッションキーSK1および端末参照装置IDを送るだけであるので、通信処理が簡略であり、コンテンツの配信要求を短時間に行うことができ、また送受信部の構成も簡単にすることができる。
【0096】
(第2の実施形態)
図15は、本発明の第2の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末参照装置35がコンテンツ格納装置40からコンテンツを取得して端末装置10に配信するようにした点が第1の実施形態と異なる。なお、端末装置10、対象装置20、対象参照装置30、端末参照装置35、およびコンテンツ格納装置40の構成は第1の実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0097】
図15において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキーSK1および端末参照装置ID(セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35の端末参照装置ID)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを端末参照装置35へ送信する。対象装置20は、端末装置10からのセッションキーSK1および端末参照装置ID、ならびにスポットID、コンテキストIDを対象参照装置30へ送信する。対象参照装置30は、対象装置20から受信したスポットIDとコンテキストIDに従って、配信するコンテンツが格納されている場所を示すURLを決定し、そのURLとセッションキーSK1とを端末参照装置35へ送信する。端末参照装置35は、対象参照装置30からのセッションキーSK1とURLとを受信して、これらを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する。
【0098】
なおここで、上記のセッションキーSK1およびSK2は、第1の実施形態と同様に乱数、ハッシュ関数、または暗号化を利用して生成する。また、上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDは、赤外線通信によって端末装置10から対象装置20へ送信される。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0099】
上記のようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0100】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して、当該URLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツの配信を要求する。
【0101】
コンテンツ格納装置40には、端末装置10に配信するコンテンツが格納されている。上記コンテンツ配信要求を受信したコンテンツ格納装置40は、当該URLに対応するコンテンツを端末参照装置35に送信する。そして、端末参照装置35によって目的のコンテンツが端末装置10(上記受信された端末装置10のアドレスにより特定する)へ配信される。
【0102】
図16は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいてコンテンツが配信される処理を示すシーケンス図である。
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。
【0103】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS201)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS202)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS207)。
【0104】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、記憶部に保持するスポットIDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストIDとを対象参照装置30へ送信する(ステップS203)。
【0105】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したスポットIDとコンテキストIDに該当するURLを検索によってコンテンツ情報データベース306から取り出して(ステップS204)、取り出したURLと上記セッションキーSK1とを、上記受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS205)。
【0106】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1およびURLを受信し、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS206)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS206でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS208)、取り出したURLに対応するコンテンツ格納装置40に当該URLによって指定されたコンテンツの配信を要求する(ステップS209)。
【0107】
コンテンツ配信要求を受信したコンテンツ格納装置40は、当該要求において指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末参照装置35へ送信する(ステップS210)。端末参照装置35は、コンテンツ格納装置40から送られたコンテンツをステップS207で受信したアドレスの端末装置10に送信する(ステップS211)。
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示部109に表示する(ステップS212)。
【0108】
こうして、コンテンツ格納装置40から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。
【0110】
また、対象装置20からスポットIDとコンテキストIDが対象参照装置30へ送信され、対象参照装置30によりこのスポットIDとコンテキストIDに基づいて配信するコンテンツを指定するURLが決定されて端末参照装置35へ送信され、上記セッションキーの照合ができた場合に、上記URLに対応するコンテンツを端末参照装置35がコンテンツ格納装置40から取得して、端末装置10に送信する。コンテキストIDには対象装置20の状態が関連付けられており、これを利用することによって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0111】
(第3の実施形態)
図17は、本発明の第3の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末装置10と対象装置20と対象参照装置30と端末参照装置35とから構成するようにし、対象参照装置30内にコンテンツを格納して端末参照装置35からコンテンツを配信するようにした点が、前述の実施形態と異なる。以下、コンテンツデータベース403が対象参照装置30に備えられているとして説明を行う。なお、端末装置10と対象装置20と端末参照装置35の構成は前述の実施形態と同じである。
【0112】
図17において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキーSK1および端末参照装置ID(セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35の端末参照装置ID)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを端末参照装置35へ送信する。対象装置20は、端末装置10からのセッションキーSK1および端末参照装置ID、ならびにスポットID、コンテキストIDを対象参照装置30へ送信する。対象参照装置30は、対象装置20から受信したスポットIDとコンテキストIDに従い、配信するコンテンツを指定するURLをコンテンツ情報データベース306に基づいて決定し、そのURLが示すコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出してセッションキーSK1とともに端末参照装置35へ送信する。端末参照装置35は、対象参照装置30からのセッションキーSK1とコンテンツとを受信して、これらを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する。
【0113】
なおここで、上記のセッションキーSK1およびSK2は、前述の実施形態と同様に乱数、ハッシュ関数、または暗号化を利用して生成する。また、上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDは、赤外線通信によって端末装置10から対象装置20へ送信される。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0114】
上記のようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0115】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、当該セッションキーSK1に対応するコンテンツをセッションキーデータベース355から取り出して、取り出したコンテンツを端末装置10(上記受信された端末装置10のアドレスにより特定する)へ配信する。
【0116】
図18は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいてコンテンツが配信される処理を示すシーケンス図である。
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。
【0117】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS301)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS302)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS307)。
【0118】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、記憶部に保持するスポットIDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストIDとを対象参照装置30へ送信する(ステップS303)。
【0119】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したスポットIDとコンテキストIDに該当するURLを検索によってコンテンツ情報データベース306から取り出す。そして、取り出したURLに対応するコンテンツを対象参照装置30内のコンテンツデータベース403から取り出し(ステップS304)、取り出したコンテンツと上記セッションキーSK1とを、上記受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS305)。
【0120】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1およびコンテンツを受信し、受信したセッションキーSK1とコンテンツを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS306)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS306でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するコンテンツをセッションキーデータベース355から取り出し(ステップS308)取り出したコンテンツをステップS307で受信したアドレスの端末装置10へ送信する(ステップS309)。
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示部109に表示する(ステップS310)。
【0121】
こうして、対象参照装置30から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0122】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。
【0123】
また、対象装置20からスポットIDとコンテキストIDが対象参照装置30へ送信され、このスポットIDとコンテキストIDに基づき対象参照装置30からコンテンツが端末参照装置35へ送信され、上記セッションキーの照合ができた場合に、当該コンテンツが端末参照装置35から端末装置10へ配信される。コンテキストIDには対象装置20の状態が関連付けられており、これを利用することによって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0124】
(第4の実施形態)
図19は、本発明の第4の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、対象装置20から対象参照装置30へ、スポットIDとコンテキストIDの代わりに目的のコンテンツが格納されている場所を示すURLを送信するようにした点が、前述の実施形態と異なる。そのために、対象装置20のスポット情報データベース204は、コンテキストデータと対応付けるデータとしてコンテキストIDではなく上記URLを格納する構成とする。また、端末参照装置35は、セッションキーデータベース355を対象参照装置30から受信したセッションキーとURLを対応付けて格納する構成にする。なお、端末装置10およびコンテンツ格納装置40の構成は第1の実施形態と同じである。
【0125】
図19において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキーSK1および端末参照装置ID(セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35の端末参照装置ID)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを端末参照装置35へ送信する。対象装置20は、現在出力(表示)しているコンテキストデータに応じたURL(これにより配信するコンテンツが指定される)をスポット情報データベース204に基づき決定し、そのURLとセッションキーSK1とを対象参照装置30へ送信する。対象参照装置30は、対象装置20からのセッションキーSK1およびURLを端末参照装置35へ送信する。端末参照装置35は、対象参照装置30からのセッションキーSK1とURLとを受信して、これらを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する。
【0126】
なおここで、上記のセッションキーSK1およびSK2は、前述の実施形態と同様に乱数、ハッシュ関数、または暗号化を利用して生成する。また、上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDは、赤外線通信によって端末装置10から対象装置20へ送信される。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0127】
上記のようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0128】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、対象参照装置30から受信した上記URLを端末装置10(上記受信された端末装置10のアドレスにより特定する)に送信する。端末装置10に配信されるコンテンツは、コンテンツ格納装置40に格納されている。上記URLを受信した端末装置10は、当該URLに対応するコンテンツ格納装置40にアクセスしてコンテンツを要求する。そしてこの要求を受けたコンテンツ格納装置40によって、目的のコンテンツが端末装置10へ配信される。
【0129】
図20は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいてコンテンツが配信される処理を示すシーケンス図である。
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。
【0130】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS401)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS402)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS407)。
【0131】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応する、スポット情報データベース204に保持するURLとを対象参照装置30へ送信する(ステップS403)。
【0132】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、およびURLを受信して、受信したセッションキーSK1とURLを、受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS405)。
【0133】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1とURLを受信し、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS406)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS406でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS408)、取り出したURLをステップS407で受信したアドレスの端末装置10宛てに送信する(ステップS409)。
【0134】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のURLを受信し、表示部109にコンテンツアクセス用画面を表示して(ステップS410)、ユーザからの確認入力を待つ。ユーザの確認入力を受けると、端末装置10は、ステップS409で受信した上記のURLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツ要求データを送信する(ステップS411)。
【0135】
コンテンツ要求データを受信したコンテンツ格納装置40は、受信したコンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末装置10へ送信する(ステップS412)。
端末装置10は、コンテンツ格納装置40から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示部109に表示する(ステップS413)。
【0136】
こうして、コンテンツ格納装置40から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0137】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。
【0138】
また、対象装置20からセッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するURLを対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、セッションキーの照合ができた場合に、端末参照装置35から上記URLを端末装置10へ送信する。端末装置10は上記のURLに応じたコンテンツをコンテンツ格納装置40から取得する。したがって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0139】
(第5の実施形態)
図21は、本発明の第5の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末参照装置35がコンテンツ格納装置40からコンテンツを取得して端末装置10に配信するようにし、且つ対象装置20から対象参照装置30へ、スポットIDとコンテキストIDの代わりに目的のコンテンツが格納されている場所を示すURLを送信するようにした点が、前述の実施形態と異なる。そのために、対象装置20のスポット情報データベース204は、コンテキストデータと対応付けるデータとしてコンテキストIDではなく上記URLを格納する構成とする。また、端末参照装置35は、セッションキーデータベース355を対象参照装置30から受信したセッションキーとURLを対応付けて格納する構成にする。なお、端末装置10およびコンテンツ格納装置40の構成は第1の実施形態と同じである。
【0140】
図21において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキーSK1および端末参照装置ID(セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35の端末参照装置ID)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを端末参照装置35へ送信する。対象装置20は、現在出力(表示)しているコンテキストデータに応じたURL(これにより配信するコンテンツが指定される)をスポット情報データベース204に基づき決定し、そのURLとセッションキーSK1とを対象参照装置30へ送信する。対象参照装置30は、対象装置20からのセッションキーSK1およびURLを端末参照装置35へ送信する。端末参照装置35は、対象参照装置30からのセッションキーSK1とURLとを受信して、これらを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する。
【0141】
なおここで、上記のセッションキーSK1およびSK2は、前述の実施形態と同様に乱数、ハッシュ関数、または暗号化を利用して生成する。また、上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDは、赤外線通信によって端末装置10から対象装置20へ送信される。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0142】
上記のようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0143】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、対象参照装置30から受信した上記URLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツの配信を要求する。コンテンツ格納装置40には、端末装置10に配信するコンテンツが格納されている。上記コンテンツ配信要求を受信したコンテンツ格納装置40は、当該URLに対応するコンテンツを端末参照装置35に送信する。そして、端末参照装置35によって目的のコンテンツが端末装置10(上記受信された端末装置10のアドレスにより特定する)へ配信される。
【0144】
図22は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいてコンテンツが配信される処理を示すシーケンス図である。
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。
【0145】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS501)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS502)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS506)。
【0146】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応する、スポット情報データベース204に保持するURLとを対象参照装置30へ送信する(ステップS503)。
【0147】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、およびURLを受信して、受信したセッションキーSK1とURLを、受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS504)。
【0148】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1とURLを受信し、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS505)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS505でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出す(ステップS507)。
【0149】
端末参照装置35はさらに、上記取り出されたURLに対応するコンテンツ格納装置40に当該URLによって指定されたコンテンツの配信を要求する(ステップS508)。
コンテンツ配信要求を受信したコンテンツ格納装置40は、当該要求において指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末参照装置35へ送信する(ステップS509)。端末参照装置35は、コンテンツ格納装置40から送られたコンテンツをステップS506で受信したアドレスの端末装置10に送信する(ステップS510)。
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示部109に表示する(ステップS511)。
【0150】
こうして、コンテンツ格納装置40から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0151】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。
【0152】
また、対象装置20からセッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するURLを対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、セッションキーの照合ができた場合に、上記URLに対応するコンテンツを端末参照装置35がコンテンツ格納装置40から取得して、端末装置10に送信する。したがって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0153】
(第6の実施形態)
図23は、本発明の第6の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末装置10と対象装置20と対象参照装置30と端末参照装置35から構成するようにし、対象装置20内にコンテンツを格納して対象参照装置30および端末参照装置35経由でコンテンツを配信するようにした点が、前述の実施形態と異なる。そのために、対象装置20はコンテンツデータベース403を備える構成とする。また、端末参照装置35は、セッションキーデータベース355をセッションキーとコンテンツとupdを格納する構成にする。また、対象参照装置30は、コンテンツ決定部304およびコンテンツ情報データベース306を有しない構成に変更する。なお、端末装置10の構成は第1の実施形態と同じである。
【0154】
図23において、端末装置10は2つのセッションキーSK1、SK2を生成して、一方のセッションキーSK1および端末参照装置ID(セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35の端末参照装置ID)を対象装置20へ送信し、他方のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを端末参照装置35へ送信する。対象装置20は、端末装置10から受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、現在出力(表示)しているコンテキストデータに応じたコンテンツとを、対象参照装置30へ送信する。対象参照装置30は、対象装置20からのセッションキーSK1およびコンテンツを端末参照装置35へ送信する。端末参照装置35は、対象参照装置30からのセッションキーSK1とコンテンツとを受信して、これらを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する。
【0155】
なおここで、上記のセッションキーSK1およびSK2は、前述の実施形態と同様に乱数、ハッシュ関数、または暗号化を利用して生成する。また、上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDは、赤外線通信によって端末装置10から対象装置20へ送信される。そのため、ユーザは端末装置10を持って対象装置20の近くまで行き、端末装置10を対象装置20に向けた状態で所定の操作を行う。また、対象装置20と対象参照装置30、対象参照装置30と端末参照装置35、および端末装置10と端末参照装置35の間は、図示しない有線LAN(Local Area Network)や無線LAN、あるいはその他の方式のネットワークによって通信が行われる。
【0156】
上記のようにして、セッションキーSK1が端末装置10から対象装置20および対象参照装置30を経由して端末参照装置35へ送信され、セッションキーSK2が端末装置10から直接端末参照装置35へ送信される。2つの異なる経路で送られてきたセッションキーSK1、SK2を受信した端末参照装置35は、それら2つのセッションキーを照合して、セッションキーSK1とSK2が所定の関係を有しているか否かを判定する。この「所定の関係」の例として、ここではセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係を適用する。この例では、端末装置10で2つの同一のセッションキーSK1、SK2(すなわちSK1=SK2)を生成することになり、これらが別々の経路で端末参照装置35へ送信される。
【0157】
端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2が上記所定の関係を有していると判定された場合、端末参照装置35は、対象参照装置30から受信した上記コンテンツを端末装置10(上記受信された端末装置10のアドレスにより特定する)に送信する。
【0158】
図24は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいてコンテンツが配信される処理を示すシーケンス図である。
コンテンツ配信システムは、ユーザが端末装置10の赤外線送信ボタンを押下することによってその動作を開始する。ユーザは、例えば対象装置20の画像表示部208上に表示されている情報に関連するコンテンツが欲しいと思った場合、対象装置20の近くに行き、端末装置10の赤外線送信部110を対象装置20に向けて上記の赤外線送信ボタンを押下する。
【0159】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS601)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS602)、セッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS606)。
【0160】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応する、コンテンツデータベース403に格納されたコンテンツとを対象参照装置30へ送信する(ステップS603)。
【0161】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記のセッションキーSK1と端末参照装置IDとコンテンツとを受信し、受信したセッションキーSK1およびコンテンツを、受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS604)。
【0162】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1とコンテンツを受信し、受信したセッションキーSK1とコンテンツを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS605)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS605でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するコンテンツをセッションキーデータベース355から取り出し(ステップS607)、ステップS606で受信したアドレスの端末装置10宛てにコンテンツを送信する(ステップS608)。
【0163】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを表示部109に表示する(ステップS609)。
【0164】
こうして、対象装置20から端末装置10へのコンテンツの配信が完了し、コンテンツ配信システムの動作が終了する。
【0165】
以上説明したように、本実施形態によれば、端末装置10により2つのセッションキーSK1とSK2を生成して、一方のセッションキーSK1を対象装置20および対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、他方のセッションキーSK2を端末参照装置35へ直接送信し、端末参照装置35において2つの異なる経路で送られたセッションキーを照合している。セッションキーSK1およびSK2は端末装置10の固有情報が含まれないように乱数、ハッシュ関数、または暗号化を用いて生成するとともに、端末装置10の固有情報としてアドレスのみを端末参照装置35へ直接送信する。したがって、対象装置20によって端末装置10の固有情報が知得されることがなく、端末装置10のセキュリティを保護することができる。
【0166】
また、対象装置20からセッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテンツを対象参照装置30経由で端末参照装置35へ送信し、セッションキーの照合ができた場合に、端末参照装置35から上記コンテンツが端末装置10へ配信される。したがって、対象装置20の状態毎に異なるコンテンツを配信することが可能である。
【0167】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態によるコンテンツ配信システムについて説明する。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末参照装置35が、対象装置20および対象参照装置30経由で送られるセッションキーSK1を受信するよりも前に、端末装置10から直接送られるセッションキーSK2を受信した場合にも正常にコンテンツの配信を行うことを可能にするものである。なお、本実施形態のコンテンツ配信システムは、前述した図1、図15、図17、図19、図21、図23のいずれの形態の構成のものにも適用できるが、以下では図1の構成(第1の実施形態)をベースにして、説明を行うこととする。
【0168】
本実施形態では具体的に、端末装置10は、端末参照装置35に対して、セッションキーSK2と併せて所定の通信用アドレスも送信する。端末参照装置35は、(セッションキーSK1よりも先に到着する)これらセッションキーSK2および通信用アドレスを受信し記憶しておき、セッションキーSK1が受信された際に、セッションキーSK1とセッションキーSK2の照合を実行する。こうすることで、セッションキーSK1が先に端末参照装置35に到着しなかった場合でも、セッションキーが照合でき、コンテンツを配信することができる。
【0169】
なおここで、セッションキーSK2と併せて送信される上記通信用アドレスは、端末装置10自身の固有のアドレスであってもよいし、また、それ以外の別の端末装置のアドレス(例えば、自宅に設置したコンピュータで使用している電子メールアドレス)であってもよい。自宅のコンピュータのアドレスを上記の通信用アドレスとして指定し端末参照装置35へ送った場合、端末参照装置35から配信するコンテンツを自宅のコンピュータで取得できる。
【0170】
図25は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、端末装置10がコンテンツを要求して目的のコンテンツを取得するまでの処理を示すシーケンス図である。同図を参照し、本実施形態のコンテンツ配信システムの動作を説明する。
【0171】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS701)。そして、初めにセッションキーSK2および端末装置10のアドレスをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信し(ステップS702)、次いでセッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信する(ステップS704)。
【0172】
端末参照装置35は、端末装置10から送られる上記のセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して記憶する(ステップS703)。また、対象装置20は、端末装置10からのセッションキーSK1および端末参照装置IDを受信し、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、記憶部に保持するスポットIDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストIDとを対象参照装置30へ送信する(ステップS705)。
【0173】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したスポットIDとコンテキストIDに該当するURLを検索によってコンテンツ情報データベース306から取り出して(ステップS706)、取り出したURLと上記セッションキーSK1とを、上記受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS707)。
【0174】
対象参照装置30から上記データを受信すると、端末参照装置35は、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS708)とともに、記憶しておいたセッションキーSK2と受信したセッションキーSK1とを照合する。照合の結果、セッションキーSK1とセッションキーSK2とが所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を満たしていれば、端末参照装置35は、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS709)、取り出したURLをステップS702で受信したアドレスの端末装置10宛てに送信する(ステップS710)。
【0175】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のURLを受信し、表示部109に図14(C)のようなコンテンツアクセス用画面を表示する(ステップS711)。そしてユーザからの入力に応じ、端末装置10は、受信した上記のURLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツ要求データを送信する(ステップS712)。
【0176】
コンテンツ要求データを受信したコンテンツ格納装置40は、受信したコンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末装置10へ送信する(ステップS713)。
端末装置10は、コンテンツ格納装置40から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを図14(E)のようなコンテンツ表示画面により表示部109に表示する(ステップS714)。
【0177】
こうして、セッションキーSK2が先に端末参照装置35に受信された場合にも、コンテンツ格納装置40から端末装置10へのコンテンツの配信が行われる。なお、セッションキーSK2が端末参照装置35内に記憶されている限り、セッションキーSK1とセッションキーSK2が端末参照装置35で受信される時間差は特に制限を受けない。また、コンテンツ配信システムは、端末参照装置35がセッションキーSK1を先に受信した場合は図13のシーケンスに従う処理を実行し、セッションキーSK2を先に受信した場合は図25のシーケンスに従う処理を実行するように、処理を選択的に実行可能な構成としてもよい。そうすることで、どちらのセッションキーが先に端末参照装置35に到着した場合であっても、コンテンツを配信することができる。
【0178】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態によるコンテンツ配信システムについて説明する。本実施形態のコンテンツ配信システムは、端末装置10からユーザの属性情報を対象装置20に送信し、その属性情報に応じて、配信されるコンテンツを変化させるようにしたものである。ここで、ユーザの属性情報としては、対象装置20によってユーザや端末装置10が特定されることを避けるため、そのような特定が困難な情報である性別、年齢、職業、血液型、誕生日といった情報を用いる。ユーザの属性情報は、予めユーザの操作によって端末装置10に登録しておく。
【0179】
なお、本実施形態のコンテンツ配信システムは、前述した図1、図15、図17、図19、図21、図23のいずれの形態の構成のものにも適用できるが、以下では図1の構成(第1の実施形態)をベースにして、説明を行うこととする。
【0180】
図26は、端末装置10がユーザの属性情報を登録する際に表示部109に表示する属性情報登録画面の一例である。同図の例において、この属性情報登録画面には、性別、年代、および職業をそれぞれ入力するための入力エリアが設けられており、適宜ユーザ入力部101を用いて入力項目と入力内容を選択することで、ユーザの入力が可能となっている。この画面例では、性別として男性、年代として20代、職業として会社員、がそれぞれ選択されている。ここで選択された入力内容は、ユーザの属性情報として端末装置10に登録される。
【0181】
図27は、本実施形態における対象参照装置30のコンテンツ情報データベース306に格納されているデータの一例である。このコンテンツ情報データベースの例では、スポットID=1の対象装置は性別を属性情報の対象としており、スポットID=2の対象装置は年代を属性情報の対象としており、スポットID=3の対象装置は性別と年代とを属性情報の対象としている。そして、例えばスポットID=1、コンテキストID=1の対象装置に対して属性情報が男性であるユーザ(端末装置10)がアクセスした場合、対応するコンテンツの格納場所のURLとして「http://www.male.jp/」が対象参照装置30により選択される。
【0182】
図28は、本実施形態のコンテンツ配信システムにおいて、端末装置10がコンテンツを要求して目的のコンテンツを取得するまでの処理を示すシーケンス図である。同図を参照し、本実施形態のコンテンツ配信システムの動作を説明する。
【0183】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS801)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)と、端末装置10に登録されているユーザの属性情報とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS802)、セッションキーSK2と端末装置10のアドレスとをネットワーク送受信部111から端末参照装置30へ送信する(ステップS807)。
【0184】
セッションキーSK1、端末参照装置ID、および属性情報を受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1、端末参照装置ID、および属性情報、ならびに記憶部に保持するスポットID、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストID、を対象参照装置30へ送信する(ステップS803)。
【0185】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、属性情報、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したスポットIDとコンテキストIDと属性情報に該当するURLを検索によって図27のコンテンツ情報データベース306から取り出して(ステップS804)、取り出したURLと上記セッションキーSK1とを、上記受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS805)。
【0186】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1およびURLを受信し、受信したセッションキーSK1とURLを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS806)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2および端末装置10のアドレスを受信して、受信したセッションキーSK2をステップS806でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するURLをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS808)、取り出したURLをステップS807で受信したアドレスの端末装置10宛てに送信する(ステップS809)。
【0187】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のURLを受信し、表示部109に図14(C)のようなコンテンツアクセス用画面を表示する(ステップS810)。そして端末装置10は、ユーザの入力に応じ、ステップS809で受信した上記のURLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツ要求データを送信する(ステップS811)。
【0188】
コンテンツ要求データを受信したコンテンツ格納装置40は、受信したコンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末装置10へ送信する(ステップS812)。
端末装置10は、コンテンツ格納装置40から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを図14(E)のようなコンテンツ表示画面により表示部109に表示する(ステップS813)。
【0189】
こうして、ユーザの属性情報に応じたコンテンツのコンテンツ格納装置40から端末装置10への配信が行われる。
【0190】
なお、上記の図28のシーケンスではユーザの属性情報を対象装置20へ送信したが、ユーザの属性情報は、端末参照装置35へ直接送信することもできる。
図29は、本実施形態において、ユーザの属性情報を端末参照装置35へ送信するようにした変形例を示すシーケンス図である。同図を参照して、この場合のコンテンツ配信システムの動作を説明する。
【0191】
端末装置10は、赤外線送信ボタンの押下によってユーザからの操作入力を受けると、セッションキーSK1およびSK2を生成する(ステップS901)。そして、セッションキーSK1と、セッションキーSK2の送信先となる端末参照装置35を示す端末参照装置ID(予め端末装置10に対応付けられ、記憶されている)とを赤外線送信部110から対象装置20へ送信し(ステップS902)、セッションキーSK2と端末装置10のアドレスと端末装置10に登録されているユーザの属性情報とをネットワーク送受信部111から端末参照装置35へ送信する(ステップS907)。
【0192】
セッションキーSK1および端末参照装置IDを受信した対象装置20は、受信したセッションキーSK1および端末参照装置IDと、記憶部に保持するスポットIDと、セッションキーの受信時に画像表示部208に表示していたコンテキストデータに対応するコンテキストIDとを対象参照装置30へ送信する(ステップS903)。
【0193】
対象参照装置30は、対象装置20から送信される上記セッションキーSK1、端末参照装置ID、スポットID、およびコンテキストIDを受信し、受信したセッションキーSK1とスポットIDとコンテキストIDとを、受信した端末参照装置IDに対応した端末参照装置35宛てに送信する(ステップS905)。
【0194】
端末参照装置35は、対象参照装置30からセッションキーSK1とスポットIDとコンテキストIDを受信し、受信したセッションキーSK1とスポットIDとコンテキストIDを対応付けてセッションキーデータベース355に格納する(ステップS906)。また、端末装置10から送られるセッションキーSK2、端末装置10のアドレス、属性情報を受信して、受信したセッションキーSK2をステップS906でセッションキーデータベース355に格納したセッションキーSK1と照合する。照合の結果、セッションキーSK2と所定の関係(前述の通りここではSK1=SK2の関係)を有するセッションキーSK1が得られると、当該セッションキーSK1に対応するスポットIDとコンテキストIDをセッションキーデータベース355から取り出して(ステップS908)ステップS907で受信した属性情報とともに対象参照装置30へ送信する(ステップS909)。
【0195】
対象参照装置30は、端末参照装置35から受信したスポットID、コンテキストID、および属性情報に該当するURLを検索によって図27のコンテンツ情報データベース306から取り出して(ステップS910)、取り出したURLを端末参照装置35へ送信する(ステップS911)。端末参照装置35は、このURLをステップS907で受信したアドレスの端末装置10宛てに送信する(ステップS912)。
【0196】
端末装置10は、端末参照装置35から送信される上記のURLを受信し、表示部109に図14(C)のようなコンテンツアクセス用画面を表示する(ステップS913)。そして端末装置10は、ユーザの入力に応じ、ステップS912で受信した上記のURLに対応するコンテンツ格納装置40にコンテンツ要求データを送信する(ステップS914)。
【0197】
コンテンツ要求データを受信したコンテンツ格納装置40は、受信したコンテンツ要求データにより指定されたURLに該当するコンテンツをコンテンツデータベース403から取り出し、端末装置10へ送信する(ステップS915)。
端末装置10は、コンテンツ格納装置40から送信される上記のコンテンツを受信し、受信したコンテンツを図14(E)のようなコンテンツ表示画面により表示部109に表示する(ステップS916)。
【0198】
こうして、ユーザの属性情報に応じたコンテンツのコンテンツ格納装置40から端末装置10への配信が行われる。
【0199】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態においては、「コンテンツを取得するための情報」としてURLを用いた場合について説明を行ってきたが、コンテンツを特定することができればURL以外のものを使用してもよい。URL以外の「コンテンツを取得するための情報」の例として、IP(Internet Protocol)アドレスやファイル名、独自に設定したポインタ情報などが使用可能である。
【0200】
また、端末参照装置35においてセッションキーSK1とSK2を照合する際の「所定の関係」としてセッションキーSK1とSK2が同一であるという関係の場合について説明を行ってきたが、同一の端末装置10からセッションキーSK1とSK2が送信されてきたことが判別可能であれば(セッションキーSK1とSK2が対応付けられていれば)、他の関係を有するセッションキーSK1とSK2を用いることもできる。例えば、セッションキーSK2のハッシュ値をセッションキーSK1とすることが考えられ、この場合には仮にどちらか一方のセッションキーが盗聴されたとしても盗聴者による「成りすまし」が不可能であることから、コンテンツ配信システムのセキュリティを向上させることができる。また、SK2に一定の文字列を付加させたものをSK1としてもよい(例えばSK1=SK2+1など)。
【0201】
また、本発明における対象装置20は画像表示部208を備えているものに限定されることはなく、既に説明した図6(B)のように、絵画、彫刻などの展示物や、広告物の近くに設置され自らは画像表示等を行わないタイプの対象装置20も含まれる。
また、端末装置10は、配信されたコンテンツを表示部109に表示する以外にも、内蔵メモリにそのコンテンツを記憶するようにしたり、ネットワーク経由で当該コンテンツを自宅のサーバ装置に送って蓄積させるようにしたりすることができる。また、配信されるコンテンツを音声コンテンツとして端末装置10に新たに設けたスピーカなどから音声再生するようにしてもよい。
【0202】
また、端末装置10と端末参照装置35、対象装置20と対象参照装置30、端末装置10とコンテンツ格納装置40、端末参照装置35とコンテンツ格納装置40、対象参照装置30と端末参照装置35の間は、コンピュータが利用できる通信機能によって通信が行われ、通信機能の種類は問わない。例えば、イーサネット(登録商標)、RS−232C(Recommended Standard 232C)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)などの有線接続によるものや、IEEE802.11a/b/g、携帯電話通信、赤外線通信、ブルートゥース(Bluetooth)、光伝送などの無線接続によるものが含まれる。
【0203】
また、端末装置10と対象装置20の間の通信にも上記の各通信機能を用いることができるが、特に赤外線通信、ブルートゥース、光伝送を用いれば好適である。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の第1の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図2】コンテンツ配信システムにおける端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】端末装置の外観図である。
【図4】コンテンツ配信システムにおける対象装置の構成を示すブロック図である。
【図5】スポット情報データベースの一例である。
【図6】対象装置の外観図である。
【図7】対象装置における画面表示の一例である。
【図8】コンテンツ配信システムにおける対象参照装置の構成を示すブロック図である。
【図9】セッションキーデータベースの一例である。
【図10】コンテンツ配信システムにおける端末参照装置の構成を示すブロック図である。
【図11】コンテンツ情報データベースの一例である。
【図12】コンテンツ配信システムにおけるコンテンツ格納装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図14】端末装置の表示部に表示される画面例である。
【図15】本発明の第2の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図16】本発明の第2の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図17】本発明の第3の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図18】本発明の第3の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図19】本発明の第4の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図20】本発明の第4の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図21】本発明の第5の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図22】本発明の第5の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図23】本発明の第6の実施形態によるコンテンツ配信システムの概要を示す構成図である。
【図24】本発明の第6の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図25】本発明の第7の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図26】端末装置の表示部に表示される属性情報登録画面の一例である。
【図27】本発明の第7の実施形態におけるコンテンツ情報データベースの一例である。
【図28】本発明の第8の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理を示すシーケンス図である。
【図29】本発明の第8の実施形態によるコンテンツ配信システムの処理の変形例を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0205】
10…端末装置 20…対象装置 30…対象参照装置 35…端末参照装置 40…コンテンツ格納装置 101…ユーザ入力部 102…セッションキー生成部 103…セッションキー変換部 104…赤外線送信処理部 105…ネットワーク送信処理部 106…コンテンツ要求処理部 107…ネットワーク受信処理部 108…表示処理部 109…表示部 110…赤外線送信部 111…ネットワーク送受信部 201…赤外線受信部 202…赤外線受信処理部 203…データ生成部 204…スポット情報データベース 205…状態管理部 206…ネットワーク送信処理部 207…出力処理部 208…画像表示部 301…ネットワーク受信処理部 302…ネットワーク送信処理部 304…コンテンツ決定部 306…コンテンツ情報データベース 351…ネットワーク受信処理部 352…ネットワーク送信処理部 353…セッションキー管理部 355…セッションキーデータベース 401…ネットワーク受信処理部 402…コンテンツ処理部 403…コンテンツデータベース 404…ネットワーク送信処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定する端末参照装置とを有して構成され、
前記対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に基づいて指定されたコンテンツを前記端末装置に配信する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、コンテンツを取得するための情報を含む第5信号を受信して該コンテンツを取得するための情報に従ってコンテンツの配信を要求する第6信号をコンテンツ格納装置へ送信し、該コンテンツ格納装置から前記要求にかかるコンテンツを受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記配信要求されるコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーと、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づく前記コンテンツを取得するための情報と、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づく前記第5信号を前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、
前記第6信号を受信し、受信した第6信号によって要求されたコンテンツを該第6信号の送信元である端末装置に送信するコンテンツ格納装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項3】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに配信するコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーと、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づき決定されるコンテンツを取得するための情報と、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づいてコンテンツの配信を要求する第5信号を送信し、前記第5信号の送信先から前記要求にかかるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、
前記第5信号を受信し、受信した第5信号によって要求されたコンテンツを該第5信号の送信元である端末参照装置に送信するコンテンツ格納装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項4】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに配信するコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれるコンテンツ指定情報に基づいてコンテンツデータベースからコンテンツを取り出し、取り出したコンテンツと、前記受信した第3信号に含まれる第1セッションキーと、を含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項5】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、コンテンツを取得するための情報を含む第5信号を受信して該コンテンツを取得するための情報に従ってコンテンツの配信を要求する第6信号をコンテンツ格納装置へ送信し、該コンテンツ格納装置から前記要求にかかるコンテンツを受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じて配信するコンテンツを指定し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記指定されたコンテンツに対する前記コンテンツを取得するための情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを取得するための情報とを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づく前記第5信号を前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、
前記第6信号を受信し、受信した第6信号によって要求されたコンテンツを該第6信号の送信元である端末装置に送信するコンテンツ格納装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項6】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じて配信するコンテンツを指定し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記指定されたコンテンツに対するコンテンツを取得するための情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを取得するための情報とを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを取得するための情報に基づいてコンテンツの配信を要求する第5信号を送信し、前記第5信号の送信先から前記要求にかかるコンテンツを受信し、受信したコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と、
前記第5信号を受信し、受信した第5信号によって要求されたコンテンツを該第5信号の送信元である端末参照装置に送信するコンテンツ格納装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項7】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置へ送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信し、前記第1信号の送信先である対象装置によって指定されたコンテンツを前記第2信号の送信先である端末参照装置から受信する端末装置と、
前記第1信号を受信し、受信した第1信号に応じてコンテンツデータベースからコンテンツを取り出し、該受信した第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報ならびに前記取り出されたコンテンツを含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツとを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号の送信先と同じ端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、前記受信した第4信号に含まれるコンテンツを前記受信した第2信号の送信元である端末装置に送信する端末参照装置と
を有して構成されるコンテンツ配信システム。
【請求項8】
端末装置から第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を受信し、該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を送信する対象装置と、
前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信する対象参照装置と、
前記端末装置から前記第1のセッションキーと対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を受信し、前記対象参照装置から前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定する端末参照装置とを有して構成され、
前記対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に応じて指定されたコンテンツを前記端末装置に配信する
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項9】
前記コンテンツを取得するための情報は、当該コンテンツの格納された場所を示すURL、アドレス、ファイル名、ポインタ情報のいずれかであることを特徴とする請求項2、5、6のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項10】
前記第1セッションキーは前記端末装置を特定する情報を含まないユニークなビット列として構成されたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項11】
前記第1セッションキーと前記第2セッションキーは同一であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項12】
前記第2セッションキーをハッシュ化して前記第1セッションキーとしたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項13】
前記第1セッションキーは乱数を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項14】
前記第1セッションキーは前記端末装置に固有の文字列に所定のカウンタ値を結合した文字列に基づいて構成されていることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項15】
前記対象装置は展示物または広告物に対応付けて設けられたことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項16】
前記第1信号は無線通信によって送信されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項17】
前記無線通信は赤外線を用いることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項18】
前記端末装置が前記第2セッションキーとコンテンツの配信先を指定するアドレス情報とを含む前記第2信号を前記端末参照装置へ予め送信し、
前記端末参照装置は、この第2信号を予め受信するとともに、前記対象参照装置から前記第1信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合に、前記第1信号に応じて指定されたコンテンツを前記受信した第2信号に含まれるアドレス情報により指定された配信先に配信する
ことを特徴とする請求項1から請求項17に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項19】
前記アドレス情報は、IPアドレスまたはMACアドレスであることを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項20】
前記第1信号が属性情報を含み、該属性情報に応じたコンテンツを配信することを特徴とする請求項1から請求項19に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項21】
前記第2信号が属性情報を含み、該属性情報に応じたコンテンツを配信することを特徴とする請求項1から請求項19に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項22】
前記属性情報は、年齢、性別、職業の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項20または請求項21に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項23】
請求項1から請求項22のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システムにおける対象装置であって、前記第1セッションキーを含む信号を受信し、該信号に含まれる第1セッションキーとコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報とを含む信号を送信することを特徴とする対象装置。
【請求項24】
コンテンツを出力する手段と、
出力するコンテンツを切り換える手段とを有し、
出力しているコンテンツに応じて前記コンテンツ指定情報を切り換える
ことを特徴とする請求項23に記載の対象装置。
【請求項25】
請求項1から請求項22のいずれかの項に記載のコンテンツ配信システムにおける端末参照装置であって、前記第1セッションキーを含む信号を前記対象参照装置から受信し、前記第2セッションキーを含む信号を前記端末装置から受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定し、対応付けが正しいと判定された場合、コンテンツの配信またはコンテンツを取得するための情報の送信を行うことを特徴とする端末参照装置。
【請求項26】
前記対象参照装置からコンテンツを指定するためのコンテンツ指定情報を受信し、該コンテンツ指定情報に基づいて、コンテンツの配信またはコンテンツを取得するための情報の送信を行うことを特徴とする請求項25に記載の端末参照装置。
【請求項27】
第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を第1の送信先に送信し、前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される第2の送信先に送信し、前記第2信号と前記第1の送信先から送られた第1信号とを受信した前記第2の送信先において該受信した信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けが正しいと判定された場合に配信される、前記第1信号に応じたコンテンツを受信する端末装置。
【請求項28】
前記受信したコンテンツを表示する手段を備えた請求項27に記載の端末装置。
【請求項29】
端末装置が第1セッションキーと端末参照装置を識別する端末参照装置識別情報とを含む第1信号を対象装置に送信するステップと、
対象装置が前記第1信号を受信して該第1信号に含まれる第1セッションキーおよび端末参照装置識別情報を含む第3信号を対象参照装置に送信するステップと、
対象装置が前記第1信号に応じてコンテンツを指定するステップと、
端末装置が前記第1のセッションキーに対応付けられた第2セッションキーを含む第2信号を前記端末参照装置識別情報により特定される端末参照装置へ送信するステップと、
対象参照装置が前記第3信号を受信し、該第3信号に含まれる第1セッションキーを含む第4信号を、該第3信号に含まれる端末参照装置識別情報に基づき前記第2信号と同じ端末参照装置へ送信するステップと、
端末参照装置が前記第2信号および前記第4信号を受信し、受信したこれらの信号に含まれる第1セッションキーと第2セッションキーの対応付けを判定するステップと、
前記対応付けが正しいと判定された場合に配信される前記指定されたコンテンツを端末装置が受信するステップと
を含むことを特徴とするコンテンツ配信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2008−217109(P2008−217109A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49992(P2007−49992)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】