説明

シリコン光学ベンチに関する改良されたミラー設計

【課題】機能的な光学コンポーネントを有するシリコン光学ベンチを提供する。
【解決手段】シリコン光学ベンチに光路となるトレンチ501−503を形成し、その間に機能的なコーテイング128が形成された光学コンポーネント101−103を配置する。光学コンポーネントは、アーム-取付部分および下部を含む光学路部、アーム-取付部分の第1の端部から伸びる第1のアーム141と、アーム-取付部分の第2の端部から伸びる第2のアーム142を含む。第1のアームは、少なくとも一つのレスティング特徴を有し、第2のアームは少なくとも一つのレスティング特徴を有する。光学路部は、入力表面を有する。第1のアームおよび第2のアームのレスティング特徴が、トレンチシステムのトレンチの短い端で頂部表面に配置されるときに、光学路部はトレンチに垂直に整列配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願についてのクロス・リファレンス)
本出願は、2008年1月4日に出願された「BAND GAP FIBER RESONATOR IMPLEMENTATION ON A SILICON OPTICAL BENCH」という発明の名称の米国特許出願シリアル番号11/969,822(また、ここでは『'822出願」と称する)(弁護士Docket番号H0017197)に関連する。'822出願は、リファレンスとして本願明細書に組み入れられる。本出願はまた、2008年2月5日に出願された「MIRRORS FOR A FREE SPACE MICRO-MACHINED OPTICAL BENCH」という発明の名称の米国特許出願シリアル番号12/026,458(また、ここでは「'458出願」と称する)(弁護士Docket番号H0017136)に関連する。'458出願は、リファレンスとして本願明細書に組み入れられる。本出願はまた、2009年2月13日に出願された「METHOD FOR INSERTING MIRRORS INTO A MEMS SILICON OPTICAL BENCH」という発明の名称を有する米国特許出願シリアル番号12/371,384(また、ここでは「'384出願」と称する)(弁護士Docket番号H0020616)に関連する。'458出願は、リファレンスにより本願明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
シリコン基板内に形成されるシリコン光学ベンチ(SiOB)のような、基板に形成されたトレンチに構成された光学系の製造およびアセンブリに関連した多くの挑戦がある。シリコン光学ベンチでは、シリコン基板は、光学系のためのベースとして使われる。自由空間光導波路SiOBでは、光はシリコン・ウェーハの表面上に形成されたトレンチの自由空間を進む。さまざまなエッチングは、SiOBのトレンチおよびv-溝を形成するのに用いられる。例えば、KOHは、シリコン表面にv-溝を形成するために用いられ、深い反応イオンエッチング(DRIE)は光学ビームが広がるシリコンのトレンチを形成するのに用いられる。光ファイバ、レンズ、透過ウインドウ、鏡、ビームスプリッタ、偏光子およびトレンチシステムを介して光学ビームを差し向ける(すなわち、案内するか、反射するか、スプリットするかまたは分極化する)他のコンポーネントのような光学コンポーネントは、v-溝および/またはトレンチの中に配置される。
【0003】
ウインドウ、鏡、ビームスプリッタまたは偏光子のような光学コンポーネントを保持するトレンチシステムに形成されるトレンチは、光学コンポーネントの挿入を可能にするために典型的にはわずかにオーバーサイズである。光学コンポーネントは、一般的には、シリコン・ウェーハのような大きな基板からSiOBのために必要とされるサイズに切断またはソーイングされる。コンポーネントにソーイングされることにより形成される光学コンポーネントは、正方形であるか矩形の形状を有する。
【0004】
シリコンによって生成される非垂直側壁プロファイルを備えるトレンチは、トレンチを形成するのに典型的に用いられるDRIEのようにエッチングされる。あるケースでは、トレンチは、トレンチの底部からシリコンの頂部表面に外部に向かって広がり又は傾斜するプロファイルを有し、その結果、トレンチは、トレンチの深さよりも基板の表面の方でより広い。他の場合では、上面で狭く、上面からトレンチの一番下への行くにつれて広くなる凹型プロファイルトレンチが生成される。
【0005】
特大のトレンチおよび/または非垂直トレンチ側壁は、光路に関してトレンチに配置されるコンポーネントを傾ける。鏡、透過ウインドウおよびビームスプリッタのようなコンポーネントが傾けられるとき、それらは所望の光路から光学エネルギーを差し向け、それにより、出口端部の光学信号を減弱させて、おそらく他の光学系に不必要な光学エネルギーを差し向ける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、光学コンポーネントに関する。光学コンポーネントは、アーム-取付部分および下部を含む光学路部、アーム-取付部分の第1の端部から伸びる第1のアームと、アーム-取付部分の第2の端部から伸びる第2のアームを含む。第1のアームは、少なくとも一つのレスティング特徴を有し、第2のアームは少なくとも一つのレスティング特徴を有する。光学路部は、入力表面を有する。第1のアームおよび第2のアームのレスティング特徴が、トレンチシステムのトレンチの短い端で頂部表面に配置されるときに、光学路部はトレンチに垂直に整列配置される。
【0007】
本発明は、例示の方法によって例示され、添付の図面に限定されず、同じ参照番号は、図面において同様のエレメントを示す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】図1Aは、本発明による光学コンポーネントの実施形態の正面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の光学コンポーネントの実施形態の正面図である。
【図2】図2は、図1Aの光学コンポーネントの側面図である。
【図3】図3は、本発明による、その中に配置される光学コンポーネントの実施形態を有するシリコン光学ベンチの実施形態の平面図である。
【図4】図4は、本発明の光学コンポーネントの実施形態の正面図である。
【図5】図5は、図4の光学コンポーネントの側面図である。
【図6】図6は、図4の光学コンポーネントの第1のアームの拡張された図である。
【図7】図7は、本発明の光学コンポーネントの実施形態の側面図である。
【図8A】図8Aは、本発明の光学コンポーネントの実施形態の正面図である。
【図8B】図8Bは、本発明のトレンチに置かれる図8Aの光学コンポーネントの正面図である。
【図9】図9は、光学コンポーネントを製作する方法の実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
垂直傾斜角度エラーのない自由空間において、光学ビームが広がる光学的トレンチシステム(例えばSiOB)内に挿入されることができる非矩形の光学コンポーネントが、本願明細書において記載される。この種の光学コンポーネントを作る方法がまた、本願明細書において記載される。非矩形の光学コンポーネントは、アームまたは突出を有し、それは光学コンポーネントの側に外へ伸びる。光学コンポーネントが光学的トレンチシステム(例えば、SiOB)のトレンチに挿入されるとき、一部の非矩形の光学コンポーネントがトレンチの中で懸架され、トレンチの中で垂直に整列配置されるように、突き出ているアームは光学的トレンチシステムの光学的に平坦な上面に座る。このように、光学コンポーネントはまた、垂直に溝の中でまたは溝より上に光路に沿って広がっている光学ビームに合わせられる。光学エレメントが垂直に掛かるので、表層から反射している光学ビームは光学台の平面から反射されない。また、要素が垂直に掛かっているので、入射角は光学コンポーネントで適当に機能するように制御される。このように、光学コンポーネントがトレンチの中で懸架されることを確実にすることにより、傾けられた光学コンポーネントと関連するエラーは、最小化され、潜在的に取り除かれる。その上、トレンチが非垂直側壁を備える場合であっても、光学コンポーネントは、トレンチの中で光学コンポーネントの配置および(横方向の運動なしで)保持を容易にする非平行側壁で設計されることができる。
【0010】
図1Aは、本発明による光学コンポーネント100の実施形態の正面図である。図1Bは、本発明による光学コンポーネント104の実施形態の正面図である。図2は、図1Aの光学コンポーネント100の側面図である。光学コンポーネント100は、光路部110、第1のアーム141および第2のアーム142を含む。光路部110は、一般に112で表されるアーム-取付部分、および、下部111を含む。アーム-取付部分112は、上面158、第1端部121、第2端部122、および、アーム-取付部分112と光路部110との間の境界154を含み(それにより、境界を有する)。アーム-取付部分112の第2端部122は、アーム-取付部分112の第1端部121と対向する。第1端部121、第2端部122および境界線154は、図1Aの点線で横断面に示される全てである。第1のアーム141は、アーム-取付部分112の第1端部121から伸び、少なくとも一つのレスティング特徴151を有する。第2のアーム142は、アーム-取付部分112の第2端部122から伸び、少なくとも一つのレスティング特徴152を有する。第1のアーム141の第1の側面156は、第2のアーム142の第2の側面157と対向する。図2では、アーム141の第1の側面156は、真向から見られる。
【0011】
図1Bに示すように、光学コンポーネント104は、光路部310、第1のアーム141および第2のアーム142を含む。光路部310は、アーム-取付部分112、下部111および上部311を含む。アーム-取付部分112は、下部111および上部311の間に位置する。光学コンポーネントがトレンチに置かれるとき、アーム-取付部分112および上部311はトレンチシステムの上面より上に伸びる。光学コンポーネント104が、トレンチシステムの上面より上に、自由なスペース光学ビームを導くトレンチシステムで使われる。
【0012】
レスティング特徴151および152は、平坦表面(本願明細書において、レスティング表面と称する)でり、または、くさび形の側壁によって間隔を隔てられた前方側面端および平行のバックサイド端である。図1A、1Bおよび2の実施形態では、レスティング特徴151は、平坦なレスティング表層155(図2)である。
【0013】
図2に示すように、光学コンポーネント100は、入力面120および出力面130を有する。出力面120は、入力面130と実質的に平行である。入力面120は、機能的なコーティング128によってかぶせられる。用語光学コンポーネントの「側面」および光学コンポーネントの「側壁」は、本願明細書では、取り換えられて使われる。用語「入力面」、「第一の表面」および「前方表面」は、本願明細書において、取り換えられて使われる。同様に、用語「出力面」、「第二の表面」、および、「裏面、背面(back surface)」は本願明細書において取り換えられて使用される。光学ビームは、入力面か出力面のいずれかからの光学コンポーネントへの入力であり、光学ビームを二方向に受信するコンポーネントを有するトレンチシステムの実施形態に関するケースであることは理解されるべきであろう。本願明細書において記載されている光学コンポーネントの全ての実施形態は、正面、背面、少なくとも2つの側壁、底面、および、側面の最上位で光学コンポーネントから伸びるアームを有する。光学コンポーネントが正面上の鏡(全反射表面)を含む実施形態では、背面は、光を導くために用いない。
【0014】
1)光学ビームが、必須の波長(または波長の範囲)であるとき、および、2)光学ビームが、機能的入射角度で入力面120上に入射するとき、機能的なコーティングは、機能的なコーティングにより形成されている光学コンポーネントの機能による光学ビームを修正するために適当な厚みと屈折率を各々有している材料の一つ以上の層から形成される。光学ビームが、機能的な入射角度の入射であるとき、光学コンポーネントはその企図された機能を実行する。光学コンポーネントの機能は、分極化すること、全反射、部分的な反射、波長ビーム・スプリッティング、分極化ビーム・スプリッティング、狭帯域伝達、狭帯域反射、ビーム・ブロック、および光線焦合を含むことができる。機能的なコーティングは、また、光学コンポーネントの背面および/または表層にエッチングされるパターンであることができる。例えば、光学コンポーネントの正面および/または背面にエッチングされるパターンは、フレネルレンズまたはグレーティングを形成できる。光学コンポーネントの正面および/または背面の表層のこの種のパタニングは、機能的なコーティングであるように本願明細書において定められる。光学コンポーネントの表層が光学入射に影響を及ぼす場合、光学コンポーネントの表層は、機能的なコーティングとして作用する(そして、したがって、機能的なコーティングとして定義される)。例えば、ある実施形態では、光学コンポーネントの入力面は、入射光の全てを反射し、その結果、入力面は鏡として機能する。
【0015】
典型的な機能的なコーティングは、以下のものを含むが、これに限定されるものではない:
波長スペクトルのある部分を反射し、波長スペクトルの他の部分を透過する波長依存ビームスプリッタを形成する誘電層(または誘電層のスタック);
選択された波長スペクトルの全てを反射する鏡を形成するメタル層;
波長スペクトルの選択された部分の焦点光に、レンズを形成するために回折光学エレメントでパターニングされた誘電層;
波長スペクトルの選択された部分の1つの分極化を透過(または反射)する偏光子を形成するパターンニングされた誘電層(または少なくとも2つの異なる屈折率を有するパターンニングされた誘電層のスタック);
波長スペクトルの選択された部分の1つの分極化を透過(または反射)する偏光子を形成するパターンニングされたメタル層;および、
選択された波長スペクトルのパーセンテージ(例えば、10%)を反射し、選択された波長スペクトルの非反射パーセンテージ(例えば、90%)を透過する特定の波長でビームスプリッタを形成する誘電層(または。少なくとも2つの異なる屈折率を有する誘電層のスタック)。
誘電層は、広帯域光源の場合において特定の波長(例えば、二色性)でありえる。狭い線幅光学源の場合、誘電層のパラメータは、反射される光の一部および透過される光の一部を決定する。他の機能的なコーティングは、可能である。
【0016】
機能的なコーティング128は、機能的な入射角度で入力面120に入射する光学ビーム300に影響を及ぼす。この実施形態のある実装では、出力面130は、機能的なコーティングによってかぶせられる。この実施形態の他の実装では、入力面120および出力面130は、機能的なコーティングによって、両方ともかぶせられる。上記の通りに、実施形態によっては、光学コンポーネントの表層は、機能的なコーティングとして作動する。
【0017】
図1Aおよび1Bに示すように、下部110は、第1の側面161、第2の側面162、底面159およびアーム-取付部分112の境界154によって囲まれている。境界線154は、底面159とおおよそ同じ長さである。上面158は、底面159と対向する。底面159は、第1端部181を第1の側面161と共有する。図1Aおよび1Bが、光学コンポーネント100の平面図であるので、第1端部181は、底面159と図1Aの第1の側面161との間の交差点であるとみなされる。底面159は、第2端部182を第2の側面162と共有する。第2端部182は、図1Aの第2の側面162と底面159との間の交差点とみなされる。
【0018】
光路部110の第1の側面161は、光路部110の第2の側面162と、実質的に平行である。第1の側面161は、第1の角-端(corner-edge)131を第1のアーム141と共有する。第2の側面162は、第2の角-端132を第2のアーム142と共有する。本実施形態におけ、第1の角-端131は、第2の角-端132と平行である。
【0019】
図1A、1Bおよび2に示すように、入力された光学ビーム300は、入力面120の上に横たわる機能的なコーティング128上の入射である。光学ビーム300は、光学コンポーネント100により透過され、出力光学ビーム301として出力面130で光学コンポーネント100を出る。ある実施形態では、光学コンポーネント100の機能は、全反射材(例えば、鏡)であり、当業者に理解できるように、光学ビーム300は、出力光学ビーム(図示せず)として、光学コンポーネント100により反射される。
【0020】
図3は、本発明によってその中に配置される光学コンポーネント101、102および103の実施形態を有するシリコン光学ベンチ850の実施形態の平面図である。具体的には、光学コンポーネント101-103の下部は、関連するトレンチ501-503内部で垂直に整列配置される。光学コンポーネント101-103は、図1Aに示される光学コンポーネント101か図1Bに示される光学コンポーネント104でありえる。トレンチは、光学ビーム(例えば、光学ビーム300)の光路に関して、光学コンポーネントを特定の角度(例えば、光学コンポーネント101は特定の角度b)に置くためにそれぞれの光学コンポーネントと関係している。光学ビームの光路は、光学ビームが伝播される経路である。図3に示される典型的な光路は、光学ビーム300、301-1、301B、302、303Aおよび303Bが広がる経路である。
【0021】
トレンチ501-503(また、本願明細書において、トレンチ部分501-503と称する)は、基板にエッチングされるトレンチシステム500の一部である。本明細書で定義されるように、トレンチシステムは、パターンニングされた複数の相互接続するトレンチ部分を含み、その結果、光学ビームは、他のトレンチ部分のうちの少なくとも1つの範囲内で、垂直に整列配置される少なくとも一つの光学コンポーネントによって、少なくとも一つのトレンチ部分の範囲内またはその上の自由空間に広がるように差し向けられ、その結果、差し向けられた光学ビームは、設計された光学系によるトレンチシステムの範囲内でまたはその上に広がる。トレンチシステム500は、トレンチ部分500(A-G)および501-503を含む。
【0022】
トレンチ部分501-503は、トレンチ部分500(A-F)に関して、角度方位を有する。当業者に理解できるように、角度方位は、関連するトレンチ部分501-503の光学コンポーネントの機能的な入射角度と相関している。例えば、光学コンポーネント101は、機能的な入射角度bを有し、トレンチセグメント501は、トレンチ部分500Aで適当に方位付けられる。具体的には、トレンチ部分501は、トレンチ部分500Bに関して角度bであり、トレンチ部分500Aは、トレンチ部分500Cに対して垂直であり、トレンチ部分500Aを介して広がる光学ビーム300は、トレンチ部分501の光学コンポーネント101上に入射角bを有する。
【0023】
図3の図示した実施形態では、基板855はシリコン基板855であり、トレンチシステム500は、シリコン光学ベンチ850を形成するようにシリコン基板855の上面851にエッチングされる。他の実施形態では、トレンチシステム500は、半導体ウェーハ(例えば、GaAs、InP)、プラスチック、セラミックまたはガラスのような他の材料から形成される。ある実施形態では、トレンチシステムは、’822出願、’458出願または’384出願に記載されているSiOBであり、それぞれリファレンスによりここに組み入れられる。光学コンポーネントが正しく適当なトレンチに置かれたあと、それはトレンチシステムに取り付けられる。この実施形態のある実装では、光学コンポーネントは、シリコン基板855の上面上に、適所に接着される。取り付けプロセスの間、光学コンポーネントは正しい位置から移動しない。
【0024】
図3に示すように、光学ビーム300は、v-トレンチ561に位置している光ファイバ560からの出力であり、トレンチ501に置かれる光学コンポーネント101の方へ、レンズ562によって差し向けられ、その結果、光学ビーム300は、トレンチ部分500Aの中を進み、それはbの入射角を有する光学コンポーネント101上の入射である。エッジ放射レーザー560、垂直キャビティ表面放射レーザー(VCSEL)、または、シリコン光学ベンチ850の外側からトレンチシステム500内に来ている光学ビームを差し向ける光学系のような光学ビームのための他のソースは、可能である。
【0025】
シリコン光学ベンチ850により実装される典型的な光学系では、光学コンポーネント101は、トレンチ部分500B内への光学ビーム301Bとしての一部の光学ビーム300を反射して、トレンチ部分500C内に光学ビーム301Aとして一部の光学ビーム300を透過する。光学コンポーネント101の光学的厚みによって、矢印Xによって示されたX方向の光学ビーム301Aと光学ビーム300と間のd1の横方向のオフセットが生じる。
【0026】
光学ビーム301Aは、トレンチ部分500D内に光学ビーム302として光学コンポーネント102により透過される。光学コンポーネント103は、トレンチ部分500E内への光学ビーム303Bとしての一部の光学ビーム302を反射し、トレンチ部分500F内に光学ビーム303Aとして一部の光学ビーム302を透過する。光学コンポーネント103の光学厚みによって、光学ビーム302と光学ビーム303Aとの間の方向Xのd2の横方向のオフセットが生じる。トレンチシステム500のトレンチ503が、図3に示される位置から90度だけ回転した位置の光学コンポーネント103を保つように配置される場合、光学コンポーネント501による正のX方向のd1の横方向のオフセットは、光学コンポーネント503によって、負のX方向のd1の横方向のオフセットで補償される。このように、当業者によって、理解できるように、光学ビーム303Aは光学ビーム300に整列される。
【0027】
図3に示すように、光学コンポーネント101の下部111は、関連するトレンチ501の内側に配置され、第1のアーム141および第2のアーム142(図1A)のレスティング特徴151および152は、それぞれシリコン光学ベンチ850のトレンチ501の短い端521および522と隣接して上面851にそれぞれ配置される。このように、光路部110は、トレンチ501を横切る光学ビーム300の光路において、垂直に整列配置される。全体的に241および242において表される領域は、それぞれ、短い端521および522に隣接した上面851である。光路部110(図1A)が、光学コンポーネント101と関連するトレンチセグメント501に垂直に整列配置されるとき、光学ビーム300は、機能的なコーティング128上、および、光学コンポーネント101に関する機能的な入射角度bの光路部110の入力面120での入射である。光学コンポーネント102および103の下部は、関連するトレンチ502および503内で、同様に垂直に整列配置され、その結果、光学ビーム301Aおよび302がそれぞれの機能的な入射角度で光学コンポーネント102および103上の入射となる。
【0028】
図3に示すように、光学コンポーネント103は、入力面120(図1Aおよび2)上の第1の機能的なコーティング128および出力面130(図2)上の第2の機能的なコーティング129を有する。この実施形態のある実装では、光学コンポーネントは光学コンポーネントの出力面130上だけに機能的なコーティング128を有する。
【0029】
光路がトレンチシステムのトレンチの中にあるとき、光学ビームは光学コンポーネント100または104(図1Aまたは1B)の下部111によって案内される。光路が、基板855の上面851よりわずかに上にある場合、光学ビームは光学コンポーネント100または104(図1Aまたは1B)のアーム-取付部分112によって案内される。光路が基板855の上面851より上にある場合、光学ビームは光学コンポーネント104(図1B)の上部311によって案内される。
【0030】
図4は、本発明による光学コンポーネント400の実施形態の正面図である。光学コンポーネント400は、光路部410、第1のアーム441および第2のアーム442を含む。光路部410は、下部411およびアーム-取付部分412を含む。この実施形態のある実装では、光学コンポーネント400もまた、図1Bの上部311と類似する上部(図示せず)を含む。光学コンポーネント400は、図1Aに示される光学コンポーネント100と異なり、光路部の側面が互いに平行でなく、底面459は境界454より長さが不足している。光学コンポーネント400のより短い底面は、光学コンポーネントをトレンチに挿入して、トレンチの短い端に隣接して、表層にアーム441および442を敷設することをより容易にする。この狭い底の構成は、光学コンポーネント400が、トレンチがトレンチの深さよりも基板の表面でより広くなるように、トレンチの底部から基板の上面に向かって広がるかまたは傾斜するプロファイルを有するトレンチ部分の範囲内で、垂直に掛かることができる。
【0031】
光学コンポーネント400もまた、アーム441に隣接して垂直な第1の切欠き面471、および、第2のアーム442に隣接して垂直な第2の切欠き面472を有することによって、光学コンポーネント100と異なる。第1の切欠き面471は、第2の切欠き面472と平行である。光学コンポーネント400が、トレンチ部分501(図3)のようなトレンチセグメントに置かれるときに、第1の切欠き面471は、短い端521に比較的近くて平行である。同様に、光学コンポーネント400が、トレンチセグメント501に置かれるときに、第2の切欠き面472は短い端522の比較的に近くて平行である。トレンチ部分501の光学コンポーネント400のこの適合は、トレンチ部分501の光学コンポーネント400が、光学コンポーネント400上の機能的なコーティング428に関して要求されるような光学300に関する機能的な入射角度であることを確実にする。このように、第1の切欠き面471および第2の切欠き面472は、光学コンポーネント400がside-to-sideまたは回転して移動するのを防止し、光学ビームが下部411上の入射であるように、下部411が光路に集中することを確実にするために関連するトレンチ部分(例えば、トレンチ部分501、502または503)の全体的な光学コンポーネント400を整列配置する。
【0032】
図4に示すように、下部411が、1)下部411の第1の側面461により、2)第1の切欠き表面471により、3)アーム-取付部分412の境界454により、4)第2の切欠き表面472により、および、5)下部411の第2の側面462により、境界が分けられる。アーム-取付部分412は、底面459と対向する。光路がトレンチシステムのトレンチの中にあるときに、光学ビームは、光学コンポーネント400の下部411を通過する。
【0033】
第1の切欠き面471は、第3の端483を下部411の第1の側面461と共有する。第2の切欠き面472は、第4の端484を下部411の第2の側面462と共有する。第1の切欠き面は第1の角-端431を第1のアーム441と共有し、第2の切欠き面472は第2の角-端432を第2のアーム442と共有する。実施形態によっては、第1の角-端431は、第2の角-端432と平行である。
【0034】
図4に示すように、一般に光路部の第1の側面461のうちの463において、代表される拡張は、一般に鋭角aの第2の側面462のうちの464において表される拡張を横切る。本明細書で定義されるように、拡張463および464は、それぞれ、第1の側面461および第2の側面462から伸びている仮想平面である。
【0035】
図5は、図4の光学コンポーネントの側面図である。真向からの下部411の第1の側面461および第1のアーム441の第1の側面456を示す。図2と対照的に、レスティング特徴は、平坦なレスティング表層でなくて、むしろ前方側面端452および平行背側端453を含む。真向からみた第1のアーム441の第1の側面456のプロファイルは、蝶ネクタイの形状を有する。蝶ネクタイ形状の狭い一部分が、必ずしも蝶ネクタイ形状の端よりそれほど小さいというわけではないが、前方側面端452および平行背側端453をつくるのに十分である。具体的には、カーブした底部480(または、本願明細書において、くさび形底部480と称する)および、対向するカーブ上部481(また、本願明細書において、くさび形上部481と称する)は、基板内への2つのDRIEエッチングの結果である。光学コンポーネント400が形成される基板の側の対向からのDRIEエッチングが、基板の中央で合う僅かに凹型の側壁プロファイルを生成する時から、蝶ネクタイ・パターンは形成される。以下、この過程の詳細について説明する。カーブした底部480の最大の位置およびカーブした上部481の最小の位置は、光学コンポーネント400の第1の側面461を二分する二分しているライン118上にある。2つのDRIEエッチングの各々が、基板を半分通過するとき、くさび形の底部480およびくさび形の上部481の最大/最小は、二分するライン118上にある。
【0036】
基板の前表面から第1のDRIEエッチングの間、アーム441の前方側面端452は形成され、基板の後ろの表面から、第2のDRIEエッチングの間、アーム441の背側端453は、形成される。正面の側端452および背側端453と接続しているライン119は、入力面420および出力面430と直角である。このように、正面の側端452および背側端453が、シリコン光学ベンチ850(図3)の上面851の上面851に載せてあるとき、光学コンポーネント400はトレンチにおいて、そして、光路において、垂直に整列配置される。第1のアーム441(それは示されない)の第2の側面457(図4)の側面図は、同じ蝶ネクタイ形状を有する。
【0037】
図6は、図5の光学コンポーネントの第1のアームの拡大図である。第1端部418は、2点破線により示される。正面側端452および背側端453は、長さL1を有する線として明らかに示される。第1のアーム441は、長さL1によって、アーム-取付部分412の第1端部418から突き出る。第1の側面461は、第1の切欠き-面471の端483(また、本願明細書において、第3の端483と称する)から、ある角度で伸びて示される。見ることの容易さのために、機能的なコーティング428(図5)は、図6の入力面420には示されない。しかし、入力面420または出力面430(図4および5)のうちの少なくとも1つは、機能的なコーティング428によって、かぶせられる。
【0038】
正面の側端452および背側端453の両方を含む平面(見ることの容易さのための図示せず)は、光学コンポーネント400(図5)の前表面420および後ろの表層(図示せず)に対して垂直である。これは、正面の側端452および背側端453が、シリコン光学ベンチ850(図3)の上面851の上面851に載せてあるとき、光学コンポーネント400がトレンチに垂直に整列配置されることを確実にする。
【0039】
図7は、本発明による光学コンポーネント700の実施形態の側面図である。光学コンポーネント700は、光路部、アーム-取付部分(不可視)、第1のアーム741および第2のアーム(不可視)の下部711を含む。光学コンポーネント700上の第1の切欠き-面または第2の切欠き-面がないという点で、光学コンポーネント700は、図4-6に示したような光学コンポーネント400と異なる。このように、ある実施形態では、底面759が長さにおいて、アーム-取付部分712の長さより小さいために、光学コンポーネント700の平面図はアーム-取付部分712から、ある角度に(非直交に)伸びている下部711の第1の側面761を示す。アーム741上の正面の側端752および背側-端753は、光学コンポーネント700のアーム-取付部分712から伸びている。
【0040】
この実施形態の他の実装では、図2のレスティング表層が前方側面端752および平行背側端753と置換されるという点で、光学コンポーネント700は図2に示すように光学コンポーネント100と異なる。
【0041】
図8Aは、本発明の光学コンポーネント590の実施形態の正面図である。図8Bは、本発明のトレンチに置かれる図8Aの光学コンポーネント590の正面図である。図8Bに示すように、光学コンポーネント590は、トレンチ501(図3)に置かれ、トレンチ500A(図3)から見える。光学コンポーネント590は、光路部510(図8A)、第1のアーム541および第2のアーム542を含む。光路部510は、アーム-取付部分512の一部および一般に611で表される領域を含む。この実施形態のある実装では、光路部510もまた図1Bの上部311と同様の上部を含む。第1のアーム541は、アーム-取付部分512の第1端部521から伸び、少なくとも一つのレスティング特徴551を有する。第2のアーム542は、アーム-取付部分512の第2端部522から伸び、少なくとも一つのレスティング特徴552を有する。第1のアーム541および第2のアーム542のレスティング特徴551および553はそれぞれ、図2で示す平坦なレスティング表層、または、図5に示す平行した背側端および正面側端のいずれかでありえる。アーム-取付部分512の第2端部522は、アーム-取付部分512の第1端部521と対向する。
【0042】
本実施形態では、光路部510の第1の側面561および第2の側面661は、アーム-取付部分512の上面558に関して、異なる角度である異なる長さの表層である。かくして、拡張して角度がついた側壁561および661は非対称形であり、下部511は、第1および第2のアーム541および542の中間に配置される中心線595について非対称である。非対称形の拡張して角度がついた側壁561および661は、それぞれ、第1および第2の切欠き面571および572から、浅い角度g1およびg2で伸びる。比較的浅い角度g1およびg2は、トレンチシステムのトレンチ内へ光学コンポーネント400のガイダンスを容易にし、光学コンポーネント400がトレンチの中で横に移動しないようにする。トレンチが(例えば、トレンチ501およびトレンチ500−A(図3)が交差する)光路より広いとき、角度がついた側壁561および661は、適所に光学コンポーネント590を保つ。
【0043】
光路部510は、入力面520および出力面(不可視)を有する。出力面は、入力面520と実質的に平行である。入力面520または出力面のうちの少なくとも1つは、機能的なコーティングでかぶせられる。機能的なコーティングは、受動的な光学コンポーネント590の機能によって機能的な入射角度で、光学ビーム入射に影響を及ぼす。
【0044】
下部511は、1)第1の側面561、2)第1の切欠き表面571、3)アーム-取付部分512の境界554、4)第2の切欠き表面572、5)第2の側面661、6)第3の側面564、7)底面559、および、8)第4の側面563によって境界が画定される。側壁563および564は、それぞれ、側壁561および661から伸びる。側壁563および564は、各々端を底面559と共有する。アーム-取付部分512は、底面559と対向する。領域611は、全体的に516で表される第1の側部、アーム-取付部分512、全体的に517で表される第2の側部、第3の側面564、底面559および第4の側面563によって境界が画定される。
【0045】
拡張して角度がついた側壁561および532と境界線554との間に位置する下部511の部分は、光学コンポーネント590の領域611に含まれないが、角度b(図3)で、典型的なトレンチ501の光学コンポーネント590を保つのに用いられる。図8Bに示すように、光学ビーム300は、領域611のほぼ中心の下部511上の入射である。光学ビーム300は、光学ビーム301として反射されて示される。
【0046】
図8Aに示すように、光路部110の第1の側面561は、第2の側面661と平行でなく、第3の側面564は第4の側面563と平行でない。この実施形態の他の実装では、第3の側面564は、第4の側面563と実質的に平行である。
【0047】
図8Bに示すように、トレンチ500Aは、第1の側壁801、第2の側壁802および底面803を含むように横断面に示す(また、図3にも示す)。側壁801および802は非垂直側壁であり、トレンチ500Aは、トレンチ500Aの底面803から基板855の上面851まで外へ傾斜するプロファイルを有する。第1のアーム541のレスティング特徴551は、トレンチ501の短い端521に隣接して、上面851上の領域241にのる。同様に、第2のアーム542のレスティング特徴552は、トレンチ501(図3)の短い端522に隣接して、上面851上の領域242にのる。光学コンポーネント590の底面559は、トレンチ500Aの底面803と接触しない。光学コンポーネント590の底面559は、トレンチ500Aの最も深い位置で、距離d4だけ、トレンチ500Aの底面803からオフセットされる。光学コンポーネント590は、レスティング特徴551および552によって完全に支持される。このように、下部511は光学ビーム300の経路の中で、トレンチ500Aにおいて、垂直に整列配置される。
【0048】
第1の切欠き面571および第2の切欠き面572は、それぞれ、トレンチ501(図3)の短い端521および522の近くにあり、拡張して角度がついた側壁561および532と境界554との間に位置する下部511(図8A)の部分はトレンチ501(図3)の長い端壁の間で保たれる。この構成は、トレンチ500Aに集中する光路部510の領域611を有する関連するトレンチ501に、全体的な光学コンポーネント590を集中させる。この構成により、光学コンポーネント590が、トレンチ501の中で著しい量によってセンターライン595を中心に回転したりまたはサイド-to-サイドに移動することを妨げる。
【0049】
図9は、光学コンポーネントを製造する方法900の実施形態である。光学コンポーネントがトレンチ部分に挿入されるときに、シリコンをエッチングする方法は、チルト・エラーを完全に取り除くために本願明細書に記載される光学コンポーネントの実施形態を製造するのに用いることができる。平坦な側壁を備えエッチングされることができる他のいかなる基板材料もまた、図9に関して記載されている方法900によって、使うことができる。
【0050】
光学コンポーネントのための機能的なコーティング(第1の機能的なコーティング)は、基板の第1の表面の上に形成される(ブロック902)。この実施形態のある実装では、機能的なコーティングは、基板の入力面および/または出力表面上にパターンをエッチングすることにより形成される。エッチングされたパターンは、格子、フレネルレンズまたは他の光学コンポーネントを形成する。この実施形態の他の実装では、光学コンポーネントは、透過ウインドウであり、機能的なコーティングは、所望の透過/反射レベルを提供する誘電層または誘電体スタックである。この実施形態のさらに別の実装では、光学コンポーネントは、鏡であり、メタル層は鏡面を形成するためにシリコン・ウェーハに堆積される。かかる実施形態では、金属鏡は、ステップ902の間、平面図に光学コンポーネントの形をした基板に対して、開口部を金属に残すためにパターンニングされる。湿式の化学エッチングは、概して金属にエッチングするために用いる。この実施形態のさらに別の実装では、メタル層は、パーツのファイナルリリースの前に、方法900の終わりの近くで適用される。この実施形態のさらに別の実装では、機能的なコーティングは、基板の入力面および/または出力表面を研磨することにより形成される。
【0051】
ある実施形態では、機能的なコーティングは必要でなく、ブロック902はイン実装されない。この実施形態のある実装では、光学コンポーネントは、透過ウインドウであり、スタート基板は、両面研磨されたシリコン・ウェーハである。シリコンの1つの表面は、ウインドウの第1の表面であり、他の表面はウインドウの第二の表面である。この実施形態の他の実装では、光学コンポーネントは、鏡であり、シリコン・ウェーハは片面または両面研磨される。
【0052】
平面図で光学コンポーネントの形状を有するフォトレジストは、機能的なコーティング上にパターニングされる(ブロック904)。パターンは、フォトレジスト、第1の側のフォトマスクおよび標準の露出および現像プロセスを使用して基板の第1側部上の機能的なコーティングに適用される。パターンは、図1A-8Aに関して上記した通り、光路部のアウトラインをとり、第1および第2のアームは、光路部のアーム-取付部分の第1および第2の端からそれぞれ伸びる。パターンは、図1A、1B、4および8Aに示すような一つ以上の平面図を有する複数の光学コンポーネントを含むことができる。複数のサイズおよびパターンの形状が、異なるトレンチシステムまたはトレンチシステムのさまざまなトレンチ部分に使用するために、基板に使うことができる。
【0053】
第1の機能的なコーティングは、平面図で光学コンポーネントの形状を有するパターンを基板にエッチングされる(ブロック906)。パターンは、シリコン表面に誘電体を介してエッチングされる。機能的なコーティングを介して、エッチングするとき、ブロック904において形成されるパターンニングされたフォトレジストがマスキング層として使われる。ドライプラスマ・エッチングは、概して誘電層にエッチングするために用いる。金属鏡の場合、金属は、ステップ902の間、最初にエッチングされ、次いで、鏡のメタル層の下にあってもよいいかなる誘電層もエッチングされる。機能的なコーティングがない実施形態では、ブロック906は実装されない。
【0054】
(ブロック906で記載される)機能的なコーティングを介してエッチングされる同じパターンは、第一の表面から基板を介して少なくとも半分エッチングされる(ブロック908)。ブロック904の間、パターンニングされるフォトレジストは、ブロック908の間、マスキング層として作用する。一旦ブロック908のエッチングが完了されるならば、フォトレジストはシリコン・ウェーハの第一の表面からはぎとられる。
【0055】
ブロック908のある実装では、DRIEプロセスは、僅かに凹型の側壁プロファイルを作成し、図5-7に関して上述したような前方側面端を形成するためにシリコン・ウェーハを介して半分エッチングするのに用いられる。方法900の残りは、前方側面端と平行な後側端を形成するのに用いられる技術を記載する。
【0056】
ブロック908の他の実装では、DRIEプロセスは、図2に示されるそれと同様のレスティング表層を形成するために基板を介して、完全にエッチングするのに用いられる。この実施形態は、基板の前表面から後ろの表面まで、指定された角度許容度を維持するエッチング・プロセスを必要とする。要求される角度許容度は、システムデザインおよび光学コンポーネントの機能に基づく。この実施形態のある実装では、エッチング・プロセスは、前表面から基板の後ろの表面まで、角度を0.1度より少なく保つ。このような実施形態では、基板はエッチングの前にキャリア・ウェーハに取り付けられる。一旦全ての光学コンポーネントが互いに分離されると、光学コンポーネントはキャリア・ウェーハから自由にされる。
【0057】
方法900が、光学コンポーネントの入出力表面のうちの1つだけに機能的なコーティングにより形成するのに光学コンポーネントを用いる場合(ブロック910)、平面図で光学コンポーネントの形状を有するフォトレジストは、公知技術の両面アライメント技術を使用し基板の第二の表面にパターニングされる(ブロック912)。両面アライメント技術の間、フロントとバックとの間の差は、特定の値に保持されなければならず、トレンチセグメントに置かれる光学コンポーネントの必須のアライメント許容度を得るために、システムデザインおよび光学コンポーネントの機能に依存する。フローは、ブロック920へ進む。
【0058】
方法900が、光学コンポーネントの第一の表面および第二の表面の両方に機能的なコーティングを備えた光学コンポーネントを形成するのに用いる場合(ブロック910)、第2の機能的なコーティングは、基板の第二の表面の上に形成される(ブロック914)。この場合、ブロック902で形成される機能的なコーティングは、第1の機能的なコーティングである。平面図の光学コンポーネントの形状を有するフォトレジストは、従来技術において周知である両面アライメント技術を使用して第2の機能的なコーティング上にパターニングされる(ブロック916)。第2の機能的なコーティングは、マスキング層として第2の機能的なコーティング上のパターンニングされたフォトレジストを使用して基板の第二の表面を介してエッチングされる(ブロック918)。フローは、ブロック920へ進む。
【0059】
(第1の機能的なコーティングによってかぶせられた)基板ウェーハの第一の表面は、キャリア・ウェーハに取り付けられる(ブロック920)。基板ウェーハは、多くの方法でキャリア・ウェーハに取り付けられることが可能である。例えば、基板ウェーハは、ワックスまたはフォトレジスト層で取り付けられることが可能である。
【0060】
基板は、基板の第1の表面から、すでにエッチングされたパターンを満たすために第2の表面からでエッチングされる(ブロック922)。基板の第2の表面上のパターンニングされたフォトレジストが、ブロック922のエコー中、マスキング層として使われる。
【0061】
基板は、DRIEエッチングを使用して第2側部からエッチングされる。このエッチングは、基板の途中で基板の第1側部からすでにエッチングされたパターンを満たす。第2の表面からの基板エッチングが完了するときに、光学コンポーネントは互いに全て分離される。分離された光学コンポーネントは、ワックスまたはフォトレジストを取り除くことによって、キャリア・ウェーハから自由にされる。光学コンポーネントが第2のDRIEエッチングの間、互いに分離され、キャリア・ウェーハから取り外されたあと、基板をキャリア・ウェーハに取り付けるのに用いられる材料は、容易に機能的なコーティングをクリーンにすることが可能でなければならない。
【0062】
上記の処理シーケンス上の多くのバリエーションが、類似した結果で、使うことができる。方法900のある実装では、光学コンポーネントパターンは、いずれの側からのシリコンのDRIEエッチング前に、ウェーハの両側の誘電体(機能的なコーティング)のシリコン面にパターンニングされ、エッチングされる。本実施形態では、ブロック902、904、914および916はブロック906の前に全て生じる。方法900の他の実装では、機能的なコーティングは、方法の開始時にウェーハの両側に堆積される。本実施形態では、ブロック902および914は、ブロック904の前に両方とも生じる。この実施形態のさらに別の実装では、第2の表面上の堆積は、ステップ922の後、生じる。この場合、ブロック922が完了したあと、一部の分離した光学コンポーネントは第2の表面上の金属堆積のために選ばれることができる。
【0063】
定義される本発明の多くの実施形態を、以下の特許請求の範囲により記載する。それにもかかわらず、特許請求の範囲に画定された発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載されている実施形態に対するさまざまな変更態様がなされることができると理解される。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲の記載の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム接続部(112)および下部(111)を包含し、入力表面(120)を備えた光学路部分(110)と、
前記アーム接続部の第1の端(121)から延び、少なくとも1つのレスティング特徴(151)を備えた第1のアーム(141)と、
前記アーム接続部分の第2の端(122)から延び、少なくとも1つのレスティング特徴(152)を備えた第2のアーム(142)と、
を有し、
前記第1のアームおよび第2のアームのレスティング特徴が、トレンチシステム(500)のトレンチ(501)の短い端(521)で頂部表面(158)に配置されるとき、前記光学路部がトレンチに垂直に整列配置され、
光学コンポーネント(100)が機能的な入射角βで機能し、トレンチ(501)が光学コンポーネントを位置決めするようにトレンチシステム(500)に方位付けされ、その結果、光学路部が垂直に整列配置されたとき、光学路に沿って伝播する光学ビーム(300)が、機能的な入射角で光学路(110)の入力表面(120)上に入射し、前記光学路部(110)は、入力表面(130)に対して実質的に平行な出力表面(120)を有し、入力表面又は出力表面の少なくとも一方が、機能的なコーティング(128)でかぶせられ、少なくとも1つのレスティング特徴(151)が、レスティング表面(155)のうちの1つ、または、フロント側端(452)および並列バック側端(453)の両方からなる、ことを特徴とする光学コンポーネント。
【請求項2】
前記下部が、少なくとも、
前記光学路部(310)の第1の側表面(161)と、
前記光学路部の第2の側表面(162)と、
前記第1の側表面を備えた第1の端(181)を共有し、前記第2の側表面を備えた第2の端(182)を共有する底部表面159と、
によって境界が画定され、
アーム接続部(112)が前記底部表面と対向する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学コンポーネント(104)。
【請求項3】
光学路部の第1の側の表面(461)の拡張(464)が、鋭角αで第2の側の表面の拡張(463)と交差し、下部(411)が更に、
前記光学路部(410)の第1の側の表面(461)を備えた第3の端(483)を共有する第1の切り欠き表面(471)と、
前記光学路部の第2の側の表面(462)を備えた第4の端(484)を共有する第2の切り欠き表面(472)と、
によって更に境界が画定され、
前記第1の切り欠き表面が第1のアーム(441)と第1の角-端(431)を共有し、前記第2の切り欠き表面が第2のアーム(442)と第2の角-端(432)を共有する、ことを特徴とする請求項2に記載の光学コンポーネント(400)。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−102980(P2011−102980A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−246124(P2010−246124)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】