説明

シール機構及び現像剤補給装置

【課題】 押し付け圧の管理を必要とすることのない簡単な構成で、かつ、リサイクル性にも優れたシール機構を提供する。
【解決手段】 シール機構は、回転軸29に環装され、回転軸29が挿通される薄肉のリング本体部41に形成された挿通穴43の径が回転軸29の外径よりも小さく設定され、かつ外周部に厚肉の環状嵌合部42が形成された弾性を有するシールリング40と、回転軸29が挿通される軸穴32と同心にて形成された、環状嵌合部42が嵌合される環状嵌合溝33であって、該溝幅が環状嵌合部42の肉厚よりも小さく設定された環状嵌合溝33を備えた軸受30とからなる。シールリング40は、環状嵌合部42が環状嵌合溝33に嵌合されることで軸受30に固定され、回転軸29の回転に伴いその外周が挿通穴43形成部位を摺動することで、挿通穴43からの現像剤のすり抜けを阻止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体が収容された容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸と、該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構、及びこのようなシール機構を備えた現像剤補給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した複写機や、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成し、次いで静電潜像をトナー像に現像する。
【0003】
静電潜像をトナー像に現像するための現像装置は、トナーのみからなる所謂一成分現像剤あるいはトナーとキャリア粒子とからなるいわゆる二成分現像剤を収容する現像槽を備えている。該現像槽内には、内部に収容されている現像剤を現像域に搬送して感光体に供給する現像ローラと、該現像ローラへ現像剤を搬送する搬送ローラ、現像剤を攪拌する攪拌ローラ等が配設されている。
【0004】
また、上記現像装置は、現像槽にトナーを補給するためのトナー補給装置を備えている。トナー補給装置は、トナーが収容される補給槽と、補給槽底壁に形成された補給槽と現像槽とを連通するトナー排出口と、補給槽内のトナーをトナー排出口に向けて搬送して補給する補給ローラ等を含んでいる。
【0005】
上記補給ローラを始め、搬送ローラ、攪拌ローラ等の各回転部材はそれぞれ、補給槽或いは現像槽における相対向する側壁間に回転自在に支持された回転軸を有している。例えば、補給ローラであれば、該回転軸にスポンジ等の多孔質材料が巻き付けられている。
【0006】
上記各回転部材の回転軸の一端部は、補給槽或いは現像槽をなす容器の一側壁に形成された貫通孔を通して一側壁の外方に突出しており、突出端には入力歯車が装着されるなどして駆動力が伝達されるようになっている。
【0007】
例えば、補給ローラであれば、トナー補給装置が現像装置の所要位置に装着されることで、駆動力が補給ローラの回転軸に伝達可能となる。そして、該回転軸の回転駆動に伴って螺旋羽根及び排出羽根も回転駆動され、容器内に存在するトナーは、トナー排出口から下方に位置する現像槽内に排出される。
【0008】
ところで、このような補給ローラを始め各回転部材では、回転軸と一側壁に形成された貫通孔との間からのトナー等の粉体の漏出や、回転軸を軸支する軸支部にトナー等の粉体が侵入することによる回転不良の発生等を防止するために、シール機構が備えられている。
【0009】
該シール機構として、例えば、特許文献1には、回転軸における現像槽内に位置する現像槽の一側壁近傍部にVリング(シール部材)を圧入し、該Vリングの弾性変形する先端を、該回転軸を軸支する軸受ホルダ等に圧接させると共に、該圧接部にVリングよりも低硬度の部材からなるシール層を設けておき、回転軸の回転の際には、Vリングの該圧接された先端を摺擦させてシール層を削りとらせてリング状の溝を形成して嵌り込ませることで、トナー等の粉体の侵入を阻止する構成が開示されている。
【0010】
特許文献2には、回転軸における現像槽内に位置する現像槽の一側壁近傍部に形成された円形フランジと現像槽の側壁との間にシールリング部材を装着すると共に、該回転軸における現像槽外に位置する一端部に被係止溝を形成しておき、該回転軸の一端部に入力歯車を装着することで、該入力歯車における該回転軸との環状嵌合部に設けられた係止突起を上記被係止溝に係止させて上記シールリング部材を軸方向に圧縮(弾性変形)させて、回転軸と一側壁に形成された貫通孔との間からの粉体の漏出を防止する構成が開示されている。
【0011】
特許文献3には、ゴム弾性リングとフェルトからなる不織布リングを熱溶融性プラスチック接着フィルムの可熱溶着加工で一体接着し、弾性リング部と不織布リング部とからなる軸受シールリングを設け、該シールリングをトナー容器の攪拌軸基部に嵌挿し、該不織布リング部の内径孔周面が回転軸の周面に密着すると共に、弾性リング部の内径孔周縁が回転軸の嵌挿方向に押し出され設定寸法捲くれた状態に取付けた後、該回転軸を該軸受孔に挿通し、シールリングの弾性リング部の外面を軸受孔の外側周辺に圧接固定し、回転軸の回転時にシールリングは回転せず、回転軸がシールリングの内径孔内で摩擦回転するようにして、回転軸の周面とシールリングの間の摩擦回転面と軸受孔の外側周辺の圧接面からのトナー漏れをシールする構成が開示されている。
【特許文献1】特開平11−038758号公報(平成11年2月12日公開)
【特許文献2】特開平10−142936号公報(平成10年5月29日公開)
【特許文献3】特開2003−76145号公報(平成15年3月14日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
確かに、上記従来の構成では、シール性能は高められ、回転軸と一側壁に形成された貫通孔との間からのトナー等の粉体の漏出や、回転軸を軸支する軸支部にトナー等の粉体が侵入することによる回転不良の発生等を防止することができる。
【0013】
しかしながら、上記従来の構成では、Vリングを押し付ける圧や、シールリング部材を圧縮させる圧の管理が必要であったり、このような圧の管理は必要なくとも、リサイクル性に劣ったりといった問題点を有している。
【0014】
つまり、特許文献1,2に記載した構成では、Vリングやシールリング部材を、軸方向に圧接させて、それらのベローと称される弾性を有する先端部を軸受ホルダに設けられたシール層や現像槽の一側壁等の面に押し付けることで、シール機能を生み出す仕組みである。したがって、押し付ける力の管理が必要となる。
【0015】
特許文献1では、該圧を管理するために、回転軸に圧入されたVリングと該Vリングの先端が圧接されるシール層との離間距離を適切に設定することが必要である。また、特許文献2では、円形フランジと現像槽の側壁との間の離間距離を適切に設定することが必要である。
【0016】
一方、特許文献3の構成では、軸方向の押し付け圧を利用していないので、このような圧の管理は必要ない。しかしながら、ゴム弾性リングと不織布リングを熱溶融性プラスチック接着フィルムの可熱溶着加工で一体接着してなる軸受シールリングを用いているために、リサイクル時にゴム弾性リングと不織布リングとを引き剥がす作業が必要である。しかも、ゴム弾性リング及び/又は不織布リングに、接着フィルムが残ってしまうため、接着フィルムを除去する工程等がさらに必要となり、リサイクル性に劣る。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、押し付け圧の管理を必要とすることのない簡単な構成で、かつ、リサイクル性にも優れたシール機構、及びそれを備えた現像剤補給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係るシール機構は、上記課題を解決するために、粉体が収容された容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構であって、上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴としている。
【0019】
上記構成では、シールリング部材の薄肉のリング本体部における挿通穴形成部位が、ベローとして機能し、回転される回転軸の外周が該ベローを摺動することで、シールリング部材より内側、つまり軸受側へと紛体が入り込むことを防止するようになっており、Vリングを用いるシール機構のように、軸方向の圧の管理が必要なく、構成が簡素である。
【0020】
しかも、シールリング部材は、リング本体部の外周に形成された厚肉の環状嵌合部が、軸受に形成された環状嵌合溝に嵌合されることで固定されており、接着剤等を用いる構成ではないので、リサイクル時の分解作業が容易であることはもちろんのこと、接着剤を除去する工程等も必要ないので、リサイクル性に優れている。
【0021】
本発明のシール機構は、さらに、上記シールリング部材の環状嵌合部の肉厚に対する上記軸受の環状嵌合溝の溝幅は、上記回転軸の回転に伴う上記シールリング部材の連れ回りが発生せず、かつ、締め量を付与しないときの上記シールリング部材の挿通穴の径より、締め量を付与したときの上記シールリング部材の挿通穴の径が小さい値となるように設定されている構成とすることもできる。
【0022】
本発明のシール機構では、シールリング部材の環状嵌合部を軸受に設けられた環状嵌合溝に嵌合させることのみでシールリング部材を軸受に固定する必要があるので、このように、シールリング部材の連れ回り、及び挿通穴の偏心による紛体の通過が生じないように、回転軸の外径に対するシールリング部材の挿通穴の径、及びシールリング部材の環状嵌合部の肉厚に対する軸受の環状嵌合溝の溝幅を設計することで、本発明のシール機構を容易に実現することができる。
【0023】
本発明のシール機構は、さらに、上記シールリング部材の環状嵌合部の肉厚に対する上記軸受の環状嵌合溝の溝幅は、さらに、上記回転軸を上記軸受より脱着した際に、上記シールリング部材が回転軸と共に外れないように設定されている構成とすることもできる。
【0024】
このような構成とすることで、メンテナンス時など、回転軸を軸受より脱着した際に、シールリング部材が回転軸と共に外れることがなく、メンテナンス性に優れたものとできる。
【0025】
また、本発明のシール機構は、さらに、上記軸受の環状嵌合溝は、内周と外周に2重に立設された環状立設部よりなり、内周側の環状立設部より外周側の環状立設部の方が高く、かつ、上記回転軸を有するローラの外径が、内周側の環状立設部の外径より大きく、外周側の環状立設部の内径よりも小さく設定され、上記ローラの軸方向端部が、上記外周側の環状立設部の内側に嵌装されている構成とすることもできる。
【0026】
これによれば、外周側の環状立設部の内側にローラの軸方向端部が嵌装されることで、シールリング部材におけるシール機能を呈する挿通穴形成部位が、容器内の空間部より遮蔽されるようになるので、シールリング部材へと押し寄せる紛体量を削減することができ、シール性能の向上が図れる。
【0027】
本発明の現像剤補給装置は、上記課題を解決するために、現像剤を収容した容器と、該容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸を有する現像剤補給ローラとを備え、該現像剤補給ローラの回転により上記容器内の現像剤を現像槽へと補給する現像剤補給装置であって、該現像剤補給ローラの回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構を備えており、該シール機構が、上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴としている。
【0028】
既に説明したように、本発明のシール機構は、押し付け圧の管理を必要とすることのない簡単な構成で、かつ、リサイクル性にも優れているので、このようなシール機構を現像剤補給ローラのシール機構として搭載することで、構成が簡単で、リサイクル性にも優れた現像剤補給装置を得ることができる。また、現像剤補給ローラは、印刷中、連続して駆動される現像ローラや攪拌ローラに対して、現像剤の補給動作時のみ間欠駆動されるものであるので、このような簡便なシール機構でも、装置本体の寿命時間が来るまで耐えることが可能である。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るシール機構は、以上のように、粉体が収容された容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構であって、上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴としている。
【0030】
上記構成では、Vリングを用いるシール機構のように、軸方向の圧の管理が必要なく、構成が簡素である。しかも、シールリング部材は、接着剤等を用いることなく固定されるので、リサイクル時の分解作業が容易であることはもちろんのこと、接着剤を除去する工程等も必要ないので、リサイクル性に優れている。
【0031】
それゆえ、押し付け圧の管理を必要とすることのない簡単な構成で、かつ、リサイクル性にも優れたシール機構を提供することができるといった効果を奏する。
【0032】
本発明の現像剤補給装置は、以上のように、現像剤を収容した容器と、該容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸を有する現像剤補給ローラとを備え、該現像剤補給ローラの回転により上記容器内の現像剤を現像槽へと補給する現像剤補給装置であって、該現像剤補給ローラの回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構を備えており、該シール機構が、上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴としている。
【0033】
既に説明したように、本発明のシール機構は、押し付け圧の管理を必要とすることのない簡単な構成で、かつ、リサイクル性にも優れているので、このようなシール機構を現像剤補給ローラのシール機構として搭載することで、構成が簡単で、リサイクル性にも優れた現像剤補給装置を提供することができるといった効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の一実施形態について図1ないし図3に基づいて説明すると以下の通りである。
【0035】
以下に本発明の実施形態について図面に従って詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明に係るシール機構が、画像形成装置の現像装置に備えられるトナー補給装置(現像剤補給装置)に設けられている回転部材に採用されている構成を例にして説明する。
【0036】
まず、図2の構成図を用いて、画像形成装置全体の動作について説明する。なお、ここでは、露光光学系2としてアナログ光学系を備えたアナログ式の画像形成装置を例示するが、CCDセンサを具備してなるデジタル光学系を備えたデジタル式の画像形成装置であってもよい。また、現像装置として、キャリア及びトナーからなる2成分系の現像剤を扱う構成を例示するが、トナーのみからなる1成分系の現像剤を用いるものでもよい。
【0037】
図2に示すように、画像形成装置では、上面部に原稿載置台1が設けられ、この原稿載置台1の下に露光光学系2が配設されている。この露光光学系2は、原稿載置台1上に載置された原稿(図示せず)に光を照射しながら走査する光源ランプ3、原稿からの反射光を感光体4に導く複数の反射鏡5…、および反射光の光路中に配されたレンズユニット6から成っている。
【0038】
感光体4の外周には、その表面を所定電位に帯電させる帯電チャージャ7、像間イレーサ(図示せず)、感光体4の表面に形成された静電潜像を現像する現像装置8、感光体4の表面のトナー像を用紙(シート)に転写させる転写チャージャ9、感光体4表面の残留トナーを回収するクリーニング装置10および除電装置(図示せず)等が設けられている。
【0039】
また、感光体4に対する入紙側には、用紙を所定のタイミングで供給するタイミングローラ11、搬送ローラ12、給紙カセット13および給紙ローラ14が設けられる一方、感光体4に対する出紙側には、用紙上に転写されたトナー像を用紙に定着させる定着装置15が設けられている。
【0040】
上記現像装置8は、図3に示すように、現像剤を収容する収容容器を構成する樹脂成型された現像槽16を有しており、該現像槽16内には、現像剤の搬送及び撹拌を行う撹拌搬送スクリュー(回転部材)18・19と、撹拌搬送スクリュー18にて供給される現像剤を磁気的に吸着し搬送する現像ローラ(回転部材)17が回転可能に設けられている。
【0041】
現像ローラ17は、周知の通り、内部に多数の磁極を周面に設けたマグネットを覆うように円筒形状の非磁性スリーブを、矢印方向に回転駆動するように構成されている。したがって、現像剤は、マグネットの磁力によりスリーブ表面に吸着され、スリーブの回転方向に沿って搬送される。なお、トナーのみからなる一成分系の現像剤の場合、磁性を有するものと、非磁性のものとが存在するが、非磁性の場合には、現像ローラとしてはマグネットローラに代えて、表面にゴム等を配したローラを用いて、利摩擦帯電等を利用して現像ローラ表面に吸着させて搬送することとなる。
【0042】
上記現像ローラ17は、現像槽16の開放された開口部より一部が露出するように設けられており、その露出部分において回転される感光体4と対向する。この対向位置が現像位置であり、感光体4表面に形成された静電潜像に、現像ローラ17の回転により搬送されてくる現像剤を摺擦させることで、トナーが静電潜像に付着される。例えば、摩擦帯電されているトナーが静電潜像の静電気力より吸引され、現像されることになる。なお、現像剤は、感光体4と摺擦する現像位置へと搬送される前に、その量が常に一定になるようにドクターブレード20にて現像ローラ17に吸着された余分なものが除去されるようになっている。
【0043】
一方、現像槽16の上壁部には、図3に示すように、現像剤の補給用開口24が形成され、この補給用開口24に、現像剤補給装置25が上方から嵌着されている。この現像剤補給装置25は、容器26を備えており、該容器26の内部に、例えば、現像剤が2成分系であれば、キャリアとトナーが所定比率で混合された補給用現像剤が収納されている。
【0044】
そして、該像剤補給装置25の底部、つまり容器26の底部には、制御装置(図示せず)により駆動制御される現像剤補給ローラ(回転部材)22が設けられている。現像剤補給ローラ22は、例えば、回転軸29に巻き付けられたローラ部23がスポンジ等の多孔質部材よりなる構成である。該現像剤補給ローラ22が回転駆動されることによって、現像剤補給装置25から現像剤補給ローラ22の駆動時間に応じた量だけ、補給用現像剤が流下して現像槽16内へと供給され、攪拌搬送スクリュー18・19により攪拌搬送される。
【0045】
以下に、本発明による上述した現像剤の侵入を押し付け圧の管理を必要としない簡単な構成で阻止でき、かつ、リサイクル性に優れたシール機構について説明する。
【0046】
上述したように、本発明に係るシール機構は、上記現像剤補給装置25に設けられた回転部材である現像剤補給ローラ22に適用されている。現像剤補給ローラ22の両端に延びる回転軸29は、容器26の相対向する側壁間に軸支されている。該回転軸29の一端部は、図1に示すように、容器26の側壁26aに設けられた軸受30に軸支されると共に、容器26より突出され、該突出されている一方側に、駆動用のギア(図示せず)等が取り付けられている。また、回転軸29の他端部も、容器26の側壁26aと対向する側壁(図示せず)に設けられた軸受(図示せず)に軸支されている。
【0047】
回転軸29には、該回転軸29と軸受30との間へと紛体である現像剤が入り込むのを阻止するために、環状のシールリング(シールリング部材)40が環装されている。該シールリング40は、上記軸受30に固定されており、これらシールリング40と軸受30とで、後述するように、回転軸29と軸受30との間へと現像剤が入り込むのを阻止するシール機構が構成されている。
【0048】
シールリング40は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性材料よりなり、回転軸29の軸方向より見た外形形状が円形をなす浅底の蓋状のものである。詳細には、シールリング40は、薄肉のリング本体部41と、該リング本体部41の外周部に立設された厚肉の環状嵌合部42と、リング本体部41に形成され、上記回転軸29が挿通される挿通穴43とからなる。上記挿通穴43の内径は、回転軸29の外径より小さく設定されており、リング本体部41における挿通穴43形成部位がベローとなり、挿通穴43に挿通された回転軸29の外周に適度な圧をもって接触するようになっている。
【0049】
ここで言う適度な圧とは、圧が弱すぎることで、挿通穴43と回転軸29との間からシールリング40の内側へと現像剤が侵入するといったことがなく、かつ、圧が強すぎることで、回転軸29の回転時に、挿通穴43内を回転軸29がスムーズに摺動できないといったことがない圧である。これにより、挿通穴43と回転軸29との間からシールリング40の内側へと現像剤が侵入することを阻止できる。
【0050】
このようなシールリング40は、上述したように、容器26の内部側において、側壁26aに設けられた軸受30に固定されている。詳細には、リング本体部41の外周部に立設された環状嵌合部42が、軸受30に形成された環状嵌合溝33に嵌合することで固定されている。
【0051】
軸受30は、本体部31に回転軸29が挿通される軸穴32が形成された構成を有し、該本体部31における一方の面であって、側壁26aに固定された状態で容器26の内を向く面31aに、環状嵌合溝33が形成されている。そして、該環状嵌合溝33の溝幅は、シールリング40に形成されている上記環状嵌合部42の肉厚よりも小さく設定されている。そのため、シールリング40の環状嵌合部42は、環状嵌合溝33に嵌合された状態で、適度な嵌合圧を有するようになる。
【0052】
ここで言う適度な嵌合圧とは、圧が弱すぎることで、回転軸29の回転に伴って、シールリング40が連れまわりするといったことがなく、かつ、嵌合圧が強すぎることで、リング本体部41に挿通穴43から走る皺が発生し、該皺にて挿通穴43と回転軸29との間に現像剤が通り抜け得るような隙間が生じてしまい、結果的にシールリング40の内側へと現像剤が(2成分系の場合はより径の小さいトナー)侵入するといったことがない圧である。
【0053】
換言すれば、上記シールリング40の環状嵌合部42の肉厚に対する上記軸受30の環状嵌合溝33の溝幅は、回転軸29の回転に伴うシールリング40の連れ回りが発生せず、かつ、軸受30に嵌合させない状態(締め量を付与しないとき)の挿通穴43の径より、軸受30に嵌合させた状態(締め量を付与したとき)の挿通穴43の径が小さい値となるように設定されている。
【0054】
また、シールリング40の環状嵌合部42が環状嵌合溝33に嵌合された状態で有する嵌合圧としてより望ましくは、回転軸29が設けられた現像剤補給ローラ22を脱着させても、回転軸29と一緒にシールリング40が軸受30より外れることがない嵌合圧を有することである。
【0055】
環状嵌合溝33は、詳細には、回転軸29の軸方向より見た形状がそれぞれ環状をなし、上記面31aにおける軸穴32に同心をなすように内周及び外周に2重に立設された内周側環状立設部34及び外周側環状立設部35にて構成されている。
【0056】
本実施形態では、内周側環状立設部34の外径は、シールリング40における環状嵌合部42の内径より大きく、かつ、外周側環状立設部35の内径は、シールリング40における環状嵌合部42の外径より小さく設定されている。そのため、シールリング40の環状嵌合部42は、環状嵌合溝33に嵌合された状態で、内周側環状立設部34を外周側より適度な圧で締め付けると共に、外周側環状立設部35を内周側より適度な圧で押し上げるような作用を施し、適度な嵌合圧を有するようになる。
【0057】
そして、このような構成によれば、現像剤補給ローラ22の回転、つまり、回転軸29の回転に伴い、回転軸29の外面が、適度な圧をもって締め付けるシールリング40のベローを摺動するので、挿通穴43と回転軸29との間からシールリング40の内側へと現像剤が侵入することが阻止され、ひいては、回転軸29と軸受30との間への現像剤の入り込みが阻止されることとなる。
【0058】
また、本実施形態では、図1に示すように、軸受30では、内周側環状立設部34よりも外周側環状立設部35の方が高く形成され、かつ、回転軸29を有する現像剤補給ローラ22の外径、つまり、ローラ部23の外径が、内周側環状立設部34の外径より大きく、外周側環状立設部35の内径よりも小さく設定され、さらに、ローラ部23の軸方向端部23aが、外周側環状立設部35の内側に嵌装された構成となっている。
【0059】
これにより、外周側環状立設部35の内側に嵌装された軸方向端部23aにてシール機能を呈するリング本体部41の挿通穴形成部位(ベロー)が、容器26内の空間部より遮蔽されるようになり、シールリング40へと押し寄せる現像剤量を削減することができ、より一層のシール性能の向上が図れる。
【0060】
以上のように、本発明におけるシール機構は、現像剤補給ローラ22の回転軸29に環装されたシールリング40と、該シールリング40を嵌合にて固定する軸受30とで構成されているので、Vリングを用いるシール機構に比して、軸方向の圧の管理が必要なく構成が簡素である。
【0061】
しかも、シールリング40は、接着剤等を用いることなく、リング本体部41の外周に形成された厚肉の環状嵌合部42が、軸受30に形成された環状嵌合溝33に嵌合されることでのみ固定されているので、リサイクル時の分解作業が容易であることはもちろんのこと、接着剤を除去する工程等も必要ないので、リサイクル性に優れている。
【0062】
また、特に本実施形態では、本発明に係るシール機構を、現像剤の補給動作時のみ間欠駆動される現像剤補給ローラ22に適用しているので、簡便なシール機構であっても、途中に部品交換を必要とすることなく、装置本体の寿命時間が来るまで耐えることが可能である。なお、本発明に係るシール機構を、上記下現像ローラ17や、攪拌搬送スクリュー18・19等の回転部材に適用することも、もちろん可能である。
【0063】
次に、シールリング40と軸受30とからなるシール機構の一実施例を、図4〜図7を用い、具体的数値を挙げながら説明する。
【0064】
図4(a)(b)に、本実施例におけるシール機構を構成するシールリング40及び軸受30の各設計寸法を示す。本実施例におけるシールリング40の材質はクロロプレンゴム(CR)で、軸受30の材質はポリアセタール(POM)である。また、回転軸29の材質はステンレスである。
【0065】
図4(a)に示すように、現像剤補給ローラ22の回転軸29の外径がΦ6.0mm(公差:+0、−0.012mm)とすると、軸受30における本体部31に形成される軸穴32の大きさは、直径Φ6.0mm(公差:+0.01〜+0.05mm)であり、+0.01〜0.062mmのクリアランスが確保されるように設計される。
【0066】
これに対して、図4(b)に示すように、シールリング40では、挿通穴43の形成されるリング本体部41の肉厚を0.5mmとすると、挿通穴43の大きさは、直径Φ5.6mm(公差:±0.2mm)に設計される。挿通穴43の形成されているリング本体部41の肉厚が0.5mmと十分に薄いので、挿通穴形成部位であるベローは、回転軸29との外径の違いを吸収して、適当な圧にて回転軸29の外周に接触することとなる。
【0067】
一方、シールリング40における環状嵌合部42の高さは、リング本体部の厚みを入れて2.5mmに設計されている。そして、この環状嵌合部42の外周面或いは内周面に接触する軸受30側の外周側環状立設部35及び内周側環状立設部34はその高さが、これら外周面或いは内周面の全域に接触し得るように設計される。
【0068】
このような設計において、シールリング40の環状嵌合部42の外径をΦ13.0mm(公差:+0.2mm、−0)とすると、軸受30における外周側環状立設部35の内径は、−0.05〜−0.15mmの嵌め合いに設計され、シールリング40の環状嵌合部42の内径をΦ10.0mm(公差:+0、−0.2mm)とすると、軸受30における内周側環状立設部34の外径は、+0〜0.3mmの嵌め合いに設計される。
【0069】
このような設計とすることで、軸受30における外周側環状立設部35の内径は、シールリング40の環状嵌合部42の外径よりも、直径にして0.05〜0.35mm小さくなり(締め量)、これにより、回転軸29の回転にシールリング40が連れまわることなく、かつ、シールリング40が波打つこともなく、シールリング40を軸受30に固定することができるようになる。
【0070】
図5に、本実施例のシールリング40と軸受30とからなるシール機構において、軸受30における外周側環状立設部35の内径とシールリング40の環状嵌合部42の外径との差である締め量と、シールリング40と軸受30との間のトルク(シールリング40の環状嵌合部外側面と軸受30の外周側環状立設部の内側面との間のトルク)との関係を調べた結果を示す。
【0071】
シールリング40の連れ回りは、現像剤補給ローラ22の起動時の挿通穴43と回転軸29との間のトルクが、シールリング40と軸受30との間のトルクを上回った時に発生する。本実施例のシール機構では、回転軸29に対する挿通穴43の食い込み量を0.59mmとして、高温高湿環境下で12時間放置した状態での挿通穴43と回転軸29との間のトルクは50gf・cm(4.9×10−3J)であることを確認している。
【0072】
したがって、図5に示すように、低温低湿環境(LL環境)でも常温常湿環境(NN環境)でも、締め量を0.05mm以上とすることで、シールリング40と軸受30との間のトルクは150gf・cm(14.7×10−3J)以上確保でき、シールリング40の連れ回りを回避できる。
【0073】
また、環状嵌合部42の環状嵌合溝33に対する嵌合圧が強くなり過ぎると、リング本体部41に皺等が発生しやすくなるため、無作為に選択した3つのサンプルA,B,Cを用いて、シールリング40における挿通穴43の偏心量を測定した。なお、偏心量は、挿通穴43の内径の最大値と最小値との差で表している。
【0074】
測定の結果、図6に示すように、締め量0.35mmで0.063mmとの最大差が出たが、締め量を付与するこおとにより締め量0のときの径に対して何れの場合も径が小さくなっており、径が大きくなるものは観察されなかった。平均粒径が6.7μmのトナーで影響を確認した結果、この差は許容範囲内であり、締め量の上限を0.35mmとすることで、シールリング40の皺による現像剤のすり抜けは防止できる。
【0075】
また、図7に、本実施例のシールリング40と軸受30とからなるシール機構において、上記した3つのサンプルを用いて、軸受30における外周側環状立設部35の内径とシールリング40の環状嵌合部42の外径との差である締め量と、シールリング40が軸受30から外れる抜去力との関係を調べた結果を示す。
【0076】
本実施例のシール機構では、回転軸29に対する挿通穴43の食い込み量を0.59mmとして、高温高湿環境下で12時間放置した状態での回転軸29の抜去力は、60gf(5.8×10−1N)であることを確認している。
【0077】
したがって、図7に示すように、上記3つのサンプル何れにおいても、低温低湿環境(LL環境)、常温常湿環境(NN環境)に係わらず、締め量0.05mm〜0.35mmにおける上記抜去力は、100gf(9.8×10−1N)から600gf(5.88N)の範囲内でありであり、シールリング40が回転軸29と一緒に外れることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、現像剤補給装置の容器の一側壁部分を拡大して示す断面図である。
【図2】上記現像剤補給装置が具備された現像装置が搭載されている画像形成装置の一構成例を示す断面図である。
【図3】上記現像剤補給装置が具備された現像装置の一構成例を示す断面図である。
【図4】(a)(b)ともに、シール機構の一実施例の具体的構成を示す断面図である。
【図5】上記実施例のシール機構における、軸受の外周側環状立設部の内径とシールリングの環状嵌合部の外径との差である締め量と、シールリングと軸受との間のトルクとの関係を示すグラフである。
【図6】上記実施例のシール機構における、軸受の外周側環状立設部の内径とシールリングの環状嵌合部の外径との差である締め量と、シールリングの挿通穴の偏心量との関係を調べた結果を示す図面である。
【図7】上記実施例のシール機構における、軸受の外周側環状立設部の内径とシールリングの環状嵌合部の外径との差である締め量と、シール抜去力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0079】
8 現像装置
22 現像剤補給ローラ
23 ローラ部
23a 軸方向端部
25 現像剤補給装置
26 容器
26a 側壁
29 回転軸
30 軸受
33 環状嵌合溝
34 外周側環状立設部
35 内周側環状立設部
40 シールリング(シールリング部材)
42 環状嵌合部
43 挿通穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が収容された容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構であって、
上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、
上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、
上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴とするシール機構。
【請求項2】
上記シールリング部材の環状嵌合部の肉厚に対する上記軸受の環状嵌合溝の溝幅は、上記回転軸の回転に伴う上記シールリング部材の連れ回りが発生せず、かつ、締め量を付与しないときの上記シールリング部材の挿通穴の径より、締め量を付与したときの上記シールリング部材の挿通穴の径が小さい値となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシール機構。
【請求項3】
上記シールリング部材の環状嵌合部の肉厚に対する上記軸受の環状嵌合溝の溝幅は、さらに、上記回転軸を上記軸受より脱着した際に、上記シールリング部材が回転軸と共に外れないように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のシール機構。
【請求項4】
上記軸受の環状嵌合溝は内周と外周に2重に立設された環状立設部よりなり、内周側の環状立設部より外周側の環状立設部の方が高く、かつ、上記回転軸を有するローラの外径が、内周側の環状立設部の外径より大きく、外周側の環状立設部の内径よりも小さく設定され、上記ローラの軸方向端部が上記外周側の環状立設部の内側に嵌装されていることを特徴とする請求項1に記載のシール機構。
【請求項5】
現像剤を収容した容器と、該容器の相対向する側壁間に軸支された回転軸を有する現像剤補給ローラとを備え、該現像剤補給ローラの回転により上記容器内の現像剤を現像槽へと補給する現像剤補給装置であって、
該現像剤補給ローラの回転軸と該回転軸を軸支する軸受との間に粉体が入り込むことを防止するためのシール機構を備えており、
該シール機構が、上記回転軸に環装されると共に、上記回転軸が挿通される薄肉のリング本体部に形成された挿通穴の径が回転軸の外径よりも小さく設定され、かつ、外周部に厚肉の環状嵌合部が形成された弾性を有するシールリング部材と、上記回転軸が挿通される軸穴を有すると共に、該軸穴と同心にて形成され、上記シールリング部材に形成された環状嵌合部が嵌合される環状嵌合溝を有し、かつ、該環状嵌合溝の溝幅が上記環状嵌合部の肉厚よりも小さく設定されている軸受とを備え、上記シールリング部材は、上記環状嵌合部が上記軸受の環状嵌合溝に嵌合されることで上記軸受に固定されており、上記回転軸の回転に伴い回転軸の外周が上記シールリング部材における挿通穴形成部位を摺動することを特徴とする現像剤補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−284923(P2006−284923A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104887(P2005−104887)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】