説明

スクリム材料を組み入れた騒音減衰複合体およびその製造方法

【課題】 騒音減衰材料が軽量且つ低コストである車両内で使用するための騒音減衰複合
体を提供する。
【解決手段】 床仕上げ材および他の内装部品として車両内で使用するための騒音減衰複
合体10が提供される。騒音減衰複合体10は、減衰層12と、デカプラー層14と、ス
クリム/織物層16と、多孔質室内装飾材料18とが互いに積層されて成る。減衰層12
は、約5mmの厚さに形成されており、車両のパネル30の表面30aに面を対向させて
接触させた状態で取り付けられるように構成されている。デカプラー層14は、約70m
mの厚さに形成されており、減衰層12の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付
けられている。スクリム/織物層16は、約2mm以下の厚さに形成されている。多孔質
室内装飾材料18は、スクリム/織物層16の表面に面を対向させて接触させた状態で取
り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両に関し、特に、車両内で使用される騒音減衰材料に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の乗員室内では、騒音レベルを低減することが望ましい。交通騒音、風騒
音、エンジン騒音、振動等の外部騒音、および、乗員室内から発せられる騒音は、様々な
音響材料を使用することにより減衰することができる。例えば、騒音減衰材料は、従来、
フロアパネル、ドアパネルおよびヘッドライナ用の室内装飾品のためのカーペットと共に
設けられている。
【0003】
外部騒音の減衰は、従来、音響透過損失(STL)と称されている。内部騒音の減衰は
、従来、吸音と称されている。材料の音響インピーダンスは、材料密度と音速との積とし
て規定されており、Rayl(ニュートン秒/m3)の単位で表わされる。音響インピー
ダンスは、材料を通過する空気に対する材料の周波数に応じた抵抗を示している(これに
対し、静止した気流抵抗Rayl測定値は、周波数に依存しない)。したがって、繊維材
料の場合、音響インピーダンスは、繊維材料の密度、繊維の直径、厚さおよび関連するパ
ラメータによって決まる。一般に、ブランケットの密度が大きくなればなるほど、また、
繊維が細かくなればなるほど、音響インピーダンスが高くなる。また、厚くなればなるほ
ど、音響インピーダンスが大きくなる。騒音を減衰する材料の能力は、従来、材料のST
L特性、音響インピーダンス特性、吸音特性によって規定される。
【0004】
車両の乗員室内での騒音レベルの低減に使用できる様々な音響減衰材料が開発されてき
た。例えば、Holtropらに対して付与された特許文献1の特許には、ヘッドライナ
で使用できる熱成形可能な積層体が開示されている。ヘッドライナは、発泡高分子シート
に接着された不織布を備えている。不織布は、低融点ステープルファイバと高融点ステー
プルファイバとの混合体によって形成されている。
【0005】
Thompsonに対して付与された特許文献2の特許には、不織遮音ウェブ(a non-w
oven acoustical insulation web)が開示されている。不織遮音ウェブは、熱可塑性繊維
、特に、融解ブローマイクロファイバと捲縮バルキングファイバとの混合体を備えている

【0006】
Masudaらに対して付与された特許文献3の特許には、被覆層とパネルとクッショ
ン層とを備えた騒音遮音構造が開示されている。クッション層は、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等の第1の繊維と、コアの大部分がPETであるシェル−コア構造(she
ll-core construction)から成る第2の繊維とを備えている。
【0007】
Orimoらに対して付与された特許文献4の特許には、低密度および高密度の熱可塑
性繊維を含む騒音遮音構造が開示されている。熱可塑性の合成繊維としては、PETが好
ましい。
【0008】
People,Jr.らに対して付与された特許文献5の特許には、カーペット層と、
成形可能な熱可塑性高分子層と、1または複数のフォームパッドとを有する成形フォーム
バック(foam-backed)カーペットアセンブリが開示されている。前記フォームパッドは、
前記熱可塑性層に対して溶融接着されるとともに、熱可塑性高分子層の全面を覆わない程
度にわたって延びており、これにより、所望のクッションおよび遮音・断熱をカーペット
の所定の領域だけに与えている。
【特許文献1】米国特許第4,851,283号明細書
【特許文献2】米国特許第5,298,694号明細書
【特許文献3】米国特許第5,677,027号明細書
【特許文献4】米国特許第5,817,408号明細書
【特許文献5】米国特許第4,529,639号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、騒音を減衰する従来の材料の能力は、材料の量が増えるにつれて増大する。残
念ながら、材料の量が増えると、多くの場合、騒音減衰材料の重量が増大し、望ましくな
い。したがって、軽量且つ低コストであるとともに、車両内で使用でき且つ優れた騒音減
衰特性を有する遮音材料が継続する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の点に着目して、床仕上げ材および他の内装部品として車両内で使用される騒音減
衰複合体(sound attenuating composite article)が提供される。本発明の実施形態にお
いて、騒音減衰複合体は、第1の材料層と、第2の材料層と、第3の材料層と、多孔質室
内装飾材料(例えばカーペット)とが互いに積層されている。騒音減衰複合体は、100
Hz〜400Hzの周波数範囲内で4,700Rayls〜6,300Raylsの音響
インピーダンス、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で1,300Rayls〜
2,400Raylsの音響インピーダンス、2,500Hz〜5,000Hzの周波数
範囲内で950Rayls〜1,600Raylsの音響インピーダンスをそれぞれ有す
るように構成されている。また、騒音減衰複合体は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で0.13〜0.18の吸音係数、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で0
.55〜0.69の吸音係数、2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で0.6
9〜0.87の吸音係数を有するように構成されている。また、騒音減衰複合体は、10
0Hz〜400Hzの周波数範囲内で7.3dB〜14.0デシベル(dB)の音響透過
損失、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で6.6dB〜11.9dBの音響透
過損失、2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で8.0dB〜15.0dBの
音響透過損失を有するように構成されている。
【0011】
第1の材料層は、約5ミリメートル(5mm)以下の厚さを備えた減衰層(a damping l
ayer)であり、車両のパネル(例えば、フロアパネルやドアパネル等の車両の高分子部品
またはシートメタル)の表面に該表面と対向する面を接触させて取り付けられるように構
成されている。第2の材料層は、第1の材料層の表面に該表面と対向する面を接触させて
取り付けられるデカプラー層(decoupler layer)である。第2の材料層は、約70ミリメ
ートル(70mm)以下の厚さを備えている。第3の材料層は、第2の材料層の表面に該
表面と対向する面を接触させて取り付けられるスクリム/織物材料である。第3の材料層
は、約2ミリメートル(2mm)以下の厚さを備えている。多孔質室内装飾材料(例えば
カーペット)は、第3の材料層の表面に該表面と対向する面を接触させて取り付けられる
ようになっている。
【0012】
本発明の実施形態において、減衰層は、アスファルトあるいは樹脂および/または高分
子を用いて改質されたアスファルト等の瀝青質材料によって形成されている。デカプラー
層は、音響繊維充填物(acoustic fiber batting)および/または音響発泡材料(acoustic
foam material)を含んでいる。第3の材料はスクリム/織物材料である。典型的なスクリ
ム材料は、ポリエステル繊維とポリオレフィン繊維とを有する混合体、好ましくは、約7
0%のポリエステル繊維と約10%のポリオレフィン繊維とから成る混合体である。
【0013】
また、車両内で使用できる騒音減衰複合体の形成方法も提供される。本発明の実施形態
においては、約5mm以下の厚さを備えた減衰層が設けられている。減衰層における複合
体損失係数(composite loss factor)の典型的な範囲は、約0.01〜約0.06(約−
30℃〜約70℃でオーベルスト法によって測定した)である。約70mm以下の厚さを
備えたデカプラー層が設けられている。このデカプラー層は、100Hz〜400Hz、
500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内
で、少なくとも5,300Rayls、1,160Rayls、および190Rayls
の音響インピーダンスを有し、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、
および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.01、0.
27、および0.72の吸音係数を有するとともに、100Hz〜400Hz、500H
z〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少な
くとも1.3dB、1.8dB、および2.8dBの音響透過損失を有する。デカプラー
層は、対面接触関係を成してダンピング材料層の表面に取り付けられる。
【0014】
約2mm以下の厚さを有する第3の材料層は、対面接触関係を成してデカプラー層の表
面に取り付けられている。第3の材料層は、全体的にナイロン、ポリエステル繊維および
ポリオレフィン繊維で形成される(すなわち、これらの混合体から成る)織り、不織り、
または、融解ブロー(melt blown)の構造を有するスクリム/織物材料である。第3の材料
層は、デカプラー層に対して接着して取り付けられても良く、あるいは、機械的な固定具
または当業者に知られた他の取り付け手段により取り付けられても良い。
【0015】
第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,
500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも41,000Rayls、
7,000Rayls、および1,900Raylsの音響インピーダンスを有し、10
0Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000
Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.00、0.001、および0.13の吸音係数
を有するとともに、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,
500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも1.9dB、1.5dB、
および1.7dBの音響透過損失を有する。
【0016】
その後、カーペット等の多孔質室内装飾材料が対面接触関係を成して第2の材料層の表
面に取り付けられる。カーペットの場合、カーペットの裏面(裏地側)が第3の材料層の
表面に取り付けられる。成形作業や断裁作業等の様々な別個の作業を複合体に対して行な
っても良い。
【0017】
本発明の実施形態に係る複合体は、フロアパンやドアパネル等の所定の車両部位に所望
の騒音減衰特性を与えることができる。また、本発明の実施形態に係る複合体は、騒音減
衰特性を犠牲にすることなく、全体の重量を減らすことができる。
【0018】
明細書の一部を成す添付図面は、本発明の重要な実施形態を示している。図面および明
細書本文は共に本発明を十分に説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態が示されている添付図面を参照しながら、本発明を十
分に説明する。しかしながら、本発明は、多くの様々な形態で具現化されても良く、ここ
に示された実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施
形態は、この開示内容が十分且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に対して十分に伝え
るように与えられている。
【0020】
図中において、線、層および領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合があ
る。層、領域、基材、パネル等の要素が他の要素の「上」にあると言及する場合には、そ
の要素が他の要素上に直接に存在していても良く、あるいは、介在する要素が存在してい
ても良いことは言うまでもない。一方、要素が他の要素「上に直接に」あると言及する場
合には、介在する要素が存在しない。要素が他の要素に対して「接続されている」または
「取り付けられている」と言及する場合には、その要素が他の要素に対して直接に接続さ
れまたは取り付けられていても良く、あるいは、介在する要素が存在していても良いこと
は言うまでもない。一方、要素が他の要素に対して「直接に接続されている」または「直
接に取り付けられている」と言及する場合には、介在する要素が存在しない。
【0021】
本発明の実施形態は、様々な用途、特に自動車の用途で使用できる騒音減衰複合体を提
供する。本発明の実施形態に係る騒音減衰複合体を使用できる典型的な自動車の用途には
、床仕上げ材、ドアパネル、他の内部部品、および、ヘッドライナやダッシュボード等の
様々な内部部品のための室内装飾品が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
図1を参照すると、車両内で使用され且つ騒音(車両の内側および外側の両方)を減衰
するべく構成される騒音減衰複合体10が示されている。図示の騒音減衰複合体10は、
第1の材料層(減衰、ダンピング)12と、第2の材料層(デカプラー)14と、第3の
材料層(スクリム/織物)16と、多孔質室内装飾材料(例えば、カーペット)18とが
互いに積層されている。
【0023】
騒音減衰複合体は、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で4,700Rayls〜
6,300Raylsの音響インピーダンス、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲
内で1,300Rayls〜2,400Raylsの音響インピーダンス、2,500H
z〜5,000Hzの周波数範囲内で950Rayls〜1,600Raylsの音響イ
ンピーダンスをそれぞれ有するように構成されている。
【0024】
騒音減衰複合体は、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で0.13〜0.18の吸
音係数、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で0.55〜0.69の吸音係数、
および2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で0.69〜0.87の吸音係数
を有するように構成されている。当業者に知られているように、吸収率は、0.0〜1.
0の値を有することができる無次元数である。0.5の値は、入ってくる音の50パーセ
ント(50%)が材料中に吸収され且つ入ってくる音の50パーセント(50%)が反射
されることを意味している。
【0025】
また、騒音減衰複合体は、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で7.3デシベル(
dB)〜14.0dBの音響透過損失、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で6
.6dB〜11.9dBの音響透過損失、2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲
内で8.0dB〜15.0dBの音響透過損失を有するように構成されている。当業者に
知られているように、材料層の一方側に入射する音の他方側から放射される音に対する割
合は、音響透過損失(dB)を計算するために使用される。音響透過損失は、通常、入射
音の周波数と共に増大する。
【0026】
第1の材料層(減衰)12は、互いに反対側に位置する面12a、12bを有するとと
もに、車両のパネル30(例えば、フロアパネル、ドアパネル等の車両のシートメタルま
たは高分子部品)の表面30aに取り付けられており、これにより、面12b、30a同
士が対向して接触している。第1の材料層12は、制限無く、様々な方法で、パネル30
に対して取り付けられても良い。例えば、第1の材料層12は、接着剤により、および/
または、リベット、ボルト、ネジ、スナップ等の機械的な固定装置により、パネル30に
対して取り付けられても良い。幾つかの用途においては、車両要件およびコスト要件に応
じて、減衰層を省いても良い。
【0027】
本発明に係る騒音減衰複合体を取り付けることができる車両パネルは、様々な形状、構
造、サイズを有していても良く、また、金属、高分子、金属と高分子との組み合わせを含
む様々な形状によって形成されていても良いが、これらに限定されない。例えば、車両パ
ネルは、3次元構造を成すシートメタルであっても良い。また、車両パネルは、略平坦な
シートメタル片であっても構わない。
【0028】
第2の材料層(デカプラー)14は、互いに反対側に位置する面14a、14bを有す
るとともに、第1の材料層12の面12aに取り付けられており、これにより、面12a
および14b同士が対向して接触している。第2の材料層14は、約70mm以下の厚さ
を有する。第2の材料層14は、制限無く、様々な方法で、第1の材料層12に対して取
り付けられても良い。例えば、第1の材料層12および第2の材料層14は、互いに接着
されても良く、および/または、周知の技術を使用して温度および/または圧力により互
いに融合されても良い。本発明の他の実施形態において、第1の材料層12は、車両パネ
ル30に対して直接に取り付けられても良く、また、複合体10の残りの部分(すなわち
、第2の層14、第3の層16、多孔質内装飾材料18)は、第1の材料層12上に横た
わるように構成されても良い。
【0029】
第3の材料層(スクリム/織物)16は、互いに反対側に位置する面16a、16bを
有するとともに、第2の材料層14の面14aに取り付けられており、これにより、面1
4aおよび16b同士が対向して接触している。第3の材料層16は、約2mm以下の厚
さを有する。第3の材料層14は、制限無く、様々な方法で、第2の材料層12に対して
取り付けられても良い。例えば、第2の材料層14および第3の材料層16は、互いに接
着されても良く、および/または、周知の技術を使用して温度および/または圧力により
互いに融合されても良い。
【0030】
本発明の他の実施形態において、第1の材料層(減衰)12は、車両パネル30に対し
て直接に取り付けられても良く、また、複合体10の残りの部分(すなわち、第2の層1
4、第3の層16、多孔質室内装飾材料18)は、第1の材料層12上に横たわるように
構成されても良い。
【0031】
多孔質室内装飾材料18は、対面接触関係を成して、第3の材料層16の面16aに対
して取り付けられている。図示の実施形態において、多孔質室内装飾材料18は、カーペ
ットであるとともに、織物側19および反対の基材(裏地)側20を有する。図示のよう
に、基材側20の面20aは、対面接触関係を成して、第3の材料層16の面16aに対
して取り付けられている。多孔質室内装飾材料18は、制限無く、様々な方法で、第3の
材料層16に対して取り付けられても良い。例えば、多孔質室内装飾材料18および第3
の材料層16は、互いに接着されても良く、および/または、周知の技術を使用して温度
および/または圧力により互いに融合されても良い。
【0032】
本発明の実施形態において、第1の材料層(減衰)12は、アスファルトあるいは樹脂
および/または高分子を用いて改質されたアスファルト等の瀝青質材料によって形成され
ている。
【0033】
本発明の実施形態において、第2の材料層(デカプラー)14は、音響繊維充填物およ
び/または音響発泡材料によって形成されていても良い。様々なタイプの合成繊維、天然
繊維、および/または、合成繊維と天然繊維との混合体を使用しても良い。また、様々な
タイプのオープンセル(開放気泡)付きの発泡体を使用しても良い。典型的な充填材料と
しては、密度が高められたポリエステル充填物およびニードルドポリエステル(needled p
olyester)を挙げることができるが、これらに限定されない。典型的な発泡体としては、
ゲルコート、ラテックス、シートウレタンフォーム、ポリエチレン、または、EVA(エ
チレン・ビニル・アセテート)フォームを挙げることができるが、これらに限定されない
。本発明の実施形態において、第2の材料層14は、約400〜約1200g/m2の密
度を有していても良い。第2の材料層14は、低質量および低コスト材料であっても良い
。第2の材料層14は、構造的に、弾性材料または非弾性材料であっても良い。第2の材
料層14は、第3の材料層16を第1の材料層12から所定の距離に維持するためのスペ
ーサ層としての機能を果たす。第2の材料層14の厚さは、約5mm〜約70mmであっ
ても良く、好ましい厚さ範囲は約5mm〜約30mmである。
【0034】
本発明の実施形態において、約5mm以下の厚さを有する第1の材料層12は、約0.
01〜約0.06の範囲の複合体損失係数(composite loss factor)を有する(約−30
℃〜約70℃でオーベルスト法によって測定した)。
【0035】
本発明の実施形態において、第2の材料層14は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で5,300Rayls〜5,500Raylsの音響インピーダンス、500Hz
〜2,000Hzの周波数範囲内で1,160Rayls〜1,180Raylsの音響
インピーダンス、および2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で190Ray
ls〜325Raylsの音響インピーダンスをそれぞれ有するように構成されている。
【0036】
本発明の実施形態において、第2の材料層14は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で0.01〜0.03の吸音係数、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で0
.27〜0.37の吸音係数、および2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で
0.72〜0.92の吸音係数を有するように構成されている。
【0037】
本発明の実施形態において、第2の材料層14は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で1.3dB〜3.40dBの音響透過損失、500Hz〜2,000Hzの周波数
範囲内で1.8dB〜3.6dBの音響透過損失、2,500Hz〜5,000Hzの周
波数範囲内で2.8dB〜5.1dBの音響透過損失を有するように構成されている。
【0038】
本発明の実施形態において、第3の材料層16は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、
ポリオレフィン繊維から成る融解ブロー、織り、または、不織りの混合体を有するスクリ
ム材料である。適したスクリム材料は、ミネソタ州のセントポールにあるミネソタマイニ
ング&マニュファクチャリング社から市販されているTHINSULATE(登録商標)
絶縁体である。
【0039】
本発明の実施形態において、第3の材料層16は、約2ミリメートル(2mm)以下の
厚さを有する。第3の材料層16は、約1kg/m2〜1.5kg/m2の密度を有するこ
とが好ましい。第3の材料層16は、室内装飾材料(例えばカーペット)18と共に成形
できても良い。
【0040】
本発明の他の実施形態において、第3の材料層16は、約7%〜約17%(7%〜17
%)の低融点ポリエステルバインダを有する1平方メートル当たり約17グラム〜1平方
メートル当たり約90グラムの範囲(17g/m2〜90g/m2)のスパンボンド法(spu
n bonded)のポリエステル繊維製品(ポリエステルマトリクス繊維)であっても良い。そ
のような材料は、ノースカロライナ州のダラムにあるフラデンバーグ不織布グループから
市販されている。
【0041】
本発明の他の実施形態において、第3の材料層16は、1平方メートル当たり約20グ
ラム〜1平方メートル当たり約90グラムの重量範囲(20g/m2〜90g/m2)のス
パンレース(spun laced)製品であっても良い。そのような材料は、低融点ナイロンバイン
ダおよび高融点ポリエステルマトリクス繊維(低融点ナイロンシースを有するポリエステ
ル繊維;ナイロン含有量が材料全体の重量の約18パーセント〜約22パーセント(18
%〜22%))を有する。そのような材料は、ノースカロライナ州のエンカにあるコルボ
ンド社から市販されている。
【0042】
本発明の他の実施形態において、第3の材料層16は、「再生毛糸(shoddy)」と呼ばれ
る消耗型の製品であっても良く、また、天然および合成の多種多様な繊維を含んでいても
良い。そのような材料は、針で縫うことができ、あるいは、低融点バインダ繊維および熱
を使用して密度を高めることができる。
【0043】
本発明の他の実施形態において、第3の材料層16は、繊維以外の様々な材料、例えば
発泡体や織物等を含んでいても良い。そのような材料における典型的な重量範囲は、1平
方ヤード(0.836m2)当たり約6オンス(0.028kg)〜1平方ヤード当たり
約30オンス(6oz/yd2〜30oz/yd2)であっても良い。この種の材料は、オ
ハイオ州のノーウォークにあるジャメスバイル−サックナーグループから市販されている

【0044】
本発明の実施形態において、第3の材料層16は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で41,000Rayls〜48,000Raylsの音響インピーダンス、500
Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で7,000Rayls〜7,500Raylsの
音響インピーダンス、および2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で1,90
0Rayls〜2,100Raylsの音響インピーダンスをそれぞれ有するように構成
されている。
【0045】
本発明の実施形態において、第3の材料層16は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で0.0〜0.001の吸音係数、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で0
.001〜0.018の吸音係数、2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で0
.13〜0.14の吸音係数を有するように構成されている。
【0046】
本発明の実施形態において、第3の材料層16は、100Hz〜400Hzの周波数範
囲内で1.9dB〜6.50dBの音響透過損失、500Hz〜2,000Hzの周波数
範囲内で1.5dB〜4.7dBの音響透過損失、および2,500Hz〜5,000H
zの周波数範囲内で1.7dB〜4.2dBの音響透過損失を有するように構成されてい
る。
【0047】
本発明の実施形態において、第2の材料層14および第3の材料層16は、互いに対面
接触関係を成した際に、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で4,900Rayls
〜5,500Raylsの組み合わせ音響インピーダンス、500Hz〜2,000Hz
の周波数範囲内で1,200Rayls〜1,500Raylsの組み合わせ音響インピ
ーダンス、2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で550Rayls〜870
Raylsの組み合わせ音響インピーダンスをそれぞれ有する。
【0048】
本発明の実施形態において、第2の材料層14および第3の材料層16は、互いに対面
接触関係を成した際に、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で0.05〜0.09の
組み合わせ吸音係数、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で0.56〜0.63
の組み合わせ吸音係数、および2,500Hz〜5,000Hzの周波数範囲内で0.8
9〜0.96の組み合わせ吸音係数を有する。
【0049】
本発明の実施形態において、第2の材料層14および第3の材料層16は、互いに対面
接触関係を成した際に、100Hz〜400Hzの周波数範囲内で5.0dB〜8.0d
Bの組み合わせ音響透過損失、500Hz〜2,000Hzの周波数範囲内で4.8dB
〜7.3dBの組み合わせ音響透過損失、および2,500Hz〜5,000Hzの周波
数範囲内で6.5dB〜9.0dBの組み合わせ音響透過損失を有する。
【0050】
図2を参照すると、参照符号40は、全体的に、図1の騒音減衰複合体10によって形
成された車両床仕上げ材を示している。図示の床仕上げ材40は、車両50のフロントシ
ートの仕切り床に適合するようになっている平面的でない3次元成形された構造を成して
いるとともに、伝達ハンプに一致するようになっている立ち上がった中間部41と、各ド
アの開口の下に嵌め込まれるようになっている略垂直に延びる側面部42と、車両50の
傾斜した床板および垂直な防火壁領域に沿って取り付くようになっている前部43とを備
えている。冷暖房装置、ステアリング・コラム、ペダル等を受けるために、44で示され
る様々な開口および切り抜き部分が設けられている。図示の特定の3次元構造が単なる例
示的なものであることは言うまでもない。本発明の実施形態に係る騒音減衰複合体10に
よって形成された車両床仕上げ材(他の車両装飾部品)は、制限無く、様々な構造および
形状を有していても良い。
【0051】
図3を参照すると、騒音(外側の騒音源および内側の騒音源の両方からの騒音)を減衰
するために車両内で使用できる本発明の実施形態に係る複合体を製造するための方法が示
されている。減衰層が設けられる(ブロック100)。前述したように、減衰層は、瀝青
質材料を含んでおり、約5mm未満の厚さを有するとともに、約0.01〜約0.06の
範囲の複合体損失係数を有する(約−30℃〜約70℃でオーベルスト法によって測定し
た)。
【0052】
約70mm以下の厚さを有するデカプラー層は、対面接触関係を成して減衰層の表面に
取り付けられる(ブロック110)。前述したように、本発明の実施形態に係るデカプラ
ー層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz
〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも5,300Rayls、1,160R
ayls、および190Raylsの音響インピーダンスを有し、100Hz〜400H
z、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範
囲内で、少なくとも0.01、0.27、および0.72の吸音係数を有するとともに、
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,0
00Hzの各周波数範囲内で、少なくとも1.3dB、1.8dB、および2.8dBの
音響透過損失を有する。前述したように、デカプラー層は、音響繊維充填物および/また
は音響発泡材料によって形成されていても良い。様々なタイプの合成繊維、天然繊維、お
よび/または、合成繊維と天然繊維との混合体を使用しても良い。また、様々なタイプの
発泡体を使用しても良い。
【0053】
約2mm以下の厚さを有する第3の材料層は、対面接触関係を成してデカプラー層の表
面に取り付けられる(ブロック120)。第3の材料層は、ポリエステル繊維およびポリ
オレフィン繊維から成る織りまたは不織りの混合体、および好ましくは約70%のポリエ
ステル繊維および約10%のポリオレフィン繊維から成る混合体を有するスクリム/織物
材料である。第3の材料層は、デカプラー層に対して接着して取り付けられても良く、あ
るいは、機械的な固定具または当業者に知られた他の取り付け手段により取り付けられて
も良い。
【0054】
前述したように、第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000
Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも41,0
00Rayls、7,000Rayls、および1,900Raylsの音響インピーダ
ンスを有し、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500
Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.00、0.001、および0
.13の吸音係数を有するとともに、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000
Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも1.9d
B、1.5dB、および1.7dBの音響透過損失を有する。
【0055】
その後、カーペット等の多孔質室内装飾材料が対面接触関係を成して第3の材料層の表
面に取り付けられる(ブロック130)。カーペットの場合、カーペットの裏面が第3の
材料層の表面に取り付けられる。成形作業や断裁作業等の様々な別個の作業を複合体に対
して行なっても良い。
【0056】
本発明の実施形態に係る複合体は、フロアパンやドアパネル等の所定の車両部位に所望
の騒音減衰特性を与えるために「調整する」ことができる。用語「調整する」とは、1ま
たは複数の周波数あるいは周波数帯域で騒音を減衰するように設定された特定の音響イン
ピーダンスを有するように複合体の一部を形成できることを意味している。また、本発明
の実施形態に係る騒音減衰複合体は、騒音減衰特性を犠牲にすることなく、従来の遮音材
料に比べて全体の重量を減らすことができる。
【0057】
以上の説明は、本発明の一例であって、本発明を制限するものであると解釈してはなら
ない。本発明の幾つかの典型的な実施形態を説明してきたが、当業者であれば容易に分か
るように、本発明の新規な教示内容および利点から大きく逸脱することなく、これらの典
型的な実施形態に対して多くの改良を施すことができる。したがって、そのような改良の
全ては、請求項に規定された本発明の範囲内に含まれるものである。このように、以上の
説明が本発明の単なる一例であって開示された特定の実施形態に限定されるものと解釈さ
れるべきではないことは言うまでもなく、また、開示された実施形態の改良および他の実
施形態が添付の請求項の範囲内に入るものであることも言うまでもない。本発明は、以下
の請求項によって規定され、請求項と等価なものも本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係る騒音減衰複合体の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る図1の騒音減衰複合体によって形成される車両の典型的な成形床仕上げ材アセンブリの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る図1の騒音減衰複合体を製造するための作業のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5mm以下の厚さに形成された減衰層と、
前記減衰層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、約70mm以下の
厚さに形成されたデカプラー層と、
前記デカプラー層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、マイクロデ
ニールの繊維材料を用いて約2mm以下の厚さに形成された第3の材料層と、
前記第3の材料層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられる多孔質室内
装飾材料と
を備え、
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも4,700Rayls、1,300Rayl
s、および950Raylsの音響インピーダンスを有している、車両内で使用するため
の騒音減衰複合体。
【請求項2】
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.13、0.55、および0.69の吸音
係数を有している、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項3】
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、および8.0dB
の音響透過損失を有している、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項4】
前記減衰層が瀝青質材料で形成されている、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項5】
前記デカプラー層が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されている、請
求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項6】
前記第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%の
ポリオレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項1の騒音減衰複合体。
【請求項7】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項8】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも41,000Rayl
s、7,000Rayls、および1,900Raylsの音響インピーダンスを有して
いる、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項9】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.00、0.001
、および0.13の吸音係数を有している、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項10】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも1.9dB、1.5d
B、および1.7dBの音響透過損失を有している、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項11】
前記第3の材料層がポリエチレンテレフタレートで形成されている、請求項1に記載の
騒音減衰複合体。
【請求項12】
前記第3の材料層が再生毛糸で形成されている、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項13】
前記多孔質室内装飾材料が多孔質カーペットであり、前記カーペットは、織物側および
反対の裏地側を備え、該裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層の表面に対して取
り付けられている、請求項1に記載の騒音減衰複合体。
【請求項14】
約5mm以下の厚さを有する減衰層と、
前記減衰層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられるとともに、約70
mm以下の厚さを有するデカプラー層と、
前記第2の材料層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、マイクロデ
ニールの繊維材料を含むとともに、約2mm以下の厚さを有する第3の材料層と、
前記第3の材料層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられる多孔質室内
装飾材料と
を備え、
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも4,700Rayls、1,300Rayl
s、および950Raylsの音響インピーダンスを有し、
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.13、0.55、および0.69の吸音
係数を有し、
100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,
000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、および8.0dB
の音響透過損失を有している、車両内で使用するための騒音減衰複合体。
【請求項15】
減衰材料が、アスファルト、天然高分子、合成高分子、およびこれらの混合物から成る
群から選択される材料を含んでいる、請求項14に記載の騒音減衰複合体。
【請求項16】
前記デカプラー層の材料が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されてい
る、請求項14に記載の騒音減衰複合体。
【請求項17】
第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%のポリ
オレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項14に記載の騒音減衰複合体

【請求項18】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項14に記載の騒音減衰複合体。
【請求項19】
前記多孔質室内装飾材料が多孔質カーペットであり、前記カーペットは、織物側および
反対の裏地側を備え、該裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層の表面に対して取
り付けられている、請求項14に記載の騒音減衰複合体。
【請求項20】
約5mm以下の厚さに形成された減衰層と、
前記減衰層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、約70mm以下の
厚さを有するデカプラー層と、
前記デカプラー層の材料の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、マイ
クロデニールの繊維材料を用いて約2mm以下の厚さに形成された第3の材料層と、
織物側および反対の裏地側を備え、該裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層の
表面に対して取り付けられる多孔質カーペットと
を備え、
複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500
Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも4,700Rayls、1,30
0Rayls、および950Raylsの音響インピーダンスを有している、騒音を減衰
する車両床仕上げ材。
【請求項21】
複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500
Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.13、0.55、および0.
69の吸音係数を有している、請求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項22】
複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500
Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、および
8.0dBの音響透過損失を有している、請求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項23】
前記減衰層が瀝青質材料で形成されている、請求項20の車両床仕上げ材。
【請求項24】
前記デカプラー層が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されている、請
求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項25】
前記第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%の
ポリオレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項20に記載の車両床仕上
げ材。
【請求項26】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項27】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも41,000Rayl
s、7,000Rayls、および1,900Raylsの音響インピーダンスを有して
いる、請求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項28】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.00、0.001
、および0.13の吸音係数を有している、請求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項29】
前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および
2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも1.9dB、1.5d
B、および1.7dBの音響透過損失を有している、請求項20に記載の車両床仕上げ材

【請求項30】
前記第3の材料層がポリエチレンテレフタレートで形成されている、請求項20に記載
の車両床仕上げ材。
【請求項31】
前記第3の材料層が再生毛糸で形成されている、請求項20に記載の車両床仕上げ材。
【請求項32】
約5mm以下の厚さに形成された減衰層と、
前記減衰層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、約70mm以下の
厚さに形成されたデカプラー層と、
前記デカプラー層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、マイクロデ
ニールの繊維材料を用いて約2mm以下の厚さに形成された第3の材料層と、
織物側および反対の裏地側を備え、前記裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層
の表面に対して取り付けられる多孔質カーペットと
を備え、
複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,500
Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも4,700Rayls、1,30
0Rayls、および950Raylsの音響インピーダンスを有し、
前記複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,5
00Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.13、0.55、および
0.69の吸音係数を有し、
前記複合体は、100〜400Hz、500〜2,000Hz、および2,500〜5
,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、および8.0d
Bの音響透過損失を有している、騒音を減衰する車両床仕上げ材。
【請求項33】
前記減衰層が瀝青質材料で形成されている、請求項32に記載の車両床仕上げ材。
【請求項34】
前記デカプラー層が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されている、請
求項32に記載の車両床仕上げ材。
【請求項35】
前記第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%の
ポリオレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項32に記載の車両床仕上
げ材。
【請求項36】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項32に記載の車両床仕上げ材。
【請求項37】
パネルと、
前記パネルの表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられるとともに、約5m
m以下の厚さに形成された減衰層と、
前記減衰層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、約70mm以下の
厚さに形成されたデカプラー層と、
前記デカプラー層の材料の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられ、マイ
クロデニールの繊維材料を用いて約2mm以下の厚さに形成された第3の材料層と、
前記第3の材料層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付けられる多孔質室内
装飾材料と
を備え、
前記減衰層、前記デカプラー層、および前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz
、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲
内で、少なくとも4,700Rayls、1,300Rayls、および950Rayl
sの組み合わせ音響インピーダンスを有している車両。
【請求項38】
前記減衰層、前記デカプラー層、および前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz
、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲
内で、少なくとも0.13、0.55、および0.69の組み合わせ吸音係数を有してい
る、請求項37に記載の車両。
【請求項39】
前記減衰層、前記デカプラー層、および前記第3の材料層は、100Hz〜400Hz
、500Hz〜2,000Hz、および2,500Hz〜5,000Hzの各周波数範囲
内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、および8.0dBの組み合わせ音響透過損失
を有している、請求項37に記載の車両。
【請求項40】
前記減衰層が瀝青質材料で形成されている、請求項37に記載の車両。
【請求項41】
前記デカプラー層が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されている、請
求項37に記載の車両。
【請求項42】
前記第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%の
ポリオレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項37に記載の車両。
【請求項43】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項37に記載の車両。
【請求項44】
前記多孔質室内装飾材料が多孔質カーペットであり、前記カーペットは、織物側および
反対の裏地側を備え、該裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層の表面に対して取
り付けられている、請求項37に記載の車両。
【請求項45】
前記第3の材料層がポリエチレンテレフタレートで形成されている、請求項37に記載
の車両。
【請求項46】
前記第3の材料層が再生毛糸で形成されている、請求項37に記載の車両。
【請求項47】
前記パネルがシートメタルを構成している、請求項37に記載の車両。
【請求項48】
騒音減衰複合体を形成する方法であって、
約5mm以下の厚さに形成された減衰層を設け、
約70mm以下の厚さに形成されたデカプラー層を、前記減衰層の表面に面を対向させ
て接触させた状態で取り付け、
マイクロデニールの繊維材料を用いて約2mm以下の厚さに形成された第3の材料層を
、前記デカプラー層の表面に面を対向させて接触させた状態で取り付け、
前記第3の材料層の表面に面を対向させて接触させた状態で多孔質室内装飾材料を取り
付け、
前記複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,5
00Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも4,700Rayls、1,
300Rayls、および950Raylsの音響インピーダンスを有し、
前記複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,5
00Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも0.13、0.55、および
0.69の吸音係数を有し、
前記複合体は、100Hz〜400Hz、500Hz〜2,000Hz、および2,5
00Hz〜5,000Hzの各周波数範囲内で、少なくとも7.3dB、6.6dB、お
よび8.0dBの音響透過損失を有する方法。
【請求項49】
前記減衰層が瀝青質材料で形成されている、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記デカプラー層が音響繊維充填物および/または音響発泡材料で形成されている、請
求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記第3の材料層は、少なくとも約70%のポリエステル繊維と少なくとも約10%の
ポリオレフィン繊維とから成る混合体で形成されている、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記第3の材料層が1,000g/m2〜1,500g/m2の密度を有している、請求
項48に記載の方法。
【請求項53】
前記多孔質室内装飾材料が多孔質カーペットであり、前記カーペットは、織物側および
反対の裏地側を備え、該裏地側は、対向して接触する前記第3の材料層の表面に対して取
り付けられている、請求項48に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−67383(P2009−67383A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259870(P2008−259870)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【分割の表示】特願2003−555007(P2003−555007)の分割
【原出願日】平成14年10月15日(2002.10.15)
【出願人】(508080115)インターナショナル オートモーティヴ コンポーネンツ グループ ノース アメリカ,インク. (3)
【Fターム(参考)】