説明

スタビライザ装置

【課題】 捩りトルクや曲げモーメントに対する剛性を高めることにより、安定的に制御できるようにする。
【解決手段】 ケーシング6の筒体7内に延長部支持部材18を設け、この延長部支持部材18によって第2のスタビライザバー3の延長部4の先端軸部4Bを支持して軸線O−O上に位置決めすることにより、延長部支持部材18は、基端軸部4Aを支持するアンギュラ玉軸受9との間で延長部4を両持ち状態で支持する構成としている。従って、捩りトルクや曲げモーメントが作用した状態でも、各ランププレート12,13を軸線O−Oで同軸度を保ったまま相対的に回転運動、直動運動させることができ、安定的な制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載され、車体のロール運動を抑制するのに好適なスタビライザ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、コーナリングなどの走行状態で、車体の姿勢を安定させるためにスタビライザ装置を備えているものがある。昨今では従前から開発されている油圧のスタビライザ装置の他に、搭載性に優れた電動スタビライザ装置の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−120175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スタビライザ装置は、走行時に車体の姿勢を安定させるものであるから、大きな捩りトルクや曲げモーメントが作用する。この場合、スタビライザ装置の剛性が不足すると安定的に制御できないから、これらの負荷に耐える剛性が必要になる。
【0005】
本発明の目的は、捩りトルクや曲げモーメントに対する剛性を高めることにより、安定的に制御できるようにしたスタビライザ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、第1のスタビライザバーと、第2のスタビライザバーと、該各スタビライザバーを連結してねじり剛性を調整する可変剛性部とからなり、前記可変剛性部は、前記第1のスタビライザバーに一端側が固定された筒状のケーシングと、該ケーシング内に挿入される前記第2のスタビライザバーの延長部と、前記ケーシング内の該延長部外周に設けられ、前記第1のスタビライザバーと第2のスタビライザバーとの相対回転に応じて直線運動する直動機構と、該直動機構の一端側に位置して前記ケーシング内の前記延長部外周に設けられ、直線運動を抑制する方向に該直動機構を付勢する付勢機構と、該付勢機構の一端側に位置して設けられ、前記ケーシング内で前記延長部を支持する延長部支持部材と、前記付勢機構の一端側に位置して前記ケーシング内に設けられ、軸方向に移動することにより前記付勢機構の付勢力を調整する付勢力調整機構と、該付勢力調整機構を動作させる駆動手段とを備え、前記延長部支持部材は軸方向に貫通する貫通部を有し、前記付勢力調整機構は該貫通部を部分的に貫通して前記付勢機構に向けて延びる構成としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、捩りトルクや曲げモーメントに対してスタビライザ装置の剛性を高めることができ、安定的に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態によるスタビライザ装置が適用された車両を模式的に示す全体構成図である。
【図2】本実施の形態によるスタビライザ装置の構造を示す縦断面図である。
【図3】図2に示すスタビライザ装置の分解斜視図である。
【図4】図3中の延長部支持部材とプランジャを示す分解斜視図である。
【図5】ケーシングと駆動装置を図2中の矢示V−V方向からみた断面図である。
【図6】ケーシングと駆動装置を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態によるスタビライザ装置を、図1ないし図6に従って詳細に説明する。
【0010】
図1はスタビライザ装置1を車両の前輪側と後輪側とに使用した場合の全体構成を示し、このスタビライザ装置1は、下記の構成を有することにより車両の横転防止、操縦安定性の向上、さらには乗り心地の向上を図るものである。
【0011】
即ち、車両が道路のコーナ部分等を走行するような状態で、車両にロール方向の慣性力が作用した場合に、車両の前,後に設けられたスタビライザ装置1は、後述する制御装置27からの制御信号に基づいてそれぞれ車両のロール運動を抑制するように動作し、これにより、車両の横転防止を図り、車両の操縦安定性や乗り心地を向上する。
【0012】
スタビライザ装置1は、長さ方向の中央部分が車両を構成する車体側にブッシュを介して回転可能に取付けられ、図1に示すように、両端側が左,右の車輪側にそれぞれ接続(連結)されている。そして、スタビライザ装置1は、図1、図2に示すように、軸方向の一側に配置される第1のスタビライザバー2と、軸方向の他側に配置される第2のスタビライザバー3と、第1,第2のスタビライザバー2,3の間を連結し、スタビライザバー2,3間の捩り剛性を調整する可変剛性部5とを備えている。
【0013】
車体の右側に配設された第1のスタビライザバー2は、柔軟性をもったばね鋼からなり、車体のレイアウト等に応じて図1に示す如く所望の形状に曲げられている。第1のスタビライザバー2の基端側は、可変剛性部5を介して第2のスタビライザバー3に連結され、先端側が右車輪側に接続されている。また、第1のスタビライザバー2の基端側は、図2に示すように後述するケーシング6と機械的に接続(連結)されている。
【0014】
車体の左側に配設された第2のスタビライザバー3は、第1のスタビライザバー2とほぼ同様に、柔軟性をもったばね鋼からなり、図1に示す如く、第1のスタビライザバー2とほぼ対称形状をなすように曲げられている。第2のスタビライザバー3は、その基端側が可変剛性部5を介して第1のスタビライザバー2に連結され、先端側が左車輪側に接続されている。
【0015】
また、第2のスタビライザバー3の基端部は、図2に示す如く、延長部4となって後述するケーシング6内に侵入している。この第2のスタビライザバー3の延長部4は、ケーシング6内の中心部(軸線O−O)を軸方向に延びた中空軸として形成され、基端軸部4Aがケーシング6に後述のアンギュラ玉軸受9を介して回転可能に支持されている。また、基端軸部4Aよりも先は先端軸部4Bとなり、該先端軸部4Bは、ケーシング6の長さ方向中間部まで延びている。ここで、延長部4の先端軸部4Bは、その先端が後述の延長部支持部材18によってケーシング6内の中心部に位置決めされた状態で回転可能に支持され、これにより、軸方向に延びた延長部4は、アンギュラ玉軸受9と延長部支持部材18によりケーシング6内に両持ち状態で支持することができる。
【0016】
さらに、延長部4の外周には、基端軸部4Aと先端軸部4Bとの間に位置して後述するボールアンドランプ機構11の回転側ランププレート12が一体的に設けられている。このボールアンドランプ機構11は、スタビライザバー2,3間の相対回転(捩り運動)を捩り剛性をもって互いに伝達するものである。
【0017】
第1,第2のスタビライザバー2,3は、図2に示す如く、軸線O−O上に配置され、車体側に対し軸線O−Oを中心にして捩られる方向に回動自在となるように支持されている。可変剛性部5は、第1,第2のスタビライザバー2,3の間を連結して設けられ、スタビライザバー2,3の間の捩り剛性を調整するものである。このため、可変剛性部5は、後述のケーシング6、ボールアンドランプ機構11、付勢機構17、延長部支持部材18、付勢力調整機構20、電動モータ26等により構成されている。
【0018】
可変剛性部5の外形をなすケーシング6は、第1,第2のスタビライザバー2,3間に亘って軸方向に延びる略円筒状の容器として形成されている。そして、ケーシング6は、高い剛性をもった金属材料等により形成され軸線O−Oに沿って軸方向(左,右方向)に延びた略有底円筒状の筒体7と、該筒体7の左側を閉塞した蓋体8と、後述のギヤケース10とを含んで構成されている。
【0019】
ここで、筒体7は、左側の開口部にフランジ部7Aを有し、右側が蓋部7Bによって閉塞されている。また、筒体7の蓋部7Bには、第1のスタビライザバー2の基端側が例えばスプライン結合等の回止め手段を用いて一体的に接続されている。これにより、ケーシング6は、第2のスタビライザバー3に対して相対回転するように、第1のスタビライザバー2と一体的に回動することができる。
【0020】
一方、筒体7の軸方向他側(図2中の左側)に位置する蓋体8は、高い剛性を有する金属材料等により段付円筒状に形成され、筒体7の左側端部を閉塞している。この蓋体8は、左側が閉塞された有底筒状をなし、右側の開口部にはフランジ部8Aが設けられ、該フランジ部8Aは、筒体7のフランジ部7Aと対面した状態で着脱可能にボルト止めされている。また、蓋体8の内周側には、後述する一対のアンギュラ玉軸受9が設けられ、該各軸受9によって第2のスタビライザバー3(延長部4)を回転可能に支持している。
【0021】
さらに、筒体7の外周側には、軸方向の右側寄りに位置してギヤケース10が設けられている。このギヤケース10は、図5、図6に示すように、軸線O−Oに直交する方向に延びた円筒体からなり、ギヤケース10内には、後述する減速機24のウォームギヤ24B、ベベルギヤ24C等が収容されている。また、ギヤケース10の長さ方向の中間部には、軸線O−Oとほぼ平行に右側に延びるモータ取付筒部10Aが設けられている。
【0022】
この場合、可変剛性部5のケーシング6は、ボールアンドランプ機構11や付勢機構17等を内部に収納するだけではなく、ケーシング6自体が捩り力、即ち捩りトルクを伝えるための伝達部材としても機能している。また、モータ取付筒部10Aによって後述する電動モータ26の一部を筒体7と並べて配置している。これにより、スタビライザ装置1をシンプルな構造に、また軸方向に小型化することができ、可変剛性部5のケーシング6は、構造の簡素化を図る上でも有効な構成を備えている。
【0023】
直動機構としてのボールアンドランプ機構11は、筒体7の軸方向他側となる左側寄りに位置してケーシング6内に収容されている。ボールアンドランプ機構11は、軸方向他側に位置してケーシング6と相対回転可能な回転側ランププレート12と、該回転側ランププレート12の軸方向一側に対向して筒体7内に設けられ、ケーシング6に対し回転方向に固定された直動側ランププレート13と、各ランププレート12,13間で相対的に転動するように移動可能に設けられた剛体からなるボール14とにより大略構成されている。なお、ボール14として球状体のものを図示しているが、各ランププレート12,13間で転動するものであれば、円錐ころなど他のものでもよい。
【0024】
ここで、ボールアンドランプ機構11は、第1のスタビライザバー2が接続(連結)されたケーシング6と第2のスタビライザバー3との相対回転運動に応じて軸線O−Oに沿った軸方向(図2中の矢示A,B方向)に直線運動するものである。そして、ボールアンドランプ機構11は、後述するランプ溝12A,13Bの形状に従ってトルクの伝達係数が調整され、これによりスタビライザ装置1は、その捩り剛性が調整されるものである。
【0025】
即ち、ボールアンドランプ機構11は、第2のスタビライザバー3とケーシング6とが相対回転したときの角度によって、直動側ランププレート13の軸方向のストロークを変化させることができる。その際、ランプ溝12A,13Bの形状により相対回転角度に対するストローク量を調整することができる。また、直動側ランププレート13のストローク量により付勢機構17の反力が決まり、それが可変剛性部5の捩りトルクとなる。その際、ランプ溝のリード角の設定によりトルクを調整することができる。
【0026】
回転側ランププレート12は、図3に示すように、例えば第2のスタビライザバー3の延長部4の外周側に三つ葉状に形成され、その内周側が延長部4に一体的に接合されている。
【0027】
直動側ランププレート13の内周側には、軸方向の一側に延びる案内筒部13Aが設けられ、該案内筒部13Aの内周面は、後述するすべり軸受16を介して延長部4の先端軸部4Bに回転自在に支持されている。また、案内筒部13Aの内周面は、すべり軸受16に対し十分に小さな隙間をもって摺接するようになっており、直動側ランププレート13は、回転側ランププレート12と平行に対面した状態を維持しつつ、軸方向に移動することができる。また、案内筒部13Aは、後述する付勢機構17からの付勢力(推力)が直動側ランププレート13に安定して作用するように該付勢機構17を内周側から案内している。
【0028】
ここで、直動側ランププレート13は、内周側の案内筒部13Aが延長部4の外周にすべり軸受16を介して支持されている。また、直動側ランププレート13の外周側は、後述する直動ガイド15を有し回転方向を拘束しているが、軸方向の移動に対しては拘束していない。これにより、直動側ランププレート13は、内周側のすべり軸受16により延長部4に沿って軸方向に円滑に移動することができる。
【0029】
回転側ランププレート12と直動側ランププレート13には、後述の付勢機構17による推力が作用しており、この推力によってボール14は、回転側ランププレート12と直動側ランププレート13にそれぞれ形成されたランプ溝12A,13Bに押付けられる。そして、ボールアンドランプ機構11は、前記推力とランプ溝12A,13Bの形状とに基づきトルクを伝達する。
【0030】
回転側ランププレート12の右端面(表面)には、ランプ溝12Aが円周方向に延びて複数個(例えば3個)設けられている(1個のみ図示)。ここで、各ランプ溝12Aは、例えば周方向で円弧状に湾曲して形成されている。そして、各ランプ溝12Aは、長さ方向の中央部が最深部となり、この最深部から両端側に向けて所望の曲率で浅くなる円弧状溝として形成されている。
【0031】
また、回転側ランププレート12に対面する直動側ランププレート13の左端面(表面)には、ランプ溝13Bが3個設けられている。この3個のランプ溝13Bは、ランプ溝12Aとほぼ同様に、円弧状に湾曲して形成され、長さ方向の中央部が最深部となり、この最深部から両端側に向けて浅くなる円弧状溝として形成されている。
【0032】
各ランプ溝12A,13Bは、その溝形状(湾曲形状)に従って車両の乗り心地を調整することができる。即ち、回転側ランププレート12と直動側ランププレート13との間の捩れ角が小さい範囲では、後述する付勢機構17の付勢力を小さくし、車両の乗り心地に影響を与えないことが望まれ、捩れ角が大きい範囲では付勢機構17の付勢力を大きくし旋回時のロールを抑えることが望まれている。
【0033】
このような要求を実現するため、回転側ランププレート12と直動側ランププレート13との間の捩れ角が小さい範囲では、捩りトルクがほとんど発生しないよう曲率半径が大きい円弧状とし、捩れ角が大きい範囲に入ったらトルクが発生するように曲率半径を小さくするといった非線形な特性を溝の形状により調整することができる。また、曲線と直線を組みあわせる等、所望の特性に合わせてランプ溝12A,13Bの溝形状、プロフィールを決めればよい。
【0034】
回転側ランププレート12と直動側ランププレート13とに挟まれた3個のボール14は、各ランプ溝12A,13B間に収められている。また、各ボール14は、各ランプ溝12A,13B間に収められた状態で第1,第2のランププレート12,13が互いに当接したり、干渉したりしないような直径寸法をもった金属球等により形成されている。
【0035】
さらに、直動側ランププレート13の外周側には、図2、図3に示すように、各ランプ溝13B間に位置して3個のガイド溝13Cが半径方向に延びて形成され、該各ガイド溝13Cには、転がり直動ガイド15が配置されている。この3個の転がり直動ガイド15は、直動側ランププレート13がケーシング6に対して相対回転するのを規制し、筒体7の軸方向に相対変位(直動)するのを許すものである。
【0036】
そして、転がり直動ガイド15は、ガイド溝13Cの溝底側に挿嵌された内側ガイド片15Aと、該内側ガイド片15Aと半径方向で対向するようにガイド溝13C内に軸方向に移動可能に配置された外側ガイド片15Bと、各ガイド片15A,15B間に軸方向に転動可能に設けられた球体15Cとにより大略構成されている。また、外側ガイド片15Bは、筒体7の内周面にボルト止め、圧入、溶接等の手段を用いて接合されている。
【0037】
これにより、各転がり直動ガイド15は、直動側ランププレート13側に固定された内側ガイド片15Aとケーシング6側に固定された外側ガイド片15Bとの間で球体15Cを転動させることにより、ケーシング6と直動側ランププレート13との相対回転を規制しつつ、ケーシング6に対して直動側ランププレート13を軸方向に円滑に移動させることができる。
【0038】
また、第2のスタビライザバー3の延長部4には、先端軸部4B外周を覆うようにすべり軸受16が設けられている。このすべり軸受16は、ケーシング6に対して直動側ランププレート13を軸方向に円滑に移動させるもので、案内筒部13Aの内周面に対し、がたつかないように十分に小さな隙間をもってすべり接触するようになっている。
【0039】
そして、このように構成された直動機構としてのボールアンドランプ機構11は、後述する付勢機構17の付勢力を用いて回転側ランププレート12と直動側ランププレート13とを互いに接近する方向に押付けることにより、通常はボール14が両者のランプ溝12A,13Bの最深部に配置される。これによって、第1のスタビライザバー2と第2のスタビライザバー3とは、付勢機構17の付勢力で常に初期角度(車両が左,右方向で傾斜してない角度)になるように付勢される。
【0040】
一方、第1のスタビライザバー2(ケーシング6)と第2のスタビライザバー3とが軸線O−Oを中心にして相対回転した場合には、ランプ溝12Aとランプ溝13Bとが周方向で相対的に位置ずれするから、各ボール14は、各ランプ溝12A,13Bの中央部から端部側に移動する。これにより、各ランププレート12,13は、各ランプ溝12A,13Bの傾斜に従って互いに軸方向に離間する方向に変位する。このため、ランプ溝13Bをランプ溝12Aに向け押付けている付勢機構17の付勢力は大きくなり、このときの捩り剛性を大きくすることができる。
【0041】
直動側ランププレート13の右側に位置して筒体7内に付勢機構17が設けられている。この付勢機構17は、ボールアンドランプ機構11の一端側となる軸方向の右側に位置して第2のスタビライザバー3の延長部4外周に設けられている。付勢機構17は、直動側ランププレート13の直線運動を抑制する方向に該直動側ランププレート13を付勢するもので、回転側ランププレート12に向けて直動側ランププレート13を押付ける押付力を発生する弾性部材により構成されている。
【0042】
即ち、付勢機構17を構成する弾性部材には、図2に示すように、複数枚(例えば7枚)の皿ばねを互い違いに重ね合わせて配置したものが用いられている。皿ばねを連ねてなる付勢機構17は、その一端側が直動側ランププレート13に当接し、他端側が後述のプランジャ21に当接するように配置されている。そして、付勢機構17は、ボールアンドランプ機構11の直動側ランププレート13に対し矢示A方向の付勢力(推力)を与えるものである。
【0043】
付勢機構17の一端側となる右側に位置して筒体7内に延長部支持部材18が設けられている。この延長部支持部材18は、ケーシング6を構成する筒体7の中心部(軸線O−O)に第2のスタビライザバー3の延長部4を支持するものである。また、延長部支持部材18は、図2、図4に示すように、小径な有底円筒状の支持筒18Aと、該支持筒18Aの周方向の3箇所に位置して外周面から突出した扇状突起18Bと、該各扇状突起18Bの外周面から径方向の外向きに延びた脚部18Cとにより大略構成されている。
【0044】
延長部支持部材18を構成する支持筒18A内には、延長部4の先端軸部4Bがすべり軸受16を介して回転自在に挿嵌されている。一方、半径方向に延びた3本の脚部18Cの先端は、筒体7の内周面にボルト止め、圧入、溶接等の手段を用いて接合されている。これにより、延長部支持部材18は、延長部4の先端軸部4Bを軸線O−Oの位置で回転可能に支持することができ、基端軸部4Aを支持するアンギュラ玉軸受9との間で延長部4を両持ち状態で支持することができる。また、支持筒18A内には玉軸受19が設けられ、延長部支持部材18は、玉軸受19を介して後述するねじ部材22の小径部22Aを軸線O−O上で回転可能に支持している。
【0045】
さらに、延長部支持部材18は、隣合う扇状突起18B、脚部18Cの間が軸方向に貫通した貫通部18Dとなり、該貫通部18Dには、後述する付勢力調整機構20を構成するプランジャ21の押し爪21Bを貫通させる構成としている。この場合には、貫通部18Dの内周側に位置する各扇状突起18B間の扇状空間18D1に、前記押し爪21Bの円弧状部21B1をがたつかない程度の僅かな隙間をもって配置することにより、前記押し爪21Bを扇状空間18D1に沿って軸方向だけに移動させることができる。即ち、ケーシング6に固定された延長部支持部材18は、プランジャ21の軸方向の移動を許可しつつ、各扇状突起18Bがプランジャ21の回転を規制する回止め部材として機能している。
【0046】
付勢機構17の一端側となる右側に位置して筒体7内に付勢力調整機構20が設けられ、該付勢力調整機構20は、軸方向(矢示A,B方向)に移動することにより付勢機構17の付勢力を調整するものである。この付勢力調整機構20は、各押し爪21Bが延長部4の外周に配置されている。また、付勢力調整機構20は、例えば付勢機構17の伸縮方向に任意の大きさのセット荷重を付与するものである。ここで、付勢力調整機構20は、筒体7内を軸方向に移動可能なプランジャ21、ねじ部材22等により構成されている。
【0047】
プランジャ21は、図4に示すように、ベースとなる円板部21Aを有し、この円板部21Aの表面(左側面)には、延長部支持部材18の貫通部18Dを部分的に貫通して付勢機構17に向けて延びる3個の押し爪21Bが設けられている。3個の押し爪21Bは、延長部支持部材18の貫通部18Dを軸方向に貫通するもので、該貫通部18Dに対応するように突設されている。また、各押し爪21Bは、延長部支持部材18の支持筒18Aを取囲むように貫通部18Dの扇状空間18D1に挿通される円弧状部21B1と、該円弧状部21B1の外周面から径方向の外側に延びた放射状部21B2とにより略T字状ないしY字状に形成されている。円弧状部21B1と放射状部21B2とからT字状ないしY字状に形成した押し爪21Bは、それぞれ薄板状に形成した場合でも、立体的な構造により高い強度を得ることができ、高剛性化と軽量化の両方をなすことができる。
【0048】
そして、プランジャ21は、各押し爪21Bが直動側ランププレート13との間で付勢機構17をプリセット状態(セット荷重を付与した状態)で挟むように、直動側ランププレート13に軸方向で対向して設けられている。また、プランジャ21は、各押し爪21Bを延長部支持部材18の貫通部18Dに貫通させ、各扇状突起18B間に各押し爪21Bの円弧状部21B1を配置することにより、軸方向移動が許可されつつ、回転が規制されている。
【0049】
さらに、円板部21Aの中心部にはねじ孔21Cが設けられ、該ねじ孔21Cは、例えば台形ねじとして形成されている。そして、プランジャ21のねじ孔21Cは、後述するねじ部材22の雄ねじ22Cと共に、後述の電動モータ26による回転運動をプランジャ21の直線運動に変換するねじ機構を構成している。
【0050】
プランジャ21の内周側から軸方向に延びたねじ部材22は、中空な段付軸として形成され、軸線O−Oを中心として回転するものである。即ち、ねじ部材22は、左側の小径部22Aと右側の大径部22Bとからなり、小径部22Aの先端が延長部支持部材18に対し玉軸受19を介して回転可能に支持され、大径部22Bの先端が筒体7の蓋部7Bにスラスト玉軸受23を介して回転可能に支持されている。
【0051】
ねじ部材22の小径部22Aの外周側には、プランジャ21のねじ孔21Cに螺合する台形ねじからなる雄ねじ22Cが形成され、該雄ねじ22Cは、ねじ孔21Cと一緒にプランジャ21を軸方向に変位させるねじ機構を構成している。また、大径部22Bの外周側には、後述する減速機24のウォームホイール24Aが一体的に設けられている。
【0052】
ここで、ねじ部材22は、大径部22Bが筒体7の蓋部7B内にスラスト玉軸受23を介して回転可能に支持されているから、ねじ部材22に作用する軸方向のスラスト荷重は、このスラスト玉軸受23を介して筒部7により受承することができ、後述の電動モータ26にスラスト荷重が作用するのを抑える構成となっている。
【0053】
また、プランジャ21は、台形ねじからなるねじ孔21Cと雄ねじ22Cを介してねじ部材22に螺合しているため、電動モータ26を用いてねじ部材22を回転駆動しない限りは、図2中の矢示A,B方向のいずれにも変位することはなく、付勢機構17の付勢力によってプランジャ21が軸方向に動くことはない。
【0054】
このように構成された付勢力調整機構20は、電動モータ26によってねじ部材22を正,逆方向に回転駆動し、プランジャ21の各押し爪21Bを直動側ランププレート13に接近させる図2中の矢示A方向と、該直動側ランププレート13から離間させる矢示B方向とに直線的に変位させる。これにより、付勢機構17は、直動側ランププレート13とプランジャ21の各押し爪21Bとの間で軸方向に撓み変形し、両者の間隔(離間寸法)に応じてボールアンドランプ機構11に対する付勢力、即ちばね荷重が可変に調整される。
【0055】
従って、付勢力調整機構20は、電動モータ26によりねじ部材22を回転駆動してプランジャ21を軸方向に変位させ、ボールアンドランプ機構11に対する付勢機構17の付勢力を調整する。これにより、スタビライザ装置1は、各スタビライザバー2,3間の捩れ角に対する捩り剛性としての捩りトルクを、車両の直進走行時、コーナリング走行時等の走行状態に応じてソフトからハードまで可変に調整することができる。
【0056】
ギヤケース10の位置に設けられた減速機24は、ねじ部材22の外周側に一体的に設けられたウォームホイール24Aと、図5、図6に示すように、該ウォームホイール24Aの接線方向を軸線としてギヤケース10内に設けられ該ウォームホイール24Aに噛合したウォームギヤ24Bと、該ウォームギヤ24Bと一体的に回転する従動側ベベルギヤ24Cとにより大略構成されている。また、ウォームギヤ24Bと従動側ベベルギヤ24Cは、ギヤケース10内にアンギュラ玉軸受25を介して回転可能に支持された回転軸24Dに回転不能に取付けられている。この減速機24は、ウォームギヤ24Bの回転をウォームホイール24Aで減速し、ねじ部材18を回転させるものである。
【0057】
減速機24を回転駆動する電動モータ26は、図6に示すように、モータ取付筒部10Aに取付けられ、駆動軸26Aの先端に従動側ベベルギヤ24Cと噛合する駆動側ベベルギヤ26Bが取付けられている。この電動モータ26は、減速機24を介してねじ部材22を軽い力で回転駆動できるから、小型のモータを用いることができる。また、電動モータ26は、制御装置27に電気的に接続され、該制御装置27によって回転数等が制御されている。
【0058】
この電動モータ26は、各スタビライザバー2,3間で大きなトルクを伝達する部位、付勢機構17による大きな軸力が作用する部位から離れた位置に配置しているから、雨水、飛石等から内部を保護できる程度の強度を有していればよく、軽量なケース等を用いることができる。
【0059】
本実施の形態によるスタビライザ装置1は、上述のように構成されるもので、次に、その作動について説明する。
【0060】
まず、車両が直進している場合には、車体がロールすることはほとんどない。このために、スタビライザ装置1に求められる捩り剛性は小さく、各スタビライザバー2,3は比較的容易に独立して回動することができる。これにより、例えば直進走行時に一方の車輪が凹部に落ちることがあっても、この一方の車輪だけをストロークさせることができ、安定した走行姿勢を得ることができる。
【0061】
即ち、ステアリング角、アクセル開度、ブレーキの操作状況、横加速度等の情報を基にして走行状況を判断し、直進走行していると判断した場合には、電動モータ26によってねじ部材22を任意の方向に回転させ、直動側ランププレート13とプランジャ21の押し爪21Bとを例えば付勢機構17によるアキシアル荷重が発生する範囲内で離間させる。これにより、付勢機構17に付加される初期荷重が小さくなるから、第1のスタビライザバー2と第2のスタビライザバー3とを相対回転させるのに必要な捩り力となる捩りトルクも小さくなる。従って、スタビライザ装置1の捩り剛性を小さくできるから、左,右の車輪は、路面の凹凸に合わせて独立してストロークすることができ、良好な乗り心地を得ることができる。
【0062】
次に、ステアリングを操作して道路のコーナ部分等を走行する場合には、外側へのロールを抑える必要がある。そこで、スタビライザ装置1は、電動モータ26によってねじ部材22を先程とは逆方向に回転させ、直動側ランププレート13とプランジャ21の押し爪部21Bとの離間寸法を小さくして接近させる。これにより、付勢機構17に付加される初期荷重が大きくなるから、第1のスタビライザバー2と第2のスタビライザバー3とを相対回転させるのに必要な捩り力も大きくなる。従って、スタビライザ装置1は、各スタビライザバー2,3間の捩り剛性を高めることで、車体が外側にロールするのを抑えることができ、コーナリング時の走行姿勢を安定させることができる。
【0063】
このコーナリング時の制御では、左コーナを走行する場合、右コーナを走行する場合のいずれでも、付勢力調整機構20によって付勢機構17の初期荷重を大きくすることになる。これにより、山道を走行する場合、スラローム走行を行う場合のように、左コーナと右コーナとが交互に続く場合でも、各スタビライザバー2,3間の捩り剛性を一度高めた後には、速度やコーナの大きさに応じて微調整するだけでよく、電動モータ26の頻繁な駆動を防止することができる。
【0064】
また、第2のスタビライザバー3の基端側を延長してケーシング6内を延びる延長部4には、純粋な回転方向の応力以外にも、この延長部を曲げようとする曲げ応力も作用する。
【0065】
然るに、本実施の形態によれば、ケーシング6の筒体7内に延長部支持部材18を設け、この延長部支持部材18によって延長部4の先端軸部4Bを支持して軸線O−O上に位置決めすることにより、延長部支持部材18は、基端軸部4Aを支持するアンギュラ玉軸受9との間で延長部4を両持ち状態で支持することができる。
【0066】
従って、第2のスタビライザバー3の延長部4は、前述した両持ち構造によって筒体7の軸線O−Oに位置決めでき、曲げ応力等に抗して規定された位置で回転させることができる。また、延長部4に設けた回転側ランププレート12に対面する直動側ランププレート13は、その案内筒部13A内を先端軸部4Bの外周側にすべり軸受16を介して摺動支持することにより、対面する各ランププレート12,13を平行状態に保つことができる。これにより、ケーシング6の筒体7と回転側ランププレート12(延長部4)と直動側ランププレート13とが相対的に傾くような事態を未然に防ぐことができ、各ランププレート12,13を軸線O−Oで同軸に回転させることができる。
【0067】
この結果、各ランププレート12,13は、同軸度を保ったまま相対的に回転運動、直動運動することができるから、走行状態に対応するための要求特性を正確に得ることができる。これにより、スタビライザ装置1は、捩りトルクや曲げモーメントに対する剛性を高めることができ、安定的に制御することができる。
【0068】
また、アンギュラ玉軸受9と延長部支持部材18により延長部4を両持ち状態で支持しているから、アンギュラ玉軸受9に加わる曲げモーメントを低減することができ、アンギュラ玉軸受9の小型化や長寿命化を図ることができる。
【0069】
また、延長部支持部材18は、3個の扇状突起18B、脚部18Cの間を軸方向に貫通した貫通部18Dとし、該貫通部18Dに付勢力調整機構20を構成するプランジャ21の押し爪21Bを貫通させる構成としている。このように、貫通部18Dに押し爪21Bを貫通させることにより、延長部支持部材18をプランジャ21の回止め部材として利用することができ、回止め用のキー等を省略することができる。
【0070】
一方、ボールアンドランプ機構11の直動側ランププレート13は、内周側の案内筒部13Aを延長部4の外周にすべり軸受16を介して支持させ、外周側がケーシング6の筒体7に対して直動方向に非拘束状態、即ち、干渉しないように隙間を設ける構成としている。これにより、直動側ランププレート13をすべり軸受16を介して円滑に直動させることができ、直動側ランププレート13はすべり軸受16を介して延長部4に支持されているため、ケーシング6に対する直動側ランププレート13の傾きを抑えることができ、所望の要求特性を得ることができる。
【0071】
また、減速機24には、減速比が大きなウォームホイール24A、ウォームギヤ24B等を用いているから、電動モータ26は、軽い力でねじ部材22を回転駆動することができる。従って、電動モータ26には、小型のモータを用いることができ、可変剛性部5を小型化、軽量化することができる。また、遊星歯車減速装置等に比較して部品点数を大幅に削減することができ、小型化等に加え、組立作業性等を向上することができる。
【0072】
さらに、電動モータ26は、ウォームホイール24A、ウォームギヤ24B等を用いた減速機24により、筒体6の外周側に配置している。従って、電動モータ26は、各スタビライザバー2,3間で大きなトルクを伝達する部位、付勢機構17による大きな軸力が作用する部位から離れた位置に配置することができる。この結果、電動モータ26および周囲のカバー等は、雨水、飛石等から内部を保護できる程度の強度を有していればよく、軽量なケース等を用いることができる。この点でも、小型化、軽量化、低コスト化等を図ることができる。
【0073】
なお、実施の形態では、各ランププレート12,13にそれぞれ3個のランプ溝12A,13Bを設け、該各ランプ溝12A,13Bに3個のボール14を収容した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばランプ溝12A,13Bを2個または4個以上設け、ボール14を2個または4個以上設ける構成としてもよい。また、ボール14に代えて円錐ころ等を用いる構成としてもよい。
【0074】
また、実施の形態では、付勢機構17を複数枚の皿ばねにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばコイルばね等の他の弾性体を皿ばねに代えて用いる構成としてもよい。
【0075】
一方、実施の形態では、ねじ部材22と電動モータ26との間に、ウォームホイール24A、ウォームギヤ24B等からなるウォームギヤ式の減速機24を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばウォームギヤ式の減速機24に代えて、遊星歯車式の減速機等を用いる構成としてもよい。
【0076】
また、実施の形態では、電動モータ26をケーシング6(軸線O−O)と平行となるように配置した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば軸線O−Oと直交する方向に電動モータを配置し、この電動モータによってウォームギヤを直接的に回転駆動する構成としてもよい。この場合には、ベベルギヤを省略することができる。
【0077】
さらに、実施の形態では、アンギュラ玉軸受9,25、すべり軸受16、玉軸受19、スラスト玉軸受23を使用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限ることなく、これらの軸受に代えて、同様の機能をもった他の軸受を組み合わせて使用する構成としてもよい。
【0078】
次に、上記の実施の形態に含まれる発明について述べる。直動機構は、内周側が延長部の外周に軸受を介して支持されている。これにより、直動機構を軸受を介して円滑に直動させることができ、直動機構は軸受を介して延長部に支持されているため、ケーシングに対する直動機構の傾きを抑えることができ、所望の要求特性を得ることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 スタビライザ装置
2 第1のスタビライザバー
3 第2のスタビライザバー
4 延長部
5 可変剛性部
6 ケーシング
7 筒体
8 蓋体
11 ボールアンドランプ機構(直動機構)
12 回転側ランププレート
13 直動側ランププレート
14 ボール
16 すべり軸受
17 付勢機構
18 延長部支持部材
18A 支持筒
18B 扇状突起
18C 脚部
18D 貫通部
20 付勢力調整機構
21 プランジャ
21B 押し爪(部分)
22 ねじ部材
26 電動モータ(駆動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のスタビライザバーと、第2のスタビライザバーと、該各スタビライザバーを連結してねじり剛性を調整する可変剛性部とからなり、
前記可変剛性部は、
前記第1のスタビライザバーに一端側が固定された筒状のケーシングと、
該ケーシング内に挿入される前記第2のスタビライザバーの延長部と、
前記ケーシング内の該延長部外周に設けられ、前記第1のスタビライザバーと第2のスタビライザバーとの相対回転に応じて直線運動する直動機構と、
該直動機構の一端側に位置して前記ケーシング内の前記延長部外周に設けられ、直線運動を抑制する方向に該直動機構を付勢する付勢機構と、
該付勢機構の一端側に位置して設けられ、前記ケーシング内で前記延長部を支持する延長部支持部材と、
前記付勢機構の一端側に位置して前記ケーシング内に設けられ、軸方向に移動することにより前記付勢機構の付勢力を調整する付勢力調整機構と、
該付勢力調整機構を動作させる駆動手段とを備え、
前記延長部支持部材は軸方向に貫通する貫通部を有し、前記付勢力調整機構は該貫通部を部分的に貫通して前記付勢機構に向けて延びる構成としてなるスタビライザ装置。
【請求項2】
前記直動機構は、内周側が前記延長部の外周に軸受を介して支持されてなる請求項1に記載のスタビライザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230680(P2011−230680A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103638(P2010−103638)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】