説明

タイヤトレッドゴムの長さの測定装置

【課題】タイヤトレッドゴムの長さを高精度で測定する。
【解決手段】トレッドゴムの前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、トレッドゴム長さに対応する寸法を離して位置させ後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、前端面の通過を検知すると第1、第2撮影手段に同期したトリガー信号を送信する検知手段と、前端、後端面に光を照射し、前端、後端面の各傾斜面と上端エッジとを識別化させる第1、第2照明手段と、前端、後端画像とを取り込み、第1撮影手段の基準ラインと前端画像のエッジとの距離と、第2撮影手段の基準ラインと後端画像のエッジとの距離とを、基準ライン間の距離に加えてトレッドゴム長さを求める演算処理手段と、トレッドゴム長さを表示する表示手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤトレッドゴムの長さの測定装置に関し、詳しくは、前後両端面が傾斜されて切断されたタイヤトレッドゴムの長さを幅方向全長にわたって精度良く測定するものである。
【背景技術】
【0002】
タイヤトレッドゴムは、貼り付ける成形ドラムの外径に応じて所定長さに切断され、その前端面と後端面とが傾斜面とされた長尺シート状のゴムであり、前記タイヤトレッドゴムの長さを正確に測定することはタイヤのユニフォーミティを向上させるためにも重要である。
例えば、特開平6−323817号公報(特許文献1)では、図7(A)〜(C)に示すように、投光器6からスリット光Sをタイヤトレッドゴム1の下端エッジ2に交差するように投光して撮影された下端エッジ2を挟んだ下面3と傾斜面4の映像を画像処理装置5に取り込み、スリット光Sの傾斜変曲点Saを下端エッジ2と判断して傾斜変曲点Saとシャッターカメラ7の基準位置との距離aを算出し、タイヤトレッドゴム1の長さLを数式:L=a+b+cから求めている(b:予めインプットされた後端検出器からシャッターカメラ7の基準位置までの距離、c:オフセット距離)。
【0003】
しかし、タイヤトレッドゴムの前後端面は完全な傾斜した平面ではなく曲面となりやすい。よって、特許文献1のように、スリット光Sの傾斜変曲点Saを下端エッジ2としてピンポイントで検出する場合、スリット光Sを照射する位置によって傾斜変曲点Saとして検出される下端エッジ2とシャッターカメラ7の基準位置との距離aが変動し、結果的に得られるタイヤトレッドゴム1の長さLの値もばらついて、高精度なトレッドゴム長さの測定が難しいという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開平6−323817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、タイヤトレッドゴムの長さを高精度で測定することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、所要長さに切断され、切断された前端面と後端面とが傾斜面とされている長尺シート状のタイヤトレッドゴムをコンベアに水平に載置して搬送する過程で、該タイヤトレッドゴムの長さを測定する装置であって、
前記コンベアの上方に固定して、前記前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、該第1撮影手段から搬送方向の上流側で且つ前記タイヤトレッドゴムの長さに対応する寸法を離して位置させ、前記後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、
前記第1撮影手段と第2撮影手段の間で且つ第1撮影手段に近接した位置に配置し、前記タイヤトレッドゴムの搬送方向の先端側となる前端面の通過を検知すると、前記第1、第2撮影手段にシャッター開始の同期トリガー信号を送信する検知手段と、
前記第1、第2撮影手段で上方からの撮影時に、前記タイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射し、前端面および後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させる第1照明手段と第2照明手段と、
前記第1、第2撮影手段で撮影されたタイヤトレッドゴムの前端画像と後端画像とを取り込み、前記第1撮影手段の設置位置の基準ラインと前記前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、前記第2撮影手段の設置位置の基準ラインと前記後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、前記第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求める演算処理手段と、該演算処理手段で求めたタイヤトレッドゴムの長さを表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とするタイヤトレッドゴムの長さの測定装置を提供している。
【0007】
前記構成によれば、幅方向の全長にわたって撮影できる第1撮影手段および第2撮影手段によって、搬送過程のタイヤトレッドゴムの前端面と後端面を同時に撮影することができるため、撮影した前端画像および後端画像より、第1撮影手段の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)および第2撮影手段の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)を算出し、各距離(L1、L2)を第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加える演算をするだけで、タイヤトレッドゴムの長さを容易に求めることができる。
特に、本発明においては、撮影時に、第1照明手段および第2照明手段によって前端面および後端面の各斜面と上端エッジとを幅方向の全長にわたって鮮明に識別化しているため、撮影された前端画像および後端画像において、上端エッジを幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することができる。したがって、エッジをピンポイントで検出していた従来の測定に比べて上端エッジの検出ポイントが大幅に増大する分、例えば平均距離をとるなどして、第1撮影手段設定位置の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)および第2撮影手段設定位置の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)を高精度に算出でき、よって、タイヤトレッドゴムの長さも高精度に算出できる。
【0008】
なお、本発明における「上端エッジ」とは、タイヤトレッドゴム前端面および後端面のエッジのうち、コンベアに載置したタイヤトレッドゴムの上面と切断された傾斜面とのの境界をなすエッジのことを意味している。
また、第1撮影手段の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、第2撮影手段の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求めるということは、具体的には、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置していない場合のL1、L2を正の値とし、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置している場合のL1、L2を負の値で表す場合に、タイヤトレッドの長さLを数式:L=L3+L1+L2(L3:基準ライン間の距離)により算出できることを意味している。したがって、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置していない場合のL1、L2を負の値とし、前端画像の上端エッジ、後端画像の上端エッジが基準ライン間に位置している場合のL1、L2を正の値で表す場合には、タイヤトレッドの長さLを数式:L=L3−L1−L2で算出できることも同時に意味している。
【0009】
具体的には、前記のように、コンベアの上方に固定した第1撮影手段から搬送方向の上流側で且つタイヤトレッドゴムの長さに対応する寸法を離して第2撮影手段を位置させているため、搬送過程のタイヤトレッドゴムの前端面が第1撮影手段の視野範囲内に入ったときに前記タイヤトレッドゴムの後端面は第2撮影手段の視野範囲内に入った状態となる。したがって、搬送過程のタイヤトレッドゴムの前端面および後端面を、前記第1撮影手段および第2撮影手段が同時に撮影することが可能となる。
また、撮影にあたっては、前記のように、タイヤトレッドゴムの前端面の通過を検知すると第1、第2撮影手段に同期したシャッター開始のトリガー信号を送信する検知手段を設けているため、前記トリガー信号を受信した第1撮影手段および第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの前端面および後端面を確実に捉えて同時に撮影することができる。
なお、撮影時にタイヤトレッドゴムの前端面および後端面が第1、第2撮影手段の基準ライン前後50mm程度の範囲内に位置するように、タイミングをとってトリガー信号が送信されることが好ましい。
【0010】
また、前記のように、撮影時にタイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射し、前端面と後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させる前記第1照明手段および第2照明手段を設けているが、前記第1、第2照明手段は、タイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射した際に、幅方向全長にわたる前記上端エッジが明暗の境界線として鮮明化されるように配置され照射されることが好ましい。
【0011】
前記のように、第1、第2照明手段によって前端面と後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させ、撮影された前端画像および後端画像において、上端エッジを幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することにより、図2(B)に示すように、タイヤトレッドゴムがコンベアの進行方向(矢印方向)に対して斜め方向に傾いて搬送されている場合でも、その傾斜角度θからタイヤトレッドゴムの長さを補正して、タイヤトレッドゴムの長さLを高精度に算出することも可能となる(数式1参照)。
【0012】
【数1】

【0013】
前記第1、第2撮影手段はデジタルまたはアナログのカメラからなり、前記第1撮影手段の基準ラインおよび第2撮影手段の基準ラインは、各撮影手段のカメラの視野中心となるラインとし、かつ、
前記検知手段は透過型の光電管からなり、
前記第1、第2照明手段はLEDバー照明からなり、
前記第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置していることが好ましい。
【0014】
前記のように、第1、第2撮影手段はデジタルまたはアナログのシャッターカメラから構成することが好ましく、特に、上端エッジを鮮明に検出し、良好な処理速度で高精度の距離測定が可能となるように、100万画素〜300万画素CCDを用いた高解像度のカメラを用いることが好ましい。また、第1、第2撮影手段のカメラの撮影範囲(コンベア上でのカメラの視野)は幅300mm〜400mm×長さ400mm〜500mm程度となることが好ましい。
【0015】
さらに、前記のように、第1撮影手段の基準ラインおよび第2撮影手段の基準ラインを、各撮影手段のカメラの視野中心となるラインとすることにより、前記基準ラインを基準にタイミングをとって撮影した場合に、撮影対象であるタイヤトレッドゴムの前端面および後端面が前記カメラの視野範囲から外れるのを防止でき、撮影対象である前端面および後端面を視野中心付近に位置させることにより歪みのない鮮明な画像を撮影することができる。よって、タイヤトレッドゴムの長さをより高精度に測定することができる。
【0016】
また、前記検知手段としては、前記透過型の光電管以外にも反射型の光電管、変位計、画像センサなどを用いることも可能ではあるが、透過型の光電管は応答速度が高く、確実に撮影のタイミングをとることができるため、好ましく用いられる。
【0017】
また、前記のように、前記第1、第2照明手段をLEDバー照明とすることが好ましいのは、LEDバー照明はLEDを高密度に配置しているため広範囲に光を均一に照射でき、よって、幅方向全長にわたって上端エッジを鮮明化することができるためである。
さらに、前記のように、第2撮影手段をタイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置することにより、異なる仕様長さのタイヤトレッドゴムの長さ測定に対応させることができる。
【0018】
前記タイヤトレッドゴムの前後端面の傾斜は上端から下端にかけて後方に向けて傾斜させた傾斜面とし、
前記第1照明手段は前記第1撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて下向き40〜50度で傾斜させて配置する一方、前記第2照明手段は前記第2撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて水平方向に配置し、
前記第1撮影手段により、陰となる傾斜面と白く発光する上端エッジとが識別できる前端画像を取得し、
前記第2撮影手段により、白く発光する傾斜面と陰となる上端エッジとが識別できる後端画像を取得していることが好ましい。
【0019】
通常、搬送されるタイヤトレッドは、前端面である傾斜面と上面は鋭角をなし、後端面である傾斜面と上面は鈍角をなしている。このような場合、前記のように、第1撮影手段の後方の上部に、コンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムの前端面に向けて斜め下向きに傾斜角度40〜50度で第1照明手段を配置して照射することにより、上面と鋭角をなす前端面の傾斜面を影にし、上端エッジ全長を含む上面を白くハレーションさせることができる。よって影となる前記傾斜面と境界をなす上端エッジを幅方向全長にわたって鮮明化することができる。
前記第1照明手段の照射範囲は、前記第1撮影手段の撮影範囲全体を均一に照射できれば特に限定されず、例えば、第1撮影手段の撮影範囲(コンベア上での視野)が幅350mm×長450mmであれば、第1照明手段の照射範囲は前記撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ400mmの範囲とすることが好ましい。
【0020】
一方、前記のように、第2照明手段を前記第2撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて水平方向に配置して照射することにより、上面と鈍角をなす後端面の傾斜面を白くハレーションさせ、上端エッジ全長を含む上面を影にすることができる。よって、白く発光する傾斜面と境界をなす上端エッジを幅方向全長にわたって鮮明化することができる。
前記第2照明手段の照射範囲も前記第2撮影手段の撮影範囲全体を均一に照射できれば特に限定されず、例えば、第2撮影手段の撮影範囲(コンベア上での視野)が幅350mm×長さ450mmであれば、第2照明手段の照射範囲は前記撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ400mmの範囲とすることが好ましい。
【0021】
前記演算処理手段は、前記前端画像および後端画像をタイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントに分割し、各セグメントにおける前端画像の上端エッジから第1撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L1とし、各セグメントにおける後端画像の上端エッジから第2撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L2として、タイヤトレッドゴムの長さを求めることができる。
【0022】
前記のように、前端画像および後端画像をタイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントに分割し、各セグメントにおける前端画像の上端エッジから第1撮影手段の基準ラインまでの距離(L11、L12、・・・、L1n)の平均値[(L11+L12+・・・+L1n)/n]を前記L1とし、各セグメントにおける後端画像の上端エッジから第2撮影手段の基準ラインまでの距離(L21、L22、・・・、L2n)の平均値[(L21+L22+・・・+L2n)/n]を前記L2としてタイヤトレッドゴムの長さを算出することで、より高精度なタイヤトレッドゴムの長さを得ることができる。
なお、前記各セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離(L11、L12、・・・、L1n、L21、L22、・・・、L2n)として、例えば、各セグメントの幅方向中央位置における前記距離を用いることができる。
【0023】
また、トレッドゲージの最も厚い部分と薄い部分の差が大きいトレッドゴムでは、切断後の収縮量の差によりカット断面が大きく蛇行する場合があり、このような場合には、前記平均値をL1、L2にするのではなく、前端画像および後端画像の幅方向中央位置(トレッドセンター)のセグメントに注目し、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離をそれぞれL1、L2としてタイヤトレッドゴムの長さを算出したり、トレッドゲージの最も厚い部分のセグメントに注目し、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離をそれぞれL1、L2としてタイヤトレッドゴムの長さを算出したりすることもできる。
【0024】
このように、測定するタイヤトレッドゴムの形状等によって、注目するセグメントを適宜変更してタイヤトレッドゴムの長さを測定することにより、ばらつきの少ない高精度のタイヤトレッドゴムの長さを得ることができる。
なお、タイヤトレッドゴムの幅方向に分割するセグメント幅は特に限定されないが、例えば、20mm〜40mm程度とすることができる。
【発明の効果】
【0025】
前述したように、本発明によれば、幅方向の全長にわたって撮影できる第1撮影手段および第2撮影手段によって、搬送過程のタイヤトレッドゴムの前端面と後端面を同時に撮影することができるため、撮影された前端画像および後端画像より、第1撮影手段の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)および第2撮影手段の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)を算出し、各距離(L1、L2)を第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加える演算をするだけで、タイヤトレッドゴムの長さを容易に求めることができる。特に本発明においては、撮影時に、第1照明手段および第2照明手段によって前端面および後端面の各斜面と上端エッジとを幅方向の全長にわたって鮮明に識別化しているため、撮影された前端画像および後端画像において、上端エッジを幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することができる。したがって、上端エッジの検出ポイントが大幅に増大する分、例えば平均距離をとるなどして、第1撮影手段の基準ラインと前端画像の上端エッジとの距離(L1)および第2撮影手段の基準ラインと後端画像の上端エッジとの距離(L2)を高精度に算出でき、よって、タイヤトレッドゴムの長さも高精度に算出できる。
【0026】
また、前記のように、第1、第2照明手段によって前端面と後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させ、撮影された前端画像および後端画像において、上端エッジを幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することにより、タイヤトレッドゴムがコンベアの進行方向に対して斜め方向に傾いて搬送されている場合でも、その傾斜角度θからタイヤトレッドゴムの長さを補正して、タイヤトレッドゴムの長さLを高精度に算出することが可能となる。
【0027】
さらに、前記のように、前端画像および後端画像をタイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントに分割することにより、各セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離の平均値を用いてタイヤトレッドゴムの長さを算出したり、前端画像および後端画像のトレッドセンターのセグメントに注目して、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離を用いてタイヤトレッドゴムの長さを算出したり、あるいは、トレッドゲージの最も厚い部分のセグメントに注目して、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離を用いてタイヤトレッドゴムの長さを算出したりすることができる。即ち、測定するタイヤトレッドゴムの形状等によって、注目するセグメントを適宜変更してタイヤトレッドゴムの長さを測定することにより、ばらつきの少ない高精度のタイヤトレッドゴムの長さを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図6に本発明の実施形態を示す。
図1に示すタイヤトレッドゴム長さの測定装置10で測定されるタイヤトレッドゴム30は、所定長さ(本実施形態においては仕様長さ1900mm)に切断され、切断された前端面31と後端面32が傾斜面とされた長尺シート状であり、前端面31と上面33が鋭角をなし、後端面32と上面33が鈍角をなしている。このタイヤトレッドゴム30をコンベア11に水平に載置し、図1の矢印方向に搬送する過程で、タイヤトレッドゴム長さの測定装置10を用いて、タイヤトレッドゴム30の長さL(前端面31の上端エッジ34と後端面32の上端エッジ35との距離)を測定している。
【0029】
以下、タイヤトレッドゴム長さの測定装置10の構成について説明する。
タイヤトレッドゴム長さの測定装置10には、コンベア11の上方に固定してタイヤトレッドゴム前端面31を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段のカメラ12と、後端面32を幅方向全長にわたって撮影する第2撮影手段のカメラ13を設けている。
第2撮影手段のカメラ13は、第1撮影手段12から搬送方向上流側に、タイヤトレッドゴム30の長さに対応する寸法(本実施形態においては1900mm)を離して位置させており、第2撮影手段のカメラ13は測定するタイヤトレッドゴムの長さに応じて前後方向に移動可能とされている。
【0030】
また、第1、第2撮影手段のカメラ12、13はコントローラ20に接続し、該コントローラ20をCPU21に接続し、コントローラ20でカメラ12、13の動作させると共に、カメラ12、13で撮影された前端画像41および後端画像42を取り込んでCPU21へ画像信号を送信し、CPU21で前端画像41と後端画像42とからタイヤトレッドゴムの長さを演算処理している。
なお、本実施形態においては、第1、第2撮影手段のカメラ12、13の撮影範囲(コンベア11上でのカメラ12、13の視野)を幅350mm×長さ450mmとし、カメラ12、13をコンベア11の上方500mmの位置に設置している。
また、第1、第2撮影手段のカメラ12、13の視野中心をそれぞれ第1撮影手段12の基準ラインR1および第2撮影手段13の基準ラインR2としている。
【0031】
タイヤトレッドゴム30の前端面31の通過を検知して第1、第2撮影手段のカメラ12、13にシャッター開始のトリガー信号を同期して送信する検知手段として、第1、第2撮影手段のカメラ12、13の間で、且つ第1撮影手段のカメラ12に近接した位置(本実施形態においては基準ラインR1の後方200mmの位置)に透過型の光電管14を下向きに配置し、光電管14の対向位置でコンベア11を構成するローラ11a間に光電管14に投光する光源15を上向きに配置している。光電管14にはタイマ16を接続し、タイマ16を介して前記コントローラ20と接続している。
【0032】
前記第1撮影手段のカメラ12の後方の上部に、搬送されているタイヤトレッドゴム30に向けて斜め下向きで傾斜角度θ1=40〜50度、(本実施形態においてはθ1=45度)に第1照明手段のLEDバー照明17を配置している。
第2撮影手段のカメラ13の後方の上部に、搬送されているタイヤトレッドゴム30に向けて水平方向に第2照明手段のLEDバー照明18を配置している。
前記第1、第2照明手段のLEDバー照明17、18を照明コントローラ19に接続している。
【0033】
本実施形態においては、第1照明手段のLEDバー照明17の照射範囲は、第1撮影手段のカメラ12の撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ500mmの範囲としている。第2照明手段のLEDバー照明18の照射範囲は、第2撮影手段のカメラ13の撮影範囲をカバーする幅300mm×長さ400mmの範囲としている。
前記第1照明手段のLEDバー照明17を、第1撮影手段12の基準ラインR1の後方100mm、コンベア11の上方100mmの位置に設置している。
第2照明手段のLEDバー照明18を、第2撮影手段12の基準ラインR2の後方150mm、コンベア11の上方60mmの位置に設置している。
【0034】
前記したように、CPU21には、第1、第2撮影手段のカメラ12、13で撮影された前端画像41と後端画像42の画像信号を取り込み、第1撮影手段のカメラ12の基準ラインR1と前端画像41の上端エッジ44との距離L1ならびに第2撮影手段のカメラ13の基準ラインR2と後端画像42の上端エッジ45との距離L2をそれぞれ算出して、タイヤトレッドゴム30の長さを算出する演算処理部を設けている。
前記CPU21はモニタ22に接続し、演算処理部で求めたタイヤトレッドゴム30の長さLをモニタ22で表示している。
【0035】
以下、前記したタイヤトレッドゴム長さの測定装置10を用いたタイヤトレッドゴム30長さLの測定について説明する。
【0036】
図1に示すようにコンベア11に水平に載置され矢印方向に搬送されているタイヤトレッドゴム30は、その前端面31が光電管14の下方を通過すると光源15からの光がタイヤトレッドゴム30に遮断されるため、光電管14は前端面31の通過を検知する。
前端面31を検知すると、光電管14はタイマ16にON信号を送信し、タイマ16により所定時間遅延させた後、同期したシャッター開始のトリガー信号を第1、第2撮影手段のカメラ12、13に接続されたコントローラ20に送信する。
なお、本実施形態においては、撮影時に、タイヤトレッドゴム30の前端面31および後端面32が第1、第2撮影手段の基準ラインR1、R2の前後50mmの範囲にそれぞれ位置するようにタイミングをとってトリガー信号を送信している。第1、第2撮影手段のカメラ12、13は前記トリガー入力と同時に撮影を行う。
【0037】
撮影の際、第1、第2照明手段のLEDバー照明17、18は、前記のようにタイヤトレッドゴム30の前端および後端面32に対してそれぞれ光を照射しているため、タイヤトレッドゴム30の前端面31の傾斜面とその上端エッジ34、後端面32の傾斜面とその上端エッジ35がそれぞれ鮮明に識別化される。
具体的には、第1照明手段のLEDバー照明17が前端に対して斜め下向きに光を照射しているため、図3に示すように、上面33と鋭角をなす前端面31の傾斜面が影とされ、上端エッジ34全長を含む上面33が白くハレーションされる。よって、影となる前端面31の傾斜面と境界をなす上端エッジ34が幅方向全長にわたって鮮明化される。
一方、第2照明手段のLEDバー照明18は後端面32に対して水平方向に光を照射しているため、図4に示すように、上面33と鈍角をなす後端面32の傾斜面が白くハレーションされ、上端エッジ35全長を含む上面33が影とされる。よって、白く発光する後端面32の傾斜面と境界をなす上端エッジ35が幅方向全長にわたって鮮明化される。
【0038】
従って、第1撮影手段のカメラ12で撮影された前端画像41は、図5に示すように、上端エッジ44がエッジラインとして幅方向全長にわたって検出できる画像となり、第2撮影手段のカメラ13で撮影された後端画像42も、図6に示すように、上端エッジ45がエッジラインとして幅方向全長にわたって検出できる画像となる。
【0039】
前記カメラ12と13とで撮影された前端画像41と後端画像42とはコントローラ20を介してCPU21へ画像データとして送信され、CPU21は受信した前端画像41と後端画像42の画像データの演算処理を行う。
【0040】
まず、前端画像41および後端画像42を、図5、図6に示すように、タイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントS1〜Snに分割する。なお、本実施形態においては、トレッド幅150mmの前端画像41および後端画像42をセグメント幅30mmの5つのセグメントS1〜S5に分割している。
さらに、前端画像41の各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ44から基準ラインR1までの距離(L11、L12、・・・、L1n)の平均値L1[L1=(L11+L12+・・・+L1n)/n]および後端画像42の各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ45から基準ラインR2までの距離(L21、L22、・・・、L2n)の平均値L2[L2=(L21+L22+・・・+L2n)/n]をそれぞれ算出する。
【0041】
本実施形態では、各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ44、45から基準ラインR1、R2までの距離(L11、L12、・・・、L1n、L21、L22、・・・、L2n)として、各セグメントS1〜Snの幅方向中央位置における前記距離を用いている。また、上端エッジ44、45が基準ラインR1、R2間に位置している場合の上端エッジ44、45から基準ラインR1、R2までの距離を正の値とし、上端エッジ44、45が基準ライン間に位置していない場合の前記距離を負の値としている。
【0042】
よって、タイヤトレッドゴム30の長さLは、図2(A)のようにタイヤトレッドゴム30がコンベア11の進行方向と平行に搬送されている場合には、算出された平均値L1、L2を用いて数式:L=L3−L1−L2(L3:基準ラインR1、R2間の距離)により算出され、図2(B)のようにタイヤトレッドゴム30がコンベア11の進行方向に対して斜めに傾いて搬送されている場合には、算出された平均値L1、L2を用いて数式1により算出される。表示モニタ22に算出したタイヤトレッドゴム30の長さLを表示させることで、1枚のタイヤトレッドゴム30の長さ測定が完了する。
【0043】
一方、トレッドゲージの最も厚い部分と薄い部分の差が大きいタイヤトレッドゴム30で、切断後の収縮量の差によりカット断面が大きく蛇行する場合には、前端画像および後端画像の幅方向中央位置(トレッドセンター)のセグメントScに注目し、トレッドセンターのセグメントScにおける上端エッジ44、45から基準ラインR1、R2までの距離L1c、L2cをそれぞれL1、L2としてタイヤトレッドゴム30の長さLを算出することもできる。
さらに、トレッドゲージの最も厚い部分のセグメントに注目し、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離をそれぞれL1、L2としてタイヤトレッドゴムの長さLを算出することもできる。
【0044】
前記のように、本発明によれば、幅方向の全長にわたって撮影できる第1撮影手段のカメラ12および第2撮影手段のカメラ13によって、搬送過程のタイヤトレッドゴム30の前端面31と後端面32を同時に撮影することができるため、撮影された前端画像41と後端画像42より、第1撮影手段12の基準ラインR1と前端画像41の上端エッジ44との距離L1および第2撮影手段13の基準ラインR2と後端画像42の上端エッジ45との距離L2を算出し、各距離L1、L2を第1、第2撮影手段12、13の基準ラインR1、R2間の距離L3に加える演算をするだけで、タイヤトレッドゴム30の長さLを容易に求めることができる。
【0045】
特に、撮影時に、第1照明手段のLEDバー照明17および第2照明手段のLEDバー照明18によって前端面31および後端面32の各斜面と上端エッジ34、35を幅方向の全長にわたって鮮明に識別化しているため、撮影された前端画像41および後端画像42において、上端エッジ44、45を幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することができる。
したがって、上端エッジ44、45の検出ポイントが大幅に増大する分、平均距離をとるなどして第1撮影手段12の基準ラインR1と前端画像41の上端エッジ44との距離L1および第2撮影手段13の基準ラインR2と後端画像42の上端エッジ45との距離L2を高精度に算出でき、よって、タイヤトレッドゴム30の長さLも高精度に算出できる。
【0046】
また、前記のように、第1、第2照明手段のLEDバー照明17、18によって、前端面31および後端面32の各傾斜面と上端エッジ34、35とを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させ、撮影された前端画像41および後端画像42において、上端エッジ44、45を幅方向の全長にわたるエッジラインとして検出することができる。よって、タイヤトレッドゴム30がコンベア11の進行方向に対して斜め方向に傾いて搬送されている場合でも、傾斜角度θからタイヤトレッドゴム30の長さLを補正して、タイヤトレッドゴム30の長さLを高精度に算出することが可能となる。
【0047】
さらに、前記のように、前端画像41および後端画像42をタイヤトレッドゴム30の幅方向に複数のセグメントS1〜Snに分割することにより、各セグメントS1〜Snにおける上端エッジ44、45から基準ラインR1、R2までの距離L11〜L1n、L21〜L2nの平均値をL1、L2としてタイヤトレッドゴム30の長さLを算出することができる。
【0048】
また、場合によっては、前端画像41および後端画像43のトレッドセンターのセグメントScに注目し、該セグメントScにおける上端エッジ44、45から基準ラインR1、R2までの距離L1c、L2cをL1、L2としてタイヤトレッドゴム30の長さLを算出できる。あるいは、トレッドゲージの最も厚い部分のセグメントに注目し、該セグメントにおける上端エッジから基準ラインまでの距離をL1、L2としてタイヤトレッドゴム30の長さLを算出することができる。
即ち、測定するタイヤトレッドゴム30の形状等によって、注目するセグメントを適宜変更してタイヤトレッドゴム30の長さLを測定することにより、ばらつきの少ない高精度のタイヤトレッドゴム30の長さLを得ることができる。
【0049】
以下、本発明のタイヤトレッドゴム長さの測定装置による実施例と比較例について説明する。
【0050】
[実施例1]
実施例1では、トレッド長さ(トレッドセンターの長さ)が1900mmのタイヤトレッドゴムを用いてトレッド長さの測定を100回繰り返して行った。
測定装置および測定方法は前記実施形態と同様とし、L1およびL2として、下記の(1)(2)の2種類に分けてタイヤトレッドゴムの長さ測定を行った。
(1)各セグメント(S1〜S5)における上端エッジから基準ラインまでの距離の平均値(L11+L12+L13+L14+L15)/5および(L21+L22+L23+L24+L25)/5を用いる場合
(2)センターセグメント(S3)における上端エッジから基準ラインまでの距離L13およびL23を用いる場合
測定結果を表1に示す。
【0051】
前記実施形態および実施例1で用いた第1、第2撮影手段のカメラおよび第1、第2照明手段のLEDバー照明は以下の通りである。
・カメラ:200万画素モノクロCCDカメラ、商品名CV−200M(キーエンス製)
・LEDバー照明:白LEDバー照明、商品名CA−DBW13(キーエンス製)
【0052】
[比較例1]
比較例1は、従来技術である特許文献1と同様の測定装置を用いて測定を行った。
即ち、図7(A)〜(C)に示すように、投光器6からスリット光Sをタイヤトレッドゴム1の下端エッジ2に交差するように投光させ、下端エッジ2を挟んだ下面3と傾斜部4の映像を画像処理装置5に取り込み、投光されたスリット光Sの傾斜変曲点Saを下端エッジ2と判断して傾斜変曲点Saとカメラ7の基準位置との距離aを算出し、タイヤトレッドゴム1の長さLを数式L=a+b+cより求めた。
b;予めインプットされた後端検出器からカメラ7の基準位置までの距離、
c;オフセット距離
その他は実施例1と同様とした。測定結果を表1に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
表1より明らかなように、本発明のタイヤトレッド長さの測定装置を用いて測定した実施例1では、(1)、(2)のいずれの場合も平均値が真値(1900mm)にきわめて近く、標準偏差も0.23mm以下とばらつきも小さいため、高精度なタイヤトレッド長さの測定が可能であることが確認された。
一方、比較例1では、平均値が真値(1900mm)から大きく離れ、標準偏差も2.9mmとばらつきも大きかった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態のタイヤトレッドゴム長さの測定装置を示す概略図である。
【図2】タイヤトレッドゴムの長さ測定時における平面図、(A)はタイヤトレッドゴムがコンベアの進行方向に平行に搬送されている場合、(B)はタイヤトレッドゴムがコンベアの進行方向に対して傾斜して搬送されている場合を示す図である。
【図3】第1照明手段が光を照射している際の前端面側のタイヤトレッドゴムを示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図4】第2照明手段が光を照射している際の後端面側のタイヤトレッドゴムを示し、(a)は側面図、(b)は平面図である。
【図5】前端面画像の説明図である。
【図6】後端面画像の説明図である。
【図7】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0056】
10 タイヤトレッドゴム長さの測定装置
11 コンベア
12 第1撮影手段(カメラ)
13 第2撮影手段(カメラ)
14 光電管
15 光源
16 タイマ
17 第1照明手段(LEDバー照明)
18 第2照明手段(LEDバー照明)
19 照明コントローラ
20 コントローラ
21 CPU
22 モニタ
30 タイヤトレッドゴム
31 前端面
32 後端面
33 上面
34、35 上端エッジ
41 前端画像
42 後端画像
44、45 上端エッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要長さに切断され、切断された前端面と後端面とが傾斜面とされている長尺シート状のタイヤトレッドゴムをコンベアに水平に載置して搬送する過程で、該タイヤトレッドゴムの長さを測定する装置であって、
前記コンベアの上方に固定して、前記前端面を幅方向の全長にわたって撮影する第1撮影手段と、該第1撮影手段から搬送方向の上流側で且つ前記タイヤトレッドゴムの長さに対応する寸法を離して位置させ、前記後端面を幅方向の全長にわたって撮影する第2撮影手段と、
前記第1撮影手段と第2撮影手段の間で且つ第1撮影手段に近接した位置に配置し、前記タイヤトレッドゴムの搬送方向の先端側となる前端面の通過を検知すると、前記第1、第2撮影手段にシャッター開始の同期トリガー信号を送信する検知手段と、
前記第1、第2撮影手段で上方からの撮影時に、前記タイヤトレッドゴムの前端面と後端面に対して光を照射し、前端面および後端面の各傾斜面と上端エッジとを幅方向全長にわたって鮮明に識別化させる第1照明手段と第2照明手段と、
前記第1、第2撮影手段で撮影されたタイヤトレッドゴムの前端画像と後端画像とを取り込み、前記第1撮影手段の設置位置の基準ラインと前記前端画像の上端エッジとの距離(L1)と、前記第2撮影手段の設置位置の基準ラインと前記後端画像の上端エッジとの距離(L2)とを、前記第1、第2撮影手段の基準ライン間の距離に加えてタイヤトレッドゴムの長さを求める演算処理手段と、該演算処理手段で求めたタイヤトレッドゴムの長さを表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とするタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。
【請求項2】
前記第1、第2撮影手段はデジタルまたはアナログのカメラからなり、前記第1撮影手段の基準ラインおよび第2撮影手段の基準ラインは、各撮影手段のカメラの視野中心となるラインとし、かつ、
前記検知手段は透過型の光電管からなり、
前記第1、第2照明手段はLEDバー照明からなり、
前記第2撮影手段は、タイヤトレッドゴムの長さに応じて移動可能に設置している請求項1に記載のタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。
【請求項3】
前記タイヤトレッドゴムの前後端面の傾斜は上端から下端にかけて後方に向けて傾斜させた傾斜面とし、
前記第1照明手段は前記第1撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて下向き40〜50度で傾斜させて配置する一方、前記第2照明手段は前記第2撮影手段の後方の上部にコンベアで搬送されているタイヤトレッドゴムに向けて水平方向に配置し、
前記第1撮影手段により、陰となる傾斜面と白く発光する上端エッジとが識別できる前端画像を取得し、
前記第2撮影手段により、白く発光する傾斜面と陰となる上端エッジとが識別できる後端画像を取得している請求項1または請求項2に記載のタイヤトレッドゴムの長さの測定装置。
【請求項4】
前記画像処理手段は、前記前端画像および後端画像をタイヤトレッドゴムの幅方向に複数のセグメントに分割し、各セグメントにおける前端画像の上端エッジから第1撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L1とし、各セグメントにおける後端画像の上端エッジから第2撮影手段の基準ラインまでの距離の平均値を前記L2としている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイヤトレッドゴムの長さ測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−115715(P2009−115715A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291249(P2007−291249)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】