説明

ターボチャージャ

【課題】適正なシール性能を長期間持続することのできるターボチャージャを提供する。
【解決手段】排気ガスを導入する排気導入口3と、該排気ガスを排気する排気排出口4と、該排気導入口3と該排気排出口4とを連通するスクロール部5を有するタービンハウジング6と、スクロール部5に回転自在に収容されるタービンホイール8と、タービンハウジング6内にタービンホイール8を囲うように設けられるシュラウドプレート10と、タービンハウジング6に排気排出口4側に突出して設けられる第1の支持部11と、シュラウドプレート10に設けられ、排気ガスの流動方向に対して第1の支持部11より下流側で該第1の支持部11と対向する第2の支持部12と、第1の支持部11と第2の支持部12との間に設けられる封止手段13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の過給システムとして用いられるターボチャージャに関し、特に、内燃機関の排気ガスによりタービンホイールが回転駆動するターボチャージャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車用の内燃機関において、その出力向上のためには燃焼室へ充填される空気の量を増やすことが好ましい。そこで従来は、ピストンの移動に伴って燃焼室内に発生する負圧により空気を燃焼室に吸入するだけでなく、その空気を強制的に燃焼室へ送り込んで、同燃焼室への空気の充填効率を高めるターボチャージャが提案され、実用化されている。
【0003】
従来のターボチャージャは、軸受部を介して互いに連結されたタービン部とコンプレッサ部にて構成される。軸受部は、センタハウジングと、センタハウジング内にて軸受を介して回転可能に支持された回転軸を備える。この回転軸は、左右の各端部がセンタハウジングから突出している。また、この回転軸は、一端部にタービン部を構成するタービンホイールが一体回転可能に接合され、このタービンホイールはタービンハウジングに収容される。一方、回転軸は、他端部にコンプレッサ部を構成するコンプレッサホイールが一体回転可能に接合され、このコンプレッサホイールはコンプレッサハウジングに収容される。
【0004】
タービンホイールは、内燃機関の排気通路を流れる排気ガスが流入することによって回転し、その回転力は回転軸を介してコンプレッサホイールに伝達される。そして、コンプレッサホイールは、このタービンホイールの回転と共に一体となって回転し、内燃機関の吸気通路内の空気の圧力(過給圧)を高め、その結果、圧縮された空気が燃焼室に送り込まれるようになる。
【0005】
ところで、このようなターボチャージャは、内燃機関の排気ガスの影響により高温下で運転することがあり、このとき、このターボチャージャを構成する各部が熱膨張することがある。そして、各部における熱膨張量の違いに起因して部材間に隙間が生じて、この隙間から排気ガスが漏洩してしまうことがあった。この問題に対して、タービンハウジングとセンタハウジングとの間にベースプレートを介在させることで、タービンハウジングからセンタハウジングへの排気ガス熱の伝熱を抑制し、タービンホイールが収容される空間を画成するトッププレートをベースプレートに取り付け、この空間内に排気ガスを導くことでタービンホイールを回転させると共に、トッププレートとタービンハウジングとの熱膨張量の違いにより生じる隙間を弾性変形可能なベローズシールで封止することで、排気ガスの漏洩を防止するものがあった(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】特開昭63−143325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているターボチャージャのシール構造では、ベローズシールが高価であることから、より安価なシール構造が望まれていた。また、ベローズシールに替えて他の封止手段、例えば、樹脂製のピストンリングによる構造を用いると、高温下で運転する際に、封止手段がハウジングに固着してしまい、また、金属製のシール部材による構造を用いると、ハウジングやこれに組みつけられる構造体の熱膨張によりこの封止手段が押しつぶされて永久変形してしまい、一度高温になった後に常温に戻ったとしても必要なシール性能を確保することができないことがあった。
【0008】
そこで本発明は、適正なシール性能を長期間持続することのできるターボチャージャを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明によるターボチャージャは、排気ガスを導入する排気導入口と、該排気ガスを排気する排気排出口と、該排気導入口と該排気排出口とを連通するスクロール部を有するタービンハウジングと、前記スクロール部に回転自在に収容されるタービンホイールと、前記タービンホイールを囲うように前記タービンハウジング内に設けられるシュラウドプレートと、前記タービンハウジングに前記排気排出口側に突出して設けられる第1の支持部と、前記シュラウドプレートに前記タービンハウジング側に突出して設けられ、前記排気ガスの流動方向に対して前記第1の支持部より下流側で該第1の支持部と対向する第2の支持部と、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間に設けられる封止手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明によるターボチャージャでは、前記封止手段は、円環状に形成され、V字型の断面形状を有することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明によるターボチャージャでは、前記封止手段は、金属製であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明によるターボチャージャでは、前記シュラウドプレートは、円盤状に形成される取付部と、円筒状に形成され、前記タービンホイールの外周をクリアランスをもって囲う囲い部とを有し、前記第2の支持部は、前記囲い部の外周に設けられることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明によるターボチャージャでは、前記取付部と前記タービンハウジングとの間に隙間を設けることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明によるターボチャージャでは、前記第1の支持部と前記第2の支持部との間隔は、前記排気導入口に導入される排気ガスの温度に応じた前記タービンハウジング及び前記シュラウドプレートの熱膨張により変化し、前記タービンハウジング及び前記シュラウドプレートの低温時に最小となり、前記封止手段は、少なくとも前記間隔が最小である際に塑性変形せずに前記第1の支持部及び前記第2の支持部に接触していることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明によるターボチャージャでは、開度を調整することで前記タービンホイールに流入する排気ガスの流速を可変とする可変ノズルを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明によるターボチャージャでは、前記タービンホイールが挿入される円形孔が形成され、該孔に沿って前記可変ノズルが設けられるノズルプレートを備え、前記シュラウドプレートは、前記ノズルプレートに固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るターボチャージャによれば、タービンハウジングに排気排出口側に突出して設けられる第1の支持部と、シュラウドプレートにタービンハウジング側に突出して設けられ、排気ガスの流動方向に対して第1の支持部より下流側で該第1の支持部と対向する第2の支持部と、第1の支持部と第2の支持部との間に設けられる封止手段とを備えるので、排気ガスの熱により各部材が膨張しても、第1の支持部と第2の支持部との間隔が大きくなるため、封止手段を変形させることはなく、適正なシール性能を長期間持続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係るターボチャージャの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例に係るターボチャージャの低温時におけるタービン部側の部分断面図、図2は、本発明の実施例に係るターボチャージャの低温時における第1の支持部としてのハウジング側支持部及び第2の支持部としてのシュラウド側支持部の部分断面図、図3は、本発明の実施例に係るターボチャージャの高温時におけるハウジング側支持部及びシュラウド側支持部の部分断面図である。ターボチャージャ1は、自動車用の内燃機関において、その出力や燃費の向上のために燃焼室へ充填される空気を圧縮してから燃焼室に送り込んで、同燃焼室への空気の充填効率を高めるものである。
【0020】
ターボチャージャ1は、軸受部50を介して互いに連結されたタービン部2とコンプレッサ部(不図示)にて構成される。軸受部50は、センタハウジング51と、センタハウジング51内にて回転軸7を回転可能に支持する軸受を備える。この回転軸7は、左右の各端部がセンタハウジング51から突出している。そして、回転軸7は、一端部にタービン部2を構成するタービンホイール8が一体回転可能に接合され、このタービンホイール8はタービンハウジング6に収容される。一方、回転軸7は、他端部にコンプレッサ部を構成するコンプレッサホイールが一体回転可能に接合され、このコンプレッサホイールはコンプレッサハウジング(不図示)に収容される。
【0021】
ターボチャージャ1のタービン部2は、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスを導入する排気導入口3と、該排気ガスを排気する排気排出口4と、該排気導入口3と該排気排出口4とを連通し流路面積が漸次減少するスクロール部5を有するタービンハウジング6と、回転軸7に固定され、スクロール部5に回転自在に収容されるタービンホイール8と、開度を調整することでタービンホイール8に流入する排気ガスの流速を可変とする可変ノズル9を備える。本図に示すこのターボチャージャ1は、内燃機関の負荷や回転数に応じて可変ノズル9の開度を調整することで、排気ガスの流速を調節して最適な過給を図る可変容量型のターボチャージャである。
【0022】
さらに、ターボチャージャ1のタービン部2は、タービンホイール8を囲うようにタービンハウジング6内に設けられるシュラウドプレート10と、タービンハウジング6に排気排出口4側に突出して設けられる第1の支持部としてのハウジング側支持部11と、シュラウドプレート10にタービンハウジング6側に突出して設けられる第2の支持部としてのシュラウド側支持部12と、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間に設けられる封止手段としてのシール材13とを備える。
【0023】
タービンハウジング6は、スクロール壁61と、導入ノズル62と、排出ノズル63が一体となって形成される。スクロール壁61は、内部に流路面積が漸次減少する渦巻き状の排気流路としてのスクロール部5を形成する。導入ノズル62は、略円筒形状に形成され、内側に排気導入口3を形成する。排出ノズル63は、略円筒形状に形成され、内側に排気排出口4を形成する。導入ノズル62は、渦巻き状のスクロール部5の接線方向に排気ガスを導入するように形成され、一方、排出ノズル63は、円筒形の軸線がスクロール部5の渦巻きのほぼ中央に位置するように形成される。排出ノズル63の軸線は、円筒形の導入ノズル62の軸線に対してほぼ垂直となる。また、導入ノズル62と排出ノズル63は、各々がスクロール壁61から外側に突出するように形成される。導入ノズル62の中空部分としての排気導入口3と、排出ノズル63の中空部分としての排気排出口4とは、上述したように、スクロール部5を介して連通される。導入ノズル62には内燃機関から排気管が接続され、内燃機関の排気ガスは、この排気導入口3から導入され、スクロール部5を介して排気排出口4の方向(図1中矢印で示す方向)に流動し排出される。
【0024】
タービンホイール8は、タービンハウジング6内に形成されるスクロール部5の渦巻きのほぼ中央に位置するように回転軸7の一端に固定される。タービンホイール8は、複数の羽根状のブレード14を有している。複数のブレード14は、タービンホイール8の外周面に、それぞれ周方向に均等に間隔をあけて設けられ、排気ガスが流入する流路を複数の空間に仕切る。タービンホイール8が固定されている回転軸7は、軸線7aを回転中心として回転可能にセンタハウジング51に支持され、該軸線7aは、タービンホイール8の軸線、排出ノズル63の円筒形状の軸線とほぼ一致する。
【0025】
可変ノズル9は、複数のベーン15を有し、該ベーン15の開度を調整することでタービンホイール8に流入する排気ガスの流速を可変とする。ベーン15は、タービンハウジング6とセンタハウジング51との間に設けられるノズルプレート16にピン15aを介して回動可能に支持される。ノズルプレート16は、円盤状に形成され、さらに、タービンホイール8が挿入される円形孔16aが形成される。各ベーン15は、ノズルプレート16のタービンハウジング6側の面上、すなわち、排気流路としてのスクロール部5中に設けられる。また、各ベーン15は、ノズルプレート16の円形孔16aに沿って、すなわち、タービンホイール8の外周面に沿って環状に設けられる。各ベーン15は、それぞれ周方向に均等に間隔をあけて設けられる。
【0026】
各ベーン15は、ノズルプレート16とセンタハウジング51と間に設けられるベーン駆動機構17により前記ピン15aの軸線を中心として回動する。ベーン駆動機構17は、ピン15aの他端部(ベーン15とは反対側の端部)に取り付けられる開閉レバー17aと、ノズルプレート16に対して相対的に回動するリングプレート17bを有する。リングプレート17bは、ノズルプレート16のセンタハウジング51側の面に設けられ、内周部に開閉レバー17aが連結される。開閉レバー17aは、このリングプレート17bの回動に基づいてピン15aを回動させ、そのピン15aの回動によってベーン15が開閉動作するようになる。また、ベーン駆動機構17は、ノズルプレート16のセンタハウジング51側の面に設けられるストッパローラ17cを有する。リングプレート17bの回動に基づいて回動される開閉レバー17aは、このストッパローラ17cと当接することによって、その回動範囲が規制される。つまり、隣り合うベーン15間の流路断面積の大きさが制御される。また、各ベーン15は、開度がほぼ全閉側である際に、隣接するベーン15と部分的に重なるように配置される。
【0027】
シュラウドプレート10は、円環状に形成される取付部18と、円筒状に形成される囲い部19を有し、取付部18がタービンハウジング6とノズルプレート16の間に、囲い部19がタービンハウジング6の排出ノズル63とタービンホイール8の間に位置するように設けられる。
【0028】
取付部18は、複数のスペーサボルト20及びナット21等を介してノズルプレート16に固定される。取付部18とノズルプレート16とは、複数のスペーサボルト20により所定の間隔が保持される。この取付部18とノズルプレート16との間の空間は、タービンホイール8に排気ガスを導く排気流路としてのスクロール部5の一部を構成する。上述した可変ノズル9のベーン15は、この取付部18とノズルプレート16との間の空間に位置する。
【0029】
囲い部19は、円環をなす取付部18の内側の縁から排気ガスの流動方向に突出するように、該取付部18と一体に形成される。囲い部19は、その内側にタービンホイール8が挿入され、このタービンホイール8の外周、すなわち、複数のブレード14の外面をクリアランスをもって囲う。複数のブレード14の外面と囲い部19の内面とのクリアランスは、タービンホイール8が回転した際に、ブレード14と囲い部19とが接触しない範囲で小さくする。これにより、タービンホイール8に導入される排気ガスを漏れなく複数のブレード14の間の流路に導くことができる。
【0030】
上記のように構成されるシュラウドプレート10は、スペーサボルト20を介してノズルプレート16に固定される。ノズルプレート16は、外周面に円環状の形成された凸部16bを有し、この凸部16bがタービンハウジング6に形成される円環状の凸部65と当接して係合すると共に、背面側(センタハウジング51側)がセンタハウジング51と当接し、このセンタハウジング51を取付プレート22、ボルト23等を介してタービンハウジング6に連結することで、タービンハウジング6に組み付けられる。ノズルプレート16の凸部16bは、外周面のセンタハウジング51側に形成され、この凸部16bに対して段落ちしている部分が円環状の凸部65の内側の中空部分に挿入される。この状態で、ノズルプレート16に固定されたシュラウドプレート10は、取付部18がタービンハウジング6のノズルプレート16に対向する面に形成された凹部64にはまっており、囲い部19の内側にタービンホイール8が位置する。
【0031】
排気導入口3に導入される排気ガスは、スクロール部5を通過する間に加速され、可変ノズル9を通過して複数のブレード14にあたり、タービンホイール8を回転駆動させる。そして、タービンホイール8が回転することで、このタービンホイール8に固定される回転軸7も一体となって回転し、回転軸7の他端に固定されているコンプレッサホイールも一体となって回転する。これにより、内燃機関の吸気通路内の空気の圧力(過給圧)が高められ、その結果、圧縮された空気が燃焼室に送り込まれるようになる。
【0032】
また、可変ノズル9の各ベーン15は、ベーン駆動機構17により前記ピン15aの軸線を中心として回動することで、軸線7aと直交する方向に開閉し、隣接するベーン15同士の隙間としての流路断面積が可変となり、タービンホイール8に流入する排気ガスの流速を可変とすることができる。可変ノズル9のベーン15の開度を調整することで、タービンホイール8へ流入する排気ガスの流量を増減して流速を調節することになり、タービンホイール8、回転軸7及びコンプレッサホイールの回転速度が適宜に調節され、結果的に、吸気通路における空気の圧力が調節されることで充填効率が調整される。こうした燃焼室への吸入空気量の調整を行うことにより、内燃機関の出力向上と共に燃焼室内の異常燃焼防止も可能となる。
【0033】
すなわち、内燃機関の回転数が低い低速域や急加速時では、排気量は少なく、排気ガスの温度は比較的低温である。このとき、ターボチャージャ1において、可変ノズル9のベーン15の開度を閉側に調整する。これにより、スクロール部5を流れる排気ガスは可変ノズル9を通過する際に流速が速められ、タービンホイール8を高速回転させる。その後、排気ガスは、排気排出口4を経て外部へ排出される。この間、上述のようにタービンホイール8の回転により回転軸7が回転して、コンプレッサホイールを回転させる。この結果、内燃機関の吸気通路内の空気が圧縮されて、ターボチャージャ1の回転数に応じた過給圧となって、高い密度の吸気として内燃機関の吸気ポートへ導入される。
【0034】
一方、内燃機関の回転数が高い高速域では、排気量は多く、排気ガスの温度は高温である。このとき、ターボチャージャ1において、可変ノズル9のベーン15の開度を開側に調整する。これにより、排気ガスは可変ノズル9を通過する際に流速がほとんど上昇せずに(ベーン15が閉状態のときよりも遅い)、タービンホイール8を回転させる。これにより、コンプレッサホイールの必要以上の回転を防止するように、タービンホイール8の回転は制御されて、内燃機関の運転領域において排気量が多い領域でも設定された過給圧に制御することができる。
【0035】
ところで、このターボチャージャ1では、上述したように、タービンハウジング6に排気排出口4側に突出して設けられるハウジング側支持部11と、シュラウドプレート10にタービンハウジング6側に突出して設けられ、排気ガスの流動方向に対してハウジング側支持部11の下流側で該ハウジング側支持部11と対向するシュラウド側支持部12と、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間に設けられるシール材13とを備えることで、適正なシール性能の確保を図っている。
【0036】
内燃機関の高負荷時に排気ガスの温度が高くなることから、このターボチャージャ1では、タービン部2を構成する各部も排気ガスの温度に伴って高温となり熱膨張し、全体的に排気ガスの流動方向の下流側に膨張する。ここで、シュラウドプレート10とタービンハウジング6の排出ノズル63とは、高温時において膨張する量に差が生じ、シュラウドプレート10の方が排気ガスの流動方向の下流側への膨張量が大きくなる。これは、タービンハウジング6の内側に位置するシュラウドプレート10が直接排気ガスに接触するのに対して、タービンハウジング6の排出ノズル63は、一部がこのシュラウドプレート10により覆われていることから、シュラウドプレート10が相対的に高温となり、排出ノズル63と比較して熱膨張による変形が大きくなるからである。また、タービンハウジング6は、スクロール壁61と、導入ノズル62と、排出ノズル63が一体となって形成されることから、シュラウドプレート10と比較して熱容量が大きく、温度上昇が遅いことから、熱膨張による変形も相対的に小さい。この点からも、シュラウドプレート10とタービンハウジング6の排出ノズル63とは、高温時において膨張する量に差が生じる。
【0037】
ハウジング側支持部11は、排出ノズル63の内周面に円環状に形成され、シュラウドプレート10の囲い部19側に突出している。シュラウド側支持部12は、シュラウドプレート10の囲い部19の外周面に円環状に形成され、囲い部19における排気ガスの流動方向の下流側端部に設けられる。また、シュラウド側支持部12は、排気ガスの流動方向に対してハウジング側支持部11の下流側に位置し、このハウジング側支持部11と対向する。また、ハウジング側支持部11の先端は、囲い部19の外周面におけるシュラウド側支持部12の上流側に形成される凹部12b内に位置する。
【0038】
シール材13は、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12とによって支持される。より具体的には、シール材13は、囲い部19に形成される凹部12bの底面、排出ノズル63の内周面、ハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12で囲われた空間内に設置される。シール材13は、円環状に形成され、V字型の断面形状を有する金属、ここでは、ステンレスにより形成される。また、シール材13は、V字の開口端が凹部12bの底面を向くように設置される。
【0039】
図2、図3に示すハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間隔dは、上述したように、高温時においてシュラウドプレート10の膨張量と排出ノズル63の膨張量に差が生じることに起因して変化する。間隔dは、タービン部2が低温であるとき(ターボチャージャ1が稼動していない常温時)に最小となる(図2参照)。シール材13は、少なくとも間隔dが最小である際に塑性変形せずにハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12に接触し、タービンハウジング6とシュラウドプレート10との間を封止し、排気ガスの漏洩を防止する。すなわち、間隔dの最小値は、シール材13が塑性変形しない程度に、このシール材13のV字開口端の幅よりもやや狭い。
【0040】
そして、導入される排気ガスの温度が高くなりタービン部2が高温になるにつれてシュラウドプレート10の膨張量が排出ノズル63の膨張量よりも大きくなることで、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11から離間して間隔dが大きくなる(図3参照)。これにより、高温時にシュラウドプレート10が排出ノズル63よりも排気ガスの流動方向の下流側に膨張しても、シール材13を押しつぶすことがない。
【0041】
ただし、タービン部2が高温になり、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11から離間して間隔dが大きくなりシール材13のV字開口端の幅を上回ると、シール材13がハウジング側支持部11又はシュラウド側支持部12、あるいは両方から離れてしまい、タービンハウジング6とシュラウドプレート10との間の封止が解かれ、排気ガスが漏洩してしまうおそれがある。しかしながら、上述したように、タービン部2が高温となるのは、タービン部2に導入される排気ガスが高温であるとき、すなわち、内燃機関の高負荷運転時であり、タービン部2に導入される排気ガスの量が多い運転領域のときである。つまり、タービン部2に導入される排気ガス量に対して、漏洩する排気ガス量の比率は極めて小さく、この漏洩による影響はほとんどない。また、このとき、可変ノズル9のベーン15の開度は、ほぼ全開側であるため、各ベーン15間の流路面積に対して、漏洩する排気ガスが通る流路面積の比率はきわめて小さい。したがって、可変ノズル9による流速調整に基づいたタービンホイール8の回転の制御もほとんど誤差なく正確に行うことが可能となる。
【0042】
また、シール材13として金属製でV字型の断面形状を有するものが用いられることから、シール材13は、高温でも固着せず、間隔dが大きくなってもばね力で開いて多少追従するので、すぐにハウジング側支持部11又はシュラウド側支持部12との接触が解かれてしまうわけではない。また、シール材13のハウジング側支持部11又はシュラウド側支持部12との接触が解消されても、このシール材13が設けられている空間が入り組んでいるので排気ガスは漏洩しにくい。
【0043】
一方、タービン部2が低温となるのは、タービン部2に導入される排気ガスが低温であるとき、すなわち、内燃機関の低・中負荷運転時、急加速時であり、タービン部2に導入される排気ガスの量が少ない運転領域のときである。つまり、排気ガスが漏洩した場合、タービン部2に導入される排気ガス量に対して、漏洩した排気ガス量の比率が大きくなり、この漏洩による影響も大きくなる。また、このとき、可変ノズル9のベーン15の開度は、ほぼ全閉側であるため、各ベーン15間の流路面積に対して、漏洩する排気ガスが通る流路面積の比率は相対的に大きくなる。しかしながらこの場合、上述したように、シール材13は、間隔dが小さいとき、すなわち、タービン部2が低温であるときにはハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12に接触し、タービンハウジング6とシュラウドプレート10との間を封止し、排気ガスの漏洩を防止する。したがって、低温時においても可変ノズル9による流速調整に基づいたタービンホイール8の回転の制御も誤差なく正確に行うことが可能となる。
【0044】
なお、ノズルプレート16とタービンハウジング6との関係においても膨張する量に差が生じる。これは、ノズルプレート16がシュラウドプレート10と同様に直接排気ガスに接触し熱容量も相対的に小さいことから、熱膨張による変形が大きくなるからである。このターボチャージャ1において、上述したように、ノズルプレート16とタービンハウジング6との間にシュラウドプレート10を介在させ、このシュラウドプレート10とノズルプレート16とを固定したのは、シュラウドプレート10とノズルプレート16とが高温時において膨張する量が比較的近いことから、タービン部2が高温となった際に、膨張する量の差に起因した応力の発生を抑制し、排気流路のための空間を保持するスペーサボルト20等の変形を防止するためである。
【0045】
また、このターボチャージャ1では、シュラウドプレート10とタービンハウジング6との間に隙間24を設けている。これにより、タービン部2の高温時においてシュラウドプレート10がタービンハウジング6側に膨張しても、この隙間24がこの膨張に対する緩衝領域となるため、シュラウドプレート10とタービンハウジング6とが接触しない。また、この隙間24は、可変ノズル9の上流とタービンホイール8の下流とを連通しているが、上述したように、シュラウドプレート10とタービンハウジング6との間にシール材13が設けられることから、可変ノズル9の上流からタービンホイール8への排気ガスの漏洩を防止することが可能となる。
【0046】
上記のように構成されるターボチャージャ1は、内燃機関が高回転になると排気導入口3に導入される排気ガスが多量で高温となることから、タービン部2の各部の温度が上昇し膨張する。この高温の排気ガスが直接接触するシュラウドプレート10は、タービンハウジング6の排出ノズル63よりも大きく膨張し、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11から離間して間隔dが大きくなり、図3に示すように、シール材13のハウジング側支持部11又はシュラウド側支持部12との接触が解消される。その後、内燃機関が低回転に戻ると排気導入口3に導入される排気ガスが少量で低温となることから、タービン部2の各部の温度は下降しもとの大きさに戻り、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11に接近して間隔dももとに戻り、図2に示すように、シール材13が再びハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12に接触し、タービンハウジング6とシュラウドプレート10との間を封止し、排気ガスの漏洩を防止する。すなわち、排気ガスの漏洩の影響がほとんどない高温時においては漏洩を許容する一方で、排気ガスの漏洩の影響が大きい低温時においては漏洩を確実に防止することで、全体として可変ノズル9による流速調整に基づいたタービンホイール8の回転の制御も誤差なく正確に行う。
【0047】
以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、排気ガスを導入する排気導入口3と、該排気ガスを排気する排気排出口4と、該排気導入口3と該排気排出口4とを連通し流路面積が漸次減少するスクロール部5を有するタービンハウジング6と、回転軸7に固定され、スクロール部5に回転自在に収容されるタービンホイール8と、タービンハウジング6内にタービンホイール8を囲うように設けられるシュラウドプレート10と、タービンハウジング6に排気排出口4側に突出して設けられるハウジング側支持部11と、シュラウドプレート10にタービンハウジング6側に突出して設けられ、排気ガスの流動方向に対してハウジング側支持部11より下流側で該ハウジング側支持部11と対向するシュラウド側支持部12と、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間に設けられるシール材13とを備える。
【0048】
したがって、排気導入口3によりタービンハウジング6内に排気ガスが導入され、この排気ガスはスクロール部5で加速されながらタービンホイール8に流入し、このタービンホイール8を回転させ、シュラウドプレート10の内側を通り排気排出口4から排気される。タービンホイール8は、回転軸7と共にコンプレッサホイールを回転させ、内燃機関の吸気通路内の空気を圧縮する。このタービンホイール8はシュラウドプレート10により外周を囲われ、このシュラウドプレート10の外周面に設けられるシュラウド側支持部12と、排出ノズル63に設けられるハウジング側支持部11とによりシール材13を支持し、このシール材13によりタービンハウジング6とシュラウドプレート10との間を封止し、可変ノズル9の上流からタービンホイール8の下流への排気ガスの漏洩を防止する。さらに、このシール材13を支持するシュラウド側支持部12は、排気ガスの流動方向に対してハウジング側支持部11より下流側で該ハウジング側支持部11と対向することから、タービンハウジング6内に導入される排気ガスの温度が高くなり、シュラウドプレート10が排出ノズル63よりも排気ガスの流動方向の下流側に膨張しても、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11から離間して間隔dが大きくなるもののシール材13を押しつぶすことはないので、高温時におけるシール材13の塑性変形を防止することができ、一度高温になり常温に戻った後でも、適正なシール性能を長期間持続することができる。
【0049】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間隔dは、排気導入口3に導入される排気ガスの温度に応じたタービンハウジング6及びシュラウドプレート10の熱膨張により変化し、タービンハウジング6及びシュラウドプレート10が低温時に最小となり、シール材13は、少なくとも間隔dが最小である際に塑性変形せずにハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12に接触している。したがって、タービン部2が低温であるとき、典型的には、ターボチャージャ1が稼動していない常温時において間隔dが最小である際でも、シール材13を押しつぶしてしまうことがなく、高温時及び低温時のいずれの場合においても、シール材13の塑性変形を防止し、永久的に変形してしまうことを防止することができ、必要なシール性能を確保することができる。
【0050】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、シール材13は、金属製のものを用いる。したがって、シール材13は、タービンハウジング6及びシュラウドプレート10が高温になっても、このタービンハウジング6、シュラウドプレート10に固着してしまうことがないので、適正なシール性能を維持することができる。さらに、シール材13は、円環状に形成され、V字型の断面形状を有する。したがって、シュラウド側支持部12がハウジング側支持部11から離間して間隔dが大きくなっても、ばね力でV字の開口端が開くので、シュラウド側支持部12の離間に追従することができる。
【0051】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、シュラウドプレート10は、円環状に形成される取付部18と、円筒状に形成され、タービンホイール8の外周をクリアランスをもって囲う囲い部19とを有し、シュラウド側支持部12は、囲い部19の外周に設けられる。したがって、囲い部19によりタービンホイール8の外周と囲い部19の内面とのクリアランスを互いに接触しない範囲で小さくすることで、タービンホイール8に導入される排気ガスを漏れなく複数のブレード14の間の流路に導くことができ、また、取付部18を介してシュラウドプレート10全体を取付面としてのノズルプレート16に取り付けることができる。シュラウド側支持部12は囲い部19の外周に設けられるので、排出ノズル63に排気排出口4側に突出して設けられるハウジング側支持部11と簡易な構成で対向させることができる。
【0052】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、シュラウドプレート10の取付部18とタービンハウジング6との間に隙間24を設ける。したがって、タービン部2の高温時においてシュラウドプレート10がタービンハウジング6側に膨張しても、この膨張による伸びをこの隙間24により吸収することができることから、シュラウドプレート10とタービンハウジング6とが接触しないため、応力も発生せず、シュラウドプレート10やタービンハウジング6の破損や変形を防止することができる。
【0053】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、複数のベーン15の開度を調整することでタービンホイール8に流入する排気ガスの流速を可変とする可変ノズル9を備える。したがって、内燃機関が高負荷になると排気導入口3に導入される排気ガスが多量で高温となることから、可変ノズル9のベーン15の開度を調節してほぼ全開側にし、タービンホイール8の回転を制御し、内燃機関の吸気通路内の空気を圧縮し設定された過給圧に制御し、内燃機関が低・中負荷になると排気導入口3に導入される排気ガスが少量で低温となることから、可変ノズル9のベーン15の開度を調節してほぼ全閉側にし、タービンホイール8の回転を制御し、内燃機関の吸気通路内の空気を圧縮し設定された過給圧に制御するので、内燃機関の出力向上と共に燃焼室内の異常燃焼を防止することができる。さらに、排気ガスの漏洩の影響がほとんどない高温時においては、可変ノズル9の上流からタービンホイール8の下流への排気ガスの漏洩を許容する一方で、排気ガスの漏洩の影響が大きい低温時においては、シール材13によりこの排気ガスの漏洩を確実に防止しすることができるので、全体として可変ノズル9による流速調整に基づいたタービンホイール8の回転の制御も誤差なく正確に行うことができる。
【0054】
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るターボチャージャ1によれば、タービンホイール8が挿入される円形孔16aが形成され、該孔16aに沿って可変ノズル9の複数のベーン15が設けられるノズルプレート16を備え、シュラウドプレート10は、このノズルプレート16に固定される。したがって、可変ノズル9をノズルプレート16に設置してからこのノズルプレート16をタービンハウジング6に組み付けることで、該可変ノズル9をタービンハウジング6内に設けることができるので製作が容易となる。さらに、直接排気ガスに接触し熱容量も相対的に小さいノズルプレート16とシュラウドプレート10とを固定するので、高温時における膨張量の差に起因する応力の発生を抑制することができ、排気流路としてのスクロール部5のための空間を保持するスペーサボルト20等の変形を防止することができる。また、シュラウドプレート10をノズルプレート16に固定してからこのノズルプレート16をタービンハウジング6に組み付けることができるので、例えば、シュラウドプレート10の囲い部19に相当する部分をタービンハウジング6に直接形成する場合よりも、組み付け精度を向上させることができ、容易に適正なクリアランスを形成することができる。
【0055】
なお、上述した本発明の実施例に係るターボチャージャ1は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、可変ノズル9を備えるものとして説明したがこれを備えなくても本発明の構成によれば、適正なシール性能を長期間持続することができる。また、以上の説明では、シール材13は、V字型の断面形状を有するステンレスにより形成されるものとして説明したが、これに限らず、例えば、Oリング等で形成してもよい。さらに、以上の説明では、ハウジング側支持部11とシュラウド側支持部12との間隔dの最小値は、シール材13が塑性変形しない程度に、このシール材13のV字開口端の幅よりもやや狭いものとして説明したが、間隔dが最小値であるときに、シール材13がハウジング側支持部11及びシュラウド側支持部12に接触していればよく、間隔dの最小値は、前記幅とほぼ等しくしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明に係るターボチャージャは、タービンハウジングとシュラウドプレートとの間において、タービンハウジングに設けられる第1の支持部とシュラウドプレートに設けられる第2の支持部との間に封止手段を設けることで適正なシール性能の確保を図ったものであり、いずれのターボチャージャに用いても好適である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例に係るターボチャージャの低温時におけるタービン部側の部分断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るターボチャージャの低温時におけるハウジング側支持部及びシュラウド側支持部の部分断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るターボチャージャの高温時におけるハウジング側支持部及びシュラウド側支持部の部分断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ターボチャージャ
2 タービン部
3 排気導入口
4 排気排出口
5 スクロール部
6 タービンハウジング
7 回転軸
8 タービンホイール
9 可変ノズル
10 シュラウドプレート
11 ハウジング側支持部(第1の支持部)
12 シュラウド側支持部(第2の支持部)
13 シール材(封止手段)
14 ブレード
15 ベーン
16 ノズルプレート
16a 円形孔
17 ベーン駆動機構
18 取付部
19 囲い部
20 スペーサボルト
24 隙間
50 軸受部
51 センタハウジング
61 スクロール壁
62 導入ノズル
63 排出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスを導入する排気導入口と、該排気ガスを排気する排気排出口と、該排気導入口と該排気排出口とを連通するスクロール部を有するタービンハウジングと、
前記スクロール部に回転自在に収容されるタービンホイールと、
前記タービンホイールを囲うように前記タービンハウジング内に設けられるシュラウドプレートと、
前記タービンハウジングに前記排気排出口側に突出して設けられる第1の支持部と、
前記シュラウドプレートに前記タービンハウジング側に突出して設けられ、前記排気ガスの流動方向に対して前記第1の支持部より下流側で該第1の支持部と対向する第2の支持部と、
前記第1の支持部と前記第2の支持部との間に設けられる封止手段とを備えることを特徴とする、
ターボチャージャ。
【請求項2】
前記封止手段は、円環状に形成され、V字型の断面形状を有することを特徴とする、
請求項1に記載のターボチャージャ。
【請求項3】
前記封止手段は、金属製であることを特徴とする、
請求項1又は請求項2に記載のターボチャージャ。
【請求項4】
前記シュラウドプレートは、円環状に形成される取付部と、円筒状に形成され、前記タービンホイールの外周をクリアランスをもって囲う囲い部とを有し、
前記第2の支持部は、前記囲い部の外周に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のターボチャージャ。
【請求項5】
前記取付部と前記タービンハウジングとの間に隙間を設けることを特徴とする、
請求項4に記載のターボチャージャ。
【請求項6】
前記第1の支持部と前記第2の支持部との間隔は、前記排気導入口に導入される排気ガスの温度に応じた前記タービンハウジング及び前記シュラウドプレートの熱膨張により変化し、前記タービンハウジング及び前記シュラウドプレートの低温時に最小となり、
前記封止手段は、少なくとも前記間隔が最小である際に塑性変形せずに前記第1の支持部及び前記第2の支持部に接触していることを特徴とする、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のターボチャージャ。
【請求項7】
開度を調整することで前記タービンホイールに流入する排気ガスの流速を可変とする可変ノズルを備えることを特徴とする、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のターボチャージャ。
【請求項8】
前記タービンホイールが挿入される円形孔が形成され、該孔に沿って前記可変ノズルが設けられるノズルプレートを備え、
前記シュラウドプレートは、前記ノズルプレートに固定されることを特徴とする、
請求項7に記載のターボチャージャ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−309139(P2007−309139A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−136971(P2006−136971)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】