ダイボンダ
【課題】ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにする。
【解決手段】分断予定ラインが形成された半導体ウエーハが貼着された粘着シートがフレームにマウントされたワークを固定するフレーム固定手段と、固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置とを備えたことを特徴とする。
【解決手段】分断予定ラインが形成された半導体ウエーハが貼着された粘着シートがフレームにマウントされたワークを固定するフレーム固定手段と、固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイボンダに係り、特に、サンプルチップのダイボンディング工程と製品チップのダイボンディング工程とを有するダイボンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置や電子部品等の組み立て工程において、半導体装置や電子部品等のチップを1個ずつ基台にボンディングするダイボンダが用いられている。
【0003】
ダイボンダは、半導体ウエーハが貼着された粘着シート(ダイシングテープ)をフレームにマウントしたワークから、複数に切断された半導体チップを一つずつリードフレーム等の基台に移送して実装するものである。
【0004】
図17にワークを示す。図17(a)は斜視図、図17(b)は断面図である。図に示すように、半導体ウエーハWは、片面に粘着層が形成された厚さ100μm程度の粘着シート(ダイシングテープ)Sに貼り付けられ、粘着シートSは剛性のあるリング状のフレームFにマウントされている。半導体ウエーハWは、ダイシングブレードによるハーフカットあるいはレーザ照射による改質領域形成により予めその内部に分断予定ラインが形成されている。半導体ウエーハWは、粘着シートSを拡張(エキスパンド)することにより、個々のチップTに分割される。ダイボンダは、個々のチップに分割されたチップTを一つずつピックアップして基台に移送する。
【0005】
例えば、特許文献1に、このようなダイボンダが開示されている。
【0006】
図18に、従来のダイボンダの概略を示す。図18に示すように、ダイボンダ200は、エキスパンド機構210とボンディング機構220を有している。
【0007】
エキスパンド機構210により、粘着シートSを介してフレームFにマウントされた半導体ウエーハWが、予め形成された分断予定ラインにより分断されて各チップTに個片化される。
【0008】
すなわち、半導体ウエーハWがマウントされたフレームFをエキスパンド機構210のエキスパンドステージ212にセットして、フレーム加圧板214でフレームFを下に押し下げて、粘着シートSをエキスパンドすることにより、半導体ウエーハWが個々のチップTに分割される。
【0009】
なお、このときエキスパンド機構210を、エキスパンドステージ212の代わりに突上げ用リングを用い、フレーム加圧板214の代わりにフレーム固定機構(フレーム抑え)を用い、フレームFをフレーム固定機構で固定し、突上げ用リングを粘着シートSの下側から押し上げて粘着シートSをエキスパンドするように構成してもよい。
【0010】
また、ボンディング機構220は、エキスパンド機構210の下方に配置された可動のチップ突き上げピン222と、エキスパンド機構210の上方に配置されたカメラ装置224と、エキスパンド機構210の側方に配置された基体移動手段230と、基体移動手段230とエキスパンド機構210の間を往復駆動するコレット226を備えている。
【0011】
上述したようにエキスパンド機構210が粘着シートSをエキスパンドして半導体ウエーハWを個々のチップTに分割すると、カメラ装置224がピックアップするチップTを撮像し、撮像した画像を処理することでチップTの良否判定等が行われる。この画像処理結果に基づいて、突き上げピン222が上昇してチップTを粘着シートSの下側から突き上げて、ピックアップしやすいようにする。そして、突き上げられたチップTを、コレット226で真空吸着して粘着シートSからピックアップする。コレット226は、基体移動手段230上の基体232の真上まで移動して、吸着したチップTを基体232上にボンディングする。
【0012】
このとき、エキスパンドされた粘着シートS上の全てのチップTをボンディングするのではなく、そのうちのいくつか、例えば半導体ウエーハWが1000個のチップTに分割されていたとして、そのうちの5個だけをサンプルチップとしてピックアップし、先にこれだけを組み立てて検査を行い、検査OKとなったら残りの全てのチップTを製品としてボンディングすることがある。
【0013】
このような場合、サンプルとしてのチップをボンディングする工程と、製品としてのチップをボンディングする工程との間において、サンプルチップの検査が終了するまで、粘着シートをエキスパンドしてサンプルチップを抜いた残りのチップを有するワーク(半導体ウエーハW)はダイボンダから取り出して保管されることとなる。
【0014】
あるいは、組み立て時に基板の反りを抑制するため、あえてNGチップを基板外周にボンディングすることがある。この様な場合、NGチップが当該ワークからなくなった際には次のウエーハからNGチップを補充するため、処理中であったワークはダイボンダから取り出して一時的に保管されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−66539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、粘着シートをエキスパンドしてサンプルチップを抜いた残りのチップを有するワークの保管時間が長くなると、一度エキスパンドされた粘着シートSが弛んで次第に元に戻ってしまう。するとエキスパンドにより拡張されたチップ間の間隔が狭まり、チップ同士が接触したりして破損するという問題がある。
【0017】
特に、ダイシングブレードでハーフカットした場合よりもレーザ照射で改質領域を形成して分断予定ラインを形成した場合には、もともと各チップ間の間隔はほとんどないので、粘着シートSが弛んだときにチップ同士が略完全にくっついてしまう。
【0018】
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触することのないダイボンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するために本発明のダイボンダは、粘着シートに貼着されて、リング状のフレームにマウントされ、予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップにダイシング加工された半導体ウエーハからなるワークを固定するフレーム固定手段と、前記フレーム固定手段によって固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、前記粘着シートの上方に昇降可能に配置され、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、前記粘着シートの上方に前記隔壁の周囲に昇降可能に配置され、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
これにより、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【0021】
また、一つの実施態様として、前記選択的加熱装置は、前記隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱することが好ましい。
【0022】
これにより、一度エキスパンドを解除した際に発生する弛み部を選択的加熱装置により選択的に加熱することにより収縮させて弛みを取り除くことで、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【0023】
また、一つの実施態様として、前記選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータであることが好ましい。
【0024】
これにより、弛み部分のみを確実に加熱することが可能となる。
【0025】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータの個数は4の倍数であることが好ましい。
【0026】
これにより、光加熱装置を粘着シートの周囲に容易に等間隔で対称的に配置することが
でき、加熱による粘着シートの収縮の異方性を軽減することができる。
【0027】
また、一つの実施態様として、本発明のダイボンダにおいて、さらに、前記ハロゲンヒータを、前記粘着シートに対して昇降させるとともに、前記粘着シートの外周に沿って回転させる昇降回転機構を備えたことが好ましい。
【0028】
これにより、加熱しないときには光加熱装置を待機位置に待機させておくとともに、加熱時には、回転走査することで粘着シートを均等に加熱することができる。
【0029】
また、一つの実施態様として、前記昇降回転機構は、前記ハロゲンヒータがある位置で前記粘着シートの外周部を加熱した後、隣り合うハロゲンヒータとの中間の位置まで前記ハロゲンヒータを回転させることが好ましい。
【0030】
これにより、粘着シートを均等に加熱することが可能となる。
【0031】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記回転中は電源をオフすることが好ましい。
【0032】
これにより、加熱する必要のない部分にまで連続して加熱し続けてしまうのを防ぎ、粘着シートを連続して加熱することによって発生するチップずれを軽減することができる。
【0033】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートの収縮異方性に対応して印加電圧が制御されることが好ましい。
【0034】
これにより、粘着シートの収縮異方性に対応した加熱を行うことができる。
【0035】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートが収縮しやすい部分よりも収縮し難い部分に対して、前記ハロゲンヒータに対する印加電圧を高く設定されることが好ましい。
【0036】
これにより、収縮し難い部分も収縮しやすい部分と同じように収縮させることができ、加熱による粘着シートの収縮の異方性を軽減するとともに、加熱源の走査に伴うチップの配列ずれを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。特に、隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱するようにした場合には、一度エキスパンドを解除した際に発生する弛み部を選択的加熱装置により選択的に加熱することにより収縮させて弛みを取り除くことで、エキスパンド解除後もチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るダイボンダの一実施形態の概略を示す要部断面図である。
【図2】図1のダイボンダの作用を示すフローチャートである。
【図3】図2の粘着シート弛緩部を加熱して収縮させる工程を示すフローチャートである。
【図4】図1のダイボンダがエキスパンドを行っている状態を示す断面図である。
【図5】隔壁を下降させチップをピックアップする様子を示すダイボンダの断面図である。
【図6】隔壁と突上げ用リングで粘着シートを把持したまま降下した状態を示す断面図である。
【図7】粘着シートの弛んだ部分を光加熱装置で加熱している状態を示す断面図である。
【図8】選択的加熱装置と粘着シートとの位置関係の一例を示す平面図である。
【図9】選択的加熱装置を回転走査する様子を示す平面図である。
【図10】8個の選択的加熱装置を備えた例を示す平面図である。
【図11】図10の8個の選択的加熱装置を回転走査する様子を示す平面図である。
【図12】本実施形態に対する比較例として従来の例を示す平面図である。
【図13】選択的加熱装置で加熱した粘着シートの測定位置を示す説明図である。
【図14】図13の各測定位置における測定方向を示す説明図である。
【図15】測定結果を示す説明図である。
【図16】比較例の測定結果を示す説明図である。
【図17】ワークを示す(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図18】従来のダイボンダの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るダイボンダについて詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明に係るダイボンダの一実施形態を示す要部断面図である。図1は、特に、ダイボンダのエキスパンド機構の部分を示したものである。
【0041】
図1に示すように、ダイボンダ1は、図17に示したような半導体ウエーハWが粘着シートSに貼着されてフレームFにマウントされたワーク2を把持するフレーム固定機構18と、粘着シートSを下から突き上げる突上げ用リング12と突上げ用リング12を昇降動作させるリング昇降機構16と、粘着シートSの下方に配置された可動のチップ突き上げピン28と、粘着シートSの上方に配置されたチップTをピックアップするコレット26等を備えている。なお、図示を省略したが、この他にエキスパンド機構の上方には、ピックアップするチップTの位置等を確認するためのカメラ装置が配置されている。
【0042】
突上げ用リング12は、半導体ウエーハWが貼着された領域の周囲を囲むように粘着シートSの下側に配置され、リング昇降機構16によって昇降可能に構成されたリング状の部材である。なお、このリングには摩擦力低減のためのコロ(ローラ)を設けてもよい。なお、図1では、突上げ用リング12は、下降位置(待機位置)に位置している。
【0043】
半導体ウエーハWには、図17に示すように、予めレーザ照射等によりその内部に分断予定ラインが格子状に形成されている。詳しくは後述するが、突上げ用リング12は、上昇することにより下から粘着シートSを押し上げて、粘着シートSをエキスパンドするものである。このように粘着シートSを引き伸ばすことにより、分断予定ラインが分断されて半導体ウエーハWが個々のチップTに分割される。
【0044】
また、図1に示すように、このようなダイボンダ1に対して、さらにエキスパンド機構の上方に、昇降動作可能で、突上げ用リング12と粘着シートSを挟むように突き合わせて粘着シートSをかしめるカシメ機構を構成するリング状(円筒状)の隔壁(側壁)20と半導体ウエーハWの周囲の粘着シートSを選択的に加熱する選択的加熱装置22が設置されている。また、選択的加熱装置22には、選択的加熱装置22を昇降動作させるとともに、選択的加熱装置22を粘着シートSの周囲に沿って回転させる昇降回転機構23が設置されている。
【0045】
隔壁20は、所定の高さの円筒形状をしており、その径(内径)は半導体ウエーハWよりも一回り大きく形成されている。また、隔壁20は、不図示の昇降機構によって昇降可能に設置されており、下降した位置において、半導体ウエーハWの周囲を囲むようになっている。またさらに、隔壁20の先端面は、上昇した突上げ用リング12の先端面と突き合わされるようになっており、これにより半導体ウエーハWが貼着された粘着シートSは、隔壁20と突上げ用リング12によってかしめるようにして把持される。
【0046】
選択的加熱装置22としては、特に光加熱装置、すなわちハロゲンヒータや、レーザあるいはフラッシュランプなどが好適に例示される。しかし、スポットタイプのハロゲンヒータが最も好ましい。
【0047】
ここでは、選択的加熱装置22としてスポットタイプのハロゲンヒータを用いている。具体的には、インフリッヂ工業(株)のハロゲンスポットヒータLCB−50(ランプ定格12V/100W)を用いた。焦点距離は35mm、集光径は2mmである。しかし、本実施形態では図7に示すように、丁度集光する部分を用いて加熱するのではなく、光源から対象物までの距離(照射距離)を46mmとして、焦点距離35mmに対して11mmオフセットして、集光した後で少し広がった部分を用い、照射径を17.5mmとしている。実際の照射径は、15mmであり、粘着シートSの半導体ウエーハWの外側の径15mmのエリアを加熱するようにしている。
【0048】
このようにスポットタイプのハロゲンヒータを用いることにより、加熱したい部分のみを選択的に(局所的に)加熱することができ、それ以外の部分への熱ストレスを最小限に抑制することができる。
【0049】
また、ハロゲンランプ用電源としては、(株)ミューテックのハロゲンランプ用電源KPS−100E−12を使用した。このハロゲンランプ用電源の出力は定格電圧12Vである。また、ソフトスタート(スロースタート)機能を有しており、ハロゲンランプに突入電流が流れるのを防止している。
【0050】
なお、従来光加熱装置として赤外線ヒータを用いるものもあるが、赤外線は視認性を有していない。これに対して、本実施形態ではハロゲンヒータを用いており、その光は可視光であり視認性を有している。そのため、ハロゲンヒータによる加熱領域を作業者が視認することができるので加熱領域をきちんと確認することができ、作業の確実性を増すことができる。このように、本実施形態では視認性のあるハロゲンヒータを用いているので、従来の赤外線を用いるものよりも優れた効果を有している。
【0051】
以下、図2及び図3のフローチャートに沿って、このカシメ機構及び選択的加熱装置を備えたダイボンダ1のエキスパンド機構の作用を説明する。
【0052】
まず、図2のフローチャートのステップS100において、半導体ウエーハWが粘着シートSに貼着されたワークのフレームFをフレーム固定機構18により固定する。
【0053】
次に、ステップS110において、図4に示すように、リング昇降機構16によって突上げ用リング12を矢印Aのように上昇させて、粘着シートSをエキスパンドする。これにより、粘着シートSが放射状に拡張されて、半導体ウエーハWが予め設けられた分断予定ラインに沿って分断され、各チップTに個片化される。
【0054】
次に、図2のステップS120において、図5に示すように、隔壁20を隔壁昇降機構(不図示)により、また選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって、それぞれ下降させる。そして、隔壁20の下端部を粘着シートSを挟んで突上げ用リング12の先端部と突き合わせて、粘着シートSをかしめるようにして把持する。
【0055】
そして図5に矢印Bで示すように、チップ突き上げピン28を上昇させてチップTを粘着シートSの下側から突き上げてピックアップし易いようにする。また図5に矢印Cで示すように、突き上げられたチップTを、コレット26でピックアップして、ボンディングステージに搬送する。
【0056】
次に、図2のステップS130において、図6に示すように、隔壁20と突上げ用リング12とによるカシメ機構で粘着シートSを把持したまま、隔壁20と突上げ用リング12とをフレームFと同じ高さまで矢印Dのように下降させる。これにより、隔壁20と突上げ用リング12とによるカシメ機構で粘着シートSを把持した部分の周辺の粘着シートSが弛緩して、弛み部が発生する。また、このとき同時に、選択的加熱装置22も昇降回転機構23により粘着シートSの周辺部を加熱できる位置まで下降させておいてもよい。
【0057】
次に、図2のステップS140において、図7に示すように、選択的加熱装置22により粘着シートSの弛緩部を選択的に加熱する。
【0058】
粘着シートSの周辺の弛み部を選択的に加熱する工程を図3のフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0059】
図3のステップS141において、選択的加熱装置22のハロゲンヒータがまだ加熱位置まで下降していない場合には、選択的加熱装置22としてのハロゲンヒータを粘着シートSの周辺を加熱できる位置まで昇降回転機構23により下降させる。
【0060】
ここで、選択的加熱装置22の制御方法について、詳しく説明しておく。
【0061】
図8に、選択的加熱装置22と粘着シートSとの位置関係の一例を平面図で示す。選択的加熱装置22は、前述したスポットタイプのハロゲンヒータである。
【0062】
図8に示す例では、粘着シートSの周囲に等間隔で対称的に4つの選択的加熱装置22が配置されている。なお、図8では、半導体ウエーハWやフレームF等は省略して、中央にチップTを一つだけ表示している。
【0063】
図8の例では、チップTは略正方形であり、選択的加熱装置22は、チップTの各辺に対向する位置に配置されている。この位置で各選択的加熱装置22の電源をオンにすると、熱収縮性の材料で形成された粘着シートSは、加熱されて図に矢印Eで示したように収縮する。その結果、チップTは、X方向及びY方向に引っ張られる。
【0064】
ここで例えば粘着シートSは、図のX方向(横方向)は収縮し難く、Y方向(縦方向)は収縮し易いとする。このような収縮異方性を解消するために、収縮し難いX方向に配置された選択的加熱装置22に対しては、収縮し易いY方向に配置された選択的加熱装置22よりも(ハロゲンヒータに対する)印加電圧を高めに設定するようにする。これにより、粘着シートSは縦方向及び横方向に均等に収縮し、各チップTは外周方向に均等に引っ張られるので、チップT同士がくっついてしまったり、配列ずれを生じることはない。
【0065】
さらにこのとき、図に矢印Gで示すように、選択的加熱装置(スポットタイプのハロゲンヒータ)22を、昇降回転機構23によって、粘着シートSの周囲に回転走査させる。
【0066】
図9に、選択的加熱装置22を回転走査する様子を示す。
【0067】
まず、図9に符号1で示す位置で選択的加熱装置22の電源をオンにして加熱を行う。このとき、前述したように粘着シートSはX方向(横方向)は収縮し難く、Y方向(縦方向)は収縮し易いとしているので、図の符号Hの位置にある選択的加熱装置22は、符号Lの位置にある選択的加熱装置22よりも印加電圧を高く設定する。
【0068】
次に選択的加熱装置22の電源をオフにするか、加熱に寄与しない電圧を印加して、丁度符号1の中間の位置である符号2の位置まで、選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって45度回転する。
【0069】
次に、符号2の位置でまた選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSを加熱する。この符号2の位置においては、X方向とY方向の中間の方向であるので、全ての選択的加熱装置22の印加電圧は等しくする。
【0070】
このようにして、粘着シートSを、横方向、縦方向及び斜め方向の全ての方向に対して均等に収縮させることができる。
【0071】
なお、選択的加熱装置22の個数はこの例のように4個に限定されるものではなく、図8に示す4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ1個ずつ選択的加熱装置を追加して8個の選択的加熱装置22を備えるようにしてもよい。
【0072】
図10に、8個の選択的加熱装置を備えた例を示す。図10に示す例においては、図8の4つの選択的加熱装置22に対して、各選択的加熱装置22の間にそれぞれ一つずつ選択的加熱装置22が配置され、全体で8個の選択的加熱装置22が粘着シートSの周囲に等間隔で配置されている。この場合も、8個の選択的加熱装置22は、昇降回転機構23によって粘着シートSに対して昇降可能かつその周囲に回転走査させることができる。
【0073】
図11に、8個の選択的加熱装置22を回転走査する様子を示す。
【0074】
例えば、8個の選択的加熱装置22は、始め図11の符号1の位置において粘着シートSの周辺部を加熱する。次に、図11に矢印Gで示すように、選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって符号2の位置まで22.5度(360度÷8÷2)だけ回転する。この回転中においては、選択的加熱装置22は電源オフするか、加熱に寄与しない程度の電圧を印加する。そして、次に図11の符号2の位置において粘着シートSの周辺部を加熱する。
【0075】
なお、このとき前の例と同様に、チップTに対して示したX方向(横方向)はY方向(縦方向)よりも粘着シートSが収縮し難い場合には、図に破線で示した範囲Hにある選択的加熱装置22は、図に破線で示した範囲Lにある選択的加熱装置22よりも印加電圧を高くするようにする。
【0076】
なお、選択的加熱装置22の個数は、これらの例のように4個や8個に限定されるものではなく、少なくとも4個以上で、粘着シートSの外周に沿って等間隔に対称的に配置することができればよい。例えば、6個の選択的加熱装置は、粘着シートSの外周に沿って等間隔に対称的に配置することができるので、6個でもよい。
【0077】
また、図8の4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ2個の選択的加熱装置を追加して12個としてもよいし、図8の4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ3個の選択的加熱装置を追加して16個としてもよい。このように、選択的加熱装置22の個数は、4の倍数とすることが好ましい。
【0078】
また、これに対して、比較例として加熱手段が2個の従来の場合について説明する。
【0079】
図12に示すように、加熱手段122は、粘着シートSの周囲の対称的な位置に2個配置されているとする。そして図に矢印Jで示すように、加熱手段122を粘着シートSの外周に沿って走査しながら連続的に加熱して粘着シートSを収縮させるようにしている。
【0080】
このとき、加熱手段122としては、温風方式、加熱板方式、リング状光加熱方式などが用いられるが、これらの方式では、粘着シートSの収縮しやすい領域と収縮し難い領域とで加熱量を変えることができず、粘着シートSを均等に収縮させることがでない。その結果、各チップTの間隔が縦横で異なったり、チップの配列ずれを起こしてしまう。
【0081】
また、仮に加熱手段122として、本発明と同じように光加熱装置を用いたとしても、2個だけでは、例えば図12のように2個の光加熱装置で加熱して縦方向に粘着シートSを収縮しているとき、横方向には加熱していないので、縦方向にばかり収縮して、チップTの間隔が縦横で異なったり、配列ずれが生じてしまう。たとえ、この後2個の光加熱装置を90度回転して横方向から加熱しても、すでに粘着シートSは縦方向にかなり収縮してしまっているので、粘着シートSを均等に収縮させることは不可能であり、チップTの配列ずれを修正することはできない。
【0082】
従って、少なくとも4個以上の選択的加熱装置を粘着シートSの周囲に均等に配置して、粘着シートSの収縮し難い方向については、選択的加熱装置に対する印加電圧をより高くして加熱するようにして、選択的加熱装置による加熱と所定角度の回転を繰り返すことで、粘着シートSを横方向、縦方向及び斜め方向の全ての方向に対して均等に収縮させることができる。
【0083】
ここで、再び図3に戻る。なお、図2及び図3のフローチャートでその作用を説明している図1に示すダイボンダにおいては、図10に示すように粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個の選択的加熱装置22が配置されているとする。また、図10の例と同様に、チップTに対して示したX方向(横方向)はY方向(縦方向)よりも粘着シートSが収縮し難いものとする。
【0084】
図3のステップS142において、図11の符号1で示す位置において、8個の選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSの弛んだ外周部を加熱する。このとき、図11に破線Hで囲んだ領域においては、選択的加熱装置22の印加電圧を、破線Lで囲んだ領域においてよりも高く設定する。これにより、粘着シートSの収縮し難い横方向(X方向)についても、収縮し易い方向(Y方向)と同じように収縮させることができ、収縮の異方性を抑性することができる。
【0085】
次に、図3のステップS143において、選択的加熱装置22の電源をオフにするか加熱に寄与しない電圧を印加して図11に矢印Gで示したように、昇降回転機構23によって選択的加熱装置22を図11の符号2で示す位置まで回転する。
【0086】
次に、ステップS144において、図11の符号2の位置で、選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSの外周部を加熱する。このとき、図11に破線Hで囲んだ領域においては、選択的加熱装置22の印加電圧を、破線Lで囲んだ領域よりも高く設定する。
【0087】
そして、ステップS145において、選択的加熱装置22の電源をオフにして、昇降回転機構23により選択的加熱装置(ハロゲンヒータ)22を待機位置まで上昇させる。
【0088】
以上が、粘着シートSの周辺の弛み部を選択的に加熱する工程である。
【0089】
そして、最後に図2のステップS150において、隔壁20を選択的加熱装置22と同様に待機位置に上昇させるとともに、突上げ用リング12も待機位置まで降下させ、粘着シートSの拡張を解除する。そしてフレームFをはずしてワーク2を次の工程に搬送する。あるいは、サンプルチップの検査が終了するまで所定の場所に保管する。
【0090】
このように選択的加熱装置により粘着シートSの弛んだ部分のみを選択的にまた均等に加熱することにより、粘着シートSが全ての方向について均等に収縮され、分割された各チップTの間隔及び配列を維持することができる。従って、サンプルチップをピックアップしたワークをダイボンダから取り出して、サンプルチップの検査が終了するまで保管するとしても、粘着シートSの拡張状態が維持されるため、拡張された粘着シートSが再び元に戻ってチップTの間隔が狭まってチップ同士が接触するようなことはない。
【0091】
また、選択的加熱装置が粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個配置された場合のその他の加熱制御方法について説明する。
【0092】
すなわち、例えば図10に示すように、粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個の選択的加熱装置22としてスポットタイプのハロゲンヒータが配置されている。ただし、このときチップTは、図10に示すような略正方形ではなく、図のX方向(横方向)とY方向(縦方向)とにおける長さの比(アスペクト比)は、1:2.4の縦長の長方形状であるとする(図14参照)。
【0093】
各選択的加熱装置22は、粘着シートSの周囲に45度の間隔で並んでいる。この45度の間隔を8等分して、5.6度ずつ各選択的加熱装置22を粘着シートSの周囲に沿って回転し、5.6度回転するごとにその位置で加熱するようにする。このとき、最初は図13において、選択的加熱装置22としてのハロゲンヒータに対する印加電圧は、LeftとRightの位置では12Vとし、TopとBottomの位置では5Vとする。
【0094】
このようして、5.6度ずつ回転しながら、8回加熱したら、次は、最初の位置より5.6度の半分の2.8度ずらした位置から初めるようにする。今度は、ハロゲンヒータに対する印加電圧は、LeftとRightの位置では12Vとし、TopとBottomの位置では11Vとする。そして、また5.6度ずつ回転しながら、8回加熱する。
【0095】
このようにして加熱し、粘着シートS上の各チップTの間隔を、図13に示す、Center、Left、Right、Top、Bottomの5か所について、図14に示すような5つのポイントで、それぞれHorizontal及びVerticalの2方向について測定した。
【0096】
図15に、それぞれの箇所について各ポイント毎の測定結果を示す。この結果を見ると、上記のような加熱制御により、チップ間の間隔はどの場所においても平均20〜30程度であり、それほど大きな違いは発生しないことがわかる。
【0097】
これに対して、比較のために、このような加熱制御をすることなく、単に粘着シートSの全周囲から同じように加熱した場合の測定結果を図16に示す。
【0098】
図16を見ると、チップTのアスペクト比が1:2.4で異方性を有する場合に、全方向から同じように加熱した場合には、粘着シートS上の場所及び方向によって、チップ間隔が、平均で10台から50台までと、大きく変化していることがわかる。
【0099】
このように、上述したような加熱制御を行うことにより、チップが正方形から大きくはずれたような形状をしており、異方性がある場合でも、全方向について同じように粘着シートSを収縮することができる。また、逆にチップが等方的で異方性がなく、粘着シートSの側に異方性がある場合でも、上記加熱制御方法で対応することができる。
【0100】
なお、いままで説明した例においては、選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータとしていたが、隔壁20が存在することにより、温風ヒータを用いることも可能である。すなわち、ノズル等から局所的な領域のみに温風を吹き出すようにすれば、隔壁20により、温風がダイレクトに半導体ウエーハWの領域にはいかないようにすることができるので、粘着シートSの弛み部のみを選択的に加熱することが可能となる。
【0101】
なお、以上説明した本発明のカシメ機構及び選択的加熱装置を適用したダイボンダにおいて、隔壁と突上げ用リングとで構成されるカシメ機構は、これの内側の半導体ウエーハW(チップT)が貼着された粘着シートSの部分と、これの外側の粘着シートSの部分との間において、熱的遮蔽機能を果たしている。
【0102】
このカシメ機構の外周側を選択的加熱装置で加熱しても、この熱はカシメ機構を構成する突上げ用リング等の金属部分を通じて熱伝達により逃げていくため、カシメ機構の内側の粘着シートSに熱が伝わることが抑制される。
【0103】
上に示した例では、選択的加熱装置として光加熱装置(スポットタイプのハロゲンヒータ)が用いられたが、ノズルから加熱したい部分にのみ温風を吹き付けるような温風ヒータでカシメ機構の外周の粘着シートSを加熱するようにしてもよい。粘着シートSの上側から温風を吹き付けても、隔壁があるため、半導体ウエーハWが貼着されている粘着シートSの領域に直接温風があたることはないからである。
【0104】
また、本実施形態においては、選択的加熱装置22による熱輻射によって加熱しているので、粘着シートSの弛んだ部分にのみ局所的に(選択的に)加熱することができる。また特に本実施形態では、半導体ウエーハWを隔壁20で囲んでいるため熱を遮蔽して、選択的加熱装置22によって半導体ウエーハW部の粘着シートSが加熱されてしまうのを防ぐことができ、より一層選択的加熱装置22による局所的な加熱を可能としている。
【0105】
なお、ある程度の高さを有する隔壁20で半導体ウエーハWを囲むようにしたことにより、半導体ウエーハWを選択的加熱装置22から熱的に遮蔽するだけでなく、選択的加熱装置22の光源からの漏れ光が半導体ウエーハWにあたらないように光的に遮蔽することもできる。また、さらに選択的加熱装置22で粘着シートSを加熱すると、高温になり煙(ある種のガス)を発生することがあるが、隔壁20により、そのような煙が半導体ウエーハWにダイレクトにあたらないようにして煙による影響を抑制することもできる。
【0106】
また、隔壁20と突上げ用リング12とによって粘着シートSの弛んだ部分の近くを把持しているので、弛んだ部分を加熱することによって隔壁20や突上げ用リング12も加熱されるが、この熱は熱伝導によって隔壁20や突上げ用リング12を通じて逃げていく。従って、隔壁20及び突上げ用リング12の内部に囲われた粘着シートSや半導体ウエーハWは、熱的に遮蔽されており、加熱されることはない。
【0107】
この点従来のように、温風による雰囲気加熱の場合には、熱対流により全体が加熱されてしまうので、粘着シートSの弛んだ部分だけを選択的に加熱することはできなかった。
【0108】
これに対して本実施形態では、粘着シートSの弛んだ部分の加熱を選択的加熱装置22として特にスポットタイプのハロゲンヒータを用いて、輻射により、局所的な部分のみを選択的に加熱することができる。
【0109】
以上、本発明のダイボンダについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0110】
1…ダイボンダ、2…ワーク、12…突上げ用リング、16…リング昇降機構、18…フレーム固定機構、20…隔壁、22…選択的加熱装置、23…昇降回転機構、26…コレット、28…チップ突き上げピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイボンダに係り、特に、サンプルチップのダイボンディング工程と製品チップのダイボンディング工程とを有するダイボンダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置や電子部品等の組み立て工程において、半導体装置や電子部品等のチップを1個ずつ基台にボンディングするダイボンダが用いられている。
【0003】
ダイボンダは、半導体ウエーハが貼着された粘着シート(ダイシングテープ)をフレームにマウントしたワークから、複数に切断された半導体チップを一つずつリードフレーム等の基台に移送して実装するものである。
【0004】
図17にワークを示す。図17(a)は斜視図、図17(b)は断面図である。図に示すように、半導体ウエーハWは、片面に粘着層が形成された厚さ100μm程度の粘着シート(ダイシングテープ)Sに貼り付けられ、粘着シートSは剛性のあるリング状のフレームFにマウントされている。半導体ウエーハWは、ダイシングブレードによるハーフカットあるいはレーザ照射による改質領域形成により予めその内部に分断予定ラインが形成されている。半導体ウエーハWは、粘着シートSを拡張(エキスパンド)することにより、個々のチップTに分割される。ダイボンダは、個々のチップに分割されたチップTを一つずつピックアップして基台に移送する。
【0005】
例えば、特許文献1に、このようなダイボンダが開示されている。
【0006】
図18に、従来のダイボンダの概略を示す。図18に示すように、ダイボンダ200は、エキスパンド機構210とボンディング機構220を有している。
【0007】
エキスパンド機構210により、粘着シートSを介してフレームFにマウントされた半導体ウエーハWが、予め形成された分断予定ラインにより分断されて各チップTに個片化される。
【0008】
すなわち、半導体ウエーハWがマウントされたフレームFをエキスパンド機構210のエキスパンドステージ212にセットして、フレーム加圧板214でフレームFを下に押し下げて、粘着シートSをエキスパンドすることにより、半導体ウエーハWが個々のチップTに分割される。
【0009】
なお、このときエキスパンド機構210を、エキスパンドステージ212の代わりに突上げ用リングを用い、フレーム加圧板214の代わりにフレーム固定機構(フレーム抑え)を用い、フレームFをフレーム固定機構で固定し、突上げ用リングを粘着シートSの下側から押し上げて粘着シートSをエキスパンドするように構成してもよい。
【0010】
また、ボンディング機構220は、エキスパンド機構210の下方に配置された可動のチップ突き上げピン222と、エキスパンド機構210の上方に配置されたカメラ装置224と、エキスパンド機構210の側方に配置された基体移動手段230と、基体移動手段230とエキスパンド機構210の間を往復駆動するコレット226を備えている。
【0011】
上述したようにエキスパンド機構210が粘着シートSをエキスパンドして半導体ウエーハWを個々のチップTに分割すると、カメラ装置224がピックアップするチップTを撮像し、撮像した画像を処理することでチップTの良否判定等が行われる。この画像処理結果に基づいて、突き上げピン222が上昇してチップTを粘着シートSの下側から突き上げて、ピックアップしやすいようにする。そして、突き上げられたチップTを、コレット226で真空吸着して粘着シートSからピックアップする。コレット226は、基体移動手段230上の基体232の真上まで移動して、吸着したチップTを基体232上にボンディングする。
【0012】
このとき、エキスパンドされた粘着シートS上の全てのチップTをボンディングするのではなく、そのうちのいくつか、例えば半導体ウエーハWが1000個のチップTに分割されていたとして、そのうちの5個だけをサンプルチップとしてピックアップし、先にこれだけを組み立てて検査を行い、検査OKとなったら残りの全てのチップTを製品としてボンディングすることがある。
【0013】
このような場合、サンプルとしてのチップをボンディングする工程と、製品としてのチップをボンディングする工程との間において、サンプルチップの検査が終了するまで、粘着シートをエキスパンドしてサンプルチップを抜いた残りのチップを有するワーク(半導体ウエーハW)はダイボンダから取り出して保管されることとなる。
【0014】
あるいは、組み立て時に基板の反りを抑制するため、あえてNGチップを基板外周にボンディングすることがある。この様な場合、NGチップが当該ワークからなくなった際には次のウエーハからNGチップを補充するため、処理中であったワークはダイボンダから取り出して一時的に保管されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2006−66539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、粘着シートをエキスパンドしてサンプルチップを抜いた残りのチップを有するワークの保管時間が長くなると、一度エキスパンドされた粘着シートSが弛んで次第に元に戻ってしまう。するとエキスパンドにより拡張されたチップ間の間隔が狭まり、チップ同士が接触したりして破損するという問題がある。
【0017】
特に、ダイシングブレードでハーフカットした場合よりもレーザ照射で改質領域を形成して分断予定ラインを形成した場合には、もともと各チップ間の間隔はほとんどないので、粘着シートSが弛んだときにチップ同士が略完全にくっついてしまう。
【0018】
本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触することのないダイボンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するために本発明のダイボンダは、粘着シートに貼着されて、リング状のフレームにマウントされ、予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップにダイシング加工された半導体ウエーハからなるワークを固定するフレーム固定手段と、前記フレーム固定手段によって固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、前記粘着シートの上方に昇降可能に配置され、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、前記粘着シートの上方に前記隔壁の周囲に昇降可能に配置され、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置とを備えたことを特徴とする。
【0020】
これにより、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【0021】
また、一つの実施態様として、前記選択的加熱装置は、前記隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱することが好ましい。
【0022】
これにより、一度エキスパンドを解除した際に発生する弛み部を選択的加熱装置により選択的に加熱することにより収縮させて弛みを取り除くことで、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【0023】
また、一つの実施態様として、前記選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータであることが好ましい。
【0024】
これにより、弛み部分のみを確実に加熱することが可能となる。
【0025】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータの個数は4の倍数であることが好ましい。
【0026】
これにより、光加熱装置を粘着シートの周囲に容易に等間隔で対称的に配置することが
でき、加熱による粘着シートの収縮の異方性を軽減することができる。
【0027】
また、一つの実施態様として、本発明のダイボンダにおいて、さらに、前記ハロゲンヒータを、前記粘着シートに対して昇降させるとともに、前記粘着シートの外周に沿って回転させる昇降回転機構を備えたことが好ましい。
【0028】
これにより、加熱しないときには光加熱装置を待機位置に待機させておくとともに、加熱時には、回転走査することで粘着シートを均等に加熱することができる。
【0029】
また、一つの実施態様として、前記昇降回転機構は、前記ハロゲンヒータがある位置で前記粘着シートの外周部を加熱した後、隣り合うハロゲンヒータとの中間の位置まで前記ハロゲンヒータを回転させることが好ましい。
【0030】
これにより、粘着シートを均等に加熱することが可能となる。
【0031】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記回転中は電源をオフすることが好ましい。
【0032】
これにより、加熱する必要のない部分にまで連続して加熱し続けてしまうのを防ぎ、粘着シートを連続して加熱することによって発生するチップずれを軽減することができる。
【0033】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートの収縮異方性に対応して印加電圧が制御されることが好ましい。
【0034】
これにより、粘着シートの収縮異方性に対応した加熱を行うことができる。
【0035】
また、一つの実施態様として、前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートが収縮しやすい部分よりも収縮し難い部分に対して、前記ハロゲンヒータに対する印加電圧を高く設定されることが好ましい。
【0036】
これにより、収縮し難い部分も収縮しやすい部分と同じように収縮させることができ、加熱による粘着シートの収縮の異方性を軽減するとともに、加熱源の走査に伴うチップの配列ずれを抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、ダイボンダにおいて一度エキスパンドした後、エキスパンドを解除してもチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。特に、隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱するようにした場合には、一度エキスパンドを解除した際に発生する弛み部を選択的加熱装置により選択的に加熱することにより収縮させて弛みを取り除くことで、エキスパンド解除後もチップ同士が接触しないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るダイボンダの一実施形態の概略を示す要部断面図である。
【図2】図1のダイボンダの作用を示すフローチャートである。
【図3】図2の粘着シート弛緩部を加熱して収縮させる工程を示すフローチャートである。
【図4】図1のダイボンダがエキスパンドを行っている状態を示す断面図である。
【図5】隔壁を下降させチップをピックアップする様子を示すダイボンダの断面図である。
【図6】隔壁と突上げ用リングで粘着シートを把持したまま降下した状態を示す断面図である。
【図7】粘着シートの弛んだ部分を光加熱装置で加熱している状態を示す断面図である。
【図8】選択的加熱装置と粘着シートとの位置関係の一例を示す平面図である。
【図9】選択的加熱装置を回転走査する様子を示す平面図である。
【図10】8個の選択的加熱装置を備えた例を示す平面図である。
【図11】図10の8個の選択的加熱装置を回転走査する様子を示す平面図である。
【図12】本実施形態に対する比較例として従来の例を示す平面図である。
【図13】選択的加熱装置で加熱した粘着シートの測定位置を示す説明図である。
【図14】図13の各測定位置における測定方向を示す説明図である。
【図15】測定結果を示す説明図である。
【図16】比較例の測定結果を示す説明図である。
【図17】ワークを示す(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図18】従来のダイボンダの一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るダイボンダについて詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明に係るダイボンダの一実施形態を示す要部断面図である。図1は、特に、ダイボンダのエキスパンド機構の部分を示したものである。
【0041】
図1に示すように、ダイボンダ1は、図17に示したような半導体ウエーハWが粘着シートSに貼着されてフレームFにマウントされたワーク2を把持するフレーム固定機構18と、粘着シートSを下から突き上げる突上げ用リング12と突上げ用リング12を昇降動作させるリング昇降機構16と、粘着シートSの下方に配置された可動のチップ突き上げピン28と、粘着シートSの上方に配置されたチップTをピックアップするコレット26等を備えている。なお、図示を省略したが、この他にエキスパンド機構の上方には、ピックアップするチップTの位置等を確認するためのカメラ装置が配置されている。
【0042】
突上げ用リング12は、半導体ウエーハWが貼着された領域の周囲を囲むように粘着シートSの下側に配置され、リング昇降機構16によって昇降可能に構成されたリング状の部材である。なお、このリングには摩擦力低減のためのコロ(ローラ)を設けてもよい。なお、図1では、突上げ用リング12は、下降位置(待機位置)に位置している。
【0043】
半導体ウエーハWには、図17に示すように、予めレーザ照射等によりその内部に分断予定ラインが格子状に形成されている。詳しくは後述するが、突上げ用リング12は、上昇することにより下から粘着シートSを押し上げて、粘着シートSをエキスパンドするものである。このように粘着シートSを引き伸ばすことにより、分断予定ラインが分断されて半導体ウエーハWが個々のチップTに分割される。
【0044】
また、図1に示すように、このようなダイボンダ1に対して、さらにエキスパンド機構の上方に、昇降動作可能で、突上げ用リング12と粘着シートSを挟むように突き合わせて粘着シートSをかしめるカシメ機構を構成するリング状(円筒状)の隔壁(側壁)20と半導体ウエーハWの周囲の粘着シートSを選択的に加熱する選択的加熱装置22が設置されている。また、選択的加熱装置22には、選択的加熱装置22を昇降動作させるとともに、選択的加熱装置22を粘着シートSの周囲に沿って回転させる昇降回転機構23が設置されている。
【0045】
隔壁20は、所定の高さの円筒形状をしており、その径(内径)は半導体ウエーハWよりも一回り大きく形成されている。また、隔壁20は、不図示の昇降機構によって昇降可能に設置されており、下降した位置において、半導体ウエーハWの周囲を囲むようになっている。またさらに、隔壁20の先端面は、上昇した突上げ用リング12の先端面と突き合わされるようになっており、これにより半導体ウエーハWが貼着された粘着シートSは、隔壁20と突上げ用リング12によってかしめるようにして把持される。
【0046】
選択的加熱装置22としては、特に光加熱装置、すなわちハロゲンヒータや、レーザあるいはフラッシュランプなどが好適に例示される。しかし、スポットタイプのハロゲンヒータが最も好ましい。
【0047】
ここでは、選択的加熱装置22としてスポットタイプのハロゲンヒータを用いている。具体的には、インフリッヂ工業(株)のハロゲンスポットヒータLCB−50(ランプ定格12V/100W)を用いた。焦点距離は35mm、集光径は2mmである。しかし、本実施形態では図7に示すように、丁度集光する部分を用いて加熱するのではなく、光源から対象物までの距離(照射距離)を46mmとして、焦点距離35mmに対して11mmオフセットして、集光した後で少し広がった部分を用い、照射径を17.5mmとしている。実際の照射径は、15mmであり、粘着シートSの半導体ウエーハWの外側の径15mmのエリアを加熱するようにしている。
【0048】
このようにスポットタイプのハロゲンヒータを用いることにより、加熱したい部分のみを選択的に(局所的に)加熱することができ、それ以外の部分への熱ストレスを最小限に抑制することができる。
【0049】
また、ハロゲンランプ用電源としては、(株)ミューテックのハロゲンランプ用電源KPS−100E−12を使用した。このハロゲンランプ用電源の出力は定格電圧12Vである。また、ソフトスタート(スロースタート)機能を有しており、ハロゲンランプに突入電流が流れるのを防止している。
【0050】
なお、従来光加熱装置として赤外線ヒータを用いるものもあるが、赤外線は視認性を有していない。これに対して、本実施形態ではハロゲンヒータを用いており、その光は可視光であり視認性を有している。そのため、ハロゲンヒータによる加熱領域を作業者が視認することができるので加熱領域をきちんと確認することができ、作業の確実性を増すことができる。このように、本実施形態では視認性のあるハロゲンヒータを用いているので、従来の赤外線を用いるものよりも優れた効果を有している。
【0051】
以下、図2及び図3のフローチャートに沿って、このカシメ機構及び選択的加熱装置を備えたダイボンダ1のエキスパンド機構の作用を説明する。
【0052】
まず、図2のフローチャートのステップS100において、半導体ウエーハWが粘着シートSに貼着されたワークのフレームFをフレーム固定機構18により固定する。
【0053】
次に、ステップS110において、図4に示すように、リング昇降機構16によって突上げ用リング12を矢印Aのように上昇させて、粘着シートSをエキスパンドする。これにより、粘着シートSが放射状に拡張されて、半導体ウエーハWが予め設けられた分断予定ラインに沿って分断され、各チップTに個片化される。
【0054】
次に、図2のステップS120において、図5に示すように、隔壁20を隔壁昇降機構(不図示)により、また選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって、それぞれ下降させる。そして、隔壁20の下端部を粘着シートSを挟んで突上げ用リング12の先端部と突き合わせて、粘着シートSをかしめるようにして把持する。
【0055】
そして図5に矢印Bで示すように、チップ突き上げピン28を上昇させてチップTを粘着シートSの下側から突き上げてピックアップし易いようにする。また図5に矢印Cで示すように、突き上げられたチップTを、コレット26でピックアップして、ボンディングステージに搬送する。
【0056】
次に、図2のステップS130において、図6に示すように、隔壁20と突上げ用リング12とによるカシメ機構で粘着シートSを把持したまま、隔壁20と突上げ用リング12とをフレームFと同じ高さまで矢印Dのように下降させる。これにより、隔壁20と突上げ用リング12とによるカシメ機構で粘着シートSを把持した部分の周辺の粘着シートSが弛緩して、弛み部が発生する。また、このとき同時に、選択的加熱装置22も昇降回転機構23により粘着シートSの周辺部を加熱できる位置まで下降させておいてもよい。
【0057】
次に、図2のステップS140において、図7に示すように、選択的加熱装置22により粘着シートSの弛緩部を選択的に加熱する。
【0058】
粘着シートSの周辺の弛み部を選択的に加熱する工程を図3のフローチャートに沿って詳しく説明する。
【0059】
図3のステップS141において、選択的加熱装置22のハロゲンヒータがまだ加熱位置まで下降していない場合には、選択的加熱装置22としてのハロゲンヒータを粘着シートSの周辺を加熱できる位置まで昇降回転機構23により下降させる。
【0060】
ここで、選択的加熱装置22の制御方法について、詳しく説明しておく。
【0061】
図8に、選択的加熱装置22と粘着シートSとの位置関係の一例を平面図で示す。選択的加熱装置22は、前述したスポットタイプのハロゲンヒータである。
【0062】
図8に示す例では、粘着シートSの周囲に等間隔で対称的に4つの選択的加熱装置22が配置されている。なお、図8では、半導体ウエーハWやフレームF等は省略して、中央にチップTを一つだけ表示している。
【0063】
図8の例では、チップTは略正方形であり、選択的加熱装置22は、チップTの各辺に対向する位置に配置されている。この位置で各選択的加熱装置22の電源をオンにすると、熱収縮性の材料で形成された粘着シートSは、加熱されて図に矢印Eで示したように収縮する。その結果、チップTは、X方向及びY方向に引っ張られる。
【0064】
ここで例えば粘着シートSは、図のX方向(横方向)は収縮し難く、Y方向(縦方向)は収縮し易いとする。このような収縮異方性を解消するために、収縮し難いX方向に配置された選択的加熱装置22に対しては、収縮し易いY方向に配置された選択的加熱装置22よりも(ハロゲンヒータに対する)印加電圧を高めに設定するようにする。これにより、粘着シートSは縦方向及び横方向に均等に収縮し、各チップTは外周方向に均等に引っ張られるので、チップT同士がくっついてしまったり、配列ずれを生じることはない。
【0065】
さらにこのとき、図に矢印Gで示すように、選択的加熱装置(スポットタイプのハロゲンヒータ)22を、昇降回転機構23によって、粘着シートSの周囲に回転走査させる。
【0066】
図9に、選択的加熱装置22を回転走査する様子を示す。
【0067】
まず、図9に符号1で示す位置で選択的加熱装置22の電源をオンにして加熱を行う。このとき、前述したように粘着シートSはX方向(横方向)は収縮し難く、Y方向(縦方向)は収縮し易いとしているので、図の符号Hの位置にある選択的加熱装置22は、符号Lの位置にある選択的加熱装置22よりも印加電圧を高く設定する。
【0068】
次に選択的加熱装置22の電源をオフにするか、加熱に寄与しない電圧を印加して、丁度符号1の中間の位置である符号2の位置まで、選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって45度回転する。
【0069】
次に、符号2の位置でまた選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSを加熱する。この符号2の位置においては、X方向とY方向の中間の方向であるので、全ての選択的加熱装置22の印加電圧は等しくする。
【0070】
このようにして、粘着シートSを、横方向、縦方向及び斜め方向の全ての方向に対して均等に収縮させることができる。
【0071】
なお、選択的加熱装置22の個数はこの例のように4個に限定されるものではなく、図8に示す4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ1個ずつ選択的加熱装置を追加して8個の選択的加熱装置22を備えるようにしてもよい。
【0072】
図10に、8個の選択的加熱装置を備えた例を示す。図10に示す例においては、図8の4つの選択的加熱装置22に対して、各選択的加熱装置22の間にそれぞれ一つずつ選択的加熱装置22が配置され、全体で8個の選択的加熱装置22が粘着シートSの周囲に等間隔で配置されている。この場合も、8個の選択的加熱装置22は、昇降回転機構23によって粘着シートSに対して昇降可能かつその周囲に回転走査させることができる。
【0073】
図11に、8個の選択的加熱装置22を回転走査する様子を示す。
【0074】
例えば、8個の選択的加熱装置22は、始め図11の符号1の位置において粘着シートSの周辺部を加熱する。次に、図11に矢印Gで示すように、選択的加熱装置22を昇降回転機構23によって符号2の位置まで22.5度(360度÷8÷2)だけ回転する。この回転中においては、選択的加熱装置22は電源オフするか、加熱に寄与しない程度の電圧を印加する。そして、次に図11の符号2の位置において粘着シートSの周辺部を加熱する。
【0075】
なお、このとき前の例と同様に、チップTに対して示したX方向(横方向)はY方向(縦方向)よりも粘着シートSが収縮し難い場合には、図に破線で示した範囲Hにある選択的加熱装置22は、図に破線で示した範囲Lにある選択的加熱装置22よりも印加電圧を高くするようにする。
【0076】
なお、選択的加熱装置22の個数は、これらの例のように4個や8個に限定されるものではなく、少なくとも4個以上で、粘着シートSの外周に沿って等間隔に対称的に配置することができればよい。例えば、6個の選択的加熱装置は、粘着シートSの外周に沿って等間隔に対称的に配置することができるので、6個でもよい。
【0077】
また、図8の4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ2個の選択的加熱装置を追加して12個としてもよいし、図8の4個の選択的加熱装置22の間にそれぞれ3個の選択的加熱装置を追加して16個としてもよい。このように、選択的加熱装置22の個数は、4の倍数とすることが好ましい。
【0078】
また、これに対して、比較例として加熱手段が2個の従来の場合について説明する。
【0079】
図12に示すように、加熱手段122は、粘着シートSの周囲の対称的な位置に2個配置されているとする。そして図に矢印Jで示すように、加熱手段122を粘着シートSの外周に沿って走査しながら連続的に加熱して粘着シートSを収縮させるようにしている。
【0080】
このとき、加熱手段122としては、温風方式、加熱板方式、リング状光加熱方式などが用いられるが、これらの方式では、粘着シートSの収縮しやすい領域と収縮し難い領域とで加熱量を変えることができず、粘着シートSを均等に収縮させることがでない。その結果、各チップTの間隔が縦横で異なったり、チップの配列ずれを起こしてしまう。
【0081】
また、仮に加熱手段122として、本発明と同じように光加熱装置を用いたとしても、2個だけでは、例えば図12のように2個の光加熱装置で加熱して縦方向に粘着シートSを収縮しているとき、横方向には加熱していないので、縦方向にばかり収縮して、チップTの間隔が縦横で異なったり、配列ずれが生じてしまう。たとえ、この後2個の光加熱装置を90度回転して横方向から加熱しても、すでに粘着シートSは縦方向にかなり収縮してしまっているので、粘着シートSを均等に収縮させることは不可能であり、チップTの配列ずれを修正することはできない。
【0082】
従って、少なくとも4個以上の選択的加熱装置を粘着シートSの周囲に均等に配置して、粘着シートSの収縮し難い方向については、選択的加熱装置に対する印加電圧をより高くして加熱するようにして、選択的加熱装置による加熱と所定角度の回転を繰り返すことで、粘着シートSを横方向、縦方向及び斜め方向の全ての方向に対して均等に収縮させることができる。
【0083】
ここで、再び図3に戻る。なお、図2及び図3のフローチャートでその作用を説明している図1に示すダイボンダにおいては、図10に示すように粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個の選択的加熱装置22が配置されているとする。また、図10の例と同様に、チップTに対して示したX方向(横方向)はY方向(縦方向)よりも粘着シートSが収縮し難いものとする。
【0084】
図3のステップS142において、図11の符号1で示す位置において、8個の選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSの弛んだ外周部を加熱する。このとき、図11に破線Hで囲んだ領域においては、選択的加熱装置22の印加電圧を、破線Lで囲んだ領域においてよりも高く設定する。これにより、粘着シートSの収縮し難い横方向(X方向)についても、収縮し易い方向(Y方向)と同じように収縮させることができ、収縮の異方性を抑性することができる。
【0085】
次に、図3のステップS143において、選択的加熱装置22の電源をオフにするか加熱に寄与しない電圧を印加して図11に矢印Gで示したように、昇降回転機構23によって選択的加熱装置22を図11の符号2で示す位置まで回転する。
【0086】
次に、ステップS144において、図11の符号2の位置で、選択的加熱装置22の電源をオンにして粘着シートSの外周部を加熱する。このとき、図11に破線Hで囲んだ領域においては、選択的加熱装置22の印加電圧を、破線Lで囲んだ領域よりも高く設定する。
【0087】
そして、ステップS145において、選択的加熱装置22の電源をオフにして、昇降回転機構23により選択的加熱装置(ハロゲンヒータ)22を待機位置まで上昇させる。
【0088】
以上が、粘着シートSの周辺の弛み部を選択的に加熱する工程である。
【0089】
そして、最後に図2のステップS150において、隔壁20を選択的加熱装置22と同様に待機位置に上昇させるとともに、突上げ用リング12も待機位置まで降下させ、粘着シートSの拡張を解除する。そしてフレームFをはずしてワーク2を次の工程に搬送する。あるいは、サンプルチップの検査が終了するまで所定の場所に保管する。
【0090】
このように選択的加熱装置により粘着シートSの弛んだ部分のみを選択的にまた均等に加熱することにより、粘着シートSが全ての方向について均等に収縮され、分割された各チップTの間隔及び配列を維持することができる。従って、サンプルチップをピックアップしたワークをダイボンダから取り出して、サンプルチップの検査が終了するまで保管するとしても、粘着シートSの拡張状態が維持されるため、拡張された粘着シートSが再び元に戻ってチップTの間隔が狭まってチップ同士が接触するようなことはない。
【0091】
また、選択的加熱装置が粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個配置された場合のその他の加熱制御方法について説明する。
【0092】
すなわち、例えば図10に示すように、粘着シートSの周囲に沿って等間隔に8個の選択的加熱装置22としてスポットタイプのハロゲンヒータが配置されている。ただし、このときチップTは、図10に示すような略正方形ではなく、図のX方向(横方向)とY方向(縦方向)とにおける長さの比(アスペクト比)は、1:2.4の縦長の長方形状であるとする(図14参照)。
【0093】
各選択的加熱装置22は、粘着シートSの周囲に45度の間隔で並んでいる。この45度の間隔を8等分して、5.6度ずつ各選択的加熱装置22を粘着シートSの周囲に沿って回転し、5.6度回転するごとにその位置で加熱するようにする。このとき、最初は図13において、選択的加熱装置22としてのハロゲンヒータに対する印加電圧は、LeftとRightの位置では12Vとし、TopとBottomの位置では5Vとする。
【0094】
このようして、5.6度ずつ回転しながら、8回加熱したら、次は、最初の位置より5.6度の半分の2.8度ずらした位置から初めるようにする。今度は、ハロゲンヒータに対する印加電圧は、LeftとRightの位置では12Vとし、TopとBottomの位置では11Vとする。そして、また5.6度ずつ回転しながら、8回加熱する。
【0095】
このようにして加熱し、粘着シートS上の各チップTの間隔を、図13に示す、Center、Left、Right、Top、Bottomの5か所について、図14に示すような5つのポイントで、それぞれHorizontal及びVerticalの2方向について測定した。
【0096】
図15に、それぞれの箇所について各ポイント毎の測定結果を示す。この結果を見ると、上記のような加熱制御により、チップ間の間隔はどの場所においても平均20〜30程度であり、それほど大きな違いは発生しないことがわかる。
【0097】
これに対して、比較のために、このような加熱制御をすることなく、単に粘着シートSの全周囲から同じように加熱した場合の測定結果を図16に示す。
【0098】
図16を見ると、チップTのアスペクト比が1:2.4で異方性を有する場合に、全方向から同じように加熱した場合には、粘着シートS上の場所及び方向によって、チップ間隔が、平均で10台から50台までと、大きく変化していることがわかる。
【0099】
このように、上述したような加熱制御を行うことにより、チップが正方形から大きくはずれたような形状をしており、異方性がある場合でも、全方向について同じように粘着シートSを収縮することができる。また、逆にチップが等方的で異方性がなく、粘着シートSの側に異方性がある場合でも、上記加熱制御方法で対応することができる。
【0100】
なお、いままで説明した例においては、選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータとしていたが、隔壁20が存在することにより、温風ヒータを用いることも可能である。すなわち、ノズル等から局所的な領域のみに温風を吹き出すようにすれば、隔壁20により、温風がダイレクトに半導体ウエーハWの領域にはいかないようにすることができるので、粘着シートSの弛み部のみを選択的に加熱することが可能となる。
【0101】
なお、以上説明した本発明のカシメ機構及び選択的加熱装置を適用したダイボンダにおいて、隔壁と突上げ用リングとで構成されるカシメ機構は、これの内側の半導体ウエーハW(チップT)が貼着された粘着シートSの部分と、これの外側の粘着シートSの部分との間において、熱的遮蔽機能を果たしている。
【0102】
このカシメ機構の外周側を選択的加熱装置で加熱しても、この熱はカシメ機構を構成する突上げ用リング等の金属部分を通じて熱伝達により逃げていくため、カシメ機構の内側の粘着シートSに熱が伝わることが抑制される。
【0103】
上に示した例では、選択的加熱装置として光加熱装置(スポットタイプのハロゲンヒータ)が用いられたが、ノズルから加熱したい部分にのみ温風を吹き付けるような温風ヒータでカシメ機構の外周の粘着シートSを加熱するようにしてもよい。粘着シートSの上側から温風を吹き付けても、隔壁があるため、半導体ウエーハWが貼着されている粘着シートSの領域に直接温風があたることはないからである。
【0104】
また、本実施形態においては、選択的加熱装置22による熱輻射によって加熱しているので、粘着シートSの弛んだ部分にのみ局所的に(選択的に)加熱することができる。また特に本実施形態では、半導体ウエーハWを隔壁20で囲んでいるため熱を遮蔽して、選択的加熱装置22によって半導体ウエーハW部の粘着シートSが加熱されてしまうのを防ぐことができ、より一層選択的加熱装置22による局所的な加熱を可能としている。
【0105】
なお、ある程度の高さを有する隔壁20で半導体ウエーハWを囲むようにしたことにより、半導体ウエーハWを選択的加熱装置22から熱的に遮蔽するだけでなく、選択的加熱装置22の光源からの漏れ光が半導体ウエーハWにあたらないように光的に遮蔽することもできる。また、さらに選択的加熱装置22で粘着シートSを加熱すると、高温になり煙(ある種のガス)を発生することがあるが、隔壁20により、そのような煙が半導体ウエーハWにダイレクトにあたらないようにして煙による影響を抑制することもできる。
【0106】
また、隔壁20と突上げ用リング12とによって粘着シートSの弛んだ部分の近くを把持しているので、弛んだ部分を加熱することによって隔壁20や突上げ用リング12も加熱されるが、この熱は熱伝導によって隔壁20や突上げ用リング12を通じて逃げていく。従って、隔壁20及び突上げ用リング12の内部に囲われた粘着シートSや半導体ウエーハWは、熱的に遮蔽されており、加熱されることはない。
【0107】
この点従来のように、温風による雰囲気加熱の場合には、熱対流により全体が加熱されてしまうので、粘着シートSの弛んだ部分だけを選択的に加熱することはできなかった。
【0108】
これに対して本実施形態では、粘着シートSの弛んだ部分の加熱を選択的加熱装置22として特にスポットタイプのハロゲンヒータを用いて、輻射により、局所的な部分のみを選択的に加熱することができる。
【0109】
以上、本発明のダイボンダについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0110】
1…ダイボンダ、2…ワーク、12…突上げ用リング、16…リング昇降機構、18…フレーム固定機構、20…隔壁、22…選択的加熱装置、23…昇降回転機構、26…コレット、28…チップ突き上げピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着シートに貼着されて、リング状のフレームにマウントされ、予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップにダイシング加工された半導体ウエーハからなるワークを固定するフレーム固定手段と、
前記フレーム固定手段によって固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、
前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、
前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、
前記粘着シートの上方に昇降可能に配置され、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、
前記粘着シートの上方に前記隔壁の周囲に昇降可能に配置され、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置と、
を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項2】
前記選択的加熱装置は、前記隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱することを特徴とする請求項1に記載のダイボンダ。
【請求項3】
前記選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータであることを特徴とする請求項1または2に記載のダイボンダ。
【請求項4】
前記ハロゲンヒータの個数は4の倍数であることを特徴とする請求項3に記載のダイボンダ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のダイボンダであって、さらに、前記ハロゲンヒータを、前記粘着シートに対して昇降させるとともに、前記粘着シートの外周に沿って回転させる昇降回転機構を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項6】
前記昇降回転機構は、前記ハロゲンヒータがある位置で前記粘着シートの外周部を加熱した後、隣り合うハロゲンヒータとの中間の位置まで前記ハロゲンヒータを回転させることを特徴とする請求項5に記載のダイボンダ。
【請求項7】
前記ハロゲンヒータは、前記回転中は電源をオフすることを特徴とする請求項5または6に記載のダイボンダ。
【請求項8】
前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートの収縮異方性に対応して印加電圧が制御されることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のダイボンダ。
【請求項9】
前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートが収縮しやすい部分よりも収縮し難い部分に対して、前記ハロゲンヒータに対する印加電圧を高く設定されることを特徴とする請求項8に記載のダイボンダ。
【請求項1】
粘着シートに貼着されて、リング状のフレームにマウントされ、予め形成された分断予定ラインに沿って個々のチップにダイシング加工された半導体ウエーハからなるワークを固定するフレーム固定手段と、
前記フレーム固定手段によって固定されたワークの粘着シートを下から押し上げてエキスパンドし、前記半導体ウエーハを個々のチップに分割する突上げ用リングと、
前記エキスパンドされた粘着シートの下側から前記個々のチップを突き上げるチップ突き上げピンと、
前記突き上げられたチップをピックアップするコレットと、
前記粘着シートの上方に昇降可能に配置され、前記粘着シートを介して前記突上げ用リングと突き合わされて前記粘着シートをかしめるリング状の隔壁と、
前記粘着シートの上方に前記隔壁の周囲に昇降可能に配置され、前記隔壁と前記突上げ用リングによってかしめられた前記隔壁の周囲の前記粘着シートを選択的に加熱する選択的加熱装置と、
を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項2】
前記選択的加熱装置は、前記隔壁の周囲の前記粘着シートのエキスパンド状態が保持されていない部分に発生する弛み部分を選択的に加熱することを特徴とする請求項1に記載のダイボンダ。
【請求項3】
前記選択的加熱装置は、スポットタイプのハロゲンヒータであることを特徴とする請求項1または2に記載のダイボンダ。
【請求項4】
前記ハロゲンヒータの個数は4の倍数であることを特徴とする請求項3に記載のダイボンダ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のダイボンダであって、さらに、前記ハロゲンヒータを、前記粘着シートに対して昇降させるとともに、前記粘着シートの外周に沿って回転させる昇降回転機構を備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項6】
前記昇降回転機構は、前記ハロゲンヒータがある位置で前記粘着シートの外周部を加熱した後、隣り合うハロゲンヒータとの中間の位置まで前記ハロゲンヒータを回転させることを特徴とする請求項5に記載のダイボンダ。
【請求項7】
前記ハロゲンヒータは、前記回転中は電源をオフすることを特徴とする請求項5または6に記載のダイボンダ。
【請求項8】
前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートの収縮異方性に対応して印加電圧が制御されることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載のダイボンダ。
【請求項9】
前記ハロゲンヒータは、前記粘着シートが収縮しやすい部分よりも収縮し難い部分に対して、前記ハロゲンヒータに対する印加電圧を高く設定されることを特徴とする請求項8に記載のダイボンダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−62414(P2013−62414A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200528(P2011−200528)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
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