デジタルカメラ
【課題】位置検出機能を備えるデジタルカメラにおいて、位置情報を有効に利用することができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】デジタルカメラ1は、ナビゲーション機能を有する。デジタルカメラ1において、撮影地点を示す位置情報が付加された撮影画像データ20A〜20Fが、メモリカード30に記憶される。目的地設定部181は、操作部11に入力された操作情報に基づいて、撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データ22Bを選択する。撮影画像データ20Bに付加された位置情報21Bに基づいて、撮影画像データ20Bの撮影地点22Bを目的地として設定する。位置検出部15は、現在地を示す現在地情報21を出力する。方向指示部183は、現在地情報21と、位置情報21B(目的地情報25)とに基づいて、現在地から撮影地点22Bを見た方向を算出し、算出された方向をユーザに指示する。
【解決手段】デジタルカメラ1は、ナビゲーション機能を有する。デジタルカメラ1において、撮影地点を示す位置情報が付加された撮影画像データ20A〜20Fが、メモリカード30に記憶される。目的地設定部181は、操作部11に入力された操作情報に基づいて、撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データ22Bを選択する。撮影画像データ20Bに付加された位置情報21Bに基づいて、撮影画像データ20Bの撮影地点22Bを目的地として設定する。位置検出部15は、現在地を示す現在地情報21を出力する。方向指示部183は、現在地情報21と、位置情報21B(目的地情報25)とに基づいて、現在地から撮影地点22Bを見た方向を算出し、算出された方向をユーザに指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出機能を備えたデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラが普及している。デジタルカメラにより撮影された撮影画像データは、パソコンのハードディスク、あるいはCD−ROMなどに記憶されることが多い。ユーザは、写真閲覧用のソフトウェアを用いることによって、パソコンのモニタ上で撮影画像データを閲覧することができる。
【0003】
撮影画像データには、撮影時刻を示す時刻情報が撮影時に付加される。ユーザは、撮影画像データとともに撮影時刻をパソコンのモニタに表示させることにより、撮影画像データをいつ撮影したかを容易に確認することができる。しかし、ユーザは、撮影画像データの被写体を見なければ、撮影画像データの撮影位置を確認することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−123456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、位置検出機能を備えたデジタルカメラが販売されている。たとえば、上記特許文献1には、GPS(Global Positioning System)機能を備えたデジタルカメラが開示されている。上記特許文献1に係るデジタルカメラは、撮影地点の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報と、撮影画像データとを対応付ける。これにより、撮影位置を地図上に表示させることができるため、ユーザは、旅行先などで撮影した写真を、どこで撮影したのかを容易に確認することができる。
【0006】
しかし、デジタルカメラは、写真撮影のときに位置検出機能を利用するに留まっており、位置検出機能を有効に利用できていなかった。
【0007】
そこで、本発明は、位置検出機能を備えるデジタルカメラにおいて、位置情報を有効に利用することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、デジタルカメラであって、撮影地点を示す位置情報が付加された画像データのグループを記憶する記憶部と、入力された操作情報に基づいて、前記グループの中から目的地が撮影された目的地画像データを選択し、前記目的地画像データに付加された位置情報である目的地情報に基づいて目的地を設定する目的地設定部と、自装置の位置を検出し、自装置の現在地を示す現在地情報を出力する位置検出部と、前記現在地情報と前記目的地情報とに基づいて、前記現在地から前記目的地を見た移動方向を算出し、前記移動方向をユーザに指示する方向指示部と、を備える。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、前記グループに含まれる画像データを表示する表示部、を備え、前記目的地設定部は、前記表示部に表示された画像データの中から前記目的地画像データを選択する。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、自装置の姿勢を検出して自装置の姿勢情報を出力する姿勢検出部、を備え、前記方向指示部は、前記姿勢情報に基づいて自装置の撮影方向を決定し、前記撮影方向を示す矢印と前記移動方向とを示す矢印とを前記表示部に表示し、前記撮影方向を示す矢印は、前記表示部において所定の方向を指す。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、前記デジタルカメラは、さらに、前記現在地情報と、前記目的地情報と、前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点を、前記目的地へ移動するまでに通過する経由地としてか設定するか否かを決定する経由地決定部、を備える。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、前記経由地決定部は、前記経由地に設定された非選択地点の数が複数である場合、前記現在地情報と、前記経由地に設定された非選択地点の位置情報とに基づいて、前記経由地に設定された非選択地点を通過する順序を決定する。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、前記デジタルカメラは、さらに、前記現在地情報と前記目的地情報と前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が前記目的地へ移動するまでに経由することが可能な候補経由地であるか否か決定し、前記候補経由地の数が複数である場合、前記現在地から最短距離にある経由候補地を、最初に通過する経由地に決定する経由地決定部、を備える。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、Kは、1以上の整数であり、前記経由地決定部は、前記目的地情報とK番目に通過する第K経由地の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が、K+1番目に通過することが可能な第K+1経由候補地であるか否かを決定し、前記第K+1候補経由地の数が複数である場合、前記第K経由地から最短距離にある第K+1候補経由地を、K+1番目に通過する第K+1経由地に決定する。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、入力された操作情報に基づいて選択された撮影地点を、前記目的地へ移動するまでに経由する経由地として決定し、前記経由地の数が複数である場合、前記目的地情報と前記経由地の位置情報とに基づいて算出した距離に基づいて、前記経由地を通過する順序を決定する経由地決定部、を備える。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか記載にデジタルカメラにおいて、さらに、被写体を撮影し、現在地情報が付加された撮影画像データを生成する撮影部、を備え、前記記憶部は、前記撮影画像データを前記グループに含まれる画像データとして記憶する。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、前記記憶部は、メモリカードを挿入可能なメモリカードスロット、を含み、前記グループに含まれる画像データは、メモリカードに記憶されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デジタルカメラは、入力された操作情報に基づいて目的地が撮影された目的地画像データを選択し、目的地画像データの位置情報に基づいて目的地を設定する。このため、ユーザは、目的地が撮影された画像データを指定するだけで、目的地を設定することが可能となる。ユーザは、目的地の地名または住所などを覚えていなくても、画像データを参照しながら目的地を設定できるため、目的地の設定操作を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】目的地設定画面を示す図である。
【図4】液晶パネルに拡大して表示された撮影画像データを示す図である
【図5】経由地を決定する方法1の手順を説明する図である。
【図6】経由地を決定する方法2の手順を説明する図である。
【図7】経由地を決定する方法2の手順を説明する図である。
【図8】経由地を決定する方法3の手順を説明する図である。
【図9】方向指示画面を示す図である。
【図10】方向指示画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
{1.デジタルカメラの構成}
図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラ1の機能的構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、位置検出機能を備えている。このため、デジタルカメラ1は、被写体を撮影したときに、撮影画像データに撮影地点を示す位置情報を付加することができる。図1に示すように、デジタルカメラ1は、操作部11と、液晶パネル12と、撮影部13と、画像処理部14と、位置検出部15と、姿勢検出部16と、メモリカードスロット17と、ナビゲーション部18とを備える。
【0022】
操作部11は、シャッターボタンなど、デジタルカメラ1を操作するための各種ボタンにより構成される。液晶パネル12は、撮影部13により生成された撮影画像データや、ユーザが選択した撮像画像データなどを表示する。
【0023】
撮影部13は、図示しないレンズ及びCCDなどの撮像素子を備える。撮像部13は、レンズを介して入力する被写体像を結像することにより、非圧縮の画像データを生成する。
【0024】
画像処理部14は、非圧縮の画像データを入力する。画像処理部14は、非圧縮の画像データに対して色調補正、色空間変換、及び符号化などの処理を行って、撮影画像データを生成する。撮影画像データは、メモリカード30に記憶される。
【0025】
位置検出部15は、GPSアンテナなどを備え、GPS信号を受信してデジタルカメラ1の現在地を示す現在地情報21を出力する。現在地情報21は、撮影画像データ20の撮影地点を示す位置情報として、撮像画像データに付加される。撮影画像データへの位置情報の付加は、画像処理部14により行われる。撮影画像データがJPEG形式である場合、現在地情報21は、Exif形式で記述された状態で撮影画像データに付加される。
【0026】
姿勢検出部16は、デジタルカメラ1の姿勢(撮影方向など)を検出する装置であり、地磁気センサあるいはジャイロスコープなどで構成される。姿勢検出部16は、デジタルカメラ1の撮影方向を示す姿勢情報27を出力する。
【0027】
メモリカードスロット17は、フラッシュメモリなどの大容量のメモリカード30を挿入するためのインタフェースである。メモリカード30には、撮像画像データ20A,20B,20C,20D,20E,20Fが記憶される。撮影画像データ20A〜20Fは、特に説明のない限り、デジタルカメラ1が被写体を撮影して生成した画像データであるとする。
【0028】
ナビゲーション部18は、現在地から見た目的地までの方向を指示するナビゲーション処理を行う。目的地は、ユーザが撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データを選択することにより設定される。ナビゲーション部18は、目的地設定部181と、経由地決定部182と、方向指示部183とを備える。
【0029】
目的地設定部181は、操作部11から入力された操作情報に基づいて、撮像画像データ20A〜20Fの中から、目的地が撮影された撮影画像データを選択する。目的地設定部181は、選択された撮影画像データから位置情報を取得し、取得した位置情報(目的地情報25)が示す撮影地点を目的地に設定する。
【0030】
経由地決定部182は、現在地情報21と、目的地情報25と、撮影画像データ20A〜20F(ユーザが選択した撮影画像データを除く)に付加された位置情報とを利用して、現在地から目的地へ移動する際に通過する経由地を決定する。
【0031】
方向指示部183は、現在地情報21と目的地情報25とに基づいて、現在地から見た目的地の方向を算出する。経由地の位置を示す経由地情報26が設定されている場合には、目的地情報25に代えて、現在地情報21と経由地情報26とに基づいて、現在地から見た経由地の方向が算出される。方向指示部183は、算出した方向を液晶パネル11に表示することにより、ユーザに対して移動方向を指示する。
【0032】
{2.ナビゲーション処理の流れ}
図2は、デジタルカメラ1により行われるナビゲーション処理の概略を示すフローチャートである。ユーザは、デジタルカメラ1を所持して旅行などに出かけたときに、様々な場所で撮影を行う。ユーザは、たとえば、旅行中に道に迷った場合などに、デジタルカメラ1で撮影した場所まで戻るために、デジタルカメラ1のナビゲーション機能を利用することができる。
【0033】
まず、目的地の設定が行われる(ステップS1)。ユーザは、デジタルカメラ1を操作して、メモリカード30に記憶されている撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データを指定する。目的地設定部181は、指定された撮影画像データ20から取得した位置情報に基づいて、目的地情報25を設定する。
【0034】
次に、現在地から目的地まで移動するまでに通過する撮影地点(経由地)が決定される(ステップS2)。経由地は、目的地情報26及び目的地として選択されなかった撮影画像データの位置情報などに基づいて決定される。複数の経由地が決定された場合、経由地決定部182は、各経由地を通過する順番を決定する。経由地決定部182は、各経由地の位置情報と、各経由地の通過順序を示す経由地情報26を、方向指示部183に出力する。
【0035】
方向指示部183は、現在地情報21、目的地情報25及び経由地情報26を利用して、ユーザの移動方向を液晶パネル12に表示する(ステップS3)。ユーザは、液晶パネル11の表示にしたがって、経由地又は目的地まで移動する。方向指示部183は、方角(北、南東など)を指示する音声データを再生することにより、ユーザに対して移動方向を指示してもよい。
【0036】
以下、各ステップの処理を詳しく説明する。
【0037】
{2.1.目的地設定処理(ステップS1)}
図3は、目的地設定処理(ステップS1)において、ユーザが目的地を設定するときに液晶パネル12に表示される目的地設定画面を示す図である。
【0038】
目的地設定部181は、撮影画像データ20A〜20Fをメモリカード30から読み出し、撮影画像データ20A〜20Fのサムネイルを作成する。撮影画像データ20A〜20Fのサムネイルのリストが、目的地設定画面として液晶表示パネル12に表示される。画像データ20A〜20Fのサムネイルの下側には、撮影画像データ20A〜20Fのそれぞれに対応する位置情報21A〜21Fが表示される。
【0039】
ユーザは、操作部11を操作して、液晶パネル12に表示された撮影画像データ20A〜20Fの中から、目的地が撮影された撮影画像データを選択する。たとえば、ハッチングで示す撮影画像データ20Bが選択された場合、目的地設定部181は、撮影画像データ20Bを液晶パネル12に拡大して表示させる。
【0040】
図4は、液晶パネル12に拡大して表示された撮影画像データ20Bを示す図である。撮影画像データ20Bが拡大して表示されることにより、ユーザは、撮影画像データ20Bの被写体が目的地であることを最終的に確認することができる。ユーザが、図示しない「OK」ボタンを押すことにより、撮影画像データ20Bの撮影地点が、目的地に設定される。目的地設定部181は、撮影画像データ20Bから位置情報21Bを取得し、取得した位置情報21Bを目的地情報25として設定する。
【0041】
このように、ユーザは、目的地が撮影された撮影画像データを指定するだけで目的地を設定することができる。旅行先は、ユーザが初めて訪れる場所であることが多い。このため、ユーザは、旅行先で道に迷った場合、地図上のどの位置にいるかを正確に把握することは困難である。また、旅行先において、ユーザが目的地の地名を覚えているとは限らない。しかし、ユーザは、旅行先で写真撮影を行っていることが多いため、撮影画像データ20A〜20Fをどこで撮影したかを容易に思い出すことができる。このため、ユーザは、撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地の写真を選択することにより、不慣れな土地でも容易に目的地を設定することができる。
【0042】
{2.2.経由地決定処理(ステップS2)}
目的地が設定された後、経由地決定部182が、目的地に移動するまでに通過する経由地を決定する。ナビゲーション処理(ステップS3)において、デジタルカメラ1は、ユーザの移動方向を指示する。しかし、現在地から目的地までの距離が遠すぎる場合などには、ユーザが目的地へ到着できないおそれがある。このため、デジタルカメラ1は、目的地として選択されなかった撮影画像データの撮影地点を経由地として設定する。ユーザは、経由地を順にたどっていくことにより、目的地への移動が容易となる。
【0043】
経由地決定部182は、以下に示す(方法1)〜(方法3)のいずれかに基づいて、経由地を決定する。
(方法1)現在地情報と目的地情報とに基づいて全ての経由地を決定する。
(方法2)現在地情報と目的地情報とに基づいて最初の経由地のみを決定し、決定した経由地の位置情報と目的地情報とに基づいて、次の経由地を決定する。
(方法3)ユーザにより選択された撮影画像データの撮影地点を経由地として決定する。
【0044】
以下、目的地として撮影地点22Bが設定されている場合を例にして、(方法1)〜(方法3)の手順について詳しく説明する。
【0045】
(方法1)
図5は、経由地を決定する方法1の手順を説明する図である。図5では、現在地CPを原点にした2次元座標を用いて、撮影画像データ20A〜20Fのそれぞれの撮影地点22A,22B,22C,22D,22E,22Fを表示している。
【0046】
経由地決定部182は、方法1に基づいて経由地を決定する場合、目的地情報25(撮影地点22Bの位置情報21B)と、現在地情報21とに基づいて、経由地を設定可能な経由地許可領域41を決定する。図5に示すように、経由地許可領域41は、現在地CPを原点とした中心角60°の扇形である。現在地CPと目的地である撮影地点22Bとを結ぶ直線DLは、経由地許可領域41の中心角の二等分線であり、経由地許可領域41の円弧の半径に対応する。
【0047】
経由地決定部182は、経由地許可領域41の中に存在する撮影地点22A,22D,22Eを経由地として決定する。経由地許可領域41に基づいて経由地を決定することにより、目的地までのルートが極端に遠回りとなることを防止できる。
【0048】
次に、経由地決定部182は、撮影地点22A,22D,22Eの通過順序を決定する。経由地決定部182は、現在地情報21と位置情報21A,22D,22Eとを利用して、現在地CPから撮影地点22A,22D,22Eまでの距離をそれぞれ計算する。現在地CPからの距離の短い順に撮影地点を通過するように、撮影地点22A,22D,22Eの通過順序が決定される。つまり、経由地決定部182は、撮影地点22E、撮影地点22D、撮影地点22Aの順に通過することを決定する。図5において、方法1により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。これにより、目的地(撮影地点22B)へ向かう際に、極端に遠回りになるルートが設定されることを防止できる。
【0049】
経由地許可領域41を決定する際に、扇形の中心角をユーザが設定することにより、遠回りの度合いをユーザが調整できるようにしてもよい。たとえば、中心角を小さく設定した場合、目的地へ直線的に向かうルートを設定することができる。中心角を大きく設定した場合、遠回りとなるルートが設定されることになる。しかし、目的地として選択されなかった撮影地点が経由地となる確率を高めることができる。
【0050】
(方法2)
方法2に基づいて経由地を決定する手順を説明する。まず、経由地決定部182は、方法1と同様に経由地許可領域41を決定する(図5参照)。経由地決定部182は、経由地許可領域41に含まれる撮影地点22A,22D,22Eのうち、現在地CPから最短距離に位置する撮影地点22Eを、最初に通過する第1経由地に決定する。
【0051】
次に、経由地決定部182は、撮影地点22Eの次に通過する第2経由地を、目的地情報25(撮影地点22Bの位置情報21B)と、撮影地点22Eの位置情報21Eとに基づいて決定する。
【0052】
図6は、方法2に基づいて第2経由地を決定する場合に設定される経由地許可領域42を示す図である。図6は、図5と同様に、現在地CPを原点にした2次元座標を用いて、撮影地点22A〜22Fを示している。経由地許可領域42は、第1経由地(撮影地点22E)を中心とした中心角60°の扇形である点を除いて、経由地許可領域41と同様に設定される。経由地決定部182は、経由地許可領域42に含まれる撮影地点のうち、第1経由地(撮影地点22E)に最も近い撮影地点を第2経由地として決定する。図7では、撮影地点22Aだけが経由地許可領域42に含まれているため、撮影地点22Aが第2経由地に決定される。
【0053】
図7は、第2経由地(撮影地点22A)の次に経由する第3経由地を決定するために設定される経由地許可領域43を示す図である。経由地許可領域42は、第2経由地(撮影地点22A)となる中心とした中心角60°の扇形となる点を除いて、経由地許可領域41と同様に設定される。経由地決定部182は、経由地許可領域43に含まれる撮影地点のうち、第2経由地(撮影地点22A)に最も近い撮影地点を第3経由地として決定する。図7に示すように、経由地許可領域43には、目的地(撮影地点22B)を除く撮影地点が含まれていない。このため、経由地決定部182は、第3経由地を設定することなく、方法2に基づく経由地の決定処理(ステップS2)を終了する。
【0054】
このように、方法2を用いた場合、撮影地点22E、撮影地点22Aの順に通過するように経由地が決定される。図7において、方法2により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。方法2は、経由地を決定するたびに新たな経由地許可領域を設定し、設定された経由地許可領域の中で最短の距離にある撮影地点を次の経由地に決定する。この結果、方法1に比べて、直線的に目的地へ到達するルートを設定することができる。
【0055】
(方法1)、(方法2)において、経由地決定部182は、撮影時刻に基づいて経由地の通過順序を決定してもよい。たとえば、(方法1)では、撮影地点22A,22D,22Eが経由地として決定されている。この場合、撮影地点22A,22D,22Eのそれぞれに対応する撮影画像データ20A,20D,20Eの撮影時刻の早い順に、通過順序が決定される。
【0056】
(方法3)
方法3では、ユーザが、目的地として選択しなかった撮影画像データ20A,20C〜20Fの中から経由地を選択する。このため、方法3は、ユーザが旅行先において、観光ルートを決定するときなどに用いることができる。
【0057】
ユーザは、方法3を用いて経由地を決定する場合、デジタルカメラ1で撮影した撮影画像データを使用するのではなく、位置情報が付加された撮影画像データをWebサイトなどから取得する。たとえば、ユーザは、パソコンを用いて、観光スポットなどを紹介するWebページにアクセスし、観光スポットの位置情報が付加された撮影画像データをダウンロードする。ユーザは、ダウンロードした撮影画像データをメモリカード30に記憶し、メモリカード30をメモリカードスロット17に挿入する。
【0058】
以下、方法3の説明において、撮影画像データ20A〜20Fは、ユーザがWebサイトからダウンロードした位置情報付きの画像データであるとする。
【0059】
図8は、方法3に基づいて経由地を決定した場合の目的地までのルートを示す図である。図8において、現在地CPの位置を原点とした2次元座標を用いて、撮影地点22A〜22Fの位置を示している。ただし、図8では、撮影地点22A〜22Fの位置は、図5〜図7とは異なる例を示している。
【0060】
上述したように、方法3では、経由地決定部182は、ユーザが選択した撮影地点が経由地として決定する。たとえば、撮影地点22A,22C,22Dが経由地として選択された場合を考える。この場合、経由地決定部182は、目的地からの各経由地までの距離を基準として、経由地を通過する順序を決定する。具体的には、経由地決定部182は、目的地(撮影地点22B)から撮影地点22A,22C,22Dまでの距離を計算する。経由地決定部182は、目的地からの距離が長い撮影地点から順に通過するように、経由地の通過順序を決定する。
【0061】
図8に示すように、目的地から各経由地(撮影地点22A,22C,22D)までの距離のなかで、撮影地点22Aまでの距離が一番長く、撮影地点22Dまでの距離が一番短い。このため、最初に通過する第1経由地として、撮影地点22Aが決定される。続いて、撮影地点22C,撮影地点22Dの順に通過するように、経由地の通過順序が決定される。図8において、方法3により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。
【0062】
上述のように、方法3は、ユーザが観光ルートを決定するときなど利用することができる。たとえば、ユーザは、鉄道の駅に着いたとき、あるいは、高速道路の料金所を出たときなどに、宿泊先のホテルを目的地に設定し、方法3を用いて経由地を決定する。これにより、観光スポットを効率的に巡ることができるルートを設定することができる。なお、ユーザが、経由地の通過順序を決定してもよい。この場合、ユーザが好みのルートを設定することが可能となる。
【0063】
(方法1)〜(方法3)のいずれかで経由地を決定した後に、ユーザは、操作部11を操作して、経由地の追加あるいは削除を行ってもよい。たとえば、(方法1)において、ユーザは、操作部11を操作して、撮影地点22Eを、経由地から削除してもよい。これにより、ユーザは、自らの好みのコースを設定することができる。また、ユーザは、経由地の設定を行うか否かを予め設定しておいてもよい。
【0064】
(方法1)〜(方法3)の他に、経由地決定部182は、目的地として選択されなかった全ての撮影画像データの撮影地点を、経由地に決定することができる。この場合、経由地決定部182は、現在地CPから経由地までの距離の短い順に、各経由地の通過順序を決定する。あるいは、経由地決定部182は、目的地から各経由地までの距離の長い順に、各経由地の通過順序を決定する。
【0065】
{2.3.方向指示処理(ステップS3)}
デジタルカメラ1は、目的地及び経由地を設定した後に、方向指示処理(ステップS3,図2参照)を開始する。
【0066】
図9は、液晶パネル11に表示される方向指示画面を示す図である。図9では、撮影地点22Bが目的地に設定され、方法1に基づいて経由地(撮影地点22A,22D,22E)が決定されているとする(図5参照)。最初に通過すべき第1経由地は、撮影地点22Eである。方向指示部183は、方向指示画面として、方向指示欄12Aと、表示モード切り替え欄12Bとを液晶パネル12に表示する。
【0067】
方向指示欄12Aには、矢印120,130と、基準線140とが表示される。矢印120は、現在地から見た目的地(または経由地)の方向を示す。つまり、矢印120は、ユーザの移動方向を示す。矢印130は、姿勢情報27(図1参照)に基づいて決定されるデジタルカメラ1の撮影方向を示しており、方向指示欄12Aにおいて常に上方向を指している。基準線140は、方向指示欄12Aにおいて基準となる方角(東西南北)を示す。方向指示部183の左下側には、矢印120が示す方角と、現在地からユーザが次に到着すべき目標地点(目的地または経由地)までの距離を表示する。
【0068】
表示モード切り替え欄12Bは、方向指示欄12Aの表示を全体表示モードまたは詳細表示モードのいずれかへの表示を指示する欄である。詳細表示モードでは、現在地CPと、次の目標地点のみが表示される。図9に示す方向指示欄12Aには、詳細モードが選択されており、現在地CPと、第1経由地である撮影地点22Eのみが表示されている。詳細表示モードにおいて、目的地のみが表示されるケースは、全ての経由地を通過した後か、経由地が設定されていないかのいずれかである。全体表示モードは、目的地と全ての経由地とが、方向指示欄12Aに表示される。
【0069】
方向指示部183は、方向指示処理(ステップS3)を開始した場合、位置検出部15から出力される現在地情報21をリアルタイムに監視して、デジタルカメラ1が移動したか否か判定する。方向指示部183は、デジタルカメラ1が移動したと判定した場合、現在地情報21と、第1経由地(撮影地点22E)の位置情報21Eとに基づいて、デジタルカメラ1から見た撮影地点22Eの方向(ユーザの移動方向)と、現在地から撮影地点22Eまでの距離を算出する。方向指示部183は、現在地情報21の監視と並行して、姿勢情報27に基づいて、デジタルカメラ1の撮影方向の変化をリアルタイムに監視する。
【0070】
方向指示部183は、算出されたユーザの移動方向と、デジタルカメラ1の撮影方向とに基づいて、ユーザの移動方向を示す矢印120の向きと、基準線140の向きとを変化させる。このとき、撮影方向を示す矢印130が常に方向指示欄12Aの上方向を指すようにして、矢印120及び基準線140の向きが変化する。つまり、方向指示欄12Aの上方向が、デジタルカメラ1の撮影方向に常に一致している。現在地情報21の変化に応じて、方向指示欄12Aの左下側に表示される第1経由地までの距離と、移動方向を示す方角とが更新される。
【0071】
方向指示部183は、現在地と第1経由地との距離が所定の距離以下であると判定した場合、第1経由地(撮影地点22E)に到着したと判定する。方向指示欄12Aには、撮影地点22Eに到着した旨のメッセージが表示される。方向指示部183は、第1経由地の次に通過すべき第2経由地(撮影地点22D)にユーザを移動させるために、現在地から撮影地点22Dを見た方向を示す矢印120を方向指示欄12Aに新たに表示させる。以下、方向指示部183は、デジタルカメラ1が目的地に到着したと判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0072】
方向指示部183は、方向指示処理(ステップS3)の実行中に、ユーザの操作に応じて、目的地または経由地に対応する撮影画像データを液晶パネル11に表示してもよい。これにより、ユーザは、方向指示欄12Aに表示される矢印120の向きに従って移動中のときにも、経由地または目的地の画像を確認することができる。
【0073】
このように、デジタルカメラ1は、方向指示処理(ステップS3)において、目的地または経由地が位置する方角を指示する。これにより、地図などを用いた通常のナビゲーションに比べて簡易な処理を用いて、ユーザを目的地まで案内することができる。
【0074】
デジタルカメラ1は、姿勢検出部16を備えない簡易な構成としてもよい。この場合、図10に示すように、方向指示欄12Aにおいて、矢印130は表示されない。基準線140が、北方向が常に液晶パネル12の上方向となるように表示される。デジタルカメラ1が姿勢検出部16を備えない場合、ユーザは、コンパスなどを別途用意して、北方向を確認する必要がある。
【符号の説明】
【0075】
1 デジタルカメラ
11 操作部
12 液晶パネル
13 撮影部
14 画像処理部
15 位置検出部
16 姿勢検出部
17 メモリカードスロット
18 ナビゲーション部
30 メモリカード
181 目的地設定部
182 経由地決定部
183 方向指示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置検出機能を備えたデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラが普及している。デジタルカメラにより撮影された撮影画像データは、パソコンのハードディスク、あるいはCD−ROMなどに記憶されることが多い。ユーザは、写真閲覧用のソフトウェアを用いることによって、パソコンのモニタ上で撮影画像データを閲覧することができる。
【0003】
撮影画像データには、撮影時刻を示す時刻情報が撮影時に付加される。ユーザは、撮影画像データとともに撮影時刻をパソコンのモニタに表示させることにより、撮影画像データをいつ撮影したかを容易に確認することができる。しかし、ユーザは、撮影画像データの被写体を見なければ、撮影画像データの撮影位置を確認することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−123456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、位置検出機能を備えたデジタルカメラが販売されている。たとえば、上記特許文献1には、GPS(Global Positioning System)機能を備えたデジタルカメラが開示されている。上記特許文献1に係るデジタルカメラは、撮影地点の位置を示す位置情報を取得し、取得した位置情報と、撮影画像データとを対応付ける。これにより、撮影位置を地図上に表示させることができるため、ユーザは、旅行先などで撮影した写真を、どこで撮影したのかを容易に確認することができる。
【0006】
しかし、デジタルカメラは、写真撮影のときに位置検出機能を利用するに留まっており、位置検出機能を有効に利用できていなかった。
【0007】
そこで、本発明は、位置検出機能を備えるデジタルカメラにおいて、位置情報を有効に利用することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、デジタルカメラであって、撮影地点を示す位置情報が付加された画像データのグループを記憶する記憶部と、入力された操作情報に基づいて、前記グループの中から目的地が撮影された目的地画像データを選択し、前記目的地画像データに付加された位置情報である目的地情報に基づいて目的地を設定する目的地設定部と、自装置の位置を検出し、自装置の現在地を示す現在地情報を出力する位置検出部と、前記現在地情報と前記目的地情報とに基づいて、前記現在地から前記目的地を見た移動方向を算出し、前記移動方向をユーザに指示する方向指示部と、を備える。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、前記グループに含まれる画像データを表示する表示部、を備え、前記目的地設定部は、前記表示部に表示された画像データの中から前記目的地画像データを選択する。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、自装置の姿勢を検出して自装置の姿勢情報を出力する姿勢検出部、を備え、前記方向指示部は、前記姿勢情報に基づいて自装置の撮影方向を決定し、前記撮影方向を示す矢印と前記移動方向とを示す矢印とを前記表示部に表示し、前記撮影方向を示す矢印は、前記表示部において所定の方向を指す。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、前記デジタルカメラは、さらに、前記現在地情報と、前記目的地情報と、前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点を、前記目的地へ移動するまでに通過する経由地としてか設定するか否かを決定する経由地決定部、を備える。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、前記経由地決定部は、前記経由地に設定された非選択地点の数が複数である場合、前記現在地情報と、前記経由地に設定された非選択地点の位置情報とに基づいて、前記経由地に設定された非選択地点を通過する順序を決定する。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、前記デジタルカメラは、さらに、前記現在地情報と前記目的地情報と前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が前記目的地へ移動するまでに経由することが可能な候補経由地であるか否か決定し、前記候補経由地の数が複数である場合、前記現在地から最短距離にある経由候補地を、最初に通過する経由地に決定する経由地決定部、を備える。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、Kは、1以上の整数であり、前記経由地決定部は、前記目的地情報とK番目に通過する第K経由地の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が、K+1番目に通過することが可能な第K+1経由候補地であるか否かを決定し、前記第K+1候補経由地の数が複数である場合、前記第K経由地から最短距離にある第K+1候補経由地を、K+1番目に通過する第K+1経由地に決定する。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、入力された操作情報に基づいて選択された撮影地点を、前記目的地へ移動するまでに経由する経由地として決定し、前記経由地の数が複数である場合、前記目的地情報と前記経由地の位置情報とに基づいて算出した距離に基づいて、前記経由地を通過する順序を決定する経由地決定部、を備える。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか記載にデジタルカメラにおいて、さらに、被写体を撮影し、現在地情報が付加された撮影画像データを生成する撮影部、を備え、前記記憶部は、前記撮影画像データを前記グループに含まれる画像データとして記憶する。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、前記記憶部は、メモリカードを挿入可能なメモリカードスロット、を含み、前記グループに含まれる画像データは、メモリカードに記憶されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、デジタルカメラは、入力された操作情報に基づいて目的地が撮影された目的地画像データを選択し、目的地画像データの位置情報に基づいて目的地を設定する。このため、ユーザは、目的地が撮影された画像データを指定するだけで、目的地を設定することが可能となる。ユーザは、目的地の地名または住所などを覚えていなくても、画像データを参照しながら目的地を設定できるため、目的地の設定操作を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るデジタルカメラの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション処理の概略を示すフローチャートである。
【図3】目的地設定画面を示す図である。
【図4】液晶パネルに拡大して表示された撮影画像データを示す図である
【図5】経由地を決定する方法1の手順を説明する図である。
【図6】経由地を決定する方法2の手順を説明する図である。
【図7】経由地を決定する方法2の手順を説明する図である。
【図8】経由地を決定する方法3の手順を説明する図である。
【図9】方向指示画面を示す図である。
【図10】方向指示画面の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
{1.デジタルカメラの構成}
図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラ1の機能的構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、位置検出機能を備えている。このため、デジタルカメラ1は、被写体を撮影したときに、撮影画像データに撮影地点を示す位置情報を付加することができる。図1に示すように、デジタルカメラ1は、操作部11と、液晶パネル12と、撮影部13と、画像処理部14と、位置検出部15と、姿勢検出部16と、メモリカードスロット17と、ナビゲーション部18とを備える。
【0022】
操作部11は、シャッターボタンなど、デジタルカメラ1を操作するための各種ボタンにより構成される。液晶パネル12は、撮影部13により生成された撮影画像データや、ユーザが選択した撮像画像データなどを表示する。
【0023】
撮影部13は、図示しないレンズ及びCCDなどの撮像素子を備える。撮像部13は、レンズを介して入力する被写体像を結像することにより、非圧縮の画像データを生成する。
【0024】
画像処理部14は、非圧縮の画像データを入力する。画像処理部14は、非圧縮の画像データに対して色調補正、色空間変換、及び符号化などの処理を行って、撮影画像データを生成する。撮影画像データは、メモリカード30に記憶される。
【0025】
位置検出部15は、GPSアンテナなどを備え、GPS信号を受信してデジタルカメラ1の現在地を示す現在地情報21を出力する。現在地情報21は、撮影画像データ20の撮影地点を示す位置情報として、撮像画像データに付加される。撮影画像データへの位置情報の付加は、画像処理部14により行われる。撮影画像データがJPEG形式である場合、現在地情報21は、Exif形式で記述された状態で撮影画像データに付加される。
【0026】
姿勢検出部16は、デジタルカメラ1の姿勢(撮影方向など)を検出する装置であり、地磁気センサあるいはジャイロスコープなどで構成される。姿勢検出部16は、デジタルカメラ1の撮影方向を示す姿勢情報27を出力する。
【0027】
メモリカードスロット17は、フラッシュメモリなどの大容量のメモリカード30を挿入するためのインタフェースである。メモリカード30には、撮像画像データ20A,20B,20C,20D,20E,20Fが記憶される。撮影画像データ20A〜20Fは、特に説明のない限り、デジタルカメラ1が被写体を撮影して生成した画像データであるとする。
【0028】
ナビゲーション部18は、現在地から見た目的地までの方向を指示するナビゲーション処理を行う。目的地は、ユーザが撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データを選択することにより設定される。ナビゲーション部18は、目的地設定部181と、経由地決定部182と、方向指示部183とを備える。
【0029】
目的地設定部181は、操作部11から入力された操作情報に基づいて、撮像画像データ20A〜20Fの中から、目的地が撮影された撮影画像データを選択する。目的地設定部181は、選択された撮影画像データから位置情報を取得し、取得した位置情報(目的地情報25)が示す撮影地点を目的地に設定する。
【0030】
経由地決定部182は、現在地情報21と、目的地情報25と、撮影画像データ20A〜20F(ユーザが選択した撮影画像データを除く)に付加された位置情報とを利用して、現在地から目的地へ移動する際に通過する経由地を決定する。
【0031】
方向指示部183は、現在地情報21と目的地情報25とに基づいて、現在地から見た目的地の方向を算出する。経由地の位置を示す経由地情報26が設定されている場合には、目的地情報25に代えて、現在地情報21と経由地情報26とに基づいて、現在地から見た経由地の方向が算出される。方向指示部183は、算出した方向を液晶パネル11に表示することにより、ユーザに対して移動方向を指示する。
【0032】
{2.ナビゲーション処理の流れ}
図2は、デジタルカメラ1により行われるナビゲーション処理の概略を示すフローチャートである。ユーザは、デジタルカメラ1を所持して旅行などに出かけたときに、様々な場所で撮影を行う。ユーザは、たとえば、旅行中に道に迷った場合などに、デジタルカメラ1で撮影した場所まで戻るために、デジタルカメラ1のナビゲーション機能を利用することができる。
【0033】
まず、目的地の設定が行われる(ステップS1)。ユーザは、デジタルカメラ1を操作して、メモリカード30に記憶されている撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地が撮影された撮影画像データを指定する。目的地設定部181は、指定された撮影画像データ20から取得した位置情報に基づいて、目的地情報25を設定する。
【0034】
次に、現在地から目的地まで移動するまでに通過する撮影地点(経由地)が決定される(ステップS2)。経由地は、目的地情報26及び目的地として選択されなかった撮影画像データの位置情報などに基づいて決定される。複数の経由地が決定された場合、経由地決定部182は、各経由地を通過する順番を決定する。経由地決定部182は、各経由地の位置情報と、各経由地の通過順序を示す経由地情報26を、方向指示部183に出力する。
【0035】
方向指示部183は、現在地情報21、目的地情報25及び経由地情報26を利用して、ユーザの移動方向を液晶パネル12に表示する(ステップS3)。ユーザは、液晶パネル11の表示にしたがって、経由地又は目的地まで移動する。方向指示部183は、方角(北、南東など)を指示する音声データを再生することにより、ユーザに対して移動方向を指示してもよい。
【0036】
以下、各ステップの処理を詳しく説明する。
【0037】
{2.1.目的地設定処理(ステップS1)}
図3は、目的地設定処理(ステップS1)において、ユーザが目的地を設定するときに液晶パネル12に表示される目的地設定画面を示す図である。
【0038】
目的地設定部181は、撮影画像データ20A〜20Fをメモリカード30から読み出し、撮影画像データ20A〜20Fのサムネイルを作成する。撮影画像データ20A〜20Fのサムネイルのリストが、目的地設定画面として液晶表示パネル12に表示される。画像データ20A〜20Fのサムネイルの下側には、撮影画像データ20A〜20Fのそれぞれに対応する位置情報21A〜21Fが表示される。
【0039】
ユーザは、操作部11を操作して、液晶パネル12に表示された撮影画像データ20A〜20Fの中から、目的地が撮影された撮影画像データを選択する。たとえば、ハッチングで示す撮影画像データ20Bが選択された場合、目的地設定部181は、撮影画像データ20Bを液晶パネル12に拡大して表示させる。
【0040】
図4は、液晶パネル12に拡大して表示された撮影画像データ20Bを示す図である。撮影画像データ20Bが拡大して表示されることにより、ユーザは、撮影画像データ20Bの被写体が目的地であることを最終的に確認することができる。ユーザが、図示しない「OK」ボタンを押すことにより、撮影画像データ20Bの撮影地点が、目的地に設定される。目的地設定部181は、撮影画像データ20Bから位置情報21Bを取得し、取得した位置情報21Bを目的地情報25として設定する。
【0041】
このように、ユーザは、目的地が撮影された撮影画像データを指定するだけで目的地を設定することができる。旅行先は、ユーザが初めて訪れる場所であることが多い。このため、ユーザは、旅行先で道に迷った場合、地図上のどの位置にいるかを正確に把握することは困難である。また、旅行先において、ユーザが目的地の地名を覚えているとは限らない。しかし、ユーザは、旅行先で写真撮影を行っていることが多いため、撮影画像データ20A〜20Fをどこで撮影したかを容易に思い出すことができる。このため、ユーザは、撮影画像データ20A〜20Fの中から目的地の写真を選択することにより、不慣れな土地でも容易に目的地を設定することができる。
【0042】
{2.2.経由地決定処理(ステップS2)}
目的地が設定された後、経由地決定部182が、目的地に移動するまでに通過する経由地を決定する。ナビゲーション処理(ステップS3)において、デジタルカメラ1は、ユーザの移動方向を指示する。しかし、現在地から目的地までの距離が遠すぎる場合などには、ユーザが目的地へ到着できないおそれがある。このため、デジタルカメラ1は、目的地として選択されなかった撮影画像データの撮影地点を経由地として設定する。ユーザは、経由地を順にたどっていくことにより、目的地への移動が容易となる。
【0043】
経由地決定部182は、以下に示す(方法1)〜(方法3)のいずれかに基づいて、経由地を決定する。
(方法1)現在地情報と目的地情報とに基づいて全ての経由地を決定する。
(方法2)現在地情報と目的地情報とに基づいて最初の経由地のみを決定し、決定した経由地の位置情報と目的地情報とに基づいて、次の経由地を決定する。
(方法3)ユーザにより選択された撮影画像データの撮影地点を経由地として決定する。
【0044】
以下、目的地として撮影地点22Bが設定されている場合を例にして、(方法1)〜(方法3)の手順について詳しく説明する。
【0045】
(方法1)
図5は、経由地を決定する方法1の手順を説明する図である。図5では、現在地CPを原点にした2次元座標を用いて、撮影画像データ20A〜20Fのそれぞれの撮影地点22A,22B,22C,22D,22E,22Fを表示している。
【0046】
経由地決定部182は、方法1に基づいて経由地を決定する場合、目的地情報25(撮影地点22Bの位置情報21B)と、現在地情報21とに基づいて、経由地を設定可能な経由地許可領域41を決定する。図5に示すように、経由地許可領域41は、現在地CPを原点とした中心角60°の扇形である。現在地CPと目的地である撮影地点22Bとを結ぶ直線DLは、経由地許可領域41の中心角の二等分線であり、経由地許可領域41の円弧の半径に対応する。
【0047】
経由地決定部182は、経由地許可領域41の中に存在する撮影地点22A,22D,22Eを経由地として決定する。経由地許可領域41に基づいて経由地を決定することにより、目的地までのルートが極端に遠回りとなることを防止できる。
【0048】
次に、経由地決定部182は、撮影地点22A,22D,22Eの通過順序を決定する。経由地決定部182は、現在地情報21と位置情報21A,22D,22Eとを利用して、現在地CPから撮影地点22A,22D,22Eまでの距離をそれぞれ計算する。現在地CPからの距離の短い順に撮影地点を通過するように、撮影地点22A,22D,22Eの通過順序が決定される。つまり、経由地決定部182は、撮影地点22E、撮影地点22D、撮影地点22Aの順に通過することを決定する。図5において、方法1により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。これにより、目的地(撮影地点22B)へ向かう際に、極端に遠回りになるルートが設定されることを防止できる。
【0049】
経由地許可領域41を決定する際に、扇形の中心角をユーザが設定することにより、遠回りの度合いをユーザが調整できるようにしてもよい。たとえば、中心角を小さく設定した場合、目的地へ直線的に向かうルートを設定することができる。中心角を大きく設定した場合、遠回りとなるルートが設定されることになる。しかし、目的地として選択されなかった撮影地点が経由地となる確率を高めることができる。
【0050】
(方法2)
方法2に基づいて経由地を決定する手順を説明する。まず、経由地決定部182は、方法1と同様に経由地許可領域41を決定する(図5参照)。経由地決定部182は、経由地許可領域41に含まれる撮影地点22A,22D,22Eのうち、現在地CPから最短距離に位置する撮影地点22Eを、最初に通過する第1経由地に決定する。
【0051】
次に、経由地決定部182は、撮影地点22Eの次に通過する第2経由地を、目的地情報25(撮影地点22Bの位置情報21B)と、撮影地点22Eの位置情報21Eとに基づいて決定する。
【0052】
図6は、方法2に基づいて第2経由地を決定する場合に設定される経由地許可領域42を示す図である。図6は、図5と同様に、現在地CPを原点にした2次元座標を用いて、撮影地点22A〜22Fを示している。経由地許可領域42は、第1経由地(撮影地点22E)を中心とした中心角60°の扇形である点を除いて、経由地許可領域41と同様に設定される。経由地決定部182は、経由地許可領域42に含まれる撮影地点のうち、第1経由地(撮影地点22E)に最も近い撮影地点を第2経由地として決定する。図7では、撮影地点22Aだけが経由地許可領域42に含まれているため、撮影地点22Aが第2経由地に決定される。
【0053】
図7は、第2経由地(撮影地点22A)の次に経由する第3経由地を決定するために設定される経由地許可領域43を示す図である。経由地許可領域42は、第2経由地(撮影地点22A)となる中心とした中心角60°の扇形となる点を除いて、経由地許可領域41と同様に設定される。経由地決定部182は、経由地許可領域43に含まれる撮影地点のうち、第2経由地(撮影地点22A)に最も近い撮影地点を第3経由地として決定する。図7に示すように、経由地許可領域43には、目的地(撮影地点22B)を除く撮影地点が含まれていない。このため、経由地決定部182は、第3経由地を設定することなく、方法2に基づく経由地の決定処理(ステップS2)を終了する。
【0054】
このように、方法2を用いた場合、撮影地点22E、撮影地点22Aの順に通過するように経由地が決定される。図7において、方法2により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。方法2は、経由地を決定するたびに新たな経由地許可領域を設定し、設定された経由地許可領域の中で最短の距離にある撮影地点を次の経由地に決定する。この結果、方法1に比べて、直線的に目的地へ到達するルートを設定することができる。
【0055】
(方法1)、(方法2)において、経由地決定部182は、撮影時刻に基づいて経由地の通過順序を決定してもよい。たとえば、(方法1)では、撮影地点22A,22D,22Eが経由地として決定されている。この場合、撮影地点22A,22D,22Eのそれぞれに対応する撮影画像データ20A,20D,20Eの撮影時刻の早い順に、通過順序が決定される。
【0056】
(方法3)
方法3では、ユーザが、目的地として選択しなかった撮影画像データ20A,20C〜20Fの中から経由地を選択する。このため、方法3は、ユーザが旅行先において、観光ルートを決定するときなどに用いることができる。
【0057】
ユーザは、方法3を用いて経由地を決定する場合、デジタルカメラ1で撮影した撮影画像データを使用するのではなく、位置情報が付加された撮影画像データをWebサイトなどから取得する。たとえば、ユーザは、パソコンを用いて、観光スポットなどを紹介するWebページにアクセスし、観光スポットの位置情報が付加された撮影画像データをダウンロードする。ユーザは、ダウンロードした撮影画像データをメモリカード30に記憶し、メモリカード30をメモリカードスロット17に挿入する。
【0058】
以下、方法3の説明において、撮影画像データ20A〜20Fは、ユーザがWebサイトからダウンロードした位置情報付きの画像データであるとする。
【0059】
図8は、方法3に基づいて経由地を決定した場合の目的地までのルートを示す図である。図8において、現在地CPの位置を原点とした2次元座標を用いて、撮影地点22A〜22Fの位置を示している。ただし、図8では、撮影地点22A〜22Fの位置は、図5〜図7とは異なる例を示している。
【0060】
上述したように、方法3では、経由地決定部182は、ユーザが選択した撮影地点が経由地として決定する。たとえば、撮影地点22A,22C,22Dが経由地として選択された場合を考える。この場合、経由地決定部182は、目的地からの各経由地までの距離を基準として、経由地を通過する順序を決定する。具体的には、経由地決定部182は、目的地(撮影地点22B)から撮影地点22A,22C,22Dまでの距離を計算する。経由地決定部182は、目的地からの距離が長い撮影地点から順に通過するように、経由地の通過順序を決定する。
【0061】
図8に示すように、目的地から各経由地(撮影地点22A,22C,22D)までの距離のなかで、撮影地点22Aまでの距離が一番長く、撮影地点22Dまでの距離が一番短い。このため、最初に通過する第1経由地として、撮影地点22Aが決定される。続いて、撮影地点22C,撮影地点22Dの順に通過するように、経由地の通過順序が決定される。図8において、方法3により決定されたルートを一点鎖線の矢印で示す。
【0062】
上述のように、方法3は、ユーザが観光ルートを決定するときなど利用することができる。たとえば、ユーザは、鉄道の駅に着いたとき、あるいは、高速道路の料金所を出たときなどに、宿泊先のホテルを目的地に設定し、方法3を用いて経由地を決定する。これにより、観光スポットを効率的に巡ることができるルートを設定することができる。なお、ユーザが、経由地の通過順序を決定してもよい。この場合、ユーザが好みのルートを設定することが可能となる。
【0063】
(方法1)〜(方法3)のいずれかで経由地を決定した後に、ユーザは、操作部11を操作して、経由地の追加あるいは削除を行ってもよい。たとえば、(方法1)において、ユーザは、操作部11を操作して、撮影地点22Eを、経由地から削除してもよい。これにより、ユーザは、自らの好みのコースを設定することができる。また、ユーザは、経由地の設定を行うか否かを予め設定しておいてもよい。
【0064】
(方法1)〜(方法3)の他に、経由地決定部182は、目的地として選択されなかった全ての撮影画像データの撮影地点を、経由地に決定することができる。この場合、経由地決定部182は、現在地CPから経由地までの距離の短い順に、各経由地の通過順序を決定する。あるいは、経由地決定部182は、目的地から各経由地までの距離の長い順に、各経由地の通過順序を決定する。
【0065】
{2.3.方向指示処理(ステップS3)}
デジタルカメラ1は、目的地及び経由地を設定した後に、方向指示処理(ステップS3,図2参照)を開始する。
【0066】
図9は、液晶パネル11に表示される方向指示画面を示す図である。図9では、撮影地点22Bが目的地に設定され、方法1に基づいて経由地(撮影地点22A,22D,22E)が決定されているとする(図5参照)。最初に通過すべき第1経由地は、撮影地点22Eである。方向指示部183は、方向指示画面として、方向指示欄12Aと、表示モード切り替え欄12Bとを液晶パネル12に表示する。
【0067】
方向指示欄12Aには、矢印120,130と、基準線140とが表示される。矢印120は、現在地から見た目的地(または経由地)の方向を示す。つまり、矢印120は、ユーザの移動方向を示す。矢印130は、姿勢情報27(図1参照)に基づいて決定されるデジタルカメラ1の撮影方向を示しており、方向指示欄12Aにおいて常に上方向を指している。基準線140は、方向指示欄12Aにおいて基準となる方角(東西南北)を示す。方向指示部183の左下側には、矢印120が示す方角と、現在地からユーザが次に到着すべき目標地点(目的地または経由地)までの距離を表示する。
【0068】
表示モード切り替え欄12Bは、方向指示欄12Aの表示を全体表示モードまたは詳細表示モードのいずれかへの表示を指示する欄である。詳細表示モードでは、現在地CPと、次の目標地点のみが表示される。図9に示す方向指示欄12Aには、詳細モードが選択されており、現在地CPと、第1経由地である撮影地点22Eのみが表示されている。詳細表示モードにおいて、目的地のみが表示されるケースは、全ての経由地を通過した後か、経由地が設定されていないかのいずれかである。全体表示モードは、目的地と全ての経由地とが、方向指示欄12Aに表示される。
【0069】
方向指示部183は、方向指示処理(ステップS3)を開始した場合、位置検出部15から出力される現在地情報21をリアルタイムに監視して、デジタルカメラ1が移動したか否か判定する。方向指示部183は、デジタルカメラ1が移動したと判定した場合、現在地情報21と、第1経由地(撮影地点22E)の位置情報21Eとに基づいて、デジタルカメラ1から見た撮影地点22Eの方向(ユーザの移動方向)と、現在地から撮影地点22Eまでの距離を算出する。方向指示部183は、現在地情報21の監視と並行して、姿勢情報27に基づいて、デジタルカメラ1の撮影方向の変化をリアルタイムに監視する。
【0070】
方向指示部183は、算出されたユーザの移動方向と、デジタルカメラ1の撮影方向とに基づいて、ユーザの移動方向を示す矢印120の向きと、基準線140の向きとを変化させる。このとき、撮影方向を示す矢印130が常に方向指示欄12Aの上方向を指すようにして、矢印120及び基準線140の向きが変化する。つまり、方向指示欄12Aの上方向が、デジタルカメラ1の撮影方向に常に一致している。現在地情報21の変化に応じて、方向指示欄12Aの左下側に表示される第1経由地までの距離と、移動方向を示す方角とが更新される。
【0071】
方向指示部183は、現在地と第1経由地との距離が所定の距離以下であると判定した場合、第1経由地(撮影地点22E)に到着したと判定する。方向指示欄12Aには、撮影地点22Eに到着した旨のメッセージが表示される。方向指示部183は、第1経由地の次に通過すべき第2経由地(撮影地点22D)にユーザを移動させるために、現在地から撮影地点22Dを見た方向を示す矢印120を方向指示欄12Aに新たに表示させる。以下、方向指示部183は、デジタルカメラ1が目的地に到着したと判定するまで、上述の処理を繰り返す。
【0072】
方向指示部183は、方向指示処理(ステップS3)の実行中に、ユーザの操作に応じて、目的地または経由地に対応する撮影画像データを液晶パネル11に表示してもよい。これにより、ユーザは、方向指示欄12Aに表示される矢印120の向きに従って移動中のときにも、経由地または目的地の画像を確認することができる。
【0073】
このように、デジタルカメラ1は、方向指示処理(ステップS3)において、目的地または経由地が位置する方角を指示する。これにより、地図などを用いた通常のナビゲーションに比べて簡易な処理を用いて、ユーザを目的地まで案内することができる。
【0074】
デジタルカメラ1は、姿勢検出部16を備えない簡易な構成としてもよい。この場合、図10に示すように、方向指示欄12Aにおいて、矢印130は表示されない。基準線140が、北方向が常に液晶パネル12の上方向となるように表示される。デジタルカメラ1が姿勢検出部16を備えない場合、ユーザは、コンパスなどを別途用意して、北方向を確認する必要がある。
【符号の説明】
【0075】
1 デジタルカメラ
11 操作部
12 液晶パネル
13 撮影部
14 画像処理部
15 位置検出部
16 姿勢検出部
17 メモリカードスロット
18 ナビゲーション部
30 メモリカード
181 目的地設定部
182 経由地決定部
183 方向指示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影地点を示す位置情報が付加された画像データのグループを記憶する記憶部と、
入力された操作情報に基づいて、前記グループの中から目的地が撮影された目的地画像データを選択し、前記目的地画像データに付加された位置情報である目的地情報に基づいて目的地を設定する目的地設定部と、
自装置の位置を検出し、自装置の現在地を示す現在地情報を出力する位置検出部と、
前記現在地情報と前記目的地情報とに基づいて、前記現在地から前記目的地を見た移動方向を算出し、前記移動方向をユーザに指示する方向指示部と、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
前記グループに含まれる画像データを表示する表示部、
を備え、
前記目的地設定部は、前記表示部に表示された画像データの中から前記目的地画像データを選択するデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
自装置の姿勢を検出して自装置の姿勢情報を出力する姿勢検出部、
を備え、
前記方向指示部は、前記姿勢情報に基づいて自装置の撮影方向を決定し、前記撮影方向を示す矢印と前記移動方向とを示す矢印とを前記表示部に表示し、
前記撮影方向を示す矢印は、前記表示部において所定の方向を指すデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、
前記デジタルカメラは、さらに、
前記現在地情報と、前記目的地情報と、前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点を、前記目的地へ移動するまでに通過する経由地としてか設定するか否かを決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記経由地決定部は、前記経由地に設定された非選択地点の数が複数である場合、前記現在地情報と、前記経由地に設定された非選択地点の位置情報とに基づいて、前記経由地に設定された非選択地点を通過する順序を決定するデジタルカメラ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、
非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、
前記デジタルカメラは、さらに、
前記現在地情報と前記目的地情報と前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が前記目的地へ移動するまでに経由することが可能な候補経由地であるか否か決定し、前記候補経由地の数が複数である場合、前記現在地から最短距離にある経由候補地を、最初に通過する経由地に決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、
Kは、1以上の整数であり、
前記経由地決定部は、前記目的地情報とK番目に通過する第K経由地の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が、K+1番目に通過することが可能な第K+1経由候補地であるか否かを決定し、前記第K+1候補経由地の数が複数である場合、前記第K経由地から最短距離にある第K+1候補経由地を、K+1番目に通過する第K+1経由地に決定するデジタルカメラ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
入力された操作情報に基づいて選択された撮影地点を、前記目的地へ移動するまでに経由する経由地として決定し、前記経由地の数が複数である場合、前記目的地情報と前記経由地の位置情報とに基づいて算出した距離に基づいて、前記経由地を通過する順序を決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか記載にデジタルカメラにおいて、さらに、
被写体を撮影し、現在地情報が付加された撮影画像データを生成する撮影部、
を備え、
前記記憶部は、前記撮影画像データを前記グループに含まれる画像データとして記憶するデジタルカメラ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
前記記憶部は、
メモリカードを挿入可能なメモリカードスロット、
を含み、
前記グループに含まれる画像データは、メモリカードに記憶されているデジタルカメラ。
【請求項1】
撮影地点を示す位置情報が付加された画像データのグループを記憶する記憶部と、
入力された操作情報に基づいて、前記グループの中から目的地が撮影された目的地画像データを選択し、前記目的地画像データに付加された位置情報である目的地情報に基づいて目的地を設定する目的地設定部と、
自装置の位置を検出し、自装置の現在地を示す現在地情報を出力する位置検出部と、
前記現在地情報と前記目的地情報とに基づいて、前記現在地から前記目的地を見た移動方向を算出し、前記移動方向をユーザに指示する方向指示部と、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
前記グループに含まれる画像データを表示する表示部、
を備え、
前記目的地設定部は、前記表示部に表示された画像データの中から前記目的地画像データを選択するデジタルカメラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
自装置の姿勢を検出して自装置の姿勢情報を出力する姿勢検出部、
を備え、
前記方向指示部は、前記姿勢情報に基づいて自装置の撮影方向を決定し、前記撮影方向を示す矢印と前記移動方向とを示す矢印とを前記表示部に表示し、
前記撮影方向を示す矢印は、前記表示部において所定の方向を指すデジタルカメラ。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、
前記デジタルカメラは、さらに、
前記現在地情報と、前記目的地情報と、前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点を、前記目的地へ移動するまでに通過する経由地としてか設定するか否かを決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項5】
請求項4に記載のデジタルカメラにおいて、
前記経由地決定部は、前記経由地に設定された非選択地点の数が複数である場合、前記現在地情報と、前記経由地に設定された非選択地点の位置情報とに基づいて、前記経由地に設定された非選択地点を通過する順序を決定するデジタルカメラ。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、
非選択地点は、前記目的地として設定されなかった撮影地点であり、
前記デジタルカメラは、さらに、
前記現在地情報と前記目的地情報と前記非選択地点の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が前記目的地へ移動するまでに経由することが可能な候補経由地であるか否か決定し、前記候補経由地の数が複数である場合、前記現在地から最短距離にある経由候補地を、最初に通過する経由地に決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項7】
請求項6に記載のデジタルカメラにおいて、
Kは、1以上の整数であり、
前記経由地決定部は、前記目的地情報とK番目に通過する第K経由地の位置情報とに基づいて、前記非選択地点が、K+1番目に通過することが可能な第K+1経由候補地であるか否かを決定し、前記第K+1候補経由地の数が複数である場合、前記第K経由地から最短距離にある第K+1候補経由地を、K+1番目に通過する第K+1経由地に決定するデジタルカメラ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
入力された操作情報に基づいて選択された撮影地点を、前記目的地へ移動するまでに経由する経由地として決定し、前記経由地の数が複数である場合、前記目的地情報と前記経由地の位置情報とに基づいて算出した距離に基づいて、前記経由地を通過する順序を決定する経由地決定部、
を備えるデジタルカメラ。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか記載にデジタルカメラにおいて、さらに、
被写体を撮影し、現在地情報が付加された撮影画像データを生成する撮影部、
を備え、
前記記憶部は、前記撮影画像データを前記グループに含まれる画像データとして記憶するデジタルカメラ。
【請求項10】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のデジタルカメラにおいて、さらに、
前記記憶部は、
メモリカードを挿入可能なメモリカードスロット、
を含み、
前記グループに含まれる画像データは、メモリカードに記憶されているデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−32339(P2012−32339A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173956(P2010−173956)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
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