説明

ドアウエザストリップ

【課題】車体開口部周縁とドア外周の先端との間を確実に塞ぎ、ドア閉力を減少させ、凹凸感のない、見栄えのよいシール性に優れた自動車用ドアウエザストリップを提供する。
【解決手段】ドアウエザストリップ10は、取付基部20と、シール部を有する。シール部は、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁6の車外側側端との間をシールする第1シール部30と、第1シール部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する第2シール部40とから形成される。ドアウエザストリップ10の第1シール部30は、中空状のシール部31を形成し、第1シール部を構成する壁の一部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部33bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のドアと車体開口部周縁との間をシールする自動車用のドアウエザストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のドア1と車体開口部周縁6との間のシールは、図9に示すように、ドア1の外周部に設けられたドアフレーム2の外周に取付けられるドアウエザストリップ110及び/または、車体開口部周縁6のフランジ6aに取付けられるオープニングウエザストリップ130によりなされる。なお、ドアガラス5とドア1との間のシールは、ドアフレーム2の内周のチャンネル3に取付けられるガラスラン120によってなされる。
【0003】
ガラスラン120は、チャンネル3に取付けられ、車外側側壁121、底壁122と車内側側壁123からなる断面略U字形の内部にドアガラス5の端部を収納し、車外側側壁121と車内側側壁123の先端から延設した車外側シールリップ124と車内側シールリップ125をドアガラス5の車外側面・車内側面に当接させてシールしている。
車体開口部周縁6のフランジ6aに取付けられたオープニングウエザストリップ130は、断面略U字形のトリム部131によりフランジ6aに取付けられ、中空シール部132をドアフレーム2等の内面に当接させて、ドア1と車体開口部周縁6との間をシールする。
【0004】
ドア1のドアフレーム2の外周に取付けられたドアウエザストリップ110は、取付基部201とその上面に一体に形成された中空シール部114とシールリップ部116とから構成される。取付基部201は、ドアフレーム2の外周部に取付けられた断面コ字形のリテーナー4に嵌め込まれてドアフレーム2に固定される。そして、ドア1閉時にシールリップ部116が車体開口部周縁6の最も車外側の側端に当接し、ドアフレーム2の外周端縁と車体開口部周縁6との間の隙間をシールする。そのとき、中空シール部114は、車体開口部周縁6のシールリップ部116が当接する部分よりも車内側の膨出部分に当接して、ドア1と車体開口部周縁6との間をシールしている。
【0005】
このようなリップ状のシールリップ部116は、ドア閉時に車体開口部周縁6とドアフレーム2との間に挟まれて屈曲され、凹部が生じて、見栄えがよくなかった。また、自動車の高速走行時には、ドア1が気圧等の関係で車外側に吸い出されて変位することがある。このとき、ドアウエザストリップ110のシールリップ部116は、車体開口部周縁6から離れたり、シールリップ部116の先端が車外側へ突出して、シール性が低下したりすることがあった。
そのため、車体開口部周縁6とドアフレーム2との間に凹部を生じなくして、外面から見た場合に車体開口部周縁6とドアフレーム2との間にフラット感を与えて見栄えをよくし、リップの先端が高速走行時に吸い出されなくするように、図10に示すように、断面略釣針形状に屈曲したシールリップ部116を形成させたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかしながら、この断面釣針形状のシールリップ部116は、ドア1の開閉時にシールリップ部116の先端の位置が車両の幅方向でバラツキ、ドア閉時にシールリップ部116の上端部に車体開口部周縁6が当接したときに、シールリップ部116のそれぞれの部分が屈曲して、車体開口部周縁6やルーフ側端に装着されたルーフモール601と、ドア1の外周部の先端との間に凹凸感が生じたり、シールリップ部116の先端がドアフレーム2の先端から外れて、車外側にはみ出したり、シールリップ部116の根元部が車体開口部周縁6によって変形させられて、車体開口部周縁6と離れてシール性が低下する場合もあった。
【0007】
また、シールリップにおいて、断面が楕円形や略四角形状の中空シール部をリップ形状の替わりに用いるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながらこの場合は、ドアの開閉時に楕円形や略三角形状の中空シール部の先端が、車体開口部周縁6に当接して、楕円形や略三角形状の中空シール部の側壁が変形するため、ドア閉力が大きくなる場合があるとともに、中空シール部の先端が連結されているため、リップ状のシール部と比べてドア閉力が大きくなり、車体開口部周縁6とドアフレーム2の先端との間に凹部が生じ、見栄えがよくない場合がある。また、ドア開閉時に中空シール部が変形してドアフレーム2の裏面やリテーナー4との当接が離れる場合があった。
【特許文献1】特開2005−343406号公報
【特許文献2】特開2006−69385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このため、本発明は、ドアウエザストリップのシール部が車体開口部周縁とドアの外周の先端との間を確実に塞ぎ、ドア閉力を減少させ、凹凸感のない、見栄えのよいシール性に優れた自動車用ドアウエザストリップを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車のドアと車体開口部周縁との間をシールし、ドアの外周部に取付けられるドアウエザストリップにおいて、
ドアウエザストリップは、ドアの外周部に取付けられる取付基部と、取付基部に一体的に形成され車体開口部周縁に当接してドアと車体開口部周縁との間をシールするシール部を有し、
シール部は、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端との間をシールする第1シール部と、第1シール部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する第2シール部とから形成され、第1シール部は、中空状のシール部を形成し、第1シール部を構成する壁の一部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部で形成されているドアウエザストリップである。
【0010】
請求項1の本発明では、ドアウエザストリップは、ドアの外周部に取付けられる取付基部と、取付基部に一体的に形成され車体開口部周縁に当接してドアと車体開口部周縁との間をシールするシール部を有しているため、ドアウエザストリップは、取付基部によりドア外周に確実に取付けられ、シール部が所定の位置に保持され、ドア閉時にシール部が車体開口部周縁に当接して、ドアの外周部と車体開口部周縁との間をシールすることができる。
【0011】
シール部は、シール部は、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端との間をシールする第1シール部と、第1シール部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する第2シール部とから形成されている。このため、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間を2重にシールすることができ、雨水、埃、騒音等が車室内に入ることを防止して、シール性に優れている。第2シール部が第1シール部より車内側に設けられているため、ドアの組み付けバラツキ等で、第2シール部の変形を大きくすることができ、シール性を確保することができる。また、第1シール部は、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を塞ぐことができ、凹凸感が少なく、見栄えがよい。
【0012】
第1シール部は、中空状のシール部を形成し、第1シール部を構成する壁の一部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部で形成されている。このため、中空状のシール部がドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を確実に塞ぐことができ、第1シール部がドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間からはみ出すことがない。また、ドア閉時に軟質スポンジ部が容易に撓むことができるため、中空状のシール部でもドア閉力を低減することができる。
【0013】
請求項2の本発明は、第1シール部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設される第1シール根元部と、中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成され、第1中空シール部は、第1シール根元部の先端から車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、第1シール根元部の先端からドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成され、第1中空シール下辺部の全部または一部が軟質スポンジ部で形成されるとともに、第1中空シール底辺部をドアと車体開口部周縁との間に位置させたドアウエザストリップである。
【0014】
請求項2の本発明では、第1シール部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設される第1シール根元部と、中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成される。このため、第1シール根元部が取付基部と第1中空シール部とを連結し、第1中空シール部を所定の位置に保持することができる。中空の断面略三角形状の第1中空シール部は、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を、第1中空シール部が弾力的に回動することで、確実にシールすることができる。
【0015】
第1中空シール部は、第1シール根元部の先端から車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、第1シール根元部の先端からドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成される。このため、第1中空シール部はドア閉時に、第1シール部根元部との連結部分である断面略三角形の頂点を中心に回動することによりドア閉力を小さくすることができ、ドアと車体開口部周縁との間で柔軟性を持って確実にシールすることができる。また、第1中空シール底辺部がドアと車体開口部周縁との間に位置して、ドアと車体開口部周縁との間に断面略三角形の平面状の部分を存在させることができ、凹部を生じなくさせて、車体表面に平滑感を生じさせることができる。
【0016】
第1中空シール下辺部の全部または一部が軟質スポンジ部で形成されるとともに、第1中空シール底辺部がドアと車体開口部周縁との間に位置させた。このため、ドア閉時に第1中空シール底辺部がドアフレームの裏面を摺動して下方に移動するときに、第1中空シール下辺部の全部または一部に形成された軟質スポンジ部が容易に撓んで、第1中空シール底辺部の移動を容易にするため、ドア閉力を低減することができる。
【0017】
請求項3の本発明は、第1シール部は、ドアフレーム又はドアモールのリテーナーの車内側側壁に保持される第1シール保持部と、第1シール保持部と取付基部に形成された第2シール部の側壁とを連結する第1シール連続部と、第1シール保持部から車体開口部周縁の先端方向に延設される中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成され、第1中空シール部は、第1シール保持部から車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、第1シール保持部からドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成され、第1中空シール下辺部の全部または一部が軟質スポンジ部で形成されるとともに、第1中空シール底辺部がドアと車体開口部周縁との間に位置させたドアウエザストリップである。
【0018】
請求項3の本発明は、第1シール部は、ドアフレーム又はドアモールのリテーナーの車内側側壁に保持される第1シール保持部と、第1シール保持部と第2シール部の側壁とを連結する第1シール連続部と、第1シール保持部から車体開口部周縁の先端方向に延設される中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成される。このため、第1シール部の第1中空シール部は、ドアフレーム又はドアモールのリテーナーの車内側側壁に取付けられた第1シール保持部を中心に安定して回動することができる。第1シール部は、第1シール連続部により取付基部と連結しているため、第1シール保持部がリテーナーの車内側側壁から外れることがない。
【0019】
第1中空シール部は、第1シール保持部から車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、第1シール保持部からドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成される。このため、ドア閉時に、第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部が車体開口部周縁に押されて撓んでも、第1中空シール底辺部がドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を摺動して、確実に塞ぐことができる。
【0020】
第1中空シール下辺部の全部または一部が軟質スポンジ部で形成されるため、ドア閉時に、車体開口部周縁と当接した第1中空シール部が下方に撓むことが容易となり、ドア閉力を低減することができる。
第1中空シール底辺部をドアと車体開口部周縁との間に位置させたため、ドアと車体開口部周縁との間の隙間を第1中空シール底辺部が塞ぐことができ、車体の側面の凹凸感を減少させることができる。
【0021】
請求項4の本発明は、第1シール部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設される第1シールリップ根元部と、第1シールリップ根元部から車外方向に延設される第1シールリップ上辺部と、第1シールリップ上辺部からドアフレームの先端裏面方向に屈曲して延設される第1シールリップ底辺部と、第1シールリップ底辺部の先端と取付基部とを接続する下辺部を軟質スポンジ部で形成されるとともに、第1中空シール底辺部がドアと上記車体開口部周縁との間に位置させたドアウエザストリップである。
【0022】
請求項4の本発明では、第1シール部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設される第1シールリップ根元部と、第1シールリップ根元部から車外方向に屈曲して延設される第1シールリップ上辺部と、第1シールリップ上辺部からドアフレームの先端裏面方向に屈曲して延設される第1シールリップ底辺部と、第1シールリップ底辺部の先端と取付基部とを接続する軟質スポンジ部で形成されるとともに、第1中空シール底辺部がドアと上記車体開口部周縁との間に位置させたドアウエザストリップである。このため、第1シールリップ根元部、第1シールリップ上辺部、第1シールリップ底辺部及び軟質スポンジ部からなる中空形状をなし、第1シールリップ底辺部がドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面を摺動するときに、軟質スポンジ部が変形して、摺動が容易になるとともに、軟質スポンジ部がドアフレームの裏面に当接してシール性を確保することができる。
【0023】
請求項5の本発明は、第1中空シール底辺部の下端は、ドア外周部の先端の車内側裏面に当接して装着され、第1中空シール底辺部のドアフレーム又はドアモールの側の先端は、ドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面に当接し、ドア閉時に第1中空シール底辺部の車体開口部周縁側の先端は、車体開口部周縁に当接して、第1中空シール底辺部は、第1シール保持部を中心にドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面を摺動してリテーナーの底部方向に移動可能に形成されているドアウエザストリップである。
【0024】
請求項5の本発明では、第1中空シール底辺部の下端は、ドア外周部の先端の車内側裏面に当接して装着され、第1中空シール底辺部のドアフレーム又はドアモールの側の先端は、ドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面に当接し、ドア閉時に第1中空シール底辺部の車体開口部周縁側の先端は、車体開口部周縁に当接して、第1中空シール底辺部は、第1シール保持部を中心にドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面を摺動してリテーナーの底部方向に移動可能に形成されている。このため、ドア閉時にドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を、第1中空シール底辺部が確実にシールすることができるとともに、第1中空シール底辺部がその隙間からはみ出すことがなく、見栄えがよい。
【0025】
請求項6の本発明は、第1シール部の軟質スポンジ部に突起部が形成され、突起部は、ドアフレームの先端裏面または、リテーナーの上面に当接するドアウエザストリップである。
【0026】
請求項6の本発明では、第1シール部の軟質スポンジ部に突起部が形成され、突起部は、ドアフレームの先端裏面または、リテーナーの上面に当接するため、ドアウエザストリップとドアフレームまたはリテーナーの間のシール性を向上させることができる。
【0027】
請求項7の本発明は、軟質スポンジ部が屈曲して形成されているドアウエザストリップである。
【0028】
請求項7の本発明では、軟質スポンジ部が屈曲して形成されているため、より一層容易に撓むことができ、第1中空シール底辺部がスムースに摺動することができ、ドア閉力を一層低減することができる。
【0029】
請求項8の本発明は、第1中空シール底辺部壁は、円弧状に湾曲したドアウエザストリップである。
【0030】
請求項8の本発明では、第1中空シール底辺部壁は、円弧状に湾曲したため、ドア閉時にドアフレーム又はドアモールの車外側側部先端の裏面をスムースに摺動することができ、第1中空シール底辺部壁が車外側にはみ出ることがない。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、中空の断面略三角形状の第1中空シール部が、ドア閉時に断面略三角形の頂点を中心に回動することができ、ドアの外周部の先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を、確実にシールすることができる。また、第1中空シール底辺部の両端がそれぞれドアと車体開口部周縁とに当接して、ドアと車体開口部周縁との間に、第1中空シール底辺部の平面状の部分を屈曲させることなく存在させることができ、その間に凹部を生じさせることなく、車体表面に平滑感を生じさせることができる。
また、第1シール部を構成する壁の一部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部が形成されているため、ドア閉時に軟質スポンジ部が容易に撓むことができるため、中空状のシール部でもドア閉力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づき説明する。
図8は自動車の側面図である。図8に示すように、自動車のドア1の上部の外周部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の外周部にはドアウエザストリップ10が取付けられ、ドア1と車体開口部周縁6の間をシールしている。
また、ドアフレーム2の内周には、チャンネル3が設けられ、このチャンネル3内にガラスラン(図示せず)が取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
【0033】
図1〜図7は、本発明のそれぞれ第1〜第7の実施の形態のドアウエザストリップ10の断面図である。それぞれ図8におけるA−A線に沿ったドアフレーム2部分の断面図であり、ドアウエザストリップ10を自動車のドア1の外周部に装着した状態を示すものである。
ドアウエザストリップ10は、直線部分は押出成形により長尺に成形され、ドアフレーム2のコーナー部に対応する部分は、型成型により形成されている。
【0034】
まず、図1に基づき第1の実施の形態のドアウエザストリップ10について説明する。
ドアウエザストリップ10の断面形状は、図1に示すように、ドアフレーム2の外周等に取付けられる取付基部20と、取付基部20の上面に一体に形成されるシール部から形成される。シール部は、取付基部20の上面の車外側に形成されるドアフレーム2の外周部の先端と車体開口部周縁6の車外側の側端22との間をシールする第1シール部30と、同じく取付基部20の車内側の上面に形成され、第1シール部30が当接する部分よりも若干車内側の車体開口部周縁6に当接する中空状の形状をなす第2シール部40とから形成される。
【0035】
取付基部20は、断面において車外側が厚肉の略三角形状をなして形成されている。取付基部20は、後述するように、ドアフレーム2の外周部に取付けられたリテーナー4に嵌め込まれることができるように、その幅方向の両方の側端22、22が幅方向に張り出している。
断面略三角形の取付基部20には、中空状の取付基部中空部21がその中央部付近に設けられている。このため、ドアウエザストリップ10の重量を低減することができるとともに、取付基部20の柔軟性を向上させることができる。
【0036】
取付基部20の上面には前述の通り、第1シール部30と第2シール部40が設けられる。第2シール部40については後述する。
第1シール部30は、第2シール部40よりも車外側の取付基部20の上面に形成され、取付基部20から車体開口部周縁6方向に延設される第1シール根元部35と、第1シール根元部35の先端に連続的に形成され、中空形状で断面略三角形状の第1中空シール部31とから構成される。
【0037】
第1中空シール部31は、中空で断面が略三角形の形状をなしている。その断面略三角形状の各辺は第1中空シール上辺部32と、第1中空シール下辺部33と、第1中空シール底辺部34から形成され、その3辺にかこまれ中空を有している。
第1中空シール上辺部32は、第1シール根元部35の先端から車体開口部周縁6方向に斜め上方に延設される。第1中空シール下辺部33は、第1シール根元部35の先端からドア1のドアフレーム2の外周部の先端方向に斜め下方に延設される。
第1中空シール底辺部34は、第1中空シール上辺部32と第1中空シール下辺部33のそれぞれの先端を結び形成されている。第1中空シール底辺部34の下端は、ドアフレーム2の先端の車内側裏面に当接して装着されている
【0038】
第1シール根元部35は、取付基部20の取付基部中空部12の車外側先端から上方に延設されている。第1シール根元部35の肉厚は、上述の第1中空シール部31の各辺の肉厚よりも厚く形成されている。このため、ドア閉時に第1中空シール部31が車体開口部周縁6と当接しても、第1シール根元部35が変形しにくく、第1中空シール部31の装着位置を保持することができ、第1中空シール上辺部32と第1中空シール底辺部34の先端を確実に車体開口部周縁6の下面に接触させることができる。
【0039】
また、第1中空シール部31の肉厚が相対的に薄いため、ドア閉時に、第1中空シール部31が車体開口部周縁6と当接したときに、柔軟に変形して、少なくとも第1中空シール下辺部33の先端部がドア外周部(ドアフレーム)2の先端の裏面を摺動しつつ接触を保ち、シールを維持することができる。
なお、第1シール根元部35と第1中空シール部31との連結部分にノッチや切欠き、スリット等を設けて第1中空シール部31の回動をより行い易くしてもよい。
【0040】
第1中空シール部31の第1中空シール上辺部32は、第1シール根元部35の先端から車体開口部周縁6方向に斜めに延設されるため、第1中空シール上辺部32の先端と、その先端に連続して形成される第1中空シール底辺部34の先端のコーナー部分は、車体開口部周縁6の車外側の側端に当接して、車体開口部周縁6とドアウエザストリップ10との間をシールすることができる。
【0041】
第1中空シール部31の第1中空シール下辺部33は、第1シール根元部35の先端からドアフレーム2の外周部の先端方向に斜めに延設されている。このため、第1中空シール下辺部33の先端と、その先端に連続して形成される第1中空シール底辺部34の先端は、ドアフレーム2の先端の裏面に当接して、ドアフレーム2の外周部とドアウエザストリップ10との間をシールすることができる。
【0042】
第1中空シール部31の第1中空シール下辺部33には、軟質スポンジ部33bが設けられている。軟質スポンジ部33bは、少なくとも第1中空シール下辺部33の一部に形成されているが、第1中空シール下辺部33の全体を軟質スポンジ部33bで形成してもよい。第1中空シール下辺部33に軟質スポンジ部33bを形成すると、ドア閉時に第1中空シール底辺部34が車体開口部周縁6に当接して押されて、下方に撓むときに、第1中空シール下辺部33が軟質スポンジ部33bの部分で容易に撓むため、第1中空シール部31が撓みやすくドア閉力を低減することができる。
【0043】
第1中空シール底辺部34の下端は、ドアフレーム2の外周部の先端の車内側裏面に当接して装着されているため、第1中空シール底辺部34がドアフレーム2の外周先端と車体開口部周縁6との間の隙間を埋めることができ、ドアフレーム2と車体開口部周縁6との間をシールするとともに、その隙間を平面状の底辺部16dで塞いで、車体のその隙間における外面の平滑感を出すことができる。さらに、第1中空シール底辺部34の下端は、ドアフレーム2の外周部の先端の車内側裏面に当接して、ドア閉時に第1中空シール部31がその断面略三角形状の頂点を中心に回動したときに、ドアフレーム2の外周部の先端の車内側裏面に第1中空シール下辺部33と第1中空シール底辺部34の先端が当接しつつ摺動するため、シール性を維持することができる。
【0044】
第1シール根元部35と、そこから延設される第1中空シール下辺部33とは所定の角度をなして形成され、第1シール根元部35と第1中空シール下辺部33との間に第1中空シール部が撓み可能な空間が形成されている。このため、ドア閉時に第1中空シール部31が車体開口部周縁6に押されてその頂点を中心に下方に回動するときに、上記のように軟質スポンジ部33bが撓むとともに、第1中空シール下辺部33が全体として第1シール根元部35の方向に移動することができる。従って、第1中空シール部31が容易にその頂点を中心に下方に回動することができるため、三角形状を保ったまま回動して第1中空シール下辺部33が車体開口部周縁6とドアフレーム2の外周部先端に当接し続けることができ、シール性を確保することができるとともに、ドア閉力を減少させることができる。
【0045】
さらに、第1シール根元部35と取付基部20との連続部分に車外側に横方向に突出した取付基部突条部24を設けることができる。この取付基部突条部24と取付基部20の側端22の間には凹部23が形成され、この凹部23にドアフレーム2の外周に設けられたリテーナー4の車外側の側端22が挿入され、リテーナー4の車内側の側端22と合わせて取付基部20を挟持して、ドアウエザストリップ10を保持することができる。
なお、上記の凹部23にリテーナー4の車外側の側端22が嵌まり込む仕様とすることにより、取付基部突条部24とリテーナー4の外面が確実に接触し、両者の間をシールすることができる。
【0046】
ドアフレーム2の外周の先端の裏面においては、上述のとおり、第1中空シール底辺部34が摺動可能なように、第1中空シール底辺部34の下端とリテーナー4の側端との間に空間が設けられている。そのため、第1中空シール部31が車体開口部周縁6に押されたときに、第1中空シール底辺部34が、その隙間の部分の距離をドアフレーム2の先端裏面を下方に向けて移動することができる。このため、第1中空シール部31が車体開口部周縁6に押されたときに、第1中空シール底辺部34が屈曲して車体開口部周縁6とドア1の外周端縁の隙間から車外側に膨出することがない。また、第1中空シール底辺部34がドアフレーム2の外周部の先端の裏面と容易に摺動できるため、両者の間のシールを確保することができる。
【0047】
第2シール部40は、取付基部20の上面の断面三角形の斜面の部分から車内側に延出されている。第2シール部40は、断面が円形または、楕円形の中空状のシール部として形成することができる。なお、第2シール部40は、リップ状に形成してもよい。
ドア閉時には、この第2シール部40の先端は、車体開口部周縁6の第1シール部30が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁6の膨出部分に当接して、第2シール部40が膨出部分に沿って変形し、ドアフレーム2と車体開口部周縁6との間をシールする。この第2シール部40と第1シール部30により、ドアフレーム2と車体開口部周縁6との間を2重にシールすることができる。
【0048】
図1に示す第1の実施の形態では、取付基部20は、リテーナー4に取り付けられているが、リテーナー4を廃止して、両面接着テープを取付基部20の裏面に取付けられて、その両面接着テープをドアフレーム2の外周部に接着して、ドアウエザストリップ10をドアフレーム2に取付けてもよい。この場合はリテーナー4を廃止することができるため、車両の軽量化に貢献することができる。
【0049】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図2に基づき説明する。第2の実施の形態は、第1の実施の形態とは第1シール部30の第1中空シール部31の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第2の実施の形態の第1中空シール部31においては、取付基部20の取付基部中空部12の車外側先端から上方に延設された第1シール根元部35の先端と連続して第1中空シール上辺部が形成されている。第1シール根元部35の肉厚は、上述の第1中空シール部31の各辺の肉厚よりも厚く形成されている。このため、ドア閉時に第1中空シール部31が車体開口部周縁6と当接しても、第1シール根元部35が変形しにくく、第1中空シール部31の装着位置を保持することができる。
【0050】
第1中空シール部31は、中空で断面が略三角形の形状をなしている。その断面略三角形状の各辺は第1中空シール上辺部32と、第1中空シール下辺部33と、第1中空シール底辺部34から形成され、その3辺にかこまれ中空を有している。
第1中空シール上辺部32は、第1シール根元部35の先端から連続して車体開口部周縁6方向に上方斜めに延設される。第1中空シール下辺部33は、取付基部20の上面から上方に延設され、上記中空の内部の方向に屈曲して、断面がV字形に形成され、その先端は、第1中空シール底辺部34の下端と連続している。そして、屈曲した第1中空シール下辺部33は、全部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部33bとして形成されている。
【0051】
このため、ドア閉時に車体開口部周縁6に第1中空シール底辺部34の上端が当接して下方に押されたときに、第1中空シール下辺部33の軟質スポンジ部33bは、屈曲部で容易に屈曲して、第1中空シール底辺部34がドア外周部(ドアフレーム)の先端の裏面を摺動しつつ接触を保つことができる。したがって、ドア閉力を低減することができるとともに、車体開口部周縁6とドアフレーム2の先端との隙間を確実にシールすることができ、第1中空シール部31がその隙間からはみ出ることがなく見栄えがよい。
また、第1中空シール底辺部34の下端と、第1シール根元部35と取付基部20との連続部分に車外側に横方向に突出した取付基部突条部24との間に空間があり、第1中空シール底辺部34が下方に移動することができる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図3に基づき説明する。第3の実施の形態は、第1の実施の形態とは取付基部20と第1シール部60の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第1シール部60は、ドアフレーム2又はドアモール8のリテーナー4の車内側側壁4bに保持される第1シール保持部61と、第1シール保持部61と取付基部20に形成された第2シール部40の側壁とを連結する第1シール連続部65と、第1シール保持部61から車体開口部周縁6の先端方向に延設される中空の断面略三角形状の第1中空シール部66とから形成される。第1シール保持部61は、内部に溝部が形成され、その溝部にリテーナー4の車内側側壁4bが嵌め込まれている。
【0053】
第1中空シール部66は、第1シール保持部61から車体開口部周縁6方向に斜め上方に一体的に延設される第1中空シール上辺部67と、同様に第1シール保持部61からドアモール8の裏面の車外側側壁4cの外周部の先端方向に斜め下方に一体的に延設される第1中空シール下辺部68と、第1中空シール上辺部67と第1中空シール下辺部68の先端を結ぶ第1中空シール底辺部69から構成されている。
このため、第1シール部60の第1中空シール部66は、ドアフレーム2又はドアモール8のリテーナー4の車内側側壁4bに取付けられた第1シール保持部61を中心に安定して回動することができる。第1シール部60は、第1シール連続部65により取付基部20と連結しているため、第1シール保持部61がリテーナー4の車内側側壁4bから外れることがない。
【0054】
第1中空シール下辺部68は、一部が軟質スポンジで形成された軟質スポンジ部68bを有している。このため、ドア閉時に、車体開口部周縁6と当接したときに軟質スポンジ部68bが撓んで、第1中空シール部66が下方に撓むことが容易となり、ドア閉力を低減することができる。
第1中空シール下辺部68の全部を軟質スポンジ部68bとすることもできる。
【0055】
第1中空シール底辺部69の下端は、ドアモール8の車外側側壁4cの裏面またはドア外周部の先端の車内側裏面に当接して装着される。第1中空シール底辺部69のドアフレーム2又はドアモール8の側の先端、即ち下側の先端は、ドアフレーム2又はドアモール8の車外側側部先端の裏面に当接する。そして、ドア閉時に第1中空シール底辺部69の車体開口部周縁6側の先端、即ち上側の先端は、車体開口部周縁6に当接して、第1中空シール底辺部69は、第1シール保持部61を中心にドアフレーム2又はドアモール8の車外側側部先端の裏面を摺動してリテーナー4の底部方向に移動可能に形成されている。このため、ドア閉時にドアの外周部の先端と車体開口部周縁6の車外側側端の間の隙間を、第1中空シール底辺部69が確実にシールすることができるとともに、第1中空シール底辺部69がその隙間からはみ出すことがなく、見栄えがよい。
【0056】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図4に基づき説明する。第4の実施の形態は、第3の実施の形態とは第1中空シール下辺部33の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第4の実施の形態の第1中空シール下辺部68は、略中央部付近で第1中空シール部66の内部方向に屈曲し、屈曲部付近から第1中空シール底辺部69の下端との連続部分までが軟質スポンジ部68bで形成されている。
このため、ドア閉時に第1中空シール底辺部69の車体開口部周縁6側の先端、即ち上側の先端は、車体開口部周縁6に当接して、第1中空シール底辺部69は、第1シール保持部61を中心にドアフレーム2又はドアモール8の車外側側部先端の裏面を摺動するときに、軟質スポンジ部68bが第1中空シール部66の内部方向に屈曲しやすい。したがって、第1中空シール底辺部34がスムースに摺動して、ドア閉力を小さくすることができる。
【0057】
次に、本発明の第5の実施の形態について、図5に基づき説明する。第5の実施の形態は、第1の実施の形態とは第1シール部70の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第1シール部70は、取付基部20の第2シール部40よりも車外側に断面が略四角形状の中空に形成され、車体開口部周縁6方向に延設される第1シール根元部75と、第1シール根元部75の先端から車外方向に屈曲して連続的に形成される第1中空シール上辺部72と、第1中空シール上辺部72の先端から下方に、即ち、ドアフレーム2の裏面方向に屈曲して連続的に形成される第1中空シール底辺部74と、第1中空シール底辺部74の先端と第1シール根元部75の根元部分とを連結する軟質スポンジ部79からなる。
【0058】
軟質スポンジ部79は車外方向に突出する突起部79cが形成されている。この突起部79cがドアフレーム2の裏面とリテーナー4の車外側側壁の先端との連続部分に当接することができる。特に、ドア閉時に第1中空シール底辺部74が軟質スポンジ部79を押しても、突起部79cが確実にドアフレーム2の裏面に当接して、ドアウエザストリップ10とドアフレーム2の間のシールを確保することができる。
【0059】
次に、本発明の第6の実施の形態について、図6に基づき説明する。第6の実施の形態は、第5の実施の形態とは第1シール部70の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第1シール部70は、取付基部20の第2シール部40よりも車外側に断面が略楕円形状の中空に形成され、取付基部20から車体開口部周縁6方向に延設される第1シール根元部75と、第1シール根元部75の先端から車外方向に屈曲して連続的に形成される第1中空シール上辺部72と、第1中空シール上辺部72の先端から下方に、即ち、ドアフレーム2の方向に屈曲して連続的に形成される第1中空シール底辺部74と、第1中空シール底辺部74の先端と第1シール根元部75の根元部分とを連結する軟質スポンジ部79からなる。
【0060】
軟質スポンジ部79は、第5の実施の形態と同様に、車外方向に突出する突起部79cが形成されている。この突起部79cがドアフレーム2の裏面とリテーナー4の先端との連続部分に当接することができる。特に、ドア閉時に第1中空シール上辺部72と第1シール根元部75の屈曲部分が折れ曲がり、第1中空シール底辺部74が屈曲して軟質スポンジ部79を押しても、突起部79cが確実にドアフレーム2の裏面に当接して、ドアウエザストリップ10とドアフレーム2の間のシールを確保することができる。
【0061】
次に、本発明の第7の実施の形態について、図7に基づき説明する。第7の実施の形態は、第3の実施の形態とは第1シール部60の第1中空シール下辺部68の形状が異なり、他の部分は同様であるため、異なる部分を説明し、同様な部分は説明を省略する。
第1中空シール下辺部68は、ほぼ全体が軟質スポンジ部68bで形成され、第1シール保持部61との連続部付近の外面に突起部68cが形成されている。軟質スポンジ部68bで形成されているため、ドア閉時に屈曲しやすくドア閉力を低減できる。
この突起部68cは、リテーナー4の表面に当接しているため、リテーナー4と第1シール部60との間を確実にシールすることができる。
【0062】
次に、ドアウエザストリップ10の製造方法について説明する。
ドアウエザストリップ10の直線状の部分の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。柔軟性を向上させるためにこれらの材料を発泡させてスポンジ材として使用することが好ましい。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫、発泡が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、押出成形と同時にあるいは押出成形の後に加熱されて発泡して、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
【0063】
第1シール部30、60、70及び第2シール部40は、スポンジゴムで形成することができる。スポンジゴムで形成する場合は、柔軟性が高くなり、車体開口部周縁6とドアフレーム2の形状に合わせて変形することができ、シール性を向上させることができる。また、重量も低減することができ、車両の軽量化にも貢献できる。取付基部20は、ソリッドゴムで形成することができる。
取付基部20をソリッド材で形成し、第1シール部30、60、70及び第2シール部40をスポンジ材で形成する場合は、ソリッド材とスポンジ材を2色押出成形で同時一体的に押出成形する。
【0064】
ソリッドゴムの場合は、ドアフレーム2へ取り付けたときに強固に取付けることができ、ドアウエザストリップを安定して取付けることができる。また、取付基部20をスポンジゴムで形成することもできる。スポンジゴムで形成する場合は、第1シール部30、6070及び第2シール部40と同一材料で成形し、加硫することができ生産性が高い。また、同様に、重量も低減することができ、車両の軽量化にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図2】本発明の第2の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図3】本発明の第3の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図4】本発明の第4の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図5】本発明の第5の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図6】本発明の第6の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図7】本発明の第7の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図10のA−A線に沿った断面形状である。
【図8】自動車ドアの側面図である。
【図9】従来の図8のA−A線に沿ったドアフレーム上部の断面図である。
【図10】従来のドアウエザストリップの断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 ドア
2 ドアフレーム
4 リテーナー
6 車体開口部周縁
10 ドアウエザストリップ
20 取付基部
30、60、70 第1シール部
31、66 第1中空シール部
32、67、72 第1中空シール上辺部
33、68 第1中空シール下辺部
34、69、74 第1中空シール底辺部
33b、68b、79 軟質スポンジ部
35、75 第1シール根元部
40 第2シール部
61 第1シール保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドアと車体開口部周縁との間をシールし、上記ドアの外周部に取付けられるドアウエザストリップにおいて、
該ドアウエザストリップは、上記ドアの外周部に取付けられる取付基部と、該取付基部に一体的に形成され上記車体開口部周縁に当接して上記ドアと上記車体開口部周縁との間をシールするシール部を有し、
上記シール部は、上記ドアの外周部の先端と上記車体開口部周縁の車外側側端との間をシールする第1シール部と、該第1シール部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する第2シール部とから形成され、
上記第1シール部は、中空状のシール部を形成し、該第1シール部を構成する壁の一部が他の部分よりも軟質の軟質スポンジ部で形成されていることを特徴とするドアウエザストリップ。
【請求項2】
上記第1シール部は、上記取付基部から上記車体開口部周縁方向に延設される第1シール根元部と、中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成され、該第1中空シール部は、上記第1シール根元部の先端から上記車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、上記第1シール根元部の先端から上記ドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、上記第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成され、上記第1中空シール下辺部の全部または一部が上記軟質スポンジ部で形成されるとともに、上記第1中空シール底辺部を上記ドアと上記車体開口部周縁との間に位置させた請求項1に記載のドアウエザストリップ。
【請求項3】
上記第1シール部は、ドアフレーム又はドアモールのリテーナーの車内側側壁に保持される第1シール保持部と、該第1シール保持部と上第2シール部の側壁とを連結する第1シール連続部と、上記第1シール保持部から車体開口部周縁の先端方向に延設される中空の断面略三角形状の第1中空シール部とから形成され、該第1中空シール部は、上記第1シール保持部から上記車体開口部周縁方向に斜めに延設される第1中空シール上辺部と、上記第1シール保持部から上記ドアの外周部の先端方向に斜めに延設される第1中空シール下辺部と、上記第1中空シール上辺部と第1中空シール下辺部の先端を結ぶ第1中空シール底辺部とから構成され、該第1中空シール下辺部の全部または一部が上記軟質スポンジ部で形成されるとともに、上記第1中空シール底辺部が上記ドアと上記車体開口部周縁との間に位置させた請求項1に記載のドアウエザストリップ。
【請求項4】
上記第1シール部は、上記取付基部から車体開口部周縁方向に延設される第1シールリップ根元部と、該第1シールリップ根元部から車外方向に延設される第1シールリップ上辺部と、該第1シールリップ上辺部からドアフレームの先端裏面方向に屈曲して延設される第1シールリップ底辺部と、該第1シールリップ底辺部の先端と上記取付基部とを接続する下辺部を上記軟質スポンジ部で形成されるとともに、上記第1中空シール底辺部が上記ドアと上記車体開口部周縁との間に位置させた請求項1に記載のドアウエザストリップ。
【請求項5】
上記第1中空シール底辺部の下端は、上記ドア外周部の先端の車内側裏面に当接して装着され、上記第1中空シール底辺部の上記ドアフレーム又は上記ドアモールの側の先端は、上記ドアフレーム又は上記ドアモールの車外側側部先端の裏面に当接し、ドア閉時に上記第1中空シール底辺部の上記車体開口部周縁側の先端は、上記車体開口部周縁に当接して、上記第1中空シール底辺部は、上記第1シール保持部を中心に上記ドアフレーム又は上記ドアモールの車外側側部先端の裏面を摺動してリテーナーの底部方向に移動可能に形成されている請求項2乃至請求項4に記載のドアウエザストリップ。
【請求項6】
上記第1シール部の軟質スポンジ部に突起部が形成され、該突起部は、ドアフレームの先端裏面または、リテーナーの上面に当接する請求項1乃至請求項5に記載のドアウエザストリップ。
【請求項7】
上記軟質スポンジ部が屈曲して形成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
【請求項8】
上記第1中空シール底辺部は、円弧状に湾曲した請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のドアウエザストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−314143(P2007−314143A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148938(P2006−148938)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】