説明

ナビゲーション管理サーバの情報提供方法

【課題】 ユーザの多様なニーズに対応する目的地エリア候補を提供して、円滑なナビゲーションを可能にするナビゲーション管理サーバの情報提供方法を提供する。
【解決手段】 インターネット上に開設されるナビゲーション管理サーバ20の情報提供方法であって、ナビゲーション管理サーバ20は、通信網80を介して接続されるモバイル端末100から、認証番号とスタート地点sの座標位置に基くアクセスを受け付けて、複数の目的地の検索条件を入力する検索入力画面250を前記モバイル端末に出力し、検索入力画面250に入力された検索条件でのエリア検索を受け付けて、この検索条件に合致する複数の施設が特定のエリアに隣接する目的地エリア候補210を抽出し、この抽出した目的地エリア候補210とそのルート情報とを地図上にマッピングした検索出力画面200を生成してモバイル端末100に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の目的地候補を含むエリア検索に最適なナビゲーション管理サーバの情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS機能により移動体の位置を確認して、この移動体の位置を地図上に表示するナビゲーションシステムが広く普及している。特に、カーナビと呼ばれる車載用ナビゲーションシステムは車を運転する利用者の生活にとって欠かせないものとなっている。このようなナビゲーションシステムでは、住所、施設名称、電話番号などから目的地を設定し、その設定された目的地に対し最適経路を設定して、経路案内を行う機能を備えている。また、これらの従来技術では、目的地候補(候補地)が複数あった場合には、リストの形で複数の候補地をテキスト表示するものがある。
【0003】
一方、他の従来例では、各地点に至るまでの所要時間を使って、目的地の候補となる複数の候補地を絞り込む絞り込み検索の技術が提案されている。これによれば、ユーザが望む所要時間に応じて複数の候補地を提示することが可能となり、所要時間を考慮した目的地検索が可能となる。
他の従来技術では、所定の地点(例えば、自車位置)を中心とする同心円又は円弧を地図上に描いて距離表示を行う技術が開示されている。これによれば、所定の地点を中心とした地図上での大まかな距離を、直感的に、かつ、容易に把握することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−351902号公報
【特許文献2】特開2000−305452号公報
【特許文献3】特開2004−294301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術では、ユーザが希望する複数の目的地候補を検索・抽出して表示装置に表示し、これらの候補の中から目的地を決定して、その目的地に至る経路を取得することができる。しかし、これらの検索では、ユーザが入力する検索条件に合致する目的地候補、即ち、1つまたは複数の条件に合致する施設候補を抽出するものである。例えば、食事ができて映画が見える1つの特定の施設を検索対象とするものである。
【0006】
しかしながら、ユーザが休日にドライブする場合は、東北方面で、1時間ぐらいで行けて、美味しいものが食べれて、遊園地も行きたいなどの曖昧な目的を希望する場合も多く、このような曖昧検索に対応できるナビゲーションシステムが望まれる。特に、このような曖昧検索では、例えば、食事施設と遊園地施設が必ずしも1つの施設である必要は無く、これらが近接している地域であれば足りる。
【0007】
そこで、この発明の目的とするところは、ユーザの多様なニーズに対応する目的地エリア候補を提供して、円滑なナビゲーションを可能にするナビゲーション管理サーバの情報提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るナビゲーション管理サーバの情報提供方法は、前記目的を達成するために、ルート検索部を備えたナビ管理制御部と、地図情報管理データベースと会員管理データベースと施設検索データベースを格納する記憶装置とを備えてインターネット上に開設し、通信回線を介して接続されるモバイル端末から、認証番号とスタート地点の座標位置に基くアクセスを受け付けて、複数の目的地の検索条件を入力する検索入力画面を前記モバイル端末に出力し、前記検索入力画面に入力された検索条件でのエリア検索を受け付けて、前記検索条件に合致する複数の施設が特定のエリアに隣接する目的地エリア候補を抽出し、前記抽出した目的地エリア候補が、当該目的地エリア候補へのルート情報とともに地図上にマッピングされた検索出力画面を生成し、この生成された検索出力画面を前記モバイル端末に出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが希望する複数の施設が集まっている地域が利用者に提供されるので、ユーザの多様なニーズに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施例に係るナビゲーションシステムのシステム構成図である。
【図2】第1実施例に係るナビ管理サーバの動作フロー図である。
【図3】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図4】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図5】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図6】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図7】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図8】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図9】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図10】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図11】第1実施例に係る画面遷移図である。
【図12】第2実施例に係る画面遷移図である。
【図13】第2実施例に係る画面遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1から図13を参照して、この発明に係るナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムを具体的に説明する。ここで、図1から図11が第1実施例を示し、図12と図13が第2実施例を示す。なお、なお、同一部位や矢印などは同一符号をもって示し重複した説明を省略する。
(第1実施例)
先ず、図1を参照して、この実施例に係るナビゲーションシステムを具体的に説明する。ここで、図1は、この実施例に係るナビゲーションシステムのシステム構成図である。
【0012】
先ず、符号1で総括的に示すナビゲーションシステムは、クレードル150を介して利用者の車両170に設置されるカーナビゲーション端末(モバイル端末という)100と、利用者の自宅などに設置されて各種の情報を取得できる自宅端末90と、この自宅端末90とモバイル端末100に有線あるいは無線の通信網80を介して各種の情報を提供するナビゲーション管理サーバ(以下ナビ管理サーバという)20と、少なくともモバイル端末100やナビ管理サーバ20に道路事情を提供する道路情報提供サーバ70とを含んで構成される。
【0013】
この実施例に係るモバイル端末100は、携帯可能な薄い筐体101内に、このモバイル端末100を統括的に制御する端末制御部110と、カメラ部111と、このモバイル端末100を操作するための操作部112と、全地球測位システム(GPS)を用いたGPS部113と、通信網80と接続するための通信部114と、各種の情報を表示する薄型の表示部120と、地図情報を格納した記憶部115とを含んで構成される。前記操作部112は、表示部130の前面に配置されるタッチパネル116と、筐体101の外面に設けられる複数のハードキー117とを含んで構成される。この他、このモバイル端末100には、テレビチューナやDVD再生装置を接続することができる。
【0014】
このモバイル端末100は、GPS部113を介して、自身の位置情報を判定し、この位置を表示部130に表示される地図上に表示することができる。したがって、このモバイル端末100を携帯する利用者は、自身の位置をこのモバイル端末100の表示部130に表示される地図で把握することができる。なお、この実施例では、端末制御部110が、GPS部113を介して取得した位置情報に基づいて、記憶装置115に格納された地図を検索し、この検索された地図上に自身の位置を表示することができるが、通信部114を介して接続されるナビ管理サーバ20からナビゲーション情報を取得することもできる。即ち、前記ナビ管理サーバ20は、ルート検索部21を備えたナビ管理制御部22と、地図情報管理データベース23と会員管理データベース24及び施設検索データベース25を格納する記憶装置26とを備えている。したがって、モバイル端末100からの目的地までのルート情報の検索要求に基づいて、このモバイル端末100にルート情報を提供することができる。
【0015】
なお、この実施例のモバイル端末100は、目的地までのルートを前記ナビ管理サーバ20に依頼して、その検索ルートを取得し、この取得したルートに基づいてナビゲーションを行うシステムで説明する。しかし、これに限定されるものではない。つまり、このモバイル端末100の端末制御部110に図示しないルート検索部を備え、このルート検索部で検索したルートに基づいてナビゲーションを行うようにしても良い。
【0016】
また、このモバイル端末100は、通信部114を介して、各種の情報提供サイト75に接続することで、通常の携帯電話や情報端末装置のように、各種の情報を取得して、これを表示部130に表示することもできる。
【0017】
一方、自宅端末90は、通信網80を介してナビ管理サーバ20にアクセスし、モバイル端末100と同様に、目的地までの検索要求を行うことができ、これにより目的地までのルート情報を取得することができる。この実施例の自宅端末90は、極一般的なパーソナルコンピュータやモバイル端末で構成することができる。即ち、自宅端末90は、図示しない制御装置と記憶装置と表示装置と入力装置と通信装置とを備えてナビ管理サーバ20に接続されている。また、この自宅端末90では、目的地までのルート情報をナビ管理サーバ20に格納し、このルート情報をモバイル端末100にダウンロードして利用することができる。
【0018】
そして、このナビゲーションシステム1の大きな特徴の1つは、利用者が望む複数の目的地(施設)が隣接する目的地エリア候補210を利用者に提供する点にある。
【0019】
即ち、従来のナビゲーションシステムの検索では、住所、施設名称、電話番号などの検索条件から特定の目的地を抽出するものである。しかも、検索条件に合致するものがあれば、それらを複数表示して特定の目的地を選択する方法を採用している。あるいは、1時間ぐらいで行けて、美味しいものが食べれて遊べる特定の1ケ所の施設を検索するものである。つまり、従来のナビゲーションシステムでは、複数の検索条件に合致する特定の1つの施設(場所)を検索することが主眼となっている。したがって、この従来の検索システムでは、1つの場所に利用者が希望する複数の施設が集中した大型店しか検索することができない。例えば、検索条件に合致する2つの施設が、1本の道路を隔てて隣接して設置されているものは検索することができない。
【0020】
そこで、本ナビゲーションシステム1では、特定の範囲に希望する施設が隣接する目的地エリア候補210を抽出し、これを地図上に表示して利用者に提供することで、ユーザの多様なニーズに対応するものである。具体的には、図1に示すように、利用者が望む検索条件に合致する目的地を施設検索データベース25から抽出し、これら抽出された目的地(施設)が予め設定される範囲あるいは指定する範囲に含まれる目的地エリア候補210を抽出し、これを表示部120に表示される地図上に選択領域として表示する。
【0021】
例えば、図1の検索出力画面200は、スタート地点Sから東方面の1時間から2時間の間で車で行けるところで、おいしいものが食べれる施設と、買い物ができる施設が3km圏内にある目的地エリア候補210を地図上に表示した状態を示している。この検索出力画面200によれば、利用者は、希望する検索条件に合致する目的地エリア候補210を一目で把握することができる。
【0022】
また、このエリア検索は、モバイル端末100または自宅端末90から通信網80を介してナビ管理サーバ20にアクセスし行うことができる。ナビ管理サーバ20は、利用者のアクセスに基いて、検索入力画面250(図5参照)を提供し、この検索入力画面250で指定される検索条件に基いて地図情報管理データベース23から検索条件に合致する施設を抽出し、更に、これら施設の位置情報から特定の範囲に含まれる目的地エリア候補210を抽出し、この抽出された目的地エリア候補210が地図上にマッピングされた検索出力画面200を利用者に提供するものである。
【0023】
この検索出力画面200では、目的地エリア候補210を選択することで、この選択された目的地エリア候補210の詳細地図情報を表示する拡大検索出力画面270(図9参照)を表示することができる。そして、この拡大検索出力画面270から目的地として決定することもできるし、元の検索出力画面200に戻して、他の目的地エリア候補210の拡大検索出力画面270を表示することができる。
【0024】
また、このナビゲーションシステム1の大きな特徴の他の1つは、目的地の位置を示す検索条件として方面検索を採用した点にある。
【0025】
即ち、従来技術においては、目的地を選択するにあたり、都道府県名や住所などで目的地を絞る手法を採用している。しかし、特定の目的地を意識しないでドライブする利用者にとって、明確に区分けされる都道府県名や住所はあまり重要ではなく、東北方面や伊豆方面といったスタート位置Sを基点とする方向(方面)を意識するケースが多々見られる。
【0026】
そこで、この実施例では、スタート位置Sを中心に東西南北の4方面を検索対象としている。具体的には、ナビ管理サーバ20は、スタート位置Sを基点に、東西南北に当分割する方位分割線Pを仮想的に算出し、利用者から指定される「東」などの1つの指定方面領域220に合致する目的地(目的地エリア候補210)を抽出する。
【0027】
そして、このナビゲーションシステム1の大きな特徴の他の1つは、検索出力画面200では、スタート位置Sを中心に、方位分割線Pで分割される東西南北の4方面を表示して、利用者が指定した指定方面領域220に抽出した目的地エリア候補210を表示する点にある。これにより、利用者は、検索出力画面200を見ることにより、自分の検索条件を把握しながら、その検索結果を一目で見ることができる。
【0028】
また、このナビゲーションシステム1の大きな特徴の他の1つは、前記指定方面領域220と到達時間範囲とを組み合わせて、ある特定の領域に含まれる目的地エリア候補210を抽出する点にある。
【0029】
即ち、東西南北の4方面の1つの指定方面領域220のみの検索条件で利用者が希望する施設を検索すると膨大な件数となり、ナビ管理サーバ20にかかる負担が大きいものとなる。また、利用者においても、日帰りなのか宿泊なのかなどで、目的地までの目安の到達時間をある程度気にするものである。そこで、この実施例では、前記指定方面領域210と到達時間範囲とを組み合わせて、目的地(目的地エリア候補210)の抽出範囲を指定するようにしている。図1の検索出力画面200では、「東」の指定方面領域220であり、到達時間が1時間から2時間となる目的地エリア候補210が5箇所選択された状態を示している。これらの目的地エリア候補210は、到達時間の目安が吹出し内に示されている。
【0030】
次に、図2の動作フロー図を基に、図3から図11の画面遷移図を参照して、このナビゲーションシステム1の使用方法を説明する。ここで、図2はナビ管理制御部の動作フロー図である。図3から図11はモバイル端末の画面遷移図である。
【0031】
このナビゲーションシステム1では、モバイル端末100または自宅端末90から通信網80を介してナビ管理サーバ20にアクセスし、利用者が望む検索条件に合致する目的地エリア候補210を取得し、この目的地エリア候補210から目的地へのルート情報を取得することができる。ここで、ナビ管理サーバ20は、ナビ管理制御部22が記憶装置26に格納される地図情報管理データベース23や会員管理データベース24及び施設検索データベース25から情報を取得して、モバイル端末100または自宅端末90に提供する。ここで、モバイル端末100及び自宅端末9は、ナビ管理サーバ20の記憶装置26に抽出した目的地エリア候補210のルート情報を格納することができる。そして、モバイル端末100は、この格納したルート情報をダウンロードして、自身のルート情報として活用することができる。ここでは、モバイル端末100での操作方法を説明する。
【0032】
先ず、図3において、モバイル端末100の端末制御部110は、図示しないメニュー操作がなされると、図3に示すメニュー画面400を表示部120に表示する。このメニュー画面400は、目的地選択ボタン401と音楽選択ボタン402とテレビ選択ボタン403と各種の設定を可能にする設定選択ボタン403の操作を行うことができる。この端末制御部110は、この4つの選択ボタンのいずれかがタッチパネル116を介して選択されると、該当する図示しない画面を表示部120に表示して、各種の操作やテレビや音楽の視聴を行うことができる。
【0033】
ここでは、目的地選択ボタン401が選択されたとする。端末制御部110は、目的地選択ボタン401が選択されると図4に示す目的地メニュー画面410を表示する。この目的地メニュー画面410は、自宅へ行く、あるいは住所で探すなどの検索条件を設定する検索メニュー選択部411と、この検索メニュー選択部411をスクロールさせるための一対のスクロールキー412と、目的地メニュー画面410に戻るための戻るキー413が設けられている。端末制御部110は、検索メニュー選択部411の1つの選択部が選択されると対応する図示しない入力画面を表示部120に表示する。
【0034】
しかし、「複数条件で探す」の選択部414が選択されると、自身のID情報とGPS部113で取得した自身の座標情報を通信部114を介してナビ管理サーバ20に送信する。この実施例では、検索負荷が大きい「複数条件で探す」の検索をナビ管理サーバ20に依頼し、他の検索については、端末制御部110が記憶部115に格納される地図情報を参照して検索する。もちろん、他の検索についてもナビ管理サーバ20に依頼しても良いし、あるいは、モバイル端末100自身ですべての検索を実行しても良い。
【0035】
さて、図2において、ナビ管理サーバ20のナビ管理制御部22は、モバイル端末100からのアクセスがあると、送信されたID情報と会員管理データベース24とを照合し(ステップ501)、照合されれば、図5に示す検索入力画面250をモバイル端末100に送信して、その入力操作を受け付ける(ステップ503)。
【0036】
この検索入力画面250では、複数条件で目的地を探すエリア検索の検索条件を入力することができる。この実施例では、方面設定部251と、到達時間範囲設定部252と、施設設定部254と、施設数設定部257と、有料道路設定部258と、領域候補のエリア半径設定部259と、検索を実行する検索実行キー260と、戻るキー261が設けられている。
【0037】
方面設定部251は、四角形の各角を斜めに結んで4分割される「東」「西」「南」「北」の各選択キーから構成される。即ち、三角形の4つのボタンが四角形を成すように組み合わされて配置されている。図4では、「東」が選択された状態を示している。到達時間範囲設定部252は、時間軸上に最短時間と最長時間とを設定する一対のスライドボタン253が設けられており、この一対のスライドボタン253をタッチ操作でスライド移動させることで、目的地までの到達時間範囲を設定することができる。この図4では、1.5時間から2時間の範囲で車で行ける範囲を設定している。
【0038】
ここで、この実施例のモバイル端末100は、初期値として車両170に設置さた条件で設定されている。この初期値は、メニュー画面400の設定選択ボタン403から選択表示される図示しない設定画面で変更することができる。もちろん、この検索入力画面250に「車」と「電車」などの交通手段を設定する図示しない設定部を設けるようにしても良い。また、自宅端末90では、スタート位置Sの入力欄を設けるようにする。
【0039】
施設設定部254は、施設の種別を選択する施設選択部255と、その詳細条件の詳細選択部262とが対となって、複数も受けられている。この実施例では、「食べる」「遊ぶ」「買い物」「泊まる」の4つの施設の種別から設定することができる。即ち、施設選択部255を選択(レ点)すると、その詳細条件を詳細選択部262の操作で設定することができる。詳細選択部256が操作されると、図6の詳細設定画面280を表示する。
【0040】
この詳細設定画面280では、例えば、食べる施設として「イタリアン」「ファミレス」などの店の種類を施設詳細選択部281から選択することができる。施設詳細選択部281は一対のスクロールキー282の操作でスクロールさせることができ、OKキー283で決定操作をすることで施設の詳細を設定することができ、また戻るキー284で詳細情報を設定することなく、検索入力画面250に戻すことができる。この詳細設定画面280は施設の種別に対応して複数設定されている。
【0041】
このOKキー283が操作されると、画面は元の検索入力画面250に戻り、その設定内容は、選択確認表示部256に表示される。この施設設定部254で設定される施設は、OR条件で検索されるものである。したがって、図4では、「ラーメン屋」と「家具屋」が検索条件となっているので、それぞれの施設を検索することとなる。
【0042】
施設数設定部257は、エリア半径設定部259で設定される目的地エリア候補210内に含まれる施設数の数を設定する入力欄である。この実施例では、エリア半径設定部259で設定される目的地エリア候補210内に含まれる施設数の密度を検索する。この図5の設定では、半径3kmの目的地エリア候補210内に、「ラーメン屋」または「家具屋」が10件以上あることが検索条件となる。なお、この実施例のエリア半径設定部259は、「小(1km)」「中(3km)」「大(5km)」のいずれかを選択することができる。
【0043】
また、有料道路設定部258は、有料道路を利用するか、利用した場合の料金範囲を検索条件として設定することができる。
【0044】
この実施例では、検索入力画面250と検索出力画面200の画面操作は、モバイル端末100の端末制御部110が仲介する形でナビ管理制御部22が行う。したがって、利用者は、モバイル端末100の表示部120に表示される検索入力画面250で希望する検索条件を入力して検索実行キー260を操作することで、これらの検索をナビ管理サーバ20に操作指示することができる。
【0045】
図2に戻り、ナビ管理制御部22は、前記検索入力画面250で指示された検索条件を受け付ける(ステップ505)と、施設検索データベース25を参照して、エリア検索を実行する(ステップ507)。このエリア検索では、以下の検索を実行する。
(1)モバイル端末100から取得した自車位置(スタート位置S)からこのスタート位置Sを基点に、東西南北に当分割する方位分割線Pを仮想的に算出し、方面設定部251で設定される指定方面領域220に含まれる座標情報を算出する。
(2)有料道路設定部258の選択の有無に基いて、到達時間範囲設定部252で設定される時間内で行け、かつ指定方面領域220に含まれる対象エリアを算出する。
(3)施設設定部254で選択された施設を前記対象エリア内で抽出する。
(4)対象エリア内で抽出された施設が、エリア半径設定部259で設定される大きさのエリア内に、施設数設定部257で設定される施設の個数があるエリアを抽出する。
【0046】
そして、ナビ管理制御部22は検索条件に合致する目的地エリア候補210があるか否かを判定し(ステップ509)、抽出されれば、抽出された目的地エリア候補210内に含まれる施設の中心位置を算出して、その中心位置を中心にエリア半径設定部259で設定される大きさの円形の目的地エリア候補210の算出と、抽出された目的地エリア候補210へのルートを算出する(ステップ511)。そして、スタート位置Sを中心に、前記対象エリアが含まれる大きさの地図を地図情報管理データベース23から取得して、図7に示す検索出力画面200を生成する(ステップ513)。
【0047】
図7に示す検索出力画面200では、画面中心にスタート位置Sが設定され、このスタート位置Sを中心に方位分割線Pが設定されて、地図が東西南北の4方面に分割されている。そして、利用者が指定した指定方面領域220が識別可能に表示され、その指定方面領域220に抽出された地域候補210とそのルート情報が表示される。この検索出力画面200で、画面上部が「北」を現すように磁石201が表示されている。また、画面下部には、検索入力画面250で設定した検索条件の検索条件確認部203が設けられている。
【0048】
図2に戻り、ナビ管理制御部22は、ステップ509において、前記エリア検索で目的地エリア候補210が抽出できなかった場合は、目的地エリア候補210とそのルート情報が表示されず、「抽出されませんでした」のガイダンスを表記した図8に示す検索出力画面200aを生成し、モバイル端末100に出力する(ステップ531)。この検索出力画面200aはやり直しボタン202の操作で、元の検索入力画面250に戻すことができる(ステップ533)。
【0049】
ナビ管理制御部22は、ルート検索で、目的地エリア候補210が抽出された場合は、目的地エリア候補210が選択されたか否か(ステップ515)と、やり直しボタン202が操作されたか否か(ステップ523)を監視する。
【0050】
目的地エリア候補210が選択されると、図9に示す選択された目的地エリア候補210の拡大検索出力画面270を生成してモバイル端末100に出力する(ステップ517)。この拡大検索出力画面270は、選択された目的地エリア候補210が表示画面一杯に拡大表示される。この拡大表示される目的地エリア候補210には、抽出された施設が、その座標に従って表示される。そして、この拡大検索出力画面270には、この目的地エリア候補210を経由地とする経由地設定ボタン271と、目的地にする目的地設定ボタン272と、元の検索出力画面200に戻す戻るボタン273が設けられている。ナビ管理制御部22は、経由地設定ボタン271が設定されると(ステップ519)、この目的地エリア候補210を経由地として記憶装置26に格納する(ステップ535)とともに、元の目的地エリア候補210を経由地を反映させた検索出力画面200を再表示させて(ステップ537)、ステップ515に移行させる。
【0051】
また、目的地設定ボタン272が設定されると(ステップ521)、図10に示す、目的地として設定された目的地エリア候補210のみが表示される検索出力画面200bを表示する(ステップ539)。この検索出力画面200bには、ナビゲーションをスタートさせるスタートボタン230と、この検索出力画面200bを記憶装置26に格納して後でダウンロードするために利用する登録ボタン231と、元の検索出力画面200に戻すやり直しボタン232とが設けられている。
【0052】
格納操作を受け付けると(ステップ541)、格納するための図示しない設定画面を表示し(ステップ542)、処理を終了する(ステップ547)。また、スタート操作を受け付けると(ステップ543)、目的地エリア候補210までのナビゲーションをスタートさせる(ステップ544)。更に、戻る操作を受け付けると、ステップ505に移行させる。
【0053】
さて、この実施例では、検索出力画面200において、方面設定部25の設定内容を変更することができる。これを図11で説明する。ナビ管理制御部22は、方位分割線Pがタッチ操作が成されたか否かを監視している。そして、方位分割線Pがタッチ操作されると、スタート位置Sから外側に伸びタッチ操作された方位分割線Pの1つを活性化状態として、そのドラッグ操作にしたがって、スタート位置Sを中心に回転させる。
【0054】
例えば、図11の検索出力画面200は、今まで設定されていた「東」のみの指定方面領域220が、前記操作で、「南」に拡張された状態を示している。ナビ管理制御部22は、指定方面領域220が拡張されると、スタート位置Sを基点に、変更された方位分割線Pを仮想的に算出し、この拡張された指定方面領域220に含まれる座標情報を算出し、この算出結果に基いてエリア検索を再検索する。図11では、この拡張捜査の結果、目的地エリア候補210が1ケ所追加された状態を示している。
(第2実施例)
次に、図12と図13を参照して、この発明に係るナビゲーションシステムの第2実施例を説明するここで、図11が検索入力画面図である。図12が検索出力画面図である。なお、ここでは、第1実施例と重複する部分は説明を省略する。
【0055】
図12において、この第2実施例のシステムの特徴は、車両(クルマ)での検索と、電車と徒歩での検索をフラグ選択部266の選択操作で選べる点にある。即ち、この実施例に係る検索入力画面265では、図5で説明した検索入力画面250の入力内容と同じ「クルマ」と、これと略同じ「電車+徒歩」の2シート設けられている。このシートの選択はフラグ選択部266の選択操作で設定することができる。ナビ管理制御部22は、2つのシートのいずれかが選択されると、選択された手段で検索を行う。なお、この実施例では有料道路設定部258に変えて電車代入力部267を設けている。
【0056】
図13は、この第2実施例に係る検索出力画面240を示している。この検索出力画面240は、図7と同様な出力形式となっている。ここでは、「電車+徒歩」の検索結果を示している。図からわかるように、このエリア検索では目的地エリア候補210が2ケ所抽出され、この2ケ所に関するスタートSから目的地エリア候補210までの電車を使ったルートが表示される。なお、「電車+徒歩」の場合は、電車の乗車時間と徒歩の時間との関係があるので、エリア半径設定部259で設定される目的地エリア候補210は最大の大きさと捉えるようにする。この手法を使うと、例えば、近い駅aの場合は、徒歩の時間との関係で、ドーナツ状の目的地エリア候補210となることもある。また、遠い駅bの場合は、徒歩の時間が少なくなるので、目的地エリア候補210の大きさも小さなものとなる。
【0057】
このように、この実施例に係るナビゲーション管理サーバ(ナビ管理サーバ)は、ルート検索部を備えたナビ管理制御部と、地図情報管理データベースと会員管理データベースと施設検索データベースを格納する記憶装置とを備えてインターネット上に開設され、通信回線を介して接続されるモバイル端末から、認証番号とスタート地点の座標位置に基くアクセスを受け付けて、複数の目的地の検索条件を入力する検索入力画面を前記モバイル端末に出力し、前記検索入力画面に入力された検索条件でのエリア検索を受け付けて、前記検索条件に合致する複数の施設が特定のエリアに隣接する目的地エリア候補を抽出し、前記抽出した目的地エリア候補が、当該目的地エリア候補へのルート情報とともに地図上にマッピングされた検索出力画面を生成し、この生成された検索出力画面を前記モバイル端末に出力する情報提供方法を採用している。
【0058】
この場合、前記検索条件に、スタート位置を中心に東西南北の4方面の1つを検索対象とする方面設定部を含むようにし、前記ナビゲーション管理サーバが、前記検索条件を受け付けると、スタート位置を基点に、東西南北に当分割する方位分割線を仮想的に算出し、前記検索条件で設定される1つの指定方面領域に合致する目的地を抽出するとより有効である。
【0059】
また、前記検索出力画面に、スタート位置を中心に、方位分割線で分割される東西南北の4方面を表示し、指定した前記指定方面領域に抽出した目的地エリア候補を表示するとより有効である。
【0060】
また、前記検索条件に、施設までの到達時間範囲が含むようにし、前記ナビゲーション管理サーバが、前記到達時間範囲と前記指定方面領域とを組み合わせて、ある特定の領域に含まれる目的地エリア候補を抽出するとより有効である。
【0061】
更に、前記検索出力画面に、前記方位分割線をスタート位置を基点に回転させて前記指定方面領域の範囲を変更可能にするとより有効である。
【0062】
加えて、前記検索条件に、車両と電車とを識別する交通手段が含むようにし、前記ナビゲーション管理サーバが前記交通手段に基いて目的地エリア候補を抽出するとより有効である。
【符号の説明】
【0063】
1…ナビゲーションシステム、20…ナビ管理サーバ、21…ルート検索部、22…ナビ管理制御部、23…地図情報管理データベース、24…会員管理データベース、25…施設検索データベース、26…記憶装置、70…道路情報提供サーバ、75…情報提供サイト、80…通信網、90…自宅端末、100…モバイル端末、101…筐体、110…端末制御部、111…カメラ部、112…操作部、113…GPS部、114…通信部、120…表示部、115…記憶部、116…タッチパネル、117…ハードキー、150…クレードル、170…車両、200…検索出力画面、201…磁石、202…やり直しボタン、203…検索条件確認部、210…目的地エリア候補、220…指定方面領域、230…スタートボタン、250…検索入力画面、251…方面設定部、252…到達時間範囲設定部、253…スライドボタン、254…施設設定部、255…施設選択部、256…選択確認表示部、257…施設数設定部、258…有料道路設定部、259…エリア半径設定部、260…検索実行キー、261…戻るキー、262…詳細選択部、265…検索入力画面、266…フラグ選択部、267…電車代入力部、270…拡大検索出力画面、271…経由地設定ボタン、272…目的地設定ボタン、280…詳細設定画面、281…施設詳細選択部、282…スクロールキー、283…OKキー、400…メニュー画面、401…目的地選択ボタン、402…音楽選択ボタン、403…テレビ選択ボタン、403…設定選択ボタン、411…検索メニュー選択部、412…スクロールキー、413…戻るキー、S…スタート位置、P…方位分割線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルート検索部を備えたナビ管理制御部と、地図情報管理データベースと会員管理データベースと施設検索データベースを格納する記憶装置とを備えてインターネット上に開設されるナビゲーション管理サーバの情報提供方法であって、
前記ナビゲーション管理サーバは、通信回線を介して接続されるモバイル端末から、認証番号とスタート地点の座標位置に基くアクセスを受け付けて、複数の目的地の検索条件を入力する検索入力画面を前記モバイル端末に出力し、
前記検索入力画面に入力された検索条件でのエリア検索を受け付けて、前記検索条件に合致する複数の施設が特定のエリアに隣接する目的地エリア候補を抽出し、
前記抽出した目的地エリア候補が、当該目的地エリア候補へのルート情報とともに地図上にマッピングされた検索出力画面を生成し、この生成された検索出力画面を前記モバイル端末に出力する
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。
【請求項2】
前記請求項1記載のナビゲーション管理サーバの情報提供方法において、
前記検索条件には、スタート位置を中心に東西南北の4方面の1つを検索対象とする方面設定部が含まれており、前記ナビゲーション管理サーバは、前記検索条件を受け付けると、スタート位置を基点に、東西南北に当分割する方位分割線を仮想的に算出し、前記検索条件で設定される1つの指定方面領域に合致する目的地を抽出する
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。
【請求項3】
前記請求項2記載のナビゲーション管理サーバの情報提供方法において、
前記検索出力画面は、スタート位置を中心に、方位分割線で分割される東西南北の4方面を表示し、指定した前記指定方面領域に抽出した目的地エリア候補が表示されている
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。
【請求項4】
前記請求項2または3記載のナビゲーション管理サーバの情報提供方法において、
前記検索条件には、施設までの到達時間範囲が含まれており、前記ナビゲーション管理サーバは、前記到達時間範囲と前記指定方面領域とを組み合わせて、ある特定の領域に含まれる目的地エリア候補を抽出する
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。
【請求項5】
前記請求項3記載のナビゲーション管理サーバの情報提供方法において、
前記検索出力画面は、前記方位分割線をスタート位置を基点に回転させて前記指定方面領域の範囲を変更することができる
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。
【請求項6】
前記請求項1から5記載の何れかのナビゲーション管理サーバの情報提供方法において、
前記検索条件には、車両と電車とを識別する交通手段が含まれており、前記ナビゲーション管理サーバは前記交通手段に基いて目的地エリア候補を抽出す
ことを特徴とするナビゲーション管理サーバの情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−69678(P2011−69678A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219904(P2009−219904)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】