説明

ナビゲーション装置およびその目的地の設定方法

【課題】 本発明の目的は、目的地を設定する際に、目的に合うか否かを示すことができるナビゲーション技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的の入力を受け付ける目的入力受付手段と、施設を指定する情報の入力を受け付ける施設指定受付手段と、前記施設指定受付手段により受け付けた施設が、前記目的入力受付手段により受け付けた目的に合うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記目的に合わないと判定された場合に、注意喚起の出力を行う注意喚起出力手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、名称、住所あるいは電話番号等の入力を受け付けて目的地を設定する技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−333340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のようなナビゲーション装置は、使用状況によっては、使用者が、目的地付近まで移動してはじめて、運転の目的にあわない目的地が設定されていることに気づく場合がある。
【0005】
本発明の目的は、目的地を設定する際に、目的に合うか否かを示すことができるナビゲーション装置の技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、目的の入力を受け付ける目的入力受付手段と、施設を指定する情報の入力を受け付ける施設指定受付手段と、前記施設指定受付手段により受け付けた施設が、前記目的入力受付手段により受け付けた目的に合うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記目的に合わないと判定された場合に、注意喚起の出力を行う注意喚起出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置の目的地の設定方法では、ナビゲーション装置は、目的の入力を受け付ける目的入力受付ステップと、施設を指定する情報の入力を受け付ける施設指定受付ステップと、前記施設指定受付ステップにより受け付けた施設が、前記目的入力受付ステップにより受け付けた目的に合うか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより前記目的に合わないと判定された場合に、注意喚起の出力を行う注意喚起出力ステップと、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、目的地を設定する際に、目的に合うか否かを示すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、目的テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、施設テーブルの構成を示す図である。
【図5】図5は、演算処理部の機能構成図である。
【図6】図6は、目的地設定処理のフロー図である。
【図7】図7は、目的地設定処理にて表示される画面例を示す図である。
【図8】図8は、別の実施形態における目的テーブルの構成を示す図である。
【図9】図9は、別の実施形態における目的地設定処理のフロー図である。
【図10】図10は、別の実施形態における目的地設定処理にて表示される画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、ナビゲーション装置100の全体構成図を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。
【0012】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、車載ネットワーク通信装置12と、を備えている。
【0013】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報に基づいて現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0014】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、操作者から指示された出発地または現在地と、目的地、経由地または立ち寄り地と、を結ぶ最適な経路となる推奨経路を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いて操作者を誘導する。
【0015】
また、演算処理部1は、後述するように、目的地または経由地を設定する目的地設定処理において、目的の指定を受け付けて、受け付けた目的地または経由地が目的に合うか否かを判定し、目的に合わないと判定した場合には、目的に合わない旨の注意喚起を行う出力を行い、目的地または経由地を設定する。
【0016】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0017】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0018】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0019】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、運転の目的に応じた該当ジャンルを特定する目的テーブル300と、施設データを格納する施設テーブル400と、が記憶されている。
【0020】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0021】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227を含んでいる。
【0022】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0023】
図3は、目的テーブル300の構成を示す図である。目的テーブル300は、運転の目的である目的301ごとに、当該目的に合うと考えられる施設の属するジャンルである該当ジャンル302が対応付けられて格納されている。
【0024】
すなわち、目的テーブル300においては、運転目的と、運転目的に該当する目的地のジャンルと、が対応付けられているといえる。
【0025】
図4は、施設テーブル400の構成を示す図である。施設テーブル400は、施設を特定する施設識別子401ごとに、施設の詳細な情報が対応付けられて記憶される。施設の詳細な情報には、例えば、施設の名称である施設名411と、施設の所在地の住所である所在地住所412と、施設の所在地の座標(例えば、緯度経度等)である位置413と、施設の代表等の電話番号414と、マップコード(登録商標)等の所定の位置を特定することができる位置特定コード415と、当該施設に該当するジャンル(例えば、レストランや、ショッピングモール等)を特定する該当ジャンル416と、が含まれる。
【0026】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0027】
スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0028】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチであるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。
【0029】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0030】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0031】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0032】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0033】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0034】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0035】
車載ネットワーク通信装置12は、ナビゲーション装置100を、図示しない車両の制御ネットワーク規格であるCAN等に対応するネットワークに接続させ、ネットワークに接続された他の車両制御装置であるECU(Electronic control unit)とCANメッセージをやり取りすることで通信を行う装置である。
【0036】
図5は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、基本制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、目的受付部104と、目的合致判定部105と、注意喚起処理部106と、を有する。
【0037】
基本制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0038】
また、基本制御部101は、現在地と、目的地または経由地(後述する目的地設定処理により設定された目的地または経由地)と、を結ぶ最適な経路である推奨経路を探索する。当該経路探索においては、ダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコストに基づいて経路を探索する。なお、基本制御部101は、指定したジャンルの施設の選択による目的地の検索、施設の名称の一部入力による目的地の検索、位置の指定入力による目的地の検索、住所の入力による目的地の検索、電話番号の入力による目的地の検索あるいはマップコード等の入力による目的地の検索等を経て施設を特定し、目的地または経由地を受け付けることができる。
【0039】
また、基本制御部101は、車両の現在位置が推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いて操作者を誘導する。
【0040】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0041】
出力処理部103は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0042】
目的受付部104は、運転の目的を特定する情報の入力を受け付ける。例えば、運転の目的である「食事に行く」、「病院に行く」、「迎えに行く」あるいは「配達に行く」等の情報を受け付ける。なお、目的受付部104は、当該運転の目的の入力に際して、予め定められて目的テーブル300に格納された目的を特定する情報を、選択可能に表示するよう出力処理部103に指示することで、目的入力を補助する。
【0043】
目的合致判定部105は、入力された目的地または経由地が、運転の目的に合うか否かを判定する。具体的には、目的合致判定部105は、目的受付部104により受け付けられた目的に該当するジャンルと、目的地または経由地に該当するジャンルと、をそれぞれ特定する。そして、目的合致判定部105は目的に該当するジャンルと、目的地または経由地に該当するジャンルと、を比較し、目的地または経由地に該当するジャンルが、目的に該当するジャンルに含まれるか否かを判定する。目的合致判定部105は、目的に該当するジャンルに含まれる場合には、運転の目的に合うと判定し、含まれない場合には、運転の目的に合わないと判定する。
【0044】
注意喚起処理部106は、目的に合わない目的地または経由地が設定されたことについて、注意を喚起する処理を行う。具体的には、注意喚起処理部106は、目的合致判定部105により、目的地が運転の目的に合わないと判定された場合に、その旨を使用者に伝えるためのメッセージ等の出力を出力処理部103に指示する。
【0045】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち基本制御部101、入力受付部102、出力処理部103、目的受付部104、目的合致判定部105、注意喚起処理部106は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0046】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0047】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0048】
[動作の説明]次に、ナビゲーション装置100が実施する目的地設定処理の動作について説明する。図6は、ナビゲーション装置100が実施する目的地設定処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100が稼働している状態において、操作者から目的地あるいは経由地の設定指示を受け付けると開始される。
【0049】
まず、目的受付部104は、目的リストを選択可能に表示する(ステップS001)。具体的には、目的受付部104は、目的テーブル300の目的301の情報を読み出して、各目的を選択可能な形式で画面情報を生成し、出力処理部103に出力を依頼する。例えば、目的受付部104は、タッチ入力を検出すると目的のリストを表示し、リスト内の目的の選択入力を受け付けるセレクトボックスを構成し、当該セレクトボックスをディスプレイ2の画面に表示させるよう出力処理部103に指示する。
【0050】
次に、目的受付部104は、目的の入力を受け付ける(ステップS002)。具体的には、目的受付部104は、ステップS001にて表示したセレクトボックスにより、目的の選択を受け付ける。
【0051】
そして、目的合致判定部105は、入力を受け付けた目的に該当するジャンルである目的ジャンルを特定する(ステップS003)。具体的には、目的合致判定部105は、ステップS002にて受け付けた目的に基づき、目的テーブルを検索して、目的301に対応する該当ジャンル310を特定する。
【0052】
基本制御部101は、目的地または経由地の入力を受け付ける(ステップS004)。具体的には、基本制御部101は、通常の目的地または経由地の設定入力の画面等を介して目的地または経由地の入力を受け付ける。なお、その際、基本制御部101は、位置の指定入力、住所の入力、電話番号の入力あるいはマップコード等の入力等、目的地または経由地のジャンルを指定しない手段を介して基本制御部101が目的地または経由地の入力を受け付けたか、それ以外の方法で受け付けたかを特定する。
【0053】
目的合致判定部105は、目的地または経由地の入力はジャンル指定があったか否かを判定する(ステップS005)。具体的には目的合致判定部105は、ステップS004にて受け付けた目的地または経由地の入力が、目的地または経由地のジャンルを指定しない手段を介して受け付けられたか否かを、基本制御部101に問い合わせ、目的地または経由地のジャンルを指定しない手段を介して受け付けられた場合には、目的地または経由地の入力はジャンル指定があったものと判定する。ジャンル指定があった場合(ステップS005にて「Yes」の場合)には、目的合致判定部105は、ステップS007へ制御を進める。
【0054】
ジャンル指定が無かった場合(ステップS005にて「No」の場合)には、目的合致判定部105は、目的地または経由地のジャンルを特定する(ステップS006)。具体的には、目的合致判定部105は、施設テーブル400を、施設識別子401に基づいて検索し、該当ジャンル416を特定する。
【0055】
目的合致判定部105は、目的地または経由地のジャンルが目的ジャンルに含まれるか否かを判定する(ステップS007)。具体的には、目的合致判定部105は、ステップS004にて受け付けた際の目的地または経由地のジャンルまたはステップS006にて特定したジャンルが、ステップS003にて特定した目的ジャンルに含まれるか否かを判定する。目的ジャンルに含まれる場合(ステップS007にて「Yes」の場合)には、基本制御部101は、受け付けた目的地または経由地を経路探索の目的地または経由地として設定し(ステップS008)、経路探索を行う(ステップS009)。
【0056】
目的ジャンルに含まれない場合(ステップS007にて「No」の場合)には、注意喚起処理部106は、注意喚起出力を行う(ステップS010)。具体的には、注意喚起処理部106は、目的地または経由地が、目的のジャンルに含まれないことについての注意を喚起するメッセージをディスプレイ2に表示するよう、出力処理部103に指示を行う。
【0057】
以上が、目的地設定処理の処理内容である。上記の目的地設定処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、目的地または経由地の設定の際に、目的に合わない目的地または経由地が設定されることについて注意を喚起することができる。そのため、操作者は、目的地または経由地を設定した時点で、目的地または経由地が望ましいものではない可能性を知ることができ、望まない目的地または経由地への経路誘導を避けることができるようになる。
【0058】
図7は、目的地設定処理のステップS010においてディスプレイ2に表示される画面500の例である。画面500には、メッセージ表示欄501が重畳して表示されている。メッセージ表示欄501には、目的地が目的に合わない可能性があることについて注意を喚起するメッセージが、文字として記載されている。例えば、「ご注意 指定された目的地は、目的に合わない可能性があります。」のようなメッセージである。
【0059】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、目的地を設定する際に、目的に合うか否かを示すことが可能となる。
【0060】
本発明は、上記第一の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の第一の実施形態では、目的に該当するジャンルは一種類である実施形態としていたが、これに限らず、目的に該当するジャンルは複数種類を許容するようにしてもよい。そのような第二の実施形態について、以下に説明する。
【0061】
図8は、第二の実施形態における、目的テーブル600の構成を示す図である。第二の実施形態においては、目的テーブル600は、第一の実施形態の目的テーブル300に加えて、関連ジャンル612を含んでいる。関連ジャンル612は、該当ジャンル611を補間するための情報であり、複数のジャンルを含む。例えば、「食事に行く」という目的に対して、第一義的に該当する該当ジャンルは「レストラン」となる場合であっても、例えばその他に「ショッピングモール」や「ラーメン屋」等のジャンルが該当する場合もありうる。そのような場合には、関連ジャンル612に「ショッピングモール」や「ラーメン屋」等のジャンルが、予め格納される。
【0062】
また、第二の実施形態においては、目的合致判定部105は、さらに、受け付けた目的地または経由地のジャンルが、目的に対応する関連ジャンルに含まれるか否かを判定する。
【0063】
また、第二の実施形態においては、注意喚起処理部106は、さらに、受け付けた目的地または経由地のジャンルが、目的に対応する関連ジャンルに含まれない場合には、警告を表示し、所定の送信先(例えば、統制を行っている管理組織等の連絡端末等)に対して受け付けた目的地または経由地を特定する情報を送信する。
【0064】
図9は、このような関連ジャンルが格納される目的テーブルを用いた目的地設定処理のフロー図である。当該フローにおいては、ステップS001〜ステップS009までの処理は、第一の実施形態における目的地設定処理と同じであるため、説明を割愛する。
【0065】
目的ジャンルに含まれない場合(ステップS007にて「No」の場合)には、目的合致判定部105は、目的地のジャンルが関連ジャンルに含まれるか否かを判定する(ステップS111)。具体的には、目的合致判定部105は、ステップS004にて受け付けた際の目的地または経由地のジャンルまたはステップS006にて特定したジャンルが、目的に対応する関連ジャンル612に含まれるか否かを判定する。
【0066】
関連ジャンルに含まれる場合(ステップS111にて「Yes」の場合)には、注意喚起処理部106は、注意喚起出力を行う(ステップS112)。具体的には、注意喚起処理部106は、目的地または経由地が、目的のジャンルに含まれないが、関連するジャンルに含まれるものであることについての注意を喚起するメッセージをディスプレイ2に表示するよう、出力処理部103に指示を行う。
【0067】
注意喚起処理部106が注意喚起メッセージの出力を指示後は、基本制御部101は、受け付けた目的地または経由地を経路探索の目的地または経由地として設定し(ステップS008)、経路探索を行う(ステップS009)。
【0068】
関連ジャンルに含まれない場合(ステップS111にて「No」の場合)には、注意喚起処理部106は、警告表示と報知を行う(ステップS113)。具体的には、注意喚起処理部106は、目的地または経由地が、目的から逸脱することについて警告するメッセージをディスプレイ2に表示するよう、出力処理部103に指示を行う。また、あわせて、注意喚起処理部106は、目的から逸脱する目的地が設定されたこと、および設定された目的地を通報するイベント等を作成し、所定の連絡先(例えば、管理組織)に送信する。すなわち、施設のジャンルが、目的ジャンルおよび関連ジャンルのいずれにも含まれないものである、と目的合致判定部105が判定すると、注意喚起処理部106は、所定の送信先に施設を指定する情報を送信するといえる。
【0069】
注意喚起処理部106が警告メッセージの出力を指示後は、基本制御部101は、受け付けた目的地または経由地を経路探索の目的地または経由地として設定し(ステップS008)、経路探索を行う(ステップS009)。
【0070】
図10は、第二の実施形態の目的地設定処理のステップS113においてディスプレイ2に表示される画面700の例である。画面700には、メッセージ表示欄701が重畳して表示されている。メッセージ表示欄701には、目的地が目的から逸脱するため管理組織に通知した旨警告するメッセージが、文字として記載されている。例えば、「警告 指定された目的地は、目的から逸脱する旨、管理組織へ通知しました。」のようなメッセージである。
【0071】
以上が、第二の実施形態における目的地設定処理の処理内容である。上記の目的地設定処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、目的地または経由地の設定の際に、目的に合うか否か、目的の範囲から逸脱するか否か、を示すことが可能となる。これは例えば、緊急車両が、病院等へ急行する必要がある場合に、設定された場所が病院でない可能性があれば注意喚起することができるため、病院への到着が遅れることを防ぐことができる。また、そのような場合において、司令塔となるべき管理組織がイベントを受け取ることができるため、設定された目的地の妥当性を判断することができる。
【0072】
また、上記第一の実施形態、第二の実施形態のいずれについても、目的地あるいは経由地の施設の利用が可能な時間に到着可能か否かを判定し通知するものとしてもよい。このようにすることで、利用不可能な時間に到着する施設を目的地または経由地とした場合には目的に合致しないとして注意喚起を行うことができる。
【0073】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・車載ネットワーク通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・基本制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・目的受付部、105・・・目的合致判定部、106・・・注意喚起処理部、200・・・リンクテーブル、300・・・目的テーブル、400・・・施設テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的の入力を受け付ける目的入力受付手段と、
施設を指定する情報の入力を受け付ける施設指定受付手段と、
前記施設指定受付手段により受け付けた施設が、前記目的入力受付手段により受け付けた目的に合うか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記目的に合わないと判定された場合に、注意喚起の出力を行う注意喚起出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記判定手段は、前記施設指定受付手段により受け付けた施設の特性が、前記目的入力受付手段により受け付けた目的に合うか否かを判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
目的と、目的に該当する目的ジャンルと、を対応付けた目的情報と、
施設と、施設に該当するジャンルと、を対応付けた施設情報と、を記憶する記憶手段を備え、
前記目的入力受付手段は、
前記目的情報を用いて、入力を受け付けた前記目的に該当する目的ジャンルを特定し、
前記施設指定受付手段は、
前記施設情報を用いて、指定を受け付けた施設に該当するジャンルを特定し、
前記判定手段は、前記ジャンルが、前記目的ジャンルに含まれる場合に、前記施設が、前記目的入力受付手段により受け付けた前記目的に合うと判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記注意喚起出力手段は、前記施設が前記目的に合わない旨の注意喚起メッセージをディスプレイに表示させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
前記目的情報は、さらに、前記目的に関連する関連ジャンルを前記目的に対応付けて備え、
前記判定手段は、さらに、前記施設のジャンルが、前記目的ジャンルおよび前記関連ジャンルのいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記注意喚起出力手段は、前記施設のジャンルが、前記目的ジャンルおよび前記関連ジャンルのいずれにも含まれないと判定した場合には、所定の送信先に前記施設を指定する情報を送信する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
前記注意喚起出力手段は、さらに、前記所定の送信先に前記施設を指定する情報を送信した旨の警告メッセージをディスプレイに表示させる、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置の目的地の設定方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
目的の入力を受け付ける目的入力受付ステップと、
施設を指定する情報の入力を受け付ける施設指定受付ステップと、
前記施設指定受付ステップにより受け付けた施設が、前記目的入力受付ステップにより受け付けた目的に合うか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより前記目的に合わないと判定された場合に、注意喚起の出力を行う注意喚起出力ステップと、
を実施することを特徴とする目的地の設定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の目的地の設定方法であって、
前記判定ステップでは、前記施設指定受付ステップにより受け付けた施設の特性が、前記目的入力受付ステップにより受け付けた目的に合うか否かを判定する、
ことを特徴とする目的地の設定方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の目的地の設定方法であって、
前記ナビゲーション装置は、さらに、
目的と、目的に該当する目的ジャンルと、を対応付けた目的情報と、
施設と、施設に該当するジャンルと、を対応付けた施設情報と、を記憶する記憶手段を備え、
前記目的入力受付ステップでは、
前記目的情報を用いて、入力を受け付けた前記目的に該当する目的ジャンルを特定し、
前記施設指定受付ステップでは、
前記施設情報を用いて、指定を受け付けた施設に該当するジャンルを特定し、
前記判定ステップでは、前記ジャンルが、前記目的ジャンルに含まれる場合に、前記施設が、前記目的入力受付ステップにより受け付けた前記目的に合うと判定する、
ことを特徴とする目的地の設定方法。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載の目的地の設定方法であって、
前記注意喚起出力ステップでは、前記施設が前記目的に合わない旨の注意喚起メッセージをディスプレイに表示させる、
ことを特徴とする目的地の設定方法。
【請求項11】
請求項9に記載の目的地の設定方法であって、
前記目的情報は、さらに、前記目的に関連する関連ジャンルを前記目的に対応付けて備え、
前記判定ステップでは、さらに、前記施設のジャンルが、前記目的ジャンルおよび前記関連ジャンルのいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記注意喚起出力ステップでは、前記施設のジャンルが、前記目的ジャンルおよび前記関連ジャンルのいずれにも含まれないと判定した場合には、所定の送信先に前記施設を指定する情報を送信する、
ことを特徴とする目的地の設定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の目的地の設定方法であって、
前記注意喚起出力ステップでは、さらに、前記所定の送信先に前記施設を指定する情報を送信した旨の警告メッセージをディスプレイに表示させる、
ことを特徴とする目的地の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−127891(P2012−127891A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281306(P2010−281306)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】