説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】電池残量が不足する場合でも、目的地までの経路を認識し易くナビゲートできるようにしたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】方向決定モードでは、携帯電話端末を回転させ、地磁気センサー15の方位情報と、目的地の方位情報とから、目的地の方向を探索し、これに応じて、点灯レベル、音の鳴動レベル、振動レベルにより、段階的に報知を行う。走行モードでは、地磁気センサー15の方位情報と、次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報差とから、経路に沿って方向に道路を移動しているかを検出し、これに応じて、段階的に報知を行う。目的地への接近度検出処理では、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離情報から、目的地にまでの接近度を検出し、これに応じて、段階的に報知を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、GPS(Global Positioning System)処理部を有する携帯電話端末に用いて好適なナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションサービスが利用可能な携帯電話が普及している(例えば、特許文献1)。このような携帯電話端末では、ナビゲーション機能を利用する場合には、利用者は、携帯電話端末に目的地を入力し、ナビゲーションサービスを行うサーバに接続し、利用者の携帯電話端末のGPS機能により、利用者の現在位置を取得し、現在位置をネットワークサービスを行うサーバに送る。ナビゲーションサービスを行うサーバは、利用者の現在地と目的地を受信すると、目的地までの経路を求め、現在位置周辺の地図と、目的地までの経路情報を利用者の携帯電話端末に送信する。携帯電話端末には、現在位置周辺の地図と、目的地までの経路情報が表示され、利用者は、この地図上の経路表示を見て、目的地に到達することができる。
【0003】
また、特許文献1に示されるものでは、携帯電話端末でナビゲーションを行う場合に、現在地から見た目的位置の方位がある方向を示し、地図情報をダウンロードする必要がないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−28854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯電話端末でナビゲーションを行う際に、現在位置周辺の地図を表示させて経路をナビゲーションさせるようにした場合、ナビゲーション中は常にGPS機能を動作させ、現在地を逐次ネットワークを介して送信し、ネットワークから地図表示受信して、表示する必要がある。このため、携帯電話端末の電池の残量が不足しているような場合には、目的地に到達する前に、電池が不足するおそれがある。
【0006】
また、特許文献1に示されているものでは、目的地の方向だけを指示している。しかしながら、目的までの実際の経路は、いくつかの交差点や曲がり角を越えていかなければならず、目的地の方向だけでは、十分にナビゲートできない。
【0007】
上述の課題を鑑み、本発明は、電池残量が不足する場合でも、目的地までの経路を認識し易くナビゲートできるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明に係るナビゲーション装置は、現在位置から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでの交差点又は曲がり角毎の距離情報と、各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報とを含む経路情報を記憶する記憶手段と、歩行方向を検出する方向検出手段と、歩行距離を検出する距離検出手段と、利用者に段階的な報知を行う報知手段と、ナビゲーション機能を行う制御手段とを備え、制御手段は、記憶手段に記憶されている現在位置から見た目的地の方位情報と、方向検出手段により検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地の方向はどこかを報知手段により段階的に報知する処理と、記憶手段に記憶されている各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、方向検出手段により検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地への経路上を歩行しているかを報知手段により段階的に報知する処理と、記憶手段に記憶されている出発点から目的地までの距離情報と、距離検出手段により検出された走行距離情報との差に応じて、目的地へ接近しているかどうかを報知手段により段階的に報知する処理とを行うことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るナビゲーション方法は、現在位置から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでの交差点又は曲がり角毎の距離情報と、各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報とを含む経路情報とを記憶する工程と、記憶されている現在位置から見た目的地の方位情報と、検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地の方向はどこかを段階的に報知する工程と、記憶されている各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地への経路上を歩行しているかを段階的に報知する工程と、記憶されている出発点から目的地までの距離情報と、検出された走行距離情報との差に応じて、目的地へ接近しているかどうかを段階的に報知する工程とを備えるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、地図からでは分かり難い目的地の方向を、携帯電話端末を回転させ、LEDの光の強さや音の鳴動パターン、振動の大きさで、目的地の方向を知ることができる。利用者が目的地までの方向を把握することで、地図情報等を参照することなく、目的地に近づくことができる。
【0011】
また、本発明によれば、記憶されている各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、地磁気センサーにより検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地への経路上を歩行しているかどうかを、LEDの光の強さや音の鳴動パターン、振動の大きさで、知ることができる。また、本発明によれば、記憶されている出発点から目的地までの距離情報と、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値から得られた情報との差に応じて、目的地への接近度を、LEDの光の強さや音の鳴動パターン、振動の大きさで、知ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、地図情報を表示させたり、GPS機能により測位を逐次行う必要がない。このため、電池残量が少ない状態でも、確実にナビゲーションが行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態としての携帯電話端末1の構成を示すブロック図である。
【図2】メモリに蓄積される経路情報の説明図である。
【図3】ナビゲーションを行う際の処理を示すフローチャートである。
【図4】簡易ナビゲーションでの処理を示すフローチャートである。
【図5】方向決定モードでの方向探索の説明図である。
【図6】方向決定モードでの処理を示すフローチャートである。
【図7】走行モードでの処理を示すフローチャートである。
【図8】目的地までの接近度の検出処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態の歩数計を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態としての携帯電話端末1の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すよう、本発明の第1の実施形態としての携帯電話端末1は、通信部11と、CPU(Central Processing Unit)12と、GPS受信機13と、メモリ14と、地磁気センサー15と、加速度センサー16と、電池容量センサー17と、LED(Light Emitting Diode)18と、音源19及びスピーカー20と、バイブレータ21と、入力部22と、表示部23とを有している。
【0016】
通信部11は、基地局(図示せず)と無線により通信を行う。また、ナビゲーションを行う場合には、通信部11は、利用者が入力した目的地の情報と、GPS受信機13より取得した現在位置の情報をネットワークに送り、目的地までの経路情報を受信する。
【0017】
CPU12は、各部の制御を行う。また、電池残量が不足している状態でナビゲーションを行う場合には、CPU12は、簡易ナビゲーションを行うために、最初に、方向決定モードで、地磁気センサー15の方位情報と、ネットワークにより取得しメモリ14に記憶されている目的地の方位情報とから、目的地の方向を探索し、これに応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを段階的に設定する処理を行う。次に、走行モードでは、CPU12は、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に蓄積されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報差とから、経路に沿って方向に道路を移動しているかを検出し、これに応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを段階的に設定する処理を行う。また、CPU12は、加速度センサー16の加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、メモリ14に蓄積されている出発点から目的地までの距離情報から、目的地にまでの接近度を検出し、これに応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを段階的に設定する処理を行う。
【0018】
GPS受信機13は、地球上を周回する複数のGPS衛星からの信号を受信して、携帯電話装置の利用者の現在位置を取得する。
【0019】
メモリ14は、通信部11よりネットワークから得られた経路情報や地図情報を記憶する。経路情報としては、図2に示すように、現在位置から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでに存在する交差点と曲がり角の数と、各交差点間の距離/曲がり角までの距離情報と、各交差点/曲がり角から次の交差点/曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報とが記憶される。また、メモリ14には、入力部22から入力された利用者の歩幅情報が記憶される。
【0020】
地磁気センサー15は、携帯電話端末1がどの方位を向いているかを検出する。加速度センサー16は、携帯電話端末1の利用者が歩行しているか/停止しているかの状態を検知する。また、加速度センサー16から、歩数情報が取得できる。電池容量センサー17は、携帯電話端末1に装着されたバッテリの残量を検出する。
【0021】
LED18は、目的地の方向はどこか、目的地への経路上を歩行しているか、目的地へ接近しているかどうかの情報を、利用者に光で段階的に通知する。音源19及びスピーカー20は、目的地の方向はどこか、目的地への経路上を歩行しているか、目的地へ接近しているかどうかの情報を、利用者に音で段階的に通知する。バイブレータ21は、目的地の方向はどこか、目的地への経路上を歩行しているか、目的地へ接近しているかどうかの情報を、利用者に振動で段階的に通知する。
【0022】
入力部22は、利用者が目的地の情報等を入力するのに用いられる。また、入力部22により、歩幅情報が入力される。表示部23は、地図情報や経路情報等を表示するのに用いられる。
【0023】
次に、本発明の第1の実施形態の携帯電話端末1の動作について説明する。本発明の第1の実施形態においては、ナビゲーションを行う際には、利用者は、入力部22により目的地の情報を入力し、通信部11により、目的地の情報と、GPS受信機13により取得した現在位置の情報をネットワークに送る。ネットワーク上のナビゲーションサービスにより、目的地までの経路情報が求められる。この目的地までの経路情報や周辺の地図情報は、ネットワークを介して、通信部11で受信される。このネットワーク経由で得られる経路情報は、メモリ14に記憶される。
【0024】
図2に示したように、メモリ14に記憶される経路情報は、現在位置(出発点)から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでに存在する交差点と曲がり角の数と、各交差点間の距離/曲がり角までの距離情報と、各交差点/曲がり角から次の交差点/曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報からなる。
【0025】
図3は、ナビゲーションを行う際の処理を示すフローチャートである。ナビゲーションを行う際には、図3に示すように、CPU12は、電池容量センサー17により、電池の残量が十分かどうか(例えば電池残量が50%以上かどうか)を判定し(ステップS1)、電池残量が十分な場合には、通常のナビゲーションを行う(ステップS2)。通常のナビゲーションでは、現在位置周辺の地図と、目的地までの経路情報が利用者の携帯電話端末1に送られる。利用者の携帯電話端末1には、現在位置周辺の地図に沿って、目的地までの経路情報が表示される。そして、GPS受信機13により、現在地が逐次測位され、これに沿って、ナビゲーションが行われる。ステップS1で、電池残量が十分でない場合には、CPU12は、図4に示すような簡易ナビゲーションを行う。
【0026】
図4は、簡易ナビゲーションでの処理を示すフローチャートである。簡易ナビゲーションは、図4に示すように、方向決定モード(ステップS11)と、走行モード(ステップS12)とからなる。ステップS11の方向決定モードでは、図5に示すように、利用者は、歩行を停止した状態で、画面に表示された地図を見ながら携帯電話端末1を回転させる。携帯電話端末1のCPU12は、地磁気センサー15からの方位情報と、メモリ14に蓄積されている経路情報にある目的地の方位とを比較し、地磁気センサー15からの方位情報と経路情報にある目的地の方位とが一致すると、現在の携帯電話端末1の向きが目的地の方向を示していることを、LED18の点灯と音源19の音で利用者に知らせる。
【0027】
ステップS12の走行モードでは、省電力のために、画面上の地図は消去される。そして、利用者は、携帯電話端末1を持って、方向決定モードで示された目的地の方向に従って、歩行する。携帯電話端末1のCPU12は、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に蓄積されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報差とから、経路に沿った方向に道路を移動しているかを検出し、これに応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを設定する処理を行う。これにより、目的地に沿った方向に進んでいるかどうかを、交差点又は曲がり角毎に、LED18の点灯と音源19の音と、バイブレータ21の振動で利用者に知らせる。
【0028】
また、走行モード中に、目的地の接近度が検出される(ステップS13)。ステップS13の目的地にまでの接近度の検出処理では、CPU12は、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離情報から、目的地にまでの接近度に応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを設定する処理を行う。これにより、LED18の点灯と音源19の音と、バイブレータ21の振動で、目的地に到着したことを知らせる。
【0029】
図6は、図4のステップS11の方向決定モードでの処理を示すフローチャートである。方向決定モードでは、CPU12は、加速度センサー16の速度情報が「0」(歩行停止状態)かどうかを判定する(ステップS101)。ステップS101で、利用者が歩行しており、加速度センサー16の速度情報が「0」でないなら、CPU12は、LED18を輝度レベルP1(最小輝度)で点灯させ、音の鳴動を停止させ、バイブレータ21の振動を停止させ(ステップS102)、処理を終了する。
【0030】
ステップS101で、利用者が歩行を停止しており、加速度センサー16の速度情報が「0」の場合には、CPU15は、地磁気センサー15で検出された方位情報と目的地の方位情報とを比較し、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている目的地の方位情報との差が閾値A1度(例えば30度)以上かどうかを判定する(ステップS103)。ステップS103で、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A1度以上なら、CPU12は、LED18を輝度レベルP3(最大輝度)、音源19を鳴動レベルQ3(最大音量)、バイブレータ21を振動レベルR3(最大振動)にそれぞれ設定する(ステップS104)。
【0031】
ステップS103で、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A1以上でなければ、CPU12は、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A2度(例えば15度)未満かどうかを判定する(ステップS105)。ステップS105で、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A2未満でなければ、CPU12は、LED18を輝度レベルP2(中間輝度)、音源19を鳴動レベルQ2(中間振動)、バイブレータ21を振動レベルR2(中間振動)にそれぞれ設定する(ステップS106)。ステップS105で、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A2度未満なら、CPU12は、LED18を輝度レベルP1(最小輝度)で点灯させ、音源19を停止させ、バイブレータ21の振動を停止させる(ステップS107)。
【0032】
ステップS104、ステップS106、ステップS107で、LED18の点灯状レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルが設定されたら、CPU12は、ステップS104、ステップS106、ステップS107で設定された条件に従って、LED18の点灯、音源19の音の鳴動、バイブレータ21の振動を開始させ(ステップS108)、ステップS101にリターンする。
【0033】
方向決定モードでは、利用者は、図5に示したように、携帯電話端末1を回転させる。携帯電話端末1を回転させると、ステップS101〜ステップS108の処理により、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている目的地の方位情報の差に応じて、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルが段階的に設定される。
【0034】
すなわち、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A1度(例えば30度)以上の場合には、ステップS104で、LED18が輝度レベルP3(最大輝度)で点灯し、音源19の音が音量レベルQ3(最大音量)で鳴動し、バイブレータ21が振動レベルR3(最大振動)で振動するようになる。地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A2度(例えば15度)以上、閾値A1度(例えば30度)未満の場合には、ステップS106で、LED18が輝度レベルP2(中間輝度)で点灯し、音源19が鳴動レベルR2(中間音量)で鳴動し、バイブレータ21が振動レベルR2(中間振動)で振動するようになる。地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A2(例えば15度)未満になると、ステップS107で、LED18が輝度レベルP1(最小輝度)で点灯し、音源19の鳴動が停止し、バイブレータ21の振動が停止する。これにより、利用者は、携帯電話端末1を回転させ、LED18の輝度レベルが最小になり、音源19の音の鳴動が停止し、バイブレータ21の振動が停止する方向を検出することで、目的地への方向を探索することができる。
【0035】
図7は、図4のステップS12の走行モードでの処理を示すフローチャートである。走行モードでは、CPU12は、加速度センサー16の速度情報か「0」以上かどうかを判定する(ステップS201)。ステップS201で、加速度センサー16の速度情報が「0」以上でなければ、利用者は停止しているので、CPU12は、LED18を輝度レベルP1で点灯させ、音源19の音の鳴動を停止させ、バイブレータ21の振動を停止させ、処理を終了させる(ステップS202)。
【0036】
ステップS201で、加速度センサー16の速度情報が「0」以上の場合には、CPU12は、地磁気センサー15で検出された方位情報と、次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報とを比較し、地磁気センサー15の方位情報と次の交差点又は曲がり角の方位情報との差が閾値A11度(例えば30度)以上かどうかを判定する(ステップS203)。
【0037】
ステップS203で、地磁気センサー15の方位情報と次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A11度以上なら、CPU12は、LED18を輝度レベルP3(最大輝度)、音源19を鳴動レベルQ3(最大音量)、バイブレータ21を振動レベルR3(最大振動)にそれぞれ設定する(ステップS204)。ステップS203で、地磁気センサー15の方位情報と次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A11度以上でないなら、CPU13は、地磁気センサー15の方位情報と目的地の方位情報の差が閾値A12度(例えば15度)未満かどうかを判定する(ステップS205)。ステップS205で、地磁気センサー15の方位情報と次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A12度未満でなければ、CPU12は、LED18を輝度レベルP2(中間輝度)、音源19を鳴動レベルQ2(中間音量)、バイブレータ21を振動レベルR2(中間振動)にそれぞれ設定する(ステップS206)。ステップS205で、地磁気センサー15の方位情報と次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A12未満なら、CPU12は、LED18を輝度レベルP1(最小輝度)で点灯させ、音源19の鳴動を停止させ、バイブレータ21の振動を停止させる(ステップS207)。
【0038】
ステップS204、ステップS206、ステップS207で、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルが設定されたら、CPU12は、LED18の点灯、音源19の音の鳴動、バイブレータ21の振動を開始させ(ステップS208)、ステップS201にリターンする。
【0039】
走行モードでは、利用者は、携帯電話端末1を持って、方向決定モードで示された目的地の方向に従って、歩行する。このとき、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差を判定することで、交差点又は曲がり角毎に、利用者が経路に沿って歩行しているかどうかが分かる。走行モードでは、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差に応じて、LED18の点灯レベル、音源19音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルが段階的に設定される。
【0040】
すなわち、利用者が目的地までの経路に沿って走行していれば、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A12(例えば15度)未満になり、ステップS207で、LED18が輝度レベルP1(最小輝度)で点灯し、音源19からの音が停止し、バイブレータ21の振動が停止する。利用者の走行が目的地の経路から少し外れると、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A12(例えば15度)以上、閾値A11(例えば30度)未満になり、ステップS206で、LED18が輝度レベルP2(中間輝度)で点灯し、音源19が音量レベルQ2(中間音量)で鳴動し、バイブレータ21が振動レベルR2(中間振動)で振動する。利用者の走行が目的地の経路から大きく外れると、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A12(例えば30度)以上になり、ステップS204で、LED18が輝度レベルP3(最大輝度)で点灯し、音源19が音量レベルQ3(最大音量)で鳴動し、バイブレータ21が振動レベルR3(最大振動)で振動する。
【0041】
図8は、図4のステップS13の目的地までの接近度の検出処理を示すフローチャートである。目的地までの接近度の検出処理では、CPU12は、地磁気センサー15の方位情報と、メモリ14に記憶されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報とが閾値A21度(例えば15度)以内かどうかを判定し(ステップS301)、ステップS301で、地磁気センサー15の方位情報と、次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A21度(例えば15度)以内なら、CPU12は、加速度センサー16からの加速度情報から計算した歩数とメモリ14に記憶されている歩幅情報との積算値と、メモリ14に記憶されている出発点から目的地までの距離との差を比較し、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B21(例えば100m)以内かどうかを判定する(ステップS302)。ステップS301で、地磁気センサー15の方位情報と、次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A21度以内でない場合には、ステップS201にリターンし、また、ステップS302、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B21以内でない場合には、ステップS301にリターンする。
【0042】
ステップS301で、地磁気センサー15の方位情報と、次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報との差が閾値A21度以内であり、かつ、ステップS302、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B21(例えば100m)以内であると判定された場合には、CPU12は、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B22(例えば20m)未満かどうかを判定する(ステップS303)。
【0043】
ステップS303で、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B22未満でなければ、CPU12は、LED18を輝度レベルP1(最小輝度)で長い周期で点滅、音源19を鳴動レベルQ2(中間音量)の断続音、バイブレータ21を振動レベルR2(中間振動)にそれぞれ設定する(ステップS304)。ステップS303で、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が閾値B22未満なら、CPU12は、LED18を輝度レベルP1(最小輝度)で短い周期で点滅、音源19を鳴動レベルQ2(中間音量)の断続音、バイブレータ21を振動レベルR2(中間振動)にそれぞれ設定する(ステップS305)。
【0044】
ステップS304及びステップS305で、LED18の点灯状態、音源19からの音の鳴動状態、バイブレータ21の振動レベルが設定されたら、CPU12は、LED18の点灯、音源19からの音の鳴動、バイブレータ21の振動を開始させ(ステップS306)、ステップS301にリターンする。
【0045】
ステップS301〜ステップS306の処理により、目的地までの近接度合いに応じて、LED18の点灯状態、音源19からの音の鳴動状態、バイブレータ21の振動レベルが段階的に設定される。
【0046】
すなわち、利用者の現在地が目的地に近づくと、加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値と、出発点から目的地までの距離の差が小さくなる。利用者が経路に沿って歩行しており、利用者の現在地が閾値B21(例えば100m)以内なると、ステップS304で、LED18が輝度レベルP1(最小輝度)で長い周期の点滅となり、音源19が鳴動レベルQ2(中間音量)の断続音となり、バイブレータ21が振動レベルR2(中間振動)で振動するようになる。
【0047】
利用者が目的地に到着し、利用者の現在地が閾値B22(例えば20m)以内なると、ステップS305で、LED18が輝度レベルP1(最小輝度)で短い周期で点滅され、音源19が鳴動レベルQ2(中間音量)の断続音となり、バイブレータ21を振動レベルR2(中間振動)で振動するようになる。これにより、利用者は、目的地の近傍まで到達したことを知ることができる。
【0048】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、省電力で簡易ナビゲーションを行う場合には、方向決定モードで、携帯電話端末1を回転させ、地磁気センサー15の方位情報とメモリ14に記憶されている目的地の方位情報とを比較することで、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベルにより、目的地の方向が探索できる。また、走行モードでは、地磁気センサー15の方位情報とメモリ14に蓄積されている次の交差点又は曲がり角に向かう方位情報差とを比較することで、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルにより、経路に沿って方向に道路を移動しているかが検出できる。また、加速度センサー16の加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値とメモリ14に蓄積されている出発点から目的地までの距離情報とを比較することで、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルにより、目的地までの接近度が検出できる。
【0049】
これらの処理は、メモリ14に記憶された経路情報を用いているため、GPS機能を用いる必要がない。また、LED18の点灯レベル、音源19の音の鳴動レベル、バイブレータ21の振動レベルを使うことで、画面上に地図を表示することなく、省電力で、利用者に分かりやすくナビゲートを行える。
【0050】
<第2の実施形態>
図9は、本発明の第2の実施形態を示すものである。この実施形態は、歩数計101に利用した物であり、その基本的構成は第1の実施形態と同様であるが、GPS受信機を有していない。
【0051】
図9に示すように、本発明の第2の実施形態の歩数計101は、CPU112と、メモリ114と、地磁気センサー115と、加速度センサー116と、LED118と、音源119と、スピーカー120とから構成されている。そして、通信インターフェース121を介して、パーソナルコンピュータ122と接続可能とされている。
【0052】
この実施形態では、GPS受信機を利用せず、経路情報のみでも歩行ナビゲーションのための通知が可能なため、歩数計に経路情報を登録することができればよい。歩数計への経路情報の登録は、パーソナルコンピュータ122と歩数計101をケーブルで接続し、歩数計のメモリ114内に経路情報を記憶するなどの手段を用いる。
【0053】
目的地へのナビゲーションは、出発地点に移動後、歩数計のスタートボタンを押下し、目的地の方向を、歩数計を回転させることで行い、歩行開始後は、経路から外れた際に通知されるLED118などの光と、音源119からの短い音を示すビープ音で通知する。目的地に近づいた際の通知もLED118の明るさとビープ音の音量の大きさで通知する。
【0054】
このように、この実施形態では、メモリ114に記憶されている経路情報と、地磁気センサー115と、加速度センサー116と、歩幅の情報からナビゲーションしているので、GPSを有さない装置などにおいても経路情報の入手手段と、歩数情報を蓄積するメモリ114と地磁気センサー115、歩数をカウントする加速度センサー116があればLED118の光の強さと、音源119からのビープ音の音量で目的地までの歩行ナビゲーションという効果が得られる。
【0055】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0056】
なお、上述の携帯電話端末は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0057】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0058】
1:携帯電話端末
11:通信部
12:CPU
13:GPS受信機
14:メモリ
15:地磁気センサー
16:加速度センサー
17:電池容量センサー
18:LED
19:音源
20:スピーカー
21:バイブレータ
22:入力部
23:表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでの交差点又は曲がり角毎の距離情報と、各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報とを含む経路情報を記憶する記憶手段と、
歩行方向を検出する方向検出手段と、
歩行距離を検出する距離検出手段と、
利用者に段階的な報知を行う報知手段と、
ナビゲーション機能を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶されている現在位置から見た目的地の方位情報と、前記方向検出手段により検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地の方向はどこかを前記報知手段により段階的に報知する処理と、
前記記憶手段に記憶されている各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、前記方向検出手段により検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地への経路上を歩行しているかを前記報知手段により段階的に報知する処理と、
前記記憶手段に記憶されている出発点から目的地までの距離情報と、前記距離検出手段により検出された走行距離情報との差に応じて、目的地へ接近しているかどうかを前記報知手段により段階的に報知する処理とを行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記方向検出手段は、地磁気センサーであることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記距離検出手段は、加速度センサーと、前記加速度センサーにより取得された加速度情報から計算した歩数と歩幅情報の積算値から距離を検出する手段であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記報知手段は、光の点灯により段階的に報知を行う発光素子と、音の鳴動により段階的に報知を行う音源と、振動の大きさにより段階的に報知を行うバイブレータの内の1つ又はその組み合わせであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
さらに、現在地を測位する測位手段を有し、前記経路情報は、現在位置をネットワークを介して送信することで、ナビゲーションサービスを行うサーバからネットワークを介して取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
さらに、電池残量を検出する電池容量検出手段を有し、前記制御手段は、前記電池容量検出手段により電池残量が十分でないことを検出すると、前記ナビゲーション機能を実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
現在位置から見た目的地の方位情報と、目的地に向かうまでの交差点又は曲がり角毎の距離情報と、各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、出発点から目的地までの距離情報とを含む経路情報とを記憶する工程と、
前記記憶されている現在位置から見た目的地の方位情報と、検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地の方向はどこかを段階的に報知する工程と、
前記記憶されている各交差点又は曲がり角から次の交差点又は曲がり角に向かうための方位情報と、検出された歩行方向の情報との差に応じて、目的地への経路上を歩行しているかを段階的に報知する工程と、
前記記憶されている出発点から目的地までの距離情報と、検出された走行距離情報との差に応じて、目的地へ接近しているかどうかを段階的に報知する工程と
を備えるようにしたことを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−169739(P2011−169739A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33694(P2010−33694)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】