説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】案内経路の再探索を行うか否かの判断条件に時間を考慮することで、より道路状況に応じた適正な走行経路の案内を行うとともに、無駄な経路探索や迷惑な走行経路案内を行わないことで、無駄な表示変更や電力消費を抑制する。
【解決手段】設定された出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行うナビゲーション装置1において、制御部10は、車両の現在走行位置が探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うように制御する一方、入力操作部2より案内開始時刻からの一定時間が設定されている場合には、車両の現在走行位置が探索した走行経路から外れた場合であっても、案内開始時刻からの一定時間内であれば走行経路の再探索を行わない構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に、探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行うナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、GPS(Global Positioning System)等を用いて車両の現在位置を検出し、その現在位置から目的地点までの最適な走行経路を探索し、探索した走行経路をユーザに案内するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
この種のナビゲーション装置においては、車両の現在走行位置が探索した走行経路から外れた場合に走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うようになっている。
【0004】
ところで、案内対象者である運転者が設定する出発地点または目的地点は、その運転者の自宅周辺等である場合が多く、運転者が周辺地理に詳しい場合が多い。この場合、運転者は自身の経験からその周辺地域では好みの走行経路を選んだり、近道となる走行経路を選んだり、また時間帯によっては渋滞を避けるような走行経路を選ぶといった具合に、そのときどきに応じて効率のよい走行経路を選択するものである。
【0005】
しかし、一般にナビゲーション装置は、そのような運転者の好みや裏道的なルートまでは考慮せず、一般的な判断基準に基づいて最適と思われる標準的な走行経路を案内するのが普通である。
【0006】
そのため、ナビゲーション装置を使用して走行している場合であっても、特に自宅周辺等、周辺地理に詳しいところでの走行においては、案内経路から外れて走行する場合が多い。この場合、従来のナビゲーション装置は、その都度、走行経路の再探索を行って、元の走行経路に戻すための案内指示を行うことになる。しかし、このような案内指示は、その周辺地理に詳しい運転者にとってはむしろ邪魔な案内となっている。
【0007】
そこで、このような状況での案内を禁止するようにしたナビゲーション装置が従来から提案されている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0008】
特許文献1に記載の車両用誘導装置(ナビゲーション装置)は、車両の走行経路がオフルート(すなわち、走行案内経路から外れている)と判定されると、経由地点周辺であるかを調べ、周辺である場合には誘導経路の再探索を禁止するようになっている。これにより、運転者が経由地点の周辺で故意にオフルートしたような場合には、無駄な経路探索や迷惑な案内が行われないようになっている。
【0009】
また、特許文献2に記載の経路案内装置(ナビゲーション装置)及び経路案内方法は、センター探索経路情報と車両の現在位置とにより車両がセンター探索経路情報により表わされた経路から逸脱したことが検出されたとき、車両が案内経路に復帰すべき予め決められた特定区域に位置するか否かを判定し、車両が前記特定区域に位置しないと判定されたときセンターにて案内経路を再探索して、同再探索経路を表す情報を車両側に設けた経路案内装置に送信し、車両が前記特定区域に位置すると判定されたとき再探索経路を表す情報を送信しない構成となっている。これにより、車両が案内経路を逸脱したときに、その車両が特定区域に位置しているときには、センター及び経路案内装置間の再探索経路を表す情報の送受信に係る通信回数を低減することで、経路案内装置側での迷惑な案内が行われないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−159797号公報
【特許文献2】特開2003−42786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1,2に記載のナビゲーション装置によれば、車両が経由地点等を含む特定区域に位置しているときは、車両の現在走行位置が探索した走行経路から外れた場合であっても、走行経路の再探索を行わない構成となっている。これにより、運転者が特定区域内で故意にオフルートしたような場合には、無駄な経路探索や迷惑な案内が行われないようになっている。
【0012】
しかし、上記特許文献1,2に記載のものは、予め特定区域を設定し、その設定した特定区域内に車両が位置しているかどうかで案内経路の再探索を行うか否かを判断している。
【0013】
この場合、特定区域は、特許文献1に記載のものでは、出発地点から目的地点までの間に経由する経由地点の周辺であり、特許文献2に記載のものでは、例えば、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、またはショッピングセンターの駐車場などのように、そのエリアから出る出口が1箇所しかなく、走行経路の再探索を行っても同じ結果が繰り返される区域である。
【0014】
このように、従来のナビゲーション装置は、特定区域として、経由地点や高速道路のサービスエリア、ショッピングセンターの駐車場等を想定しており、例えば運転者が周辺地理に詳しい自宅周辺については案内経路の再探索禁止区域とはしていない。つまり、自宅を出発地点としている場合、または自宅を目的地点としている場合において、その出発地点または目的地点の周辺を案内経路の再探索禁止区域とはしていない。そのため、従来のナビゲーション装置では、案内開始直後や目的地点に到着する直前当たりにおいて、運転者が故意にオフルートしたような場合には、無駄な経路探索や迷惑な走行経路案内が行われ、運転者にとっては邪魔な案内となっている。
【0015】
また、従来のナビゲーション装置は、案内経路の再探索を行うか否かの判断を、特定地域内に車両が位置しているかどうかで行っており、判断条件として時間は全く考慮されていない。例えば、同じ区域内であっても、時間帯によって渋滞したりしなかったりする場合があり、渋滞しない時間帯に走行するような場合にはわざわざ迂回する必要がないため、ナビゲーション装置を使用して走行していても、案内経路から外れることはほとんどない。しかし、渋滞する時間帯に走行するような場合には、地元の人間だけが知っているような抜け道を走行する場合があり、このような場合にナビゲーション装置を使用して走行していると、案内経路からしばしば外れて、その都度、無駄な経路探索や元のルートに戻すための迷惑な走行経路案内が行われることになる。
【0016】
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたものであり、その目的は、案内経路の再探索を行うか否かの判断条件に時間を考慮することで、より道路状況に応じた適正な走行経路の案内を行うとともに、無駄な経路探索や迷惑な走行経路案内を行わないことで、無駄な表示変更や電力消費を抑制したナビゲーション装置及びナビゲーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明のナビゲーション装置は、設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う走行経路案内手段を備え、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置であって、ユーザにより予め登録された地図上の1または複数の地点を登録地点として記憶する登録地点記憶手段と、前記登録地点を通過する前後の一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段とを備え、前記選択手段の操作により登録地点を通過する前後の一定時間が再探索禁止時間として設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記登録地点を通過する前後の一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴としている。
本発明によれば、地図上の1または複数の地点を再探索禁止地点として予めユーザに登録させる構成としている。このように、再探索禁止地点をユーザに予め登録させておくことにより、探索された走行経路の出発地点、経由地点、目的地点などが、登録された再探索禁止地点を利用する経路となっている場合には、その地点が自動的に再探索禁止地点として設定される。従って、ユーザは、走行経路を探索するたびに、再探索禁止地点をその都度設定するといった手間を省くことができる。
【0018】
また、本発明によれば、登録地点を通過する前後の一定時間(例えば、予め設定された15分等)を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザ(運転者)に選択させる構成としている。そして、ユーザが選択手段の操作により登録地点を通過する前後の一定時間(15分等)を再探索禁止時間として設定した場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が、探索した走行経路(以下、「走行案内経路」ともいう)から外れた場合であっても、その外れた時刻が登録地点を通過する時刻の前後の一定時間(15分)内であれば、走行経路の再探索を禁止する。すなわち、走行経路の再探索を行わない。この一定時間内であるか否かの判断は、例えば装置内に設けられているタイマー手段によって案内開始時刻からの経過時間を計測することで行うことができる。
【0019】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が登録地点を通過する時刻の前後の一定時間(15分等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この間は走行経路案内を無効(禁止)とする。
【0020】
より具体的に説明すると、本発明のナビゲーション装置は、出発地点が登録地点として前記登録地点記憶手段に記憶されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が案内開始時刻からの一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止する構成としている。
【0021】
すなわち、案内開始時刻からの一定時間(例えば、予め設定された15分等)を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザ(運転者)に選択させる構成としている。そして、ユーザが選択手段の操作により案内開始時刻からの一定時間(15分等)を再探索禁止時間として設定した場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が、探索した走行経路(以下、「走行案内経路」ともいう)から外れた場合であっても、その外れた時刻が案内開始時刻からの一定時間(15分)内であれば、走行経路の再探索を禁止する。すなわち、走行経路の再探索を行わない。この一定時間内であるか否かの判断は、例えば装置内に設けられているタイマー手段によって案内開始時刻からの経過時間を計測することで行うことができる。
【0022】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が案内開始時刻から一定時間(15分等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この間は走行経路案内を無効(禁止)とする。
【0023】
例えば、自宅を出発地点として、ナビゲーション装置が探索した一般的なルートを走行案内経路に設定した場合であっても、ユーザは、自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行する場合が多い。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本発明のナビゲーション装置では、自宅周辺については走行案内経路を外れても音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0024】
また、本発明のナビゲーション装置は、目的地点、及び/または出発地点から目的地点までの間の経由地点が登録地点として前記登録地点記憶手段に記憶されている場合において、車両の現在位置と走行速度と走行経路とに基づいて前記目的地点及び/または前記経由地点の到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段を備え、前記選択手段の操作により到着予想時刻から遡っての一定時間が再探索禁止時間として設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記到着予想時刻から遡っての一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止する構成としている。
【0025】
すなわち、到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、予め設定された15分等)を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザ(運転者)に選択させる構成としている。そして、ユーザが選択手段の操作により到着予想時刻から遡っての一定時間(例え15分等)を再探索禁止時間として設定した場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が到着予想時刻から遡っての一定時間(15分等)内であれば走行経路の再探索を禁止する。すなわち、走行経路の再探索を行わない。ここで、到着予想時刻の計算処理機能はナビゲーション装置が元々持っている機能であり、また、外れた時刻が到着予想時刻から遡っての一定時間(15分等)内であるか否かの判断は、演算により適宜求めて更新している到着予想時刻から、内蔵している時計手段によって計測している現在時刻を引くことによって判断することができる。
【0026】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が到着予想時刻から遡っての一定時間(15分等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この間は走行経路案内を無効(禁止)とする。
【0027】
例えば、自宅を目的地点として、ナビゲーション装置が探索した一般的なルートを走行案内経路に設定した場合であっても、ユーザは、目的地点である自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行する場合が多い。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本発明のナビゲーション装置では、自宅周辺については走行案内経路を外れても音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0028】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記再探索禁止時間をユーザ操作により任意に設定可能な設定手段を備えた構成としてもよい。すなわち、自宅周辺を走行するのに必要な時間は、経験的にユーザが一番良く知っている。従って、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とする時間をユーザが自由に設定可能とすることで、ユーザが考える最適な時間に設定することが可能となる。
【0029】
また、本発明のナビゲーション装置は、設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う走行経路案内手段を備え、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置であって、現在時刻を計測する時計手段と、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とを備え、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間帯内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴としている。
【0030】
本発明によれば、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段を備えた構成としている。そして、ユーザが設定手段により再探索禁止時間帯(例えば、夕方の17時から19時等)を設定した場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が、設定された再探索禁止時間帯内であれば走行経路の再探索を行わない。
【0031】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が再探索禁止時間帯(17時〜19時等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この再探索禁止時間帯(17時〜19時等)の間は走行経路案内を無効(禁止)とする。
【0032】
例えば、自宅を目的地点としてナビゲーション装置が探索した一般的なルートを走行案内経路に設定した場合において、ユーザは、目的地点である自宅周辺に到着する時間帯が周辺道路の混み合う夕方ごろになると予測した場合には、設定手段により夕方の例えば17時から19時の間を再探索禁止時間帯に設定する。
【0033】
これにより、ユーザは、自宅近くまではナビゲーション装置の走行経路案内に従って走行し、自宅近くで現在時刻が17時になると、ナビゲーション装置はその後の走行経路案内を無効とする。従って、ユーザは、その後、自宅周辺を渋滞を回避するように独自の判断で走行経路を決定して走行した結果、走行案内経路を外れても、ナビゲーション装置から音声メッセージや電子音等が発せられることはないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくて済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0034】
また、本発明のナビゲーション装置は、案内開始時刻からの一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段と、現在時刻を計測する時計手段と、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とを備え、前記選択手段の操作により前記案内開始時刻からの一定時間が設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記案内開始時刻からの一定時間内である場合には走行経路の再探索を禁止するように構成してもよい。
【0035】
すなわち、案内開始時刻からの一定時間と再探索禁止時間帯とが設定されている場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が再探索禁止時間帯内であり、かつ、案内開始時刻からの一定時間内であるという2つの条件が満たされる場合にのみ、走行経路の再探索を行わない構成としている。これにより、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内であっても、案内開始時刻からの一定時間(例えば、15分等)内でない場合には、自宅近辺が渋滞していても、走行位置は案内開始時刻から15分等が経過しており、もはや自宅近辺ではなくなっているので、ナビゲーション装置は通常通り走行経路案内を行うことになる。また、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が、案内開始時刻からの一定時間(例えば、15分等)内であっても、再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内でなければ、自宅近辺が渋滞していることはないので、ナビゲーション装置は通常通り走行経路案内を行うことになる。このように、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とする期間を、再探索禁止時間帯、及び案内開始時刻からの一定時間という2つの条件の組み合わせで決定することにより、自宅周辺の道路事情に則したより適正なタイミングで、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とすることができる。
【0036】
また、本発明のナビゲーション装置は、案内開始時刻からの一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段と、現在時刻を計測する時計手段と、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とを備え、前記選択手段の操作により前記到着予想時刻から遡っての一定時間が設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記到着予想時刻から遡っての一定時間内である場合には走行経路の再探索を行わないように構成してもよい。
【0037】
すなわち、到着予想時刻から遡っての一定時間と再探索禁止時間帯とが設定されている場合、走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が再探索禁止時間帯内であり、かつ、到着予想時刻から遡っての一定時間内であるという2つの条件が満たされる場合にのみ、走行経路の再探索を行わない構成としている。これにより、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内であっても、目的地点である自宅の到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)内でない場合には、自宅近辺が渋滞していても、まだ自宅周辺まで戻ってきていないということなので、ナビゲーション装置は通常通り走行経路案内を行うことになる。また、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたとき、その外れた時刻が、到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)内であっても、再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内でなければ、自宅周辺まで戻ってきていても、自宅周辺が渋滞していることはないので、ナビゲーション装置は通常通り走行経路案内を行うことになる。このように、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とする期間を、再探索禁止時間帯、及び到着予想時刻から遡っての一定時間という2つの条件の組み合わせで決定することにより、自宅周辺の道路事情に則したより適正なタイミングで、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とすることができる。
【0038】
また、本発明ナビゲーション方法は、設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う一方、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、ユーザにより地図上の1または複数の地点が登録された場合に、その登録地点をナビゲーション装置の登録地点記憶手段に記憶させるステップと、ユーザにより前記登録地点を通過する前後の一定時間が再探索禁止時間として設定された場合に、その再探索禁止時間をナビゲーション装置の内部に設定する設定ステップと、前記設定ステップにより前記再探索禁止時間が設定されている場合において、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れとき、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間内であるか否かを判断するステップと、判断の結果、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間内である場合には走行経路の再探索を禁止するステップと、を含むことを特徴としている。
【0039】
本発明によれば、例えば出発地点が登録地点として設定されている場合、案内開始時刻からの一定時間(例えば、予め設定された15分等)を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザ(運転者)に選択させる構成としている。そして、ユーザが案内開始時刻からの一定時間(15分等)を再探索禁止時間として設定した場合において、車両の現在走行位置が、探索した走行経路(以下、「走行案内経路」ともいう)から外れた場合であっても、その外れた時刻が案内開始時刻からの一定時間(15分)内であれば、走行経路の再探索を禁止する構成としている。
【0040】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が案内開始時刻から一定時間(15分等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この間は走行経路案内を無効(禁止)とするものである。
【0041】
また、本発明のナビゲーション方法は、設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う一方、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、カーナビゲーション装置の時計手段にて現在時刻を計測するステップと、ユーザにより設定された再探索を禁止する時間帯をナビゲーション装置のメモリに格納するステップと、前記メモリに前記再探索禁止時間帯が格納されている場合において、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れたとき、その外れた時刻が前記格納されている再探索禁止時間帯内であるか否かを判断するステップと、判断の結果、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間帯内である場合には走行経路の再探索を禁止するステップと、を含むことを特徴としている。
【0042】
本発明によれば、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段を備えた構成としている。そして、ユーザが再探索禁止時間帯(例えば、夕方の17時から19時等)を設定した場合において、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合であっても、現在の経路案内時刻が、設定された再探索禁止時間帯内であれば走行経路の再探索を行わない構成としている。
【0043】
つまり、走行案内経路から外れた時刻が再探索禁止時間帯(17時〜19時等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置の表示画面上に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。すなわち、この再探索禁止時間帯(17時〜19時等)の間は走行経路案内を無効(禁止)とするものである。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、地図上の1または複数の地点を再探索禁止地点として予めユーザに登録させておくことにより、探索された走行経路の出発地点、経由地点、目的地点などが、登録された再探索禁止地点を利用する経路となっている場合には、その地点が自動的に再探索禁止地点として設定されるため、ユーザは、走行経路を探索するたびに、再探索禁止地点をその都度設定するといった手間を省くことができる。
【0045】
また、本発明によれば、走行案内経路から外れた時刻が例えば案内開始時刻から一定時間内、若しくは、到着予想時刻から遡って一定時間内である場合には、走行経路の再探索は行われず、かつ、走行案内経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生されることはない。すなわち、出発地点若しくは経由地点や目的地点を例えば自宅に設定した場合に、周辺地理に詳しい自宅周辺を走行案内経路よりも効率のよい別経路で移動したとしても、走行案内経路を外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等が発せられることはない。従って、ユーザは、自宅周辺においては、ナビゲーション装置の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することができる。また、無駄な走行経路の再探索を行わないことで、無駄な表示変更を無くすとともに、消費電力の無駄を抑えることができる。
【0046】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とする期間を、再探索禁止時間帯、及び到着予想時刻から遡っての一定時間という2つの条件の組み合わせで決定することにより、道路事情に則したより適正なタイミングで、ナビゲーション装置の走行経路案内を無効とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置の機能ブロック図である。
【図2】案内開始時刻からの一定時間を再探索禁止時間として設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例1を示すフローチャートである。
【図3】到着予想時刻から遡っての一定時間を再探索禁止時間として設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例2を示すフローチャートである。
【図4】再探索を禁止する時間帯をユーザが設定した場合の走行経路案内処理動作の具体例3を示すフローチャートである。
【図5】案内開始時刻からの一定時間と再探索禁止時間帯との2つの禁止条件が設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例4を示すフローチャートである。
【図6】到着予想時刻から遡っての一定時間と再探索禁止時間帯との2つの禁止条件が設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例5を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0049】
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の機能ブロック図である。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0050】
本実施形態のナビゲーション装置1は、入力操作部2、位置検出部3、情報記録部4、表示部5、音声案内部6、交通情報受信部7、時計部8、タイマー部9、装置全体を制御する制御部10を備えている。このナビゲーション装置1は、車両に着脱可能に構成されており、車両に搭載して使用する他、使用者が携帯して使用することも可能なポータブル型のナビゲーション装置である。
【0051】
入力操作部2は、ユーザによって操作され、出発地点や、目的地点などの経路に関する情報の入力操作に用いられる。また、入力操作部2は、地図上の1または複数の地点を後述する再探索禁止地点として登録するときの入力操作や、後述する一定時間を設定するときの入力操作等にも用いられる。入力操作部2は、ナビゲーション装置1に対してタッチ操作やキー操作により経路探索条件の入力や案内経路のリクエスト等を行うための操作パネル21を備えている。
【0052】
位置検出部3は、衛星航法システム(GPS)を利用して車両の緯度経度等の現在位置情報をGPSアンテナから入手するGPS受信機31と、車両の進行方位を、地磁気を利用することにより絶対方位で検出する地磁気センサ32と、車両の進行方位を相対方位で検出するジャイロセンサ33と、車輪の回転数等から車両の走行速度や走行距離を検出する速度・距離センサ34とを有している。位置検出部3は、GPS受信機31及び各センサ32〜34によって検出された位置情報、方位情報、速度情報、距離情報等を用いて車両の現在位置を検出する。
【0053】
情報記録部4は、ナビゲーション用のプログラム及びデータなど経路探索に必要な情報を記録した記録装置であり、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体、若しくはHDD等の記録手段から構成される。情報記録部4に記録されているプログラムは、経路探索等の処理を行うためのプログラムや、探索した経路の案内表示に必要な表示出力制御のプログラムや、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラムである。
【0054】
情報記録部4に記録されているデータは、地図情報、道路情報、道路名情報、有料道路/フェリー利用料金、地図情報マッチングデータ、住所や電話番号等の登録地点データ、ジャンル別データ、カレンダーデータ、及び情報記録部4に記録されているプログラムに必要なデータである。なお、CD−ROM等の記録媒体にデータのみを記録し、制御部10にプログラムを記録してもよい。
【0055】
表示部5は、簡易型の液晶表示器等から構成され、車両の現在位置から目的地点までのルート(経由地点が設定されている場合には、車両の現在位置から経由地点を経由して目的地点までのルート)の案内情報を表示画面に表示する。案内情報には、経由地や目的地に関する情報、経由地名、目的地名、時刻、距離、及び経由地を経由して目的地までのルート(走行経路)等の情報が含まれる。また、表示部5は、表示画面に形成されたタッチパネル等を使用して操作パネル21として使用することができ、ユーザが画面に触れることにより、各種操作を行うことができるようになっている。
【0056】
音声案内部6は、走行経路案内を音声により行うものであり、制御部10によって形成された案内音声信号を出力する音声出力部61と、音声出力部61からの出力音声を拡声するスピーカ62とを備えている。音声案内部6の音声案内により、ユーザは、表示部5を見ることなしに走行経路の案内情報を知ることができる。
【0057】
交通情報受信部7は、車両が現在位置する道路の現在の道路交通情報を逐次受信するVICS・FM多重受信機71を有している。VICS(Vehicle Information & Communication System)は、交通渋滞情報や交通事故情報などの道路交通情報をリアルタイムに提供するものであり、FM多重(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンから道路交通情報を取り込んでいる。このVICSによって受信された道路交通情報は、制御部10に伝達され、制御部10はこの道路交通情報を加味して、目的地点までの走行経路探索(ルート探索)等を行う。
【0058】
時計部8は、現在時刻を計測し、計測した現在時刻データを制御部10に対して出力する。また、タイマー部9は、案内開始時刻からの一定時間(例えば、15分等)、若しくは目的地点の到達予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)を計測し、その計測データを制御部10に対して出力する。なお、この一定時間については後ほど詳述する。
【0059】
制御部10は、CPU11、フラッシュメモリ12、ROM13、RAM14等によって構成されており、請求項に記載の走行経路案内手段として機能する。フラッシュメモリ12には、情報記録部4に記録されているプログラムが格納される。ROM13は、フラッシュメモリ12に格納されたプログラムをチェックするためのプログラムが予め格納されている。RAM14には、走行経路の案内情報、目的地点の座標、検出された道路名等のデータが一時的に格納される。なお、本実施形態で使用する全てのプログラムは情報記録部4に格納されてもよいし、これらのプログラムの一部または全てがROM13に格納されてもよい。
【0060】
制御部10は、車両の現在位置、及び、ユーザにより入力操作部2を用いて入力された経由地点や目的地点から走行案内経路を探索し、探索した走行案内経路を表示部5の表示画面に表示する。
【0061】
また、制御部10は、再探索禁止地点登録モードにおいて、入力操作部2の操作により地図上の1または複数の地点が選択された場合に、その選択された地点を再探索禁止の登録地点としてフラッシュメモリ12の所定の領域に記憶する。すなわち、フラッシュメモリ12が請求項に記載の登録地点記憶手段を構成している。また、制御部10は、入力操作部2の操作により登録地点を通過する前後の一定時間が再探索禁止時間として設定されている場合に、その外れた時刻が、登録地点を通過する前後の一定時間内(15分等以内)であれば走行経路の再探索を禁止するように制御する。
【0062】
ここで、選択される再探索禁止地点としては、出発地点や目的地点に限らず、地図上に予め登録されている地点情報(Myhome、Pin、POI(Point of interest)、Favorite等)や、地図上に元々備わっている地点情報(POI、Landmark等)などを選択することが可能である。
【0063】
このように、地図上の1または複数の地点を再探索禁止地点として予めユーザに登録させることで、探索された走行案内経路の出発地点、経由地点、目的地点などが、登録された再探索禁止地点を利用する経路となっている場合には、その地点が自動的に再探索禁止地点として設定される。従って、ユーザは、走行経路を探索するたびに、再探索禁止地点をその都度設定するといった手間を省くことができる。
【0064】
さらに、制御部10は、入力操作部2の操作により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合に、その外れた時刻が、再探索禁止時間帯内であれば走行経路の再探索を禁止するように制御する。
【0065】
すなわち、制御部10は、走行経路の案内に際し、再探索の禁止条件が設定されている場合には、走行案内経路から外れた場合であっても、その禁止条件に従って、走行経路の再探索を禁止する(行わない)ように制御する構成となっている。
【0066】
以下、設定された禁止条件に従った再探索の禁止処理を含む走行経路案内処理動作について、具体例を挙げて説明する。
【0067】
<具体例1>
本具体例1は、出発地点が登録地点として設定されている場合において、案内開始時刻からの一定時間を再探索禁止時間として設定した場合の走行経路案内処理動作の具体例である。以下、図2に示すフローチャートを参照して、本具体例1の走行経路案内処理動作を説明する。
【0068】
ユーザは、登録地点として設定されている出発地点を自宅A1とし、目的地点を例えば所望の施設等B1とする入力を行う(ステップS101)。これにより、制御部10は、出発地点を自宅A1とし、所望の施設等B1を目的地点とする最適な走行経路を探索し、その結果を表示部5の表示画面に表示する(ステップS102)。
【0069】
続いてユーザは、案内開始時刻からの一定時間(例えば、15分等)を再探索禁止時間として設定する(ステップS103)。例えば、案内開始時刻が8時15分であった場合には、15分後の8時30分までを再探索禁止時間とする。ただし、再探索禁止時間を設定するか否かはユーザの選択による。
【0070】
また、再探索禁止時間である案内開始からの一定時間は、予めROM13内にデフォルト値として格納されている。ただし、この一定時間は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。任意に設定された場合には、その設定された一定時間(例えば、20分等)は例えばフラッシュメモリ12の所定の領域に格納される。制御部10は、一定時間がユーザによって設定された場合には、デフォルト値である15分に優先して、設定された一定時間を利用することになる。ここでは、ROM13に格納されているデフォルト値が設定されたものとする。
【0071】
ユーザは、以上の設定が完了すると、入力操作部2を操作して、案内開始を指示する。これにより、ナビゲーション装置1は、車両が走行を始めることで走行経路案内を開始する(ステップS104)。
【0072】
走行経路案内が開始されると、制御部10は、タイマー部9を起動して一定時間の計測を開始する(ステップS105)。また、制御部10は、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かを常に監視する(ステップS106)。そして、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合(ステップS106でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が案内開始時刻から一定時間を経過しているか否かを判断する(ステップS107)。この判断は、タイマー部9が一定時間を計測したか否かで判断することができる。
【0073】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が案内開始時刻から一定時間内である場合(ステップS107でNoと判断された場合)には、制御部10は、現在の走行位置を表示部5の表示画面に表示しつつ、走行経路の再探索は行わないでステップS106に戻る。すなわち、この場合には、車両が走行案内経路を外れても、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。つまり、自宅A1を出発地点とした場合、ユーザは、自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行する場合が多い。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本具体例1では、自宅周辺については走行案内経路を外れても音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくても済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置1の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0074】
一方、走行案内経路から外れた時刻が、案内開始時刻から一定時間経過後である場合(ステップS107でYesと判断された場合)には、制御部10は、従来通り、走行経路の再探索を行い(ステップS108)、再探索した走行経路に従って、走行経路案内を継続して行う(ステップS109)。すなわち、元の走行案内経路に戻すように、走行経路案内を行う。そして後、再びステップS110からステップS106に戻り、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かの監視を継続する。
【0075】
ナビゲーション装置1は、このようなステップS106からステップS109までの処理を、ステップS110でYesと判断されるまで、すなわち車両が目的地点である所望の施設等B1に到着するまで継続し、目的地点である所望の施設等B1に到着すると(ステップS110でYesと判断されると)、走行経路の案内を終了する(ステップS111)。
【0076】
<具体例2>
本具体例2は、経由地及び/または目的地点が登録地点として設定されている場合において、目的地点及び/または経由地点の到着予想時刻から遡っての一定時間を再探索禁止時間として設定した場合の走行経路案内処理動作の具体例である。ただし、ここでは、目的地点が登録地点として設定されている場合について説明する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、本具体例2の走行経路案内処理動作を説明する。
【0077】
ユーザは、出発地点を現在位置A2とし、登録地点として設定されている目的地点を自宅B2とする入力を行う(ステップS201)。これにより、制御部10は、出発地点を現在位置A2とし、自宅B2を目的地点とする最適な走行経路を探索し、その結果を表示部5の表示画面に表示する(ステップS202)。また、制御部10は、案内開始時刻(正確には、走行経路を探索した時点の現在時刻)と出発地点から目的地点までの距離と、その間の法定速度に基づく車両の走行速度とに基づいて、自宅B2の到着予想時刻を算出し、表示部5の表示画面に表示する(ステップS203)。ただし、到着予想時刻は、その後の車両の走行状況に応じて適宜(例えば5分に1回等の間隔で)再計算され、修正される。
【0078】
続いてユーザは、到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)を再探索禁止時間として設定する(ステップS204)。ただし、再探索禁止時間を設定するか否かはユーザの選択による。
【0079】
また、再探索禁止時間である到着予想時刻から遡っての一定時間(15分等)は、予めROM13内にデフォルト値として格納されている。ただし、この一定時間は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。任意に設定された場合には、その設定された一定時間(例えば、20分等)は例えばフラッシュメモリ12の所定の領域に格納される。制御部10は、一定時間がユーザによって設定された場合には、デフォルト値である15分に優先して、設定された一定時間(例えば20分等)を利用することになる。ここでは、ROM13に格納されているデフォルト値(15分)が設定されたものとする。
ユーザは、以上の設定が完了すると、入力操作部2を操作して、案内開始を指示する。これにより、ナビゲーション装置1は、車両が走行を始めることで走行経路案内を開始する(ステップS205)。
【0080】
走行経路案内が開始されると、制御部10は、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かを常に監視する(ステップS206)。また、制御部10は、時計部8により計測される現在時刻に基づき、現在時刻が到着予想時刻より一定時間前以内になったか否かを監視する(ステップS207)。
【0081】
そして、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合(ステップS206でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内になったか否かを判断する(ステップS207)。
【0082】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内である場合(ステップS207でYesと判断された場合)には、制御部10は、現在の走行位置を表示部5の表示画面に表示しつつ、走行経路の再探索は行わないでステップS206に戻る。すなわち、この場合には、車両が走行案内経路を外れても、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。つまり、自宅B2を目的地点とした場合、ユーザは、目的地点である自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行する場合が多い。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本具体例2では、到着予想時刻より一定時間前以内、つまり自宅周辺を走行中においては、走行案内経路を外れても音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくても済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置1の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0083】
一方、走行案内経路から外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内でない場合(ステップS207でNoと判断された場合)には、自宅周辺までまだ戻ってきていないので、制御部10は、従来通り、走行経路の再探索を行い(ステップS208)、再探索した走行経路に従って、走行経路案内を継続して行う(ステップS209)。すなわち、元の走行案内経路に戻すように、走行経路案内を行う。そして後、再びステップS210からステップS206に戻り、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かの監視を継続する。
【0084】
ナビゲーション装置1は、このようなステップS206からステップS209までの処理を、ステップS210でYesと判断されるまで、すなわち車両が目的地点である自宅B2に到着するまで継続し、目的地点まで到着すると(ステップS210でYesと判断されると)、走行経路の案内を終了する(ステップS211)。
【0085】
なお、本具体例2では、目的地点が登録地点として設定されている場合について説明したが、経由地点が登録地点として設定されている場合も全く同様の処理となる。
【0086】
<具体例3>
本具体例3は、再探索を禁止する時間帯をユーザが設定した場合の走行経路案内処理動作の具体例である。以下、図4に示すフローチャートを参照して、本具体例3の走行経路案内処理動作を説明する。
【0087】
ユーザは、例えば出発地点を現在位置A3とし、目的地点を自宅B3とする入力を行う(ステップS301)。これにより、制御部10は、出発地点を現在位置A3とし、自宅B3を目的地点とする最適な走行経路を探索し、その結果を表示部5の表示画面に表示する(ステップS302)。
【0088】
続いてユーザは、目的地点である自宅B3周辺で渋滞が発生する時間帯を考慮し、その時間帯を再探索禁止時間帯として設定する(ステップS303)。ただし、再探索禁止時間帯を設定するか否かはユーザの選択による。ユーザによって設定された再探索禁止時間帯の情報は、例えばフラッシュメモリ12の所定の領域に格納される。
【0089】
ユーザは、以上の設定が完了すると、入力操作部2を操作して、案内開始を指示する。これにより、ナビゲーション装置1は、車両が走行を始めることで走行経路案内を開始する(ステップS304)。
【0090】
走行経路案内が開始されると、制御部10は、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かを常に監視する(ステップS305)。そして、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合(ステップS305でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、ユーザの設定した再探索禁止時間帯(例えば、渋滞が発生する17時から19時の間等)内であるか否かを判断する(ステップS306)。
【0091】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、渋滞発生時間帯である再探索禁止時間帯内である場合(ステップS306でYesと判断された場合)には、制御部10は、現在の走行位置を表示部5の表示画面に表示しつつ、走行経路の再探索は行わないでステップS305に戻る。すなわち、この場合には、車両が走行案内経路を外れても、走行経路の再探索は行わない。つまり、走行案内経路から外れた時刻が再探索禁止時間帯(17時〜19時等)内である場合には、現在の走行位置をナビゲーション装置1の表示部5の表示画面に表示するだけで、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。これにより、ユーザは、自宅近くまではナビゲーション装置1の走行経路案内に従って走行し、自宅近くで現在時刻が17時を過ぎると、ナビゲーション装置1はその後の走行経路案内を無効とする。従って、ユーザは、その後、自宅周辺を、渋滞を回避するように独自の判断で走行経路を決定して走行した結果、走行案内経路を外れても、ナビゲーション装置1から走行経路が外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等が発せられることはないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくて済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置1の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。
【0092】
一方、走行案内経路から外れた時刻が、再探索禁止時間帯内でない場合(ステップS207でNoと判断された場合)には、自宅周辺で渋滞はまだ発生していないので、制御部10は、従来通り、走行経路の再探索を行い(ステップS307)、再探索した走行経路に従って、走行経路案内を継続して行う(ステップS308)。すなわち、元の走行案内経路に戻すように、走行経路案内を行う。そして後、再びステップS309からステップS305に戻り、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かの監視を継続する。
【0093】
ナビゲーション装置1は、このようなステップS305からステップS308までの処理を、ステップS309でYesと判断されるまで、すなわち車両が目的地点である自宅B3に到着するまで継続し、目的地点まで到着すると(ステップS309でYesと判断されると)、走行経路の案内を終了する(ステップS310)。
【0094】
<具体例4>
本具体例4は、案内開始時刻からの一定時間と再探索禁止時間帯との2つの禁止条件が設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例である。以下、図5に示すフローチャートを参照して、本具体例4の走行経路案内処理動作を説明する。
【0095】
ユーザは、登録地点として設定されている出発地点を自宅A4とし、目的地点を例えば所望の施設等B4とする入力を行う(ステップS401)。これにより、制御部10は、登録地点として設定されている出発地点を自宅A4とし、所望の施設等B4を目的地点とする最適な走行経路を探索し、その結果を表示部5の表示画面に表示する(ステップS402)。
【0096】
続いてユーザは、案内開始時刻からの一定時間(例えば、15分等)を再探索禁止時間として設定するとともに、出発地点である自宅A4周辺で渋滞が発生する時間帯(例えば、17時〜19時の間等)を考慮し、その時間帯を再探索禁止時間帯として設定する(ステップS403)。ただし、案内開始時刻からの一定時間や再探索禁止時間帯を設定するか否かはユーザの選択による。
【0097】
また、再探索禁止時間である案内開始時刻からの一定時間は、予めROM13内にデフォルト値として格納されている。ただし、この一定時間は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。任意に設定された場合には、その設定された一定時間は例えばフラッシュメモリ12の所定の領域に格納される。制御部10は、一定時間がユーザによって設定された場合には、デフォルト値である15分に優先して、設定された一定時間(例えば、20分等)を利用することになる。ここでは、ROM13に格納されているデフォルト値(15分)が設定されたものとする。
【0098】
ユーザは、以上の設定が完了すると、入力操作部2を操作して、案内開始を指示する。これにより、ナビゲーション装置1は、車両が走行を始めることで走行経路案内を開始する(ステップS404)。
【0099】
走行経路案内が開始されると、制御部10は、タイマー部9を起動して一定時間の計測を開始する(ステップS405)。また、制御部10は、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かを常に監視する(ステップS406)。そして、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合(ステップS406でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、案内開始時刻から一定時間を経過しているか否かを判断する(ステップS407)。この判断は、タイマー部9が一定時間を計測したか否かで判断することができる。
【0100】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、案内開始時刻から一定時間内である場合(ステップS407でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、ユーザの設定した再探索禁止時間帯(例えば、渋滞が発生する17時〜19時の間等)内であるか否かを判断する(ステップS408)。
【0101】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、再探索禁止時間帯内である場合(ステップS408でYesと判断された場合)には、自宅周辺で渋滞が発生しているので、制御部10は、現在の走行位置を表示部5の表示画面に表示しつつ、走行経路の再探索は行わないでステップS406に戻る。すなわち、この場合には、車両が走行案内経路を外れても、走行経路の再探索は行わない。つまり、自宅A4を出発地点とした場合、ユーザは、自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行する場合が多い。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本具体例4では、自宅周辺については走行案内経路を外れても音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくても済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置1の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。このように、ナビゲーション装置1の走行経路案内を無効とする期間を、再探索禁止時間帯、及び案内開始時刻からの一定時間という2つの条件の組み合わせで決定することにより、自宅周辺の道路事情に則したより適正なタイミングで、ナビゲーション装置1の走行経路案内を無効とすることができる。
【0102】
一方、走行案内経路から外れた時刻が、案内開始時刻から一定時間経過後である場合(ステップS407でYesと判断された場合)、及び、設定された再探索禁止時間帯外である場合(ステップS408でNoと判断された場合)には、制御部10は、従来通り、走行経路の再探索を行い(ステップS409)、再探索した走行経路に従って、走行経路案内を継続して行う(ステップS410)。すなわち、元の走行案内経路に戻すように、走行経路案内を行う。そして後、再びステップS410からステップS406に戻り、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かの監視を継続する。
【0103】
ナビゲーション装置1は、このようなステップS406からステップS410までの処理を、ステップS411でYesと判断されるまで、すなわち車両が目的地点である所望の施設等B4に到着するまで継続し、目的地点である所望の施設等B4に到着すると(ステップS411でYesと判断されると)、走行経路の案内を終了する(ステップS412)。
【0104】
<具体例5>
本具体例5は、到着予想時刻から遡っての一定時間と再探索禁止時間帯との2つの禁止条件が設定された場合の走行経路案内処理動作の具体例である。以下、図6に示すフローチャートを参照して、本具体例5の走行経路案内処理動作を説明する。
【0105】
ユーザは、出発地点を例えば所望の施設等B5とし、登録地点として設定されている目的地点を自宅A5とする入力を行う(ステップS501)。これにより、制御部10は、出発地点を所望の施設等B5とし、登録地点として設定されている自宅B5を目的地点とする最適な走行経路を探索し、その結果を表示部5の表示画面に表示する(ステップS502)。また、制御部10は、案内開始時刻(正確には、走行経路を探索した時点の現在時刻)と出発地点から目的地点までの距離と、その間の法定速度に基づく車両の走行速度とに基づいて、自宅B5の到着予想時刻を算出し、表示部5の表示画面に表示する(ステップS503)。ただし、到着予想時刻は、その後の車両の走行状況に応じて適宜(例えば5分に1回等の間隔で)再計算され、修正される。
【0106】
続いてユーザは、到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)を再探索禁止時間として設定するとともに、目的地点である自宅B5周辺で渋滞が発生する時間帯(例えば、17時〜19時の間等)を考慮し、その時間帯を再探索禁止時間帯として設定する(ステップS504)。ただし、到着予想時刻から遡っての一定時間や再探索禁止時間帯を設定するか否かはユーザの選択による。
【0107】
また、再探索禁止時間である到着予想時刻から遡っての一定時間は、予めROM13内にデフォルト値として格納されている。ただし、この一定時間は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。任意に設定された場合には、その設定された一定時間は例えばフラッシュメモリ12の所定の領域に格納される。制御部10は、一定時間がユーザによって設定された場合には、デフォルト値である15分に優先して、設定された一定時間(例えば、20分等)を利用することになる。ここでは、ROM13に格納されているデフォルト値(15分)が設定されたものとする。
【0108】
ユーザは、以上の設定が完了すると、入力操作部2を操作して、案内開始を指示する。これにより、ナビゲーション装置1は、車両が走行を始めることで走行経路案内を開始する(ステップS505)。
【0109】
走行経路案内が開始されると、制御部10は、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かを常に監視する(ステップS506)。また、制御部10は、時計部8により計測される現在時刻に基づき、現在時刻が到着予想時刻より一定時間前以内になったか否かを監視する(ステップS507)。
【0110】
そして、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた場合(ステップS506でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内になったか否かを判断する(ステップS507)。
【0111】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内である場合(ステップS507でYesと判断された場合)には、次に、その外れた時刻が、ユーザの設定した再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間等)内であるか否かを判断する(ステップS508)。
【0112】
その結果、走行案内経路を外れた時刻が、再探索禁止時間帯内である場合(ステップS508でYesと判断された場合)には、自宅周辺で渋滞が発生しているので、制御部10は、現在の走行位置を表示部5の表示画面に表示しつつ、走行経路の再探索は行わないでステップS506に戻る。すなわち、この場合には、車両が走行案内経路を外れても、走行経路の再探索は行わず、かつ、探索した走行経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等も発生させない。
【0113】
つまり、走行案内経路を外れた時刻が、到着予想時刻より一定時間前以内であり(ステップS507でYes)、かつ、再探索禁止時間帯内である(ステップS508でYes)ということは、ユーザの車両がすでに自宅周辺まで帰ってきているということであり、かつ、自宅周辺が渋滞している可能性が高い時間帯であるということなので、ユーザは、自宅周辺については独自の判断で走行経路を決定して走行することになる。このような場合、従来のナビゲーション装置であれば、走行案内経路を外れたことを報知するため、ユーザは、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくてはならないが、本具体例5では、自宅周辺については走行案内経路を外れても、走行案内経路から外れたことを知らせる音声メッセージや電子音等を発生させることがないので、不必要な音声メッセージや電子音等を聞かなくても済むことになる。すなわち、自宅周辺においては、ナビゲーション装置1の走行経路案内に煩わされることなく、自由に走行経路を選んで走行することが可能となる。このように、ナビゲーション装置1の走行経路案内を無効とする期間を、再探索禁止時間帯、及び到着予想時刻から遡っての一定時間という2つの条件の組み合わせで決定することにより、自宅周辺の道路事情に則したより適正なタイミングで、ナビゲーション装置1の走行経路案内を無効とすることができる。
【0114】
一方、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた時刻が、再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内であっても(ステップS508でYesと判断されても)、目的地点である自宅B5の到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)内でない場合(ステップS507でNoと判断された場合)には、自宅周辺が渋滞していても、ユーザの車両がまだ自宅周辺まで戻ってきていないということなので、ナビゲーション装置1はステップS509へと処理を進め、通常通り走行経路案内を行うことになる。
【0115】
また、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れた時刻が、到着予想時刻から遡っての一定時間(例えば、15分等)内であっても(ステップS507でYesと判断されても)、再探索禁止時間帯(例えば、17時〜19時の間)内でなければ(ステップS508でNoと判断されれば)、自宅周辺が渋滞していることはないので、この場合もナビゲーション装置1はステップS509へと処理を進め、通常通り走行経路案内を行うことになる。
【0116】
すなわち、制御部10は、従来通り、走行経路の再探索を行い(ステップS509)、再探索した走行経路に従って、走行経路案内を継続して行う(ステップS510)。すなわち、元の走行案内経路に戻すように、走行経路案内を行う。そして後、再びステップS510からステップS506に戻り、位置検出部3からの位置情報に基づいて、車両の現在走行位置が走行案内経路から外れたか否かの監視を継続する。
【0117】
ナビゲーション装置1は、このようなステップS506からステップS510までの処理を、ステップS511でYesと判断されるまで、すなわち車両が目的地点である自宅B5に到着するまで継続し、目的地点である自宅B5に到着すると(ステップS511でYesと判断されると)、走行経路の案内を終了する(ステップS512)。
【0118】
<その他の具体例>
その他の具体例として、本実施形態では、上記具体例1と具体例4とを選択可能に組み合わせた具体例、具体例2と具体例5とを選択可能に組み合わせた具体例、具体例3と具体例4とを選択可能に組み合わせた具体例、具体例3と具体例5とを選択可能に組み合わせた具体例、等を挙げることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 ナビゲーション装置
2 入力操作部
3 位置検出部
4 情報記録部
5 表示部
6 音声案内部
7 交通情報受信部
8 時計部
9 タイマー部
10 制御部
11 CPU
12 フラッシュメモリ
13 ROM
14 RAM
21 操作パネル
31 GPS受信機
32 地磁気センサ
33 ジャイロセンサ
34 速度・距離センサ
61 音声出力部
62 スピーカ
71 VICS・FM多重受信機



【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う走行経路案内手段を備え、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置であって、
ユーザにより予め登録された地図上の1または複数の地点を登録地点として記憶する登録地点記憶手段と、
前記登録地点を通過する前後の一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段とを備え、
前記選択手段の操作により登録地点を通過する前後の一定時間が再探索禁止時間として設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記登録地点を通過する前後の一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
出発地点が登録地点として前記登録地点記憶手段に記憶されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が案内開始時刻からの一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
目的地点、及び/または出発地点から目的地点までの間の経由地点が登録地点として前記登録地点記憶手段に記憶されている場合において、
車両の現在位置と走行速度と走行経路とに基づいて前記目的地点及び/または前記経由地点の到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段を備え、
前記選択手段の操作により到着予想時刻から遡っての一定時間が再探索禁止時間として設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記到着予想時刻から遡っての一定時間内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記再探索禁止時間をユーザ操作により任意に設定可能な設定手段を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う走行経路案内手段を備え、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置であって、
現在時刻を計測する時計手段と
再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とを備え、
前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合であっても、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間帯内であれば走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
現在時刻を計測する時計手段と、
再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とをさらに備え、
前記選択手段の操作により前記案内開始時刻からの一定時間が設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、
前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記案内開始時刻からの一定時間内である場合には走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
現在時刻を計測する時計手段と、
再探索を禁止する時間帯をユーザが設定可能な設定手段とをさらに備え、
前記選択手段の操作により前記到着予想時刻から遡っての一定時間が再探索禁止時間として設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、
前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記到着予想時刻から遡っての一定時間内である場合には走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
案内開始時刻からの一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段をさらに備え、
前記選択手段の操作により前記案内開始時刻からの一定時間が再探索禁止時間として設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、
前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記案内開始時刻からの一定時間内である場合には走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
車両の現在位置と走行速度と走行経路とに基づいて前記目的地点または経由地点の到着予想時刻を算出する到着予想時刻算出手段と、
前記到着予想時刻から遡っての一定時間を再探索禁止時間として設定するか否かをユーザに選択させる選択手段とをさらに備え、
前記選択手段の操作により前記到着予想時刻から遡っての一定時間が再探索禁止時間として設定され、かつ、前記設定手段により再探索禁止時間帯が設定されている場合において、
前記走行経路案内手段は、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合に、その外れた時刻が前記再探索禁止時間帯内であり、かつ、前記到着予想時刻から遡っての一定時間内である場合には走行経路の再探索を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う一方、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、
ユーザにより地図上の1または複数の地点が登録された場合に、その登録地点をナビゲーション装置の登録地点記憶手段に記憶させるステップと、
ユーザにより前記登録地点を通過する前後の一定時間が再探索禁止時間として設定された場合に、その再探索禁止時間をナビゲーション装置の内部に設定する設定ステップと、
前記設定ステップにより前記再探索禁止時間が設定されている場合において、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れとき、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間内であるか否かを判断するステップと、
判断の結果、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間内である場合には走行経路の再探索を禁止するステップと、を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項11】
設定された出発地点と目的地点とに基づいて出発地点から目的地点までの走行経路を探索し、車両走行時に前記探索した走行経路に従って出発地点から目的地点までの走行経路案内を行う一方、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れた場合には走行経路の再探索を行い、再探索した走行経路に従って走行経路案内を継続して行うナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、
カーナビゲーション装置の時計手段にて現在時刻を計測するステップと、
ユーザにより設定された再探索を禁止する時間帯をナビゲーション装置のメモリに格納するステップと、
前記メモリに前記再探索禁止時間帯が格納されている場合において、車両の現在走行位置が前記探索した走行経路から外れたとき、その外れた時刻が前記格納されている再探索禁止時間帯内であるか否かを判断するステップと、
判断の結果、その外れた時刻が前記設定された再探索禁止時間帯内である場合には走行経路の再探索を禁止するステップと、を含むことを特徴とするナビゲーション方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−52993(P2011−52993A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199752(P2009−199752)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】