説明

ナビゲーション装置

【課題】複数の経由地毎の誘導経路の比較及び誘導経路の選択を容易にしたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】システム制御部18は、ユーザによる所定の操作指示に応じて、複数の経由地毎に、該経由地を経由して目的地に至る指定地経由誘導経路を演算して、これら複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報に対応する画像をディスプレイ装置80に一括表示させる。更に、制御部18は、ユーザによる所定の操作指示に応じて、指定地経由誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの誘導経路を探索して搭載車両を誘導するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置は、大量の地図データを記録したCD−ROM、DVD−ROM、ハードディスクドライブ等の地図データ記録媒体、ディスプレイ装置、GPS等により車両の位置及び方位を検出する車両移動検出装置等を有する。そして、車両の位置に応じた地図データが地図データ記録媒体から読み出され、この地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像がディスプレイ装置に表示されるとともに、車両位置マークが重ね合わせて表示され、更には、車両の移動に応じて地図画像がスクロール表示されて、ユーザが車両の位置を把握することができるようになっている。
【0003】
また、従来より、ナビゲーション装置には、ユーザが目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能を備えている。この経路誘導機能では、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最もリンクコストが小さい誘導経路が横型探索法又はダイクストラ法等のシミュレーション計算によって自動探索され、その探索された経路が誘導経路として記憶される。そして、車両の走行中には、誘導経路が、地図画像上に他の道路とは色を変えて太く描画されたり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点から所定距離内に近づいたときに、地図画像上の経路を変更すべき交差点に進路を示す矢印が表示されたりすることにより、ユーザが目的地まで案内される。
【0004】
また、近年では、予め定められた複数の探索条件毎に誘導経路を探索し、自車位置を含む誘導経路を案内用の誘導経路として選択することにより、ユーザが複数の誘導経路の中から案内用の誘導経路を選択する際の操作負担を軽減したナビゲーション装置も提供されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
更には、ユーザが目的地に至る途中で立ち寄りたい場所等を経由地として設定し、その経由地を経由して目的地に至る誘導経路(指定地経由誘導経路)を探索する機能を備えるナビゲーション装置も提供されている。
【特許文献1】特開2001−59730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した従来のナビゲーション装置では、ユーザが経由地を設定する操作を行う毎に、その1つの経由地を経由する指定地経由誘導経路が探索されてディスプレイ装置に表示されるようになっており、ユーザは、各指定地経由誘導経路を比較しにくかった。しかも、このように各指定地経由誘導経路の比較がしにくいため、各指定地経由誘導経路の中から案内用の指定地経由誘導経路を選択する際には、以下のような不都合が生じる。すなわち、ユーザは、一般に、ディスプレイ装置に表示される経由地を経由する誘導経路を見て、その誘導経路が所望するものでなかった場合には、再度、別の経由地を設定する操作を行うことになるが、別の経由地を経由する誘導経路が元の経由地を経由する誘導経路よりも更に所望するものではない場合もあり得る。このような場合、ユーザは、元の経由地を経由する誘導経路を案内用として選択するためには、再度、元の経由地を含む地図画像を表示させ、更に、当該元の経由地を設定するといった煩雑な操作を行う必要であった。
【0007】
本発明の目的は、上述した問題を解決するものであり、複数の経由地毎の誘導経路の比較及び誘導経路の選択を容易にしたナビゲーション装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、目的地までの誘導経路を探索して搭載車両を誘導するナビゲーション装置であって、ユーザによる所定の操作指示に応じて、複数の経由地を設定する経由地設定手段と、前記経由地設定手段により設定された経由地毎に、該経由地を経由して目的地に至る指定地経由誘導経路を演算する指定地経由誘導経路演算手段と、前記指定地経由誘導経路演算手段により演算された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を一括して提示する情報提示手段と、ユーザによる所定の操作指示に応じて、前記複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択する案内用誘導経路選択手段とを有することを特徴とする。
【0009】
この構成により、複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報が一括して提示されるため、ユーザは、各指定地経由誘導経路の比較を容易に行うことができ、更には、所望の誘導経路を容易に選択することが可能となる。
【0010】
同様の観点から、本発明のナビゲーション装置は、前記指定地経由誘導経路演算手段により演算された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を記憶する記憶手段を有し、前記情報提示手段が、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を一括して提示し、前記案内用誘導経路選択手段が、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記情報提示手段が、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報とに基づいて、複数の経由地を示す画像と複数の指定地経由誘導経路を示す画像とを、一括して地図画像に重ねて表示するようにしてもよい。
【0012】
この構成により、ユーザは、各指定地経由誘導経路を視認可能となり、より容易に各誘導経路の比較を行うことができる。
【0013】
また、本発明のナビゲーション装置は、前記案内用誘導経路選択手段は、前記情報提示手段により表示された複数の指定地経由誘導経路を示す画像のうち、ユーザによって指し示された指定地経由誘導経路を示す画像に対応する指定地経由誘導経路の情報を、案内用の誘導経路の情報として選択するようにしてもよい。
【0014】
この構成により、ユーザは簡易な操作で複数の指定地経由誘導経路の中から案内用の誘導経路を選ぶことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報が一括して提示されるため、ユーザは、各指定地経由誘導経路の比較と選択を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1は、ナビゲーション装置の構成を示す図である。同図に示すナビゲーション装置100は、車両に搭載され、目的地までの誘導経路を探索して当該車両を誘導するものである。このナビゲーション装置100は、ナビゲーション装置100の全体を制御するナビゲーション本体10と、DVD(Digital Versatile Disc)31を装填したDVDドライブ30と、ユーザの操作指示を受け付ける操作部40と、ナビゲーション装置100と他の装置との通信を行う通信機50と、車両の位置及び方位を導出するGPS(Global Positioning System)受信機60及びセンサ部70と、画像を表示するディスプレイ装置80と、音声を出力する及びスピーカ90とを有する。
【0017】
ナビゲーション本体10は、読取制御部11、バッファメモリ12、地図描画部13、インタフェース部(I/F)14、15、16、17、制御部18、誘導経路記憶部19、誘導経路描画部20、操作画面・マーク発生部21、施設リスト描画部22、画像合成部23及び音声出力部24を有する。
【0018】
DVD31には、地図画像の表示や誘導経路の探索に必要な各種の地図データが記録されている。このDVD31を装填したDVDドライブ30は、制御部18の制御によって駆動する。操作部40は、経路探索指示を与えるための探索キー、目的地入力キー等の各種操作キーを備えており、ユーザによるこれらキーの操作状態に応じた信号がI/F14を介して制御部18に向けて出力される。通信機50は、他の装置との間で通信を行い、制御部18からのデータを、I/F15を介して入力して他の装置へ送信したり、他の装置から受信したデータを、I/F15を介して制御部18へ出力する。
【0019】
GPS受信機60は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは2次元測位処理を行って車両の絶対位置及び方位を計算し、I/F16を介して制御部18へ出力する。センサ部70は、振動ジャイロ等の角度センサ71と、距離センサ14とを備えており、車両の相対位置及び方位を検出し、I/F17を介して制御部18へ出力する。
【0020】
ディスプレイ装置80は、ナビゲーション本体10から出力される画像データに基づいて、各種画像を表示する。例えば、ディスプレイ装置80は、車両位置周辺の地図画像に、車両位置を示す画像、目的地を示す画像、経由地を示す画像、誘導経路を示す画像等を重ねて表示する。また、ディスプレイ装置80は、画面におけるユーザの指等が接触した位置を検出し、操作信号として制御部18へ出力する。スピーカ90は、ナビゲーション本体10から出力される音声データに基づいて、各種音声を出力する。例えば、スピーカ90は、誘導経路の案内中に、交差点での進行方向等の案内音声を出力する。
【0021】
ナビゲーション本体10内の読取制御部11は、制御部18の制御により、画面中心位置を計算し、この画面中心位置を含む所定範囲の地図データをDVDドライブ30に装填されたDVD31から読み取る。読み取られた地図データは、バッファメモリ12に一時的に格納される。地図描画部13は、制御部18の制御により、バッファメモリ12に格納された地図データを読み出し、当該地図データに基づいて、地図画像データを生成し、画像合成部23へ出力する。
【0022】
制御部18は、操作部40からユーザの目的地設定操作に応じた信号を入力すると、その信号に対応する目的地を設定する。更に、システム制御部1は、GPS受信機60やセンサ部70からの車両位置の情報を取得するとともに、バッファメモリ12に格納された地図データを取得し、車両位置から目的地に至る誘導経路を演算する。誘導経路としては、目的地までの所要時間が最も短い経路、一般道路のみを利用する経路、目的地までの走行距離が最短となる経路、道幅の広い道路を優先的に利用する経路等、ユーザの要求に応じて様々なものが演算される。
【0023】
また、制御部18は、操作部40あるいはディスプレイ装置80からのユーザの経由地設定操作に応じた信号を入力した場合には、その信号に対応する経由地を設定し、バッファメモリ12に格納された地図データを取得し、車両位置から経由地を経由して目的地に至る誘導経路(指定地経由誘導経路)を探索する演算を行う。
【0024】
制御部18による演算の結果得られる誘導経路情報には、目的地や経由地の位置情報、誘導経路上の交差点等の曲折箇所の位置情報等が含まれている。この誘導経路情報は、誘導経路記憶部19に記憶される。誘導経路描画部20は、制御部18の制御により、誘導経路記憶部19に記憶された誘導経路情報を読み出し、当該誘導経路情報に基づいて、誘導経路を示す画像データ、目的地を示す画像データ、経由地を示す画像データを生成し、画像合成部23へ出力する。
【0025】
操作画面・マーク発生部21は、制御部18の制御により、所定の操作画面や車両位置を示す画像データを生成して、画像合成部18へ出力する。施設リスト描画部22は、制御部18から地図データを取得し、施設名称等の画像データを生成して画像合成部23へ出力する。
【0026】
画像合成部23は、制御部18の制御により、地図描画部13からの地図画像データ、誘導経路描画部20からの誘導経路を示す画像データ、目的地を示す画像データ、経由地を示す画像データ、操作画面・マーク発生部21からの操作画面の画像データ、車両位置を示す画像データ、施設リスト描画部22からの施設名称等の画像データを適宜合成して、合成画像データを生成する。合成画像データは、ディスプレイ装置80へ出力され、当該ディスプレイ装置80において、合成画像データに対応する画像が表示される。
【0027】
音声出力部24は、制御部18の制御により、誘導経路の案内中に、交差点での進行方向等の案内音声をスピーカ90から出力させる。
【0028】
次に、フローチャートを参照しつつ、ナビゲーション装置100の動作を説明する。図2は、経由地が設定される場合におけるナビゲーション装置100の動作を示すフローチャートである。なお、以下においては、予め目的地の設定が行われているものとする。
【0029】
ナビゲーション本体10内の制御部18は、ユーザにより経由地の設定操作がなされたか否かを判定する(S101)。具体的には、制御部18は、操作部40あるいはディスプレイ装置80からのユーザの経由地設定操作に応じた信号を入力した場合には、経由地の設定操作がなされたと判定する。目的地の設定から所定時間内に経由地の設定操作がなされなかった場合、制御部18は、車両位置から目的地に至る誘導経路(通常誘導経路)を探索する演算を行い(S114)、その通常誘導経路の情報を誘導経路記憶部19に記憶させる(S115)。
【0030】
一方、目的地の設定操作から所定時間内に経由地の設定操作がなされた場合、制御部18は、対応する経由地を設定する(S102)。次に、制御部18は、車両位置から経由地を経由して目的地に至る誘導経路(指定地経由誘導経路)を探索する演算を行う(S103)。
【0031】
次に、制御部18は、内蔵するアドレスカウンタ(図示せず)に設定されている値によって示されるアドレスによって特定される誘導経路記憶部19の記憶領域に、その誘導経路の情報を憶部19に記憶させる。誘導経路の情報には、目的地や経由地の位置情報、誘導経路上の交差点等の曲折箇所の位置情報等が含まれている。更に、制御部18は、誘導経路描画部20に対して、誘導経路の情報が記憶された誘導経路記憶部19の記憶領域のアドレスを指定して、誘導経路の描画の指示を出す。誘導経路描画部20は、この指示に従い、誘導経路記憶部19に記憶された誘導経路の情報を読み出し、当該誘導経路の情報に基づいて、誘導経路を示す画像データ、経由地を示す画像データを生成し、画像合成部23へ出力する。画像合成部23は、誘導描画部20からの各画像データと、操作画面・マーク発生部21及び施設リスト描画部22からの各画像データを合成して、ディスプレイ装置80に、合成画像データに対応する画像を表示させる(S104)。図3は、指定地経由誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。図3では、経由地Aの画像201と、その経由地Aを経由する誘導経路の画像211とが表示されている。
【0032】
次に、制御部18は、アドレスカウンタの値を1増加させ、当該アドレスカウンタの値を次の指定地経由誘導経路の情報を記憶すべき誘導経路記憶部19の記憶領域のアドレスとする(S105)。
【0033】
次に、制御部18は、更に、ユーザにより経由地の設定操作がなされたか否かを判定する(S106)。S104における指定地経由誘導経路の表示から所定時間内に経由地の設定操作がなされた場合には、再び、経由地設定(S102)以降の動作が繰り返される。
【0034】
また、S104における指定地経由誘導経路の表示から所定時間内に経由地の設定操作がなされなかった場合、制御部18は、これまでに複数の指定地経由誘導経路を探索する演算を行ったか否かを判定する(S107)。指定地経由誘導経路を探索する演算が1回のみであった場合には、制御部18は、その指定地経由誘導経路を案内用の誘導経路として選択する(S108)。
【0035】
一方、これまでに複数の指定地経由誘導経路を探索する演算を行った場合、制御部18は、操作画面・マーク発生部21に対して、複数の指定地経由誘導経路の画像を一括して表示させるための一括表示ボタンの画像の発生を指示する。操作画面・マーク発生部21は、この指示に従い、一括表示ボタンの画像を生成し、画像合成部23へ出力する。画像合成部23は、この一括表示ボタンの画像と、誘導描画部20及び施設リスト描画部22からの各画像データとを合成して、ディスプレイ装置80に、合成画像データに対応する画像を表示させる(S109)。
【0036】
図4及び図5は、指定地経由誘導経路の画像と一括表示ボタンの画像とを含む表示画面の第1及び第2の例である。図4では、2つ目の経由地Bの画像202と、その経由地Bを経由する誘導経路の画像212とが表示されるとともに、一括表示ボタンの画像221が表示されている。また、図5では、3つ目の経由地Cの画像203と、その経由地Cを経由する誘導経路の画像213とが表示されるとともに、一括表示ボタンの画像221が表示されている。
【0037】
次に、制御部18は、指定地経由誘導経路の一括表示が指示されたか否かを判定する(S110)。具体的には、制御部18は、ディスプレイ装置80からのユーザの指等が接触した位置に対応する操作信号を入力し、更に、その接触位置が一括表示ボタンの表示位置である場合には、指定地経由誘導経路の一括表示が指示されたと判断する。
【0038】
指定地経由誘導経路の一括表示が指示されなかった場合には、一括表示ボタンの表示(S109)が継続される。一方、指定地経由誘導経路の一括表示が指示された場合には、制御部18は、誘導経路描画部20に対して、全ての指定地経由誘導経路の情報が記憶された誘導経路記憶部19の記憶領域のアドレスを指定して、指定地経由誘導経路を描画する指示を出す。誘導経路描画部20は、この指示に従い、誘導経路記憶部19に記憶された全ての指定地経由誘導経路の情報を読み出し、これら指定地経由誘導経路の情報に基づいて、指定地経由誘導経路を示す画像データ、経由地を示す画像データを生成し、画像合成部23へ出力する。画像合成部23は、誘導描画部20からの各画像データと、操作画面・マーク発生部21及び施設リスト描画部22からの各画像データを合成して、ディスプレイ装置80に、合成画像データに対応する画像を表示させる。これにより、全ての指定地経由誘導経路の画像がディスプレイ装置80に一括表示される(S111)。
【0039】
図6は、全ての指定地経由誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。図6では、1つ目の経由地Aの画像201及びその経由地Aを経由する誘導経路の画像211と、2つ目の経由地Bの画像202及びその経由地Bを経由する誘導経路の画像212と、3つ目の経由地Cの画像203及びその経由地Cを経由する誘導経路の画像213とが表示されている。
【0040】
次に、制御部18は、指定地経由誘導経路の選択が指示されたか否かを判定する(S112)。具体的には、制御部18は、ディスプレイ装置80からのユーザの指等が接触した位置に対応する操作信号を入力し、更に、その接触位置がいずれかの指定地経由誘導経路の表示位置である場合には、その指定地経由誘導経路の選択が指示されたと判断する。
【0041】
指定地経由誘導経路の選択が指示された場合には、制御部18は、その選択された指定地経由誘導経路を案内用の誘導経路とする(S113)。具体的には、制御部18は、選択されなかった誘導経路の情報を誘導経路記憶部19から削除するとともに、誘導経路描画部20に対して、選択された指定地経由誘導経路の情報が記憶された誘導経路記憶部19の記憶領域のアドレスを指定して、指定地経由誘導経路を描画する指示を出す。誘導経路描画部20は、この指示に従い、誘導経路記憶部19に記憶された、選択された指定地経由誘導経路の情報を読み出し、この指定地経由誘導経路の情報に基づいて、指定地経由誘導経路を示す画像データを生成し、画像合成部23へ出力する。画像合成部23は、誘導描画部20からの各画像データと、操作画面・マーク発生部21及び施設リスト描画部22からの各画像データを合成して、ディスプレイ装置80に、合成画像データに対応する画像を表示させる。これにより、選択された指定地経由誘導経路の画像のみがディスプレイ装置80に表示される。
【0042】
図7は、選択された指定地経由誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。図6に示す表示画面において、ユーザが経由地Aを経由する誘導経路の画像211の表示位置を指等で触れると、図7に示すように、この経由地Aを経由する誘導経路の画像211のみが案内用の誘導経路の画像として表示される。
【0043】
このように、ナビゲーション装置100は、ユーザによる所定の操作指示に応じて、複数の経由地毎に、該経由地を経由して目的地に至る誘導経路を演算して、これら複数の経由地毎の誘導経路の情報に対応する画像を一括表示した上で、ユーザによる所定の操作指示に応じて、誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択する。従って、ユーザは、各誘導経路の比較を容易に行うことができるとともに、所望の誘導経路の選択を容易に行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上、説明したように、本発明に係るナビゲーション装置は、経由地毎の複数の誘導経路の比較及び誘導経路の選択を容易にすることができ、ナビゲーション装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】経由地が設定される場合におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。
【図4】誘導経路の画像と一括表示ボタンの画像とを含む表示画面の第1の例である。
【図5】誘導経路の画像と一括表示ボタンの画像とを含む表示画面の第2の例である。
【図6】全ての誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。
【図7】選択された誘導経路の画像を含む表示画面の一例である。
【符号の説明】
【0046】
10 ナビゲーション本体
11 読取制御部
12 バッファメモリ
13 地図描画部
14、15、16、17 インタフェース部(I/F)
18 制御部
19 誘導経路記憶部
20 誘導経路描画部
21 操作画面・マーク発生部
22 施設リスト描画部
23 画像合成部
24 音声出力部
30 DVDドライブ
31 DVD
40 操作部
50 通信機
60 GPS受信機
70 センサ部
71 角度センサ
72 距離センサ
80 ディスプレイ装置
90 スピーカ
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの誘導経路を探索して搭載車両を誘導するナビゲーション装置であって、
ユーザによる所定の操作指示に応じて、複数の経由地を設定する経由地設定手段と、
前記経由地設定手段により設定された経由地毎に、該経由地を経由して目的地に至る指定地経由誘導経路を演算する指定地経由誘導経路演算手段と、
前記指定地経由誘導経路演算手段により演算された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を一括して提示する情報提示手段と、
ユーザによる所定の操作指示に応じて、前記複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択する案内用誘導経路選択手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記指定地経由誘導経路演算手段により演算された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を記憶する記憶手段を有し、
前記情報提示手段は、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報を一括して提示し、
前記案内用誘導経路選択手段は、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報のいずれかを、案内用の誘導経路の情報として選択することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記情報提示手段は、前記記憶手段に記憶された複数の経由地毎の指定地経由誘導経路の情報に基づいて、複数の経由地を示す画像と複数の指定地経由誘導経路を示す画像とを、一括して地図画像に重ねて表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記案内用誘導経路選択手段は、前記情報提示手段により表示された複数の指定地経由誘導経路を示す画像のうち、ユーザによって指し示された指定地経由誘導経路を示す画像に対応する指定地経由誘導経路の情報を、案内用の誘導経路の情報として選択することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−139553(P2007−139553A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332968(P2005−332968)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】