説明

ナビゲーション装置

【課題】利用者が地域に関連する施設情報を直感的に把握することができる表示を行うナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図上に表示された地名が選択された際に、選択された地名に関連する地点の属性情報に基づいて地名を地図上に視覚的に表現する地名表記意匠を作成し、選択された地名と作成された地名表記意匠を含む地図画面を作成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置において、広域地理情報を提示しながら、同時に詳細な地点情報についても提示する地図の表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置においては、広い範囲にわたって地理情報の概略を確認する場合には小縮尺で広域表示した地図を概観し、また、利用者の行きたい場所を見つけ出そうとするような詳細な地理情報を確認する場合には、地点検索で候補地点をリストアップする等の個別検討を行う、というように、広域地理の確認把握と詳細地点の検討はそれぞれ独立した機能として行われるように設計されている。しかしこれら双方の機能の要求は、必ずしも個別に独立して生じるものではなく、広域地理の確認把握と詳細地点の検討を同時に行いたい場合もある。
【0003】
例えば、観光目的のドライブのような場合で、特定の場所を特定の順番で回るという予定が事前に明確に計画されてはおらず、次の行き先を走行中に決めるような場合には、広い範囲を視野に入れながら、どこにどんな見所があるのかについて見当をつける、といったことが容易にできることが望ましい。
【0004】
このように、明確な目的地が決まっていない場合、目的地を決定するための参考情報を提示する一例、すなわち、広域地理の確認把握と詳細地点の検討とを同時に成立させる解決策の一例として、特許文献1に開示されている「車載用地図表示装置」が挙げられる。これによれば、地図上に表示される地名を含む地域内に属する施設の情報がリンクされており、地図上の地名を選択指定することによって、リンクされた施設の詳細情報を含むリストが表示されるようになっている。
【特許文献1】実開平5−79575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般に利用者は目的地を決めていなくとも、その目的地が含まれるジャンル(例えば美術館、温泉、レストラン等)は決まっている場合が多く、これらのジャンル内で目的地を選択できれば、目的地の設定を容易に行うことが可能である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、地名に関連する施設情報がリスト形式で表示されるだけであり、施設情報がジャンル毎に分類されておらず、施設情報が多数になると不要なジャンルの施設情報もランダムに表示されてしまって情報過多となり、目的地を設定する際の参考情報として把握しにくくなる、という問題点がある。
【0007】
本発明は、かかる課題に対してなされたものであり、利用者が地域に関連する施設情報を直感的に把握することができる表示を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地図上に表示された地名が選択された際に、選択された地名に関連する地点の属性情報に基づいて地名を地図上に視覚的に表現する地名表記意匠を作成し、選択された地名と作成された地名表記意匠を含む地図画面を作成して表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設の分類や施設の数等の施設情報を分かりやすく表示するので、利用者は広い範囲の地図を概観することで自車の現在位置を把握しながら、その地域に関連する施設情報を目的地を決定する際の参考情報として容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、この発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0012】
ナビゲーション装置500は、地名データ記憶手段10と、地点データ記憶手段20と、地名帰属地点選択手段30と、地点群概要情報分析決定手段40と、地名表記意匠決定手段50と、地図画面作成手段60と、表示手段70と、を備えている。
【0013】
地名データ記憶手段10は、地図上に表記すべき地名または通称で呼称される地名(以下、地名とは、地名または通称で呼称される地名を指すものとする)、位置、およびその地名が定義される範囲の形状データ等を地名データとして記憶する。
【0014】
地点データ記憶手段20は、各種施設や観光スポットのような訪問対象になり得る地点の名称、位置、および種類等の属性情報を地点データとして記憶する。
【0015】
地名帰属地点選択手段30は、地名データ記憶手段10に記憶された地名に対して、その地名に関連付けられ帰属する一つ以上の地点を帰属地点として地点データ記憶手段20から選択する。
【0016】
地点群概要情報分析決定手段40は、ある地名に関連付けられる地点として選択された帰属地点の集合である地点群に対して、帰属地点の総数やその種類の内訳など、その地点群の概要を表す特徴量や属性を概要情報として分析決定する。
【0017】
地名表記意匠決定手段50は、地点群概要情報分析決定手段40で分析決定された地点群の概要情報を色、大きさ、形などにより視覚的に表現する意匠を、地点群が帰属する地名を表記する地名表記意匠として決定する。
【0018】
地図画面作成手段60は、地名表記意匠決定手段50により決定された地名表記意匠を含む地図画面を作成する。
【0019】
表示手段70は、地図画面作成手段60により作成された地図画面を表示する。
【0020】
ここで、地名データ記憶手段10、地点データ記憶手段20は、DVDなどの記憶媒体とそのドライバであり、地名帰属地点選択手段30、地点群概要情報分析決定手段40、地名表記意匠決定手段50、地図画面作成手段60は、CPU、内部メモリ等から成る一体のコンピュータ、またはコンピュータ上に登録された実行形式のプログラムである。また表示手段70は、CRTや液晶モニタなどの画像表示装置である。
【0021】
次に、図2に示すフローチャートを用いて、本実施形態の動作を説明する。
【0022】
ステップS101では、まず描画される地図の範囲が決定される。一般に、ナビゲーション装置では、通常は自車位置を中心とした周辺の地図を描画するが、例えば利用者が地図を見たい場所をスクロールして探しているときなどは、スクロール操作量に応じて描画中心を自車位置から移動する。描画中心の座標は、GPS受信機のような自車位置測定装置やジョイスティックのような入力装置を通して決定されるものとする。また、表示する地図の縮尺から表示画面に相当する地図の広さが決まるので、与えられた描画中心の座標と合わせて地図描画範囲が決定される。この後に、フローはステップS102へ移行する。
【0023】
ステップS102では、地図画面作成手段60が、道路や背景など地名以外の地図要素を描画する。この後に、フローはステップS103へ移行する。
【0024】
ステップS103以降は、表示位置が描画範囲内に存在する全地名について、各地名に帰属する地点の概要情報を検討し、地名表記意匠を決定して地図上に表記する処理を繰り返す処理となる。
【0025】
ステップS103では、ステップS101で決定した地図描画範囲内にある地名の中で、まだステップS104以降の処理がなされていないものが存在するかどうかを調べ、ステップS104以降の処理がなされていないものがあれば、フローはステップS104へ移行する。一方、ステップS104以降の処理がなされていないものがなければ、フローはステップS111へ移行し、一連の地図描画処理を終了する。
【0026】
ステップS104では、ステップS105以降の処理を行っていない地名があればその地名を選択し、再び処理がステップS103に戻ったときの分岐の判定のために、この地名に対して設けられた処理済みフラグをセットする。この後に、フローはステップS105へ移行する。
【0027】
ステップS105では、ステップS104で選択された地名がカバーする地域の中に存在する地点を検索し、これらの地点をこの地名に帰属する帰属地点とし、帰属地点の集合を地点群とする。本実施形態では地名データ記憶手段10が各地名の定義範囲を示す多角形などの形状データを有しているものとする。任意の座標がある形状の範囲内にあるか範囲外にあるかは、簡単な計算により知ることができるので、地点データ記憶手段20に記憶されている地点データのうち、その位置座標がステップS104で選択された地名の定義範囲内にあるものだけを選択して、選択した地点をこの地名に帰属する帰属地点とする。この後に、フローはステップS106へ移行する。
【0028】
ステップS106では、このような帰属地点がこの地名に対して何点見つかるかを検証する。本発明では、広域地図に表記される地名は訪問対象となる地点を探すための見出し語としての役割を果たすため、何らかの地点と関連付けられるものであることが望ましい。むしろ関連する地点のない地名は表示しないことにすれば、広域地図からでも訪問先の見当をつけられる、という効果をより明確に示すことができる。
【0029】
したがってステップS106は、見出し語として貢献しない地名を表記対象から除く処理に相当する。検証の判定基準は、帰属地点が所定数以上あるか無いか、とする。ここで、所定数を1として、帰属地点のある無しの単純な判定を行っても良いし、数点程度の地点としか関連しない地名では見出し語としての役割を十分果たせないという観点に基づいて、所定数を複数点としても良い。判定基準を満たさない場合は、その地名を表記しないこととし、フローはステップS103に戻る。一方、判定基準を満たす場合は、フローはステップS107に移行する。
【0030】
ステップS107では、ステップS105で選択された帰属地点の集合である地点群に対し、地点群の特徴分析を行う。すなわち、その地点群の概要を端的に示すことのできる特徴量や属性、具体的には各帰属地点の種類やその数、位置などを調べ、地点群の概要情報を決定する。この後に、フローはステップS108に移行する。
【0031】
ステップS108では、ステップS107で得られた地点群の特徴を表す概要情報に基づき、その地名を表記する際の地名表記意匠、すなわち地名自身を示す文字列や、シンボルとして表示される簡単な図形などの色、大きさ、形など、視覚的に差別化可能な意匠を決定する。この後に、フローはステップS109に移行する。
【0032】
ステップS109では、ステップS108で決定した地名表記意匠を地図上に表示するか否かが判定される。地名表記意匠は、常に表示されるのではなく、必要に応じて表示をする、しないが選択できた方が、不要なときに不要な表示を行って情報が煩雑になることを避けることができ、利便性が高い。このため、本ステップで表示を行うか否かの判定が行われる。ここで、表示をするか否か、の選択は、例えば表示手段70に地名表記意匠を表示するか否かを問うメッセージを表示し、利用者に別途設けた表示選択スイッチ(図示省略)を操作させる。あるいは、音声入力手段(図示省略)を用いて選択させても良い。地名表記意匠を表示する場合は、フローはステップS110へ移行する。一方、地名表記意匠を表示しない場合は、フローはステップS103へ移行する。
【0033】
ステップS110では、決定した地名表記意匠にしたがって地名を表記する。この後に、フローはステップS103に移行する。以下、描画範囲に表示すべき全ての地名について、上記処理を繰り返す。
【0034】
以下、ステップS107の地点群の特徴分析とステップS108の地名表記意匠の決定について、いくつかの表示例を挙げて詳細に説明する。図22には比較の対象として、従来の広域地図表示の例を示している。
【0035】
地点群の特徴を表す情報として最も単純な例としては帰属地点数が考えられる。
【0036】
図3は各地名に帰属する帰属地点数をカウントし、その多寡にしたがって地名のフォントの大きさ、および地名表記意匠である円の大きさを変えて表示した例である。本表示例では、帰属地点数の多い「那須」は大きい円と大きいフォントで、帰属地点数の少ない「西那須野」は小さい円と小さいフォントでそれぞれ表記されている。
【0037】
同様に、各地名に帰属する帰属地点数の多寡を、地名表記意匠の円の描画色(図4では描画パターンの違いで表記)で示した表示例を図4に示す。例えば帰属する地点数が20点以上の場合は暗灰色、12〜19点は少し暗い灰色、6〜11点は明るい灰色、5点以下はさらに明るい灰色、というように、帰属地点数の多寡に応じたランクを幾つか設け、それぞれにあらかじめ描画色を割り当てておく。また円だけでなく、地名のフォントの色を変えるようにしても良い。
【0038】
さらに図5には、地名の近傍に表記した大小の円の数で各地名に帰属する帰属地点数を表現する例を示した。このように地名表記意匠を小さな要素意匠の集合によって表すものとすれば、例えば図5において大きい円1つを帰属地点数5個、小さい円1つを帰属地点数1個とするなど、この要素意匠の数や形によって具体的な帰属地点数を示すこともできる。
【0039】
次に地点群の特徴を表す概要情報として、各帰属地点の存在位置から地点群の概略の分布範囲を分析し、視覚表現する表示例を示す。
【0040】
図6に、図2のステップS107の地点群の特徴分析およびステップS108の地名表記意匠の決定に相当するフローの詳細を示す。
【0041】
ステップS201では、全ての帰属地点の位置座標を求める。例えば「那須」に帰属する帰属地点が9点あったとすれば、各帰属地点の位置座標が例えば図7に星印で示す位置に求められる。この後に、フローはステップS202に移行する。
【0042】
ステップS202では、これら9点の帰属地点の重心Gが求められる。図7には×印で重心Gの位置を示す。この後に、フローはステップS203に移行する。
【0043】
ステップS203では、重心Gから各帰属地点までの距離がそれぞれ算出され、それらの標準偏差(平方和平均の平方根)σが求められる。この後に、フローはステップS204に移行する。
【0044】
ステップS204では、重心Gを中心とし、半径を例えば2σとする円(図7のC)を「那須」を表す地名表記意匠に定める。
【0045】
以上のような方法によって、地名に帰属する帰属地点の概略の分布範囲を簡単な意匠により端的に示すことができる。
【0046】
なお、「那須」の地名を示す文字列を表記する位置座標は、あらかじめ地名データ記憶手段に記憶されている位置座標として構わないが、文字列とシンボル円との対照のし易さという点から、文字列を表記する位置座標を重心Gの位置座標に合わせても良い。
【0047】
また本実施形態では分布範囲を示す意匠として円を用いたが、これに限定するものではない。
【0048】
上述したように、帰属地点の概略の分布範囲が単純な図形の大きさで求められるとすれば、この図形と帰属地点の総数から、各地名に帰属する帰属地点の分布密度を求めることもできる。この場合、図3〜5と同様に、この分布密度の高低に応じて意匠の大きさ、色、要素図形の数を決めるようにしてもよい。さらには例えば図8に示すように、帰属地点の分布範囲を円の位置と大きさで表し、分布密度や帰属地点総数を円の描画色(図8ではパターンで表記)で表すこともできる。
【0049】
以上は地点群の特徴を表すものとして、主に帰属地点数や位置に関する特徴を利用した例であるが、より詳細な情報として、ある地名に対して「どんな種類の」地点が帰属しているか、という情報は、次の訪問先の見当をつける上で重要な手がかりとなる。以下、帰属地点の種類の内訳を分析し、これを簡単な意匠で表した地名表記意匠の例を示す。
【0050】
図9から図11に、帰属地点の種類を分類して表記する地名表記意匠の例を示す。これらの例では、各地点の種類を大きく3種類に、すなわち美術館、動物園、寺社仏閣などの「見る」カテゴリ、遊園地や運動公園などの「遊ぶ」カテゴリ、ショッピングセンターやアウトレットなどの「買う」カテゴリに分類した。この分類については、他に例えば飲食店のような「食べる」、ホテルのような「泊まる」といった分類も考えられる。
【0051】
各地名に帰属する帰属地点のうち、各々の分類に属する帰属地点の数を含めて表記した例を図9に示す。
【0052】
図9においては、帰属地点の3つの分類をそれぞれ異なる描画パターンの小円で示しており、ある分類に属する帰属地点が存在しない場合は当該パターンの小円を描画しない。さらに各分類に属する帰属地点数、およびその地名に帰属する帰属地点の総数をも、各小円および小円を囲む大円の大きさによって表現している。
【0053】
例えば、那須では「見る」「遊ぶ」「買う」に分類される帰属地点がすべて存在するが、白河には「買う」に分類される帰属地点は存在しないことがわかる。また、白河に帰属する帰属地点の総数は、西那須野に帰属する帰属地点の総数より多いことがわかる。
【0054】
図10も同様に、異なる描画パターンで異なる分類に属する帰属地点を表現した例であるが、各分類に属する帰属地点数を小円の大きさではなく、分類ごとの構成比に応じて決定された扇形の中心角の大きさで表している。
【0055】
図11は、図9と同じ情報を、異なる描画パターンではなく異なる形状の意匠で示したものである。識別さえ可能であれば帰属地点の分類を表す意匠は単純な図形であっても構わないが、より直感的に分類を連想できる意匠を使用する方が、短時間での情報可読性が向上する。
【0056】
また3種類の分類全ての情報を提示することによって、かえって表示が複雑になり、情報可読性の低下が考えられる場合は、各地名に対して、帰属地点が最も多い分類の情報についてのみ表記する、ということであっても良い。この場合、それぞれの地名において属する帰属地点が最も多い分類を表すパターン(色)や形が1通りだけ決まることになるので、表示としては図4に準ずる表示となる。この場合、その他の情報は欠落してしまうので、分類の構成比が極端に不均等である地名に限って帰属地点が最も多い分類の情報だけ表記する、としても良い。
【0057】
さらに、提示する情報を欠落させずに表示の煩雑化を回避する方法としては、各分類を表す描画色を、それぞれの分類に属する帰属地点数の構成比にしたがって混合した混合色を用いて、地名表記意匠全体を描画する方法が考えられる。例えば「那須」という地名に対して「見る」帰属地点が5箇所、「遊ぶ」帰属地点が3箇所、「買う」帰属地点が1箇所あった場合、「見る」の描画色を緑、「遊ぶ」を青、「買う」を赤とすると、緑:青:赤=5:3:1の比で混合した、やや青がかった緑色を「那須」を表す円もしくは文字列の描画色として用いる。この表示も、図4に準ずる表示となる。この方法では、各分類に関する情報を詳細に伝えるわけではないが、概要を直感的に伝える機能は十分果たされる。
【0058】
以上説明したような地名表記意匠が表記されるナビゲーション装置500の使用例を簡単に説明する。例えば図9のように、各地名に対してその地名に帰属する帰属地点の数を分類ごとに円の大きさで示すような意匠により地名表記意匠が表示されるナビゲーション地図が表示されているものとする。利用者はこの状況において、例えば那須付近を目指して走っているが、すぐに目的地に向かうのではなく、どこかに立ち寄って時間を過ごせそうな場所がないかを探すために、那須周辺を広く見渡すことのできる縮尺で地図を眺めているものとする。
【0059】
図9で見ると「那須」は最も大きな円で示されており、訪問対象となり得る何かしらの地点が最も多く存在していることを表している。ここで、利用者に「買い物」をしたい、という目的がある場合、「黒磯」には「買う」分類の地点が「那須」よりも多く存在していることがわかる。そこで利用者は、まず黒磯に行って買い物を楽しみ、適当な時間を過ごした後、那須に向かう、といった大まかなドライブ計画を、広域地図を眺めるだけで立案することができる。
【0060】
こうしたラフな計画に従ってドライブする際、「黒磯」を経由地、「那須」を目的地とした経路を設定すれば、経路誘導を受けながら安心して運転することができる。この経路設定の操作を、地名表記に連動した入力インタフェースを利用して簡単に実施することができる。例えば、図12のように地図上に表記された地名「黒磯」にタッチすることで、図13のように「黒磯」を対象にした操作コマンドのサブメニューが開き、その中から例えば「経由地」を選べば図14のように経由地を加えた経路が再設定され、経路誘導が開始される。あるいは入力手段は音声入力でも良く、その場合、地図に表記された地名、図12の例で言えば「那須」「白河」「黒磯」「西那須野」の4地名を音声認識の認識対象語句とするようにすれば、認識語の数を抑えて認識率を高めることができる。
【0061】
また図13のところでサブメニューから「詳細表示−買う」を選べば、図15のように「黒磯」地域を拡大表示し、その中に存在する「買う」分類の帰属地点の分布を示すようにしても良い。
【実施例1】
【0062】
図16に、本発明の実施例1のブロック図を示す。本実施例は、前述した実施形態に対し、地名に帰属する帰属地点の選択方法と地名表記意匠の表記が異なるものである。
【0063】
ナビゲーション装置501は、地名データ記憶手段10と、地点データ記憶手段20と、地名帰属地点選択手段30と、地点群情報保持手段45と、地名表記意匠決定手段50と、地図画面作成手段60と、表示手段70と、道路データ記憶手段80と、を備えている。
【0064】
地名データ記憶手段10、地点データ記憶手段20、地名帰属地点選択手段30、地名表記意匠決定手段50、地図画面作成手段60、表示手段70は前述した実施形態と同等のため、説明は省略する。
【0065】
地点群情報保持手段45は、ある地名の帰属地点として選択された地点に対して、各地点の位置座標と属性をまとめて一時的に記憶する。
【0066】
道路データ記憶手段80は、少なくとも任意の2点を与えたときにその2点間を移動する際の予測所要時間を算出するのに必要な道路ネットワークデータを記憶する。
【0067】
ここで、地名データ記憶手段10、地点データ記憶手段20、道路データ記憶手段80は、DVDなどの記憶媒体とそのドライバであり、地名帰属地点選択手段30、地点群情報保持手段45、地名表記意匠決定手段50、地図画面作成手段60は、CPU、内部メモリ等から成る一体のコンピュータ、またはコンピュータ上に登録された実行形式のプログラムである。また表示手段70は、CRTや液晶モニタなどの画像表示装置である。
【0068】
図17に、本実施例の動作のフローチャートを示す。各ステップの処理は、図2に示した実施形態のフローとほぼ同様であるため、以下、異なる点を中心に説明する。
【0069】
ステップS305では、現在の検討対象となっている地名に対して、そこに行けば比較的容易に到達できる可能性(到達容易性)の高い地点を検索し、これらの地点をこの地名に帰属する地点群とする。この到達容易性を判断する指標として、本実施例では移動所要時間を用いる。一般にナビゲーション装置では、目的地を設定した際に現在位置から目的地までの最短経路とその所要時間を算出する機能を備えている。この最短経路および所要時間は、ネットワーク状に構成されたリンクデータと各リンクに与えられた予測旅行時間に基づき、良く知られたダイクストラ法などのアルゴリズムによって求められる。そこで本実施例でも、このような道路ネットワークデータが道路データ記憶手段80に記憶されているものとし、地名帰属地点選択手段30が最短経路算出アルゴリズムを適用して、現在の対象地名の代表点から各地点に至る最短所要時間を算出する。そして求めた所要時間があらかじめ定めた上限値以下の地点だけを選択して、この地名に帰属する帰属地点とする。なお各地名の位置を表す代表点の位置はあらかじめ設定され、地名データ記憶手段10に記憶されているものとする。
【0070】
ステップS307では、検索された帰属地点に対し、各帰属地点の位置座標とその属性、ここでは各帰属地点の種類を調べ、これを地点群情報として地点群情報保持手段45が保持する。図18は、例として、地名「那須」に帰属する帰属地点として検索された9点の、それぞれの位置と種類を小円の位置とパターンで示している。この後に、フローはステップS308へ移行する。
【0071】
ステップS308では、帰属地点の概略の分布範囲を求める。これは例えば、先に図6で示したフローのS202〜S204の手続きに準じて求めればよい。すなわち、分布する各帰属地点の重心Gを求め、この重心Gから各帰属地点までの距離の偏差に基づき、分布範囲を示す円(以降、分布円と記載)の半径を定める。図18にはこのようにして分布円の例をCとして示した。この後に、フローはステップS309へ移行する。
【0072】
ステップS309では、あらかじめ設定した各帰属地点の微小意匠およびステップS308で求めた分布円を地図上に表示するか否かが判定される。本ステップは、図2のステップS109と同等である。
【0073】
ステップS310では、こうして求めた分布円の内部にある帰属地点についてだけ、その帰属地点の座標位置にその帰属地点の分類を示す色や形の微小意匠、例えば図18に示したものと同等の小円を表記する。表記する微小意匠はあらかじめ設定しておく。ここで分布円の内部の帰属地点だけに表記を限ったのは、地名をその地名に帰属する帰属地点をまとめて参照するための見出しと考えた場合に、あまりに地名の表記位置から離れた帰属地点を表記しても、その帰属地点と地名との対照がしにくいこと、地名表記から離れた帰属地点が多く画面全体に広く分布してしまうと、表示が散漫になって表記地名の見出しとしての効果が損なわれてしまうこと、などを考慮しての処理である。
【0074】
これによって、例えば図18には9点示されていた「那須」の帰属地点のうち、2点は表記対象から外され、最終的な広域地図表示上は図19に示すように「那須」に対して7点のみが表記されている。しかし、全ての地点情報を正確に伝えるということであれば、9点すべての帰属地点を表記しても良い。この後に、フローはステップS311へ移行する。
【0075】
ステップS311では、表記したこれら帰属地点の集合に地名の文字列を付記し、さらに必要ならば先に求めた分布円も表示して、これを地名表記意匠とする。図19に示した例では、地名文字列の表記に加え、分布円の外縁のみを点線で示した。
【実施例2】
【0076】
本実施例は、経路設定がなされた際に、経路周辺の地名について地名表記意匠の表記を行うものである。
【0077】
図20に、本実施例のブロック図を示す。
【0078】
ナビゲーション装置502は、地名データ記憶手段10と、地点データ記憶手段20と、地名帰属地点選択手段30と、地点群概要情報分析決定手段40と、地名表記意匠決定手段50と、地図画面作成手段60と、表示手段70と、道路データ記憶手段80と、経路設定手段90と、経路周辺地名選択手段100と、を備えている。
【0079】
地名データ記憶手段10、地点データ記憶手段20、地名帰属地点選択手段30、地点群概要情報分析決定手段40、地名表記意匠決定手段50、地図画面作成手段60、表示手段70、道路データ記憶手段80は実施例1と同等のため、説明は省略する。
【0080】
経路設定手段90は、道路データ記憶手段80の道路データに基づいて、目的地に至るまでの経路を設定する。
【0081】
経路周辺地名選択手段100は、地図上に表示される地名の中から、経路設定手段90により設定された経路周辺の地名を所定の条件に従い選択する。ここで、所定の条件とは、例えば経路から所定距離以内の地名、という条件である。
【0082】
ここで、地名データ記憶手段10、地点データ記憶手段20、道路データ記憶手段80は、DVDなどの記憶媒体とそのドライバであり、地名帰属地点選択手段30、地点群概要情報分析決定手段40、地名表記意匠決定手段50、地図画面作成手段60、経路設定手段90、経路周辺地名選択手段100は、CPU、内部メモリ等から成る一体のコンピュータ、またはコンピュータ上に登録された実行形式のプログラムである。また表示手段70は、CRTや液晶モニタなどの画像表示装置である。
【0083】
本実施例では、利用者により目的地が設定され、経路設定手段90が現在位置から目的地までの経路を設定する。この経路の設定方法については、実施例1に記載した最短経路の設定を含め様々な方法が存在するが、本発明の趣旨から外れるため、説明は省略する。
【0084】
経路設定手段90により経路が設定された後、経路周辺地名選択手段100により、地名表記意匠を表示する経路周辺の地名が選択される。経路周辺には地名が多数存在する可能性があるため、経路周辺の地名の中から、例えば経路からの距離が所定距離以内にある地名等、あらかじめ定めた条件に合う地名が選択される。
【0085】
これ以外の動作は、実施例1と同等のため、説明は省略する。
【0086】
このように、設定された経路周辺の地名を選択し、地名表記意匠を表示することで、目的地到着までに時間的余裕がある場合、寄り道を行う際の参考情報とすることができる。
【0087】
なお、目的地が設定され、寄り道をせずに目的地まで行く場合は、図17のステップS309で地名表記意匠を表示しないようにしておけば、不要な情報を表示せずに済み、煩わしさを低減することができる。
【実施例3】
【0088】
本実施例は、地図表示の縮尺に応じて、表示する地名を変更し、その地名に対する地名表記意匠を表示するものである。
【0089】
図21に、本実施例のブロック図を示す。本実施例におけるナビゲーション装置503では、図1のブロック図において、地名データ記憶手段10が、地図の縮尺に応じて地名データを階層構造で記憶した地名データ階層構造記憶手段11を有するとともに、地図の縮尺に応じた地名を選択する地名選択手段110をさらに備えており、それ以外の部分は図1のブロック図と同等であるため、説明は省略する。
【0090】
地名選択手段110は、地図の縮尺に応じて、地名データ階層構造記憶手段11から地名を選択する。例えば縮尺の小さな地図の場合は横浜市等の大都市の地名を中心に地名を選択し、地図の縮尺が大きくなるに従い、上大岡、戸塚等の町名の選択を行う。この際、上大岡や戸塚等の町名が選択されていない場合は、それらの地名に対する地名表記意匠の表示は行わず、町名が選択された時点でこれら町名に対応する地名表記意匠の表示が行われる。
【0091】
このように、地図の縮尺に応じて表示される地名が変わった場合に、その地名に対応する地名表記意匠を表示することで、地図の縮尺変化に依らずに地名表記意匠が提示する情報を的確に利用することができる。
【0092】
これまでの記述では、地図表示の際に逐一必要な情報を検索・分析し、その都度、地名表記意匠を決定し描画するという形の実施例で説明した。しかし地名表記意匠を決定する地名として全地名を対象とし、同様のシステムで同様の処理を実行し、最終的に決定した地名表記意匠を表記する処理を地名表記意匠の記憶処理に置き換えれば、全国の地名データに対してその地名表記意匠を自動的に決定する地図データ作成システムとして機能することになる。この場合の効果は、既に述べた表示上の効果に加え、そのような効果的な表記を行うデータを人手によらず非常に大きな規模で作成可能とすることにある。
【0093】
以上説明した本発明の実施の形態のナビゲーション装置によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0094】
本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、地図上に表示する地名と、少なくとも前記地名の位置とを地名データとして記憶する地名データ記憶手段と、訪問対象となり得る地点の名称、位置、施設の種類を含む属性情報を地点データとして記憶する地点データ記憶手段と、前記地名データ記憶手段に記憶された前記地名に関連付けられる前記地点データ記憶手段に記憶された一つ以上の前記地点を前記地名に帰属する帰属地点として前記地点データ記憶手段から選択する地名帰属地点選択手段と、前記帰属地点の集合である地点群の特徴量および属性を含み前記地点群の概要を表す情報を地点群概要情報として分析決定する地点群概要情報分析決定手段と、前記地点群概要情報分析決定手段により分析決定された前記地点群概要情報を視覚的に表現する意匠を選択された前記地名を表記する地名表記意匠として決定する地名表記意匠決定手段と、前記地名表記意匠決定手段により決定された前記地名表記意匠を含む地図画面を作成する地図画面作成手段と、前記地図画面作成手段により作成された前記地図画面を表示する表示手段と、を備えたこととした。
【0095】
この構成によれば、施設の分類や施設の数等の詳細情報を分かりやすく表示するので、利用者は広い範囲の地図を概観することで自車の現在位置を把握しながら、その地域に関連する詳細情報を目的地を決定する際の参考情報として容易に把握することができる。
【0096】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点数を計数し、前記地名表記意匠決定手段は、前記帰属地点数に基づいて前記地名表記意匠の大きさ、描画色、構成要素数の少なくとも一つを決定することとした。
【0097】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名表記意匠決定手段は、前記帰属地点数に基づいて前記地名表記意匠の描画色を決定することとした。
【0098】
この構成によれば、各地名に関連する訪問対象となり得る地点の数を一瞥して把握することができ、少なくとも「訪問対象となり得る地点がある」という基準での迅速な判断が可能となる。
【0099】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の位置から前記地点群の分布範囲を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記分布範囲に基づいて前記地名表記意匠の表記位置、大きさの少なくとも一方を決定することとした。
【0100】
この構成によれば、 広域地図情報を概観しながら同時に訪問対象となり得る地点の分布範囲も概略把握することができ、実際にある地名で示される方面に向かおうとする際に、候補地点の訪問まで考慮に入れたアプローチ方法を検討する上で有効である。
【0101】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点数の計数と前記地点群に含まれる前記帰属地点の位置から前記地点群の分布範囲の決定を行い、前記帰属地点数および前記分布範囲とに基づいて前記地点群における前記帰属地点の分布密度を算出し、前記地名表記意匠決定手段は、前記分布密度に基づいて前記地名表記意匠の大きさ、描画色、構成要素数の少なくとも一つを決定することとした。
【0102】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名表記意匠決定手段は、前記分布密度に基づいて前記地名表記意匠の描画色を決定することとした。
【0103】
この構成によれば、訪問候補地点の分布密度を一瞥して把握することができ、訪問対象となり得る地点数を示す場合と同様に「訪問対象となり得る地点がある」という基準の迅速な判断が可能となる。
【0104】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の種類の内訳を分析決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記種類の内訳に基づいて、前記種類ごとに描画色または形状の少なくとも一方が異なる要素意匠を組み合わせて前記地名表記意匠を構成し決定することとした。
【0105】
この構成によれば、各地名に関連する訪問候補地点の種類を一瞥して把握することができ、「ここに向かえばこのような場所がある」という基準での迅速な判断が可能となる。
【0106】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の前記種類の内訳を分析し最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類に基づいて、前記地名表記意匠の描画色、形状の少なくとも一方を決定することとした。
【0107】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名表記意匠決定手段は、最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類に基づいて、前記地名表記意匠の描画色を決定することとした。
【0108】
この構成によれば、各地名を最も特徴づける情報だけに絞り込むことで、表示を簡素化し、情報可読性を向上することができる。
【0109】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の前記種類の内訳を分析し、前記地点群に含まれる前記帰属地点の総数に対する前記種類ごとの前記帰属地点数の構成比を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記地名表記意匠の描画色を、前記種類を表す描画色を前記構成比に基づいて混合した混合色として決定することとした。
【0110】
この構成によれば、帰属地点の種類に関する情報を欠落することなく、表示を簡素化して情報可読性を向上することができる。
【0111】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、地図上に表示する地名と、少なくとも前記地名の位置とを地名データとして記憶する地名データ記憶手段と、訪問対象となり得る地点の名称、位置、施設の種類を含む属性情報を地点データとして記憶する地点データ記憶手段と、前記地名データ記憶手段に記憶された前記地名に関連付けられる前記地点データ記憶手段に記憶された一つ以上の前記地点を前記地名に帰属する帰属地点として前記地点データ記憶手段から選択する地名帰属地点選択手段と、前記地名に帰属する前記帰属地点の位置と属性情報を一時的に記憶する帰属地点情報保持手段と、前記帰属地点の集合である地点群に対して、前記地点群に属する前記帰属地点の前記属性情報に基づいて定めた描画色または形状の微小意匠を前記帰属地点の前記位置近傍に配置し、前記地点群に属する前記帰属地点に対する前記微小意匠の集合を前記地点群が帰属する前記地名を表記する地名表記意匠として決定する地名表記意匠決定手段と、前記地名表記意匠決定手段により決定された前記地名表記意匠を含む地図画面を作成する地図画面作成手段と、前記地図画面作成手段により作成された前記地図画面を表示する表示手段と、を備えたこととした。
【0112】
この構成によれば、広域地理を把握しながら同時に個々の訪問候補地点の情報もある程度読み取ることができ、走りながら訪問先を検討するような状況において有効な情報を同時に提示できる。
【0113】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、行き先の経路を地図上に設定する経路設定手段と、前記経路設定手段により設定された前記経路周辺に位置する前記地名を選択する経路周辺地名選択手段と、をさらに備え、前記地名表記意匠決定手段は、前記経路周辺地名選択手段により選択された前記地名を含む前記地名の前記地名表記意匠を決定することとした。
【0114】
この構成によれば、設定経路から所定距離内の地名に関連する施設情報を提示することで、目的地到着まで時間的余裕があるときに、寄り道を行う際の参考情報とすることができる。
【0115】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名データ記憶手段は、地図の縮尺に対応して地名データを階層構造で記憶した地名データ階層記憶手段を有し、前記地図の縮尺に応じて前記地名を選択する地名選択手段をさらに備えることとした。
【0116】
この構成によれば、地図の縮尺の変更に伴って地名に関連する施設情報を切り換えて表示することにより、より的確に施設情報を把握することができる。
【0117】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名帰属地点選択手段は、前記地名に対して所定距離内に存在する前記地点を前記地名に帰属する前記帰属地点として選択することとした。
【0118】
この構成によれば、ある地名の帰属地点を単純なロジックで選択することができ、この部分の手続きの処理速度をいたずらに低下させることがない。
【0119】
また、本発明の実施の形態のナビゲーション装置においては、前記地名帰属地点選択手段は、前記地名に対してあらかじめ定めた前記地名の代表位置より所定時間以内に到達できる地点を前記地名に帰属する前記帰属地点として選択することとした。
【0120】
この構成によれば、最終的にどこかの地点を訪問するための行き先の指標として地名を参照するという目的に照らした場合、地名の表す方面に向かえばその帰属地点に容易に到達できるという到達容易性を保障することができ、訪問候補地点検討のための見出し語としての役割を徹底できる。
【0121】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、実施例は本発明の例示にしか過ぎず、本発明は実施例の構成にのみ限定されるものではない。したがって本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれることはもちろんである。
【0122】
例えば、地名表記意匠の形状、色、パターンは、本実施例に記載のものに限定されるものではなく、任意の形状、色、パターンを用いることができる。
【0123】
また、地名の表記位置と地名表記意匠の表記位置は、本実施例に記載のものに限定されるものではなく、任意の位置に表記することができる。
【0124】
また、各実施例におけるブロック図は一例であり、同等の動作を行うものであれればこれらのブロック図に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における処理のフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態において、訪問候補地点の数を端的に示す広域地図の表示例である。
【図4】本発明の実施形態において、訪問候補地点の数を端的に示す広域地図の他の表示例である。
【図5】本発明の実施形態において、訪問候補地点の数を端的に示す広域地図の他の表示例である。
【図6】本発明の実施形態において、訪問候補地点の分布範囲を求める処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態において、訪問候補地点の分布範囲を求める処理の説明図である。
【図8】本発明の実施形態において、訪問候補地点に関する複数の情報を同時に示す広域地図の表示例である。
【図9】本発明の実施形態において、訪問候補地点の種類の内訳を端的に示す広域地図の表示例である。
【図10】本発明の実施形態において、訪問候補地点の種類の内訳を端的に示す広域地図の他の表示例である。
【図11】本発明の実施形態において、訪問候補地点の種類の内訳を端的に示す広域地図の他の表示例である。
【図12】本発明の実施形態において、広域地図から経由地を選択する場合の説明図である。
【図13】本発明の実施形態において、地名を選択した場合の画面変化の表示例である。
【図14】本発明の実施形態において、経由地が選択された場合に新たな経路設定がなされた場合の表示例である。
【図15】本発明の実施形態において、詳細情報の表示例である。
【図16】本発明の実施例1のブロック図である。
【図17】本発明の実施例1における処理のフローチャートである。
【図18】本発明の実施例1において、一群の訪問候補地点の存在位置と分類の表示例である。
【図19】本発明の実施例1において、訪問候補地点の個々の存在位置と分類を地名表記とともに示す広域地図の表示例である。
【図20】本発明の実施例2のブロック図である。
【図21】本発明の実施例3のブロック図である。
【図22】地点情報を考慮しない従来技術における広域地図の表示例である。
【符号の説明】
【0126】
10 地名データ記憶手段
11 地名データ階層構造記憶手段
20 地点データ記憶手段
30 地名帰属地点選択手段
40 地点群概要情報分析決定手段
45 地点群情報保持手段
50 地名表記意匠決定手段
60 地図画面作成手段
70 表示手段
80 道路データ記憶手段
90 経路設定手段
100 経路周辺地名選択手段
110 地名選択手段
500 501 502 503 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に表示する地名と、少なくとも前記地名の位置とを地名データとして記憶する地名データ記憶手段と、
訪問対象となり得る地点の名称、位置、施設の種類を含む属性情報を地点データとして記憶する地点データ記憶手段と、
前記地名データ記憶手段に記憶された前記地名に関連付けられる前記地点データ記憶手段に記憶された一つ以上の前記地点を前記地名に帰属する帰属地点として前記地点データ記憶手段から選択する地名帰属地点選択手段と、
前記帰属地点の集合である地点群の特徴量および属性を含み前記地点群の概要を表す情報を地点群概要情報として分析決定する地点群概要情報分析決定手段と、
前記地点群概要情報分析決定手段により分析決定された前記地点群概要情報を視覚的に表現する意匠を選択された前記地名を表記する地名表記意匠として決定する地名表記意匠決定手段と、
前記地名表記意匠決定手段により決定された前記地名表記意匠を含む地図画面を作成する地図画面作成手段と、
前記地図画面作成手段により作成された前記地図画面を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点数を計数し、前記地名表記意匠決定手段は、前記帰属地点数に基づいて前記地名表記意匠の大きさ、描画色、構成要素数の少なくとも一つを決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地名表記意匠決定手段は、前記帰属地点数に基づいて前記地名表記意匠の描画色を決定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の位置から前記地点群の分布範囲を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記分布範囲に基づいて前記地名表記意匠の表記位置、大きさの少なくとも一方を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点数の計数と前記地点群に含まれる前記帰属地点の位置から前記地点群の分布範囲の決定を行い、前記帰属地点数および前記分布範囲とに基づいて前記地点群における前記帰属地点の分布密度を算出し、前記地名表記意匠決定手段は、前記分布密度に基づいて前記地名表記意匠の大きさ、描画色、構成要素数の少なくとも一つを決定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記地名表記意匠決定手段は、前記分布密度に基づいて前記地名表記意匠の描画色を決定することを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の種類の内訳を分析決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記種類の内訳に基づいて、前記種類ごとに描画色または形状の少なくとも一方が異なる要素意匠を組み合わせて前記地名表記意匠を構成し決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の前記種類の内訳を分析し最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類に基づいて、前記地名表記意匠の描画色、形状の少なくとも一方を決定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記地名表記意匠決定手段は、最も多くの前記帰属地点に相当する前記種類に基づいて、前記地名表記意匠の描画色を決定することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記地点群概要情報分析手段は、前記地点群に含まれる前記帰属地点の前記種類の内訳を分析し、前記地点群に含まれる前記帰属地点の総数に対する前記種類ごとの前記帰属地点数の構成比を決定し、前記地名表記意匠決定手段は、前記地名表記意匠の描画色を、前記種類を表す描画色を前記構成比に基づいて混合した混合色として決定することを特徴とする請求項3、6、9のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
地図上に表示する地名と、少なくとも前記地名の位置とを地名データとして記憶する地名データ記憶手段と、
訪問対象となり得る地点の名称、位置、施設の種類を含む属性情報を地点データとして記憶する地点データ記憶手段と、
前記地名データ記憶手段に記憶された前記地名に関連付けられる前記地点データ記憶手段に記憶された一つ以上の前記地点を前記地名に帰属する帰属地点として前記地点データ記憶手段から選択する地名帰属地点選択手段と、
前記地名に帰属する前記帰属地点の位置と属性情報を一時的に記憶する帰属地点情報保持手段と、
前記帰属地点の集合である地点群に対して、前記地点群に属する前記帰属地点の前記属性情報に基づいて定めた描画色または形状の微小意匠を前記帰属地点の前記位置近傍に配置し、前記地点群に属する前記帰属地点に対する前記微小意匠の集合を前記地点群が帰属する前記地名を表記する地名表記意匠として決定する地名表記意匠決定手段と、
前記地名表記意匠決定手段により決定された前記地名表記意匠を含む地図画面を作成する地図画面作成手段と、
前記地図画面作成手段により作成された前記地図画面を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
行き先の経路を地図上に設定する経路設定手段と、
前記経路設定手段により設定された前記経路周辺に位置する前記地名を選択する経路周辺地名選択手段と、をさらに備え、
前記地名表記意匠決定手段は、前記経路周辺地名選択手段により選択された前記地名を含む前記地名の前記地名表記意匠を決定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記地名データ記憶手段は、地図の縮尺に対応して地名データを階層構造で記憶した地名データ階層記憶手段を有し、前記地図の縮尺に応じて前記地名を選択する地名選択手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記地名帰属地点選択手段は、前記地名に対して所定距離内に存在する前記地点を前記地名に帰属する前記帰属地点として選択することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記地名帰属地点選択手段は、前記地名に対してあらかじめ定めた前記地名の代表位置より所定時間以内に到達できる地点を前記地名に帰属する前記帰属地点として選択することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2008−145227(P2008−145227A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−331795(P2006−331795)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】