説明

ナビゲーション装置

【課題】車の走行中に利用者に操作キーの位置を認識させることができ、地図の表示が利用者にとって予期しないものにならないナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】CPUは、車が走行中であると判定し(S01)、表示装置の画面上に配置されたタッチパネルのなぞりを検出したとき(S04)、表示されている地図のスクロールを禁止し(S08)、なぞり中で、かつタッチパネルの接触位置が操作キーの上にあればタッチパネルを振動させる(S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置とタッチパネルとを備えるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチパネルを備えるナビゲーション装置としては、表示装置の画面に地図を表示し、タッチパネルにより接触が検出され、検出された地図上の位置が画面の中心となるように地図をスクロールさせるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平7−210137号公報(第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーション装置は、車の走行中でも地図をスクロールさせるものであった。このため、従来のナビゲーション装置には、車の走行中に運転者が画面に表示された操作キーを探すとき、運転者は画面を目視できないため操作キーの位置が分からず、地図に接触してしまうことがあり、地図の表示が利用者にとって予期しないものになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、車の走行中に利用者に操作キーの位置を認識させることができ、地図の表示が利用者にとって予期しないものにならないナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、地図および操作キーを表示する表示装置と、前記表示装置上に備えられ接触位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルに振動を与える振動発生手段と、前記タッチパネルがなぞられたとき、前記表示装置に表示されている地図のスクロールを禁止するスクロール禁止手段と、前記タッチパネルがなぞられており、かつ前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にあれば、前記タッチパネルに振動を与えるように前記振動発生手段を制御する振動制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明は、車の走行中に利用者がキー操作を行うとき、振動により利用者に操作キーの位置を認識させることができ、なぞりにより地図のスクロールを禁止することで地図の表示が利用者にとって予期しないものにならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置のブロック図である。ナビゲーション装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、プログラムRAM(Random Access Memory)103、記憶装置104、表示装置109、描画コントローラ110、描画RAM111、ボタン群112、タッチパネル113、振動発生装置114、スピーカ116およびDAコンバータ117によって構成されている。また、ナビゲーション装置100はGPS機器105、VICS(登録商標)機器106、速度センサ107およびパーキングブレーキ108と接続されている。
【0010】
CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムをプログラムRAM103に読み込み、実行することによって、ナビゲーション装置100の動作を実行する等、各部を制御する。また、記憶装置104は、例えば、ハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)に情報を記憶する装置であって、地図情報などを記憶している。
【0011】
GPS機器105は、GPS(Global Positioning System)を用いて緯度および経度などの位置情報を取得し、VICS機器106は、VICS(Vehicle Information and Communication System)を用いて交通情報を取得する。
【0012】
速度センサ107は、車の走行速度を検知し、検知した走行速度をCPU101に通知する。パーキングブレーキ108は、機械的に車の駆動輪を固定し、駆動輪を固定しているか否かをCPU101に通知する。
【0013】
表示装置109は、液晶ディスプレイ等で構成され、画面を備える。描画RAM111は表示装置109の画面に表示される描画データを蓄積し、描画コントローラ110は描画RAM111に蓄積された描画データを読み出し、画面に表示させる。
【0014】
ボタン群112は利用者により操作されるものであり、メニューの切り替えや音量の調整などの機能が割当てられる。タッチパネル113は、表示装置109に備えられた画面の表面に配置され、タッチ操作がされたか否かの検出、および利用者がタッチ操作したときの接触位置の検出を行う。ここで「タッチ操作」とは、利用者が指等でタッチパネル113の任意の位置に接触する動作をいう。また、「接触位置」とは、利用者が指などで接触するタッチパネル113上の位置をいう。また、振動発生装置114は、CPU101により制御され、タッチパネル113の全体を振動させる。
【0015】
DAコンバータ117は、CPU101により処理された音響信号をデジタルからアナログの信号に変換してスピーカ116に出力する。スピーカ116は入力された信号に従って音を出力する。
【0016】
次に、図2を用いて表示装置109について説明する。
【0017】
表示装置109は画面22を備える。また、ボタン群112は表示装置109の画面22以外の部分に設置される。図2に示すように、画面22には地図および所定の機能を実行させるための操作キー20a〜20dが表示される。
【0018】
利用者が操作キー20a〜20dをタッチすると、タッチパネル113は接触位置をCPU101に通知する。CPU101は、接触位置が操作キー20a〜20dの何れの上にあるかを特定し、特定した操作キーに対応した機能を実行する。
【0019】
操作キー20a〜20dへ割当てられる機能は、案内を停止あるいは再開させたり、迂回経路を案内させる機能など、車の走行中に運転者が操作してもよい機能が好ましい。
【0020】
また、利用者が、操作キー20a〜20d上ではない地図上の位置(たとえば、地図上の位置21)にタッチすれば、CPU101は接触位置のある地図上の位置が画面22の中心となるように地図をスクロールさせる。
【0021】
以上のように構成されたナビゲーション装置100の詳細な動作について図3〜図7を用いて説明する。
【0022】
図3は、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置100の動作の一例を表したフローチャートである。まず、CPU101は車が走行中か否かを判定する(S01)。CPU101は、速度センサ107が検知した車の走行速度が0であるとき車が停止中であると判定し、車の走行速度が0でないとき車が走行中であると判定する。
【0023】
CPU101は、ステップS01においてNOと判断した場合、通常の動作を行う(S02)。ここで、「通常の動作」とは、接触位置が操作キー20a〜20d上にある場合にはそれぞれの操作キーに対応した機能を実行する動作を行い、接触位置が地図上にある場合には、接触位置が画面の中心となるように地図をスクロールする動作などを行うことをいう。
【0024】
ステップS01においてYESと判断した場合、CPU101は、タッチ操作がされたか否かを判定する(S03)。ステップS03においてNOと判断した場合、CPU101は処理を終了する。
【0025】
ステップS03においてYESと判断した場合、CPU101は、なぞりか否かを判定する(S04)。ここで「なぞり」とは、利用者の指等がタッチパネル113に最初に接触した接触位置を開始点とし、利用者の指等が開始点から接触したまま接触位置を移動する動作をいう。
【0026】
図4はなぞりを説明する図である。なぞりは、軌跡23aのように直線であっても、軌跡23bのように曲線であってもよい。
【0027】
ステップS04においてなぞりか否かを判定する動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
CPU101は、タッチ操作開始時の接触位置の座標を取得して記憶し、かつタッチを検知した時点から計時を開始する(S041)。ステップS041の次に、CPU101は、計時中の時間が所定時間T1を経過したか否かを判定する(S042)。ステップS042においてNOと判断した場合、CPU101は処理をステップS042に戻す。ステップS042においてYESと判断した場合、CPU101は、所定時間T1を経過したときの接触位置の座標が記憶されたタッチ操作開始時の接触位置の座標と比較して変化したか否かを判定する(S043)。
【0029】
ステップS043においてNOと判断した場合、CPU101は、接触位置が操作キー20a〜20d上にあるか否かを判定する(S05)。ステップS05においてYESと判断した場合、CPU101は、接触位置のある操作キー対応した機能を実行する(S06)。また、ステップS05においてNOと判断した場合、CPU101は、接触位置のある地図上の位置が画面の中心となるように地図をスクロールさせる(S07)。
【0030】
なお、CPU101は、ステップS042において所定時間T1を計時している間に、タッチ操作が終了された場合、処理を終了させることができる。
【0031】
なお、CPU101は、所定時間T1を任意に設定できる。所定時間T1は1000ms(ミリ秒)程度が好ましい。また、ステップS043において、タッチ操作開始時の接触位置の座標と、所定時間T1の経過後の接触位置の座標との距離が一定の許容量以内、例えば10mm程度であれば、CPU101は、接触位置の座標が変化していないと判定するようにしてもよい。このように判定する理由は、利用者が接触位置を動かしていないと認識していても10mm程度の接触位置の移動が生じる場合があり、CPU101がこの移動をなぞりと判定しないようにするためである。
【0032】
ステップS043においてYESと判断した場合、CPU101は、なぞりであると判定し地図のスクロールを禁止するように制御する(S08)。
【0033】
ステップS08の次に、CPU101は、タッチパネル113を振動させるように振動発生装置114を制御する(S09)。このステップS09について図6(A)、(B)を参照して詳細に説明する。
【0034】
ステップS09において、CPU101は、まず、振動パターンM1の振動を発生させる(S091)。振動パターンM1は、図6(B)に示すように800ms周期で20msの振動発生と780msの振動停止とを繰り返すパターンである。振動パターンM1の振動により、利用者は表示されている地図のスクロールが禁止されていることを認識できる。
【0035】
ステップS091の次に、CPU101は、ステップS091で振動を発生させた時点における接触位置の座標を取得して記憶し、かつ振動を発生させた時点から計時を開始する(S092)。
【0036】
ステップS092の次に、CPU101は、計時した時間が所定時間T2を経過したときにおける接触位置の座標が、記憶した接触位置の座標と比較して変化したか否かを判定する(S093)。CPU101は、ステップS093においてYESと判断した場合、処理をステップS091へ戻し、ステップS093においてNOと判断した場合、処理をステップS10へ進める。ステップS093により、CPU101はなぞりが継続しているか否かを判定することができる。
【0037】
なお、CPU101は、ステップS091において振動パターンM1に替えて音で利用者に通知することもできる。しかし、利用者が音楽を聴いている場合には振動により利用者に通知する方が音楽の妨げにならないため好ましい。
【0038】
なお、CPU101は、振動パターンの周期、振動発生の時間および振動停止の時間を任意に設定できる。また、CPU101は所定時間T2を任意に設定できる。所定時間T2は100ms程度が好ましい。
【0039】
また、ステップS093において、接触位置の座標が変化した距離が一定の許容量以内、例えば10mm程度以内であれば、CPU101は、接触位置の座標が変化していないと判定するようにしてもよい。
【0040】
なお、ステップS093において所定時間T2を計時している間に利用者がタッチ操作を終了した場合、CPU101は処理を終了させることができる。
【0041】
ステップS093においてNOと判断した場合、なぞりが停止したと判定し、CPU101は接触位置の座標が操作キー20a〜20d上にあるか否かを判定する(S10)。ステップS10においてNOと判断した場合、CPU101は処理をステップS09に戻す。
【0042】
ステップS10においてYESと判断した場合、CPU101は、操作キー20a〜20dごとに異なる振動パターンでタッチパネル113を振動させるように、振動発生装置114を制御する(S11)。CPU101は、ステップS09における振動をステップS11における振動とは異なるパターンとなるように制御する。
【0043】
図7は操作キーに対応した振動パターンを説明する図である。例えば図7に示すように、それぞれの振動パターンは一定時間1500msを1周期としている。CPU101は、100msの振動発生と150msの振動停止とを振動の1単位として、この振動の1単位を所定回数発生させるように振動発生装置114を制御する。
【0044】
振動パターンF1は1周期の間に振動の1単位を1回発生、振動パターンF2は1周期の間に振動の1単位を2回発生、振動パターンF3は1周期の間に振動の1単位を3回発生、振動パターンF4は1周期の間に振動の1単位を4回発生させるパターンである。一定時間1500ms経過後は、1500ms周期で同じ振動パターンを繰り返す。例えば、振動パターンF1〜F4は操作キー20a〜20dにそれぞれ割当てられる。これにより、利用者は接触位置が操作キー20a〜20dのいずれの上にあるかを区別して認識することができる。
【0045】
なお、振動パターンF1〜F4については、図7で示した振動パターンとは異なるパターンであってもよい。例えば、1周期の間に振動の1単位を3回発生させる場合、CPU101は振動パターンF3のように、振動の1単位を連続して発生させるように制御しても、振動パターンF5のように一定時間を空けて振動の1単位を発生させるように制御してもよい。
【0046】
なお、振動パターンの操作キーへの割当ては、利用者が設定できるようにしてもよい。これにより、利用者は自ら認識しやすい振動パターンを操作キーに割当てることができる。
【0047】
なお、CPU101は、ステップS11の次に、接触位置が操作キー20a〜20d上でなくなった場合でかつなぞりが再開したときは処理をステップS09に戻すことができる。
【0048】
ステップS11の次に、CPU101は、リタッチ操作が行われたか否かを判断する(S12)。ここでリタッチ操作とは、例えば、利用者が指などでタッチ操作したとき、一度タッチパネルから指などを離しその後再度タッチパネルに触る操作である。リタッチ操作がされたか否かは、CPU101で判断される。CPU101は、操作キー20a〜20d上で接触されたことを検出した後、接触されていないことを検出し、その後、操作キー20a〜20d上で再度接触されたことを検出したときにリタッチ操作がされたと判断する。操作キー20a〜20d上のいずれかの位置でリタッチ操作が行われたとき、CPU101は、当該操作キーに対応した機能を実行するとともに振動を停止させるように制御する(S13)。これにより、利用者は、なぞりと異なる操作で意図するときに機能を実行させることができる。
【0049】
なお、CPU101は、ステップS10においてNOと判断した場合、処理をステップS09に戻すと記載したが、CPU101は、ステップS09に戻さず振動を停止するように制御し、その後なぞりが再開したら処理をステップS09に戻し、なぞりが再開しなければ処理を終了させることができる。
【0050】
なお、CPU101は、ステップS12においてタッチパネルが接触されていないことを検出した時間が所定の時間(例えば500ms)を超えた場合、リタッチ操作ではないと判断し処理を終了させることができる。
【0051】
なお、CPU101は処理を終了させたあと、地図のスクロールの禁止を解除してスクロールできるようにし、処理をステップS01に戻すことができる。
【0052】
なお、振動発生装置114は、タッチパネル113の全体を振動させる際、振動の強弱を調整できるようにしてもよい。CPU101は、振動の周期、振動発生の時間および振動停止の時間だけでなく、振動の強弱を制御し振動パターンを発生させることができる。
【0053】
なお、振動発生装置114は接触位置を振動させてもよく、接触位置およびその近傍を振動させてもよい。また、CPU101はROM102およびプログラムRAM103を備えた1つの集積回路であってもよい。
【0054】
以上説明したように、ナビゲーション装置100は、車の走行中になぞりを検出したとき、地図のスクロールを禁止し、なぞり中で、かつ接触位置が操作キー上にあれば操作キーに対応する振動を発生させる。この機能により、ナビゲーション装置100は車の走行中に利用者がキー操作を行うとき、利用者に操作キーの位置を認識させることができ、地図の表示が利用者にとって予期しないものにならない。
【0055】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図8〜図11を用いて説明する。
【0056】
第1の実施の形態では、CPU101はステップS09において振動パターンM1でタッチパネル113を振動させるように制御するとしたが、CPU101は振動パターンM1に替えて、振動パターンが接触位置に応じて変化するように制御してもよい。
【0057】
接触位置に応じて変化する振動パターンについて図8(A)を用いて説明する。図8(A)は複数の操作キーが画面22の1つの辺の近傍に配置されているときの図である。
【0058】
タッチパネル113は、複数の小領域に区分される。例えば、図8(A)では、タッチパネル113は境界線の上下で領域Aと領域Bに区分される。操作キー20a〜20dは領域Aに含まれている。なお、図示した境界線は領域を説明するための線であり実際に画面には表示されない。
【0059】
次に、CPU101は、区分された領域のいずれに接触位置があるかを判断する。接触位置が領域Aの操作キー上でない位置にあるとき、CPU101は図8(B)に示す振動パターンM3でタッチパネル113が振動するように振動発生装置114を制御する。接触位置が領域Bにある場合、CPU101は図8(B)に示す振動パターンM2でタッチパネル113が振動するように振動発生装置114を制御する。
【0060】
振動パターンM2における振動発生の周期は400msであり、振動パターンM3における振動発生の周期は200msである。いずれの振動パターンも振動が発生する時間は20msである。振動パターンM2とM3との違いは振動発生の周期であり、振動パターンM2の周期は振動パターンM3の周期よりも長い。
【0061】
接触位置が、操作キーがない領域Bから操作キーがある領域Aへ移動すると、振動パターンが振動パターンM2から、振動パターンM2より周期の短い振動パターンM3へ変化する。これにより、利用者は接触位置が操作キーのある領域に移動したことを振動パターンの周期の変化で認識できる。
【0062】
次に、図9を用いて、複数の操作キーが画面22の2つの辺の近傍にそれぞれ配置される場合について説明する。
【0063】
図9に示すように、操作キー20aおよび20bは画面22の左辺近傍に、操作キー20cおよび20dは画面22の右辺近傍に配置される。タッチパネル113は右辺および左辺のいずれとも平行な4本の境界線で5つの領域に区分され、この5つの領域は領域A、B、Cの3種類の領域にさらに分類される。操作20a〜20dを含む領域は領域Aに分類される。領域Aに隣接する領域は領域Bに分類され、領域Bに隣接し領域Aに対し反対側の領域は領域Cに分類される。
【0064】
例えば、CPU101は、接触位置が領域Aで、かつ操作キー20a〜20d上でない場合は振動の周期を100msに、接触位置が領域Bにある場合は振動の周期を200msに、接触位置が領域Cにある場合は振動の周期を300msになるよう振動発生装置114を制御する。
【0065】
以上のように、操作キー20a〜20dが画面22の対向する2つの辺の近傍にそれぞれ配置されている場合、タッチパネル113は、偶数本Nの対向する2つの辺のそれぞれに平行な境界線で、奇数個(N+1)の領域に区分され、区分された領域を[(N/2)+1]種類に分類され、CPU101は前記分類された種類ごとに振動を発生させるように振動発生装置114を制御する。振動の周期は操作キーを含む領域を最も短くし、操作キーを含む領域からの距離が遠ざかる順に長い周期となるように制御される。この構成により、利用者は振動パターンの周期が短くなると、操作キー20a〜20dを含む領域に近づいていると認識することができる。
【0066】
次に、図10を用いて操作キーが1つの場合について説明する。
【0067】
タッチパネル113は、図10に示すように、1つの操作キー20aからの距離に応じて領域A〜領域Fに区分される。例えば、操作キー20aを含む領域を領域Aとする。CPU101は、接触位置が存在する領域に対応した振動パターンでタッチパネル113を振動させるように振動発生装置114を制御する。CPU101は、領域Aから領域Fにかけて次第に振動の周期が長くなっていくように振動パターンを割当てるように制御することが好ましい。これにより、利用者は振動パターンの周期のが短くなると、操作キー20aを含む領域に近づいていると認識することができる。
【0068】
また、操作キーが1つの場合、CPU101は操作キーから接触位置までの距離に応じて振動を変化させることもできる。この構成について図11を用いて説明する。位置25a〜25dはタッチパネル113上の接触位置であり、一点鎖線24a〜24cは操作キー20aを中心とする円である。なお、位置25a〜25d、一点鎖線24a〜24cのいずれも説明のために用いるものであり、画面22に表示されるものではない。位置25a〜25dの中で、位置25dが操作キー20aから最も距離が遠く、位置25aが操作キー20aから最も近くなっている。位置25bおよび25cは操作キー20aから等しい距離にある。
【0069】
接触位置が位置25aにある場合、CPU101は接触位置が位置25bにあるときより短い周期で振動するように制御する。また、接触位置が位置25bにある場合、CPU101は接触位置が位置25dにあるときより短い周期で振動するように制御する。振動の周期は操作キー20aから接触位置までの距離に比例して制御される。操作キー20aから等しい距離にある位置25bおよび25cにおける振動は等しい周期となる。
【0070】
以上のように、操作キーが1つのとき、操作キーから接触位置までの距離に比例した振動の周期とすることで、利用者は振動パターンの周期が短くなると接触位置が操作キーに近づいていると認識することができる。
【0071】
図10のように振動を領域ごとに変えると、接触位置が同じ領域内にあるときは同じ周期で振動するため、操作キーに近づいているか否かを認識できない。しかし、図11のように距離に比例して振動の周期を制御することで、利用者は接触位置が操作キーに近づいていることを詳細に認識できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上のように本発明は、車の走行中に利用者がキー操作を行うとき、振利用者に操作キーの位置を認識させることができ、地図の表示が利用者にとって予期しないものにならないという効果を有するナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における表示装置および画面を表す図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作説明のためのフローチャート
【図4】本発明の第1の実施の形態における画面のなぞりを説明するための図
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるなぞりを判定する処理を説明するためのフローチャート
【図6】図3のステップS09の処理の詳細を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態における振動パターンについて説明するための図
【図8】本発明の第2の実施の形態における領域に対応した振動パターンの変化について説明するための図
【図9】本発明の第2の実施の形態における領域に対応した振動パターンの変化について説明するための図
【図10】本発明の第2の実施の形態における領域に対応した振動パターンの変化について説明するための図
【図11】本発明の第2の実施の形態における距離に対応した振動パターンの変化について説明するための図
【符号の説明】
【0074】
20a〜20d 操作キー
22 画面
100 ナビゲーション装置
101 CPU
102 ROM
103 プログラムRAM
104 記憶装置
105 GPS機器
106 VICS機器
107 速度センサ
108 パーキングブレーキ
109 表示装置
110 描画コントローラ
111 描画RAM
112 ボタン群
113 タッチパネル
114 振動発生装置
116 スピーカ
117 DAコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図および操作キーを表示する表示装置と、前記表示装置上に備えられ接触位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルに振動を与える振動発生手段と、前記タッチパネルがなぞられたとき、前記表示装置に表示されている地図のスクロールを禁止するスクロール禁止手段と、前記タッチパネルがなぞられており、かつ前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にあれば、前記タッチパネルに振動を与えるように前記振動発生手段を制御する振動制御手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記振動制御手段は、前記表示装置に表示されている操作キーが複数あるとき、前記複数の操作キーごとに異なる振動を前記タッチパネルに与えるように前記振動発生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記振動制御手段は、前記タッチパネルがなぞられており、かつ前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にないとき、前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にあるときとは異なる振動を前記タッチパネルに与えるように前記振動発生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記表示装置に表示されている操作キーの上にない前記タッチパネル上の領域が複数の小領域に予め区分され、前記振動制御手段は、前記複数の小領域ごとに異なる振動を前記タッチパネルに与えるように前記振動発生手段を制御することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記振動制御手段は、前記タッチパネルがなぞられており、かつ前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にないとき、前記タッチパネルにより検出された接触位置と前記表示装置に表示されている操作キーとの間の距離に応じた振動を前記タッチパネルに与えるように前記振動発生手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記タッチパネルは接触されたか否かをさらに検出し、前記タッチパネルが、前記表示装置に表示されている操作キーの上で接触されたことを検出した後、接触されていないことを検出し、その後、前記表示装置に表示されている操作キーの上で再度接触されたことを検出したとき、前記表示装置に表示されている操作キーに対応する機能を実行することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
地図および操作キーを表示する表示装置と、前記表示装置上に備えられ接触位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルに振動を与える振動発生手段とを備えた車載用ナビゲーション装置に用いられる集積回路において、前記集積回路は、前記タッチパネルがなぞられたとき、前記表示装置に表示されている地図のスクロールを禁止するスクロール禁止手段と、前記タッチパネルがなぞられており、かつ前記タッチパネルにより検出された接触位置が前記表示装置に表示されている操作キーの上にあれば、前記タッチパネルに振動を与えるように前記振動発生手段を制御する振動制御手段とを備えることを特徴とする集積回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−191086(P2008−191086A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−27980(P2007−27980)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】