説明

ナビゲーション装置

【課題】個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100において、マイクロホン71によりユーザにより案内情報が入力され、現在位置特定プログラム94aにより現在位置が特定され、第1作成プログラム94c・第2作成プログラム94d・第3作成プログラム94dにより、入力された案内情報と位置情報とが、互いに対応付けられて記憶媒体61に記憶され、提供プログラム94fにより、現在位置が、記憶媒体61に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、記憶媒体61において当該位置情報に対応付けられて記憶された案内情報がユーザに提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置に応じた案内情報を提供するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通常の経路案内に加えて、カードスロット等に挿入されたカードに関連する交通情報及び施設情報等の案内情報を提供するナビゲーション装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、制御装置にICカードを装着してナビゲーション機能の変更・改良・追加を行うとともに、このICカードに、利用者が自ら作成した音声データを記憶させることで、ナビゲーション機能の音声案内を利用者が望む音声に変えることを可能とするナビゲーションシステムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−308468号公報
【特許文献2】特開平7−114695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のナビゲーション装置において提供される案内情報は、実際に使用する個々のユーザにとって、必ずしも最適な案内情報であるとは言えなかった。
そこで、ナビゲーション装置において、ユーザが自ら設定した案内情報を提供したいというニーズがある。しかしながら、上記特許文献1のナビゲーション装置では、ユーザが自ら作成した音声案内を提供することはできなかった。また、上記特許文献2のナビゲーションシステムでは、ユーザが自ら作成した音声データを提供することはできるものの、元の音声データが書き換えられてしまうため、個々のユーザにより設定された最適な案内情報を、その時々の状況に応じて、付加的に提供することはできないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ナビゲーション装置において、ユーザに音声案内情報を入力させる入力手段と、
地図情報を表示する表示手段と、
ユーザに、前記表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置を指定させる位置指定手段と、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザに、前記情報提供位置を設定させる設定手段と、
前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、位置情報とを、互いに対応付けて、装置本体に対して着脱自在な所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された前記音声案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備え、
前記記憶制御手段は、
前記位置指定手段により指定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、を互いに対応づけて前記所定の記憶媒体に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、当該入力手段による前記音声案内情報の入力時において前記現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させる第2記憶制御手段と、
前記設定手段により設定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させる第3記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、ナビゲーション装置において、ユーザに案内情報を入力させる入力手段と、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記入力手段により入力された前記案内情報と、位置情報とを、互いに対応付けて所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された前記案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、地図情報を表示する表示手段と、
ユーザに、前記表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置を指定させる位置指定手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記位置指定手段により指定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記案内情報と、を互いに対応づけて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のナビゲーション装置において、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、当該入力手段による前記音声案内情報の入力時において前記現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載のナビゲーション装置において、前記現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザに、前記情報提供位置を設定させる設定手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記設定手段により設定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記案内情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、情報提供装置と、ネットワークを介して接続するナビゲーション装置において、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
ユーザに、位置情報を入力させる第1入力手段と、
ユーザに、案内情報を入力させる第2入力手段と、
情報提供装置に、前記第1入力手段により入力された位置情報と、前記第2入力手段により入力された案内情報とを対応付けた個別案内情報を送信する送信手段と、
前記第1入力手段により入力された前記位置情報を所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記記憶制御手段により前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記情報提供装置から、前記個別案内情報における当該位置情報に対応付けられた前記案内情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の何れか一項に記載のナビゲーション装置において、前記所定の記憶媒体は、装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7の何れか一項に記載のナビゲーション装置において、前記案内情報は、音声情報であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、入力手段により、音声案内情報がユーザにより入力され、表示手段により地図情報が表示され、位置指定手段により、表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置がユーザにより指定され、現在位置特定手段により、現在位置が特定され、設定手段により、現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザにより情報提供位置が設定され、記憶制御手段により、入力手段により入力された音声案内情報と、位置情報とが、互いに対応付けられて、装置本体に対して着脱自在な所定の記憶媒体に記憶され、提供手段により、現在位置特定手段により特定される現在位置が、所定の記憶媒体に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された音声案内情報がユーザに提供される。
したがって、ユーザは、案内情報を、その案内情報を提供したい情報提供位置に対応付けて記憶媒体に記憶させることができ、現在位置が、当該記憶媒体に記憶された情報提供位置となった場合に、その情報提供位置に対応付けられた案内情報が提供されることとなるため、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置を提供することができる。
また、所定の記憶媒体は、装置本体に対して着脱自在であるため、一のナビゲーション装置において記憶させた音声案内情報に基づいて、別のナビゲーション装置において当該音声案内情報を提供することができることとなり、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、より利便的に提供することができる。
さらに、案内情報は、音声案内情報であるため、案内情報の入力を行うユーザにとって、案内情報の入力が容易となるとともに、案内情報の提供を受けるユーザにとっても、表示部を見なくても良いこととなり、使い勝手が良いものとなる。
【0015】
また、記憶制御手段に備わる第1記憶制御手段により、位置指定手段により指定された情報提供位置の位置情報と、入力手段により入力された音声案内情報と、が互いに対応づけられて所定の記憶媒体に記憶される。したがって、ユーザは、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力のそれぞれを、任意のタイミングで行うことができ、さらに、情報提供位置以外においても、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力を行うことができる。
また、記憶制御手段に備わる第2記憶制御手段により、入力手段により入力された音声案内情報と、当該入力手段による音声案内情報の入力時において現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、が互いに対応付けられて所定の記憶媒体に記憶される。したがって、ユーザにより入力される音声案内情報が、当該音声案内情報の入力時において、現在位置特定手段により特定される現在位置に自動的に対応付けられて記憶されるため、ユーザは、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定する必要が無いこととなる。
さらに、記憶制御手段に備わる第3記憶制御手段により、設定手段により設定された情報提供位置の位置情報と、入力手段により入力された音声案内情報と、が互いに対応付けられて所定の記憶媒体に記憶される。したがって、ユーザは、音声案内情報の入力を任意のタイミングで行うことができ、また、情報提供位置以外でも、音声案内情報の入力を行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、入力手段により、ユーザにより案内情報が入力され、現在位置特定手段により現在位置が特定され、記憶制御手段により、前記入力手段により入力された案内情報と、位置情報とが、互いに対応付けられて所定の記憶媒体に記憶され、提供手段により、現在位置特定手段により特定される現在位置が、所定の記憶媒体に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された案内情報がユーザに提供される。
したがって、ユーザは、案内情報を、その案内情報を提供したい情報提供位置に対応付けて記憶媒体に記憶させることができ、現在位置が、当該記憶媒体に記憶された情報提供位置となった場合に、その情報提供位置に対応付けられた案内情報が提供されることとなるため、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置を提供することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、表示手段により地図情報が表示され、位置指定手段により、ユーザにより、表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置が指定され、記憶制御手段により、位置指定手段により指定された情報提供位置の位置情報と、入力手段により入力された案内情報と、が互いに対応づけられて所定の記憶媒体に記憶される。
したがって、ユーザは、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力のそれぞれを、任意のタイミングで行うことができる。また、ユーザは、情報提供位置以外の場所においても、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力を行うことができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、記憶制御手段により、入力手段により入力された音声案内情報と、当該入力手段による音声案内情報の入力時において現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、が互いに対応付けられて所定の記憶媒体に記憶される。
したがって、ユーザにより入力される音声案内情報が、当該音声案内情報の入力時において、現在位置特定手段により特定される現在位置に自動的に対応付けられて記憶されるため、ユーザは、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定する必要が無いこととなる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、設定手段により、現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザにより、情報提供位置が設定され、記憶制御手段により、設定手段により設定された情報提供位置の位置情報と、入力手段により入力された案内情報と、が互いに対応付けられて所定の記憶媒体に記憶される。
したがって、ユーザは、音声案内情報の入力を任意のタイミングで行うことができる。 また、ユーザは、情報提供位置以外の場所であっても、音声案内情報の入力を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、現在位置特定手段により現在位置が特定され、第1入力手段により、ユーザにより位置情報が入力され、第2入力手段により、ユーザにより、案内情報が入力され、送信手段により、情報提供装置に、第1入力手段により入力された位置情報と、第2入力手段により入力された案内情報とが対応付けられた個別案内情報が送信され、記憶制御手段により、第1入力手段により入力された位置情報が所定の記憶媒体に記憶され、取得手段により、現在位置特定手段により特定される現在位置が、記憶制御手段により所定の記憶媒体に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、情報提供装置から、個別案内情報における当該位置情報に対応付けられた案内情報が取得され、提供手段により、取得手段により取得された案内情報がユーザに提供される。
したがって、ユーザは、案内情報を、その案内情報を提供したい情報提供位置に対応付けて情報提供装置に送信するとともに、情報提供位置を示す位置情報を記憶媒体に記憶させることができ、現在位置が、当該記憶媒体に記憶された情報提供位置となった場合に、その情報提供位置に対応付けられた案内情報が情報提供装置から提供されることとなるため、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置を提供することができる。
また、記憶媒体に案内情報を記憶させる必要がなく、記憶媒体の容量を抑えることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、請求項2〜6の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、所定の記憶媒体は、装置本体に対して着脱自在であるため、一のナビゲーション装置において記憶させた音声案内情報に基づいて、別のナビゲーション装置において当該音声案内情報を提供することができることとなり、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、より利便的に提供することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、請求項2〜7の何れか一項に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、案内情報は、音声情報であるため、案内情報の入力を行うユーザにとって、案内情報の入力が容易となるとともに、案内情報の提供を受けるユーザにとっても、表示部を見なくても良いこととなり、ナビゲーション装置の使い勝手が良いものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
(実施形態1)
初めに、実施形態1のナビゲーション装置100について、図1〜図6を参照して説明する。
実施形態1のナビゲーション装置100は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置である。ナビゲーション装置100は、内蔵型HDD(Hard Disc Drive)や、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等の着脱可能な記憶媒体等に予め備えられた情報に基づいて、目的地までの経路探索や経路案内、地図情報等の各種情報の提供を行う。
【0025】
また、特に、本実施形態1のナビゲーション装置100では、予め備えられた情報に基づいて提供される案内情報の他に、ユーザ自身が音声案内情報を入力して、これを記憶媒体61に記憶させる音声案内情報作成処理と、当該音声案内情報作成処理により記憶媒体61に記憶された音声案内情報を再生する音声案内情報提供処理が行われる。これにより、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報の提供を、既存のナビゲーション装置において付加的に実現することができる。本実施形態1では、ナビゲーション装置100におけるこのような個別的な案内情報の作成及び提供を実現するための構成について説明する。
【0026】
なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、一つのナビゲーション装置100において行われる音声案内情報作成処理及び音声案内情報提供処理について説明するが、ナビゲーション装置100と同様の構成を有する別のナビゲーション装置においても、音声案内情報作成処理及び音声案内情報提供処理の両方又は何れか一方が実行可能に構成されている。
そのため、一のナビゲーション装置100で作成された音声案内情報に基づいて、別のナビゲーション装置で当該音声案内情報の提供を行うことができる。例えば、ユーザAが、ナビゲーション装置100において音声案内情報を記憶媒体61に記憶させ、この記憶媒体61を別のユーザBに渡す。ユーザBは、ユーザAから渡された記憶媒体61を別のナビゲーション装置において再生することにより、ユーザAの作成した個別的な案内情報の提供を受けることができる。
【0027】
まず、ナビゲーション装置100の要部構成について、図1を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置100は、例えば、装置本体1内に、現在位置特定手段としてのGPS測位部2、通信部3、位置指定手段及び設定手段としてのキー入力部4、表示手段としての表示部5、記憶媒体61を装置本体1に対して着脱自在に装填する装填部6、記憶制御手段としての音声記録ユニット7、提供手段としての音声再生ユニット8、制御部9等を備えて構成されている。
【0028】
GPS測位部2は、例えば、図示しない複数の人工衛星から発信される複数の電波に基づいてナビゲーション装置100自身の現在位置情報を取得する。
具体的には、GPS測位部2は、例えば、位置が既知である複数(例えば、少なくとも3つ)の人工衛星からの電波をGPSアンテナ(図示省略)により受信し、各人工衛星から受信した電波の到達時間から、各人工衛星からのナビゲーション装置100までの距離を算出し、各人工衛星からの距離の交点の緯度・経度を、携帯電話機の現在位置として取得する。GPS測位部2において取得された現在位置としての緯度・経度データは、制御部9に出力されることとなる。
【0029】
通信部3は、例えば、ネットワークNにより図示しない情報提供装置と接続されており、当該ネットワークを介して情報提供装置から送信された経路案内、地図情報等の各種情報を受信する。
【0030】
キー入力部4は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部5と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、各種情報の入力を行う。具体的には、キー入力部4は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部9に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部9に出力する。また、キー入力部4は、例えば、リモートコントローラ等に備わり、遠隔操作が可能な構成であってもよい。
【0031】
表示部5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部9からの制御に応じて、地図データその他の情報を当該ディスプレイに表示させる。
【0032】
装填部6は、例えば、SDメモリカード(Secure Digital Memory Card)等のメモリカードから成る記憶媒体61を装填するメモリカードスロット等により構成され、記憶媒体61は、装填部6に装填されることにより、装置本体1に対して着脱自在に接続される。そして、音声案内情報作成処理の実行において、ユーザにより入力される音声案内情報が、音声記録ユニット7により、装填部6に装填された記憶媒体61に記憶されるとともに、音声案内情報提供処理の実行において、当該記憶媒体61に記憶された音声案内情報が、音声再生ユニット8により再生されることとなる。
【0033】
音声記録ユニット7は、例えば、入力手段としてのマイクロホン71、A/D変換部72、エンコード部73、記憶制御手段としての記録部74等を備えており、音声案内情報作成処理に際して、ユーザにより入力される音声案内情報を記憶媒体61に記憶させる処理を行う。
具体的には、マイクロホン71は、入力される音声を集音し、アナログの音声データに変換する。
A/D変換部72は、マイクから入力されるアナログの音声データをデジタルの音声データに変換する処理を行う。
エンコード部73は、A/D変換部72から入力される音声データを、例えば、MP3(MPEG Audio Layer-3)等のファイル形式にエンコードする。
記録部74は、エンコード部73により生成された音声案内情報としての音声データファイルと、位置情報とを互いに対応付けて、記憶媒体61に記録する処理を行う。
【0034】
音声再生ユニット8は、例えば、再生部81、デコード部82、D/A変換部83、増幅部84、スピーカ85等を備えており、音声案内情報提供処理に際して、記憶媒体61に記憶された音声案内情報を再生する処理を行う。
具体的には、再生部81は、制御部9の制御による所定のタイミングで、記憶媒体61に記憶された音声案内情報を読み出す。
デコード部82は、再生部81から入力される音声データをデコードする処理を行う。
D/A変換部83は、デコード部82から入力したデジタル音声データをアナログ音声データに変換する。
増幅部84は、アンプ等の装置であり、D/A変換部83から入力したアナログ音声データを増幅する。
スピーカ85は、増幅部84から入力したアナログ音声データを音声として外部に出力する。
【0035】
制御部9は、CPU(Central Processing Unit)91、RTC(Real Time Clock)92、メモリ部93、ROM(Read Only Memory)94等を備えて構成されている。
【0036】
CPU91は、ナビゲーション装置100の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM94に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置100の動作全般を統括制御する。
【0037】
RTC92は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU91に対して出力する。
【0038】
メモリ部93は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア931を備えており、CPU91によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア931に記憶させる。
【0039】
また、メモリ部93は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア932を備えている。データエリア932は、例えば、地図情報DB932a等を記憶している。
【0040】
地図情報DB932aは、全国・各地域の地図データを格納している。具体的には、地図情報DB932aは、広域図(例えば、全国単位の地図データ)・中域図(例えば、各地方単位の地図データ)・詳細図(例えば、各市町村単位や、各地域単位の地図データ)等の縮尺の異なる複数階層の地図データを記憶している。この地図データは、都道府県、市町村、行政区画、番地等の住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報、道路情報等を含んでいる。また、随時、ネットワークNを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図データに更新されるようになっている。
なお、これらの地図情報が格納される記憶媒体は、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れで構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
【0041】
ROM94は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置特定プログラム94a、作成モード選択プログラム94b、第1作成プログラム94c、第2作成プログラム94d、第3作成プログラム94e、提供プログラム94f等を記憶している。
【0042】
現在位置特定プログラム94aは、例えば、CPU91に、ナビゲーション装置100の現在位置を特定させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、GPS測位部2により、所定の間隔で図示しない複数の人工衛星から発信される複数の電波に基づいて、ナビゲーション装置100自身の現在位置としての緯度・経度データを取得する。
CPU91は、かかる現在位置特定プログラム94aを実行することにより、GPS測位部2とともに現在位置特定手段として機能する。
【0043】
作成モード選択プログラム94bは、例えば、CPU91に、音声案内情報作成処理に際して、作成処理の作成モードをユーザに選択させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU91は、音声案内情報作成処理の開始を指示するキー操作がキー入力部4において行われると、メモリ部93等の所定の領域に記憶された作成モード選択画面用の表示データを読み出し、表示部5に作成モード選択画面を表示させる。
図2は、作成モード選択プログラム94bの実行において、表示部5に表示される作成モード選択画面を例示する図である。図2に示すように、作成モード選択画面では、第1作成モード、第2作成モード、第3作成モードの3つのモードが、これら各モードの簡単な説明とともに表示されており、ユーザは、キー入力部4においてキー操作を行って1つの作成モードを選択する。
当該作成モード選択プログラム94bの実行において、第1作成モードが選択されると第1作成プログラム94cが実行され、また、第2作成モードが選択されると第2作成プログラム94dが選択され、さらに、第3作成プログラム94eが選択されると第3作成プログラム94eが実行されることとなる。
【0044】
ここで、第1作成モードは、ユーザが、表示部5に表示された地図上で、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定するとともに、指定した情報提供位置のそれぞれに対応づけて、音声案内情報としての音声をマイクロホン71から入力することにより、音声案内情報が記憶された記憶媒体61を作成するモードである。第1作成モードでは、任意のタイミングで情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力を行うことができる。例えば、各情報提供位置を指定する都度、音声案内情報を入力しても良く、また、全ての情報提供位置の指定が終了してから、各情報提供位置に対して音声案内情報を入力しても良い。また、第1作成モードでは、実際に車両を走行させなくても、任意の場所において、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力を行うことができる。
また、第2作成モードは、ユーザが、実際に車両を移動させながら、案内情報の提供地点としての情報提供位置において、音声案内情報としての音声をマイクロホン71から入力することにより、音声案内情報が記憶された記憶媒体61を作成するモードである。第2作成モードでは、入力される音声案内情報が、自動的に、GPS測位部2により特定される現在位置に対応付けられて記憶されるため、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定する必要がない。
第3作成モードは、ユーザが、実際に車両を移動させながら、案内情報の提供地点としての情報提供位置を設定するとともに、設定した情報提供位置のそれぞれに対応づけて、音声案内情報としての音声をマイクロホン71から入力することにより、音声案内情報が記憶された記憶媒体61を作成するモードである。第3作成モードでは、任意のタイミングで音声案内情報を入力することができる。例えば、車両の走行中に各情報提供位置を設定する都度、音声案内情報を入力しても良く、また、全ての情報提供位置の設定が終了してから、各情報提供位置に対して音声案内情報を入力しても良い。また、第3作成モードでは、情報提供位置以外の場所においても、音声案内情報の入力を行うことができる。
【0045】
第1作成プログラム94cは、例えば、CPU91に、表示部5に表示された地図情報における任意の情報提供位置をユーザに指定させるとともに、ユーザにより指定された情報提供位置の位置情報と、マイクロホン71によりユーザにより入力された音声案内情報と、を互いに対応付けて記憶媒体61に記憶させる機能を実現させるためのプログラムである。
【0046】
具体的には、CPU91は、前述の作成モード選択プログラム94bの実行において、第1作成モードが選択されると、メモリ部93等の所定の領域に記憶された第1作成モード画面用の表示データを読み出し、表示部5に第1作成モード画面を表示させる。
図3は、第1作成プログラム94cの実行において、表示部5に表示される第1作成モード画面を例示する図である。図3に示すように、第1作成モード画面には、地図情報が表示される地図情報表示エリアと、指定済みの情報提供位置を示す指定済み情報提供位置表示エリアと、各種処理の実行を指示するための複数のコマンドボタン等が表示されている。コマンドボタンとしては、例えば、地図情報表示エリアに表示された地図情報のスクロール操作等を行うための8方向(上・右上・右・右下・下・左下・左・左上)ボタン、地図情報表示エリアに表示された地図情報を拡大させるための拡大ボタン、地図情報表示エリアに表示された地図情報を縮小させるための縮小ボタン、地図情報表示エリアに表示されているマークM1の位置を、情報提供位置として指定するための指定ボタン、各情報提供位置で提供したい音声案内情報の入力を開始するための録音開始ボタン、音声案内情報の入力を終了するための録音終了ボタン等である。また、指定済み情報提供位置表示エリアに表示された指定済みの情報提供位置のそれぞれに対応して、音声案内情報が録音済みであるか否かを示す表示が行われるようになっている。
【0047】
このような第1作成モード画面の初期状態では、例えば、地図情報表示エリアに、地図情報DB932aから取得した全国単位の地図である広域地図が表示されており、CPU91は、当該第1作成モード画面において行われるキー操作に基づいて、地図情報DB932aから地図情報を検索し、検索した地図情報を地図情報表示エリアに表示させる。ユーザは、8方向ボタン、拡大ボタン、縮小ボタン等の操作を行い、案内情報の作成を行う対象エリアの地図情報を地図情報表示エリアに表示させる。
【0048】
第1作成モード画面において、案内情報の作成を行う対象エリアの地図情報が地図情報表示エリアに表示されると、ユーザは、8方向ボタン等により、地図情報表示エリアに表示されている地図上のマークM1の位置を、情報提供位置として指定したい位置に移動させ、指定ボタンを押下する。CPU91は、指定ボタンが押下されると、地図情報表示エリアに表示された地図上でのマークM1の緯度・経度を判別し、判別した緯度・経度データを情報提供位置の位置情報として、ワークエリア931等に一時的に記憶する。CPU91は、最初に指定される情報提供地点を「P1」と決定し、その後、情報提供位置が指定される度に、各情報提供位置を「P2」、「P3」・・・と繰り上げて決定し、指定された情報提供位置のそれぞれを、指定済み情報提供位置表示エリアに表示させる。
【0049】
ユーザは、情報提供位置を指定すると、録音開始ボタンを押下して、その情報提供位置において提供したい音声案内情報をマイクロホン71により入力する。そして、音声案内情報の入力が終了すると、録音終了ボタンを押下する。当該音声案内情報の入力は、各情報提供位置を指定する度に行っても良いし、全ての音声案内情報の入力が終了してから、それぞれの情報提供位置を指定して行っても良い。
【0050】
CPU91は、指定された情報提供位置において提供する音声案内情報が、マイクロホン71を介してユーザにより入力され、録音終了ボタンが押下されると、録音開始ボタンの押下から録音終了ボタンの押下までの間に、マイクロホン71により入力された音声案内情報に対して、音声記録ユニット7のA/D変換部72、エンコード部73において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報を音声データファイルに変換し、当該音声データファイルを、記録部74により、情報提供位置の位置情報としての緯度・経度データと対応付けて記憶媒体61に記憶させる。記憶媒体61に対する当該音声データファイルの記憶は、一の情報提供位置において提供する音声案内情報が入力される度に行っても良いし、全ての音声案内情報の入力が終了してから、それぞれの情報提供位置に対応付けて一度に行っても良い。
【0051】
CPU91は、かかる第1作成プログラム94cを実行することにより、キー入力部4、音声記録ユニット7、記録部74とともに、位置指定手段、第1記憶制御手段(記憶制御手段)として機能する。
【0052】
第2作成プログラム94dは、例えば、CPU91に、マイクロホン71により入力された音声案内情報と、当該マイクロホン71による音声案内情報の入力時において現在位置特定プログラム94aの実行により特定された現在位置の位置情報と、を互いに対応付けて記憶媒体61に記憶させるためのプログラムである。
【0053】
具体的には、CPU91は、前述の作成モード選択プログラム94bの実行において、第2作成モードが選択されると、メモリ部93等の所定の領域に記憶された第2作成モード画面用の表示データを読み出し、表示部5に第2作成モード画面を表示させる。
図4は、第2作成プログラム94dの実行において、表示部5に表示される第2作成モード画面を例示する図である。図4に示すように、第2作成モード画面には、現在位置に対応する地図情報が表示される地図情報表示エリアと、音声案内情報が入力された地点である情報提供位置を示す録音済み情報提供位置表示エリアと、各種処理の実行を指示するための複数のコマンドボタン等が表示されている。コマンドボタンは、例えば、音声案内情報の入力を開始するための録音開始ボタン、音声案内情報の入力を終了するための録音終了ボタン等である。また、地図情報表示エリアに表示される地図上には、ナビゲーション装置100の現在位置を示すマークM2が表示されている。
【0054】
ユーザは、実際に車両を走行させ、音声案内情報を提供したい情報提供位置に到達すると、その地点において、第2作成モード画面の録音開始ボタンを押下して、マイクロホン71により音声案内情報を入力し、入力が終了すると録音終了ボタンを押下する。CPU91は、最初に音声案内情報が入力された地点を「Q1」と決定し、その後、車両の移動に応じて、音声案内情報の入力が行われる度に、各地点を「Q2」、「Q3」・・・と繰り上げて決定する。
CPU91は、第2作成モード画面における録音開始ボタンの押下を検出すると、現在位置特定プログラム94aの実行により、GPS測位部2に、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置を特定させる。さらに、CPU91は、録音開始ボタンの押下から録音終了ボタンが押下されるまでの間に、マイクロホン71を介してユーザにより入力された音声案内情報に対して、音声記録ユニット7のA/D変換部72、エンコード部73において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報を音声データファイルに変換する。さらに、当該音声データファイルを、記録部74により、GPS測位部2により測位された情報提供位置(例えば、Q1、Q2、Q3)である現在位置の位置情報としての緯度・経度データと対応付けて、記憶媒体61に記憶させる。記憶媒体61に対する当該音声データファイルの記憶は、一の情報提供位置において提供する音声案内情報が入力される度に行っても良いし、全ての音声案内情報の入力が終了してから、それぞれの情報提供位置に対応付けて一度に行っても良い。さらに、CPUは、音声案内情報が入力された情報提供位置のそれぞれを、録音済み情報提供位置表示エリアに表示させる。
【0055】
CPU91は、かかる第2作成プログラム94dを実行することにより、音声記録ユニット7、記録部74とともに、第2記憶制御手段(記憶制御手段)として機能する。
【0056】
第3作成プログラム94eは、例えば、CPU91に、現在位置特定プログラム94aの実行により特定された現在位置に基づいて、ユーザに、情報提供位置を設定させるとともに、ユーザにより設定された情報提供位置の位置情報と、マイクロホン71によりユーザにより入力された音声案内情報と、を互いに対応づけて記憶媒体61に記憶させる機能を実現させるためのプログラムである。
【0057】
具体的には、CPU91は、前述の作成モード選択プログラム94bの実行において、第3作成モードが選択されると、メモリ部93等の所定の領域に記憶された第3作成モード画面用の表示データを読み出し、表示部5に第3作成モード画面を表示させる。
図5は、第3作成プログラム94eの実行において、表示部5に表示される第3作成モード画面を例示する図である。図5に示すように、第3作成モード画面には、現在位置に対応する地図情報が表示される地図情報表示エリアと、設定済みの情報提供位置を示す設定済み情報提供位置表示エリアと、各種処理の実行を指示するための複数のコマンドボタン等が表示されている。コマンドボタンは、例えば、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置を情報提供位置として設定するための設定ボタン、音声案内情報の入力を開始するための録音開始ボタン、音声案内情報の入力を終了するための録音終了ボタン等である。また、設定済み情報提供位置表示エリアに表示される設定済みの情報提供位置のそれぞれに対応して、音声案内情報が録音済みであるか否かを示す表示が行われるようになっている。さらに、地図情報表示エリアに表示される地図上には、ナビゲーション装置100の現在位置を示すマークM3が表示されている。
【0058】
ユーザは、実際に車両を走行させ、音声案内情報を提供したい情報提供位置に到達すると、その地点において、設定ボタンを押下する。CPU91は、第3作成モード画面における設定ボタンの押下を検出すると、現在位置特定プログラム94aの実行により、GPS測位部2に、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置としての緯度・経度を特定させ、特定した緯度・経度データを情報提供位置の位置情報として、ワークエリア931等に一時的に記憶する。CPU91は、最初に設定される情報提供地点を「R1」と決定し、その後、車両の移動に応じてユーザにより情報提供位置が設定される度に、各情報提供位置を「R2」、「R3」・・・と繰り上げて決定し、設定された情報提供位置のそれぞれを、設定済み情報提供位置表示エリアに表示させる。
【0059】
ユーザは、情報提供位置を設定すると、録音開始ボタンを押下して、その情報提供位置において提供したい音声案内情報をマイクロホン71により入力する。そして、音声案内情報の入力が終了すると、録音終了ボタンを押下する。当該音声案内情報の入力は、各情報提供位置を設定する度に行っても良いし、全ての音声案内情報の入力が終了してから、それぞれの情報提供位置を指定して行っても良い。
【0060】
CPU91は、設定された情報提供位置において提供する音声案内情報が、マイクロホン71を介してユーザにより入力され、録音終了ボタンが押下されると、録音開始ボタンの押下から録音終了ボタンの押下までの間に、マイクロホン71により入力された音声案内情報に対して、音声記録ユニット7のA/D変換部72、エンコード部73において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報を音声データファイルに変換し、当該音声データファイルを、記録部74により、情報提供位置(例えば、R1、R2、R3)の位置情報としての緯度・経度データと対応付けて記憶媒体61に記憶させる。記憶媒体61に対する当該音声データファイルの記憶は、一の情報提供位置において提供する音声案内情報が入力される度に行っても良いし、全ての音声案内情報の入力が終了してから、それぞれの情報提供位置に対応付けて一度に行っても良い。
【0061】
CPU91は、かかる第3作成プログラム94eを実行することにより、キー入力部4、音声記録ユニット7、記録部74とともに、設定手段、第3記憶制御手段(記憶制御手段)として機能する。
【0062】
ここで、音声案内情報入力処理の具体例について説明する。ここでは、例えば、ユーザが、実際に、ナビゲーション装置100が搭載された車両で対象エリア内のルートを辿りながら、各情報提供地点において音声案内情報を入力する第2作成モードにおける音声案内情報入力処理について説明する。
図6は、音声案内情報入力処理の対象となる対象エリアの地図の一例である。ユーザは、図6の地図に例示する対象エリアにおいて、音声案内情報を提供したい情報提供位置に移動し、その場所で録音開始ボタンを押下して、マイクロホン71に向けて発声し、音声案内情報を入力する。
【0063】
例えば、図6のA点を音声案内情報の提供される情報提供位置としたい場合、ユーザは、A点において録音開始ボタンを押下する。そして、周りの状況を見ながら、例えば、「右前方に警察署が見えます。警察署を通り過ぎて、その先の交差点を右折してください。交通量が多いので注意してください。」等の経路案内・注意喚起等の音声案内情報を入力し、入力が終了すると、録音終了ボタンを押下する。
CPU91は、録音開始ボタンの押下を検出すると、GPS測位部2に、現在位置であるA点の緯度・経度データを取得することにより、現在位置を特定して位置情報としての緯度・経度データを取得し、当該緯度・経度のA点を「Q1」と決定する。そして、録音開始ボタンの押下から録音終了ボタンが押下されるまでの間に、ユーザにより入力された音声案内情報を音声データファイルに変換し、当該音声データファイルを、「Q1」の位置情報としての緯度・経度データと対応づけて、記憶部により記憶媒体61に記憶させる。さらに、第2作成モード画面における地図情報表示エリアに表示されている対象エリアの地図上において、情報提供位置「Q1」と決定されたA点の位置に、「Q1」とされたことを示すマークを表示させるとともに、録音済み情報提供位置表示エリアに、Q1の位置が、音声情報が入力済みの情報提供位置である旨を表示させる(図4参照)。
【0064】
次に、例えば、図6のB点を情報提供位置としたい場合、ユーザは、A点からB点に進み、B点において録音開始ボタンを押下する。そして、例えば、「次に、抜け道を通ります。左に神社が見えたら、その先を左折してください。分かりにくいので注意してください。神社と病院の間にある道です。」等の音声案内情報を入力し、入力が終了すると、録音終了ボタンを押下する。
さらに、例えば、図6のC点を情報提供位置としたい場合、ユーザは、B点からC点に進み、C点において録音開始ボタンを押下する。そして、例えば、「左前方に寺が見えます。その先を左折してください。目的地まであと少しです。」等の音声案内情報を入力し、入力が終了すると、録音終了ボタンを押下する。
CPU91は、上述したように、録音開始ボタンの押下の検出に基づいて、録音開始ボタンが押下された現在位置の位置情報を特定し、その位置を情報提供位置(例えば、Q2、Q3)とするとともに、ユーザにより入力された音声案内情報を音声データファイルに変換する処理を行って、音声データファイルのそれぞれを、当該音声案内情報が入力された各情報提供位置(例えば、Q2、Q3)に対応付けて、記憶媒体61に記憶させる。
このように、第2作成モードでの音声案内情報入力処理では、ユーザは、対象エリアの状況を実際に見ながら、既存の経路案内では行われない抜け道の通過の指示や、注意喚起、経路案内以外のメッセージ等を音声で入力することができる。したがって、ユーザは、案内情報の提供を受けるユーザにとって最適と思われる音声案内情報を、個別的に作成することができる。
【0065】
提供プログラム94fは、例えば、CPU91に、現在位置特定プログラム94aの実行により特定される現在位置が、記憶媒体61に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、記憶媒体61において、当該位置情報に対応付けられて記憶された音声案内情報をユーザに提供させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、音声案内情報再生処理の開始を指示するキー操作がキー入力部4において行われると、CPU91は、前述の第1作成プログラム94c、第2作成プログラム94d、第3作成プログラム94eの何れかのプログラムの実行により、ユーザの入力した音声案内情報が記憶された記憶媒体61が、装置本体1に接続されているか否かを判断する。CPU91は、ユーザの入力した音声案内情報が記憶された記憶媒体61が装置本体1に接続されていると判断すると、音声案内情報提供処理を開始し、現在位置特定プログラム94aの実行により、GPS測位部2に、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置を特定させる。そして、特定したナビゲーション装置100の現在位置が、記憶媒体61に音声案内情報と対応付けられて記憶された情報提供位置と一致するか否かを判断する。
ここで、ナビゲーション装置100が搭載された車両の現在位置が、記憶媒体61に音声案内情報と対応付けられて記憶された情報提供位置と一致するか否かの判断は、ナビゲーション装置100の現在位置として特定された緯度・経度データが、記憶媒体61に記憶されている情報提供位置の位置情報としての緯度・経度データの所定の誤差範囲内に含まれているかを判断することにより行われる。
【0066】
CPU91は、ナビゲーション装置100の現在位置として特定された緯度・経度データが、記憶媒体61に記憶されている情報提供位置の位置情報としての緯度・経度データと一致すると判断した場合、記憶媒体61に情報提供位置としての当該緯度・経度データと対応付けられて記憶されている音声データファイルを、再生部81により読み出す。さらに、CPU91は、記憶媒体61から読み出した音声データファイルに対して、音声再生ユニット8のデコード部82、D/A変換部83において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報に変換し、変換した音声案内情報を増幅部84において増幅させ、スピーカ85から出力させる。
これにより、個々のユーザにより設定された音声案内情報に基づく個別的な案内情報の提供が実現される。
CPU91は、かかる提供プログラム94fを実行することにより、音声再生ユニット8とともに、提供手段として機能する。
【0067】
以上説明した実施形態1におけるナビゲーション装置100によれば、マイクロホン71により、音声案内情報がユーザにより入力され、表示部5により地図情報が表示され、CPU91による第1作成プログラム94cの実行により、表示部5により表示された地図情報における任意の情報提供位置がユーザにより指定され、現在位置特定プログラム94aの実行により、現在位置が特定され、第3作成プログラム94eの実行により、現在位置特定プログラム94aの実行により特定された現在位置に基づいて、ユーザにより情報提供位置が設定され、第1作成プログラム94c、第2作成プログラム94d、第3作成プログラム94eの実行により、マイクロホン71により入力された音声案内情報と、位置情報とが、互いに対応付けられて、装置本体1に対して着脱自在な所定の記憶媒体61に記憶され、提供プログラム94fの実行により、現在位置特定プログラム94aの実行により特定される現在位置が、所定の記憶媒体61に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、所定の記憶媒体61において、当該位置情報に対応付けられて記憶された音声案内情報がユーザに提供される。
したがって、ユーザは、案内情報を、その案内情報を提供したい情報提供位置に対応付けて記憶媒体61に記憶させることができ、現在位置が、当該記憶媒体61に記憶された情報提供位置となった場合に、その情報提供位置に対応付けられた案内情報が提供されることとなるため、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置100を提供することができる。
また、記憶媒体61は、装置本体1に対して着脱自在であるため、一のナビゲーション装置100において記憶させた音声案内情報に基づいて、別のナビゲーション装置100において当該音声案内情報を提供することができることとなり、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、より利便的に提供することができる。
さらに、案内情報は、音声案内情報であるため、案内情報の入力を行うユーザにとって、案内情報の入力が容易となるとともに、案内情報の提供を受けるユーザにとっても、表示部5を見なくても良いこととなり、ナビゲーション装置100の使い勝手が良いものとなる。
【0068】
また、CPU91による第1作成プログラム94cの実行により、指定された情報提供位置の位置情報と、マイクロホン71により入力された音声案内情報と、が互いに対応づけられて記憶媒体61に記憶される。したがって、ユーザは、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力のそれぞれを、任意のタイミングで行うことができ、さらに、実際に情報提供位置まで移動しなくても、任意の場所において、情報提供位置の指定と、音声案内情報の入力を行うことができる。
また、CPU91による第2作成プログラム94dの実行により、マイクロホン71により入力された音声案内情報と、当該マイクロホン71による音声案内情報の入力時において現在位置特定プログラム94aの実行により特定された現在位置の位置情報と、が互いに対応付けられて記憶媒体61に記憶される。したがって、ユーザにより入力される音声案内情報が、当該音声案内情報の入力時において、現在位置特定手段により特定される現在位置に、自動的に対応付けられて記憶されるため、ユーザは、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定する必要が無いこととなる。
さらに、CPU91による第3作成プログラム94eの実行により、設定された情報提供位置の位置情報と、マイクロホン71により入力された音声案内情報と、が互いに対応付けられて記憶媒体61に記憶される。したがって、ユーザは、音声案内情報の入力を任意のタイミングで行うことができ、また、情報提供位置以外でも、音声案内情報の入力を行うことができる。
【0069】
(実施形態2)
次に、実施形態2のナビゲーション装置について、図7及び図8を参照して説明する。なお、以下の説明では、実施形態1のナビゲーション装置100と同じ構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0070】
本実施形態2のナビゲーション装置200は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置であり、実施形態1のナビゲーション装置100と同様の構成を有している。ナビゲーション装置200のそれぞれは、図7に示すように、ネットワークNを介して情報提供装置300と接続されており、記憶媒体等に予め備えられた情報の他、ナビゲーション装置200が搭載された車両の現在位置に応じてネットワークNを介して情報提供装置300から提供される情報に基づいて、目的地までの経路探索や経路案内、地図情報等の各種情報の提供が行われる。
【0071】
また、特に、本実施形態2のナビゲーション装置200では、予め備えられた情報や情報提供装置300から提供される情報に基づいて提供される案内情報の他に、ユーザ自身が音声案内情報を入力して、これを情報提供装置300に送信して個別案内情報DB300aに記憶させる個別案内情報入力処理と、当該個別案内情報入力処理により情報提供装置300の個別案内情報DB300aに記憶された個別案内情報の音声案内情報を、情報提供装置300から取得し、取得した音声案内情報をユーザに提供する個別案内情報提供処理が行われる。これにより、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報の提供を、既存のナビゲーション装置において付加的に実現することができる。
【0072】
なお、本実施形態2のナビゲーション装置200では、ユーザに入力させた音声案内情報と、当該音声案内情報を提供する情報提供位置としての位置情報とを対応付けた個別案内情報を、装置本体1に接続された記憶媒体62に記憶させるのではなく、ネットワークNを介して情報提供装置300に送信して個別案内情報DB300aに格納する点において、実施形態1のナビゲーション装置100と異なる。
【0073】
情報提供装置300は、ネットワークNを介してナビゲーション装置200と接続されており、ナビゲーション装置200から送信される個別案内情報を、個別案内情報DB300aに記憶させる。そして、ナビゲーション装置200からの要求に応じて、個別案内情報DB300aに記憶された個別案内情報を取得し、取得した個別案内情報に基づいて、ナビゲーション装置200の現在位置に応じた音声案内情報をナビゲーション装置200に提供する。
【0074】
次に、ナビゲーション装置200の要部構成について、図8を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置200は、例えば、装置本体1内に、現在位置特定手段としてのGPS測位部2、送信手段及び取得手段としての通信部3a、第1入力手段としてのキー入力部4、表示手段としての表示部5、装置本体1に対して着脱自在な記憶媒体62、リーダ・ライタ6a、送信手段としての音声送信ユニット7a、提供手段としての音声出力ユニット8a、制御部9a等を備えて構成されている。
【0075】
装填部6は、例えば、SDメモリカード(Secure Digital Memory Card)等のメモリカードからなる記憶媒体62を装填する図示しないメモリカードスロットを備え、記憶媒体62は、装填部6に装填されることにより、装置本体1に対して着脱自在に接続される。そして、個別案内情報入力処理の実行において、ユーザにより入力される位置情報が、リーダ・ライタ6aにより、この記憶媒体62に記憶される。また、個別案内情報提供処理が実行される際に、当該記憶媒体62に記憶されている位置情報が参照され、ナビゲーション装置200の現在位置が当該記憶媒体62に記憶された位置情報と一致した場合に、情報提供装置300の個別案内情報DB300aに格納した個別案内情報において、ナビゲーション装置200の現在位置としての当該位置情報に対応付けられた音声案内情報が、情報提供装置300から取得されることとなる。
【0076】
リーダ・ライタ6aは、装置本体1に対して着脱自在に接続されたメモリカード等の記憶媒体62に対して各種データの書き込みを行うとともに、当該記憶媒体62に記憶されたデータの読み出しを行う。
具体的には、リーダ・ライタ6aは、後述する個別案内情報入力プログラム96bの実行による個別案内情報入力処理に際して、ユーザにより入力された位置情報を記憶媒体62に記憶させるとともに、後述する取得プログラム96eの実行による個別案内情報提供処理に際して、記憶媒体62に記憶させた当該位置情報を読み出して、制御部9aに出力する。
【0077】
音声送信ユニット7aは、例えば、第1入力手段としてのマイクロホン71、A/D変換部72、エンコード部73等を備えており、個別案内情報入力処理に際して、マイクロホン71を介してユーザにより入力される音声案内情報を、音声データファイルに変換して通信部3aに送信する処理を行う。
【0078】
音声出力ユニット8aは、例えば、再生部81、デコード部82、D/A変換部83、増幅部84、スピーカ85等を備えており、個別案内情報提供処理に際して、通信部3aを介して情報提供装置300から送信される音声案内情報を再生して、出力する処理を行う。
【0079】
制御部9aは、CPU95、RTC92、メモリ部93、ROM96等を備えて構成されている。
【0080】
CPU95は、ナビゲーション装置200の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM96に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置200の動作全般を統括制御する。
【0081】
ROM96は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置特定プログラム96a、個別案内情報入力プログラム96b、送信プログラム96c、記憶制御プログラム96d、取得プログラム96e、提供プログラム96f等を記憶している。
【0082】
現在位置特定プログラム96aは、例えば、CPU95に、ナビゲーション装置200の現在位置を特定させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU95は、GPS測位部2により、所定の間隔で図示しない複数の人工衛星から発信される複数の電波に基づいて、ナビゲーション装置200自身の現在位置としての緯度・経度データを取得する。
CPU95は、かかる現在位置特定プログラム96aを実行することにより、GPS測位部2とともに現在位置特定手段として機能する。
【0083】
個別案内情報入力プログラム96bは、例えば、CPU95に、ユーザに位置情報と、音声案内情報と、を入力させる機能を実現させるためのプログラムである。
ここで、個別案内情報入力プログラム96bにおける位置情報と音声案内情報の入力は、第1モード、第2モード、第3モードの3つのモードにより行うことができる。
すなわち、第1作成モードは、ユーザが、表示部5に表示された地図上で、案内情報の提供地点としての情報提供位置を指定することにより、位置情報を入力するとともに、各情報提供位置に対応付けて、音声案内情報としての音声を、マイクロホン71から入力するモードである。
また、第2作成モードは、ユーザが、実際に車両を移動させながら、案内情報の提供地点としての情報提供位置において、音声案内情報としての音声をマイクロホン71から入力するとともに、音声情報案内の入力時における現在位置を情報提供位置とするモードである。
さらに、第3作成モードは、ユーザが、実際に車両を移動させながら、案内情報の提供地点としての情報提供位置を設定することにより、位置情報を入力するとともに、各情報提供位置に対応付けて、音声案内情報としての音声を、マイクロホン71から入力するモードである。
これらの第1〜第3作成モードにおける個別案内情報入力処理は、それぞれ実施形態1における第1作成モード、第2作成モード、第3作成モードでの位置情報・音声案内情報の入力処理と同様の処理である。したがって、ここでの具体的な説明は省略する。
CPU95は、かかる個別案内情報入力プログラム96bを実行することにより、キー入力部4、マイクロホン71とともに、第1入力手段及び第2入力手段として機能する。
【0084】
送信プログラム96cは、例えば、CPU95に、前述の個別案内情報入力プログラム96bの実行において、ユーザにより入力された位置情報と、案内情報とを対応付けた個別案内情報を、情報提供装置300に送信する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、個別案内情報入力プログラム96bの実行において、ユーザにより情報提供位置としての位置情報が入力されるとともに、当該情報提供位置において提供したい音声案内情報がマイクロホン71により入力されると、CPU95は、マイクロホン71により入力された音声案内情報に対して、音声送信ユニット7aのA/D変換部72、エンコード部73において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報を音声データファイルに変換し、当該音声データファイルを、情報提供位置の位置情報としての緯度・経度データと対応付けて、これを個別案内情報とし、通信部3aによりネットワークNを介して情報提供装置300に送信させる。
CPU95は、かかる送信プログラム96cを実行することにより、音声送信ユニット7a、通信部3aとともに送信手段として機能する。
【0085】
記憶制御プログラム96dは、例えば、CPU95に、前述の個別案内情報入力プログラム96bの実行において、ユーザにより入力された位置情報を、記憶媒体62に記憶させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、個別案内情報入力プログラム96bの実行において、ユーザにより情報提供位置としての位置情報が入力されるとともに、当該情報提供位置において提供したい音声案内情報がマイクロホン71により入力されると、CPU95は、入力された情報提供位置としての位置情報を、リーダ・ライタ6aにより、装置本体1に接続された記憶媒体62に記憶させる。
CPU95は、かかる記憶制御プログラム96dを実行することにより、リーダ・ライタ6aとともに記憶制御手段として機能する。
【0086】
取得プログラム96eは、例えば、CPU95に、前述の現在位置特定プログラム96aの実行により特定される現在位置が、記憶制御プログラム96dの実行により記憶媒体62に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、情報提供装置300から、個別案内情報における当該位置情報に対応付けられた案内情報を取得する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、個別案内情報提供処理の開始を指示するキー操作がキー入力部4において行われると、CPU95は、前述の記憶制御96dプログラムの実行により、ユーザの入力した位置情報が記憶された記憶媒体62が、装置本体1に接続されているか否かを判断する。CPU95は、ユーザの入力した位置情報が記憶された記憶媒体62が装置本体1に接続されていると判断すると、個別案内情報提供処理を開始し、現在位置特定プログラム96aの実行により、GPS測位部2に、ナビゲーション装置200が搭載された車両の現在位置を特定させる。そして、特定したナビゲーション装置200の現在位置が、記憶媒体62に記憶された情報提供位置の位置情報と一致するか否かを判断する。ナビゲーション装置200が搭載された車両の現在位置が、記憶媒体62に記憶された情報提供位置と一致するか否かの判断は、ナビゲーション装置200の現在位置として特定された緯度・経度データが、情報提供位置として記憶媒体62に記憶されている緯度・経度データの所定の誤差範囲内に含まれているかを判断することにより行われる。
【0087】
CPU95は、ナビゲーション装置200の現在位置として特定された緯度・経度データが、情報提供位置の位置情報として記憶媒体62に記憶されている緯度・経度データと一致すると判断した場合、送信プログラム96cの実行において、情報提供装置300に送信して個別案内情報DB300aに格納させた個別案内情報のうち、位置情報としての当該緯度・経度データと対応付けられて記憶されている音声データファイルを要求する要求信号を、通信部3aによりネットワークNを介して送信する。そして、当該要求信号に応じて、情報提供装置300では、かかる音声データファイルを個別案内情報DB300aから検索して読み出し、読み出した音声データファイルを、ネットワークNを介してナビゲーション装置200に送信する。ナビゲーション装置200は、情報提供装置300から音声データファイルが送信されてくると、これを通信部3aにより取得する。
CPU95は、かかる取得プログラム96eを実行することにより、通信部3aとともに取得手段として機能する。
【0088】
提供プログラム96fは、例えば、CPU95に、前述の取得プログラム96eの実行により取得された案内情報を、ユーザに提供する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU95は、情報提供装置300から送信された音声データファイルを、通信部3aにより受信すると、音声出力ユニット8aのデコード部82、D/A変換部83において上述の処理を実行させることにより、音声案内情報に変換し、変換した音声案内情報を増幅部84において増幅させ、スピーカ85から出力させる。
CPU95は、かかる提供プログラム96fを実行することにより、音声出力ユニット8aとともに提供手段として機能する。
【0089】
以上説明した実施形態2におけるナビゲーション装置200によれば、CPU95による現在位置特定プログラム96aの実行により現在位置が特定され、個別案内情報入力プログラム96bの実行により、ユーザにより位置情報が入力されるとともに、ユーザにより案内情報が入力され、送信プログラム96cの実行により、情報提供装置300に、個別案内情報入力プログラム96bの実行により入力された位置情報と案内情報とが対応付けられた個別案内情報が送信され、記憶制御プログラム96dの実行により、個別案内情報入力プログラム96bの実行により入力された位置情報が所定の記憶媒体62に記憶され、取得プログラム96eの実行により、現在位置特定プログラム96aの実行により特定される現在位置が、記憶制御プログラム96dの実行により所定の記憶媒体62に記憶された位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、情報提供装置300から、個別案内情報における当該位置情報に対応付けられた案内情報が取得され、提供プログラム96fの実行により、取得プログラム96eの実行により取得された案内情報がユーザに提供される。
したがって、ユーザは、案内情報を、その案内情報を提供したい情報提供位置に対応付けて情報提供装置300に送信するとともに、情報提供位置を示す位置情報を記憶媒体62に記憶させることができ、現在位置が、当該記憶媒体62に記憶された情報提供位置となった場合に、その情報提供位置に対応付けられた案内情報が情報提供装置300から提供されることとなるため、個々のユーザにより設定された個別的な案内情報を、付加的に提供することができるナビゲーション装置200を提供することができる。また、記憶媒体62に案内情報を記憶させる必要がなくなり、記憶媒体62の容量を抑えることができる。
【0090】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、音声案内情報を記憶媒体61(又は、62)に記憶させる音声案内情報作成処理(又は、個別案内情報入力処理)と、記憶媒体61(又は、情報提供装置300)に記憶された音声案内情報を再生する音声案内情報提供処理(又は、個別案内情報提供処理)のそれぞれを、一つのナビゲーション装置100(又は、200)において実行する場合について説明したが、これらの処理は、複数のナビゲーション装置においてそれぞれ別々に行うこともできる。
また、第1モード、第3モードにおける音声案内情報の入力は、情報提供位置の指定/設定の前に、予め行っていても良い。
また、所定の記憶媒体61、62は、メモリカードに限られることなく、装置本体1に対して着脱可能であれば、半導体メモリ、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の各種記憶装置を適用可能である。
また、上記実施の形態では、ユーザにより入力又はユーザに提供される案内情報が音声案内情報である場合について説明したが、案内情報は表示部5における表示であっても良く、また、音声案内と表示部5での案内表示を併用する構成であっても良い。例えば、案内情報の入力は音声で行い、案内情報の提供は表示部5の表示と音声の両方により行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施形態1におけるナビゲーション装置の要部構成を例示する図である。
【図2】作成モード選択プログラムの実行において、表示部に表示される作成モード選択画面を例示する図である。
【図3】第1作成プログラムの実行において、表示部に表示される第1作成モード画面を例示する図である。
【図4】第2作成プログラムの実行において、表示部に表示される第2作成モード画面を例示する図である。
【図5】第3作成プログラムの実行において、表示部に表示される第3作成モード画面を例示する図である。
【図6】音声案内情報入力処理の対象となる対象エリアの地図の一例である。
【図7】実施形態2におけるナビゲーション装置の全体構成を例示する図である。
【図8】実施形態2におけるナビゲーション装置の要部構成を例示する図である。
【符号の説明】
【0092】
100 ナビゲーション装置
2 現在位置測位部(現在位置特定手段)
4 キー入力部(位置指定手段、設定手段)
5 表示部(表示手段)
61 記憶媒体(所定の記憶媒体)
7 音声記録ユニット(記憶制御手段、第1制御手段、第2記憶制御手段、第3記憶制御手段)
71 マイクロホン(入力手段)
74 記録部(記憶制御手段)
8 音声再生ユニット(提供手段)
91 CPU(位置指定手段、現在位置特定手段、設定手段、記憶制御手段、提供手段、第1記憶制御手段、第2記憶制御手段、第3記憶制御手段)
94a 現在位置特定プログラム(現在位置特定手段)
94c 第1作成プログラム(位置指定手段、第1記憶制御手段、記憶制御手段)
94d 第2作成プログラム(第2記憶制御手段、記憶制御手段)
94e 第3作成プログラム(設定手段、第3記憶制御手段、記憶制御手段)
94f 提供プログラム(提供手段)
200 ナビゲーション装置
300 情報提供装置
3a 通信部(送信手段、取得手段)
4 キー入力部(第1入力手段)
71 マイクロホン(第2入力手段)
62 記憶媒体(所定の記憶媒体)
6a リーダ・ライタ(記憶制御手段)
7a 音声送信ユニット(送信手段)
8a 音声出力ユニット(提供手段)
95 CPU(第1入力手段、第2入力手段、送信手段、記憶制御手段、取得手段、提供手段)
96a 現在位置特定プログラム(現在位置特定手段)
96b 個別案内情報入力プログラム(第1入力手段、第2入力手段)
96c 送信プログラム(送信手段)
96d 記憶制御プログラム(記憶制御手段)
96e 取得プログラム(取得手段)
96f 提供プログラム(提供手段)
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに音声案内情報を入力させる入力手段と、
地図情報を表示する表示手段と、
ユーザに、前記表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置を指定させる位置指定手段と、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザに、前記情報提供位置を設定させる設定手段と、
前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、位置情報とを、互いに対応付けて、装置本体に対して着脱自在な所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された前記音声案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備え、
前記記憶制御手段は、
前記位置指定手段により指定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、を互いに対応づけて前記所定の記憶媒体に記憶させる第1記憶制御手段と、
前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、当該入力手段による前記音声案内情報の入力時において前記現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させる第2記憶制御手段と、
前記設定手段により設定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させる第3記憶制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ユーザに案内情報を入力させる入力手段と、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記入力手段により入力された前記案内情報と、位置情報とを、互いに対応付けて所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記所定の記憶媒体において、当該位置情報に対応付けられて記憶された前記案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
地図情報を表示する表示手段と、
ユーザに、前記表示手段により表示された地図情報における任意の情報提供位置を指定させる位置指定手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記位置指定手段により指定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記案内情報と、を互いに対応づけて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記記憶制御手段は、前記入力手段により入力された前記音声案内情報と、当該入力手段による前記音声案内情報の入力時において前記現在位置特定手段により特定された現在位置の位置情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記現在位置特定手段により特定された現在位置に基づいて、ユーザに、前記情報提供位置を設定させる設定手段を備え、
前記記憶制御手段は、前記設定手段により設定された前記情報提供位置の位置情報と、前記入力手段により入力された前記案内情報と、を互いに対応付けて前記所定の記憶媒体に記憶させることを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
情報提供装置と、ネットワークを介して接続するナビゲーション装置において、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
ユーザに、位置情報を入力させる第1入力手段と、
ユーザに、案内情報を入力させる第2入力手段と、
情報提供装置に、前記第1入力手段により入力された位置情報と、前記第2入力手段により入力された案内情報とを対応付けた個別案内情報を送信する送信手段と、
前記第1入力手段により入力された前記位置情報を所定の記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記現在位置特定手段により特定される現在位置が、前記記憶制御手段により前記所定の記憶媒体に記憶された前記位置情報に基づく情報提供位置と一致した場合に、前記情報提供装置から、前記個別案内情報における当該位置情報に対応付けられた前記案内情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記案内情報をユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
前記所定の記憶媒体は、装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記案内情報は、音声情報であることを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−224604(P2008−224604A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67026(P2007−67026)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】