説明

ナビゲーション装置

【課題】所望の縮尺で推奨経路全体が表示された地図を表示させることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】地図20の縮尺を変更する場合、ユーザは距離表示ボタン23を押圧する。そのとき、制御回路11は、地図20に重ねて、縮尺選択領域30を表示する。縮尺領域30には、縮尺選択ボタン31a〜31iが表示される。縮尺選択ボタン31a〜31iを押圧されると、縮尺選択ボタン31a〜31iに対応した縮尺で、地図を表示モニタ16に表示する。また、推奨経路22の全体を表示できない縮尺選択ボタン31a〜31eの背景30aと、推奨経路22の全体を表示できる縮尺選択ボタン31f〜31iの背景30bとの表示態様(表示色)を変えて、縮尺選択領域30を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全経路表示する地図の縮尺を変更することができるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経路全体が表示装置の表示領域ほぼ一杯に表示されるように、経路を重畳表示した地図を表示するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−343248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているような従来のナビゲーション装置では、経路全体を表示する地図の縮尺をナビゲーション装置が自動的に設定するため、ナビゲーション装置の使い勝手が悪くなる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、現在地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、推奨経路の開始点と終了点を表示モニタに表示できる縮尺を通知する縮尺通知手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明のナビゲーション装置は、現在地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、推奨経路の全体を表示モニタに表示できる縮尺を通知する縮尺通知手段とを備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、縮尺通知手段は、推奨経路の全体を表示モニタに表示できる縮尺と、推奨経路の一部しか表示モニタに表示できない縮尺とを、異なる表示形態で表示することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、ナビゲーション装置は、推奨経路を表示モニタに表示する複数の縮尺に対応した縮尺ボタンと、表示モニタに表示された複数の縮尺ボタンのいずれかが操作されると操作された縮尺ボタンに対応した縮尺での表示を指示する縮尺指示手段とを備え、縮尺通知手段は、推奨経路の全体を表示モニタに表示できる縮尺に対応する縮尺ボタンの背景と、推奨経路の一部しか表示モニタに表示できない縮尺に対応するボタンの背景とを異なる表示形態で表示することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、ナビゲーション装置は、推奨経路を表示モニタに表示する複数の縮尺に対応した縮尺ボタンと、表示モニタに表示された複数の縮尺ボタンのいずれかが操作されると操作された縮尺ボタンに対応した縮尺での表示を指示する縮尺指示手段とを備え、縮尺通知手段は、推奨経路の全体を表示モニタに表示できる地図縮尺に対応する縮尺ボタンと、推奨経路の一部しか表示モニタに表示できない縮尺に対応するボタンとを異なる表示形態で表示することを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、ナビゲーション装置は、推奨経路を表示モニタに表示する縮尺を変更するスライドキーを備え、縮尺通知手段は、推奨経路の全体を表示モニタに表示できる縮尺に対応するスライドキーの位置と、推奨経路の一部しか表示モニタに表示できない縮尺に対応するスライドキーの位置とを異なる形態で表示することを特徴とする。
(7)請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、表示モニタに表示された推奨経路をスクロールするスクロール指示手段を備え、縮尺通知手段は、スクロール後に推奨経路の全体を表示モニタに表示できる地図縮尺を通知することを特徴とする。
(8)請求項8の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、推奨経路の開始点と終了点の座標を記憶する座標記憶手段と、表示モニタの表示範囲を、複数の縮尺毎に演算する演算手段とを備え、縮尺通知手段は、演算手段によって演算された表示範囲のうち座標記憶手段に記憶された座標を含む表示範囲を通知することを特徴とする。
(9)請求項9の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、推奨経路に含まれるノードの座標を記憶する座標記憶手段と、表示モニタの表示範囲を、複数の縮尺毎に演算する演算手段とを備え、縮尺通知手段は、演算手段によって演算された表示範囲のうち座標記憶手段に記憶された座標を含む表示範囲を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、推奨経路全体を表示モニタに表示できる地図縮尺を、ユーザに通知するようにした。したがって、推奨経路全体を表示できる地図の縮尺範囲内における所望の縮尺で、推奨経路全体が表示された地図を表示モニタに表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の第1の実施の形態によるナビゲーション装置1を示す。ナビゲーション装置1は、表示モニタ16に表示されたボタンを押圧することにより、表示モニタ16に表示される地図の縮尺を変更することができる。このとき、後述する推奨経路を全て表示モニタに表示できる縮尺に対応したボタンをユーザに通知する。
【0007】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11は、DVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果を推奨経路として表示モニタ16に表示する。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索の開始点などを決定する。また、現在地検出装置14により検出された車両の現在地が自車位置マークとして地図上に表示される。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、制御回路11において適宜生成される。
【0011】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。ノード情報には、各ノードの位置(緯度・経路)の情報が含まれる。
【0012】
地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0013】
表示モニタ16は、表示画面を有し、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報をユーザに対して表示する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などのために操作される操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。
【0014】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表示画面表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16の表示画面に表示される画像はタッチパネル19を透過して表示される。したがって、ユーザが表示モニタ16の表示画面に表示された各種ボタンや表示メニューを指で押圧するとタッチパネル19が操作される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の操作位置を算出する。その結果、表示モニタ16の表示画面に表示された各種ボタンや表示メニューに定義された処理が実行される。
【0015】
ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18やタッチパネル19を操作することにより、目的地を設定したり、表示モニタ16の表示画面に表示された地図をスクロールさせることができる。
【0016】
目的地がユーザによって設定されると、制御回路11は、ROM12に格納された制御プログラムにしたがって、目的地を経路探索の終了点に設定する。そして、経路探索用データを用いて経路探索の開始点から終了点までの経路演算を行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して表示モニタ16の表示画面に表示される。これにより、ユーザは道路地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0017】
次に、図2を参照して本発明の実施形態における地図の縮尺変更操作について説明する。図2(a)は、経路誘導しているとき、表示モニタ16に表示される表示画面を説明するための図である。表示画面には、車両の進行方向を上にした表示モード、つまり、ヘッディングアップモードで自車位置周辺の地図20が表示されている。地図20には、自車位置マーク21、推奨経路22、距離表示ボタン23が表示されている。距離表示ボタン23は地図の縮尺を切り替えるボタンであり、単位長さを示す目盛と、地図上の単位長さ当たりの縮尺距離が表示される。
【0018】
地図20の縮尺は、ユーザが距離表示ボタン23を押圧することにより変更される。距離表示ボタン23が押圧されると、図2(b)に示すように、地図20に重ねて、縮尺選択領域30が表示され、この縮尺領域30には、縮尺選択ボタン31a〜31iが表示される。縮尺選択ボタン31a〜31iのそれぞれには、異なる地図の縮尺が割り当てられており、各ボタン操作によって地図が対応する縮尺に変更される。縮尺選択ボタン31a〜31iには、各縮尺の地図上での目盛長さに対応する縮尺距離が表示される。縮尺選択ボタン31a〜31iのいずれか一つを押圧すると、距離表示ボタン23に表示される目盛長さに対応する地図上の距離が、選択された縮尺選択ボタンに表示された縮尺距離になるような縮尺で表す地図が表示モニタ16に表示される。また、縮尺選択ボタン31a〜31iの中で、推奨経路22の全体を表示できる縮尺選択ボタン31f〜31iについては、ユーザがそのことを認識できるように縮尺選択領域30の背景色が定められている。つまり、推奨経路22の全体を表示できない縮尺選択ボタン31a〜31e(以下、このようなボタンを一部表示ボタンと呼ぶ)の背景30aの表示態様と、推奨経路22の全体を表示できる縮尺選択ボタン31f〜31i(以下、このようなボタンを全体表示ボタンと呼ぶ)の背景30bの表示態様(例えば、背景色)とを変えて、縮尺選択領域30を表示する。
【0019】
たとえば、推奨経路22の全体を表示するため縮尺選択ボタン31gを押圧すると、押圧した縮尺選択ボタン31gに応じた縮尺で、図2(c)に示すように、推奨経路22の全体が表示される地図40が表示される。地図40に重ねて、推奨経路22の出発地には出発地マーク41が、推奨経路22の目的地には目的地マーク42が表示される。また、押圧された縮尺選択ボタン31gの縮尺距離が表示された距離表示ボタン43が地図30に重ねて表示モニタ16に表示される。
【0020】
次に、本発明の実施形態における地図の縮尺変更処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。図3の処理は、推奨経路が探索された後、表示モニタ16に地図が表示されるとスタートする制御プログラムにより、制御回路11において実行される。地図はヘッディングアップで表示されているものとする。
【0021】
ステップS301では、タッチパネルコントロール部110において算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、距離表示ボタン23(図2(a)参照)が押圧されたか否かを判定する。距離表示ボタン23が押圧された場合はステップS301を肯定判定して、ステップS302へ進み、押圧されない場合はステップS301を繰り返す。ステップS302では、推奨経路全体を表示モニタ16の表示画面に表示可能な地図縮尺を算出する。
【0022】
図4および図5を参照して、推奨経路全体を表示モニタ16に表示可能な縮尺の算出方法を説明する。図4(a)に示すように、推奨経路を構成するノードの座標と、自車位置の座標とを抽出する。推奨経路を構成するノードの中の1点(ノードA)を例に上げて、以下に示す推奨経路を構成するノードの座標変換について説明する。ノードAの座標を(M,N)とする。また、自車位置Oの座標を(M0,N0)とする。
【0023】
次に、図4(b)に示すように、推奨経路を構成するノードの座標系を、自車位置を中心とする相対的な座標系(X’−Y’座標系)に変換する。ノードAの座標は、(M,N)から(M−M0,N−N0)に変換され、自車位置Oの座標は、(M0,N0)から(0,0)に変換される。
【0024】
次に、図4(c)に示すように、車両の進行方向が表示画面の上になるように、推奨経路を構成するノードの座標系を、自車位置を中心として回転した座標系(X”−Y”座標系)に変換する。ここで、X’−Y’座標系を、自車位置を中心として角度θ回転することにより、車両の進行方向が表示画面の上になる座標系(X”−Y”座標系)になるものとする。ノードAの座標は、(M−M0,N−N0)から((M−M0)cosθ−(N−N0)sinθ,(M−M0)sinθ+(N−N0)cosθ)に変換され、自車位置Oの座標は、(0,0)のままである。
【0025】
次に、図5(a)に示すように、X”−Y”座標系に変換した推奨経路を構成するノードの座標の中で、最も大きいX”座標(ノードCのX”座標)、最も小さいX”座標(ノードAのX”座標)、最も大きいY”座標(ノードCのY”座標)および最も小さいY”座標(ノードBのY”座標が)を抽出する。
【0026】
次に、図5(b)に示すように、地図の各縮尺に対応する表示モニタ16の表示範囲50a〜50eの中から、X”−Y”座標系に変換した推奨経路を構成するノードの座標の中の最も大きいX”座標、最も小さいX”座標、最も大きいY”座標および最も小さいY”座標を含む表示範囲50a,50bを抽出する。つまり、表示範囲50a〜50eの中で、ノードA、ノードBおよびノードCを含む表示範囲50a,50bを抽出する。この抽出した表示範囲50a,50bに対応する地図の縮尺が、ステップS302で選択する地図の縮尺となる。
【0027】
地図の各縮尺に対応する表示モニタ16の表示範囲50a〜50eは、表示モニタ16に表示される地図の縮尺を変更する操作を行ったときに変更する。地図の縮尺を変更しても、表示画面の中心の地図上の位置は変わらないので、表示範囲50a〜50eの中心の位置も同じ位置である。
【0028】
地図の上部を北とするノースアップモードで地図が表示されている場合は、ノードの座標系を変換する必要がないので、ノード情報に含まれるノードの座標(緯度・経度)をそのまま使用する。つまり、地図の各縮尺に対応する表示モニタ16の表示範囲(図5(b)参照)の中から、推奨経路を構成するノードの座標の中の最も大きい緯度、最も小さい緯度、最も大きい経度および最も小さい経度を含むものを抽出する。
【0029】
図3のステップS303では、推奨経路を全て表示モニタ16に表示できる全体表示ボタンの背景の表示態様と、推奨経路の一部しか表示モニタ16に表示できない一部表示ボタンの背景の表示態様とを異ならせて表示モニタ16の表示画面に表示する。ステップS304では、タッチパネルコントロール部110において算出されたタッチパネル19の押圧位置に基づいて、いずれかの縮尺選択ボタンが押圧されたか否かを判定する。縮尺選択ボタンが押圧された場合はステップS304を肯定判定して、ステップS305へ進み、押圧されない場合はステップS304を繰り返す。ステップS305では、押圧された縮尺選択ボタンに対応した縮尺で地図を表示モニタ16に表示する。
【0030】
以上の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような効果を奏する。
(1)推奨経路全体を表示する表示する地図の縮尺をユーザの意志により変更できるようにした。これにより、推奨経路全体が表示画面のほぼ全体に表示された地図を表示することもできるし、推奨経路全体を小さく表示して、推奨経路を含む行政区画における推奨経路の位置を把握できるように地図を表示することもできる。たとえば、この推奨経路は、○○県の北部を通過する経路であることなどを認識できる。
【0031】
(2)推奨経路全体を表示することができる地図縮尺をユーザに通知するようにした。したがって、推奨経路全体を表示することができる地図縮尺をユーザが知ることができ、ユーザは、用途に応じた縮尺で経路全体を含む地図を表示して推奨経路を確認することができる。
【0032】
(3)表示画面の中心に表示されている地図上の位置を変更することなく、推奨経路全体が表示された地図を表示することができるので、地図の縮尺変更前後の対応関係が把握しやすい。一方、上述の従来技術のように、経路全体が表示装置の表示領域ほぼ一杯に表示されるようにすると、表示画面の中心に表示されている地図上の位置が変わることになるので、地図の縮尺変更前後の対応関係が把握しづらい場合がある。
【0033】
(4)推奨経路全体を表示することができる縮尺選択ボタン(全体表示ボタン)の背景の表示態様を、推奨経路の一部しか表示できない縮尺選択ボタン(一部表示ボタン)の背景の表示態様とは異なるようにし、縮尺選択ボタンをタッチパネル上に表示するようにした。これにより、全体表示ボタンをユーザが画面上で押圧するだけで、ユーザは推奨経路全体を表示するできる地図の縮尺を容易に変更することができる。
【0034】
−第2の実施の形態−
第1の実施の形態のナビゲーション装置1では、自車位置を中心とした経路全体表示が可能か否かによって全体表示ボタンと一部表示ボタンの背景を変えるようにした。第2の実施の形態のナビゲーション装置では、図6に示すように、スクロール後の地図画面を中心とした経路全体表示が可能か否かによって2種のボタンの表示形態を変えるようにした。
【0035】
図6を参照して、スクロールした後の地図の縮尺変更操作について説明する。図6(a)は、入力装置18の操作で地図をスクロールすることができるモード(以下、スクロールモード)における表示モニタ16に表示される表示画面を説明するための図である。図6(a)の表示画面は、スクロール後の地図60の表示画面である。スクロールモードであることを示すために、表示画面の中心にはカーソル61が表示されている。図2の地図20の場合と同様に、地図60に重ねて距離表示ボタン23が表示される。
【0036】
地図60の縮尺は、図2の地図20の縮尺変更操作と同様に、ユーザが距離表示ボタン23を押圧することにより行われる。距離表示ボタン23が押圧されると、図6(b)に示すように、図2の地図20の場合と同様に、縮尺選択領域30内に推奨経路22の全体を表示できない縮尺選択ボタン(一部表示ボタン)の背景30aと、推奨経路22の全体を表示できる縮尺選択ボタン(全体表示ボタン)の背景30bとが表示態様を変えて表示される。地図をスクロールさせたため、図2の地図20に比べて広域の地図を表示しなければ、推奨経路22の全体を表示モニタ16に表示させることはできない。したがって、推奨経路22の全体を表示できない一部表示ボタンは、縮尺選択ボタン31a〜31gとなり、推奨経路22の全体を表示できる全体表示ボタンは、2つの縮尺選択ボタン31h〜31iとなる。そのため、各ボタンで識別する背景30a,30bも図2と異なる。
【0037】
全体表示ボタン31hを押圧すると、図6(c)に示すように、推奨経路22の全体が地図70として表示される。押圧された縮尺選択ボタン31hの縮尺距離が表示された距離表示ボタン71が地図30に重ねて表示モニタ16に表示される。
【0038】
以上説明した第2の実施の形態によれば、スクロールした後に表示した地図上の位置と、推奨経路との間の位置関係を容易に把握することができる。
【0039】
本発明は、上記第1及び第2の実施の形態に限られるものではなく、以下のように変更してもよい。
(1)第1および第2の実施形態では、縮尺選択ボタンの背景色を変えることにより各ボタンの操作による地図表示形態の相違を表現した。しかし、次のように変形してもよい。
全体表示ボタンの表示態様(例えば、ボタン自体の表示色)を、一部表示ボタンの表示態様と変えることにより、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図の縮尺範囲を、ユーザに通知するようにしてもよい。これによっても、ユーザは推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図の縮尺範囲を容易に把握することができる。
【0040】
(2)第1および第2の実施の形態では、縮尺選択ボタンにより地図縮尺を変更するようにした。しかし、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図縮尺をユーザに通知することができれば、本発明はそれらの実施形態に限定されない。たとえば、図7に示すように、スライドキー81を上下にスライド操作して地図縮尺を変更するものに本発明を適用してもよい。この場合、地図縮尺の程度を表す縮尺レベル表示領域80を地図20に重ねて表示し、縮尺レベル表示領域80には、スライドキー81と、スライドキー81の複数の移動位置に対応して並列表示された複数の縮尺レベルバー82が表示される。推奨経路を全て表示モニタ16に表示できる縮尺レベルバーの表示態様を、推奨経路の一部しか表示モニタ16に表示できない縮尺レベルのバーの表示態様と変えることにより、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図縮尺を、ユーザに通知するようにしてもよい。図7の濃い色の縮尺レベルバーが経路全体を表示できる縮尺レベルバーを示している。
【0041】
この変形例でも、ユーザは推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図の縮尺範囲を容易に把握することができる。また、入力装置18を操作して、地図の縮尺を1段階ずつ変更する場合、地図の縮尺を広域側に何回変更すれば、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できるかを容易に把握できる。図7の場合、ユーザは縮尺レベル表示領域80を見て、地図の縮尺を広域側に変更する操作を4回繰り返せば、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できることがわかる。
【0042】
(3)推奨経路の開始点および終了点の2点が、表示モニタの表示範囲に含まれるか否かを判定することによって、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図の縮尺範囲を決定してもよい。推奨経路の出発地および目的地の2地点で決定できるので、推奨経路全体を表示モニタ16に表示できる地図の縮尺範囲を速やかに決定できる。
【0043】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【0044】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の探索手段は制御回路11に対応し、縮尺指示手段は、制御回路11、入力装置18、タッチパネル19およびタッチパネルコントロール部110に対応する。縮尺通知手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、スクロール指示手段は入力装置18ならびにタッチパネル19、タッチパネルコントロール部110に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における地図の縮尺変更操作を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における地図の縮尺変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】推奨経路が全て表示モニタに表示される地図の縮尺を選択する選択方法を説明するための図である。
【図5】推奨経路が全て表示モニタに表示される地図の縮尺を選択する選択方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるスクロールした後の地図の縮尺変更操作を説明するための図である。
【図7】地図の縮尺を表示したスケールバーを説明するための図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
18 入力装置
19 タッチパネル
22 推奨経路
23,43,71 距離表示ボタン
30 縮尺選択領域
31a〜31i 縮尺選択ボタン
50a〜50e 表示モニタの表示範囲
110 タッチパネルコントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、
前記推奨経路の開始点と終了点を前記表示モニタに表示できる縮尺を通知する縮尺通知手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
現在地から目的地までの推奨経路を探索する探索手段と、
前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる縮尺を通知する縮尺通知手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記縮尺通知手段は、前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる縮尺と、前記推奨経路の一部しか前記表示モニタに表示できない縮尺とを、異なる表示形態で表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記推奨経路を前記表示モニタに表示する複数の縮尺に対応した縮尺ボタンと、
前記表示モニタに表示された複数の縮尺ボタンのいずれかが操作されると操作された縮尺ボタンに対応した縮尺での表示を指示する縮尺指示手段とを備え、
前記縮尺通知手段は、前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる縮尺に対応する縮尺ボタンの背景と、前記推奨経路の一部しか前記表示モニタに表示できない縮尺に対応するボタンの背景とを異なる表示形態で表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記推奨経路を前記表示モニタに表示する複数の縮尺に対応した縮尺ボタンと、
前記表示モニタに表示された複数の縮尺ボタンのいずれかが操作されると操作された縮尺ボタンに対応した縮尺での表示を指示する縮尺指示手段とを備え、
前記縮尺通知手段は、前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる地図縮尺に対応する縮尺ボタンと、前記推奨経路の一部しか前記表示モニタに表示できない縮尺に対応するボタンとを異なる表示形態で表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、前記推奨経路を前記表示モニタに表示する縮尺を変更するスライドキーを備え、
前記縮尺通知手段は、前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる縮尺に対応するスライドキーの位置と、前記推奨経路の一部しか前記表示モニタに表示できない縮尺に対応するスライドキーの位置とを異なる形態で表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示モニタに表示された前記推奨経路をスクロールするスクロール指示手段を備え、
前記縮尺通知手段は、スクロール後に前記推奨経路の全体を前記表示モニタに表示できる地図縮尺を通知することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記推奨経路の開始点と終了点の座標を記憶する座標記憶手段と、
前記表示モニタの表示範囲を、複数の縮尺毎に演算する演算手段とを備え、
前記縮尺通知手段は、演算手段によって演算された表示範囲のうち前記座標記憶手段に記憶された座標を含む表示範囲を通知することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記推奨経路に含まれるノードの座標を記憶する座標記憶手段と、
前記表示モニタの表示範囲を、複数の縮尺毎に演算する演算手段とを備え、
前記縮尺通知手段は、演算手段によって演算された表示範囲のうち前記座標記憶手段に記憶された座標を含む表示範囲を通知することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−294132(P2009−294132A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149277(P2008−149277)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】