説明

ナビゲーション装置

【課題】設置状態を正確に、且つ迅速に確認することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】このナビゲーション装置50は、少なくとも、自車位置計算、経路探索、及び経路案内に係る演算を行なう中央処理装置1と、車両の現在地を特定するための情報を検出する自車位置検出装置5と、少なくとも、地図データ、案内データ、及び音声データを格納する記憶装置6と、ユーザが目的地の場所を入力する入力装置7と、中央処理装置1により演算された結果を表示、又は/及び報知する出力装置8と、渋滞、規制、及び駐車場の交通情報を受信する交通情報受信装置10と、車両のイルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態を検出する車両状態検出装置11と、を備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、さらに詳しくは、ナビゲーション装置を車両に設置した後に、各センサが正しく接続されているかを確認する手段を備えたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置を車両に搭載する際には、ナビゲーション装置を所要箇所に取り付けた後で、取扱説明書に記載された操作を行い、図8に示すような接続確認画面20を表示させていた。即ち、各種センサ21〜23が正しく接続されているか否かの確認に際しては、スクロールスイッチ24、25によりセンサを選択して車両側の各スイッチをオン・オフして切り替えることによって、状態表示のインジケータの変化を目視により確認していた。
特許文献1には、装置形態を自在に替え、また利用者の目的に合わせて車内外で使用できるものを得るナビゲーション装置について開示されている。
また、特許文献2には、USBインターフェイスが備えている機能を利用することで車両搭載装置の動作状態を監視し、信頼性を向上させることができる車両用USBシステムについて開示されている。
また、特許文献3には、VICS光送受信素子が搭載された統合アンテナに流入する消費電流に基づいて統合アンテナの接続状態を検出する際に、消費電流検出用の抵抗の抵抗値を小さくしながら接続状態を確実に検出することができると共にノイズの回り込みの影響を受けることがないようにする接続状態検出装置について開示されている。
【特許文献1】特開平11−218425号公報
【特許文献2】特開2006−301952公報
【特許文献3】特開2007−143100公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のナビゲーション装置にあっては、ナビゲーション装置を車両に取り付ける時以外には接続確認画面を表示させる機会が少ないため、その画面にたどり着くまでの手順が複雑に設定されていることが多く、画面を見てもインジケータ表示だけでは解りづらいものがあった。また、車両側のスイッチ類(例えばイルミネーションランプやパーキングブレーキ等)を操作して確認する構成の場合、スイッチを操作するたびに画面を見て確認するといった煩わしさがあった。また、接続が正常でなかった場合の対処は取扱説明書を見る必要があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、全ての接続状態の検出が終了すると、接続確認情報に基づく結果を出力装置にリスト表示することにより、設置状態を正確に、且つ迅速に確認することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、取り付け完了後に、全てのセンサの接続確認が行なえるように操作指示を出力するナビゲーション装置であって、少なくとも、自車位置計算、経路探索、及び経路案内に係る演算を行なう中央処理装置と、車両の現在地を特定するための情報を検出する自車位置検出装置と、少なくとも、地図データ、案内データ、及び音声データを格納する記憶装置と、ユーザが目的地の場所を入力する入力装置と、前記中央処理装置により演算された結果を表示、又は/及び報知する出力装置と、渋滞、規制、及び駐車場の交通情報を受信する交通情報受信装置と、車両のイルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態を検出する車両状態検出装置と、を備えたことを特徴とする。
請求項2は、前記中央処理装置は、前記車両状態検出装置が前記自車位置検出装置、及び前記交通情報受信装置により検出した接続確認情報を記憶し、全ての接続状態の検出が終了すると、前記接続確認情報に基づく結果を前記出力装置にリスト表示することを特徴とする。
請求項3は、前記中央処理装置は、接続状態が異常であると判断した場合は、該異常な接続状態に係る詳細情報を前記出力装置に表示することを特徴とする。
請求項4は、前記車両状態検出装置は、前記イルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態検出を行なうと共に、前記自車位置検出装置を構成するGPSアンテナ、ジャイロセンサ、及び車速パルスセンサと、前記交通情報受信装置を構成するビーコンアンテナについて接続確認を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、中央処理装置は、車両状態検出装置が自車位置検出装置、及び交通情報受信装置により検出した接続確認情報を記憶し、全ての接続状態の検出が終了すると、接続確認情報に基づく結果を出力装置にリスト表示するので、各センサの設置状態を正確に、且つ迅速に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置50は、取り付け完了後に、全てのセンサの接続確認が行なえるように操作指示を出すナビゲーション装置50であって、少なくとも、自車位置計算、経路探索、及び経路案内に係る演算を行なう中央処理装置1と、車両の現在地を特定するための情報を検出する自車位置検出装置5と、少なくとも、地図データ、案内データ、及び音声データを格納する記憶装置6と、ユーザが目的地の場所を入力する入力装置7と、中央処理装置1により演算された結果を表示、又は/及び報知する出力装置8と、渋滞、規制、及び駐車場の交通情報を受信する交通情報受信装置10と、車両のイルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態を検出する車両状態検出装置11と、を備えて構成されている。尚、中央処理装置1は、自車位置計算・経路探索・経路案内等の種々の演算を行うためのCPU2と、プ口グラムを格納するためのROM3と、演算結果を一時的に保存するためのRAM4により構成される。
【0007】
即ち、中央処理装置1には自車位置計算・経路探索・経路案内等の種々の演算を行うためのCPU2、プ口グラムを格納するためのROM3、演算結果を一時的に保存するためのRAM4により構成される。また、自車位置検出装置5は車両の現在地を特定するための情報を検出する装置であり、ジャイロセンサ・車速パルスセンサ・GPS受信機等により構成される。記憶装置6には地図データ・案内データ・音声データ等が格納されるハードディスク・DVD−ROM等の記憶媒体である。入力装置7は、ユーザが目的地の場所を入力したり、経路探索するための手段としてリモコンやタッチパネルにより構成される。出力装置8は中央処理装置1により演算された結果となる、自車位置・探索経路・案内データをユーザに画面・音声で提示するための表示モニタ・スピー力等により構成される。交通情報受信装置10は、VICSに代表される渋滞や規制、駐車場などの交通情報を受信するためのもので、FM多重放送受信装置やビーコン受信装置により構成される。そして車両状態検出装置11では車両のイルミネーションスイッチ・パーキングブレーキ・バックセンサの状態を検出する。このうち接続確認の必要なものは自車位置検出装置の「GPSアンテナ」「ジャイロセンサ」「車速パルスセンサ」、交通情報受信装置の「ビーコンアンテナ」、車両状態検出装置の「イルミネーションスイッチ」「パーキングブレーキ」「バックセンサ」である。
【0008】
本発明はこれらの接続状態を、表示モニタ・スピーカを使い、漏れなく分かりやすく確認させるための方法を提供する。
中央処理装置1は、車両状態検出装置11、自車位置検出装置5、及び交通情報受信装置10により検出した接続確認情報を記憶し、全ての接続状態の検出が終了すると、接続確認情報に基づく結果を出力装置8にリスト表示する。
また、中央処理装置1は、接続状態が異常であると判断した場合は、異常な接続状態に係る詳細情報を出力装置8に表示する。
また、車両状態検出装置11は、イルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態検出を行なうと共に、自車位置検出装置5を構成するGPSアンテナ、ジャイロセンサ、及び車速パルスセンサと、交通情報受信装置10を構成するビーコンアンテナについて接続確認を行う。
これにより、中央処理装置1は、車両状態検出装置11、自車位置検出装置5、及び交通情報受信装置10により検出した接続確認情報を記憶し、全ての接続状態の検出が終了すると、接続確認情報に基づく結果を出力装置8にリスト表示するので、各センサの設置状態を正確に、且つ迅速に確認することができる。
【0009】
図2は本発明のナビゲーション装置起動後の接続確認処理のフローチャートである。まず、接続確認終了フラグが成立しているかどうかを判定する(S301)。初期状態(接続未チェック状態)では、このフラグはOFFになっており、全ての接続確認が正常に終了した時(S323)にONとなる。フラグが立っていれば(S301でNo)、接続が既に正常であると判断し、接続確認処理を終了する。フラグが立っていなければ(S301でYes)、S302以降の接続チェックを行う。S302のビーコンユニットとS304のGPSユニットの接続については、ナビゲーション装置起動時に本体と各ユニットが通信し合うことにより接続状態を確認する。
【0010】
各ユニットからの接続確認応答がなければ、各ユニットの接続異常フラグをONにする(S303、S305)。S306以降のチェックは、車両の状態を変えることにより接続確認する項目であるため、音声と画面表示によりユーザに対して車両の操作を促す。S306ではイルミネーションの接続確認を行うため「イルミネーションをONにしてください」のメッセージ表示と音声報知を行う。メッセージ表示の際には、図3のように、ユーザに分かりやすいイラストを交えて提示しても良い。その後、指定時間内にイルミネーションのON信号を検出したかどうかを判定する(S307)。検出できなければ(S307でNo)イルミ信号異常フラグをONにする(S308)。そして「イルミネーションをOFFにしてください]のメッセージ・音声報知を行い(S309)、「ギアをバックに入れてください」の表示と音声報知を行う(S310)。この場合も、図4のようなイラスト入り表示にしてもよい。
【0011】
そして、指定時間内にバックセンサの信号を検出できたかどうかを判定し(S311)、できなかった場合は(S311でNo)、バックセンサ異常フラグをONにする(S312)。その後、S313では、自車位置検出装置の各接続状態を確認するため、ユーザに対しGPS信号の受信できるところまで車を移動させて、パーキング信号を検出させるような表示.音声報知をする(S313)。車両の移動が終わったらS314でパーキング信号状態を検出し、ONでなければ(S314でNo)パーキングセンサ異常フラグをONにする(S315)。また、車両移動中にGPS衛星が受信できたかどうかを判定し(S316)、受信できなければ(S316でNo)GPS受信異常フラグをONにする(S317)。GPS衛星の信号が受信できている場合は(S316でYes)、GPS情報から算出した旋回方向とジャイロ信号から検出した旋回方向を比較する(S318)。両者の旋回方向が一致してなければ(S318でNo)、ジャイロの取り付け角度が異常と判断し、ジャイロセンサ異常フラグをONにする(S319)。最後にS320で車両移動中に車速パルスを検出したかどうかを判定し、検出されなければ(S320でNo)、車速パルス異常フラグをONにする(S321)。ここまでで全ての接続チェック処理は終了する。最後に、各種センサが正常に接続されている場合(異常フラグが全てOFFである場合)には、接続確認終了フラグを立てる(S323)。
そして、ユーザに対して各種接続チェックの結果を図5のようにリスト表示する(S324)。接続状態が異常だと判断された項目については、ユーザ操作により詳細情報を表示することが出来る。その場合は図7に示すような異常項目と対処法を関連付けた内部テーブルを参照し、図6のように対処法を画面表示する(S325)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の構成を示すフローチャートである。
【図3】イルミネーションの接続確認を行うためのメッセージ表示の一例を示す図である。
【図4】イルミネーションの接続確認を行うためのメッセージ表示の一例を示す図である。
【図5】ユーザに対して各種接続チェックの結果をリスト表示した図である。
【図6】対処法の一例を画面表示した図である。
【図7】異常項目と対処法を関連付けた内部テーブルを示す図である。
【図8】従来の接続確認画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0013】
1 中央処理装置、2 CPU、3 ROM、4 RAM、5 自動位置検出装置、6 記憶装置、7 入力装置、8 出力装置、10 交通情報受信装置、11 車両状態検出装置、50 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け完了後に、全てのセンサの接続確認が行なえるように操作指示を出力するナビゲーション装置であって、
少なくとも、自車位置計算、経路探索、及び経路案内に係る演算を行なう中央処理装置と、車両の現在地を特定するための情報を検出する自車位置検出装置と、少なくとも、地図データ、案内データ、及び音声データを格納する記憶装置と、ユーザが目的地を入力する入力装置と、前記中央処理装置により演算された結果を表示、又は/及び報知する出力装置と、渋滞、規制、及び駐車場の交通情報を受信する交通情報受信装置と、車両のイルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態を検出する車両状態検出装置と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記中央処理装置は、前記車両状態検出装置が前記自車位置検出装置、及び前記交通情報受信装置により検出した接続確認情報を記憶し、全ての接続状態の検出が終了すると、前記接続確認情報に基づく結果を前記出力装置にリスト表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記中央処理装置は、接続状態が異常であると判断した場合は、該異常な接続状態に係る詳細情報を前記出力装置に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記車両状態検出装置は、前記イルミネーションスイッチ、パーキングブレーキ、及びバックセンサの状態検出を行なうと共に、前記自車位置検出装置を構成するGPSアンテナ、ジャイロセンサ、及び車速パルスセンサと、前記交通情報受信装置を構成するビーコンアンテナについて接続確認を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−117311(P2010−117311A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292288(P2008−292288)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】