ナビゲーション装置
【課題】時刻や日付等の時間的要因の指定を容易に変更できるようにするとともに、このような時間的要因の変更がある毎にその時間的要因の下での交通情報に基づいた推奨誘導経路を決定して表示することにより、時間的要因が異なる各時点での推奨誘導経路の相違を容易に比較できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】交通情報を記憶する記憶手段と、目的地Gまでの誘導経路Rの決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、指定受付手段により受け付けた指定時間的要因T1,T2の下で交通情報に基づいて誘導経路Rを決定する誘導経路決定手段と、指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示Ft、Fdを生成する時間的要因表示生成手段と、誘導経路Rとともに、時間的要因表示Ft、Fdを表示する表示手段と、を備える。
【解決手段】交通情報を記憶する記憶手段と、目的地Gまでの誘導経路Rの決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、指定受付手段により受け付けた指定時間的要因T1,T2の下で交通情報に基づいて誘導経路Rを決定する誘導経路決定手段と、指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示Ft、Fdを生成する時間的要因表示生成手段と、誘導経路Rとともに、時間的要因表示Ft、Fdを表示する表示手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定された目的地までの誘導経路を探索し、その探索結果に基づいて例えば車両の運転者等の使用者に対して経路案内のための表示を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの地図や経路等の情報を表示することによって車両の運転者等の使用者を目的地まで誘導案内する機能を備えたナビゲーション装置に関して、車両の外から送られてくる交通情報を受信して記憶装置に記憶して蓄積しておき、誘導経路の探索の際に、最新の交通情報と記憶装置に蓄積されている過去の交通情報とを利用して、最も短時間で目的地まで到達できると予想される誘導経路を探索する技術が知られている。
【0003】
このようなナビゲーション装置として、例えば下記特許文献1には以下のような技術が開示されている。すなわち、このナビゲーション装置は、ビーコン受信器で受信した光ビーコン若しくは電波ビーコン又はFM多重受信ユニットで受信したFM多重放送を介して受信した交通情報のうちリンク旅行時間を抽出してメモリに記憶する。このメモリには、例えば過去4週間分のリンク旅行時間の平均値が10分毎に分けて記憶されている。ナビゲーション装置本体は、ビーコン受信器又はFM多重受信ユニットを介して受信した最新の交通情報を基に目的地までの所要時間を計算し、例えば1時間以下の場合は最新の交通情報を使用して誘導経路を探索し、1時間を超える場合は、1時間を超える分の誘導経路について、メモリに記憶している過去の交通情報(リンク旅行時間の情報)を使用して誘導経路を探索する。また、場所により最新の交通情報を受信できない場合には、メモリに記憶している過去の交通情報(リンク旅行時間の情報)のみを使用して誘導経路を探索する。
【0004】
ここで、目的地までの所要時間が1時間以下の場合には最新の交通情報を使用して誘導経路を探索するのは、現在時刻から1時間以内程度であれば渋滞の程度が大きく変わることがないので、その程度の時間範囲内では最新の交通情報を用いて誘導経路を探索するのが、過去の交通情報を用いるよりも正確であると考えられるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−113290号公報(第2−7頁、第4−8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ナビゲーション装置の技術では、目的地までの所要時間が1時間以下の場合に最新の交通情報を使用して誘導経路を探索することからも明らかなように、常に現在時刻を出発時刻として誘導経路の探索を行うことを前提としている。そのため、出発時刻の設定を変更して誘導経路の探索や目的地までの予想所要時間の計算を行い、どの時刻に出発するのが最も良いかを使用者が容易に検討できるようにするための構成を備えていない。したがって、出発時刻を変更すればより早く目的地に到達できるような場合や、出発時刻を変更することによってより簡単な誘導経路によりほぼ同じ時間で目的地に到達できるような場合であっても、使用者がそのような出発時刻の変更を含む誘導経路の検討を行うことが容易にはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、時刻や日付等の時間
的要因の指定を容易に変更できるようにするとともに、このような時間的要因の変更がある毎にその時間的要因の下での交通情報に基づいた推奨誘導経路を決定して表示することにより、時間的要因が異なる各時点での推奨誘導経路の相違を容易に比較できるようにし、使用者が出発時刻や出発日の変更を含む誘導経路の検討を容易に行うことができるナビゲーション装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るナビゲーション装置の特徴構成は、交通情報を記憶する記憶手段と、目的地までの誘導経路の決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、前記指定受付手段により受け付けた時間的要因である指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定する誘導経路決定手段と、前記指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する時間的要因表示生成手段と、前記誘導経路決定手段により決定された誘導経路とともに、前記時間的要因表示生成手段により生成された時間的要因表示を表示する表示手段と、を備える点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路とともに、時刻や日付等の時間的要因についてその指定可能な範囲又は時点を容易に理解可能な状態で時間的要因表示として表示するので、使用者は、容易に時間的要因の指定を変更して様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路を比較検討することができる。したがって、使用者は、出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を容易に行うことができる。
【0010】
また、前記指定受付手段により新たな時間的要因の指定を受け付けた際には、前記誘導経路決定手段は、前記新たに受け付けた指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定し、前記時間的要因表示生成手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づいて前記指定時間的要因を表す部分を変更した変更後の時間的要因表示を生成し、前記表示手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づく前記誘導経路及び前記変更後の時間的要因表示を表示する。
【0011】
これにより、指定受付手段により指定時間的要因が変更された場合に、当該変更後の指定時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路の情報を、当該指定時間的要因に対応させた状態で使用者に対して分かり易く表示することができる。すなわち、指定時間的要因の変更による誘導経路の変化の情報を視覚的に分かり易い状態で使用者に対して提供することができる。したがって、使用者は、様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路を容易に比較検討することができる。
【0012】
また、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間を導出する予想所要時間導出手段を備え、前記表示手段は、前記誘導経路とともに前記予想所要時間を表示する構成とすると好適である。
【0013】
このような構成とすることにより、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路とともに、当該誘導経路の指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間も同時に表示することができるので、使用者は、様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路と、その誘導経路による目的地までの予想所要時間との双方について比較検討することができ、出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討をより適切に行うことができる。
【0014】
前記指定受付手段は、前記表示手段に表示された前記時間的要因表示上で時間的要因の
指定を受け付ける構成とすると好適である。
【0015】
このような構成とすることにより、時間的要因として指定可能な範囲又は指定可能な複数の時点を表している時間的要因表示の表示上の位置を使用者が指示するだけの直感的な操作により、容易に時間的要因の指定を行うことができる操作性の高い装置とすることができる。
【0016】
また、前記誘導経路決定手段は、目的地までの複数の経路候補を探索し、前記複数の経路候補の中から、前記指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて一の誘導経路を決定し、前記表示手段は、前記複数の経路候補を表示するととともに、前記決定された一の誘導経路を他の経路候補に対して強調して表示する構成とすることが可能である。
【0017】
このような構成とすることにより、使用者に対して、経路候補としてどのような経路があり得るのかという情報を提供できるとともに、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路がそれらの経路候補の中のどの誘導経路かという情報を分かり易く表示することができる。したがって、使用者は、時間的要因との関係でどの誘導経路を通って目的地まで行くかの検討を容易に行うことができる。
【0018】
ここで、前記時間的要因は、時刻、日付及び曜日のいずれか一つ以上とすることが可能である。
【0019】
また、前記時間的要因表示は、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻、日付又は曜日を連続的に表した表示、又は指定可能な時刻、日付又は曜日の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を有する構成とすると好適である。
【0020】
これにより、使用者が指定可能な時間的要因を直感的に容易に理解できて指定できる態様で表示することができる。
【0021】
更に、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記時間的要因を異にする混雑度を、前記時間的要因表示と関連付けて表示する構成とすると好適である。
【0022】
このような構成とすることにより、決定された誘導経路及び時間的要因表示とともに、当該誘導経路についての時間的要因を異にする混雑度を表示するので、ナビゲーション装置の使用者に対して、当該誘導経路についての混雑度が時刻や日付等の時間的要因によってどのように変化するかという情報を容易に理解できる態様で提供することができる。したがって、使用者は、誘導経路の混雑度を考慮して出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【0023】
また、前記指定時間的要因の下での前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路上の各位置の混雑度を導出する経路上混雑度導出手段、を備え、前記表示手段は、前記経路上混雑度導出手段により導出された前記誘導経路上の各位置の混雑度を、前記誘導経路に対応させて表示する構成とすると好適である。
【0024】
このような構成とすることにより、指定受付手段により指定された指定時間的要因についての誘導経路上の各位置の混雑度を当該誘導経路に対応させて表示するので、当該指定時間的要因の下で、誘導経路上のどの位置の混雑度が高いか等のより詳細な情報を使用者
に提供することができる。したがって、使用者は、誘導経路上の各位置の混雑度を考慮して目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【0025】
また、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により探索された前記複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記複数の経路候補のそれぞれについての前記時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示する構成としても好適である。
【0026】
このような構成とすることにより、複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示するので、ナビゲーション装置の使用者に対して、複数の経路候補のそれぞれについての混雑度が時刻や日付等の時間的要因によってどのように変化するかという情報を容易に理解できる態様で提供することができる。したがって、使用者は、複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を比較考慮して出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図
【図2】地図データベースが有する各リンクのリンク情報の内容を示す図
【図3】交通情報データベースの内容を示す図
【図4】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図5】誘導経路の探索に使用されるリンク及びノードの関係を示す図
【図6】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置により指定日付及び指定時刻による推奨誘導経路の案内を行う際の動作制御を示すフローチャート
【図7】本発明の第二の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図8】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図
【図9】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図10】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置により推奨誘導経路を含む複数の経路候補、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行う際の動作制御を示すフローチャート
【図11】本発明の第四の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図12】本発明の第四の実施形態に係るナビゲーション装置において、混雑度の表示も行う場合の表示画面の例を示す図
【図13】本発明のその他の実施形態(1)に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図14】本発明のその他の実施形態(2)に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るナビゲーション装置を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用した場合について説明する。図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【0029】
この図1に示すように、本実施形態に係るナビゲーション装置は、主たる構成として、
現在位置検知装置1、情報記憶装置2、演算処理装置3、表示入力装置4、リモコン入力装置5、及びVICS受信機9を備えている。
【0030】
現在位置検知装置1は、ここでは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機6、方位検知センサ7、及び距離検知センサ8を備えて構成されている。GPS受信機6は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、GPS受信機6の位置情報、GPS受信機6の移動速度、GPS受信機6の進行方向など様々な情報を得ることができる。方位検知センサ7は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成され、車両の進行方向を検知することができる。距離検知センサ8は、車輪の回転数を検知するセンサや車両の加速度を検知するセンサと検知された加速度を2回積分する回路との組み合わせ等により構成され、車両の移動距離を検知することができる。
【0031】
VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)受信機9は、道路上の所定の地点に設置された信号発信機から発信された信号を受信する装置であり、VICSの光ビーコン及び電波ビーコンや、FM放送に多重されたVICS信号を受信することができる装置としている。演算処理装置3は、このVICS受信機9が受信した信号から、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等の各種交通情報を取得することができる。
【0032】
情報記憶装置2は、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有して構成される。そして、ここでは、情報記憶装置2には、地図データベース2aと、交通情報データベース2bが格納されている。よって、本実施形態においては、この情報記憶装置2が「記憶手段」に相当する。
【0033】
地図データベース2aは、表示入力装置4の後述する表示部4aに表示するための地図情報を記憶しているデータベースである。地図情報は、道路レイヤ、施設等の背景情報を有する背景レイヤ、市町村名など文字を表示するための文字レイヤ等を有して構成されている。このうち、道路レイヤは、緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数のノードNと、2つのノードNを連結して道路を構成する多数のリンクLとを有して構成されている。各リンクLは、そのリンク情報Laとして、図2に示すように、リンク番号、両端のノードNのノード番号、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)、リンク長さ及び幅員等の道路属性情報を備えている。
【0034】
交通情報データベース2bは、本実施形態においては、図3に示すように、日付(ここでは月日、1月1日〜12月31日)及び時刻毎(ここでは15分単位、00:00〜23:45)に、地図データベース2aに含まれる全リンクL(リンク番号1〜nnn)のそれぞれに対応する混雑度及び旅行時間の情報を記憶しているデータベースである。ここで、混雑度は、「1」〜「5」の5段階で表されており、「1」は渋滞なし、「2」はやや混雑、「3」は混雑、「4」はやや渋滞、「5」は渋滞というように、数が増えるほど混雑度も高くなるように表現される。なお、混雑度を「1」〜「5」の5段階に分類したのは単に一例であり、更に細分化し又は簡略化することも当然に可能である。旅行時間は、各リンクLの一方のノードNから他方のノードNまでの距離を通過するのに要する時間であり、図3中では秒単位の数値で表されている。なお、この交通情報データベース2bに記憶される情報は、過去のVICS情報や道路交通センサスの情報、或いは自車の走行履歴情報等から得られる情報に基づいて、日付及び時刻を同じくする過去の各リンクLにおける旅行時間や混雑の程度等を統計的に処理することで得ることができる。
【0035】
図1に戻り、表示入力装置4は、地図や誘導経路R(図4参照)等の経路案内のための各種情報を表示するための表示部4aと、被案内者である車両の運転者からの入力を受け付ける入力部4bとを有して構成されている。表示部4aには、例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、CRT(cathode-ray tube)表示装置等を用いることができる。本実施形態においては、この表示入力装置4の表示部4aが「表示手段」に相当する。また、入力部4bとしては、ここでは、表示部4aの表示画面上に設けたタッチパネルと、表示画面の周囲に配置した各種スイッチとを備えている。また、リモコン入力装置5は、車両の運転者からの入力を受け付けてリモートコントロールにより演算処理装置3側に送信する装置であり、送信された入力情報はリモコン受信機10を介して演算処理装置3に入力される。本実施形態においては、これらの表示入力装置4の入力部4b及びリモコン入力装置5が、後述するように、日付や時刻等の時間的要因の指定を受け付ける本発明の「指定受付手段」を構成する。
【0036】
演算処理装置3は、所定の動作プログラム、データ、入力情報等に基づいて、地図や誘導経路R等の各種情報の表示処理、目的地Gの位置や目的地Gまでの誘導経路R(図4参照)等の探索処理、目的地Gまでの経路案内や交通情報の案内等の案内処理等の各種の演算処理及び各部の動作制御を行うものである。この演算処理装置3としては、例えば、各種の演算処理及びナビゲーション装置の各部の動作制御を行うCPUと、このCPUが演算処理を行う際のワーキングメモリとして使用されるRAMと、CPUを動作させるための各種の動作プログラムや制御プログラム等のソフトウェアが格納されたROM等を備える構成とすることができる。そして、この演算処理装置3に、現在位置検知装置1、情報記憶装置2、表示入力装置4及びリモコン入力装置5が接続されている。
【0037】
演算処理装置3は所定の目的を達成するためのソフトウェアが格納されており、ハードウェアとともに働いて一定の目的を達成するように構成されている。即ち、ソフトウェアとハードウェアとは、共働することで所定の目的を実現する処理手段を構成する。ここでは、図1に示すように、演算処理装置3は、時間的要因表示生成手段11、誘導経路決定手段12、及び予想所要時間導出手段13を備えている。
【0038】
時間的要因表示生成手段11は、指定受付手段を構成する表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する処理を行う。ここで、「時間的要因」としては、例えば、時刻、日付、曜日、時刻及び日付、又は時刻及び曜日等が相当する。本実施形態においては、この時間的要因を時刻及び日付とした場合を例として説明する。図4は、本実施形態に係るナビゲーション装置において、誘導経路決定手段12により決定された誘導経路Rとともに、時間的要因表示生成手段11により生成された時刻に関する時間的要因表示(以下「時刻要因表示」という)Ft及び日付に関する時間的要因表示(以下「日付要因表示」という)Fdを表示した表示画面の例を示す図である。
【0039】
この図4に示すように、時間的要因表示生成手段11は、ここでは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定時刻T2と、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻を連続的に表す時刻要因表示Ft、及び表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定日付T1と、この指定日付T1として指定可能な日付の複数の時点を所定の規則に従って配置して表す日付要因表示Fdを生成する。具体的には、ここでは、時刻要因表示Ftは、00:00〜24:00の1日を範囲とする横方向の時間軸に沿って時刻を連続的に表す帯状の表示Ftaを有しており、この帯状の表示の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。なお、図4に示す例では、指定時刻表示Ftbの上に文字による指定時刻T2の表示も配置している。また、日付要因表示Fd
は、指定日付T1を中央の指定日付領域Fdaに表示するとともに、その両側にそれぞれ指定日付T1の前後の日付を表す三角形アイコン状の変更日付表示Fdbが配置されている。そして、このように生成された時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdは、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0040】
更に、時間的要因表示生成手段11は、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定時刻T2を受け付けた際には、指定時刻表示Ftbを当該新たに受け付けた指定時刻T2に変更した時刻要因表示Ftを生成し、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定日付T1を受け付けた際には、指定日付領域Fdaの表示を当該新たに受け付けた指定日付T1に変更した日付要因表示Fdを生成する。
【0041】
指定時刻T2の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図4(b)に示すように、表示入力装置4の入力部4bによる、表示部4aに表示された時刻要因表示Ft上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する時刻の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された00:00〜24:00の時間軸に沿って表示された時刻要因表示Ft上の位置に触れることにより、その位置に対応する時間軸上の時刻が指定時刻T2として受け付けられる。そして、受け付けられた指定時刻T2は、上記のように指定時刻表示Ftbとして時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示される。ところで、本実施形態においては、使用者により指定時刻T2が指定されていない状態でのデフォルト値として、現在時刻を指定時刻T2としている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5が操作されて時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上の指定時刻表示Ftbが移動させられた場合にも、指定時刻T2の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0042】
また、指定日付T1の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示された日付要因表示Fd上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する日付の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された指定日付T1の前後の日付を表す三角形アイコン状の変更日付表示Fdbのいずれかの位置に触れることにより、指定日付T1の前の日又は次の日が指定日付T1として受け付けられる。そして、受け付けられた指定日付T1は、中央の指定日付領域Fdaに表示される。ところで、本実施形態においては、使用者により指定日付T1が指定されていない状態でのデフォルト値として、現在の日付を指定日付T1としている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定日付T1の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0043】
誘導経路決定手段12は、使用者により目的地Gが指定され、更に上記のようにして指定日付T1及び指定時刻T2が受け付けられた際(使用者により指定される前のデフォルト値として現在の日付及び時刻を指定日付T1及び指定時刻T2とする場合も含む)に、当該指定日付T1及び指定時刻T2の下で、交通情報データベース2bに基づいて、出発地Sから目的地Gまでの誘導経路Rを探索して決定する処理を行う。ここで、出発地Sは、現在位置検知装置1により検知された自車の現在位置に基づいて定まるが、使用者が表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により入力して指定することもできる。この誘導経路決定手段12により推奨誘導経路Rを探索して決定する処理としては、日付や時刻等の時間的要因により推奨誘導経路Rが変化する可能性がある方法を用いた処理とし、本実施形態においては、以下の方法により行う。
【0044】
すなわち、この方法は、誘導経路Rを構成する各リンクLにおける旅行時間を基本とするものである。例えば、図5に示すように、出発地Sと目的地Gが特定されると、両地点を結ぶ複数の経路候補r1、r2、r3を挙げることができる。そして、各経路候補r1、r2、r3は、その経路候補を構成する連続したリンクL1、L2、・・・Lnnnの集合として認識される。これらの各リンクLについては、日付及び時刻毎に各リンクLを通過するに要する旅行時間の情報が交通情報データベース2bに記憶されている。
【0045】
すなわち、先に説明した図3に示す交通情報データベース2bによれば、特定の日付(例えば1月1日)及び時刻(例えば00:00)について、リンク番号で識別される各リンクL1、L2、・・・Lnnn全てに対して、その混雑度(1〜5)及び旅行時間(例えば20秒、135秒、42秒等)が確定される。従って、全ての経路候補r1、r2、r3に対して、指定日付T1及び指定時刻T2の下でのその経路全体を通過するために必要となる予想所要時間を算定することが可能であり、例えば、この予想所要時間を経路通過に要する探索コスト(重み付け)と見なして、その探索コストが最低となる経路候補を推奨誘導経路Rとして決定するのである。
【0046】
そして、この誘導経路決定手段12は、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定日付T1及び指定時刻T2の一方又は双方を受け付けた際には、交通情報データベース2bに基づいて、当該新たに受け付けた指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rを探索して決定する処理を行う。
【0047】
なお、以上の説明では、説明を簡単にするために、探索コストを決定する要素として旅行時間のみに関して説明したが、従来から知られているように、各リンクLのリンク情報Laに含まれる道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)や幅員、リンクL間を繋ぐノードNが交差点である場合に交差点を通過するための時間、更には、出発地からのリンクLあるいはノードNまでの距離、右左折、道路の車線数等を探索コスト計算に含めることも可能である。
【0048】
予想所要時間導出手段13は、誘導経路決定手段12により決定された推奨誘導経路Rについて、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻としたときの目的地Gまでの予想所要時間16を導出する処理を行う。具体的には、予想所要時間導出手段13は、推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLのそれぞれの指定日付T1の指定時刻T2の下での旅行時間を交通情報データベース2bから読み出し、それらを積算することにより求められる推奨誘導経路Rの全旅行時間を予想所要時間16とする。そして、このように導出された予想所要時間16は、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0049】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置により指定日付T1及び指定時刻T2による推奨誘導経路Rの案内を行う際の動作制御について図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートに示すナビゲーション装置の動作処理は、演算処理装置3の制御の下に行われる。
【0050】
このフローチャートに示すように、このナビゲーション装置の演算処理装置3は、使用者により目的地Gの指定があった場合には(ステップ#01:YES)、処理はステップ#02へ進み、指定日付T1の指定がされていない場合には(ステップ#02:NO)、現在の日付を指定日付T1とし(ステップ#03)、指定日付T1の指定がされた場合には(ステップ#02:YES)、当該指定された日付を指定日付T1とする(ステップ#04)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定日付T1の指定はされていないので、まずは現在の日付を指定日付T1とする。また、指定時刻T2についても同
様に、指定時刻T2の指定がされていない場合には(ステップ#05:NO)、現在時刻を指定時刻T2とし(ステップ#06)、指定時刻T2の指定がされた場合には(ステップ#05:YES)、当該指定された時刻を指定時刻T2とする(ステップ#07)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定時刻T2の指定はされていないので、まずは現在時刻を指定時刻T2とする。なお、現在の日付及び時刻の情報は、GPS受信機6やVICS受信機9により受信される信号、或いはナビゲーション装置が備える図示しないカレンダー機能付き時計等から取得することができる。
【0051】
次に、誘導経路決定手段12により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、指定された目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)誘導経路Rを探索して一の推奨誘導経路Rを決定する(ステップ#08)。更に、予想所要時間導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻として推奨誘導経路Rを通って目的地Gまで行く場合の予想所要時間16を導出する(ステップ#09)。そして、時間的要因表示生成手段11により、指定時刻T2に基づいて時刻要因表示Ftを生成し、指定日付T1に基づいて日付要因表示Fdを生成する(ステップ#10)。
【0052】
その後、図4(a)に示すように、推奨誘導経路R、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#11)。なお、この図4(a)に示す例は、使用者による指定日付T1及び指定時刻T2の指定がされていない最初の表示時の表示画面を示しており、指定日付T1は現在の日付(指定日付T1のデフォルト値)である2004年1月1日となっており、指定時刻T2は現在時刻(指定時刻T2のデフォルト値)である8:00となっている。
【0053】
その後、経路案内が開始された場合には(ステップ#12:YES)、実際の経路案内を開始し、指定日付T1及び指定時刻T2による推奨誘導経路Rの案内を行うための処理は終了する。一方、経路案内が開始されない場合には(ステップ#12:NO)、処理はステップ#02に戻り、使用者により指定日付T1の指定があった場合(ステップ#02:YES)や指定時刻T2の指定があった場合(ステップ#05:YES)には、当該指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて再度ステップ#08〜ステップ#11の処理を行い、新たに指定された指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて導出又は生成された推奨誘導経路R、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#11)。
【0054】
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。上記第一の実施形態では、誘導経路決定手段12により一の推奨誘導経路Rを決定して表示入力装置4の表示部4aに表示する場合について説明したが、本実施形態に係るナビゲーション装置は、誘導経路決定手段12により目的地Gまでの複数の経路候補(ここではr1〜r5)を探索するとともにこれらの複数の経路候補の中から一の推奨誘導経路Rを決定し、表示入力装置4の表示部4aに複数の経路候補を表示するとともに一の推奨誘導経路Rを他の経路候補に対して強調して表示する。図7は、本実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図である。
【0055】
この図7に示すように、本実施形態においては、誘導経路決定手段12は、使用者により目的地Gが指定された後に、出発地Sから目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索する。この5本の経路候補r1〜r5を探索する処理は、日付や時刻等の時間的要因に影響を受けない公知の様々は方法を用いた処理とすることが可能であり、本実施形態においては、以下の方法により行う。
【0056】
すなわち、この方法は、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについて異なる探索条件(ここでは時間的要因に関する条件は除く)の下で各経路候補r1〜r5を探索するものである。具体的には、例えば、誘導経路決定手段12は、第一経路候補r1を基本経路、第2経路候補r2を有料道路優先経路、第三経路候補r3を一般道優先経路、第四経路候補r4を距離優先経路、第五経路候補r5を別経路とし、それぞれに異なる目的及び条件の下で経路候補を探索する。ここで、「基本経路」は、最も一般的に推奨できる経路であって、道路種別や距離等がバランス良く考慮されるように設定された条件下で探索される経路、「有料道路優先経路」は、有料道路を優先的に通行する経路であって、道路種別が高速道路や有料道路であるリンクLをできるだけ多く含むように設定された条件下で探索される経路、「一般道優先経路」は有料道路を除く一般道を優先的に通行する経路であって、道路種別が高速道路や有料道路であるリンクLをできるだけ含まないように設定された条件下で探索される経路、「距離優先経路」は、目的地Gまでの最短距離を通行する経路であって、道路種別等によらず経路を構成するリンクLの距離の合計が最も短くなるような条件下で探索される経路、「別経路」は、基本経路を通行しない抜け道的な経路であって、基本経路を構成するリンクLをできるだけ含まないように設定された条件下で探索される経路である。
【0057】
以上のようにして5本の経路候補r1〜r5が探索された後、誘導経路決定手段12は、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、例えば目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、それを推奨誘導経路Rとして決定する。なお、指定日付T1及び指定時刻T2が使用者により指定される前は、上記第1の実施形態と同様に、デフォルト値としての現在の日付及び時刻を指定日付T1及び指定時刻T2として推奨誘導経路Rの決定を行う。
【0058】
そして、図7に示すように、このように探索された5本の経路候補r1〜r5及び決定された推奨誘導経路Rは、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdとともに、表示入力装置4の表示部4aに表示される。この際、決定された一の推奨誘導経路Rは、他の4本の経路候補に対して強調して表示される。具体的には、図7(a)に示す例では、指定日付T1が2004年1月1日、指定時刻T2が8:00である場合に、経路候補r1が推奨誘導経路Rとして決定されており、この推奨誘導経路Rが他の経路候補r2〜r5に対して太い線で表示されている。
【0059】
また、例えば図7(b)に示すように、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により指定日付T1及び指定時刻T2の一方又は双方の変更を受け付けた場合には、誘導経路決定手段12は、交通情報データベース2bに基づいて、新たな指定日付T1及び指定時刻T2の下で、目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、それを新たな推奨誘導経路Rとして決定し、他の4本の経路候補に対して強調して表示する。図7(b)に示す例では、指定日付T1が2004年1月1日のまま、指定時刻T2が12:00に変更されており、経路候補r2が推奨誘導経路Rとして決定されて他の経路候補r1及びr3〜r5に対して太い線で表示されている。このように推奨誘導経路Rが変更されたのは、指定時刻T2が8:00の場合には経路候補r1の旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)のに対して、指定時刻T2が12:00の場合には、それが経路候補r2となるからである。
【0060】
なお、推奨誘導経路Rの強調表示の方法は、このように他の経路候補に対して太い線で表示する方法に限定されず、例えば、推奨誘導経路Rのみを他の経路候補に対して異なる色彩又は模様等により表示する方法等を用いることも可能である。
【0061】
〔第三の実施形態〕
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態に係るナビゲーション装置は、上記第二の実施形態のように目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索して一の推奨誘導経路Rを決定し、5本の経路候補r1〜r5を表示するとともに一の推奨誘導経路Rを他の経路候補に対して強調して表示するものであって、更に、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度、及び決定された推奨誘導経路R上の各位置の混雑度を導出して表示入力装置4の表示部4aに表示する。図8は、本実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図であり、図9は、本実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図である。
【0062】
この図8に示すように、本実施形態に係るナビゲーション装置の演算処理装置3は、上記第一の実施形態に関して図1に基づいて説明した構成に加えて、時間的混雑度導出手段14及び経路上混雑度導出手段15を更に備えている。
【0063】
時間的混雑度導出手段14は、交通情報データベース2bに基づいて、前述のように誘導経路決定手段12により探索された5本の経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度、ここでは時刻を異にする混雑度(以下適宜「時刻別混雑度」ともいう)C1を導出する処理を行う。本実施形態においては、図9に示すように、時間的混雑度導出手段14は、交通情報データベース2bに基づいて、所定の時間軸に沿った各時刻における各経路候補r1〜r5の混雑度(時刻別混雑度)C1を導出する。具体的には、時間的混雑度導出手段14は、指定日付T1の全ての時刻(ここでは00:00〜23:45)についての各経路候補r1〜r5を構成する全てのリンクLの混雑度及び旅行時間の一方又は双方を交通情報データベース2bから読み出し、これらの情報に基づいて、00:00〜24:00の1日を範囲とする時間軸に沿った各時刻(ここでは00:00〜23:45の15分毎の各時刻)における各経路候補r1〜r5についての全体での混雑度C1をそれぞれ導出する。
【0064】
この時刻別混雑度C1の導出に用いる各時刻における各経路候補r1〜r5の全体での混雑度の導出方法として、ここでは例として第一の混雑度導出方法及び第二の混雑度導出方法の2つの方法について以下に説明する。なお、以下では5本の経路候補r1〜r5の中の一の経路候補r1を例として説明するが、他の各経路候補r2〜r5についても全く同様の方法により各時刻における経路全体での混雑度を導出することができる。
【0065】
1.第一の混雑度導出方法
この方法は、まず、地図データベース2aが有する各リンクLのリンク情報Laから経路候補r1を構成する全てのリンクLについてのリンク長さを読み出し、それらを積算して求められる経路候補r1の全距離と、交通情報データベース2bから指定日付T1の一の時刻についての経路候補r1を構成する全てのリンクLの旅行時間を読み出し、それらを積算して求められる経路候補r1の全旅行時間とに基づいて、経路候補r1についての平均速度を演算する。この平均速度の演算式は以下の式(1)のとおりとなる。
(平均速度)=(経路候補r1の全距離)/(経路候補r1の全旅行時間)・・・(1)
一方、演算処理装置3の時間的混雑度導出手段14は、経路候補r1の平均速度を、速度が速い方から順に「1」〜「5」の5段階に分類し、これを混雑度とする平均速度−混雑度テーブルを備えている。そして、上記式(1)により演算された経路候補r1についての平均速度が、平均速度−混雑度テーブルにおいてどの段階に属するかにより、当該一の時刻についての経路候補r1の全体の5段階の混雑度を導出する。
【0066】
2.第二の混雑度導出方法
この方法は、まず、上記と同様の方法により求められる経路候補r1の全距離と、交通情報データベース2bにおける指定日付T1の一の時刻についての経路候補r1を構成す
る全てのリンクLの混雑度の情報から混雑度が所定の段階以上(ここでは例えば混雑度が「3」以上)である経路候補r1上の各リンクLのリンク長さをリンク情報Laから読み出し、それらを積算して求められる渋滞積算距離とに基づいて、経路候補r1についての渋滞距離比率を演算する。この渋滞距離比率の演算式は以下の式(2)のとおりとなる。(渋滞距離比率)=(渋滞積算距離)/(経路候補r1の全距離)・・・(2)
一方、演算処理装置3の時間的混雑度導出手段14は、経路候補r1の渋滞距離比率を、比率が低い方から順に「1」〜「5」の5段階に分類し、これを混雑度とする渋滞距離比率−混雑度テーブルを備えている。そして、上記式(2)により演算された経路候補r1についての渋滞距離比率が、渋滞距離比率−混雑度テーブルにおいてどの段階に属するかにより、当該一の時刻についての経路候補r1の全体の5段階の混雑度を導出する。
【0067】
以上の第一の混雑度導出方法及び第二の混雑度導出方法の一方又は双方を用いることにより、指定日付T1の一の時刻における経路候補r1の全体の混雑度を導出することができる。したがって、この導出方法に示す演算処理を指定日付T1の全ての時刻(ここでは00:00〜23:45の15分毎の各時刻)について行うことにより、当該指定日付T1の1日を範囲とする時間軸に沿った各時刻における経路候補r1の全体での混雑度(時刻別混雑度)C1が導出される。また、他の経路候補r2〜r5についても同様に、各経路候補r2〜r5についての時刻別混雑度C1がそれぞれ導出される。
【0068】
そして、このように導出された各経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1は、図9に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、水平方向に配置された00:00〜24:00の時間軸に沿って経路候補r1〜r5毎にそれぞれ表示される。この際、推奨誘導経路Rとして決定された経路候補r1についての時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftの指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示され、更に、この帯状の表示Fta(時刻別混雑度C1)上の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。これにより、時刻別混雑度C1は時刻要因表示Ftと関連付けて表示されることになる。
【0069】
また、図9に示す例では、各経路候補r1〜r5の経路の表示とそれぞれについての時刻別混雑度C1との対応関係を表示するため、各経路候補r1〜r5の経路の表示には、指定日付T1及び指定時刻T2の下での目的地Gまでの旅行時間が短い順(探索コストが低い順)にそれぞれ丸で囲んだ1〜5の数字が付けられ、これらの丸で囲んだ1〜5の数字に対応させて、丸で囲んだ1〜5の数字の右側に各経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)の時刻別混雑度C1が配置されている。すなわち、この場合、指定日付T1及び指定時刻T2の下での目的地Gまでの旅行時間が短い順(探索コストが低い順)に上から下に、各経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)の時刻別混雑度C1が配置されることになる。なお、このような時刻別混雑度C1における混雑度に対応した色彩や模様の表現方法は特に限定されるものではないが、例えば、混雑度が高いほど赤に近い色彩とし、混雑度が低いほど青に近い色彩とすることもできる。
【0070】
経路上混雑度導出手段15は、誘導経路決定手段12により決定された推奨誘導経路Rついて、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路R上の各位置の混雑度(以下適宜「経路上混雑度」ともいう)Jを導出する処理を行う。具体的には、図9に示すように、経路上混雑度導出手段15は、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1を導出する際の指定日付T1の指定時刻T2についての推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLの混雑度を交通情報データベース2bから読み出し、推奨誘導経路R上の各位置を構成するリンクLのそれぞれの混雑度を推奨誘導経路R上の各位置の混雑度Jとする。
【0071】
そして、このように導出された経路上混雑度Jは、図9に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、各リンクL毎に混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、表示部4aに表示された推奨誘導経路R上の各リンクLの位置に重ね合わせて表示される。なお、このような混雑度に対応した色彩や模様の表現方法は特に限定されるものではないが、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1における表現方法と合致する表現とすることが望ましい。
【0072】
ここで、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1、及び経路上混雑度導出手段15により導出された指定時刻T2での誘導経路混雑度Jは、いずれも過去のVICS情報や道路交通センサスの情報等のような過去の交通情報を統計的に処理した交通情報データベース2bに基づいて導出されるものであり、混雑度の予想値である。
【0073】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置により推奨誘導経路Rを含む5本の経路候補r1〜r5、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行う際の動作制御について図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートに示すナビゲーション装置の動作処理は、演算処理装置3の制御の下に行われる。
【0074】
このフローチャートに示すように、このナビゲーション装置の演算処理装置3は、使用者により目的地Gの指定があった場合には(ステップ#21:YES)、処理はステップ#22へ進み、指定日付T1の指定がされていない場合には(ステップ#22:NO)、現在の日付を指定日付T1とし(ステップ#23)、指定日付T1の指定がされた場合には(ステップ#22:YES)、当該指定された日付を指定日付T1とする(ステップ#24)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定日付T1の指定はされていないので、まずは現在の日付を指定日付T1とする。また、指定時刻T2についても同様に、指定時刻T2の指定がされていない場合には(ステップ#25:NO)、現在時刻を指定時刻T2とし(ステップ#26)、指定時刻T2の指定がされた場合には(ステップ#25:YES)、当該指定された時刻を指定時刻T2とする(ステップ#27)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定時刻T2の指定はされていないので、まずは現在時刻を指定時刻T2とする。以上の処理は、上記第一の実施形態に係る図6に示すフローチャートのステップ#01〜ステップ#07と同様である。
【0075】
次に、誘導経路決定手段12により、目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索する(ステップ#28)。なお、このステップ#28の処理は、指定日付T1及び指定時刻T2とは無関係なので、ステップ#22の前に行っても同じことである。次に、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、指定された目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、一の推奨誘導経路Rを決定する(ステップ#29)。更に、予想所要時間導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻として推奨誘導経路Rを通って目的地Gまで行く場合の予想所要時間16を導出する(ステップ#30)。また、時間的要因表示生成手段11により、指定時刻T2に基づいて時刻要因表示Ftを生成し、指定日付T1に基づいて日付要因表示Fdを生成する(ステップ#31)。
【0076】
次に、時間的混雑度導出手段12により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1についての推奨誘導経路Rを含む5本の経路候補r1〜r5のそれぞれの時刻別混雑度C1を上記のようにして導出する(ステップ#32)。また、経路上混雑度導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2での推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを、上記のようにして導出する(ステップ#33)。
【0077】
その後、図9に示すように、推奨誘導経路R及び5本の経路候補r1〜r5、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、日付要因表示Fd、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1、並びに推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#34)。この際、5本の経路候補r1〜r5についての時刻別混雑度C1のうちの推奨誘導経路Rについての時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftと関連付けられ、具体的には時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示される。
【0078】
その後、経路案内が開始された場合には(ステップ#35:YES)、実際の経路案内を開始し、指定日付T1及び指定時刻T2により5本の経路候補r1〜r5から決定される推奨誘導経路R、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行うための処理は終了する。一方、経路案内が開始されない場合には(ステップ#35:NO)、処理はステップ#22に戻り、使用者により指定日付T1の指定があった場合(ステップ#22:YES)や指定時刻T2の指定があった場合(ステップ#25:YES)には、当該指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて再度ステップ#28〜ステップ#34の処理を行い、新たに指定された指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて導出又は生成された推奨誘導経路R及び5本の経路候補r1〜r5、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、日付要因表示Fd、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1、並びに推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#34)。
【0079】
〔第四の実施形態〕
次に、本発明の第四の実施形態について説明する。本実施形態に係るナビゲーション装置は、上記第一の実施形態と比較して、時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdの形態が異なる。すなわち、図11に示すように、このナビゲーション装置では、時間的要因表示生成手段11が生成する時刻要因表示Ftは、指定時刻T2(ここでは8:00)を中央の指定時刻領域Ftcに表示するとともに、その両側にそれぞれ指定時刻T2の前後の時刻を表す三角形アイコン状の変更時刻表示Ftdが配置されて構成されている。この指定時刻T2の前後の変更時刻表示Ftdに割り当てられる時刻は任意の時刻とすることが可能であるが、ここでは、例として指定時刻T2の15分前及び15分後の時刻としている。また、時間的要因表示生成手段11が生成する日付要因表示Fdは、指定日付T1を含む1ヶ月分の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)が、カレンダー状に一週間を横方向の一行として複数行に配置されて構成されている。そして、このように生成された時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdは、図11に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0080】
そして、指定時刻T2の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図11に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示された時刻要因表示Ft上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する時刻の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された指定時刻T2の前後の時刻を表す三角形アイコン状の変更時刻表示Ftdのいずれかの位置に触れることにより、指定時刻T2の15分前の時刻又は15分後の時刻が指定時刻T2として受け付けられる。そして、受け付けられた指定時刻T2は、中央の指定時刻領域Ftcに表示される。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定時刻T2の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0081】
また、指定日付T1の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図11に示すように、表示入力装置4の入力部4bによる、表示部4aに表示され
た日付要因表示Fd上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する日付の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された7月1日〜31日の各日付の表示上の位置に触れることにより、その位置に対応する日付が指定日付T1として受け付けられる。そして、受け付けられた指定日付T1は、日付要因表示Fdの表示の上において例えば太線の枠により強調表示される。図11では、7月20日が指定日付T1として強調表示されている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定日付T1の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0082】
また、例えば図12に示すように、時間的要因表示生成手段11が生成した日付要因表示Fd上に重ね合わせて、日付要因表示Fdにより表示されている各日付の各々に対応する推奨誘導経路Rの混雑度(日付別混雑度)C2を表示することも好適な実施形態の一つである。すなわち、この場合、時間的混雑度導出手段12は、指定日付T1を含む1ヶ月分の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)について、指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLの混雑度及び旅行時間の一方又は双方を交通情報データベース2bから読み出し、これらの情報に基づいて、1ヶ月分の各日付についての指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rの全体の混雑度(日付別混雑度)C2を導出する。
【0083】
この日付別混雑度C2の導出に用いる指定日付T1を含む1ヶ月の中の各日付における指定時刻T2の下での誘導経路Rの全体の混雑度の導出方法としては、例えば、上記第三の実施形態において説明した第一の混雑度導出方法又は第二の混雑度導出方法において、指定日付T1に代えて指定日付T1を含む1ヶ月の中の一の日付とし、指定日付T1の一の時刻に代えて前記一の日付の指定時刻T2として適用した方法を用いることができる。そして、この導出方法に示す演算処理を、指定日付T1を含む1ヶ月の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)について行うことにより、当該指定日付T1を含む1ヶ月の各日付についての指定時刻T2での推奨誘導経路Rの全体の混雑度C2が導出される。このように導出された日付別混雑度C2は、図12に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、日付要因表示Fdにより表示されている各日付の上に重ね合わせて表示される。これにより、日付別混雑度C2は日付要因表示Fdと関連付けて表示されることになる。
【0084】
〔その他の実施形態〕
(1)上記第一の実施形態のように目的地Gまでの一の推奨誘導経路Rを決定し、時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdとともに表示する場合において、図13に示すように、指定日付T1の下での推奨誘導経路Rについての時刻を異にする混雑度(時刻別混雑度)C1、及び指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路R上の各位置の混雑度(経路上混雑度)Jを導出して表示入力装置4の表示部4aに表示することも好適な実施形態の一つである。ここで、時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftの指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示され、更に、この帯状の表示Fta(時刻別混雑度C1)上の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。これにより、時刻別混雑度C1は時刻要因表示Ftと関連付けて表示されることになる。
【0085】
(2)上記第一の実施形態においては、時間的要因表示生成手段11が、時刻要因表示Ftとして所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す表示を生成する場合について説明したが、図14に示すように、時間的要因表示生成手段11が、時刻要因表示Ftとして、指定可能な時刻の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を生成する構成とすることも好適な実施形態の一つである。具体的には、図14に示す例では、時間的要因表示生成手段11は、指定時
刻T2(ここでは8:00)及びその15分前、30分前、1時間前、15分後、30分後、及び1時間後の各時刻の表示を生成することとしている。また、これらの各時刻の表示に対応させて、各時刻の下での推奨誘導経路Rの全体での混雑度を表示することも好適な実施形態の一つである。
【0086】
(3)また、上記の各実施形態に示す場合において、日付要因表示Fdの表示対象を日付から曜日に変更して曜日要因表示とすることにより、時間的要因を曜日及び時刻とし、交通情報データベース2bに基づいて、指定曜日及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rの決定を行い、決定された推奨誘導経路Rとともに、曜日要因表示及び時刻要因表示Ftを表示することも好適な実施形態の一つである。この場合、交通情報データベース2bは、曜日及び時刻毎に、地図データベース2aに含まれる全リンクLのそれぞれに対応する混雑度及び旅行時間の情報を記憶しているデータベースとすると好適である。
【0087】
(4)なお、上記の各実施形態においては、本発明に係るナビゲーション装置を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用する場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、例えばナビゲーション機能付きの携帯電話やその他の携帯用のナビゲーション装置等に適用することも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、指定された目的地までの誘導経路を探索し、その探索結果に基づいて例えば車両の運転者等の使用者に対して経路案内のための表示を行うナビゲーション装置に対して好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
2 情報記憶装置(記憶手段)
2a 地図データベース
2b 交通情報データベース(交通情報)
3 演算処理装置
4 表示入力装置
4a 表示部(表示手段)
4b 入力部(指定受付手段)
5 リモコン入力装置(指定受付手段)
11 時間的要因表示生成手段
12 誘導経路決定手段
13 予想所要時間導出手段
14 時間的混雑度導出手段
15 経路上混雑度導出手段
C1 時刻別混雑度
C2 日付別混雑度
Ft 時刻要因表示
Fd 日付要因表示
G 目的地
J 経路上混雑度
N ノード
L リンク
R 推奨誘導経路R
r1〜r5 経路候補
T1 指定日付
T2 指定時刻
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定された目的地までの誘導経路を探索し、その探索結果に基づいて例えば車両の運転者等の使用者に対して経路案内のための表示を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの地図や経路等の情報を表示することによって車両の運転者等の使用者を目的地まで誘導案内する機能を備えたナビゲーション装置に関して、車両の外から送られてくる交通情報を受信して記憶装置に記憶して蓄積しておき、誘導経路の探索の際に、最新の交通情報と記憶装置に蓄積されている過去の交通情報とを利用して、最も短時間で目的地まで到達できると予想される誘導経路を探索する技術が知られている。
【0003】
このようなナビゲーション装置として、例えば下記特許文献1には以下のような技術が開示されている。すなわち、このナビゲーション装置は、ビーコン受信器で受信した光ビーコン若しくは電波ビーコン又はFM多重受信ユニットで受信したFM多重放送を介して受信した交通情報のうちリンク旅行時間を抽出してメモリに記憶する。このメモリには、例えば過去4週間分のリンク旅行時間の平均値が10分毎に分けて記憶されている。ナビゲーション装置本体は、ビーコン受信器又はFM多重受信ユニットを介して受信した最新の交通情報を基に目的地までの所要時間を計算し、例えば1時間以下の場合は最新の交通情報を使用して誘導経路を探索し、1時間を超える場合は、1時間を超える分の誘導経路について、メモリに記憶している過去の交通情報(リンク旅行時間の情報)を使用して誘導経路を探索する。また、場所により最新の交通情報を受信できない場合には、メモリに記憶している過去の交通情報(リンク旅行時間の情報)のみを使用して誘導経路を探索する。
【0004】
ここで、目的地までの所要時間が1時間以下の場合には最新の交通情報を使用して誘導経路を探索するのは、現在時刻から1時間以内程度であれば渋滞の程度が大きく変わることがないので、その程度の時間範囲内では最新の交通情報を用いて誘導経路を探索するのが、過去の交通情報を用いるよりも正確であると考えられるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−113290号公報(第2−7頁、第4−8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記ナビゲーション装置の技術では、目的地までの所要時間が1時間以下の場合に最新の交通情報を使用して誘導経路を探索することからも明らかなように、常に現在時刻を出発時刻として誘導経路の探索を行うことを前提としている。そのため、出発時刻の設定を変更して誘導経路の探索や目的地までの予想所要時間の計算を行い、どの時刻に出発するのが最も良いかを使用者が容易に検討できるようにするための構成を備えていない。したがって、出発時刻を変更すればより早く目的地に到達できるような場合や、出発時刻を変更することによってより簡単な誘導経路によりほぼ同じ時間で目的地に到達できるような場合であっても、使用者がそのような出発時刻の変更を含む誘導経路の検討を行うことが容易にはできなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、時刻や日付等の時間
的要因の指定を容易に変更できるようにするとともに、このような時間的要因の変更がある毎にその時間的要因の下での交通情報に基づいた推奨誘導経路を決定して表示することにより、時間的要因が異なる各時点での推奨誘導経路の相違を容易に比較できるようにし、使用者が出発時刻や出発日の変更を含む誘導経路の検討を容易に行うことができるナビゲーション装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るナビゲーション装置の特徴構成は、交通情報を記憶する記憶手段と、目的地までの誘導経路の決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、前記指定受付手段により受け付けた時間的要因である指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定する誘導経路決定手段と、前記指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する時間的要因表示生成手段と、前記誘導経路決定手段により決定された誘導経路とともに、前記時間的要因表示生成手段により生成された時間的要因表示を表示する表示手段と、を備える点にある。
【0009】
この特徴構成によれば、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路とともに、時刻や日付等の時間的要因についてその指定可能な範囲又は時点を容易に理解可能な状態で時間的要因表示として表示するので、使用者は、容易に時間的要因の指定を変更して様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路を比較検討することができる。したがって、使用者は、出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を容易に行うことができる。
【0010】
また、前記指定受付手段により新たな時間的要因の指定を受け付けた際には、前記誘導経路決定手段は、前記新たに受け付けた指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定し、前記時間的要因表示生成手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づいて前記指定時間的要因を表す部分を変更した変更後の時間的要因表示を生成し、前記表示手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づく前記誘導経路及び前記変更後の時間的要因表示を表示する。
【0011】
これにより、指定受付手段により指定時間的要因が変更された場合に、当該変更後の指定時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路の情報を、当該指定時間的要因に対応させた状態で使用者に対して分かり易く表示することができる。すなわち、指定時間的要因の変更による誘導経路の変化の情報を視覚的に分かり易い状態で使用者に対して提供することができる。したがって、使用者は、様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路を容易に比較検討することができる。
【0012】
また、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間を導出する予想所要時間導出手段を備え、前記表示手段は、前記誘導経路とともに前記予想所要時間を表示する構成とすると好適である。
【0013】
このような構成とすることにより、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路とともに、当該誘導経路の指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間も同時に表示することができるので、使用者は、様々な時間的要因の下での交通情報に基づいて決定される誘導経路と、その誘導経路による目的地までの予想所要時間との双方について比較検討することができ、出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討をより適切に行うことができる。
【0014】
前記指定受付手段は、前記表示手段に表示された前記時間的要因表示上で時間的要因の
指定を受け付ける構成とすると好適である。
【0015】
このような構成とすることにより、時間的要因として指定可能な範囲又は指定可能な複数の時点を表している時間的要因表示の表示上の位置を使用者が指示するだけの直感的な操作により、容易に時間的要因の指定を行うことができる操作性の高い装置とすることができる。
【0016】
また、前記誘導経路決定手段は、目的地までの複数の経路候補を探索し、前記複数の経路候補の中から、前記指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて一の誘導経路を決定し、前記表示手段は、前記複数の経路候補を表示するととともに、前記決定された一の誘導経路を他の経路候補に対して強調して表示する構成とすることが可能である。
【0017】
このような構成とすることにより、使用者に対して、経路候補としてどのような経路があり得るのかという情報を提供できるとともに、指定受付手段により指定された指定時間的要因の下で交通情報に基づいて決定された誘導経路がそれらの経路候補の中のどの誘導経路かという情報を分かり易く表示することができる。したがって、使用者は、時間的要因との関係でどの誘導経路を通って目的地まで行くかの検討を容易に行うことができる。
【0018】
ここで、前記時間的要因は、時刻、日付及び曜日のいずれか一つ以上とすることが可能である。
【0019】
また、前記時間的要因表示は、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻、日付又は曜日を連続的に表した表示、又は指定可能な時刻、日付又は曜日の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を有する構成とすると好適である。
【0020】
これにより、使用者が指定可能な時間的要因を直感的に容易に理解できて指定できる態様で表示することができる。
【0021】
更に、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記時間的要因を異にする混雑度を、前記時間的要因表示と関連付けて表示する構成とすると好適である。
【0022】
このような構成とすることにより、決定された誘導経路及び時間的要因表示とともに、当該誘導経路についての時間的要因を異にする混雑度を表示するので、ナビゲーション装置の使用者に対して、当該誘導経路についての混雑度が時刻や日付等の時間的要因によってどのように変化するかという情報を容易に理解できる態様で提供することができる。したがって、使用者は、誘導経路の混雑度を考慮して出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【0023】
また、前記指定時間的要因の下での前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路上の各位置の混雑度を導出する経路上混雑度導出手段、を備え、前記表示手段は、前記経路上混雑度導出手段により導出された前記誘導経路上の各位置の混雑度を、前記誘導経路に対応させて表示する構成とすると好適である。
【0024】
このような構成とすることにより、指定受付手段により指定された指定時間的要因についての誘導経路上の各位置の混雑度を当該誘導経路に対応させて表示するので、当該指定時間的要因の下で、誘導経路上のどの位置の混雑度が高いか等のより詳細な情報を使用者
に提供することができる。したがって、使用者は、誘導経路上の各位置の混雑度を考慮して目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【0025】
また、前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により探索された前記複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記複数の経路候補のそれぞれについての前記時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示する構成としても好適である。
【0026】
このような構成とすることにより、複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示するので、ナビゲーション装置の使用者に対して、複数の経路候補のそれぞれについての混雑度が時刻や日付等の時間的要因によってどのように変化するかという情報を容易に理解できる態様で提供することができる。したがって、使用者は、複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を比較考慮して出発時刻や出発日の変更を含む目的地までの誘導経路の検討を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図
【図2】地図データベースが有する各リンクのリンク情報の内容を示す図
【図3】交通情報データベースの内容を示す図
【図4】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図5】誘導経路の探索に使用されるリンク及びノードの関係を示す図
【図6】本発明の第一の実施形態に係るナビゲーション装置により指定日付及び指定時刻による推奨誘導経路の案内を行う際の動作制御を示すフローチャート
【図7】本発明の第二の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図8】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図
【図9】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図10】本発明の第三の実施形態に係るナビゲーション装置により推奨誘導経路を含む複数の経路候補、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行う際の動作制御を示すフローチャート
【図11】本発明の第四の実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図12】本発明の第四の実施形態に係るナビゲーション装置において、混雑度の表示も行う場合の表示画面の例を示す図
【図13】本発明のその他の実施形態(1)に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【図14】本発明のその他の実施形態(2)に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係るナビゲーション装置を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用した場合について説明する。図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図である。
【0029】
この図1に示すように、本実施形態に係るナビゲーション装置は、主たる構成として、
現在位置検知装置1、情報記憶装置2、演算処理装置3、表示入力装置4、リモコン入力装置5、及びVICS受信機9を備えている。
【0030】
現在位置検知装置1は、ここでは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信機6、方位検知センサ7、及び距離検知センサ8を備えて構成されている。GPS受信機6は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、GPS受信機6の位置情報、GPS受信機6の移動速度、GPS受信機6の進行方向など様々な情報を得ることができる。方位検知センサ7は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成され、車両の進行方向を検知することができる。距離検知センサ8は、車輪の回転数を検知するセンサや車両の加速度を検知するセンサと検知された加速度を2回積分する回路との組み合わせ等により構成され、車両の移動距離を検知することができる。
【0031】
VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)受信機9は、道路上の所定の地点に設置された信号発信機から発信された信号を受信する装置であり、VICSの光ビーコン及び電波ビーコンや、FM放送に多重されたVICS信号を受信することができる装置としている。演算処理装置3は、このVICS受信機9が受信した信号から、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等の各種交通情報を取得することができる。
【0032】
情報記憶装置2は、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有して構成される。そして、ここでは、情報記憶装置2には、地図データベース2aと、交通情報データベース2bが格納されている。よって、本実施形態においては、この情報記憶装置2が「記憶手段」に相当する。
【0033】
地図データベース2aは、表示入力装置4の後述する表示部4aに表示するための地図情報を記憶しているデータベースである。地図情報は、道路レイヤ、施設等の背景情報を有する背景レイヤ、市町村名など文字を表示するための文字レイヤ等を有して構成されている。このうち、道路レイヤは、緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数のノードNと、2つのノードNを連結して道路を構成する多数のリンクLとを有して構成されている。各リンクLは、そのリンク情報Laとして、図2に示すように、リンク番号、両端のノードNのノード番号、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)、リンク長さ及び幅員等の道路属性情報を備えている。
【0034】
交通情報データベース2bは、本実施形態においては、図3に示すように、日付(ここでは月日、1月1日〜12月31日)及び時刻毎(ここでは15分単位、00:00〜23:45)に、地図データベース2aに含まれる全リンクL(リンク番号1〜nnn)のそれぞれに対応する混雑度及び旅行時間の情報を記憶しているデータベースである。ここで、混雑度は、「1」〜「5」の5段階で表されており、「1」は渋滞なし、「2」はやや混雑、「3」は混雑、「4」はやや渋滞、「5」は渋滞というように、数が増えるほど混雑度も高くなるように表現される。なお、混雑度を「1」〜「5」の5段階に分類したのは単に一例であり、更に細分化し又は簡略化することも当然に可能である。旅行時間は、各リンクLの一方のノードNから他方のノードNまでの距離を通過するのに要する時間であり、図3中では秒単位の数値で表されている。なお、この交通情報データベース2bに記憶される情報は、過去のVICS情報や道路交通センサスの情報、或いは自車の走行履歴情報等から得られる情報に基づいて、日付及び時刻を同じくする過去の各リンクLにおける旅行時間や混雑の程度等を統計的に処理することで得ることができる。
【0035】
図1に戻り、表示入力装置4は、地図や誘導経路R(図4参照)等の経路案内のための各種情報を表示するための表示部4aと、被案内者である車両の運転者からの入力を受け付ける入力部4bとを有して構成されている。表示部4aには、例えば、液晶表示装置、プラズマ表示装置、CRT(cathode-ray tube)表示装置等を用いることができる。本実施形態においては、この表示入力装置4の表示部4aが「表示手段」に相当する。また、入力部4bとしては、ここでは、表示部4aの表示画面上に設けたタッチパネルと、表示画面の周囲に配置した各種スイッチとを備えている。また、リモコン入力装置5は、車両の運転者からの入力を受け付けてリモートコントロールにより演算処理装置3側に送信する装置であり、送信された入力情報はリモコン受信機10を介して演算処理装置3に入力される。本実施形態においては、これらの表示入力装置4の入力部4b及びリモコン入力装置5が、後述するように、日付や時刻等の時間的要因の指定を受け付ける本発明の「指定受付手段」を構成する。
【0036】
演算処理装置3は、所定の動作プログラム、データ、入力情報等に基づいて、地図や誘導経路R等の各種情報の表示処理、目的地Gの位置や目的地Gまでの誘導経路R(図4参照)等の探索処理、目的地Gまでの経路案内や交通情報の案内等の案内処理等の各種の演算処理及び各部の動作制御を行うものである。この演算処理装置3としては、例えば、各種の演算処理及びナビゲーション装置の各部の動作制御を行うCPUと、このCPUが演算処理を行う際のワーキングメモリとして使用されるRAMと、CPUを動作させるための各種の動作プログラムや制御プログラム等のソフトウェアが格納されたROM等を備える構成とすることができる。そして、この演算処理装置3に、現在位置検知装置1、情報記憶装置2、表示入力装置4及びリモコン入力装置5が接続されている。
【0037】
演算処理装置3は所定の目的を達成するためのソフトウェアが格納されており、ハードウェアとともに働いて一定の目的を達成するように構成されている。即ち、ソフトウェアとハードウェアとは、共働することで所定の目的を実現する処理手段を構成する。ここでは、図1に示すように、演算処理装置3は、時間的要因表示生成手段11、誘導経路決定手段12、及び予想所要時間導出手段13を備えている。
【0038】
時間的要因表示生成手段11は、指定受付手段を構成する表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する処理を行う。ここで、「時間的要因」としては、例えば、時刻、日付、曜日、時刻及び日付、又は時刻及び曜日等が相当する。本実施形態においては、この時間的要因を時刻及び日付とした場合を例として説明する。図4は、本実施形態に係るナビゲーション装置において、誘導経路決定手段12により決定された誘導経路Rとともに、時間的要因表示生成手段11により生成された時刻に関する時間的要因表示(以下「時刻要因表示」という)Ft及び日付に関する時間的要因表示(以下「日付要因表示」という)Fdを表示した表示画面の例を示す図である。
【0039】
この図4に示すように、時間的要因表示生成手段11は、ここでは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定時刻T2と、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻を連続的に表す時刻要因表示Ft、及び表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により受け付けた指定日付T1と、この指定日付T1として指定可能な日付の複数の時点を所定の規則に従って配置して表す日付要因表示Fdを生成する。具体的には、ここでは、時刻要因表示Ftは、00:00〜24:00の1日を範囲とする横方向の時間軸に沿って時刻を連続的に表す帯状の表示Ftaを有しており、この帯状の表示の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。なお、図4に示す例では、指定時刻表示Ftbの上に文字による指定時刻T2の表示も配置している。また、日付要因表示Fd
は、指定日付T1を中央の指定日付領域Fdaに表示するとともに、その両側にそれぞれ指定日付T1の前後の日付を表す三角形アイコン状の変更日付表示Fdbが配置されている。そして、このように生成された時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdは、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0040】
更に、時間的要因表示生成手段11は、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定時刻T2を受け付けた際には、指定時刻表示Ftbを当該新たに受け付けた指定時刻T2に変更した時刻要因表示Ftを生成し、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定日付T1を受け付けた際には、指定日付領域Fdaの表示を当該新たに受け付けた指定日付T1に変更した日付要因表示Fdを生成する。
【0041】
指定時刻T2の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図4(b)に示すように、表示入力装置4の入力部4bによる、表示部4aに表示された時刻要因表示Ft上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する時刻の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された00:00〜24:00の時間軸に沿って表示された時刻要因表示Ft上の位置に触れることにより、その位置に対応する時間軸上の時刻が指定時刻T2として受け付けられる。そして、受け付けられた指定時刻T2は、上記のように指定時刻表示Ftbとして時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示される。ところで、本実施形態においては、使用者により指定時刻T2が指定されていない状態でのデフォルト値として、現在時刻を指定時刻T2としている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5が操作されて時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上の指定時刻表示Ftbが移動させられた場合にも、指定時刻T2の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0042】
また、指定日付T1の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示された日付要因表示Fd上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する日付の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された指定日付T1の前後の日付を表す三角形アイコン状の変更日付表示Fdbのいずれかの位置に触れることにより、指定日付T1の前の日又は次の日が指定日付T1として受け付けられる。そして、受け付けられた指定日付T1は、中央の指定日付領域Fdaに表示される。ところで、本実施形態においては、使用者により指定日付T1が指定されていない状態でのデフォルト値として、現在の日付を指定日付T1としている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定日付T1の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0043】
誘導経路決定手段12は、使用者により目的地Gが指定され、更に上記のようにして指定日付T1及び指定時刻T2が受け付けられた際(使用者により指定される前のデフォルト値として現在の日付及び時刻を指定日付T1及び指定時刻T2とする場合も含む)に、当該指定日付T1及び指定時刻T2の下で、交通情報データベース2bに基づいて、出発地Sから目的地Gまでの誘導経路Rを探索して決定する処理を行う。ここで、出発地Sは、現在位置検知装置1により検知された自車の現在位置に基づいて定まるが、使用者が表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により入力して指定することもできる。この誘導経路決定手段12により推奨誘導経路Rを探索して決定する処理としては、日付や時刻等の時間的要因により推奨誘導経路Rが変化する可能性がある方法を用いた処理とし、本実施形態においては、以下の方法により行う。
【0044】
すなわち、この方法は、誘導経路Rを構成する各リンクLにおける旅行時間を基本とするものである。例えば、図5に示すように、出発地Sと目的地Gが特定されると、両地点を結ぶ複数の経路候補r1、r2、r3を挙げることができる。そして、各経路候補r1、r2、r3は、その経路候補を構成する連続したリンクL1、L2、・・・Lnnnの集合として認識される。これらの各リンクLについては、日付及び時刻毎に各リンクLを通過するに要する旅行時間の情報が交通情報データベース2bに記憶されている。
【0045】
すなわち、先に説明した図3に示す交通情報データベース2bによれば、特定の日付(例えば1月1日)及び時刻(例えば00:00)について、リンク番号で識別される各リンクL1、L2、・・・Lnnn全てに対して、その混雑度(1〜5)及び旅行時間(例えば20秒、135秒、42秒等)が確定される。従って、全ての経路候補r1、r2、r3に対して、指定日付T1及び指定時刻T2の下でのその経路全体を通過するために必要となる予想所要時間を算定することが可能であり、例えば、この予想所要時間を経路通過に要する探索コスト(重み付け)と見なして、その探索コストが最低となる経路候補を推奨誘導経路Rとして決定するのである。
【0046】
そして、この誘導経路決定手段12は、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により新たな指定日付T1及び指定時刻T2の一方又は双方を受け付けた際には、交通情報データベース2bに基づいて、当該新たに受け付けた指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rを探索して決定する処理を行う。
【0047】
なお、以上の説明では、説明を簡単にするために、探索コストを決定する要素として旅行時間のみに関して説明したが、従来から知られているように、各リンクLのリンク情報Laに含まれる道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)や幅員、リンクL間を繋ぐノードNが交差点である場合に交差点を通過するための時間、更には、出発地からのリンクLあるいはノードNまでの距離、右左折、道路の車線数等を探索コスト計算に含めることも可能である。
【0048】
予想所要時間導出手段13は、誘導経路決定手段12により決定された推奨誘導経路Rについて、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻としたときの目的地Gまでの予想所要時間16を導出する処理を行う。具体的には、予想所要時間導出手段13は、推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLのそれぞれの指定日付T1の指定時刻T2の下での旅行時間を交通情報データベース2bから読み出し、それらを積算することにより求められる推奨誘導経路Rの全旅行時間を予想所要時間16とする。そして、このように導出された予想所要時間16は、図4に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0049】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置により指定日付T1及び指定時刻T2による推奨誘導経路Rの案内を行う際の動作制御について図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートに示すナビゲーション装置の動作処理は、演算処理装置3の制御の下に行われる。
【0050】
このフローチャートに示すように、このナビゲーション装置の演算処理装置3は、使用者により目的地Gの指定があった場合には(ステップ#01:YES)、処理はステップ#02へ進み、指定日付T1の指定がされていない場合には(ステップ#02:NO)、現在の日付を指定日付T1とし(ステップ#03)、指定日付T1の指定がされた場合には(ステップ#02:YES)、当該指定された日付を指定日付T1とする(ステップ#04)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定日付T1の指定はされていないので、まずは現在の日付を指定日付T1とする。また、指定時刻T2についても同
様に、指定時刻T2の指定がされていない場合には(ステップ#05:NO)、現在時刻を指定時刻T2とし(ステップ#06)、指定時刻T2の指定がされた場合には(ステップ#05:YES)、当該指定された時刻を指定時刻T2とする(ステップ#07)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定時刻T2の指定はされていないので、まずは現在時刻を指定時刻T2とする。なお、現在の日付及び時刻の情報は、GPS受信機6やVICS受信機9により受信される信号、或いはナビゲーション装置が備える図示しないカレンダー機能付き時計等から取得することができる。
【0051】
次に、誘導経路決定手段12により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、指定された目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)誘導経路Rを探索して一の推奨誘導経路Rを決定する(ステップ#08)。更に、予想所要時間導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻として推奨誘導経路Rを通って目的地Gまで行く場合の予想所要時間16を導出する(ステップ#09)。そして、時間的要因表示生成手段11により、指定時刻T2に基づいて時刻要因表示Ftを生成し、指定日付T1に基づいて日付要因表示Fdを生成する(ステップ#10)。
【0052】
その後、図4(a)に示すように、推奨誘導経路R、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#11)。なお、この図4(a)に示す例は、使用者による指定日付T1及び指定時刻T2の指定がされていない最初の表示時の表示画面を示しており、指定日付T1は現在の日付(指定日付T1のデフォルト値)である2004年1月1日となっており、指定時刻T2は現在時刻(指定時刻T2のデフォルト値)である8:00となっている。
【0053】
その後、経路案内が開始された場合には(ステップ#12:YES)、実際の経路案内を開始し、指定日付T1及び指定時刻T2による推奨誘導経路Rの案内を行うための処理は終了する。一方、経路案内が開始されない場合には(ステップ#12:NO)、処理はステップ#02に戻り、使用者により指定日付T1の指定があった場合(ステップ#02:YES)や指定時刻T2の指定があった場合(ステップ#05:YES)には、当該指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて再度ステップ#08〜ステップ#11の処理を行い、新たに指定された指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて導出又は生成された推奨誘導経路R、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#11)。
【0054】
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。上記第一の実施形態では、誘導経路決定手段12により一の推奨誘導経路Rを決定して表示入力装置4の表示部4aに表示する場合について説明したが、本実施形態に係るナビゲーション装置は、誘導経路決定手段12により目的地Gまでの複数の経路候補(ここではr1〜r5)を探索するとともにこれらの複数の経路候補の中から一の推奨誘導経路Rを決定し、表示入力装置4の表示部4aに複数の経路候補を表示するとともに一の推奨誘導経路Rを他の経路候補に対して強調して表示する。図7は、本実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図である。
【0055】
この図7に示すように、本実施形態においては、誘導経路決定手段12は、使用者により目的地Gが指定された後に、出発地Sから目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索する。この5本の経路候補r1〜r5を探索する処理は、日付や時刻等の時間的要因に影響を受けない公知の様々は方法を用いた処理とすることが可能であり、本実施形態においては、以下の方法により行う。
【0056】
すなわち、この方法は、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについて異なる探索条件(ここでは時間的要因に関する条件は除く)の下で各経路候補r1〜r5を探索するものである。具体的には、例えば、誘導経路決定手段12は、第一経路候補r1を基本経路、第2経路候補r2を有料道路優先経路、第三経路候補r3を一般道優先経路、第四経路候補r4を距離優先経路、第五経路候補r5を別経路とし、それぞれに異なる目的及び条件の下で経路候補を探索する。ここで、「基本経路」は、最も一般的に推奨できる経路であって、道路種別や距離等がバランス良く考慮されるように設定された条件下で探索される経路、「有料道路優先経路」は、有料道路を優先的に通行する経路であって、道路種別が高速道路や有料道路であるリンクLをできるだけ多く含むように設定された条件下で探索される経路、「一般道優先経路」は有料道路を除く一般道を優先的に通行する経路であって、道路種別が高速道路や有料道路であるリンクLをできるだけ含まないように設定された条件下で探索される経路、「距離優先経路」は、目的地Gまでの最短距離を通行する経路であって、道路種別等によらず経路を構成するリンクLの距離の合計が最も短くなるような条件下で探索される経路、「別経路」は、基本経路を通行しない抜け道的な経路であって、基本経路を構成するリンクLをできるだけ含まないように設定された条件下で探索される経路である。
【0057】
以上のようにして5本の経路候補r1〜r5が探索された後、誘導経路決定手段12は、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、例えば目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、それを推奨誘導経路Rとして決定する。なお、指定日付T1及び指定時刻T2が使用者により指定される前は、上記第1の実施形態と同様に、デフォルト値としての現在の日付及び時刻を指定日付T1及び指定時刻T2として推奨誘導経路Rの決定を行う。
【0058】
そして、図7に示すように、このように探索された5本の経路候補r1〜r5及び決定された推奨誘導経路Rは、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、及び日付要因表示Fdとともに、表示入力装置4の表示部4aに表示される。この際、決定された一の推奨誘導経路Rは、他の4本の経路候補に対して強調して表示される。具体的には、図7(a)に示す例では、指定日付T1が2004年1月1日、指定時刻T2が8:00である場合に、経路候補r1が推奨誘導経路Rとして決定されており、この推奨誘導経路Rが他の経路候補r2〜r5に対して太い線で表示されている。
【0059】
また、例えば図7(b)に示すように、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により指定日付T1及び指定時刻T2の一方又は双方の変更を受け付けた場合には、誘導経路決定手段12は、交通情報データベース2bに基づいて、新たな指定日付T1及び指定時刻T2の下で、目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、それを新たな推奨誘導経路Rとして決定し、他の4本の経路候補に対して強調して表示する。図7(b)に示す例では、指定日付T1が2004年1月1日のまま、指定時刻T2が12:00に変更されており、経路候補r2が推奨誘導経路Rとして決定されて他の経路候補r1及びr3〜r5に対して太い線で表示されている。このように推奨誘導経路Rが変更されたのは、指定時刻T2が8:00の場合には経路候補r1の旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)のに対して、指定時刻T2が12:00の場合には、それが経路候補r2となるからである。
【0060】
なお、推奨誘導経路Rの強調表示の方法は、このように他の経路候補に対して太い線で表示する方法に限定されず、例えば、推奨誘導経路Rのみを他の経路候補に対して異なる色彩又は模様等により表示する方法等を用いることも可能である。
【0061】
〔第三の実施形態〕
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。本実施形態に係るナビゲーション装置は、上記第二の実施形態のように目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索して一の推奨誘導経路Rを決定し、5本の経路候補r1〜r5を表示するとともに一の推奨誘導経路Rを他の経路候補に対して強調して表示するものであって、更に、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度、及び決定された推奨誘導経路R上の各位置の混雑度を導出して表示入力装置4の表示部4aに表示する。図8は、本実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成の概略を示すブロック図であり、図9は、本実施形態に係るナビゲーション装置の表示画面の例を示す図である。
【0062】
この図8に示すように、本実施形態に係るナビゲーション装置の演算処理装置3は、上記第一の実施形態に関して図1に基づいて説明した構成に加えて、時間的混雑度導出手段14及び経路上混雑度導出手段15を更に備えている。
【0063】
時間的混雑度導出手段14は、交通情報データベース2bに基づいて、前述のように誘導経路決定手段12により探索された5本の経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度、ここでは時刻を異にする混雑度(以下適宜「時刻別混雑度」ともいう)C1を導出する処理を行う。本実施形態においては、図9に示すように、時間的混雑度導出手段14は、交通情報データベース2bに基づいて、所定の時間軸に沿った各時刻における各経路候補r1〜r5の混雑度(時刻別混雑度)C1を導出する。具体的には、時間的混雑度導出手段14は、指定日付T1の全ての時刻(ここでは00:00〜23:45)についての各経路候補r1〜r5を構成する全てのリンクLの混雑度及び旅行時間の一方又は双方を交通情報データベース2bから読み出し、これらの情報に基づいて、00:00〜24:00の1日を範囲とする時間軸に沿った各時刻(ここでは00:00〜23:45の15分毎の各時刻)における各経路候補r1〜r5についての全体での混雑度C1をそれぞれ導出する。
【0064】
この時刻別混雑度C1の導出に用いる各時刻における各経路候補r1〜r5の全体での混雑度の導出方法として、ここでは例として第一の混雑度導出方法及び第二の混雑度導出方法の2つの方法について以下に説明する。なお、以下では5本の経路候補r1〜r5の中の一の経路候補r1を例として説明するが、他の各経路候補r2〜r5についても全く同様の方法により各時刻における経路全体での混雑度を導出することができる。
【0065】
1.第一の混雑度導出方法
この方法は、まず、地図データベース2aが有する各リンクLのリンク情報Laから経路候補r1を構成する全てのリンクLについてのリンク長さを読み出し、それらを積算して求められる経路候補r1の全距離と、交通情報データベース2bから指定日付T1の一の時刻についての経路候補r1を構成する全てのリンクLの旅行時間を読み出し、それらを積算して求められる経路候補r1の全旅行時間とに基づいて、経路候補r1についての平均速度を演算する。この平均速度の演算式は以下の式(1)のとおりとなる。
(平均速度)=(経路候補r1の全距離)/(経路候補r1の全旅行時間)・・・(1)
一方、演算処理装置3の時間的混雑度導出手段14は、経路候補r1の平均速度を、速度が速い方から順に「1」〜「5」の5段階に分類し、これを混雑度とする平均速度−混雑度テーブルを備えている。そして、上記式(1)により演算された経路候補r1についての平均速度が、平均速度−混雑度テーブルにおいてどの段階に属するかにより、当該一の時刻についての経路候補r1の全体の5段階の混雑度を導出する。
【0066】
2.第二の混雑度導出方法
この方法は、まず、上記と同様の方法により求められる経路候補r1の全距離と、交通情報データベース2bにおける指定日付T1の一の時刻についての経路候補r1を構成す
る全てのリンクLの混雑度の情報から混雑度が所定の段階以上(ここでは例えば混雑度が「3」以上)である経路候補r1上の各リンクLのリンク長さをリンク情報Laから読み出し、それらを積算して求められる渋滞積算距離とに基づいて、経路候補r1についての渋滞距離比率を演算する。この渋滞距離比率の演算式は以下の式(2)のとおりとなる。(渋滞距離比率)=(渋滞積算距離)/(経路候補r1の全距離)・・・(2)
一方、演算処理装置3の時間的混雑度導出手段14は、経路候補r1の渋滞距離比率を、比率が低い方から順に「1」〜「5」の5段階に分類し、これを混雑度とする渋滞距離比率−混雑度テーブルを備えている。そして、上記式(2)により演算された経路候補r1についての渋滞距離比率が、渋滞距離比率−混雑度テーブルにおいてどの段階に属するかにより、当該一の時刻についての経路候補r1の全体の5段階の混雑度を導出する。
【0067】
以上の第一の混雑度導出方法及び第二の混雑度導出方法の一方又は双方を用いることにより、指定日付T1の一の時刻における経路候補r1の全体の混雑度を導出することができる。したがって、この導出方法に示す演算処理を指定日付T1の全ての時刻(ここでは00:00〜23:45の15分毎の各時刻)について行うことにより、当該指定日付T1の1日を範囲とする時間軸に沿った各時刻における経路候補r1の全体での混雑度(時刻別混雑度)C1が導出される。また、他の経路候補r2〜r5についても同様に、各経路候補r2〜r5についての時刻別混雑度C1がそれぞれ導出される。
【0068】
そして、このように導出された各経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1は、図9に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、水平方向に配置された00:00〜24:00の時間軸に沿って経路候補r1〜r5毎にそれぞれ表示される。この際、推奨誘導経路Rとして決定された経路候補r1についての時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftの指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示され、更に、この帯状の表示Fta(時刻別混雑度C1)上の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。これにより、時刻別混雑度C1は時刻要因表示Ftと関連付けて表示されることになる。
【0069】
また、図9に示す例では、各経路候補r1〜r5の経路の表示とそれぞれについての時刻別混雑度C1との対応関係を表示するため、各経路候補r1〜r5の経路の表示には、指定日付T1及び指定時刻T2の下での目的地Gまでの旅行時間が短い順(探索コストが低い順)にそれぞれ丸で囲んだ1〜5の数字が付けられ、これらの丸で囲んだ1〜5の数字に対応させて、丸で囲んだ1〜5の数字の右側に各経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)の時刻別混雑度C1が配置されている。すなわち、この場合、指定日付T1及び指定時刻T2の下での目的地Gまでの旅行時間が短い順(探索コストが低い順)に上から下に、各経路候補r1〜r5(推奨誘導経路Rを含む)の時刻別混雑度C1が配置されることになる。なお、このような時刻別混雑度C1における混雑度に対応した色彩や模様の表現方法は特に限定されるものではないが、例えば、混雑度が高いほど赤に近い色彩とし、混雑度が低いほど青に近い色彩とすることもできる。
【0070】
経路上混雑度導出手段15は、誘導経路決定手段12により決定された推奨誘導経路Rついて、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路R上の各位置の混雑度(以下適宜「経路上混雑度」ともいう)Jを導出する処理を行う。具体的には、図9に示すように、経路上混雑度導出手段15は、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1を導出する際の指定日付T1の指定時刻T2についての推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLの混雑度を交通情報データベース2bから読み出し、推奨誘導経路R上の各位置を構成するリンクLのそれぞれの混雑度を推奨誘導経路R上の各位置の混雑度Jとする。
【0071】
そして、このように導出された経路上混雑度Jは、図9に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、各リンクL毎に混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、表示部4aに表示された推奨誘導経路R上の各リンクLの位置に重ね合わせて表示される。なお、このような混雑度に対応した色彩や模様の表現方法は特に限定されるものではないが、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1における表現方法と合致する表現とすることが望ましい。
【0072】
ここで、時間的混雑度導出手段14により導出された時刻別混雑度C1、及び経路上混雑度導出手段15により導出された指定時刻T2での誘導経路混雑度Jは、いずれも過去のVICS情報や道路交通センサスの情報等のような過去の交通情報を統計的に処理した交通情報データベース2bに基づいて導出されるものであり、混雑度の予想値である。
【0073】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置により推奨誘導経路Rを含む5本の経路候補r1〜r5、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行う際の動作制御について図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートに示すナビゲーション装置の動作処理は、演算処理装置3の制御の下に行われる。
【0074】
このフローチャートに示すように、このナビゲーション装置の演算処理装置3は、使用者により目的地Gの指定があった場合には(ステップ#21:YES)、処理はステップ#22へ進み、指定日付T1の指定がされていない場合には(ステップ#22:NO)、現在の日付を指定日付T1とし(ステップ#23)、指定日付T1の指定がされた場合には(ステップ#22:YES)、当該指定された日付を指定日付T1とする(ステップ#24)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定日付T1の指定はされていないので、まずは現在の日付を指定日付T1とする。また、指定時刻T2についても同様に、指定時刻T2の指定がされていない場合には(ステップ#25:NO)、現在時刻を指定時刻T2とし(ステップ#26)、指定時刻T2の指定がされた場合には(ステップ#25:YES)、当該指定された時刻を指定時刻T2とする(ステップ#27)。通常、目的地Gの指定があった当初は使用者による指定時刻T2の指定はされていないので、まずは現在時刻を指定時刻T2とする。以上の処理は、上記第一の実施形態に係る図6に示すフローチャートのステップ#01〜ステップ#07と同様である。
【0075】
次に、誘導経路決定手段12により、目的地Gまでの5本の経路候補r1〜r5を探索する(ステップ#28)。なお、このステップ#28の処理は、指定日付T1及び指定時刻T2とは無関係なので、ステップ#22の前に行っても同じことである。次に、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1及び指定時刻T2の下で、指定された目的地Gまでの旅行時間が最も短くなる(探索コストが最も低くなる)経路候補を5本の経路候補r1〜r5の中から選択し、一の推奨誘導経路Rを決定する(ステップ#29)。更に、予想所要時間導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2を出発時刻として推奨誘導経路Rを通って目的地Gまで行く場合の予想所要時間16を導出する(ステップ#30)。また、時間的要因表示生成手段11により、指定時刻T2に基づいて時刻要因表示Ftを生成し、指定日付T1に基づいて日付要因表示Fdを生成する(ステップ#31)。
【0076】
次に、時間的混雑度導出手段12により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1についての推奨誘導経路Rを含む5本の経路候補r1〜r5のそれぞれの時刻別混雑度C1を上記のようにして導出する(ステップ#32)。また、経路上混雑度導出手段13により、交通情報データベース2bに基づいて、指定日付T1の指定時刻T2での推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを、上記のようにして導出する(ステップ#33)。
【0077】
その後、図9に示すように、推奨誘導経路R及び5本の経路候補r1〜r5、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、日付要因表示Fd、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1、並びに推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#34)。この際、5本の経路候補r1〜r5についての時刻別混雑度C1のうちの推奨誘導経路Rについての時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftと関連付けられ、具体的には時刻要因表示Ftの帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示される。
【0078】
その後、経路案内が開始された場合には(ステップ#35:YES)、実際の経路案内を開始し、指定日付T1及び指定時刻T2により5本の経路候補r1〜r5から決定される推奨誘導経路R、及びそれらの各経路の混雑度の案内を行うための処理は終了する。一方、経路案内が開始されない場合には(ステップ#35:NO)、処理はステップ#22に戻り、使用者により指定日付T1の指定があった場合(ステップ#22:YES)や指定時刻T2の指定があった場合(ステップ#25:YES)には、当該指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて再度ステップ#28〜ステップ#34の処理を行い、新たに指定された指定日付T1及び指定時刻T2に基づいて導出又は生成された推奨誘導経路R及び5本の経路候補r1〜r5、予想所要時間16、時刻要因表示Ft、日付要因表示Fd、5本の経路候補r1〜r5のそれぞれについての時刻別混雑度C1、並びに推奨誘導経路Rの経路上混雑度Jを表示入力装置4の表示部4aに表示する(ステップ#34)。
【0079】
〔第四の実施形態〕
次に、本発明の第四の実施形態について説明する。本実施形態に係るナビゲーション装置は、上記第一の実施形態と比較して、時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdの形態が異なる。すなわち、図11に示すように、このナビゲーション装置では、時間的要因表示生成手段11が生成する時刻要因表示Ftは、指定時刻T2(ここでは8:00)を中央の指定時刻領域Ftcに表示するとともに、その両側にそれぞれ指定時刻T2の前後の時刻を表す三角形アイコン状の変更時刻表示Ftdが配置されて構成されている。この指定時刻T2の前後の変更時刻表示Ftdに割り当てられる時刻は任意の時刻とすることが可能であるが、ここでは、例として指定時刻T2の15分前及び15分後の時刻としている。また、時間的要因表示生成手段11が生成する日付要因表示Fdは、指定日付T1を含む1ヶ月分の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)が、カレンダー状に一週間を横方向の一行として複数行に配置されて構成されている。そして、このように生成された時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdは、図11に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示される。
【0080】
そして、指定時刻T2の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図11に示すように、表示入力装置4の表示部4aに表示された時刻要因表示Ft上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する時刻の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された指定時刻T2の前後の時刻を表す三角形アイコン状の変更時刻表示Ftdのいずれかの位置に触れることにより、指定時刻T2の15分前の時刻又は15分後の時刻が指定時刻T2として受け付けられる。そして、受け付けられた指定時刻T2は、中央の指定時刻領域Ftcに表示される。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定時刻T2の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0081】
また、指定日付T1の指定の受け付けは、表示入力装置4の入力部4b又はリモコン入力装置5により行うことができるが、ここではその指定を受け付けるための一つの手段として、図11に示すように、表示入力装置4の入力部4bによる、表示部4aに表示され
た日付要因表示Fd上の位置の指示に基づいて、当該位置に対応する日付の指定を受け付けることができる構成としている。具体的には、タッチパネルとなっている入力部4bを用いて、使用者が表示部4aに表示された7月1日〜31日の各日付の表示上の位置に触れることにより、その位置に対応する日付が指定日付T1として受け付けられる。そして、受け付けられた指定日付T1は、日付要因表示Fdの表示の上において例えば太線の枠により強調表示される。図11では、7月20日が指定日付T1として強調表示されている。なお、これ以外にも、例えば、リモコン入力装置5を操作することによっても指定日付T1の入力を受け付ける構成とすることができる。
【0082】
また、例えば図12に示すように、時間的要因表示生成手段11が生成した日付要因表示Fd上に重ね合わせて、日付要因表示Fdにより表示されている各日付の各々に対応する推奨誘導経路Rの混雑度(日付別混雑度)C2を表示することも好適な実施形態の一つである。すなわち、この場合、時間的混雑度導出手段12は、指定日付T1を含む1ヶ月分の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)について、指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rを構成する全てのリンクLの混雑度及び旅行時間の一方又は双方を交通情報データベース2bから読み出し、これらの情報に基づいて、1ヶ月分の各日付についての指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rの全体の混雑度(日付別混雑度)C2を導出する。
【0083】
この日付別混雑度C2の導出に用いる指定日付T1を含む1ヶ月の中の各日付における指定時刻T2の下での誘導経路Rの全体の混雑度の導出方法としては、例えば、上記第三の実施形態において説明した第一の混雑度導出方法又は第二の混雑度導出方法において、指定日付T1に代えて指定日付T1を含む1ヶ月の中の一の日付とし、指定日付T1の一の時刻に代えて前記一の日付の指定時刻T2として適用した方法を用いることができる。そして、この導出方法に示す演算処理を、指定日付T1を含む1ヶ月の全ての日付(ここでは7月1日〜31日)について行うことにより、当該指定日付T1を含む1ヶ月の各日付についての指定時刻T2での推奨誘導経路Rの全体の混雑度C2が導出される。このように導出された日付別混雑度C2は、図12に示すように、表示入力装置4の表示部4aにおいて、混雑度に対応した色彩及び模様の一方又は双方により表現され、日付要因表示Fdにより表示されている各日付の上に重ね合わせて表示される。これにより、日付別混雑度C2は日付要因表示Fdと関連付けて表示されることになる。
【0084】
〔その他の実施形態〕
(1)上記第一の実施形態のように目的地Gまでの一の推奨誘導経路Rを決定し、時刻要因表示Ft及び日付要因表示Fdとともに表示する場合において、図13に示すように、指定日付T1の下での推奨誘導経路Rについての時刻を異にする混雑度(時刻別混雑度)C1、及び指定日付T1及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路R上の各位置の混雑度(経路上混雑度)Jを導出して表示入力装置4の表示部4aに表示することも好適な実施形態の一つである。ここで、時刻別混雑度C1は、時刻要因表示Ftの指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す帯状の表示Fta上に重ね合わせて表示され、更に、この帯状の表示Fta(時刻別混雑度C1)上の指定時刻T2に相当する時間軸上の位置に指定時刻T2を表すカーソル状の指定時刻表示Ftbが配置されている。これにより、時刻別混雑度C1は時刻要因表示Ftと関連付けて表示されることになる。
【0085】
(2)上記第一の実施形態においては、時間的要因表示生成手段11が、時刻要因表示Ftとして所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲(ここでは00:00〜24:00)の時刻を連続的に表す表示を生成する場合について説明したが、図14に示すように、時間的要因表示生成手段11が、時刻要因表示Ftとして、指定可能な時刻の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を生成する構成とすることも好適な実施形態の一つである。具体的には、図14に示す例では、時間的要因表示生成手段11は、指定時
刻T2(ここでは8:00)及びその15分前、30分前、1時間前、15分後、30分後、及び1時間後の各時刻の表示を生成することとしている。また、これらの各時刻の表示に対応させて、各時刻の下での推奨誘導経路Rの全体での混雑度を表示することも好適な実施形態の一つである。
【0086】
(3)また、上記の各実施形態に示す場合において、日付要因表示Fdの表示対象を日付から曜日に変更して曜日要因表示とすることにより、時間的要因を曜日及び時刻とし、交通情報データベース2bに基づいて、指定曜日及び指定時刻T2の下での推奨誘導経路Rの決定を行い、決定された推奨誘導経路Rとともに、曜日要因表示及び時刻要因表示Ftを表示することも好適な実施形態の一つである。この場合、交通情報データベース2bは、曜日及び時刻毎に、地図データベース2aに含まれる全リンクLのそれぞれに対応する混雑度及び旅行時間の情報を記憶しているデータベースとすると好適である。
【0087】
(4)なお、上記の各実施形態においては、本発明に係るナビゲーション装置を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用する場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、例えばナビゲーション機能付きの携帯電話やその他の携帯用のナビゲーション装置等に適用することも当然に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、指定された目的地までの誘導経路を探索し、その探索結果に基づいて例えば車両の運転者等の使用者に対して経路案内のための表示を行うナビゲーション装置に対して好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
2 情報記憶装置(記憶手段)
2a 地図データベース
2b 交通情報データベース(交通情報)
3 演算処理装置
4 表示入力装置
4a 表示部(表示手段)
4b 入力部(指定受付手段)
5 リモコン入力装置(指定受付手段)
11 時間的要因表示生成手段
12 誘導経路決定手段
13 予想所要時間導出手段
14 時間的混雑度導出手段
15 経路上混雑度導出手段
C1 時刻別混雑度
C2 日付別混雑度
Ft 時刻要因表示
Fd 日付要因表示
G 目的地
J 経路上混雑度
N ノード
L リンク
R 推奨誘導経路R
r1〜r5 経路候補
T1 指定日付
T2 指定時刻
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報を記憶する記憶手段と、
目的地までの誘導経路の決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記指定受付手段により受け付けた時間的要因である指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定する誘導経路決定手段と、
前記指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する時間的要因表示生成手段と、
前記誘導経路決定手段により決定された誘導経路とともに、前記時間的要因表示生成手段により生成された時間的要因表示を表示する表示手段と、を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記指定受付手段により新たな時間的要因の指定を受け付けた際には、前記誘導経路決定手段は、前記新たに受け付けた指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定し、前記時間的要因表示生成手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づいて前記指定時間的要因を表す部分を変更した変更後の時間的要因表示を生成し、前記表示手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づく前記誘導経路及び前記変更後の時間的要因表示を表示する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間を導出する予想所要時間導出手段を備え、
前記表示手段は、前記誘導経路とともに前記予想所要時間を表示する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記指定受付手段は、前記表示手段に表示された前記時間的要因表示上で時間的要因の指定を受け付ける請求項1から3の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記誘導経路決定手段は、目的地までの複数の経路候補を探索し、前記複数の経路候補の中から、前記指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて一の誘導経路を決定し、
前記表示手段は、前記複数の経路候補を表示するととともに、前記決定された一の誘導経路を他の経路候補に対して強調して表示する請求項1から4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記時間的要因は、時刻、日付及び曜日のいずれか一つ以上である請求項1から5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記時間的要因表示は、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻、日付又は曜日を連続的に表した表示、又は指定可能な時刻、日付又は曜日の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を有する請求項1から6の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、
前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記時間的要因を異にする混雑度を、前記時間的要因表示と関連付けて表示する請求項1から7の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記指定時間的要因の下での前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路上の各位置の混雑度を導出する経路上混雑度導出手段、を備え、
前記表示手段は、前記経路上混雑度導出手段により導出された前記誘導経路上の各位置の混雑度を、前記誘導経路に対応させて表示する請求項1から8の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により探索された前記複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、
前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記複数の経路候補のそれぞれについての前記時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示する請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
交通情報を記憶する記憶手段と、
目的地までの誘導経路の決定要因となる時間的要因の指定を受け付ける指定受付手段と、
前記指定受付手段により受け付けた時間的要因である指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定する誘導経路決定手段と、
前記指定時間的要因と、指定可能な時間的要因の範囲又は指定可能な時間的要因の複数の時点とを表す時間的要因表示を生成する時間的要因表示生成手段と、
前記誘導経路決定手段により決定された誘導経路とともに、前記時間的要因表示生成手段により生成された時間的要因表示を表示する表示手段と、を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記指定受付手段により新たな時間的要因の指定を受け付けた際には、前記誘導経路決定手段は、前記新たに受け付けた指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて前記誘導経路を決定し、前記時間的要因表示生成手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づいて前記指定時間的要因を表す部分を変更した変更後の時間的要因表示を生成し、前記表示手段は、新たに受け付けた指定時間的要因に基づく前記誘導経路及び前記変更後の時間的要因表示を表示する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記指定時間的要因の下での目的地までの予想所要時間を導出する予想所要時間導出手段を備え、
前記表示手段は、前記誘導経路とともに前記予想所要時間を表示する請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記指定受付手段は、前記表示手段に表示された前記時間的要因表示上で時間的要因の指定を受け付ける請求項1から3の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記誘導経路決定手段は、目的地までの複数の経路候補を探索し、前記複数の経路候補の中から、前記指定時間的要因の下で前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて一の誘導経路を決定し、
前記表示手段は、前記複数の経路候補を表示するととともに、前記決定された一の誘導経路を他の経路候補に対して強調して表示する請求項1から4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記時間的要因は、時刻、日付及び曜日のいずれか一つ以上である請求項1から5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記時間的要因表示は、所定の時間軸に沿って指定可能な一定の範囲の時刻、日付又は曜日を連続的に表した表示、又は指定可能な時刻、日付又は曜日の複数の時点を所定の規則に従って配置して表した表示を有する請求項1から6の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路についての前記時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、
前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記時間的要因を異にする混雑度を、前記時間的要因表示と関連付けて表示する請求項1から7の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記指定時間的要因の下での前記誘導経路決定手段により決定された前記誘導経路上の各位置の混雑度を導出する経路上混雑度導出手段、を備え、
前記表示手段は、前記経路上混雑度導出手段により導出された前記誘導経路上の各位置の混雑度を、前記誘導経路に対応させて表示する請求項1から8の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶された前記交通情報に基づいて、前記誘導経路決定手段により探索された前記複数の経路候補のそれぞれについての時間的要因を異にする混雑度を導出する時間的混雑度導出手段を備え、
前記表示手段は、前記時間的混雑度導出手段により導出された前記複数の経路候補のそれぞれについての前記時間的要因を異にする混雑度を互いに比較可能に表示する請求項5に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−139515(P2010−139515A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59178(P2010−59178)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願2004−261614(P2004−261614)の分割
【原出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願2004−261614(P2004−261614)の分割
【原出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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