ナビゲーション装置
【課題】目的地までの誘導経路又は地図と楽曲などのメディア情報の再生リストとを関連付けて表示することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と経路探索部16で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な楽曲を誘導経路とともに表示モニタ2の画面上に表示する。
【解決手段】表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と経路探索部16で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な楽曲を誘導経路とともに表示モニタ2の画面上に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目的地までの誘導経路と楽曲などのメディア情報の再生リストを関連付けて表示するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカーナビゲーション装置では、誘導経路を専用の画面で表示していたことから、経路に関する情報しか得られず、再生中の楽曲の情報が得られなかった。反対に、楽曲の再生リストはオーディオ専用の画面で表示していたことから、楽曲の再生に関する情報しか得られず、経路誘導中の案内情報が得られなかった。
例えば、特許文献1に開示される装置では、楽曲データの再生順序を示す再生リストと目的地に到着する時間を一緒に表示し、目的地に到着するまでに再生可能な再生リスト中の楽曲を色表示を変化させてユーザに伝えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−293713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーション装置は、誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示しないため、誘導経路のどの経路区間でどの楽曲が再生されるかを知ることができなかった。
また、ユーザが選択した楽曲を経路区間に関連付けることができれば、当該楽曲の再生音声によってどの地点を自車が走行しているのかを把握でき、楽曲の再生音声に経路案内と同様の機能を持たせることも可能である。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲などのメディア情報の再生リストとを関連付けて表示することができるナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの誘導経路を探索する経路探索部と、再生データの再生順序を示す再生リストに従って、再生データを再生する再生処理部と、再生リストにおける再生データの再生時間と経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの再生データのうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを誘導経路とともに表示部に表示する表示処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、再生リストにおける再生データの再生時間と経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの再生データのうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを誘導経路とともに表示部に表示する。このようにすることで、自車の経路走行時にあるいは地図表示時に、どのようなメディア情報(楽曲など)が再生可能の再生データであるのかを確認することができるという効果がある。また、目的地に到着するまでの誘導経路に存在する案内地点で、どのようなメディア情報が再生可能かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のナビゲーション制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1中のオーディオ制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】経路開始地点を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。
【図6】自車位置を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。
【図7】経路開始地点を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。
【図8】自車位置を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【図11】3D地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【図12】高速略図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置1は、表示モニタ2、音声スピーカ3及びハードディスクドライブ(HDD)4を備えている。この表示モニタ2に地図画面、あるいはメニュー画面、映像画面等の画面表示を行う。また、音声スピーカ3を用いて、音声案内や、操作者又は楽曲の再生音声等の音声出力が行われる。HDD4は、CD・DVDドライブ10で再生したメディア情報を記憶したり、各種のアプリケーションを記憶しておくストレージ機器である。
【0010】
また、ナビゲーション装置1には、装置外からの設定入力を受け付ける入力機器としてハンドリモコン5や音声マイク6等が接続されている。さらに、ナビゲーション機能を実現する自車位置計測機器である、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等と接続している。さらに、オーディオやビデオ、テレビやラジオ等のメディア再生の機能を実現するため、CD・DVDドライブ10及び地上波デジタル放送チューナ(地デジチューナ)11と接続している。
【0011】
ナビゲーション装置1は、内部構成として、ユーザインタフェース部12、ナビゲーション制御部13及びオーディオ制御部(再生処理部)14を備える。ユーザインタフェース部12は、ハンドリモコン5や音声マイク6等の入力機器とナビゲーション装置1とのインタフェースとして機能する構成部である。ナビゲーション制御部13は、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等の自車位置計測機器からの情報に基づいて、ナビゲーション処理を実行する構成部である。
【0012】
オーディオ制御部14は、ナビゲーション装置1におけるオーディオ機能を実現させるための構成部であり、CD・DVDドライブ10でのオーディオ再生や、地デジチューナ11を介した地上波デジタル放送の受信再生を行う。上述のナビゲーション制御部13とオーディオ制御部14が協働することによって、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲の再生又は録音リストとを関連付けて表示モニタ2の画面上に表示する、この発明に特有な動作が実現される。
【0013】
図2は、図1中のナビゲーション制御部の構成の一例を示すブロック図である。図2において、ナビゲーション制御部13は、ロケータ15、経路探索部16、経路誘導部17及び表示処理部18を備える。なお、構成部15〜18は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、上記の構成部15〜18の機能を実現するためのプログラムモジュールを有する処理プログラムを実行することにより、具現化される。
【0014】
ロケータ15は、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等の自車位置計測機器から情報を取得し、自車がどのように走行し、どこを走行しているかの位置情報を算出する構成部である。経路探索部16は、ユーザインタフェース部12を介した設定入力により経路開始地点及び目的地を取得し、表示処理部18から自車位置周辺の地図情報を取得して、この地図情報から目的地までの誘導経路を探索する構成部である。
【0015】
経路誘導部17は、経路探索部16で探索された誘導経路上に存在する案内地点(誘導地点)や到着予想時刻を算出し、案内処理を行う構成部である。案内処理としては、例えば自車が走行中であれば、案内地点に接近していることを表示モニタ2の画面上に表示したり、音声スピーカ3を用いて案内音声を音声出力する処理が挙げられる。
【0016】
表示処理部18は、経路探索部16を介して自車の現在位置情報を取得して、ストレージ機器から自車位置周辺の地図情報を読み出し、地図情報から表示モニタ2の画面上に表示する地図の表示情報を生成するとともに、楽曲の再生リストと経路地点とを関連付けた表示を行う構成部である。なお、地図情報は、CDやDVD、HDD4等のストレージ機器に記憶しておいてもよいが、通信ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードしてもよい。
【0017】
また、地図には、北基準、自車基準、3D表示、高速略図等の地図種別がある。表示処理部18では、ユーザインタフェース部12を介した設定入力に応じて、表示モニタ2に表示する地図を北基準とするか自車基準とするか、又は、3D表示とするか、高速略図等の地図種別を切り替える。
【0018】
図3は、図1中のオーディオ制御部の構成の一例を示すブロック図である。図3において、オーディオ制御部14は、CDプレイヤ20a、DVDプレイヤ20b、DTV(デジタルTV)プレイヤ20c及びオーディオプレイヤ20d等のプレイヤ20を備える。なお、プレイヤ20は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、プレイヤ20の機能を実現するためのアプリケーションプログラムを実行することにより具現化される。
【0019】
CDプレイヤ20aは、CD、CD−R、CD−TEXT等のメディアから、WAV、MP3、WMA、ACCといった音声ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。なお、音声ファイルには、音声タイトル、アーティスト名、再生時間の情報が設定されており、CDプレイヤ20aは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、CDプレイヤ20aで再生された音声ファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0020】
DVDプレイヤ20bは、DVDやDVD−R等のメディアから映像情報や音声情報の動画ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。動画ファイルには、動画タイトル、アーティスト名、再生時間等の情報が設定されており、DVDプレイヤ20bは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、DVDプレイヤ20bで再生された動画ファイルは、映像情報が表示モニタ2の画面上に表示され、音声情報が音声スピーカ3から音声出力される。
【0021】
DTVプレイヤ20cは、地デジチューナ11等の電波受信装置から動画情報(再生データ)を取得して再生する構成部である。動画情報には、番組名、放送曲名、再生時間等の情報が設定されており、DTVプレイヤ20cは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、DTVプレイヤ20cで再生された動画情報は、映像が表示モニタ2の画面上に表示され、音声が音声スピーカ3から音声出力される。
【0022】
オーディオプレイヤ20dは、iPod(登録商標)等の携帯音声再生機器や、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等のメディアから、WAV、MP3、WMA、ACCといった音声ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。また、音声ファイルには、CDプレイヤ20aの場合と同様に、音声タイトル、アーティスト名、再生時間等の情報が設定されており、オーディオプレイヤ20dは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、オーディオプレイヤ20dで再生された音声ファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0023】
図4は、実施の形態1によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。図4において、ナビゲーション制御部13は、ロケータ15、経路探索部16、経路誘導部17及び表示処理部18を備えており、表示処理部18は、地図表示処理部21、楽曲再生リスト抽出部22、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24を備える。また、オーディオ制御部14のプレイヤ20は、再生制御部25及び再生部25aを備える。
【0024】
表示処理部18が備える構成部21〜24は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、上記の構成部21〜24の機能を実現するためのプログラムモジュールを有する処理プログラムを実行することで具現化される。また、プレイヤ20が備える再生制御部25及び再生部25aについても、同様である。
【0025】
地図表示処理部21は、地図情報取得部21aを備え、自車位置周辺の地図情報に基づいて、表示モニタ2の画面上に表示する地図の表示情報を生成する構成部である。また、地図情報取得部21aは、経路探索部16を介して自車の現在位置情報を取得し、自車位置周辺の地図情報に基づいて、CDやDVD、HDD4等のストレージ機器あるいは通信ネットワークを介したサーバ装置から地図情報を取得する構成部である。
【0026】
楽曲再生リスト抽出部22は、プレイヤ20で再生する楽曲ファイルの再生リストを再生制御部25から取得する構成部である。楽曲ファイルの再生リストは、プレイヤ20の再生制御部25で作成される楽曲を再生順に並べたリストである。例えば、CDプレイヤ20aならば、CDのトラックごとの楽曲ファイルの再生順にリストアップされたデータである。なお、楽曲ファイルごとに設定されたタイトル、アーティスト名、再生時間の情報も再生リストとともに抽出される。
【0027】
再生リスト・経路地点比較部23は、自車の現在位置情報、再生リストの楽曲ごと(CDならばトラックごと)の再生時間、及び、経路開始地点から目的地までの所要時間(誘導時間)や誘導経路上に存在する各案内地点までの所要時間(誘導時間)を比較することによって、経路開始地点又は自車の現在位置から目的地までの経路及びこの経路の所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストに関する情報や、経路開始地点又は自車の現在位置から各案内地点までの経路及びこれらの経路の所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストに関する情報を決定する構成部である。
【0028】
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23からの情報に基づいて、再生リストと誘導経路を表示する表示情報を生成し、表示モニタ2の画面上に表示する構成部である。また、再生リスト・経路地点表示処理部24は、この表示画面に基づく設定入力を受け付けており、ユーザインタフェース部12を介して、入力機器で入力された内容に応じた画面に切り替えることができる。
【0029】
プレイヤ20の再生制御部25は、再生部25aによる楽曲ファイルの再生を制御する構成部である。この再生制御部25が、再生部25aで再生すべき楽曲の再生リストを作成する。なお、楽曲は、CD・DVDドライブ10でCDやDVDメディアから再生するものに限らず、ユーザの嗜好に合致する楽曲のファイルをHDD4にダウンロードしておいたものであってもよい。再生部25aは、再生制御部25で作成された再生リストの再生順序に従って、楽曲ファイルを再生する構成部である。再生部25aで再生されたファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0030】
次に動作について説明する。
再生対象としては、楽曲、放送番組(デジタルテレビ、ラジオ)及び映像のメディア情報が考えられるが、以降では、CDやDVDから再生される楽曲を例に挙げて説明する。
先ず、ユーザが例えばハンドリモコン5を用いて目的地の設定操作を行うと、その操作情報は、ユーザインタフェース部12を介してナビゲーション制御部13へ送られる。ナビゲーション制御部13の経路探索部16は、ロケータ15から取得した自車の現在位置情報や、自車の現在位置情報に基づいて地図情報取得部21aによって取得された地図情報を用いて、経路開始地点から目的地までの誘導経路を探索する。
経路探索部16は、誘導経路を探索すると、地図情報に含まれる道路データにおける道路の法定速度を用いて、経路開始地点から目的地までの誘導経路の距離を基に所要時間を算出し、経路開始地点から各案内地点までの各距離を基に各所要時間を算出する。
【0031】
次に、再生リスト・経路地点比較部23は、ロケータ15から自車位置情報を入力し、楽曲再生リスト抽出部22から再生リストを入力し、経路探索部16から上述の誘導経路に関する情報を入力すると、経路開始地点又は自車の現在位置を基準とした誘導経路の目的地までの所要時間又は案内地点までの所要時間と再生リストにおける楽曲の再生時間(トラック再生時間)とを比較して、再生リストの楽曲のうち、経路開始地点から目的地までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リスト、もしくは、自車の現在位置から目的地までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リスト、もしくは、自車の現在位置から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを決定する。
【0032】
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23からの経路及び再生リストに関する情報に基づいて、再生リストのトラック(楽曲)を誘導経路とともに表示する表示情報を作成し、表示モニタ2の画面上に表示する。以下、誘導経路と再生リストの表示モードについて説明する。
【0033】
(1)経路表示(経路開始地点基準)モード
図5は、経路開始地点を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。図5に示す表示画面26Aでは、画面左側に経路開始地点(S)から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、この経路の経路開始地点(S)から目的地(G)までの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図5の例ではトラック1〜3)の再生リスト表示28が画面右側に配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、経路開始地点から目的地までの誘導経路及びその所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
また、ユーザが、ハンドリモコン5などを用いて、図5中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。この他、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴い、経路表示27における経路開始地点(S)から経由地(案内地点)、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図5の例では、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0034】
(2)経路表示(自車位置基準)モード
図6は、自車位置を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。図6に示す表示画面26Bでは、画面左側に自車の現在位置から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、自車の現在位置から目的地(G)に到着するまでの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図6ではトラック3〜6)の再生リスト表示28が画面右側に配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、自車の現在位置から目的地までの誘導経路及びその所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Bにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図6中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、経路表示27における自車表示(図6中の三角形記号)から経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、誘導経路に変更があり、目的地(G)までの経路が延びた場合は、変更に応じて再生可能な楽曲の情報が再生リスト・経路地点比較部23から再生リスト・経路地点表示処理部24へ出力される。これにより、再生リスト・経路地点表示処理部24は、トラック6以上のトラック番号の楽曲を目的地(G)に到着するまでに再生可能な楽曲として再生リスト表示28を更新する。
また、図6においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0035】
(3)案内地点表示(経路開始地点基準)モード
図7は、経路開始地点を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。図7に示す表示画面26Cでは、画面中央に経路開始地点(S)から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、この経路の経路開始地点(S)から目的地(G)までの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図7の例ではトラック1〜3)の再生リスト表示28が画面右側に配置され、画面左側には、この経路における案内地点(交差点やIC)である案内地点表示29が配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、経路開始地点から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Cにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図7中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、案内地点表示29における案内地点、経路表示27における経路開始地点(S)、経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図7においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0036】
(4)案内地点表示(自車位置基準)モード
図8は、自車位置を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。図8に示す表示画面26Dでは、画面左側に自車の現在位置から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、自車の現在位置から目的地(G)に到着するまでの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図8の例ではトラック2〜4)の再生リスト表示28が画面右側に配置され、画面左側には、この経路における案内地点(交差点やIC)である案内地点表示29が配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、自車の現在位置から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Dにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図7中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、案内地点表示29における案内地点、経路表示27における自車表示、経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図8においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0037】
上述の表示モードは、ユーザがハンドリモコン5などを用いて、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24に予め設定することで実現できる。また、上述の表示モードのいずれかで表示するように、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24を作り込んでもよい。
【0038】
案内地点表示モードでは、案内地点1に至るまでの経路では楽曲Aを再生し、又は案内地点2に至るまでの経路では楽曲Bを再生するといった再生リストを作成することができる。これにより、楽曲の再生音声を経路誘導の案内音声としての役割を持たせることが可能である。
【0039】
また、再生制御部25で作成される再生リストは、ユーザの嗜好に合わせて楽曲の組み替えを行えるようにしてもよい。
例えば、再生制御部25が、再生リストを作成すると、このリストを表示モニタ2の画面上に表示する。この表示画面を基に、ユーザが、ハンドリモコン5などを用いて、再生リストから除く楽曲(タイトル)を決定する。
次に、同様に入力装置を用いて、ユーザが、CDやDVDなどの記憶メディアやHDD4から自身の嗜好に合った楽曲を選択し、再生制御部25に通知する。
これによって、再生制御部25が、ユーザが選択した楽曲を組み込んで再生リストを変更する。この再生リストを表示処理部18が利用することで、ユーザの嗜好に合った楽曲のみを表示することができる。
【0040】
さらに、経路探索部16で探索された経路の案内地点や所要時間に合わせて、ユーザが楽曲を選択して再生リストを作成するようにしてもよい。
例えば、再生制御部25が、ナビゲーション制御部13から取得した経路における案内地点及び所要時間、CDやDVDなどの記憶メディアやHDD4に記憶しておいた楽曲のタイトル及びその再生時間を表示モニタ2に表示する。この画面に基づいて、ユーザが、楽曲の再生時間と経路開始地点から各案内地点までの所要時間とを突き合わせて楽曲の再生リストを選択する。
【0041】
さらに、楽曲の再生音声による案内機能を実際の環境に適合させるために、ナビゲーション制御部13が、オーディオ制御部14による再生リストに従った楽曲再生を制御するように構成してもよい。
例えば、ナビゲーション制御部13のタイマ(不図示)が、経路探索部16で探索された経路を自車が走行開始した際、これを契機に計時を開始する。また、経路の走行中、経路探索部16は、タイマで計時される時間、車速センサ7の検出値から測定した自車速及びロケータ15からの自車位置情報に基づいて、経路探索時に算出した所要時間通りに走行しているか否かを判定する。
ここで、経路探索時に算出した所要時間が経過しても所定の案内地点に自車が到達していない場合(自車が遅れている場合)、経路探索部16は、その旨を再生制御部25及び再生リスト・経路地点比較部23に通知する。
この遅延している旨の通知を受けると、再生制御部25は、再生部25aを制御して、再生リストのうち、上記の案内地点に至るまでに再生していた楽曲の再生をリピートさせる。再生リスト・経路地点比較部23は、リピートさせている楽曲が再生中であることを表示するよう再生リスト・経路地点表示処理部24に指示する。
反対に、何らかの要因で所要時間が経過する前に所定の案内地点に自車が到達した場合にも、経路探索部16は、その旨を再生制御部25及び再生リスト・経路地点比較部23に通知する。
この早着した旨の通知を受けると、再生制御部25は、再生部25aを制御して、再生リストのうち、早着した案内地点に至るまでに再生していた楽曲から次の案内地点までの経路区間で再生させる楽曲に切り替える。再生リスト・経路地点比較部23は、切り替えた楽曲が再生中であることを表示するよう、再生リスト・経路地点表示処理部24に指示する。
【0042】
なお、上述の説明では楽曲等の再生を行う場合を示したが、この発明は、録音や録画を行う場合であっても適用することができる。例えば、プレイヤ20における録音(録画)機能を制御する録音制御部及び録音(録画)を行う録音部に対して、表示処理部18の各構成が、再生リストを録音リスト(記憶リスト)として扱うことで実現できる。
【0043】
以上のように、この実施の形態1によれば、表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と経路探索部16で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な楽曲を誘導経路とともに表示モニタ2の画面上に表示する。特に、表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と誘導経路に存在する案内地点までの誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、案内地点までの誘導時間内に再生可能な楽曲を案内地点とともに表示モニタ2に表示する。このように構成することで、目的地までの誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示することができる。
【0044】
また、この実施の形態1では、ユーザが自身の嗜好に合致する楽曲を選択して、再生リストの一部又は全部を作成するので、再生された楽曲によって、経路のどの区間を自車が走行中であるか又はこれから向かうべき地点を、ユーザが知ることができる。すなわち、経路誘導の案内音声としての役割を持たせることが可能である。
【0045】
なお、楽曲の曲名のみならず、アーティスト名、再生時間などを表示してもよい。
また、自車基準の表示モードである図6と図8については、自車が渋滞などによる停止状態が長く続く際に、楽曲の再生リストのみのリスト更新を行うことが可能である。
【0046】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。図9において、実施の形態2による再生リスト・経路地点表示処理部24は、地図表示処理部21からの地図表示情報及び再生リスト・経路地点比較部23からの情報に基づいて、自車の現在位置周辺の地図上に再生リストを記号化して誘導経路とともに表示する表示情報を生成し、表示モニタ2の画面上に表示する。なお、これ以外に、図2と同一符号を付した構成部は、上記実施の形態1と同様な動作を行うので説明を省略する。
【0047】
ここでは、実施の形態2における表示モードについて示す。
(1)地図上の経路表示モード
図10は、地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図であり、図10(a)は、再生リストの楽曲を矢羽記号で表示した例を示しており、図10(b)は、各矢羽記号と楽曲との対応を示すサブ画面を表示した場合を示している。図10(a)に示す表示画面30では、トラック(楽曲)ごとに互いに異なる模様(又は色)の矢羽記号31を割り当て、自車の現在位置周辺の地図に誘導経路を表示し、誘導経路の経路区間で再生する楽曲に対応する矢羽記号を表示している。
また、地図上に表示した各楽曲の詳細情報を選択するには、図10(a)に示す「↑」ボタン32を押下すると、図10(b)に示すように、右側下部にサブメニュー画面33が表示される。反対に図10(b)の「↓」ボタン32を押下すると、図10(a)の表示画面に戻る。このサブメニュー画面33には、トラック(楽曲)及びこれに対応する矢羽記号が表示される。ハンドリモコン5などを用いて、ユーザが、サブメニュー画面33の楽曲を選択すると、再生リスト・経路地点表示処理部24が、表示モニタ2の表示内容をオーディオ専用画面に遷移し、ユーザに選択された楽曲の詳細情報画面を表示する。
【0048】
(2)3D(3 Dimensions)地図上の経路表示モード
図11は、3D地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。図11に示す表示画面30Aは、自車の現在位置周辺の3D地図上の誘導経路の各経路区間で再生する楽曲を矢羽記号で表示している。
また、表示画面30Aにおいても、楽曲の詳細情報を選択するには、「↑」ボタン32を押下することにより、右側下部にトラック(楽曲)及びこれに対応する矢羽記号が記載されたサブメニュー画面が表示され、このサブメニュー画面内の楽曲を選択することで、オーディオ専用画面に遷移し、楽曲の詳細情報画面が表示される。
【0049】
(3)高速略図上の経路表示モード
図12は、高速略図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。図12に示す表示画面30Bは、自車が走行している高速道路が線状に表示された高速略図36上の誘導経路の各経路区間で再生する楽曲を矢羽記号で表示している。図12では、サブメニュー画面35において、高速道路のインターチェンジ(IC)で再生する楽曲のトラック番号が表示されている。また、「↓」ボタン32を押下することにより、図12の左側の高速略図を全体に表示した画面に戻ることができる。ここでは、高速略図36を例に挙げたが、この表示を経路略図に適用してもよい。
【0050】
なお、図10〜12では、楽曲についてトラック番号のみを記載しているが、楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。また、楽曲を示す記号は、矢羽記号に限らない。例えば、誘導経路を二重線で表示し、経路区間を示す細長い矩形箇所の色や模様を変えるなどして楽曲を示しても構わない。
【0051】
なお、上述の説明では楽曲等の再生を行う場合を示したが、本発明は録音や録画を行う場合であっても適用することができる。例えば、プレイヤ20における録音(録画)機能を制御する録音制御部及び録音(録画)を行う録音部に対して、表示処理部18の各構成が、再生リストを記憶リストとして扱うことで実現できる。
【0052】
以上のように、この実施の形態2によれば、表示処理部18が、誘導経路を含む地図とともに、楽曲を識別する記号を誘導経路に表示するので、自車の現在位置周辺の地図上における誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示することができる。
【0053】
また、上記実施の形態1及び2において、複数種類の表示モードを説明したが、本発明は、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲の再生又は録音リストとを関連付けて表示するものであれば、上記実施の形態1及び2に記載の表示モードに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1 ナビゲーション装置、2 表示モニタ、3 音声スピーカ、4 HDD、5 ハンドリモコン、6 音声マイク、7 車速センサ、8 ジャイロセンサ、9 GPSチューナ、10 CD・DVDドライブ、11 地デジチューナ、12 ユーザインタフェース部、13 ナビゲーション制御部、14 オーディオ制御部(再生処理部)、15 ロケータ、16 経路探索部、17 経路誘導部、18 表示処理部、20 プレイヤ、20a CDプレイヤ、20b DVDプレイヤ、20c DTVプレイヤ、20d オーディオプレイヤ、21 地図表示処理部、21a 地図情報取得部、22 楽曲再生リスト抽出部、23 再生リスト・経路地点比較部、24 再生リスト・経路地点表示処理部、25 再生制御部、25a 再生部、26A〜26D,30,30A,30B 表示画面、27 経路表示、28 再生リスト表示、29 案内地点表示、31 矢羽記号、32 ボタン、33,35 サブメニュー画面、36 高速略図。
【技術分野】
【0001】
この発明は、目的地までの誘導経路と楽曲などのメディア情報の再生リストを関連付けて表示するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカーナビゲーション装置では、誘導経路を専用の画面で表示していたことから、経路に関する情報しか得られず、再生中の楽曲の情報が得られなかった。反対に、楽曲の再生リストはオーディオ専用の画面で表示していたことから、楽曲の再生に関する情報しか得られず、経路誘導中の案内情報が得られなかった。
例えば、特許文献1に開示される装置では、楽曲データの再生順序を示す再生リストと目的地に到着する時間を一緒に表示し、目的地に到着するまでに再生可能な再生リスト中の楽曲を色表示を変化させてユーザに伝えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−293713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーション装置は、誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示しないため、誘導経路のどの経路区間でどの楽曲が再生されるかを知ることができなかった。
また、ユーザが選択した楽曲を経路区間に関連付けることができれば、当該楽曲の再生音声によってどの地点を自車が走行しているのかを把握でき、楽曲の再生音声に経路案内と同様の機能を持たせることも可能である。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲などのメディア情報の再生リストとを関連付けて表示することができるナビゲーション装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るナビゲーション装置は、目的地までの誘導経路を探索する経路探索部と、再生データの再生順序を示す再生リストに従って、再生データを再生する再生処理部と、再生リストにおける再生データの再生時間と経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの再生データのうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを誘導経路とともに表示部に表示する表示処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、再生リストにおける再生データの再生時間と経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの再生データのうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを誘導経路とともに表示部に表示する。このようにすることで、自車の経路走行時にあるいは地図表示時に、どのようなメディア情報(楽曲など)が再生可能の再生データであるのかを確認することができるという効果がある。また、目的地に到着するまでの誘導経路に存在する案内地点で、どのようなメディア情報が再生可能かを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1中のナビゲーション制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1中のオーディオ制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】経路開始地点を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。
【図6】自車位置を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。
【図7】経路開始地点を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。
【図8】自車位置を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【図11】3D地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【図12】高速略図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置1は、表示モニタ2、音声スピーカ3及びハードディスクドライブ(HDD)4を備えている。この表示モニタ2に地図画面、あるいはメニュー画面、映像画面等の画面表示を行う。また、音声スピーカ3を用いて、音声案内や、操作者又は楽曲の再生音声等の音声出力が行われる。HDD4は、CD・DVDドライブ10で再生したメディア情報を記憶したり、各種のアプリケーションを記憶しておくストレージ機器である。
【0010】
また、ナビゲーション装置1には、装置外からの設定入力を受け付ける入力機器としてハンドリモコン5や音声マイク6等が接続されている。さらに、ナビゲーション機能を実現する自車位置計測機器である、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等と接続している。さらに、オーディオやビデオ、テレビやラジオ等のメディア再生の機能を実現するため、CD・DVDドライブ10及び地上波デジタル放送チューナ(地デジチューナ)11と接続している。
【0011】
ナビゲーション装置1は、内部構成として、ユーザインタフェース部12、ナビゲーション制御部13及びオーディオ制御部(再生処理部)14を備える。ユーザインタフェース部12は、ハンドリモコン5や音声マイク6等の入力機器とナビゲーション装置1とのインタフェースとして機能する構成部である。ナビゲーション制御部13は、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等の自車位置計測機器からの情報に基づいて、ナビゲーション処理を実行する構成部である。
【0012】
オーディオ制御部14は、ナビゲーション装置1におけるオーディオ機能を実現させるための構成部であり、CD・DVDドライブ10でのオーディオ再生や、地デジチューナ11を介した地上波デジタル放送の受信再生を行う。上述のナビゲーション制御部13とオーディオ制御部14が協働することによって、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲の再生又は録音リストとを関連付けて表示モニタ2の画面上に表示する、この発明に特有な動作が実現される。
【0013】
図2は、図1中のナビゲーション制御部の構成の一例を示すブロック図である。図2において、ナビゲーション制御部13は、ロケータ15、経路探索部16、経路誘導部17及び表示処理部18を備える。なお、構成部15〜18は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、上記の構成部15〜18の機能を実現するためのプログラムモジュールを有する処理プログラムを実行することにより、具現化される。
【0014】
ロケータ15は、車速センサ7やジャイロセンサ8、GPSチューナ9等の自車位置計測機器から情報を取得し、自車がどのように走行し、どこを走行しているかの位置情報を算出する構成部である。経路探索部16は、ユーザインタフェース部12を介した設定入力により経路開始地点及び目的地を取得し、表示処理部18から自車位置周辺の地図情報を取得して、この地図情報から目的地までの誘導経路を探索する構成部である。
【0015】
経路誘導部17は、経路探索部16で探索された誘導経路上に存在する案内地点(誘導地点)や到着予想時刻を算出し、案内処理を行う構成部である。案内処理としては、例えば自車が走行中であれば、案内地点に接近していることを表示モニタ2の画面上に表示したり、音声スピーカ3を用いて案内音声を音声出力する処理が挙げられる。
【0016】
表示処理部18は、経路探索部16を介して自車の現在位置情報を取得して、ストレージ機器から自車位置周辺の地図情報を読み出し、地図情報から表示モニタ2の画面上に表示する地図の表示情報を生成するとともに、楽曲の再生リストと経路地点とを関連付けた表示を行う構成部である。なお、地図情報は、CDやDVD、HDD4等のストレージ機器に記憶しておいてもよいが、通信ネットワーク上のサーバ装置からダウンロードしてもよい。
【0017】
また、地図には、北基準、自車基準、3D表示、高速略図等の地図種別がある。表示処理部18では、ユーザインタフェース部12を介した設定入力に応じて、表示モニタ2に表示する地図を北基準とするか自車基準とするか、又は、3D表示とするか、高速略図等の地図種別を切り替える。
【0018】
図3は、図1中のオーディオ制御部の構成の一例を示すブロック図である。図3において、オーディオ制御部14は、CDプレイヤ20a、DVDプレイヤ20b、DTV(デジタルTV)プレイヤ20c及びオーディオプレイヤ20d等のプレイヤ20を備える。なお、プレイヤ20は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、プレイヤ20の機能を実現するためのアプリケーションプログラムを実行することにより具現化される。
【0019】
CDプレイヤ20aは、CD、CD−R、CD−TEXT等のメディアから、WAV、MP3、WMA、ACCといった音声ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。なお、音声ファイルには、音声タイトル、アーティスト名、再生時間の情報が設定されており、CDプレイヤ20aは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、CDプレイヤ20aで再生された音声ファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0020】
DVDプレイヤ20bは、DVDやDVD−R等のメディアから映像情報や音声情報の動画ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。動画ファイルには、動画タイトル、アーティスト名、再生時間等の情報が設定されており、DVDプレイヤ20bは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、DVDプレイヤ20bで再生された動画ファイルは、映像情報が表示モニタ2の画面上に表示され、音声情報が音声スピーカ3から音声出力される。
【0021】
DTVプレイヤ20cは、地デジチューナ11等の電波受信装置から動画情報(再生データ)を取得して再生する構成部である。動画情報には、番組名、放送曲名、再生時間等の情報が設定されており、DTVプレイヤ20cは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、DTVプレイヤ20cで再生された動画情報は、映像が表示モニタ2の画面上に表示され、音声が音声スピーカ3から音声出力される。
【0022】
オーディオプレイヤ20dは、iPod(登録商標)等の携帯音声再生機器や、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等のメディアから、WAV、MP3、WMA、ACCといった音声ファイル(再生データ)を取得して再生する構成部である。また、音声ファイルには、CDプレイヤ20aの場合と同様に、音声タイトル、アーティスト名、再生時間等の情報が設定されており、オーディオプレイヤ20dは、それらの情報を表示モニタ2の画面上に表示する機能を有する。また、オーディオプレイヤ20dで再生された音声ファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0023】
図4は、実施の形態1によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。図4において、ナビゲーション制御部13は、ロケータ15、経路探索部16、経路誘導部17及び表示処理部18を備えており、表示処理部18は、地図表示処理部21、楽曲再生リスト抽出部22、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24を備える。また、オーディオ制御部14のプレイヤ20は、再生制御部25及び再生部25aを備える。
【0024】
表示処理部18が備える構成部21〜24は、例えばナビゲーション装置1を構成するコンピュータが、上記の構成部21〜24の機能を実現するためのプログラムモジュールを有する処理プログラムを実行することで具現化される。また、プレイヤ20が備える再生制御部25及び再生部25aについても、同様である。
【0025】
地図表示処理部21は、地図情報取得部21aを備え、自車位置周辺の地図情報に基づいて、表示モニタ2の画面上に表示する地図の表示情報を生成する構成部である。また、地図情報取得部21aは、経路探索部16を介して自車の現在位置情報を取得し、自車位置周辺の地図情報に基づいて、CDやDVD、HDD4等のストレージ機器あるいは通信ネットワークを介したサーバ装置から地図情報を取得する構成部である。
【0026】
楽曲再生リスト抽出部22は、プレイヤ20で再生する楽曲ファイルの再生リストを再生制御部25から取得する構成部である。楽曲ファイルの再生リストは、プレイヤ20の再生制御部25で作成される楽曲を再生順に並べたリストである。例えば、CDプレイヤ20aならば、CDのトラックごとの楽曲ファイルの再生順にリストアップされたデータである。なお、楽曲ファイルごとに設定されたタイトル、アーティスト名、再生時間の情報も再生リストとともに抽出される。
【0027】
再生リスト・経路地点比較部23は、自車の現在位置情報、再生リストの楽曲ごと(CDならばトラックごと)の再生時間、及び、経路開始地点から目的地までの所要時間(誘導時間)や誘導経路上に存在する各案内地点までの所要時間(誘導時間)を比較することによって、経路開始地点又は自車の現在位置から目的地までの経路及びこの経路の所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストに関する情報や、経路開始地点又は自車の現在位置から各案内地点までの経路及びこれらの経路の所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストに関する情報を決定する構成部である。
【0028】
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23からの情報に基づいて、再生リストと誘導経路を表示する表示情報を生成し、表示モニタ2の画面上に表示する構成部である。また、再生リスト・経路地点表示処理部24は、この表示画面に基づく設定入力を受け付けており、ユーザインタフェース部12を介して、入力機器で入力された内容に応じた画面に切り替えることができる。
【0029】
プレイヤ20の再生制御部25は、再生部25aによる楽曲ファイルの再生を制御する構成部である。この再生制御部25が、再生部25aで再生すべき楽曲の再生リストを作成する。なお、楽曲は、CD・DVDドライブ10でCDやDVDメディアから再生するものに限らず、ユーザの嗜好に合致する楽曲のファイルをHDD4にダウンロードしておいたものであってもよい。再生部25aは、再生制御部25で作成された再生リストの再生順序に従って、楽曲ファイルを再生する構成部である。再生部25aで再生されたファイルは、音声スピーカ3から音声出力される。
【0030】
次に動作について説明する。
再生対象としては、楽曲、放送番組(デジタルテレビ、ラジオ)及び映像のメディア情報が考えられるが、以降では、CDやDVDから再生される楽曲を例に挙げて説明する。
先ず、ユーザが例えばハンドリモコン5を用いて目的地の設定操作を行うと、その操作情報は、ユーザインタフェース部12を介してナビゲーション制御部13へ送られる。ナビゲーション制御部13の経路探索部16は、ロケータ15から取得した自車の現在位置情報や、自車の現在位置情報に基づいて地図情報取得部21aによって取得された地図情報を用いて、経路開始地点から目的地までの誘導経路を探索する。
経路探索部16は、誘導経路を探索すると、地図情報に含まれる道路データにおける道路の法定速度を用いて、経路開始地点から目的地までの誘導経路の距離を基に所要時間を算出し、経路開始地点から各案内地点までの各距離を基に各所要時間を算出する。
【0031】
次に、再生リスト・経路地点比較部23は、ロケータ15から自車位置情報を入力し、楽曲再生リスト抽出部22から再生リストを入力し、経路探索部16から上述の誘導経路に関する情報を入力すると、経路開始地点又は自車の現在位置を基準とした誘導経路の目的地までの所要時間又は案内地点までの所要時間と再生リストにおける楽曲の再生時間(トラック再生時間)とを比較して、再生リストの楽曲のうち、経路開始地点から目的地までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リスト、もしくは、自車の現在位置から目的地までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リスト、もしくは、自車の現在位置から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを決定する。
【0032】
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23からの経路及び再生リストに関する情報に基づいて、再生リストのトラック(楽曲)を誘導経路とともに表示する表示情報を作成し、表示モニタ2の画面上に表示する。以下、誘導経路と再生リストの表示モードについて説明する。
【0033】
(1)経路表示(経路開始地点基準)モード
図5は、経路開始地点を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。図5に示す表示画面26Aでは、画面左側に経路開始地点(S)から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、この経路の経路開始地点(S)から目的地(G)までの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図5の例ではトラック1〜3)の再生リスト表示28が画面右側に配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、経路開始地点から目的地までの誘導経路及びその所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
また、ユーザが、ハンドリモコン5などを用いて、図5中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。この他、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴い、経路表示27における経路開始地点(S)から経由地(案内地点)、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図5の例では、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0034】
(2)経路表示(自車位置基準)モード
図6は、自車位置を基準とした経路と再生リストの表示例を示す図である。図6に示す表示画面26Bでは、画面左側に自車の現在位置から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、自車の現在位置から目的地(G)に到着するまでの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図6ではトラック3〜6)の再生リスト表示28が画面右側に配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、自車の現在位置から目的地までの誘導経路及びその所要時間内に再生時間が収まる楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Bにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図6中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、経路表示27における自車表示(図6中の三角形記号)から経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、誘導経路に変更があり、目的地(G)までの経路が延びた場合は、変更に応じて再生可能な楽曲の情報が再生リスト・経路地点比較部23から再生リスト・経路地点表示処理部24へ出力される。これにより、再生リスト・経路地点表示処理部24は、トラック6以上のトラック番号の楽曲を目的地(G)に到着するまでに再生可能な楽曲として再生リスト表示28を更新する。
また、図6においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0035】
(3)案内地点表示(経路開始地点基準)モード
図7は、経路開始地点を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。図7に示す表示画面26Cでは、画面中央に経路開始地点(S)から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、この経路の経路開始地点(S)から目的地(G)までの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図7の例ではトラック1〜3)の再生リスト表示28が画面右側に配置され、画面左側には、この経路における案内地点(交差点やIC)である案内地点表示29が配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、経路開始地点から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Cにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図7中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、案内地点表示29における案内地点、経路表示27における経路開始地点(S)、経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図7においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0036】
(4)案内地点表示(自車位置基準)モード
図8は、自車位置を基準とした経路及び案内地点表示と再生リストの表示例を示す図である。図8に示す表示画面26Dでは、画面左側に自車の現在位置から目的地(G)までの簡易な経路表示27があり、自車の現在位置から目的地(G)に到着するまでの所要時間内に再生可能な全ての楽曲(図8の例ではトラック2〜4)の再生リスト表示28が画面右側に配置され、画面左側には、この経路における案内地点(交差点やIC)である案内地点表示29が配置される。
再生リスト・経路地点表示処理部24は、再生リスト・経路地点比較部23から、自車の現在位置から各案内地点までの所要時間内に再生時間が収まる分だけの楽曲の再生リストを示す情報を取得することで、当該表示画面の表示情報を生成して表示モニタ2の画面上に表示する。
この表示画面26Dにおいても、ハンドリモコン5などを用いて、図7中のリストスクロールボタン「↑」を押下、又は「↓」を押下することで、楽曲の再生リスト表示28を進めたり、戻したりすることができる。このとき、楽曲の再生リスト表示28のスクロールに伴って、案内地点表示29における案内地点、経路表示27における自車表示、経由地、目的地(G)の表示を進めたり、戻したりするようにしてもよい。
なお、図8においても、楽曲をトラック番号のみで示しているが、トラックごとの楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。
【0037】
上述の表示モードは、ユーザがハンドリモコン5などを用いて、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24に予め設定することで実現できる。また、上述の表示モードのいずれかで表示するように、再生リスト・経路地点比較部23及び再生リスト・経路地点表示処理部24を作り込んでもよい。
【0038】
案内地点表示モードでは、案内地点1に至るまでの経路では楽曲Aを再生し、又は案内地点2に至るまでの経路では楽曲Bを再生するといった再生リストを作成することができる。これにより、楽曲の再生音声を経路誘導の案内音声としての役割を持たせることが可能である。
【0039】
また、再生制御部25で作成される再生リストは、ユーザの嗜好に合わせて楽曲の組み替えを行えるようにしてもよい。
例えば、再生制御部25が、再生リストを作成すると、このリストを表示モニタ2の画面上に表示する。この表示画面を基に、ユーザが、ハンドリモコン5などを用いて、再生リストから除く楽曲(タイトル)を決定する。
次に、同様に入力装置を用いて、ユーザが、CDやDVDなどの記憶メディアやHDD4から自身の嗜好に合った楽曲を選択し、再生制御部25に通知する。
これによって、再生制御部25が、ユーザが選択した楽曲を組み込んで再生リストを変更する。この再生リストを表示処理部18が利用することで、ユーザの嗜好に合った楽曲のみを表示することができる。
【0040】
さらに、経路探索部16で探索された経路の案内地点や所要時間に合わせて、ユーザが楽曲を選択して再生リストを作成するようにしてもよい。
例えば、再生制御部25が、ナビゲーション制御部13から取得した経路における案内地点及び所要時間、CDやDVDなどの記憶メディアやHDD4に記憶しておいた楽曲のタイトル及びその再生時間を表示モニタ2に表示する。この画面に基づいて、ユーザが、楽曲の再生時間と経路開始地点から各案内地点までの所要時間とを突き合わせて楽曲の再生リストを選択する。
【0041】
さらに、楽曲の再生音声による案内機能を実際の環境に適合させるために、ナビゲーション制御部13が、オーディオ制御部14による再生リストに従った楽曲再生を制御するように構成してもよい。
例えば、ナビゲーション制御部13のタイマ(不図示)が、経路探索部16で探索された経路を自車が走行開始した際、これを契機に計時を開始する。また、経路の走行中、経路探索部16は、タイマで計時される時間、車速センサ7の検出値から測定した自車速及びロケータ15からの自車位置情報に基づいて、経路探索時に算出した所要時間通りに走行しているか否かを判定する。
ここで、経路探索時に算出した所要時間が経過しても所定の案内地点に自車が到達していない場合(自車が遅れている場合)、経路探索部16は、その旨を再生制御部25及び再生リスト・経路地点比較部23に通知する。
この遅延している旨の通知を受けると、再生制御部25は、再生部25aを制御して、再生リストのうち、上記の案内地点に至るまでに再生していた楽曲の再生をリピートさせる。再生リスト・経路地点比較部23は、リピートさせている楽曲が再生中であることを表示するよう再生リスト・経路地点表示処理部24に指示する。
反対に、何らかの要因で所要時間が経過する前に所定の案内地点に自車が到達した場合にも、経路探索部16は、その旨を再生制御部25及び再生リスト・経路地点比較部23に通知する。
この早着した旨の通知を受けると、再生制御部25は、再生部25aを制御して、再生リストのうち、早着した案内地点に至るまでに再生していた楽曲から次の案内地点までの経路区間で再生させる楽曲に切り替える。再生リスト・経路地点比較部23は、切り替えた楽曲が再生中であることを表示するよう、再生リスト・経路地点表示処理部24に指示する。
【0042】
なお、上述の説明では楽曲等の再生を行う場合を示したが、この発明は、録音や録画を行う場合であっても適用することができる。例えば、プレイヤ20における録音(録画)機能を制御する録音制御部及び録音(録画)を行う録音部に対して、表示処理部18の各構成が、再生リストを録音リスト(記憶リスト)として扱うことで実現できる。
【0043】
以上のように、この実施の形態1によれば、表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と経路探索部16で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、誘導経路の誘導時間内に再生可能な楽曲を誘導経路とともに表示モニタ2の画面上に表示する。特に、表示処理部18が、再生リストにおける楽曲の再生時間と誘導経路に存在する案内地点までの誘導時間とを比較して、再生リストの楽曲のうち、案内地点までの誘導時間内に再生可能な楽曲を案内地点とともに表示モニタ2に表示する。このように構成することで、目的地までの誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示することができる。
【0044】
また、この実施の形態1では、ユーザが自身の嗜好に合致する楽曲を選択して、再生リストの一部又は全部を作成するので、再生された楽曲によって、経路のどの区間を自車が走行中であるか又はこれから向かうべき地点を、ユーザが知ることができる。すなわち、経路誘導の案内音声としての役割を持たせることが可能である。
【0045】
なお、楽曲の曲名のみならず、アーティスト名、再生時間などを表示してもよい。
また、自車基準の表示モードである図6と図8については、自車が渋滞などによる停止状態が長く続く際に、楽曲の再生リストのみのリスト更新を行うことが可能である。
【0046】
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2によるナビゲーション制御部及びオーディオ制御部の詳細な構成を示すブロック図である。図9において、実施の形態2による再生リスト・経路地点表示処理部24は、地図表示処理部21からの地図表示情報及び再生リスト・経路地点比較部23からの情報に基づいて、自車の現在位置周辺の地図上に再生リストを記号化して誘導経路とともに表示する表示情報を生成し、表示モニタ2の画面上に表示する。なお、これ以外に、図2と同一符号を付した構成部は、上記実施の形態1と同様な動作を行うので説明を省略する。
【0047】
ここでは、実施の形態2における表示モードについて示す。
(1)地図上の経路表示モード
図10は、地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図であり、図10(a)は、再生リストの楽曲を矢羽記号で表示した例を示しており、図10(b)は、各矢羽記号と楽曲との対応を示すサブ画面を表示した場合を示している。図10(a)に示す表示画面30では、トラック(楽曲)ごとに互いに異なる模様(又は色)の矢羽記号31を割り当て、自車の現在位置周辺の地図に誘導経路を表示し、誘導経路の経路区間で再生する楽曲に対応する矢羽記号を表示している。
また、地図上に表示した各楽曲の詳細情報を選択するには、図10(a)に示す「↑」ボタン32を押下すると、図10(b)に示すように、右側下部にサブメニュー画面33が表示される。反対に図10(b)の「↓」ボタン32を押下すると、図10(a)の表示画面に戻る。このサブメニュー画面33には、トラック(楽曲)及びこれに対応する矢羽記号が表示される。ハンドリモコン5などを用いて、ユーザが、サブメニュー画面33の楽曲を選択すると、再生リスト・経路地点表示処理部24が、表示モニタ2の表示内容をオーディオ専用画面に遷移し、ユーザに選択された楽曲の詳細情報画面を表示する。
【0048】
(2)3D(3 Dimensions)地図上の経路表示モード
図11は、3D地図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。図11に示す表示画面30Aは、自車の現在位置周辺の3D地図上の誘導経路の各経路区間で再生する楽曲を矢羽記号で表示している。
また、表示画面30Aにおいても、楽曲の詳細情報を選択するには、「↑」ボタン32を押下することにより、右側下部にトラック(楽曲)及びこれに対応する矢羽記号が記載されたサブメニュー画面が表示され、このサブメニュー画面内の楽曲を選択することで、オーディオ専用画面に遷移し、楽曲の詳細情報画面が表示される。
【0049】
(3)高速略図上の経路表示モード
図12は、高速略図上の経路表示モードの表示画面の一例を示す図である。図12に示す表示画面30Bは、自車が走行している高速道路が線状に表示された高速略図36上の誘導経路の各経路区間で再生する楽曲を矢羽記号で表示している。図12では、サブメニュー画面35において、高速道路のインターチェンジ(IC)で再生する楽曲のトラック番号が表示されている。また、「↓」ボタン32を押下することにより、図12の左側の高速略図を全体に表示した画面に戻ることができる。ここでは、高速略図36を例に挙げたが、この表示を経路略図に適用してもよい。
【0050】
なお、図10〜12では、楽曲についてトラック番号のみを記載しているが、楽曲タイトルやアーティスト名を同時に表示しても構わない。また、楽曲を示す記号は、矢羽記号に限らない。例えば、誘導経路を二重線で表示し、経路区間を示す細長い矩形箇所の色や模様を変えるなどして楽曲を示しても構わない。
【0051】
なお、上述の説明では楽曲等の再生を行う場合を示したが、本発明は録音や録画を行う場合であっても適用することができる。例えば、プレイヤ20における録音(録画)機能を制御する録音制御部及び録音(録画)を行う録音部に対して、表示処理部18の各構成が、再生リストを記憶リストとして扱うことで実現できる。
【0052】
以上のように、この実施の形態2によれば、表示処理部18が、誘導経路を含む地図とともに、楽曲を識別する記号を誘導経路に表示するので、自車の現在位置周辺の地図上における誘導経路と楽曲の再生リストとを関連付けて表示することができる。
【0053】
また、上記実施の形態1及び2において、複数種類の表示モードを説明したが、本発明は、目的地までの誘導経路又は地図と楽曲の再生又は録音リストとを関連付けて表示するものであれば、上記実施の形態1及び2に記載の表示モードに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0054】
1 ナビゲーション装置、2 表示モニタ、3 音声スピーカ、4 HDD、5 ハンドリモコン、6 音声マイク、7 車速センサ、8 ジャイロセンサ、9 GPSチューナ、10 CD・DVDドライブ、11 地デジチューナ、12 ユーザインタフェース部、13 ナビゲーション制御部、14 オーディオ制御部(再生処理部)、15 ロケータ、16 経路探索部、17 経路誘導部、18 表示処理部、20 プレイヤ、20a CDプレイヤ、20b DVDプレイヤ、20c DTVプレイヤ、20d オーディオプレイヤ、21 地図表示処理部、21a 地図情報取得部、22 楽曲再生リスト抽出部、23 再生リスト・経路地点比較部、24 再生リスト・経路地点表示処理部、25 再生制御部、25a 再生部、26A〜26D,30,30A,30B 表示画面、27 経路表示、28 再生リスト表示、29 案内地点表示、31 矢羽記号、32 ボタン、33,35 サブメニュー画面、36 高速略図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの誘導経路を探索する経路探索部と、
再生データの再生順序を示す再生リストに従って、前記再生データを再生する再生処理部と、
前記再生リストにおける再生データの再生時間と前記経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、前記再生リストの再生データのうち、前記誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを、前記誘導経路とともに表示部に表示する表示処理部とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
表示処理部は、再生リストにおける再生データの再生時間と誘導経路に存在する誘導地点までの誘導時間とを比較して、前記再生リストの再生データのうち、前記誘導地点までの誘導時間内に再生可能な再生データを、前記誘導地点とともに表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示処理部は、誘導経路を含む地図とともに、再生データを識別する記号を前記誘導経路に表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
目的地までの誘導経路を探索する経路探索部と、
再生データの再生順序を示す再生リストに従って、前記再生データを再生する再生処理部と、
前記再生リストにおける再生データの再生時間と前記経路探索部で探索された誘導経路の誘導時間とを比較して、前記再生リストの再生データのうち、前記誘導経路の誘導時間内に再生可能な再生データを、前記誘導経路とともに表示部に表示する表示処理部とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
表示処理部は、再生リストにおける再生データの再生時間と誘導経路に存在する誘導地点までの誘導時間とを比較して、前記再生リストの再生データのうち、前記誘導地点までの誘導時間内に再生可能な再生データを、前記誘導地点とともに表示部に表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示処理部は、誘導経路を含む地図とともに、再生データを識別する記号を前記誘導経路に表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−33526(P2011−33526A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181484(P2009−181484)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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