説明

ナビゲーション装置

【課題】複数の人が乗車した場合において操作性の良いナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】乗員の電子キー2から電子キー2の情報を取得するキー通信部111と、キー通信部111によって取得された電子キー2の情報に基づいて設定を変更する制御回路11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンズフリー機能のための無線接続が確立した携帯電話に基づいて運転者を特定し、特定された運転者に応じて機能設定を行うナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−184103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のナビゲーション装置では、同乗者もハンズフリー機能付きの携帯電話を持っている場合に、何れの携帯電話に基づいて機能設定を行うのかについて言及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明のナビゲーション装置は、複数のユーザがそれぞれに有する複数の端末機から固有情報を受信する受信手段と、前記複数の端末機にそれぞれに対応付けてナビゲーション装置の機能設定情報が予め記憶されている記憶手段と、受信手段によって固有情報が受信された端末機複数の端末機にそれぞれ対応付けられている機能設定情報を記憶手段から読み出し、それらを統合してナビゲーション装置の機能設定を行う設定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車内で複数の端末機の存在が確認されたとき、各端末機における設定内容を統合してナビゲーション装置の機能を設定するようにしたので、端末機に応じた機能設定を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態のおけるナビゲーション装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置に記憶されている機能設定情報を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置の機能設定変更処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置の機能設定変更処理によって設定されたナビゲーション装置の機能設定を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、電子キー2から送信された識別コードに基づいてナビゲーション装置1の設定を変更したり、ドアロックの施錠・解錠の情報をドアロックコントロール装置3から取得したりすることができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、ディスクドライブ19、キー通信部111および記憶装置112を有する。ディスクドライブ19には、地図データが記憶されたDVD−ROM110が装填されている。なお、この実施の形態では、端末機として車両用の電子キーを適用したが、本発明はこれに限られるものではなく、ハンズフリー機能付きの携帯電話等を適用してもよい。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。また、制御回路11は、DVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行う。そして、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0010】
制御回路11は、ドアロックコントロール装置3と接続しており、ドアロックの施錠・解錠の情報をドアロックコントロール装置3から取得することができる。
【0011】
現在地検出装置14は車両の走行軌跡を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM110に記憶された地図データに基づいて、制御回路11において適宜生成される。
【0013】
ディスクドライブ19は、DVD−ROM110から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM110以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0014】
制御回路11は、地図データを使用して平面地図および鳥瞰図表示の地図を表示モニタ16に表示させることができる。
【0015】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を表示する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定や検索条件の入力、電源のON/OFFなどをするための操作キーを有し、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0016】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0017】
キー通信部111は、電子キー2から発信される無線電波を受信し、電子キー2の識別コードを取得する。
【0018】
記憶装置112は、フラッシュメモリやハードディスクなどの書き換え可能な不揮発性記録媒体によって構成され、ユーザの機能設定情報が記憶される。機能設定情報とは、ユーザ毎に設定されるナビゲーション装置1の機能設定に関する情報である。たとえば、電子キーの固有情報である識別コードに対応付けて、地図の鳥瞰図表示の設定のON/OFFの情報、経路誘導音声の設定のON/OFFの情報、お気に入りジャンルの情報、登録地の情報が機能設定情報として記憶装置112に記憶される。ここで、お気に入りのジャンルとは、施設検索を行う場合などに所望のジャンルをすぐに呼び出すことができるようにするためのブックマークである。たとえば、「レストラン」をお気に入りのジャンルに登録しておくことにより、施設検索の検索条件入力でジャンルの項目に「レストラン」を入力するとき、「レストラン」をすぐに呼び出して入力することができる。記憶装置112に記憶されている機能設定情報の内容は、ユーザの入力装置18の操作によって適宜変更することができる。
【0019】
図2を参照して、第1〜第4の電子キーをそれぞれ保持するユーザA、ユーザB、ユーザCおよびユーザDのそれぞれの機能設定情報を例に上げて説明する。ユーザAの機能設定情報は、第1の電子キーの識別コードに対応付けられたユーザAの名前の情報、地図の鳥瞰図表示の設定を「ON」にする情報、経路誘導音声の設定を「ON」にする情報、お気に入りジャンルを「レストラン」および「遊園地」に設定する情報、登録地を「登録地A」、「登録地B」および「登録地C」に設定する情報を有する。ユーザBの機能設定情報は、第2の電子キーの識別コードに対応付けられたユーザBの名前の情報、地図の鳥瞰図表示の設定を「OFF」にする情報、経路誘導音声の設定を「OFF」にする情報、お気に入りジャンルを「駅」に設定する情報、登録地を「登録地E」に設定する情報を有する。
【0020】
ユーザCの機能設定情報は、第3の電子キーの識別コードに対応付けられたユーザCの名前の情報、地図の鳥瞰図表示の設定を「OFF」にする情報、経路誘導音声の設定を「ON」にする情報、お気に入りジャンルを「コンビニ」に設定する情報、登録地を「登録地F」および「登録地G」に設定する情報を有する。ユーザDの機能設定情報は、第4の電子キーの識別コードに対応付けられたユーザDの名前の情報、地図の鳥瞰図表示の設定を「OFF」にする情報、経路誘導音声の設定を「ON」にする情報、お気に入りジャンルを「遊園地」に設定する情報、登録地を「登録地D」および「登録地H」に設定する情報を有する。
【0021】
電子キー2は、不図示の送信スイッチが操作されたとき、ドアロックコントロール装置3に識別コードを発信する。ドアロックコントロール装置3は、識別コードを受信して照合した後、正しいコードである場合は、不図示のアクチュエータを作動させて、ドアロックを施錠・解錠する。
【0022】
次に、図3のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置1の機能設定変更処理を説明する。図3の処理は、イグニッションスイッチがオフされ、ドアロックが施錠された後、車両のドアロックが最初に解錠されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。車両に乗車する全ての同乗者は、それぞれ別々の識別コードを有する電子キー2を所持しているものとして説明する。
【0023】
ステップS101では、電子キー2から発信された無線電波をキー通信部111で受信し、電子キー2の識別コードを取得する。ステップS102では、運転者の電子キー2の識別コードを特定する。車両のドアロックは、運転者の電子キー2によって最初に解錠されるので、ドアロックを最初に解錠するときに使用された電子キー2の識別コードにより、各同乗者がそれぞれに所持する複数の電子キー2の中から運転者の電子キー2を特定することができる。
【0024】
ステップS103では、不図示のナビゲーション装置1の電源スイッチがオンされたか否かを判定する。電源スイッチがオンされた場合はステップS103が肯定判定され、ステップS104へ進む。電源スイッチがオンされない場合はステップS103を繰り返す。ステップS104では、車両の同乗者が所持している全ての電子キー2から識別コードを取得する。ステップS105では、ステップS104で取得した識別コードに基づいて、車両に乗車している同乗者の電子キー2の識別コードを特定する。
【0025】
ステップS106では、ステップS101で取得した運転者の電子キー2の識別コードを記憶装置112に記憶されている機能設定情報と照合して、地図の鳥瞰図表示のON/OFFの設定を変更する。運転者の機能設定情報が地図の鳥瞰図表示の設定を「ON」にする情報を有している場合は、ナビゲーション装置1の地図の鳥瞰図表示の設定を「ON」にし、運転者の機能設定情報が地図の鳥瞰図表示の設定を「OFF」にする情報を有している場合は、ナビゲーション装置1の地図の鳥瞰図表示の設定を「OFF」にする。
【0026】
ステップS107では、ステップS101で取得した運転者の電子キー2の識別コードを記憶装置112に記憶されている機能設定情報に照合して、経路誘導音声のON/OFFの設定を変更する。運転者の機能設定情報が経路誘導音声の設定を「ON」にする情報を有している場合は、ナビゲーション装置1の経路誘導音声の設定を「ON」にし、運転者の機能設定情報が経路誘導音声の設定を「OFF」にする情報を有している場合は、ナビゲーション装置1の経路誘導音声の設定を「OFF」にする。
【0027】
ステップS108では、ステップS105で取得した同乗者の電子キー2の識別コードを記憶装置112に記憶されている機能設定情報に照合して、お気に入りのジャンルの設定を変更する。具体的には、同乗者の機能設定情報に含まれているお気に入りのジャンルが全てナビゲーション装置1のお気に入りのジャンルに登録されるように設定を変更する。なお、ナビゲーション装置1に登録されているお気に入りのジャンルをリスト表示するとき、運転者の機能設定情報におけるお気に入りのジャンルが上位に表示されるようにしてもよい。つまり、運転者の機能設定情報におけるお気に入りのジャンルが優先して表示されるようにしてもよい。
【0028】
ステップS109では、ステップS105で取得した同乗者の電子キー2の識別コードを記憶装置112に記憶されている機能設定情報に照合して、登録地の設定を変更する。具体的には、同乗者の機能設定情報に含まれている登録地が全てナビゲーション装置1の登録地に登録されるように設定を変更する。なお、ナビゲーション装置1に登録されている登録地をリスト表示するとき、運転者の機能設定情報における登録地が上位に表示されるようにしてもよい。つまり、運転者の機能設定情報における登録地が優先して表示されるようにしてもよい。
【0029】
以上説明したように、ステップS106、S107では、運転者の機能設定情報における設定内容に合わせて、地図の鳥瞰図表示の設定や経路誘導音声の設定を「ON」または「OFF」にする。すなわち、ステップS102で特定した運転者の電子キー2に対応付けられた機能設定情報を優先して、ナビゲーション装置1の機能設定を行う。また、ステップS108、S109では、各同乗者の機能設定情報に含まれる全てのお気に入りジャンルや登録地の内容を反映してナビゲーション装置1の機能設定を行う。このようにしてステップS106〜S109の処理を行うことにより、各同乗者が所持する電子キー2にそれぞれ対応付けられている機能設定情報を統合して、ナビゲーション装置1の機能設定を行う。
【0030】
図2および図4を参照して、ナビゲーション装置1の機能設定変更処理を具体的に説明する。図4は、本発明の一実施形態におけるナビゲーション装置1の設定変更処理によって設定されたナビゲーション装置の機能設定情報を説明するための図である。ここで、ユーザA、ユーザBおよびユーザDが車両に乗車しており、ユーザAが運転者であるものとして説明する。ユーザCは乗車していない。
【0031】
図2に示すように、運転者であるユーザAの機能設定情報では、地図の鳥瞰図表示の設定は「ON」になっているので、図4に示すように、ナビゲーション装置1の地図の鳥瞰図表示の設定は「ON」に変更される。図2に示すように、運転者であるユーザAの機能設定情報では、経路誘導音声の設定は「ON」になっているので、図4に示すように、ナビゲーション装置1の経路誘導音声の設定は「ON」に変更される。すなわち、地図の鳥瞰図表示や経路誘導音声などのように、「ON」と「OFF」のいずれか一方のみの内容が設定可能な設定項目については、運転者であるユーザAの電子キー2に対応付けられた機能設定情報に基づいて、ナビゲーション装置1の機能設定が行われる。
【0032】
図2に示すように、同乗者であるユーザAの機能設定情報では、お気に入りのジャンルは「レストラン」および「遊園地」であり、ユーザBの機能設定情報では、お気に入りのジャンルは「駅」であり、ユーザDの機能設定情報では、お気に入りのジャンルは「遊園地」であるので、図4に示すように、ナビゲーション装置1のお気に入りのジャンルは、「レストラン」、「遊園地」および「駅」に変更される。
【0033】
図2に示すように、同乗者であるユーザAの機能設定情報では、登録地は「登録地A」、「登録地B」および「登録地C」であり、ユーザBの機能設定情報では、登録地は「登録地E」であり、ユーザDの機能設定情報では、登録地は「登録地D」および「登録地H」であるので、図4に示すように、ナビゲーション装置1の登録地は、「登録地A」、「登録地B」、「登録地C」、「登録地D」、「登録地E」および「登録地H」に変更される。すなわち、お気に入りジャンルや登録地などのように、複数の内容が設定可能な設定項目については、運転者であるユーザAの電子キー2、および運転者以外の同乗者であるユーザB、Dの各電子キー2にそれぞれ対応付けられた各機能設定情報に基づいて、ナビゲーション装置1の機能設定が行われる。
【0034】
以上の実施形態によるナビゲーション装置は次のような作用効果を奏する。
(1)ステップS101、S104では、運転者や同乗者がそれぞれに所持している複数の電子キーから、各電子キーの固有情報である識別コードをキー通信部111によって受信する。ステップS106〜S109では、ステップS101、S104で識別情報が受信された複数の電子キーにそれぞれ対応付けられている機能設定情報を記憶装置112から読み出し、それらを統合してナビゲーション装置の機能設定を行うようにした。したがって、車内の電子キーに応じてナビゲーション装置の機能設定情報を選択するナビゲーション装置にあって、複数の電子キーが存在したとしても、乗車した者たちの好みを的確に反映することができる。
【0035】
(2)運転者が保持する電子キーに対応付けた機能設定情報を優先して機能設定するようにした。したがって、運転者に適した設定でナビゲーション装置を利用することができる。
【0036】
(3)複数の機能設定情報のうち、第1の設定項目については、運転者の電子キーに対応付けた機能設定情報に基づいて設定し、第2の設定項目については、運転者以外の同乗者の電子キーに対応付けた機能設定情報に基づいて設定するようにした。たとえば、地図表示画面の形態(平面地図表示や鳥瞰図地図表示など)は運転者の好みに依存する事項であり、かつ、運転操作に影響を与える事項(運転操作に重要な機能)であるから、運転者の電子キーに対応する機能設定情報を優先させるようにした。運転操作に影響を与えないような設定内容(お気に入りのジャンルや登録地)については、運転者以外の同乗者に割り当てられた機能設定情報によりナビゲーション装置の機能設定を行う。これにより、機能設定のうち運転操作に影響を与える変更は運転者の設定内容となり、運転者に違和感を与えないようにできる。
【0037】
以上の実施形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)運転者の電子キーを特定できれば、運転者の電子キーの特定方法は実施形態に限定されない。たとえば、運転席のドアを開けた人が所持している電子キーを運転者の電子キーとして特定するようにしてもよい。また、運転席に格納された電子キーを運転者の電子キーとして特定するようにしてもよい。さらに、運転席にキー通信部111のアンテナを設け、無線電波の強度が一番大きい電子キーを運転者の電子キーとして特定するようにしてもよい。また、無線受信範囲の狭いアンテナをそれぞれの座席に設けて電子キーからの無線電波を受信できたアンテナが設けられた座席にユーザは乗車していることを検出できるようにし、運転席で検出された無線電波の電子キーが運転者の電子キーとして特定できるようにしてもよい。
【0038】
(2)運転者の電子キーのみに基づいてナビゲーション装置の設定を変更するようにしてもよいし、運転者に限定されないで同乗者の電子キーに基づいてナビゲーション装置の設定を変更するようにしてもよい。
【0039】
(3)運転者の電子キーに基づいて変更される設定項目は、地図の鳥瞰図表示のON/OFFや経路誘導音声のON/OFFに限定されない。たとえば、地図の向きをノースアップにするかヘッディングアップにするかを運転者の電子キーに基づいて変更するようにしてもよい。
【0040】
(4)同乗者の電子キーに基づいて変更される設定項目は、お気に入りのジャンルや登録地に限定されない。たとえば、ナビゲーション装置に音声認識機能が付加されている場合、音声認識辞書の学習設定を同乗者の電子キーに基づいて変更されるようにしてもよい。
【0041】
(5)電子キーから取得する情報は識別コードに限定されない。たとえば、ユーザの機能設定情報を電子キーに記憶するようにし、電子キーから機能設定情報を取得し、その情報に基づいてナビゲーション装置の設定を変更するようにしてもよい。
【0042】
(6)ユーザによって選択された同乗者の電子キーの情報に基づいて設定を変更するようにしてもよい。これにより、運転者に限らず同乗者の中で一番重要な人などに合わせてナビゲーション装置を設定することができる。また、設定項目によって、ユーザによって選択された同乗者の電子キーの情報に基づいて設定を変更したり、選択された同乗者に関係なく同乗者の電子キーの情報に基づいて設定を変更したりするようにしてもよい。さらに、設定項目によって、運転者の電子キーに基づいて設定を変更したり、ユーザによって選択された同乗者の電子キーの情報に基づいて設定を変更したり、運転者や選択された同乗者に関係なく同乗者の電子キーの情報に基づいて設定を変更したりするようにしてもよい。
【0043】
上記(6)で説明したようにして、複数の電子キーの存在が確認されたとき、いずれかひとつの電子キーを選択できるようにし、選択された電子キーを優先して機能設定することができる。これにより、同乗者の意思に基づいた機能設定が可能となる。ナビゲーション装置が自動的に機能設定する場合かえって同乗者が煩わしさを感じるおそれもあるが、同乗者の意思で機能設定を選択することにより、操作性の高いナビゲーション装置を提供することができる。
【0044】
なお、上記のようにして選択された電子キーの機能設定情報を優先させてナビゲーション装置の機能を設定するようにすれば、少なくとも運転中に影響を与えるような機能について、ナビゲーション装置が自動で設定するおそれが少なくなる。これにより、機能の自動設定と、機能の手動設定とを併せ持った操作性のよいナビゲーション装置を提供できる。
【0045】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0046】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 ナビゲーション装置
2 電子キー
3 ドアロックコントロール装置
11 制御回路
18 入力装置
111 キー通信部
112 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザがそれぞれに有する複数の端末機から固有情報を受信する受信手段と、
前記複数の端末機にそれぞれ対応付けてナビゲーション装置の機能設定情報が予め記憶されている記憶手段と、
前記受信手段によって前記固有情報が受信された前記複数の端末機にそれぞれ対応付けられている前記機能設定情報を前記記憶手段から読み出し、それらを統合してナビゲーション装置の機能設定を行う設定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記受信手段によって受信した前記固有情報に基づいて、前記複数の端末機の中から運転者の端末機を特定する特定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記特定手段によって特定された前記運転者の端末機に対応付けられた前記機能設定情報を優先して前記ナビゲーション装置の機能設定を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記設定手段は、第1の設定項目については、前記運転者の端末機に対応付けられた前記機能設定情報に基づいて前記ナビゲーション装置の機能設定を行い、第2の設定項目については、前記運転者の端末機および前記運転者以外の同乗者の端末機にそれぞれ対応付けられた各機能設定情報に基づいて前記ナビゲーション装置の機能設定を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記受信手段によって前記固有情報が受信された前記複数の端末機の中からいずれかひとつの端末機を選択する選択手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記選択手段によって選択された端末機に対応付けられた前記機能設定情報を優先して前記ナビゲーション装置の機能設定を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記設定手段は、第1の設定項目については、前記選択手段によって選択された端末機に対応付けられた前記機能設定情報に基づいて前記ナビゲーション装置の機能設定を行い、第2の設定項目については、前記選択手段によって選択された端末機および前記選択手段によって選択されなかったその他の端末機にそれぞれ対応付けられた各機能設定情報に基づいて前記ナビゲーション装置の機能設定を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項3または5に記載のナビゲーション装置において、
前記第1の設定項目は、運転操作に影響を与える機能であり、前記第2の設定項目は、運転操作に影響を与えない機能であることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−69795(P2011−69795A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223170(P2009−223170)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】