ナビゲーション装置
【課題】ユーザが所望の施設の検索を容易に行えるようにするナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段12Aと、各階層でジャンル項目を表示する表示手段10と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段11と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示する構成とする。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段12Aと、各階層でジャンル項目を表示する表示手段10と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段11と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示する構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンル検索機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において、ジャンル項目から目的地となる施設を検索するジャンル検索機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ジャンル検索では、ジャンル項目が大分類、中分類、小分類といった複数の階層に予め分類されており、ユーザから大分類、中分類、小分類の順で階層ごとにジャンル項目の選択を受け付け、最終的にユーザの所望するジャンルの施設を一覧表示する。大分類は「交通機関」や「お店」のような目的を大括りにした大きなカテゴリであり、中分類は「コンビニエンスストア」や「ガソリンスタンド」のような大分類に関連するサブカテゴリであり、小分類はブランド名称のようなさらに詳細なカテゴリである。ジャンル項目の階層は、大分類、中分類、小分類のように3階層の場合もあれば、大分類、中分類のように2階層の場合、大分類のみの場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−39761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ジャンル項目は、ユーザが施設を検索しやすいように分類されているものの、ジャンル項目によってはどの階層に分類すべきか分からないものも少なくない。したがって、ジャンル項目が予め固定で分類されている従来の構成では、階層を全て把握していないと、ジャンル項目の選択を間違え、施設の検索が困難になるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、所望の施設の検索を容易に行えるようにするナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、各階層でジャンル項目を表示する表示手段と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示することを特徴とする。
上記構成によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができ、その結果、所望の施設を容易に検索できる。
【0006】
上記構成において、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示してもよい。
上記構成によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設を選択可能なジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができる。
【0007】
上記構成において、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示してもよい。
上記構成によれば、施設の検索を繰り返して、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合でも、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で優先的に表示される。これにより、施設の検索を繰り返し行っても、所望の施設を容易に検索できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示されるので、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができ、その結果、所望の施設を容易に検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の本実施の形態に係るナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ジャンル項目の構成を示す図である。
【図3】ジャンル検索の操作画面の階層構造を示す図である。
【図4】温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、(A)は大分類操作画面を示す図であり、(B)は大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。
【図5】温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、(A)は大分類操作画面を示す図であり、(B)は大分類の「遊ぶ・見る」の下位の中分類操作画面を示す図であり、(C)は中分類の「温泉・お風呂」の下位の小分類操作画面を示す図であり、(D)は小分類の「温泉地」の下位の施設操作画面を示す図である。
【図6】温泉に関する施設を検索する場合の操作手順を示す図である。
【図7】学習によりジャンル項目が追加された場合における、大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。
【図8】学習によりジャンル項目が追加された場合のジャンル項目の階層を示す図である。
【図9】ジャンル情報テーブルを示す図である。
【図10】ジャンル学習情報テーブルを示す図である。
【図11】ジャンル検索を示すフローチャートである。
【図12】ジャンル検索を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、ナビゲーション装置として、車載型のナビゲーション装置(いわゆる、カーナビゲーション装置)について例示する。
図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置100の機能的構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置100は、絶対位置・方位検出部1と、相対方位検出部2と、車速検出部3と、主制御部4と、ROM5と、DRAM6と、SRAM7と、VRAM8と、ユーザインタフェース部9と、表示部(表示手段)10と、入力部11(選択受付手段)と、記録装置制御部12と、FM多重受信処理部13と、外部記録装置制御部14と、音声認識制御部15と、ビーコン受信処理部16と、電話制御部17とを備えている。
【0011】
絶対位置・方位検出部1は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されているGPS電波を受信するアンテナ(レシーバでも良い)を備え、ナビゲーション装置100が搭載された自動車の現在地、すなわち自車位置の地表における絶対的な位置座標及び方位をGPS電波に基づいて計算し主制御部4に出力するものである。相対方位検出部2は、ジャイロセンサを有し、自車位置の相対的な方位を検出して主制御部4に出力するものである。また、車速検出部3は、自動車より得られる車速パルスを処理して、自車両の速度を主制御部4に出力するものである。
【0012】
主制御部4は、ナビゲーション装置100の各部の制御や、ナビゲーション機能のための処理、ジャンル検索機能のための処理とった各種の処理を実行するものであり、演算手段としてのCPUや、その他の周辺回路を備えている。ROM5は、制御プログラムやBIOS(Basic Input Output System)、装置起動のためのブートプログラム、ナビゲーション機能を実現するためのプログラム、ジャンル検索機能を実現するためのプログラムといった各種プログラムを予め格納するものであり、上記主制御部4によりアクセス可能になされている。また、DRAM6は揮発性メモリであり主制御部4のワークエリアとして用いられる。また、SRAM7は不揮発性メモリであり、自動車のアクセサリ電源等のメイン電源(図示せず)から電力が供給されると共に、当該メイン電源がオフの間は、電池などの予備電源(図示せず)から電力が供給されて記憶内容を常時保持可能に構成され、バックアップメモリとして機能する。また、VRAM8は、表示部10に表示される画面データが書き込まれるバッファメモリである。
【0013】
表示部10は、ユーザインタフェース部9の制御の下、ナビゲーションのための地図や自車位置、操作画面等の各種の情報を表示するものであり、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備えている。入力部11は、ユーザの指示操作を受け付け、ユーザインタフェース部9に出力するものであり、当該ナビゲーション装置100のフロント部分等に配設される複数の操作子や、上記表示部10が備えるディスプレイ装置に設けられたタッチパネル(不図示)を備えている。なお、当該ナビゲーション装置100をリモートコントローラ等により遠隔操作可能に入力部11を構成しても良い。
【0014】
ユーザインタフェース部9は、I/O(Input/Output)制御回路やドライバ回路を備え、表示部10及び入力部11と、主制御部4とを結ぶインターフェースとして機能する。具体的には、ユーザインタフェース部9は、主制御部4の制御の下、表示部10の表示制御を実行すると共に、入力部11の操作を主制御部4に出力する。
【0015】
記録装置制御部12は、CD−ROMドライブやDVD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置であり、主制御部4の制御の下、ナビゲーションに使用される地図データや、施設の場所を含む施設データ等の各種のデータを記憶する。記録装置制御部12は、施設情報記憶部12Aと、ジャンル項目記憶部12Bとを備えている。
また、FM多重受信処理部13は、主制御部4の制御の下、FM多重放送波を受信して、渋滞や事故、交通規制といった情報を示すVICS(登録商標)(道路交通情報通信システム)情報を取り出し、主制御部4に出力するものである。外部記録装置制御部14は、例えばメモリカードやメモリースティック(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の外部記録媒体に対してデータの記録及び読み出しを行うものである。
【0016】
音声認識制御部15は、主制御部4の制御の下、図示しない音声入力装置から入力された音声の認識を行い、認識結果を主制御部4に出力する。ビーコン受信処理部16は、主制御部4の制御の下、道路に設けられたビーコンが発する道路交通情報に係る電波を受信し、主制御部4に出力する。電話制御部17は、主制御部4の制御の下、携帯電話と所定の近距離無線通信の規格に準拠した無線通信を行うものであり、携帯電話が固定電話や他の携帯電話から受信した受話音声を受信して、この受話音声を示す音声信号を主制御部4に出力すると共に、ユーザが発した送話音声に係る音声信号が主制御部4から入力されると、この音声信号が示す送話音声を携帯電話に送信する。さらに、本実施の形態では、電話制御部17により制御される携帯電話は、無線基地局が接続された電話回線網、及び、インターネットを介して、インターネット上の所定の外部サーバーにアクセス可能であり、電話制御部17は、携帯電話を介して、インターネット上の所定の外部サーバーに対してアクセスすることができる。
【0017】
以上の構成の下、ユーザにより上記入力部11から目的地が入力されると、主制御部4は、上記絶対位置・方位検出部1により検出された自車位置から目的地までの誘導経路を探索して、当該誘導経路を示すに最適な地図と自車位置とを上記表示部10に表示する。また、自動車の走行中においては、主制御部4は、相対方位検出部2及び車速検出部3の検出結果に基づいて自律航法により算出した自車位置を、上記絶対位置・方位検出部1により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を地図上に表示して、経路案内を行う。
【0018】
目的地を入力する方法として、ナビゲーション装置100は、ジャンル項目から目的地となる施設を検索するジャンル検索機能を有している。ジャンル項目は、複数の階層に分類して管理され、ジャンル項目に施設が対応付けられて記憶されている。本実施の形態のジャンル項目の階層は、大分類、中分類、及び、小分類の3階層で構成されている。
【0019】
図2は、ジャンル項目の構成を示す図である。
大分類としては、「交通機関」、「カー・ドライブ」、「遊ぶ・見る」、「食べる・飲む」、「泊まる」、「お店」、「公共施設」、「医療」、「金融機関」、「その他」の10項目のジャンル項目がある。また、「交通機関」の中分類としては、「駅」、「空港」、「フェリー乗り場」のジャンル項目がある。さらに「駅」の小分類には、「JR」、「私鉄」、「路面電車」、「ロープウェイ」、「モノレール」、「ケーブルカー」、「地下鉄」のジャンル項目がある。
図2で小分類が斜線で示されている「空港」、「フェリー乗り場」には、小分類のジャンル項目が存在しないことを意味している。他の大分類に関しても、関連するサブカテゴリとして中分類があり、さらに詳細なカテゴリとして小分類があるというように、同様な階層で構成されている。
【0020】
次に、図1を参照し、ナビゲーション装置100の操作方法について説明する。
ナビゲーション装置100において表示部10に表示される操作画面は、複数の階層により構成されており、階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置されている。ユーザが入力部11を操作していずれかの操作ボタンを選択すると、ナビゲーション装置100は、その操作ボタンに対応して、上位から下位の階層へと操作画面を順次遷移していく。そして、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行する。このようにして、ナビゲーション装置100が操作される。
【0021】
図3は、ジャンル検索の操作画面の階層構造を示す図である。
ジャンル検索では、大分類のジャンル項目を表示する大分類階層、中分類のジャンル項目を表示する中分類階層、小分類のジャンル項目を表示する小分類階層の順に、上位から下位の階層へとジャンル項目の選択を受け付ける操作画面が遷移する。さらに、ジャンル項目に対応付けられた施設を表示するための施設階層、選択された施設までの誘導経路を示すに最適な地図と自車位置とを表示する地図表示階層の順で上位から下位の階層へと操作画面が遷移する。なお、中分類階層において、小分類のジャンル項目が存在しないジャンル項目が選択された場合には、施設階層に遷移する。
【0022】
次に、ユーザが温泉に関する施設を検索する場合の操作手順の一例を説明する。
図4は、温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、図4(A)は大分類操作画面を示す図であり、図4(B)は大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。図5は、温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、図5(A)は大分類操作画面を示す図であり、図5(B)は大分類の「遊ぶ・見る」の下位の中分類操作画面を示す図であり、図5(C)は中分類の「温泉・お風呂」の下位の小分類操作画面を示す図であり、図5(D)は小分類の「温泉地」の下位の施設操作画面を示す図である。
【0023】
まず、ユーザは、図示しないジャンル検索ボタン(不図示)を選択して、表示部10(図1)に図4(A)に示す大分類操作画面20を表示させる。
大分類操作画面20には、ジャンル項目ボタン21A〜21Jと、戻るボタン22が配置されている。ジャンル項目ボタン21A〜21Jは、大分類のジャンル項目を選択するための操作ボタンであり、ジャンル項目ボタン21A〜21Jのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面、すなわち、中分類操作画面30に遷移する。戻るボタン22は、一つ上位の階層の操作画面に戻るための操作ボタンであり、選択されるとジャンル検索が終了する。
【0024】
ユーザは、温泉を検索する場合に、温泉街や温泉宿と連想し、「泊まる」を選択するジャンル項目ボタン21Eを操作し(操作I)、図4(B)に示す中分類操作画面30を表示させる。
中分類操作画面30には、ジャンル項目リスト31と、スクロールボタン32A,32Bと、戻るボタン33とが配置されている。ジャンル項目リスト31には、中分類のジャンル項目のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン32A,32Bは、ジャンル項目リスト31に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン33は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、大分類操作画面20に戻るための操作ボタンである。
【0025】
「泊まる」の下位の中分類には所望のジャンル項目がないので、ユーザは、戻るボタン33を操作し(操作II)、図5(A)に示す大分類操作画面20を表示させる。そして、ユーザは、大分類の「遊ぶ・見る」を選択するジャンル項目ボタン21Cを操作し(操作III)、図5(B)に示す中分類操作画面30を表示させる。さらに、ユーザは、ジャンル項目リスト31から「温泉・お風呂」を選択し(操作IV)、図5(C)に示す小分類操作画面40を表示させる。
小分類操作画面40には、ジャンル項目リスト41と、スクロールボタン42A,42Bと、戻るボタン43とが配置されている。ジャンル項目リスト41には、小分類のジャンル項目のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン42A,42Bは、ジャンル項目リスト41に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン43は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、中分類操作画面30に戻るための操作ボタンである。
【0026】
ユーザは、ジャンル項目リスト41から「温泉地」を選択し(操作IV)、図5(D)に示す施設操作画面50を表示させる。
施設操作画面50には、施設リスト51と、スクロールボタン52A,52Bと、戻るボタン53とが配置されている。施設リスト51には、施設のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン52A,52Bは、施設リスト51に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン53は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、小分類操作画面40に戻るための操作ボタンである。
ユーザは、施設リスト51から所望の施設を選択し(操作VI)、地図を示す地図階層操作画面を表示させる。このように、温泉に関する施設を検索する場合の操作手順(操作I〜VI)を図6に示す。
【0027】
このユーザは、次回に検索する場合も大分類の「泊まる」を探す可能性が高いため、中分類の「温泉・お風呂」は、大分類の「泊まる」の中分類としてあった方が便利である。
例えば、ジャンル項目の構成が固定の場合には、ユーザが次に温泉に関する施設を検索する場合も、前回の操作を覚えていなければ、再び大分類の「泊まる」を探す可能性がある。その場合、温泉に関する施設を検索できないので、大分類の別のジャンル項目を探さなければならず、所望の施設を容易に検索できないおそれがある。
【0028】
そこで、本実施の形態では、図6に示す操作のように、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合、ユーザの操作過程を学習し、図7及び図8に示すように、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を自動で追加して表示する。これにより、ユーザが次回検索した時に大分類の「泊まる」を選択しても、所望の施設を容易に検索することを可能としている。また、さらにわかりやすくするために、図7に追加表示されたジャンル項目として、「温泉・お風呂(温泉地)」のように、中分類と小分類を組み合わせるような表示形態をとってもよい。
【0029】
本実施の形態のジャンル検索では、ジャンル項目の場所(階層)がそれぞれ大分類ID、中分類ID、小分類IDとして管理されており、これら3つのIDによりジャンル項目が一意に決定される。これらのIDは、それぞれがジャンル項目の名称と関連付けられている。大分類ID、中分類ID、小分類IDと、ジャンル項目の名称との関係を示すジャンル情報テーブルTB1を図9に示す。このジャンル情報テーブルTB1は、施設データとして施設情報記憶部12Aに記憶されている。
このように、ジャンル項目と各階層のIDとが対応付けられているため、ユーザの操作過程を学習し、ジャンル項目を追加表示したい場所(追加する場所)の大分類ID、中分類IDと、追加表示したいジャンル項目のIDとをジャンル学習情報として取得することで、操作画面にジャンル項目を追加表示することが可能となる。
【0030】
図10は、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDを関連付けるジャンル学習情報テーブルを示す図である。
ジャンル学習情報テーブルTB2は、施設データとしてジャンル項目記憶部12Bに記憶されている。ジャンル学習情報テーブルTB2には、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDと、プライオリティとが設定される。追加する場所の大分類ID、中分類IDは、選択されたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合における、選択されたジャンル項目のIDである。追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDは、所望の施設が対応付けられているジャンル項目のIDである。プライオリティは、学習情報の使用頻度を示し、値が高いほど使用頻度が高い。
【0031】
例えば、図6の操作Iの過程で、追加する場所の大分類ID、中分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録される。このとき、中分類のジャンル項目は選択されていないので、追加する場所の中分類IDに(0)が記録される。その後、図6の操作IIIの過程で、追加するジャンル項目の大分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録され、操作IVの過程で、追加するジャンル項目の中分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録され、操作Vの過程で、追加するジャンル項目の小分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録される。そして、地図を表示させた時点で追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDが特定されるので、ジャンル項目記憶部12Bに記録した追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDと、プライオリティとで構成されるジャンル学習情報がジャンル学習情報テーブルTB2に設定される。なお、プライオリティの初期値は(1)とする。
このように、ジャンル検索では、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDとが、ジャンル学習情報テーブルTB2に設定される前に、ジャンル項目記憶部12Bに一時的に記録される。
【0032】
ジャンル学習情報は、ジャンル検索を行う毎に増加してしまうため、追加できる数に上限が設けられている。しかしながら、上限を設けた場合、ジャンル学習情報の数が上限まで達した場合に、それ以上追加できなくなってしまう。そこで、ジャンル学習情報は、上限に達した場合は、プライオリティの低い順から上書き消去されていく等、不要なものから消去されるように構成されている。
プライオリティは、追加した場所(追加する場所)での使用頻度によって変更される。例えば、中分類の「温泉・お風呂」が本来のジャンル構成の配置で選択されたとき、すなわち、大分類「遊ぶ・見る」の階層下で選択されたときは、ジャンル学習情報テーブルTB2に設定されている同じIDのプライオリティは落とされる。一方、中分類の「温泉・お風呂」が追加した場所で選択された場合、すなわち、大分類の「泊まる」の階層下で選択されたときは、ジャンル学習に登録されている同じIDのプライオリティが上げられる。
【0033】
次に、図10に示すジャンル学習情報が作成される過程を詳細に説明する。
図11は、ジャンル検索を示すフローチャートである。
ジャンル検索ボタンが操作されると、主制御部4は、ジャンル検索を開始するとともに、ジャンル項目記憶部12Bにおける追加する場所の大分類ID、中分類IDを初期化(記録されていない状態に)する(ステップS1)。次いで、主制御部4は、表示部10に大分類操作画面20を表示させ(ステップS2)、大分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS3)。
【0034】
大分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン22が操作された場合には(ステップS3:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
大分類のジャンル項目が選択されると(ステップS3:Y)、主制御部4は、選択されたジャンル項目の大分類IDをDRAM6へ記録し(ステップS4)、表示部10に中分類操作画面30を表示させ(ステップS5)、中分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS6)。
【0035】
中分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン33が操作された場合には(ステップS6:N)、主制御部4は、ジャンル項目記憶部12Bの追加する場所が記録されているか否か判別し(ステップS7)、追加する場所が記録されていなければ(ステップS7:N)、追加する場所の大分類IDに、DRAM6へ記録した大分類IDを記録する(ステップS8)。このとき、中分類のジャンル項目が選択されていないので、主制御部4は、追加する場所の中分類IDに(0)を記録する。この状態で追加する場所が記録された状態となる。
【0036】
中分類のジャンル項目が選択されると(ステップS6:Y)、主制御部4は、選択されたジャンル項目の中分類IDをDRAM6へ記録し(ステップS9)、表示部10に小分類操作画面40を表示させ(ステップS10)、小分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS11)。
小分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン43が操作された場合には(ステップS11:N)、主制御部4は、追加する場所が記録されているか否か判別する(ステップS12)。
【0037】
追加する場所が記録されていれば(ステップS12:Y)、主制御部4は、処理をステップS5に移行する。
追加する場所が記録されていなければ(ステップS12:N)、主制御部4は、追加する場所の大分類IDにDRAM6へ記録した大分類IDを、追加する場所の中分類IDにDRAM6へ記録した中分類IDを記録する(ステップS8)。この状態で追加する場所が記録された状態となる。そして、主制御部4は、処理をステップS5に移行する。
【0038】
小分類のジャンル項目が選択されると(ステップS11:Y)、主制御部4は、表示部10に施設操作画面50を表示させ(ステップS14)、施設が選択されたか否か判別する(ステップS15)。
施設が選択されず、戻るボタン53が操作された場合には(ステップS15:N)、主制御部4は、処理をステップS10に移行する。
施設が選択されると(ステップS15:Y)、主制御部4は、表示部10に地図操作画面を表示させるとともに(ステップS16)、ユーザが所望の操作を終了したとみなし、追加する場所の大分類ID、中分類IDに(0)を記録する(ステップ17)。この状態で追加する場所が記録された状態となる。このように、追加する場所の大分類ID、中分類IDに(0)が記録されている場合は、主制御部4は、ジャンル学習情報を設定せずに、ジャンル検索を終了する。
【0039】
追加する場所が記録された状態で、戻るボタン33を操作し(ステップS8、ステップS7:N)、大分類階層へ遷移した状態が、図12のフローチャートの開始となる。
主制御部4は、表示部10に大分類操作画面20を表示させ(ステップS18)、大分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS19)。
大分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン22が操作された場合には(ステップS19:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
大分類のジャンル項目が選択されると(ステップS19:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の大分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS20)、表示部10に中分類操作画面30を表示させ(ステップS21)、中分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS22)。
【0040】
中分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン33が操作された場合には(ステップS22:N)、主制御部4は、処理をステップS19に移行する。
中分類のジャンル項目が選択されると(ステップS22:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の中分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS23)、表示部10に小分類操作画面40を表示させ(ステップS24)、小分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS25)。
【0041】
小分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン43が操作された場合には(ステップS25:N)、主制御部4は、処理をステップS21に移行する。
小分類のジャンル項目が選択されると(ステップS25:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の小分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS26)、表示部10に施設操作画面50を表示させ(ステップS28)、施設が選択されたか否か判別する(ステップS28)。
【0042】
施設が選択されず、戻るボタン53が操作された場合には(ステップS28:N)、主制御部4は、処理をステップS24に移行する。
施設が選択されると(ステップS28:Y)、主制御部4は、表示部10に地図表示操作画面を表示させ(ステップS29)、追加する場所が記録されているか否か判別する(ステップS30)。
【0043】
追加する場所が記録されていない場合には(ステップS30:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
追加する場所が記録されている場合であって、かつ、追加する場所の大分類ID、中分類IDが(0)でない場合には(ステップS30:Y)、主制御部4は、ジャンル学習情報テーブルTB2にジャンル学習情報を設定する(ステップS31)。設定する内容は、ジャンル項目記憶部12Bへ記録した追加する場所の大分類ID、中分類ID、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDの5つの情報と、プライオリティの初期値となる。そして、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
【0044】
主制御部4は、ジャンル検索でジャンル項目を表示部10に表示するときに(中分類操作画面30、小分類操作画面40)、常に図10のジャンル学習情報テーブルTB2を参照し、表示する大分類ID、中分類IDと、図10の追加する場所の大分類ID、中分類IDとが一致した場合に、追加する場所の大分類ID、中分類IDに対応する追加するジャンル項目を追加して表示する。
【0045】
このように、ジャンル検索は、入力部11を介して受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を追加するように構成されている。このため、ユーザがジャンル項目を直感で選択して所望の施設を検索できなかった際に、当該ジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられたジャンル項目が自動で追加される。これにより、次回の検索からは、ユーザが直感で選択したジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0046】
また、ジャンル検索では、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目が記録される。例えば、ユーザが大分類階層において「公共施設」→「泊まる」→「遊ぶ・見る」の順でジャンル項目を選択した場合、最初に直感で選択した「公共施設」の下位の階層に、中分類の「温泉・お風呂」が自動で追加される。これにより、同一の階層内で複数のジャンル項目が選択された場合にも、次回の検索からは、ユーザが直感で最初に選択したジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶部12Aと、各階層でジャンル項目を表示する表示部10と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける入力部11と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目表示する構成とした。このため、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目から所望の施設を検索することができる。その結果、ユーザは、所望の施設を容易に検索できる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目表示する構成とした。このため、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設を選択可能なジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示する構成とした。このため、施設の検索を繰り返して、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合でも、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で優先的に表示される。これにより、施設の検索を繰り返し行っても、所望の施設を容易に検索できる。
【0050】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、ジャンル項目の階層は、大分類、中分類、小分類の3階層であったが、階層の数はこれに限定されるものではなく、例えば大分類、中分類のように2階層であってもよいし、4階層以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、ナビゲーション装置として車載型の装置を例示したが、これに限らず、携帯電話やPDA等の携帯型情報機器に組み込まれるナビゲーション装置や、地図表示装置などの情報処理装置にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
4 主制御部
10 表示部(表示手段)
11 入力部(選択受付手段)
12 記録装置制御部
12A 施設情報記憶部(施設情報記憶手段)
12B ジャンル項目記録部(ジャンル項目記録手段)
100 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンル検索機能を備えたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置において、ジャンル項目から目的地となる施設を検索するジャンル検索機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ジャンル検索では、ジャンル項目が大分類、中分類、小分類といった複数の階層に予め分類されており、ユーザから大分類、中分類、小分類の順で階層ごとにジャンル項目の選択を受け付け、最終的にユーザの所望するジャンルの施設を一覧表示する。大分類は「交通機関」や「お店」のような目的を大括りにした大きなカテゴリであり、中分類は「コンビニエンスストア」や「ガソリンスタンド」のような大分類に関連するサブカテゴリであり、小分類はブランド名称のようなさらに詳細なカテゴリである。ジャンル項目の階層は、大分類、中分類、小分類のように3階層の場合もあれば、大分類、中分類のように2階層の場合、大分類のみの場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−39761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ジャンル項目は、ユーザが施設を検索しやすいように分類されているものの、ジャンル項目によってはどの階層に分類すべきか分からないものも少なくない。したがって、ジャンル項目が予め固定で分類されている従来の構成では、階層を全て把握していないと、ジャンル項目の選択を間違え、施設の検索が困難になるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、所望の施設の検索を容易に行えるようにするナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、各階層でジャンル項目を表示する表示手段と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示することを特徴とする。
上記構成によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができ、その結果、所望の施設を容易に検索できる。
【0006】
上記構成において、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示してもよい。
上記構成によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設を選択可能なジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができる。
【0007】
上記構成において、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示してもよい。
上記構成によれば、施設の検索を繰り返して、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合でも、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で優先的に表示される。これにより、施設の検索を繰り返し行っても、所望の施設を容易に検索できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示されるので、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目からも所望の施設を検索することができ、その結果、所望の施設を容易に検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の本実施の形態に係るナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】ジャンル項目の構成を示す図である。
【図3】ジャンル検索の操作画面の階層構造を示す図である。
【図4】温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、(A)は大分類操作画面を示す図であり、(B)は大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。
【図5】温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、(A)は大分類操作画面を示す図であり、(B)は大分類の「遊ぶ・見る」の下位の中分類操作画面を示す図であり、(C)は中分類の「温泉・お風呂」の下位の小分類操作画面を示す図であり、(D)は小分類の「温泉地」の下位の施設操作画面を示す図である。
【図6】温泉に関する施設を検索する場合の操作手順を示す図である。
【図7】学習によりジャンル項目が追加された場合における、大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。
【図8】学習によりジャンル項目が追加された場合のジャンル項目の階層を示す図である。
【図9】ジャンル情報テーブルを示す図である。
【図10】ジャンル学習情報テーブルを示す図である。
【図11】ジャンル検索を示すフローチャートである。
【図12】ジャンル検索を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、ナビゲーション装置として、車載型のナビゲーション装置(いわゆる、カーナビゲーション装置)について例示する。
図1は、本実施の形態に係るナビゲーション装置100の機能的構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置100は、絶対位置・方位検出部1と、相対方位検出部2と、車速検出部3と、主制御部4と、ROM5と、DRAM6と、SRAM7と、VRAM8と、ユーザインタフェース部9と、表示部(表示手段)10と、入力部11(選択受付手段)と、記録装置制御部12と、FM多重受信処理部13と、外部記録装置制御部14と、音声認識制御部15と、ビーコン受信処理部16と、電話制御部17とを備えている。
【0011】
絶対位置・方位検出部1は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されているGPS電波を受信するアンテナ(レシーバでも良い)を備え、ナビゲーション装置100が搭載された自動車の現在地、すなわち自車位置の地表における絶対的な位置座標及び方位をGPS電波に基づいて計算し主制御部4に出力するものである。相対方位検出部2は、ジャイロセンサを有し、自車位置の相対的な方位を検出して主制御部4に出力するものである。また、車速検出部3は、自動車より得られる車速パルスを処理して、自車両の速度を主制御部4に出力するものである。
【0012】
主制御部4は、ナビゲーション装置100の各部の制御や、ナビゲーション機能のための処理、ジャンル検索機能のための処理とった各種の処理を実行するものであり、演算手段としてのCPUや、その他の周辺回路を備えている。ROM5は、制御プログラムやBIOS(Basic Input Output System)、装置起動のためのブートプログラム、ナビゲーション機能を実現するためのプログラム、ジャンル検索機能を実現するためのプログラムといった各種プログラムを予め格納するものであり、上記主制御部4によりアクセス可能になされている。また、DRAM6は揮発性メモリであり主制御部4のワークエリアとして用いられる。また、SRAM7は不揮発性メモリであり、自動車のアクセサリ電源等のメイン電源(図示せず)から電力が供給されると共に、当該メイン電源がオフの間は、電池などの予備電源(図示せず)から電力が供給されて記憶内容を常時保持可能に構成され、バックアップメモリとして機能する。また、VRAM8は、表示部10に表示される画面データが書き込まれるバッファメモリである。
【0013】
表示部10は、ユーザインタフェース部9の制御の下、ナビゲーションのための地図や自車位置、操作画面等の各種の情報を表示するものであり、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のディスプレイ装置を備えている。入力部11は、ユーザの指示操作を受け付け、ユーザインタフェース部9に出力するものであり、当該ナビゲーション装置100のフロント部分等に配設される複数の操作子や、上記表示部10が備えるディスプレイ装置に設けられたタッチパネル(不図示)を備えている。なお、当該ナビゲーション装置100をリモートコントローラ等により遠隔操作可能に入力部11を構成しても良い。
【0014】
ユーザインタフェース部9は、I/O(Input/Output)制御回路やドライバ回路を備え、表示部10及び入力部11と、主制御部4とを結ぶインターフェースとして機能する。具体的には、ユーザインタフェース部9は、主制御部4の制御の下、表示部10の表示制御を実行すると共に、入力部11の操作を主制御部4に出力する。
【0015】
記録装置制御部12は、CD−ROMドライブやDVD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置であり、主制御部4の制御の下、ナビゲーションに使用される地図データや、施設の場所を含む施設データ等の各種のデータを記憶する。記録装置制御部12は、施設情報記憶部12Aと、ジャンル項目記憶部12Bとを備えている。
また、FM多重受信処理部13は、主制御部4の制御の下、FM多重放送波を受信して、渋滞や事故、交通規制といった情報を示すVICS(登録商標)(道路交通情報通信システム)情報を取り出し、主制御部4に出力するものである。外部記録装置制御部14は、例えばメモリカードやメモリースティック(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の外部記録媒体に対してデータの記録及び読み出しを行うものである。
【0016】
音声認識制御部15は、主制御部4の制御の下、図示しない音声入力装置から入力された音声の認識を行い、認識結果を主制御部4に出力する。ビーコン受信処理部16は、主制御部4の制御の下、道路に設けられたビーコンが発する道路交通情報に係る電波を受信し、主制御部4に出力する。電話制御部17は、主制御部4の制御の下、携帯電話と所定の近距離無線通信の規格に準拠した無線通信を行うものであり、携帯電話が固定電話や他の携帯電話から受信した受話音声を受信して、この受話音声を示す音声信号を主制御部4に出力すると共に、ユーザが発した送話音声に係る音声信号が主制御部4から入力されると、この音声信号が示す送話音声を携帯電話に送信する。さらに、本実施の形態では、電話制御部17により制御される携帯電話は、無線基地局が接続された電話回線網、及び、インターネットを介して、インターネット上の所定の外部サーバーにアクセス可能であり、電話制御部17は、携帯電話を介して、インターネット上の所定の外部サーバーに対してアクセスすることができる。
【0017】
以上の構成の下、ユーザにより上記入力部11から目的地が入力されると、主制御部4は、上記絶対位置・方位検出部1により検出された自車位置から目的地までの誘導経路を探索して、当該誘導経路を示すに最適な地図と自車位置とを上記表示部10に表示する。また、自動車の走行中においては、主制御部4は、相対方位検出部2及び車速検出部3の検出結果に基づいて自律航法により算出した自車位置を、上記絶対位置・方位検出部1により検出された自車位置により補正するハイブリッド航法により、高精度に求めた自車位置を地図上に表示して、経路案内を行う。
【0018】
目的地を入力する方法として、ナビゲーション装置100は、ジャンル項目から目的地となる施設を検索するジャンル検索機能を有している。ジャンル項目は、複数の階層に分類して管理され、ジャンル項目に施設が対応付けられて記憶されている。本実施の形態のジャンル項目の階層は、大分類、中分類、及び、小分類の3階層で構成されている。
【0019】
図2は、ジャンル項目の構成を示す図である。
大分類としては、「交通機関」、「カー・ドライブ」、「遊ぶ・見る」、「食べる・飲む」、「泊まる」、「お店」、「公共施設」、「医療」、「金融機関」、「その他」の10項目のジャンル項目がある。また、「交通機関」の中分類としては、「駅」、「空港」、「フェリー乗り場」のジャンル項目がある。さらに「駅」の小分類には、「JR」、「私鉄」、「路面電車」、「ロープウェイ」、「モノレール」、「ケーブルカー」、「地下鉄」のジャンル項目がある。
図2で小分類が斜線で示されている「空港」、「フェリー乗り場」には、小分類のジャンル項目が存在しないことを意味している。他の大分類に関しても、関連するサブカテゴリとして中分類があり、さらに詳細なカテゴリとして小分類があるというように、同様な階層で構成されている。
【0020】
次に、図1を参照し、ナビゲーション装置100の操作方法について説明する。
ナビゲーション装置100において表示部10に表示される操作画面は、複数の階層により構成されており、階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置されている。ユーザが入力部11を操作していずれかの操作ボタンを選択すると、ナビゲーション装置100は、その操作ボタンに対応して、上位から下位の階層へと操作画面を順次遷移していく。そして、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行する。このようにして、ナビゲーション装置100が操作される。
【0021】
図3は、ジャンル検索の操作画面の階層構造を示す図である。
ジャンル検索では、大分類のジャンル項目を表示する大分類階層、中分類のジャンル項目を表示する中分類階層、小分類のジャンル項目を表示する小分類階層の順に、上位から下位の階層へとジャンル項目の選択を受け付ける操作画面が遷移する。さらに、ジャンル項目に対応付けられた施設を表示するための施設階層、選択された施設までの誘導経路を示すに最適な地図と自車位置とを表示する地図表示階層の順で上位から下位の階層へと操作画面が遷移する。なお、中分類階層において、小分類のジャンル項目が存在しないジャンル項目が選択された場合には、施設階層に遷移する。
【0022】
次に、ユーザが温泉に関する施設を検索する場合の操作手順の一例を説明する。
図4は、温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、図4(A)は大分類操作画面を示す図であり、図4(B)は大分類の「泊まる」の下位の中分類操作画面を示す図である。図5は、温泉に関する施設を検索する場合に表示される操作画面を示す図であり、図5(A)は大分類操作画面を示す図であり、図5(B)は大分類の「遊ぶ・見る」の下位の中分類操作画面を示す図であり、図5(C)は中分類の「温泉・お風呂」の下位の小分類操作画面を示す図であり、図5(D)は小分類の「温泉地」の下位の施設操作画面を示す図である。
【0023】
まず、ユーザは、図示しないジャンル検索ボタン(不図示)を選択して、表示部10(図1)に図4(A)に示す大分類操作画面20を表示させる。
大分類操作画面20には、ジャンル項目ボタン21A〜21Jと、戻るボタン22が配置されている。ジャンル項目ボタン21A〜21Jは、大分類のジャンル項目を選択するための操作ボタンであり、ジャンル項目ボタン21A〜21Jのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面、すなわち、中分類操作画面30に遷移する。戻るボタン22は、一つ上位の階層の操作画面に戻るための操作ボタンであり、選択されるとジャンル検索が終了する。
【0024】
ユーザは、温泉を検索する場合に、温泉街や温泉宿と連想し、「泊まる」を選択するジャンル項目ボタン21Eを操作し(操作I)、図4(B)に示す中分類操作画面30を表示させる。
中分類操作画面30には、ジャンル項目リスト31と、スクロールボタン32A,32Bと、戻るボタン33とが配置されている。ジャンル項目リスト31には、中分類のジャンル項目のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン32A,32Bは、ジャンル項目リスト31に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン33は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、大分類操作画面20に戻るための操作ボタンである。
【0025】
「泊まる」の下位の中分類には所望のジャンル項目がないので、ユーザは、戻るボタン33を操作し(操作II)、図5(A)に示す大分類操作画面20を表示させる。そして、ユーザは、大分類の「遊ぶ・見る」を選択するジャンル項目ボタン21Cを操作し(操作III)、図5(B)に示す中分類操作画面30を表示させる。さらに、ユーザは、ジャンル項目リスト31から「温泉・お風呂」を選択し(操作IV)、図5(C)に示す小分類操作画面40を表示させる。
小分類操作画面40には、ジャンル項目リスト41と、スクロールボタン42A,42Bと、戻るボタン43とが配置されている。ジャンル項目リスト41には、小分類のジャンル項目のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン42A,42Bは、ジャンル項目リスト41に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン43は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、中分類操作画面30に戻るための操作ボタンである。
【0026】
ユーザは、ジャンル項目リスト41から「温泉地」を選択し(操作IV)、図5(D)に示す施設操作画面50を表示させる。
施設操作画面50には、施設リスト51と、スクロールボタン52A,52Bと、戻るボタン53とが配置されている。施設リスト51には、施設のリストが表示され、このリストのいずれかが選択されると、対応する下位の操作画面に遷移する。スクロールボタン52A,52Bは、施設リスト51に表示させるジャンル項目を変更するための操作ボタンである。戻るボタン53は、一つ上位の階層の操作画面、すなわち、小分類操作画面40に戻るための操作ボタンである。
ユーザは、施設リスト51から所望の施設を選択し(操作VI)、地図を示す地図階層操作画面を表示させる。このように、温泉に関する施設を検索する場合の操作手順(操作I〜VI)を図6に示す。
【0027】
このユーザは、次回に検索する場合も大分類の「泊まる」を探す可能性が高いため、中分類の「温泉・お風呂」は、大分類の「泊まる」の中分類としてあった方が便利である。
例えば、ジャンル項目の構成が固定の場合には、ユーザが次に温泉に関する施設を検索する場合も、前回の操作を覚えていなければ、再び大分類の「泊まる」を探す可能性がある。その場合、温泉に関する施設を検索できないので、大分類の別のジャンル項目を探さなければならず、所望の施設を容易に検索できないおそれがある。
【0028】
そこで、本実施の形態では、図6に示す操作のように、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合、ユーザの操作過程を学習し、図7及び図8に示すように、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を自動で追加して表示する。これにより、ユーザが次回検索した時に大分類の「泊まる」を選択しても、所望の施設を容易に検索することを可能としている。また、さらにわかりやすくするために、図7に追加表示されたジャンル項目として、「温泉・お風呂(温泉地)」のように、中分類と小分類を組み合わせるような表示形態をとってもよい。
【0029】
本実施の形態のジャンル検索では、ジャンル項目の場所(階層)がそれぞれ大分類ID、中分類ID、小分類IDとして管理されており、これら3つのIDによりジャンル項目が一意に決定される。これらのIDは、それぞれがジャンル項目の名称と関連付けられている。大分類ID、中分類ID、小分類IDと、ジャンル項目の名称との関係を示すジャンル情報テーブルTB1を図9に示す。このジャンル情報テーブルTB1は、施設データとして施設情報記憶部12Aに記憶されている。
このように、ジャンル項目と各階層のIDとが対応付けられているため、ユーザの操作過程を学習し、ジャンル項目を追加表示したい場所(追加する場所)の大分類ID、中分類IDと、追加表示したいジャンル項目のIDとをジャンル学習情報として取得することで、操作画面にジャンル項目を追加表示することが可能となる。
【0030】
図10は、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDを関連付けるジャンル学習情報テーブルを示す図である。
ジャンル学習情報テーブルTB2は、施設データとしてジャンル項目記憶部12Bに記憶されている。ジャンル学習情報テーブルTB2には、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDと、プライオリティとが設定される。追加する場所の大分類ID、中分類IDは、選択されたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合における、選択されたジャンル項目のIDである。追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDは、所望の施設が対応付けられているジャンル項目のIDである。プライオリティは、学習情報の使用頻度を示し、値が高いほど使用頻度が高い。
【0031】
例えば、図6の操作Iの過程で、追加する場所の大分類ID、中分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録される。このとき、中分類のジャンル項目は選択されていないので、追加する場所の中分類IDに(0)が記録される。その後、図6の操作IIIの過程で、追加するジャンル項目の大分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録され、操作IVの過程で、追加するジャンル項目の中分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録され、操作Vの過程で、追加するジャンル項目の小分類IDがジャンル項目記憶部12Bへ記録される。そして、地図を表示させた時点で追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDが特定されるので、ジャンル項目記憶部12Bに記録した追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDと、プライオリティとで構成されるジャンル学習情報がジャンル学習情報テーブルTB2に設定される。なお、プライオリティの初期値は(1)とする。
このように、ジャンル検索では、追加する場所の大分類ID、中分類IDと、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDとが、ジャンル学習情報テーブルTB2に設定される前に、ジャンル項目記憶部12Bに一時的に記録される。
【0032】
ジャンル学習情報は、ジャンル検索を行う毎に増加してしまうため、追加できる数に上限が設けられている。しかしながら、上限を設けた場合、ジャンル学習情報の数が上限まで達した場合に、それ以上追加できなくなってしまう。そこで、ジャンル学習情報は、上限に達した場合は、プライオリティの低い順から上書き消去されていく等、不要なものから消去されるように構成されている。
プライオリティは、追加した場所(追加する場所)での使用頻度によって変更される。例えば、中分類の「温泉・お風呂」が本来のジャンル構成の配置で選択されたとき、すなわち、大分類「遊ぶ・見る」の階層下で選択されたときは、ジャンル学習情報テーブルTB2に設定されている同じIDのプライオリティは落とされる。一方、中分類の「温泉・お風呂」が追加した場所で選択された場合、すなわち、大分類の「泊まる」の階層下で選択されたときは、ジャンル学習に登録されている同じIDのプライオリティが上げられる。
【0033】
次に、図10に示すジャンル学習情報が作成される過程を詳細に説明する。
図11は、ジャンル検索を示すフローチャートである。
ジャンル検索ボタンが操作されると、主制御部4は、ジャンル検索を開始するとともに、ジャンル項目記憶部12Bにおける追加する場所の大分類ID、中分類IDを初期化(記録されていない状態に)する(ステップS1)。次いで、主制御部4は、表示部10に大分類操作画面20を表示させ(ステップS2)、大分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS3)。
【0034】
大分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン22が操作された場合には(ステップS3:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
大分類のジャンル項目が選択されると(ステップS3:Y)、主制御部4は、選択されたジャンル項目の大分類IDをDRAM6へ記録し(ステップS4)、表示部10に中分類操作画面30を表示させ(ステップS5)、中分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS6)。
【0035】
中分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン33が操作された場合には(ステップS6:N)、主制御部4は、ジャンル項目記憶部12Bの追加する場所が記録されているか否か判別し(ステップS7)、追加する場所が記録されていなければ(ステップS7:N)、追加する場所の大分類IDに、DRAM6へ記録した大分類IDを記録する(ステップS8)。このとき、中分類のジャンル項目が選択されていないので、主制御部4は、追加する場所の中分類IDに(0)を記録する。この状態で追加する場所が記録された状態となる。
【0036】
中分類のジャンル項目が選択されると(ステップS6:Y)、主制御部4は、選択されたジャンル項目の中分類IDをDRAM6へ記録し(ステップS9)、表示部10に小分類操作画面40を表示させ(ステップS10)、小分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS11)。
小分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン43が操作された場合には(ステップS11:N)、主制御部4は、追加する場所が記録されているか否か判別する(ステップS12)。
【0037】
追加する場所が記録されていれば(ステップS12:Y)、主制御部4は、処理をステップS5に移行する。
追加する場所が記録されていなければ(ステップS12:N)、主制御部4は、追加する場所の大分類IDにDRAM6へ記録した大分類IDを、追加する場所の中分類IDにDRAM6へ記録した中分類IDを記録する(ステップS8)。この状態で追加する場所が記録された状態となる。そして、主制御部4は、処理をステップS5に移行する。
【0038】
小分類のジャンル項目が選択されると(ステップS11:Y)、主制御部4は、表示部10に施設操作画面50を表示させ(ステップS14)、施設が選択されたか否か判別する(ステップS15)。
施設が選択されず、戻るボタン53が操作された場合には(ステップS15:N)、主制御部4は、処理をステップS10に移行する。
施設が選択されると(ステップS15:Y)、主制御部4は、表示部10に地図操作画面を表示させるとともに(ステップS16)、ユーザが所望の操作を終了したとみなし、追加する場所の大分類ID、中分類IDに(0)を記録する(ステップ17)。この状態で追加する場所が記録された状態となる。このように、追加する場所の大分類ID、中分類IDに(0)が記録されている場合は、主制御部4は、ジャンル学習情報を設定せずに、ジャンル検索を終了する。
【0039】
追加する場所が記録された状態で、戻るボタン33を操作し(ステップS8、ステップS7:N)、大分類階層へ遷移した状態が、図12のフローチャートの開始となる。
主制御部4は、表示部10に大分類操作画面20を表示させ(ステップS18)、大分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS19)。
大分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン22が操作された場合には(ステップS19:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
大分類のジャンル項目が選択されると(ステップS19:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の大分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS20)、表示部10に中分類操作画面30を表示させ(ステップS21)、中分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS22)。
【0040】
中分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン33が操作された場合には(ステップS22:N)、主制御部4は、処理をステップS19に移行する。
中分類のジャンル項目が選択されると(ステップS22:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の中分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS23)、表示部10に小分類操作画面40を表示させ(ステップS24)、小分類のジャンル項目が選択されたか否か判別する(ステップS25)。
【0041】
小分類のジャンル項目が選択されず、戻るボタン43が操作された場合には(ステップS25:N)、主制御部4は、処理をステップS21に移行する。
小分類のジャンル項目が選択されると(ステップS25:Y)、主制御部4は、追加するジャンル項目の小分類IDをジャンル項目記憶部12Bへ記録し(ステップS26)、表示部10に施設操作画面50を表示させ(ステップS28)、施設が選択されたか否か判別する(ステップS28)。
【0042】
施設が選択されず、戻るボタン53が操作された場合には(ステップS28:N)、主制御部4は、処理をステップS24に移行する。
施設が選択されると(ステップS28:Y)、主制御部4は、表示部10に地図表示操作画面を表示させ(ステップS29)、追加する場所が記録されているか否か判別する(ステップS30)。
【0043】
追加する場所が記録されていない場合には(ステップS30:N)、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
追加する場所が記録されている場合であって、かつ、追加する場所の大分類ID、中分類IDが(0)でない場合には(ステップS30:Y)、主制御部4は、ジャンル学習情報テーブルTB2にジャンル学習情報を設定する(ステップS31)。設定する内容は、ジャンル項目記憶部12Bへ記録した追加する場所の大分類ID、中分類ID、追加するジャンル項目の大分類ID、中分類ID、小分類IDの5つの情報と、プライオリティの初期値となる。そして、主制御部4は、ジャンル検索を終了する。
【0044】
主制御部4は、ジャンル検索でジャンル項目を表示部10に表示するときに(中分類操作画面30、小分類操作画面40)、常に図10のジャンル学習情報テーブルTB2を参照し、表示する大分類ID、中分類IDと、図10の追加する場所の大分類ID、中分類IDとが一致した場合に、追加する場所の大分類ID、中分類IDに対応する追加するジャンル項目を追加して表示する。
【0045】
このように、ジャンル検索は、入力部11を介して受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目を追加するように構成されている。このため、ユーザがジャンル項目を直感で選択して所望の施設を検索できなかった際に、当該ジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられたジャンル項目が自動で追加される。これにより、次回の検索からは、ユーザが直感で選択したジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0046】
また、ジャンル検索では、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目が記録される。例えば、ユーザが大分類階層において「公共施設」→「泊まる」→「遊ぶ・見る」の順でジャンル項目を選択した場合、最初に直感で選択した「公共施設」の下位の階層に、中分類の「温泉・お風呂」が自動で追加される。これにより、同一の階層内で複数のジャンル項目が選択された場合にも、次回の検索からは、ユーザが直感で最初に選択したジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶部12Aと、各階層でジャンル項目を表示する表示部10と、各階層でジャンル項目の選択を受け付ける入力部11と、を備え、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目表示する構成とした。このため、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、当該選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、当該選択されたジャンル項目から所望の施設を検索することができる。その結果、ユーザは、所望の施設を容易に検索できる。
【0048】
また、本実施の形態によれば、受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目表示する構成とした。このため、選択されたジャンル項目の下位の階層に所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、所望の施設を選択可能なジャンル項目が自動で表示される。これにより、次回の検索からは、同一の階層内で最初に選択されたジャンル項目から所望の施設を検索することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示する構成とした。このため、施設の検索を繰り返して、表示可能なジャンル項目の数を超えた場合でも、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、所望の施設が対応付けられているジャンル項目が自動で優先的に表示される。これにより、施設の検索を繰り返し行っても、所望の施設を容易に検索できる。
【0050】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、ジャンル項目の階層は、大分類、中分類、小分類の3階層であったが、階層の数はこれに限定されるものではなく、例えば大分類、中分類のように2階層であってもよいし、4階層以上であってもよい。
また、上記実施の形態では、ナビゲーション装置として車載型の装置を例示したが、これに限らず、携帯電話やPDA等の携帯型情報機器に組み込まれるナビゲーション装置や、地図表示装置などの情報処理装置にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
4 主制御部
10 表示部(表示手段)
11 入力部(選択受付手段)
12 記録装置制御部
12A 施設情報記憶部(施設情報記憶手段)
12B ジャンル項目記録部(ジャンル項目記録手段)
100 ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、
各階層でジャンル項目を表示する表示手段と、
各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段と、を備え、
受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
ジャンル項目を複数の階層に分類して管理し、施設をジャンル項目に対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、
各階層でジャンル項目を表示する表示手段と、
各階層でジャンル項目の選択を受け付ける選択受付手段と、を備え、
受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
受け付けたジャンル項目の下位の階層に、所望の施設が対応付けられているジャンル項目がなかった場合に、同一の階層内で最初に受け付けたジャンル項目の下位の階層のジャンル項目に、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示可能なジャンル項目の数を超えた場合、選択される頻度の少ないジャンル項目よりも、前記所望の施設が対応付けられているジャンル項目を優先的に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−98129(P2012−98129A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245567(P2010−245567)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
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