説明

ハイブリッドカー

【課題】極寒地域においても、無駄な電力を消費することなく、また電池を加熱するための燃料消費を皆無にして、大容量の電池を速やかに暖気(加温)する。
【解決手段】ハイブリッドカーは、車両を走行させる水冷エンジン2及びモータ3と、このモータ3に電力を供給する組電池1と、水冷エンジン2の冷却水路2aに連結されて水冷エンジン2との間で冷媒液を循環させるエンジンラジエータ4と、水冷エンジン2の冷却水路2aにバイパス弁5を介して連結されて、水冷エンジン2に循環される冷媒液で組電池1を暖気する熱交換器6とを備える。ハイブリッドカーは、バイパス弁5を開弁する状態で、水冷エンジン2の冷却水路2aに循環される冷媒液を熱交換器6に循環させて、熱交換器6でもって組電池1を加温する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒冷地でスタートするときに電池を加温できるハイブリッドカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッドカーは、エンジンとモータの両方で走行する。モータを駆動するために大容量の電池を搭載している。電池は、低温環境にあっては電気特性が低下して、実質的に充放電できる容量が小さくなる。とくに、寒冷地でハイブリッドカーをスタートさせるとき、電池の温度は最も低く、実質容量が相当に小さくなる。本出願人は、低温環境における電池特性の向上を目的として、電池をヒーターで加温する電源装置を開発した。(特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−223938号公報
【0003】
この電源装置は、複数の素電池を接続している走行用の組電池と、組電池を加温するヒーターを実装する加温プレートとを備える。加温プレートは、組電池を効率よく加温できるように、組電池に接近して配置される。この電源装置は、加温プレートのヒーターに通電してジュール熱でヒーターを加温する。加温されたヒーターは、接近して配置している組電池を加温する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヒーターで走行用の組電池を暖気(加温)するハイブリッドカーは、エンジンで発電機を駆動し、発電機の発電電力をヒーターに供給して、電池を加温する。この構造のハイブリッドカーは、たとえば、外気温度が−20℃以下に低下する極寒の地域で車をスタートさせるとき、電池の暖気(加温)に相当な時間がかかる。また、電池を加温するために相当に燃料を消費する。とくに、エンジンで発電機を駆動し、発電機でヒーターに電力を出力するので、ヒーターに供給される電力効率は、エンジンと発電機の効率の積となる。かりに、エンジンの効率を25%、発電機の効率を80%と仮定すると、全体の効率は20%となり、燃料のわずか1/5しか電池の加温に使用されない。いいかえると、電池を加熱するために5倍の燃料を消費する。さらに、寒冷地でエンジンをスタートした直後は、エンジンが暖気されず、その効率はさらに低くなる。
【0005】
ハイブリッドカーに搭載される電源装置の組電池は、大きな出力が要求されることから多数の素電池を直列に接続している。この組電池は熱容量が大きく、全体の暖気(加温)に多量の熱エネルギーを必要とする。このため、電池を加熱するために時間がかかると共に、多量の燃料を走行に利用しないで無駄に消費する。
【0006】
本発明は、従来のこのような欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極寒地域においても、無駄な電力を消費することなく、また電池を加熱するための燃料消費を皆無にして、大容量の電池を速やかに暖気(加温)できるハイブリッドカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のハイブリッドカーは、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
ハイブリッドカーは、車両を走行させる水冷エンジン2及びモータ3と、このモータ3に電力を供給する組電池1と、水冷エンジン2の冷却水路2aに連結されて水冷エンジン2との間で冷媒液を循環させるエンジンラジエータ4と、水冷エンジン2の冷却水路2aにバイパス弁5を介して連結されて、水冷エンジン2に循環される冷媒液で組電池1を暖気する熱交換器6とを備える。ハイブリッドカーは、バイパス弁5を開弁する状態で、水冷エンジン2の冷却水路2aに循環される冷媒液を熱交換器6に循環させて、熱交換器6でもって組電池1を加温する。
【0008】
本発明の請求項2のハイブリッドカーは、熱交換器6に、熱交換器6に循環される冷媒液を冷却するバッテリラジエータ14を連結しており、このバッテリラジエータ14でもって、熱交換器6に循環される冷媒液を冷却して組電池1を冷却する。
【0009】
本発明の請求項3のハイブリッドカーは、熱交換器6に冷媒液を循環させる循環ポンプ13を連結している。
【0010】
本発明の請求項4のハイブリッドカーは、水冷エンジン2の冷却水路2aとエンジンラジエータ4との間に開閉弁9を接続しており、この開閉弁9とエンジンラジエータ4を直列に接続している冷却水路7と、熱交換器6とバイパス弁5とを直列に接続している暖気水路8とを並列に連結しており、開閉弁9を閉弁して冷却水路7の冷媒液を暖気水路8の熱交換器6に循環する。
【0011】
本発明の請求項5のハイブリッドカーは、開閉弁9を、冷媒液の温度が設定温度になると開弁するサーモスタットとしている。
【0012】
本発明の請求項6のハイブリッドカーは、水冷エンジン2が、冷媒液の温度が設定温度になると開弁するサーモスタットを有し、このサーモスタットの排出側に、互いに並列に連結している冷却水路7と暖気水路8を連結している。
【0013】
本発明の請求項7のハイブリッドカーは、組電池1の温度を検出する温度センサ17と、この温度センサ17が検出する組電池1の温度でバイパス弁5を制御する制御回路16とを備え、組電池1の温度が設定温度なると、制御回路16がバイパス弁5を閉弁する。
【発明の効果】
【0014】
本発明のハイブリッドカーは、極寒地域においても、無駄な電力を消費することなく、また電池を加熱するための燃料消費を皆無にして、大容量の電池を速やかに暖気(加温)できる特徴がある。それは、本発明のハイブリッドカーが水冷エンジンの冷却水路に循環される冷媒液を熱交換器に循環し、この熱交換器で組電池を暖気するからである。エンジンは、運転状態において、燃料の発熱エネルギーの半分以上を放熱する必要がある。水冷エンジンは、冷却水路に冷媒液を循環し、この冷媒液でもってエンジンの発熱を外部に放熱している。本発明は無駄に放熱しているエンジンの廃熱を有効に利用して、組電池を加温する。このため、従来のように組電池を加温するためのヒーターを必要とせず、またこのヒーターに通電するための電力も消費しない。エンジンが外部に放熱する熱エネルギーは、エンジン出力よりも大きい。エンジンの効率が50%よりも低いからである。したがって、エンジンを運転するときに発生する廃熱エネルギーは、エンジンの出力よりも大きい。本発明のハイブリッドカーは、従来は無駄に放熱していた廃熱エネルギーを有効に利用して組電池を加温する。エンジンの廃熱エンジンは極めて大きく、大容量の組電池を速やかに加温できる。
【0015】
また、本発明の請求項2のハイブリッドカーは、請求項1の構成に加えて、熱交換器に循環される冷媒液を冷却するバッテリラジエータを、熱交換器に連結している。このバッテリラジエータは、熱交換器に循環される冷媒液を冷却して組電池を冷却する。このハイブリッドカーは、熱交換器でもって組電池を暖気し、また充放電されて温度が上昇した状態では組電池を冷却する。したがって、熱交換器を組電池の暖気と冷却の両方に併用して、組電池を最適な温度に保持できる。
【0016】
さらに、本発明の請求項3のハイブリッドカーは、請求項1の構成に加えて、熱交換器に冷媒液を循環させる循環ポンプを連結している。この構造は、熱交換器に水冷エンジンに循環される冷媒液を効率よく循環できる。このため、エンジンの廃熱を効率よく熱交換器に伝えて、組電池を速やかに暖気できる。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項4のハイブリッドカーは、請求項1の構成に加えて、水冷エンジンの冷却水路とエンジンラジエータとの間に開閉弁を接続しており、この開閉弁とエンジンラジエータを直列に接続している冷却水路と、熱交換器とバイパス弁とを直列に接続している暖気水路とを並列に連結している。このハイブリッドカーは、開閉弁を閉弁して、水冷エンジンの冷却水路の冷媒液を、エンジンラジエータに循環することなく、暖気水路の熱交換器にのみ循環する。したがって、このハイブリッドカーは、エンジンの廃熱をエンジンラジエータで放熱することなく、熱交換器にのみ供給できるので、組電池の速やかに暖気できる。また、本発明の請求項5のハイブリッドカーは、開閉弁をサーモスタットとする。この構造は、エンジンを始動して冷媒液の温度が上昇しない状態において、冷媒液を熱交換器にのみ循環して、組電池を速やかに暖気する。
【0018】
また、本発明の請求項6のハイブリッドカーは、請求項4の構成に加えて、水冷エンジンの冷却水路にサーモスタットを設けて、このサーモスタットの排出側に、開閉弁とエンジンラジエータを直列に連結している冷却水路と、バイパス弁と熱交換器を直列に連結している暖気水路を連結している。この構造によると、サーモスタットが開弁する状態で、開閉弁を閉弁して、冷却水路の冷媒液を熱交換器にのみ循環できる。したがって、この構造は、水冷エンジンの冷媒液を速やかに加温しながら、加温された冷媒液で組電池を速やかに加温して暖気できる。
【0019】
また、本発明の請求項7のハイブリッドカーは、請求項1の構成に加えて、組電池の温度を検出する温度センサと、この温度センサが検出する組電池の温度でバイパス弁を制御する制御回路とを備え、組電池の温度が設定温度なると、制御回路がバイパス弁を閉弁するようにしている。この構造のハイブリッドカーは、組電池が暖気されると、熱交換器に水冷エンジンの冷媒液を循環させない。このため、水冷エンジンの冷媒液で組電池が加熱されることがなく、組電池を快適な温度まで暖気できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのハイブリッドカーを例示するものであって、本発明はハイブリッドカーを以下のものに特定しない。
【0021】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0022】
図1ないし図4に示すハイブリッドカーは、車両を走行させる水冷エンジン2及びモータ3と、このモータ3に電力を供給する組電池1と、水冷エンジン2を冷却するエンジンラジエータ4と、水冷エンジン2の冷却水路2aにバイパス弁5を介して連結されて水冷エンジン2に循環される冷媒液で組電池1を暖気する熱交換器6とを備える。
【0023】
水冷エンジン2は、冷却のためのエンジンラジエータ4を備えている。エンジンラジエータ4は、水冷エンジン2の冷却水路2aにホース10を介して連結される。エンジンラジエータ4と水冷エンジン2の冷却水路2aには、冷媒液が循環され、この冷媒液を介してエンジンラジエータ4でエンジンを冷却する。水冷エンジン2は、冷媒液を強制的に循環するためのウォーターポンプ11を備える。このウォーターポンプ11は、エンジンのクランク軸にベルト駆動され、あるいはモータで駆動される。
【0024】
さらに、水冷エンジン2は、冷却水路2aの排出側に、冷媒液をエンジンラジエータ4に循環するのを制御するサーモスタットからなる開閉弁9を連結している。図3のハイブリッドカーは、サーモスタットからなる開閉弁9と直列にさらに第2の開閉弁19を連結している。このサーモスタットである開閉弁9は、水冷エンジン2の冷却水路2aの排出側にあって、冷媒液の温度が低いときに閉弁して、水冷エンジン2からエンジンラジエータ4に冷媒液が循環されるのを停止する。サーモスタットの開閉弁9は、冷媒液の温度が設定値よりも高くなると開弁する。この状態で、冷媒液は、水冷エンジン2の冷却水路2aとエンジンラジエータ4とに循環されて、エンジンの熱をエンジンラジエータ4から放熱して、水冷エンジン2を所定の温度に保持する。したがって、水冷エンジン2が運転される状態で、冷媒液は所定の温度、たとえば80℃ないし90℃に保持される。
【0025】
エンジンラジエータ4は、エンジンのクランク軸でベルト駆動され、あるいはモータで駆動される冷却ファン12で強制的に冷却される。冷却ファン12は、冷媒液の温度で回転状態がコントロールされて、冷媒液の温度を所定の温度範囲に保持する。水冷エンジンでベルト駆動される冷却ファンは、温度で連結状態がコントロールされる油圧クラッチ(図示せず)を介してクランク軸に連結される。この油圧クラッチは、温度が高くなると強く連結され、水冷エンジンのクランク軸とのスリップが少なくなって冷却ファンを高速で回転させる。温度が低くなると、連結が弱くなってスリップを多くして、冷却ファンの回転速度を低下させる。また、モータで駆動される冷却ファンは、冷媒液の温度を検出し、検出温度で冷却ファンの運転が制御される。この冷却ファンは、冷媒液の温度が高くなると運転され、あるいは回転速度が速くなり、冷媒液の温度が低くなると運転が停止され、あるいは回転速度が遅くなって、冷媒液を所定の温度に冷却する。
【0026】
以上のように、水冷エンジン2は、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環して冷却し、さらにエンジンラジエータ4を強制送風して、さらに冷却する必要がある。それは、内燃機関であるエンジンの熱効率が50%を超えることはなく、半分以上の熱エネルギーの放熱が運転に必須であるからである。熱エネルギーの放熱が十分でないと、オーバーヒートして好ましい状態で運転できなくなる。水冷エンジン2を運転して発生する大きな熱エネルギーは、冷媒液を介して外部に放熱される。水冷エンジン2が発生する大きな熱エネルギーを効率よく外部に放熱するために、相当量の冷媒液が使用される。この冷媒液は、水冷エンジン2をスタートして所定の温度、たとえば80℃〜90℃に保持される。このため、水冷エンジン2は、多量の冷媒液が80℃〜90℃と高い温度に保持される。したがって、水冷エンジン2を停止した後、冷媒液には極めて大きい熱エネルギーが蓄えられる。冷媒液に蓄えられる大きな熱エネルギーは、組電池1の加温に利用して、組電池1の速やかな暖気に利用できる。
【0027】
また、水冷エンジン2が始動された直後には、サーモスタットの開閉弁9が閉弁され、また冷却ファン12の運転が停止ないしは低速回転される。この状態で冷媒液はエンジンラジエータ4に循環されず、また冷却ファン12で強制冷却されることもない。したがってエンジンの発熱は、水冷エンジン2内にある冷媒液の加温に使用されて、冷媒液を速やかに設定温度に温度上昇させる。水冷エンジン2の発生熱量が大きく、加温される冷媒液量が少なく、しかも、冷却ファン12で強制冷却されないことから、冷媒液の温度は速やかに上昇する。本発明は、エンジンを始動して速やかに温度上昇する冷媒液で組電池1を加温して、組電池1を速やかに暖気する。
【0028】
冷媒液で組電池1を加温するための熱交換器6を備えている。熱交換器6は、水冷エンジン2の冷却水路2aにバイパス弁5を介して連結される。熱交換器6は、バイパス弁5を介してエンジンラジエータ4と並列に接続される。熱交換器6は、組電池1に熱結合されて、組電池1を加温する。
【0029】
図5は、組電池1に熱結合される熱交換器26の一例を示す。この熱交換器26は、組電池1を収納している防水ケース21と、この防水ケース21内にあって、組電池1と冷媒液とを防水構造に区画する防水シート22を備える。防水シート22は、冷媒液を透過させないが、熱伝導できるシート、たとえばプラスチックシートである。図の熱交換器26は、防水シート22を組電池1の表面に沿う凹凸形状として、その防水シート22内に冷媒液を充填している。冷媒液は、防水シート22介して組電池1に熱伝導して、組電池1を加温、すなわち暖気する。この構造の熱交換器26は、防水シート22で組電池1を冷媒液から隔離して絶縁するので、冷媒液に導電性のある液体を使用できる。
【0030】
図6と図7は、組電池31、41のケース32、42内に、空気を介して組電池31、41を加温する熱交換器36、46を配設している。これ等の図の熱交換器36、46は、空気を強制送風する循環ファン33、43を備えている。熱交換器36、46は冷媒液を循環させる熱交換パイプ34、44に多数の放熱フィン35、45を固定している。循環ファン33、43は、放熱フィン35、45に強制送風して空気を加温し、加温された空気を組電池1に循環して組電池1を加温する。
【0031】
図6は、熱交換器36で組電池31を加温し、外気で組電池1を冷却する構造を示している。したがって、この組電池31のケース32は、循環ファン33の吸入側と排出側に連結している空気ダクト37に切換弁38を設けている。切換弁38は、熱交換器36で組電池31を加温する状態にあっては、図の実線で示すように、ケース32内に空気を循環させる位置に切り換えられる。この状態で循環ファン33が運転されると、ケース32内に空気が循環されて、熱交換器36で組電池31を加温できる。また、組電池31を外気で冷却する状態にあっては、図の鎖線で示すように、切換弁38の位置を切り換え、循環ファン33の吸入側と排出側の空気ダクト37をケース32の外部に連結する。この状態で循環ファン33が運転されると、循環ファン33は外気を吸入して組電池1を冷却し、組電池1を冷却して温度が上昇した空気をケース32の外部に排気する。
【0032】
図7は、熱交換器46に加温された冷媒液を循環させて組電池41を加温、すなわち暖気し、熱交換器46に循環する冷媒液をバッテリラジエータで冷却して組電池1を冷却する。したがって、この構造は、ケース42内で循環される空気の通路に熱交換器46が配設される。
【0033】
ただし、本発明は、熱交換器を、図5ないし図7の構造には特定しない。組電池を加温する熱交換器は、冷媒液と組電池を熱結合状態として、冷媒液で組電池を加温できる全ての構造にできる。
【0034】
熱交換器6は、バイパス弁5を開弁して冷媒液を循環させる。熱交換器6は、水冷エンジン2の冷却水路2aに循環される冷媒液を循環させて、水冷エンジン2の発熱で加温される。また、エンジンラジエータ4に蓄えられる冷媒液を循環させて、エンジンラジエータ4に蓄熱される熱エネルギーで加温される。図1ないし図4に示すハイブリッドカーは、熱交換器6に冷媒液を循環させる循環ポンプ13を連結している。循環ポンプ13は熱交換器6と直列に接続されて、エンジンラジエータ4の冷媒液を熱交換器6に循環させる。
【0035】
さらに、ハイブリッドカーは、熱交換器6に循環ポンプ13を介してバッテリラジエータ14を連結している。すなわち、熱交換器6と循環ポンプ13とバッテリラジエータ14とで循環ループができるように連結している。バッテリラジエータ14は、これに強制送風して冷却するための送風ファン15を備える。送風ファン15は、制御回路16で運転が制御される。制御回路16は、組電池1の温度と冷媒液の温度を検出して送風ファン15の運転を制御する。制御回路16は、組電池1の温度が冷却温度まで上昇し、かつ冷媒液の温度が組電池1を冷却できない温度に上昇すると、送風ファン15を運転する。
【0036】
このハイブリッドカーは、循環ポンプ13で熱交換器6の冷媒液をバッテリラジエータ14に循環して、バッテリラジエータ14で組電池1を強制的に冷却できる。すなわち、組電池1を加温して暖気するための熱交換器6を、組電池1の冷却にも併用できる。このハイブリッドカーは、エンジンを始動した直後は、熱交換器6で組電池1を速やかに快適加温して暖気し、組電池1が発熱して快適温度よりも高くなると、熱交換器6で組電池1を冷却して、快適温度に保持できる。組電池1を加温する熱交換器6は、水冷エンジン2の冷却水路2aやエンジンラジエータ4に冷媒液を循環し、組電池1を冷却する熱交換器6は、バッテリラジエータ14に冷媒液を循環させる。
【0037】
水冷エンジン2は、冷却水路2aに冷媒液を循環させるウォーターポンプ11を備えている。したがって、水冷エンジン2の冷却水路2aの冷媒液は、循環ポンプ13を使用することなく、熱交換器6に循環できる。ウォーターポンプ11でもって、冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6に循環できるからである。したがって、水冷エンジン2の冷却水路2aの冷媒液のみを熱交換器6に循環するハイブリッドカーにあっては、必ずしも循環ポンプを必要としない。ただ、循環ポンプ13を設けて、ウォーターポンプ11と循環ポンプ13の両方で、エンジンラジエータ4よりも多量の冷媒液を効率よく熱交換器6に循環して、組電池1を速やかに加温することもできる。
【0038】
ハイブリッドカーは、水冷エンジン2を冷却する冷却水路7、27と、組電池1を暖気する暖気水路8とを並列に連結している。図1と図2のハイブリッドカーは、水冷エンジン2の冷却水路2aとエンジンラジエータ4との間にサーモスタットの開閉弁9を接続して、この開閉弁9とエンジンラジエータ4を直列に連結して冷却水路7としている。また、熱交換器6とバイパス弁5とを直列に連結して暖気水路8としている。このハイブリッドカーは、エンジンを始動して組電池1を速やかに加温できる。エンジン始動時に、サーモスタットの開閉弁9が閉弁して、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環することなく、熱交換器6にのみ循環して組電池1を加温するからである。
【0039】
さらに、図1と図2のハイブリッドカーは、サーモスタットである開閉弁9の流入側に暖気水路8を連結しているので、サーモスタットが閉弁される状態で、バイパス弁5で冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6に循環させる状態をコントロールできる。バイパス弁5を開弁して、エンジンを始動した直後から、エンジンの廃熱で熱交換器6を加温して、組電池1を速やかに快適温度まで暖気できる。さらに、このハイブリッドカーは、バイパス弁5の開閉を冷媒液の温度でコントロールして、エンジンを速やかに暖気しながら、組電池1をエンジンの廃熱で加温して暖気することもできる。たとえば、エンジンを始動して冷媒液の温度が非常に低い状態では、バイパス弁5を閉弁して冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6に循環しない状態として、エンジンを速やかに暖気する。その後、エンジンの温度が、サーモスタットの開閉弁9を開弁する温度までは上昇しないが、排気ガスを設定値よりも清澄な状態にできるタイミングになると、バイパス弁5を開いて冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6に循環させる。この状態は、冷媒液がエンジンラジエータ4には循環されないが、熱交換器6には循環されて組電池1を加温して暖気する。冷媒液がさらに温度上昇すると、開閉弁9が開弁されて、冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6とエンジンラジエータ4の両方に循環させる。組電池1が設定温度まで加温されると、バイパス弁5を閉弁して組電池1の暖気を終了する。
【0040】
図3と図4のハイブリッドカーは、水冷エンジン2の排出側に、サーモスタットからなる開閉弁9を介して第2の開閉弁19を連結している。このハイブリッドカーは、サーモスタットの開閉弁9と第2の開閉弁19を直列に連結している。この構造は、第2の開閉弁19とエンジンラジエータ4とを直列に連結して冷却水路27としている。この冷却水路27には、暖気水路8が並列に連結される。この構造は、エンジンを始動して、冷却水路2aに循環される冷媒液の温度を速やかに加温できる。すなわち、エンジンを速やかに暖気できる。冷却水路2aの冷媒液の温度が低い状態で、サーモスタットである開閉弁9が閉弁して、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4と熱交換器6の両方に循環させないからである。
【0041】
図3と図4のハイブリッドカーは、バイパス弁5と第2の開閉弁19を開弁し、循環ポンプ13を運転して、エンジンラジエータ4の冷媒液に蓄熱される冷媒液の熱エネルギーで熱交換器6を加温できる。エンジンラジエータ4に蓄えられる冷媒液は、大きな熱エネルギーを蓄熱している。したがって、エンジンを停止した後は、ゆっくりと温度が低下する。エンジンを停止して、次に始動するときに、エンジンラジエータ4の冷媒液の温度が設定温度よりも高く、相当な熱エネルギーが蓄熱されていると、エンジンラジエータ4の冷媒液を熱交換器6に循環して組電池1を加温できる。
【0042】
さらに、図3と図4のハイブリッドカーは、第2の開閉弁19を閉弁して、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環することなく熱交換器6にのみ循環できる。とくに、このハイブリッドカーは、サーモスタットの開閉弁9が開弁される状態において、第2の開閉弁19で、冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6に循環させる状態をコントロールできる。すなわち、サーモスタットの開閉弁9が開弁する状態で、第2の開閉弁19を閉弁すると、冷却水路2aの冷媒液を熱交換器6にのみ循環できる。したがって、寒冷地においては、サーモスタットの開閉弁9が開弁した後も、第2の開閉弁19を閉弁して、水冷エンジン2の廃熱を熱交換器6にのみ供給して、組電池1を効率よく加温して速やかに暖気できる。
【0043】
図2と図4のハイブリッドカーは、バイパス弁5と第2の開閉弁9をコントロールする制御回路16を備える。制御回路16は、冷媒液の温度を検出する冷媒液温度センサ18と、組電池1の温度を検出する組電池温度センサ17とを備える。制御回路16は、冷媒液の温度と組電池1の温度を検出して、バイパス弁5をコントロールする。さらに、図の制御回路16は、送風ファン15と循環ポンプ13のモータを制御している。
【0044】
図1と図2のハイブリッドカーは、図8ないし図12に示すように以下の動作をして、寒冷地においてエンジンを始動した後に、組電池1を暖気する。
【0045】
[始動した水冷エンジン2の冷却水路2aにおける冷媒液の温度が極低温の状態]
この状態で水冷エンジン2が始動されると、サーモスタットの開閉弁9は閉弁している。サーモスタットの開閉弁9は、冷却水路2aの冷媒液の温度を検出して閉弁される。閉弁する開閉弁9は、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環させない。図8に示すように、水冷エンジン2の冷却水路2aは、サーモスタットの開閉弁9を閉弁する状態で、冷媒液の一部をバイパスさせる構造としている。したがって、冷媒液はウォーターポンプ11でもって、水冷エンジン2の冷却水路2aの内部で循環される。閉弁するサーモスタットの開閉弁9は、エンジンラジエータ4と熱交換器6の両方に冷媒液を循環せず、冷却水路2aの内部でのみ循環させる。制御回路16は、冷媒液の温度が低い状態を検出して、バイパス弁5を閉弁する。
その後、エンジンの廃熱で冷媒液の温度が上昇して、冷媒液が組電池1を加温できる温度まで上昇し、あるいはエンジンが暖気されて排気ガスが清澄な状態になると、制御回路16がこのことを検出して、図9に示すように、バイパス弁5を開弁して、冷媒液を暖気水路8の熱交換器6に循環させる。この状態で熱交換器6を介して組電池1が加温される。
【0046】
[冷媒液が加温されてサーモスタットの開閉弁9が開弁する状態]
さらに冷媒液の温度が上昇すると、サーモスタットの開閉弁9が開弁される。制御回路16は、冷媒液の温度を検出してバイパス弁5を開弁しているので、冷媒液は、図10に示すように、冷却水路7と暖気水路8の両方に分流される。したがって、冷媒液は、暖気水路8の熱交換器6と、冷却水路7のエンジンラジエータ4の両方に循環される。エンジンラジエータ4は、循環させる冷媒液を冷却し、熱交換器6は冷媒液に加温された組電池1を暖気する。
【0047】
[組電池1が加温されて暖気が終了する状態]
組電池1の暖気が終了すると、バイパス弁5が閉弁される。バイパス弁5は、制御回路16で開閉される。したがって、制御回路16は、組電池1の温度を検出して、組電池1の温度が設定温度まで上昇して暖気が終了したことを検出すると、バイパス弁5を閉弁する。この状態では、冷媒液は、図11に示すように、冷却水路7のエンジンラジエータ4にのみ循環される。
【0048】
[組電池1の温度が上昇する状態]
組電池1が充放電されて温度が高くなり、冷却温度まで上昇すると、制御回路16は組電池1の温度を検出して循環ポンプ13を運転して、図12に示すように、熱交換器6の冷媒液をバッテリラジエータ14に循環させる。バッテリラジエータ14は冷媒液を冷却し、この冷媒液は熱交換器6を介して組電池1を冷却する。組電池1の温度が冷却温度よりも低くなると、循環ポンプ13の運転が停止される。循環ポンプ13が運転される状態で、冷媒液の温度が組電池1を冷却できない高い温度にあると、制御回路16は送風ファン15を運転して、バッテリラジエータ14に送風して強制冷却する。この状態は、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環してエンジンを設定温度に冷却し、また、熱交換器6の冷媒液をバッテリラジエータ14に循環して、組電池1を設定温度に冷却する。
【0049】
さらに、図3と図4のハイブリッドカーは、図13ないし図18に示すように以下の動作をして、寒冷地においてエンジンを始動した後に、組電池1を暖気する。
【0050】
[始動した水冷エンジン2の冷却水路2aにおける冷媒液の温度が極低温の状態]
この状態において、制御回路16は、エンジンの温度を検出して第2の開閉弁19とバイパス弁5を閉弁している。水冷エンジン2が始動されると、サーモスタットの開閉弁9は閉弁している。サーモスタットの開閉弁9は、冷却水路2aの冷媒液の温度を検出して閉弁している。閉弁する開閉弁9は、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環させない。したがって、冷媒液は、図13に示すように、ウォーターポンプ11でもって、水冷エンジン2の冷却水路2aの内部で循環される。閉弁するサーモスタットの開閉弁9は、エンジンラジエータ4と熱交換器6の両方に冷媒液を循環せず、冷却水路2aの内部でのみ循環させる。制御回路16は、冷媒液の温度が低い状態を検出して、バイパス弁5を閉弁している。
【0051】
さらに、冷却水路2aの冷媒液の温度が、サーモスタットの開閉弁9を開弁する温度まで上昇されない状態において、エンジンラジエータ4に蓄えられる冷媒液の温度が設定温度よりも高い場合には、制御回路16は、バイパス弁5と第2の開閉弁19を開弁し、循環ポンプ13を運転する。この状態で、エンジンラジエータ4に蓄えられる冷媒液は、図14に示すように、冷却水路2aには循環されず、暖気水路8に循環されて熱交換器6を加温し、熱交換器6が組電池1を加温する。エンジンラジエータ4に蓄えられる冷媒液は、大きな熱エネルギーを蓄熱している。したがって、エンジンラジエータ4の冷媒液の温度が組電池1を加温できる温度よりも高い状態では、エンジンラジエータ4の冷媒液を熱交換器6に循環して組電池1を効率よく加温できる。この制御は、水冷エンジン2の冷却水路2a内の冷媒液の温度が、組電池1を加温できる温度まで上昇していない状態であっても、極めて有効に組電池1を加温できる。なお、この制御は、エンジンが始動される前に行うことも可能である。
【0052】
[冷媒液が加温されてサーモスタットの開閉弁9が開弁する状態]
その後、エンジンの廃熱で冷媒液の温度が上昇してサーモスタットの開閉弁9が開弁される。この状態で、制御回路16は第2の開閉弁19を閉弁して、バイパス弁5を開弁する。冷媒液は、図15に示すように、冷却水路27には循環されず、暖気水路8にのみ循環される。暖気水路8に循環される冷媒液は、熱交換器6を加温し、熱交換器6が組電池1を加温する。
この状態で、冷媒液の温度がさらに高くなって、エンジンがオーバーヒートする状態になると、図16に示すように、第2の開閉弁19を開弁して、冷媒液をエンジンラジエータ4で冷却しながら組電池1を加温する。第2の開閉弁19は、たとえば冷媒液の温度を80℃〜90℃に保持するように制御される。組電池1の暖気が終了すると、図17に示すように、バイパス弁5を閉弁し、第2の開閉弁19を開弁状態に保持する。この状態で、冷媒液は熱交換器6を加温することなく、バッテリラジエータ4で冷却されて所定の温度に保持される。
【0053】
[組電池1の温度が上昇する状態]
組電池1が充放電されて温度が高くなり、冷却温度まで上昇すると、制御回路16は組電池1の温度を検出して循環ポンプ13を運転して、図18に示すように、熱交換器6の冷媒液をバッテリラジエータ14に循環させる。バッテリラジエータ14は冷媒液を冷却し、この冷媒液は熱交換器6を介して組電池1を冷却する。組電池1の温度が冷却温度よりも低くなると、循環ポンプ13の運転が停止される。循環ポンプ13が運転される状態で、冷媒液の温度が組電池1を冷却できない高い温度にあると、制御回路16は送風ファン15を運転して、バッテリラジエータ14に送風して強制冷却する。この状態は、冷却水路2aの冷媒液をエンジンラジエータ4に循環してエンジンを設定温度に冷却し、また、熱交換器6の冷媒液をバッテリラジエータ14に循環して、組電池1を設定温度に冷却する。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のハイブリッドカーは、水冷エンジン2の冷却水路2aに循環される冷媒液でもって、低温に冷却された組電池1を加温する。すなわち、水冷エンジン2の大きな廃熱を有効に利用して、寒冷地において、無駄なエネルギーを消費することなく組電池1を速やかに暖気する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例にかかるハイブリッドカーの概略斜視図である。
【図2】図1に示すハイブリッドカーのブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例にかかるハイブリッドカーの概略斜視図である。
【図4】図3に示すハイブリッドカーのブロック図である。
【図5】熱交換器の一例を示す概略断面図である。
【図6】熱交換器の他の一例を示す概略断面図である。
【図7】熱交換器の他の一例を示す概略断面図である。
【図8】図2に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図9】図2に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図10】図2に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図11】図2に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図12】図2に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図13】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図14】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図15】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図16】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図17】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【図18】図4に示すハイブリッドカーの動作状態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0056】
1…組電池
2…水冷エンジン 2a…冷却水路
3…モータ
4…エンジンラジエータ
5…バイパス弁
6…熱交換器
7…冷却水路
8…暖気水路
9…開閉弁
10…ホース
11…ウォーターポンプ
12…冷却ファン
13…循環ポンプ
14…バッテリラジエータ
15…送風ファン
16…制御回路
17…温度センサ
18…温度センサ
19…第2の開閉弁
21…防水ケース
22…防水シート
26…熱交換器
27…冷却水路
31…組電池
32…ケース
33…循環ファン
34…熱交換パイプ
35…放熱フィン
36…熱交換器
37…空気ダクト
38…切換弁
41…組電池
42…ケース
43…循環ファン
44…熱交換パイプ
45…放熱フィン
46…熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させる水冷エンジン(2)及びモータ(3)と、このモータ(3)に電力を供給する組電池(1)と、前記水冷エンジン(2)の冷却水路(2a)に連結されて水冷エンジン(2)との間で冷媒液を循環させるエンジンラジエータ(4)と、水冷エンジン(2)の冷却水路(2a)にバイパス弁(5)を介して連結されて、水冷エンジン(2)に循環される冷媒液で組電池(1)を暖気する熱交換器(6)とを備え、
バイパス弁(5)を開弁する状態で、水冷エンジン(2)の冷却水路(2a)に循環される冷媒液が熱交換器(6)に循環されて、熱交換器(6)でもって組電池(1)を加温するようにしてなるハイブリッドカー。
【請求項2】
前記熱交換器(6)に、熱交換器(6)に循環される冷媒液を冷却するバッテリラジエータ(14)を連結しており、このバッテリラジエータ(14)でもって、熱交換器(6)に循環される冷媒液を冷却して組電池(1)を冷却するようにしてなる請求項1に記載されるハイブリッドカー。
【請求項3】
前記熱交換器(6)に冷媒液を循環させる循環ポンプ(13)を連結している請求項1に記載されるハイブリッドカー。
【請求項4】
水冷エンジン(2)の冷却水路(2a)とエンジンラジエータ(4)との間に開閉弁(9)を接続しており、この開閉弁(9)とエンジンラジエータ(4)を直列に接続している冷却水路(7)、(27)と、熱交換器(6)とバイパス弁(5)とを直列に接続している暖気水路(8)とを並列に連結しており、開閉弁(9)を閉弁して冷却水路(2a)の冷媒液を暖気水路(8)の熱交換器(6)に循環するようにしてなる請求項1に記載されるハイブリッドカー。
【請求項5】
開閉弁(9)が、冷媒液の温度が設定温度になると開弁するサーモスタットである請求項4に記載されるハイブリッドカー。
【請求項6】
水冷エンジン(2)が、冷媒液の温度が設定温度になると開弁するサーモスタットを有し、このサーモスタットの排出側に、互いに並列に連結している冷却水路(27)と暖気水路(8)を連結している請求項4に記載されるハイブリッドカー。
【請求項7】
組電池(1)の温度を検出する温度センサ(17)と、この温度センサ(17)が検出する組電池(1)の温度でバイパス弁(5)を制御する制御回路(16)とを備え、組電池(1)の温度が設定温度なると、制御回路(16)がバイパス弁(5)を閉弁するようにしてなる請求項1に記載されるハイブリッドカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−290636(P2008−290636A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139800(P2007−139800)
【出願日】平成19年5月26日(2007.5.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】