ハイブリッド集積光モジュール
【課題】 導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを提供する。
【解決手段】 ハイブリッド集積光モジュール1は、半導体チップ2とPLCチップ3とを一体化した光モジュールである。半導体チップ2は、半導体導波路4を有し、Siベンチ5上に搭載されている。PLCチップ3は、PLC基板6と、PLC基板6上に形成された光導波路7とを備えている。半導体チップ2の端面2aが、Siベンチ5の端面5aから、PLCチップ3側へ突き出し量Xだけ突き出ている。半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4と光導波路7とのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。
【解決手段】 ハイブリッド集積光モジュール1は、半導体チップ2とPLCチップ3とを一体化した光モジュールである。半導体チップ2は、半導体導波路4を有し、Siベンチ5上に搭載されている。PLCチップ3は、PLC基板6と、PLC基板6上に形成された光導波路7とを備えている。半導体チップ2の端面2aが、Siベンチ5の端面5aから、PLCチップ3側へ突き出し量Xだけ突き出ている。半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4と光導波路7とのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークの普及や進展に伴って、光通信システムで使用される光部品の高機能化が進んでいる。光部品には、信号光を発光または受光するような光能動部品、信号光を分岐/結合、または分波/合波したりする光受動部品、信号光の伝送線路となる光ファイバなどがあり、それぞれの光部品に対して高機能化や低コスト化のニーズが高まっている。このうち、光能動部品に関しては、半導体レーザ素子や半導体受光素子といった半導体材料をベースとしたデバイスが中心であり、その技術開発が進められている。半導体材料をベースとした光能動部品は光増幅機能や高速動作、コンパクトな集積が可能であるという特徴を有している。一方、光受動部品に関しては、シリカ系材料をベースとした光導波路を有する平面光波回路(PLC;Planar Lightwave Circuit)が製品化されている。PLCは低損失で偏波依存性のない光導波路を実現できるという長所を有している。
【0003】
光能動部品、光受動部品とも、これまではそれぞれの部品単体の性能向上がなされていたが、光通信システムの進展によるニーズの高度化により、両者の長所を合わせ持つような高機能光部品への要求が高まっている。そこで、半導体レーザ素子等の光能動部品とPLCとを組み合わせたハイブリッド集積光モジュールの開発が行われている。
【0004】
例えば特許文献1には、基板と、基板上に配置されて互いに光学的に結合される光導波路および光素子と、光素子を支持し、荷重によって高さが変形する可変形台座とを備えた光モジュールが開示されている。可変形台座の高さ方向に荷重を負荷してその高さを調整することによって、可変形台座に支持される光素子の高さが調整される。
【0005】
また、異種の導波路を光結合したハイブリッド集積光モジュールとして、例えば、特許文献2に開示された技術がある。この従来技術は、光導波路基板と光素子を光部品搭載基板上に搭載するハイブリッド集積光モジュールにおいて、光素子の光導波路端部を光導波路基板の光導波路端部に対して斜めに傾けて光結合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−133011号公報
【特許文献2】特開2000−275480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1の従来技術では、光素子の高さ方向(Y方向)の位置ずれは調整可能であるが、光素子の水平方向(X方向)の位置合わせと、光導波路と発光素子とを一定の距離(Z方向距離)に調整するZ方向の距離調整については何ら記載されていない。また、上記特許文献2の従来技術では、光部品搭載基板、光素子および光導波路基板にそれぞれ設けたアライメントマークを使ってパッシブアライメントを行っている。しかし、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高い光モジュールを実現するには、導波路間が一定の最適な距離(ギャップ)になるようにするギャップ調整を含めたアクティブ調芯を行うのが好ましい。
【0008】
また、半導体デバイスとシリカ系PLCデバイスの各導波路を光結合するために、両デバイスの端面同士を付き合わせた点をゼロとして、導波路間のギャップ調整を行う場合、半導体デバイスが光学ベンチに搭載された構成では、半導体デバイス端面の形状が導波路間のギャップ調整に影響するという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されていることを特徴とする。
この構成によれば、半導体導波路を有する第1の導波路デバイスの端面が第1の基板の端面から突き出ているので、第1の導波路デバイスの端面と第2の導波路デバイスの端面を接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路と第2の導波路デバイスの導波路とのギャップ調整(Z方向距離の調整)が可能になる。これにより、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第2の導波路デバイスが、前記導波路としての光導波路が第2の基板上に形成された平面光波回路であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイス、および前記第1の基板と前記第2の基板が、UV硬化接着剤でそれぞれ接着されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが端面発光型の半導体レーザ素子或いは導波路型の受光素子であり、前記半導体レーザ素子の光出射端面或いは前記受光素子の光入射端面が、前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であり、前記半導体導波路素子の両端面が前記第1の基板の両端面からそれぞれ突き出ていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが、前記第1の基板上に搭載された半導体基板と、該半導体基板上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する要素とを備え、前記要素の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路および出力側の半導体導波路がそれぞれ接続されており、前記入力側および出力側の半導体導波路の一方は、前記半導体基板上で折り返された折り返し部を有し、前記入力側の半導体導波路の端部および前記出力側の半導体導波路の端部は、前記半導体基板の同じ一端面上に存在し、前記半導体基板の前記一端面が前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記要素が半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、複数の前記要素がアレイ状に配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第2の基板の、前記第1の基板と対向する側の端面とは反対側の端面に、前記第2の基板上の前記光導波路と結合した入出力用光ファイバが結合されていることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールの製造方法は、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールの製造方法であって、前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から前記第2の導波路デバイス側へ突き出るように、前記第1の導波路デバイスを前記第1の基板上に実装する工程と、前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記第1の導波路デバイスの前記第2の導波路デバイス側へ突き出た端面を前記第2の導波路デバイスの端面に接触させる工程と、前記第1および第2の導波路デバイスの各端面を接触させた位置を基準位置とし、該基準位置から前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路との間の距離の調整を行う工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化する際に、半導体導波路と第2の導波路デバイスの導波路との間のギャップ調整を精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す概念図である。
【図2】同ハイブリッド集積光モジュールを示す平面図である。
【図3】(a)〜(f)は図1に示すハイブリッド集積光モジュールの製造方法を示す説明図である。
【図4】従来のハイブリッド集積光モジュールにおいて、半導体導波路からの出射光或いは半導体導波路への入射光が、Siベンチによりケラレる様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す概念図である。
【図6】同ハイブリッド集積光モジュールを示す平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す平面図である。
【図8】図7のA−A線に沿った断面図である。
【図9】図7のB−B線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す平面図である。
【図11】(a)〜(g)はファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュールの製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1を図1および図2に基づいて説明する。図1は、ハイブリッド集積光モジュール1の基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1は、第1の導波路デバイスとしての半導体導波路デバイス2と、第2の導波路デバイスとしての平面光波回路チップ3とを一体化した光モジュールである。
【0023】
半導体導波路デバイス(以下、「半導体チップ」という。)2は、半導体導波路4を有し、第1の基板としてのシリコン(Si)ベンチ5上に搭載されている。
平面光波回路チップ(以下、「PLCチップ」という。)3は、第2の基板としてのPLC基板6と、PLC基板6上に形成された光導波路7とを備えている。PLC基板6は、シリコンや石英などの基板である。PLCチップ3は、PLC基板6上に光ファイバ製造技術と半導体微細加工技術などを組み合わせて、石英系(シリカ系)やポリマー系の材料で形成された光導波路7を有する。
なお、PLCチップ3に代えて、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)基板に形成したLN導波路からなる光導波路を有するLNチップを第2の導波路デバイスとして用いてもよい。
【0024】
このPLCチップ3、例えば石英系の光導波路7を有するPLCチップは、具体的には、次のようにして作製される。
火炎堆積(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)法により、シリコン基板などのPLC基板6上に、下部クラッド層およびコア層となるシリカ材料(SiO2系のガラス粒子)を堆積し、加熱してガラス膜を溶融透明化する。この後、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングで所望の光導波路を形成し、再びFHD法により上部クラッドを形成する。図1では、PLC基板6上に、下部クラッド層31および上部クラッド層32からなるクラッド層が形成され、このクラッド層内にコア層として光導波路7が形成されている。
【0025】
また、ハイブリッド集積光モジュール1では、半導体チップ2の端面2aが、Siベンチ5の端面5aから、PLCチップ3側へ突き出し量Xだけ突き出ている。突き出し量Xは、例えば、5〜10μm程度である。そして、半導体導波路4と光導波路7とが、一定の距離(ギャップ)Dだけ離れて光学的に結合(光接続)されている。これにより、導波路間(半導体導波路4と光導波路7の間)での接続ロスが抑制され、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1が得られるようになっている。
また、ハイブリッド集積光モジュール1では、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、UV硬化接着剤8でそれぞれ接着されている。
【0026】
本実施形態では、半導体チップ2として、例えば、劈開した端面から光が出射する構造を有する端面発光型の半導体レーザ素子を用いている。この半導体レーザ素子の光出射端面(端面2a)がSiベンチ5の端面5aから突き出ている。
なお、半導体チップ2として、端面から光が入射する導波路型の半導体受光素子を用いてもよい。この場合、その半導体受光素子の光入射端面(端面2a)がSiベンチ5の端面5aから突き出るようにする。
【0027】
(光集積回路モジュール1の製造方法)
上記光集積回路モジュール1の製造方法を、図3に基づいて説明する。
(工程1)まず、半導体チップ2およびSiベンチ5を用意する(図3(a)参照)。
【0028】
(工程2)次に、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aからPLCチップ3側へ突き出し量X(図1参照)だけ突き出るように、半導体チップ2をSiベンチ5上に接合するダイボンディング(ハンダ実装)を行う(図3(a),(b)参照)。
(工程3)次に、Siベンチ5およびPLCチップ3のPLC基板6をそれぞれ別のステージ(図示省略)上に固定し、Siベンチ5とPLC基板6をZ方向に相対移動させて、半導体チップ2の端面(PLCチップ3側へ突き出た端面)2aをPLCチップ3の端面3aに接触させる(図3(c)参照)。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
【0029】
(工程4)次に、Siベンチ5とPLC基板6をZ方向に相対移動させ、半導体チップ2を基準位置から戻す方向へ距離Dだけ移動させて、ギャップ調整を行う(図3(d)参照)。
(工程5)次に、半導体チップ2の半導体導波路4(図1参照)とPLCチップ3の光導波路7(図1参照)のアクティブ調芯を行う(図3(e)参照)。
このアクティブ調芯では、半導体導波路4と光導波路7に実際に光を通し、その透過光を受光素子(図示省略)で受光し、透過光の強度が最大になるように、半導体導波路4と光導波路7のX方向(水平方向)およびY方向(垂直方向)の位置合わせを行う。
【0030】
(工程6)次に、半導体チップ2とPLCチップ3との間、およびSiベンチ5とPLC基板6の間にUV硬化接着剤8を充填し、UV硬化接着剤8にUV光(紫外線)を照射してUV硬化接着剤8を硬化させる(図3(f)参照)。
これにより、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、それぞれUV硬化接着剤8により接着される。こうして、半導体導波路4と光導波路7とが一定の距離(ギャップ)Dだけ離れて結合された状態で、半導体チップ2とPLCチップ3とが一体化したハイブリッド集積光モジュール1が作製される。
【0031】
第1実施形態に係る光集積回路モジュール1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)半導体導波路4を有する半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4と光導波路7とのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。これにより、半導体チップ2とPLCチップ3とを一体化する際に、そのギャップ調整を、Siベンチ5の端面5aの形状に影響されずに、予め設定された距離Dに精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1を実現することができる。
【0032】
(2)半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)としてギャップ調整が可能になるので、端面2aの突き出し量X(図1,2参照)にバラツキが生じても、半導体導波路4と光導波路7とを一定の距離Dで結合することができる。これにより、導波路間での接続ロスのバラツキを低減することができる。
(3)半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光の、Siベンチ5によるケラレが発生しない。図4は、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから引っ込んでいる従来のハイブリッド集積光モジュールにおいて、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部によりケラレる様子を示している。このようなSiベンチ5によるケラレの発生を、本実施形態により防止することができる。
なお、ここで「ケラレ」とは、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部に遮断されて余分な結合損失を生じる状態を指す。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Aを図5および図6に基づいて説明する。図5は、ハイブリッド集積光モジュール1Aの基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1Aは、第1の導波路デバイスとしての半導体チップ2Aと、第2の導波路デバイスとしての2つのPLCチップ3A、3Bとを一体化した光モジュールである。
【0034】
半導体チップ2Aは、入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路4Aを有し、Siベンチ5A上に搭載されている。半導体導波路4Aは、半導体チップ2Aの一方の端面2bからその他方の端面2cまで延びている。
PLCチップ3Aは、第2の基板としてのPLC基板6Aと、PLC基板6A上に形成された光導波路7Aと、を備えている。また、PLCチップ3Bは、第2の基板としてのPLC基板6Bと、PLC基板6B上に形成された光導波路7Bとを備えている。
【0035】
また、ハイブリッド集積光モジュール1Aでは、半導体チップ2Aの両端面が、Siベンチ5Aの両端面からそれぞれ突き出し量Xだけ突き出ている(図5、図6参照)。つまり、半導体チップ2Aの一方の端面2bが、Siベンチ5Aの一方の端面5bからPLCチップ3A側へ突き出し量Xだけ突き出ている。また、半導体チップ2Aの他方の端面2cが、Siベンチ5Aの他方の端面5cからPLCチップ3B側へ突き出し量Xだけ突き出ている。
【0036】
なお、本実施形態では、入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路4Aを有する半導体チップ2Aとして、半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子が使用される。
半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)は、光信号を電気信号に変換せず、直接光の状態で増幅する増幅器である。また、電界吸収(Electro-Absorption:EA)型変調器は、半導体の電界吸収効果を用いたデバイスで、導波路の一端より入射した連続光を、電気信号のオン/オフに対応して透過/吸収させることにより、光のオン/オフ信号に変換することができる。
【0037】
また、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bとが、それぞれ一定の距離Dだけ離れて結合されている。
そして、ハイブリッド集積光モジュール1Aでは、半導体チップ2AとPLCチップ3A、およびSiベンチ5AとPLC基板6Aが、UV硬化接着剤8Aでそれぞれ接着されている。また、半導体チップ2AとPLCチップ3B、およびSiベンチ5AとPLC基板6Bが、UV硬化接着剤8Bでそれぞれ接着されている。
【0038】
ハイブリッド集積光モジュール1Aを作製する際には、上記(工程4)と同様に、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bとが、それぞれ一定の距離Dだけ離れるようにギャップ調整を行う。
この調整後、上記(工程5)と同様に、半導体チップ2Aの半導体導波路4AとPLCチップ3Aの光導波路7Aのアクティブ調芯、および半導体導波路4AとPLCチップ3Bの光導波路7Bのアクティブ調芯をそれぞれ行う。
【0039】
この調芯後、上記(工程6)と同様に、半導体チップ2AとPLCチップ3Aとの間、およびSiベンチ5AとPLC基板6Aの間にUV硬化接着剤8Aを充填し、UV硬化接着剤8AにUV光を照射してUV硬化接着剤8Aを硬化させる。また、半導体チップ2AとPLCチップ3Bとの間、およびSiベンチ5AとPLC基板6Bの間にUV硬化接着剤8Bを充填し、UV硬化接着剤8BにUV光を照射してUV硬化接着剤8Bを硬化させる。
こうして、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bがそれぞれ一定の距離Dだけ離れて結合されたハイブリッド集積光モジュール1Aが作製される。
【0040】
第2実施形態に係る光集積回路モジュール1によれば、半導体チップ2Aの一方の端面2bがSiベンチ5Aの一方の端面5bから突き出ているので、端面2bをPLCチップ3Aの端面3bに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4Aと光導波路7Aとのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。これと共に、半導体チップ2Aの他方の端面2cがSiベンチ5Aの他方の端面5cから突き出ているので、端面2cをPLCチップ3Bの端面3cに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4Aと光導波路7Bとのギャップ調整が可能になる。これにより、半導体チップ2Aの両側にPLCチップ3A,3Bを配置した構成において、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1Aを実現することができる。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Bを図7乃至図9に基づいて説明する。
図7はハイブリッド集積光モジュール1Bの基本構成を示す平面図である。図8は図7のA−A線に沿った断面図で、PLCチップ3Cの断面構造を示している。また、図9は図7のB−B線に沿った断面図で、半導体チップ2Bの半導体導波路部分の断面構造を示している。
【0042】
ハイブリッド集積光モジュール1Bは、図7に示すように、第1の基板としてのシリコン基板5B上に固定された第1の導波路デバイスとしての半導体チップ2Bと、第2の導波路デバイスとしてのPLCチップ3Cとを一体化した光モジュールである。
【0043】
PLCチップ3Cは、図7および図8に示すように、PLC基板6Cと、PLC基板6C上に形成された2本の直線状の光導波路15、16とを備えている。光導波路15,16はそれぞれ、PLCチップ3Cの一方の端面3dからその他方の端面3eまで延びている。
【0044】
半導体チップ2Bは、図7および図9に示すように、シリコン基板5B上に固定された半導体基板17と、半導体基板17上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な要素としての半導体光増幅器(SOA)18とを備えている。半導体基板17上にはさらに、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20が形成されている。出力側の半導体導波路20は、半導体基板17上で折り返された折り返し部20aを有している。
【0045】
このように、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された2つの半導体導波路の一方(出力側の半導体導波路20)に折り返し部20aを設けたことにより、両半導体導波路19,20の各端部は、半導体基板17の同じ一端面(半導体チップ2Bの端面2d)上に存在することになる。これにより、例えば、光導波路15から出射された光は、入力側の半導体導波路19に入射し、半導体導波路19およびSOA18の活性層28を通って出力側の半導体導波路20に入射し、半導体導波路20を伝播しながら折り返し部20aで折り返され、半導体導波路20から光導波路16へ出射される。
なお、半導体チップ2Bは、半導体基板17上に形成された要素として、SOA18に代えて電界吸収(EA)型変調器を用いてもよい。
【0046】
また、ハイブリッド集積光モジュール1Bでは、図7に示すように、半導体チップ2Bの端面2dが、Si基板5Bの端面5dからPLCチップ3C側へ突き出し量Xだけ突き出ている。
【0047】
PLCチップ3Cは、図8に示すように、PLC基板6Cと、PLC基板6C上に形成された下部クラッド層21と、下部クラッド層21上に形成されたコア層22,23と、下部クラッド層21およびコア層22,23上に形成された上部クラッド層24とから構成されている。このようなPLCチップ3Cにおいて、光導波路15,16が、光の通り道である高屈折率のコア層22、23と、その周辺部である低屈折率のクラッド層21、24とにより構成されている。本実施形態では一例として、光導波路15,16は、下部クラッド層21,コア層22、23および上部クラッド層24が石英系材料で形成された石英ガラス導波路である。このような光導波路15,16では、通常、コア層22、23と、クラッド層21、24との屈折率差は大きくても数%程度である。
【0048】
このようなPLCチップ3Cは、次のような方法で作られる。火炎堆積(FHD)法により、PLC基板6C上に下部クラッド層21およびコア層22,23となるガラス粒子を堆積し、加熱してガラス膜を溶融透明化する。この後、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)で所望の光導波路パターンを形成し、再びFHD法により上部クラッド24を形成する。
【0049】
半導体基板17上に形成された入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20はそれぞれ、図7および図9に示すように、半導体基板17上に形成された下部クラッド層25と、下部クラッド層25上に形成されたコア層26と、コア層26上に形成された上部クラッド層27とを備えている。
【0050】
半導体基板17、下部クラッド層25および上部クラッド層27はそれぞれ化合物半導体InPにより形成されており、コア層26は化合物半導体InGaAsPにより形成されている。また、半導体導波路19は、ハイメサ構造に形成された直線状の導波路である。半導体導波路20は、ハイメサ構造に形成され、折り返し部20aを有する。
なお、本実施形態では、入力側の半導体導波路19、SOA18、出力側の半導体導波路20をそれぞれハイメサ構造の導波路としたが、折り返し部20aのみをハイメサ構造の導波路とし、折り返し部20aに接続された出力側の半導体導波路20、入力側の半導体導波路19及びSOA18を埋め込み構造の導波路としてもよい。この場合、SOA18の利得特性が向上する。
半導体導波路20は、埋め込み構造やローメサ構造でも良いが、本例のようにハイメサ構造とするのが好ましい。この場合、コア層26と、その両側の空気との屈折率差が、例えば40%以上と非常に大きくなっているため、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。
【0051】
半導体基板17上に形成されたSOA18は、図7および図9に示すように、半導体導波路19,20のコア層26が光増幅媒質で形成された活性層28になっている点で半導体導波路19,20とは異なる。
このような構成により、例えば、光導波路15から出射された光は、入力側の半導体導波路19に入射し、そのコア層26内を伝播し、SOA18の活性層28を通り、半導体導波路20のコア層26を伝播しながらその折り返し部20aで折り返され、半導体導波路20から光導波路16へ出射される。
そして、半導体導波路19のコア層26内を伝播した光が、SOA18の活性層28および半導体導波路20のコア層26を通るように、SOA18と半導体導波路19,20とが半導体基板17上に形成されている。SOA18は、例えば、注入電流をオン/オフさせることで、入射光をオン/オフさせる半導体ゲートとして用いられる。
【0052】
第3実施形態に係る光集積回路モジュール1Bによれば、以下の作用効果を奏する。
(1)半導体チップ2Bの端面2dがシリコン基板5Bの端面5dから突き出ているので、端面2dをPLCチップ3Cの端面3eに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路19,20と光導波路15,16とのギャップ調整が可能になる。これにより、そのギャップ調整を、シリコン基板5Bの端面5dの形状に影響されずに、精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1Bを実現することができる。
【0053】
(2)半導体基板17上に形成されたSOA18の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20がそれぞれ接続されており、かつ、出力側の半導体導波路20に折り返し部20aが設けられている。このような構成により、入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20の各端部は、半導体基板17の同じ一端面(半導体チップ2Bの端面2d)上に存在する。そのため、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された半導体導波路19および半導体導波路20を、PLCチップ3Cの光導波路15および光導波路16と一箇所で調芯して結合することができる。これにより、調芯作業およびUV硬化接着剤8による接合作業が軽減され、ハイブリッド集積光モジュール1Bの作製が容易になると共に、コンパクトなハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0054】
(3)通常の石英系の平面光波回路の光導波路では、この光導波路を構成するコアとクラッドの屈折率差は大きくても数%程度であるが、半導体導波路では、この導波路を構成するコアとクラッドの屈折率差が10%を超えるような大きな値にすることができる。導波路を折り返した際の折り返し部(曲がり導波路)の曲率半径は、コアとクラッドの屈折率差が大きいほど小さくすることができる。
本実施形態では、半導体基板17上に形成された出力側の半導体導波路20に折返し部20aを設けているので、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。従って、石英系の平面光波回路上で折り返し導波路を作製する場合に比べて、素子(半導体チップ2Bの)のサイズを大幅に小さくすることができ、よりコンパクトなハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0055】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Cの概略構成を示している。
このハイブリッド集積光モジュール1Cは、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bにおいて、半導体基板17上に、要素として複数の半導体光増幅器(SOA)をアレイ状に配置している。本実施形態では、一例として4つの半導体光増幅器(SOA)181〜184が半導体基板17上にアレイ状に配置されている。なお、ハイブリッド集積光モジュール1Cは、N個のSOA181〜18Nが半導体基板17上にアレイ状に配置された構成であってもよい。
【0056】
また、半導体基板17上には、各SOA181〜184の入力側にそれぞれ接続された入力側の半導体導波路191〜194と、各SOA181〜184の出力側にそれぞれ接続された出力側の半導体導波路201〜204とが形成されている。各出力側の半導体導波路201〜204は、半導体基板17上で折り返された折り返し部20aをそれぞれ有している。
【0057】
また、PLCチップ3DのPLC基板6C上には、半導体導波路191〜194および201〜204にそれぞれ対応して、2本の直線状の光導波路を1組として4組の光導波路151、161〜154、164が形成されている。これら4組の光導波路はそれぞれ、PLCチップ3Dの一方の端面3dからその他方の端面3eまで延びている。
その他の構成は、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bと同様である。
【0058】
(ファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール)
次に、図1に示すハイブリッド集積光モジュール1にファイバアレイを付加したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dの製造方法を、図11に基づいて説明する。
(工程1)まず、図11(a)〜(c)に示すように、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aからPLC3側へ突き出し量Xだけ突き出るように、半導体チップ2をSiベンチ5上に接合するダイボンディング(ハンダ実装)を行う。
(工程2)上記(工程1)の前後或いはその工程と並行して、PLCチップ3を作製する(図11(d)参照)。
【0059】
(工程3)次に、PLCチップ3の一端側上面にガラスリッド40を固定し、ガラスリッド40とPLCチップ3の一端側を斜めに切断し、反射光が戻るのを防止するための傾斜端面を形成する(図11(e)参照)。
(工程4)その傾斜端面を研磨し、その傾斜端面にファイバアレイ41のフェルール42の傾斜端面を接合する(図11(e)参照)。
この接合を行う前には、PLCチップ3の光導波路(例えば、図1に示す光導波路7)とファイバアレイ41の光ファイバ42との調芯を行う。こうして、図11(e)に示すPLCモジュール43が作製される。
【0060】
(工程5)次に、Siベンチ5およびPLCモジュール43をそれぞれ別のステージ上に固定し、Siベンチ5とPLCモジュール43をZ方向に相対移動させて、半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させる(図11(f)参照)。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
(工程6)次に、Siベンチ5とPLCモジュール43をZ方向に相対移動させ、半導体チップ2を基準位置から戻す方向へ距離Dだけ移動させて、ギャップ調整を行う(図11(f)参照)。
【0061】
(工程7)次に、半導体チップ2の半導体導波路4(図1参照)とPLCチップ3の光導波路7(図1参照)のアクティブ調芯を行う。
(工程8)次に、半導体チップ2とPLCチップ3との間、およびSiベンチ5とPLC基板6の間にUV硬化接着剤8を充填し、UV硬化接着剤8にUV光を照射してUV硬化接着剤8を硬化させる(図3(g)参照)。
こうして、半導体チップ2の半導体導波路4とPLCチップ3の光導波路7とが一定の距離Dだけ離れて結合され、半導体チップ2とPLCモジュール43とが一体化したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dが作製される。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B,1C:ハイブリッド集積光モジュール
2,2A,2B,2C:半導体導波路デバイス(半導体チップ)
3,3A,3B,3C,3D:平面光波回路(PLCチップ)
4,4A,4B,15,16,151〜154,161〜164:半導体導波路
5,5A:シリコン(Si)ベンチ
5B:シリコン基板
6,6A,6B,6C:PLC基板
7:光導波路
8:UV硬化接着剤
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信ネットワークの普及や進展に伴って、光通信システムで使用される光部品の高機能化が進んでいる。光部品には、信号光を発光または受光するような光能動部品、信号光を分岐/結合、または分波/合波したりする光受動部品、信号光の伝送線路となる光ファイバなどがあり、それぞれの光部品に対して高機能化や低コスト化のニーズが高まっている。このうち、光能動部品に関しては、半導体レーザ素子や半導体受光素子といった半導体材料をベースとしたデバイスが中心であり、その技術開発が進められている。半導体材料をベースとした光能動部品は光増幅機能や高速動作、コンパクトな集積が可能であるという特徴を有している。一方、光受動部品に関しては、シリカ系材料をベースとした光導波路を有する平面光波回路(PLC;Planar Lightwave Circuit)が製品化されている。PLCは低損失で偏波依存性のない光導波路を実現できるという長所を有している。
【0003】
光能動部品、光受動部品とも、これまではそれぞれの部品単体の性能向上がなされていたが、光通信システムの進展によるニーズの高度化により、両者の長所を合わせ持つような高機能光部品への要求が高まっている。そこで、半導体レーザ素子等の光能動部品とPLCとを組み合わせたハイブリッド集積光モジュールの開発が行われている。
【0004】
例えば特許文献1には、基板と、基板上に配置されて互いに光学的に結合される光導波路および光素子と、光素子を支持し、荷重によって高さが変形する可変形台座とを備えた光モジュールが開示されている。可変形台座の高さ方向に荷重を負荷してその高さを調整することによって、可変形台座に支持される光素子の高さが調整される。
【0005】
また、異種の導波路を光結合したハイブリッド集積光モジュールとして、例えば、特許文献2に開示された技術がある。この従来技術は、光導波路基板と光素子を光部品搭載基板上に搭載するハイブリッド集積光モジュールにおいて、光素子の光導波路端部を光導波路基板の光導波路端部に対して斜めに傾けて光結合させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−133011号公報
【特許文献2】特開2000−275480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1の従来技術では、光素子の高さ方向(Y方向)の位置ずれは調整可能であるが、光素子の水平方向(X方向)の位置合わせと、光導波路と発光素子とを一定の距離(Z方向距離)に調整するZ方向の距離調整については何ら記載されていない。また、上記特許文献2の従来技術では、光部品搭載基板、光素子および光導波路基板にそれぞれ設けたアライメントマークを使ってパッシブアライメントを行っている。しかし、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高い光モジュールを実現するには、導波路間が一定の最適な距離(ギャップ)になるようにするギャップ調整を含めたアクティブ調芯を行うのが好ましい。
【0008】
また、半導体デバイスとシリカ系PLCデバイスの各導波路を光結合するために、両デバイスの端面同士を付き合わせた点をゼロとして、導波路間のギャップ調整を行う場合、半導体デバイスが光学ベンチに搭載された構成では、半導体デバイス端面の形状が導波路間のギャップ調整に影響するという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されていることを特徴とする。
この構成によれば、半導体導波路を有する第1の導波路デバイスの端面が第1の基板の端面から突き出ているので、第1の導波路デバイスの端面と第2の導波路デバイスの端面を接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路と第2の導波路デバイスの導波路とのギャップ調整(Z方向距離の調整)が可能になる。これにより、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第2の導波路デバイスが、前記導波路としての光導波路が第2の基板上に形成された平面光波回路であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイス、および前記第1の基板と前記第2の基板が、UV硬化接着剤でそれぞれ接着されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが端面発光型の半導体レーザ素子或いは導波路型の受光素子であり、前記半導体レーザ素子の光出射端面或いは前記受光素子の光入射端面が、前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であり、前記半導体導波路素子の両端面が前記第1の基板の両端面からそれぞれ突き出ていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第1の導波路デバイスが、前記第1の基板上に搭載された半導体基板と、該半導体基板上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する要素とを備え、前記要素の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路および出力側の半導体導波路がそれぞれ接続されており、前記入力側および出力側の半導体導波路の一方は、前記半導体基板上で折り返された折り返し部を有し、前記入力側の半導体導波路の端部および前記出力側の半導体導波路の端部は、前記半導体基板の同じ一端面上に存在し、前記半導体基板の前記一端面が前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記要素が半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、複数の前記要素がアレイ状に配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールは、前記第2の基板の、前記第1の基板と対向する側の端面とは反対側の端面に、前記第2の基板上の前記光導波路と結合した入出力用光ファイバが結合されていることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載の本発明に係るハイブリッド集積光モジュールの製造方法は、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールの製造方法であって、前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から前記第2の導波路デバイス側へ突き出るように、前記第1の導波路デバイスを前記第1の基板上に実装する工程と、前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記第1の導波路デバイスの前記第2の導波路デバイス側へ突き出た端面を前記第2の導波路デバイスの端面に接触させる工程と、前記第1および第2の導波路デバイスの各端面を接触させた位置を基準位置とし、該基準位置から前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路との間の距離の調整を行う工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化する際に、半導体導波路と第2の導波路デバイスの導波路との間のギャップ調整を精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す概念図である。
【図2】同ハイブリッド集積光モジュールを示す平面図である。
【図3】(a)〜(f)は図1に示すハイブリッド集積光モジュールの製造方法を示す説明図である。
【図4】従来のハイブリッド集積光モジュールにおいて、半導体導波路からの出射光或いは半導体導波路への入射光が、Siベンチによりケラレる様子を示す説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す概念図である。
【図6】同ハイブリッド集積光モジュールを示す平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す平面図である。
【図8】図7のA−A線に沿った断面図である。
【図9】図7のB−B線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係るハイブリッド集積光モジュールの基本構成を示す平面図である。
【図11】(a)〜(g)はファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュールの製造方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1を図1および図2に基づいて説明する。図1は、ハイブリッド集積光モジュール1の基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1は、第1の導波路デバイスとしての半導体導波路デバイス2と、第2の導波路デバイスとしての平面光波回路チップ3とを一体化した光モジュールである。
【0023】
半導体導波路デバイス(以下、「半導体チップ」という。)2は、半導体導波路4を有し、第1の基板としてのシリコン(Si)ベンチ5上に搭載されている。
平面光波回路チップ(以下、「PLCチップ」という。)3は、第2の基板としてのPLC基板6と、PLC基板6上に形成された光導波路7とを備えている。PLC基板6は、シリコンや石英などの基板である。PLCチップ3は、PLC基板6上に光ファイバ製造技術と半導体微細加工技術などを組み合わせて、石英系(シリカ系)やポリマー系の材料で形成された光導波路7を有する。
なお、PLCチップ3に代えて、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)基板に形成したLN導波路からなる光導波路を有するLNチップを第2の導波路デバイスとして用いてもよい。
【0024】
このPLCチップ3、例えば石英系の光導波路7を有するPLCチップは、具体的には、次のようにして作製される。
火炎堆積(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)法により、シリコン基板などのPLC基板6上に、下部クラッド層およびコア層となるシリカ材料(SiO2系のガラス粒子)を堆積し、加熱してガラス膜を溶融透明化する。この後、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチングで所望の光導波路を形成し、再びFHD法により上部クラッドを形成する。図1では、PLC基板6上に、下部クラッド層31および上部クラッド層32からなるクラッド層が形成され、このクラッド層内にコア層として光導波路7が形成されている。
【0025】
また、ハイブリッド集積光モジュール1では、半導体チップ2の端面2aが、Siベンチ5の端面5aから、PLCチップ3側へ突き出し量Xだけ突き出ている。突き出し量Xは、例えば、5〜10μm程度である。そして、半導体導波路4と光導波路7とが、一定の距離(ギャップ)Dだけ離れて光学的に結合(光接続)されている。これにより、導波路間(半導体導波路4と光導波路7の間)での接続ロスが抑制され、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1が得られるようになっている。
また、ハイブリッド集積光モジュール1では、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、UV硬化接着剤8でそれぞれ接着されている。
【0026】
本実施形態では、半導体チップ2として、例えば、劈開した端面から光が出射する構造を有する端面発光型の半導体レーザ素子を用いている。この半導体レーザ素子の光出射端面(端面2a)がSiベンチ5の端面5aから突き出ている。
なお、半導体チップ2として、端面から光が入射する導波路型の半導体受光素子を用いてもよい。この場合、その半導体受光素子の光入射端面(端面2a)がSiベンチ5の端面5aから突き出るようにする。
【0027】
(光集積回路モジュール1の製造方法)
上記光集積回路モジュール1の製造方法を、図3に基づいて説明する。
(工程1)まず、半導体チップ2およびSiベンチ5を用意する(図3(a)参照)。
【0028】
(工程2)次に、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aからPLCチップ3側へ突き出し量X(図1参照)だけ突き出るように、半導体チップ2をSiベンチ5上に接合するダイボンディング(ハンダ実装)を行う(図3(a),(b)参照)。
(工程3)次に、Siベンチ5およびPLCチップ3のPLC基板6をそれぞれ別のステージ(図示省略)上に固定し、Siベンチ5とPLC基板6をZ方向に相対移動させて、半導体チップ2の端面(PLCチップ3側へ突き出た端面)2aをPLCチップ3の端面3aに接触させる(図3(c)参照)。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
【0029】
(工程4)次に、Siベンチ5とPLC基板6をZ方向に相対移動させ、半導体チップ2を基準位置から戻す方向へ距離Dだけ移動させて、ギャップ調整を行う(図3(d)参照)。
(工程5)次に、半導体チップ2の半導体導波路4(図1参照)とPLCチップ3の光導波路7(図1参照)のアクティブ調芯を行う(図3(e)参照)。
このアクティブ調芯では、半導体導波路4と光導波路7に実際に光を通し、その透過光を受光素子(図示省略)で受光し、透過光の強度が最大になるように、半導体導波路4と光導波路7のX方向(水平方向)およびY方向(垂直方向)の位置合わせを行う。
【0030】
(工程6)次に、半導体チップ2とPLCチップ3との間、およびSiベンチ5とPLC基板6の間にUV硬化接着剤8を充填し、UV硬化接着剤8にUV光(紫外線)を照射してUV硬化接着剤8を硬化させる(図3(f)参照)。
これにより、半導体チップ2とPLCチップ3、およびSiベンチ5とPLC基板6が、それぞれUV硬化接着剤8により接着される。こうして、半導体導波路4と光導波路7とが一定の距離(ギャップ)Dだけ離れて結合された状態で、半導体チップ2とPLCチップ3とが一体化したハイブリッド集積光モジュール1が作製される。
【0031】
第1実施形態に係る光集積回路モジュール1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)半導体導波路4を有する半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4と光導波路7とのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。これにより、半導体チップ2とPLCチップ3とを一体化する際に、そのギャップ調整を、Siベンチ5の端面5aの形状に影響されずに、予め設定された距離Dに精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1を実現することができる。
【0032】
(2)半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)としてギャップ調整が可能になるので、端面2aの突き出し量X(図1,2参照)にバラツキが生じても、半導体導波路4と光導波路7とを一定の距離Dで結合することができる。これにより、導波路間での接続ロスのバラツキを低減することができる。
(3)半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから突き出ているので、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光の、Siベンチ5によるケラレが発生しない。図4は、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aから引っ込んでいる従来のハイブリッド集積光モジュールにおいて、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部によりケラレる様子を示している。このようなSiベンチ5によるケラレの発生を、本実施形態により防止することができる。
なお、ここで「ケラレ」とは、半導体導波路4からの出射光或いは半導体導波路4への入射光10が、Siベンチ5のPLCチップ3側の上部に遮断されて余分な結合損失を生じる状態を指す。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Aを図5および図6に基づいて説明する。図5は、ハイブリッド集積光モジュール1Aの基本構成を示す概念図であり、その縦断面を示している。
ハイブリッド集積光モジュール1Aは、第1の導波路デバイスとしての半導体チップ2Aと、第2の導波路デバイスとしての2つのPLCチップ3A、3Bとを一体化した光モジュールである。
【0034】
半導体チップ2Aは、入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路4Aを有し、Siベンチ5A上に搭載されている。半導体導波路4Aは、半導体チップ2Aの一方の端面2bからその他方の端面2cまで延びている。
PLCチップ3Aは、第2の基板としてのPLC基板6Aと、PLC基板6A上に形成された光導波路7Aと、を備えている。また、PLCチップ3Bは、第2の基板としてのPLC基板6Bと、PLC基板6B上に形成された光導波路7Bとを備えている。
【0035】
また、ハイブリッド集積光モジュール1Aでは、半導体チップ2Aの両端面が、Siベンチ5Aの両端面からそれぞれ突き出し量Xだけ突き出ている(図5、図6参照)。つまり、半導体チップ2Aの一方の端面2bが、Siベンチ5Aの一方の端面5bからPLCチップ3A側へ突き出し量Xだけ突き出ている。また、半導体チップ2Aの他方の端面2cが、Siベンチ5Aの他方の端面5cからPLCチップ3B側へ突き出し量Xだけ突き出ている。
【0036】
なお、本実施形態では、入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路4Aを有する半導体チップ2Aとして、半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子が使用される。
半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)は、光信号を電気信号に変換せず、直接光の状態で増幅する増幅器である。また、電界吸収(Electro-Absorption:EA)型変調器は、半導体の電界吸収効果を用いたデバイスで、導波路の一端より入射した連続光を、電気信号のオン/オフに対応して透過/吸収させることにより、光のオン/オフ信号に変換することができる。
【0037】
また、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bとが、それぞれ一定の距離Dだけ離れて結合されている。
そして、ハイブリッド集積光モジュール1Aでは、半導体チップ2AとPLCチップ3A、およびSiベンチ5AとPLC基板6Aが、UV硬化接着剤8Aでそれぞれ接着されている。また、半導体チップ2AとPLCチップ3B、およびSiベンチ5AとPLC基板6Bが、UV硬化接着剤8Bでそれぞれ接着されている。
【0038】
ハイブリッド集積光モジュール1Aを作製する際には、上記(工程4)と同様に、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bとが、それぞれ一定の距離Dだけ離れるようにギャップ調整を行う。
この調整後、上記(工程5)と同様に、半導体チップ2Aの半導体導波路4AとPLCチップ3Aの光導波路7Aのアクティブ調芯、および半導体導波路4AとPLCチップ3Bの光導波路7Bのアクティブ調芯をそれぞれ行う。
【0039】
この調芯後、上記(工程6)と同様に、半導体チップ2AとPLCチップ3Aとの間、およびSiベンチ5AとPLC基板6Aの間にUV硬化接着剤8Aを充填し、UV硬化接着剤8AにUV光を照射してUV硬化接着剤8Aを硬化させる。また、半導体チップ2AとPLCチップ3Bとの間、およびSiベンチ5AとPLC基板6Bの間にUV硬化接着剤8Bを充填し、UV硬化接着剤8BにUV光を照射してUV硬化接着剤8Bを硬化させる。
こうして、半導体導波路4Aと光導波路7A、および半導体導波路4Aと光導波路7Bがそれぞれ一定の距離Dだけ離れて結合されたハイブリッド集積光モジュール1Aが作製される。
【0040】
第2実施形態に係る光集積回路モジュール1によれば、半導体チップ2Aの一方の端面2bがSiベンチ5Aの一方の端面5bから突き出ているので、端面2bをPLCチップ3Aの端面3bに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4Aと光導波路7Aとのギャップ調整(距離Dの調整)が可能になる。これと共に、半導体チップ2Aの他方の端面2cがSiベンチ5Aの他方の端面5cから突き出ているので、端面2cをPLCチップ3Bの端面3cに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路4Aと光導波路7Bとのギャップ調整が可能になる。これにより、半導体チップ2Aの両側にPLCチップ3A,3Bを配置した構成において、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1Aを実現することができる。
【0041】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Bを図7乃至図9に基づいて説明する。
図7はハイブリッド集積光モジュール1Bの基本構成を示す平面図である。図8は図7のA−A線に沿った断面図で、PLCチップ3Cの断面構造を示している。また、図9は図7のB−B線に沿った断面図で、半導体チップ2Bの半導体導波路部分の断面構造を示している。
【0042】
ハイブリッド集積光モジュール1Bは、図7に示すように、第1の基板としてのシリコン基板5B上に固定された第1の導波路デバイスとしての半導体チップ2Bと、第2の導波路デバイスとしてのPLCチップ3Cとを一体化した光モジュールである。
【0043】
PLCチップ3Cは、図7および図8に示すように、PLC基板6Cと、PLC基板6C上に形成された2本の直線状の光導波路15、16とを備えている。光導波路15,16はそれぞれ、PLCチップ3Cの一方の端面3dからその他方の端面3eまで延びている。
【0044】
半導体チップ2Bは、図7および図9に示すように、シリコン基板5B上に固定された半導体基板17と、半導体基板17上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な要素としての半導体光増幅器(SOA)18とを備えている。半導体基板17上にはさらに、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20が形成されている。出力側の半導体導波路20は、半導体基板17上で折り返された折り返し部20aを有している。
【0045】
このように、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された2つの半導体導波路の一方(出力側の半導体導波路20)に折り返し部20aを設けたことにより、両半導体導波路19,20の各端部は、半導体基板17の同じ一端面(半導体チップ2Bの端面2d)上に存在することになる。これにより、例えば、光導波路15から出射された光は、入力側の半導体導波路19に入射し、半導体導波路19およびSOA18の活性層28を通って出力側の半導体導波路20に入射し、半導体導波路20を伝播しながら折り返し部20aで折り返され、半導体導波路20から光導波路16へ出射される。
なお、半導体チップ2Bは、半導体基板17上に形成された要素として、SOA18に代えて電界吸収(EA)型変調器を用いてもよい。
【0046】
また、ハイブリッド集積光モジュール1Bでは、図7に示すように、半導体チップ2Bの端面2dが、Si基板5Bの端面5dからPLCチップ3C側へ突き出し量Xだけ突き出ている。
【0047】
PLCチップ3Cは、図8に示すように、PLC基板6Cと、PLC基板6C上に形成された下部クラッド層21と、下部クラッド層21上に形成されたコア層22,23と、下部クラッド層21およびコア層22,23上に形成された上部クラッド層24とから構成されている。このようなPLCチップ3Cにおいて、光導波路15,16が、光の通り道である高屈折率のコア層22、23と、その周辺部である低屈折率のクラッド層21、24とにより構成されている。本実施形態では一例として、光導波路15,16は、下部クラッド層21,コア層22、23および上部クラッド層24が石英系材料で形成された石英ガラス導波路である。このような光導波路15,16では、通常、コア層22、23と、クラッド層21、24との屈折率差は大きくても数%程度である。
【0048】
このようなPLCチップ3Cは、次のような方法で作られる。火炎堆積(FHD)法により、PLC基板6C上に下部クラッド層21およびコア層22,23となるガラス粒子を堆積し、加熱してガラス膜を溶融透明化する。この後、フォトリソグラフィと反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)で所望の光導波路パターンを形成し、再びFHD法により上部クラッド24を形成する。
【0049】
半導体基板17上に形成された入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20はそれぞれ、図7および図9に示すように、半導体基板17上に形成された下部クラッド層25と、下部クラッド層25上に形成されたコア層26と、コア層26上に形成された上部クラッド層27とを備えている。
【0050】
半導体基板17、下部クラッド層25および上部クラッド層27はそれぞれ化合物半導体InPにより形成されており、コア層26は化合物半導体InGaAsPにより形成されている。また、半導体導波路19は、ハイメサ構造に形成された直線状の導波路である。半導体導波路20は、ハイメサ構造に形成され、折り返し部20aを有する。
なお、本実施形態では、入力側の半導体導波路19、SOA18、出力側の半導体導波路20をそれぞれハイメサ構造の導波路としたが、折り返し部20aのみをハイメサ構造の導波路とし、折り返し部20aに接続された出力側の半導体導波路20、入力側の半導体導波路19及びSOA18を埋め込み構造の導波路としてもよい。この場合、SOA18の利得特性が向上する。
半導体導波路20は、埋め込み構造やローメサ構造でも良いが、本例のようにハイメサ構造とするのが好ましい。この場合、コア層26と、その両側の空気との屈折率差が、例えば40%以上と非常に大きくなっているため、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。
【0051】
半導体基板17上に形成されたSOA18は、図7および図9に示すように、半導体導波路19,20のコア層26が光増幅媒質で形成された活性層28になっている点で半導体導波路19,20とは異なる。
このような構成により、例えば、光導波路15から出射された光は、入力側の半導体導波路19に入射し、そのコア層26内を伝播し、SOA18の活性層28を通り、半導体導波路20のコア層26を伝播しながらその折り返し部20aで折り返され、半導体導波路20から光導波路16へ出射される。
そして、半導体導波路19のコア層26内を伝播した光が、SOA18の活性層28および半導体導波路20のコア層26を通るように、SOA18と半導体導波路19,20とが半導体基板17上に形成されている。SOA18は、例えば、注入電流をオン/オフさせることで、入射光をオン/オフさせる半導体ゲートとして用いられる。
【0052】
第3実施形態に係る光集積回路モジュール1Bによれば、以下の作用効果を奏する。
(1)半導体チップ2Bの端面2dがシリコン基板5Bの端面5dから突き出ているので、端面2dをPLCチップ3Cの端面3eに接触させた位置を基準位置(ゼロ点)として、半導体導波路19,20と光導波路15,16とのギャップ調整が可能になる。これにより、そのギャップ調整を、シリコン基板5Bの端面5dの形状に影響されずに、精度良く行うことができる。従って、導波路間での接続ロスを抑制し、結合効率の高いハイブリッド集積光モジュール1Bを実現することができる。
【0053】
(2)半導体基板17上に形成されたSOA18の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20がそれぞれ接続されており、かつ、出力側の半導体導波路20に折り返し部20aが設けられている。このような構成により、入力側の半導体導波路19および出力側の半導体導波路20の各端部は、半導体基板17の同じ一端面(半導体チップ2Bの端面2d)上に存在する。そのため、SOA18の入力側および出力側にそれぞれ接続された半導体導波路19および半導体導波路20を、PLCチップ3Cの光導波路15および光導波路16と一箇所で調芯して結合することができる。これにより、調芯作業およびUV硬化接着剤8による接合作業が軽減され、ハイブリッド集積光モジュール1Bの作製が容易になると共に、コンパクトなハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0054】
(3)通常の石英系の平面光波回路の光導波路では、この光導波路を構成するコアとクラッドの屈折率差は大きくても数%程度であるが、半導体導波路では、この導波路を構成するコアとクラッドの屈折率差が10%を超えるような大きな値にすることができる。導波路を折り返した際の折り返し部(曲がり導波路)の曲率半径は、コアとクラッドの屈折率差が大きいほど小さくすることができる。
本実施形態では、半導体基板17上に形成された出力側の半導体導波路20に折返し部20aを設けているので、折り返し部20aの曲率半径を小さくしても低損失を保つことができる。従って、石英系の平面光波回路上で折り返し導波路を作製する場合に比べて、素子(半導体チップ2Bの)のサイズを大幅に小さくすることができ、よりコンパクトなハイブリッド集積光モジュールを実現することができる。
【0055】
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態に係るハイブリッド集積光モジュール1Cの概略構成を示している。
このハイブリッド集積光モジュール1Cは、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bにおいて、半導体基板17上に、要素として複数の半導体光増幅器(SOA)をアレイ状に配置している。本実施形態では、一例として4つの半導体光増幅器(SOA)181〜184が半導体基板17上にアレイ状に配置されている。なお、ハイブリッド集積光モジュール1Cは、N個のSOA181〜18Nが半導体基板17上にアレイ状に配置された構成であってもよい。
【0056】
また、半導体基板17上には、各SOA181〜184の入力側にそれぞれ接続された入力側の半導体導波路191〜194と、各SOA181〜184の出力側にそれぞれ接続された出力側の半導体導波路201〜204とが形成されている。各出力側の半導体導波路201〜204は、半導体基板17上で折り返された折り返し部20aをそれぞれ有している。
【0057】
また、PLCチップ3DのPLC基板6C上には、半導体導波路191〜194および201〜204にそれぞれ対応して、2本の直線状の光導波路を1組として4組の光導波路151、161〜154、164が形成されている。これら4組の光導波路はそれぞれ、PLCチップ3Dの一方の端面3dからその他方の端面3eまで延びている。
その他の構成は、図7に示す上記ハイブリッド集積光モジュール1Bと同様である。
【0058】
(ファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール)
次に、図1に示すハイブリッド集積光モジュール1にファイバアレイを付加したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dの製造方法を、図11に基づいて説明する。
(工程1)まず、図11(a)〜(c)に示すように、半導体チップ2の端面2aがSiベンチ5の端面5aからPLC3側へ突き出し量Xだけ突き出るように、半導体チップ2をSiベンチ5上に接合するダイボンディング(ハンダ実装)を行う。
(工程2)上記(工程1)の前後或いはその工程と並行して、PLCチップ3を作製する(図11(d)参照)。
【0059】
(工程3)次に、PLCチップ3の一端側上面にガラスリッド40を固定し、ガラスリッド40とPLCチップ3の一端側を斜めに切断し、反射光が戻るのを防止するための傾斜端面を形成する(図11(e)参照)。
(工程4)その傾斜端面を研磨し、その傾斜端面にファイバアレイ41のフェルール42の傾斜端面を接合する(図11(e)参照)。
この接合を行う前には、PLCチップ3の光導波路(例えば、図1に示す光導波路7)とファイバアレイ41の光ファイバ42との調芯を行う。こうして、図11(e)に示すPLCモジュール43が作製される。
【0060】
(工程5)次に、Siベンチ5およびPLCモジュール43をそれぞれ別のステージ上に固定し、Siベンチ5とPLCモジュール43をZ方向に相対移動させて、半導体チップ2の端面2aをPLCチップ3の端面3aに接触させる(図11(f)参照)。
この接触位置を基準位置(ゼロ点)とする。
(工程6)次に、Siベンチ5とPLCモジュール43をZ方向に相対移動させ、半導体チップ2を基準位置から戻す方向へ距離Dだけ移動させて、ギャップ調整を行う(図11(f)参照)。
【0061】
(工程7)次に、半導体チップ2の半導体導波路4(図1参照)とPLCチップ3の光導波路7(図1参照)のアクティブ調芯を行う。
(工程8)次に、半導体チップ2とPLCチップ3との間、およびSiベンチ5とPLC基板6の間にUV硬化接着剤8を充填し、UV硬化接着剤8にUV光を照射してUV硬化接着剤8を硬化させる(図3(g)参照)。
こうして、半導体チップ2の半導体導波路4とPLCチップ3の光導波路7とが一定の距離Dだけ離れて結合され、半導体チップ2とPLCモジュール43とが一体化したファイバアレイ付きのハイブリッド集積光モジュール1Dが作製される。
【符号の説明】
【0062】
1,1A,1B,1C:ハイブリッド集積光モジュール
2,2A,2B,2C:半導体導波路デバイス(半導体チップ)
3,3A,3B,3C,3D:平面光波回路(PLCチップ)
4,4A,4B,15,16,151〜154,161〜164:半導体導波路
5,5A:シリコン(Si)ベンチ
5B:シリコン基板
6,6A,6B,6C:PLC基板
7:光導波路
8:UV硬化接着剤
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、
前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されていることを特徴とするハイブリッド集積光モジュール。
【請求項2】
前記第2の導波路デバイスは、前記導波路としての光導波路が第2の基板上に形成された平面光波回路であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項3】
前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイス、および前記第1の基板と前記第2の基板が、UV硬化接着剤でそれぞれ接着されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項4】
前記第1の導波路デバイスは端面発光型の半導体レーザ素子或いは導波路型の受光素子であり、前記半導体レーザ素子の光出射端面或いは前記受光素子の光入射端面が、前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項5】
前記第1の導波路デバイスは半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であり、前記半導体導波路素子の両端面が前記第1の基板の両端面からそれぞれ突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項6】
前記第1の導波路デバイスは、前記第1の基板上に搭載された半導体基板と、該半導体基板上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する要素とを備え、
前記要素の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路および出力側の半導体導波路がそれぞれ接続されており、
前記入力側および出力側の半導体導波路の一方は、前記半導体基板上で折り返された折り返し部を有し、
前記入力側の半導体導波路の端部および前記出力側の半導体導波路の端部は、前記半導体基板の同じ一端面上に存在し、
前記半導体基板の前記一端面が前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項7】
前記要素は半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項8】
複数の前記要素がアレイ状に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項9】
前記第2の基板の、前記第1の基板と対向する側の端面とは反対側の端面に、前記第2の基板上の前記光導波路と結合した入出力用光ファイバが結合されていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項10】
半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールの製造方法であって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から前記第2の導波路デバイス側へ突き出るように、前記第1の導波路デバイスを前記第1の基板上に実装する工程と、
前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記第1の導波路デバイスの前記第2の導波路デバイス側へ突き出た端面を前記第2の導波路デバイスの端面に接触させる工程と、
前記第1および第2の導波路デバイスの各端面を接触させた位置を基準位置とし、該基準位置から前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路との間の距離の調整を行う工程と、を備えることを特徴とするハイブリッド集積光モジュールの製造方法。
【請求項1】
半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールであって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から突き出ており、
前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路とが、一定の距離だけ離れて光学的に結合されていることを特徴とするハイブリッド集積光モジュール。
【請求項2】
前記第2の導波路デバイスは、前記導波路としての光導波路が第2の基板上に形成された平面光波回路であることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項3】
前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイス、および前記第1の基板と前記第2の基板が、UV硬化接着剤でそれぞれ接着されていることを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項4】
前記第1の導波路デバイスは端面発光型の半導体レーザ素子或いは導波路型の受光素子であり、前記半導体レーザ素子の光出射端面或いは前記受光素子の光入射端面が、前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項5】
前記第1の導波路デバイスは半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であり、前記半導体導波路素子の両端面が前記第1の基板の両端面からそれぞれ突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項6】
前記第1の導波路デバイスは、前記第1の基板上に搭載された半導体基板と、該半導体基板上に形成され入力側から出力側へ光が通過可能な半導体導波路を有する要素とを備え、
前記要素の入力側および出力側に、入力側の半導体導波路および出力側の半導体導波路がそれぞれ接続されており、
前記入力側および出力側の半導体導波路の一方は、前記半導体基板上で折り返された折り返し部を有し、
前記入力側の半導体導波路の端部および前記出力側の半導体導波路の端部は、前記半導体基板の同じ一端面上に存在し、
前記半導体基板の前記一端面が前記第1の基板の端面から突き出ていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項7】
前記要素は半導体光増幅器、電界吸収型変調器などの半導体導波路素子であることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項8】
複数の前記要素がアレイ状に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項9】
前記第2の基板の、前記第1の基板と対向する側の端面とは反対側の端面に、前記第2の基板上の前記光導波路と結合した入出力用光ファイバが結合されていることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一つに記載のハイブリッド集積光モジュール。
【請求項10】
半導体導波路を有し第1の基板上に搭載された第1の導波路デバイスと、第2の導波路デバイスとを一体化したハイブリッド集積光モジュールの製造方法であって、
前記第1の導波路デバイスの端面が前記第1の基板の端面から前記第2の導波路デバイス側へ突き出るように、前記第1の導波路デバイスを前記第1の基板上に実装する工程と、
前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記第1の導波路デバイスの前記第2の導波路デバイス側へ突き出た端面を前記第2の導波路デバイスの端面に接触させる工程と、
前記第1および第2の導波路デバイスの各端面を接触させた位置を基準位置とし、該基準位置から前記第1の導波路デバイスと前記第2の導波路デバイスをZ方向に相対移動させて、前記半導体導波路と前記第2の導波路デバイスの導波路との間の距離の調整を行う工程と、を備えることを特徴とするハイブリッド集積光モジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−102819(P2011−102819A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256670(P2009−256670)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】
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