説明

バリヤ物質の原子層堆積

1以上の物質層のバリヤ層を原子層堆積により堆積させるために基板を処理する方法が提供される。一態様においては、金属含有化合物の1以上のパルスと窒素含有化合物の1以上のパルスを交互に導入することにより基板表面の少なくとも一部上に金属窒化物バリヤ層を堆積させるステップと、金属含有化合物の1以上のパルスと還元剤の1以上のパルスを交互に導入することにより金属窒化物バリヤ層の少なくとも一部上に金属バリヤ層を堆積させるステップとを含む基板を処理する方法が提供される。金属窒化物バリヤ層及び/又は金属バリヤ層の堆積前に基板表面上で浸漬プロセスが行われてもよい。

【発明の詳細な説明】
【関連出願についての説明】
【0001】
[0001]本出願は、2003年6月18日出願の米国仮特許出願第60/479,426号の恩典を主張し、この開示内容は本明細書に援用されている。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野
[0002]本発明の実施形態は、集積回路デバイスの製造方法に関する。更に詳細には、本発明の実施形態は、1つ以上の周期的堆積プロセスを用いた金属相互接続構造を形成することに関する。
【0003】
関連技術の説明
[0003]集積回路(IC)デバイスの構造サイズがサブクォータミクロンの寸法に縮小されるにつれて、電気抵抗と電流密度が関心と改善の領域になった。マルチレベル相互接続技術によって、ICデバイス全体の導電路が得られ、コンタクト、プラグ、バイア、ライン、ワイヤ、他の特徴部を含む高アスペクト比の特徴部が形成される。基板上に相互接続部を形成するのに典型的なプロセスは、1つ以上の層を堆積するステップと、層の少なくとも1つをエッチングして1つ以上の特徴部を形成するステップと、特徴部内にバリヤ層を堆積するステップと、1つ以上の層を堆積して特徴部を充填するステップとを含んでいる。典型的には、特徴部は下部の導電層と上部の導電層との間に配置された誘電物質内に形成される。相互接続部は、上部導電層と下部導電層を結合するために特徴部内に形成される。これら相互接続特徴部の信頼性のある形成は、回路の製造と個々の基板やダイについて回路密度や品質を高める継続した努力に重要である。
【0004】
[0004]銅とその合金がアルミニウムより電気抵抗が小さいことから、最近銅がサブミクロン高アスペクト比の相互接続特徴部を充填するための金属に選択されてきた。しかしながら、銅は周囲の物質内により容易に拡散し、隣接層の電子デバイス特性を変化させることができ、例えば、層間に導電路を形成することができ、それにより回路全体の信頼性を低下させ、その結果デバイス欠陥さえも引き起こしてしまう。
【0005】
[0005]それ故、銅原子の拡散を防止又は阻止するために銅メタライゼーションの前にバリヤ層が堆積される。バリヤ層は、典型的にはタングステン、チタン、タンタル、その窒化物のような金属を含有し、それらは全て抵抗率が銅より大きい。特徴部内にバリヤ層を堆積するために、バリヤ層は特徴部の底面と側壁上に堆積されなければならない。それ故、特徴部の底面上のバリヤ層の追加量は特徴部の抵抗全体を増大させるだけでなく、多層相互接続構造の高い金属相互接続部と低い金属相互接続との間に妨害物を形成する。
【0006】
[0006]それ故、相互接続部の電気抵抗を最小にする金属相互接続構造を形成するための改良された方法が求められている。
【発明の概要】
【0007】
[0007]1つ以上の原子層堆積技術を用いて基板表面上にバリヤ層を堆積するための方法が提供される。一態様においては、基板を、タングステン含有化合物を含む浸漬プロセスに晒すステップと、基板上にタンタルバリヤ層を原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板をタンタル前駆物質と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0008】
[0008]他の態様においては、基板上に窒化タンタルバリヤ層を原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板を第一タンタル前駆物質と窒素前駆物質の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、基板をタングステン含有化合物を含む浸漬プロセスに晒すステップと、窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板を第二タンタル前駆物質と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0009】
[0009]他の態様においては、第一金属含有化合物の1以上のパルスと窒素含有化合物の1以上のパルスを交互に導入することにより基板表面の少なくとも一部上に金属窒化物層を堆積させるステップと、金属窒化物層を第一窒素除外還元剤に晒すステップと、金属窒化物層をタングステン含有化合物に晒すステップと、第二金属含有化合物の1以上のパルスと第二窒素除外還元剤の1以上のパルスを交互に導入することにより金属窒化物層の少なくとも一部上に金属含有バリヤ層を堆積させるステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0010】
[0010]他の態様においては、第一タンタル含有化合物の1以上のパルスと窒素含有化合物の1以上のパルスを処理チャンバに交互に導入することにより基板表面上に窒化タンタルバリヤ層を堆積させるステップと、第二タンタル含有化合物の1以上のパルスと還元剤の1以上のパルスをプロセスチャンバ内に交互に導入することにより窒化タンタルバリヤ層の少なくとも一部上にタンタル含有バリヤ層を堆積させるステップと、プラズマ処理プロセスにタンタル含有バリヤ層を晒すステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0011】
[0011]他の態様においては、基板を第一浸漬プロセスに晒すステップであって、第一還元剤を所定の時間含む、前記ステップと、基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板を第一タンタル前駆物質に晒す工程を含む、前記ステップと、プロセスチャンバをパージガスでパージするステップと、基板を窒素前駆物質に晒すステップと、プロセスチャンバをパージガスでパージするステップと、基板を第二浸漬プロセスに晒すステップと、窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を堆積させるステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0012】
[0012]他の態様においては、基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板をタンタル前駆物質に晒す工程と、プロセスチャンバをパージガスでパージする工程と、基板を窒素前駆物質に晒す工程と、プロセスチャンバをパージガスでパージする工程とを含む、前記ステップと、基板を浸漬プロセスに晒すステップと、窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板を第二タンタル前駆物質に晒す工程と、パージガスでパージする工程と、基板を窒素除外還元剤に晒す工程と、パージガスでパージする工程とを含む、前記ステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0013】
[0013]他の態様においては、基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板を有機金属タンタル前駆物質に晒す工程と、プロセスチャンバをパージガスでパージする工程と、基板を窒素前駆物質に晒す工程と、プロセスチャンバをパージガスでパージする工程とを含む、前記ステップと、窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、基板をタンタルハロゲン化物前駆物質と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、を含む、基板を処理する方法が提供される。
【0014】
[0014]他の態様においては、第一金属を含有する窒化物層を第一原子層堆積プロセスにより堆積させるステップと、窒化物層を第一金属とは異なる第二金属を含む浸漬プロセスに晒すステップと、窒化物層上に金属層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、金属層が第一金属を含んでいる、前記ステップとを含む、基板を処理する方法が提供される。
【0015】
[0015]本発明の上記特徴が得られ、詳細に理解され得るように、上で簡単に纏めた本発明の更に具体的な説明は、添付の図面に示されるその実施形態によってなされるものである。
【0016】
[0016]しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施形態だけを示すので、本発明の範囲を限定するものとみなすべきでなく、他の等しく有効な実施形態を許容することができる。
【好適実施形態の詳細な説明】
【0017】
[0021]1つ以上の相互接続構造を形成するためのプロセスシーケンスが提供される。本明細書に記載される実施形態に従って形成された相互接続構造は、従来技術の相互接続部より全体に抵抗が小さく、電気的性質が良好であり、集積回路の製造において用いられるメモリやロジック構造を作るのに特に有効である。相互接続構造の形成は、下に横たわる金属層上に少なくとも部分的に堆積されるバリヤ層、バリヤ層上に少なくとも部分的に堆積されるシード層、シード層上に少なくとも部分的に堆積されるバルク金属層の形成を含んでいる。
【0018】
[0022]本明細書に用いられる語句は、更に定義されない限り当業者によって当技術における通常の慣習的な意味を示されるべきである。
【0019】
[0023]本明細書で用いられる“基板表面”又は“原子層堆積”は、膜処理が行われる基板上に形成されたあらゆる基板又は物質の表面を意味する。例えば、処理が行われる基板表面は、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、絶縁体上のシリコン(SOI)、炭素ドープされた酸化シリコン、窒化シリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムひ素、ガラス、サファイアのような物質、金属、金属窒化物、合金のようなあらゆる他の物質、他の導電物質を含み、適用に左右される。基板表面上のバリヤ層、金属又は金属窒化物は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルを含んでいる。基板は、種々の寸法、例えば、200mm又は300mmの寸法のウエハ、矩形又は正方形を有することができる。本明細書に記載されるプロセスの実施形態は、多くの基板や表面上にハフニウム含有化合物を堆積する。本発明の実施形態が有効であることができる基板は、半導体ウエハ、例えば、結晶シリコン(例えばSi<100>又はSi<111>)、酸化シリコン、ストレインドシリコン、SOI、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていない多結晶シリコン、ドープされた又はドープされていないシリコンウエハ、窒化シリコンおよびパターン形成された又はパターン形成されていないウエハを含むがこれらに限定されない。表面は、ベアシリコンウエハ、膜、層、誘電性、導電性、バリヤ特性を有する物質を含み、酸化アルミニウムや多結晶シリコンを含んでいる。表面の前処理は、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニーリング、ベーキングを含んでいる。
【0020】
[0024]本明細書に用いられる“相互接続部”という用語は、集積回路内に形成されたあらゆる導電路を意味する。本明細書に用いられる“バルク”という用語は、相互接続構造を形成するために堆積された他の物質に相対して多い量の堆積された物質を意味する。“化合物”は1つ以上の前駆物質、還元剤(還元剤)、反応種、触媒物質を含むことを意味する。各化合物は、単一化合物又は2つ以上の化合物の混合物/組合せであってもよい。
【0021】
[0025]本明細書に用いられる“原子層堆積”又は“周期的堆積”は、基板表面上に物質層を堆積するために2つ以上の反応性化合物の連続導入を意味する。2つ、3つ又はそれ以上の反応性化合物は、処理チャンバの反応ゾーンに交互に導入されることができる。通常、各反応性化合物は、時間の遅れによって分離され、各化合物を基板表面上に付着及び/又は反応させることができる。一態様においては、第一前駆物質又は化合物Aは、反応ゾーンにパルスされ、第一時間の遅れが続く。次に、第二前駆物質又は化合物Bは、反応ゾーンにパルスされ、第二の遅れが続く。各時間の遅れの間、窒素のようなパージガスが処理チャンバに導入され、反応ゾーンをパージするか或いは反応ゾーンからあらゆる残留反応性化合物又は副生成物を除去する。或いは、パージガスは、反応性化合物のパルス間での時間の遅れ延の間、パージガスだけが流れるような堆積プロセス全体に連続してパージガスを流すことができる。反応性化合物は、所望の膜又は膜厚が基板表面上に形成されるまで交互にパルスされる。どちらのシナリオにおいても、サイクルは、化合物Aのパルス、パージガス、化合物Bのパルス、パージガスのALDプロセスである。サイクルは、化合物Aか又は化合物Bから始まり且つ所望の厚さを有する膜を達成するまでサイクルのそれぞれの順序を続けることができる。
【0022】
[0026]本明細書に用いられる“不活性ガス”や“非反応性ガス”は、金属層形成に関与はしない単一ガス又はガスの混合物を意味する。例示的な非反応性ガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、その化合物を含んでいる。
【0023】
[0027]本明細書に用いられる“パルス”、“ドーズ”又は“パルス/ドーズ”は、処理チャンバの反応ゾーンに断続的に又は不連続に導入される具体的な化合物の量を意味するものである。各パルス内の具体的な化合物の量は、時間が経つにつれて変化させることができ、パルスの持続時間に左右される。各パルスの持続時間は可変であり、多くの要素、例えば、使われるプロセスチャンバの容積能力、そこに結合した真空システム、具体的な化合物自体の揮発性/反応性に左右される。本明細書に用いられる“半反応”は、前駆物質ステップのパルスに続いてパージステップを意味するものである。パルスの持続時間は、一般的には約1秒未満である。
【0024】
[0028]本明細書に用いられる“サイクル”は、反応ゾーン内に連続して導入される異なる具体的な化合物の2つ以上のパルスを意味するものである。各パルスにおける具体的な化合物の量は、時間が経つにつれて変化させることができ、パルスの持続時間に左右される。サイクルは、典型的には堆積プロセスについて繰り返される。
【0025】
[0029]本明細書に用いられる“浸漬”又は“浸漬プロセス”は、処理チャンバの反応ゾーンに導入して基板の表面を活性化させる具体的な化合物の量を意味するものである。表面の活性化は、表面を水和する工程、表面を触媒する工程、又はハロゲン化末端表面を形成する工程を含むことができる。具体的な浸漬プロセスは、単一化合物又は2つ以上の化合物の混合物/組合せを含むことができる。2つ以上の化合物が用いられる場合には、浸漬は一サイクルを含むだけである。浸漬プロセスの持続時間は、一般的には、約1秒以上である。
【0026】
[0030]“反応ゾーン”は処理される基板と液体で連通しているあらゆる容積を含むことを意味する。反応ゾーンは、ガス源と基板表面との間にある処理チャンバ内のあらゆる容積を含むことができる。例えば、反応ゾーンは、基板が配置されるドーズバルブの下流のあらゆる容積を含んでいる。
【0027】
堆積装置
[0031]図1は、本明細書に開示されるプラットフォームプロセスに適合することができる例示的なマルチチャンバ処理システム100の概略正面図である。このような処理システム100は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から市販されているENDURA(登録商標)システムであってもよい。同様のマルチチャンバプロセスシステムは、1993年2月16日発行の“段階真空ウエハ処理システム及び方法”と称する米国特許第5,1876,718号に開示され、この開示内容は本明細書に援用されている。
【0028】
[0032]システム100は、一般的には、基板をシステム100内外に搬送するためのロードロックチャンバ102を含んでいる。典型的には、システム100は真空中にあるので、ロードロックチャンバ102、104はシステム100に導入された基板を“ポンプで送る”ことができる。第一ロボット410はロードロックチャンバ102、104と1つ以上の基板プロセスチャンバ112、114、116、118(4つが図示されている)の第一セット間に基板を搬送することができる。各処理チャンバ112、114、116、118は、周期的層堆積、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、脱ガス、向き、他の基板プロセスのような多くの基板処理動作を行うために設けることができる。第一ロボット110は、1つ以上の搬送チャンバ122、124へ/から基板を搬送する。
【0029】
[0033]搬送チャンバ122、124は、基板をシステム100内に搬送させることができつつ、超高真空状態を維持するよう用いられる。第二ロボット130は、搬送チャンバ122、124と1つ以上のプロセスチャンバ132、134、136、138の第二セット間に基板を搬送することができる。プロセスチャンバ112、114、116、118と同様に、プロセスチャンバ132、134、136、138は、例えば、周期的層堆積、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、エッチング、前洗浄、脱ガス向きの種々の基板処理動作を行うために設けることができる。基板処理チャンバ112、114、116、118、132、134、136、138のいずれも、システム100によって行うべき具体的なプロセスに必要ない場合には、システム100から取り除くことができる。
【0030】
[0034]一装置においては、各処理チャンバ132と138は、シード層を堆積するように適合された物理気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ又は周期的堆積チャンバであってもよい。各処理チャンバ134と136は、バリヤ層を堆積するように適合された周期的堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、又は物理気相堆積チャンバであってもよい。各処理チャンバ112と114は、誘電体層を堆積するように適合された物理気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、又は周期的堆積チャンバであってもよい。各プロセスチャンバ116と118は、相互接続特徴部のアパーチャ又は開口をエッチングするために設けられたエッチングチャンバであってもよい。システム100のこの具体的な一装置は、本発明を示すためのものであり、本発明の範囲を制限するために用いるべきではない。
【0031】
[0035]システム全体の制御と自動化を容易にするために、集積処理システムは中央処理装置(CPU)、メモリ、支援回路を備えたコントローラ140を含むことができる。CPUは、種々のドライブや圧力を制御するための工業用設定で用いられるコンピュータプロセッサのあらゆる形態の1つであってもよい。メモリはCPUに接続され、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、又はローカル又はリモートの他のあらゆるデジタル記憶形態のような1つ以上の容易に用いうるメモリであってもよい。ソフトウェア命令やコードは、コード化され、CPUを命令するためにメモリ内に記憶され得る。支援回路も従来の方法でプロセッサを支持するためにCPUに接続されている。支援回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステム等を含むことができる。
【0032】
[0036]図2は、本発明の実施形態によってバリヤ層を形成するための例示的な処理チャンバ200を示す概略部分断面図である。このようなプロセスチャンバ200は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手でき、以下はその簡単な説明である。更に詳細な説明は、2001年12月21日出願の“原子層堆積のためのガス分配装置及び方法”と称する、共同譲渡された米国特許出願第10/032,284号に見ることができ、特許を請求した態様とその中の開示内容と一致する程度まで本明細書に援用されている。
【0033】
[0037]プロセスチャンバ200は、アプライドマテリアルズ社から入手できるENDURA(登録商標)プラットフォームのような、集積処理プラットフォームに組込むことができる。ENDURA(登録商標)プラットフォームの詳細は、1999年11月30日出願の、“集積モジュラー処理プラットフォーム”と称する共同譲渡された米国特許出願第09/451,628号で記載され、特許を請求した態様とその中の開示と一致する程度まで本明細書に援用されている。
【0034】
[0038]図2を参照すると、チャンバ200は、チャンバ本体202を含み、その側壁204内に形成されたスリットバルブ208とその中に配置された基板支持体体212を有する。基板212は、基板支持体212とその上に配置された基板210を上下するリフトモータ214に取り付けられている。基板支持体212は、真空チャック、静電チャック、又は処理中に基板210を基板支持体212に固定するためのクランプリングを含むこともできる。更に、基板支持体212は抵抗ヒータのような埋込み加熱素子を用いて加熱することができ、又は基板支持体212上に配置された加熱ランプのような放射熱を用いて加熱することもできる。パージリング222は、基板210の周辺部上の堆積を防止するためにパージガスを供給するパージチャネル224を画成するために基板212上に配置することができる。
【0035】
[0039]ガス分配装置230は、チャンバ本体202の上部に配置されてプロセスガス及び/又はパージガスのようなガスをチャンバ200に供給する。真空システム278は、チャンバ200からガスを排気するとともにチャンバ200のポンピングゾーン266内部に所望の圧力又は所望の圧力範囲を維持することを援助するためにポンピングチャネル279と連通している。
【0036】
[0040]ガス分配装置230は、その中央部分内に形成された拡張チャネル234を有するチャンバリッド232を含んでいる。チャンバリッド232は、拡張チャネル234からチャンバリッド232の周辺部に伸びている底面260も含んでいる。底面260は、基板支持体212上に配置された基板210をほぼ覆う大きさと形である。拡張チャネル234は、チャンバリッド232の底面260に隣接した上部237から下部235に徐々に増大した内径を有する。ガスの膨張によりガスが拡張チャネル234を通って流れるので、それを通って流れるガスの速度がは低下する。ガス速度の低下は、基板210表面上に吸着された反応種を吹き飛ばす可能性を減少させる。
【0037】
[0041]ガス分配装置230は、また、1つ以上のポートを有する少なくとも2つの高速動作バルブ242を含んでいる。少なくとも1つのバルブ242は、各反応性化合物の専用である。例えば、第一バルブはタンタルやチタンのような金属含有化合物の専用であり、第二バルブは窒素含有化合物の専用である。3つの物質が所望される場合、第三バルブは追加の化合物の専用である。例えば、シリサイドが所望される場合には、追加の化合物はシリコン含有化合物であってもよい。
【0038】
[0042]バルブ242は、チャンバ本体202に化合物の短いパルスを正確に繰り返し分配することができるいかなるバルブであってもよい。時には、バルブ242のオン/オフサイクル又はパルスは約100msec以下程度の速さであってもよい。バルブ242は、例えば、メインフレームのようなシステムコンピュータによって直接制御することができ、又は2004年5月11日発行の“ALDチャンバのためのバルブコントロールシステム”と称する、譲渡された米国特許第6,734,020号に詳述されているプログラマブルロジックコンピュータ(PLC)のようなチャンバ/アプリケーション特定コントローラにより制御することができ、特許を請求した態様とその中の開示内容と一致する程度まで本明細書に援用されている。例えば、バルブ242は、パート番号FR‐21‐6.35UFG‐APDとして日本のFjuikinから市販されている、電気制御(EC)バルブであってもよい。
【0039】
[0043]図1に戻ると、プログラムされたパーソナルコンピュータ、ワークステーションコンピュータ等のコントロールユニット280が、処理条件を制御するためにチャンバ200に結合することができる。例えば、コントロールユニット280は、基板プロセスシーケンスの異なる段階の間、バルブ242A、242Bを通ってガス源238、239、249から種々のプロセスガスやパージガスのフローを制御するように形成することができる。コントロールユニット280は、種々のチャンバやサブプロセッサを制御するために工業設定で使用し得る汎用コンピュータプロセッサのあらゆる形態の1つであってもよい。
【0040】
[0044]説明的には、コントロールユニット280は、関連した制御ソフトウェアを含む、中央処理装置(CPU)、支援回路、メモリを含んでいる。CPUは、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又はローカル又はリモートのデジタル記憶のあらゆる他の形態のような、あらゆる適切なメモリを用いることができる。種々の支援回路は、チャンバ200を支持するCPUに接続されてもよい。コントロールユニット280は、バルブ242A、242Bのプログラマブルロジックコントローラのような隣接した個々のチャンバコンポーネントに位置する他のコントローラに接続されてもよい。コントローラユニット280とチャンバ200の種々の他のコンポーネント間の二方向連通は、集団的に信号バスと呼ばれる多くの信号ケーブルをによって処理される。ガス源238、239、240から、バルブ242A、242Bのプログラマブルロジックコントローラからのプロセスガスとパージガスの制御に加えて、コントローラユニット280は、他の添加物の中で、ウエハ搬送、温度制御、チャンバ排気のような、ウエハ輸送に用いられる他の活性の自動制御に関与するように形成することができ、その一部は本明細書に別のところに記載されている。
【0041】
バリヤ堆積プロセス
[0045]図3と図4A‐図4Dは、本発明の実施形態によるプロセスシーケンス300を示す一実施形態である。基板410は、図4Aに示されるように、ステップ310でその上に配置されたパターン形成誘電体層412とともに示されている。特徴画成部414は、パターン形成誘電物質中に形成されている。特徴画成部414は、側壁416と底面418を有する。基板410は、例えば、下に横たわる金属ゲート又は金属相互接続部の、その中に形成された特徴部407を有してもよい。開始層を形成するステップのような任意の前処理プロセス、又は“浸漬”プロセスのような表面処理プロセスは、堆積プロセスの前のステップ315で行うことができる。
【0042】
[0046]金属窒化物バリヤ層430は、ステップ320と図4Bに図示されるように、特徴画成部414内と基板表面上に少なくとも部分的に最初に堆積される。金属窒化物バリヤ層430は、本明細書に記載される周期的層堆積技術に従って原子層として堆積される。一態様においては、バリヤ層は、特に、窒化タンタル(TaN)のような金属窒化物である。他の適した金属窒化物の例は、窒化タンタルシリコン、窒化チタン、窒化チタンシリコン、窒化タングステン、窒化タングステンシリコン、窒化ニオブ、窒化モリブデン、その合金、その組合せを含んでいる。浸漬プロセスは、金属窒化物バリヤ層430の堆積プロセスの中間部分中に行われてもよい。
【0043】
[0047]任意に、金属窒化物バリヤ層430は、その後、不純物や汚染物質を除去するために還元ガスプラズマ(又は本明細書に記載される還元剤)のような後処理プロセスで処理することもできる。“浸漬”プロセスのような、任意の前処理プロセス又は表面処理プロセスは金属バリヤ層440の堆積前のステップ325で行うこともできる。
【0044】
[0048]その後、金属バリヤ層440は、ステップ330や図4Cに示されるように、金属窒化物バリヤ層430上に堆積させることができる。金属バリヤ層440は、本明細書で記載される周期的層堆積技術によって堆積される。一態様においては、金属バリヤ層440は、例えば、タンタル、タンタルシリサイド、ホウ化タンタル、チタン、チタンシリサイド、ホウ化チタン、タングステン、タングステンシリサイド、ホウ化タングステン、ニオブ、ニオブシリサイド、ホウ化ニオブ、モリブデン、モリブデンシリサイド、ホウ化モリブデン、ルテニウム、ホウ化ルテニウム、ルテニウムシリサイド、その合金、その組合せの金属含有層である。浸漬プロセスは、また、金属バリヤ層440の堆積プロセスの中間部分中に行うこともできる。
【0045】
[0049]金属バリヤ層440は、その後、ステップ340で不純物や汚染物質を取り除くために、還元ガスプラズマのような後処理プロセスで処理することができる。層430と440は、また、続いてのメタライゼーションのための湿潤層、付着層、又はグルー層として用いることもできる。“浸漬”プロセスの間に開始層を形成するステップのような任意の前処理プロセスは、金属バリヤ層440堆積プロセスの前又は中間部分中に行うことができる。金属窒化物バリヤ層430と金属バリヤ層440は、同一のチャンバ、分離チャンバ、搬送チャンバ、又は真空を遮断せずに系内で堆積させることができる。
【0046】
[0050]或いは、バリヤ増強層が、金属窒化物バリヤ層430又は金属バリヤ層440上に堆積されてもよい。
【0047】
[0051]シード層450は、図4Dに示されるようにステップ350でバリヤ層430、440上に少なくとも部分的に堆積される。シード層450は、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、電気めっき又は無電解めっきのような、あらゆる従来の堆積技術を用いて堆積させることができる。好ましくは、シード層450は、下に横たわるバリヤ層430、440上にコンホーマルに堆積される。シード層450は、従来の銅シード層又は二重合金シード層であってもよい。例示的な二重合金シード層は、1)ドープされていない銅を含有するターゲットを用いて堆積されたドープされていない銅、2)約2.0原子パーセントの濃度でアルミニウムを含む銅‐アルミニウムターゲットを用いて堆積された約2.0原子パーセントの濃度でアルミニウムを含有する銅合金、3)約2.0原子パーセントの濃度でスズを含む銅‐スズターゲットを用いて堆積された約2.0原子パーセントの濃度でスズを含有する銅合金、4)約2.0原子パーセントの濃度でジルコニウムを含む銅‐ジルコニウムターゲットを用いて堆積された約2.0原子パーセントの濃度でジルコニウムを含有する銅合金を含んでいる。
【0048】
[0052]バルク金属層460は、図4Dに示されるようにステップ360でシード層450上に少なくとも部分的に堆積される。金属層も、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、電気めっき又は無電解めっきのようなあらゆる従来の堆積技術用いて堆積させることができる。金属層は、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、その合金、又はその組合せのようなあらゆる導電物質を含むことが好ましい。
【0049】
[0053]図4Aに戻ると、誘電体層412は、現在知られていてもまだ発見されていなくても低k誘電物質(k≦4.0)を含むあらゆる誘電物質であってもよい。例えば、誘電体層412は酸化シリコン又は炭素ドープされた酸化シリコンであってもよい。誘電体層412は、従来の技術や周知の技術を用いてその中に特徴画成部414を形成するためにエッチングされている。特徴画成部414は、プラグ、バイア、コンタクト、ライン、ワイヤ、又はあらゆる他の相互接続コンポーネントであってもよい。典型的には、特徴画成部414は、アスペクト比が約4:1以上、例えば、約6:1の垂直な側壁416と床面418を有する。床面418は下部レベルの金属相互接続部410の少なくとも一部を晒している。
【0050】
前堆積技術
[0054]金属窒化物バリヤ層430又は金属層440を堆積する前に、パターン形成された又はエッチングされた金属誘電体層412は、その表面から未変性酸化物又は他の汚染物質を取り除くために洗浄することができる。例えば、反応性ガスは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できる反応性前洗浄チャンバのようなリモートプラズマ源チャンバ内のプラズマに励起される。前洗浄ステップは、それにリモートプラズマ源を接続することにより金属CVD又はPVDチャンバ内で行うこともできる。或いは、ガス分配システムを有する金属堆積チャンバは、基板上に位置するガス拡散シャワヘッドのような既存のガス流入口を通って前洗浄ガスプラズマを分配するために変更することができる。
【0051】
[0055]一態様においては、反応性前洗浄プロセスは、アルゴン、窒素、ヘリウムのような1以上の不活性ガス及び/又は水素、酸素、フッ素含有化合物を含む1以上の反応性ガス、その組合せのプラズマからラジカルを形成する。例えば、処理ガスは、テトラフルオロカーボン(CF4)と酸素(O2)の混合物、又はヘリウム(He)と三フッ化窒素(NF3)の混合物を含むことができる。更に好ましくは、反応性ガスはヘリウムと三フッ化窒素の混合物である。
【0052】
[0056]前洗浄プロセスの一例においては、基板は、まず、アルゴンのような不活性ガスのプラズマに晒され、その後、チャンバ圧は約140ミリTorrになり、本質的に水素とヘリウムからなる処理ガスが処理領域内に導入される。好ましくは、処理ガスは、約5%の水素と約95%のヘリウムを含んでいる。水素プラズマは約50ワット〜約1,000ワットの電力を加えることにより生成する。水素プラズマは約10秒〜約300秒間維持される。
【0053】
[0057]バリヤ層430又は440の堆積前に、基板表面は、続いての物質の堆積を増強するために、例えば、金属及び/又は金属窒化物堆積を改良するために、表面処理プロセス、“浸漬”プロセスに晒すことができる。基板表面は、誘電物質、導電物質、例えば、金属、又はその双方の物質の組合せを含むことができる。
【0054】
[0058]浸漬プロセスは、基板表面を処理ガスに晒すことにより行うことができる。浸漬プロセスは、本明細書に記載されるように、パルスせずに基板表面に還元剤を晒すことにより適用することができる。浸漬プロセスは、2成分浸漬プロセスの一サイクルのみに通常行うことにより原子層堆積プロセスとは異なり、1秒以上、約5秒〜約330秒、例えば、60秒の持続時間行われる。プラズマは、浸漬プロセスと組み合わせて用いることもできる。適切な還元剤は、水素、ボラン、ボラン誘導体、ジボラン(B26)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、ヘプタボラン、オクタボラン、ナノボラン、デカボラン、アルキルボラン(例えば、Et3B)、その組合せ、シラン、シラン誘導体、例えば、テトラクロロシラン(SiCl4)、ジシラン(Si26)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)又はジクロロシラン(SiCl22)、その上に配置された1つ以上のアミン基を有するガス、例えば、アンモニア又はヒドラジン(N24)、その組合せを含んでいる。
【0055】
[0059]例えば、金属堆積プロセスに用いることもできる金属窒化物堆積プロセスの場合、基板表面の浸漬は、基板表面上にアミン基を形成することができる処理ガスに基板表面を晒すことによって行うことができる。プロセスガスの例は、アンモニア、窒素と水素を含むガス混合物、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、その組合せを含んでいる。
【0056】
[0060]浸漬プロセスは、また、本明細書に記載された還元剤と独立して、又は共に用いられる金属前駆物質浸漬を含むことができる。例えば、金属前駆物質による浸漬プロセスは、金属堆積のために基板表面をハロゲン化するために用いることができる。浸漬プロセスによる基板表面のハロゲン化は、タンタル、チタン、タングステン、ハフニウム、ジルコニウム、モリブデン、ニオブ、バナジウム、ルテニウムおよびアルミニウムのハロゲン化物、シリコン、ゲルマニウム、炭素のような非金属ハロゲン化物の化合物を含む金属ハロゲン化物浸漬により達成することができる。金属ハロゲン化物の例は、TaF5、TaCl5、WF6、TiCl4、HfCl4、ZrCl4、AlCl3、MoCl6を含んでいる。
【0057】
[0061]浸漬プロセスは、基板表面を水和又はハロゲン化することにより基板表面を活性化することができ、開始層又は浸漬層として知られる堆積された物質の層さえも形成することができると考えられる。浸漬プロセスは下部層の所望の末端により選択的であり、化学試薬がALDサイクルを開始することに依存している。浸漬プロセスに用いられる化合物は、所望の化学構造を有する堆積表面を形成させることができる。例えば、ALDサイクルが還元剤(例えば、B26又はSiH4)から開始する場合には、ハロゲン化末端下部層が所望されるので、金属ハロゲン化物の化合物が浸漬プロセスに用いられる。しかしながら、ALDサイクルが金属前駆物質(例えば、TaF5)から開始する場合には、水素化末端下部層が所望されるので、還元剤が浸漬プロセスに用いられる。
【0058】
[0062]例えば、シラン又はボラン化合物の使用は続いての物質堆積を容易にする水素末端表面を生成することができ、アンモニア化合物は続いての物質堆積を容易にするアミン末端表面を生成することができ、TaF5又はWF6のようなハロゲン化物の化合物を含む前駆物質の使用は、続いての物質堆積を容易にするフッ素末端表面を生成することができる。浸漬プロセスは、続いての原子層堆積プロセス又は化学気相堆積プロセスの成長プロセスを容易にすると考えられる。
【0059】
[0063]浸漬プロセスの一例は、約1秒〜約120秒間、例えば60秒間、パルスせずに、例えば、約5秒〜約60秒間、例えば、約10秒〜約30秒間、基板表面をアンモニアに晒す工程を含んでいる。
【0060】
[0064]浸漬プロセスは2つ以上の還元剤を用いて2つ以上のステップを含むことができる。更に、浸漬プロセスは、本明細書に記載される金属又は金属窒化物を堆積するために用いられる前駆物質のような金属含有化合物を含むことができる。二段浸漬プロセスの一実施形態においては、還元剤浸漬に続いて前駆物質浸漬が行われる。例えば、TaF5又はWF6のような金属含有化合物(前駆物質)浸漬は、本明細書に記載される金属窒化物層430又は金属層440を堆積する前に、本明細書に記載される還元剤浸漬後に行うことができる。他の実施形態においては、還元剤浸漬は、例えば、WF6の浸漬に続いてジボラン又はシランの浸漬が行われる、金属含有化合物浸漬後に行うことができる。二段浸漬プロセスの各浸漬ステップは、本明細書に記載されるように、約5秒〜約330秒間行うことができる。
【0061】
[0065]2段浸漬プロセスの例は、還元剤浸漬に続いて金属前駆物質浸漬に続くを含むことができ、例えば、浸漬プロセスは5秒のB26浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは10秒のB26浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて30秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて100秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて200秒のTaF5浸漬を含むことができる。二段浸漬プロセスの他の例においては、浸漬プロセスは5秒のSiH4浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは10秒のSiH4浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて300秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて30秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて100秒のTaF5浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて200秒のTaF5浸漬を含むことができる。
【0062】
[0066]浸漬プロセスの他の例は、5秒のB26浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含み;他の浸漬プロセスは10秒のB26浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて30秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて100秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて200秒のWF6浸漬を含むことができる。二段浸漬プロセスの他の例においては、5秒のSiH4浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは10秒のSiH4浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて300秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて30秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のSiH4浸漬に続いて100秒のWF6浸漬を含むことができ;他の浸漬プロセスは20秒のB26浸漬に続いて200秒のWF6浸漬を含むことができる。
【0063】
[0067]一例においては、金属堆積プロセスはジボラン浸漬、TaF5浸漬、40サイクルのSiH4/TaF5を含んでいる。他の例においては、金属堆積プロセスは、ジボラン浸漬、WF6浸漬、40サイクルのSi26/TaF5を含んでいる。層形成を改善するために又は堆積物質を変更するときに複数の金属窒化物430と金属層440サイクル間に浸漬層を用いることができる。例えば、本明細書に記載される金属層440は、20サイクルのジボラン/TaF5、SiH4浸漬を60秒間、その後、40〜200サイクルのSiH4/TaF5によって堆積させることができる。
【0064】
[0068]各浸漬前駆物質がプロセスチャンバ内に導入された後に第二浸漬前駆物質又は原子層堆積プロセスのための第一前駆物質の導入前にパージガスパルスを用いることができる。更に、各浸漬前駆物質は、キャリアガスとプロセスチャンバに導入することができる。適切なパージガス及び/又はキャリアガスは、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、形成ガス又はその組合せを含んでいる。
【0065】
[0069]浸漬プロセスは、以下の条件下、金属タンタル前駆物質を約1sccm〜約1,000sccm、例えば、約25sccm〜約500sccmの流量で供給すること、及び/又は還元剤を約1sccm〜約1,000sccm、例えば、約25sccm〜約500sccmの流量で供給すること、キャリアガスを約100sccm〜約1,000sccm、例えば、約100sccm〜約700sccmの流量で供給すること、チャンバ圧力を約120Torr未満、例えば、約1Torr〜約50Torrに維持すること、ヒータ温度を約100℃〜約600℃、例えば、175℃〜約350℃、例えば、300℃に維持することを含む条件で行うことができる。
【0066】
[0070]基板表面を浸漬プロセスガスに晒すことにより、サイクル時間が速くなることを含む、金属前駆物質の化学吸着に良好な表面になると考えられる。浸漬プロセスガス、例えば、アンモニアの使用により、それぞれのアミンによって、TaF5のような金属含有前駆物質からの金属の還元反応が触媒される。浸漬層の追加により、還元剤に晒す時間の増加で続いての堆積層の抵抗率が低下し且つ均一性が改善されることが認められた。
【0067】
金属窒化物バリヤ層
[0071]図4Bを参照すると、金属窒化物バリヤ層430は、床面418と特徴画成部414の側壁416上もコンホーマルに堆積される。金属窒化物バリヤ層430は、金属含有化合物の1つ以上のパルスと窒素含有化合物の1つ以上のパルスを与えることにより形成される。
【0068】
[0072]一例においては、バリヤ層は窒化タンタルを含み、基板がその中に配置された反応ゾーンにタンタル金属含有化合物の1つ以上のパルスを約100sccm〜約1,000sccmの流量で約1秒未満の時間、窒素含有化合物の1つ以上のパルスを約100sccm〜約1,000sccmの流量で約1秒未満の時間与えることにより形成される。金属窒化物バリヤ層430のプロセスは、特徴画成部にTaN層を作る化合物を反応させるのに適した条件下で行われる。金属窒化物バリヤ層430のプロセスは、プラズマ増強プロセスであってもよい。
【0069】
[0073]例示的なタンタル金属含有化合物は、有機金属タンタル含有化合物、例えば、t‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル(PEMAT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(PDMAT)、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル(PDEAT)、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTMET)、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、ビス(シクロエンタジエニル)タンタル、トリヒドリド((Cp)2TaH3)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタル、トリハイドライド((CpMe)2TaH3)、タンタルヒドリド(CP)2TaH3、五フッ化タンタル(TaF5)、五塩化タンタル(TaCl5)、五臭化タンタル(TaBr5)、五ヨウ化タンタル(TaI5)、その組合せを含んでいる。
【0070】
[0074]例示的な窒素含有化合物は、活性化二窒素、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、tert‐ブチルアミン、アリルアミン、その誘導体、その組合せを含んでいる。また、窒素含有化合物は、リモートプラズマ窒化(RPN)プロセスのようにプラズマで活性化することができる。
【0071】
[0075]これらの化合物又は上に示されていない他の化合物は、室温で固体、液体又は気体であってもよい。例えば、PDMATは室温で固体であり、TBTDETは室温で液体である。従って、非気相前駆物質は、処理チャンバに導入する前に、当該技術において共に周知である昇華又は気化ステップに供される。アルゴン、ヘリウム、窒素、水素又はその混合物のようなキャリアガスは、処理チャンバに化合物を分配することを援助するために用いることもできる。
【0072】
[0076]各パルスは連続して行われ、約200sccm〜約1,000sccmの流量でパージガスのそれぞれのフローに随伴する。パージガス(パージ又はパージパルス)のそれぞれのフローは反応性化合物の各パルスの間にパルスされ、パージガスのそれぞれのフローは堆積プロセス全体に連続して導入することもできる。パルスでも連続でもパージガスのそれぞれのフローは、反応性化合物の望ましくない気相反応を防止するために反応ゾーンからあらゆる過剰な反応種を除去する働きをし、また、処理チャンバからあらゆる反応副生成物を除去する働きをする。これらの働きに加えて、パージガスのそれぞれの連続フローは、キャリアガスと同様に基板表面に反応性化合物のパルスを分配することを援助する。
【0073】
[0077]各パルス/ドーズの時間は可変であり、例えば、処理チャンバの容積能力とそれに結合した真空システムの性能に適合させるために調節することができる。更に、化合物のドーズ時間は、化合物の流量、化合物の圧力、化合物の温度、ドーズバルブの種類、使われる制御システムの種類、基板表面上に吸着する化合物の能力に従って異なってもよい。ドーズ時間は、形成される層の種類と形成されるデバイスの形に基づいて異なってもよい。
【0074】
[0078]典型的には、各パルス/ドーズ又は“ドーズ時間”は典型的には約1秒未満である。通常、ドーズ時間は基板の表面に吸着/化学吸着し且つそれに化合物の層を形成するのに十分な量の化合物を供給するのに十分長くすべきである。
【0075】
[0079]具体的な実施形態においては、TaNバリヤ層は、基板表面にPDMATとアンモニアを周期的に導入することにより形成される。TaN層の周期的堆積を開始するために、アルゴンのようなキャリアガスが処理チャンバ200にその中の圧力と温度を安定させるために導入される。キャリアガスは堆積プロセスの間に連続して流すことができ、アルゴンは各化合物のパルス間に流れるだけである。PDMATの第一パルスは、約100sccm〜約400sccmの流量でガス源238から、チャンバ温度と圧力が約200℃〜約300℃、約1Torr〜約5Torrで安定化した後に約0.6秒以内のパルス時間で供給される。その後、アンモニアのパルスは、約200sccm〜約600sccmの流量でガス源239から、約0.6秒以内のパルス時間で供給される。
【0076】
[0080]PDMATとアンモニアのパルス間の中断は約1.0秒以内、好ましくは約0.5秒以内、更に好ましくは約0.1秒以内である。種々の態様においては、パルス間の時間の短縮は少なくともスループットが大きくなる。結果として、アンモニアのパルス後の中断も約1.0秒以内、約0.5秒以内、又は約0.1秒以内である。約100sccm〜約1,000sccm、例えば、約100sccm〜約400sccmを流すアルゴンガスはガス源240から各バルブ242を通って連続して供給される。一態様においては、アンモニアのパルスが注入されるとき、PDMATのパルスは、まだチャンバにあってもよい。通常、キャリアガス及び/又はポンプ排気の時間は、反応ゾーン内でPDMATとアンモニアのパルスが共に混合することを防止するのに十分長くなければならない。
【0077】
[0081]ヒータ温度は約100℃〜約300℃に約1.0〜約5.0Torrのチャンバ圧で維持される。PDMATのパルス、中断、アンモニアのパルス、中断からなる各サイクルによって、厚さが約0.3オングストローム〜約1.0オングストローム/サイクルの窒化タンタル層が得られる。交互シーケンスは、所望の厚さが達成されるまで繰り返すことができ、約20オングストローム未満、例えば、約10オングストロームであってもよい。従って、堆積法は、10〜70サイクルを必要とすることができ、更に典型的には、約20オングストローム未満、例えば、約10オングストロームの所望の厚さについては20〜30サイクルであることが認められた。
【0078】
[0082]プロセスによって堆積した窒化タンタル層は、約1:1.92〜約1:1〜約3:1のタンタルと窒素比の層組成を有することができる。
【0079】
[0083]窒化タンタル堆積プロセスは、以下の堆積条件、タンタル前駆物質を約1sccm〜約100sccm、例えば、約5sccm〜約50sccmの流量で供給すること、窒素含有還元剤を約1sccm〜約100sccm、例えば、約5sccm〜約50sccmの流量で供給すること、キャリアガスを約100sccm〜約1,000sccm、例えば、約100sccm〜約700sccmの流量で供給すること、チャンバ圧を約120Torr未満、例えば、約1Torr〜約50Torr、例えば、約1Torr〜約50Torrに維持すること、堆積温度を約100℃〜約400℃、例えば、約175℃〜約350℃、例えば300℃に維持することを含む条件下で行うことができる。金属層や金属窒化物層のALD堆積は、2002年10月25日出願の、米国特許出願第10/281,079号に更に記載され、特許を請求した態様とその中の開示内容と一致する程度まで援用されている。
【0080】
金属バリヤ層
[0084]図4Cを参照すると、金属バリヤ層440は特徴画成部414の床面418と側壁416又は本明細書に記載される金属窒化物バリヤ層430上にコンホーマルに堆積されている。金属窒化物バリヤ層430は金属含有化合物の1以上のパルスと還元剤の1以上のパルスを与えることによって形成される。各パルスは、金属バリヤ層440の望ましい組成、厚さ、密度、ステップカバレージを与えるように調節される。金属バリヤ層440は、広く、金属、例えば、タンタル(Ta)、誘導金属、窒化タンタルのほかに、例えば、タンタルシリサイド(TaSi)、ホウ化タンタル(TaB)、タンタルボロニトリド(TaBN)、窒化タンタルシリコン(TaSiN)を含んでいる。金属バリヤ層440のプロセスはプラズマ増強プロセスであってもよい。
【0081】
[0085]一例においては、バリヤ層はタンタルを含み、その中に基板が配置されたプロセスゾーンにタンタル含有化合物の1以上のパルスを約100sccm〜約1,000sccmの流量で約5秒以内の時間、還元剤の1以上のパルスを約100sccm〜約1,000sccmの流量で約5秒未満の時間与えることにより形成される。金属バリヤ層440のプロセスは、特徴画成部においてTa層、又はTa誘導体層を生成する化合物を反応させるのに適した条件下で行われる。
【0082】
[0086]例示的なタンタル金属含有化合物は、有機金属タンタル含有化合物、例えば、t‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル(TBTDET)、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル(PEMAT)、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル(PDMAT)、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル(PDEAT)、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル(TBTMET)、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル(TBTDMT)、ビス(シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド((Cp)2TaH3)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド((CpMe)2TaH3)、その誘導体、その組合せを含んでいる。好ましい金属含有化合物は、また、無機金属タンタル含有化合物、例えば、五フッ化タンタル(TaF5)、五塩化タンタル(TaCl5)、五臭化タンタル(TaBr5)、五ヨウ化タンタル(TaI5)、その組合せを含んでいる。金属バリヤ層440の金属含有前駆物質は、金属窒化物バリヤ層430の前駆物質と同一であってもよい。
【0083】
[0087]例示的な還元剤は、水素、ボラン、ボラン誘導体、例えば、ジボラン(B26)、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、ヘプタボラン、オクタボラン、ナノボラン、デカボラン、アルキルボラン(例えば、Et3B)、その組合せ、シラン、シラン誘導体、例えば、テトラクロロシラン(SiCl4)、ジシラン(Si26)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6)又はジクロロシラン(SiCl22)を含む窒素除外還元剤を含んでいる。或いは、還元剤は、アンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、その組合せのグループより選ばれた窒素含有化合物を含むことができる。アルゴン、ヘリウム、窒素、水素、又はその混合物のようなキャリアガスも、プロセスチャンバに化合物を分配することを促進するために用いることができる。
【0084】
[0088]各パルスは連続して行われ、約200sccm〜約1,000sccmの流量で別々のパージガスフローを付随している。別々のパージガスフローは反応性化合物の各パルス間にパルスされ、別々のパージガスフローは堆積プロセス全体に連続して導入することができる。
【0085】
[0089]各パルス/ドーズの時間は可変であり、例えば、処理チャンバの容積能力やそれに結合した真空システムの性能を適合させるために調節することができる。更に、化合物のドーズ時間は、化合物の流量、化合物の圧力、化合物の温度、ドーズバルブの種類、使われる制御システムの種類、基板表面上に吸着する化合物の能力に従って異なってもよい。ドーズ時間は、形成される層の種類や形成されるデバイスの形に基づいて異なってもよい。
【0086】
[0090]典型的に、各パルス/ドーズの時間又は“ドーズ時間”は、典型的には約1秒未満である。しかしながら、ドーズ時間はマイクロ秒からミリ秒まで、秒まで、分までもの範囲であり得る。通常、ドーズ時間は基板の全面に吸着/化学吸着するとともにその上に化合物の層を形成するのに十分な化合物の容積を供給するのに十分長くなければならない。
【0087】
[0091]具体的な実施形態においては、ホウ化タンタル又はタンタルシリサイドバリヤ層は、基板表面に五フッ化タンタルとジボラン又はシラン又はジシランを周期的に導入することにより形成される。Ta層の周期的堆積を開始するために、アルゴンのようなキャリアガスが処理チャンバ200に導入されてその中の圧力と温度を安定させる。キャリアガスは堆積プロセスの間連続して流すことができ、アルゴンは各化合物のパルス間に流すだけである。ガス源238からチャンバに供給されるTaF5の第一パルスの一例は、チャンバ温度と圧力が約200℃〜約600℃、例えば、約300℃〜約350℃、約1Torr〜約5Torrに安定された後に、約100sccm〜約400sccmの流量を、約5秒未満、例えば、約0.6秒以内のパルス時間で含んでいる。その後、ジボラン又はシラン又はジシランのパルスは、ガス源239から約200sccm〜約600sccmの流量で、約5秒未満、好ましくは約1秒未満、例えば、約0.6秒以内のパルス時間で与えられる。ヒータ温度は、約100℃〜約650℃に約1Torr〜約5Torrのチャンバ圧について維持される。
【0088】
[0092]TaF5とジボラン又はシランのパルス間の中断は、約5秒未満、例えば、約1秒未満、好ましくは約0.5秒以内、更に好ましくは約0.1秒以内であってもよい。種々の態様においては、パルス間の時間の短縮は、少なくともスループットが大きくなる。結果として、ジボラン又はシラン又はジシランのパルス後の中断も、約5秒未満、例えば、約1秒未満、好ましくは約0.5秒以内、又は約0.1秒以内である。約100sccm〜約400sccm、例えば、約100sccm〜約1,000sccmで流れるアルゴンガスは、ガス源240から各バルブ242A、242Bを通って連続して供給される。一態様においては、TaF5のパルスは、ジボラン又はシラン又はジシランのパルスが入るときに、まだチャンバ内にあってもよい。通常、キャリアガス及び/又はポンプ排気の時間は、反応ゾーンにおいてTaF5とジボラン又はシランのパルスが共に混合することを防止するのに十分に長くなければならない。
【0089】
[0093]TaF5のパルス、中断、ジボラン又はシラン又はジシランのパルス、中断を含む各サイクルは、厚さが約5オングストローム以下、例えば、約3オングストローム〜約4オングストローム/サイクルのタンタル層を供給する。交互シーケンスは、約50オングストローム未満、例えば、約10オングストロームである所望の厚さが達成されるまで繰り返すことができる。従って、堆積法は、2〜70サイクル、20〜30サイクルが必要である。記載されるプロセスは、膜抵抗率が約180マイクロ−オーム−センチメートル(μΩ‐cm)であり、シリコン含量が約30原子又は質量パーセント以下、フッ素含量が約1原子又は質量パーセント未満のタンタル層を堆積することができる。
【0090】
[0094]本明細書に記載されるプロセスは、タンタルボロニトリド又は窒化タンタルシリコンのような、三成分からなる化合物を堆積するを企図している。本明細書に記載されるプロセスは、ジボラン又はシランパルスの前に又は後に、アンモニアのような窒素含有還元剤のパルスを含むように適合させることができる。一実施形態においては、各サイクルは、タンタル含有化合物のパルス、中断、ボロン含有化合物、例えば、ボラン、又はシラン含有化合物、例えば、シラン又はジシランのパルス、中断、窒素含有化合物のパルス、中断からなる。各パルスは連続して行われ、上記と同じプロセス条件で別々のキャリアガスフローを付随する。別々のパージガスフローは反応性化合物の各パルス間にパルスされてもよく、別々のキャリアガスフローが堆積プロセス全体に連続して導入されてもよい。
【0091】
[0095]或いは、1以上の還元剤は、1以上の二成分からなる化合物を形成するために金属バリヤ層440の堆積に用いることができる。還元剤は、周期的堆積の間交互に又は置き換えることができる。例えば、置換堆積技術においては、金属バリヤ層440は、まず20サイクルのジボラン/TaF5、その後、40サイクルのSiH4/TaF5によって堆積される。交互前駆物質技術においては、金属バリヤ層440は、1サイクルのジボラン/TaF5、その後、1サイクルのSiH4/TaF5、その後、プロセスを繰り返すことによって堆積することができる。
【0092】
[0096]金属窒化物の上面にバリヤ金属を堆積する前に、金属窒化物表面は、本明細書に記載される浸漬プロセスによるALDで最初の金属バリヤ成長を活性化させることを必要とすることがある。例えば、ALDTaN上にALD Ta(Si)を堆積するための浸漬プロセスは、二段浸漬プロセスによって行うことができる。二段プロセスは、フッ素を末端にすべきTaN表面を変換するためにWF6のB26の還元剤浸漬を約0.1秒〜約60秒間、続いて前駆物質浸漬を約0.1秒〜約60秒間含んでいる。この浸漬プロセスは、更に、シリコンを末端にすべき表面を搬送するためにSiH4(又はジシラン、Si26)の第二還元剤に約0.1秒〜約10秒間、約0.01Torr〜約100Torrの圧力で、還元剤に晒すことを含むように行うことができるので、表面がTaF5と反応し易くなり、タンタル金属バリヤ層を形成する。或いは、ALDTa成長は、SiH4(又はジシラン、Si26)浸漬ステップを含まずに行うことができ、シランの存在によりSiH4(又はジシラン、Si26)とバイアの下のCu金属ラインとの反応によりCuSiが形成される。タングステン浸漬プロセスにより形成されたALDW層は、SiH4(又はジシラン、Si26)で終了させることができ、ALD TaNとCuとの間のインタフェースに対して良好なCu湿潤層であり得る。
【0093】
[0097]タンタル堆積プロセスは、以下の堆積条件下、タンタル前駆物質を約1sccm〜約100sccm、例えば、約5sccm〜約50sccmの流量で供給すること、窒素除外還元剤を約1sccm〜約100sccm、例えば、約5sccm〜約50sccmの流量で供給すること、キャリアガスを約100sccm〜約1,000sccm、例えば、約100sccm〜約700sccmの流量で供給すること、チャンバ圧を約120Torr未満、例えば、約1Torr〜約50Torrに維持すること、堆積温度を約100℃〜約400℃、例えば、175℃〜約350℃、例えば、300℃に維持することを含む条件で行うことができる。
【0094】
堆積後の技術
[0098]金属窒化物層430及び/又は金属層440は、基板表面からハロゲン化物のような汚染物質を除去するために還元プラズマに晒すことができる。プラズマ処理は、バリヤ層430、440を堆積するために用いられる同一のチャンバ内で行うことができる。プラズマ処理は、バリヤ層430、440の堆積後又は金属層又は金属窒化物層を堆積するための各パルス又はパルスサイクル後に行うことができる。プラズマ処理は、一般的には、プロセスチャンバに、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、又はその組合せを含み、ヘリウムが好ましい、不活性ガス、及び/又は水素、アンモニア、浸漬プロセスについて本明細書に記載される還元剤、その組合せを含む還元ガスを供給することを含んでいる。還元プラズマは、金属バリヤ層440に対しては水素ガス、金属窒化物バリヤ層430に対してはアンモニアのように各バリヤ層430、440に対して指定することができる。水素プラズマは、基板を処理するために処理チャンバに搬送されるリモートプラズマであってもよい。
【0095】
[0099]可能なガス処理の一例は、還元ガス、例えば、水素と、任意に不活性ガスを約500sccm〜約3000sccm、例えば、約1,000sccm〜約2500sccmの水素の総流量で処理チャンバに導入するステップと、RF電力レベルが200mm基板に対して約10W〜約1,000Wの範囲にある、約0.03W/cm2〜約3.2W/cm2の範囲にある電力密度を用いて処理チャンバ内にプラズマを生成するステップとを含んでいる。RF電力は、13MHz〜14MHzのような高周波で供給することができる。RF電力は連続して又は短い持続時間サイクルで供給することができ、ここで、電力はサイクルに対して約200Hz未満の安定したレベルにあり、サイクル時総数が総負荷サイクルの約10%〜約30%である。或いは、RF電力は、堆積するシリコンカーバイド層をプラズマ処理するために356kHzのような低周波で供給することができる。或いは、マイクロ波源やリモートプラズマ源は、本明細書に記載されるRF電力印加の代替物としてプラズマを生成するために用いることができる。
【0096】
[0100]水素プラズマプロセスの例については、プラズマプロセスの間、処理チャンバは約10ミリTorr〜約12Torrのチャンバ圧で維持することができ、基板は約200℃〜約450℃の温度で維持することができる。水素プラズマ処理の例は、約10秒〜約100秒間行うことができ、約40秒〜ら約60秒のプラズマ処理を用いることが好ましい。処理ガスは、基板表面から約50ミル〜約600ミルに位置するガス拡散器によりチャンバに導入することができる。しかしながら、各々のパラメータは種々のチャンバや異なる基板サイズ、例えば、300mm基板においてプラズマプロセスを行うために変更することができることは留意すべきである。
【0097】
[0101]アニール技術は、金属窒化バリヤ層430と金属バリヤ層440を含む個々の層の堆積後に行うことができる。アニールプロセスは、本明細書における還元プラズマ技術を組み合わせて行うことができる。例えば、堆積された層430及び/又は440は、窒素雰囲気中で約1時間、約380℃のアニーリングプロセスに晒すことができる。
【0098】
[0102]アニール技術は、アニールプロセスの堆積後に行うこともできる。例えば、ALD金属窒化物層430/ALD金属バリヤ層440/Cuシード450スタック膜は、ALD金属/Cuシード界面を安定させるために、約50℃〜約500℃の温度で約1秒〜約600秒間アニールすることができ、スタック膜がECP銅の充填前に空気に晒されてもCuのアグロメレーションを防止することができる。
【0099】
追加の層堆積
[0103]或いは、金属層440は、他の方法によって堆積した金属物質の堆積により増強させることができる。例えば、厚さが約20オングストローム以下、例えば、約10オングストロームのアルファ相タンタル(α‐Ta)層は、以前に堆積したバリヤ層430、440の少なくとも一部上に堆積することができる。α‐Ta層は、従来の技術、PVD、CVD、又は更に他のALFDプロセスさえも用いて堆積することができる。例えば、二層のスタックは、上記の周期的層堆積によって堆積されたTaN部分、上記の周期的層堆積によって堆積されたTa部分、高密度プラズマ物理気相堆積(HDP‐PVD)によって堆積されたα‐Ta部分を含むことができる。
【0100】
[0104]更に具体的に説明するために、スタックのα‐Ta部分は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できる、電離金属プラズマ(IMP)チャンバ、VectraTMを用いて堆積させることができる。IMPチャンバは、ターゲット、コイル、バイアスを掛けた基板支持体部材を含み、アプライドマテリアルズ社から入手できる、ENDURATMプラットフォームに組込むことができる。約0.5kW〜約5kWの電力がターゲットに加えられ、約0.5kW〜約3kWの電力がコイルに加えられる。13.56MHzの周波数の約200W〜約500Wの電力が、基板にバイアスを掛けるために基板支持体部材に加えることもできる。アルゴンは約35sccm〜約85sccmの流速でチャンバに流され、窒素は約5sccm〜約100sccmの流速でチャンバに添加することができる。チャンバの圧力は、典型的には約5ミリTorr〜約100ミリTorrであり、チャンバの温度は約20℃〜約300℃である。
【0101】
金属堆積
[0105]図4Dを参照すると、シード層450は、良好でコンホーマルなカバレージを可能にするために高密度プラズマ物理気相堆積(HDP‐PVD)を用いて堆積させることができる。HDP‐PVDチャンバの一例は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できる、自己電離プラズマSIPTMである。もちろん、他の技術、物理気相堆積、化学気相堆積、原子層堆積、無電解めっき、電気めっき、又はその組合せを用いることができる。
【0102】
[0106]典型的なSIPTMチャンバは、ターゲット、コイル、バイアスが掛けられた基板支持体部材を含んでいる。銅シード層を形成するために、約0.5kW〜約5kWの電力がターゲットに加えられ、約0.5kW〜3kWの間の電力がコイルに加えられる。約13.56MHzの周波数の約200〜約500Wの間の電力が、基板にバイアスを掛けるために加えられる。アルゴンは約35sccm〜約85sccmの流量でチャンバ内に流され、窒素は約5sccm〜約100sccmの流量でチャンバに添加することができる。チャンバの圧力は、典型的には約5ミリTorr〜約100ミリTorrである。
【0103】
[0107]或いは、銅合金を含有するシード層450は、あらゆる適切な技術、例えば、物理気相堆積、化学気相堆積、無電解堆積、又はこれら技術の組合せによって堆積させることができる。好ましくは、銅合金シード層450はアルミニウムを含有し、上記PVD技術を用いて堆積される。堆積の間、プロセスチャンバは約0.1ミリTorr〜約10ミリTorr間の圧力で維持される。ターゲットは、銅と約2〜約10原子質量パーセントのアルミニウムを含んでいる。ターゲットは、約5kW〜約100kWの電力でDCバイアスを掛けることができる。ペデスタルは、約10W〜約1,000Wの電力でRFバイアスを掛けることができる。銅合金シード層450は、少なくとも約5オングストローム、約5オングストローム〜約500オングストロームの厚さに堆積される。
【0104】
[0108]金属層460は銅であることが好ましく、CVD、PVD、電気めっき、又は無電解めっき技術を用いて堆積される。好ましくは、銅層460は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できる電気めっきセル、ELECTRA(登録商標)Cu ECPシステム内で形成される。ELECTRA(登録商標)Cu ECPシステムは、アプライドマテリアルズ社から入手できるENDURA(登録商標)に組込むこともできる。
【0105】
[0109]銅の電解溶液と銅の電気めっき技術は、“電着化学”と称する、共同譲渡された米国特許第6,113,771号に記載され、特許を請求した態様とその中の開示内容と一致する程度まで本明細書全体に援用されている。典型的には、電気めっき槽の銅濃度は約0.7Mより大きく、硫酸銅濃度は約0.85で、pH約1.75である。電気めっき槽は当該技術において周知である種々の添加物を含むことができる。槽の温度は約15℃〜約25℃である。バイアスは約−15ボルト〜約15ボルトである。一態様においては、正バイアスは約0.1ボルト〜約10ボルトの範囲にあり、負バイアスは約−0.1〜約−10ボルトの範囲にある。
【0106】
[0110]任意に、アニール処理は、金属層460の堆積後、ウエハを約100℃〜約500℃、例えば、約475℃の温度に約10分〜約1時間、好ましくは約30分間供することによって行うことができる。アニールプロセスの二例は、窒素雰囲気に475℃で30分間、窒素雰囲気に380℃で1時間晒すことである。ヘリウム、アルゴン、水素、窒素又はその混合物のようなキャリア/パージガスは、約100sccm〜約10,000sccmの流量で導入される。チャンバ圧は、約2Torr〜約10Torrに維持される。任意に、RF電力は、約13.56MHzの周波数の約200W〜約1,000Wを加えることができる。好ましい基板空間は約300ミル〜約800ミルである。
【0107】
[0111]堆積後、得られた構造の上面部分は平坦化されてもよい。例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手できるMirraTMシステムの化学機械的研磨(CMP)装置を用いることができる。任意に、構造の中間の表面が、上記の続いての層の堆積の間に平坦化されてもよい。
【0108】
[0112]以下の実施例は、本発明の一実施形態の制限されない実例を示すものである。
【0109】
実施例
[0113]タンタル(Ta)層を、以下の多段周期的堆積プロセスと浸漬プロセスとを用いることによりTaN層上に堆積させた。
【0110】
[0114]窒化タンタル層を、TaF5、SiH3、NH3又はTaF5、NH3、SiH4を流すことを含むプロセスによって形成した。例えば、PDMAT/NH3プロセス、その後、NH3約3秒間、SiH4約1秒間、TaF5約2秒間の10サイクル、SiH4浸漬、その後、SiH41秒間とTaF5約1秒間の1サイクルにより約5オングストロームのTaNを堆積させることにより325℃で窒化タンタル層を堆積することができる。
【0111】
[0115]浸漬プロセスは、過剰なシラン(又はジシラン)に晒されることを防止するために、ジボラン(B26)とフッ化タングステン(WF6)の1サイクル又は複数サイクルによりタングステンの開始層を形成する。タングステン層は、SiH末端であるべき表面を変換するために、少量のドーズ量のシラン(ジシラン)に晒され、表面はTaF5と反応し易くなりALD Ta成長を開始する。例えば、浸漬プロセスは、ジボラン(アルゴン中5%、5Torr)に約3秒〜約10秒間晒し、続いてタングステンヘキサフルオライドに約1秒間浸漬することを含むことができる。或いは、TaSixyの開始層を形成する浸漬プロセスは、アンモニアに約5秒〜約20秒間晒し、パージプロセスを約5秒間、続いて六フッ化タングステンを約3秒間浸漬することを用いて形成された。
【0112】
[0116]その後、タンタル(Ta)層を以下の多段周期的堆積プロセスを用いて堆積させた。タンタル物質は、シラン(SiH4)又はジシラン2秒間、アルゴンのパージ1秒間、ヘリウムキャリアガス中のTaF54秒間、アルゴンパージ1秒間を含む複数のサイクルでサイクルを繰り返して堆積させた。或いは、タンタルの開始層をジボラン(B26)と五フッ化タンタル(TaF5)の20サイクルにより堆積させ、シランの浸漬層を60秒間堆積させ、残りのタンタル物質をシラン(SiH4)とTaF5の200サイクルとして堆積させた。その後、基板を窒素雰囲気中380℃で約1時間以上アニールした。
【0113】
[0117]本明細書に記載されるプロセスに従って、シラン(SiH4)とTaF5のサイクルによる多段周期的堆積プロセスを約1オングストローム〜約5オングストロームの堆積速度で用いてタンタル(Ta)層を堆積させて約30原子%Siと1原子%未満のFを有する膜抵抗が約180μΩ/cmの膜を得、その膜は470℃のアニール後に証明された銅付着と湿潤が良好であった。
【0114】
[0118]上記は本発明の実施形態に関するが、本発明の他の多くの実施形態が本発明の基本的な範囲から逸脱することなく構成されてもよく、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】図1は、本明細書に記載される相互接続部製造シーケンスを行うのに適合し得る典型的な集積クラスタツールを示す概略平面図である。
【図2】図2は、本明細書に記載される周期的堆積技術を行うための例示的処理チャンバの一実施形態を示す概略部分断面図である。
【図3】図3は、本明細書に記載される本発明の種々の実施形態による処理シーケンスを示す図である。
【図4A】図4Aは、本明細書に記載される実施形態による相互接続製造シーケンスの異なる段階での例示的ウエハの概略断面図である。
【図4B】図4Bは、本明細書に記載される実施形態による相互接続製造シーケンスの異なる段階での例示的ウエハの概略断面図である。
【図4C】図4Cは、本明細書に記載される実施形態による相互接続製造シーケンスの異なる段階での例示的ウエハの概略断面図である。
【図4D】図4Dは、本明細書に記載される実施形態による相互接続製造シーケンスの異なる段階での例示的ウエハの概略断面図である。
【符号の説明】
【0116】
100…マルチチャンバ処理システム、102、104…ロードロックチャンバ、410…ロボット、112、114、116、118…基板処理チャンバ、122、124…搬送チャンバ、132、134、136、138…処理チャンバ、200…処理チャンバ、202…チャンバ本体、204…側壁、208…スリットバルブ、210…基板、212…基板支持体、214…リフトモータ、222…パージリング、224…パージチャネル、230…ガス分配装置、232…チャンバリッド、234…拡張チャネル、235…下部、237…上部、238、239,240…ガス源、242…バルブ、260…底面、266…ポンピングゾーン、278…真空システム、279…ポンピングチャネル、280…コントロールユニット、407…特徴部、410…基板、412…誘電物質、414…特徴画成部、416…側壁、418…底面、430…金属窒化物バリヤ層、440…金属バリヤ層、450…シード層、460…金属層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
該基板を、タングステン前駆物質を含む浸漬プロセスに晒すステップと、
該基板上にタンタルバリヤ層を原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、該基板をタンタル前駆物質と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
該還元剤が、シラン、ジシラン、シラン誘導体、ボラン、ジボラン、ボラン誘導体、水素、及びその組合せからなる群より選ばれた窒素除外還元剤を含み、該タンタル前駆物質が五フッ化タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、又はその組合せを含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該タングステン前駆物質が、六フッ化タングステンを含んでいる、請求項2記載の方法。
【請求項4】
該基板を該浸漬プロセスに晒す前に、窒素含有化合物の1以上のパルスと金属含有化合物の1以上のパルスを交互に導入することにより基板表面上に窒化タンタルバリヤ層を堆積させるステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該窒化タンタルバリヤ層が、アミン含有化合物とタンタル含有化合物の1以上のパルスによって堆積される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該タンタルバリヤ層をプラズマ処理に晒すステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
基板を処理する方法であって、
該基板上に窒化タンタルバリヤ層を原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、該基板を第一タンタル前駆物質と窒素前駆物質の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、
該基板をタングステン含有化合物を含む浸漬プロセスに晒すステップと、
該窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、該基板を第二タンタル前駆物質と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項8】
該窒素前駆物質がアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、及びその組合せからなる群より選ばれた化合物を含み、該還元剤がシラン、ジシラン、シラン誘導体、ボラン、ジボラン、ボラン誘導体、水素、及びその組合せからなる群より選ばれた窒素除外還元剤を含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
該第一タンタル前駆物質がペンタキス(ジメチルアミノ)タンタルを含み、該第二タンタル前駆物質が五フッ化タンタルを含み、該タングステン含有前駆物質が六フッ化タングステンを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該タンタルバリヤ層をプラズマ処理に晒すステップを更に含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
基板を処理する方法であって、
第一金属含有化合物の1以上のパルスと窒素含有化合物の1以上のパルスを交互に導入することにより基板表面の少なくとも一部上に金属窒化物層を堆積させるステップと、
該金属窒化物層を第一窒素除外還元剤に晒すステップと、
該金属窒化物層をタングステン含有化合物に晒すステップと、
第二金属含有化合物の1以上のパルスと第二窒素除外還元剤の1以上のパルスを交互に導入することにより該金属窒化物層の少なくとも一部上に金属含有バリヤ層を堆積させるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
該基板表面をプラズマ処理に晒すステップを更に含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
該金属窒化物層が窒化タンタルを含み、該金属含有バリヤがタンタル、ホウ化タンタル、又はタンタルシリサイドを含む、請求項11記載の方法。
【請求項14】
該第一金属含有化合物と第二金属含有化合物が、独立してt‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、五フッ化タンタル、五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、及びその組合せからなる群より選ばれ、該タングステン含有化合物が六フッ化タングステンを含んでいる、請求項11記載の方法。
【請求項15】
該窒素含有化合物がアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、及びその誘導体、及びその組合せからなる群より選ばれ、該第一窒素除外還元剤と第二窒素除外還元剤がシラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ボラン、ジボラン、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、ヘプタボラン、オクタボラン、ナノボラン、及びデカボラン、トリエチルボラン、及びその組合せからなる群より選ばれる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
該第一金属含有化合物と第二金属含有化合物が独立してペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル又は五フッ化タンタルを含み、該窒素含有化合物がアンモニアを含み、該タングステン含有化合物が六フッ化タングステンを含んでいる、請求項15記載の方法。
【請求項17】
該金属窒化物層を堆積させるステップ、該金属窒化物層を該タングステン含有化合物に晒すステップ、該金属窒化物層を該還元剤に晒すステップ、該金属含有バリヤ層を堆積させるステップが、同一チャンバ又は同一処理装置内で真空を遮断せずに行われる、請求項11記載の方法。
【請求項18】
基板を処理する方法であって、
第一タンタル含有化合物の1以上のパルスと窒素含有化合物の1以上のパルスを処理チャンバに交互に導入することにより基板表面上に窒化タンタルバリヤ層を堆積させるステップと、
第二タンタル含有化合物の1以上のパルスと還元剤の1以上のパルスを処理チャンバに交互に導入することにより該窒化タンタルバリヤ層の少なくとも一部上にタンタル含有バリヤ層を堆積させるステップと、
該タンタル含有バリヤ層をプラズマ処理プロセスに晒すステップと、
を含む、前記方法。
【請求項19】
該プラズマ処理プロセスが還元ガスを含んでいる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
該還元ガスが水素を含んでいる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
該第一タンタル含有化合物と第二タンタル含有化合物が、独立してペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル又は五フッ化タンタルを含み、該窒素含有化合物がアンモニアを含み、該還元剤がジボラン又はシランを含んでいる、請求項18記載の方法。
【請求項22】
該窒化タンタルバリヤ層を堆積させるステップ、該タンタル含有バリヤ層を堆積させるステップ、該タンタル含有バリヤを該プラズマ処理に晒すステップが、同一チャンバ又は同一処理装置内で真空を遮断せずに行われる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
該タンタル含有バリヤ層がタンタル、ホウ化タンタル、又はタンタルシリサイドを含んでいる、請求項18記載の方法。
【請求項24】
基板を処理する方法であって、
該基板を第一浸漬プロセスに晒すステップであって、該浸漬プロセスが第一還元剤を所定の時間含んでいる、前記ステップと、
該基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、
該基板をタンタル前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバをパージガスでパージする工程と、
該基板を窒素前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバを該パージガスでパージする工程と、
を含む、前記ステップと、
該基板を第二浸漬プロセスに晒すステップと、
窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を堆積させるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項25】
該所定の時間が1秒以上を含んでいる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
該窒素前駆物質がアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、及びその組合せからなる群より選ばれる、請求項25記載の方法。
【請求項27】
該タンタル前駆物質がt‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、五フッ化タンタル、五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、及びその組合せからなる群より選ばれた物質を含み、該第二浸漬プロセスが六フッ化タングステンを含んでいる、請求項25記載の方法。
【請求項28】
該パージガスが、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、又はその組合せからなる群より選ばれたガスを含んでいる、請求項27記載の方法。
【請求項29】
該第二浸漬プロセスが、
該窒化タンタルバリヤ層を第一窒素除外還元剤に晒す工程と、
該窒化タンタル層を該六フッ化タングステンに晒す工程と、
を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
該タンタルバリヤ層をプラズマ処理プロセスに晒すステップを更に含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
基板を処理する方法であって、
該基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、
該基板を第一タンタル前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバをパージガスでパージする工程と、
該基板を窒素前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバを該パージガスでパージする工程と、
を含む、前記ステップと、
該基板を浸漬プロセスに晒すステップと、
該窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、
該基板を第二タンタル前駆物質に晒す工程と、
該パージガスでパージする工程と、
該基板を窒素除外還元剤に晒す工程と、
該パージガスでパージする工程と、
を含む、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項32】
該窒素前駆物質がアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、及びその組合せからなる群より選ばれた窒素含有化合物を含み、該窒素除外還元剤がシラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ボラン、ジボラン、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、ヘプタボラン、オクタボラン、ナノボラン、デカボラン、トリエチルボラン、及びその組合せからなる群より選ばれた化合物を含んでいる、請求項31記載の方法。
【請求項33】
該第一タンタル前駆物質と第二タンタル前駆物質が、独立してt‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、五フッ化タンタル、五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、及びその組合せからなる群より選ばれた物質を含み、該タングステン含有化合物が六フッ化タングステンを含んでいる、請求項32記載の方法。
【請求項34】
該パージガスが、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、又はその組合せからなる群より選ばれたガスを含んでいる、請求項33記載の方法。
【請求項35】
該タンタルバリヤ層をプラズマ処理プロセスに晒すステップを更に含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
基板を処理する方法であって、
該基板上に窒化タンタルバリヤ層をプロセスチャンバ内で原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、
該基板を有機金属タンタル前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバをパージガスでパージする工程と、
該基板を窒素前駆物質に晒す工程と、
該プロセスチャンバを該パージガスでパージする工程と、
を含む、前記ステップと、
該窒化タンタルバリヤ層上にタンタルバリヤ層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、該基板をタンタルハロゲン化物と還元剤の連続パルスに晒す工程を含む、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項37】
該窒素前駆物質がアンモニア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、ジメチルヒドラジン、t‐ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、アゾイソブタン、エチルアジド、その誘導体、及びその組合せからなる群より選ばれた窒素含有化合物を含み、該還元剤がシラン、ジシラン、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、ボラン、ジボラン、トリボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、ヘプタボラン、オクタボラン、ナノボラン、デカボラン、トリエチルボラン、及びその組合せからなる群より選ばれた窒素除外化合物を含んでいる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
該有機タンタル前駆物質がt‐ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ)タンタル、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(エチルメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジエチルアミノ)タンタル、t‐ブチルイミノトリス(ジメチルアミノ)タンタル、ビス(シクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)タンタルトリヒドリドからなる群より選ばれた化合物を含み、該タンタルハロゲン化物前駆物質が五フッ化タンタル、五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、及びその組合せからなる群より選ばれ、該タングステン含有化合物が六フッ化タングステンを含んでいる、請求項36記載の方法。
【請求項39】
該パージガスが、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、又はその組合せからなる群より選ばれたガスを含んでいる、請求項38記載の方法。
【請求項40】
該タンタルバリヤ層をプラズマ処理プロセスに晒すステップを更に含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
基板を処理する方法であって、
第一金属を含有する窒化物層を第一原子層堆積プロセスにより堆積させるステップと、
該窒化物層を該第一金属と異なる第二金属を含む浸漬プロセスに晒すステップと、
該窒化物層上に金属層を第二原子層堆積プロセスにより堆積させるステップであって、該金属層が該第一金属を含んでいる、前記ステップと、
を含む、前記方法。
【請求項42】
該第一金属が、タンタル、チタン、ルテニウム、及びその組合せからなる群より選ばれる、請求項41記載の方法。
【請求項43】
該第一金属がタンタルであり、該第二金属がタングステンである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
該第一原子層堆積プロセスが有機金属タンタル前駆物質を含み、該第二原子層堆積プロセスがタンタルハロゲン化物前駆物質を含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
該浸漬プロセスが六フッ化タングステンを含んでいる、請求項43記載の方法。
【請求項46】
該金属層をプラズマ処理に晒すステップを更に含む、請求項44記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−523994(P2007−523994A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517360(P2006−517360)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019417
【国際公開番号】WO2004/113585
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】