説明

パターン形成方法及び半導体装置の製造方法

【課題】基板の温度が100℃以下の低温環境下において、基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクを所定のパターンに適切に形成する。
【解決手段】ウェハWの被処理膜400上に反射防止膜401とレジストパターン402が形成される(図10(a))。レジストパターン402がトリミングされると共に、反射防止膜401がエッチングされる(図10(b))。ウェハWの温度を100℃以下に維持した状態でプラズマ処理を行い、レジストパターン402及び反射防止膜パターン403上に、100MPa以下の膜ストレスを有するシリコン窒化膜404が成膜される(図10(c))。シリコン窒化膜404がエッチングされ、レジストパターン402及び反射防止膜パターン403が除去されて、被処理膜400上にシリコン窒化膜パターン405が形成される(図10(d))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の被処理膜上に所定のパターンを形成するパターン形成方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体装置の製造工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などを順次行うフォトリソグラフィー処理が行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。そして、このレジストパターンをマスクとして、ウェハ上の被処理膜のエッチング処理が行われ、その後レジスト膜の除去処理などが行われて、被処理膜に所定のパターンが形成される。
【0003】
上述した被処理膜のパターンを形成する際には、半導体装置のさらなる高集積化を図るため、近年、当該被処理膜のパターンの微細化が求められている。このため、例えば露光処理に用いられる光を短波長化することなどが進められているが、技術的、コスト的な限界から、例えば数ナノメートルオーダーの微細な被処理膜のパターンを形成するのが困難な状況にある。
【0004】
そこで、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)等を犠牲膜として使用し、レジストパターンの両側側壁部分にマスクを形成して使用する、いわゆるダブルパターニングの一つであるSWT(Side Wall Transfer)法を用いることが提案されている。SWT法は、最初にフォトリソグラフィー処理を行ってウェハ上に形成されたレジストパターンよりも微細なピッチで被処理膜のパターニングを行うものである。すなわち、この方法では、先ず例えば300℃以下程度の温度環境下でレジストパターン上にシリコン酸化膜を成膜し、このシリコン酸化膜がレジストパターンの側壁部にのみ残るように当該シリコン酸化膜をエッチングする。その後、レジストパターンを除去して、ウェハの被処理膜上にシリコン酸化膜パターンを形成する。こうして形成された微細なシリコン酸化膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、ウェハ上に微細な被処理膜のパターンを形成する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−99938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された方法を用いてシリコン酸化膜を成膜すると、当該シリコン酸化膜の膜ストレスが高くなる(例えば数百PMaとなる)。そうすると、シリコン酸化膜をエッチングして当該シリコン酸化膜がレジストパターンの側壁部にのみ残るようにした際に、シリコン酸化膜の膜ストレスによってレジストパターンが変形する場合がある。また、その後レジストパターンを除去する際に、シリコン酸化膜が所定の形状を維持できずに崩れる場合がある。したがって、シリコン酸化膜を所定のパターンに形成できず、ウェハ上に微細な被処理膜のパターンをできない。
【0007】
また、レジストパターンは有機材料からなるため、ウェハの温度が約100℃以上の高温になると当該レジストパターンがダメージを受けるおそれがある。特許文献1に記載された方法では、例えば300℃以下程度の温度環境下でレジストパターン上にシリコン酸化膜を成膜しているので、レジストパターンが崩れるなどのダメージを受けるおそれがある。そうすると、シリコン酸化膜を所定のパターンに形成できない。
【0008】
さらに、被処理膜をエッチングする際のマスクとしてシリコン酸化膜を用いた場合、被処理膜にシリコン酸化膜を用いることができず、またシリコン酸化膜以外の膜との選択比も低い場合が多い。したがって、この場合、被処理膜として用いられる膜が限定されてしまう。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板の温度が100℃以下の低温環境下において、基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクを所定のパターンに適切に形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクとなる所定のパターンを形成するパターン形成方法であって、基板の被処理膜上に有機膜のパターンを形成する有機膜パターン形成工程と、その後、前記有機膜のパターン上にシリコン窒化膜を成膜する成膜工程と、その後、前記シリコン窒化膜が前記有機膜のパターンの側壁部にのみ残るように当該シリコン窒化膜をエッチングした後、前記有機膜のパターンを除去し、基板の被処理膜上に前記シリコン窒化膜の前記所定のパターンを形成するシリコン窒化膜パターン形成工程と、を有し、前記成膜工程は、基板の温度を100℃以下に維持した状態で、処理ガスを励起させてプラズマを生成し、当該プラズマによるプラズマ処理を行って、100MPa以下の膜ストレスを有するシリコン窒化膜を形成することを特徴としている。
【0011】
本発明によれば、成膜工程において、基板の温度が100℃以下の低温度に維持した状態でシリコン窒化膜を形成しているので、有機膜のパターンがダメージを受けるのを回避できる。また、シリコン窒化膜は100MPa以下の低ストレスを有するので、シリコン窒化膜パターン形成工程において、有機膜のパターンが変形することがなく、さらに有機膜のパターンを除去した後もシリコン窒化膜は所定の形状を維持できる。したがって、基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクとなるシリコン窒化膜を所定のパターンに適切に形成することができる。しかも、従来のシリコン酸化膜に比べて、シリコン窒化膜は被処理膜に対して高い選択比を有する。したがって、シリコン窒化膜をマスクとして用いた場合、エッチングできる被処理膜の適用範囲が広い。
【0012】
前記処理ガスは、シランガス、窒素原子を有するガス及び水素ガスを含み、前記成膜工程では、前記水素ガスの供給流量を制御して、前記シリコン窒化膜の膜ストレスを制御してもよい。
【0013】
また、前記処理ガスは、シランガス、及び窒素原子を有するガスを含み、前記成膜工程では、前記シランガスの供給流量と前記窒素原子を有するガスの供給流量との比率を制御して、前記シリコン窒化膜の膜ストレスを制御してもよい。
【0014】
前記成膜工程において、処理雰囲気は20Pa〜40Paに維持されていてもよい。
【0015】
前記成膜工程において、前記プラズマは、マイクロ波によって前記処理ガスが励起されて生成されるようにしてもよい。
【0016】
前記シリコン窒化膜パターン形成工程後、前記シリコン窒化膜のパターンの寸法を測定し、当該測定結果に基づいて、前記成膜工程の処理条件を補正してもよい。なお、シリコン窒化膜のパターンの寸法とは、シリコン窒化膜のパターンの線幅、シリコン窒化膜のパターンの高さなどである。
【0017】
また、前記有機膜パターン形成工程後、前記有機膜のパターンの寸法を測定し、当該測定結果に基づいて、前記有機膜パターン形成工程の処理条件を補正してもよい。なお、有機膜のパターンの寸法とは、有機膜のパターンの線幅、有機膜のパターンの高さなどである。
【0018】
前記有機膜パターン形成工程において、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上にレジストパターンを形成し、その後、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンの下層の反射防止膜をエッチングし、前記有機膜のパターンとして前記レジストパターン及び前記反射防止膜のパターンを形成してもよい。
【0019】
また、前記有機パターン形成工程において、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上にレジストパターンを形成し、その後、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンの下層の反射防止膜をエッチングし、その後、前記レジストパターンを除去し、前記有機膜のパターンとして前記反射防止膜のパターンを形成してもよい。
【0020】
別な観点による本発明は、前記パターン形成方法を行って基板の被処理膜上に前記シリコン窒化膜のパターンを形成した後、前記シリコン窒化膜のパターンをマスクとして基板上の被処理膜をエッチングして、半導体装置を製造することを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、基板の温度が100℃以下の低温環境下において、基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクを所定のパターンに適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態にかかるパターン形成方法を実施するための基板処理システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】第1の処理部の構成の概略を示す平面図である。
【図3】第1の処理部の構成の概略を示す側面図である。
【図4】第1の処理部の構成の概略を示す側面図である。
【図5】第2の処理部の構成の概略を示す平面図である。
【図6】プラズマ成膜装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図7】原料ガス供給構造体の平面図である。
【図8】プラズマ励起用ガス供給構造体の平面図である。
【図9】ウェハ処理の各工程を示すフローチャートである。
【図10】ウェハ処理の各工程におけるウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はレジストパターンが形成された様子を示し、(b)はレジストパターンがトリミングされ、反射防止膜がエッチングされた様子を示し、(c)はシリコン窒化膜が成膜された様子を示し、(d)はシリコン窒化膜のパターンが形成された様子を示している。
【図11】本実施の形態にかかるプラズマ成膜方法を用いた場合において、水素ガスの供給流量とシリコン窒化膜のウェットエッチングレートとの関係を示すグラフである。
【図12】本実施の形態にかかるプラズマ成膜方法を用いた場合において、水素ガスの供給流量とシリコン窒化膜の膜ストレスとの関係を示すグラフである。
【図13】本実施の形態にかかるプラズマ成膜方法を用いた場合において、マイクロ波のパワーとシリコン窒化膜の膜ストレスとの関係を示すグラフである。
【図14】他の実施の形態にかかるウェハ処理の各工程におけるウェハの状態を模式的に示した説明図であり、(a)はレジストパターンが形成された様子を示し、(b)はレジストパターンがトリミングされ、反射防止膜がエッチングされた様子を示し、(c)はシリコン窒化膜が成膜された様子を示し、(d)はシリコン窒化膜のパターンが形成された様子を示している。
【図15】他の実施の形態にかかる第2の処理部の構成の概略を示す平面図である。
【図16】ウェハ上に被処理膜のパターンが形成された様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。図1は、本実施の形態にかかるパターン形成方法を実施するための基板処理システム1の構成の概略を示す平面図である。なお、本実施の形態の基板処理システム1で処理される基板としてのウェハW上には、後述するように予め被処理膜、例えばポリシリコン膜が形成されている。
【0024】
基板処理システム1は、図1に示すようにウェハWに所定の処理を行う第1の処理部11と第2の処理部12とを有している。第1の処理部11では、ウェハW上にフォトリソグラフィー処理を行い、当該ウェハW上にレジストパターンを形成する。第2の処理部12では、ウェハWの被処理膜上にシリコン窒化膜(SiN膜)のパターンを形成する。
【0025】
第1の処理部11は、図2に示すように塗布現像処理装置20と露光装置21を有している。塗布現像処理装置20は、例えば外部との間で複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション30と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション31と、処理ステーション31に隣接する露光装置21との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション32とを一体に接続した構成を有している。
【0026】
カセットステーション30には、カセット載置台40が設けられている。カセット載置台40には、複数、例えば4つのカセット載置部41が設けられている。カセット載置部41は、水平方向のX方向(図2中の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置部41には、塗布現像処理装置20の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0027】
カセットステーション30には、X方向に延びる搬送路50上を移動自在なウェハ搬送装置51が設けられている。ウェハ搬送装置51は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置部41上のカセットCと、後述する処理ステーション31の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0028】
処理ステーション31には、各種装置を備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション31の正面側(図2のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション31の背面側(図2のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション31のカセットステーション30側(図2のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション31のインターフェイスステーション32側(図2のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0029】
例えば第1のブロックG1には、図4に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像装置60、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜を形成する反射防止膜形成装置61、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布装置62、63が下から順に4段に重ねられている。
【0030】
例えば第1のブロックG1の各装置60〜63は、処理時にウェハWを収容するカップFを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。
【0031】
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置70や、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置71、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置72が上下方向と水平方向に並べて設けられている。熱処理装置70は、ウェハWを載置して加熱する熱板と、ウェハWを載置して冷却する冷却板を有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。なお、熱処理装置70、アドヒージョン装置71及び周辺露光装置72の数や配置は、任意に選択できる。
【0032】
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置80、81、82、83、84、85、86が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置90、91、92が下から順に設けられている。
【0033】
図2に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置100が配置されている。
【0034】
ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0035】
ウェハ搬送装置100は、例えば図3に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0036】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置110が設けられている。
【0037】
シャトル搬送装置110は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置110は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置82と第4のブロックG4の受け渡し装置92との間でウェハWを搬送できる。
【0038】
図2に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置120が設けられている。ウェハ搬送装置120は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置120は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0039】
インターフェイスステーション32には、ウェハ搬送装置130と受け渡し装置131が設けられている。ウェハ搬送装置130は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置130は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置と受け渡し装置131にウェハWを搬送できる。
【0040】
第2の処理部12は、図5に示すように第2の処理部12に対するウェハWの搬入出を行うカセットステーション200と、ウェハWの搬送を行う共通搬送部201と、ウェハWに所定の処理を行うエッチング装置202、プラズマ成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205とを有している。
【0041】
カセットステーション200は、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構210が内部に設けられた搬送室211を有している。ウェハ搬送機構210は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム210a、210bを有しており、これら搬送アーム210a、210bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。搬送室211の側方には、ウェハWを複数枚並べて収容可能なカセットCが載置されるカセット載置台212が備えられている。図示の例では、カセット載置台212には、カセットCを複数、例えば3つ載置できるようになっている。
【0042】
搬送室211と共通搬送部201は、真空引き可能な2つのロードロック装置213a、213bを介して互いに連結させられている。
【0043】
共通搬送部201は、例えば上方からみて略多角形状(図示の例では六角形状)をなすように形成された密閉可能な構造の搬送室チャンバ214を有している。搬送室チャンバ214内には、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構215が設けられている。ウェハ搬送機構215は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム215a、215bを有しており、これら搬送アーム215a、215bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。
【0044】
搬送室チャンバ214の外側には、エッチング装置202、プラズマ成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205、ロードロック装置213b、213aが、搬送室チャンバ214の周囲を囲むように配置されている。エッチング装置202、プラズマ成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205、ロードロック装置213b、213aは、平面視において時計回転方向においてこの順に並ぶように、また、搬送室チャンバ214の6つの側面部に対してそれぞれ対向するようにして配置されている。
【0045】
なお、プラズマ成膜装置203の構成については後述において詳しく説明する。また、その他の処理装置であるエッチング装置202、204、アッシング装置205については、一般的な装置を用いればよく、その構成の説明は省略する。
【0046】
次に、上述したプラズマ成膜装置203の構成について説明する。なお、本実施の形態のプラズマ成膜装置203は、RLSA(ラジアルラインスロットアンテナ)を用いてプラズマを発生させるCVD(Chemical Vapor Deposiotion)装置である。
【0047】
プラズマ成膜装置203は、図6に示すように例えば上面が開口した有底円筒状の処理容器230を備えている。処理容器230は、例えばアルミニウム合金により形成されている。また処理容器230は、接地されている。処理容器230の底部のほぼ中央部には、例えばウェハWを載置するための載置台231が設けられている。
【0048】
載置台231には、例えば電極板232が内蔵されており、電極板232は、処理容器230の外部に設けられた直流電源233に接続されている。この直流電源233により載置台231の表面に静電気力を生じさせて、ウェハWを載置台231上に静電吸着することができる。なお、電極板232は、例えば図示しないバイアス用高周波電源に接続されていてもよい。
【0049】
処理容器230の上部開口には、例えば気密性を確保するためのOリングなどのシール材240を介して、誘電体窓241が設けられている。この誘電体窓241によって処理容器230内が閉鎖されている。誘電体窓241の上部には、プラズマ生成用のマイクロ波を供給するラジアルラインスロットアンテナ242が設けられている。なお、誘電体窓241には例えばアルミナ(Al)が用いられる。かかる場合、誘電体窓241は、ドライクリーニングで用いられる三フッ化窒素(NF)ガスに耐性を有する。また、さらに三フッ化窒素ガスに対する耐性を向上させるため、誘電体窓241のアルミナの表面にイットリア(Y)を被覆してもよい。
【0050】
ラジアルラインスロットアンテナ242は、下面が開口した略円筒状のアンテナ本体250を備えている。アンテナ本体250の下面の開口部には、多数のスロットが形成された円盤状のスロット板251が設けられている。アンテナ本体250内のスロット板251の上部には、低損失誘電体材料により形成された誘電体板252が設けられている。アンテナ本体250の上面には、マイクロ波発振装置253に通じる同軸導波管254が接続されている。マイクロ波発振装置253は、処理容器230の外部に設置されており、ラジアルラインスロットアンテナ242に対し、所定周波数、例えば2.45GHzのマイクロ波を発振できる。かかる構成により、マイクロ波発振装置253から発振されたマイクロ波は、ラジアルラインスロットアンテナ242内に伝搬され、誘電体板252で圧縮され短波長化された後、スロット板251で円偏波を発生させ、誘電体窓241から処理容器230内に向けて放射される。
【0051】
処理容器230内の載置台231とラジアルラインスロットアンテナ242との間には、例えば略平板形状の原料ガス供給構造体260が設けられている。原料ガス供給構造体260は、外形が平面から見て少なくともウェハWの直径よりも大きい円形状に形成されている。この原料ガス供給構造体260によって、処理容器230内は、ラジアルラインスロットアンテナ242側のプラズマ生成領域R1と、載置台231側の原料ガス解離領域R2とに区画されている。なお、原料ガス供給構造体260には例えばアルミナが用いられる。かかる場合、原料ガス供給構造体260は、ドライクリーニングで用いられる三フッ化窒素ガスに耐性を有する。また、さらに三フッ化窒素ガスに対する耐性を向上させるため、原料ガス供給構造体260のアルミナの表面にイットリアを被覆してもよい。
【0052】
原料ガス供給構造体260は、図7に示すように同一平面上で略格子状に配置された一続きの原料ガス供給管261により構成されている。原料ガス供給管261は、軸方向から見て縦断面が方形に形成されている。原料ガス供給管261同士の隙間には、多数の開口部262が形成されている。原料ガス供給構造体260の上側のプラズマ生成領域R1で生成されたプラズマとラジカルは、この開口部262を通過して載置台231側の原料ガス解離領域R2に進入できる。
【0053】
原料ガス供給構造体260の原料ガス供給管261の下面には、図6に示すように多数の原料ガス供給口263が形成されている。これらの原料ガス供給口263は、原料ガス供給構造体260面内において均等に配置されている。原料ガス供給管261には、処理容器230の外部に設置された原料ガス供給源264に連通するガス管265が接続されている。原料ガス供給源264には、例えば原料ガスとして、シラン(SiH)ガスと水素(H)ガスが個別に封入されている。ガス管265には、バルブ266、マスフローコントローラ267が設けられている。かかる構成によって、原料ガス供給源264からガス管265を通じて原料ガス供給管261に所定流量のシランガスと水素ガスがそれぞれ導入される。そして、これらシランガスと水素ガスは、各原料ガス供給口263から下方の原料ガス解離領域R2に向けて供給される。
【0054】
プラズマ生成領域R1の外周面を覆う処理容器230の内周面には、プラズマの原料となるプラズマ励起用ガスを供給する第1のプラズマ励起用ガス供給口270が形成されている。第1のプラズマ励起用ガス供給口270は、例えば処理容器230の内周面に沿って複数箇所に形成されている。第1のプラズマ励起用ガス供給口270には、例えば処理容器230の側壁部を貫通し、処理容器230の外部に設置された第1のプラズマ励起用ガス供給源271に通じる第1のプラズマ励起用ガス供給管272が接続されている。第1のプラズマ励起用ガス供給管272には、バルブ273、マスフローコントローラ274が設けられている。かかる構成によって、処理容器230内のプラズマ生成領域R1内には、側方から所定流量のプラズマ励起用ガスを供給することができる。本実施の形態においては、第1のプラズマ励起用ガス供給源271に、プラズマ励起用ガスとして、例えばアルゴン(Ar)ガスが封入されている。
【0055】
原料ガス供給構造体260の上面には、例えば当該原料ガス供給構造体260と同様の構成を有する略平板形状のプラズマ励起用ガス供給構造体280が積層され配置されている。プラズマ励起用ガス供給構造体280は、図8に示すように格子状に配置された第2のプラズマ励起用ガス供給管281により構成されている。なお、プラズマ励起用ガス供給構造体280には例えばアルミナが用いられる。かかる場合、プラズマ励起用ガス供給構造体280は、ドライクリーニングで用いられる三フッ化窒素ガスに耐性を有する。また、さらに三フッ化窒素ガスに対する耐性を向上させるため、プラズマ励起用ガス供給構造体280のアルミナの表面にイットリアを被覆してもよい。
【0056】
第2のプラズマ励起用ガス供給管281の上面には、図6に示すように複数の第2のプラズマ励起用ガス供給口282が形成されている。これらの複数の第2のプラズマ励起用ガス供給口282は、プラズマ励起用ガス供給構造体280面内において均等に配置されている。これにより、プラズマ生成領域R1に対し下側から上方に向けてプラズマ励起用ガスを供給できる。なお、本実施の形態では、このプラズマ励起用ガスは例えばアルゴンガスである。また、アルゴンガスに加えて、原料ガスである窒素(N)ガスもプラズマ励起用ガス供給構造体280からプラズマ生成領域R1に対して供給される。
【0057】
格子状の第2のプラズマ励起用ガス供給管281同士の隙間には、開口部283が形成されており、プラズマ生成領域R1で生成されたプラズマとラジカルは、プラズマ励起用ガス供給構造体280と原料ガス供給構造体260を通過して下方の原料ガス解離領域R2に進入できる。
【0058】
第2のプラズマ励起用ガス供給管281には、処理容器230の外部に設置された第2のプラズマ励起用ガス供給源284に連通するガス管285が接続されている。第2のプラズマ励起用ガス供給源284には、例えばプラズマ励起用ガスであるアルゴンガスと原料ガスである窒素ガスが個別に封入されている。ガス管285には、バルブ286、マスフローコントローラ287が設けられている。かかる構成によって、第2のプラズマ励起用ガス供給口282からプラズマ生成領域R1に対し、所定流量の窒素ガスとアルゴンガスをそれぞれ供給できる。
【0059】
なお、上述した原料ガスとプラズマ励起用ガスが本発明の処理ガスを構成している。
【0060】
処理容器230の底部の載置台231を挟んだ両側には、処理容器230内の雰囲気を排気するための排気口290が設けられている。排気口290には、ターボ分子ポンプなどの排気装置291に通じる排気管292が接続されている。この排気口290からの排気により、処理容器230内を所定の圧力、例えば後述するように20Pa〜40Paに維持できる。
【0061】
以上の基板処理システム1には、図1に示すように制御装置300が設けられている。制御装置300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、基板処理システム1におけるウェハ処理を実行するプログラムが格納されている。なお、このプログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置300にインストールされたものであってもよい。
【0062】
次に、以上のように構成された基板処理システム1で行われるウェハ処理について説明する。図9は、ウェハ処理の主な工程を示すフローチャートである。図10は、ウェハ処理の各工程におけるウェハWの状態を模式的に示している。なお、図10(a)に示すように基板処理システム1で処理されるウェハW上には、予め被処理膜400が形成されている。被処理膜400は、上述したように例えばポリシリコン膜である。
【0063】
先ず、ウェハWは、第1の処理部11の塗布現像処理装置20に搬送される。塗布現像処理装置20では、ウェハ搬送装置51によって、カセット載置台40上のカセットC内からウェハWが一枚取り出され、処理ステーション31の第3のブロックG3の例えば受け渡し装置83に搬送される。
【0064】
次に、ウェハWはウェハ搬送装置100によって第2のブロックG2の熱処理装置70に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第1のブロックG1の反射防止膜形成装置61に搬送され、図10(a)に示すようにウェハW上に反射防止膜401が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置70に搬送され、加熱され、温度調節され、その後第3のブロックG3の受け渡し装置83に戻される。
【0065】
次に、ウェハWはウェハ搬送装置120によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置84に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第2のブロックG2のアドヒージョン装置71に搬送され、アドヒージョン処理される。
【0066】
その後、ウェハWはウェハ搬送装置100によってレジスト塗布装置62に搬送され、回転中のウェハW上にレジスト液を塗布し、ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置100によって熱処理装置70に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第3のブロックG3の受け渡し装置85に搬送される。
【0067】
次に、ウェハWはウェハ搬送装置100によって周辺露光装置72に搬送され、ウェハWの外周部が露光処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第3のブロックG3の受け渡し装置86に搬送される。
【0068】
次に、ウェハWはウェハ搬送装置120によって受け渡し装置82に搬送され、シャトル搬送装置110によって第4のブロックG4の受け渡し装置92に搬送される。
【0069】
その後、ウェハWはインターフェイスステーション32のウェハ搬送装置130によって露光装置21に搬送され、露光処理される。
【0070】
次に、ウェハWはウェハ搬送装置130によって露光装置21から第4のブロックG4の受け渡し装置90に搬送される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置100によって第2のブロックG2の熱処理装置70に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置100によって現像装置60に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWはウェハ搬送装置100によって熱処理装置70に搬送され、ポストベーク処理される。
【0071】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第3のブロックG3の受け渡し装置80に搬送され、その後カセットステーション30のウェハ搬送装置51によって所定のカセット載置部41のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。そして、図10(a)に示すようにウェハW上にレジストパターン402が形成される(図9の工程S1)。
【0072】
第1の処理部11においてウェハW上にレジストパターン402が形成されると、当該ウェハWを収納したカセットCは、塗布現像処理装置20から搬出され、次に第2の処理部12に搬送される。
【0073】
第2の処理部12では、先ず、ウェハ搬送機構210によって、カセット載置台212上のカセットCから1枚のウェハWが取り出され、ロードロック装置213a内に搬送される。ロードロック装置213a内にウェハWが搬送されると、ロードロック装置213a内が密閉され、減圧される。その後、ロードロック装置213a内と大気圧に対して減圧された状態(例えば略真空状態)の搬送室チャンバ214内とが連通させられる。そして、ウェハ搬送機構215によって、ウェハWがロードロック装置213aから搬出され、搬送室チャンバ214内に搬送される。
【0074】
搬送室チャンバ214内に搬送されたウェハWは、次にウェハ搬送機構215によってエッチング装置202に搬送される。エッチング装置202では、図10(b)に示すようにウェハW上のレジストパターン402がトリミングされ、その線幅が細くされる(図9の工程S2)。また、同時にトリミングされたレジストパターン402をマスクとして、ウェハW上の反射防止膜401がエッチングされる。そして、被処理膜400上に反射防止膜401のパターン403(以下、「反射防止膜パターン403」という場合がある。)が形成される(図9の工程S3)。なお、このレジストパターン402のトリミングと反射防止膜401のエッチングは、例えば酸素プラズマ等を用いたプラズマエッチングによって行うことができる。また、これらレジストパターン402と反射防止膜パターン403が本発明の有機膜のパターンを構成している。
【0075】
その後、ウェハWはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてプラズマ成膜装置203に搬送される。プラズマ成膜装置203では、例えばCVD法によって、図10(c)に示すようにレジストパターン402上にシリコン窒化膜404が成膜される(図9の工程S4)。なお、このプラズマ成膜装置203におけるシリコン窒化膜404の成膜方法については、後述において詳しく説明する。
【0076】
その後、ウェハWはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてエッチング装置204に搬送される。エッチング装置204では、図10(d)に示すように、シリコン窒化膜404がレジストパターン402及び反射防止膜パターン403の側壁部にのみ残るように、当該シリコン窒化膜404をエッチングする(図10の工程S5)。なお、このエッチングは、例えばCF4、C48、CHF3、CH3F、CH22等のCF系ガスと、Arガス等の混合ガス、又はこの混合ガスに必要に応じて酸素を添加したガス等を用いて行われる。
【0077】
その後、ウェハWはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてアッシング装置205に搬送される。アッシング装置205では、例えば酸素プラズマ等を用いたアッシング等により、図14(d)に示すようにレジストパターン402と反射防止膜パターン403を除去する。そして、被処理膜400上にシリコン窒化膜404のパターン405(以下、「シリコン窒化膜パターン405」という場合がある。)が形成される(図9の工程S6)。
【0078】
その後、ウェハWはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてロードロック室213b内に搬送される。その後、ウェハWはウェハ搬送機構210によって所定のカセットCに収納される。その後、ウェハWを収納したカセットCが第2の処理部12から搬出されて一連のウェハ処理が終了する。
【0079】
次に、上述した工程S4において、プラズマ成膜装置203で行われるリコン窒化膜404の成膜方法について説明する。
【0080】
先ず、例えばプラズマ成膜装置203の立ち上げ時に、第1のプラズマ励起用ガス供給口270から供給されるアルゴンガスの供給流量と第2のプラズマ励起用ガス供給口282から供給されるアルゴンガスの供給流量が、プラズマ生成領域R1内に供給されるアルゴンガスの濃度が均一になるように調整される。この供給流量調整では、例えば排気装置291を稼動させ、処理容器230内に実際の成膜処理時と同じような気流を形成した状態で、各プラズマ励起用ガス供給口270、282から適当な供給流量に設定されたアルゴンガスが供給される。そして、その供給流量設定で、実際に試験用のウェハに成膜が施され、その成膜がウェハ面内で均一に行われたか否かが検査される。プラズマ生成領域R1内のアルゴンガスの濃度が均一の場合に、ウェハ面内の成膜が均一に行われるので、検査の結果、成膜がウェハ面内において均一に行われていない場合には、各アルゴンガスの供給流量の設定が変更され、再度試験用のウェハに成膜が施される。これを繰り返して、成膜がウェハ面内において均一に行われプラズマ生成領域R1内のアルゴンガスの濃度が均一になるように、各プラズマ励起用ガス供給口270、282からの供給流量が設定される。
【0081】
上述したように各プラズマ励起用ガス供給口270、282の供給流量が設定された後、プラズマ成膜装置203におけるウェハWの成膜処理が開始される。先ず、ウェハWが処理容器230内に搬送され、載置台231上に吸着保持される。このとき、ウェハWの温度は100℃以下、例えば50℃〜100℃に維持される。続いて、排気装置291により処理容器230内の排気が開始され、処理容器230内の圧力が所定の圧力、例えば20Pa〜40Paに減圧され、その状態が維持される。
【0082】
ここで、発明者らが鋭意検討した結果、処理容器230内の圧力が20Paより低いとイオンのエネルギーが大きくなって、ウェハW上にシリコン窒化膜を適切に成膜することができないおそれがあることが分かった。このため、上述のように処理容器230内の圧力を20Pa〜40Paに維持した。
【0083】
処理容器230内が減圧されると、プラズマ生成領域R1内に、側方の第1のプラズマ励起用ガス供給口270からアルゴンガスが供給されると共に、下方の第2のプラズマ励起用ガス供給口282から窒素ガスとアルゴンガスが供給される。このとき、プラズマ生成領域R1内のアルゴンガスの濃度は、プラズマ生成領域R1内において均等に維持される。また、窒素ガスは例えば64sccmの流量で供給される。ラジアルラインスロットアンテナ242からは、直下のプラズマ生成領域R1に向けて、例えば2.45GHzの周波数で2.5kW〜3.0kWのパワーのマイクロ波が放射される。このマイクロ波の放射によって、プラズマ生成領域R1内においてアルゴンガスがプラズマ化され、窒素ガスがラジカル化(或いはイオン化)する。なお、このとき、下方に進行するマイクロ波は、プラズマ励起用ガス供給構造体280で反射し、プラズマ生成領域R1内に留まる。この結果、プラズマ生成領域R1内には、高密度のプラズマが生成される。
【0084】
プラズマ生成領域R1内で生成されたプラズマとラジカルは、プラズマ励起用ガス供給構造体280と原料ガス供給構造体260を通過して下方の原料ガス解離領域R2内に進入する。原料ガス解離領域R2には、原料ガス供給構造体260の各原料ガス供給口263からシランガスと水素ガスが供給されている。このとき、シランガスは例えば18sccmの流量で供給され、水素ガスは例えば21sccmの流量で供給される。なお、この水素ガスの供給流量は、後述するようにシリコン窒化膜404の膜特性に応じて設定される。シランガスと水素ガスは、それぞれ上方から進入したプラズマ粒子により解離される。そして、これらのラジカルとプラズマ生成領域R1から供給された窒素ガスのラジカルによって、ウェハW上にシリコン窒化膜404が堆積する。
【0085】
その後、シリコン窒化膜404の成膜が進んで、ウェハW上に所定厚さのシリコン窒化膜404が形成されると、マイクロ波の放射や、処理ガスの供給が停止される。その後、ウェハWは処理容器230から搬出されて一連のプラズマ成膜処理が終了する。こうして、ウェハW上に100MPa以下の低ストレスのシリコン窒化膜404が成膜される。
【0086】
ここで、発明者らが鋭意検討した結果、上述のプラズマ成膜処理によってウェハW上にシリコン窒化膜404を成膜する際、シランガス、窒素ガス及び水素ガスを含む処理ガスを用いると、シリコン窒化膜404の膜特性が向上することが分かった。
【0087】
図11は、上記実施の形態のプラズマ成膜方法を用いて、処理ガス中の水素ガスの供給流量を変動させた場合に、フッ酸に対するシリコン窒化膜404のウェットエッチングレートが変化する様子を示している。なお、このとき、シランガスの供給流量は18sccmであって、水素ガスの供給流量は21sccmであった。また、プラズマ成膜処理中、ウェハWの温度は100℃であった。
【0088】
図11を参照すると、シランガスと窒素ガスを含む処理ガス中にさらに水素ガスを添加することで、フッ酸に対するシリコン窒化膜404のウェットエッチングレートが低下することが分かった。したがって、処理ガス中の水素ガスによって、シリコン窒化膜404の緻密度が向上し、シリコン窒化膜404の膜質が向上する。また、シリコン窒化膜404のステップカバレッジも向上する。さらに、シリコン窒化膜404の屈折率が例えば2.0±0.1に向上することも分かった。しかも、水素ガスの供給流量の増加に伴い、フッ酸に対するシリコン窒化膜404のウェットエッチングレートは低下する。したがって、水素ガスの供給流量を制御することで、シリコン窒化膜404のウェットエッチングレートを制御することができ、シリコン窒化膜404の膜特性を制御することができる。
【0089】
図12は、上記実施の形態のプラズマ成膜方法を用いて、処理ガス中の水素ガスの供給流量を変動させた場合に、シリコン窒化膜404の膜ストレスが変化する様子を示している。なお、このとき、シランガスの供給流量は18sccmであって、水素ガスの供給流量は21sccmであった。また、プラズマ成膜処理中、ウェハWの温度は100℃であった。
【0090】
図12を参照すると、シランガスと窒素ガスを含む処理ガス中にさらに水素ガスを添加することで、シリコン窒化膜404の膜ストレスがマイナス側(圧縮側)に変化することが分かった。しかも、水素ガスの供給流量の増加に伴い、シリコン窒化膜404の膜ストレスが減少する。したがって、水素ガスの供給流量を制御することで、シリコン窒化膜404の膜ストレスを100MPa以下に制御することができ、シリコン窒化膜404の膜特性を制御することができる。なお、シリコン窒化膜404の膜ストレスの下限値は特に限定されるものではなく、当該膜ストレスは0MPaより大きく100MPa以下であればよい。
【0091】
以上のように、本実施の形態によれば、工程S4においてウェハWの温度を100℃以下の低温度に維持した状態でシリコン窒化膜404を形成しているので、レジストパターン402と反射防止膜パターン403がダメージを受けるのを回避できる。また、シリコン窒化膜404は100MPa以下の低ストレスを有するので、工程S5において、レジストパターン402と反射防止膜パターン403が変形することがない。さらに、工程S6においてレジストパターン402と反射防止膜パターン403を除去した後もシリコン窒化膜404は所定の形状を維持している。したがって、ウェハW上の被処理膜400をエッチングする際のマスクとなるシリコン窒化膜404を所定のパターンに適切に形成することができる。
【0092】
また本実施の形態によれば、処理ガス中に水素ガスが含まれているので、シリコン窒化膜404の膜特性を向上させることができる。さらに、水素ガスの供給流量を制御することで、シリコン窒化膜404のウェットエッチングレートや膜ストレスなどの膜特性を制御することができる。
【0093】
さらに本実施の形態では、ラジアルラインスロットアンテナ242から放射されるマイクロ波を用いてプラズマを生成している。ここで、発明者らが鋭意検討した結果、処理ガスがシランガス、窒素ガス及び水素ガスを含む場合、例えば図13に示すようにマイクロ波のパワーとシリコン窒化膜404の膜ストレスとは、略比例関係にあることが分かった。したがって、本実施の形態によれば、マイクロ波のパワーを制御することによっても、シリコン窒化膜404の膜ストレスを制御することができる。
【0094】
ここで、従来、ALD(Atomic Layer Deposiotion)法を用いてバッチ式にシリコン窒化膜404の成膜処理が行われる場合があった。このALD法を本実施の形態の基板処理システム1に適用した場合、ウェハW上にシリコン窒化膜404を成膜するにあたり、当該ウェハWを一旦基板処理システム1から搬出する必要がある。このため、ウェハ処理のスループットが低下する。これに対して、本実施の形態では、プラズマ成膜装置203が基板処理システム1の第2の処理部12内に配置され、当該プラズマ成膜装置203ではCVD法を用いて枚葉式に成膜処理が行われる。したがって、本実施の形態によれば、ウェハ処理のスループットを向上させることができる。
【0095】
以上の実施の形態のプラズマ成膜装置203では、原料ガス供給構造体260からシランガスと水素ガスを供給し、プラズマ励起用ガス供給構造体280から窒素ガスとアルゴンガスを供給していたが、水素ガスはプラズマ励起用ガス供給構造体280から供給されてもよい。あるいは、水素ガスは原料ガス供給構造体260とプラズマ励起用ガス供給構造体280の両方から供給されてもよい。いずれの場合でも、上述したように水素ガスの供給流量を制御することによって、シリコン窒化膜404の膜特性を制御することができる。
【0096】
なお以上の実施の形態では、シリコン窒化膜404の膜ストレスを制御する際、処理ガス中の水素ガスの供給流量を制御していたが、膜ストレスの制御方法は本実施の形態に限定されない。発明者らが鋭意検討した結果、例えばシランガスの供給流量と窒素ガスの供給流量との比率を制御することにより、シリコン窒化膜404の膜ストレスを制御できる。
【0097】
また以上の実施の形態では、処理ガスは窒素ガスを含んでいたが、窒素原子を有するガスであればこれに限定されない。例えば処理ガスはアンモニア(NH)ガスを含んでいてもよい。
【0098】
また以上の実施の形態のプラズマ成膜装置203では、ラジアルラインスロットアンテナ242からのマイクロ波によってプラズマを生成していたが、当該プラズマの生成は本実施の形態に限定されない。プラズマとしては、例えばCCP(容量結合プラズマ)、ICP(誘導結合プラズマ)、ECRP(電子サイクロトロン共鳴プラズマ)、HWP(ヘリコン波励起プラズマ)等を用いてもよい。いずれの場合でも、シリコン窒化膜404の成膜はウェハWの温度が100℃以下の低温度環境下で行われるため、高密度のプラズマを用いるのが好ましい。
【0099】
また以上の実施の形態では、被処理膜400をエッチングする際のマスクとしてシリコン窒化膜404を用いたが、例えばシリコン酸窒化膜(SiON膜)を用いてもよい。かかる場合、処理ガスには、上述したシランガス、窒素ガス及び水素ガスに加えて、酸素ガスも添加される。そして、発明者らが鋭意検討した結果、シリコン酸窒化膜に対して本発明を適用しても上述した効果を享受できることが確認されている。
【0100】
また以上の実施の形態では、被処理膜400としてポリシリコン膜を用いた場合について説明したが、例えば被処理膜400としてアモルファスシリコン膜、シリコン酸化膜(SiO膜)、TEOS膜など他の膜を用いることもできる。シリコン窒化膜404は、従来用いられていたシリコン酸化膜に比べて、被処理膜400に対する選択比が高い。したがって、シリコン窒化膜404をマスクとして用いた場合、エッチングできる被処理膜400の適用範囲が広くなる。
【0101】
また以上の実施の形態では、工程S6においてレジストパターン402と反射防止膜パターン403を除去していたが、工程S3の後、レジストパターン402を除去してもよい。すなわち、図14(a)に示すようにウェハW上にレジストパターン402を形成した後(図9の工程S1)、レジストパターン402をトリミングすると共に(図9の工程S2)、反射防止膜401をエッチングする(図9の工程S3)。その後、図14(b)に示すようにレジストパターン402を除去して、ウェハWの被処理膜400上に有機膜のパターンとしての反射防止膜パターン403を形成する。その後、図14(c)に示すように反射防止膜パターン403上にシリコン窒化膜404を成膜した後(図9の工程S4)、図14(d)に示すように当該シリコン膜404をエッチングし(図9の工程S5)、反射防止膜パターン403を除去する(図9の工程S6)。本実施の形態においても、被処理膜400上にシリコン窒化膜パターン405を適切に形成することができる。なお、これら工程S1〜S6は上記実施の形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0102】
以上の実施の形態において、工程S6の後、シリコン窒化膜パターン405の寸法を測定してもよい。かかる場合、例えば図15に示すように第2の処理部12に寸法測定装置500が配置される。寸法測定装置500は、例えば共通搬送部201の搬送室チャンバ214の外側に配置され、平面視において時計回転方向においてアッシング装置205の次に配置されている。図示の例においては、第2の処理部12には後述するエッチング装置510も配置されている。なお、寸法測定装置500の配置は本実施の形態に限定されず、寸法測定装置500は任意の位置に配置できる。例えば寸法測定装置500を搬送室211に隣接して配置してもよい。かかる場合、寸法測定装置500では、大気雰囲気中でシリコン窒化膜パターン405の寸法が測定される。
【0103】
寸法測定装置500では、例えばスキャトロメトリ(Scatterometry)法を用いてシリコン窒化膜パターン405の寸法を測定する。スキャトロメトリ法は、測定対象のウェハW上のシリコン窒化膜パターン405に光を照射することで検出されるウェハ面内の光強度分布と、予め記憶されている仮想の光強度分布とをマッチングし、光強度分布が適合した仮想のシリコン窒化膜パターンの寸法を実際のシリコン窒化膜パターン405の寸法と推定する方法である。なお、本実施の形態においては、シリコン窒化膜パターン405の寸法として、例えばシリコン窒化膜パターン405の線幅が測定されるが、シリコン窒化膜パターン405の高さ等の他の寸法を測定してもよい。
【0104】
かかる場合、工程S6においてシリコン窒化膜パターン405が成膜されたウェハWは、ウェハ搬送機構215によって寸法測定装置500に搬送される。寸法測定装置500では、上述したスキャトロメトリ法によってシリコン窒化膜パターン405の線幅が測定される。
【0105】
寸法測定装置500の測定結果は、例えば制御装置300に出力される。制御装置300では、測定されたシリコン窒化膜パターン405の線幅が所望の線幅になっていない場合に、当該測定結果に基づいて、例えばプラズマ成膜装置203における成膜処理の処理条件を補正する。具体的には、例えば窒素ガスの供給流量、処理中のウェハWの温度、処理容器230内の圧力などが補正される。こうしてプラズマ成膜装置203の処理条件がフィードバック制御され、補正後の処理条件で後続のウェハWが処理される。したがって、ウェハW上に所定の線幅のシリコン窒化膜パターン405を形成することができる。また、製品である半導体装置の歩留まりを向上させることもできる。
【0106】
なお、以上の実施の形態では、寸法測定装置500におけるシリコン窒化膜パターン405の寸法の測定結果に基づいて、プラズマ成膜装置203の処理条件を補正していたが、その他のエッチング装置202、204やアッシング装置205、第1の処理部11における各処理装置の処理条件を補正してもよい。
【0107】
また、以上の実施の形態では、寸法測定装置500において、シリコン窒化膜のパターン405の寸法を測定していたが、工程S2でトリミング後のレジストパターン402の寸法(又は工程S3でエッチングされた反射防止膜パターン403の寸法)を測定してもよい。なお、本実施の形態では、レジストパターン402の寸法として、例えばレジストパターン402の線幅が測定されるが、レジストパターン402の高さ等の他の寸法を測定してもよい。
【0108】
そして、寸法測定装置500においてレジストパターン402の線幅を測定した後、当該測定結果に基づいて、制御装置300においてエッチング装置202や第1の処理部11における各処理装置の処理条件を補正する。かかる場合においても、これらの処理条件がフィードバック制御されるので、補正後の処理条件で後続のウェハWを適切に処理することができる。なお、寸法測定装置500におけるレジストパターン402の測定方法については、上記実施の形態におけるシリコン窒化膜パターン405の寸法の測定方法と同様であるので説明を省略する。
【0109】
以上の実施の形態で説明したように、ウェハWの被処理膜400上にシリコン窒化膜パターン405が成膜されると、その後、当該シリコン窒化膜パターン405をマスクとして被処理膜400がエッチングされる。
【0110】
かかる場合、被処理膜400のエッチングは、例えば図15に示すようにエッチング装置510で行われる。エッチング装置510は、例えば基板処理システム1の第2の処理部12に配置される。具体的には、エッチング装置510は、例えば共通搬送部201の搬送室チャンバ214の外側に配置され、平面視において時計回転方向において寸法測定装置500の次に配置されている。なお、エッチング装置510には、一般的な装置を用いればよく、その構成の説明は省略する。
【0111】
そして、工程S6においてシリコン窒化膜パターン405が成膜されたウェハWは、ウェハ搬送機構215によってエッチング装置510に搬送される。エッチング装置510では、シリコン窒化膜パターン405をマスクとして被処理膜400をエッチングし、図16に示すようにウェハW上に被処理膜400のパターン520(以下、「被処理膜パターン520」という場合がある。)が形成される。このエッチングは、例えばHBrガス等を用いて行われる。こうして、半導体装置が製造される。
【0112】
本実施の形態によれば、ウェハW上にシリコン窒化膜パターン405が適切に形成されるので、ウェハW上に被処理膜パターン520も適切に形成することができる。したがって、半導体装置の歩留まりを向上させることができる。
【0113】
なお、本実施の形態では、エッチング装置510は、基板処理システム1内に配置されたが、基板処理システム1外に配置されていてもよい。
【0114】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板が半導体ウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)用のガラス基板、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0115】
1 基板処理システム
11 第1の処理部
12 第2の処理部
20 塗布現像処理装置
21 露光装置
202 エッチング装置
203 プラズマ成膜装置
204 エッチング装置
205 アッシング装置
242 ラジアルラインスロットアンテナ
260 原料ガス供給構造体
263 原料ガス供給口
270 第1のプラズマ励起用ガス供給口
280 プラズマ励起用ガス供給構造体
282 第2のプラズマ励起用ガス供給口
290 排気口
300 制御装置
400 被処理膜
401 反射防止膜
402 レジストパターン
403 反射防止膜パターン
404 シリコン窒化膜
405 シリコン窒化膜パターン
500 寸法測定装置
510 エッチング装置
520 被処理膜のパターン
R1 プラズマ生成領域
R2 原料ガス解離領域
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の被処理膜をエッチングする際のマスクとなる所定のパターンを形成するパターン形成方法であって、
基板の被処理膜上に有機膜のパターンを形成する有機膜パターン形成工程と、
その後、前記有機膜のパターン上にシリコン窒化膜を成膜する成膜工程と、
その後、前記シリコン窒化膜が前記有機膜のパターンの側壁部にのみ残るように当該シリコン窒化膜をエッチングした後、前記有機膜のパターンを除去し、基板の被処理膜上に前記シリコン窒化膜の前記所定のパターンを形成するシリコン窒化膜パターン形成工程と、を有し、
前記成膜工程は、
基板の温度を100℃以下に維持した状態で、処理ガスを励起させてプラズマを生成し、当該プラズマによるプラズマ処理を行って、100MPa以下の膜ストレスを有するシリコン窒化膜を形成することを特徴とする、パターン形成方法。
【請求項2】
前記処理ガスは、シランガス、窒素原子を有するガス及び水素ガスを含み、
前記成膜工程では、前記水素ガスの供給流量を制御して、前記シリコン窒化膜の膜ストレスを制御することを特徴とする、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記処理ガスは、シランガス、及び窒素原子を有するガスを含み、
前記成膜工程では、前記シランガスの供給流量と前記窒素原子を有するガスの供給流量との比率を制御して、前記シリコン窒化膜の膜ストレスを制御することを特徴とする、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記成膜工程において、処理雰囲気は20Pa〜40Paに維持されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記成膜工程において、前記プラズマは、マイクロ波によって前記処理ガスが励起されて生成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記シリコン窒化膜パターン形成工程後、前記シリコン窒化膜のパターンの寸法を測定し、当該測定結果に基づいて、前記成膜工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記有機膜パターン形成工程後、前記有機膜のパターンの寸法を測定し、当該測定結果に基づいて、前記有機膜パターン形成工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記有機膜パターン形成工程において、
基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上にレジストパターンを形成し、
その後、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンの下層の反射防止膜をエッチングし、前記有機膜のパターンとして前記レジストパターン及び前記反射防止膜のパターンを形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記有機パターン形成工程において、
基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上にレジストパターンを形成し、
その後、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンの下層の反射防止膜をエッチングし、
その後、前記レジストパターンを除去し、前記有機膜のパターンとして前記反射防止膜のパターンを形成することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のパターン形成方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のパターン形成方法を行って基板の被処理膜上に前記シリコン窒化膜のパターンを形成した後、
前記シリコン窒化膜のパターンをマスクとして基板上の被処理膜をエッチングして、半導体装置を製造することを特徴とする、半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−174891(P2012−174891A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35594(P2011−35594)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】