説明

パターン形成方法及び液滴吐出装置

【課題】液滴吐出動作の安定化を図り、パターンの生産性を向上させたパターン形成方法及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】「駆動電圧Vh」を「目標速度」、「目標加速度」及び目標重量に対応させて、「駆動電圧情報VhI」として記憶部に格納した。そして、「駆動電圧情報VhI」に基づいて、ノズルの「目標速度」及び「目標加速度」、さらには描画データで指定された目標重量に対応する「駆動電圧Vh」を演算し、その「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1を生成して、対応する圧電素子に供給させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置には、画像を表示するための基板が備えられている。この種の基板には、品質管理や製造管理を目的として、その製造元や製品番号等の製造情報をコード化した識別コード(例えば、2次元コード)が形成されている。こうした識別コードは、配列された多数のパターン形成領域(データセル)の一部に、パターンとしてのコードパターン(例えば、有色の薄膜や凹部等のドット)を備え、そのコードパターンの有無によって製造情報を再現可能にしている。
【0003】
こうした識別コードの形成方法には、金属箔にレーザ光を照射してコードパターンをスパッタ成膜するレーザスパッタ法や、研磨材を含んだ水を基板等に噴射してコードパターンを刻印するウォータージェット法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
しかし、上記レーザスパッタ法では、所望するサイズのコードパターンを得るために、金属箔と基板の間隙を、数〜数十μmに調整しなければならない。つまり、基板と金属箔の表面に対して非常に高い平坦性が要求され、しかも、これらの間隙をμmオーダの精度で調整しなければならない。その結果、識別コードを形成できる対象基板が制限されて、その汎用性を損なう問題を招いていた。また、ウォータージェット法では、基板の刻印時に、水や塵埃、研磨剤等が飛散するため、同基板を汚染する問題があった。
【0005】
そこで、こうした生産上の問題を解消する識別コードの形成方法として、インクジェット法が注目されている。インクジェット法では、金属微粒子を含む液滴を液滴吐出ヘッドのノズルから吐出して、その液滴を乾燥させることによってコードパターンを形成する。そのため、識別コードを形成する基板の対象範囲を拡大することができ、同基板の汚染等を回避して識別コードを形成することができる。
【特許文献1】特開平11−77340号公報
【特許文献2】特開2003−127537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記する表示装置の製造工程では、その生産性を向上させるために、1枚のマザー基板に複数の識別コードを形成するとともに、各識別コードに対応する基板の領域をそれぞれ切出すことによって、1枚のマザー基板から複数の基板を製造させるようにしている。
【0007】
そのため、上記インクジェット法では、マザー基板上に点在する識別コード上でのみ、液滴吐出ヘッドの液滴吐出動作を実行させている。その結果、識別コードを形成するための工程時間の大半を、識別コード間を移動する液滴吐出ヘッドの移動時間に費やしていた。
【0008】
そこで、上記インクジェット法では、こうした識別コードの生産性を向上させるために、液滴吐出ヘッドを多関節ロボット等の移動手段に搭載させるとともに、搭載した液滴吐出ヘッドを、少なくとも2次元方向に高速移動させることが望まれていた。
【0009】
しかしながら、液滴吐出ヘッドを高速移動させると、その速度・加速度の変動に伴って
、液状体を加圧するための加圧手段(例えば、圧電素子)の加圧量や、ノズル内の液状体界面(メニスカス)の形状に変動を来たす虞があった。その結果、吐出する液滴の重量(容量)や飛行速度の変動、着弾位置の位置ズレ等、各種液滴吐出動作の動作不良を招く問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴吐出動作の安定化を図り、パターンの生産性を向上させたパターン形成方法及び液滴吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のパターン形成方法は、対象物上で移動する液滴吐出ヘッドの圧力室に貯留されたパターン形成材料を含む液状体を加圧して、前記液状体の液滴を吐出口から前記対象物に向かって吐出し、前記対象物に着弾した前記液滴によってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて吐出制御するようにした。
【0012】
本発明のパターン形成方法によれば、液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて吐出制御を行うことができる。従って、液滴吐出ヘッドを高速移動させたり、加速又は減速させたりする場合でも、液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。その結果、液滴からなるパターンの生産性を向上させることができる。
【0013】
このパターン形成方法において、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしてもよい。
【0014】
このパターン形成方法によれば、吐出する液滴の重量や容量、さらには飛行速度を、液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に対応させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。
【0015】
このパターン形成方法において、前記液滴の重量が所定の重量になるように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量と前記圧力室を加圧する加圧速度のいずれか一方を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしてもよい。
【0016】
このパターン形成方法によれば、液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に関わらず、圧力室の加圧量の制御によって、所定の重量からなる液滴を吐出させることができる。従って、対象物の目標位置に所定の重量からなる液滴を着弾させることができる。
【0017】
このパターン形成方法において、所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記圧力室を加圧するタイミングを、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしてもよい。
【0018】
このパターン形成方法によれば、液滴の飛行速度が変動する場合であっても、圧力室を加圧するタイミングの制御によって、所定の重量からなる液滴を目標位置に着弾させることができる。
【0019】
このパターン形成方法において、所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて複数の前記吐出口の中から選択するようにしてもよい。
【0020】
このパターン形成方法によれば、液滴の飛行速度が変動する場合であっても、吐出口の選択によって、所定の重量からなる液滴を目標位置に着弾させることができる。
このパターン形成方法において、所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記対象物に対する前記液滴吐出ヘッドの移動経路を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて変更するようにしてもよい。
【0021】
このパターン形成方法によれば、液滴の飛行速度が変動する場合であっても、対象物に対する液滴吐出ヘッドの移動経路の変更によって、所定の重量からなる液滴を目標位置に着弾させることができる。
【0022】
本発明の液滴吐出装置は、圧力室の液状体を加圧して前記液状体の液滴を吐出口から吐出させる加圧手段を有した液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドを対象物の上方で移動させる移動手段と、前記加圧手段と前記移動手段を駆動制御して、前記対象物に向かって前記液滴を吐出させるとともに、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて吐出制御する吐出制御手段と、を備えた。
【0023】
本発明の液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて吐出制御を行うことができる。従って、液滴吐出ヘッドを加速又は減速させる場合でも、液滴吐出ヘッドの加速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。その結果、液滴からなるパターンの生産性を向上させることができる。
【0024】
この液滴吐出装置において、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて制御するようにしてもよい。
【0025】
この液滴吐出装置によれば、吐出する液滴の重量や容量、さらには飛行速度を、液滴吐出ヘッドの加速度に対応させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの加速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。
【0026】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドの加速度を、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか1つに対応させる吐出制御情報を記憶した記憶手段を備え、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの加速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御するようにしてもよい。
【0027】
この液滴吐出装置によれば、予め記憶する吐出制御情報に基づいて液滴を吐出制御させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの加速度に基づいた吐出制御の再現性を向上させることができる。
【0028】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて選択するようにしてもよい。
【0029】
この液滴吐出装置によれば、液滴を吐出する吐出口の位置を、液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて選択させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの加速度に対応した制御範
囲を拡張させることができ、液滴の吐出動作を、より安定化させることができる。
【0030】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、前記記憶手段は、前記液滴吐出ヘッドの加速度を、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置に対応させる吐出制御情報を記憶し、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの加速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御するようにしてもよい。
【0031】
この液滴吐出装置によれば、予め記憶する吐出制御情報に基づいて、液滴を吐出させる吐出口の位置を制御させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの加速度に基づいた吐出制御の再現性を向上させることができる。
【0032】
本発明の液滴吐出装置は、圧力室の液状体を加圧して前記液状体の液滴を吐出口から吐出させる加圧手段を有した液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドを対象物の上方で移動させる移動手段と、前記加圧手段と前記移動手段を駆動制御して、前記対象物に向かって前記液滴を吐出させるとともに、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて吐出制御する吐出制御手段と、を備えた。
【0033】
本発明の液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドの速度に基づいて吐出制御を行うことができる。従って、液滴吐出ヘッドを高速で移動させる場合でも、液滴吐出ヘッドの速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。その結果、液滴からなるパターンの生産性を向上させることができる。
【0034】
この液滴吐出装置において、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて制御してもよい。
【0035】
この液滴吐出装置によれば、吐出する液滴の重量(容量)や飛行速度を、液滴吐出ヘッドの速度に対応させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの速度に関わらず、液滴の吐出動作を安定化させることができる。
【0036】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドの速度を、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか1つに対応させる吐出制御情報を記憶した記憶手段を備え、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御するようにしてもよい。
【0037】
この液滴吐出装置によれば、予め記憶する吐出制御情報に基づいて吐出制御させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの速度に基づいた吐出制御の再現性を向上させることができる。
【0038】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて選択するようにしてもよい。
【0039】
この液滴吐出装置によれば、液滴を吐出する吐出口の位置を、液滴吐出ヘッドの速度に基づいて選択させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの速度に対応した制御範囲を拡張させることができ、液滴の吐出動作を、より安定化させることができる。
【0040】
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、前記記憶手段は、前記液滴吐出ヘッドの速度を、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置に対応させる吐出制御情報を記憶し、前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御するようにしてもよい。
【0041】
この液滴吐出装置によれば、予め記憶する吐出制御情報に基づいて、液滴を吐出させる吐出口の位置を制御させることができる。従って、液滴吐出ヘッドの速度に基づいた吐出制御の再現性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図13に従って説明する。まず、本発明のパターン形成方法を利用して形成した識別コードを有する液晶表示装置1について説明する。
【0043】
図1において、基板2の一側面(表面2a)には、その略中央位置に液晶分子を封入した四角形状の表示部3が形成されるとともに、その表示部3の外側に、走査線駆動回路4及びデータ線駆動回路5が形成されている。液晶表示装置1は、これら走査線駆動回路4が供給する走査信号と、データ線駆動回路5が供給するデータ信号に基づいて、前記表示部3内の液晶分子の配向状態を制御するようになっている。そして、液晶表示装置1は、図示しない照明装置からの平面光を液晶分子の配向状態によって変調して、表示部3の領域に所望の画像を表示するようになっている。
【0044】
表面2aの左側下隅には、一辺が約1mmの正方形からなるコード領域Sが区画形成されて、そのコード領域S内には、16行×16列のデータセルCが仮想分割されている。そのコード領域Sの選択されたデータセルCの領域には、それぞれパターンとしてのドットDが形成されるとともに、これら複数のドットDによって、液晶表示装置1の識別コード10が構成されている。
【0045】
本実施形態では、データセルCの中心位置を「目標位置P」とし、「目標位置P」の直交座標系の位置座標を、「目標座標Sp」という(図6及び図8参照)。
また、本実施形態では、前記「目標位置P」であって、コード領域SのX矢印方向略中心位置(X矢印方向から8列目にあたる16個の「目標位置P」)に位置する「目標位置P」を、それぞれ「教示位置Pt」とし、「教示位置Pt」に関する「目標座標Sp」を、「教示座標Tp」という。さらに、本実施形態では、各データセルCの一辺の長さを「セル幅W」という。
【0046】
各ドットDは、その外径がデータセルCの一辺の長さ(前記「セル幅W」)で形成された半球状のパターンである。このドットDは、パターン形成材料としての金属微粒子(例えば、ニッケル微粒子やマンガン微粒子)を分散媒に分散させた液状体F(図6参照)の液滴FbをデータセルCに吐出して、データセルCに着弾した液滴Fbにレーザ光B(図6参照)を照射して乾燥・焼成させることによって形成されている。このドットDのサイズは、吐出する各液滴Fbの重量を所定の重量(「目標重量Iw」:図8参照)にすることによって均一化されている。
【0047】
そして、識別コード10は、各データセルC内のドットDの有無によって、液晶表示装置1の製品番号やロット番号等を再現させるようになっている。
本実施形態では、上記基板2の長手方向をX矢印方向とし、X矢印方向と直交する方向をY矢印方向という。
【0048】
次に、前記識別コード10を形成するための液滴吐出装置20について説明する。尚、本実施形態では、複数の前記基板2を切出し可能にした対象物としてのマザー基板2Mに、点在する複数の前記識別コード10を形成する場合について説明する。
【0049】
図2において、液滴吐出装置20には、略直方体形状に形成された基台21が備えられて、その基台21の一側(X矢印方向側)には、複数の前記マザー基板2Mを収容する基板ストッカ22が配設されている。基板ストッカ22は、図2における上下方向(Z矢印方向及び反Z矢印方向)に移動して、収容する各マザー基板2Mをそれぞれ基台21上に搬出可能にするとともに、基台21上のマザー基板2Mを対応するスロットに搬入可能にしている。
【0050】
基台21の上面21aであって、その基板ストッカ22側(反X矢印方向側)には、Y矢印方向に延びる走行装置23が配設されている。走行装置23は、その内部に設けられた走行モータMS(図8参照)の出力軸に駆動連結される搬送装置24を、Y矢印方向及び反Y矢印方向に走行させるようになっている。搬送装置24は、マザー基板2Mの裏面2Mbを吸着把持可能にした搬送アーム24aを有する水平多関節ロボットであって、その内部に設けられた搬送モータMT(図8参照)の出力軸に駆動連結される搬送アーム24aを、XY平面上で伸縮自在に回動するとともに、上下方向に移動するようになっている。
【0051】
基台21の上面21aであって、そのY矢印方向両側には、マザー基板2Mの表面2Maを上側にして同マザー基板2Mを載置する一対の載置台25R,25Lが併設されている。一対の載置台25R,25Lは、それぞれ載置するマザー基板2Mの裏面2Mb側に、前記搬送アーム24aを抜き出し可能にする空間(凹部25a)を有して、同凹部25a内で前記搬送アーム24aを上動及び下動することによりマザー基板2Mの搬送及び載置を可能にしている。
【0052】
そして、走行モータMS及び搬送モータMTに所定の駆動制御信号を供給すると、走行装置23及び搬送装置24は、前記基板ストッカ22内の各マザー基板2Mを搬出して、搬出したマザー基板2Mを、載置台25R,25Lのいずれか一方に載置するようになっている。また、走行装置23及び搬送装置24は、載置台25R,25Lに載置したマザー基板2Mを、基板ストッカ22内の所定のスロットに搬入して回収するようになっている。
【0053】
尚、本実施形態では、図3に示すように、載置台25R,25Lに載置されたマザー基板2Mのコード領域Sであって、その最もX矢印方向側から順に、1行目コード領域S1、2行目コード領域S2、・・・、5行目コード領域S5という。
【0054】
図2において、基台21の上面21aであって、前記一対の載置台25R,25Lの間には、移動手段としての多関節ロボット(以下単に、スカラロボットという。)26が配設されて、そのスカラロボット26には、基台21の上面21aに固設されて上方(Z矢印方向)に延びる主軸27が備えられている。
【0055】
主軸27の上端には、主軸27に設置された第1モータM1(図8参照)の出力軸に駆動連結される第1アーム28aが水平方向(XY平面方向)に回動可能に連結されている
。その第1アーム28aの手先には、第1アーム28aに設置された第2モータM2(図8参照)の出力軸に駆動連結される第2アーム28bが水平方向に回動可能に連結されている。第2アーム28bの手先には、第2アーム28bに設置された第3モータM3(図8参照)の出力軸に駆動連結される円柱状の第3アーム28cが、そのZ矢印方向に沿う軸心を回動中心にして回動可能に連結されている。その第3アーム28cの下端部(手先)にはヘッドユニット30が配設されている。
【0056】
そして、これら第1、第2及び第3モータM1,M2,M3に、各アーム28a,28b,28cの各関節をそれぞれ所定の関節角(関節座標)にさせる信号を供給する。すると、スカラロボット26は、各アーム28a,28b,28cを回動して、第3アーム28cの手先(回動中心:ヘッドユニット30)を上面21a上の所定領域(図3に示す2点鎖線の領域:走査領域E)内で移動(走査)するようになっている。
【0057】
尚、本実施形態のスカラロボット26は、各コード領域Sの各「教示位置Pt」(「教示座標Tp」)を教示点とした移動経路としての「目標軌跡R」に沿って、第3アーム28cの手先(回動中心)を移動させて、ヘッドユニット30を走査させるようになっている。
【0058】
詳述すると、図3の矢印で示すように、スカラロボット26は、まず、第1アーム28a、第2アーム28b及び第3アーム28cを回動して、第3アーム28cの手先(回動中心:ヘッドユニット30)を、1行目コード領域S1の反Y矢印方向側(以下単に、「始点」という。)に配置移動させる。そして、ヘッドユニット30を「始点」に配置移動させると、スカラロボット26は、第1アーム28a、第2アーム28b及び第3アーム28cを回動して、ヘッドユニット30を、1行目コード領域S1の直上でY矢印方向に沿うように移動(走査)させる。ヘッドユニット30を1行目コード領域S1上で走査させると、スカラロボット26は、第3アーム28cを左回りに回動してヘッドユニット30を180度だけ左回りに回転させながら、第1アーム28a、第2アーム28b及び第3アーム28cを回動して、ヘッドユニット30を2行目コード領域S2の最もY矢印方向側まで旋回させる。ヘッドユニット30を2行目コード領域S2上まで旋回させると、スカラロボット26は、ヘッドユニット30を、2行目コード領域S2の直上で反Y矢印方向に沿うように移動(走査)させる。
【0059】
以後同様にして、スカラロボット26は、ヘッドユニット30を、3行目、4行目、5行目コード領域S3,S4,S5の順に、そのY矢印方向あるいは反Y矢印方向に沿って走査させて、5行目コード領域のY矢印方向側(以下単に、「終点」という。)まで配置移動させる。すなわち、本実施形態のスカラロボット26は、ヘッドユニット30の配置方向をヘッドユニット30の移動する方向に対応させるようになっている。そして、スカラロボット26は、各モータM1,M2,M3を駆動制御して、第3アーム28cの手先(ヘッドユニット30)の軌跡が各「コード領域S」上方を結ぶ滑らかな九十九折り状の「目標軌跡R」を描くように、第3アーム28cの手先の速度・加速度を変調させるようになっている。尚、本実施形態では、「目標軌跡R」に沿う方向を、目標軌跡方向RAという。
【0060】
図4において、ヘッドユニット30には、箱体状に形成された液状体タンク31が配設されるとともに、その液状体タンク31の下側には、液滴吐出ヘッド(以下単に、「吐出ヘッド」という。)32が配設されている。液状体タンク31は、前記液状体Fを導出可能に収容するとともに、収容する液状体Fを、液滴吐出ヘッド32に導出するようになっている。その液状体タンク31のマザー基板2M側(下側)には、液滴吐出ヘッド32(以下単に、吐出ヘッド32という。)が配設されている。
【0061】
図5は、吐出ヘッド32を、マザー基板2M側から見た斜視図である。図5において、吐出ヘッド32の下側(図5の上側)には、ノズルプレート33が備えられて、そのノズルプレート33の下面(ノズル形成面33a)には、マザー基板2Mの法線方向(Z矢印方向)に沿って貫通形成された複数の円形孔(吐出口としてのノズルN)が配列されている。
【0062】
各ノズルNは、スカラロボット26がヘッドユニット30を「目標軌跡R」に沿って走査させるときに、その配列方向(ノズル配列方向An)が、図3に示す目標軌跡方向RAと略直交するように配列形成されている。また、各ノズルNは、そのノズル配列方向Anに沿う形成ピッチが、前記「セル幅W」と同じサイズで形成されている。すなわち、本実施形態の各ノズルNは、スカラロボット26がヘッドユニット30を「目標軌跡R」に沿って走査させるときに、選択された連続する16個のノズルNが、それぞれ各「目標位置P」と相対向するように形成されている。
【0063】
本実施形態では、ノズルNの1つであって、各「教示位置Pt」(前記第3アーム28cの回動中心)に相対するノズルNを、基準ノズルNCという。
図6において、各ノズルNの上側には、前記液状体タンク31に連通する圧力室としてのキャビティ34が形成されて、液状体タンク31の導出する液状体Fを、それぞれ対応するノズルN内に供給するようになっている。各キャビティ34の上側には、上下方向に振動可能な振動板35が貼り付けられて、キャビティ34内の容積を拡大・縮小するようになっている。振動板35の上側には、各ノズルNに対応する複数の圧電素子PZが配設されるとともに、所定の駆動信号(圧電素子駆動電圧COM1:図8参照)を受けて上下方向に収縮・伸張するようになっている。
【0064】
詳述すると、図7に示すように、本実施形態の圧電素子PZは、引込期間W11、引込保持期間W12、押出期間W13、押出保持期間W14及び引込期間W15からなる駆動波形の圧電素子駆動電圧COM1を受けて収縮・伸張するようになっている。引込期間W11は、圧電素子駆動電圧COM1を中間電位Vbよりも高い電位(「駆動電圧Vh」)に昇圧させる期間であって、圧電素子PZを収縮させるとともに、ノズルN内の液状体界面(メニスカスK)をノズルN内に引き込んで凹曲面を形成させるようになっている。引込保持期間W12は、圧電素子駆動電圧COM1を「駆動電圧Vh」に保持させる期間であって、ノズル内に引き込んだメニスカスKを安定保持させるようになっている。押出期間W13は、圧電素子駆動電圧COM1を最低電位VLまで直線的に降圧させる期間であって、圧電素子PZを伸張させるとともに、メニスカスKを凸曲面状にして液滴Fbを吐出させるようになっている。押出保持期間W14は、圧電素子駆動電圧COM1を最低電位VLに所定の時間だけ保持させる期間であり、液滴Fbを吐出したメニスカスKの形状を安定させるようになっている。引込期間W15は、圧電素子駆動電圧COM1を最低電位VLから中間電位Vbまでの直線的な昇圧させるようになっている。
【0065】
そして、圧電素子PZに、これら引込期間W11、引込保持期間W12、押出期間W13、押出保持期間W14及び引込期間W15からなる圧電素子駆動電圧COM1を供給する。すると、圧電素子PZの収縮・伸張にともなって、対応するノズルN内のメニスカスKが振動して液滴Fbが吐出される。
【0066】
この際、吐出される液滴Fbは、一般的に、メニスカスKを振動させるパラメータ(例えば、液状体Fを加圧する加圧量(引込保持期間W12の「駆動電圧Vh」)や、液状体Fを加圧する加圧速度(押出期間W13の傾き)等)に対応した重量や飛行速度で吐出される。
【0067】
そのため、上記する九十九折状の「目標軌跡R」に沿って吐出ヘッド32の速度・加速
度が変動すると、メニスカスKの位置や形状、圧電素子PZの伸張幅や振動板35の振幅は、ヘッドユニット30の速度・加速度に応じて変動するようになる。その結果、吐出する液滴Fbの重量や飛行速度(着弾する位置)が、対応する「目標位置P」毎に変動するようになる。
【0068】
そこで、本実施形態の液滴吐出装置20では、各「目標位置P」の上方を通過するときのヘッドユニット30(各ノズルN)の速度・加速度を演算させて、吐出する液滴Fbの重量が「目標重量Iw」になるように、引込保持期間W12の「駆動電圧Vh」を補正させるようになっている。すなわち、液滴吐出装置20では、ノズルNの速度・加速度に応じて変動する液滴Fbの重量を、対応する「駆動電圧Vh」によって、補正(重量補正)させるようになっている。
【0069】
しかも、液滴吐出装置20では、各「目標位置P」の上方を通過するときの各ノズルNの速度・加速度と、補正後の「駆動電圧Vh」を利用して、吐出する液滴Fbの「飛行速度Vm」を演算させるようになっている。さらに、液滴吐出装置20では、演算した「飛行速度Vm」を利用して、対応する液滴Fbの着弾する位置(「着弾位置Pe」:図10参照)の座標(「着弾座標Se」:図10参照)を演算させるようになっている。そして、「着弾座標Se」が、対応する「目標位置P」の位置座標(「目標座標Sp」)になるように、各種補正(例えば、液滴Fbを吐出させるタイミングの補正や、液滴Fbを吐出させるノズルNの位置補正等:着弾位置補正)を施すようなっている。
【0070】
そして、図6に示すように、予め選択したノズルNが、対応する「目標位置P」の上方を、着弾位置補正されたタイミングで通過するときに、同ノズルNに対応する圧電素子PZに対して、重量補正された「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1を供給する。すると、「目標重量Iw」からなる液滴Fbが、対応するノズルNから吐出されて、吐出された液滴Fbが、「飛行速度Vm」で飛行して、対応する「着弾座標Se」(「目標位置P」)に着弾する。
【0071】
図4において、ヘッドユニット30であって、その目標軌跡方向RAの反対側には、レーザヘッド37が配設されている。レーザヘッド37の内部には、各ノズルNに対応する複数の半導体レーザLDが、ノズル配列方向Anに沿って配列されている。各半導体レーザLDは、それぞれ半導体レーザLDを駆動制御するための信号(レーザ駆動電圧COM2:図8参照)を受けて、液滴Fbの吸収波長に対応した波長領域のレーザ光Bを、その直下(反Z矢印方向)に出射するようになっている。
【0072】
レーザヘッド37の下端であって、半導体レーザLDの直下(マザー基板2M側)には、各半導体レーザLDに対応する複数の反射ミラーMが、ノズル配列方向Anに沿って配列されている。反射ミラーMは、対応する半導体レーザLDからのレーザ光Bを吐出ヘッド32側に全反射するとともに、全反射したレーザ光Bを、対応する「目標位置P」の目標軌跡方向RAの反対側に導くようになっている。
【0073】
本実施形態では、マザー基板2M上の位置であって、レーザ光Bの光軸が表面2Maと交差する位置を、照射位置Pbとし、照射位置Pbの直交座標系における位置座標を、「照射位置座標Br」という。
【0074】
また、本実施形態では、「着弾座標Se」と「照射位置座標Br」との間の距離を、照射待機距離Lwという。
そして、各「目標位置P」が照射位置Pbに相対するタイミングで、対応する半導体レーザLDにレーザ駆動電圧COM2を供給する。すると、対応する半導体レーザLDからのレーザ光Bが、対応する反射ミラーMに全反射されて、照射位置Pbに位置する液滴F
bの領域に照射される。液滴Fbの領域に照射されたレーザ光Bは、液滴Fbの溶媒あるいは分散媒等を蒸発(乾燥)して、同液滴Fbの金属微粒子を焼成する。これによって、「目標位置P」には、データセルCに対応する所定重量(容積)のドットDが形成される。
【0075】
次に、上記のように構成した液滴吐出装置20の電気的構成を図8に従って説明する。
図8において、液滴吐出装置20には、CPU等からなる制御装置51が設けられている。制御装置51は、基準ノズルNC(第3アーム28cの手先)の現在位置と各種制御プログラムに従って、走行装置23、搬送装置24及びスカラロボット26を駆動するとともに、吐出ヘッド32及びレーザヘッド37を駆動制御させるようになっている。
【0076】
制御装置51には、起動スイッチ、停止スイッチ等の操作スイッチを有した入出力部61が接続されている。入出力部61は、制御装置51からの各種メッセージを表示するとともに、識別コード10に関する情報が既定形式の「描画データIa」として入力されるようになっている。そして、制御装置51は、入出力部61からの描画データIaに所定の展開処理を施してビットマップデータBMDを生成するとともに、ビットマップデータBMDに基づいて各「目標座標Sp」(各「教示座標Tp」)を生成するようになっている。また、制御装置51は、描画データIaに対して、ビットマップデータBMDと異なる展開処理を施して、ドットDのサイズに関する情報、すなわち「目標重量Iw」を生成するようになっている。
【0077】
ビットマップデータBMDは、直交座標系における描画平面(マザー基板2Mの表面2Ma)を仮想分割した各位置に液滴Fbを吐出させるか否かを示すデータであって、各ビットの値(0あるいは1)に応じて、各圧電素子PZを駆動するか否かを規定するデータである。すなわち、ビットマップデータBMDは、「目標軌跡R」に沿って吐出ヘッド32を走査するときに、走査する吐出ヘッド32の各ノズルNから液滴Fbを吐出させるか否かを規定させるためのデータである。
【0078】
制御装置51には、各種RAMやROM等からなる記憶手段としての記憶部52が設けられて、各種演算処理の処理領域として利用されるとともに、各種プログラムや各種データ、さらには各種演算処理の処理結果等が格納されるようになっている。
【0079】
詳述すると、記憶部52には、液滴Fbの吐出重量を補正するための吐出重量設定プログラムPG1や着弾位置を補正するための着弾位置補正プログラムPG2等の各種プログラムが格納されている。また、記憶部52には、前記「目標座標Sp」、前記「目標重量Iw」及び前記ビットマップデータBMDが格納されるようになっている。さらに、記憶部52には、「ノズル番号情報PnI」、「目標関節座標情報BpI」、「速度・加速度情報VaI」、吐出制御情報を構成する「駆動電圧情報VhI」、「飛行速度情報VmI」、「吐出タイミング情報TaI」及び「基準誤差D0」が格納されるようになっている。
【0080】
「ノズル番号情報PnI」は、各ノズルNの位置を識別可能にする識別情報(ノズル番号)を利用して、前記各「目標座標Sp」を、それぞれノズル番号に対応させた情報である。そして、制御装置51は、「ノズル番号情報PnI」を参照して、各「目標座標Sp」に対応する液滴Fbを、それぞれ「目標座標Sp」に対応するノズル番号のノズルNから吐出させるようになっている。
【0081】
「目標関節座標情報BpI」は、各「教示座標Tp」と、各「教示座標Tp」の間を結ぶ複数の「補間点」の座標を、それぞれ対応するスカラロボットの姿勢(各関節の関節座標の組み合わせ)に対応させた情報である。すなわち、「目標関節座標情報BpI」は、
「教示座標Tp」及び「補間点」の座標を、それぞれ対応する「教示座標Tp」あるいは「補間点」の座標に基準ノズルNCを相対させるスカラロボットの姿勢に対応させた情報である。
【0082】
そして、制御装置51は、「目標関節座標情報BpI」をスカラロボット駆動回路64に出力して、各モータM1,M2,M3を駆動制御するとともに、第3アーム28cの手先(基準ノズルNC)を、「教示座標Tp」あるいは各「補間点」に相対させるようになっている。
【0083】
「速度・加速度情報VaI」は、各スカラロボットの姿勢(各関節の関節座標の組み合わせ)に対して、対応する姿勢における各ノズルNの速度(「目標速度」)及び加速度(「目標加速度」)を対応させた情報である。そして、制御装置51は、「速度・加速度情報VaI」を参照して、各スカラロボットの姿勢における各ノズルNからの液滴Fbの「飛行速度Vm」を演算するようになっている。
【0084】
「駆動電圧情報VhI」は、「駆動電圧Vh」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「目標重量Iw」に対応させた情報である。そして、制御装置51は、描画データIaで指定される「目標重量Iw」の液滴Fbを吐出させるための「駆動電圧Vh」を演算するようになっている。そして、制御装置51は、演算した「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1を生成して、同圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて、吐出ヘッド駆動回路65に出力するようになっている。
【0085】
尚、本実施形態の「駆動電圧情報VhI」は、予め試験等に基づいて導き出された多項式等の補間式である。すなわち、「駆動電圧情報VhI」は、予め多数の「目標速度」と「目標加速度」の組み合わせにおいて、液滴Fbの重量が、所定の「目標重量Iw」になるときの「駆動電圧Vh」を計測し、その計測結果に基づいて、全ての「目標速度」及び「目標加速度」(全方位、大きさ)の組み合わせを補間するように設定されている。つまり、「駆動電圧情報VhI」は、「目標重量Iw」の液滴Fbを吐出させるための「駆動電圧Vh」を、全ての「目標速度」及び「目標加速度」(全方位、大きさ)の組み合わせに対して導出可能にした情報である。
【0086】
「飛行速度情報VmI」は、「飛行速度Vm」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「駆動電圧Vh」に対応させた情報である。そして、制御装置51は、「目標速度」、「目標加速度」及び「駆動電圧Vh」に基づいて、「目標重量Iw」からなる液滴Fbの「飛行速度Vm」を演算するとともに、その「飛行速度Vm」を利用して、液滴Fbの「着弾位置Pe」(「着弾座標Se」)を演算するようになっている。
【0087】
尚、本実施形態の「飛行速度情報VmI」は、予め試験等に基づいて導き出された多項式等の補間式である。すなわち、「飛行速度情報VmI」は、予め多数の「目標速度」と「目標加速度」の組み合わせにおいて、液滴Fbの重量が所定の「目標重量Iw」になるときの着弾位置を計測し、その計測結果に基づいて、全ての「目標速度」及び「目標加速度」(全方位、大きさ)の組み合わせを補間するように設定されている。つまり、「飛行速度情報VmI」は、「目標重量Iw」からなる液滴Fbの「飛行速度Vm」を、全ての「目標速度」及び「目標加速度」(全方位、大きさ)の組み合わせに対して導出可能にした情報である。
【0088】
「基準誤差D0」は、「目標位置P」に対応する「着弾位置Pe」の誤差を規定するものであって、「飛行速度Vm」に基づいて演算される液滴Fbの「着弾座標Se」と、対応する「目標座標Sp」との間の距離(着弾誤差Dr)の範囲を規定するものである。そして、制御装置51は、着弾誤差Drが「基準誤差D0」未満であるか否かを判断するよ
うになっている。
【0089】
「吐出タイミング情報TaI」は、「目標座標Sp」とノズル番号の組み合わせを、液滴Fbを吐出させるタイミング(補正時間)に対応させた情報である。尚、本実施形態における補正時間は、ノズル番号に対応するノズルNが、同ノズル番号に対応する「目標座標Sp」(もしくは「補間点」の座標位置)の直上に位置するタイミングを基準とした時間である。
【0090】
そして、「目標座標Sp」(もしくは「補間点」の座標位置)の直上に、対応するノズルNが移動すると、制御装置51は、「吐出タイミング情報TaI」を参照して、同ノズルNに対応する補正時間だけ遅延させたタイミングで、同ノズルNからの液滴Fbを吐出させるようになっている。
【0091】
制御装置51には、補間演算部53が設けられている。補間演算部53は、連続する3つの「教示位置Pt」(「教示座標Tp」(始点も含む))の間の空間を、所定の補間周期(例えば、ビットマップデータBMDの分割周期)で予め設定された補間処理(直線補間、円弧補間、自由曲線補間、あるいはこれらの組み合わせ等)を実行するようになっている。そして、補間演算部53は、連続する3つの「教示座標Tp」の間の空間を結ぶ複数の「補間点」(「目標軌跡R」の一部)の位置座標を直交座標系で順次演算するようになっている。
【0092】
この際、補間演算部53は、連続する3つの中の中間に位置する「教示座標Tp」(中間「教示座標Tp」)に対して、基準ノズルNCに対応するノズル番号を関連付けるようなっている。また、補間演算部53は、中間「教示座標Tp」のノズル配列方向Anにあたる15個の「目標座標Sp」に対して、それぞれ対応するノズルNのノズル番号を関連付けるようになっている。すなわち、補間演算部53は、「補間点」を演算する毎に、中間「教示位置Pt」を含むノズル配列方向Anの16個の「目標位置P」のそれぞれに対して、液滴Fbを吐出させるためのノズルNのノズル番号を関連付けるようになっている。
【0093】
そして、補間演算部53は、ノズル配列方向Anに沿う各「目標座標Sp」をノズル番号に対応させた情報、すなわち前記「ノズル番号情報PnI」を生成して、記憶部に格納させるようになっている。尚、補間演算部53によって、各「目標位置P」に関連付けられたノズル番号のノズルNを、「選択ノズル」という。
【0094】
制御装置51には、逆変換部54が設けられている。逆変換部54は、各「補間点」の位置座標と中間「教示座標Tp」のそれぞれに対して、スカラロボット26の姿勢(各アーム28a,28b,28cの関節座標)を順次演算するようになっている。そして、逆変換部54は、各関節座標の組み合わせを、それぞれ対応する「補間点」もしくは中間「教示位置Pt」に関連付けた情報、すなわち前記「目標関節座標情報BpI」を生成して、記憶部52に格納させるようになっている。
【0095】
この際、逆変換部54は、スカラロボット26の姿勢、各モータM1,M2,M3の最大トルク、各アーム28a,28b,28cのアーム長、慣性モーメント等に基づいて、各関節座標の組み合わせにおけるヘッドユニット30の速度・加速度を直交座標系で演算するようになっている。また、逆変換部54は、演算したヘッドユニット30の速度・加速度とノズルNの形成ピッチ等に基づいて、各関節座標の組み合わせにおける各「ノズルN」の「目標速度」と「目標加速度」を順次演算するようになっている。そして、逆変換部54は、スカラロボット26の姿勢(各関節座標の組み合わせ)毎に、ノズルNのノズル番号に対応した「目標速度」と「目標加速度」の組み合わせに関する情報、すなわち前
記「速度・加速度情報VaI」を生成して、記憶部52に格納させるようになっている。
【0096】
制御装置51には、ビットマップデータ転送部55が設けられている。ビットマップデータ転送部55は、前記「ノズル番号情報PnI」と前記「吐出タイミング情報TaI」に基づいて、ビットマップデータBMDの一部を、吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送するようになっている。
【0097】
詳述すると、ビットマップデータ転送部55は、「ノズル番号情報PnI」に基づいて、描画平面上における各ノズル(「選択ノズル」)の移動経路に対応するビットデータ(ビットマップデータBMDの一部)を順次抽出するようなっている。また、ビットマップデータ転送部55は、順次抽出したビットデータ(ビットマップデータBMDの一部)を、「吐出タイミング情報TaI」の規定するタイミングに基づいて、所定のクロック信号に同期させて、吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送するようになっている。
【0098】
例えば、「吐出タイミング情報TaI」にて、基準ノズルNCが所定の位置(補正位置)を通過するタイミングで、同基準ノズルNCから吐出する液滴Fbの吐出タイミングを所定の時間(補正時間)だけ遅延させるように規定されたとする。すると、ビットマップデータ転送部55は、抽出して順次転送するビットデータ(ビットマップデータBMDの一部)の中から、補正位置の基準ノズルNCに対応するビットデータ(0あるいは1)のみを、所定の時間だけ遅延させた位置で転送するようになっている。これによって、描画平面上における所望する位置の吐出タイミングのみを変更可能にしている。尚、本実施形態では、ビットマップデータ転送部55が吐出ヘッド駆動回路65に転送するビットデータを、「吐出制御信号SI」という。
【0099】
制御装置51には、走行装置駆動回路62が接続されて、走行装置駆動回路62に対応する駆動制御信号を出力するようになっている。走行装置駆動回路62には、走行モータMSと走行モータ回転検出器MSEが接続されて、制御装置51からの駆動制御信号に応答して走行モータMSを正転または逆転させるとともに、走行モータ回転検出器MSEからの検出信号に基づいて、搬送装置24の移動方向及び移動量を演算するようになっている。
【0100】
制御装置51には、搬送装置駆動回路63が接続されて、搬送装置駆動回路63に対応する駆動制御信号を出力するようになっている。搬送装置駆動回路63には、搬送モータMTと搬送モータ回転検出器MTEが接続されて、制御装置51からの駆動制御信号に応答して搬送モータMTを正転または逆転させるとともに、搬送モータ回転検出器MTEからの検出信号に基づいて、搬送アーム24aの移動方向及び移動量を演算するようになっている。
【0101】
制御装置51には、スカラロボット駆動回路64が接続されて、スカラロボット駆動回路64に対応する駆動制御信号(前記「目標関節座標情報BpI」)を出力するようになっている。スカラロボット駆動回路64には、第1モータM1、第2モータM2及び第3モータM3が接続されて、制御装置51からの「目標関節座標情報BpI」に応答して、第1、第2及び第3モータM1,M2,M3を対応する関節座標まで正転または逆転させるようになっている。また、スカラロボット駆動回路64には、第1モータ回転検出器M1E、第2モータ回転検出器M2E及び第3モータ回転検出器M3Eが接続されて、第1、第2及び第3モータ回転検出器M1E,M2E,M3Eからの検出信号に基づいて、第3アーム28cの手先(基準ノズルNC)の移動方向及び移動量を演算するようになっている。
【0102】
そして、制御装置51は、スカラロボット駆動回路64を介して、ヘッドユニット30
を「目標軌跡R」に沿って九十九折り状に走査するとともに、スカラロボット駆動回路64からの演算結果(基準ノズルNCの現在位置)に基づいて、各種制御信号を出力する。すなわち、制御装置51は、基準ノズルNCが走査を開始するタイミングで、吐出ヘッド駆動回路65に対して、所定の周波数(例えば、補間周波数)からなる吐出タイミング信号LPの出力を開始するようになっている。尚、本実施形態では、基準ノズルNCの位置が、各「教示位置Pt」及び各「補間点」に位置するタイミングで、前記吐出タイミング信号LPが出力されるようになっている。
【0103】
制御装置51には、吐出ヘッド駆動回路65が接続されて、前記吐出タイミング信号LPを出力するようになっている。また、制御装置51は、前記圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて、吐出ヘッド駆動回路65に出力するようになっている。さらにまた、制御装置51は、前記ビットマップデータ転送部55を介して、生成した吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送するようになっている。吐出ヘッド駆動回路65は、制御装置51からの吐出制御信号SIを、各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換するようになっている。
【0104】
そして、吐出ヘッド駆動回路65は、制御装置51からの吐出タイミング信号LPを受けると、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIに基づいて選択される圧電素子PZに、それぞれ対応する圧電素子駆動電圧COM1(「駆動電圧Vh」)を供給するようになっている。すなわち、制御装置51は、吐出タイミング信号LPを受ける毎に、吐出制御信号SIで規定されたノズルNから「目標重量Iw」の液滴Fbを吐出し、吐出した液滴Fbを「飛行速度Vm」で飛行させて、対応する「目標位置P」に着弾させるようになっている。
【0105】
また、制御装置51は、吐出ヘッド駆動回路65を介して、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをレーザヘッド駆動回路66に出力するようになっている。
制御装置51には、レーザヘッド駆動回路66が接続されて、所定のクロック信号に同期させたレーザ駆動電圧COM2を出力するようになっている。そして、レーザヘッド駆動回路66は、吐出ヘッド駆動回路65からの吐出制御信号SIを受けると、所定の時間(照射待機時間)だけ待機して、吐出制御信号SIに対応した各半導体レーザLDに、それぞれレーザ駆動電圧COM2を供給するようになっている。尚、本実施形態の照射待機時間は、前記「速度・加速度情報VaI」と「飛行速度Vm」に基づいて設定されている。
【0106】
詳述すると、本実施形態の照射待機時間は、基準ノズルNC(照射位置Pb)の照射待機距離Lw分の走査時間に、対応する液滴Fbの「飛行時間」を加算した時間である。すなわち、照射待機時間は、液滴Fbの吐出動作の開始時(吐出制御信号SIを受けたとき)から、同液滴Fbが対応する照射位置Pbに相対するまでの時間に設定されている。
【0107】
そして、レーザヘッド駆動回路66が吐出ヘッド駆動回路65からの吐出制御信号SIを受ける。すると、制御装置51は、レーザヘッド駆動回路66を介して、ヘッドユニット30を照射待機時間だけ走査して、照射位置Pbが対応する「目標位置P」に位置するタイミングで、「目標位置P」の液滴Fbの領域に向かってレーザ光Bを照射するようになっている。
【0108】
次に、液滴吐出装置20を使って識別コード10を形成する方法について説明する。
はじめに、入出力部61を操作して描画データIaを制御装置51に入力する。すると、制御装置51は、走行装置駆動回路62及び搬送装置駆動回路63を介して、走行装置23及び搬送装置24を駆動制御し、基板ストッカ22のマザー基板2Mを載置台25R(載置台25L)に搬送して載置する。
【0109】
マザー基板2Mを載置すると、制御装置51は、描画データIaに所定の展開処理を施して、ビットマップデータBMD、「目標座標Sp」(「教示座標Tp」)及び「目標重量Iw」を生成し、これらビットマップデータBMD、「目標座標Sp」(「教示座標Tp」)及び「目標重量Iw」を記憶部52に格納する。
【0110】
展開処理して生成した各種情報を格納すると、制御装置51は、スカラロボット駆動回路64を介して、第3アーム28cの手先(基準ノズルNC)を始点まで移動させる。この間、制御装置51は、吐出重量設定プログラムPG1を記憶部52から読み出して、第3アーム28cの手先(基準ノズルNC)の軌跡制御を開始する。
【0111】
すなわち、図9に示すように、制御装置51は、まず補間演算部53を介して、「始点」と、1行目コード領域S1の最も反Y矢印方向側の「教示位置Pt」(第1の「教示位置Pt」)と、第1の「教示位置Pt」のY矢印方向側の「教示位置Pt」(第2の「教示位置Pt」)と、を利用した補間処理を実行する。これによって、制御装置51は、「始点」、第1の「教示位置Pt」、第2の「教示位置Pt」との間に、それぞれ複数の「補間点」を作成して、「始点」、第1の「教示位置Pt」、第2の「教示位置Pt」との間に、それぞれ「補間点」からなる軌跡を作成する。そして、制御装置51は、補間演算部53を介して、第1の「教示位置Pt」を含むノズル配列方向Anの各「目標位置P」に対して、液滴Fbを吐出させるためのノズルNのノズル番号を関連付けて、「ノズル番号情報PnI」として格納する(ステップS11)。
【0112】
「ノズル番号情報PnI」を格納すると、制御装置51は、逆変換部54を介して、各「補間点」及び第1の「教示位置Pt」に対応する各関節座標の組み合わせを演算して、「目標関節座標情報BpI」を生成する。各「目標関節座標情報BpI」を生成すると、制御装置51は、各関節座標の組み合わせ(基準ノズルNCを各「補間点」及び第1の「教示位置Pt」に相対させるスカラロボット26の姿勢)に対して、各ノズルNのノズル番号に対応した「目標速度」と「目標加速度」の組み合わせを演算する。そして、制御装置51は、各スカラロボットの姿勢に対して、対応する姿勢における各ノズルNの「目標速度」と「目標加速度」の双方を対応させた「速度・加速度情報VaI」を生成する。(ステップS12)。
【0113】
「速度・加速度情報VaI」を生成すると、制御装置51は、記憶部52の「駆動電圧情報VhI」と「速度・加速度情報VaI」を参照して「駆動電圧Vh」を演算する。すなわち、制御装置51は、各「補間点」及び第1の「教示位置Pt」に対応する全てのノズルN(全てのノズル番号)に対して、それぞれ液滴Fbの重量を「目標重量Iw」にするための「駆動電圧Vh」を演算する(ステップS13)。
【0114】
「駆動電圧Vh」を演算すると、制御装置51は、記憶部52の飛行速度情報VmIと「速度・加速度情報VaI」を参照して、各「補間点」及び第1の「教示位置Pt」に対応する全てのノズルN(全てのノズル番号)に対して、「目標重量Iw」からなる液滴Fbの「飛行速度Vm」を演算する(ステップ14)
「飛行速度Vm」を演算すると、制御装置51は、「速度・加速度情報VaI」及び「飛行速度Vm」に基づいて、各「補間点」及び第1の「教示位置Pt」における全てのノズルN(全てのノズル番号)に対して、「目標重量Iw」からなる液滴Fbの「着弾位置Pe」(「着弾座標Se」)を演算する(ステップS15)。
【0115】
すなわち、図10に示すように、制御装置51は、基準ノズルNCを第1の「教示位置Pt」に相対させるスカラロボット26の姿勢において、選択ノズルに対応する各「着弾位置Pe」を、それぞれ「第1着弾位置P1」(第1着弾座標T1)として演算する。ま
た、制御装置51は、基準ノズルNCを各「補間点」に相対させるスカラロボット26の姿勢において、選択ノズルに対応する各「着弾位置Pe」を「補間着弾位置PS」(補間着弾座標TS)として演算する。
【0116】
同様にして、制御装置51は、基準ノズルNCを第1の「教示位置Pt」に相対させるスカラロボット26の姿勢において、選択ノズル以外のノズルNに対応する「着弾位置Pe」(「着弾座標Se」)を演算する。また、制御装置51は、基準ノズルNCを各「補間点」に相対させるスカラロボット26の姿勢において、選択ノズル以外のノズルNに対応する「着弾位置Pe」(「着弾座標Se」)を演算する。
【0117】
各「着弾座標Se」を演算すると、制御装置51は、各選択ノズルに対応する「第1着弾座標T1」と、対応する「目標座標Sp」との間の距離(着弾誤差Dr)が、それぞれ「基準誤差Dp」以上であるか否かを判断する。(ステップS16)。
【0118】
そして、図10に示すように、各着弾誤差Drが「基準誤差Dp」未満である(「第1着弾座標T1」が図10における2点鎖線の円内に位置する)と判断する(ステップS16においてYES)。すると、制御装置51は、第1の「教示位置Pt」(各目標位置P)の直上に基準ノズルNC(選択ノズル)が位置するタイミングで、対応する選択ノズルからの液滴Fbを吐出させるように「吐出タイミング情報TaI」を生成する(ステップS17)。すなわち、各ノズル番号に対応する補正時間を0秒にした「吐出タイミング情報TaI」を生成する。
【0119】
「吐出タイミング情報TaI」を生成すると、制御装置51は、「吐出タイミング情報TaI」と「ノズル番号情報PnI」を参照して、第1の「教示位置Pt」のノズル配列方向Anに対応するノズルNの数量分のビットデータをビットマップデータBMDから抽出する。また、制御装置51は、抽出したビットデータからなる吐出制御信号SIを生成して、同吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送する。
【0120】
そして、制御装置51は、選択ノズルの各々に対応する「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1をそれぞれ生成して、各圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて、吐出ヘッド駆動回路65に出力し、吐出重量設定プログラムPG1を終了する(ステップS18)。
【0121】
一方、着弾誤差Drが「基準誤差Dp」以上である(「第1着弾座標T1」が図11及び図12における2点鎖線の円外に位置する)と判断すると(ステップS16においてNO)。すると、制御装置51は、着弾位置補正プログラムPG2を実行する(ステップS20)。尚、本実施形態では、着弾誤差Drが「基準誤差Dp」以上になる「目標位置P」(「目標座標Sp」)を、「補正用目標位置PH」(「補正用目標座標SH」)とし、補正用目標位置PHに関連付けられたノズルNを補正用ノズルという。
【0122】
着弾位置補正プログラムPG2を実行すると、図13に示すように、制御装置51は、まず補正用ノズルの吐出タイミングの変更によって補正可能か否かを判断する(ステップS21)。すなわち、「補正用目標座標SH」近傍の「第1着弾座標T1」及び「補間着弾座標TS」が、同「補正用目標座標SH」の目標軌跡方向RAに位置するか否かを判断する。
【0123】
そして、図11に示すように、「第1着弾位置T1」及び「補間着弾座標TS」が目標軌跡方向RAに沿って位置すると判断する(ステップ21おいてYES)。すると、制御装置51は、「補正用目標座標SH」に対して目標軌跡方向RAの反対側に位置する「補間着弾座標TS」と、同「補正用目標座標SH」との間の距離(補正距離LH)を演算す
る。補正距離LHを演算すると、制御装置51は、補正距離LH及び「速度・加速度情報VaI」に基づいて、補正距離LH分に相対する吐出ヘッド32の走査時間(補正時間)を演算する。補正時間を演算すると、制御装置51は、補正用ノズルと「補正用目標座標SH」との組み合わせに対して、補正時間を設定する。すなわち、制御装置51は、補正用ノズルに対して、「補間着弾座標TS」の直上に位置するタイミングから補正時間分だけ遅延させて吐出させるための「吐出タイミング情報TaI」を生成して記憶部52に格納する(ステップS22)。
【0124】
「吐出タイミング情報TaI」を格納すると、制御装置51は、「吐出タイミング情報TaI」と「ノズル番号情報PnI」を参照して、第1の「教示位置Pt」のノズル配列方向Anに対応するノズルNの数量分のビットデータをビットマップデータBMDから抽出する。また、制御装置51は、抽出したビットデータに対して「吐出タイミング情報TaI」に従う遅延処理を施して吐出制御信号SIを生成し、同吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送する。
【0125】
そして、制御装置51は、選択ノズルの各々に対応する「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1をそれぞれ生成して、各圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて吐出ヘッド駆動回路65に出力し、着弾位置補正プログラムPG2を終了する(ステップS23)
一方、「補正用目標座標SH」の目標軌跡方向RAの反対側に「第1着弾位置T1」及び「補間着弾座標TS」がないと判断すると(ステップS21おいてNO)、制御装置51は、隣接するノズルNによって補正可能か否かを判断する。すなわち、隣接するノズルNに対応する「第1着弾座標T1」、「補間着弾座標TS」及び「着弾座標Se」の中から、「補正用目標座標SH」との間の距離が「基準誤差Dp」未満となる「第1着弾座標T1」、「補間着弾座標TS」、「着弾座標Se」があるか否かを判断する(ステップS24)。
【0126】
そして、図12に示すように、「補正用目標座標SH」との間の距離が「基準誤差Dp」未満となる隣接するノズルNの「第1着弾座標T1」あるいは「着弾座標Se」がある(隣接するノズルNの「第1着弾座標T1」あるいは「着弾座標Se」が図12における2点鎖線の円内に位置する)と判断する(ステップ24においてYES)。すると、制御装置51は、「補正用目標座標SH」を、それぞれ隣接するノズルNのノズル番号に関連付けた「ノズル番号情報PnI」を生成して記憶部52に格納する(ステップS25)。
【0127】
「ノズル番号情報PnI」を格納すると、制御装置51は、「吐出タイミング情報TaI」と「ノズル番号情報PnI」を参照して、第1の「教示位置Pt」のノズル配列方向Anに対応するノズルNの数量分のビットデータをビットマップデータBMDから抽出する。また、制御装置51は、抽出したビットデータに対して「ノズル番号情報PnI」に従う並べ替え処理を施した吐出制御信号SIを生成し、同吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路65に順次シリアル転送する。
【0128】
そして、制御装置51は、選択ノズルの各々に対応する「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1をそれぞれ生成して、各圧電素子駆動電圧COM1を所定のクロック信号に同期させて吐出ヘッド駆動回路65に出力し、着弾位置補正プログラムPG2を終了する(ステップS23)
一方、隣接するノズルNによって補正が不可能であると判断すると(ステップS23においてNO)、制御装置51は、補間演算部53による補間処理、すなわち軌跡作成の設定を変更する旨のメッセージを入出力部61に表示させて着弾位置補正プログラムPG2を終了する(ステップS25)。
【0129】
吐出重量設定プログラムPG1(着弾位置補正プログラムPG2)を終了すると、制御装置51は、スカラロボット駆動回路64を介してスカラロボット26を駆動制御し、「目標関節座標情報BpI」に基づくヘッドユニット30の走査を開始する。
【0130】
すると、制御装置51は、スカラロボット駆動回路64の演算する基準ノズルNC(第3アーム28cの手先)の現在位置に基づいて、基準ノズルNCが「補間点」及び「教示位置Pt」の直上に位置するタイミングで、吐出ヘッド駆動回路65に対して吐出タイミング信号LPを出力する。吐出ヘッド駆動回路65は、制御装置51からの吐出制御信号SIを圧電素子PZに対応させてシリアル/パラレル変換する。そして、吐出ヘッド駆動回路65は、吐出タイミング信号LPを受けるタイミングで、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIに基づいて選択される圧電素子PZ(選択ノズル)に、それぞれ対応する圧電素子駆動電圧COM1(「駆動電圧Vh」)を供給する。また、吐出ヘッド駆動回路65は、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをレーザヘッド駆動回路66に出力する。
【0131】
この際、各圧電素子PZには、対応するノズルNの「目標速度」及び「目標加速度」に対応して、液滴Fbの重量を「目標重量Iw」にさせる「駆動電圧Vh」が付与される。しかも、各圧電素子PZには、吐出する液滴Fbの「飛行速度Vm」(「着弾位置Pe」)に基づいて、対応する「目標位置P」との間の距離を短縮させる着弾位置補正の施された圧電素子駆動電圧COM1が供給される。
【0132】
従って、吐出された液滴Fbは、その重量を「目標重量Iw」にするととともに、「飛行速度Vm」で飛行して、対応する「目標位置P」の領域に対して位置ズレすることなく着弾する。
【0133】
そして、吐出動作の開始から照射待機時間だけ経過すると、制御装置51は、各照射位置Pbを「目標位置P」に相対させて、吐出制御信号SIに基づいて選択された半導体レーザLDに、それぞれレーザ駆動電圧COM2を供給し、選択された半導体レーザLDから一斉にレーザ光Bを出射する。
【0134】
半導体レーザLDから出射されたレーザ光Bは、反射ミラーMに全反射されて、照射位置Pb(「目標位置P」)の液滴Fbの領域に照射される。レーザ光Bの照射された液滴Fbは、その溶媒あるいは分散媒の蒸発と金属微粒子の焼成によってドットDとして表面2Maに固着する。これによって、第1の「教示位置Pt」のノズル配列方向Anに対応する各目標位置Pに対応したドットDが形成される。
【0135】
以後同様に、制御装置51は、ヘッドユニット30を「目標軌跡R」に沿うように順次走査して、スカラロボット駆動回路64の演算する基準ノズルNC(第3アーム28cの手先)が「補間点」及び「教示位置Pt」の直上に位置するタイミングで、吐出タイミング信号LPを出力する。そして、吐出制御信号SIに基づいて選択される圧電素子PZ(選択ノズル)に、それぞれ対応する圧電素子駆動電圧COM1(「駆動電圧Vh」)を供給する。
【0136】
これによって、「目標重量Iw」からなる液滴Fbを「目標位置P」に着弾させることができ、同液滴Fbの領域にレーザ光Bを照射させることができる。そして、マザー基板2Mの各コード領域S内に、均一な形状のドットDを形成させることができる。
【0137】
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、「駆動電圧Vh」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「目標重量Iw」に対応させて、「駆動電圧情報VhI」として記憶部52に格納した。
そして、「駆動電圧情報VhI」に基づいて、ノズルNの「目標速度」及び「目標加速度」、さらには描画データIaで指定された「目標重量Iw」に対応する「駆動電圧Vh」を演算し、その「駆動電圧Vh」からなる圧電素子駆動電圧COM1を生成して、対応する圧電素子PZに供給させるようにした。
【0138】
従って、ヘッドユニット30を高速移動したり、加速又は減速させたりする場合であっても、液滴Fbの重量を「目標重量Iw」にすることができる。その結果、液滴Fbの吐出動作を安定化させることができ、ドットDの生産性を向上させることができる。
(2)しかも、「目標速度」と「目標加速度」の双方に基づいて、「駆動電圧Vh」を演算させるようにした。その結果、「目標速度」と「目標加速度」のいずれか一方に基づいて演算させる場合に比べて、吐出ヘッド32の運動状態を詳細に反映させることができ、より正確に液滴Fbの重量を制御させることができる。
(3)上記実施形態によれば、「飛行速度Vm」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「駆動電圧Vh」に対応させて、飛行速度情報VmIとして記憶部52に格納した。そして、飛行速度情報VmIに基づいて、ノズルNの「目標速度」及び「目標加速度」、さらには前記「駆動電圧Vh」に対応する「飛行速度Vm」を演算させて、その「飛行速度Vm」を利用して、液滴Fbの着弾位置Pe(「着弾座標Se」)を演算させるようにした。また、演算させた「着弾座標Se」と「目標座標Sp」との間の距離を短縮させるように各種補正を実行させるようにした。
【0139】
従って、ヘッドユニット30を高速移動したり、加速又は減速させたりする場合であっても、液滴Fbの着弾位置Peの位置精度を維持する、あるいは向上させることができる。その結果、液滴Fbの吐出動作を安定化させることができ、ドットDの生産性を向上させることができる。
(4)しかも、「目標速度」と「目標加速度」の双方に基づいて、「着弾座標Se」を演算させるようにした。その結果、「目標速度」と「目標加速度」のいずれか一方に基づいて規定させる場合に比べて、吐出ヘッド32の運動状態を詳細に反映させることができ、より正確に着弾位置を制御させることができる。
(5)上記実施形態によれば、「着弾座標Se」と「目標座標Sp」の位置関係に基づいて、液滴Fbを吐出させるタイミングの変更、あるいは液滴Fbを吐出させるノズルNの変更を施して「着弾座標Se」と「目標座標Sp」との間の距離を短縮させるようにした。従って、着弾位置の位置補正方法を拡大させることができ、液滴Fbの吐出動作を、より安定化させることができる。
(6)上記実施形態によれば、液滴Fbを吐出させるタイミングの補正と、液滴Fbを吐出させるノズル番号の補正の双方で、「着弾座標Se」と「目標座標Sp」との間の距離を基準誤差D0未満に補正できない場合には、補間処理の設定変更を促す旨のメッセージを表示させるようにした。従って、目標位置Pに対応した目標軌跡Rの作成を円滑に進めることができ、ドットDの生産性を、さらに向上させることができる。
【0140】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、補間処理で生成した「補間点」に基づいて、「目標速度」及び「目標加速度」を演算する構成にした。これに限らず、例えば、吐出ヘッド32の走査時間が最短になるように、補間処理において、予め最大となる「目標速度」及び「目標加速度」を設定し、同「目標速度」及び「目標加速度」に対応した補間処理を実行するようにしてもよく、「目標速度」あるいは「目標加速度」に基づいて吐出制御する構成であればよい。
・上記実施形態では、「目標速度」及び「目標加速度」の双方に基づいて吐出制御させる構成にした。これに限らず、例えば、「目標速度」のみに基づいて吐出制御させる構成にしてもよく、あるいは「目標加速度」のみに基づいて吐出制御させる構成にしてもよい。これによれば、演算速度を高速化させることができ、軌跡(補間点)等の演算による工程
遅延を回避することができる。
・上記実施形態では、「教示位置Pt」と「補間点」に基づいて、「目標速度」及び「目標加速度」を演算する構成にした。これに限らず、例えばヘッドユニット30に速度・加速度センサを設け、速度・加速度センサの検出する速度及び加速度に基づいて、吐出制御させる構成にしてもよく、速度・加速度の演算あるいは計測方法に限定されるものではない。
・上記実施形態では、「駆動電圧情報VhI」を補間式として具体化したが、これに限らず、「駆動電圧Vh」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「目標重量Iw」に対応させたルックアップテーブルであってもよく、「駆動電圧Vh」を、「目標速度」、「目標加速度」及び「目標重量Iw」に基づいて導出可能な情報であればよい。
・上記実施形態では、「飛行速度情報VmI」を補間式として具体化した。これに限らず「飛行速度情報VmI」は、「飛行速度Vm」を、「目標速度」、「目標加速度」、「目標重量Iw」及び「駆動電圧Vh」に対応させたルックアップテーブルであってもよく、「目標速度」、「目標加速度」、「目標重量Iw」及び「駆動電圧Vh」に基づいて「飛行速度Vm」を導出可能な情報であればよい。
・上記実施形態では、ノズル配列方向Anを目標軌跡方向RAと直交するように構成した。これに限らず、ノズル配列方向Anを目標軌跡方向RAに傾斜させるように構成してもよい。これによれば、ノズル配列方向Anを傾斜させる分だけ、目標軌跡方向RAから見たノズルNの形成ピッチを縮小させることができ、液滴吐出装置20を、より微細なパターンの描画に対応させることができる。
・上記実施形態では、圧電素子駆動電圧COM1の「駆動電圧Vh」に基づいて液滴Fbの重量を制御させる構成にした。これに限らず、圧電素子駆動電圧COM1の駆動波形によって液滴Fbの重量を制御させる構成にしてもよい。例えば、引込保持期間W12の時間や押出期間W13の時間等、液状体Fを加圧する加圧速度等を変量して液滴Fbの重量を制御させる構成にしてもよい。さらには、圧電素子駆動電圧COM1を短期間に連続して供給し、押出期間W13の回数によって、同位置に着弾可能な連続する液滴Fbの数量(総重量)を制御させる構成にしてもよい。
・上記実施形態では、液滴Fbを吐出させるタイミングの補正と、液滴Fbを吐出させるノズル番号の補正の双方で、「着弾座標Se」と「目標座標Sp」との間の距離を「基準誤差D0」未満に補正できない場合には、補間処理の設定変更を促す旨のメッセージを表示させるようにした。これに限らず、例えば、「着弾座標Se」と「目標座標Sp」の位置関係に基づいて、「着弾座標Se」を「目標座標Sp」に対応させるための補間パラメータを制御装置51に変更させて、別途補間処理(「補間点」の演算)を実行させる構成にしてもよい。
・上記実施形態では、ヘッドユニット30にレーザヘッド37を搭載する構成にしたが、これに限らず、レーザヘッド37を搭載しない構成であってもよい。これによれば、液滴吐出ヘッド32の移動速度を、より高速で制御することができ、識別コード10の生産性を向上させことができる。
・上記実施形態では、移動手段を多関節ロボットに具体化したが、これに限らず、ヘッドユニット30を対象物上で移動可能な手段であればよい。
・上記実施形態では、液滴Fbの領域に照射するレーザ光Bによって、液滴Fbを乾燥・焼成する構成にした。これに限らず、例えば照射するレーザ光Bのエネルギーによって、液滴Fbを所望の方向に流動させる構成にしてもよく、あるいは液滴Fbの外縁のみに照射して液滴Fbをピニングする構成にしてもよい。すなわち、液滴Fbの領域に照射するレーザ光Bによって液滴Fbからなるパターンを形成する構成であればよい。
・上記実施形態では、液滴Fbによって半円球状のドットDを形成する構成にしたが、これに限らず、例えば、楕円形状のドットや線状のパターンを形成する構成であってもよい。
・上記実施形態では、吐出した液滴Fbによって識別コード10のドットDを形成する構成にした。これに限らず、例えば液晶表示装置1や、平面状の電子放出素子を備えて同素
子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型装置(FEDやSED等)に設けられる各種薄膜、金属配線、カラーフィルタ等を形成する構成にしてもよく、着弾した液滴Fbによってパターンを形成する構成であればよい。
・上記実施形態では、対象物をマザー基板2Mに具体化したが、これに限らず、例えばシリコン基板やフレキシブル基板、あるいは金属基板等であってもよく、着弾した液滴Fbによってパターンを形成する対象物であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本実施形態における液晶表示装置を示す平面図。
【図2】同じく、液滴吐出装置を示す概略斜視図。
【図3】同じく、液滴吐出装置を示す概略平面図。
【図4】同じく、ヘッドユニットを示す概略側面図。
【図5】同じく、液滴吐出ヘッドを示す斜視図。
【図6】同じく、液滴吐出ヘッドを説明する説明図。
【図7】同じく、圧電素子駆動電圧を説明するタイミングチャート。
【図8】同じく、液滴吐出装置の電気的構成を示す電気ブロック回路図。
【図9】同じく、吐出重量設定プログラムを説明するフローチャート。
【図10】同じく、吐出重量設定プログラムを説明する説明図。
【図11】同じく、着弾位置補正プログラムを説明する説明図。
【図12】同じく、着弾位置補正プログラムを説明する説明図。
【図13】同じく、着弾位置補正プログラムを説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0142】
2M…対象物としてのマザー基板、20…液滴吐出装置、26…移動手段としての多関節ロボット、32…液滴吐出ヘッド、52…記憶手段としての記憶部、F…液状体、Fb…液滴、P…目標位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物上で移動する液滴吐出ヘッドの圧力室に貯留されたパターン形成材料を含む液状体を加圧して、前記液状体の液滴を吐出口から前記対象物に向かって吐出し、前記対象物に着弾した前記液滴によってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、
前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて吐出制御するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン形成方法において、
前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパターン形成方法において、
前記液滴の重量が所定の重量になるように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量と前記圧力室を加圧する加圧速度のいずれか一方を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】
請求項3に記載のパターン形成方法において、
所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記圧力室を加圧するタイミングを、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて制御するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のパターン形成方法において、
所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて複数の前記吐出口の中から選択するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1つに記載のパターン形成方法において、
所定の重量からなる前記液滴が前記目標位置に着弾するように、前記対象物に対する前記液滴吐出ヘッドの移動経路を、前記液滴吐出ヘッドの速度又は加速度に基づいて変更させるようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】
圧力室の液状体を加圧して前記液状体の液滴を吐出口から吐出させる加圧手段を有した液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを対象物の上方で移動させる移動手段と、
前記加圧手段と前記移動手段を駆動制御して、前記対象物に向かって前記液滴を吐出させるとともに、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて吐出制御する吐出制御手段と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液滴吐出装置において、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドの加速度を、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室
を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか1つに対応させる吐出制御情報を記憶した記憶手段を備え、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの加速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項10】
請求項7又は8に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの加速度に基づいて選択することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項11】
請求項9に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、
前記記憶手段は、前記液滴吐出ヘッドの加速度を、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置に対応させる吐出制御情報を記憶し、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの加速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項12】
圧力室の液状体を加圧して前記液状体の液滴を吐出口から吐出させる加圧手段を有した液滴吐出ヘッドと、
前記液滴吐出ヘッドを対象物の上方で移動させる移動手段と、
前記加圧手段と前記移動手段を駆動制御して、前記対象物に向かって前記液滴を吐出させるとともに、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて吐出制御する吐出制御手段と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項13】
請求項12に記載の液滴吐出装置において、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項14】
請求項13に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドの速度を、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか1つに対応させる吐出制御情報を記憶した記憶手段を備え、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、少なくとも前記圧力室を加圧する加圧量、前記圧力室を加圧する加圧速度、前記圧力室を加圧するタイミングのいずれか一つを、前記液滴吐出ヘッドの速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項15】
請求項12又は13に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を
吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの速度に基づいて選択することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項16】
請求項14に記載の液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドは、複数の前記圧力室に対応する複数の前記加圧手段と、複数の前記圧力室に対応する複数の吐出口と、を備え、
前記記憶手段は、前記液滴吐出ヘッドの速度を、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置に対応させる吐出制御情報を記憶し、
前記吐出制御手段は、前記液滴が前記対象物の目標位置に着弾するように、前記液滴を吐出する前記吐出口の位置を、前記液滴吐出ヘッドの速度と前記記憶手段の記憶する前記吐出制御情報に基づいて制御することを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−136431(P2007−136431A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337672(P2005−337672)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】