説明

パルス信号出力回路およびシフトレジスタ

【課題】安定して動作することが可能なパルス信号出力回路及びそれを含むシフトレジスタを提供する。
【解決手段】酸化物半導体を用いたトランジスタを複数用いて、パルス信号出力回路を構成する。また、パルス信号出力回路の動作に応じて、酸化物半導体を用いたトランジスタのしきい値電圧を変動させる。また、該パルス信号出力回路を含むシフトレジスタを構成する。これにより、安定して動作することが可能なパルス信号出力回路及びそれを含むシフトレジスタを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示する発明は、パルス信号出力回路およびシフトレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などに用いられているように、ガラス基板などの平板に形成されるトランジスタは、主にアモルファスシリコン又は多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて作製される。アモルファスシリコンを用いたトランジスタは、電界効果移動度が低いもののガラス基板の大面積化に対応することができる。一方、多結晶シリコンを用いたトランジスタは、電界効果移動度が高いもののレーザアニールなどの結晶化工程が必要であり、ガラス基板の大面積化には必ずしも適応しないといった特性を有している。
【0003】
これに対し、半導体材料として酸化物半導体を用いるトランジスタが注目されている。例えば、半導体材料として酸化亜鉛又はIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いてトランジスタを作製し、画像表示装置のスイッチング素子として用いる技術が特許文献1及び特許文献2で開示されている。
【0004】
酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、アモルファスシリコンを用いたトランジスタよりも高い電界効果移動度が得られている。また、酸化物半導体層は、スパッタ法などによって300℃以下の温度で成膜が可能であり、多結晶シリコンを用いたトランジスタよりも作製が容易である。
【0005】
このような酸化物半導体を用いて作製されたトランジスタは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ又は電子ペーパーなどの表示装置の画素部及び駆動回路を構成するスイッチング素子に適用されることが期待されている。例えば、上記の酸化物半導体を用いて作製されたトランジスタによって表示装置の画素部及び駆動回路を構成する技術が非特許文献1で開示されている。
【0006】
ただし、上記の酸化物半導体を用いて作製されたトランジスタは、全てnチャネル型トランジスタである。そのため、酸化物半導体を用いて作製したトランジスタを用いて駆動回路を構成する場合、当該駆動回路は、nチャネル型トランジスタのみによって構成されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−123861号公報
【特許文献2】特開2007−96055号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】T.Osada,他8名,「Development of Driver−Integrated Panel using Amorphous In−Ga−Zn−Oxide TFT」,SID ’09 DIGEST,pp.184−187(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
表示装置等に用いられる駆動回路は、パルス信号出力回路を含むシフトレジスタなどによって構成される。当該シフトレジスタが、チャネル領域が酸化物半導体によって構成されるトランジスタによって構成される場合、しきい値電圧の変動等により、トランジスタがディプレッション型(ノーマリーオンともいう)になることがある。ノーマリーオンの場合には、トランジスタからのリーク電流により、消費電力の増大、及び出力信号の異常といった誤動作の原因になるといった問題がある。
【0010】
上述のしきい値電圧の変動の程度は、基板毎に異なるといったばらつきが生じることもあり、予めノーマリーオンとなる際の対策を講じた回路設計では、そのばらつきにまで対応することは難しくなるといった問題もあり得る。そのため、トランジスタの特性がノーマリーオンとなるしきい値電圧のシフトの大きさに関わらず、消費電力の増加、誤動作のない駆動回路となる回路設計であることが求められる。
【0011】
上述の問題に鑑み、安定して動作することが可能なパルス信号出力回路及びそれを含むシフトレジスタを提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、酸化物半導体を用いたトランジスタを複数用いて構成されたパルス信号出力回路である。また、パルス信号出力回路の動作に応じて、酸化物半導体を用いたトランジスタのしきい値電圧を変動させる。また、本発明の一態様は、該パルス信号出力回路で構成されたシフトレジスタである。
【0013】
しきい値電圧を制御できるトランジスタの一例としては、第1のゲート端子(第1のゲートとも記す)と、第2のゲート端子(第2のゲートとも記す)と、ドレイン端子(ドレインとも記す)と、ソース端子(ソースとも記す)を含む少なくとも4つの端子を有する素子が挙げられる。前述の4端子のトランジスタは、半導体膜においてドレイン領域とソース領域との間にチャネル領域を有しており、チャネル領域を介してドレイン領域とソース領域の間に電流を流すことができる。前述の4端子のトランジスタでは、チャネル領域の上下に第1のゲート及び第2のゲートが配置され、第1のゲートにトランジスタの導通(オン状態)又は非導通(オフ状態)といったスイッチングを制御する信号が供給され、第2のゲートにトランジスタのしきい値電圧を制御する信号が供給される。
【0014】
なお、前述の4端子のトランジスタでは、高電位(例えば、VDD)を供給するための配線側に接続される端子をドレイン端子、低電位(例えば、VSS)を供給するための配線側に接続される端子をソース端子として説明することもあるが、ドレイン端子及びソース端子を、第1の端子及び第2の端子として説明することもある。
【0015】
前述の4端子のトランジスタを複数用いて、パルス信号出力回路を構成する。
【0016】
本発明の一態様は、ソース端子、ドレイン端子、第1のゲート端子、及び第2のゲート端子を有する第1乃至第10のトランジスタ、第1乃至第4の入力端子、第1及び第2の出力端子、並びに第1乃至第4の電源線を有し、第1のトランジスタは、ドレイン端子が第1の入力端子と接続され、ソース端子が第1の出力端子と接続され、第2のトランジスタは、ドレイン端子が第1の出力端子と接続され、ソース端子が第1の電源線と接続され、第3のトランジスタは、ドレイン端子が第1の入力端子と接続され、ソース端子が第2の出力端子と接続され、第4のトランジスタは、ドレイン端子が第2の出力端子と接続され、ソース端子が第1の電源線と接続され、第5のトランジスタは、ドレイン端子が第2の電源線と接続され、ソース端子が第6のトランジスタのドレイン端子及び第7のトランジスタのドレイン端子と接続され、第6のトランジスタは、ソース端子が第1の電源線と接続され、第1のゲート端子が第8のトランジスタのソース端子、第9のトランジスタのドレイン端子、第2のトランジスタの第1のゲート端子、及び第4のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、第7のトランジスタは、ソース端子が第1のトランジスタの第1のゲート端子及び第3のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、第1のゲート端子が第2の電源線と接続され、第8のトランジスタは、ドレイン端子が第10のトランジスタのソース端子と接続され、第1のゲート端子が第2の入力端子と接続され、第2のゲート端子が第3の電源線と接続され、第9のトランジスタは、ソース端子が第1の電源線と接続され、第10のトランジスタは、ドレイン端子が第2の電源線と接続され、第1のゲート端子が第3の入力端子と接続され、第2のゲート端子が第3の電源線と接続され、第1の出力端子は、第1のトランジスタの第2のゲート端子、第3のトランジスタの第2のゲート端子と接続され、第4の入力端子は、第5のトランジスタの第1のゲート端子及び第2のゲート端子、第9のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、第3の電源線は、第2のトランジスタの第2のゲート端子、第4のトランジスタの第2のゲート端子、第6のトランジスタの第2のゲート端子、第9のトランジスタの第2のゲート端子と接続され、第4の電源線は、第7のトランジスタの第2のゲート端子と接続されるパルス信号出力回路である。
【0017】
上記構成において、さらに容量素子を有し、容量素子は、第2のトランジスタの第1のゲート端子、第4のトランジスタの第1ゲート端子、第6のトランジスタの第1のゲート端子、第8のトランジスタのソース端子、及び第9のトランジスタのドレイン端子に電気的に接続されていてもよい。
【0018】
また、上記各構成において、さらに第11のトランジスタを有し、第11のトランジスタのドレイン端子は、第2の電源線に接続され、第11のトランジスタのソース端子は、第2のトランジスタの第1のゲート端子、第4のトランジスタの第1のゲート端子、第6のトランジスタの第1のゲート端子、第8のトランジスタのソース端子、及び第9のトランジスタのドレイン端子に接続されていてもよい。
【0019】
上記各構成において、第1の電源線には、第1の電位が与えられ、第2の電源線には、第1の電位よりも高い第2の電位が与えられ、第4の電源線には、第1の電位と第2の電位との間の第3の電位が与えられ、第3の電源線には、第3の電位よりも低い電位が与えられる。
【0020】
また、上記構成において、第1の入力端子に第1のクロック信号が入力され、第2の入力端子に第2のクロック信号が入力され、第3の入力端子に第3のクロック信号が入力され、第4の入力端子に第4のクロック信号が入力される。
【0021】
上記構成のパルス信号出力回路を複数用いてシフトレジスタを構成することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様により、安定して動作することが可能なパルス信号出力回路及びそれを含むシフトレジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】パルス信号出力回路、およびシフトレジスタの構成例を示す図。
【図2】シフトレジスタのタイミングチャート。
【図3】シフトレジスタのタイミングチャート。
【図4】パルス信号出力回路の動作を説明する図。
【図5】パルス信号出力回路の動作を説明する図。
【図6】パルス信号出力回路の構成例を示す図。
【図7】パルス信号出力回路、およびシフトレジスタの構成例を示す図。
【図8】シフトレジスタのタイミングチャート。
【図9】パルス信号出力回路の動作を説明する図。
【図10】パルス信号出力回路の動作を説明する図。
【図11】パルス信号出力回路、およびシフトレジスタの構成例を示す図。
【図12】トランジスタの構成例を示す図。
【図13】トランジスタの作製方法の例を示す図。
【図14】半導体装置の一形態を説明する図。
【図15】電子機器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
【0026】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0027】
なお、本明細書等において「上」や「下」という用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」という表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。また、「上」「下」という用語は説明の便宜のために用いる表現に過ぎない。
【0028】
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」という用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0029】
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0030】
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
【0031】
(実施の形態1)
本実施の形態では、パルス信号出力回路、およびパルス信号出力回路を含むシフトレジスタの構成例およびその動作に関して図1乃至図6を参照して説明する。
【0032】
〈回路構成〉
はじめに、パルス信号出力回路、およびパルス信号出力回路を含むシフトレジスタの回路構成例について図1を参照して説明する。
【0033】
本実施の形態で示すシフトレジスタは、第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_n(nは2以上の自然数)と、クロック信号を伝達する信号線11〜信号線14を有する(図1(A)参照)。信号線11にはクロック信号CLK1が与えられ、信号線12にはクロック信号CLK2が与えられ、信号線13にはクロック信号CLK3が与えられ、信号線14にクロック信号CLK4が与えられる。
【0034】
クロック信号は、一定の間隔で高電位であるHigh信号(以下、H信号と記す)と、低電位であるLow信号(以下、L信号と記す)を繰り返す信号である。ここでは、クロック信号CLK1〜クロック信号CLK4は、1/4周期ずつ遅延した信号とする。本実施の形態では、上記クロック信号を利用して、パルス信号出力回路の制御等を行う。
【0035】
第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_nは、それぞれ、入力端子21、入力端子22、入力端子23、入力端子24、入力端子25、出力端子26、及び出力端子27を有する(図1(B)参照)。
【0036】
入力端子21、入力端子22、及び入力端子23は、信号線11〜信号線14のいずれかと電気的に接続される。例えば、第1のパルス信号出力回路10_1において、入力端子21は信号線11と電気的に接続され、入力端子22が信号線12と電気的に接続され、入力端子23が信号線13と電気的に接続されている。また、第2のパルス信号出力回路10_2において、入力端子21が信号線12と電気的に接続され、入力端子22が信号線13と電気的に接続され、入力端子23が信号線14と電気的に接続されている。なお、ここでは、第nのパルス信号出力回路10_nと接続される信号線が、信号線12、信号線13、信号線14である場合を示しているが、第nのパルス信号出力回路10_nと接続される信号線は、nの値によって異なるものになる。このため、ここで示す構成はあくまでも一例に過ぎないことを付記する。
【0037】
また、本実施の形態で示すシフトレジスタの第mのパルス信号出力回路(mは2以上の自然数)において、入力端子24は第(m−1)のパルス信号出力回路の出力端子26と電気的に接続され、入力端子25は第(m+2)のパルス信号出力回路の出力端子26と電気的に接続され、出力端子26は第(m+1)のパルス信号出力回路の入力端子24と、第(m−2)のパルス信号出力回路の入力端子25と、電気的に接続され、出力端子27はOUT(m)に信号を出力する。
【0038】
例えば、第3のパルス信号出力回路10_3では、入力端子24は第2のパルス信号出力回路10_2の出力端子26と電気的に接続され、入力端子25は第5のパルス信号出力回路10_5の出力端子26と電気的に接続され、出力端子26は第4のパルス信号出力回路10_4の入力端子24及び第1のパルス信号出力回路10_1の入力端子25と電気的に接続されている。
【0039】
また、第1のパルス信号出力回路10_1では、入力端子24に配線15からのスタートパルス(SP1)が入力される。なお、スタートパルスはクロック信号である。また、第kのパルス信号出力回路10_k(kは2以上n以下の自然数)では、前段の出力パルスが入力端子24に入力される。また、第(n−1)のパルス信号出力回路10_(n−1)では、スタートパルス(SP2)が入力端子25に入力される。また、第nのパルス信号出力回路10_nでは、スタートパルス(SP3)が入力端子25に入力される。なお、スタートパルス(SP2)及びスタートパルス(SP3)は、外部より入力される信号としてもよいし、回路内部で生成される信号としてもよい。
【0040】
次に、第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_nの具体的な構成に関して説明する。
【0041】
第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_nの各々は、図1(C)に示すように、トランジスタ101〜トランジスタ104で構成されるパルス信号生成回路200と、トランジスタ105〜トランジスタ107で構成される第1の入力信号生成回路201と、トランジスタ108〜トランジスタ111で構成される第2の入力信号生成回路202と、を含む。
【0042】
また、トランジスタ101〜トランジスタ111はそれぞれ、半導体膜の上下に絶縁膜を介して配置された第1のゲート端子及び第2のゲート端子と、半導体膜に接して設けられた第1の端子(ドレイン端子)及び第2の端子(ソース端子)と、を有する。
【0043】
トランジスタ101〜トランジスタ111には、半導体膜として酸化物半導体を用いることが好適である。酸化物半導体を用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、非晶質シリコンなどと比較して、オン電流および電界効果移動度を高めることができる。また、トランジスタの劣化を抑制することができる。これにより、消費電力が小さく、高速動作が可能で、動作の正確性が高められた電子回路が実現する。なお、酸化物半導体を用いたトランジスタについては後の実施の形態において詳述するから、ここでは省略する。
【0044】
図1(C)に示すパルス信号出力回路の構成ついて説明する。
【0045】
トランジスタ101は、第1の端子が入力端子21と接続され、第2の端子が出力端子26と接続され、第1のゲート端子がトランジスタ107の第2の端子と接続され、第2のゲート端子が出力端子26と接続されている。
【0046】
トランジスタ102は、第1の端子が出力端子26と接続され、第2の端子が電源線31と接続され、第1のゲート端子がトランジスタ108の第2の端子と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0047】
トランジスタ103は、第1の端子が入力端子21と接続され、第2の端子が出力端子27と接続され、第1のゲート端子がトランジスタ107の第2の端子と接続され、第2のゲート端子が出力端子26と接続されている。
【0048】
トランジスタ104は、第1の端子が出力端子27と接続され、第2の端子が電源線31と接続され、第1のゲート端子がトランジスタ108の第2の端子と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0049】
トランジスタ105は、第1の端子が電源線32と接続され、第2の端子がトランジスタ106の第1の端子及びトランジスタ107の第1の端子と接続され、第1のゲート端子及び第2のゲート端子が入力端子24と接続されている。
【0050】
トランジスタ106は、第1の端子がトランジスタ105の第2の端子及びトランジスタ107の第1の端子と接続され、第2の端子が電源線31と接続され、第1のゲート端子がトランジスタ108の第2の端子と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0051】
トランジスタ107は、第1の端子がトランジスタ105の第2の端子及びトランジスタ106の第1の端子と接続され、第2の端子がトランジスタ101の第1のゲート端子及びトランジスタ103の第1のゲート端子と接続され、第1のゲート端子が電源線32と接続され、第2のゲート端子が電源線34と接続されている。
【0052】
トランジスタ108は、第1の端子がトランジスタ110の第2の端子と接続され、第2の端子が、トランジスタ102の第1のゲート端子、トランジスタ104の第1のゲート端子、及びトランジスタ106の第1のゲート端子と接続され、第1のゲート端子が入力端子22と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0053】
トランジスタ109は、第1の端子がトランジスタ108の第2の端子と接続され、第2の端子が電源線31と接続され、第1のゲート端子が入力端子24と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0054】
トランジスタ110は、第1の端子が電源線32と接続され、第2の端子がトランジスタ108の第1の端子と接続され、第1のゲート端子が入力端子23と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0055】
トランジスタ111は、第1の端子が電源線32と接続され、第2の端子がトランジスタ108の第2の端子と接続され、第1のゲート端子及び第2のゲート端子が入力端子25と接続されている。
【0056】
上述したパルス信号出力回路の各構成(パルス信号生成回路200、第1の入力信号生成回路201、および第2の入力信号生成回路202の構成例など)は一例にすぎず、本発明の一態様がこれに限定されるものではない。
【0057】
図1(C)におけるパルス信号出力回路が図1(A)に示す第1のパルス信号出力回路10_1の場合、入力端子21にはクロック信号CLK1が入力され、入力端子22にはクロック信号CLK2が入力され、入力端子23にはクロック信号CLK3が入力され、入力端子24には、スタートパルスSP1が入力され、入力端子25には、第3のパルス信号出力回路10_3の出力信号(SROUT3と記す)が入力される。また、出力端子26から第1のパルス信号出力回路10_1の出力信号(SROUT1と記す)が第2のパルス信号出力回路10_2の入力端子24に出力され、出力端子27から出力信号OUT(1)が出力される。なお、各入力端子に与えられるH信号はVDDとし、L信号はVSSとする。
【0058】
また、電源線31にはVSSが与えられ、電源線32にはVDDが与えられ、電源線33にはBG1が与えられ、電源線34にはBG2が与えられる。なお、BG1がとりうる電位は、GNDより低い電位(負の電位)であり、BG2がとりうる電位は、GND以上の電位である。
【0059】
本実施の形態の以下の説明では、図1(C)に示すパルス信号出力回路においてトランジスタ101の第1のゲート端子と、トランジスタ103の第1のゲート端子と、トランジスタ107の第2の端子との接続箇所を、ノードAとする。また、トランジスタ102の第1のゲート端子と、トランジスタ104の第1のゲート端子と、トランジスタ106の第1のゲート端子と、トランジスタ108の第2の端子と、トランジスタ109の第1の端子と、トランジスタ111の第2の端子との接続箇所を、ノードBとする。
【0060】
上記ノードAと出力端子26との間には、ブートストラップ動作を好適に行うための容量素子を設けても良い。また、上記ノードBの電位を保持するために、ノードBに電気的に接続された容量素子を設けてもよい。
【0061】
図1(C)において、トランジスタ101およびトランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きいことが好ましい。
【0062】
また、図1(C)において、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きいことが好ましい。また、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ107のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lと等しいことが好ましい。または、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ107のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きいことが好ましい。
【0063】
また、図1(C)において、トランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ104のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きいことが好ましい。
【0064】
また、図1(C)において、トランジスタ108及びトランジスタ110のチャネル幅(W)は、トランジスタ111のチャネル幅(W)よりも小さいことが好ましい。
【0065】
トランジスタ101及びトランジスタ103の動作は、出力端子26から出力される信号SROUT1、及び出力端子27から出力される信号OUT(1)に寄与する。
【0066】
そこで、図1(C)に示すように、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子を、出力端子26と接続する。これにより、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態であるときには、しきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとなるため、オン電流を増加させることができる。また、オフ状態であるときには、しきい値電圧がプラスシフトすることで、ノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減することができる。
【0067】
また、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態であるときに、電流を増加させることができるため、トランジスタに第2のゲート端子を設けない場合と比較して、トランジスタ101及びトランジスタ103のチャネル幅Wを小さくすることができる。これにより、レイアウト面積の縮小と、消費電力を低減することができる。
【0068】
また、トランジスタ102、トランジスタ104、トランジスタ108、トランジスタ109、及びトランジスタ110は、ノードBの電位を制御する。よって、これらのトランジスタのしきい値電圧が変動し、リーク電流が生じると、ノードBの電位を制御することが不能となってしまう。
【0069】
そこで、図1(C)に示すように、トランジスタ102の第2のゲート端子、トランジスタ104の第2のゲート端子、トランジスタ108の第2のゲート端子、トランジスタ109の第2のゲート端子、及びトランジスタ110の第2のゲート端子を、負の電位を与える電源線33と接続する。これにより、上述のトランジスタがオフ状態であるときに、確実にノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減することができる。
【0070】
また、トランジスタ105の動作は、トランジスタ101及びトランジスタ103の動作に寄与し、トランジスタ111の動作は、トランジスタ102、トランジスタ104、トランジスタ106の動作に寄与する。
【0071】
そこで、図1(C)に示すように、トランジスタ105の第2のゲート端子を、第1のゲート端子と接続し、トランジスタ111の第2のゲート端子を、第1のゲート端子と接続する。これにより、トランジスタ105及びトランジスタ111がオン状態であるときには、しきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとすることができるため、オン電流を増加させることができる。また、オフ状態であるときには、しきい値電圧がプラスシフトすることで、ノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減することができる。
【0072】
また、トランジスタ107のしきい値電圧が低すぎる(例えば、−10V)場合であると、トランジスタ106のソースドレイン間には、((V−Vth107))−VSS)(Vは、ノードAの電位)の電圧がかかるため、トランジスタ106にかかる負荷が大きくなるおそれがある。
【0073】
そこで、トランジスタ107の第2のゲート端子を、電源線34と接続することにより、トランジスタ107の第2のゲート端子には、BG2としてGND以上の電位が与えられる。これにより、トランジスタ107のしきい値電圧を0V付近に制御することができるため、トランジスタ106にかかる負荷を抑制することができる。
【0074】
〈動作〉
次に、図1に示すシフトレジスタの動作について図2乃至図5を参照して説明する。具体的には、図2に示すタイミングチャート中の、第1の期間51〜第6の期間56の各期間における動作を、図4および図5を用いて説明する。なお、図3に示すタイミングチャートは、図2に示す一部の期間(例えば、第4の期間54_1〜54_5)を誇張して示しているが、図2に示すタイミングチャートと大きく変わるところはない。図2及び図3に示すタイミングチャート中、CLK1〜CLK4はそれぞれクロック信号を示し、SP1はスタートパルスを示し、OUT(1)〜OUT(4)は、第1のパルス信号出力回路10_1〜第4のパルス信号出力回路10_4の出力端子27からの出力を示し、ノードAおよびノードBはそれぞれノードAおよびノードBの電位を示し、SROUT1〜SROUT4は、第1のパルス信号出力回路10_1〜第4のパルス信号出力回路10_4の出力端子26からの出力を示す。
【0075】
なお、以下の説明において、トランジスタ101〜トランジスタ111は、全てnチャネル型のトランジスタとする。また、図4および図5において、トランジスタに×印が付されている場合には、当該トランジスタが非導通状態(オフ状態)にあることを表し、トランジスタに×印が付されていない場合には、当該トランジスタが導通状態(オン状態)にあることを表す。
【0076】
代表的に、第1のパルス信号出力回路10_1の動作について説明する。第1のパルス信号出力回路10_1の構成は、図1(C)に示す通りである。また、入力される各信号、供給される各電位の関係も図1(C)と同様である。
【0077】
第1の期間51において、入力端子24にSP1としてH信号が入力されることにより、トランジスタ105の第1のゲート端子及び第2のゲート端子と、トランジスタ109の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ105とトランジスタ109はオン状態になる。また、入力端子23にCLK3としてH信号が入力されることにより、トランジスタ110の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ110もオン状態となる。また、トランジスタ107の第1のゲート端子には電源線32からVDDが与えられることにより、トランジスタ107もオン状態となる。また、トランジスタ109の第2のゲート端子及びトランジスタ110の第2のゲート端子には、電源線33からBG1(例えば、負の電位)が与えられ、トランジスタ107の第2のゲート端子には、電源線34からBG2(例えば、GND)が与えられる(図4(A)参照)。このとき、トランジスタ105の第2のゲート端子に、H信号が入力されることにより、トランジスタ105のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとすることができるため、オン電流を増加させることができる。
【0078】
トランジスタ105とトランジスタ107がオン状態となることにより、ノードAの電位は上昇する。また、トランジスタ109がオン状態となることにより、ノードBの電位は下降する。トランジスタ105の第1の端子の電位はVDDであるため、トランジスタ105の第2の端子の電位は、第1の端子の電位からトランジスタ105のしきい値電圧分を引いた値(VDD−Vth105)となる。そして、トランジスタ107の第1のゲート端子の電位がVDDであるため、トランジスタ107のしきい値電圧Vth107がVth105以上の場合には、ノードAの電位は(VDD−Vth107)となってトランジスタ107がオフ状態となる。一方、Vth107がVth105未満の場合には、トランジスタ107はオン状態を保ったまま、ノードAの電位は(VDD−Vth105)まで上昇する。以下、第1の期間51におけるノードAの電位の到達点(最高電位)をVAHとする。
【0079】
ノードAの電位がVAHになると、トランジスタ101の第1のゲート端子およびトランジスタ103の第1のゲート端子に、電位VAHが入力されるため、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態となる。ここで、入力端子21にCLK1としてL信号が入力されるため、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVSSが出力される。
【0080】
第2の期間52において、入力端子21にCLK1としてH信号が入力される。ここで、トランジスタ101およびトランジスタ103はオン状態であるため、出力端子26の電位および出力端子27の電位が上昇する。これに伴い、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子に入力される電位も上昇する。さらに、トランジスタ101の第1のゲート端子と第2の端子との間には容量が存在し、これによって第1のゲート端子と第2の端子とが容量結合されている。同様に、トランジスタ103の第1のゲート端子と第2の端子との間には容量が存在し、これによって第1のゲート端子と第2の端子とが容量結合されている。したがって、出力端子26の電位および出力端子27の電位の上昇と共に、浮遊状態であるノードAの電位が上昇することになる(ブートストラップ動作)。ノードAの電位は最終的にVDD+Vth101より高くなり、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVDDが出力される(図4(B)参照)。このとき、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子は、出力端子26と接続されているため、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子には、VDDが与えられる。
【0081】
ここで、電流は以下の式で定義される。飽和特性を数式1で表し、線形特性を数式2で表す。
【0082】
I=(1/2)β(Vg−Vth) (数式1)
I=β((Vg−Vth)−1/2Vd)Vd (数式2)
【0083】
数式1、数式2で表すように、電流は、(Vg−Vth)又はVg−Vthに比例する。数式1、数式2より、トランジスタ101及びトランジスタ103のしきい値電圧がマイナスシフトすることにより、Vg−Vthが大きくなると電流が増加することがわかる。
【0084】
したがって、トランジスタ101及びトランジスタ103のしきい値電圧を制御することにより、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態であるときに、電流を増加させることができる。これにより、出力端子27を充電させる時間をより短くすることができる。また、レイアウト面積の縮小と、消費電力を低減することができる。
【0085】
また、第2の期間52においては、トランジスタ109がオン状態であるため、ノードBもVSSに維持されている。このため、出力端子26の電位がVSSからVDDに変化する際の、容量結合に起因するノードBの電位変動を抑制し、これによる不具合の発生を防止できる。
【0086】
なお、上述のように第2の期間52において、出力端子27の電位をVDDとする場合、出力端子27の電位を確実にVDDまで上昇させるためには、トランジスタ103をオン状態とさせるためにトランジスタ103のゲート電圧Vgを十分に大きくする必要がある。トランジスタ103のゲート電圧Vgが小さい場合、トランジスタ103に係るドレイン電流が小さくなるため、指定された期間内(ここでは、第2の期間52内)に、出力端子27の電位をVDDまで上昇させるのに時間がかかってしまう。これにより、出力端子27の波形の立ち上がりが鈍り、誤動作の原因となる。
【0087】
ところで、第2の期間52におけるトランジスタ103のゲート電圧Vgの大きさは、第1の期間51におけるノードAの電位によって決まる。そのため、トランジスタ103のVgを大きくするためには、第1の期間51のうちにノードAの電位をできるだけ大きくする必要がある(回路設計上、最大でVDD−Vth105またはVDD−Vth107)。出力端子26とトランジスタ101のゲート電圧Vgについても、同様のことが言える。
【0088】
そのため、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きいことが好ましい。トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きくすることにより、第1の期間51におけるノードAの電位を、より短い時間で、VDD−Vth105またはVDD−Vth107まで上昇させることができる。また、第1の期間51では、トランジスタ106はオフ状態となっているが、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きくすることにより、トランジスタ106におけるリーク電流(Ioff)を小さくすることができるため、ノードAの電位を、より短い時間でVDD−Vth105まで上昇させることができる。
【0089】
また、トランジスタの微細化によりチャネル長Lが小さくなると、しきい値電圧のマイナスシフトが生じてトランジスタ106がノーマリーオン化する場合もある。このような場合でも、トランジスタ106のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lをトランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも小さくすることにより、トランジスタ106のオン抵抗をトランジスタ105のオン抵抗よりも大きくできる。これにより、ノードAの電位をVDD−Vth105またはVDD−Vth107により近い電位にすることができる。
【0090】
また、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ107のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lと概ね等しいことが好ましい。概ね等しいとは、製造誤差やばらつきに起因する多少の差を有している場合があることを想定した上で、等しいとみなせる場合のことである。トランジスタ105およびトランジスタ107のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを等しくすることにより、トランジスタ105およびトランジスタ107の電流供給能力を等しくすることができるため、ノードAの電位を効率よく上昇させることができる。上述したように、トランジスタ105のしきい値電圧Vth105およびトランジスタ107のしきい値電圧Vth107は、概ね等しいことが望ましい。
【0091】
なお、トランジスタ105のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、トランジスタ特性、クロック周波数、トランジスタ101およびトランジスタ103のゲート容量、シフトレジスタの動作電圧などによって決めることができる。
【0092】
また、トランジスタ106のチャネル幅Wが大きくなると、トランジスタ106の特性がノーマリーオン化した場合、リーク電流が増加するため、ノードAの電位降下につながってしまう。または、トランジスタ105によるノードAの充電の妨げとなってしまう。さらに、高速動作が必要な場合に、ノードBの電位の下降を短時間で行い、ノードAの充電を短時間で行う必要がある。このような場合、トランジスタ106の電位を短時間で下降させる必要がある。
【0093】
したがって、トランジスタ105のチャネル幅Wよりも、トランジスタ106のチャネル幅Wを小さくすることにより、トランジスタ106のリーク電流を低減し、ノードAの電位の変位を防止することができる。また、ノードBの負荷を低減することができる。このように、トランジスタの特性や駆動仕様に合わせて、トランジスタ105、トランジスタ106、およびトランジスタ107のサイズを決定することによって、効率のよいシフトレジスタを実現することができる。
【0094】
また、トランジスタ107の第2のゲート端子には、上述のように、電源線34からBG2が与えられている。これにより、トランジスタ107のしきい値電圧を0V付近とすることができ、トランジスタ106のソースドレイン間に、((V−Vth107)−VSS)(Vは、ノードAの電位)の電圧がかかったとしても、トランジスタ106にかかる負荷を抑制することができる。
【0095】
第3の期間53において、入力端子24にSP1としてL信号が入力されることにより、トランジスタ105の第1のゲート端子及び第2のゲート端子と、トランジスタ109の第1のゲート端子にVSSが与えられ、トランジスタ105とトランジスタ109はオフ状態になる。また、入力端子21に入力されるCLK1はH信号に維持され、ノードAの電位も変化しないため、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVDDが出力される(図4(C)参照)。なお、第3の期間53ではノードBが浮遊状態となるが、出力端子26の電位も変化しないため、容量結合による不具合は無視できる程度である。
【0096】
第4の期間54においては、入力端子22にCLK2としてH信号が入力され、入力端子23にCLK3としてH信号が入力されることにより、トランジスタ108の第1のゲート端子及びトランジスタ110の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ108及びトランジスタ110がオン状態になる。また、入力端子25にSROUT3としてH信号が入力され、トランジスタ111の第1のゲート端子及び第2のゲート端子にVDDが入力され、トランジスタ111がオン状態となる。トランジスタ111がオン状態となることにより、ノードBの電位が短時間でVDD−Vth111まで充電され、トランジスタ102、トランジスタ104、およびトランジスタ106がオン状態となる。また、入力端子21にCLK1としてL信号が入力されることにより、トランジスタ101及びトランジスタ103がオフ状態となる。この結果、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVSSが出力される(図5(A)参照)。ここで、トランジスタ111の第2のゲート端子に、H信号が入力されることにより、トランジスタ111のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとすることができるため、オン電流を増加させることができる。
【0097】
このとき、ノードBの充電はトランジスタ111を通じて行われると共に、トランジスタ110、トランジスタ108を通じて行われる。トランジスタ110およびトランジスタ108の第1のゲート端子は、それぞれ入力端子23および入力端子22に接続されており、ゲート容量はそのまま入力端子23および入力端子22の負荷になる。
【0098】
第4の期間54において、ノードAの電位は、CLK1がH信号となる第6の期間の前まで(つまり第4の期間54および第5の期間55中)に、確実にVSSとする必要がある。第5の期間55中に、ノードAの電位がVSSまで下降していないと、トランジスタ103のゲートとソース間の容量結合によって、再びノードAは電位が上昇し、トランジスタ101およびトランジスタ103がオン状態となり、出力端子26および出力端子27に電流が流れ、誤動作となるおそれがある。
【0099】
そのため、トランジスタ101、トランジスタ103およびトランジスタ106の関係を、式(1)乃至式(7)のように決めることで、負荷に起因する動作の不具合を低減し、動作の安定化を図ることができる。
【0100】
【数1】

【0101】
【数2】

【0102】
【数3】

【0103】
【数4】

【0104】
【数5】

【0105】
【数6】

【0106】
【数7】

【0107】
上式において、tCKHとはCLK1のH信号の期間、即ち第2の期間52および第3の期間53に相当し、tCKLとはCLK1のL信号の期間、即ち、第4の期間54および第5の期間55に相当し、toffとはノードAがVSSまで放電するのに要する時間に相当する。つまり、tCKL期間内のうちtoffの時間を使ってノードAの電位をVSSまで下降させることになる。toffは第4の期間54および第5の期間55の中であれば、たとえば、第4の期間54_1でも第4の期間54_1〜54_3でも第4の期間54_1〜54_5でもよい(図3参照)。好ましくは第4の期間54および第5の期間55の1/2の期間に相当する第4の期間54_1〜54_3である。tCKLに対してtoffをあまりに短く設定すると、ノードAの電位を早く下降させるためにトランジスタ106のチャネル幅Wサイズを大きくする必要があり、toffを長く設定すると次のクロックのH信号が入るまでにノードAの電位をVSSまで放電しきれず誤動作となる可能性があるためである。つまり、toffは、クロック信号の周波数等を考慮して決定する必要がある。
【0108】
また、C101およびC103はそれぞれトランジスタ101およびトランジスタ103のゲート容量を示し、VとはノードAの第3の期間53での電位を示す。
【0109】
式(2)に示すi106は、トランジスタ106のドレイン電流を示している。これよりトランジスタ106のサイズ(例えば、W/L)を決定することができる。即ち、トランジスタ106のサイズは、CLK1の動作周波数、トランジスタ101とトランジスタ103のサイズ、およびノードAの電位によって決めることができる。
【0110】
例えば、CLK1の動作周波数が高い場合、ノードAの電位はより早く下降させる必要があるため、式(1)よりtoffを小さくすることが必要になり、そのため、i106を大きくする必要が生じる。そこで、i106に合わせて式(2)よりW106を計算し、Wサイズを決定することができる。
【0111】
一方、トランジスタ101およびトランジスタ103のサイズが小さい場合には、i106は小さくて良いため、式(2)より、W106は小さくなる。ところで、トランジスタ103は、出力負荷の充放電に使用しているため、トランジスタ103のサイズを大きくすることにより、放電の際に、トランジスタ104だけでなく、トランジスタ103においても放電することができるため、出力の電位の下降を短時間で行うことができる。したがって、ノードAの電位を緩やかに下降させると、トランジスタ103はオン状態であるため、トランジスタ104だけで放電するよりも、出力の電位の下降を短時間で行うことができる。このように、トランジスタの特性や駆動仕様に合わせてトランジスタ106のサイズを決定することによって、効率のよいシフトレジスタを実現することができる。
【0112】
なお、本実施の形態において示すシフトレジスタにおいて、クロック線に接続するトランジスタの負荷は、シフトレジスタの全段数÷4×(トランジスタ103のLov+トランジスタ101のLov+トランジスタ110のゲート容量+トランジスタ108のゲート容量)、で表現される。また、ゲート容量は、ε×ε×(L×W)/toxで表現される。なお、Lovとは、トランジスタのソース電極層又はドレイン電極層と半導体層とが重畳する領域のチャネル長方向における長さを表している。
【0113】
クロック線に接続されるゲート容量を減らすため、トランジスタ108及びトランジスタ110のチャネル幅(W)は、トランジスタ111のチャネル幅(W)よりも小さいことが好ましい。これにより、クロック線の負荷を低減することができ、高速動作させることができる。また、トランジスタ110およびトランジスタ108のチャネル幅(W)を減少させることによって、レイアウト面積を縮小させることができる。
【0114】
第5の期間55においては、入力端子25にSROUT3としてH信号が入力されることにより、ノードBの電位が保持される。このため、トランジスタ102、トランジスタ104、およびトランジスタ106のオン状態が保持されて、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)として出力される電位はVSSに保持される。(図5(B)参照)。
【0115】
第6の期間56においては、入力端子25にSROUT3としてL信号が入力されることにより、トランジスタ111の第1のゲート端子及び第2のゲート端子にVSSが入力され、トランジスタ111がオフ状態となる。このとき、ノードBは、上述の電位を保持したまま浮遊状態となる。これにより、トランジスタ102、トランジスタ104、およびトランジスタ106のオン状態が保持される(図5(C)参照)。
【0116】
なお、ノードBの電位は、通常、トランジスタのオフ電流等に起因して下降するが、十分にオフ電流が小さいトランジスタ(例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタ)を適用する場合には、このような問題は生じない。また、ノードBの電位の下降を緩和するために、容量素子を設けても良い。この場合に設けられた容量素子は、トランジスタ102の第1のゲート端子と、トランジスタ104の第1のゲート端子と、トランジスタ106の第1のゲート端子と、トランジスタ108の第1の端子と、トランジスタ109の第1の端子と、に接続される。
【0117】
なお、その後の期間において、入力端子22に入力されるCLK2と入力端子23に入力されるCLK3とが共にH信号となる場合には、トランジスタ108の第1のゲート端子及びトランジスタ110の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ108とトランジスタ110がオン状態となり、定期的にノードBに電位が与えられる。このため、オフ電流の比較的大きなトランジスタを用いる場合であっても、パルス信号出力回路の誤動作を防止できる。
【0118】
なお、シフトレジスタからの出力(OUT(1)〜OUT(4)など)については、電位の上昇時を重視する場合と、電位の下降時を重視する場合がある。例えば、電位の上昇によってデータを確定させる場合(例えば、データの書き込みを行う場合など)には、電位の上昇時が重視される。また、電位の下降によってデータを確定させる場合には、電位の下降時が重視される。
【0119】
電位の上昇によってデータを確定させる場合には、電位の上昇に要する時間を短くする必要がある。そのためには、トランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを、トランジスタ104のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きくすることが好ましい。
【0120】
電位の下降によってデータを確定させる場合には、電位の下降に要する時間を短くする必要がある。そのためには、トランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを、トランジスタ104のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lよりも大きくすることが好ましい。
【0121】
但し、本発明の一態様では、ノードAの電位をトランジスタ103のゲートとソース間の容量結合を利用したブートストラップ動作によって所定の電位まで上昇させることにより、トランジスタ103をオン状態とし、H信号を出力させる。そのため、トランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lが十分に大きくなければ、シフトレジスタの出力するH信号の電位が、VDDまで上がりきらないという問題が生じうるから、トランジスタ103のチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lは、十分に大きくすることが望ましい。
【0122】
本発明の一態様では、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子は、出力端子26と接続されている。これにより、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態であるときに、しきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとなるため、電流を増加させることができる。また、オフ状態であるときは、しきい値電圧がプラスシフトすることで、ノーマリーオフとなるため、リークオン電流を低減することができる。これにより、トランジスタに第2のゲート端子を設けない場合と比較して、トランジスタ101及びトランジスタ103のチャネル幅Wを小さくすることができるため、レイアウト面積の縮小と、消費電力を低減することができる。
【0123】
また、本発明の一態様では、トランジスタ102の第2のゲート端子、トランジスタ104の第2のゲート端子、トランジスタ108の第2のゲート端子、トランジスタ109の第2のゲート端子、及びトランジスタ110の第2のゲート端子は、負の電位を与える電源線33と接続されている。これにより、上述のトランジスタがオフ状態であるときに、確実にノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減することができる。
【0124】
本発明の一態様では、トランジスタ105の第2のゲート端子は、第1のゲート端子と接続されており、トランジスタ111の第2のゲート端子は、第1のゲート端子と接続されている。これにより、トランジスタ105及びトランジスタ111がオン状態である時に、しきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとなるため、オン電流を増加させることができる。また、オフ状態であるときは、しきい値電圧がプラスシフトすることで、ノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減することができる。
【0125】
また、本発明の一態様では、トランジスタ107の第2のゲート端子は、電源線34と接続されている。これにより、トランジスタ107のしきい値電圧を0V付近とすることができ、トランジスタ106のソースドレイン間に、((V−Vth107))−VSS)(Vは、ノードAの電位)の電圧がかかったとしても、トランジスタ106にかかる負荷を抑制することができる。
【0126】
パルス信号出力回路を構成する複数のトランジスタのしきい値電圧が変動してしまう場合であっても、本発明の一態様により、個々のトランジスタのしきい値電圧を制御することができる。また、個々のトランジスタのしきい値変動が異なる場合であっても、しきい値の変動の大きさに関わらず個々のトランジスタのしきい値を制御することができる。
【0127】
これにより、リーク電流を低減し、消費電力の低減、または誤動作がなく、安定して動作することが可能なパルス信号出力回路を構成することができる。
【0128】
なお、本実施の形態において示すシフトレジスタは、第mのパルス信号出力回路から出力されるパルスと第(m+1)のパルス信号出力回路から出力されるパルスが半分重なる駆動方法を採用している。このため、当該駆動方法を採用しない場合と比較して、配線の充電に使用できる時間を長くすることができる。つまり、当該駆動方法によって、大きな負荷に耐え、高い周波数で動作するパルス信号出力回路が提供される。
【0129】
図6に、図1(C)に示すパルス信号出力回路とは一部異なるパルス信号出力回路について示す。
【0130】
図6(A)に示すパルス信号出力回路において、トランジスタ103の第2のゲート端子が、出力端子27と接続されている。このような構成とすることにより、トランジスタ103の第2のゲート端子と出力端子26とを接続する場合よりも、接続を容易にすることができる。
【0131】
図6(B)に示すパルス信号出力回路において、トランジスタ103の第2のゲート端子は、トランジスタ107の第2の端子と接続されている。このような構成とすることにより、トランジスタ103がオン状態であるときに、トランジスタ103のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンすることができるため、オン電流を増加させることができる。
【0132】
図6(C)に示すパルス信号出力回路において、トランジスタ105の第2のゲート端子、トランジスタ107の第2のゲート端子、及びトランジスタ111の第2のゲート端子は、電源線34と接続されている。これにより、トランジスタ105及びトランジスタ107のしきい値電圧を同程度とすることができる。また、トランジスタ107の第2の端子には、電源線34からGND≦BG2の電位が入力されるため、トランジスタ107のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとなり、オン電流が増加するため、周波数特性を向上させることができる。
【0133】
また、トランジスタ105の第2のゲート端子、及びトランジスタ111の第2のゲート端子を、電源線33と接続しても良い。このような構成とすることで、トランジスタ105及びトランジスタ111がオフ状態であるときに、トランジスタ105及びトランジスタ111のしきい値電圧がプラスシフトすることで、ノーマリーオフとすることができるため、リーク電流を低減させることができる。
【0134】
図6(A)乃至図6(C)に示すパルス信号出力回路のそれぞれは、図1(C)に示すパルス信号出力回路として用いることができる。図6(A)乃至図6(C)に示すパルス信号出力回路のそれぞれは、複数用いることで、図1(A)に示すシフトレジスタを構成することができる。
【0135】
(実施の形態2)
本実施の形態では、先の実施の形態において示したパルス信号出力回路、およびシフトレジスタとは異なる態様の構成例およびその動作に関して図7乃至図10を参照して説明する。
【0136】
〈回路構成〉
はじめに、パルス信号出力回路、およびパルス信号出力回路を含むシフトレジスタの回路構成例について図7を参照して説明する。
【0137】
本実施の形態で示すシフトレジスタの構成は、先の実施の形態において示したシフトレジスタの構成に近似している。相違点の一は、第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_nは、入力端子23を有しない点である(図7(A)乃至図7(C)参照)。つまり、一のパルス信号出力回路には、二種類のクロック信号が入力される。その他の構成については先の実施の形態と同様である。
【0138】
第1のパルス信号出力回路10_1〜第nのパルス信号出力回路10_nは、図7(C)に示すように、入力端子23を有さないため、これと接続されるトランジスタ110を有さない。これに伴い、図1(C)に示す第2の入力信号生成回路202と図7(C)に示す第2の入力信号生成回路203の接続関係は一部異なっている。
【0139】
図7(C)に示すパルス信号出力回路は、トランジスタ101〜トランジスタ104で構成されるパルス信号生成回路200と、トランジスタ105〜トランジスタ107で構成される第1の入力信号生成回路201と、トランジスタ108、トランジスタ109、及びトランジスタ111で構成される第2の入力信号生成回路202と、を含む。
【0140】
また、トランジスタ101〜トランジスタ109、及びトランジスタ111はそれぞれ、半導体膜の上下に絶縁膜を介して配置された第1のゲート端子及び第2のゲート端子と、半導体膜に接して設けられた第1の端子(ドレイン端子)及び第2の端子(ソース端子)と、を有する。
【0141】
トランジスタ101〜トランジスタ109、及びトランジスタ111には、半導体膜として酸化物半導体を用いることが好適である。酸化物半導体を用いることにより、トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、非晶質シリコンなどと比較して、オン電流および電界効果移動度を高めることができる。また、トランジスタの劣化を抑制することができる。これにより、消費電力が小さく、高速動作が可能で、動作の正確性が高められた電子回路が実現する。なお、酸化物半導体を用いたトランジスタについては後の実施の形態において詳述するから、ここでは省略する。
【0142】
図7(C)に示すパルス信号出力回路の構成について説明する。図1(C)と異なる点は、トランジスタ108の接続関係である。なお、第1の入力信号生成回路201及びパルス信号生成回路200は、図1(C)に示す構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0143】
トランジスタ108は、第1の端子が電源線32と接続され、第2の端子がトランジスタ102の第1のゲート端子、トランジスタ104の第1のゲート端子、及びトランジスタ106の第1のゲート端子と接続され、第1のゲート端子が入力端子22と接続され、第2のゲート端子が電源線33と接続されている。
【0144】
図7(C)におけるパルス信号出力回路が図7(A)に示す第1のパルス信号出力回路10_1の場合、入力端子21には、クロック信号CLK1が入力され、入力端子22には、クロック信号CLK2が入力され、入力端子24には、スタートパルスSP1が入力され、入力端子25には、第3のパルス信号出力回路10_3の出力信号(SROUT3)が入力される。また、出力端子26から第1のパルス信号出力回路10_1の出力信号(SROUT1と記す)が第2のパルス信号出力回路10_2の入力端子24に出力され、出力端子27から出力信号OUT(1)が出力される。なお、各入力端子に与えられるH信号はVDDとし、L信号はVSSとする。
【0145】
また、電源線31にはVDDが与えられ、電源線32にはVSSが与えられ、電源線33にはBG1が与えられ、電源線34にはBG2が与えられる。なお、BG1がとりうる電位は、GND>BG1(負の電位)であり、BG2がとりうる電位は、GND≦BG2である。
【0146】
本実施の形態の以下の説明では、先の実施の形態と同様、図7(C)に示すパルス信号出力回路においてトランジスタ101の第1のゲート端子と、トランジスタ103の第1のゲート端子と、トランジスタ107の第2の端子との接続箇所を、ノードAとする。また、トランジスタ102の第1のゲート端子と、トランジスタ104の第1のゲート端子と、トランジスタ106の第1のゲート端子と、トランジスタ109の第1の端子と、トランジスタ111の第2の端子との接続箇所を、ノードBとする。
【0147】
上記ノードAと出力端子26との間には、ブートストラップ動作を好適に行うための容量素子を設けても良い。また、上記ノードBの電位を保持するために、ノードBに電気的に接続された容量素子を設けてもよい。
【0148】
〈動作〉
次に、図7に示すシフトレジスタの動作について図8乃至図10を参照して説明する。具体的には、図8に示すタイミングチャート中の、第1の期間51〜第5の期間55の各期間における動作を、図9および図10を用いて説明する。図8に示すタイミングチャート中、CLK1〜CLK4はそれぞれクロック信号を示し、SP1はスタートパルスを示し、OUT(1)〜OUT(4)は、第1のパルス信号出力回路10_1〜第4のパルス信号出力回路10_4の出力端子27からの出力を示し、ノードAおよびノードBはそれぞれノードAおよびノードBの電位を示し、SROUT1〜SROUT4は、第1のパルス信号出力回路10_1〜第4のパルス信号出力回路10_4の出力端子26からの出力を示す。
【0149】
なお、以下の説明において、トランジスタ101〜トランジスタ109、トランジスタ111は、全てnチャネル型のトランジスタであるものとする。また、図9および図10において、トランジスタに×印が付されている場合には、当該トランジスタが非導通状態(オフ状態)にあることを表し、トランジスタに×印が付されていない場合には、当該トランジスタが導通状態(オン状態)にあることを表す。
【0150】
代表的に、第1のパルス信号出力回路10_1の動作について説明する。第1のパルス信号出力回路10_1の構成は、図7(C)に示す通りである。また、入力される各信号、供給される各電位の関係も図7(C)と同様である。
【0151】
第1の期間51において、入力端子24にSP1としてH信号が入力されることにより、トランジスタ105の第1のゲート端子及び第2のゲート端子と、トランジスタ109の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ105とトランジスタ109はオン状態になる。また、トランジスタ107の第1のゲート端子には電源線32からVDDが与えられることにより、トランジスタ107もオン状態となる。また、トランジスタ109の第2のゲート端子には、電源線33からBG1(例えば、負の電位)が与えられ、トランジスタ107の第2のゲート端子には、電源線34からBG2(例えば、GND)が与えられる(図9(A)参照)。このとき、トランジスタ105の第2のゲート端子に、H信号が入力されることにより、トランジスタ105のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとすることができるため、オン電流を増加させることができる。
【0152】
なお、トランジスタ107の第2のゲート端子には、上述のように、電源線34からBG2が与えられている。これにより、トランジスタ107のしきい値電圧を0V付近に制御することができるため、トランジスタ106にかかる負荷を抑制することができる。
【0153】
トランジスタ105とトランジスタ107がオン状態となることにより、ノードAの電位は上昇する。また、トランジスタ109がオン状態となることにより、ノードBの電位は下降する。ノードAの電位がVAH(VAH=VDD−Vth105−Vth107)にまで達すると、トランジスタ105およびトランジスタ107がオフ状態となり、ノードAは、VAHを維持したまま浮遊状態となる。
【0154】
ノードAの電位がVAHになると、トランジスタ101およびトランジスタ103がオン状態となる。ここで、CLK1はL信号であるため、出力端子26および出力端子27からはVSSが出力される。
【0155】
第2の期間52において、入力端子21にCLK1としてH信号が入力される。ここで、トランジスタ101およびトランジスタ103はオン状態であるため、出力端子26の電位および出力端子27の電位が上昇する。これに伴い、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子に入力される電位も上昇する。さらに、トランジスタ101の第1のゲート端子と第2の端子との間には容量が存在し、これによって第1のゲート端子と第2の端子とが容量結合されている。同様に、トランジスタ103の第1のゲート端子と第2の端子との間には容量が存在し、これによって第1のゲート端子と第2の端子とが容量結合されている。したがって、出力端子26の電位および出力端子27の電位の上昇と共に、浮遊状態であるノードAの電位が上昇することになる(ブートストラップ動作)。ノードAの電位は最終的にVDD+Vth101より高くなり、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVDDが出力される(図9(B)参照)。このとき、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子は、出力端子26と接続されているため、トランジスタ101の第2のゲート端子及びトランジスタ103の第2のゲート端子には、VDDが与えられる。これにより、トランジスタ101及びトランジスタ103のしきい値電圧がマイナスシフトするため、Vg−Vthが大きくなる。これにより、出力端子27を充電させる時間をより短くすることができる。トランジスタ101及びトランジスタ103のしきい値電圧を抑制することにより、トランジスタ101及びトランジスタ103がオン状態であるときに、電流を増加させることができる。これにより、レイアウト面積の縮小と、消費電力を低減することができる。
【0156】
第3の期間53においては、入力端子22にCLK2としてH信号が入力されることにより、トランジスタ108の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ108がオン状態となる。これにより、ノードBの電位が上昇する。ノードBの電位の上昇により、トランジスタ102、トランジスタ104、およびトランジスタ106がオン状態となり、ノードAの電位が下降する。このため、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)としてVSSが出力される(図9(C)参照)。
【0157】
第4の期間54においては、入力端子22にCLK2としてL信号が入力されることにより、トランジスタ108の第1のゲート端子にVSSが与えられ、トランジスタ108がオフ状態となる。また、入力端子25にSROUT3としてH信号が入力されることにより、トランジスタ111の第1のゲート端子及び第2のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタ111がオン状態となる。これにより、ノードAの電位とノードBの電位は第3の期間53の電位が保持されて、出力端子26の電位および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)として出力される電位はVSSに保持される(図10(A)参照)。ここで、トランジスタ111の第2のゲート端子に、H信号が入力されることにより、トランジスタ111のしきい値電圧がマイナスシフトすることで、ノーマリーオンとすることができるため、オン電流を増加させることができる。
【0158】
第5の期間55においては、入力端子25にSROUT3としてL信号が入力されることにより、ノードBの電位が保持される。これにより、トランジスタ102、トランジスタ104およびトランジスタ106のオン状態が保持されて、出力端子26および出力端子27からSROUT1及びOUT(1)として出力される電位はVSSに保持される(図10(B)参照)。
【0159】
なお、ノードBの電位は、通常、トランジスタのオフ電流等に起因して下降するが、十分にオフ電流が小さいトランジスタ(例えば、酸化物半導体を用いたトランジスタ)を適用する場合には、このような問題は生じない。また、ノードBの電位の下降を緩和するために、容量素子を設けても良い。この場合に設けられた容量素子は、トランジスタ102の第1のゲート端子と、トランジスタ104の第1のゲート端子と、トランジスタ106の第1のゲート端子と、トランジスタ108の第1の端子と、トランジスタ109の第1の端子と、に接続される。
【0160】
なお、その後の期間において、入力端子22にCLK2としてH信号が入力される場合には、トランジスタ108の第1のゲート端子にVDDが与えられ、トランジスタがオン状態となり、定期的にノードBに電位が与えられる。このため、オフ電流の比較的大きなトランジスタを用いる場合であっても、パルス信号出力回路の誤動作を防止できる。
【0161】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0162】
(実施の形態3)
本実施の形態では、先の実施の形態において示したパルス信号出力回路、およびシフトレジスタとは異なる態様の構成例に関して図11を参照して説明する。
【0163】
本実施の形態で示すシフトレジスタの構成は、先の実施の形態において示したシフトレジスタの構成に近似している。相違点の一は、第nのパルス信号出力回路10_nの後段に、第1のダミーパルス信号出力回路10_D1および第2のダミーパルス信号出力回路10_D2が接続されている点である(図11(A)参照)。第1のダミーパルス信号出力回路10_D1や第2のダミーパルス信号出力回路10_D2は、第n−1のパルス信号出力回路10_n−1や第nのパルス信号出力回路10_nの入力端子25に、パルス信号を供給する機能を有する。
【0164】
第1のダミーパルス信号出力回路10_D1や第2のダミーパルス信号出力回路10_D2の後段には、パルス信号出力回路は存在しない。つまり、第1〜第nのパルス信号出力回路とは異なり、第1のダミーパルス信号出力回路10_D1や第2のダミーパルス信号出力回路10_D2には後段(この場合、2段後)からのパルス信号が入力されない。このため、第1〜第nのパルス信号出力回路における入力端子25に相当する端子が存在しない(図11(B)および図11(C)参照)。また、入力端子25に関連するトランジスタ111も存在しない(図11(C)参照)。
【0165】
ダミーパルス信号出力回路(第1及び第2のダミーパルス信号出力回路)の機能は、正規段のパルス信号出力回路(第n−1〜第nのパルス信号出力回路)に適切なパルス信号を出力することであるから、ダミーパルス信号出力回路には、そのノードBを十分に充電できる能力が必要となる。ここで、第1〜第nのパルス信号出力回路では、クロック信号の入力に起因する消費電力を低減するために、トランジスタ108およびトランジスタ110のサイズを小さくし(例えば、チャネル幅W、またはチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/Lを小さくし)、トランジスタ111によって充電能力を確保する構成を取るのが有効である。一方で、ダミーパルス信号出力回路にはトランジスタ111が存在しないから、トランジスタ111による充電能力を補うことができる程度に、トランジスタ108およびトランジスタ110のサイズを大きくすることが必要になる。
【0166】
具体的には、例えば、第1及び第2のダミーパルス信号出力回路のトランジスタ108またはトランジスタ110のチャネル幅W(またはチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/L)を、第1〜第nのパルス信号出力回路のトランジスタ108またはトランジスタ110のチャネル幅W(またはチャネル長Lに対するチャネル幅Wの比W/L)より大きくすればよい。このような構成を採用することで、正規段のパルス信号出力回路(第n−1〜第nのパルス信号出力回路)における消費電力を低減しつつ、適切な動作を確保したシフトレジスタが実現される。
【0167】
なお、ダミーパルス信号出力回路の基本的な構成は、上記相違点を除き、先の実施の形態において示したパルス信号出力回路と同様である。パルス信号生成回路200は、トランジスタ101乃至トランジスタ104を有する。また、第1の入力信号生成回路201は、トランジスタ105乃至トランジスタ107を有する。また、第2の入力信号生成回路202は、トランジスタ108乃至トランジスタ110を有する。
【0168】
また、ダミーパルス信号出力回路の動作についても、後段の出力が入力されない点を除いて先の実施の形態において示したパルス信号出力回路と同様である。よって、詳細については先の実施の形態を参酌することが可能である。なお、トランジスタ110は、設けても良いし設けなくとも良い。また、ダミーパルス信号出力回路では、少なくとも正規段のパルス信号出力回路(第n−1〜第nのパルス信号出力回路)への出力が確保されればよいから、出力端子は2系統に限らず、1系統としても良い。つまり、出力端子26または出力端子27を省略することが可能である。なお、この場合には、省略される出力端子に付随するトランジスタ(例えば、出力端子27を省略する場合には、トランジスタ103およびトランジスタ104)は、適宜省略すればよい。
【0169】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0170】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で述べたパルス信号出力回路やシフトレジスタに適用できるトランジスタの例について、図12を参照して説明する。
【0171】
図12(A)には、トランジスタの上面図を示し、図12(B)には、図12(A)におけるA1−A2の断面図の例を示す。図12に示すトランジスタは、半導体として酸化物半導体を用いるものである。酸化物半導体を用いることのメリットは、簡単なプロセス、低温のプロセスで、高い移動度と低いオフ電流が実現できることといえる。
【0172】
図12(B)に示すように、トランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上の、ゲート電極層402、ゲート絶縁層404、酸化物半導体層412、ドレイン電極層414a、及びソース電極層414bを含む。また、酸化物半導体層412に接するゲート絶縁層416が設けられ、ゲート絶縁層416上にはさらにゲート電極層418が設けられている。なお、ゲート電極層402及びゲート電極層418は、先の実施の形態における第1のゲート端子及び第2のゲート端子に相当する。また、ドレイン電極層414a及びソース電極層414bは、それぞれ第1の端子及び第2の端子に相当する。
【0173】
本実施の形態では、半導体層として酸化物半導体層412を用いる。酸化物半導体層412を用いたトランジスタ410は、オフ電流が極めて小さい。よって、これをパルス信号出力回路やシフトレジスタに用いることで、各ノードの電位保持が容易になり、パルス信号出力回路やシフトレジスタの誤動作の確率を極めて低く抑えることができる。
【0174】
図12に示すトランジスタ410は、ドレイン電極層414a及びソース電極層414bと、ゲート電極層402とが一部重なる構造であるが、ドレイン電極層414a及びソース電極層414bと、ゲート電極層402とが重ならない構造であってもよい。
【0175】
酸化物半導体は非単結晶であり、アモルファスでも、多結晶でもよい。また、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でも、非アモルファスでもよい。
【0176】
アモルファス状態の酸化物半導体は、比較的容易に平坦な表面を得ることができるため、これを用いてトランジスタを作製した際の界面散乱を低減でき、比較的容易に、比較的高い移動度を得ることができる。
【0177】
また、結晶性を有する酸化物半導体では、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
【0178】
なお、Raは、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、以下の式にて定義される。
【0179】
【数8】

【0180】
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y)),(x,y,f(x,y))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZとする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
【0181】
酸化物半導体層412として、結晶を含み、結晶性を有する酸化物半導体層(結晶性酸化物半導体層)を用いることができる。結晶性酸化物半導体層における結晶状態は、結晶軸の方向が無秩序な状態でも、一定の配向性を有する状態であってもよい。
【0182】
例えば、結晶性酸化物半導体層として、表面に概略垂直なc軸を有している結晶を含む酸化物半導体層を用いることができる。
【0183】
表面に概略垂直なc軸を有している結晶を含む酸化物半導体層は、単結晶構造ではなく、非晶質構造でもない構造であり、c軸配向を有した結晶を含む酸化物半導体(C Axis Aligned Crystal Oxide Semiconductor;CAAC−OSともいう)層である。なお、該酸化物半導体層は、一部に結晶粒界(グレインバウンダリー)を有することもある。
【0184】
CAAC−OS膜とは、c軸配向し、かつab面、表面または界面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向においては、金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列しており、ab面(あるいは表面または界面)においては、a軸またはb軸の向きが異なる(c軸を中心に回転した)結晶を含む酸化物半導体膜である。CAAC−OS膜とは、c軸に対しては結晶化した薄膜であり、ab面に対しては必ずしも配列していない。
【0185】
広義に、CAAC−OS膜は、非単結晶であって、そのab面に垂直な方向から見て、三角形もしくは六角形、または正三角形もしくは正六角形の原子配列を有し、かつc軸方向に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子が層状に配列した相を含んでいる。
【0186】
CAAC−OS膜は単結晶ではないが、非晶質のみから形成されているものでもない。また、CAAC−OS膜は結晶化した部分(結晶部分)を含むが、1つの結晶部分と他の結晶部分の境界を明確に判別できないこともある。
【0187】
CAAC−OS膜を構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。また、CAAC−OS膜を構成する個々の結晶部分のc軸は一定の方向(例えば、CAACが形成される基板面やCAAC−OS膜の表面や膜面、界面等に垂直な方向)に揃っていてもよい。あるいは、CAAC−OSを含む薄膜を構成する個々の結晶部分のab面の法線は一定の方向(例えば、基板面、表面、膜面、界面等に垂直な方向)を向いていてもよい。
【0188】
該酸化物半導体層をトランジスタに用いることで、可視光や紫外光の照射によるトランジスタの電気的特性変化をより抑制し、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
【0189】
c軸配向を有した酸化物半導体層を得る方法としては、3つ挙げられる。1つ目は、成膜温度を200℃以上500℃以下として酸化物半導体層の成膜を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。2つ目は、膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。3つ目は、一層目の膜厚を薄く成膜した後、200℃以上700℃以下の加熱処理を行い、2層目の成膜を行い、表面に概略垂直にc軸配向させる方法である。
【0190】
酸化物半導体層412の膜厚は、1nm以上30nm以下(好ましくは5nm以上10nm以下)とし、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。また、酸化物半導体層412は、スパッタリングターゲット表面に対し、概略垂直に複数の基板表面がセットされた状態で成膜を行うスパッタ装置を用いて成膜してもよい。
【0191】
本実施の形態の半導体層に用いる酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化することが好ましい。
【0192】
なお、高純度化された酸化物半導体中ではキャリアが極めて少なく、キャリア密度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好ましくは1×1011/cm未満となる。また、このようにキャリアが少ないことで、オフ電流は十分に小さくなる。
【0193】
具体的には、上述の酸化物半導体層を具備するトランジスタでは、室温(25℃)におけるチャネル幅1μmあたりのオフ電流密度を、トランジスタのチャネル長Lが10μm、トランジスタのソース−ドレイン間の電圧が3Vの条件において、100zA/μm(1×10−19A/μm)以下、さらには10zA/μm(1×10−20A/μm)以下にすることが可能である。
【0194】
また、高純度化された酸化物半導体層を具備するトランジスタ410は、オン電流の温度依存性がほとんど見られず、オフ電流も非常に小さいままである。
【0195】
次に、図12に示すトランジスタ410の作製工程について、図13を用いて説明する。
【0196】
まず、絶縁表面を有する基板400上に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程によりゲート電極層402を形成する。なお、当該フォトリソグラフィ工程に用いるレジストマスクは、インクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0197】
絶縁表面を有する基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板400として用いてもよい。
【0198】
また、基板400として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体層412を含むトランジスタ410を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体層412を含むトランジスタ410を作製し、その後可撓性基板に剥離、転置してもよい。なお、作製基板から可撓性基板に剥離、転置するために、作製基板と酸化物半導体層412を含むトランジスタ410との間に剥離層を設けるとよい。
【0199】
ゲート電極層402の材料として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を適用することができる。また、ゲート電極層402として、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜、ニッケルシリサイドなどのシリサイド膜を用いてもよい。ゲート電極層402は、単層構造としてもよいし、積層構造としてもよい。
【0200】
また、ゲート電極層402の材料として、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。また、上記導電性材料と、上記金属材料の積層構造とすることもできる。
【0201】
なお、後に成膜されるゲート絶縁層404と接するゲート電極層402の一層として、窒素を含む金属酸化物、具体的には、窒素を含むIn−Ga−Zn−O膜や、窒素を含むIn−Sn−O膜や、窒素を含むIn−Ga−O膜や、窒素を含むIn−Zn−O膜や、窒素を含むSn−O膜や、窒素を含むIn−O膜や、金属窒化膜(InN、SnNなど)を用いることができる。これらの膜は5eV(電子ボルト)、好ましくは5.5eV(電子ボルト)以上の仕事関数を有し、ゲート電極層として用いた場合、トランジスタの電気特性のしきい値電圧をプラスにすることができ、所謂ノーマリーオフのスイッチング素子を実現できる。
【0202】
次に、ゲート電極層402上にゲート絶縁層404を形成する。
【0203】
ゲート絶縁層404の膜厚は、1nm以上20nm以下とし、スパッタリング法、MBE法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いることができる。また、ゲート絶縁層404は、スパッタリングターゲット表面に対し、概略垂直に複数の基板表面がセットされた状態で成膜を行うスパッタ装置を用いて成膜してもよい。
【0204】
ゲート絶縁層404の材料として、酸化シリコン膜、酸化ガリウム膜、酸化アルミニウム膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化窒化アルミニウム膜、または窒化酸化シリコン膜を適用することができる。ゲート絶縁層404は、後に成膜される酸化物半導体層406と接する部分において酸素を含むことが好ましい。特に、ゲート絶縁層404は、膜中(バルク中)に少なくとも化学量論比を超える量の酸素が存在することが好ましく、例えば、ゲート絶縁層404として、酸化シリコン膜を用いる場合には、SiO2+α(ただし、α>0)とする。本実施の形態では、ゲート絶縁層404として、SiO2+α(ただし、α>0)である酸化シリコン膜を用いる。この酸化シリコン膜をゲート絶縁層404として用いることで、後に成膜される酸化物半導体層406に酸素を供給することができる。さらに、ゲート絶縁層404は、作製するトランジスタのサイズやゲート絶縁層404の段差被覆性を考慮して形成することが好ましい。
【0205】
また、ゲート絶縁層404の材料として酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi、(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiO(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。さらに、ゲート絶縁層404は、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
【0206】
次に、ゲート絶縁層404上に酸化物半導体層406を成膜する(図13(A)参照)。
【0207】
ここで、酸化物半導体層の形成工程において、酸化物半導体層に水素、又は水がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体層406の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁層404が形成された基板を予備加熱し、基板400及びゲート絶縁層404に吸着した水素、水分などの不純物を脱離し排気することが好ましい。なお、予備加熱室に設ける排気手段はクライオポンプが好ましい。
【0208】
ゲート絶縁層404において酸化物半導体層406が接して形成される領域に、平坦化処理を行ってもよい。平坦化処理としては、特に限定されないが、ドライエッチング処理、プラズマ処理、又は研磨処理(例えば、化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法)を用いることができる。
【0209】
プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、ゲート絶縁層404の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
【0210】
平坦化処理として、ドライエッチング処理、プラズマ処理、又は研磨処理は複数回行ってもよく、それらを組み合わせて行ってもよい。また、組み合わせて行う場合、工程順も特に限定されず、ゲート絶縁層404表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
【0211】
なお、酸化物半導体層406は、成膜時に酸素が多く含まれるような条件(例えば、酸素100%の雰囲気下でスパッタリング法により成膜を行うなど)で成膜して、酸素を多く含む(好ましくは酸化物半導体が結晶状態における化学量論的組成比に対し、酸素の含有量が過剰な領域が含まれている)膜とすることが好ましい。
【0212】
なお、本実施の形態において、酸化物半導体層406を、スパッタリング法で作製するためのターゲットとしては、組成比として、In:Ga:Zn=3:1:2[原子百分率]の酸化物ターゲットを用い、In−Ga−Zn系酸化物膜(IGZO膜)を成膜する。
【0213】
また、ターゲットの相対密度は90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下である。相対密度の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体層406は緻密な膜とすることができる。
【0214】
酸化物半導体層406を、成膜する際に用いるスパッタリングガスは水素、水、水酸基又は水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
【0215】
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持する。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板400上に酸化物半導体層406を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体層406に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0216】
また、ゲート絶縁層404と酸化物半導体層406とを大気に解放せずに連続的に成膜することが好ましい。ゲート絶縁層404と酸化物半導体層406とを大気に曝露せずに連続して成膜すると、ゲート絶縁層404表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる。
【0217】
次に、酸化物半導体層406に含まれる過剰な水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)するための加熱処理を行う。酸化物半導体層406に加熱処理を行うことにより、過剰な水素が除去された酸化物半導体層408を形成することができる(図13(B)参照)。加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。加熱処理は減圧下又は窒素雰囲気下などで行うことができる。例えば、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体層406に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
【0218】
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0219】
例えば、加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を入れ、数分間加熱した後、基板を不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
【0220】
なお、加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0221】
また、加熱処理で酸化物半導体層406を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の一酸化二窒素ガス、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入してもよい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガスまたは一酸化二窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガス又は一酸化二窒素ガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することができる。
【0222】
また、脱水化又は脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
【0223】
脱水化又は脱水素化のための加熱処理を、酸化物半導体層412として島状に加工される前、膜状の酸化物半導体層406がゲート絶縁層404を覆った状態で行うと、ゲート絶縁層404に含まれる酸素が加熱処理によって外方拡散されるのを防止することができるため好ましい。
【0224】
また、脱水化又は脱水素化処理によって、酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素が同時に脱離して減少してしまうおそれがある。酸化物半導体層408において、酸素が脱離した箇所では酸素欠損が存在し、該酸素欠損に起因してトランジスタの電気的特性変動を招くドナー準位が生じてしまう。
【0225】
よって、脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体層408に、酸素を供給することが好ましい。酸化物半導体層へ酸素を供給することにより、膜中の酸素欠損を補填することができる。
【0226】
例えば、酸素の供給源となる酸素を多く(過剰に)含む酸化物絶縁層をゲート絶縁層404として用い、酸化物半導体層408と接して設けることによって、該酸化物絶縁層から酸化物半導体層へ酸素を供給することができる。上記構成において、脱水化又は脱水素化処理として加熱処理を行った酸化物半導体層408及び酸化物絶縁層を少なくとも一部が接した状態で加熱処理を行うことによって酸化物半導体層408への酸素の供給を行ってもよい。
【0227】
酸素の供給源となる酸素を多く(過剰に)含むゲート絶縁層404と酸化物半導体層408と接して設けることによって、該ゲート絶縁層404から酸化物半導体層408へ酸素を供給することができる。また、酸化物半導体層408へ酸素を供給することにより、酸化物半導体層408中の酸素欠損を補填することができる。
【0228】
次に、酸化物半導体層408をフォトリソグラフィ工程により、島状の酸化物半導体層412に形成する(図13(C)参照)。なお、当該フォトリソグラフィ工程に用いるレジストマスクは、インクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
【0229】
なお、酸化物半導体層408のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体層408のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO07N(関東化学社製)を用いてもよい。
【0230】
次に、酸化物半導体層412に、酸素(少なくとも、酸素ラジカル、酸素原子、酸素イオン、のいずれかを含む)を導入して膜中に酸素を供給してもよい。
【0231】
酸化物半導体層412に、酸素を導入して膜中に酸素を供給することによって、酸化物半導体層412を高純度化することができる。高純度化された酸化物半導体層412を有するトランジスタは、電気特性変動が抑制されており、電気的に安定である。
【0232】
酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理などを用いることができる。
【0233】
酸素の導入工程は、酸化物半導体層412に酸素導入する場合、酸化物半導体層412に直接導入してもよいし、後に成膜されるゲート絶縁層416を通過して酸化物半導体層412へ導入してもよい。酸素をゲート絶縁層416を通過して導入する場合は、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いればよいが、酸素を露出された酸化物半導体層412へ直接導入する場合は、プラズマ処理なども用いることができる。
【0234】
酸化物半導体層への酸素の導入は、脱水化又は脱水素化処理を行った後であればよく、特に限定されない。また、上記脱水化又は脱水素化処理を行った酸化物半導体層に、酸素の導入を複数回行ってもよい。
【0235】
次いで、酸化物半導体層412上に、ドレイン電極層414a及びソース電極層414b(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により、ドレイン電極層414a及びソース電極層414bを形成する(図13(D)参照)。
【0236】
該導電膜は後の加熱処理に耐えられる材料を用いる。ドレイン電極層414a及びソース電極層414bに用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなどの高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ドレイン電極層414a及びソース電極層414bに用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム酸化スズ(In−SnO、ITOと略記する)、酸化インジウム酸化亜鉛(In−ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0237】
次に、酸化物半導体層412、ドレイン電極層414a、及びソース電極層414bを覆うように、ゲート絶縁層416を成膜する。なお、ゲート絶縁層416の材料及び成膜方法として、ゲート絶縁層404と同様の材料及び成膜方法を適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0238】
次に、ゲート絶縁層416上にゲート電極層418となる導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ工程により、ゲート電極層418を形成する(図13(E)参照)。なお、ゲート電極層418の材料及び成膜方法として、ゲート電極層402と同様の材料及び成膜方法を適用することができるため、詳細な説明は省略する。
【0239】
以上の工程でトランジスタ410が形成される(図13(E)参照)。
【0240】
なお、ゲート絶縁層416、及びゲート電極層418上には、さらに保護絶縁層を形成してもよい。保護絶縁層は、水素や水などの、外部からの侵入を防止する。保護絶縁層としては、例えば、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜などを用いることができる。成膜方法は特に限定されないが、RFスパッタ法は量産性がよいため、保護絶縁層の成膜方法として適している。
【0241】
さらに、保護絶縁層上には、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するための平坦化絶縁膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン等の有機材料を用いることができる。また、上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0242】
なお、保護絶縁層又は平坦化絶縁膜の成膜後には、さらに、大気中、100℃以上200℃以下、1時間以上30時間以下の条件で、熱処理を行ってもよい。
【0243】
このように、本実施の形態を用いて作製した、高純度化された酸化物半導体層を含むトランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、このトランジスタを用いることにより、ノードの電位保持が容易になる。よって、これをパルス信号出力回路やシフトレジスタに用いることで、パルス信号出力回路やシフトレジスタの誤動作の確率を極めて低く抑えることができる。
【0244】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0245】
(実施の形態5)
上記実施の形態1乃至実施の形態3で一例を示したシフトレジスタを用いて、表示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
【0246】
表示装置に用いる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子(発光表示素子ともいう)を適用することができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機EL等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
【0247】
図14(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むようにして、シール材4005が設けられ、第1の基板4001と第2の基板4006によって封止されている。図14(A)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に走査線駆動回路4004、信号線駆動回路4003が実装されている。また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018a、4018bから供給されている。
【0248】
図14(B)及び図14(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。図14(B)及び図14(C)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に信号線駆動回路4003が実装されている。図14(B)及び図14(C)においては、別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0249】
また、図14(B)及び図14(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装しても良い。
【0250】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB(Tape Automated Bonding)方法などを用いることができる。図14(A)は、COG方法により信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり、図14(B)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図14(C)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0251】
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0252】
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えばFPCもしくはTABテープもしくはTCPが取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
【0253】
また、第1の基板上に設けられた画素部は、トランジスタを複数有しており、該トランジスタとして、先の実施の形態で例示したトランジスタを適用してもよい。
【0254】
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0255】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いると良い。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理が不要となる。このため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
【0256】
また、液晶材料の固有抵抗は、1×10Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
【0257】
液晶表示装置に設けられる保持容量の大きさは、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。保持容量の大きさは、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
【0258】
液晶表示装置には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いる。
【0259】
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
【0260】
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設ける。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
【0261】
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す)、又はRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、本発明の一態様は、カラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
【0262】
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
【0263】
有機EL素子では、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。当該メカニズムから、このような発光素子は電流励起型の発光素子と呼ばれる。
【0264】
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。
【0265】
また、表示装置として、電子インクを駆動させる電子ペーパーを提供することも可能である。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能という利点を有している。
【0266】
電気泳動表示装置は、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロカプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示するものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合において移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を含む)とする。
【0267】
このように、電気泳動表示装置は、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。
【0268】
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、この電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
【0269】
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子には、導電体材料、絶縁体材料、半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレクトロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を用いればよい。
【0270】
また、電子ペーパーとして、ツイストボール表示方式を用いる表示装置も適用することができる。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を表示素子に用いる電極層である第1の電極層及び第2の電極層の間に配置し、第1の電極層及び第2の電極層に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
【0271】
以上に例示する表示装置に、実施の形態1または実施の形態2で示したパルス信号出力回路を適用することで、様々な機能を有する表示装置を提供することができる。
【0272】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【0273】
(実施の形態6)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0274】
図15(A)は、本明細書に開示する半導体装置を少なくとも一部品として実装して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体3001、筐体3002、表示部3003、キーボード3004などによって構成されている。
【0275】
図15(B)は、本明細書に開示する半導体装置を少なくとも一部品として実装して作製した携帯情報端末(PDA)であり、本体3021には表示部3023と、外部インターフェイス3025と、操作ボタン3024等が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス3022がある。
【0276】
また、本明細書に開示する半導体装置は、電子ペーパーとして適用することができる。図15(C)は該電子ペーパーを一部品として実装して作製した電子書籍である。図15(C)は、電子書籍の一例を示している。例えば、電子書籍2700は、筐体2701および筐体2703の2つの筐体で構成されている。筐体2701および筐体2703は、軸部2711により一体とされており、該軸部2711を軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、紙の書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0277】
筐体2701には表示部2705が組み込まれ、筐体2703には表示部2707が組み込まれている。表示部2705および表示部2707は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図15(C)では表示部2705)に文章を表示し、左側の表示部(図15(C)では表示部2707)に画像を表示することができる。
【0278】
また、図15(C)では、筐体2701に操作部などを備えた例を示している。例えば、筐体2701において、電源2721、操作キー2723、スピーカー2725などを備えている。操作キー2723により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。さらに、電子書籍2700は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0279】
また、電子書籍2700は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0280】
図15(D)は、本明細書に開示する半導体装置を少なくとも一部品として実装して作製した携帯電話であり、筐体2800及び筐体2801の二つの筐体で構成されている。筐体2801には、表示パネル2802、スピーカー2803、マイクロフォン2804、ポインティングデバイス2806、カメラ用レンズ2807、外部接続端子2808などを備えている。また、筐体2800には、携帯型情報端末の充電を行う太陽電池セル2810、外部メモリスロット2811などを備えている。また、アンテナは筐体2801内部に内蔵されている。
【0281】
また、表示パネル2802はタッチパネルを備えており、図15(D)には映像表示されている複数の操作キー2805を点線で示している。なお、太陽電池セル2810で出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路も実装している。
【0282】
表示パネル2802は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネル2802と同一面上にカメラ用レンズ2807を備えているため、テレビ電話が可能である。スピーカー2803及びマイクロフォン2804は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2800と筐体2801は、スライドし、図15(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。
【0283】
外部接続端子2808はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット2811に記録媒体を挿入することで、より大量のデータ保存及び移動に対応できる。
【0284】
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
【0285】
図15(E)は本明細書に開示する半導体装置を少なくとも一部品として実装して作製したデジタルビデオカメラであり、本体3051、第1の表示部3057、接眼部3053、操作スイッチ3054、第2の表示部3055、バッテリー3056などによって構成されている。
【0286】
図15(F)は、本明細書に開示する半導体装置を少なくとも一部品として実装したテレビジョン装置の一例を示している。テレビジョン装置9600では、筐体9601に表示部9603が組み込まれている。表示部9603により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド9605により筐体9601を支持した構成を示している。
【0287】
テレビジョン装置9600の操作は、筐体9601が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0288】
なお、テレビジョン装置9600は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
【0289】
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0290】
11 信号線
12 信号線
13 信号線
14 信号線
15 配線
21 入力端子
22 入力端子
23 入力端子
24 入力端子
25 入力端子
26 出力端子
27 出力端子
31 電源線
32 電源線
33 電源線
34 電源線
51 期間
52 期間
53 期間
54 期間
55 期間
56 期間
101 トランジスタ
102 トランジスタ
103 トランジスタ
104 トランジスタ
105 トランジスタ
106 トランジスタ
107 トランジスタ
108 トランジスタ
109 トランジスタ
110 トランジスタ
111 トランジスタ
200 パルス信号生成回路
201 第1の入力信号生成回路
202 第2の入力信号生成回路
203 第2の入力信号生成回路
400 基板
402 ゲート電極層
404 ゲート絶縁層
406 酸化物半導体層
408 酸化物半導体層
410 トランジスタ
412 酸化物半導体層
414a ドレイン電極層
414b ソース電極層
416 ゲート絶縁層
418 ゲート電極層
2700 電子書籍
2701 筐体
2703 筐体
2705 表示部
2707 表示部
2711 軸部
2721 電源
2723 操作キー
2725 スピーカー
2800 筐体
2801 筐体
2802 表示パネル
2803 スピーカー
2804 マイクロフォン
2805 操作キー
2806 ポインティングデバイス
2807 カメラ用レンズ
2808 外部接続端子
2810 太陽電池セル
2811 外部メモリスロット
3001 本体
3002 筐体
3003 表示部
3004 キーボード
3021 本体
3022 スタイラス
3023 表示部
3024 操作ボタン
3025 外部インターフェイス
3051 本体
3053 接眼部
3054 操作スイッチ
3055 表示部
3056 バッテリー
3057 表示部
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4018 FPC
4018a FPC
4018b FPC
9600 テレビジョン装置
9601 筐体
9603 表示部
9605 スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース端子、ドレイン端子、第1のゲート端子、及び第2のゲート端子を有する第1乃至第10のトランジスタ、第1乃至第4の入力端子、第1及び第2の出力端子、並びに第1乃至第4の電源線を有し、
前記第1のトランジスタは、ドレイン端子が前記第1の入力端子と接続され、ソース端子が前記第1の出力端子と接続され、
前記第2のトランジスタは、ドレイン端子が前記第1の出力端子と接続され、ソース端子が前記第1の電源線と接続され、
前記第3のトランジスタは、ドレイン端子が前記第1の入力端子と接続され、ソース端子が前記第2の出力端子と接続され、
前記第4のトランジスタは、ドレイン端子が前記第2の出力端子と接続され、ソース端子が前記第1の電源線と接続され、
前記第5のトランジスタは、ドレイン端子が前記第2の電源線と接続され、ソース端子が前記第6のトランジスタのドレイン端子及び前記第7のトランジスタのドレイン端子と接続され、
前記第6のトランジスタは、ソース端子が前記第1の電源線と接続され、第1のゲート端子が前記第8のトランジスタのソース端子、前記第9のトランジスタのドレイン端子、前記第2のトランジスタの第1のゲート端子、及び前記第4のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、
前記第7のトランジスタは、ソース端子が前記第1のトランジスタの第1のゲート端子及び前記第3のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、前記第1のゲート端子が前記第2の電源線と接続され、
前記第8のトランジスタは、ドレイン端子が前記第10のトランジスタのソース端子と接続され、第1のゲート端子が前記第2の入力端子と接続され、第2のゲート端子が前記第3の電源線と接続され、
前記第9のトランジスタは、ソース端子が前記第1の電源線と接続され、
前記第10のトランジスタは、ドレイン端子が前記第2の電源線と接続され、第1のゲート端子が前記第3の入力端子と接続され、第2のゲート端子が前記第3の電源線と接続され、
前記第1の出力端子は、前記第1のトランジスタの第2のゲート端子、前記第3のトランジスタの第2のゲート端子と接続され、
前記第4の入力端子は、前記第5のトランジスタの第1のゲート端子及び第2のゲート端子、前記第9のトランジスタの第1のゲート端子と接続され、
前記第3の電源線は、前記第2のトランジスタの第2のゲート端子、前記第4のトランジスタの第2のゲート端子、前記第6のトランジスタの第2のゲート端子、前記第9のトランジスタの第2のゲート端子と接続され、
前記第4の電源線は、前記第7のトランジスタの第2のゲート端子と接続されるパルス信号出力回路。
【請求項2】
容量素子を有し、
前記容量素子は、前記第2のトランジスタの第1のゲート端子、前記第4のトランジスタの第1ゲート端子、前記第6のトランジスタの第1のゲート端子、前記第8のトランジスタのソース端子、及び前記第9のトランジスタのドレイン端子に電気的に接続される請求項1に記載のパルス信号出力回路。
【請求項3】
第11のトランジスタを有し、
前記第11のドレイン端子は、前記第2の電源線に接続され、
前記第11のトランジスタのソース端子は、前記第2のトランジスタの第1のゲート端子、前記第4のトランジスタの第1のゲート端子、前記第6のトランジスタの第1のゲート端子、前記第8のトランジスタのソース端子、及び前記第9のトランジスタのドレイン端子に接続される請求項1又は2に記載のパルス信号出力回路。
【請求項4】
前記第1の電源線には、第1の電位が与えられ、
前記第2の電源線には、前記第1の電位よりも高い第2の電位が与えられ、
前記第4の電源線には、前記第1の電位と前記第2の電位との間の第3の電位が与えられ、
前記第3の電源線には、前記第3の電位よりも低い電位が与えられる請求項1乃至3のいずれか一に記載のパルス信号出力回路。
【請求項5】
前記第1の入力端子に第1のクロック信号が入力され、
前記第2の入力端子に第2のクロック信号が入力され、
前記第3の入力端子に第3のクロック信号が入力され、
前記第4の入力端子に第4のクロック信号が入力される請求項1乃至4のいずれか一に記載のパルス信号出力回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一に記載のパルス信号出力回路を複数用いたシフトレジスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−55651(P2013−55651A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−173173(P2012−173173)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】