説明

パワーモジュール用基板用の導体パターン部材

【課題】セラミックス基板と導体パターン層との強固な接合性を得ることができ、組立作業性を向上させることができるパワーモジュール用基板用の導体パターン部材を提供する。
【解決手段】導体パターン部材10は、導体パターン層6とろう材箔9とを積層状態に仮固定してなり、導体パターン層6の表面にろう材箔9を溶接することにより形成された溶接部12が、導体パターン層6の外縁の少なくとも対向する二辺に沿って又は前記二辺の端部に位置するように複数設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大電流、大電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板の製造に用いられる導体パターン部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーモジュールとして、セラミックス基板の一方の面に、導体パターン層を形成する金属層が積層され、この導体パターン層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされるとともに、セラミックス基板の他方の面に放熱層となる金属層が形成され、この放熱層にヒートシンクが接合された構成のものや、放熱層となる金属層を設けず、セラミックス基板に直接アルミニウム製のヒートシンクが接合された構成のパワーモジュールが知られている。この種のパワーモジュールに用いられるパワーモジュール用基板においては、セラミックス基板の表面に金属層をはんだ付け又はろう付けにより接合している。
【0003】
例えば、特許文献1では、セラミックス基板の表面に揮発性有機媒体の表面張力によって、ろう材箔を仮固定するとともに、ろう材箔の表面に基材から打ち抜かれた導体パターン層を仮固定した状態で加熱し、パワーモジュール用基板を形成している。
また、特許文献2においては、活性金属ろう材ペースト層の表面に複数の突起部を形成し、活性金属ろう材ペースト層上に突起部を介して導体パターン層(金属板)を載置し、非酸化性雰囲気中で加熱することによりセラミックス基板と導体パターン層とを接合している。活性金属ろう材ペースト層が溶融するまでの間、導体パターン層は突起部を介して配置されていることから、昇温時に導体パターン層が熱膨張したとしてもセラミックス基板上の活性金属ろう材ペーストが導体パターン層に引きずられて、その外側にはみ出すこともなく、位置精度よく接合できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4311303号公報
【特許文献2】特許第3954912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のパワーモジュール用基板の製造方法においては、ろう材箔及び導体パターン層をセラミックス基板に仮固定する際に、ろう材箔と導体パターン層に位置ずれや、ろう材箔の折れ曲がり等が生じ易い。この場合、導体パターン層直下のろう材が局所的に不足して、強固な接合性が得られないことがある。また、特許文献2においても、活性金属ろう材ペーストの粘度管理等が難しいだけでなく、ペーストの塗布位置に対して導体パターン層を載置するため、位置ずれが生じ易いものとなっている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、セラミックス基板と導体パターン層との強固な接合性を得ることができ、組立作業性を向上させることができるパワーモジュール用基板用の導体パターン部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材は、導体パターン層とろう材箔とを積層状態に仮固定してなり、前記導体パターン層の表面に前記ろう材箔を溶接することにより形成された溶接部が、前記導体パターン層の外縁の少なくとも対向する二辺に沿って又は前記二辺の端部に位置するように複数設けられていることを特徴とする。
導体パターン層とろう材箔とを溶接して一体にしているので、後の積層工程や接合工程において導体パターン層とろう材箔とがずれることがなく、組立作業性を向上させることができる。また、導体パターン部材の外縁の少なくとも対向する二辺に沿って又は前記二辺の端部に位置するように複数の溶接部が設けられ、導体パターン層とろう材箔とが溶接されているため、ろう材箔のめくれや折れ曲がりが生じにくく、その結果、ろう材箔を積層面に全面にわたって行き渡らせることができる。これにより、セラミックス基板と導体パターン層とを強固に接合することができる。
【0008】
本発明のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材において、前記溶接部は、前記導体パターン層の外縁の対向する二辺に重なるように形成されているとよい。
導体パターン層とろう材箔とが、外縁で溶接されているので、確実に、ろう材箔のめくれや折れ曲がりを防止することができる。
【0009】
本発明のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材において、前記溶接部は、前記二辺に沿う線状に形成されているとよい。
溶接部の範囲を比較的長くすることができるので、確実に導体パターン層とろう材箔とを接合することができる。
【0010】
また、本発明のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材において、前記溶接部は、前記導体パターン層の外縁の少なくとも角部に重なるように形成されているとよい。
角部を溶接しておくことで、局所的に点在する溶接部とした場合でも、確実にろう材箔のめくれや折れ曲がりを防止することができる。
【0011】
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板の少なくとも一方の面に導体パターン層が形成されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、前述した導体パターン部材とセラミックス基板とを積層する積層工程と、導体パターン部材と前記セラミックス基板とを加圧した状態で加熱することによりろう接する接合工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、導体パターン層とろう材箔とを一体にして導体パターン部材として取扱うことにより、パワーモジュール用基板の組立作業性を向上させることができるとともに、導体パターン層とセラミックス基板との間で、ろう材箔のめくれや折れ曲がり等が生じるのを防止でき、それらを強固に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材を説明する図であり、(a)が正面図、(b)が縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の導体パターン部材の製造方法を説明する図である。
【図3】ろう材箔の接合装置を示す概略図である。
【図4】図3に示す装置の一部である超音波溶接機の要部拡大図である。
【図5】本発明の導体パターン部材を用いたパワーモジュールの側面図である。
【図6】点在する連続した溶接部を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施形態の導体パターン部材の製造方法を説明する図である。
【図8】本発明のその他の実施形態の導体パターン部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図5は、この発明により製造されるパワーモジュール用基板用の導体パターン部材を用いて製造されるパワーモジュール1を示している。このパワーモジュール1は、セラミックス等からなるセラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、このパワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3に接合されたヒートシンク5とから構成される。
【0015】
パワーモジュール用基板3は、セラミックス基板2の上面側に導体パターン層6が配設されるとともに、下面側に放熱層7が配設されて構成される。導体パターン層6及び放熱層7は、共に純アルミニウムもしくはアルミニウム合金により形成されている。これら導体パターン層6及び放熱層7は、セラミックス基板2に、Al−Si系もしくはAl−Ge系のろう材箔によりろう接されている。そして、導体パターン層6の上面に、電子部品4がはんだ層8を介して接合されている。また、放熱層7の下面に、ヒートシンク5が配設されており、電子部品4からの熱を、ヒートシンク5を介して外部へ放散できるようになっている。
【0016】
パワーモジュール用基板3は、図1に示すように、予め導体パターン層6とろう材箔9との一部を仮固定して、導体パターン層6とろう材箔9とを一体とした導体パターン部材10を形成しておき、その導体パターン部材10とセラミックス基板2とをろう材箔9を介して接合することにより形成されている。そして、導体パターン層6とろう材箔9は、図3に示すろう材箔の接合装置100によって仮固定される。
【0017】
接合装置100は、導体パターン層6となる帯状の基材60に帯状のろう材箔90とを重ねた状態で走行させる走行手段である送り装置110と、基材60とろう材箔90とを超音波シーム溶接する溶接手段である超音波溶接機120と、基材60を導体パターン層6の外形線に沿ってろう材箔90ごと打ち抜くプレス手段であるプレス加工機130とを備えている。
また、図3の符号140,150,160,170はそれぞれ、コイル状に巻かれた基材を供給する基材の供給装置140、供給された基材60を洗浄する洗浄装置150、基材60を平滑化するレベラ160、ろう材箔90を供給するろう材箔の供給装置170を示している。
【0018】
超音波溶接機120は、図4に示すように、一対の円盤状のホーン21に超音波振動を発生させる振動器22がそれぞれ連結されており、ステージ23上に重ねて載置された基材60上のろう材箔90に接触した状態でホーン21を移動することで、線状の溶接部12(図2参照)を形成できるものである。
【0019】
ホーン21及び振動器22は、ボールねじ軸24a,25a及びそのボールねじ軸24a,25aに螺合するスライドユニット24b,25bを有するボールねじ機構により、水平方向に移動可能に支持されている。
具体的には、基材60の走行方向に延びるボールねじ軸25aに、一対のスライドユニット25bが移動可能に取り付けられ、各スライドユニット25bにボールねじ軸25aと直交する方向(基材60の幅方向)に延びるボールねじ軸24aが取り付けられ、これらボールねじ軸24aにそれぞれスライドユニット24bが移動可能に取り付けられている。
各ボールねじ軸24a,25aの一端は、それぞれが個別の移動用モータ(図示略)と連結されており、各移動用モータを回転させるとボールねじ軸24a,25aが回転し、それに伴いスライドユニット24b,25bがボールねじ軸24a,25aの軸方向に移動するようになっている。
なお、ボールねじ軸25aは、雄ねじ部が中央部を境にして左右逆ねじに形成され、左ねじ部a1と右ねじ部a2とにより構成されている。ボールねじ軸25aの両側に設けられるスライドユニット25bが、それぞれボールねじ軸25aの雄ねじ部a1,a2に案内されて、左右対称に移動する構成とされている。
各スライドユニット24bには振動器22が取り付けられており、両振動器22にはそれぞれ円盤状のホーン21が連結され、これらホーン21が走行方向に直交する方向に平行に配置されており、ホーン21をステージ23の上で基材60上のろう材箔90に接触させた状態でスライドユニット24bによって移動することで、一度に二本の線状の溶接部12を基材60及びろう材箔90の幅方向に沿って形成することができる。
【0020】
ステージ23は、基材60を載置する上面部が、基材60及びろう材箔90の走行方向に沿う曲率で凸円弧状に形成されており、シリンダー等の昇降機構により垂直方向に上下移動可能に構成され、ろう材箔90の上面とホーン21とを接触させる所定位置まで上昇させることができる。また、一対のホーン21の配置位置の前方及び後方位置には、重ねられた状態の帯状の基材60とろう材箔90とをステージ23との間で挟持するワーク押さえ26が設けられている。このワーク押さえ26とステージ23の昇降機構とにより、基材60とろう材箔90とをステージ23の表面に沿って保持する保持手段が構成される。
【0021】
また、プレス加工機130は、図2に示すように、基材60とろう材箔90とを溶接した後、溶接部12の両端部にパイロット孔13を形成し、そのパイロット孔13をガイドとして基材60をろう材箔90ごと打ち抜くものである。
パイロット孔13は、幅方向に沿う溶接部12の少なくとも一部と重なるように、溶接部12の端部に形成される。また、打ち抜きパンチ131は、後述するように、溶接部12が外形線の一部と重なるように、基材60とろう材箔90とを一体に打ち抜く構成とされている。
【0022】
このように構成されたろう材箔の接合装置100を用いたパワーモジュール用基板3の製造方法は、導体パターン層6とろう材箔9とを積層状態に仮固定して導体パターン部材10を打ち抜くパターン形成工程と、その導体パターン部材10とセラミックス基板2とをろう材箔9が介設するように積層する積層工程と、その積層した積層体をろう接する接合工程とにより構成される。
【0023】
パターン形成工程では、前述した接合装置100を用いて導体パターン部材10を形成する。まず、図3に示すように、各供給装置140,170から帯状の基材60及びろう材箔90を供給し、送り装置110により基材60とろう材箔90とを所定位置まで走行させ、それらをステージ23上に積層した状態で載置する。送り装置110の走行を停止し、ステージ23を上昇させることで、基材60及びろう材箔90をステージ23とワーク押さえ26との間で保持する。ステージ23の上面部は、凸円弧状に形成されているので、基材60とろう材箔90とは、その上面部に沿って、上方に反った状態で密着して保持される。
【0024】
図2に二点鎖線で示す符号11は、形成される導体パターン層6の外形線を示している。一対のホーン21の間隔を外形線11のうち幅方向に沿う間隔に合わせておき、ステージ23を上昇させて、被溶接物である基板60とろう材箔90とを所定位置まで上昇させることで、凸円弧状に保持した状態でホーン21と接触させて溶接することができる。
この際、振動器22によりホーン21を超音波振動させるとともに、ホーン21を回転させながら、基材60の幅方向一端部から他端部にかけて移動することで、図2に示すような線状の溶接部12が走行方向(矢印A)に間隔をおいて一度に二本形成される。なお、これら溶接部12の接合幅は、0.5〜1.0mm程度とされている。そして、溶接が終了したら、ステージ23を下降させ、基材60とろう材箔90とを再び所定距離、走行させる。
このように、重ねられた状態の基材60及びろう材箔90は、送り装置110により、間欠的に走行と停止を繰り返し、基材60とろう材箔90とは断続的に溶接される。
【0025】
溶接された基材60及びろう材箔90は、送り装置110により走行方向に移動させられ、次のプレス加工機130において、その幅方向の端部に、溶接部12の少なくとも一部と重なるように、パイロット孔13が開けられる。そして、パイロット孔13をガイドとして、基材60及びろう材箔90は同時に、導体パターン層の外形線11に沿って打ち抜かれる。
基材60とろう材箔90とは、その溶接部12で接合された状態で打ち抜かれる。前述したように、一対のホーン21の間隔が、導体パターン層の外形線11うち、基材60の幅方向に沿う外形線11の間隔に合わせられているため、図1に示すように、その幅方向の外形線11に沿った外縁が溶接されたままの導体パターン部材10が形成される。
【0026】
ここで、この導体パターン部材30を用いたパワーモジュール用基板の製造方法を説明する。
上述のようにパターン形成工程で形成された導体パターン部材10からなる導体パターン層6及び放熱層7は、セラミックス基板2にろう材箔90を介設させて積層する積層工程、ろう接する接合工程を経てセラミックス基板2と接合される。
具体的には、セラミックス基板2の表面及び裏面に導体パターン部材10を厚さ15μmのろう材箔90を介して積層した積層体と、クッション性及び耐熱性を有するカーボン及びグラファイトの薄膜からなるシートとを、その積層方向に交互に重ねて加圧手段の間に積層し、これらを厚さ方向(積層方向)に荷重50〜500kPaで加圧した状態で真空炉に装入する。そして、この加圧状態で600〜650℃に加熱することにより、セラミックス基板2と導体パターン層6、放熱層7とをろう接し、パワーモジュール用基板3を製造する。
この場合、導体パターン部材10は、その外形の対向する両端部(外縁)が溶接されている。そのため、後の積層工程や接合工程において導体パターン層6及び放熱層7とろう材箔9とがずれることがなく、組立作業性を向上させることができる。
【0027】
また、溶接部12は、導体パターン部材の外縁に、外形線11の少なくとも対向する二辺に沿って又は前記二辺の端部に位置するように複数形成されている。これら溶接部12は、図1(a)の導体パターン10の正面図においては、図の上側の対向する二辺12a及び下側の対向する二辺12bの端部に位置するように形成されており、ろう材箔のめくれや折れ曲がりが生じにくくなっている。その結果、ろう材箔を積層面に全面にわたって行き渡らせることができる。これにより、セラミックス基板2と導体パターン層6とを強固に接合することができる。
【0028】
なお、以上の一連のパワーモジュール用基板の製造方法において、基材60とろう材箔90とを走行方向に間隔をおいて溶接しているので、走行方向に沿って連続的に溶接する場合に比べて、溶接部12でろう材箔90にしわが生じにくい。また、基材60とろう材箔90とを重ねた状態で凸円弧状に反らせることで密着させ、同時に二本の溶接部12を形成することで、しわの発生をより抑制することができる。
【0029】
また、プレス加工時のガイドとしてパイロット孔13を開けたが、その抜き材においては、基材60とろう材箔90の部分で分かれることがなく一体で処理できるので、抜き材の後処理が容易であるとともに、ろう材箔90の部分がプレス加工時に混入し、導体パターン層6を傷つけること等が防止できる。
【0030】
なお、上述の第1実施形態のパターン形成工程においては、基材60とろう材箔90とを線状に溶接したが、図6に示すように、導体パターン層6の外形線11に並んで点在する連続した溶接部14を構成し、仮固定する構成とすることも可能である。この場合、線状の溶接部と比べて、ろう材箔に生じるしわをさらに低減させることができる。
【0031】
図7は、本発明の第2実施形態の導体パターン部材の製造方法を説明する図である。上述の第1実施形態のパターン形成工程においては、基材60とろう材箔90とを線状に溶接したが、図7に示す第2実施形態のように、対向する二辺の端部に点状の溶接部15を、導体パターン層6の外形線11の角部に重ねて形成し、導体パターン層6とろう材箔9とを仮固定する構成としてもよい。この場合、外形線11の辺が長い箇所には、その辺の途中位置も溶接するとよい。また、溶接部15は、一点ずつ超音波溶接を施してもよいが、多点を同時に溶接するのが好ましい。
【0032】
このように、外形線11の角部を溶接しておくことで、局所的に点在する溶接部15とした場合でも、確実にろう材箔のめくれや折れ曲がりを防止することができる。また、図2に示す第1実施形態のように、線状に連続した溶接部12を設ける場合と比べて、溶接部15においてろう材箔にしわが生じにくい構成となっている。
また、溶接部15は、外形線11の角部の尖端を含んで形成するのが好適であるが、図8(a)に示す導体パターン部材30のように、尖端からの距離L1が小さければ、ろう材箔のめくれ等が生じにくいので、導体パターン部材30の溶接部16ように、尖端から離れて形成されるものであってもよい。また、図8(b)に示す導体パターン部材40のように、線状の溶接部17を設ける場合も、外形からの距離L2が小さければ、外形に沿った端部(外縁)を溶接していなくても、ろう材箔のめくれ等が生じにくい。そのため、導体パターン部材40の溶接部17のように、外縁から離れて形成されるものであってもよい。
その他の構成は、第1実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、基材とろう材箔との溶接部は、上述実施形態にように、導体パターン外形線上だけではなく、外形線上の溶接部に加えて、その他の部分(例えば中央部)にも設ける構成としてもよい。
また、基材とろう材箔との溶接は超音波溶接に限られず、レーザ溶接等により溶接することも可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 パワーモジュール
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
6 導体パターン層
7 放熱層
8 はんだ層
9 ろう材箔
10,30,40 導体パターン部材
11 導体パターン層の外形線
12,14,15,16,17 溶接部
13 パイロット孔
21 ホーン
22 振動器
23 ステージ
24a,25a ボールねじ軸
24b,25b スライドユニット
26 ワーク押さえ
60 基材(帯状)
90 ろう材箔(帯状)
100 ろう材箔の接合装置
110 送り装置
120 超音波溶接機
130 プレス加工機
131 打ち抜きパンチ
140,170 供給装置
150 洗浄装置
160 レベラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体パターン層とろう材箔とを積層状態に仮固定してなり、前記導体パターン層の表面に前記ろう材箔を溶接することにより形成された溶接部が、前記導体パターン層の外縁の少なくとも対向する二辺に沿って又は前記二辺の端部に位置するように複数設けられていることを特徴とするパワーモジュール用基板用の導体パターン部材。
【請求項2】
前記溶接部は、前記導体パターン層の外縁の対向する二辺に重なるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材。
【請求項3】
前記溶接部は、前記二辺に沿う線状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材。
【請求項4】
前記溶接部は、前記導体パターン層の外縁の少なくとも角部に重なるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーモジュール用基板用の導体パターン部材。
【請求項5】
セラミックス基板の少なくとも一方の面に導体パターン層が形成されたパワーモジュール用基板の製造方法であって、請求項1から4のいずれか一項に記載の導体パターン部材とセラミックス基板とを積層する積層工程と、前記導体パターン部材と前記セラミックス基板とを加圧した状態で加熱することによりろう接する接合工程とを有することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−190950(P2012−190950A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52407(P2011−52407)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】