説明

パーシャルトランスポートストリーム伝送装置、パーシャルトランスポートストリーム伝送方法、及び、トランスポートストリーム受信装置

【課題】多重化されたMPEG−2TSの一部、すなわち選択されたサービスのみをホームネットワークに接続された機器に配信する。
【解決手段】PSI/SIと、パケット識別子を含むサービスパケットとを有する1又は複数のMPEG−2TSをフィルタリングしてPSI/SI及び配信すべき所定のサービスに関わるサービスパケット以外のサービスパケットを除去し、所定のサービスのための新たなPSI/SIを生成し、フィルタリング処理が施されたMPEG−2TSに、新たに生成されたPSI/SIを所定のタイミングで挿入してパーシャルTSを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスポートストリーム配信方法及びインターフェイス装置に関し、詳しくは多重化されたMPEG−2トランスポートストリームから特定のサービスを抽出してネットワークに配信するトランスポートストリーム配信方法及びインターフェイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばIEEE1394シリアルバスを介して、様々な家庭用電化製品をホームネットワークに接続することができる。デジタルポータブルカメラやデジタルビデオデッキとパーソナルコンピュータを用いた編集システムとを接続してデータを送受する場合に使用するプロトコル及びデータフォーマットも既に定められている。
【0003】
MPEG−2トランスポートストリーム(以下、MPEG−2TSという。)は、ある機器において生成され、ホームネットワークを介してMPEG−2TSを処理できる他の機器に転送される。MPEG−2TSが送受されるホームネットワーク環境を図12に示す。図12に示すホームネットワークは、バス30及びバス30に接続された様々な機器、すなわちデジタルビデオ放送チューナ21、デコーダ/表示装置22、デジタルビデオディスク再生装置23、MPEG−2TSソース24、MPEG−2データストレージ装置25、双方向サービス端末26、MPEG−2ビデオテープレコーダ27、デジタルビデオ放送受信/表示装置28等からなり、このホームネットワークを介してMPEG−2TSが送受される。
【0004】
デジタルビデオ放送サービスチューナ21は、例えば図13に示すように、1又は複数の前置モジュール32とホームネットワークインターフェイス34とを備えている。1又は複数の前置モジュール32は、それぞれ例えばケーブル放送、地上波放送、あるいは衛星放送等の放送媒体から放送信号を受信し、この信号に所定の復調処理及びエラー訂正処理を行って、通常オーディオビジュアル(AV)サービスを含むMPEG−2TSを生成し、このMPEG−2TSをホームネットワークインターフェイス34に供給する。ホームネットワーク34は、MPEG−2トランスポートネットワークをホームネットワーク30に出力する。デジタル放送サービスチューナ21は、生成したMPEG−2TSに対して処理を施すことはできない。
【0005】
すなわち、デジタルビデオ放送チューナ21は、デジタルビデオ放送を受信し、これに基づくMPEG−2TSをネットワーク上の機器、例えばデコーダ/表示装置22に供給する。デジタルビデオ放送チューナ21が受信する放送信号は、デジタルビデオ放送の規格に規定されている全てのサービスインフォメーション(番組配列情報:service information:以下、SIという。)を含んでいる。
【0006】
【特許文献1】国際公開第97/19565号
【非特許文献1】O W Bungum, "Transmultiplexing, transcontrol and transscrambling of MPEG-2/DVB signal", International Broadcasting Convention, IEE, 12 Sept. 1996, pp.288-293
【非特許文献2】D.Banks, et.al., "Breaking open the set top box", Multimedia Networks: Security, Displays, Terminals, and Gateways, Proceedings of SPIE, 4 Nov. 1997, pp.105-116
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、デジタルビデオ放送チューナ21は、受信したSIの全てをホームネットワークに供給する必要はない。例えば、デコーダ/表示装置22は、常に、1つのサービスしか表示することができず、さらに、例えばMPEG−2TSビデオテープレコーダ27や、MPEG−2TSデータストレージ装置25等の記録装置のデータ転送レートは、完全なMPEG−2TSのデータ転送レートより低い。したがって、従来の技術では、ホームネットワークにおいて、バス30を介して転送される信号の帯域幅に無駄が生じることとなる。
【0008】
そこで、本発明は、ホームネットワーク等のネットワークにおいて、MPEG−2TSの一部、すなわち選択されたサービスのみを転送するトランスポートストリーム配信方法を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、MPEG−2TSの部分的TSを生成し、送信するインターフェイス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明に係るトランスポートストリーム配信方法は、プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルと、パケット識別子を含むサービスパケットとを有する1又は複数のMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を受信し、受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングしてプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを除去し、MPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングして、ネットワークに配信すべき所定のサービスに関わるサービスパケット以外のサービスパケットを除去し、所定のサービスのための新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成し、フィルタリング処理が施されたMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に、新たに生成されたプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを所定のタイミングで挿入してパーシャルトランスポートストリームを生成し、パーシャルトランスポートストリームをネットワークに出力する。 また、本発明に係るインターフェイス装置は、放送媒体により伝送される放送信号をそれぞれ受信し、放送信号に所定の復調及びエラー訂正を施してMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を出力する少なくとも1つの前置モジュールと、前置モジュールに接続されてMPEG−2トランスポートストリーム(TS)が供給され、MPEG−2トランスポートストリーム(TS)から特定のサービスを抽出して特定のサービス及びプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルからなるMPEG−2パーシャルトランスポートストリームを出力するトランスポートストリーム処理手段と、トランスポートストリーム処理手段に接続され、MPEG−2パーシャルトランスポートストリームが供給され、MPEG−2パーシャルトランスポートストリームをネットワークのバスに出力するインターフェイス手段とを備える。
【0011】
本発明に係るトランスポートストリーム配信方法及びインターフェイスによれば、ホームネットワーク等のネットワークにおいて、多重化されたMPEG−2TSの一部、すなわち選択されたサービスのみがホームネットワークに接続された機器に配信される。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明は、プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルと、パケット識別子を含むサービスパケットとを有する1又は複数のMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を受信し、受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングしてプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを除去し、MPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングして、ネットワークに配信すべき所定のサービスに関わるサービスパケット以外のサービスパケットを除去し、所定のサービスのための新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成し、フィルタリング処理が施されたMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に、新たに生成されたプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを所定のタイミングで挿入してパーシャルトランスポートストリームを生成し、パーシャルトランスポートストリームをネットワークに出力する。
【0013】
本発明によれば、ホームネットワーク等のネットワークにおいて、多重化されたMPEG−2TSの一部、すなわち選択されたサービスのみをホームネットワークに接続された機器に配信することができる。従来は、ネットワーク上に全てのサービスを含むTSを送信していたが、本発明によれば、送信するサービスを選択することができるため、伝送信号の帯域幅の無駄をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を適用したデジタルビデオ放送選択器は、入力された放送信号に基づいて、その一部を抽出し、MPEG−2規格に準拠し、デジタルビデオ放送サービスインフォメーションに関するデータを有する部分的なトランスポートストリーム(TS)、すなわちパーシャルTSを生成する。以下に詳細に説明するが、パーシャルTSは、MPEG−2規格に準拠し、デジタルビデオ放送サービスインフォメーションデータを有するTSであるので、従来のMPEG−2TSと同様に、ネットワークを介してMPEG−2TSに対応する機器に配信して、各機器に様々な処理を行わせることができる。
【0015】
本発明を適用したデジタルビデオ放送選択器は、MPEG−2TSをホームネットワークに配信するが、本発明は、使用するプロトコルを限定するものではない。すなわち、本発明は様々なプロトコルを用いて実現することができる。また、本発明は、例えば放送媒体の異なるチャンネルにおいて多重化された複数のサービスを同時に配信することもできる。以下に説明する本発明の実施の形態においては、好ましい例としてIEEE1394アイソクロノスチャンネルのフォーマットを用いる。
【0016】
デジタルビデオ放送選択器が複数の接続機器に対応している場合、各接続機器には、IEEE1394規格に準拠するホームネットワークにおいて別個のアイソクロノスチャンネルを介してデータが供給される。通常は、デジタルビデオ放送選択器は、1つのアイソクロノスチャンネルにおけるオーディオビジュアル(AV)サービスに関連するビットストリームを所定の機器に配信する。このチャンネルにおけるデータのコンテンツ及び信号の帯域幅は、AVサービスを受信する他のホームネットワーク機器に用いられるものと同様なものである。
【0017】
以下、本発明に係るデジタルビデオ放送選択器について図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
本発明を適用したデジタルビデオ放送選択器1は、図1に示すように、1又は複数のサービスを選択するチューナの機能を有する1又は複数の前置モジュール2と、MPEG−2トランスポートストリーム(以下、TSという。)を処理するTS処理部3と、ホームネットワークインターフェイス4とを備える。TS処理部3は、全ての前置モジュール2に接続され、TSの適切な一部(以下、パーシャルTSという。)を生成し、このパーシャルTSは、ホームネットワークインターフェイス4を介して、ホームネットワーク6に接続された様々な機器に配信される。TS処理部3は、受信したMPEG−2TS内のいくつかのサービスを併合して1つの適切なMPEG−2パーシャルTS、あるいは、独立したいくつかのMPEG−2パーシャルTSを生成する。この処理の詳細について、以下に詳細に説明する。
【0019】
図2は、TS処理部3が行うMPEG−2パーシャルTS生成処理の手順を示すフローチャートである。ステップS1において、TS処理部3は、ホームネットワーク6上の他の機器からの要求がくるのを待機する。この要求とは、例えば、選択されたサービスに属するデータストリームの転送要求、又はそのようなデータストリームの転送の停止要求等である。あるいは、現在ホームネットワーク6を介して転送中のデータストリームを修正し、修正したデータストリームを転送するような要求等もある。
【0020】
TS処理部3は、ステップS2において、ホームネットワーク6へのデータストリームの転送の開始要求を受信すると、ステップS3に進み、このステップS3において、TS処理部3は、要求された処理が実行可能であるか否かを判断する。ここで、「NO」すなわちTS処理部3が要求された処理を実行できない場合、処理はステップS1に戻り、このステップS1において、TS処理部3は、再びホームネットワーク6上の他の機器からの要求がくるのを待機する。一方、ステップS3において、「YES」すなわちTS処理部3が要求されたストリームを転送できる場合、処理はステップS4に進み、TS処理部3は、新たなストリームの転送を開始するためにプログラムアソシエーションテーブル(PAT)、プログラムマップテーブル(PMT)、セレクションインフォメーションテーブル(SIT)を生成する。なお、このとき、要求が既に転送中のストリームのコンテンツを変更する要求である場合は、PAT、PMT、SITが変更される。
【0021】
さらにTS処理部3は、ステップS5において、TSの各コンポーネント、すなわちホームネットワーク6を介して転送すべき各パケットを識別する新たなパケット識別子(packet identifier:PID)を選択あるいは追加する。そして、ステップS6において、以上の手順により生成されたパーシャルTSがホームネットワーク6に出力される。このステップS6における処理は、TS処理部3が現在行っているTSの転送を停止又は変更する要求を受信するまで続けられる。すなわち、ステップS6における処理が完了すると、処理はステップS1に戻り、ここでTS処理部3は、ホームネットワーク6上の他の機器から要求がくるのを待機する。
【0022】
ステップS1において、ホームネットワーク6へのTSの転送を停止する要求があった場合、処理は、ステップS7からステップS8に移行し、このステップS8においてTS処理部3は、現在ホームネットワーク6を介して転送中のTSが1つであるか否かを判定する。ここで「YES」すなわち現在転送中のTSが1つだけである場合、TS処理部3は、ステップS9に進み、ここでTSの転送を停止する。この後、処理はステップS1に戻り、TS処理部3は、さらなる要求がくるのを待機する。
【0023】
一方、ステップS8において、「NO」すなわち現在転送中のTSが複数あると判定された場合、処理はステップS10に進み、TS処理部3は、PAT、PMT、SITを変更して、選択されたサービスに属するデータパケットを参照する項目を削除する。さらにステップS11において、TS処理部3は、対応するPIDを削除する。
【0024】
そして、ステップS12において、停止要求があったTSを除外するよう修正されたパーシャルTSがホームネットワーク6に出力され、処理は、ステップS1に戻り、TS処理部3は、新たな要求がくるのを待機する。
【0025】
次に、図3〜図6を用いて、デジタルビデオ放送選択器1が入力多重化信号からある特定のサービス、例えばサービス#1をホームネットワーク6に出力するように要求された場合に行われる処理の具体例を説明する。TS処理部3は、PATと、PMTと、サービス情報SIの一部であるサービス記述テーブル(service description table:SDT)、イベント情報テーブル(event informationtable:EIT)を分析し、サービス#1における現在のイベントに関連する情報を抽出する。
【0026】
さらに、PATがホームネットワーク6に出力すべきサービス、この場合、サービス#1のみを参照するようにPATを修正する。図3は、TS処理部3供給されたPATをパーシャルTSのための新たなPATに変更するときのマッピングを示す図である。この図3に示すように、元のPATには、セクションシンタクスとプログラム#0〜#6と、巡回冗長検査(cyclic redundancy check:CRC)のチェックサムが含まれている。プログラム#0には、ネットワークインフォメーションテーブル(NIT)PIDが格納される。プログラム#1〜#6は、それぞれプログラムマップテーブル#1〜6を格納する。一方、新たに生成されたパーシャルTS用PATは、セクションシンタクスと、プログラム#0及び#1と、新たに算出されたCRCのチェックサムのみが含まれている。プログラム#0は、セレクションインフォメーションテーブル(SIT)を格納し、このSITは、全てのサービスの一部であるパーシャルTSの記録に必要なSIデータとして用いられる。プログラム#1は、元のPATと同様のプログラムマップテーブル(PMT)PID#1を格納する。
【0027】
修正されたPATすなわちパーシャルTS用PATにおいては、元のPATから1つのコンポーネント、すなわちプログラム#1のコンテンツが複写され、一方、いくつかのコンポーネント、すなわちセクションシンタクスと、プログラム#0に格納されるサービスインフォメーションPIDと、CRCのチェックサムとが新たに生成される。
【0028】
修正されたPMTは、転送されるサービス#1のTSコンポーネントのみを参照する。図4に示すように、受信されたサービス#1のPMTは、多重化された音声コンポーネントストリームを含み、これに基づいて1つの音声コンポーネントストリーム、ここでは、音声#1のみを含むパーシャルTS用の新たなPMTを生成する。元のPMT#1は、セクションヘッダデータと、要素ストリーム(elementary stream)ビデオPIDと、要素ストリーム音声#1PID〜要素ストリーム音声#4PIDと、要素ストリームサブタイトル#1PID及び要素ストリームサブタイトル#2PIDと、CRCのチェックサムとからなる。一方、新たに生成されたパーシャルTS用PMT#1は、セクションヘッダデータと、要素ストリームビデオ#1PIDと、要素ストリーム音声#1PIDと新たに算出されたCRCのチェックサムのみにより構成されている。PATの場合と同様に、元のPMT内のいくつかのコンテンツ、すなわちこの場合要素ストリームビデオ#1PID及び要素ストリーム音声#1PIDがパーシャルTS用PMT#1に複写されるとともに、セクションヘッダデータ及びCRCのチェックサムが新たに生成される。
【0029】
新たに生成されるパーシャルTS用SITには、サービス#1の現在のイベントに関係するSDT及びEITから抽出された情報が格納される。図5は、入力されるSDT及びEITと、それに基づいて生成されるパーシャルTS用のSITのマッピングを示す図である。
【0030】
図5に示すように、元のSDTは、セクションヘッダデータと、サービス#1〜サービス#6からなるサービスループと、CRCのチェックサムとを格納している。また、現在及びそれに続く実際のTSにおけるサービス#1用の元のEITは、セクションヘッダデータと、現イベントの記述子を示すイベント#1及び次イベントの記述子を示すイベント#2からなるイベントループと、CRCのチェックサムとを格納している。
【0031】
一方、新たに生成されたパーシャルTS用SITは、新たに生成されたセクションヘッダデータと、新たに生成された転送情報ループと、複写されたサービス#1の記述子を示すサービスループと、新たに算出されたCRCのチェックサムから構成される。このパーシャルTS用SITのサービスループのコンテンツは、元のSDT及び元のEITのイベントループから複写されたものである。パーシャルTS用SITのその他のコンテンツは、全て新たに生成されたものである。
【0032】
TS処理部3は、パーシャルTSの転送を遂行する間、2つの処理、すなわち、パーシャルTSに必要なPIDパケットをフィルタリングする処理、及び新たなPSI/SIテーブルをパーシャルTSに必要なタイミングで挿入する処理を実行する。
【0033】
図6に、元の完全なTSと、フィルタリングされたTSと、新たに生成されたパーシャルTSとを示す。元のTSは、異なる種類の情報を格納する連続した複数のブロックからなる。図6に示す元のTSは、プログラム#6のビデオブロックV#6、それに続いてサービス#1を参照するプログラムマップテーブルPMT#1、サービス#1に属するビデオブロックV#1、サービス#1に属する音声ブロックA#1、PAT、PTM2等から構成されている。これに対し、フィルタリングされたTSは、サービス1に属するビデオブロックV#1及び音声ブロックA#1のみからなる。ここで、このフィルタリングされたTSがサービス#1全体を含む場合、このフィルタリングされたTSにブロックPMT#1を含めることができる。このフィルタリングされたTSに基づいて生成されたパーシャルTSには、新たに生成されたPAT、PMT、SITが挿入されている。
【0034】
TS処理部3の内部構成について図7を用いて説明する。TS処理部3内のPID分析器9は、TS処理部3に入力されたMPEG−2TSをそれぞれのTSにフィルタリングする。PID分析器9の出力端子は、PID処理器8の入力端子に接続されており、PID処理器8は、複数のMPEG−2TSが入力された場合には、これらのMPEG−2TSを併合するとともに、新たに生成されるTSにおける異なるサービスに同じPIDが重複しないよう処理を施す。
【0035】
PID処理器8の出力端子は、転送パケット挿入器11に接続されており、転送パケット挿入器11は、フィルタリングされたTSに新たに生成されたPAT、PMT、SITを挿入して、1又は複数のMPEG−2パーシャルTSを出力する。また、TS処理部3は、PSI/SIデコーダ7とPSI/SI生成器10とを備え、PSI/SIデコーダ7には、このTS処理部3に入力されるMPEG−2TSが供給され、このMPEG−2TSのPSI/SIテーブルから必要な情報を抽出し、PSI/SI生成器10は、上述の手法により新たなテーブルを生成し、生成したテーブルを転送パケット挿入器11に供給する。
【0036】
このデジタルビデオ選択器1に入力される信号は、例えば、衛星放送、ケーブル放送、地上波による放送等の放送媒体5を介して伝送される。デジタルビデオ放送選択器1が備える1又は複数の前置モジュール2は、入力された信号に対し所定の復調処理及び前進型誤信号訂正処理(forward error correction:FEC)を行う。各前置モジュール2は、通常映像及び音声からなる複数のサービスを含む完全なMPEG−2TSを出力し、TS処理部3に供給する。このTS処理部3の備える図7に示すPSI/SIデコーダは、PAT、PMT及び、SIからSDT及びEITを分析し、現在選択されているイベント、例えばイベント#1に関連する情報を抽出する。
【0037】
一方PID分析器9には、ビデオブロックV#1及び音声ブロックA#1からなる選択されたイベント#1に属するTSのみが入力される。ここで、他の全てのTSがフィルタリングされるため、フィルタリングされたTSには、時間的間隙を有するものとなる。ある条件、すなわち、サービス#1の全ての要素ストリームをホームネットワーク6に供給する場合に限り、サービス#1のPMTすなわちPMT#1は、なんら変更を加えられることなくこのPID分析器9を通過する。
【0038】
PSI/SI生成器10に生成された新たなPSI/SIテーブルは、転送パケット挿入器11に供給され、転送パケット挿入器11は、このPSI/SIテーブルを一時的に記憶する。そして、MPEG−2システム及びデジタルビデオ放送サービスインフォメーションに基づいて決定される繰り返し率に基づいて、パーシャルTSに何らかのテーブルを挿入する必要が生じた場合、必要なテーブルが転送パケットに納められ、この転送パケットがフィルタリングされたTS内の時間的間隙に挿入される。次の挿入処理が必要となった場合、転送パケット挿入器11は、それぞれの転送パケットの連続カウンタの値を増加させればよく、転送パケットのペイロード、すなわち各パケットのデータ量を変更する必要はない。
【0039】
PSI/SIデコーダ7は、入力されるPSI/SIのうちホームネットワーク6に転送されているサービスに関連するデータをモニタリングし続ける。ここで、イベント転送要求が発生し、かつ制御ソフトウェアが現在ホームネットワーク6に送信中のサービスを停止するような命令を未だ受けていない場合、イベント転送要求の発生は制御ソフトウェアに伝えられ、制御ソフトウェアは、それに応じてPSI及びSIテーブルを更新してパーシャルTSに挿入する。この処理は、例えばETS300468に詳細に記述されている通常の番号付けの手法を採用し、これによりホームネットワーク6上の受信装置にコンテンツが変化したことを告知する。
【0040】
ホームネットワーク6に接続された機器に対するユーザの操作に応じて、デジタルビデオ放送選択器1は、ユーザの要求を示す信号を受信し、第1のサービスをホームネットワーク6に送信しながら、さらに同時に第2のサービスの送信を開始する。第2のサービスの送信先は、ホームネットワーク6上の同一の機器であっても、異なる機器であってもよい。送信先の機器が同一の場合とは、例えば双方のサービスを同時に録画できるビデオカセットレコーダ等にサービスを配信する場合であり、送信先の機器が異なる場合とは、例えば別個の表示装置、あるいは別個のビデオカセットレコーダ等にサービスを配信する場合である。いずれの場合も、デジタルビデオ放送選択器1は、第1のサービスを中断させることなく第1のサービスと同じアイソクロノスチャンネルに第2のサービスを追加して送信する。
【0041】
上述の例では、2つのサービスをホームネットワーク6に送信するために、デジタルビデオ放送選択器1は、ホームネットワーク6に送信する2つのサービスに対応するPAT、PMT、SITを新たに生成し、これによりパーシャルTSを更新する。ここで、各テーブルのバージョン番号は更新され、これにより第1のサービスを受信している機器にパーシャルTSが変更されたことを告知する。ここで生成された新たなテーブルは、転送パケット挿入器11に供給される。第1の機器に配信される第1のサービスは変更されず、したがって転送が中断されることはない。転送された追加のPIDは、PID分析器9に供給され、新たに生成された2つのプログラムからなるパーシャルTSがホームネットワーク6に送信される。
【0042】
上述のような手法により、パーシャルTSにさらに多くのサービスを追加することができる。同時に送信できるサービスの数は、ホームネットワーク6で使用できる転送信号の帯域幅により制限され、あるいはデジタルビデオ放送選択器1が現在転送処理中のサービスにさらに別のサービスを追加する能力があるか否かによって制限される。デジタルビデオ放送選択器1がサービスを追加できない場合とは、例えば要求されたサービスが現在受信中のサービスとは異なるケーブルチャンネル上にあり、デジタルビデオ放送選択器1が前置モジュール2を1つしか備えていない場合等である。
【0043】
一方、デジタルビデオ放送選択器1が複数の前置モジュール2を備えており、異なる前置モジュール2を介して供給されるサービスを含むパーシャルTSを転送するよう要求された場合、PIDの値及び/又はプログラム番号/サービスID値に矛盾が生じる可能性がある。この場合、デジタルビデオ放送選択器1は、現在ホームネットワーク6に送信中のパーシャルTSを新たなサービスを追加する前に、上述のような矛盾する値を修正する。PID処理器8は、複数のストリームを合体させるとともにこのような修正処理を行う。
【0044】
図8は、ローカルデコーディングを行うデコーダが追加されたデジタルビデオ放送選択器のブロック図である。ユーザは、ホームネットワーク6に転送されるTSに加えて、例えばローカル接続されたアナログテレビジョン受信機等の表示装置にサービスを表示させることもできる。ローカルサービスを受信中も、ホームネットワーク6へのTSの送信は、バックグラウンドで継続処理される。この種の機器は従来のデジタルビデオ放送セットトップボックス(STB)に類似する機器であり、ホームネットワーク6に機能的に追加される。
【0045】
このローカルデコーディングは、デコーダ12が行い、デコーダ12は、TS処理部3供給された信号をデコードしてローカルオーディオビジュアル(AV)ディスプレイ等の表示装置に出力する。このような処理においては、TS処理部3内のPID分析器9が選択されたサービスを抽出してデコーダ12に供給する機能を担っている。
【0046】
図9は、本発明の別の実施の形態を示す図である。この装置は、放送媒体からの信号を受信せず、ホームネットワークインターフェイス4のみを備えている。ホームネットワークインターフェイス4は、ホームネットワーク6に接続され、双方向通信を行う。さらにホームネットワークインターフェイス4は、TS処理部19にも双方向に通信可能に接続されている。この図11に示す装置は、ホームネットワーク6のアイソクロノスチャンネルにおいて転送中のTSを処理することができる。すなわち、この装置によれば、多重化されたTSから、要求されたパーシャルTSを分離(demultiplex)して、異なるアイソクロノスチャンネルを介してホームネットワーク6に分離したパーシャルTSを送信し、あるいは、例えばMPEGのAVデータプログラム又は要素ストリーム等の形式を変形して他の機器に配信する。
【0047】
もちろん、上述した種々の装置の各部のいくつか、あるいは全てを自由に組み合わせて本発明を実施することができる。
【0048】
図10に示す実施の形態においては、デジタルビデオディスク(DVD)再生装置が例えばIEEE1394バス等を利用したホームネットワーク6に接続されている。DVD再生装置は、ディスク状記録媒体20を備え、ディスク状記録媒体20には、実際のサービスがMPEG−2プログラムストリーム(PS)として記録されている。このコンテンツをホームネットワーク6に送信するには、パーシャルTSを生成する必要がある。そのため、本発明を適用したTS生成器13がホームネットワークインターフェイス4に接続されており、ホームネットワークインターフェイス4は、ホームネットワーク6にパーシャルTSを送信する。
【0049】
図11は、TS生成器13の内部構成を示すブロック図である。このTS生成器13に入力されたMPEG−2PSは、まずプログラムストリームフィルタ14に供給され、プログラムストリームフィルタ14は、PCR生成器17及び転送パケット生成器15にフィルタリングしたプログラムストリームを供給する。転送パケット生成器15には、PCR生成器17の出力信号も供給され、転送パケット生成器15は、TSマルチプレクサ16にパケット化された情報を供給する。TSマルチプレクサ16は、PSI/SI生成器10にも接続されている。TSマルチプレクサ16は、MPEG−2パーシャルTSをホームネットワークインターフェイス4に供給する。
【0050】
デジタルビデオディスクから供給された元のプログラムストリームは、複数の構成要素ストリーム(ES)、すなわち1つのビデオストリームと、複数の音声ストリームと、サブタイトルストリームとからなる。高級ホームネットワークプロトコルは、ホームネットワーク6に配信されるパーシャルTSに必要な要素ストリームを指定する。ここでは、元のプログラムストリームの帯域幅以上の帯域幅が確保されているため、パケットの生成及び通常のパケットヘッダの追加を行うことができる。
【0051】
プログラムストリームフィルタ14は、元のプログラムストリームをフィルタリングし、必要な要素ストリームのPSパケットのみを転送パケット生成器15に供給する。また、プログラムストリームフィルタ14は、プログラムストリームのパックヘッダをデコードしてPCR生成器17にシステムクロック参照値を供給する。
【0052】
転送パケット生成器15は、PSパケットを受け取り、各パケットを184バイトのユニットに分割し、各ユニットに所定のPIDを伴うパケットヘッダ(MPEG−2システム)を付与することにより転送パケットを生成してトランスポートストリームマルチプレクサ16に供給する。転送パケット生成器15は、MPEG−2システムにおいて定義されているレートでMPEG−2PSにおいてパケット化されている要素ストリーム(packetized elementary stream:PES)ヘッダから算出されたPCR値をパケットストリームに挿入する。
【0053】
TSマルチプレクサ16は、上述のように、パーシャルTSにPSI及びSIを挿入する。TS生成器13は、単独でPAT及びPMTテーブルを生成し、この生成時には、TS生成器13又はさらに上位のソフトウェアがPIDを認識し、これを用いる。SIT記述子のコンテンツは関連するDVDテキストから抽出される。TSマルチプレクサ16は、出力ビットレートをモニタリングし、出力パーシャルTSに待機中のパケットを挿入してコンテンツのタイミング特性を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を適用したデジタルビデオ放送選択器のブロック図である。
【図2】MPEG−2パーシャルTSを生成する手順を示すフローチャートである。
【図3】MPEG−2パーシャルTSのための新たなプログラムアソシエーションテーブル(PAT)の生成を説明する図である。
【図4】MPEG−2パーシャルTSのための新たなプログラムマップテーブル(PMT)の生成を説明する図である。
【図5】セレクションインフォメーションテーブル(SIT)の生成を説明する図である。
【図6】MPEG−2パーシャルTSの生成を段階的に示す図である。
【図7】図1に示すデジタルビデオ放送選択器のTS処理部のブロック図である。
【図8】本発明を適用した統合型デジタルビデオ放送選択器/デコーダのブロック図である。
【図9】本発明を適用したインターフェイス装置のブロック図である。
【図10】本発明を適用したデジタルビデオ再生装置のブロック図である。
【図11】図10に示すデジタルビデオ再生装置内のTS生成器のブロック図である。
【図12】MPEG−2TSを転送するホームネットワーク環境を示す図である。
【図13】従来のデジタルビデオ放送チューナのブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
1 デジタルビデオ放送選択器、2 前置モジュール、3 TS処理部、4 ホームネットワークインターフェイス、5 放送媒体、6 ホームネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG−2トランスポートストリーム(TS)をネットワークに配信するトランスポートストリーム配信方法であって、
プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルと、パケット識別子を含むサービスパケットとを有する1又は複数のMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を受信するステップと、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングして上記プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを除去するステップと、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングして、上記ネットワークに配信すべき所定のサービスに関わるサービスパケット以外のサービスパケットを除去するステップと、
上記所定のサービスのための新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップと、
上記フィルタリング処理が施されたMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に、上記新たに生成されたプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを所定のタイミングで挿入してパーシャルトランスポートストリームを生成するステップと、
上記パーシャルトランスポートストリームを上記ネットワークに出力するステップと
を有するトランスポートストリーム配信方法。
【請求項2】
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップは、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に含まれるプログラムスペシフィックインフォメーション(PSI)テーブルのプログラムアソシエーションテーブル(PAT)に基づいて、上記ネットワークに配信すべき所定のサービスのみを参照するプログラムアソシエーションテーブル(PAT)を生成し、該プログラムアソシエーションテーブル(PAT)の有効性を確認するための巡回冗長検査(CRC)アルゴリズムのチェックサムを新たに算出するステップを有することを特徴とする請求項1記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項3】
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップは、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に含まれるプログラムスペシフィックインフォメーション(PSI)テーブルのプログラムマップテーブル(PMT)に基づいて、上記ネットワークに配信すべき所定のサービス及び所定の要素ストリームのみを参照するプログラムマップテーブル(PMT)を生成し、該プログラムマップテーブル(PMT)の有効性を確認するための巡回冗長検査(CRC)アルゴリズムのチェックサムを新たに算出するステップを有することを特徴とする請求項1又は2記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項4】
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップは、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に含まれるプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルのサービスディスクリプションテーブル(SDT)及びイベントインフォメーションテーブル(EIT)に基づいて上記ネットワークに配信すべき所定のサービスのみを参照する新たなセレクションインフォメーションテーブル(SIT)を生成し、該プログラムマップテーブル(PMT)の有効性を確認するための巡回冗長検査(CRC)アルゴリズムのチェックサムを新たに算出するステップを有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項5】
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップは、
上記プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)の切れ目を示すディスコンティニュイティインフォメーションテーブル(DIT)を生成するステップを有することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項6】
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するステップは、
上記受信したMPEG−2トランスポートストリーム(TS)に含まれるプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルにおける特定のテーブル又は記述子を複写するステップを有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項7】
上記ネットワークはIEEE1394規格に準拠したホームネットワークであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載のトランスポートストリーム配信方法。
【請求項8】
ネットワークにMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を配信するインターフェイス装置であって、
放送媒体により伝送される放送信号をそれぞれ受信し、該放送信号に所定の復調及びエラー訂正を施してMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を出力する少なくとも1つの前置モジュールと、
上記前置モジュールに接続されて上記MPEG−2トランスポートストリーム(TS)が供給され、該MPEG−2トランスポートストリーム(TS)から特定のサービスを抽出して該特定のサービス及びプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルからなるMPEG−2パーシャルトランスポートストリームを出力するトランスポートストリーム処理手段と、
上記トランスポートストリーム処理手段に接続され、上記MPEG−2パーシャルトランスポートストリームが供給され、該MPEG−2パーシャルトランスポートストリームを上記ネットワークのバスに出力するインターフェイス手段と
を備えるインターフェイス装置。
【請求項9】
上記インターフェイス装置は、
上記前置モジュールから上記MPEG−2トランスポートストリーム(TS)が供給され、該MPEG−2トランスポートストリーム(TS)に含まれるプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを分析し、上記特定のサービスに関連する情報を出力するPSI/SIデコード手段と、
上記前置モジュールから上記MPEG−2トランスポートストリーム(TS)が供給され、該MPEG−2トランスポートストリーム(TS)をフィルタリングして上記プログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを除去し、上記特定の特定のサービスのみを含むフィルタリングされたトランスポートストリームを出力するパケット識別子分析手段と、
パケット識別子分析手段から上記フィルタリングされたトランスポートストリームが供給され、上記特定のサービス及びその構成要素ストリームが固有のパケット識別子を有するようにパケット識別子を割り当てるパケット識別子処理手段と、
上記PSI/SIデコーダの出力に基づいて新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するPSI/SI生成手段と、
上記PSI/SI生成手段により生成されたテーブルを一時的に保管し、該テーブルを上記フィルタリングされたトランスポートストリームに挿入する転送パケット挿入手段と
を備える請求項8記載のインターフェイス装置。
【請求項10】
上記PSI/SI生成手段は、上記転送パケット転送手段によりフィルタリングされたトランスポートストリームに所定の間隔で挿入されるプログラムアソシエーションテーブル(PAT)と、プログラムマップテーブル(PMT)と、セレクションインフォメーションテーブル(SIT)とを生成することを特徴とする請求項9記載のインターフェイス装置。
【請求項11】
上記PSI/SI生成手段は、上記転送パケット転送手段により上記フィルタリングされたトランスポートストリームの先頭及び最後に挿入されるディスコンティニュイティインフォメーションテーブルを生成することを特徴とする請求項9又は10記載のインターフェイス装置。
【請求項12】
上記ネットワークは、IEEE1394規格に準拠するホームネットワークであることを特徴とする請求項8乃至11記載いずれかに記載のインターフェイス装置。
【請求項13】
ネットワークにMPEG−2トランスポートストリーム(TS)を配信するインターフェイス装置であって、
MPEG−2プログラムストリーム(PS)が記録された記録媒体と、
上記記録媒体からMPEG−2プログラムストリーム(PS)を読み出して、該MPEG−2プログラムストリーム(PS)に基づくMPEG−2パーシャルトランスポートストリームを出力するTS生成手段と、
上記TS生成手段に接続され、上記MPEG−2パーシャルトランスポートストリームが供給され、該MPEG−2パーシャルトランスポートストリームを上記ネットワークのバスに出力するネットワークインターフェイスと
を備えるインターフェイス装置。
【請求項14】
上記TS生成手段は、
上記記録媒体からMPEG−2プログラムストリーム(PS)を読み出して、該MPEG−2プログラムストリーム(PS)のパックヘッダをデコードしてシステムクロック参照値を求め、該MPEG−2プログラムストリーム(PS)をフィルタリングして特定のサービスのみを含むフィルタリングされたプログラムストリームを生成し、要求されたコンポーネントに関するフィルタリングされたプログラムストリームのパケットのみを出力するプログラムストリームフィルタリング手段と、
上記システムクロック参照値が入力され、PCR値を出力するPCR生成手段と、
上記フィルタリングされたプログラムストリームのパケットと上記PCR値とが供給され、各パケットを184バイトのユニットに分割し、該各ユニットに所定のパケット識別子を有するパケットヘッダを付すことによりパケットストリームを生成し、該パケットストリームに上記PCR値を所定のレートで挿入する転送パケット生成手段と、
上記プログラムストリームにおける特定のサービスのための新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを生成するPSI/SI生成手段と、
上記新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを保管し、該新たなプログラムスペシフィックインフォメーション/サービスインフォメーション(PSI/SI)テーブルを上記PCR値が挿入されたパケットストリームに挿入し、MPEG2トランスポートストリーム(TS)を出力するトランスポートストリーム多重化手段と
を備えることを特徴とする請求項13記載のインターフェイス装置。
【請求項15】
上記PSE/SI生成手段は、上記PCRが値が挿入されたパケットストリームに対し、上記トランスポートストリーム多重化手段により所定の間隔で挿入されるプログラムアソシエーションテーブル(PAT)と、プログラムマップテーブル(PMT)と、セレクションインフォメーションテーブル(SIT)とを生成することを特徴とする請求項14記載のインターフェイス装置。
【請求項16】
上記PSI/SI生成手段は、上記トランスポートストリーム多重化手段により上記MPEG−2トランスポートストリームの先頭及び最後に挿入されるディスコンティニュイティインフォメーションテーブルを生成することを特徴とする請求項14又は15記載のインターフェイス装置。
【請求項17】
上記ネットワークはIEEE1394規格に基づくホームネットワークであることを特徴とする請求項13乃至16いずれかに記載のインターフェイス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−54333(P2008−54333A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243114(P2007−243114)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【分割の表示】特願平10−325596の分割
【原出願日】平成10年11月16日(1998.11.16)
【出願人】(598094506)ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (29)
【Fターム(参考)】