説明

ヒスタミンH3アンタゴニストとして有用な置換アニリン誘導体

開示されるのは、化学式(I)の式の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、ここで各変数は、本明細書に規定されるとおりである、化合物またはその薬学的に受容可能な塩;ならびに単独で、または他の薬剤と組み合わせて、肥満、メタボリック・シンドロームおよび認知欠損障害を処置する組成物および方法である。本発明はまた、式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ヒスタミンHアンタゴニストとして有用な置換アニリン誘導体に関する。本発明はまた、炎症性疾患、アレルギー状態、糖尿病、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドローム、認知欠損障害、心血管系および中枢神経系の障害を処置するのにおける、このような化合物を含む薬学的組成物およびそれらの使用に関する。本発明はまた、炎症疾患およびアレルギー状態の処置のための本発明のヒスタミンHアンタゴニストと、ヒスタミンH化合物との組合せの使用、ならびに本発明のヒスタミンHアンタゴニストと、糖尿病、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドローム、または認知欠損障害を処置するために有用な他の活性剤との組み合わせの使用に関する。本発明の少なくとも1つの新規なヒスタミンHアンタゴニストと、少なくとも1つのヒスタミンH化合物、または糖尿病、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドローム、もしくは認知欠損障害を処置するために有用な少なくとも1つの化合物との組合せを含む薬学的組成物も考慮される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ヒスタミンレセプターH、HおよびHは、それらの薬理学的な挙動によって特徴づけられている。Hレセプターは、従来の抗ヒスタミン剤でアンタゴナイズされる応答を媒介するレセプターである。Hレセプターは、例えば、ヒトおよび他の哺乳動物の回腸、皮膚および気管支平滑筋に存在する。最も顕著なHレセプター媒介性の応答は、哺乳動物における胃酸の分泌および単離された哺乳動物の心房での変時効果である。Hレセプターは主に、好酸球および肥満細胞で発現され、そして両方の細胞タイプの走化性に関与することが示されている。
【0003】
末梢では、Hレセプター部位は、交感神経で見られ、ここでは、それらは、交感神経伝達を調節し、そして交感神経系の制御下での種々の末端臓器の応答を減弱する。詳細には、ヒスタミンによるHレセプターの活性化は、抵抗血管および容量血管への非エピネフリンの流出を減らして、血管拡張を引き起こす。さらに、げっ歯類では、末梢のHレセプターは、褐色脂肪組織で発現され、このことは、それらが、熱産生の調節に関与し得るということを示唆している。
【0004】
レセプターはまた、CNSにも存在する。Hレセプター発現は、大脳皮質、海馬体、視床下部、ならびにヒトおよび動物の脳の他の部分で観察される。Hレセプターは、ヒスタミン作動性ニューロンで、そして異種レセプター(受容体)(heteroreceptors)として、他の神経伝達系に関与するニューロンで発現され、ここではHレセプターの活性化が、神経伝達物質放出のシナプス前阻害を生じる。ヒスタミン作動性ニューロンの特定の場合には、Hレセプターは、ヒスタミン体温低下傾向の調節に関係しており、これが次に、睡眠、摂食およびヒトの脳での認知過程の調節に関与している(例えば、非特許文献1を参照のこと)。
【0005】
ヒスタミンは、ヒトの脳における認知の調節および記憶の過程に関与しているということも公知であってかつ文献中で記載されている(例えば、非特許文献2を参照のこと)。結果として、中枢のHレセプターを通じたヒスタミン作動性の脳機能の間接的な調節は、これらのプロセスを調節する手段でり得る。異なるクラスのHレセプターリガンドが記載されており、神経学的および精神学的な疾患のためのそれらの使用が示唆されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照のこと)。Hレセプターアンタゴニストは、種々の神経精神学的状態を処置するのにおいて有用であり得、認知欠損は、この疾患、詳細には、ADHD、統合失調症およびアルツハイマー病の不可欠な部分である(例えば、Hancock,A.;Fox,G.Drug Therapy(Buccafusco,J.J.編を参照のこと)。(Birkhauser,Basel,2003)。
【0006】
イミダゾールHレセプターアンタゴニストは、当該分野で周知である。さらに最近では、非−イミダゾールHレセプターアンタゴニストが、特許文献4および特許文献5に、そして特許文献6、特許文献7および特許文献8に開示されている。
【0007】
特許文献9は、少なくとも1つのヒスタミンHレセプターアンタゴニストおよび少なくとも1つのヒスタミンHレセプターアンタゴニストの組み合わせを用いるアレルギー性鼻炎の症状の処置のための組成物を開示している。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0224953号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/089373号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/101546号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6,720,328号明細書
【特許文献5】米国特許第6,849,621号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0097483号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0048843号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0019099号明細書
【特許文献9】米国特許第5,869,479号明細書
【非特許文献1】Leursら、Nature Reviews,Drug Discovery,4,(2005),107
【非特許文献2】Life Sciences,72,(2002),409〜414
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要旨
本発明は、式(I)の化合物:
【0009】
【化14】

、またはその薬学的に受容可能な塩であって、
aが、0、1または2であり;
bが0、1、2、3または4であり;
UおよびWが各CHであるか、またはUおよびWの一方がCHであり、そしてもう一方がNであり;
、M、n、p、XおよびYが(a)、(b)または(c)に規定されるとおりであり:
(a)M
【0010】
【化15】

であり、
がNであり、
nが1または2であり;pが0、1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−C(R)(R)−、−C(=N−OR10)−、−C(=N−OR10)−CH(R11)−、−CH(R11)−C(N−OR10)−、−O−、−CHN(R12)−、−N(R12)CH−、−N(R12)−、−NHC(O)−、−OCH−、−CHO−、−CH(OH)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yが−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−C(=NOR13)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
(b)MがNであり
がNであり;
nが2であり;pは1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yが−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
(C)MがNであり
がCHであり;
nが1または2であり;pが0、1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yが−O−、−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−C(=NOR13)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
Zが結合、−CH(R14)−(R14a−(C−C)アルキルレン)−または−CH(R14)−CH(R14b)−CH(R14b)−(R14a−(C−C)アルキレン)−であり;
がR15−アルキル、R15−シクロアルキル、R15−アリール、R15−アリールアルキル、R15−(6員ヘテロアリール)、R15−(6員ヘテロアリール)アルキル、R15−(5員ヘテロアリール)、R15−(5員ヘテロアリール)アルキル、R15−ヘテロシクロアルキル、ジフェニルメチル、
【0011】
【化16】

であり、ただしこれは、Rが窒素原子によってXに結合され、かつM
【0012】
【化17】

である場合、Xが結合またはアルキレンであるという条件下であり;そしてRが窒素原子によってXに結合されかつMがNである場合、Xが−(CH2−6−であるという条件下であり;
kが0、1、2、3または4であり;
k1が0、1、2、または3であり;
k2が0、1または2であり;
QがOまたはSであり;
がR18−アルキル、R18−アルケニル、R18−アリール、R18−アリールアルキル、R18−ヘテロアリール、R18−ヘテロアリールアルキル、R18−シクロアルキルまたはR18−ヘテロシクロアルキルであり;
各々のRが独立して、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ および−CNからなる群より選択され;
各々のRが独立して、H、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロ、−CF、−OCF、−NO、−CO19、−N(R19、−CON(R19、−NHC(O)R19、−NHSO19、−SON(R19および−CNからなる群より選択され;
がH、アルキル、ハロアルキル、R21−シクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリールまたは−C(O)R20であり;
がHまたはアルキルであり;そしてRが炭素原子によってXに結合され、かつXが結合またはアルキレンである場合、Rはまた、R21−シクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、−NHC(O)R、−CN、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(R)=N(OR)、−C(O)Rまたは−N(Rであってもよく;
が独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
およびRはそれらが結合される炭素と一緒になって、ハロ、アルキルおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1または2の置換基で必要に応じて置換される3員〜7員の冠状炭素を形成するか;またはRおよびRはそれらが結合される炭素と一緒になって、2〜6個の炭素原子ならびにO、SおよびNからなる群より独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む3員〜7員の複素環を形成し、ただしこれは、−O−O−、−S−S−または−O−S−結合がなく、この複素環が必要に応じて、ハロ、アルキルおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1または2の置換基で置換されるという条件下であり;あるいはRおよびRは一緒になって、=CHであり;
10がH、アルキル、ハロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキルまたはR21−アリールアルキルであり;
11がHまたはアルキルであり;
12が独立してH、アルキル、−CHCF、R21−アリールおよびR21−ヘテロアリールからなる群より選択され;
13がH、アルキル、ハロアルキル、R21−アリールまたはR21−ヘテロアリールであり;
14がH、アルキルまたはハロアルキルであり;
14aが、H、ハロ、−OH、アルキル、ハロアルキル、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、アルコキシ、−OCF、−OCHF、−NO、−CNおよび−N(R11からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
14bがH、フルオロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
15がH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、アルキルチオ、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−アリールアルキル、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−SCF、−NO、−CO12、−C(O)R20、−N(R12、−CON(R12、−NHC(O)R12、−NHSO12、−SON(R12および−CNからなる群より独立して選択される1、2、3または4の置換基であるか;あるいは隣接する環炭素原子上の2つのR15置換基が一緒になって、−O−CH−O−であり;
15aが、H、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−アリールアルキル、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル、R21−アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−N(R12または−SCFであり;
16が独立して、アルキル、ハロゲン、ハロアルキルおよびアルケニルからなる群より選択され;
17がH、アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、ハロアルキル−、ハロアルコキシアルキル−、アルコキシアルキル−、R21−アリール、R21−アリールアルキル−、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル−、R21−シクロアルキルまたはR21−シクロアルキルアルキルまたはR21−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
18が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、R21−アリール、R21−アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−NO、−CO19、−N(R19、−CON(R19、−NHC(O)R19、−NHSO19、−SON(R19および−CNからなる群より独立して選択される1、2または3つの置換基であり;
19が独立して、H、アルキル、ハロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、R21−シクロアルキルおよびR21−ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
20が、アルキル、R21−アリールまたはR21−ヘテロアリールであり;かつ
21が、H、アルキル、ハロ、アルコキシ、−CF、−N(R11および−アルキレン−N(R11からなる群より独立して選択される1、2または3つの置換基である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩、を提供する。
【0013】
本発明はさらに、以下:アレルギー;限定はしないが、掻痒、くしゃみ、鼻漏および粘膜炎を含むアレルギー誘発性気道(例えば、上気道)応答(例えば、McLeod,JPET.305(2003)1037を参照のこと);うっ血、例えば、鼻づまり;低血圧;心血管系の疾患;胃腸管の疾患;胃腸管の運動性の亢進および低下ならびに酸性分泌、例えば、GERD;メタボリック・シンドローム;肥満;肥満関連障害;睡眠障害、例えば、過眠症、眠気、不眠症またはナスコレプシー;中枢神経系の機能低下および機能亢進、例えば、CNSの興奮および抑制;I型およびII型の真性糖尿病を含む糖尿病;CNS障害、例えば、片頭痛、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または認知欠損障害(例えば、注意欠陥過活動性(多動性)障害(attention deficit hyperactivity disorder)(ADHD)、アルツハイマー病(AD)または統合失調症)(上記の疾患/障害の各々は「状態(Condition)」である)を処置するための方法を提供し、この方法は、式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量をこのような処置の必要な患者に投与する工程を包含する。
【0014】
本発明はまた、式(I)の少なくとも1つの化合物の有効量および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。1局面では、この組成物はさらに、肥満、糖尿病、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な1つ以上のさらなる薬剤を含む。1局面では、この組成物はさらに、1つ以上のHレセプターアンタゴニストを含む。この組成物はある状態(Condition)を処置するために有用である。
【0015】
本発明はさらに、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための方法を提供し、この方法は、このような処置の必要な患者に対して、式(I)の少なくとも1つの化合物、および肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な少なくとも1つの他の化合物の組み合わせの有効量を投与する工程を包含する。
【0016】
本発明はまた、患者において肥満または肥満関連障害を処置するための方法であって、この患者に対して、有効量の式(I)の少なくとも1つの化合物および抗糖尿病薬を投与する工程を包含する方法を提供する。
【0017】
本発明はまた、アレルギー、アレルギー−誘発性の気道応答、またはうっ血を処置するための方法であって、このような処置の必要な患者に対して、有効量の式(I)の少なくとも1つの化合物および有効量のHレセプターアンタゴニストを投与する工程を包含する方法を提供する。
【0018】
本発明はさらに、患者において糖尿病を処置するための方法であって、この患者に対して、有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を投与する工程を包含する方法を提供する。
【0019】
本発明はまた、単一のパッケージを含むキットを提供し、このパッケージは、以下:(i)式(I)の化合物の有効量を含む薬学的組成物を含有する容器と、(ii)Hレセプターアンタゴニストを含む薬学的組成物を含有する別の容器とを備える。また、単一のパッケージを含むキットであって、このパッケージが、以下:(i)有効量の式(I)の化合物を含む薬学的組成物を含有する容器と、(ii)肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な有効な量の別の化合物を含む薬学的組成物を含有する別の容器と、を備えるキットも提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、式(I)の化合物、式(I)の少なくとも1つの化合物を含む薬学的組成物、および、ある状態を処置または予防するために式(I)の少なくとも1つの化合物を用いる方法を提供する。
【0021】
定義および略語
本明細書において用いる場合、以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有する:
「患者(patient)」は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。1実施形態では、患者はヒトである。別の実施形態では、患者は非ヒト哺乳動物であり、これには、限定はしないが、サル、イヌ、ヒヒ、アカゲザル、マウス、ラット、ウマ、ネコまたはウサギが挙げられる。別の実施形態では、ある患者は、コンパニオン・アニマル(ペット)であり、これには限定はしないが、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマまたはフェレットが挙げられる。1実施形態では、では、患者はイヌである。別の実施形態では、患者はネコである。
【0022】
「アルキル(alkyl)」(例えば、アリールアルキルおよびアルコキシのアルキル部分を含む)とは、直鎖および分枝の炭素鎖を指しており、そして1個〜6個の炭素原子を含む。
【0023】
「アルキレン(alkylene)」とは、二価の直鎖または分枝のアルキル鎖、例えば、メチレン(−CH−)またはプロピレン(−CHCHCH−)をいう。
【0024】
「ハロアルキル(haloalkyl)」または「ハロアルコキシ(haloalkoky)」とは、1個以上の水素原子をハロゲン原子で置き換えている上記で規定したようなアルキルまたはアルコキシの鎖、例えば、−CF、CFCHCH−、CFCF−またはCFO−を指す。
【0025】
「アリール(aryl)」(アリールアルキルのアリール部分を含む)とは、6個〜15個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の芳香環を有する炭素環式基を意味し(例えば、アリールは、フェニルまたはナフチル環である)、この炭素環式基の全ての利用可能な置換可能炭素原子が、結合可能なポイントと見なされる。
【0026】
「アリールアルキル(arylalkyl)」とは、上記で規定されたような、アルキル基に結合された、上記で規定されたようなアリール基を意味し、ここで、このアルキル基は、結合ポイントである。
【0027】
「シクロアルキル(cycloalkyl)」とは、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族の単環式または多環式環系をいう。好ましいシクロアルキル環は、約3〜約7個の環原子を含む。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンタニル(adamantly)などが挙げられる。
【0028】
「ハロゲン(halogen)」または「ハロ(halo)」とは、−F、−Cl、−Brまたは−Iを指す。
【0029】
「ヘテロアリール(heteroaryl)」とは、O、SまたはNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する環状の基であって、このヘテロ原子が、炭素環構造に割り込んでおり、かつ芳香族特性を与えるのに十分な数の非局在化π電子を有し、この芳香族複素環基が好ましくは、2個〜14個の炭素原子を有する環状の基を指す。この環は、隣接する酸素および/またはイオウ原子を含まない。例としては、限定はしないが、5員の環、例えば、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、フラザニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル、フラニル(フリル)、ピロリル、およびピラゾリル、ならびに6員の環、例えば、ピラニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジル(例えば、2−、3−または4−ピリジル)、ピリジルN−オキシド(例えば、2−、3−または4−ピリジルN−オキシド)、およびトリアジニル、ならびに二環式の基、例えば、プテリジニル、インドリル(ベンゾピロリル)、ピリドピラジニル、イソキノリニル、キノリニル、ナフチリジニルが挙げられる。すべての利用可能な置換可能な炭素および窒素の原子は、規定されるとおり置換されてもよい。
【0030】
「ヘテロシクロアルキル(heterocycloalkyl)」とは、3個〜15個の炭素原子、好ましくは、4個〜6個の炭素原子を含有する飽和環状炭素を意味し、この環状炭素は、−O−、−S−、−SO−、−SOまたは−NR40−から選択される1個〜3個のヘテロ基で中断されており、ここで、R40は、H、C〜Cアルキル、アリールアルキル、−C(O)R30、−C(O)OR30またはC(O)N(R30に相当する(ここで、各々のR30は、H、アルキル、フェニルおよびベンジルからなる群より独立して選択される)。この環は、隣接する酸素および/またはイオウ原子を含まない。例としては、限定はしないが、2−または3−テトラヒドロフラニル、2−または3−テトラヒドロチエニル、2−、3−または4−ピペリジニル、2−または3−ピロリジニル、2−または3−ピペラジニル、2−または4−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、1,3,5−トリチアニル、ペンタメチレンスルフィド、ペルヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、トリメチレンオキシド、アゼチジニル、1−アザシクロヘプタニル、1,3−ジチアニル、1,3,5−トリオキサニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4−チオキサニル、および1,3,5−ヘキサヒドロトリアジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニルが挙げられる。
【0031】
「シクロアルキレン(cycloalkylene)」とは、二価のシクロアルキル環、例えば、
【0032】
【化18】

を指している。
【0033】
「ヘテロシクロアルキレン(heterocycloalkylene)」とは、二価のヘテロシクロアルキル環、例えば、
【0034】
【化19】

であり、
従って、R8−アルキレンがシクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンで中断されるといわれる場合、
【0035】
【化20】

のような基が考慮される。
【0036】
【化21】

は例えば、下の構造
【0037】
【化22】

において、環の4非縮合位置のうちの1つ、すなわち、下の
【0038】
【化23】

に示される、位置4、5、6または7に位置する窒素原子である。
【0039】
同様に、
【0040】
【化24】

とは、2つの窒素が、環の4非縮合位置のうちのいずれか2つ、例えば、4および6位置、4および7位置、または5および6位置に位置することを意味する。
【0041】
また、本明細書において用いる場合、「上気道(upper airway)」とは、通常、上部呼吸器系、すなわち、鼻、喉、および関連した構造を意味する。
【0042】
「有効な量(effective dose)」または「治療上有効な量(therapeutically effective amount)」とは、上記の疾患を阻害するのに有効であり、従って、所望の治療的、寛解性の、阻害性または予防的な効果を生じる、本発明の化合物または組成物の量を記載することを意味する。
【0043】
環に引かれた線は、指定した結合が任意の置換可能な環炭素原子に結合され得るということを意味する。
【0044】
「置換された(substituted)」という用語は、指定された原子上の一つ以上の水素が、示された群からの選択物で置き換えられることを意味するが、ただしこれは、その既存の環境下での指定された原子の通常の結合価が過剰でなく、そしてこの置換が安定な化合物を生じるという条件下である。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合のみ許容可能である。「安定な化合物(stable compound)」または「安定な構造物(stable structure)」という用語は、反応混合物から有用な程度の純度まで単離物を残存させるのに、そして有効な治療剤への処方に十分に強い化合物を記載するものとする。
【0045】
MがCHであり、かつR置換基が環上に存在する場合(すなわち、bが1、2または3である場合)、このR置換基は、この炭素上のHを置き換えてもよく、例えば、この環は:
【0046】
【化25】

であってもよい。
【0047】
「必要に応じて置換される(optionally substituted)」という用語は、特定の基、ラジカルまたは部分を有する任意の置換を意味する。
【0048】
化合物について、「精製された、精製した(purified)」または「精製型(in purified form)」または「単離されかつ精製された形態で(in isolated and purified form)」という用語は、合成プロセスもしくは天然の供給源またはそれらの組合せから単離された後の、その化合物の物理的状態をいう。従って、化合物についての「精製された、精製した」または「精製型」、または「単離されかつ精製された形態」という用語は、本明細書中に記載されるかまたは当業者に周知の標準的な解析技術によって特徴付けするのに充分な純度の、本明細書中に記載されるかまたは当業者に周知の精製プロセス(単数または複数)から得られた後の、この化合物の物理的状態をいう。
【0049】
また、本明細書におけるテキスト、スキーム、例および表において、不飽和の結合価を有する任意の炭素およびヘテロ原子は、結合価を満たすために十分な数の水素原子を有するとみなされることが、注意されるべきである。
【0050】
化合物における官能基が「保護される」と称される場合、このことは、その化合物が反応に供される場合に、その基がその保護された部位において所望されない副反応を防止するように改変された形態にあるということを意味する。適切な保護基は、当業者によって、そして同様に標準的な教科書、例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991)Wiley、New Yorkを参照することにより認識される。
【0051】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が任意の構築物または式Iにおいて複数回存在する場合、各々の存在におけるこの定義は、他の全ての存在におけるその定義とは無関係である。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「組成物(composition)」という用語は、特定の量で特定の成分を含む生成物、および特定の量で特定の成分の組合せから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含するものとする。
【0053】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和化合物もまた、本明細書において考慮される。プロドラッグの考察は、T.HiguchiおよびV.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)A.C.S.Symposium Series 14およびBioreversible Carries in Drug Design,(1987)Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供される。「プロドラッグ(prodrug)」という用語は、式(I)の化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物、または溶媒和物化合物を生じるようにインビボで変換される化合物(例えば、薬物前駆体)を意味する。この変換は、種々の機構(例えば、代謝または化学的なプロセスによる)、例えば、血液中の加水分解を通じてなどによって生じ得る。プロドラッグの使用の考察は、T.HiguchiおよびW.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」(1987)A.C.S.Symposium Seriesの第14巻およびBioreversible Carries in Drug Design,Edward B.Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987によって提供される。
【0054】
例えば、式(I)の化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物または溶媒和化合物が、カルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子の、例えば、(C−C)アルキル、(C−C12)アルカノイル−オキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノルアクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C−C)アルキルアミノ(C−C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C−C)アルキル、N,N−ジ(C−C)アルキルカルバモイル−(C−C)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C−C)アルキルなどの基での置換によって形成されるエステルを含んでもよい。
【0055】
同様に、式(I)の化合物が、アルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、このアルコール基の水素原子の、例えば、(C−C)アルカノイルオキシメチル、1−((C−Cアルカノイルオキシ)−エチル、1−メチル−1−((C−C)アルカノイルオキシ)エチル、(C−C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C−C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C−C)アルカノイル、α−アミノ(C−C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシル、またはα−アミノアシル−α−アミノアシルのような基での置換によって形成されてもよく、各々のα−アミノアシル基は独立して、天然に存在するL−アミノ酸、P(O)(OH)、−P(O)(O(C−C)アルキル)またはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール型のヒドロキシル基の除去から生じるラジカル)などから選択される。
【0056】
式(I)の化合物が、アミン官能基を組み込む場合、プロドラッグは、アミン基における水素原子の以下のような基での置換によって形成されてもよい、例えば、R”−カルボニル、R”O−カルボニル、NR”R”’−カルボニルであって、ここでR”およびR”’が各々独立して(C−C10)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ベンジル、またはR”−カルボニルである、天然のα−アミノアシルまたは天然のα−アミノアシル、−C(OH)C(O)OYであって、ここでYがH、(C−C)アルキルまたはベンジルである、−C(OY)Yであって、ここでYが(C−C)アルキルであり、かつYが(C−C)アルキル、カルボキシ(C−C)アルキル、アミノ(C−C)アルキルまたはモノ−N−またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノアルキル、−C(Y)Yであって、ここでYがHまたはメチルであり、かつYがモノ−N−またはジ−N,N−(C−C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルなど。
【0057】
「溶媒和化合物(solvate)」とは、本発明の化合物と一つ以上の溶媒分子との物理的な会合を意味する。この物理的な会合は、イオン性結合および共有結合(水素結合を含む)の程度を変化させること含む。特定の例において、例えば一つ以上の溶媒分子が結晶質固体の結晶格子に組み込まれる場合、溶媒和化合物は単離され得る。「溶媒和化合物」は、溶液相および単離可能な溶媒和化合物の両方を包含する。適切な溶媒和化合物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和化合物(ethanolate)、メタノール溶媒和化合物(methanolate)などが挙げられる。「水和物(hydrate)」は、溶解分子が水である溶媒和化合物である。
【0058】
式(I)の化合物は、塩を形成し得、これもまた本発明の範囲内である。本明細書における式(I)の化合物に対する言及は、他に明記しない限り、その塩の言及を包含することが理解される。本明細書において使用される場合、「塩(salts)」という用語は、無機酸および/または有機酸と形成された酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基と形成された塩基性塩を意味する。さらに、式Iの化合物が塩基性部分、例えば、限定はしないが、ピリジンまたはイミダゾール、ならびに酸性部分、例えば、限定はしないが、カルボン酸の両方を含む場合、両性イオン(「内塩(innersalt)」)が形成され得、そしてこれは本明細書中で使用される場合に「塩」という用語内に包含される。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性の生理的に受容可能な)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Iの化合物の塩は、例えば、式Iの化合物を、ある量の酸または塩基、例えば、当量と、媒体内、例えば、塩が沈殿する媒体中か、または水性媒体中で反応させ、続いて凍結乾燥することによって、形成されてもよい。
【0059】
例示的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩(tartarate)、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩としても公知)などが挙げられる。さらに、通常、塩基性の薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適していると一般にみなされる酸は、例えば、P.Stahlら、CamilleG.(編)Handbook of Pharmaceutical Salts.Properties,Selection and Use.(2002)Zurich:Wiley−VCH:S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;Andersonら、The Practice of Medical Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.そのウェブサイト上)によって考察される。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0060】
例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)、例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンとの塩、ならびにアミノ酸、例えば、アルギニン、リジンなどとの塩が挙げられる。塩基性の窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキルサルフェート(例えば、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフェートおよびジブチルサルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例えば臭化ベンジルおよび臭化フェネチル)などのような因子によって四級化されてもよい。
【0061】
このようなすべての酸性塩および塩基塩は、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であるものとされ、そしてすべての酸性塩および塩基塩類は、本発明の目的に対応する化合物の遊離形態と等価であるとみなされる。
【0062】
本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルとしては、以下の基が挙げられる:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステルであって、このエステル群のカルボン酸部分の非カルボニル部分が、直鎖または分枝鎖のアルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチル、またはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、ハロゲン、C1−4アルキル、またはアミノで必要に応じて置換された、例えば、フェニル)であるエステル;(2)スルホン酸エステル、例えば、アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソレウシル);(4)ホスホネートエステルおよび(5)一−、二−または三リン酸塩エステル。リン酸エステルはさらに、例えば、C1−20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによってエステル化されてもよい。
【0063】
本発明の1つ以上の化合物はまた、溶媒和化合物として存在してもよいし、または必要に応じて溶媒和化合物に変換されてもよい。溶媒和化合物の調製は一般に公知である。従って、例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.,93(3).601〜611(2004)は、酢酸エチル中における抗真菌フルコナゾールの溶媒和化合物の調製を、水からと同様に記載している。溶媒和化合物、ヘミソルベート(hemisolvate)、水和物などの同様の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.,5(1),article 12(2004);およびA.L.Binghamら,Chem.Commun.,603〜604(2001)に記載される。代表的な、非限定的なプロセスは、環境温度よりも高温で、所望の溶媒(有機溶媒またはその水または混合物)の所望の量に本発明の化合物を溶解する工程と、この溶液を、結晶を形成するのに十分な速度で冷却し、次いでこれを標準的な方法によって単離する工程とを包含する。分析的な技術、例えば、I.R.分光法によって、溶媒和化合物(または水和物)として結晶中で溶媒(または水)の存在が示される。
【0064】
式(I)の化合物、およびその塩、溶媒和化合物、エステルおよびプロドラッグは、それらの互変異性型に存在し得る(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)。すべてのこのような互変異性型は、本発明の一部として本明細書に考慮される。
【0065】
本発明の化合物(その化合物の塩、溶媒和化合物、エステルおよびプロドラッグ、ならびにそのプロドラッグの塩、溶媒和化合物およびエステルを含む)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)、例えば、種々の置換基上の不斉炭素に起因して存在し得る立体異性体であって、これには、エナンチオマー型(不斉炭素の非存在下でさえ存在し得る)、回転異性体型、アトロプ異性体およびジアステレオマー型を含む立体異性体が、本発明の範囲内であるとみなされ、位置異性体も同様である(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジルなど)。本発明の化合物の個々の立体異性体は例えば、他の異性体を実質的に含まなくてもよいし、あるいは例えば、ラセミ体として、または全ての他の立体異性体と、もしくは他の選択された立体異性体と混合されてもよい。本発明の不斉中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって規定されるようなSまたはR立体配置を有し得る。「塩(salt)」、「溶媒和化合物(solvate)」、「エステル(ester)」、「プロドラッグ(prodrug)」などという用語の使用は、本発明の化合物の塩、溶媒和化合物、エステルおよびエナンチオマーのプロドラッグ、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグに対して等しく適用するものとする。
【0066】
式(I)の化合物の多形相、ならびに式(I)の化合物の塩、溶媒和化合物、エステルおよびプロドラッグは、本発明に含まれるものとする。
【0067】
「式(I)の少なくとも1つの化合物(at least one compound of formula(I))」という句は、式(I)の1〜3つの異なる化合物が薬学的組成物または処置の方法で用いられ得るということを意味する。1実施形態では式(I)の1化合物が用いられる。同様に、「少なくとも1つのHレセプターアンタゴニスト(at least one H receptor antagonist)」または「肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための少なくとも1つの他の化合物(または薬剤)(at least one other compound(or agent)for treating obesity,an obesity−related disorder,metabolic syndrome or a cognition deficit disorder)」とは、1または3つの異なるHアンタゴニストまたは他の化合物が、薬学的組成物または処置の方法で用いられ得るということを意味する。1実施形態では、1つのHアンタゴニストまたは肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームもしくは認知欠損障害を処置するための1つの他の化合物が、この組み合わせで用いられる。
【0068】
「肥満(obesity)」という用語は、本明細書において用いる場合、過体重であり、かつ25以上の肥満度指数(BMI)を有する患者をいう。1実施形態では、肥満患者は、25以上のBMIを有する。別の実施形態では、肥満患者は25〜30のBMIを有する。別の実施形態では、肥満患者は、30より大きいBMIを有する。さらに別の実施形態では、肥満患者は40より大きいBMIを有する。
【0069】
「肥満関連障害(obesity−related disorder)」という用語は、本明細書において用いる場合、25以上のBMIを有する患者から生じる任意の障害をいう。肥満関連障害の非限定的な例としては、浮腫、息切れ、睡眠時無呼吸、皮膚障害および高血圧が挙げられる。
【0070】
「メタボリック・シンドローム(metabolic syndrome)」という用語は、National Cholesterol Education Program(国際コレステロール教育プログラム)のAdult Treatment Panel III report(成人治療パネルIIIレポート)に特定された心血管系の疾患(CVD)についての危険因子の組み合わせをいう。例えば、Grundyらによる考察、Circulation.109(2004),433〜438を参照のこと。メタボリック・シンドロームの内容は、以下である:1)異常な肥満;2)アテローム生成的異脂肪血症(atherogenic dyslipidemia);3)血圧上昇;4)インスリン抵抗性;5)炎症促進状態;および6)プロトロンビン状態(prothrombotic state)。
【0071】
他に言及しない限り、以下の略号は、述べられた意味を有する:
Me=メチル;Et=エチル;Bn=ベンジル;Bu=ブチル;Pr=プロピル;Ph=フェニル;t−BOC=tert−ブチルオキシカルボニル;Ac=アセチル;BINAP=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’ビナフチル;DCE=1,2−ジクロロエタン;DCM=ジクロロ−メタン;DEAD=ジエチルアゾジカルボキシレート;DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基(Hunig’s base));DMF=ジメチルホルムアミド;EDC=1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド;HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;NaBH(OaC)=ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド;PyBOP=ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリ−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;RT=室温(room temperature);TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;TEMPO=2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、遊離ラジカル;TLC=薄層クロマトグラフィー;MS=質量分析法;nM=ナノモル;Ki=基質/レセプター複合体についての解離定数
式(I)の化合物
本発明は、以下の式:
【0072】
【化26】

を有する化合物、およびその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここでR、R、R、R、R、M、M、U、V、W、X、Y、Z、a、b、nおよびpは、式(I)の化合物について上記されたとおりである。
【0073】
1実施形態では、RはR15−アリール、R15−(6員のヘテロアリール)、
【0074】
【化27】

である。
【0075】
別の実施形態では、RはR15−フェニルであり、そしてR15は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキルまたは−CNからなる群より独立して選択される1〜4つの置換基である。
【0076】
さらに別の実施形態では、R15は、Hおよびハロから独立して選択される1または2つの置換基である。
【0077】
さらに別の実施形態では、R15は、−CF、−CHFおよび−CNからなる群より選択される1つの置換基である。
【0078】
1実施形態では、RはR15−ピリジルである。別の実施形態では、6員のヘテロアリールは2−ピリジルである。
【0079】
1実施形態では、R15は、H、ハロ、アルキル、ハロアルキルおよび−CNからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基である。
【0080】
別の実施形態では、R15は、Hおよびハロからなる群より独立して選択される1または2つの置換基である。
【0081】
さらなる実施形態では、R15は、−CF、−CHFおよび−CNからなる群より選択される1つの置換基である。
【0082】
1実施形態では、Rは、
【0083】
【化28】

であり、ここでR15aは、C−Cアルキル、ハロ(C−C)アルキル;C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ;R21−フェニルまたはR21−ピリジルであり;R21はH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OCF、−CHFまたは−CNからなる群より独立して選択される1〜3個の置換基である;R16は上記のとおりであり;
そしてk、k1およびk2は各々独立して0、1または2である。
【0084】
別の実施形態では、R
【0085】
【化29】

であり、Xは結合である、そしてM
【0086】
【化30】

である。
【0087】
なおさらなる別の実施形態では、Rは、
【0088】
【化31】

であって、
ここでR15aは(C−C)アルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、R21−フェニルまたはR21−ピリジルである;R21は、H、ハロ、アルキルおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1または2つの置換基であり;R16は上記のとおりであり;そしてk1は0または1である。
【0089】
別の実施形態では、Rは、
【0090】
【化32】

であり、ここでR15aは、−C、−CF、C−O−、CH−O−、C−S−、CH−S−、R21−フェニルまたはR21−ピリジルであり;R21はH、F、Cl、−CH、および−CFからなる群より独立して選択される1または2つの置換基であり;k1は0または1であり;そしてR16はF、Clまたは−CFである。
【0091】
1実施形態では、nは1である。
【0092】
別の実施形態では、pは1である。
【0093】
1実施形態では、aおよびbは各々独立して0または1である。
【0094】
別の実施形態では、aおよびbは各々0である。
【0095】
なおさらなる別の実施形態では、UおよびWの両方がCHである。
【0096】
1実施形態では、M
【0097】
【化33】

であり、
ここで、RはH、−NHC(O)Rまたは−N(Rであり;そしてRはアルキルである。
【0098】
別の実施形態では、M
【0099】
【化34】

であって、ここでRはHである。
【0100】
1実施形態では、Mは好ましくは、Nである。
【0101】
別の実施形態では、RはHまたはアルキルである。
【0102】
Xは好ましくは、単結合、−NHC(O)−または−C(N−OR10)−であって、ここでR10はHまたはアルキルであり;さらに好ましくは、Xは単結合である。
【0103】
Yは好ましくは、−O−または−C(=O)−、さらに好ましくは、−C(=O)−である。
【0104】
好ましい化合物は、M、M、n、p、XおよびYが、(a)または(b)で規定されるような化合物であって、ここで(a)R
【0105】
【化35】

である化合物がさらに好ましく、そして(b)RがR15−アリールまたはR15−(6員のヘテロアリール)である化合物が好ましい。
【0106】
さらなる実施形態では、Zは結合である。
【0107】
1実施形態では、RおよびRは各々独立して、H、アルキル、フルオロまたは−OHである。
【0108】
別の実施形態では、RはR18−ヘテロアリールまたはR18−ヘテロシクロアルキルである。
【0109】
なおさらに別の実施形態では、Rは5員もしくは6員のR18−ヘテロアリールまたは4、5もしくは6員のR18−ヘテロシクロアルキルである。
【0110】
さらに別の実施形態では、RはR18−ピリジル、R18−ピリミジル、R18−ピラダジニル、R18−テトラヒドロピラニル、R18−アゼチジニル、R18−オキサゾリルおよびR18−チアゾリルである。
【0111】
さらなる実施形態では、RはR18−ピリジル、R18−ピリミジル、R18−ピラダジニル、R18−オキサゾリルまたはR18−チアゾリルであり、かつR18はH、−CH、−NHおよび−NHCHからなる群より独立して選択される1または2つの置換基である。
【0112】
1実施形態では、RはR18−テトラヒドロピラニルまたはR18−アゼチジニルであり、かつR18は、Hおよび−CHからなる群より選択される1または2つの置換基である。
【0113】
別の実施形態では、Rは2−アミノピリジル、2−アミノオキサゾリル、2−アミノチアゾリル、1−メチル−アゼチジニルおよびテトラヒドロピラニルである。
【0114】
別の実施形態では、Rは2−アミノピリジルである。
【0115】
1実施形態では、式(I)の化合物は、以下の式(IA):
【0116】
【化36】

およびその薬学的に受容可能な塩を有し、
ここで、
はCRまたはNであり;
はCHまたはNであり;
Xは、結合、アルキレン、−C(O)−、−C(=N−O−R)−、−N(R12)−、−CHN(R12)−、−C(=CH)−、−NHC(O)−、−SO−であり、その結果、MがNである場合、Xは−N(R12)−でも、−CHN(R12)−でもなく;
がNである場合、Yは−C(O)−であって、MがCHである場合、Yは−C(O)−またはOであり;
Zは結合であり;
はR15−アリールアルキル、R15−アリール、R15−シクロアルキル、R15−ヘテロアリール、R15−ヘテロシクロアルキル、フルオレニル、
【0117】
【化37】

であり;
はR18−アリールアルキル、R18−アルキル、R18−アリール、R18−ヘテロアリール、またはR18−ヘテロシクロアルキルであり;
各々のRは独立してH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシおよび−CNからなる群より選択され;
各々のRは独立してH、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロ、−CF、−OCF、−NOおよび−CNからなる群より選択され;
はH、アルキルまたは−C(O)アルキルであり;
は−H、−NH、−NH−アルキル、−CN、−ヒドロキシ−置換アルキル、−NHC(O)−アルキル、または−C(アルキル)(=N−O−R)であり;
12は−Hまたはアルキルであり;
15は−H、−CN、−O−フェニル、−OH、アルコキシ、ハロ、アルキル、−ベンジル、−NH、−NO、−CF、−OCF、−S−アルキル、フェニル、−C(O)O−アルキル、−C(O)アルキル、Or−S−CFであり;
15aは、−H、または−ヘテロアリール(2−ベンゾフラニル、2−キノリニル、ピリジル)であり;
16は、−CFまたはハロであり;
17は、−H、アルコキシ、またはR21−ヘテロシクロアルキルアルキル(−CHCH−(N−モルホリニル))であり;
18は、−H、ハロ、−NO、または−NHであり;
21は、−H、ハロまたはアルキルであり;
QがOまたはSであり;
は−H、アルキル、または−CHCFであり;
aは、0または1であり;
bは0または1であり;
kは0、1または2であり;そして
k1は0、1または2である。
【0118】
1実施形態では、aは0である。
【0119】
別の実施形態では、aは1である。
【0120】
1実施形態では、bは0である。
【0121】
別の実施形態では、bは1である。
【0122】
1実施形態では、kは0である。
【0123】
別の実施形態では、kは1である。
【0124】
1実施形態では、k1は0である。
【0125】
別の実施形態では、k1は1である。
【0126】
1実施形態では、QはOである。
【0127】
1実施形態では、RはR15−アリールアルキルである。
【0128】
別の実施形態では、RはR15−アリールである。
【0129】
別の実施形態では、RはR15−シクロアルキルである。
【0130】
なおさらに別の実施形態では、RはR15−ヘテロアリールである。
【0131】
別の実施形態では、RはR15−ヘテロシクロアルキルである。
【0132】
さらに別の実施形態では、Rはフルオレニルである。
【0133】
1実施形態では、RはR15−フェニルまたはR15−ナフチルである。
【0134】
別の実施形態では、RはR15−シクロヘキシルまたはR15−シクロプロピルである。
【0135】
別の実施形態では、RはR15−イソオキサゾリル、R15−ピリジル、R15−ピリミジニルまたはR15−ピリダジニルである。
【0136】
なおさらに別の実施形態では、RはR15−ピペラジニル、R15−ピペリジニルまたはR15−モルホリニルである。
【0137】
さらに別の実施形態では、Rは:
【0138】
【化38】

であって、ここでR15aはベンゾフラニル、キノリニルまたはピリジルであり、かつR16、kおよびk1は式(IA)の化合物について上記されるとおりである。
【0139】
1実施形態では、Rは:
【0140】
【化39】

であって、ここで、R17は−H、アルコキシ、または−CHCH−(N−モルホリニル)であり、かつR16、kおよびk1は、式(IA)の化合物について上記されるとおりである。
【0141】
1実施形態では、RはR18−アリールアルキルである。
【0142】
別の実施形態では、Rは、R18−ベンジルである。
【0143】
別の実施形態では、Rは、R18−アルキルである。
【0144】
なおさらに別の実施形態では、Rは、R18−アリールである。
【0145】
別の実施形態では、Rは、R18−フェニルである。
【0146】
さらに別の実施形態では、Rは、R18−ヘテロアリールである。
【0147】
1実施形態では、Rはピリジルである。
【0148】
別の実施形態では、Rは、−NH−置換ピリジルである。
【0149】
別の実施形態では、Rは、2−アミノ−ピリジン−4−イルである。
【0150】
さらに別の実施形態では、Rは、ピリミジニルである。
【0151】
なおさらに別の実施形態では、Rは、R18−ヘテロシクロアルキルである。
【0152】
別の実施形態では、Rは、テトラヒドロピラニルである。
【0153】
1実施形態では、R15aはベンゾフラニル、キノリニルまたはピリジルである。
【0154】
1実施形態では、Mは、Nである。
【0155】
別の実施形態では、Mは、CRである。
【0156】
別の実施形態では、Mは、CHである。
【0157】
1実施形態では、Mは、Nである。
【0158】
別の実施形態では、Mは、CHである。
【0159】
1実施形態では、Xは結合である。
【0160】
別の実施形態では、Xは、アルキレンである。
【0161】
別の実施形態では、Xは−CH−である。
【0162】
なおさらなる別の実施形態では、Xは−CHCH−である。
【0163】
別の実施形態では、Xは−C(O)−である。
【0164】
さらに別の実施形態では、Xは−C(=N−O−R)−である。
【0165】
1実施形態では、Xは、−C(=N−O−CH)−である。
【0166】
別の実施形態では、Xは−C(=N−OH)−である。
【0167】
なおさらなる別の実施形態では、Xは−N(R12)−である。
【0168】
さらに別の実施形態では、Xは、NHである。
【0169】
さらなる実施形態では、Xは−CHN(R12)−である。
【0170】
別の実施形態では、Xは−CHN(CH)−である。
【0171】
1実施形態では、Xは−C(=CH)−である。
【0172】
別の実施形態では、Xは−NHC(O)−である。
【0173】
別の実施形態では、Xは−SO−である。
【0174】
1実施形態では、Yは、−C(O)−であり、かつMはNである。
【0175】
別の実施形態では、Yは−C(O)−であり、かつMは、CHである。
【0176】
別の実施形態では、Yは、−O−であり、かつMは、CHである。
【0177】
1実施形態では、Mは、Nであり、Yは、−C(O)−である。
【0178】
別の実施形態では、MはNであり、MはNであり、Yは−C(O)−である。
【0179】
別の実施形態では、Mは、CHであり、MはNであり、Yは−C(O)−である。
【0180】
なおさらなる別の実施形態では、aは、0であり、bは、1であり、そしてRは、アルコキシまたはアルキルである。
【0181】
さらに別の実施形態では、Mは、CH、Yは、−C(O)−である。
【0182】
さらなる実施形態では、MはCHであり、Yは−O−である。
【0183】
別の実施形態では、MはNであり、MはCHであり、Yは−C(O)−である。
【0184】
別の実施形態では、MはNであり、MはCHであり、Yは−O−である。
【0185】
1実施形態では、MおよびMは各々Nであり、Xは、−NHC(O)−であり、Yは、−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは4−ピリジルであり、かつRはメチルである。
【0186】
別の実施形態では、MおよびMは各々Nであり、Xは、−NHC(O)−であり、Yは、−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは4−ピリジルであり、かつRはHである。
【0187】
1実施形態では、MはCHであり、MはNであり、Xは結合であり、Yは−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは4−ピリジルであり、かつRは、メチルである。
【0188】
別の実施形態では、MはCHであり、MはNであり、Xは結合であり、Yは−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは4−ピリジルであり、かつRはHである。
【0189】
別の実施形態では、MはCHであり、MはNであり、Xは結合であり、Yは−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは2−アミノ−ピリジン−4−イルであり、かつRはHである。
【0190】
別の実施形態では、MはCHであり、MはNであり、Xは−C(=NOCH)であり、Yは−C(O)−であり、Rはフェニルであり、Rは2−アミノ−ピリジン−4−イルであり、かつRはHである。
【0191】
式(I)の化合物の例示的な実施例としては、限定はしないが、実施例のセクションにおいて下に説明される化合物1A−160Aが挙げられる。
【0192】
式(I)の化合物を作製する方法
本発明の化合物は、当業者に公知の手順を介して調製され得る。本発明に記載される化合物は代表的には、その分子の右部分(CDフラグメント)を事前にアセンブリングすること、次いでこれを、1工程(AB+CD)または2工程(B+CD、続いてA+BCD)のアプローチ)においてこの分子の左部分の上に構築することによって調製される(下のスキーム2〜4を参照のこと。
【0193】
この分子のCD部分は代表的には、スキーム1に示されるようにアセンブルする:
スキーム1
【0194】
【化40】

代表的な反応は、適切に官能化されたアニリンCとハロゲン置換試薬Dとの熱反応を包含し、ここでRはヘテロアリールである(Zは、単結合である);この手順は、アニリンCと、フラグメントDのハロゲン置換アリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルバージョンとの反応に適用可能である。念のため、リンカーZがC−Cアルキルまたはアルケニル部分(Z’)である場合、アニリンCと適切なアルデヒドまたはアルキルハライド試薬Dとの間の還元性のアミノ化または求核性置換プロセスによってCDがもたらされる。
【0195】
が窒素である場合、この分子のCDとAB(あるいは、B)のフラグメントとの間のリンクの構築は代表的には、Cフラグメントの事前に組み込まれたカルボン酸官能基とBフラグメントの対応する二級アミン官能基とのアミドカップリングを通じて達成される。スキーム2を参照のこと。
【0196】
スキーム2
【0197】
【化41】

カルボン酸官能基の代わりにフラグメントC上での種々の官能基の事前組み込み、例えば、ヒドロキシル、ハロゲンまたはスルホニル部分によって、スキーム3に示されるように、B−Cリンクとして種々のタイプのY部分の形成が可能になる。
【0198】
スキーム3
【0199】
【化42】

【0200】
【化43】

B−Cカップリングを達成するための適切な反応としては、限定はしないが、(1)フェノール・イオンとの光延反応または求核性置換(すなわち、Yが−O−であり、M=Cである);(2)金属−ハロゲン交換、その後の対応するCアリール金属(例えば、遷移金属触媒によって触媒される)種の適切なBフラグメント求電子試薬への付加(Y=−C(O)−、M=C)、続いて必要に応じてケトンの還元(Y=CH、M=C);(3)Cアリールハライドと、Bに由来する適切な金属ビニル種との遷移金属触媒カップリング(Y=CH、M=C)、続いて二重結合の還元;または(4)B環の二級アミンとC環の塩化スルホニルとの反応(Y=SO)。
【0201】
対応するABフラグメントの構築のための種々のアプローチが当該分野で公知である。ほとんどの場合の合成アプローチは、ABフラグメントの特定の性質によって決定づけられる。ABフラグメントへのいくつかのアプローチは、下の特定の実施例によって例示される。ある場合には、分子(B+CD、続いてA+BCD)の左側の構築物に対する段階的なアプローチがより好都合である。A+BCDのカップリングプロセス条件が、BCDフラグメントに既に存在する官能基によって仕立てられる場合、このアプローチの非限定的な例(Mが窒素である場合)はスキーム4に示される。
【0202】
スキーム4
【0203】
【化44】

式(I)の化合物の使用
式(I)の化合物は、ある状態を処置または予防するために有用である。従って、本発明は、ある患者におけるある状態を処置または予防するための方法であって、この患者に有効量の少なくとも1つの式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和化合物を投与する工程を包含する方法、を提供する。
【0204】
1実施形態では、式(I)の化合物は、うっ血、メタボリック・シンドローム,肥満、肥満関連障害または認知欠損障害を処置するために有用である。
【0205】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、肥満または肥満関連障害を処置するために有用である。
【0206】
別の実施形態では、式(I)の化合物は、糖尿病を処置するために有用である。糖尿病には2つの主な型がある:I型糖尿病(インスリン依存性糖尿病またはNIDDMとも呼ばれる)およびII型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病またはNIDDMとも呼ばれる)。1実施形態では、式(I)の化合物は、I型糖尿病を処置するために有用である。別の実施形態では、式(I)の化合物は、II型糖尿病を処置するために有用である。
【0207】
併用療法
ある状態を処置または予防するための本発明の方法はさらに、式(I)の少なくとも1つの化合物に加えて、1つ以上のさらなる治療剤を投与する工程を包含し得る。本発明の方法において有用なさらなる治療剤としては、限定はしないが、Hレセプターアンタゴニスト、減量薬(やせ薬)(weight−loss agents)、HMG−CoA還元酵素阻害剤、ステロール吸収阻害剤、抗糖尿病薬、肥満、肥満関連障害の処置に有用な任意の薬剤、メタボリック・シンドロームの処置に有用な任意の薬剤、認知欠損障害の処置に有用な任意の薬剤、またはこれらのさらなる治療剤の2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。
【0208】
1実施形態では、式(I)の化合物は、Hレセプターアンタゴニストと組み合わされてもよい(すなわち、式(I)の化合物は、薬学的組成物中のHレセプターアンタゴニストと組み合わされてもよいし、または式(I)の化合物は、Hレセプターアンタゴニストとともに投与されてもよい)。
【0209】
多数の化学物質がヒスタミンHレセプターアンタゴニスト活性を有することが公知であり、従って、本発明の方法で用いられ得る。代表的なHレセプターアンタゴニストとしては、限定はしないが、以下が挙げられる:アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスカルボエトキシルオラタジン、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、メクリジン、ミゾラスチン、メクイタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、ノルアステミゾール、ピクマスト(picumast)、ピリルアミン、プロメタジン、テルフェナジン、トリペレンナミン(tripelennamine)、テメルアスチン(temelastine)、トリメプラジンおよびトリプロリジンが挙げられる。単離されたモルモットの回腸のヒスタミンに対する収縮反応の特異的な遮断を含む公知の方法によって、他の化合物を容易に評価して、Hレセプターでの活性を決定できる。例えば、1998年2月19日公開のWO98/06394を参照のこと。
【0210】
当業者は、Hレセプターアンタゴニストが、その公知の治療上有効な量で用いられるか、またはHレセプターアンタゴニストが、その正常に規定された服薬量で用いられるということを理解する。
【0211】
1実施形態では、このHレセプターアンタゴニストは、以下から選択される:アザタジン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロロフェニラミン、カレバスチン、デスカルボエトキシ−ロラタジン、ジフェニルヒドラミン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラタジン、またはノルアステミゾール。さらに好ましくは、このHアンタゴニストは、ロラタジン、デスカルボエトキシルオラタジン、フェキソフェナジン、またはセチリジンから選択される。
【0212】
1実施形態では、HおよびHアンタゴニストの上記の組み合わせでは、鼻づまりが処置される。
【0213】
減量薬(やせ薬)としては、食欲抑制剤、代謝速度増進因子および栄養吸収阻害剤が挙げられる。肥満またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な食欲抑制剤としては、カンナビノイドレセプター1(CB)アンタゴニストまたは逆作用薬(インバースアゴニスト)(例えば、リモナバント);ニューロペプチドY(NPY1、NPY2、NPY4およびNPY5)アンタゴニスト;代謝型グルタミン酸サブタイプ5受容体(mGluR5)アンタゴニスト(例えば、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジンおよび3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン);メラニン凝集ホルモンレセプター(MCH1RおよびMCH2R)アンタゴニスト;メラノコルチンレセプターアゴニスト(例えば、メラノタン−IIおよびMc4rアゴニスト);セロトニン取り込みインヒビター(例えば、デクスフェンフルラミンおよびフルオキセチン);セロトニン(5HT)輸送インヒビター(例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリンおよびイミプラミン);ノルエピネフリン(NE)輸送体インヒビター(例えば、デシプラミン、タルスプラムおよびノミフェンシン);グレリン(ghrelin)アンタゴニスト;レプチンまたはその誘導体;オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルメフェン、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソンおよびナルトレキソン);オレキシンアンタゴニスト;ボンベシンレセプターサブタイプ3(BRS3)アゴニスト;コレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト;毛様体神経栄養因子(CNTF)またはその誘導体(例えば、ブタビンジンおよびアキソキン);モノアミン再取り込みインヒビター(例えば、シブトラミン);グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アゴニスト;トピラメート;およびフィトファルム(phytopharm)化合物57が挙げられる。代謝速度増進因子としては、アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2(ACC2)インヒビター;βアドレナリン受容体3(β3)アゴニスト;ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼインヒビター(DGAT1およびDGAT2);脂肪酸シンテターゼ(FAS)インヒビター(例えば、セルレニン);ホスホジエステラーゼ(PDE)インヒビター(例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、スリデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト);甲状腺ホルモンβアゴニスト;脱共役タンパク質活性化因子(UCP−1、2または3)(例えば、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸およびレチノイン酸);アシル−エストロゲン(例えば、オレオイル−エストロン);グルココルチコイドアンタゴニスト;11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11βHSD−1)インヒビター;メラノコルチン−3レセプター(Mc3r)アゴニスト;およびステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1(SCD−1)化合物が挙げられる。栄養吸収阻害剤としては、リパーゼインヒビター(例えば、オルリスタット、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェート);脂肪酸輸送体層インヒビター;デカルボキシレート輸送体インヒビター;グルコース輸送体インヒビター;およびリン酸輸送体インヒビターが挙げられる。
【0214】
肥満およびメタボリック・シンドロームを処置するための組み合わせた使用のための特異的な化合物としては、リモナバント、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン、3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン、メラノタン−II、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フルオキセチン(fluoxetine)、パロキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリン、イミプラミン、デシプラミン、タルスプラム、ノミフェンシン、レプチン、ナルメフェン、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブタビンジド、アキソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファルム(phytopharm)化合物57、セルレニン(Cerulenin)、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、スリデナフィル、アムリノン、ミルトリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸、レチノイン酸、オレオイル−エストロン、オルリスタット(orlistat)、リプスタチン(lipstatin)、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェートが挙げられる。
【0215】
肥満およびメタボリック・シンドロームを処置するための組み合わせでの使用のために好ましい化合物としては、リモナバント、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フェンフルラミン、フェンテルミン、レプチン、ナルメフェン、アキソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファルム(phytopharm)化合物57、オレオイル−エストロンおよびオルリスタットが挙げられる。
【0216】
また好ましいのは、メタボリック・シンドロームまたは肥満を処置するための、式(I)の少なくとも1つの化合物および1つ以上のHMG−CoA還元酵素阻害剤および/または1つ以上の置換アゼチジノンまたは置換β−ラクタムステロール吸収インヒビターの組み合わせである。
【0217】
代表的なHMG−CoA還元酵素阻害剤としては、スタチン、例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、レスバスタチン、セリバスタチン、リバスタチンおよびピタバスタチンが挙げられる。1実施形態では、このHMG−CoA還元酵素阻害剤はシンバスタチンである。
【0218】
本明細書において用いる場合、「ステロール吸収阻害剤(sterol absorption inhibitor)」とは、治療上有効な(ステロールおよび/または5α−スタノール吸収阻害)量で哺乳動物またはヒトに投与された場合、1つ以上のステロールの吸収を阻害し得る化合物を意味し、ステロールとしては限定はしないが、コレステロール、フィトステロール(例えば、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびアベノステロール)、5α−スタノール(例えば、コレステタノール、5α−カンペスタノール、5α−シトスタノール)、および/またはそれらの混合物が挙げられる。
【0219】
適切な置換アゼチジノンおよびこれを作成する方法の非限定的な例としては、米国再発行特許第37,721号、米国特許第5,306,817号、同第5,561,227号、同第5,618,707号、同第5,624,920号、同第5,631,365号、同第5,656,624号、同第5,627,176号、同第5,633,246号、同第5,661,145号、同第5,688,785号、同第5,688,787号、同第5,688,990号、同第5,698,548号、同第5,728,827号、同第5,739,321号、同第5,744,467号、同第5,756,470号、同第5,767,115号、同第5,846,966号、同第5,856,473号、同第5,886,171号、同第5,919,672号、同第6,093,812号、同第6,096,883号、同第6,133,001号、同第6,207,822号、同第6,627,757号、同第6,632,933号、米国特許出願公開第2003/0105028号、同第2004/0180860号、同第2004/0180861号、および同第2004/0198700に開示されるものが挙げられ、N−スルホニル−2−アゼチジノンは、例えば、米国特許第4,983,597号、エチル4−(2−オキソアゼチジン−4−イル)フェノキシ−アルカノエートは、例えば、Ramら、Indian J.Chem.Sect.B.29B,12(1990),第1134〜7に開示され、そしてジフェニルアゼチジンおよび誘導体は、米国特許出願公開第2002/0039774号、同第2002/0128252号、同第2002/0128253号、および同第2002/0137689号、ならびにPCT出願公開番号WO2002/066464、WO04/000805、WO04/005247、WO04/000804、WO04/000803、WO04/014947、WO04/087655、WO05/009955、WO05/023305、WO05/021495、WO05/021497、WO05/044256、WO05/042692、WO05/033100、WO05/030225、WO05/047248.WO 05/046662、WO05/061451、WO05/061452、WO05/062824、WO05/02897、WO05/000353に開示され、その各々が、参照によって本明細書に援用される。
【0220】
適切な置換アゼチジノン化合物の例は、下の式(A)(エゼチミブ):
【0221】
【化45】

、または式(A)の化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和化合物によって提示される。式(A)の化合物は、無水型であっても、水和型であってもよい。エゼチミブ化合物を含有する生成物は、MSP PharmaceuticalsからZETIA(登録商標)エゼチミブ処方物として市販されている。
【0222】
認知欠損障害の処置のために本発明のHアンタゴニストと組み合わせた使用のための代表的な化合物は、ADHDの処置のためのアトモキセチンおよびデクスメチルフェニデート、統合失調症の処置のためのオランザピン、リスペリドンまたはアリピペラゾール、ならびにアルツハイマー病の処置のためのドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン、タクリン、リバスチグミンまたはガランタミンである。
【0223】
1実施形態では、式(I)の化合物は、糖尿病を処置するための抗糖尿病薬とともに投与されてもよい。
【0224】
糖尿病を処置するための本発明の方法において有用な抗糖尿病薬の例としては、スルホニル尿素、インスリン抵抗性改善薬(例えば、PPARアゴニスト、DPPIVインヒビター、PTP−1Bインヒビターおよびグルコキナーゼ活性化因子)、α−グルコシダーゼインヒビター、インスリン分泌促進物質、肝臓グルコース生産低下化合物、抗−肥満薬、降圧薬、メグリチニド(meglitinides)、インスリンおよびインスリン−含有組成物が挙げられる。
【0225】
1実施形態では、抗糖尿病薬は、インスリン抵抗性改善薬またはスルホニル尿素である。
【0226】
スルホニル尿素の非限定的な例としては、グリピジド、トルブタミド、グリブリド、グリメピリド、クロルプロマジン、アセトヘキサミド、グリアミリド、グリクラジド、グリベンクラミドおよびトラザミドが挙げられる。インスリン抵抗性改善薬としては、上記に詳細に記載されるPPAR−γアゴニスト、好ましくは、トログリタゾン、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンおよびエングリタゾン;ビグアニジン、例えば、メトフォルミンおよびフェンホルミン;DPPIVインヒビター、例えば、シタグリピン、サクサグリピン、デナグリピンおよびヴィルダグリプチン(vildagliptin);PTP−1Bインヒビター;およびグルコキナーゼ活性因子が挙げられる。II型糖尿病を処置するのにおいて有用であり得るα−グルコシダーゼインヒビターとしては、ミグリトール、アカルボースおよびヴォグリボース(voglibose)が挙げられる。肝臓グルコース生産低下薬としては、グルコファージ(Glucophage)およびグルコファージXR(Glucophage XR)が挙げられる。インスリン分泌促進物質としては、スルホニル尿素および非スルホニル尿素薬、例えば、GLP−1、エクセンジン、GIP、セクレチン、グリピジド、クロルプロパミド、ナテグリニド、メグリチニド、グリベンクラミド、レパグリニドおよびグリメピリドが挙げられる。インスリンとしては、インスリンの全ての形態を包含し、これにはインスリンの長期作用型および短期作用型を含む。
【0227】
糖尿病を処置するための本発明において有用な抗肥満薬の非限定的な例としては、CB1アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、例えば、リモナバント、ニューロペプチドYアンタゴニスト、MCR4アゴニスト、MCHレセプターアンタゴニスト、ヒスタミンH3レセプターアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、レプチン、食食抑制剤、例えば、シブトラミンおよびリパーゼインヒビター、例えば、キセニカルが挙げられる。
【0228】
糖尿病を処置するための本発明の方法において有用な降圧薬の非限定的な例としては、β遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬(例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロピジンおよびミベフラジル)、ACE阻害薬(例えば、カプトリル、リシノプリル、エナラプリル、スピラプリル、セラノプリル、ゼフェノプリル、ホシノプリル、シラザプリルおよびキナプリル)、AT−1レセプターアンタゴニスト(例えば、ロサルタン、イルベサルタンおよびヴァルサルタン、レニン阻害薬およびエンドセリン受容体アンタゴニスト(例えば、シタキセンタン)が挙げられる。
【0229】
糖尿病を処置するために本発明の方法において有用なメグリチニドの非限定的な例としては、レパグリニドおよびナテグリニドが挙げられる。
【0230】
インスリン抵抗性改善薬の非限定的な例としては、ビグアニド、例えば、メトフォルミンおよびチアゾリジンジオンが挙げられる。
【0231】
1実施形態では、インスリン抵抗性改善薬は、チアゾリジンジオンである。
【0232】
デンプンおよび特定の糖の分解を遅らせるかまたはブロックし、そして本発明の組成物および方法における使用のために適切である抗糖尿病薬の非限定的な例としては、α−グルコシダーゼインヒビターおよびインスリン産生を増大するための特定のペプチドが挙げられる。α−グルコシダーゼインヒビターは、摂取された炭水化物の消化を遅らせることによって身体の血糖を下げることを助け、それによって食事後の血糖値の上昇を小さくする。適切なα−グルコシダーゼインヒビターの非限定的な例としては、アカルボース;ミグリトール;カミグリボース;WO01/47528(参照によって本明細書に援用される)に開示されるような特定のポリアミン;ヴォグリボース(voglibose)が挙げられる。インスリン産生を増大するための適切なペプチドの非限定的な例としては、アムリンチド(AmylinのCAS登録番号122384−88−7;プラムリンチド、エクセンジン(exendin)、WO 00/07617(参照によって本明細書に援用される)に開示されるようなグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)アゴニスト活性を有する特定の化合物が挙げられる。
【0233】
経口投与可能なインスリンおよびインスリン含有組成物の非限定的な例としては、AutoimmuneのAL−401、および米国特許第4,579,730号;同第4,849,405号;同第4.963,526号;同第5,642,868号;同第5,763,396号;同第5,824,638号;同第5,843,866号;同第6,153,632号;同第6,191,105号;および国際公開第WO85/05029号に開示される組成物が挙げられ、その各々は参照によって本明細書に援用される。
【0234】
1実施形態では、式(I)の化合物は、糖尿病または糖尿病関連障害を処置するために抗糖尿病薬と同時投与されてもよい。
【0235】
肥満または肥満関連障害を処置するための本発明の方法において有用な抗糖尿病薬としては、限定はしないが、本明細書において上記に列挙される抗糖尿病薬が挙げられる。
【0236】
本発明の併用療法では、少なくとも1つの式(I)の化合物および1つ以上のさらなる治療剤が同時に(同時に、単一剤形でまたは別の剤形で)、または連続して(最初のもの、次に別のものなど、ある期間にまたがって)任意の順序で投与されてもよい。
【0237】
薬学的組成物および投与
本発明によって記載される化合物から薬学的組成物を調製するために、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは固体または液体のいずれであってもよい。固体型調製物としては、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、カシェ剤(cachets)および坐剤が挙げられる。この粉末および錠剤は、約5〜約5%の活性な成分から構成され得る。適切な固体キャリア、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、糖またはラクトースは、当該分野で公知である。錠剤、粉末、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適切な固体剤形として用いられ得る。種々の組成物のための薬学的に受容可能なキャリアおよび方法の例は、A.Gennaro(編)、The Science and Practice of Pharmacy,第20版(2000),Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,MDに見出すことができる。
【0238】
液体型の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例えば、非経口注入のための水もしくは水−プロピレングリコール溶液、または経口の溶液、懸濁液およびエマルジョンのための甘味料および乳白剤の添加が例として言及され得る。液体型の調製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液が包含され得る。
【0239】
吸入のために適切なエアロゾル調製物は、溶液および粉末型の固体を含んでもよく、これは薬学的に受容可能なキャリア、例えば、不活性な圧縮ガス、例えば、窒素と組み合わされてもよい。
【0240】
経口投与または非経口投与のいずれかのための液体型調製物に、使用の直前に変換されることを意図する固体型調製物も含まれる。このような液体型としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。
【0241】
本発明の化合物はまた、経皮的に送達可能であり得る。経皮組成物は、クリーム、リョーション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態をとってもよく、そしてこの目的のために当該分野で慣習的であるとおり、マトリックスまたはリザーバーのタイプの経皮パッチに含まれてもよい。
【0242】
1実施形態では、式(I)の化合物は経口投与される。
【0243】
1実施形態では、薬学的な調製物は、単位剤形である。このような形態では、この調製物は、適切な量の活性成分、例えば、所望の目的を達成するために有効な量を含む、適切にサイズ化された単位用量に小分割される。
【0244】
調製物の単位用量での活性化合物の量は、特定の適用に応じて、約1mg〜約150mg、好ましくは約1mg〜約75mg、さらに好ましくは約1mg〜約50mgに変化しても調節されてもよい。
【0245】
使用される正確な投薬量は、患者の要件、および処置されている条件の重篤度に依存して変化し得る。特定の状況について適切な投薬レジメンの決定は、当該分野の技術の範囲内である。簡便のために、1日総投薬量は、必要に応じてその日のうちに、分けられて部分として投与されてもよい。
【0246】
本発明の化合物および/またはその薬学的に受容可能な塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態およびサイズ、ならびに処置されている症状の重篤度のような要因を考慮して担当の臨床家の判定に応じて調節される。経口投与のための代表的な推奨1日投与量のレジメンは、2〜4の分割用量で、約1mg/日〜約300mg/日、好ましくは1mg/日〜75mg/日にわたってもよい。
【0247】
本発明が、HアンタゴニストおよびHアンタゴニスト化合物の組み合わせを含む場合、2つの活性成分は、同時にもしくは連続的に同時投与されてもよく、またはHアンタゴニストおよびHアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリアに含む単一の薬学的組成物が投与されてもよい。組み合わせの成分は、個々にまたは一緒に、任意の従来の剤形、例えば、カプセル、錠剤、粉末、カシェ剤、懸濁液、溶液、坐剤、経鼻スプレーなどの中で投与されてもよい。Hアンタゴニストの投薬量は、公表された材料から決定されてもよく、そして1用量あたり約1〜約1000mgの範囲であってもよい。組み合わせて用いる場合、個々の成分の投薬レベルは好ましくは、併用の有利な効果のおかげで、推奨される個々の投薬量よりも低い。
【0248】
別個のHアンタゴニストおよびHアンタゴニストの薬学的組成物が投与されるべき場合、それらは、単一パッケージのキットで提供されてもよく、このパッケージは、Hアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア中に含む容器と、Hアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア中に含む別の容器とを含み、ここでこのHおよびHアンタゴニストは、この組み合わせが治療上有効であるような量で存在する。例えば、この成分が種々の時間間隔で投与されなければならない場合、またはそれらが異なる剤形である場合、キットは組み合わせて投与するのに有利である。
【0249】
同様に、本発明が、Hアンタゴニスト、および肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための別の化合物の組み合わせを含む場合、2つの活性成分は、同時にもしくは連続して同時投与されてもよいし、またはHアンタゴニストおよび別の化合物を薬学的に受容可能なキャリア中に含む単一の薬学的組成物が投与されてもよい。組み合わせの成分は、個々に、または一緒に、任意の従来の剤形、例えば、カプセル、錠剤、粉末、カシェ、懸濁液、溶液、坐剤、経鼻スプレーなどで投与されてもよい。肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための他の化合物の投薬量は、公表された材料から決定されてもよく、そして1用量あたり約1〜約1000mgの範囲であってもよい。
【0250】
キット
肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するためのHアンタゴニストおよび別の化合物を含む別の薬学的組成物が投与されるべき場合、それらは、単一のパッケージのキットで提供されてもよく、このパッケージは、Hアンタゴニストを薬学的に受容可能なキャリア中に含む1つの容器と、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための化合物を薬学的に受容可能なキャリア中に含む別の容器とを含み、ここでこのHアンタゴニストおよび他の化合物は、この組み合わせが治療上有効であるような量で存在する。例えば、この成分が種々の時間間隔で投与されなければならない場合、またはそれらが異なる剤形である場合、キットは組み合わせて投与するのに有利である。
【0251】
式(I)の化合物は、上記で概要を述べられた一般的な方法によって調製され得る。特に例示となる化合物は、当該分野で公知であるか、または下に記載されるように調製される出発材料から、下の実施例に記載されるように調製された。これらの実施例は、本発明をさらに例示するために提供されている。それらは、例示の目的のためだけであり;本発明の範囲は、それによって決して限定されると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0252】
一般的方法
記載される化合物を調製するのに用いられる出発材料および試薬は、商業的な供給業者、例えば、Aldrich Chemical Co.(Wisconsin,USA)およびAcros Organics Co.(New Jersey,USA)から入手可能であるか、または有機合成の当業者に周知である方法を用いて調製した。全ての商業的に購入された溶媒および試薬は、入手したままで用いた。LCMS分析は、以下を装備したApplied Biosystems API−100質量分析計を用いて行った:Shimadzu SCL−10A LC カラム:Altech白金C18、3um、33mm×7mm ID;勾配流量:0分、10%のCHCN;5分、95%のCHCN;7分、95%のCHCN;7.5分、10%のCHCN;9分、停止。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Selecto Scientificのフラッシュシリカゲル、32〜63メッシュを用いて行った。分析用および調製(分取)用TLCは、AnaltechシリカゲルGFプレートを用いて行った。キラルHPLCは、Chiralpak ODカラム(Chiral Technologies)を装備したVarian PrepStarシステムを用いて行った。
【0253】
実施例1
化合物1Aの調製
【0254】
【化46】

アミノ酸11(1.0g;6.62mmol)および4−ブロモピリジン塩酸塩(1.54g;7.94mmol)の混合物を融解するまで加熱し、次いで、その温度を1時間維持した。その混合物を冷却して、褐色の固体として粗12を生成し、これを精製なしに直接用いた。
【0255】
工程2:
【0256】
【化47】

工程1由来の粗12、ベンズイミダゾロン13(1.43g;6.60mmol)、HOBT(1.34g;9.92mmol)およびEDC(1.90g;9.90mmol)の混合物を、室温で一晩、DMF(20ml)中で撹拌した。DMFを減圧下で取り除き、そして残滓を水性のNaHCOとCHClとの間で分配させた。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮した。その残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(5%の2.3MのNHがMeOH/CHClに含まれる)、0.11gの表題の化合物を白色固体として得た。MH428。
【0257】
実施例2
化合物2Aの調製
【0258】
【化48】

化合物14は、米国特許出願公開第2004/0048843号に記載のとおり調製した。
【0259】
実施例1、工程1由来の粗12、アミン14(1.82g;6.6mmol),HATU(3.0g;7.89mmol)およびEtN(1.0ml)がDMF(20ml)中に含有される混合物を、室温で一晩撹拌した。DMFを減圧下で取り出し、その残滓をMeOH中に溶解して、塩基性になるまでジエチルアミノメチル−ポリスチレン樹脂で処理した。その混合物を濾過して濃縮した。その残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(5%のMeOH/CHClを1%のNHOHで)、1.61gの表題の化合物を白色固体として得た。MH486。
【0260】
実施例3
化合物3Aの調製
【0261】
【化49】

化合物15は、US2004/0048843に記載のとおり調製した。
【0262】
化合物12および15は、実施例1、工程2に記載の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH496。
【0263】
実施例4
化合物4Aの調製
【0264】
【化50】

化合物16は、米国特許出願公開第2004/0048843号に記載されるように調製した。
【0265】
ベンズイミダゾロン16(5.74g;18.1mmol)、N−(2−クロロエチル−モルホリン)塩酸塩(5.07g;27.3mmol)、NaOH(2.53g;63.3mmol)、KCO(5.01g;36.3mmol)およびテトラブチルアンモニウム硫酸塩(1.24g;3.65mmol)がトルエン(100ml)中に含有される混合物を一晩還流させた。その反応混合物を冷却させて、濾過した。その濾液を濃縮して、その残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(2% MeOH/CHCl)、5.71gの化合物17を白色泡状物として生成した。
【0266】
工程2:
【0267】
【化51】

CHCl(50ml)に化合物17(7.81g;18.2mmol)が含有される溶液に、MeOHに含有される4.0MのHCl溶液(28ml、109.9mmol)を添加した。その反応混合物を一晩撹拌して、濃縮し、7.92gの18を塩酸塩として得た。
【0268】
化合物18を、実施例2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH541。
【0269】
実施例5
化合物5Aの調製
【0270】
【化52】

化合物19は、米国特許出願公開第2004/0048843号に記載の手順を用いて化合物16から調製した。
【0271】
化合物19は、実施例1、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換された。MH442。
【0272】
実施例6
化合物6Aの調製
【0273】
【化53】

化合物20は、実施例2由来の手順を用いて21に変換した。
【0274】
工程2:
ピリジン(20ml)に含有されるケトン21(160mg;0.37mmol)の溶液に、塩酸メトキシルアミン(62mg;0.74mmol)を添加した。その混合物を60℃で一晩攪拌し、冷却して、減圧下で濃縮した。その残滓を水性のNaHaHCOとCHClとの間で分配して、その有機層を分離して、ブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮して183mgの表題の化合物(白色固体)をオキシム異性体の混合物として生成したMH463。
【0275】
実施例7
化合物7Aの調製
【0276】
【化54】

実施例1、工程1と同様の手順を用いて、22を用いて粗23を調製して、精製なしに直接用いた。
【0277】
工程2:
化合物23を実施例1、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH420。
【0278】
実施例8
化合物8Aの調製
【0279】
【化55】

化合物24は、酸12およびN−BOC−ピペラジン(piperazine)から、実施例1の工程、続いて実施例4工程2由来の手順を用いて調製した。
【0280】
CHClに含有されるアミン24(300mg;0.76mmol)、2−クロロベンゼンスルホニルクロライド(176mg;0.83mmol)およびEtN(211μl;1.51mmol)の混合物を、室温で3時間撹拌した。その混合物を水性の回収(work−up)−CHCl抽出に供した。その有機層を濃縮して、表題の化合物を生成した。MH428471。
【0281】
実施例9
化合物9Aの調製
【0282】
【化56】

表題の化合物を、化合物21のMeOH中でのNaBH還元により収量で定量的に調製した。MH436。
【0283】
実施例10
化合物10Aの調製
【0284】
【化57】

AcOHに含有されるアニリン25(1.0g;5.5mmol)および4−ブロモピリジン塩酸塩(0.82g;4.2mmol)の混合物を還流下で一晩撹拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、そしてその残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(1%の2.3MのNHがMeOH/CHClに含有)0.052gの 化合物26を得た。
【0285】
工程2
【0286】
【化58】

酸27は、アセトン中でのLiOH加水分解を通じてエステル26から調製した。
【0287】
酸27は、実施例1、工程2の手順を通じて表題の化合物に変換した。MH502。
【0288】
実施例11
化合物11Aの調製
【0289】
【化59】

DCE(100ml)に含有されるアルデヒド28(5.33g;24.1mmol)(米国特許第6,720,328号に記載されるように調製した)、N−BOC−ピペラジン(4.49g;24.1mmol)およびNaBH(OAc)(10.2g;48.1mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。その混合物を塩基性の水性の回収(work−up)(NaOH)−CHCl抽出に供した。その有機層を濃縮して、29を得た。
【0290】
工程2:
【0291】
【化60】

工程1由来の粗29を、MeOH(200ml)に含有される3MのHClに溶解して、その混合物を60℃で4時間攪拌した。その混合物を減圧下で濃縮し、その残滓をMeOHに再溶解して、NaOHで塩基性化して、固体NaSOを通じて濾過して、その濾液を濃縮して、4.3gのジアミン30を遊離の塩基として得た。
【0292】
工程3:
化合物30は、実施例1、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH389。
【0293】
実施例12
化合物12Aの調製
【0294】
【化61】

化合物33は、実施例11、工程1の手順を用いて調製した。
【0295】
工程2:
化合物33は、実施例4、工程2、続いて、実施例1、工程2の手順を用いて、表題の化合物に変換した。MH408。
【0296】
実施例13
化合物13Aの調製
【0297】
【化62】

化合物33aは、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 1993,3,925に記載のように調製した。
【0298】
化合物33aは、実施例1、工程2に記載のように表題の化合物に変換された。MH429。
【0299】
実施例14
化合物14Aの調製
【0300】
【化63】

【0301】
【化64】

化合物33bの調製は、米国特許第6716846号に記載される。化合物33cは、実施例4、工程2の手順を用いることによって33bから得た。化合物33cは、実施例1、工程2と同一の手順で酸23との反応を通じて表題の化合物に変換した。MH373。
【0302】
実施例15
化合物15Aの調製
【0303】
【化65】

化合物33d(Sigma−Aldrich rare chemical libraryから購入)を、実施例1、工程2と同一の手順で酸23との反応を通じて表題の化合物に変換した。MH416。
【0304】
実施例16
化合物16Aの調製
【0305】
【化66】

【0306】
【化67】

化合物34は、米国特許出願公開第2004/0097483号に記載のとおり調製した。
【0307】
化合物34は、実施例1、工程2の手順を用いて化合物23と反応させて、表題の化合物を得た。MH493。
【0308】
実施例17
化合物17Aの調製
【0309】
【化68】

化合物35は、米国特許第6,720,328号に記載のとおり調製した。
【0310】
化合物35は、実施例1、工程2の手順を用いて化合物23と反応させ、表題の化合物を得た。MH416。
【0311】
実施例18
化合物18Aの調製
【0312】
【化69】

トルエン(20ml)に含有される2−ブロモ−5−フルオロピリジン(2.0g、11.4mmol)の溶液を、トルエン(80ml)に含有されるn−BuLi(5.0ml,12.5mmol)の溶液にゆっくり添加して、−78℃まで冷却し、その混合物を−78℃で30分間攪拌した。次いで、トルエン(20ml)に含有されるアルデヒド36(3.64g,17.0mmol)の溶液を添加して、その反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。これを、AcOHを用いて約78℃でクエンチして、水で希釈した。その生成物をCHClで抽出して、その有機層をNaSOで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(0〜1%2NのNHがMeOH/CHClに含有される)による精製によって、3.50g(99%)のアルコール37を黄色っぽい油状物として得た。
【0313】
工程2:
【0314】
【化70】

CHCl(200ml)に含有されるアルコール37(9.0g,29.0mmol)の溶液に、NaHCO(3.0g,35.6mmol)およびNaBr(0.15g,1.49mmol)の飽和水溶液を添加した。その混合物を0℃まで冷却して、TEMPO(0.05g,0.32mmol)を、続いて0.7M(85ml,59.5mmol)の市販の漂白剤(NaOCl)を少しずつ15分にわたって添加した。その反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで飽和水溶液Na溶液でクエンチした。その生成物をCHClで抽出して、その有機層をNaSOで乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl)による精製によって、6.31gの38を黄色っぽい油状物として得た。
【0315】
工程3:
【0316】
【化71】

ピリジン(6ml)に含有されるケトン38(1.00g;3.24mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミンハイドロクロライド(540mg;7.77mmol)を添加した。その混合物を80℃で一晩加熱して、冷却し、そして減圧下で濃縮した。その残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(1%の2.3MNHをMeOH/CHCl)385mgのZ−オキシム39および553mgのE−オキシム40を得た。
【0317】
工程4:
【0318】
【化72】

0℃に冷却したTHF(16ml)およびDMF(30ml)の混合物に含まれるオキシム40(553mg;1.71mmol)の溶液に、KHMDS(1.02g;5.13mmol)を少しずつ添加した。その反応混合物を温めさせて、室温で10分間攪拌し、その後、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(1.19g;5.13mmol)を添加した。その反応混合物を1時間撹拌した。水を添加して、その生成物をCHClで抽出した。その有機層を濃縮して、その残滓をフラッシュクロマトグラフにかけて(2〜4%のEtOAc/CHCl)438mgの41を黄色の油状物として生成した。
【0319】
工程5:
【0320】
【化73】

化合物41(438mg;1.08mmol)を、20%のTFA/CHCl中で5時間室温で攪拌した。その混合物を減圧下で濃縮して、その残滓を水性のNaHCOとCHClとの間で分配した。その有機層を分離して、濃縮し、322mgの遊離アミン42を、黄色の油状物として得た。
【0321】
工程6:
化合物42を、実施例1、工程2の手順を用いて化合物12と反応させて、表題の化合物を得た。MH516。
【0322】
実施例19
化合物19Aの調製
【0323】
【化74】

工程1:
【0324】
【化75】

−78℃に冷却した、THF(60ml)に含有されるメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(6.08g,17.0mmol)の懸濁液に、n−BuLi(6.48mlの2.5M溶液をヘキサンに含有;16.2mmol)を添加し;その混合物を−78℃で30分間、次いで0℃で45分間攪拌した。これを−78℃まで冷却し戻して、THF(20ml)に含有されるケトン38(2.50g,8.1mmol)の溶液を添加した。その反応混合物を、−78℃で30分間攪拌し、そして室温まで温めた。これを水でクエンチして、その生成物をCHClで抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(1:9:10のEtOAc/ヘキサン/CHCl)によって精製して、1.45gの43を黄色の油状物として得た。
【0325】
工程2:
化合物43を、実施例18、工程5、続いて実施例1、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH417。
【0326】
実施例20
化合物20Aの調製
【0327】
【化76】

CHCl(200ml)に含まれるイソシアネート44(5.60g,29.8mmol)、N−BOC−ピペラジン(5.60g,30.1mmol)およびEtN(4.2ml,30.1mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌し、その後、1Nの水性のNaOHで処理した。その有機層を、ブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥した。乾燥剤を濾過して、その濾液から減圧下で溶媒を取り除き、11.0gの化合物45を得て、これを精製なしに直接用いた。
【0328】
工程2:
化合物45を、実施例18、工程5、続いて実施例1、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH484。
【0329】
実施例21
化合物21Aの調製
【0330】
【化77】

tert−ブタノール(120ml)に含有される化合物47(20.1g、0.100mol)の攪拌懸濁液に、カリウムtert−ブトキシド(9.5g、0.084mol)を少しずつ加えた。その混合物を還流下で30分間加熱して、均一な溶液を得て、これを35℃に冷却し、ここに化合物46(12.7g、0.09mol)を単回部で添加した。発熱反応は、内部温度68℃まで上昇した。発熱がおさまったとき、その混合物を30分間加熱還流した。溶媒を減圧下で取り除き、そしてその残滓を氷水で処理し、これによって不溶性画分の形成を生じた。粗生成物48は、不溶性固体の濾過によって単離した。粗48(21g、0.0672mol)を、2NのHClおよびEtOAcの混合物で処理し、その結果として生じた混合物を室温で10分間攪拌した。その不溶性物質を濾過して、水およびEtOAcで徹底的に洗浄して、18.1gの化合物48の塩酸塩、融点287〜289℃を得た。そのHCl塩を、全ての固体が溶解するまで1NのNaOH(150ml)およびCHCl(250ml)の混合物中に攪拌した。その有機層を分離し、水で洗浄して、乾燥した(無水MgSO)。乾燥剤を濾過して、その濾液を減圧下で溶媒を取り除き、15.7gの遊離塩基型の化合物48をベージュ色の固体として得た。
【0331】
工程2:
【0332】
【化78】

温DMF(40ml)に含有される9.0g(28.8mmol)の化合物48の溶液を、EtOH(120ml)で希釈した。その溶液を室温まで冷却し、そしてそこに茶サジ半分のラネーニッケルペースト(Raney nickel paste)(50%水)を添加した。得られた混合物を、水素取り込みが横ばいになるまで35psiで水素化した。使用済みの触媒をセライトのパッドを通して濾過し、そしてその濾液を減圧下で濃縮した。その残滓を水とEtO−EtOAc(1:1)との間で分配した。その有機抽出物を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥して、濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、7.8gの化合物49を、シロップとして得、これは次の工程における使用に十分に純粋であった。
【0333】
工程3:
無水トルエン(50ml)に含有される、化合物49(3.5g、12.4mmol)、無水KCO(1.87g、13.5mmol)および2−クロロ−3−ニトロピリジン(1.97g、12.4mmol)の攪拌混合物を、18時間加熱還流した。TLCによって、出発物質および生成物の混合物が明らかになった。従って、さらなる量の2−クロロ−3−ニトロピリジン(0.5g)および無水KCO(0.5g)を導入して、加熱還流をさらに18時間継続した。室温への冷却後、その混合物を氷水で処理して、トルエンで抽出した。合わせたトルエン抽出物を連続して、0.5NのNaOH水溶液および水で洗浄し、次いで、0.5NのHCl(200ml)で処理した。形成された赤色沈殿を濾過して、表題の化合物の3.3gの粗HCl塩を得た。酸性の水層を分離して、EtOAcで洗浄し、そして10%のNaOH水溶液で塩基性化した。得られた赤色沈殿物を濾過して、水で洗浄して、1.3gの遊離塩基型の表題の化合物を得た。HCl塩(3.2g)および遊離塩基(1.3g)の混合物を0.5NのNaOHとCHClとの間で分配させた。その有機層を、水で洗浄して、乾燥した(無水MgSO)。乾燥剤を濾過して、その濾液を減圧下で濃縮して、4.5gの遊離の塩基型の表題の化合物を得た。MH405。
【0334】
実施例22
化合物22Aの調製
【0335】
【化79】

温DMF(30ml)に含有される2.2g(5.5mmol)の実施例21の溶液を、EtOH(60ml)で希釈した。その溶液を室温まで冷却し、そしてそこに茶サジ半分のラネーニッケルのペースト(50%水)を添加した。得られた混合物を、水素取り込みが横ばいになるまで44psiで水素化した。使用済みの触媒をセライトのパッドを通して濾過し、そしてその濾液を減圧下で濃縮した。その残滓の油状物を水とEtOAcとの間で分配した。その有機抽出物を水で洗浄し、無水MgSOで乾燥して、濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、固体を得て、それをヘキサンで倍散した。濾過によって、1.58gの表題の化合物を得た。MH375。
【0336】
実施例23
化合物23Aの調製
【0337】
【化80】

無水CHCl(30ml)に含有される実施例22(0.73g、1.95mmol)およびEtN(2.0ml)の攪拌された氷冷溶液に、ピコリン酸クロリド塩酸塩(picolinoyl chloride hydrochloride)(0.38g、2.15mmol)を2〜3部中で添加した。約5℃での攪拌を5分間持続し、次いで室温で18時間維持した。その反応混合物を氷水で処理して、有機層を分離して水で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過して粘性の残滓まで濃縮し、これは、TLCに従って、有意な未変化の出発材料を含んだ。従って、この残滓(0.85g)は、無水CHCl(30ml)に溶解し、そしてこの溶液に、ピコリン酸クロリド塩酸塩(0.38g、2.15mmol)およびEtN(1ml)を添加した。その反応溶液を室温で18時間撹拌した。その反応混合物を水で処理し、その有機層を分離して、水で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過して粘性の残滓まで濃縮し、これを、CHCl−MeOH(95:5)で抽出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題の化合物をガラスとして得た(810mg)。MH480。
【0338】
実施例24
化合物24Aの調製
【0339】
【化81】

氷酢酸(AcOH)(10ml)に含有される実施例23(260mg、0.54mmol)の溶液を、18時間加熱還流し、次いで減圧下で粘性の残滓に濃縮して、これを水とEtO−EtOAc(3:1)との間で分配した。水層を希NHOH水溶液で塩基性にして、それをEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を水で洗浄し、乾燥し(無水MgSO)そして濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、粘性の残滓を得て、これをEtOAc−MeOH(95:5)で抽出するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、遊離塩基型の表題の化合物をガラスとして得た(0.091g)。
【0340】
EtOAcに含有される遊離塩基(91mg、0.174mmol)の溶液に、EtOAcに含有されるマレイン酸(20mg;0.172mmol)の溶液を添加した。得られた混合物を減圧下で少量に濃縮して、EtOで希釈して、室温に置いた。得られた沈殿物の濾過によって、表題の化合物の70mgのマレイン酸塩をベージュ色の固体として得た。MH522。
【0341】
実施例25
化合物25Aの調製
【0342】
【化82】

無水CHCl(15ml)に含有される化合物49(0.720g、2.55mmol)および2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド(0.407g、2.55mmol)の攪拌溶液に、NaBH(Oac)(1.62g、7.7mmol)を少しずつ添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで水で処理した。その有機層を分離して、粘性の残滓まで減圧下で濃縮し、これをEtOと1NのNaOH水溶液との間で分配した。その有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)そして濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、粘性の残滓を得て、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフにかけた。CHCl:EtOAc(1:1)での抽出によって、0.72gの遊離塩基型の表題の化合物をシロップとして得た。
【0343】
EtOAcに含有される遊離塩基(630mg、1.48mmol)の溶液に、EtOAcに含まれるマレイン酸(172mg;1.48mmol)を添加した。得られた混合物を氷水浴中で冷却し、沈殿の形成を開始した。濾過によって、786mgの表題の化合物のマレイン酸塩を白色の結晶性固体として得た。MH427。
【0344】
実施例26
化合物26Aの調製
【0345】
【化83】

無水CHCl(70ml)に含有される化合物51(4.65g、15.9mmol)および2,4,6−トリフルオロベンズアルデヒド(2.55g、15.9mmol)の攪拌溶液に、2分にわたってNaBH(Oac)(10g、48mmol)を少しずつ添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで水で処理した。その有機層を分離して、減圧下でシロップまで濃縮し、、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフにかけた。CHCl/MeOH(99:1)での溶出によって5.55gの化合物52をシロップとして得た。
【0346】
工程2:
【0347】
【化84】

CHCl(6ml)に含有される化合物52(5.5g、12.6mmol)の攪拌溶液に、TFA(10ml)を滴下して添加した。得られた溶液を室温で48時間攪拌した。その反応混合物を、減圧下で濃縮した。その粘性の残滓を、水性のNaOH水溶液とCHClとの間で分配した。合わせた抽出物をブラインで洗浄して、無水MgSOで乾燥した。乾燥剤を濾過して、その濾液を減圧下で溶媒を除いた。その固体残滓をヘキサンで倍散して、3.7gの化合物53を固体として得た。
【0348】
工程3:
無水CHCl(50ml)に含有される化合物53(0.200g、0.596mmol)およびピリダジン−4−カルボアルデヒド(米国特許第6,720,328号を参照のこと)(0.074g;0.68mmol)の攪拌溶液に、NaBH(Oac)(0.433g、2.0mmol)を添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。その粘性の残滓を、水とEtOAcとの間で分配した。その有機抽出物を、水で洗浄し、乾燥し(無水MgSO)そして濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、遊離の塩基型の表題の化合物をシロップとして得、これはTLC上で単一のスポットを示した。
【0349】
遊離塩基の一部(150mg、0.318mmol)を、EtOAcに溶解し、この得られた溶液をマレイン酸(40mg;0.345mmol)の溶液と混合した。室温で静置して、沈殿の形成を開始した。次いで、その混合物を氷水浴中で冷却し、そして濾過して59mgの表題の化合物のマレイン酸を得た。
【0350】
MH471。
【0351】
実施例27
化合物27Aの調製
【0352】
【化85】

表題の化合物は、最終工程で2−アミノピリミジン−5−カルバルデヒド(米国特許第6,720,328号を参照のこと)を、ピリダジン−4−カルバルデヒドの代わりに用いたこと以外は、実施例26に記載の手順を用いて調製した。MH486。
【0353】
実施例28
化合物28Aの調製
【0354】
【化86】

無水CHCl(50ml)に含有される化合物53(200mg、0.596mmol)およびN−BOC−2−アミノピリジン−4−カルバルデヒド(米国特許第6,720,328号を参照のこと)(152mg,0.68mmol)の攪拌溶液に、NaBH(Oac)(433mg、2.0mmol)を添加した。その反応混合物を室温で48時間撹拌し、次いで水で処理した。その有機層を分離して、固体残滓に濃縮し、これをEtOAc−EtO(1:1)に溶解し、そして2%のマレイン酸水溶液で抽出した。合わせた水性の抽出物を1NのNaOHを用いてpH8に塩基性化し、そしてEtOAcで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)そして濾過した。その濾液を真空中で濃縮して、ガラスを得て、これをシリカゲル上でフラッシュクロマトグラフにかけた。CHCl−7Nメタノールアンモニア(98:2)での溶出によって、0.18gの表題の化合物を固体として得た。MH443。
【0355】
上記に記載される手順を用いて、化合物29A〜60Aを調製した:
【0356】
【化87】

【0357】
【化88】

【0358】
【化89】

【0359】
【化90】

【0360】
【化91】

【0361】
【化92】

実施例29
化合物61A〜158Aの調製
【0362】
【化93】

一般的手順:
工程1:
【0363】
【化94】

エステル54(1.6g、6.512mmol)のMeOH溶液(20ml)に25℃で1MのLiOH水溶液(7.16mmol、1.1当量)を添加した。25℃で1日の攪拌後、さらに1MのLiOH水溶液(7.16mmol,1.1当量)を添加して、一晩攪拌させた。次いで、その溶媒を減圧下で除去して、得られた固体を減圧下で2日間乾燥した。
【0364】
次いで、得られた固体をCHCl(70ml)に懸濁して、塩化オキサリル(25.05mmol、4当量)を25℃でN下で添加した。一晩攪拌後、さらに塩化オキサリル(25.05mmol、4当量)を添加し、そして数日間攪拌させた。DMFを添加し(1適)、そしてその混合物を25℃で2日間攪拌し、次いで、その溶媒を減圧下で除去した。さらなるCHCl(50ml)を添加し、その溶媒を減圧下で除去した。これを、さらに2回繰り返して55を得た。
【0365】
工程2:
【0366】
【化95】

55(6.512mmol)のCHCl溶液(50ml)に、EtN(1.8ml、2当量)、次いで、CBZ−ピペラジン(7.16mmol、1.1当量)を25℃で、N下で添加した。その溶液を25℃で4日間攪拌し、次いで1NのNaOH水溶液を添加し(50ml)、その生成物を、CHClで抽出し、NaSOで乾燥して、濾過し、そして減圧下で乾燥した。次いで、その生成物をFLC(CHCl−MeOH−NHOH 97:3:0.5〜92:8:0.5)によって精製して、CBZ−ピペラジンが混入した56を得た。CBZ−ピペラジンを、CHCl(100ml)中に混合物を溶解すること、次いで、PS−イソシアネート樹脂(1.2g)を添加することによって、56から除去した。この混合物を25℃で1時間攪拌し、次いで、さらに1.5gのPSイソシアネート樹脂を添加した。さらに3時間後、その生成物を樹脂から濾過して、CHClで洗浄し、その溶媒を減圧下で除去して、56(1.51g、54%の収率)を黄−白色の泡状物として得た。
【0367】
工程3:
【0368】
【化96】

を、炭素上の10%のPd(120.3mg)、56(1.19g、2.77mmol)および濃HCl(1.2ml、5当量)のMeOH懸濁液中に25℃で20分間バブリングし、次いでその混合物をH雰囲気下で4時間攪拌した。Nをその溶液を通して20分間バブリングし、その混合物をセライト(Celite)パッドを通してろ過し、MeOHで溶出し、そしてその溶媒を減圧下で除いた。その生成物をCHClと1NのNaOHとの間で分配し、その層を分離した、そしてその水層CHCl(3×)を使って戻し抽出した。次いで、CHCl層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で乾燥した。次いで、その生成物をFLC(CHCl−MeOH−NHOH 94:6:0.5〜92:8:0.5)によって精製して、57(834mg,100%の収率)を得た。
【0369】
工程4:
CHClに含有される57(1ml、0.0268mmol)のストック溶液をBohdanミニブロツク(Miniblocks)中で104−フリット付き試験管に添加した。各々の試験管に、トルエン(0.0.5mmol,2当量)に含有される個別イソシアネート(RNCO)の1Mストック溶液を添加した。そのミニブロック(Miniblocks)をシールして、25℃で4時間振盪した。各々の試験管に、さらに2当量の個別イソシアネートを添加し、そしてそのミニブロックをシールして25℃で4時間振盪した。無水酢酸(0.54mmol、20当量)のDCE溶液を、各々の試験管に添加して、そのブロックを25℃で16時間振盪させた。アンバーリスト15樹脂(Amberlyst−15 resin)(約0.10g)を、各々の試験管に添加して、そのミニブロックを25℃で2時間振盪した。その試験管を排出して、その樹脂を各々CHCl、次いでMeOHを用いて3回洗浄し、各回について5分間浸透し、未反応の試薬を除去した。次いで、MeOHに含有されるアンモニア(2N,2ml)を各々の試験管に添加し、そしてそのミニブロックを、25℃で20分間振盪した。MeOH濾液を収集して、その樹脂をMeOH(2N,2ml)に含有されるアンモニアで再度、25℃で20分間振盪した。次いで、各々の試験管から合わせた濾液を、SpeedVac濃縮機(concentrator)で一晩、乾燥するまでエバポレートした。得られたサンプルをLCMSによって評価したところ、少なくとも70%純粋であった。
【0370】
上記の手順を用いて、化合物61A〜158Aを調製した:
【0371】
【化97】

【0372】
【化98】

【0373】
【化99】

【0374】
【化100】

【0375】
【化101】

【0376】
【化102】

【0377】
【化103】

【0378】
【化104】

【0379】
【化105】

【0380】
【化106】

【0381】
【化107】

【0382】
【化108】

【0383】
【化109】

【0384】
【化110】

【0385】
【化111】

【0386】
【化112】

実施例30
化合物159Aの調製
【0387】
【化113】

ジ−tert−ブチルジカルボネート(2.40g、11.0mmol)を、tert−ブタノール(80ml)に含有される58(2.09g、8.42mmol)の攪拌溶液に室温で添加した。得られた混合物を、60℃で16時間加熱し、次いで、室温まで冷却して、その溶媒を減圧下で除去した。その残滓をカラムクロマトグラフィー(EtOAc.ヘキサン 1:5)によって精製して、59(2.899g、99%)を白色の泡状物として得た。
【0388】
工程2:
【0389】
【化114】

1NのLiOH(5.44ml、5.44mmol、1.30当量)を、MeOH(20ml)に含有される59(1.58g、4.54mmol)の攪拌溶液に添加した。得られた混合物を60℃で2.5時間攪拌し、次いで、その溶媒を減圧下で除去し、その得られたカルボン酸リチウムを、高真空下で24時間乾燥して、60(1.675g、100%)を白色の固体として得て、これは、LiOH(0.3当量)を含み、そしてさらなる精製なしに用いた。
【0390】
工程3:
化合物60を、実施例1、工程2の手順、続いて実施例4、工程2の手順を用いて表題の化合物に変換した。MH495。
【0391】
実施例131
化合物160Aの調製
【0392】
【化115】

密閉した試験管中の2,2,2−トリフルオロエタノール(5mL)に含有される2,4−ジブロモピリジニウム塩酸塩(535mg,1.96mmol)の攪拌溶液に、4−アミノ安息香酸メチルエステル(296mg,1.96mmol,1.0当量)を添加した。その得られた反応物を110℃に加熱して、この温度で15時間攪拌させた。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、その得られた残滓を10%のNH(150mL)およびDCM(150mL)を用いて希釈し、そしてその混合物を分液漏斗に移した。その水層をDCM(150mL)で抽出し、その合わせた有機層をMgSOで乾燥して、減圧下で濃縮し、白色固体の残滓を得て、これをカラムクロマトグラフィー(AcOEt:ヘキサン0%〜50%)を用いて精製して、化合物61(308mg、51%)を白色の固体として得た。注意:2−異性体(72mg、12%)も、極性の少ない化合物として得た。
【0393】
工程2
【0394】
【化116】

濃アンモニア水溶液(75mL)に含有される化合物61(2.2g、7.16mmol)の溶液をボム(bomb)に充填し、そして得られた混合物を210℃に加熱して、この温度で20時間攪拌させた。このシステムを室温まで冷却して、この反応混合物を減圧下で濃縮し、減圧下で表題の化合物(2.3g)を白色固体として得て、これをさらなる精製なしに次の工程に用いた。
【0395】
工程3
【0396】
【化117】

化合物63(米国特許出願公開第2004/0097483号に記載のように調製)を、実施例1、工程2に示される方法を用いて化合物62と反応させて、表題の化合物を得た。MH491。
【0397】
上記の手順を用いて、以下の化合物を調製した:
【0398】
【化118】

実施例32
−レセプター結合アッセイ
本実験におけるHレセプターの供給源は、モルモットの脳であった。あるいは、Hレセプターの供給源は、HEK−293(ヒト胚性腎)細胞で発現される、組換えヒトレセプターであった。
【0399】
動物は400〜600gの重さであった。脳組織を、50mMのTris、pH7.5の溶液を用いてホモジナイズした。ホモジナイゼーション緩衝液における組織の最終濃度は10%(w/v)であった。そのホモジネートを1,000×gで10分間遠心分離して、組織の塊および細片を除去した。次いで、得られた上清を50,000×gで20分間遠心分離して、膜を沈降させ、これを次にホモジナイゼーション緩衝液(50,000×g、各々20分間)中で3回洗浄した。その膜を凍結させ、そして必要になるまで−70℃で保管した。
【0400】
試験されるべき全ての化合物を、DMSOに溶解し、次いで、最終濃度が0.1%のDMSOで2μg/mlとなるように、結合緩衝液(50mMのTris,pH7.5)中に希釈した。次いで、反応試験管に膜を添加した(400μgのタンパク質、組換えヒトレセプターの場合は5μg)。その反応は、3nMの[H]R−α−メチルヒスタミン(8.8Ci/mmol)または3nM[H]Nα−メチルヒスタミン(80Ci/mmol)の添加によって開始し、そして30℃で30分のインキュベーションを続けた。結合リガンドを、濾過によって未結合のリガンドから分離し、この膜に結合された放射性リガンドの量を、液体シンチレーション分光測定によって定量した。全てのインキュベーションは二連で行い、そして標準誤差は常に10%未満であった。レセプターに対する放射性リガンドの特異的な結合の70%より多くを阻害した化合物を連続的に希釈して、K(nM)を決定した。
【0401】
式(I)の化合物は、組換えヒトHレセプターで約3〜約600nM、そしてモルモット脳のレセプターでは約2nM〜約2000nMという範囲内のKを有する。実施例59の化合物は、組換えヒトレセプターアッセイで3nMというKを有し、そして実施例54の化合物は、モルモットレセプターアッセイで2nMというKを有する。
【0402】
実施例33
マウスでの食餌誘発性の肥満に対する本発明の化合物の効果
やせたマウス(雄性、ほぼ5週齢、The Jackson Laboratory,Bar Harbor,MEより購入)を、個々のケージ中で22℃で12:12時間、の明/暗サイクルで飼育した。この「処理した(treated)」マウス(N=12)に、チアゾール誘導体(10mg/kg)を、胃管栄養法によって、4日間連続して1日1回投与した。コントロールのマウス(N=12)には、ビヒクルのみを、4日間1日1回投与した。コントロールマウスおよび処理されたマウスの両方に、0〜4日目に高脂肪食餌を給餌し、そして体重および食物取り込みを毎日モニターした。体重増加および食物摂取の阻害パーセントは、コントロールのマウスにおける体重増加および食物摂取における増大に対して、処理されたマウスにおける体重増加および食物摂取の増大を比較することによって算出した。
【0403】
表1は、マウスにおける食餌誘発性の肥満に対する本発明の例示的な化合物の効果を示す。化合物番号は、本明細書に示される化合物の番号付けに対応する。
【0404】
【化119】

本発明は、本発明の2〜3の局面の例示とみなされる実施例に開示される特定の実施形態による範囲に限定されるものではないものとし、機能的に等価である任意の実施形態が本発明の範囲内である。実際、本明細書に示されかつ記載されるものに加えて、本発明の種々の改変は、当業者に明らかになり、そして添付の特許請求の範囲内におさまるものとする。
【0405】
多数の参考文献が引用されており、その全体的な開示がその全体として本明細書に援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式
【化1】

によって提示される化合物、またはその薬学的に受容可能な塩であって、
aが、0、1または2であり;
bが0、1、2、3または4であり;
UおよびWが各CHであるか、またはUおよびWの一方がCHであり、そしてもう一方がNであり;
、M、n、p、XおよびYは(a)、(b)または(c)に規定されるとおりであり:
(a)M
【化2】

であり、
がNであり、
nが1または2であり;pが0、1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−C(R)(R)−、−C(=N−OR10)−、−C(=N−OR10)−CH(R11)−、−CH(R11)−C(N−OR10)−、−O−、−CHN(R12)−、−N(R12)CH−、−N(R12)−、−NHC(O)−、−OCH−、−CHO−、−CH(OH)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yは−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−C(=NOR13)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
(b)MがNであり
がNであり;
nが2であり;pが1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yが−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
(C)MがNであり
がCHであり;
nが1または2であり;pが0、1または2であり;
Xが結合、アルキレン、アルケニレン、−C(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−S(O)−または−S(O)−であり;かつ
Yが−O−、−CH−、−(CH−、−C(=O)−、−C(=NOR13)−、−S−、−S(O)−または−SO−であり;
Zが結合、−CH(R14)−(R14a−(C−C)アルキレン)−または−CH(R14)−CH(R14b)−CH(R14b)−(R14a−(C−C)アルキレン)−;
がR15−アルキル、R15−シクロアルキル、R15−アリール、R15−アリールアルキル、R15−(6員ヘテロアリール)、R15−(6員ヘテロアリール)アルキル、R15−(5員ヘテロアリール)、R15−(5員ヘテロアリール)アルキル、R15−ヘテロシクロアルキル、ジフェニルメチル、
【化3】

であり、ただしこれは、Rが窒素原子によってXに結合され、かつM
【化4】

である場合、Xが結合またはアルキレンであるという条件下であり;そしてRが窒素原子によってXに結合されかつMがNである場合、Xが−(CH2−6−であるという条件下であり;
kが0、1、2、3または4であり;
k1が0、1、2、または3であり;
k2が0、1または2であり;
QがOまたはSであり;
がR18−アルキル、R18−アルケニル、R18−アリール、R18−アリールアルキル、R18−ヘテロアリール、R18−ヘテロアリールアルキル、R18−シクロアルキルまたはR18−ヘテロシクロアルキルであり;
各々のRが独立して、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ および−CNからなる群より選択され;
各々のRが独立して、H、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロ、−CF、−OCF、−NO、−CO19、−N(R19、−CON(R19、−NHC(O)R19、−NHSO19、−SON(R19および−CNからなる群より選択され;
がH、アルキル、ハロアルキル、R21−シクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリールまたは−C(O)R20からなる群より選択され;
がHまたはアルキルであり;そしてRが炭素原子によってXに結合され、かつXが結合またはアルキレンである場合、Rはまた、R21−シクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、−NHC(O)R、−CN、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、−C(R)=N(OR)、−C(O)Rまたは−N(Rであってもよく;
が独立してHおよびアルキルからなる群より選択され;
およびRはそれらが結合される炭素と一緒になって、ハロ、アルキルおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1または2の置換基で必要に応じて置換される3員〜7員の冠状炭素を形成するか;またはRおよびRはそれらが結合される炭素と一緒になって、2〜6個の炭素原子およびO、SおよびNからなる群より独立して選択される1または2個のヘテロ原子を含む3員〜7員の複素環を形成し、ただしこれは、−O−O−、−S−S−または−O−S−結合がなく、該複素環が必要に応じて、ハロ、アルキルおよびハロアルキルからなる群より独立して選択される1または2の置換基で置換されるという条件下である;あるいはRおよびRは一緒になって、=CHであり;
10がH、アルキル、ハロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキルまたはR21−アリールアルキルであり;
11がHまたはアルキルであり;
12が独立してH、アルキル、−CHCF、R21−アリールおよびR21−ヘテロアリールからなる群より選択され;
13がH、アルキル、ハロアルキル、R21−アリールまたはR21−ヘテロアリールであり;
14がH、アルキルまたはハロアルキルであり;
14aが、H、ハロ、−OH、アルキル、ハロアルキル、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、アルコキシ、−OCF、−OCHF、−NO、−CNおよび−N(R11からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基であり;
14bがH、フルオロ、アルキルまたはハロアルキルであり;
15がH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、アルキルチオ、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−アリールアルキル、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル、アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−SCF、−NO、−CO12、−C(O)R20、−N(R12、−CON(R12、−NHC(O)R12、−NHSO12、−SON(R12および−CNからなる群より独立して選択される1、2、3または4個の置換基であるか;あるいは隣接する環炭素原子上の2つのR15置換基は一緒になって、−O−CH−O−であり;
15aが、H、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、R21−シクロアルキル、R21−ヘテロシクロアルキル、R21−アリール、R21−アリールアルキル、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル、R21−アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−N(R12または−SCFであり;
16が独立して、アルキル、ハロゲン、ハロアルキルおよびアルケニルからなる群より選択され;
17がH、アルキル、ヒドロキシ(C−C)アルキル−、ハロアルキル−、ハロアルコキシアルキル−、アルコキシアルキル−、R21−アリール、R21−アリールアルキル−、R21−ヘテロアリール、R21−ヘテロアリールアルキル−、R21−シクロアルキルまたはR21−シクロアルキルアルキルまたはR21−ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
18が、H、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシ、R21−アリール、R21−アリールオキシ、−OCF、−OCHF、−NO、−CO19、−N(R19、−CON(R19、−NHC(O)R19、−NHSO19、−SON(R19および−CNからなる群より独立して選択される1、2または3つの置換基であり;
19が独立して、H、アルキル、ハロアルキル、R21−アリール、R21−ヘテロアリール、R21−シクロアルキルおよびR21−ヘテロシクロアルキルからなる群より選択され;
20が、アルキル、R21−アリールまたはR21−ヘテロアリールであり;かつ
21が、H、アルキル、ハロ、アルコキシ、−CF、−N(R11および−アルキレン−N(R11からなる群より独立して選択される1、2または3つの置換基である、化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項2】
UおよびWの両方がCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが単結合、−NHC(O)−または−C(=N−OR10)−であり、かつR10がHまたはアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが−O−または−C(=O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Zが結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】

【化5】

であり、RがH、−NHC(O)Rまたは−N(Rであり、Rがアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
nが2であり、pが1であり、aおよびbが各々0であり、Xが単結合であり、Yが−C(O)−であり、かつZが結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が5員または6員のR18−ヘテロアリールまたは4、5もしくは6員のR18−ヘテロシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がR18−ピリジル、R18−ピリミジル、R18−ピラダジニル、R18−テトラヒドロピラニル、R18−アゼチジニル、R18−オキサゾリルおよびR18−チアゾリルからなる群より選択され、R18がH、−CH、−NHおよび−NHCHからなる群より独立して選択される1または2つの置換基である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が2−アミノピリジル、2−アミノオキサゾリル、2−アミノチアゾリル、1−メチル−アゼチジニルまたはテトラヒドロピラニルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
がR15−アリール、R15−(6員ヘテロアリール)、
【化6】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
がR15−フェニルまたはR15−ピリジルであり、かつR15がH、ハロ、アルキル、ハロアルキルおよび−CNからなる群より独立して選択される1〜4個の置換基である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物であって、Rが、
【化7】

であり、ここでR15aが、C−Cアルキル、ハロ(C−C)アルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、R21−フェニルまたはR21−ピリジルであり;R21がH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OCF、およびkから独立して選択される1〜3個の置換基であり、k1およびk2が各々独立して0、1または2である、化合物。
【請求項14】
請求項13に記載の化合物であって、R
【化8】

であり、
15aが、(C−C)アルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、R21−フェニルまたはR21−ピリジルであり;R21がH、ハロ、アルキルおよびハロアルキルから独立して選択される1または2つの置換基であり;k1が0または1である、化合物。
【請求項15】
請求項14に記載の化合物であって、R
【化9】

であり、R15aが、−C、−CF、C−O−、CH−O−、C−S−、CH−S−、R21−フェニルまたはR21−ピリジルであり;R21がH、F、Cl、−CHおよび−CFから独立して選択される1または2つの置換基であり、かつk1が0または1であり、そしてR16が存在する場合は、F、Clまたは−CFである、化合物。
【請求項16】
Xが−C(=N−OCH)−である、請求項3に記載の化合物。
【請求項17】
以下の構造:
【化10】

【化11】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩。
【請求項18】
請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物。
【請求項19】
少なくとも1つのHレセプターアンタゴニストの有効量をさらに含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な少なくとも1つの化合物の有効量をさらに含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
請求項20に記載の組成物であって、肥満、肥満関連障害、またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な前記少なくとも1つの他の化合物が、食欲抑制剤、抗糖尿病薬、代謝速度増進因子、栄養吸収インヒビター、HMG−CoA還元酵素阻害剤、置換アゼチジノンおよび置換βラクタムステロール吸収インヒビターからなる群より選択され、かつ認知欠損障害を処置するために有用な前記他の化合物が、アトモキセチン、デクスメチルフェニデート、オランザピン、リスペリドン、アリピプラゾール、ドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン、タクリン、リバスチグミンおよびガランタミンからなる群より選択される、組成物。
【請求項22】
前記少なくとも1つの他の化合物が、食欲抑制剤である、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
肥満、肥満関連障害、またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な前記少なくとも1つの他の化合物が、リモナバントである、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1に記載の少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
少なくとも1つのHMG−CoA還元酵素阻害剤をさらに含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項26】
請求項25に記載の組成物であって、前記少なくとも1つのHMG−CoA還元酵素阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、レスバスタチン、セリバスタチン、リバスタチンおよびピタバスタチンからなる群より選択される、組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1つのHMG−CoA還元酵素阻害剤がシンバスタチンを含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
患者におけるアレルギー、アレルギー誘発性気道反応、うっ血、低血圧、心血管系疾患、胃腸管の疾患、胃腸管の運動亢進、胃腸管の運動低下、胃腸管の酸分泌、メタボリック・シンドローム、肥満、肥満関連障害、睡眠障害、中枢神経系の機能低下または機構亢進、認知欠損障害、または片頭痛を処置する方法であって、該方法は、該患者に対して、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項29】
前記処置が、アレルギー誘発性の気道反応、鼻詰まり、メタボリック・シンドローム、肥満、肥満関連障害、または認知欠損障害のためである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
患者のアレルギー、アレルギー誘発性気道反応またはうっ血を処置するための方法であって、該患者に対して、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量およびHレセプターアンタゴニストの有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
患者の肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するための方法であって、該患者に対して、肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量および少なくとも1つの他の化合物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、肥満、肥満関連障害、またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な少なくとも1つの化合物が、食欲抑制剤、代謝速度増進因子、および栄養吸収インヒビターからなる群より選択される、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、前記食食抑制剤が、カンナビノイドレセプター1アンタゴニスト、またはインバースアゴニスト、ニューロペプチドYアンタゴニスト、代謝型グルタミン酸サブタイプ5レセプターアンタゴニスト、メラニン凝集ホルモンレセプターアンタゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、セロトニン取り込みインヒビター、セロトニン輸送インヒビター、ノルエピネフリン輸送体インヒビター、グレリンアンタゴニスト、レプチンまたはその誘導体、オピオイドアンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、ボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト、コレシストキニンAアゴニスト、毛様体神経栄養因子またはその誘導体、モノアミン再取り込みインヒビター、グルカゴン様ペプチド1アゴニスト、トピラメートおよびフィトファルム(phytopharm)化合物57からなる群より選択され;前記代謝速度増進因子が、アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2インヒビター、βアドレナリン受容体3アゴニスト、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼインヒビター、脂肪酸シンテターゼインヒビター、ホスホジエステラーゼインヒビター、甲状腺ホルモンβアゴニスト;脱共役タンパク質活性化因子、アシル−エストロゲン;グルココルチコイドアンタゴニスト;11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型インヒビター、メラノコルチン−3レセプターアゴニストおよびステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1化合物からなる群より選択され;そして前記栄養吸収インヒビターが、リパーゼインヒビター、脂肪酸輸送体層インヒビター、デカルボキシレート輸送体インヒビター、グルコース輸送体インヒビターおよびリン酸輸送体インヒビターからなる群より選択される、方法。
【請求項34】
請求項31に記載の方法であって、肥満またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な前記化合物が、リモナバント、2−メチル−6−(フェニルエチニル)−ピリジン、3[(2−メチル−1,4−チアゾール−4−イル)エチニル]ピリジン、メラノタン−II、Mc4rアゴニスト、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フルオキセチン(fluoxetine)、パロキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルタリン、イミプラミン、デシプラミン、タルスプラム、ノミフェンシン、レプチンまたはそれらの誘導体;ナルメフェン、3−メトキシ−ナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、ブタビンジド、アキソキン、シブトラミン、トピラメート、フィトファルム(phytopharm)化合物57、セルレニン、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、スリデナフィル、アムリノン、ミルトリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸、レチノイン酸、オレオイル−エストロン、オルリスタット(orlistat)、リプスタチン(lipstatin)、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェートからなる群より選択される、方法。
【請求項35】
肥満またはメタボリック・シンドロームを処置するために有用な前記化合物がリモナバントである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項31に記載の方法であって、認知欠損障害を処置するために有用な前記化合物が、アトモキセチン、デクスメチルフェニデート、オランザピン、リスペリドン、アリピラゾール、ドネペジル、ヘプチルフィゾスチグミン、タクリン、リバスチグミンおよびガランタミンからなる群より選択される、方法。
【請求項37】
請求項31に記載の方法であって:HMG−CoA還元酵素阻害剤、置換アゼチジノンまたは置換β−ラクタムステロール吸収インヒビター、から選択される少なくとも1つのさらなる化合物の有効量を投与する工程をさらに包含する、方法。
【請求項38】
投与される前記少なくとも1つのさらなる化合物が、HMG−CoA還元酵素インヒビターを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つのHMG−CoA還元酵素阻害剤が、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、レスバスタチン、セリバスタチン、リバスタチンおよびピタバスタチンからなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つのHMG−CoA還元酵素阻害剤がシンバスタチンを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
有効量の少なくとも1つの抗糖尿病薬をさらに含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項42】
前記少なくとも1つの抗糖尿病薬が、スルホニル尿素、インスリン抵抗性改善薬、αグルコシダーゼインヒビター、インスリン分泌促進物質、抗肥満剤、メグルチニド、インスリンまたはインスリン含有組成物から選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
患者の糖尿病を処置するための方法であって、該患者に対して、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項44】
患者に対して、少なくとも1つの抗糖尿病薬の有効量を投与する工程をさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法であって、前記少なくとも1つの抗糖尿病剤が、スルホニル尿素、インスリン抵抗性改善薬、αグルコシダーゼインヒビター、インスリン分泌促進物質、抗肥満剤、メグルチニド、インスリンまたはインスリン含有組成物から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの抗糖尿病剤が、インスリン抵抗性改善薬またはスルホニル尿素を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記インスリン抵抗性改善薬がPPAR活性化因子である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記PPAR活性化因子がチアゾリジンジオンである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
患者において糖尿病またはメタボリック・シンドロームを処置するための方法であって、請求項1に記載の少なくとも1つの化合物の有効量と少なくとも1つの抗糖尿病薬の有効量とを該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項50】
前記少なくとも1つの抗糖尿病薬が、スルホニル尿素、インスリン抵抗性改善薬、αグルコシダーゼインヒビター、インスリン分泌促進物質、抗肥満剤、メグルチニド、インスリンまたはインスリン含有組成物から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記少なくとも1つの抗糖尿病剤が、インスリン抵抗性改善薬またはスルホニル尿素を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記インスリン抵抗性改善薬がPPAR活性化因子である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記PPAR活性化因子がチアゾリジンジオンである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記糖尿病がI型糖尿病である、請求項43に記載の方法。
【請求項55】
前記糖尿病がII型糖尿病である、請求項43に記載の方法。
【請求項56】
前記処置が肥満を処置するためである、請求項31に記載の方法。
【請求項57】
前記投与される少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項28に記載の方法。
【請求項58】
前記投与される少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項30に記載の方法。
【請求項59】
前記投与される少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項31に記載の方法。
【請求項60】
前記投与される少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項43に記載の方法。
【請求項61】
前記投与される少なくとも1つの化合物が、請求項17に記載の化合物である、請求項49に記載の方法。
【請求項62】
請求項17に記載の少なくとも1つの化合物の有効量と、薬学的に受容可能なキャリアとを含む、薬学的組成物。
【請求項63】
有効量の少なくとも1つのHレセプターアンタゴニストをさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項64】
肥満、肥満関連障害、メタボリック・シンドロームまたは認知欠損障害を処置するために有用な少なくとも1つの他の化合物の有効量をさらに含む、請求項62に記載の組成物。
【請求項65】
以下の式:
【化12】

を有する化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和化合物であって、
ここで、
がCRまたはNであり;
がCHまたはNであり;
Xが結合、アルキレン、−C(O)−、−C(=N−O−R)−、−N(R12)−、−CHN(R12)−、−C(=CH)−、−NHC(O)−、−SO−であって、その結果MがNである場合、Xは−N(R12)−でも−CHN(R12)−でもなく;
がNである場合、Yが−C(O)−であって、MがCHである場合、Yが−C(O)−またはOであり;
Zが結合であり;
がR15−アリールアルキル、R15−アリール、R15−シクロアルキル、R15−ヘテロアリール、R15−ヘテロシクロアルキル、フルオレニル、
【化13】

であり;
がR18−アリールアルキル、R18−アルキル、R18−アリール、R18−ヘテロアリール、またはR18−ヘテロシクロアルキルであり;各々のRが独立してH、ハロ、アルキル、ハロアルキル、−OH、アルコキシおよび−CNからなる群より選択され;
各々のRが独立してH、アルキル、−OH、アルコキシ、ハロ、−CF、−OCF、−NOおよび−CNからなる群より選択され;
がH、アルキルまたは−C(O)アルキルであり;
が−H、−NH、−NH−アルキル、−CN、−ヒドロキシ−置換アルキル、−NHC(O)−アルキル、または−C(アルキル)(=N−O−R)であり;
12が−Hまたはアルキルであり;
15が−H、−CN、−O−フェニル、−OH、アルコキシ、ハロ、アルキル、−ベンジル、−NH、−NO、−CF、−OCF、−S−アルキル、フェニル、−C(O)O−アルキル、−C(O)アルキル、または−S−CFであり;
15aが、−H、または−ヘテロアリール(2−ベンゾフラニル、2−キノリニル、ピリジル)であり;
16が、−CFまたはハロであり;
17が、−H、アルコキシ、またはR21−ヘテロシクロアルキルアルキル(−CHCH−(N−モルホリニル))であり;
18が、−H、ハロ、−NO、または−NHであり;
21が、−H、ハロまたはアルキルであり;
QがOまたはSであり;
が−H、アルキル、または−CHCFであり;
aが、0または1であり;
bが0または1であり;
kが0、1または2であり;そして
k1が0、1または2である、
化合物、またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和化合物。

【公表番号】特表2009−521451(P2009−521451A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547443(P2008−547443)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048440
【国際公開番号】WO2007/075688
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】