説明

ピロール誘導体、この調製および治療における使用

本発明は、式(I)(式中、Aは、置換または非置換アルキレン(C−C)基、m=0、1または2およびp=0または1を有する式(II)の基を表し、R1は、水素または(C−C)アルキルを表し、R2は、置換または非置換(C3−C10)アルキル基、置換または非置換の非芳香族(C−C12)炭素環式基、複素環式置換または非置換基、アルキレン(C−C)に置換されている基、NR1011基を表し、Rは、官能基または複素環基を表す。)を有する化合物に関する。調製方法および治療における使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4,5−ジフェニルピロール−2−カルボキサミド誘導体、これらの調製、およびこれらの治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイドCB受容体に対する親和性を持つ4,5−ジフェニルピロール−2−カルボキサミド誘導体が、特許出願WO2006/024777号に記載された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2006/024777号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中枢および/または末梢カンナビノイドCB受容体にアンタゴニスト特性を有する、ピロール窒素上に特定の置換基を持つ新規4,5−ジフェニルピロール−2−カルボキサミド誘導体が、今回見出された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式
【0006】
【化1】

[式中、
−Aは、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている(C−C)アルキレン基
・基
【0007】
【化2】

(m=0、1または2であり、p=0または1である。)
を表し、
−Rは、水素または(C−C)アルキルを表し、
−Rは、
・非置換であるまたはトリフルオロメチル基;ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、フッ素原子またはCONH基で置換されている(C−C10)アルキル基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基もしくは(C−C)アルコキシ基、COR12基またはフッ素原子で1回もしくは複数回置換されている非芳香族C−C12炭素環基、
・インダニル、
・1,2,3,4−テトラヒドロ−1−または−2−ナフチル、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一酸素原子または単一硫黄原子の複素環基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一窒素原子の複素環基(前記窒素原子は(C−C)アルキル基、フェニル基、ベンジル基、(C−C)アルコキシカルボニル基または(C−C)アルカノイル基でさらに置換されており、前記フェニル基またはベンジル基は非置換であるまたはハロゲン原子または(C−C)アルキル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基もしくは(C−C)アルコキシ基で1回または複数回置換されている。)、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているベンゾチオフェニル基またはインドリル基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはシアノ基またはCOR12基で1回または複数回置換されている、非芳香族C−C10炭素環基を持つ(C−C)アルキレン基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一酸素原子、単一硫黄原子または単一窒素原子の複素環式芳香族または非複素環式芳香族の複素環基を持つ(C−C)アルキレン基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されており、非置換であるまたはヒドロキシル基、メチル基もしくはメトキシ基またはCOR12基で置換されているインドリル基またはベンゾチオフェニル基を持つ(C−C)アルキレン基、
・(C−C)アルキルチオ基を持つ(C−C)アルキレン基、
・(C−C)であるアルキレン上にて非置換であるまたは1つまたは複数のメチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基もしくはメトキシメチル基またはCOR12基で上記アルキレン上にて置換されているならびにフェニル上にて非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基、トリフルオロメチル基、(C−C)アルコキシ基もしくはトリフルオロメトキシ基から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基でフェニル上にて置換されているフェニルアルキレン基、
・ベンズヒドリル基またはベンズヒドリルメチル基、
・NR1011基、
を表し、
−またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
・モルホリニル基、または
・非置換であるまたはフェニル基、ベンジル基、ベンゾジオキソリル基、ベンゾジオキソリルメチル基もしくはテトラヒドロフリルカルボニル基またはCOR12基もしくはCHCOR12基で置換されており、前記ベンジル基自体は非置換であるまたは1つもしくは複数のハロゲン原子または1つもしくは複数のメトキシ基もしくはメトキシメチル基で置換されているピペラジン−1−イル基または1,4−ジアゼパン−1−イル基、または
・非置換であるまたは
−フッ素原子または(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、COR12基、NR1314基、NHCOR15基、CHCOR12基、SOAlk基もしくはSONR1314基、
−非置換であるまたはハロゲン原子およびメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはシアノ基からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されているフェニル基、ベンジル基またはピリジル基、
−非置換であるまたはフッ素原子または(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基もしくはOCF基で1回または複数回置換されているピペリド−1−イル基、ピロリジン−1−イル基またはアゼチジン−1−イル基
から独立して選択される置換基で1回または2回置換されているピペリド−1−イル基、ピロリジン−1−イル基またはアゼチジン−1−イル基
のいずれかを構成しており、
−R、R、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素またはハロゲン原子、CN基、S(O)ALK基もしくはOS(O)ALK基、(C−C)アルキル基(この(C−C)アルキル基は、非置換であるまたはフッ素原子ならびにOALK基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基およびNHSOAlk基からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されている。)または(C−C)アルコキシ基(この(C−C)アルコキシ基は、非置換であるまたはフッ素原子ならびにOALK基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基およびNHSOAlk基からそれぞれ独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されている。)を表し、
−Rは、−OH基、−CN基、−COH基、NR1314基、−CONR1314基、−NRCOR13基、−CONHNH基、−CONHOH基、−CONHSOAlk基、−S(O)Alk基、−SOCF基、−SONR1314基、−NRSOAlk基、−NRSOCF基、−NRSONR1314基または
【0008】
【化3】

から選択される基を表し、
−R10は、水素原子またはメチル基を表し、
−R11は、(C−C)アルキル基、フェニル基または(C−C10)シクロアルキル基を表し、前記フェニル基およびシクロアルキル基は、非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されており、
−またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、スピラン炭素を含み、OおよびNから選択される第二ヘテロ原子を含有する可能性がある、4個から11個の原子の飽和または不飽和の架橋または非架橋複素環基を構成し、前記複素環基は、非置換であるもしくはヒドロキシル基、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシカルボニル基もしくはCOR12基またはフェニル基(このフェニル基は非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されている。)からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されており、
−R12は、(C−C)アルキル基、フェニル基、ベンジル基、(C−C)アルコキシ基もしくはトリフルオロメチル基またはNR1314基を表し、
−R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子または1つもしくは複数のOH基、F基もしくはOALK基で場合により置換されている(C−C)アルキル基を表し、またはR13もしくはR14は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される第二ヘテロ原子を含む可能性がある4員から7員複素環基を構成し、
−R15は、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基を表し、
−nは、0、1または2を表し、
−ALKは、非置換であるまたは1つまたは複数のフッ素原子で置換されている(C−C)アルキル基を表し、
−Alkは、(C−C)アルキル基を表す。]
に対応する化合物ならびにまたこれらの塩、溶媒和物および水和物に関する。
【0009】
式(I)の化合物は、1つまたは複数の不斉炭素原子を含むことができる。これらは、したがって、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらのエナンチオマーおよびジアステレオ異性体ならびにラセミ混合物を含めるこれらの混合物も本発明の一部を形成する。
【0010】
式(I)の化合物は、塩基または酸付加塩の形態で存在することができる。これらの塩は、医薬として許容できる酸で調製するのが有利であるが、例えば、式(I)の化合物を精製または単離するのに有用である他の酸の塩も、本発明の一部を形成する。
【0011】
本発明による化合物は、水和物または溶媒和物、例えば、1つまたは複数の水分子または溶媒との会合または組合せの形態で存在することができる。こうした水和物および溶媒和物も本発明の一部を形成する。
【0012】
「アルキル基」という用語は、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどの直鎖基または分岐基を意味し、(C−C)アルキルとして、メチル基が好ましく、(C−C10)アルキルとして、t−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基および3,3−ジメチル−2−ブチル基が好ましい。
【0013】
「アルキレン基」という用語は、直鎖の2価基を意味する。
【0014】
「アルコキシ基」という用語は、直鎖基または分岐基を意味し、メトキシ基が好ましい。
【0015】
「ハロゲン原子」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味し、フッ素原子、塩素原子または臭素原子が好ましい。
【0016】
非芳香族C−C12炭素環基は、架橋または縮合した単環式基または多環式基を含む。単環式基として、シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられ、シクロヘキシルおよびシクロペンチルが好ましい。縮合した、架橋したまたはスピラン系の二環式基または三環式基として、例えば、ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、ノルアダマンチル基、アダマンチル基、スピロ[5.5]ウンデカニル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、ビシクロ[3.2.1]オクタニル基およびビシクロ[3.1.1]ヘプタニル基が挙げられる。
【0017】
「OまたはNなどの第二ヘテロ原子を含有する可能性がある、4個から11個の原子の飽和または不飽和複素環基」という用語は、モルホリン−4−イル、ピペリド−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イルまたはオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2−イルなどの基を意味し、ピペリド−1−イル基およびモルホリン−4−イル基が好ましい。
【0018】
「5個から7個の原子の単一窒素複素環基」という用語は、ピペリド−4−イルまたはピロリジン−3−イルなどの基を意味し、ピペリド−4−イル基が好ましい。
【0019】
「5個から7個の原子の単一酸素複素環基」という用語は、テトラヒドロフリル、テトラヒドロ−2H−ピラニルまたはオキセパニルなどの基を意味し、テトラヒドロフリルが好ましい。
【0020】
「5個から7個の原子の単一硫黄複素環基」という用語は、テトラヒドロチオフェニルまたはテトラヒドロチオピラニルなどの基を意味する。
【0021】
「5個から7個の原子の複素環式芳香族の複素環基」という用語は、ピリジル、ピロリル、チオフェニルまたはフラニルなどの基を意味する。
【0022】
「窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される第二ヘテロ原子を含む可能性がある5員から7員の窒素性複素環基」という表現は、特に、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基、ピペリジル基、アゼピニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基またはピペラジニル基を意味する。
【0023】
本発明に従って、置換基RからRが式(I)の化合物で定義した通りである、
−式IA(式中、−A−は、非置換であるまたは(C−C)アルキレンで1回または複数回置換されている(C−C)アルキレン基を表す。)の化合物、
−式IB(式中、−A−はフェニレンを表す。)の化合物、
−式IC(式中、−A−は
【0024】
【化4】

基を表す。)の化合物、
−式ID(式中、−A−は
【0025】
【化5】

基を表す。)の化合物、
−式IE(式中、−A−は
【0026】
【化6】

基を表す。)の化合物、
−式IF(式中、−A−は
【0027】
【化7】

基を表す。)の化合物
が抜群である。
【0028】
本発明に従って、好ましい式(I)の化合物は:
−Rが水素を表し、RがNR1011基(R10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるまたは(C−C)アルキルで1回または複数回置換されている、5個から11個の炭素原子の飽和複素環基を構成する。)を表し、
−またはRおよびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル基、ベンジル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリド−1−イル基もしくは4,4−ジフルオロピペリド−1−イル基で、およびシアノ基、(C−C)アルカノイル基、アミノカルボニル基、メタンスルホニル基、N−メチルスルホニル基もしくはN,N−ジメチルスルホニル基で置換されているピペリド−1−イル基を構成し、
−またはRおよびRが一緒になって、ベンゾジオキソリル基またはベンゾジオキソリルメチル基でまたはベンジル基(このベンジル基はそれ自体が非置換であるまたは1つもしくは複数のハロゲン原子、または1つもしくは複数のメトキシ基またはメトキシメチル基で置換されている。)で四置換されているピペラジン−1−イル基を表し、
−および/またはR、R、R、R、RおよびRが、互いに独立して、水素原子もしくはハロゲン原子またはメトキシ基を表し、
−A−Rが、(I)で示した意味の1つを有する
化合物ならびにまたこれらの塩、溶媒和物および水和物である。
【0029】
特に抜群の式Iの化合物は、
−Rが水素を表し、Rが、ピペリド−1−イル基を表しまたはフェニルでおよびメトキシ基またはメトキシカルボニル基で置換されている(C−C)アルキレン基を表し、
−またはRが水素を表し、Rが、(C−C)であるアルキレン上にて非置換であるまたはメチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基もしくはメトキシメチル基で上記アルキレン上にて置換されているならびにフェニル上にて非置換であるまたはハロゲン原子もしくはメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基もしくはメトキシ基でフェニル上にて1回または複数回置換されているフェニルアルキレン基を表し、
−またはRおよびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル基もしくはピペリド−1−イル基でおよびアセチル基、アミノカルボニル基もしくはシアノ基で4−ジェム二置換されているピペリド−1−イル基を表し、
−またはRおよびRが一緒になって、それ自体非置換であるまたはハロゲン原子で置換されているベンゾジオキソリルメチルまたはベンジルで四置換されているピペラジン−1−イル基を表し、
−Rが、4−クロロまたは4−メトキシであり、RおよびRが、2,4−ジクロロまたは2−クロロを表し、R、RおよびRが水素原子を表し、
−Aが、q=2、3、4または5である(CH基を表し、
−Rが、−COH、−NHSOCF、−NHSOCH、−SOCHから選択される基を表す
化合物ならびにまたこれらの塩、溶媒和物および水和物である。
【0030】
特に、好ましい式(I)の化合物は、
−NR
【0031】
【化8】

を表し、
−R、RおよびRがそれぞれハロゲン原子を表し、
−R、RおよびRがそれぞれ水素原子を表し、
−Aが、非置換であるまたはメチルで1回もしくは複数回置換されているベンジルまたは、(C−C)アルキレン基を表し、
−Rが、CN基、COH基、SOCH基、NHSOCH基またはNHSOCF基を表す
化合物ならびにまたこれらの塩、これらの溶媒和物およびこれらの水和物である。
【0032】
抜群である式(I)の化合物は、
−NR
【0033】
【化9】

から選択される基を表し、
−R、RおよびRがそれぞれハロゲン原子を表し、
−R、RおよびRがそれぞれ水素原子を表し、
−A−Rが、−(CH−CO、−(CH−NHSOCF、−(CHNHSOCH、−(CH−SOMeから選択される基を表す
化合物ならびにまたこれらの塩、これらの溶媒和物およびこれらの水和物である。
【0034】
本発明による化合物の中で、以下の化合物:
−6−[5−(4’−カルバモイル−[1,4’]ビピペリド−1−イルカルボニル)−2−(4−クロロフェニル)−3−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−1−イル]ヘキサン酸;
−1−({5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−1H−ピロール−2−イル}カルボニル)−4−フェニルピペリジン−4−カルボキサミド;
−1−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル)−4−({5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロ−フェニル)−1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−1H−ピロール−2−イル}カルボニル)ピペラジン;
−N−(1−ベンジル−2−メトキシエチル)−5−(4−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−1H−ピロール−2−カルボキサミド;
−1’−{[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−{3−[(メチルスルホニル)アミノ]−プロピル}−1H−ピロール−2−イル]カルボニル}−1,4’−ビピペリジン−4’−カルボキサミド;
−1’−{[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−{3−[(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−ピロール−2−イル]カルボニル}−1,4’−ビピペリジン−4’−カルボキサミド;
−1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルアミノ−プロピル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボキサミド;
−1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルアミノ−プロピル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−4,4−ジメチル[1,4’]ビピペリジニル−4’−カルボキサミド;
−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルアミノ−プロピル)−1H−ピロール−((S)−1−ヒドロキシメチル−3−メチルブチル)−2−カルボキサミド;
−1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−4,4−ジメチル−[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド;
−表1に示す他の化合物
ならびにまたこれらの塩、これらの溶媒和物およびこれらの水和物が具体的に挙げられる。
【0035】
本発明の対象には、本発明による化合物を調製する方法もある。
【0036】
この方法は、
−式(II)の酸または式
【0037】
【化10】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、(I)で定義した通りであり、Yは、水素原子もしくはA−R基のいずれか、またはA−R基の前駆体を表す。)
のこの酸の官能性誘導体を、式HNR(III)(式中、RおよびRは、(I)で定義した通りである。)のアミンで処理すること、
−適切な場合、置換基YをA−R基に変換すること
を特徴とする。
【0038】
場合によって、こうして得られた化合物は、この塩または溶媒和物に変換する。
【0039】
「A−R基の前駆体」という用語は、当業者に公知の方法を用いてA−R基に後で変換することができる基を意味する。
【0040】
使用することができる(II)酸の官能性誘導体として、酸塩化物、酸無水物、混合酸無水物、アルキルが直鎖もしくは分枝である(C−C)アルキルエステル、ベンジルエステル、活性エステル、例えばp−ニトロフェニルエステル、または例えばN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドでまたはベンゾトリアゾール−1−イルオキソトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキソトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)もしくはN−[1−N−(ジメチルアミノ)−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリド−1−イルメチレン]−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートN−オキシド(HBTU)で活性化された、適当に活性化された遊離酸が挙げられる。
【0041】
したがって、本発明による方法において、塩化チオニルを式(II)の酸と反応させることにより得られる1,3−オキサゾール−3−カルボン酸塩化物は、塩素系溶剤(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルム)、エーテル(例えば、テトラヒドロフランまたはジオキサン)またはアミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)などの不活性溶媒中において、不活性雰囲気下で0度と室温との間の温度にて、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンまたはピリジンなどの第3級アミンの存在下でアミンHNRと反応させることができる。
【0042】
一変形は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でクロロギ酸エチルを式(II)の酸と反応させることにより式(II)の酸の混合酸無水物を調製し、これを、ジクロロメタンの溶媒中において、不活性雰囲気下で室温にてトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、アミンHNRと反応させることである。
【0043】
一変形によると、置換基RからRがヒドロキシフェニルを表す式(I)の化合物は、ジクロロメタンなどの溶媒中において、−20℃と室温との間の温度で、該置換基がメトキシフェニルを表す式(I)の化合物をBBrと反応させることにより調製することができる。
【0044】
別の変形によると、置換基RからRの1つがAlkS(O)O−フェニルを表す式(I)の化合物は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下でジクロロメタンなどの溶媒中において、−20℃と室温との間の温度で、この置換基がヒドロキシフェニルを表す式(I)の化合物を、Halがハロゲン原子、好ましくは塩素を表す式Hal−S(O)Alkのハロゲン化物と反応させることにより調製することができる。
【0045】
こうして得られた式(I)の化合物は、引き続き、標準的方法、例えば結晶化またはクロマトグラフィーに従って、反応媒体から分離および精製することができる。
【0046】
式(II)の化合物およびこれらの前駆体は、以下のスキーム
【0047】
【化11】


に従って調製することができる。
【0048】
ステップa)、ステップb)およびステップc)を介する式(VII)のジヒドロピロール誘導体の調製は、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1、2002、622−628に従って行われる。
【0049】
ジヒドロピロール核の置換フェニル基による置換は、ステップd)において、式(VIII)の置換フェニルボロン酸の作用を介し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0)、ビスジベンジリデンアセトンパラジウム(0)[Pd(dba)]、トリス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、酢酸パラジウムPd(II)[Pd(OCOCH]、ジクロ(ジフェニルホスフィノフェロセン)Pd(II)[PdCldppf]などのパラジウム触媒の存在下にて塩基の存在下で行う。
【0050】
ステップe)において、窒素上のトシル保護基は、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン)などのジアミンの作用を介して除去され、ピロール核を同時に芳香族化する。
【0051】
一般的方法によると、式(X)の化合物は、次いで、式R−A−Iのヨウ化物で処理されて式
【0052】
【化12】

の化合物を得る。
【0053】
式(XI)のエステルは、次いで塩基性媒体中において加水分解され、こうして形成された(II)酸は、アミンHNR(III)で処理されて本発明による化合物(I)を形成する。
【0054】
−A−R基の種々の意味に応じて、当業者に公知の種々の方法を用いて、本発明による式(II)の化合物および式(I)の化合物を調製することができる。
【0055】
したがって、−A−Rが(CHNHSOAlk基を表す式(I)の化合物を調製する場合、該方法は下記スキーム2
【0056】
【化13】


に従って行うことができる。
【0057】
A−Rが−(CHNHCOR13基を表す式(I)の化合物は、カップリング剤(例えばHBTU、BOP、PyBOP)および塩基(例えばN(Et))の存在下で化合物(XIII)およびR13COHから調製される。
【0058】
A−Rが−(CHSOAlk基を表す式(I)の化合物を調製する場合、この方法は、下記スキーム3
【0059】
【化14】

に従って行うことができる。
【0060】
A−Rが、k=1、2、3、4、5または6である−(CHSOAlk基を表す式(I)の化合物を調製する場合、この方法は、下記スキーム4
【0061】
【化15】

に従って行うことができる。
【0062】
式(XVI)または式(XVI’)の化合物から出発し、ケン化、続いて式NRの化合物とのカップリングにより、反応スキーム2の通りこの方法を行って、A−R=(CH−AlkまたはA−R=(CH−Alkである式(I)の化合物を得る。
【0063】
が−COOH基を表す式(I)の化合物を調製する場合、この方法は、下記スキーム5
【0064】
【化16】


に従って行うことができる。
【0065】
式HNR(III)のアミンは、知られているまたは公知の方法、例えば、J.Med.Chem.、7、1964、619−622に記載されている方法を介して調製される。
【0066】
本発明の対象は、式
【0067】
【化17】

(式中、
−Xは、ハロゲン原子またはヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはベンジルオキシ基を表し、
−Aは、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている(C−C)アルキレン基
・基
【0068】
【化18】

(m=0、1または2およびp=0または1である。)
を表し、
−R、R、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素もしくはハロゲン原子、(C−C)アルコキシ基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基または(C−C)アルキル基(この(C−C)アルキル基は、非置換であるまたはフッ素原子またはOALK基、S(O)ALK基もしくはOS(O)ALK基で1回もしくは複数回置換されている。)を表し、
−Rは、−OH基、−CN基、−COH基、NR1314基、−CONR1314基、−CONHNH基、−CONHOH基、−CONHSOAlk基、−S(O)Alk基、−SOCF基、−SONR1314基、−NHSOAlk基、−NHSOCF基、−NHSONR1314基、または
【0069】
【化19】

から選択される基を表し、
−nは、0、1または2を表し、
−ALKは、非置換であるまたは1つまたは複数のフッ素原子で置換されている(C−C)アルキル基を表し、
−Alkは(C−C)アルキル基を表す。)
の化合物でもある。
【0070】
さらに特に、本発明の対象は、式
【0071】
【化20】

(式中、
−Xは、ハロゲン原子またはヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはベンジルオキシ基を表し、
−Rは、塩素原子または臭素原子を表し、
−Aは、(CH基、(CH基、(CH基または(CH基を表し、
−Rは、−CN基、−COH基、−SOCH基、−NHSOCH基または−NHSOCF基を表す。)
の化合物である。
【0072】
以下に続く実施例で、本発明に従った特定の化合物の調製を記載する。これらの実施例は、本発明を限定しているものではなく、本発明を例証しているにすぎない。実施例として示される化合物の数は、下記表に示される化合物の数であり、これは本発明による複数の化合物の化学構造および物性を例示している。
【0073】
実施例において、以下の略語を使用する:
EtOAc:酢酸エチル
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
m.p.:融点
HBTU:N−[1−N−(ジメチルアミノ)−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリド−1−イルメチレン]−N−メチルメタナミニウムヘキサフルオロリン酸N−オキシド
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH:メタノール
PyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RT:室温
TBTU:2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
THF:テトラヒドロフラン
【0074】
核磁気共鳴スペクトルは、DMSO−d中において200MHzで記録される。スペクトルの解釈では、以下の略語を使用する:
s:一重項、d:二重項、t:三重項、m:非分割複雑項、mt:多重項、bs:ブロード一重項、dd:二重の二重項
【0075】
本発明による化合物は、LC/UV/MSカップリング(液体クロマトグラフィー/UV検出/質量分析)により分析される。分(min)における分子ピーク(MH)および保持時間(Rt)を測定する。
【0076】
条件A
SymmetryカラムC18、2.1×50mm、3.5μmを、30℃、流量0.4mL/分で使用する。
【0077】
溶離剤は、以下の通りに構成される:
−溶媒A:pH3.15の水中0.005%トリフルオロ酢酸(TFA)
−溶媒B:アセトニトリル中0.005%TFA
【0078】
【表1】

【0079】
UV検出はλ=210nmで行われ、質量検出は正ESI化学イオン化モードで行われる。
【0080】
UV検出はダイオードアレイ検出器を介して210nmと400nmの間で行われ、質量検出は正ESIモードで行われる。
【0081】
調製
調製1
A)メチル2−(((4−メチルフェニル)スルホニル)アミノ)ペント−3−イノエート
2−アミノ−3−ブチン酸2.5gを、メタノール45ml中に0℃で懸濁する。塩化チオニル1.8mlをこの温度で滴下により添加し、混合物を次いで3時間還流する。溶液を濃縮し、残渣を減圧下で乾燥する。得られた物質を、アセトニトリル60ml、続いてトリエチルアミン5.4ml中に溶解し、塩化トシル4.6gを次いで添加する。混合物を室温で19時間、次いで50℃でさらに1時間攪拌する。濃縮した後、粗物質をジクロロメタン中に溶解し、有機相を飽和KHSO水溶液で、次いでKCOで逐次洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、次いでろ過し、最後に濃縮して予想化合物5.18gを得る。
【0082】
H NMR:δ(ppm):2.35:s:3H;2.45:m:2H;3.45:s:3H;3.9:dd:1H;7.35:d:2H;7.65:d:2H;8.4:d:1H。
【0083】
B)メチル5−(4−クロロフェニル)−2−(4−トシルスルホニルアミノ)ペント−4−イノエート
前のステップからの化合物1gおよび4−クロロヨードベンゼン0.57gを、無水DMF 20ml中に溶解する。溶液を真空下で30分間脱気する。トリエチルアミン0.64mlを次いで添加し、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.28gおよびヨウ化銅0.1gを添加する。混合物を室温でアルゴン雰囲気下にて19時間攪拌する。粗反応物を濃縮し、シクロヘキサン/酢酸エチル(80/20;v/v)を用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。該化合物1gを回収する。
【0084】
H NMR:δ(ppm):2.35:s:3H;2.70−2.80:m:2H;3.45:s:3H;4.05:dd:1H;7.35:m:4H;7.4:d:2H;7.65:d:2H;8.51:d:1H。
【0085】
C)メチル5−(4−クロロフェニル)−4−ヨード−1−(4−トシルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られた化合物1gを、炭酸カリウム1gの存在下にて0℃で無水アセトニトリル5ml中に溶解する。固体のヨウ素2gを、この温度で攪拌しながら、いくつかの小画分に添加する。混合物を24時間かけて室温に戻す。脱色するまで、チオ硫酸ナトリウム溶液で反応を停止させ、有機相をジクロロメタンで抽出する。硫酸マグネシウム上で乾燥、ろ過および濃縮した後、予想化合物1.27gを得る。
【0086】
LC/MS(条件A):M=517、Rt=10.8分。
【0087】
D)メチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−トシルスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られた化合物15gおよび2,4−ジクロロフェニルボロン酸6.8gを、炭酸ナトリウム溶液(2N)48mlの存在下で、メタノール150mlとトルエン710mlとの混合物中に溶解する。反応媒体をアルゴン下で30分間放置し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)4.7gを次いで添加する。溶液を60℃で4時間、不活性雰囲気下で加熱する。冷却した後、粗生成物を濃縮し、トルエン中のシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。予想化合物9.7gを、白色粉末の形態で得る。
【0088】
H NMR:δ(ppm):2.4:s:3H;2.75−2.95:m:1H;3.8:s:3H;5.15:d:1H;6.7:d:1H;7.1−7.7:m:6H。
【0089】
E)メチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られた化合物9.7gを、無水N,N−ジメチルホルムアミド60ml中に溶解する。DBU(1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]−ウンデセン)5.4mlを次いで添加し、混合物を100℃で24時間加熱する。粗生成物を濃縮し、エタノールを添加した後、白色沈殿物が現れる。析出物をろ過し、予想化合物6gを回収する。
【0090】
H NMR:δ(ppm):3.8:s:3H;6.9:s:1H;7.2:s:1H;7.25:s:2H;7.3−7.4:m:3H;7.65:dd:1H;12.4:s:1H。
【0091】
F)メチル(4−クロロフェニル)−1−(2−シアノエチル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られた化合物2.5gを、トリトンB 0.5ml(0.53g)の存在下でジオキサン24ml中に溶解する。混合物を1時間RTで攪拌し、アクリロニトリル2mlを次いで添加し、混合物を3日間還流する。粗生成物を濃縮乾固し、次いでシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける。予想化合物1.4gを得る。
【0092】
LC/MS:M=432;Rt=12.02分。
【0093】
G)メチル1−(3−アミノプロピル)−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られた化合物1gを、メタノール20ml中に溶解し、CoCl(HO) 1.06gを添加し、混合物をRTで5分間攪拌する。次に、NaBH 0.43gを少量ずつ添加し、混合物を1時間RTで攪拌する。該媒体をHCl(0.5N)4mlで酸性化する。該化合物をEtOAcで抽出し、MgSO上で乾燥、ろ過および濃縮した後、予想化合物1gを白い気泡体の形態で得る。
【0094】
LC/MS:M=437;Rt=8.13分。
【0095】
H)メチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルアミノプロピル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られたアミン1gを、トリエチルアミン0.61ml(0.45g)の存在下でDCM 20ml中に溶解し、続いてメチルスルホニルクロリド0.17mlをRTで添加し、混合物を48時間攪拌する。粗反応生成物を乾固し、次いでシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。予想化合物に対応する白い気泡体0.54gを得る。
【0096】
LC/MS:M=515;Rt=11.60分。
【0097】
I)5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルアミノプロピル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
前のステップにおいて得られたエステル0.63gを、水酸化リチウム水和物5.4mlの存在下にてTHF/水の混合物(9/1;v/v)10ml中でけん化する。溶液を19時間還流し、次いで乾固する。粗生成物をHCl水溶液(10%)で酸性化し、生成物をDCMで抽出する。有機相をMgSO上で乾燥し、次いでろ過し、濃縮する。予想生成物0.62gを、白い気泡体の形態で得る。
【0098】
LC/MS:M=501;Rt=10.27分。
【0099】
調製2
エチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(2−メタンスルホニルエチル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
調製1ステップAからEに記載した通りに処理することによって、エチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートを調製する。
【0100】
このエステル0.8gをDMF 20ml中に溶解し、NaH0.32gを次いでRTで添加する。混合物を30分間攪拌し、メチルビニルスルホン0.88gを次いで添加する。溶液を19時間還流する。該媒体を乾固し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。予想化合物に対応するガム0.2gを回収する。
【0101】
LC/MS:M=499;Rt=11.87分。
【0102】
調製3
A)5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
調製1ステップEで得られたエステル7.8gを、THF/水の混合物(90/10;v/v)100ml中に溶解し、水酸化リチウム水和物4.3gを次いで添加し、混合物を19時間還流する。混合物を乾固し、固体残渣を次いで、水性HCl(10%)で数回洗浄する。回収した固体をオーブン乾燥して予想化合物8.3g(白色固体)を得る。
【0103】
LC/MS:M=365;Rt=10.57分。
【0104】
B)1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド
上記で得られた酸2gを、トリエチルアミン1.38g(1.89ml)の存在下でジクロロメタン40ml中に溶解し、[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド1.27gを次いで添加し、続いてPyBOP 3.4gを添加する。混合物をRTで24時間攪拌する。予想化合物に対応する白色沈殿物2.3gを、ろ過により回収する。
【0105】
LC/MS:M=559;Rt=7.99分。
【0106】
調製4
A)エチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルファニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
調製1ステップAからEに記載した通りに処理することによって、エチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−ピロール−2−カルボキシレートを調製する。
【0107】
このエステル2gを無水THF 30ml中に溶解し、3−メチルスルファニルプロパン−1−オール2.2gを次いで添加し、続いてトリフェニルホスフィン3.9gを添加する。0℃でDEAD 3.6gを添加し、混合物をRTで19時間攪拌する。該媒体を乾固し、残渣を次いでシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。予想化合物に対応するオイル2.4gを回収する。
【0108】
LC/MS:MH=482;Rt=13.54分。
【0109】
B)エチル5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボキシレート
前のステップにおいて得られたエステル2.4gを、ジクロロメタン70ml中に溶解する。0℃で、mCPBA 6gを少量ずつ添加し、混合物を次いでRTで2時間攪拌する。該媒体をNaOH水溶液(10%)で塩基性化し、生成物をDCMで抽出する。有機相をMgSO上で乾燥し、次いでろ過し、濃縮する。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製する。予想生成物に対応する黄色がかった気泡体1.6gを回収する。
【0110】
C)5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボン酸
前のステップB)において得られたエステル1.6gを、MeOH 24ml中に溶解する。水酸化カリウムのペレットが完全に溶解してしまうまで、KOH 1.7gをRTで少量ずつ添加し、続いてHO 4mlを添加する。混合物を3時間還流する。冷却したら直ぐに、該媒体を10%HCl水溶液で酸性化し、生成物をDCMで抽出する。有機相をMgSO上で乾燥し、次いでろ過し、濃縮する。予想生成物に対応する淡黄色の気泡体1.5gを得る。
【0111】
LC/MS:MH=486;Rt=10.27分。
【0112】
調製5
A)1’−ベンジル−4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド
J.Med.Chem.、7、1964、619−622に記載されている方法に従って、1−ベンジルピペリド−4−オンおよび市販の4,4−ジフルオロピペラジンから合成された1’−ベンジル−4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボニトリル1.2gを、濃硫酸15ml中に懸濁する。
【0113】
該媒体を60℃で3時間保持する。粗生成物を0℃まで冷却し、次いで、NHOH水溶液で塩基性化する。水性相をクロロホルムで抽出し、有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、次いで濃縮する。シリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、白色固体0.8gを得る。
【0114】
LC/MS:MH=338;Rt=6.59分。
【0115】
B)4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド
上記調製5ステップA)において得られたベンジル化合物3.3gを、ジクロロメタン30ml中に溶解し、0℃まで冷却した後、クロロギ酸クロロエチル1.57g(1.19ml)を、次いで添加する。温度を次いでRTに戻し、混合物を3時間攪拌する。真空下で溶媒を蒸発した後、得られた残渣をメタノール中に溶解し、混合物を1時間還流し、次いで再蒸発乾固する。予想生成物に対応する固体3.3gを得る。
【実施例1】
【0116】
化合物1
A)エチル6−[5−(4’−カルバモイル[1,4’]ビピペリジル−1’−カルボニル)−2−(4−クロロフェニル)−3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロール−1−イル]ヘキサノエート
調製3ステップBで得られた化合物0.9gを、アセトン8mlとDMF3mlとの混合物中に溶解する。炭酸カリウム0.66gを添加し、続いてエチル6−ブロモヘキサノエート0.32mlを添加する。混合物を19時間還流する。粗生成物をろ過し、ろ液を濃縮する。予想生成物に対応する白色固体1.7gを得て、さらに精製することなくけん化ステップにおいて使用する。
【0117】
LC/MS:M=702;Rt=8.90分。
【0118】
B)6−[5−(4’−カルバモイル[1,4’]ビピペリジル−1’−カルボニル)−2−(4−クロロフェニル)−3−(2,4−ジクロロフェニル)ピロール−1−イル]ヘキサン酸
上記のエステル1.1gを、THF/水の混合物(9/1;v/v)10ml中の水酸化リチウム水和物0.66gの存在下でけん化する。24時間還流した後、混合物を乾固し、次いで、HCl溶液(10%)で酸性化する。生成物をEtOAcで抽出する。有機相をMgSO上で乾燥し、ろ過し、次いで濃縮した後、粗生成物を得て、これをシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける。予想生成物0.9gを白色固体の形態で得る。
【0119】
LC/MS:M=674;Rt=8.13分。
【実施例2】
【0120】
化合物11
1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−4,4−ジメチル[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド
調製4のステップC)において得られた酸0.5gを、DIPEA 0.39g(0.54ml)の存在下でDMF 15ml中に溶解し、4,4−ジメチル[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド0.37gを添加し、続いてHBTU 0.58gおよびHOBt 0.07gを添加する。混合物を24時間RTで攪拌する。濃縮して直ぐに、粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける。予想生成物に対応する、イソプロピルエーテルから結晶化した固体0.39gを得る。
【0121】
LC/MS:MH=707;Rt=8分。
【実施例3】
【0122】
化合物10
1’−[5−(4−クロロフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(3−メタンスルホニルプロピル)−1H−ピロール−2−カルボニル]−4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド
調製4のステップC)において得られた酸0.4gを、DIPEA 0.31g(0.42ml)の存在下でDMF 15ml中に溶解し、4,4−ジフルオロ[1,4’]ビピペリジル−4’−カルボキサミド0.29gを添加し、続いてHBTU 0.58gおよびHOBt 0.05gを添加する。混合物を19時間RTで攪拌する。濃縮して直ぐ、粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける。予想生成物に対応する固体0.3gを得る。
【0123】
LC/MS:MH=730;Rt=10.36分。
【0124】
以下の表で、化学構造および本発明による複数の化合物の物性を例示する。
【0125】
この表において、Meはメチルを意味する。
【0126】
【表2】




【0127】
式(I)の化合物は、M.Rinaldi−Carmonaら、(FEBS Letters、1994、350、240−244)により記載されている実験条件下で、CBカンナビノイド受容体に対する非常に良好なインビトロ親和性(IC50≦5×10M)を示す。
【0128】
式(I)の化合物のアンタゴニスト性質を、M.Bouaboulaら、J.Biol.Chem.、1995、270、13973−13980、M.Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1996、278、871−878およびM.Bouaboulaら、J.Biol.Chem.、1997、272、22330−22339において記載されている通りに、アデニル酸シクラーゼ阻害のモデルにおいて得られた結果により示した。
【0129】
M.Rinaldi−Carmonaら、FEBS Letters、1994、350、240−244およびM.Rinaldi−Carmonaら、Life Sciences、1995、56、1941−1947、M.Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2004、310、905−914およびRinaldi−Carmona M.ら、JPET 2004、310、905−914において記載されている通りに、静脈内注射または経口投与後、脳に存在するCB受容体との本発明による化合物の相互作用を、[3H]−CP55940のエクスビボ結合によりマウスにおいて決定する。
【0130】
M.Rinaldi−Carmonaら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、2004、310、905−914において記載されている通りに、経口投与後、末梢性に存在するCB受容体との本発明による化合物の相互作用を、胃腸通過時のCP55940阻害効果の逆転試験によりマウスにおいて決定する。
【0131】
式(I)の化合物の毒性は、薬物としての使用と共存できる。
【0132】
したがって、別の態様によると、本発明の対象は、式(I)の化合物もしくは医薬として許容できる酸とのこの付加塩であり、あるいは、式(I)の化合物の溶媒和物もしくは水和物を含む、ヒトまたは獣医用薬物である。
【0133】
したがって、本発明による化合物は、CBカンナビノイド受容体に関わる疾患の治療または予防において、ヒトまたは動物(特に、非限定的な意味おいて、イヌ、ネコ、ウマ、ウシおよびヒツジを含める哺乳動物)に使用できる。
【0134】
例えば、および非限定的な意味において、式(I)の化合物は、特に、不安、うつ病、気分障害、不眠症、せん妄障害、妄想障害、一般精神病、統合失調症、多動児における注意欠陥多動性(ADH)障害を含める精神障害の治療のための、ならびにまた、特に、物質乱用および/またはアルコール依存症およびニコチン依存症を含める物質依存の場合における向精神物質の使用に関連する障害の治療のための向精神薬物として有用である。
【0135】
本発明による式(I)の化合物は、片頭痛、ストレス、心身症由来の疾患、不安発作、てんかん、運動障害、特に運動異常またはパーキンソン病、震えおよび筋緊張異常を治療するための薬物として使用することができる。
【0136】
本発明による式(I)の化合物は、記憶障害、認知障害の治療における、特に、老年痴呆およびアルツハイマー病の治療における、ならびにまた注意障害または覚醒障害の治療における薬物として使用することもできる。
【0137】
さらに、式(I)の化合物は、虚血、頭蓋外傷の治療、ならびに舞踏病、ハンチントン舞踏病およびトゥレットシンドロームを含める急性または慢性神経変性疾患の治療における神経保護薬として有用であり得る。
【0138】
本発明による式(I)の化合物は、疼痛:神経因性疼痛、急性末梢疼痛、炎症由来の慢性疼痛、抗癌治療により誘発される疼痛の治療における薬物として使用することができる。
【0139】
本発明による式(I)の化合物は、特に肥満症または過食症の治療のための、ならびにまたII型糖尿病または非インスリン依存性糖尿病の治療のための、ならびに異脂肪血症およびメタボリック症候群の治療のための食欲障害、(糖類、炭水化物、薬物、アルコールまたは任意の食欲物質に対する)欲求障害および/または摂食行動の予防および治療における、ヒトまたは獣医の薬物として使用することができる。したがって、本発明による式(I)の化合物は、肥満症の、および肥満症に関連するリスク、特に心血管リスクの治療において有用である。
【0140】
さらに、本発明による式(I)の化合物は、消化器疾患、下痢症、潰瘍、嘔吐、膀胱障害および尿障害、慢性肝硬変、線維症、肝臓脂肪変性および脂肪性肝炎などの肝疾患;ならびにまた内分泌由来の障害、循環器障害、低血圧、アテローム性動脈硬化症、出血性ショック、敗血症性ショック、喘息、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、レイノー病、緑内障、受胎障害、早期分娩、妊娠の中断、炎症現象、免疫系疾患、特に関節リウマチなどの自己免疫疾患および神経炎症性疾患、反応関節炎、結果として脱髄となる疾患、多発性硬化症、脳炎などの感染性およびウイルス性疾患、脳卒中の治療および予防における薬物として、ならびにギラン−バレー症候群の治療のためのならびに骨疾患および骨粗鬆症の治療のための抗癌化学療法用薬物としても使用することができる。さらに、本発明による式(I)の化合物は、薬剤誘発性の心毒性に対する保護作用のために使用することができる。
【0141】
本発明によると、式(I)の化合物は、精神障害、特に統合失調症、注意障害および覚醒障害、多動児における注意欠陥および多動性(ADH)障害を予防および治療するのに;記憶欠損および認知障害;物質依存症および物質からの離脱、特にアルコール依存症、ニコチン依存症、アルコールからの離脱、およびタバコからの離脱;急性または慢性神経変性疾患を予防および治療するのに有用である薬物の調製に最も特に有用である。
【0142】
さらに特に、本発明による式(I)の化合物は、食欲障害、欲求障害、代謝障害、肥満症、II型糖尿病、メタボリック症候群、異脂肪血症、消化器疾患、炎症現象、免疫系疾患、精神病性障害、アルコール依存症およびニコチン依存症を治療および予防するのに有用である薬物の調製に有用である。
【0143】
この態様の1つによると、本発明は、上記に示した障害および疾患を治療するため、式(I)の化合物、医薬として許容できるこの塩、およびこの溶媒和物または水和物の使用に関する。
【0144】
別のこの態様によると、本発明は、有効成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、少なくとも1つの本発明による化合物または前記化合物の医薬として許容できる塩、溶媒和物もしくは水和物の有効量、および少なくとも1つの医薬として許容できる賦形剤も含有する。
【0145】
前記賦形剤は、医薬品形態および所望の投与方法に従って、当業者に知られている通常の賦形剤から選択される。
【0146】
本発明による医薬組成物は、式(I)の化合物とともに、上記に示した障害および疾患の治療に有用である1つ(または複数の)他の有効成分を含有することができる。
【0147】
したがって、本発明の対象は、以下の治療分類:
−カンナビノイドCB受容体の別のアンタゴニストまたはアロステリック調節因子
−カンナビノイドCB受容体調節剤
−アンジオテンシンII AT受容体アンタゴニスト
−変換酵素阻害剤
−カルシウムアンタゴニスト
−利尿剤
−β遮断薬
−抗高脂血症薬または抗高コレステロール血症薬
−抗糖尿病剤
−別の抗肥満症剤または代謝障害に作用する薬剤
−ニコチンアゴニストまたは部分的ニコチンアゴニスト
−抗うつ剤、抗精神病薬または抗不安薬
−抗癌剤または抗増殖剤
−オピオイドアンタゴニスト
およびまた:
−記憶を向上させるための薬剤
−アルコール依存症または離脱症状の治療において有用である薬剤
−骨粗鬆症を治療するのに有用である薬剤
−非ステロイド系またはステロイド系の抗炎症薬
−抗感染剤
−鎮痛薬
−抗喘息剤
の1つから選択される1つ(または複数の)有効成分と組み合わせて、本発明による式(I)の化合物を含有する医薬組成物でもある。
【0148】
「アンジオテンシンII AT受容体アンタゴニスト」という用語は、カンデサルタン、シレキシチル、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタンカリウム、オルメサルタンメドキソミル、テルミサルタンまたはバルサンタンなどの化合物を意味し、これらの化合物自体のそれぞれを、ヒドロクロロチアジドなどの利尿剤と組み合わせる場合がある。
【0149】
「変換酵素阻害剤」という用語は、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、エナラプリル、エナラプリラト、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、トランドラプリルまたはゾフェノプリルなどの化合物を意味し、これらの化合物のそれぞれ自体、ヒドロクロロチアジドもしくはインダパミドなどの利尿剤と、またはアムロジピン、デイルチアゼム、フェロジピンもしくはベラパミルなどのカルシウムアンタゴニストと組み合わせる場合がある。
【0150】
「カルシウムアンタゴニスト」という用語は、アムロジピン、アラニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シルニジピン、デイルチアゼム、エホニジピン塩酸塩エタノール、ファスジル、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン塩酸塩、マニジピン、ミベフラジル塩酸塩、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、テロジリンまたはベラパミルなどの化合物を意味する。
【0151】
「β遮断薬」という用語は、アセブトロール、アルプレノロール、アモスラロール、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボピンドロール、ブクモロール、ブフェトロール、ブニトロロール、ブトフィロロール、カラゾロール、カルテオロール、カルベジロール、クロラノロール、エパノロール、エスモロール、インデノロール、ラベタロール、ランジオロール、レボブノロール、レボモプロロール、メピンドロール、メチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、ネビボロール、ニフェナロール、ニプラジロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、サルメテロール、ソタロール、タリノロール、テルタトロール、チリソロール、チモロール、キサモテロールまたはキシベノロールなどの化合物を意味する。
【0152】
「抗高脂質血症薬または抗高コレステロール血症薬」という用語は、アルフィブラート、ベクロブラート、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラートもしくはフェノフィブラートなどのフィブラート系薬剤;アトルバスタチン、フルバスタチンナトリウム、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチンもしくはシンバスタチンなどのスタチン(HMG−CoA還元酵素阻害剤)、またはアシピモックス、ニコチン酸アルミニウム、アザコステロール、コレスチラミン、デキストロチロキシン、メグルトール、ニセリトロール、ニコクロネート、ニコチン酸、β−シトステリンまたはチアデノールなどの化合物から選択される化合物を意味する。
【0153】
「抗糖尿病剤」という用語は、以下の分類の1つに属する化合物を意味する:アカルボース、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グリブゾール、グリミジン、メタヘキサミド、メトホルミン、ミグリトール、ナテグリニド、ピオグリタゾン、レパグリニド、ロシグリタゾン、トラザミド、トルブタミド、トログリタゾンまたはボグリボースなど、スルフォニル尿素剤、ビグアニジン、αグルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジンジオン、メチグリニド、ならびにまたインスリンおよびインスリン類似体。
【0154】
「別の抗肥満症剤または代謝障害に作用する薬剤」という用語は、アンフェプラモン、ベンフルオレックス、ベンズフェタミン、インダノレックス、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェタミン、D−ノルプソイドエフェドリン、シブトラミン、トピラメート、リパーゼ阻害剤(オルリスタットまたはセティリスタット)、PPARアゴニスト(ペルオキシソーム増殖因子活性受容体アゴニスト)、ドーパミンアゴニスト、レプチン受容体アゴニスト、セロトニン再取込み阻害剤、β−3アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、NPY阻害剤、MC 4(メラノコルチン4)受容体アゴニスト、MCH(メラニン凝集ホルモン)受容体アンタゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、11βHSD(11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ)阻害剤、DPP−IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、ヒスタミンH3アンタゴニスト(または逆アゴニスト)、CNTF(繊毛様神経栄養因子)誘導体、GHS(成長ホルモン分泌促進物質)受容体アゴニスト、グレリン修飾物質、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)阻害剤、ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害剤、甲状腺ホルモンアゴニスト、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)阻害剤、ホスフェート、グルコース、脂肪酸もしくはジカルボン酸の輸送体調節因子、5HTアンタゴニスト、5HTアンタゴニストまたはボンベシンアゴニストなどの化合物を意味する。
【0155】
「オピオイドアンタゴニスト」という用語は、ナルトレキソン、ナロキソンまたはナルメフェンなどの化合物を意味する。
【0156】
「アルコール依存症および離脱症状の治療において有用な薬剤」という用語は、アカンプロセート、ベンゾジアゼピン、β遮断薬、クロニジンおよびカルバマゼピンを意味する。
【0157】
「骨粗鬆症の治療に有用な薬剤」という用語は、例えば、エチドロネート、クロドロネート、チルドロネートまたはリセドロネートなどのビスフォスフォネートを意味する。
【0158】
本発明によると、抗高脂血症、抗高コレステロール血症、抗糖尿病または抗肥満症の特性を持つ他の化合物を組み合わせることも可能である。さらに特に、以下の分類の1つに属する化合物を組み合わせることもできる:
PTP 1B(タンパク質チロシンホスファーゼ1B)阻害剤、VPAC2受容体アゴニスト、GLK修飾物質、レチノイド修飾物質、グリコーゲンホスホリラーゼ(HGLPa)阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、グルコース−6リン酸阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)活性化因子、RXR、FXRもしくはLXRの調節物質、SGLT(ナトリウム依存性グルコース輸送体)阻害剤、CETP(コレステリルエステル転送タンパク)阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、トリグリセリド合成阻害剤、LDL(低密度リポタンパク質)受容体インデューサー、IBAT阻害剤、FBPase(果糖−1,6−ビフォスファターゼ)阻害剤、CART(コカインアンフェタミン制御転写物)調節物質、オレキシン受容体アンタゴニスト。
【0159】
本発明の別の態様によると、式(I)の化合物もしくは医薬として許容できるこの塩またはこの溶媒和物および組み合わせた他の有効成分は、同時に、別々にまたは時間をかけて順次投与することができる。
【0160】
「同時使用」という用語は、同じ医薬品形態に含まれる本発明による組成物の化合物の投与を意味する。
【0161】
「別々の使用」という用語は、各々が別の医薬品形態に含まれる本発明による組成物の2種の化合物の同時の投与を意味する。
【0162】
「時間をかけて順次使用」という用語は、1つの医薬品形態に含まれる本発明による組成物の第1の化合物、次いで別の医薬品形態に含まれる本発明による組成物の第2の化合物の経時投与を意味する。この場合、本発明による組成物の第1の化合物の投与と本発明による同じ組成物の第2の化合物の投与との間に経過する時間は、一般に24時間を越えることはない。
【0163】
経口投与、舌下投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、局所的投与、局所性投与、気管内投与、鼻腔内投与、経皮的投与または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の有効成分またはこの可能な塩、溶媒和物もしくは水和物は、標準の医薬品賦形剤との混合物として、上記の障害または疾患を予防または治療するため、人間および動物への投与単位形態で投与することができる。
【0164】
適当な投与単位形態として、錠剤、軟または硬ゲルカプセル、散剤、顆粒剤および経口液剤または懸濁液などの経口経路形態、舌下、口腔内、気管内、眼内および鼻腔内の投与形態、吸入による投与のための形態、局所的、経皮的、皮下、筋肉内または静脈内の投与形態、直腸投与形態ならびに移植片が挙げられる。局所適用のために、本発明による化合物を、クリーム、ゲル、ポマードまたはローション中に使用することができる。
【0165】
一例として、錠剤形態における本発明による化合物の投与単位形態は、以下の成分を含むことができる:
本発明による化合物 :50.0mg
マンニトール :223.75mg
クロスカルメロースナトリウム :6.0mg
コーンスターチ :15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース:2.25mg
ステアリン酸マグネシウム :3.0mg
経口経路を介し、1日当たりに投与する有効成分の用量は、1回または複数回の投与量摂取において、0.01mg/kgから100mg/kg、優先的に0.02mg/kgから50mg/kgであってよい。
【0166】
高投与量または低投与量が適当である特定の場合があり、こうした投与量は、本発明の文脈から逸脱することはない。慣行に従って、各患者に適当である投与量は、投与方法ならびに前記患者の体重および反応に従って、医師により決定される。
【0167】
別のこの態様によると、本発明は、本発明による化合物または医薬として許容できるこの塩もしくは水和物もしくは溶媒和物の有効量を患者に投与することを含む、上記に示された症状を治療するための方法にも関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化21】

[式中、
−Aは、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている(C−C)アルキレン基
・基
【化22】

(m=0、1または2であり、p=0または1である。)
を表し、
−Rは、水素または(C−C)アルキルを表し、
−Rは、
・非置換であるまたはトリフルオロメチル基;ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、フッ素原子またはCONH基で置換されている(C−C10)アルキル基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基もしくは(C−C)アルコキシ基、COR12基またはフッ素原子で1回もしくは複数回置換されている非芳香族C−C12炭素環基、
・インダニル、
・1,2,3,4−テトラヒドロ−1−または−2−ナフチル、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一酸素原子または単一硫黄原子の複素環基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一窒素原子の複素環基(前記窒素原子は(C−C)アルキル基、フェニル基、ベンジル基、(C−C)アルコキシカルボニル基または(C−C)アルカノイル基でさらに置換されており、前記フェニル基またはベンジル基は非置換であるまたはハロゲン原子または(C−C)アルキル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基もしくは(C−C)アルコキシ基で1回または複数回置換されている。)、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されているベンゾチオフェニル基またはインドリル、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはシアノ基またはCOR12基で1回または複数回置換されている、非芳香族C−C10炭素環基を持つ(C−C)アルキレン基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている、5個から7個の単一酸素原子、単一硫黄原子または単一窒素原子の複素環式芳香族または非複素環式芳香族の複素環基を持つ(C−C)アルキレン基、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されており、非置換であるまたはヒドロキシル基、メチル基もしくはメトキシ基またはCOR12基で置換されているインドリル基またはベンゾチオフェニル基を持つ(C−C)アルキレン基、
・(C−C)アルキルチオ基を持つ(C−C)アルキレン基、
・(C−C)であるアルキレン上にて非置換であるまたは1つまたは複数のメチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基もしくはメトキシメチル基またはCOR12基で上記アルキレン上にて置換されているならびにフェニル上にて非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基、トリフルオロメチル基、(C−C)アルコキシ基もしくはトリフルオロメトキシ基から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基でフェニル上にて置換されているフェニルアルキレン基、
・ベンズヒドリル基またはベンズヒドリルメチル基、
・NR1011基、
を表し、
−またはRおよびRは、これらが結合している窒素原子と一緒になって、
・モルホリニル基または
・非置換であるまたはフェニル基、ベンジル基、ベンゾジオキソリル基、ベンゾジオキソリルメチル基もしくはテトラヒドロフリルカルボニル基またはCOR12基もしくはCHCOR12基で置換されており、前記ベンジル基自体が非置換であるまたは1つもしくは複数のハロゲン原子または1つもしくは複数のメトキシ基もしくはメトキシメチル基で置換されているピペラジン−1−イル基または1,4−ジアゼパン−1−イル基、または
・非置換であるまたは
−フッ素原子または(C−C)アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、COR12基、NR1314基、NHCOR15基、CHCOR12基、SOAlk基もしくはSONR1314基、
−非置換であるまたはハロゲン原子およびメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはシアノ基からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されているフェニル基、ベンジル基またはピリジル基、
−非置換であるまたはフッ素原子または(C−C)アルキル基、(C−C)アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基もしくはOCF基で1回または複数回置換されているピペリド−1−イル基、ピロリジン−1−イル基またはアゼチジン−1−イル基
から独立して選択される置換基で1回または2回置換されているピペリド−1−イル基、ピロリジン−1−イル基またはアゼチジン−1−イル基
のいずれかを構成しており、
−R、R、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素またはハロゲン原子、CN基、S(O)ALK基もしくはOS(O)ALK基、(C−C)アルキル基(この(C−C)アルキル基は、非置換であるまたはフッ素原子ならびにOALK基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基およびNHSOAlk基からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されている。)または(C−C)アルコキシ基(この(C−C)アルコキシ基は、非置換であるまたはフッ素原子ならびにOALK基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基およびNHSOAlk基からそれぞれ独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されている。)を表し、
−Rは、−OH基、−CN基、−COH基、NR1314基、−CONR1314基、−NRCOR13基、−CONHNH基、−CONHOH基、−CONHSOAlk基、−S(O)Alk基、−SOCF基、−SONR1314基、−NRSOAlk基、−NRSOCF基、−NRSONR1314基または
【化23】

から選択される基を表し、
−R10は、水素原子またはメチル基を表し、
−R11は、(C−C)アルキル基、フェニル基または(C−C10)シクロアルキル基を表し、前記フェニル基およびシクロアルキル基は、非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されており、
−またはR10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、スピラン炭素を含み、OおよびNから選択される第二ヘテロ原子を含有する可能性がある、4個から11個の原子の飽和または不飽和の架橋または非架橋複素環基を構成し、前記複素環基は、非置換であるもしくはヒドロキシル基、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシカルボニル基もしくはCOR12基またはフェニル基(このフェニル基は非置換であるまたはハロゲン原子および(C−C)アルキル基から独立して選択される1つまたは複数の置換基で置換されている。)からそれぞれ独立して選択される置換基で1回または複数回置換されており、
−R12は、(C−C)アルキル基、フェニル基、ベンジル基、(C−C)アルコキシ基もしくはトリフルオロメチル基またはNR1314基を表し、
−R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子または1つもしくは複数のOH基、F基もしくはOALK基で場合により置換されている(C−C)アルキル基を表し、またはR13もしくはR14は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から選択される第二ヘテロ原子を含む可能性がある4員から7員複素環基を構成し、
−R15は、(C−C)アルキル基またはトリフルオロメチル基を表し、
−nは、0、1または2を表し、
−ALKは、非置換であるまたは1つまたは複数のフッ素原子で置換されている(C−C)アルキル基を表し、
−Alkは、(C−C)アルキル基を表す。]
に対応する、塩基または酸付加塩の形態の化合物ならびにまたこの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項2】
−Rが水素を表し、RがNR1011基(R10およびR11は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、非置換であるまたは(C−C)アルキルで1回または複数回置換されている、5個から11個の炭素原子の飽和複素環基を構成する。)を表し、
−またはRおよびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル基、ベンジル基、ピロリジン−1−イル基、ピペリド−1−イル基または4,4−ジフルオロピペリド−1−イル基、シアノ基、(C−C)アルカノイル基、アミノカルボニル基、メタンスルホニル基、N−メチルスルホニル基またはN,N−ジメチルスルホニル基でジェム二置換されているピペリド−1−イル基を構成し、
−またはRおよびRが一緒になって、ベンゾジオキソリル基またはベンゾジオキソリルメチル基でまたはベンジル基(このベンジル基はそれ自体が非置換であるまたは1つもしくは複数のハロゲン原子または1つもしくは複数のメトキシ基またはメトキシメチル基で置換されている。)で四置換されているピペラジン−1−イル基を表し、
−および/またはR、R、R、R、RおよびRが、互いに独立して、水素原子もしくはハロゲン原子またはメトキシ基を表し、
−A−Rが、請求項1における(I)に示した意味の1つを有する、
式(I)の請求項1に記載の化合物ならびにまたこの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項3】
−Rが水素を表し、Rが、ピペリド−1−イル基を表しまたはフェニルでおよびメトキシ基またはメトキシカルボニル基で置換されている(C−C)アルキレン基を表し、
−またはRが水素を表し、Rが、(C−C)であるアルキレン上にて非置換であるまたはメチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ基もしくはメトキシメチル基で上記アルキレン上にて置換されているならびにフェニル上にて非置換であるまたはハロゲン原子もしくはメチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基もしくはメトキシ基でフェニル上にて1回または複数回置換されているフェニルアルキレン基を表し、
−またはRおよびRが、これらが結合している窒素原子と一緒になって、フェニル基またはピペリド−1−イル基でおよびアセチル基、アミノカルボニル基またはシアノ基で4−ジェム二置換されているピペリド−1−イル基を表し、
−またはRおよびRが一緒になって、それ自体非置換であるもしくはハロゲン原子で置換されているベンゾジオキソリルメチルまたはベンジルで四置換されているピペラジン−1−イル基を表し、
−Rが、4−クロロまたは4−メトキシであり、RおよびRが、2,4−ジクロロまたは2−クロロを表し、R、RおよびRは、水素原子を表し、
−Aが、q=2、3、4または5である(CH基を表し、
−Rが、−COH、−NHSOCF、−NHSOCH、−SOCHから選択される基を表す、
式(I)の請求項1に記載の化合物ならびにまたこの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項4】
−NRが、
【化24】

を表し、
−R、RおよびRが、それぞれハロゲン原子を表し、
−R、RおよびRが、それぞれ水素原子を表し、
−Aが、非置換であるまたはメチルで1回もしくは複数回置換されている、ベンジルまたは(C−C)アルキレン基を表し、
−Rが、CN基、COH基、SOCH基、NHSOCH基またはNHSOCF基を表す、
式(I)の請求項1に記載の化合物ならびにまたこの塩、溶媒和物および水和物。
【請求項5】
−式(II)の酸または式
【化25】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、(I)で定義した通りであり、Yは水素原子もしくはA−R基のいずれかまたはA−R基の前駆体を表す。)
のこの酸の官能性誘導体を、式HNR(III)(式中、RおよびRは、(I)で定義した通りである。)のアミンで処理すること、
−適切な場合、置換基Yを、A−R基に変換すること
を特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物を調製するための方法。
【請求項6】

【化26】

(式中、
−Xは、ハロゲン原子またはヒドロキシル基、(C−C)アルコキシ基もしくはベンジルオキシ基を表し、
−Aは、
・非置換であるまたは(C−C)アルキル基で1回または複数回置換されている(C−C)アルキレン基、
・基
【化27】

(m=0、1または2であり、p=0または1である。)
を表し、
−R、R、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子もしくはハロゲン原子、(C−C)アルコキシ基、S(O)ALK基、OS(O)ALK基または(C−C)アルキル基(この(C−C)アルキル基は、非置換であるまたはフッ素原子またはOALK基、S(O)ALK基もしくはOS(O)ALK基で1回もしくは複数回置換されている。)を表し、
−Rは、−OH基、−CN基、−COH基、NR1314基、−CONR1314基、−CONHNH基、−CONHOH基、−CONHSOAlk基、−S(O)Alk基、−SOCF基、−SONR1314基、−NHSOAlk基、−NHSOCF基、−NHSONR1314基、または
【化28】

から選択される基を表し、
−nは、0、1または2を表し、
−ALKは、非置換であるまたは1つまたは複数のフッ素原子で置換されている(C−C)アルキル基を表し、
−Alkは(C−C)アルキル基を表す。)
の化合物。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物または医薬として許容できる酸とのこの化合物の付加塩、あるいは式(I)の化合物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする薬物。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の水和物もしくは溶媒和物、および少なくとも1つの医薬として許容できる賦形剤も含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項9】
CB受容体が関与する疾患を予防するための処置用薬物の調製のための、請求項1から4において定義した通りである式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
前記疾患が、精神障害、物質への依存および物質からの離脱、認知障害、注意障害および覚醒障害ならびに急性および慢性の神経変性疾患であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記疾患が、代謝障害、欲求障害、食欲障害、肥満症、II型糖尿病、メタボリック症候群および異脂肪血症であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
前記疾患が、疼痛、神経因性疼痛または抗癌治療により誘発された疼痛であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項13】
前記疾患が、消化器疾患、嘔吐、下痢症、潰瘍および肝疾患であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項14】
前記疾患が、免疫系疾患、関節リウマチ、脱髄、多発性硬化症および炎症性疾患であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項15】
前記疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、認知障害、糖尿病、肥満症、メタボリック症候群およびタバコからの離脱であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2010−510198(P2010−510198A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536763(P2009−536763)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001888
【国際公開番号】WO2008/068423
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】