説明

フォトマスク製造装置及び製造方法並びにフォトマスク

【課題】マスクブランクを大気に曝すことなく描画から熱処理までを行うことができるフォトマスクの製造装置を提供する。
【解決手段】描画手段100の真空状態にある描画チャンバ100a内でフォトレジスト塗布後のマスクブランク上にパターン像を描画する。描画後のマスクブランクを真空状態に保持された真空搬送路105内を通して熱処理手段110の真空状態にある熱処理チャンバ110a内に搬送する。そして、熱処理チャンバ110a内に搬送された描画後のフォトレジストを加熱しベーキングする。これにより素子精度・安定性およびパターン荒さを向上させ、抜け不良を低減させ、孤立スペースパターンの解像度を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程において、マスクブランク上にパターン像を形成してなるフォトマスクの製造装置及び製造方法並びにフォトマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
レジスト材料に微細なパターン像を形成するものとして、フォトレジストを塗布したブランク上に原画パターンを描画し、露光後に熱処理を行うようにしたフォトマスク製造装置及び製造方法が知られている(特許文献1、2参照)。
【0003】
また、近年、LSIの高集積化に伴い、レジスト材料には微細なパターンが高精度で形成できるものが要求されている。
このようなレジスト材料としては、架橋型のネガレジストやポジレジスト、化学増幅レジストが知られている。
従来使用していた架橋型のネガレジストの場合、ポリマの分子量を高くすることにより高感度が可能であるが、架橋密度が低下するため現像溶媒での膨潤などパターン変形を生じやすく、1μm以下のパターン形成が不可能になる。また、ポジレジストの場合、現像液のアルカリ濃度を高くすることにより高感度化できるが、レジストの膜減りが顕著になる問題がある。これらの問題は化学増幅レジストにより解決された。化学増幅レジストはベース樹脂、酸発生剤などからなっており、露光により発生した酸が触媒として働くことにより多くの反応を起こすことができる。その結果、高感度化が可能であり、0.2μm以下の微細パターンの形成を可能にしてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平4−239720号公報
特開平10−270316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フォトマスクや半導体製造に使われる化学増幅レジストは高感度という利点を持つ一方、それが致命的な弱点になる。化学増幅レジストは各工程におけるプロセス条件だけでなく、工程間のインターバルでの条件(時間、温度、雰囲気)がレジストの特性に大きな影響をもたらす。特に、露光からPEB(Post Exposure Bake:露光後の熱処理)までは、マスクブランクなどのような描画後のブランクを真空中から一度大気中に出す必要があり、その影響が非常に大きい。化学増幅レジストに含まれる酸は、空気中のアミンなどの不純物により失活して触媒としての能力を失う。その結果、パターン形成が所望通りにできなくなる。描画後のブランクを大気に出した場合、上記した失活のため表面に難溶化層が形成される。それが現像のバリアとなり現像液が侵入することを抑制するため、高精度のパターン形成を難しいものにする。
特にパターン寸法の小さいものほどこの現象が顕著になる。結果として素子精度およびパターン荒さを悪化させる要因となっている。また、描画から熱処理までのインターバルの違いによって、素子特性が変化してしまう。さらに60nm以下の寸法の小さなパターンでは、酸の失活によってレジストと酸の化学反応が阻害されパターンの抜け不良につながるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような不具合を解決するためになされたもので、マスクブランクを大気に曝すことなく描画から熱処理までを行うことができ、これにより素子精度・安定性およびパターン荒さを向上でき、かつ抜け不良を低減し、孤立スペースパターンの解像度を向上できるフォトマスクの製造装置及び製造方法並びにフォトマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、マスクブランク上にフォトレジストを塗布し該フォトレジストにパターン像を描画し現像してフォトマスクを作製するフォトマスクの製造装置であって、真空ポンプにより一定の真空度に保持される描画チャンバを有し、前記描画チャンバ内で前記マスクブランク上の前記フォトレジストにパターン像を描画する描画手段と、真空ポンプにより一定の真空度に保持される熱処理チャンバを有し、前記熱処理チャンバ内で前記描画後の前記フォトレジストを加熱してベーキングする熱処理手段と、前記描画チャンバと前記熱処理チャンバとの間をそれぞれの描画チャンバ用ゲートバルブ及び熱処理チャンバチャンバ用ゲートバルブを介して連通遮断可能に連結する真空搬送路と、前記真空搬送路内に配設され前記描画後の前記マスクブランクを前記描画チャンバから前記熱処理チャンバへ搬送する搬送手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1記載のフォトマスク製造装置において、前記搬送手段で前記描画後の前記マスクブランクが前記描画チャンバから前記真空搬送路に搬入される際に、前記描画チャンバ用ゲートバルブを開いて前記真空搬送路内を前記描画チャンバと同一の真空度に調整し、かつ前記真空搬送路内に搬入された前記マスクブランクを前記熱処理チャンバ内に搬入される際に、前記描画チャンバ用ゲートバルブを閉じ前記熱処理チャンバ用ゲートバルブを開いて前記真空搬送路内を前記熱処理チャンバと同一の真空度に調整する真空ポンプを備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載のフォトマスク製造装置において、前記熱処理手段での熱処理時における前記熱処理チャンバ内の真空度が、3.0×10−2(Pa)より高いことを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3に何れか1項記載のフォトマスク製造装置において、前記熱処理手段は、前記熱処理チャンバに第1搬出用ゲートバルブを介して連通された搬出チャンバと、前記熱処理チャンバに設けられ前記描画後のマスクブランクを載置した状態で加熱処理するホットプレートと、前記熱処理チャンバに設けられ前記ホットプレートで加熱処理された後の前記マスクブランクを冷却するクーリングプレートと、前記ホットプレートで加熱処理された後の前記マスクブランクを前記クーリングプレート上へ移送し、かつ前記クーリングプレートで冷却された後の前記マスクブランクを前記搬出チャンバに搬出する移送手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4記載のフォトマスク製造装置において、前記搬出チャンバ内に前記移送手段により搬出される前記マスクブランクを受け取り、前記搬出チャンバに第2搬出用ゲートバルブを介して連結されたアンローダーに搬出する搬出手段と、前記搬出手段が前記移送手段から前記マスクブランクを受け取る時は前記第1搬出用ゲートバルブを開いて前記搬出チャンバ内を前記熱処理チャンバと同一の真空度に調整する真空ポンプを備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5に何れか1項記載のフォトマスク製造装置において、前記描画チャンバは、フォトレジストが塗布された後の前記マスクブランクを前記描画チャンバ内に搬入するローダーを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、マスクブランク上にフォトレジストを塗布し該フォトレジストにパターン像を描画し現像してフォトマスクを作製するフォトマスクの製造方法であって、真空に保持された描画チャンバ内でフォトレジスト塗布後の前記マスクブランク上にパターン像を描画する工程と、前記描画後の前記マスクブランクを真空に保持された搬送路を通して熱処理チャンバ内に搬送する工程と、前記熱処理チャンバ内に搬送された前記描画後の前記フォトレジストを真空状態で加熱してベーキングする熱処理工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、フォトマスクであって、請求項1乃至6に何れか1項記載のフォトマスク製造装置により製造されたことを特徴とする。
請求項9の発明は、フォトマスクであって、請求項7記載のフォトマスク製造方法により製造されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マスクブランクに対する描画から熱処理までの処理が真空中で行われ、描画後のマスクブランクを一度も大気に曝すことなく熱処理までを終了することができる。これにより、酸の失活をほぼ無くすことができ、結果として難溶化層の形成を無くすことができる。したがって、パターン寸法の制御を容易なものにし、パターン荒さを向上させ、同プロセス条件でのプロセス安定性を向上させることができる。
さらに本発明によれば、真空中でマスクブランクを熱処理することにより、60nm以下の寸法の小さなパターンでさえ所望の化学反応を起こすことができる。その結果、抜け不良を起こさずに解像度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るフォトマスク製造装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例1と従来におけるライン&スペースパターンのラインエッヂラフネスを調べた結果を示す説明図である。
【図3】本実施例1と従来における現像後のCDリニアリティを調べた結果を示す説明図である。
【図4】本実施例1と従来における現像後の孤立ホールパターンの解像度を調べた結果を示す説明図である。
【図5】本実施例2と従来におけるライン&スペースパターンの寸法を測長し、同ロットで計3枚作製し、平均値の変動を調べた結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るフォトマスク製造装置及びその方法並びにフォトマスクについて図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係るフォトマスク製造装置は、マスクブランク上にパターン像を形成してなるフォトマスクを作製するもので、図1に示すように、大別して描画手段100、真空搬送路105、熱処理手段110等を含んで構成される。
【0016】
描画手段100は、マスクブランク(図示せず)上にパターン像を描画するもので、バルブ111を介してターボ分子ポンプ(真空ポンプ)112により一定の真空度に保持される描画チャンバ100aを有し、この描画チャンバ100a内にはマスクブランクが載置される描画ステージ101が設置されている。また、描画手段100は、フォトレジストが塗布された後のマスクブランクを描画チャンバ100a内の描画ステージ101に搬入するローダー102を備えている。
【0017】
真空搬送路105は、描画チャンバ100aと後述する熱処理チャンバ110aとの間を気密に連結し、描画後のマスクブランクを真空雰囲気中で描画チャンバ100aから熱処理チャンバ110aへ搬送するための通路である。また、真空搬送路105の描画チャンバ100aとの連結部には、連通遮断可能な描画チャンバ用ゲートバルブ103aが設けられており、真空搬送路105の熱処理チャンバ110aとの連結部には、連通遮断可能な熱処理チャンバチャンバ用ゲートバルブ103bが設けられている。さらに、真空搬送路105には、真空搬送路105内を一定の真空度に保持するターボ分子ポンプ(真空ポンプ)115がバルブ116を介して接続されている。また、真空搬送路105には、描画後のマスクブランクを描画チャンバ100aから熱処理チャンバ110aへ搬送するアーム式の搬送ロボット(特許請求の範囲に記載した搬送手段に相当する)104が設置されている。
【0018】
熱処理手段110は、描画後のフォトレジストを加熱してベーキングするもので、バルブ117を介してターボ分子ポンプ(真空ポンプ)118により一定の真空度に保持される熱処理チャンバ110aを有する。さらに、熱処理手段110は、熱処理チャンバ110aに第1搬出用ゲートバルブ119を介して連結され熱処理チャンバ110a内に配設された搬出チャンバ114と、熱処理チャンバ110a内に配設され描画後のマスクブランクを載置した状態で加熱処理するホットプレート107と、熱処理チャンバ110a内に配設されホットプレート107で加熱処理された後のマスクブランクを冷却するクーリングプレート106と、熱処理チャンバ110a内に配設されホットプレート107で加熱処理された後のマスクブランクをクーリングプレート106上へ移送し、かつクーリングプレート106で冷却された後のマスクブランクを第1搬出用ゲートバルブ119から搬出チャンバ114に搬出するアーム式の搬送ロボット(特許請求の範囲に記載した移送手段に相当する)108とを備える。
【0019】
搬出チャンバ114内には、熱処理チャンバ110aの搬送ロボット108により搬出される熱処理後のマスクブランクを受け取り、搬出チャンバ114に第2搬出用ゲートバルブ120を介して連結されたアンローダー109に搬出するアーム式の搬送ロボット(特許請求の範囲に記載した搬出手段に相当する)113が配設されている。また、搬出チャンバ114には、搬送ロボット113が搬送ロボット108から熱処理後のマスクブランクを受け取る時、第1搬出用ゲートバルブ119を開いて搬出チャンバ114内を熱処理チャンバ110aと同一の真空度に調整するターボ分子ポンプ(真空ポンプ)121がバルブ122を介して接続されている。
なお、マスクブランクは、ガラス基板上に紫外線などの遮光用薄膜を形成し、この遮光用薄膜上にフォトレジストを塗布したものから構成されている。
【0020】
次に、上記のように構成された本実施の形態に示すフォトマスク製造装置の動作について説明する。
ローダー102で搬送されてきたマスクブランクを、描画チャンバ100a内の描画ステージ101上に載置し、描画チャンバ100a内を一定の真空度に保持した状態で描画手段100を動作させることによって、マスクブランク上のフォトレジスト膜にパターン像を描画する。
描画が終わった後、ターボ分子ポンプ112及び115を動作させて描画チャンバ100a内と真空搬送路105内の真空度を同じにする。しかる後、描画チャンバ100aと真空搬送路105間のゲートバルブ103aを開ける。
【0021】
次いで、真空搬送路105内のアーム式搬送ロボット104により描画後のマスクブランクを、描画チャンバ100aから真空搬送路105内に持ってくる。その後、描画チャンバ100aと真空搬送路105間のゲートバルブ103aを閉じる。次に、ターボ分子ポンプ115及び118を動作させて真空搬送路105内と熱処理チャンバ110a内の真空度を同じにする。その後、真空搬送路105と熱処理チャンバ110a間のゲートバルブ103bを開ける。そして、アーム式搬送ロボット104により描画後のマスクブランクを真空搬送路105から熱処理チャンバ110a内に搬入し、ホットプレート107上に載置した後、描画チャンバ100aと真空搬送路105間のゲートバルブ103bを閉じて、マスクブランクの熱処理を開始する。熱処理は真空中で行われる。この時の描画チャンバ100a内の真空度は、3.0×10−2(Pa)より高い値となる。
なお、真空度が3.0×10−2(Pa)以下の場合、チャンバ内に残留するアミンがマスク表層に付着し、酸を失活させ抜け不良を発生させるような不具合があり、真空度が3.0×10−2(Pa)より高い場合、チャンバ内に残留するアミンは劇的に減少し微小パターンにおける抜け不良を低減させることができる。またチャンバ内で不純物の移動を少なくすることが可能であり、マスク搬送中や熱処理時に不純物がマスクに付着する可能性を低減させる利点がある。
【0022】
なお、描画チャンバ100a、真空搬送路105及び熱処理チャンバ110aは大気開放のための窒素リーク用の配管を備えている。
また、描画チャンバ100a、真空搬送路105及び熱処理チャンバ110aは、ゲートバルブの切り替え時以外は常に真空引きされており清潔である。
また、マスクブランクの熱処理終了後、熱処理チャンバ内はゆっくりと大気圧に戻される。その後、熱処理されたマスクブランクはアンローダーに置いてあるSMIFケースに搬送される。
これら一連の処理方法は描画から熱処理の間に一度もマスクブランクが大気に曝されることがなく、このため、酸の失活を無くすことができる。
なお、本発明の装置で製造されるフォトマスクは、紫外線領域光に対する透過型露光マスク及び極紫外領域光に対する反射型露光マスクである。
【0023】
次に、本発明の実施例におけるフォトマスクパターン形成ついて説明する。
(実施例1)
Crバイナリーマスク用ブランクNTAR7(Hoya)を用い、このマスク用ブランク上にポジ型科学増幅電子線レジストFEP171(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ)を膜厚3000Åにスピンコートし、レジスト膜を形成した。次いで、可変形成型の電子線描画装置JBX3030(日本電子)を用いて、ドーズ量10μC/cm2でパターンサイズ100nmから200nmのライン&スペースパターンを描画し、本発明の真空搬送路を使用して、本発明の熱処理装置にマスクブランクを搬入し、熱処理を行った。その後、スプレー現像(Hamatech ASP5500)にて90秒現像を行った。
【0024】
次に、形成されたレジストパターンを測長SEM(KLA Tencor LWM9000)にて、ライン&スペースパターンのラインエッヂラフネスを調べた結果を図2に示す。ライン&スペースの設計値は400nmである。比較例として従来の熱処理方法で処理した結果も示す。これによれば、図2に示す本実施例1と従来との数値からも明らかなように、ラインエッヂラフネスは従来型に比較して良好の結果となった。
また、本実験にて現像後のCDリニアリティを調べた。設計値1000nmから100nmまでのレンシを図3に示す。これによれば、現像後のCDリニアリティは、図3に示す本実施例1と従来との数値からも明らかなように、従来型に比較して良好の結果となった。
さらに本実験では孤立ホールパターンの解像度を調べた。結果を図4に示す。これによれば、現像後孤立ホールパターンの解像度は、図4に示す本実施例1と従来との数値からも明らかなように、従来型に比較して良好の結果となった。
【0025】
(実施例2)
Crバイナリーマスク用ブランクNTAR7(Hoya)を用い、このマスク用ブランク上にポジ型科学増幅電子線レジストFEP171(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ)を膜厚3000Åにスピンコートし、レジスト膜を形成した。ついで、可変形成型の電子線描画装置JBX3030(日本電子)を用いて、ドーズ量10μC/cm2でパターンサイズ100nmから200nmのライン&スペースパターンを描画し、本発明の真空搬送路を使用して、本発明の熱処理装置にマスクブランクを搬入し、熱処理を行った。その後、スプレー現像(Hamatech ASP5500)にて90秒現像を行った。
【0026】
次に、形成されたレジストパターンを測長SEM(KLA Tencor LWM9000)にて、面内11×11箇所に配置されたライン&スペースパターンの寸法を測長する。同ロットで計3枚作製し、平均値の変動を調べた結果を図5に示す。ライン&スペースの設計値は400nmである。面内11×11箇所の素子の平均値のレンジを図3に示す。比較例として従来の熱処理方法で処理した結果も示す。これによれば、安定性は従来型に比べて良好という結果になった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
上記の発明は、フォトマスクのレジストパターン形成や半導体デバイス作製のための熱処理装置および方法として利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
100…描画手段、100a…描画チャンバ、101…描画ステージ、102…ローダー、103a,103b…ゲートバルブ、104…搬送ロボット、105…真空搬送路、106…クーリングプレート、107…ホットプレート、108…搬送ロボット、109…アンローダー、110…熱処理手段、110a…熱処理チャンバ、111,116,117,122…バルブ、112,115,118,121…ターボ分子ポンプ、113…搬送ロボット、114…搬出チャンバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクブランク上にフォトレジストを塗布し該フォトレジストにパターン像を描画し現像してフォトマスクを作製する製造装置であって、
真空ポンプにより一定の真空度に保持される描画チャンバを有し、前記描画チャンバ内で前記マスクブランク上の前記フォトレジストにパターン像を描画する描画手段と、
真空ポンプにより一定の真空度に保持される熱処理チャンバを有し、前記熱処理チャンバ内で前記描画後の前記フォトレジストを加熱してベーキングする熱処理手段と、
前記描画チャンバと前記熱処理チャンバとの間をそれぞれの描画チャンバ用ゲートバルブ及び熱処理チャンバチャンバ用ゲートバルブを介して連通遮断可能に連結する真空搬送路と、
前記真空搬送路内に配設され前記描画後の前記マスクブランクを前記描画チャンバから前記熱処理チャンバへ搬送する搬送手段とを備える、
ことを特徴とするフォトマスク製造装置。
【請求項2】
前記搬送手段で前記描画後の前記マスクブランクが前記描画チャンバから前記真空搬送路に搬入される際に、前記描画チャンバ用ゲートバルブを開いて前記真空搬送路内を前記描画チャンバと同一の真空度に調整し、かつ前記真空搬送路内に搬入された前記マスクブランクを前記熱処理チャンバ内に搬入される際に、前記描画チャンバ用ゲートバルブを閉じ前記熱処理チャンバ用ゲートバルブを開いて前記真空搬送路内を前記熱処理チャンバと同一の真空度に調整する真空ポンプを備えることを特徴とする請求項1記載のフォトマスク製造装置。
【請求項3】
前記熱処理手段での熱処理時における前記熱処理チャンバ内の真空度が、3.0×10−2(Pa)より高いことを特徴とする請求項1または2記載のフォトマスク製造装置。
【請求項4】
前記熱処理手段は、前記熱処理チャンバに第1搬出用ゲートバルブを介して連通された搬出チャンバと、前記熱処理チャンバに設けられ前記描画後のマスクブランクを載置した状態で加熱処理するホットプレートと、前記熱処理チャンバに設けられ前記ホットプレートで加熱処理された後の前記マスクブランクを冷却するクーリングプレートと、前記ホットプレートで加熱処理された後の前記マスクブランクを前記クーリングプレート上へ移送し、かつ前記クーリングプレートで冷却された後の前記マスクブランクを前記搬出チャンバに搬出する移送手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3に何れか1項記載のフォトマスク製造装置。
【請求項5】
前記搬出チャンバ内に前記移送手段により搬出される前記マスクブランクを受け取り、前記搬出チャンバに第2搬出用ゲートバルブを介して連結されたアンローダーに搬出する搬出手段と、前記搬出手段が前記移送手段から前記マスクブランクを受け取る時は前記第1搬出用ゲートバルブを開いて前記搬出チャンバ内を前記熱処理チャンバと同一の真空度に調整する真空ポンプを備えることを特徴とする請求項4記載のフォトマスク製造装置。
【請求項6】
前記描画手段は、フォトレジストが塗布された後の前記マスクブランクを前記描画チャンバ内に搬入するローダーを備えることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のフォトマスク製造装置。
【請求項7】
マスクブランク上にフォトレジストを塗布し該フォトレジストにパターン像を描画し現像してフォトマスクを作製するフォトマスクの製造方法であって、
真空に保持された描画チャンバ内でフォトレジスト塗布後の前記マスクブランク上にパターン像を描画する工程と、
前記描画後の前記マスクブランクを真空に保持された搬送路を通して熱処理チャンバ内に搬送する工程と、
前記熱処理チャンバ内に搬送された前記描画後の前記フォトレジストを真空状態で加熱してベーキングする熱処理工程とを備える、
ことを特徴とするフォトマスク製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至6に何れか1項記載のフォトマスク製造装置により製造されたことを特徴とするフォトマスク。
【請求項9】
請求項7記載のフォトマスク製造方法により製造されたことを特徴とするフォトマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−75683(P2011−75683A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225129(P2009−225129)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】