説明

フラボノイド誘導体

本発明は、新規フラボノイド誘導体、このフラボノイド誘導体を含む抽出物、この化粧品および医薬品における使用、このフラボノイド誘導体または抽出物を含む調製物、このフラボノイド誘導体または抽出物を調製する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のフラボノイド誘導体、このフラボノイド誘導体を含む抽出物、それらの化粧品および医薬品における使用、食品サプリメントとしての使用、このフラボノイド誘導体または抽出物を含む製剤ならびにこのフラボノイド誘導体または抽出物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの皮膚は、老化プロセスに曝されるが、その老化プロセスのうちのいくつかは、内因性プロセス(経時老化)に起因し、いくつかは、外因性因子(環境、例えば、光による老化)に起因する。加えて、例えば、ニキビ、活性または乾燥性皮膚、角化症、酒さ、皮膚疾患および光線皮膚症などの光過敏性、炎症性、紅斑性、アレルギー性または自己免疫性の反応などの皮膚状態の一時的か、持続的な変化が起こることがある。
【0003】
外因性因子には特に、日光または類似のスペクトルを有する人工放射線源およびに遊離ラジカルまたはイオンであってもよい不定の反応性光生成物などの、放射線により生じうる化合物が含まれる。これらの因子にはさらに、タバコの煙およびその中に存在する、オゾン、遊離ラジカル、例えばヒドロキシ遊離ラジカル、一重項酸素および皮膚の自然な生理または形態を妨げる他の反応性酸素および窒素化合物が含まれる。
【0004】
皮膚は、UVフィルターを含む化粧品および/または医薬品を使用して、光に曝されることに対して、保護される。特にこの場合には、UV保護の他に、抗酸化作用を有し、したがって、光に曝されることを減らし、さらに、放射線に曝されることにより誘発されるか、他の方法で形成される遊離ラジカルを失活化することにより、皮膚を保護する活性成分が、有利である。フラボノイド、特にクエルセチンは、この際に特に適していることが判明している。
【0005】
しかしながら、フラボノイドは通常、低い水溶性しかもたないので、往々にして、水性製剤には不十分な量でしか導入することができない。例えば、クエルセチンは、0.04g/lの水溶性しかない。
【0006】
皮膚の老化は、2つの皮膚層、即ち、相互に重なっている表皮および真皮の層厚の低減を伴い、これは少なくとも一部では、老化皮膚においてしわの形成をもたらすと考えられる。上層である表皮は、皮膚に耐久性を与え、主なバリアを形成し、下層である真皮は、皮膚に強度、弾性および厚さを与える。表皮は主に、4種の異なる分化段階に分けることができる角化細胞からなる。表皮分化は、必須皮膚機能、即ち、環境に対する保護バリアおよび体から水分が失われることの防止としての機能を形成するために非常に重要である。表皮分化の最終段階では、角化した細胞エンベロープが生じる。トランスグルタミナーゼの影響下に、タンパク質のロリクリン、小さなプロリンリッチなタンパク質と、インボルクリンとの架橋が生じる。したがって、トランスグルタミナーゼの活性化は、皮膚構造を改善し、皮膚の老化とたたかう(アンチエイジング)ための高度に有望な手法である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、貴重な特性を有する新規の化合物、特に、化粧品、薬剤において、さらに、食品に補足するために適している新規の化合物を見出すことであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、化学名[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを有するフラボノイド誘導体ならびにこれらの生理学的に許容できる塩および溶媒和物に関する。この化合物は、下記構造式:
【0009】
【化1】


【0010】
として示される。
【0011】
適当な塩は、生理学的に許容される金属塩の全て、特に、例えばナトリウムまたはカリウム塩などのアルカリ金属塩、もしくは例えばマグネシウムまたはカルシウム塩などのアルカリ土類金属塩ならびにアンモニウム塩である。
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルの溶媒和物は、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルへの不活性溶剤分子の付加を意味し、これは、その相互引力により生じる。溶媒和物は例えば、一水和物または二水和物または例えばメタノールまたはエタノールなどのアルコールとの付加化合物である。
【0012】
前記および後記での[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルに関する記載も、生理学的に許容される塩および溶媒和物に当てはまる。
【0013】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルは、非常に広い範囲で紫外線を吸収し、同時に、優れた水溶性を示す(25℃で21g/l)。したがってこの化合物は、UVフィルターとしての使用に特に適しており、簡単な方法で大量に、化粧品および医薬品、食品および食品サプリメントに導入することができる。
【0014】
意外にも、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルはさらに、トランスグルタミナーゼによる遺伝子発現の誘発をもたらす。前記のように、トランスグルタミナーゼは、角化細胞を取囲む特殊なジャケット、顆粒層に集合していて、角質層では本来の膜に取って代わっている、いわゆる、「角質化細胞エンベロープ」の形成に重要な役割を果たす。このことにより、細胞の良好な係留を介して皮膚バリアの強化が生じ、その結果、例えば乾燥などの環境の影響に対して皮膚の耐性が高まる。
【0015】
さらに、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルは、メタロプロテイナーゼ1前駆体(TIMP1)の組織阻害剤の合成を誘発することが判明し、このことにより、例えば、喫煙者における早期皮膚老化の原因と考えられているメタロプロテイナーゼの阻害が生じる。同様にこのことにより、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルのアンチエイジング作用が生じる。
【0016】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルはさらに、エピカン遺伝子(ヒアルロン酸受容体)の発現を誘発するが、このエピカン遺伝子は、角化細胞の分化において重要な役割を果たし、したがって、皮膚構造の改善をもたらす。特に、これは、平滑な皮膚の形成をもたらす。
【0017】
前記の遺伝子の発現に対する影響は、cDNAアレイの手段によって検出することができる。
【0018】
さらに、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルは、アラキドン酸カスケードを阻害し、したがって、抗炎症作用も有する。
【0019】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを有利には、様々な植物からの抽出により有利に得ることができる。[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを含有する適当な植物は、シダストルムアクミナトゥム(Sidastrum acuminatum)、シダストルムバレレンス(Sidastrum burrerense)、シダストルムE.G.ベーカー(Sidastrum E.G.Baker)、シダストルムキクランサム(Sidastrum kicranthum)、シダストルムロディエゲンス(Sidastrum lodiegense)、シダストルムマルチフロラム(Sidastrum multiflorum)、シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)、シダストルムパニクラトゥム(Sidastrum paniculatum)、シダストルムストリクトゥム(Sidastrum strictum)、シダストルムテフアカニュム(Sidastrum tehuacanum)およびシダストルムキンケネルビム(Sidastrum quinquenervium)である。シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)からの単離が、特に好ましい。
【0020】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステル自体の他に、植物原料からのその単離で生じる抽出物も、貴重な特性を有し、医薬品、化粧品、食品および/または食品サプリメントとして使用することができる。したがって本発明は、シダストルムアクミナトゥム(Sidastrum acuminatum)、シダストルムバレレンス(Sidastrum burrerense)、シダストルムE.G.ベーカー(Sidastrum E.G.Baker)、シダストルムキクランサム(Sidastrum kicranthum)、シダストルムロディエゲンス(Sidastrum lodiegense)、シダストルムマルチフロラム(Sidastrum multiflorum)、シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)、シダストルムパニクラトゥム(Sidastrum paniculatum)、シダストルムストリクトゥム(Sidastrum strictum)、シダストルムテフアカニュム(Sidastrum tehuacanum)およびシダストルムキンケネルビム(Sidastrum quinquenervium)から選択される植物原料の抽出により得られる[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステル含をむ抽出物にも関する。シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)からの抽出物が、特に好ましい。
【0021】
植物および植物部分の従来の抽出方法により、植物抽出物を調製する。適当な抽出方法は:浸漬、再浸漬、消化、攪拌浸漬、流動床抽出、超音波抽出、向流抽出、パーコレーション、再パーコレーション、減圧抽出(evacolation)、ジアコレーション(diacolation)またはソクスレー抽出器で実施される連続環流を伴う固液抽出であってよい。
【0022】
植物全体を、好ましくは地上部、特に好ましくは植物の葉を抽出する。
【0023】
抽出のために使用される溶剤は例えば、水またはアルコールであってよい。
【0024】
本発明はさらに、シダストルムアクミナトゥム(Sidastrum acuminatum)、シダストルムバレレンス(Sidastrum burrerense)、シダストルムE.G.ベーカー(Sidastrum E.G.Baker)、シダストルムキクランサム(Sidastrum kicranthum)、シダストルムロディエゲンス(Sidastrum lodiegense)、シダストルムマルチフロラム(Sidastrum multiflorum)、シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)、シダストルムパニクラトゥム(Sidastrum paniculatum)、シダストルムストリクトゥム(Sidastrum strictum)、シダストルムテフアカニュム(Sidastrum tehuacanum)またはシダストルムキンケネルビム(Sidastrum quinquenervium)種の植物原料を抽出することによる、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルの調製法に関する。使用される植物原料は好ましくは、シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)である。
【0025】
これらの抽出を詳細に実施し、得られた抽出物を通常の従来方法で精製することができる方法は、当業者の一般的な知識に帰する。
【0026】
本発明による抽出物はさらに、抽出の後にさらなる後処理、例えば、望ましくない随伴物質を除去するか、所望の成分の濃度を高めるための後処理に掛けられた植物抽出物を包含する。
【0027】
本発明による抽出物は、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを0.1から100重量%の量で含み得る。好ましい実施形態では、抽出物は、5から100重量%、特に好ましくは30から100重量%、さらに特に好ましくは90から100重量%の[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを含む。
【0028】
前記の作用および特性により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこれらの化合物を含む抽出物は、内用および/または外用で、例えば医薬品、化粧品、食品および/または食品サプリメントとして使用することができる調製物の成分として極めて適している。したがって本発明は、少なくとも[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/または前記の植物からの抽出物を含み、および場合によっては、賦形剤および/または補助剤を含む調製物に関する。
【0029】
製剤は、有効成分および/または抽出物を含み、皮膚塗布、経口消化、吸入、注入または注射によりヒトまたは動物に使用することを意図されているものを意味する。製剤のタイプに応じて、製剤は、有効成分/抽出物に加えて、賦形剤および/または補助剤を含んでもよいが、例えば経口により直接摂取するか、吸入することができる粉末の形態である有効成分/抽出物のみからなってもよい。本発明による化合物または本発明による抽出物の他に、製剤は、さらなる有効成分を含有してもよい。
【0030】
植物原料からの抽出物の場合、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルをさらに加工して、単離された形態または単離されていない形態にすることもできる。例えば、抽出物の形態で、または精製された抽出物の形態で、さらに植物抽出物から調製された純粋な物質の形態で製剤に導入することもできる。
【0031】
製剤は好ましくは、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを抽出物、精製された抽出物または抽出物から調製された純粋な物質の形態で含有する。
【0032】
本発明はまた、医薬製剤であることを特徴とする製剤を調製するために、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルまたは抽出物を使用することに関する。少なくとも1種の固体、液体および/または半固体賦形剤又は補助剤を用いて、場合によっては1種または複数のさらなる有効成分と組み合わせて、適切な剤形にすることもできる。
【0033】
好ましい実施形態では、本発明による製剤は、医薬品であることを特徴とする。
【0034】
この医薬品は、ヒト医学または獣医学で使用することができる。適当な賦形剤は、腸内(例えば経口)、非経口または局所投与に適しており、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルまたはその抽出物と反応しない有機または無機物質、例えば、水、植物油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、三酢酸グリセロール、ゼラチン、ラクトースまたはデンプンなどの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タルクもしくはワセリンである。経口使用に適しているのは特に、錠剤、丸薬、糖衣丸、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、ジュースまたはドロップであり、直腸使用に適しているのは、座薬であり、非経口使用に適しているのは、溶液、好ましくは油性または水性溶液、さらに懸濁液、エマルションまたはインプラントであり、局所使用に適しているのは、軟膏、クリームまたは粉末である。植物抽出物を凍結乾燥させ、生じた凍結乾燥物を例えば、注射用製剤を調製するために使用することもできる。前記の製剤は、滅菌することもできるし、および/または滑剤、防腐剤、安定剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を変更するための塩、緩衝物質、染料、香料および/または複数のさらなる活性剤、例えば、1種または複数のビタミンなどの補助剤を含有してもよい。
【0035】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルまたはその抽出物は通常、1用量単位当たり約1から500mg、特に5から100mgの用量で投与することが好ましい。1日用量は好ましくは、約0.02から10mg/体重kgである。しかしながら、各患者に特異的な用量は、非常に幅広いファクター、例えば、使用される特定化合物の効力に、年齢、体重、健康状態、性別に、食事に、投与時間および方法に、排泄速度、医薬品の組み合わせ、治療が施される特定の疾患の重度に左右される。
【0036】
当業者にはよく知られている技術を用いて、1種または複数の植物抽出物を含有する薬剤製剤を調製することもできる。
【0037】
他の好ましい実施形態では、調製物は、化粧用組成物であることを特徴とする。
【0038】
皮膚手入れ用組成物であることを特徴とする調製物が、特に好ましい。
【0039】
皮膚手入れ用組成物は、局所使用に適した化粧品、外皮用または医薬製剤である。調製物は通常、用途に関して試験されている皮膚に許容される従来の賦形剤、場合によってさらなる補助剤および有効成分を含有する。
【0040】
したがって本出願はさらに、
a)前記の[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/または抽出物、
b)皮膚に許容される賦形剤および
c)場合によって、皮膚ケアおよび/または炎症阻害作用を有する1種または複数のさらなる活性成分
を含有する局所使用のための製剤に関する。
【0041】
特に、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルによる前記のUV吸収により、この化合物および/または抽出物を含む製剤はさらに、ヒトの皮膚を保護するために、または日光により生じるような酸化ストレスに対して、即ち例えば、フリーラジカルによるダメージに対して体細胞を保護するために適している。本発明による製剤による紫外線に対する保護をさらに、1種または複数の他のUVフィルターを導入することにより増大させることができる。
【0042】
したがって本発明は、さらに1種または複数の他のUVフィルターを含むことを特徴とする製剤に関する。
【0043】
原則的に、あらゆるUVフィルターが、組み合わせのために適している。その生理学的許容性がすでに証明されているUVフィルターが、特に好ましい。UV−AおよびUV−Bの両方に関して、多くの証明されている物質が、専門文献から知られている。例えば、
【0044】
ベンジリデンカンフル誘導体、例えば
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンフル(例えば、Eusolex(登録商標)6300)、
3−ベンジリデンカンフル(例えば、Mexoryl(登録商標)SD)、
N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばMexoryl(登録商標)SW)、
N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウムメチルスルフェート(例えば、Mexoryl(登録商標)SK)または
α−(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えば、Mexoryl(登録商標)SL)、
【0045】
ベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、例えば、
1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えば、Eusolex(登録商標)9020)または
4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えば、Eusolex(登録商標)8020)、
【0046】
ベンゾフェノン、例えば、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えば、Eusolex(登録商標)4360)または
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えば、Uvinul(登録商標)MS-40)、
【0047】
メトキシケイ皮酸エステル、例えば、
メトキシケイ皮酸オクチル(例えば、Eusolex(登録商標)2292)または
4-メトキシケイ皮酸イソペンチル、例えば、異性体混合物として(例えば、Neo Heliopan(登録商標)E1000)、
【0048】
サリチル酸誘導体、例えば、
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OS)、
サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えば、Megasol(登録商標))または
サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)HMS)、
【0049】
4−アミノ安息香酸および誘導体、例えば、
4−アミノ安息香酸、
4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えばEusolex(登録商標)6007)または
エトキシ化4−アミノ安息香酸エチル(例えば、Uvinul(登録商標)P25)、
【0050】
ベンズイミダゾール誘導体、例えば、
2−フェニルベンズイミダゾール−5-スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩(例えば、Eusolex(登録商標)232)、
2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(CAS番号180898−37−7)、
2,2−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸)およびそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミン塩、
【0051】
およびさらなる物質、例えば、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OCR)、
3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]−ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SX)、
2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えば、Uvinul(登録商標)T150)、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatrizole(登録商標))、
4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)、
α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル)−フェノキシ)プロペニル)および0.1から0.4%の(メチル水素]シリレン]](n≒60)(CAS番号207574−74−1)、
2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CAS番号103597−45−1)
2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS番号103597−45−、187393−00−6)。
【0052】
前記のリストに挙げられている化合物は、単なる例と見なされるべきである。もちろん、他のUVフィルターを使用することも可能である。これらの有機UVフィルターを通常は、本発明による製剤に、特に化粧品製剤に、個々の物質当たり0.5から20重量%の量で、好ましくは1から15重量%の量で、特に好ましくは2から8重量%の量で加える。本発明による[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはその抽出物の他に、本発明による製剤が他の有機UVフィルターを含む場合、これらは通常、特に化粧品製剤の場合には、製剤の全重量に対して、40重量%までの量で、好ましくは5から25重量%の量で存在する。
【0053】
考えられる無機UVフィルターは、例えばコーティングされている二酸化チタン(例えばEusolex(登録商標)T-2000、Eusolex(登録商標)T-AQUA)などの二酸化チタン、二酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄、さらに酸化セリウムからなる群のものである。これらの無機UVフィルターは通常、特に化粧品製剤の場合には、製剤の全重量に対して、0.5から20重量%の量で、好ましくは2から10重量%の量で存在する。
【0054】
異なる無機または有機UVフィルターを使用する場合には、これらを相互に、実質的に所望の比で使用することができる。個々の物質相互の比は通常、1:10〜10:1の範囲、好ましくは1:5〜5:1の範囲、特に好ましくは1:2から2:1の範囲である。UV−AおよびUV−Bフィルターを使用する場合には、UV−Bフィルターの割合が多いか、UV−Aフィルター:UV−Bフィルターの比が1:1から1:10の比であると、大抵の用途に有利である。
【0055】
本発明による製剤に好ましく存在してよい、UVフィルター効果を有する好ましい化合物は、特に化粧品製剤では、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンフル、1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルである。
【0056】
前記のように、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物は、特に、次の作用を有する:これらは、例えば、乾燥などの環境の影響に対する皮膚の耐性を高め、皮膚老化に対抗し、特に、平滑な皮膚を形成する際に皮膚構造の改善をもたらし、抗炎症作用を有する。したがって本発明は、環境の影響、特に乾燥に対する皮膚の耐性を高め、皮膚老化を予防し、皮膚構造を改善し、特に、平滑な皮膚を形成するための医薬および/または化粧品製剤を調製するために、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を使用することに関する。
【0057】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物はさらに、遊離ラジカル捕捉剤として作用するので、酸化ストレスに対抗する。これらはさらに、抗アレルギーおよび抗刺激作用を有するので、特に皮膚の、アレルギー、炎症および刺激の治療または予防的治療のために使用することができる。したがって本発明はさらに、酸化ストレスに対して保護し、アレルギー、炎症および刺激とたたかうための医薬および/または化粧品製剤を調製するために[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物を使用することに関する。皮膚で局所使用するための製剤が特に好ましい。
【0058】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物が皮膚上で、遊離ラジカル捕捉剤としてのプラスの作用を十分に発揮することができるように、これらが、より深い皮膚層へと浸透することができるようにすることが有利である。表皮層への浸透深さが不十分である場合には、適当な輸送薬、例えば、外側の皮膚層を介しての化合物の輸送を容易にするリポソームを用いて、浸透深さを高めることができる。最後に、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルの全身輸送も考えられる。この場合には製剤を、例えば、経口投与に適しているように設計する。
【0059】
既に述べたように、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物は、遊離ラジカル捕捉剤として作用する。このタイプの遊離ラジカルは、日光によって産生されるだけでなく、様々な条件下でも生じる。例は、チトクロムオキシダーゼの電子アップストリームの流れをブロックし、スーパーオキシド遊離ラジカルアニオンの生成をもたらす無酸素症;白血球の膜NADPHオキシダーゼにより特に、スーパーオキシドアニオンの生成を伴うか、さらに、食細胞現象に通常は必要なヒドロキシル遊離ラジカルおよび他の反応性種の生成(鉄(II)イオンの存在下での不均化反応を介して)を伴う炎症;およびヒドロキシル遊離ラジカルにより通常は開始され、脂質アルコキシ遊離ラジカルおよびヒドロペルオキシドを生成する脂質自動酸化である。
【0060】
それらの作用により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物は、免疫を保護し、DNAおよびRNAを保護する製剤を調製するために適している。特に、得られた製剤は、酸化攻撃に対して、遊離ラジカルに対して、および放射線、特に紫外線によるダメージに対してDNAおよびRNAを保護するために適している。この化合物/抽出物を皮膚で使用するための製剤の形態で使用する場合には、紫外線に対して二重の保護作用、即ち、紫外線を吸収して、紫外線が皮膚に作用することを防ぐことを介して、およびそれにも関わらず透過した紫外線により誘発される遊離ラジカルに対抗する遊離ラジカル捕捉剤として作用することを介して、保護される。
【0061】
さらに、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物は、細胞を保護するための、特に、この影響によるダメージに対してランゲルハンス細胞を保護するための製剤を調製するために適している。したがって本発明は特に、この目的のために、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を使用することに関する。
【0062】
本発明による製剤はまた、分化および細胞増殖に影響を及ぼす角化障害を随伴する皮膚疾患を治療するために、特に、尋常性ざ瘡、コメド性ざ瘡(acne comedonica)、多形ざ瘡、酒さ性ざ瘡、小結節性ざ瘡、集簇性ざ瘡、年齢性ざ瘡、日光性ざ瘡、医薬品誘発ざ瘡または職業性ざ瘡(acne professionalis)などの副作用として生じるざ瘡を治療するために、他の角化障害、特に、魚鱗癬、魚鱗癬状態、ダリエー病、掌蹠角化症、白斑症、白斑症状態、皮膚および粘膜(頬)(苔癬)のヘルペスを治療するために、角化障害を随伴し、炎症および/または免疫アレルギー成分を有する他の皮膚疾患、特に、皮膚、粘膜ならびに指および爪に影響を及ぼすあらゆる形態の乾癬ならびに乾癬性リウマチおよび湿疹などの皮膚アトピーまたは呼吸性アトピーまたは歯肉の肥大を治療するために、さらに、角化障害を随伴しないいくつかの炎症に関して化合物を使用することもできる、尋常性ゆうぜい、扁平ゆうぜい、いぼ状表皮異形性、口腔乳頭腫症、フロリダ(florida)乳頭腫症及び紫外線により誘発されうる病的増殖物、特に基底細胞エピテリオーマおよび有棘細胞エピテリオーマなどのウイルス由来であるかもしれない真皮または表皮のあらゆる良性または悪性病的増殖物を治療するために、水疱性皮膚炎およびコラーゲンに影響を及ぼす疾患などの他の皮膚疾患を治療するために、特定の眼疾患、特に角膜疾患を治療するために、老化に随伴する光誘発皮膚老化を克服または除去するために、色素沈着、光線性角化症を低減するために、正常な老化または光誘発老化を随伴するあらゆる疾患を治療するために、局所または全身使用されるコルチコステロイドにより誘発される表皮および/または真皮の萎縮ならびに他のあらゆるタイプの皮膚萎縮の創傷/瘢痕を予防または治療するために、創傷治癒における欠陥を予防または治療するために、妊娠により誘発される妊娠腺を予防または除去するために、創傷治癒を促進するために、ざ瘡または単純性脂漏における超脂漏などの皮脂産生の欠点を除去するために、がん様状態または前がん状態、特に前骨髄球性白血病を除去または予防するために、関節炎などの炎症性疾患を治療するために、皮膚または体の他の部分のあらゆるウイルス誘発疾患を治療するために、脱毛症を予防または治療するために、免疫学的成分を伴う皮膚疾患または体の他の部分の疾患を治療するために、動脈硬化または高血圧などの心血管疾患ならびにインスリン非依存型糖尿病を治療するために、紫外線により誘発される皮膚問題を治療するためにも適している。
【0063】
本発明による製剤が1種または複数の他の抗酸化剤を含有すると、酸化状態に対するか、遊離ラジカルに対する保護作用がさらに改善されうる。したがって本発明はさらに、1種または複数の他の抗酸化剤を含有することを特徴とする製剤に関する。
【0064】
専門文献から、酸化剤として存在してもよい多くの証明済みの物質が知られており、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニン、スルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およヘプタ−チオニンスルホキシイミン)(非常に低い許容量で(例えば、pmolからμmol/kg))、さらに(金属)キレート化剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(例えば、パルミチン酸ビタミンA)およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、クエルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレニウムおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、酸化スチルベン、酸化トランススチルベン)である。
【0065】
抗酸化剤の混合物も、本発明による製剤で使用するために適している。公知で市販されている混合物は例えば、有効成分として、レシチン、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸を含むか(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含有するか(例えば、Oxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源からのトコフェロール抽出物、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、クエン酸およびレシチン(例えば、Oxynex(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)2004)混合物である。
【0066】
本発明による製剤は好ましくは、他の抗酸化剤として、1種または複数のフラボノイドおよび/またはクマラノンを含むが、それにより、紫外線および/または酸化ストレスに対する保護がかなり改善される。したがって本発明は、フラボノイドおよび/またはクマラノンからなる群から選択される1種または複数の他の化合物を含むことを特徴とする製剤にも関する。
【0067】
フラボノイドは、フラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン(=フラボノール)、オーロン、イソフラボンおよびロテノイドの配糖体を意味する[Roempp Chemie Lexikon[Roempp's Lexicon of Chemistry],Volume 9,1993]。しかしながら本発明では、この用語は、アグリコン、即ち、糖不含成分ならびにフラボノイドおよびアグリコンの誘導体も意味する。本発明では、フラボノイドとの用語はさらに、アントシアニジン(シアニジン)も意味する。本発明では、クマラノンとの用語は、その誘導体を意味する。
【0068】
好ましいフラボノイドは、フラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン、オーロンおよびイソフラボンに、特にフラボノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボンおよびオーロンに由来する。
【0069】
フラボノイドは好ましくは、次の化合物から選択される:4,6,3’、4’−テトラヒドロキシオーロン、ケルセチン、ルチン、イソケルセチン、エリオジクチオール、タキシフォリン、ルテオリン、トリスヒドロキシエチルケルセチン(トロキセケルセチン)、トリスヒドロキシエチルルチン(トロキセルチン)、トリスヒドロキシエチルイソケルセチン(トロキセイソケルセチン)、トリスヒドロキシエチルルテオリン(トロキセルテオリン)ならびにこれらの硫酸エステルおよびリン酸エステル。
【0070】
フラボノイドのうち、ルチンおよびトロキセルチンが特に好ましい。トロキセルチンが、ことに好ましい。
【0071】
クマラノンのうち、4,6,3’,4’−テトラヒドロキシベンジル−3−クマラノンが好ましい。
【0072】
本発明による調製物中、特に化粧品製剤中での1種または複数の抗酸化剤の割合は、好ましくは、製剤全体に対して、0.001から5重量%、特に好ましくは0.01から2重量%である。
【0073】
本発明による調製物は、さらなる成分としてビタミンを含んでもよい。本発明による化粧用製剤は好ましくは、ビタミンA、プロピオン酸ビタミンA、パルミチン酸ビタミンA、酢酸ビタミンA、レチノール、ビタミンB、塩酸塩化チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、コハク酸水素トコフェロール、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP有効成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはパルミチン酸ビタミンA、ビタミンC、DL−α−トコフェロール、酢酸トコフェロールE、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチンから選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。
【0074】
本発明による調製物、特に化粧用または薬剤製剤はさらに、エクトイン[(S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸]を成分として含み、皮膚細胞の保護、特にランゲルハンス細胞の保護に効果をあらわす。
【0075】
1種または複数の1−(2−ヒドロキシアリール)アルカン−1−オンオキシム(例えば、欧州特許第0149242号明細書に記載)、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムがさらに存在すると、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を含む本発明による調製物の前記の炎症阻害作用をさらに改善することができる。[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物、およびに2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む製剤が特に有利であり、前記の物質は、1:10から10:1の重量比で存在する。このような製剤の使用形態は例えば、日焼け後(after-sun)製剤である。
【0076】
さらに、他の活性な成分を本発明による製剤に、特に化粧品および/または調合薬製剤に導入することができる:例えば、
ヒドロキシエクトイン[(S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸]、
例えば、アラントインなどの創傷治癒に役立ちうる有効成分、
例えば3−[N−n−ブチル−N−アセチル]−アミノプロピオン酸エチル[CAS番号52304−36−6]などの防虫剤、
皮膚ケア用のソルビトール[例えば、Karion(登録商標)FリキッドまたはKarion(登録商標)FPリキッド]、
ビオチン、
例えば、ヒドロキシプロリンまたはヒドロキシプロリンの誘導体を含む混合物、例えば、レシチン、ジパルミチン酸ヒドロキシプロリン、シトステロール、リノール酸、トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム、マンニトール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、水を含む混合物[例えばRonaCareTM ASC III(登録商標)]または例えば、レシチン、ヒドロキシル化レシチン、L−ヒドロキシプロリン、ルチニル二硫酸二ナトリウム、フェノキシエタノール、マンニトール、アスコルビルリン酸マグネシウム、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、シトステロール、トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウム、水を含む混合物[例えば、RonaCareTM VTA]などのアンチエイジング製品
ビサボロール。
【0077】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよびこの化合物を含む抽出物を、従来の方法で本発明による調製物に導入することができる。外用、例えば、クリーム、ローション、ゲルとして、または皮膚に噴霧することができる溶液としての製剤が好ましい。この場合、製剤は、少なくとも1種の油相および少なくとも1種の水相を有することが好ましい。
【0078】
挙げることのできる本発明による調製物の使用形態は例えば:溶液、エマルション、PITエマルション、懸濁液、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、石けん、界面活性剤含有クレンジング製剤、ローション、オイル、パウダー、スプレーおよびエアロゾルである。他の使用形態は例えば、スティック、シャンプーおよびシャワー用製品である。[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物に加えて、所望の従来の賦形剤、補助剤および場合によってはさらなる活性成分をこの調製物に加えることができる。
【0079】
好ましい補助剤は、保存剤、抗酸化剤、安定剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤、香り改良材、塗膜形成剤、増粘剤および湿潤剤からなる群に由来する。
【0080】
溶液およびエマルションは、溶剤、可溶化剤および乳化剤などの従来の賦形剤、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、オイル、特に綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。
【0081】
エマルションは、様々な形態で存在してよい。したがって、例えばこれらは、油中水(W/O)型か、水中油(O/W)型のエマルションまたはマイクロエマルション、または例えば水中油中水(W/O/W)型の多重エマルションであってよい。
【0082】
さらに製剤は、乳化剤不含の分散製剤の形態であってもよい。例えば、ハイドロ分散液またはピッカリングエマルションであってよい。
【0083】
さらに調製物は、PITエマルションまたはヒドロゲルの形態であってもよく、例えば活性成分を包含するリポソームを含んでもよい。
【0084】
懸濁液は、液体希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁液媒体、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカントもしくはこれらの物質の混合物などの従来の賦形剤を含有してもよい。
【0085】
ペースト、軟膏、ゲルおよびクリームは、従来の賦形剤、例えば動物および植物性脂肪、ろう、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。
【0086】
石けんは、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解産物、イセチオン酸塩、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖またはこれらの物質の混合物などの従来の賦形剤を含有してもよい。
【0087】
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪族アルコール硫酸エステルの塩、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イセチオネート、イミダゾリニウム誘導体、タウリン酸メチル、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合物などの従来の賦形剤を含んでもよい。
【0088】
顔および体用オイルは、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シリコーン油などの合成油、植物油および油性植物抽出物などの天然油、パラフィンオイル、ラノリンオイルまたはこれらの物質の混合物などの従来の賦形剤を含んでもよい。
【0089】
パウダーおよびスプレーは、従来の賦形剤、例えば、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。加えてスプレーは、従来の噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルを含んでもよい。
【0090】
本発明による調製物のさらなる使用形態はさらに、口紅、リップケア用スティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドー、頬紅、パウダー、エマルションおよびメイクアップ用ワックスおよび日焼け止め、日焼け前(pre-sun)および日焼け後製剤である。
【0091】
本発明による調製物で使用することができる全ての化合物および成分は、公知で市販されているか、公知のプロセスにより合成することができる。
【0092】
製剤は、このタイプの製剤中で通常使用される補助剤、例えば、増粘剤、可塑剤、湿潤剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、消泡剤、香料、ろう、ラノリン、噴射剤、薬剤自体または皮膚を着色する染料および/または顔料および化粧品中で通常使用される他の成分を含んでもよい。
【0093】
使用される分散剤または可溶化剤は、オイル、ろうまたは他の脂肪体、低級モノアルコールまたは低級ポリオールまたはこれらの混合物であってよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールには、エタノール、i−プロパノール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールが含まれる。
【0094】
本発明の好ましい実施形態は、保護クリームまたはミルクの形態であり、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物および場合によって、さらなる光防止フィルターに加えて、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然または合成の油またはろうならびに乳化剤を水の存在下に含むエマルションである。
【0095】
さらに好ましい実施形態は、天然または合成のオイルまたはろう、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドをベースとする油性ローション、またはエタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコールなどのグリコール、および/またはグリセロールなどのポリオールおよびオイル、ろうおよび脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルをベースとする油性/アルコール性ローションである。
【0096】
本発明による調製物は、エタノール、プロピレングリコールまたはグリセロールなどの1種または複数の低級アルコールまたはポリオールならびにケイ質土などの増粘剤を含有するアルコール性ゲルの形態であってもよい。油性/アルコールゲルは付加的に、天然または合成のオイルまたはろうを含む。
【0097】
固体スティックは、天然または合成のろうおよびオイル、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪族体からなる。
【0098】
調製物がエアロゾルとして処方される場合には、アルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンなどの従来の噴射剤を通常は使用する。
【0099】
製剤をさらに、光化学ダメージから髪を保護して、色変化、脱色または機械的性質のダメージを防ぐために使用することもできる。この場合の適当な製剤は、すすぎ流しシャンプー、ローション、ゲルまたはエマルションの形態であり、該当する製剤を、シャンプーの前後に、カラーリングまたは脱色の前後に、またはパーマを掛ける前後に使用する。髪をスタイリングおよび手入れするためのローションまたはゲルの形態、ブラッシングまたはウォーターウェーブ(water wave)を掛けるためのローションまたはゲルの形態または髪用のヘアラッカー、パーマ用組成物、着色剤またはブリーチの形態を選択することもできる。[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物および他のUVフィルターに加えて、この製剤は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、保存剤、泡(フォーム)安定剤、電解質、有機溶剤、シリコーン誘導体、オイル、ろう、抗グリース剤(antigrease agent)、組成物自体または髪に着色する染料および/または顔料、またはヘアケアのために通常使用される他の成分などの、このタイプの組成物で使用される様々な補助剤を含むことができる。
【0100】
本発明による調製物は、当業者によく知られている技術を使用して調製することができる。
【0101】
皮膚および/または自然または敏感な髪を日光から保護するために、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を含む化粧用製剤が、皮膚または髪に適用される。ここでは、敏感な髪とは、パーマ処理またはカラーリングまたは脱色プロセスなどの化学的処理を受けた髪を意味する。
【0102】
さらに、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物は、製剤に対して安定化作用も有する。したがって、対応する製品で使用すると、これらは、長期間にわたって安定であり、その外観を変えない。特に、成分、例えばビタミンの効果は、長期の使用または長期の貯蔵でも保持される。このことは、UV線の作用に対して髪を保護するための組成物の場合には、特に有利である。それというのも、これらの化粧品は、UV線により特に高いストレスを受けるためである。
【0103】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルまたはこの化合物を含む抽出物の有利な特性は、さらに例えば、食品中で使用する際に、または食品サプリメントとして、または「機能性食品」として利用することができる。例えば、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物は、食品、食品サプリメントまたは機能性食品中に存在する化合物を、さらには微生物を、酸化に対して、または遊離ラジカルの作用に対して保護することができる。
【0104】
したがって本発明は、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化された食品に関する。
【0105】
さらに本発明は、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を含む食品サプリメントに関する。食品サプリメントは好ましくは、前記の通常の定義の意味での製剤であり、好ましくは、経口投与される。
【0106】
食品に関するさらなる説明は相応して、食品サプリメントおよび機能性食品にも当てはまる。本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化しうる食品には、動物による消費またはヒトによる消費に適しているあらゆる材料、例えば、ビタミンおよびそのプロビタミン、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸が包含される。本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化しうる食品は例えば、単一の天然源に由来する食品、例えば、糖、単一の植物の砂糖無添加ジュース、スカッシュまたはピューレ、例えば、砂糖無添加リンゴジュース(例えば、様々なタイプのリンゴジュースの混合物も)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、リンゴコンポート、アンズスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレなどである。本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で富化しうる食品の他の例は、単一の植物種からのコーンまたはシリアルならびにこのタイプの植物種から製造された材料、例えば、シリアルシロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオーツブランである。このタイプの食品の混合物も、本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化するために適していて、例えば、マルチビタミン製剤、ミネラル混合物または砂糖添加ジュースである。本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化しうる食品の他の例として、食品製剤、例えば、調製シリアル、ビスケット、混合飲料、ヨーグルトなどの子供用に特に調製された食品、ダイエット用食品、低カロリー食品または動物試料を挙げることができる。
【0107】
本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化されうる食品には、炭水化物、脂質、タンパク質、無機元素、痕跡元素、ビタミン、水ならびに植物および動物の活性代謝産物の食用の組み合わせの全てが含まれる。
【0108】
本発明により、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化されうる食品およびに[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む食品サプリメントは好ましくは、経口で、例えば、食事、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液または懸濁液の形態で与えられる。
【0109】
前記のように、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物を薬剤および/または化粧品製剤、食品および/または食品サプリメント中で使用するか、それらに加えることにより、価値の高い化粧品製剤、薬剤、食品および/または食品サプリメントを調製することができる。したがって本発明は明確に、化粧品製剤、医薬製剤、食品および/または食品サプリメントを調製するために、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含有する抽出物を使用することに関する。
【0110】
本発明による調製物が[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを純粋な物質として含む場合、この化合物は、製剤全体に対して次の量で存在する。
【0111】
−調製物が化粧品および/または医薬製剤である場合には、0.001から100重量%の量で、好ましくは、0.01から30重量%の量で、特に好ましくは0.1から10重量%の量。
【0112】
−調製物が食品である場合には、0.00001から20重量%の量で、好ましくは、0.001から10重量%の量。
【0113】
−調製物が食品サプリメントである場合には、食品サプリメント全体に対して好ましくは、0.1から80重量%の量。
【0114】
本発明による調製物が[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを含む抽出物を含む場合、これは、製剤全体に対して次の量で存在する。
【0115】
−調製物が化粧品および/または医薬製剤である場合には、0.01から100重量%の量で、好ましくは、0.1から60重量%の量で、特に好ましくは1から30重量%の量。
【0116】
−調製物が食品である場合には、0.01から20重量%の量で、好ましくは、0.1から10重量%の量。
【0117】
−調製物が食品サプリメントである場合には、食品サプリメント全体に対して好ましくは、0.1から80重量%の量。
【0118】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルおよび/またはこの化合物を含む抽出物で強化される食品は、当業者によく知られている技術を使用して調製することができる。
【0119】
さらなる解説が無くても、当業者であれば、前記の記載を最も広範囲で利用することができるであろう。したがって、好ましい実施形態は、全く制限的ではない単なる記述的開示と見なされるべきである。
【0120】
前記の全ての出願および刊行物の開示内容全体は、参照により本出願に援用される。
【0121】
本発明による調製物中で使用することができる全ての化合物または成分は、公知で市販されているか、公知の方法により合成することができる。
【0122】
使用される原料のINCI名称は以下である(INCI名称は、英語での定義による):
原料 INCI名称
Abil WE 09 ポリグリセリル−4−イソステアレート、セチル ジメチコーンコポリオール、ラウリン酸ヘキシル
Antaron V-220 PVP/エイコセンコポリマー
Arlacel 80 オレイン酸ソルビタン
Arlacel 165 V ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG− 100
Avocado oil アボカド
Beeswax 蜜ろう
BiobaseTM EP ステアリン酸グリセリル、ケテアリールアルコ ール、ステアロイル乳酸ナトリウム、レシチン
Carbopol ETD 2050 カルボマー
Cetiol V オレイン酸デシル
Cetyl alcohol セチルアルコール
Cetyl isononanoate イソノナン酸セチル
Cutina HR 硬化ヒマシ油
Dimethicone ジメチコーン
Eusolex(登録商標)232 フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
Eusolex(登録商標)2292 メトキシケイ皮酸オクチル、BHT
Eusolex(登録商標)6300 4−メチルベンジリデンカンフル
Eusolex 8300 4−メチルベンジリデン
Eusolex(登録商標)9020 ブチルメトキシジベンゾイルメタン
Eusolex(登録商標)HMS ホモサラート
Eusolex T-Aqua アクア(水)、二酸化チタン、アルミナ、
メタリン酸ナトリウム、フェノキシエタノール、
メチルパラベンナトリウム
Eutanol G オクチルドデカノール
Germaben II プロピレングリコール、ジアゾリジニル尿素、
メチルパラベン、プロピルパラベン
Germaben II-E プロピレングリコール、ジアゾリジニル尿素、
メチルパラベン、プロピルパラベン
Glycerin グリセリン
Glycerin(87%) グリセリン
Glycerin(87%超純) グリセリン
無水Glycerin グリセリン
Hetester PHA プロピレングリコールイソセテス−3アセテート
Hexyl laurate ラウリン酸ヘキシル
Imwitor 960Kフレーク ステアリン酸グリセリルSE
Isolan PDI ポリグリセリル−3−ジイソステアリン酸
ジイソステアロイル
Isopropyl myristate ミリスチン酸イソプロピル
Isopropyl palmitate パルミチン酸イソプロピル
Jojoba oil Buxus Quinensis(ホホバ油)
Karion Fリキッド ソルビトール
Keltrol RD キサンタンガム
硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム
硫酸マグネシウム七水和物 硫酸マグネシウム
4−ヒドロキシ安息香酸メチル メチルパラベン
Miglyol 812 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Miglyol 812 N カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Miglyol 812、中性油 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
Mirasil CM5 シクロメチコーン
Mirasil DM 350 ジメチコーン
Montanov 68 セテアリールアルコール、セテアリールグルコ シド
Oxynex(登録商標)K PEG−8、トコフェロール、パルミチン酸
アスコルビル、アスコルビン酸、クエン酸、
Panthenol-D パンテノール
Paracera M マイクロワックス
流動パラフィン油 鉱油
Perfume oil TND-2417 香料
Pemulen TR-1 アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレート
架橋ポリマー
Pemulen(登録商標)TR-2 アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレート
架橋ポリマー
Performa(登録商標)V 825 合成ワックス
Polyglyceryl 2-dipolyhydroxystearate ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステア
レート
Prisorine 2021 イソステアリン酸イソプロピル
プロパン−1,2−ジオール プロピレングリコール
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル プロピルパラベン
Rhodicare S キサンタンガム
RonaCareTM ASC III アクア、レシチン、ジパルミトイルヒドロキシ プロリン、フェノキシエタノール、トール油ス テロール、リノール酸、トコフェロール、アス コルビン酸ナトリウム、マンニトール、メチル パラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン 、ブチルパラベン
RonaCareTM ビサボロール ビサボロール
RonaCareTM エクトイン エクトイン
RonaCareTM LPO ラウリルp−クレゾールケトキシム
RonaCareTM 酢酸トコフェロール 酢酸トコフェリル
Sepigel 305 ポリアクリルアミド、C13〜C14イソパラフィン、
ラウレス−7
SFE 839 シクロペンタシロキサン、ジメチコーン/ビニル
ジメチコーン架橋ポリマー
Shea butter シアバター
ステアレス−2 ステアレス−2
ステアレス−10 ステアレス−10
ステアリン酸 ステアリン酸
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム
水酸化ナトリウム溶液、10% 水酸化ナトリウム
酢酸DL−α−トコフェロール 酢酸トコフェロール
トリエタノールアミン トリエタノールアミン
トリエタノールアミン 超純 トリエタノールアミン
脱塩水 アクア(水)
ステアリン酸亜鉛 ステアリン酸亜鉛

実施例により本発明を説明するが、これは、本発明を制限するものではない。
【0123】
実施例1
抗炎症活性の検出
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルの抗炎症特性は、角化細胞単層PEG2モデルで証明することができる。炎症を誘発するために、角化細胞を前炎症性物質の酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)と共に、96ウェルプレート(15000細胞/ウェル)中で24時間インキュベーションする。予備インキュベーションされた細胞(PMAの最終濃度0.1μg/ml)を10-6Mのインドメタシン(陽性対照)または0.2mMの[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルと共に24時間インキュベーションする。使用される陰性対象は、PMAを含有しない対照培養である。インキュベーションの後に、3つの試料全てでのプロスタグランジンE2(PGE2)の含分を、ELISAキットにより決定する。
【0124】
実施例2
抽出
シダストルムミクランサムからの葉原料10kgを温エタノール120リットルで2回抽出する。合わせた抽出物を10リットルまで濃縮し、氷5kgおよび冷水5リットルと共に10℃以下で2時間攪拌し、濾過する。濾液(20リットル)を8リットルまで濃縮するが、その間、減圧下に加熱する。
【0125】
25℃以下まで冷却したら、混合物を濾過する。得られた濾液を全固体含分10%までさらに濃縮し、35℃で濾過して、随伴するフラボノイドを除去する。得られた濾液を全固体含分20%までさらに濃縮して、35℃で濾過する。[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを含む得られたケーキを70%エタノールで洗浄する。濾液を固体含分45%まで濃縮して、収率を高める。室温に達したら、混合物を濾過し、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルを含有するケーキを同様に70%エタノールで洗浄すると、乾燥葉に対して1.2重量%の収率で、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステルが得られる。
13C NMRデータ
δ[ppm](DMSO中):55.43(O3)、56.38(O3)、95.90(C−6)、102.70(C−3);103.69(C−9)、114.27(C−5’,C−3’)、122.58(C−8)、123.00(C−1’)、129.06(C−2’,C−6’)、149.33(C−10)、156.93(C−5)、159.02(C−7)、162.29(C−4’)、163.92(C−2)、182.13(=O)
1H NMRデータ
δ[ppm]、3.90(s,3H,C3)3.95(s,3H,C3)6.55(s,1H,H−6)、6.85(s,1H,H−3)、7.1(d,2H,H−5’,H−3’)、8.1(d,2H,H−2’,H6’)、12.9(s,1H,OH)。
質量スペクトル
Maldi/MS:824.9(2M+K)、392.9(M−H)-、152.9
UV吸収スペクトル
濃度:1mg/100ml
図1に示す。
アッセイ
トランスグルタミナーゼ遺伝子の発現
細胞培養(ヒト角化細胞)中の細胞培地を、試験物質を伴うか(試験)、伴わない(対照)細胞培地に代える。細胞をさらに規定の時間培養し、収穫し、−80℃で凍結させる。
RNAを抽出するが、この際、各培養は、約200μgのRNAを含有する。溶液をRNA 1μg/μlに調節し、DNアーゼIで処理して、全てのDNA残分を除去する。RNAの量を2μg/mlに調節する。
mRNAをcDNA32P標識試料に転写し、クロマトグラフィーにより精製する。
DNA配列をcDNAチップ膜に固定し、ハイブリッド形成させる(68℃で一晩)。膜を徹底して洗浄し、各膜点の放射能を測定する。放射能の上昇は、対照と比較して、対応するRNAのアップレギュレーションを意味する。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によるトランスグルタミナーゼの決定
ヒト角化細胞を試験物質と共にインキュベーションし、RNAをTri試薬を用いて抽出する。トランスグルタミナーゼのRNAをビオチン化オリゴ(dT)およびSuperscript II逆転写酵素を用いて転写する。LightCycler(Roche)を使用して、測定を実施するが、この際、蛍光を、PCRサイクルの間に連続して測定する。「蛍光」とPCRサイクルの数の比により、トランスグルタミナーゼRNAの相対発現が得られる。
細胞培養でのトランスグルタミナーゼ酵素活性
ヒト角化細胞を培養する。試料を50μMの試験物質と共にインキュベーションし、96時間培養する。使用される陽性対照は、1.5mMのCaCl2であり、使用される陰性対照は、1μMのレチノールである。未処置の試料は、対照として役立つ。TGkを細胞から抽出する。酵素活性を3H−プトレッシンとカゼインとの共有結合により測定する。トリクロロ酢酸を使用して、カゼインを沈殿させ、精製および乾燥の後に、液体シンチレーションにより測定する。
【0126】
実施例3
皮膚に塗布するためのローション(W/O)
重量%

ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ろう 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4 H−クロメン−6−イル]スルホン酸モノエステル 0.5

グリセリン 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
防腐剤 適量
脱塩水 100になるまで
製剤
相Aを75℃まで加温し、相Bを80℃まで加温する。攪拌しながら、相Bを相Aに徐々に加える。均一化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える。
防腐剤として、次のものを使用する。
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%
【0127】
実施例4
皮膚に塗布するためのローション(W/O)
重量%

ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ろう 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0

[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4 H−クロメン−6−イル]スルホン酸モノエステル 1.0
グリセリン 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
防腐剤 適量
脱塩水 100になるまで
製剤
相Aを75℃まで加温し、相Bを80℃まで加温する。攪拌しながら、相Bを相Aに徐々に加える。均一化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える。
防腐剤として、次のものを使用する。
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%
【0128】
実施例5
皮膚に塗布するためのローション(W/O)
重量%

4,6,3’,4’−テトラヒドロキシベンジルクマラノン−3 1.0
ポリグリセリル2−ジポリヒドロキシステアレート 5.0
蜜ろう 0.5
ステアリン酸亜鉛 0.5
ラウリン酸ヘキシル 9.0
イソノナン酸セチル 6.0
シアバター 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 1.0
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4 H−クロメン−6−イル]スルホン酸モノエステル 1.0

グリセリン 5.0
硫酸マグネシウム七水和物 1.0
防腐剤 適量
脱塩水 100になるまで
製剤
相Aを75℃まで加温し、相Bを80℃まで加温する。攪拌しながら、相Bを相Aに徐々に加える。均一化した後に、混合物を攪拌しながら冷却する。香料を40℃の温度で加える。
【0129】
防腐剤として、次のものを使用する。
【0130】
4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
4−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%
【0131】
実施例6
次の成分から、エクトインを含有するクリーム(O/W)を調製する:
重量%

パラフィン、低粘度 (1) 8.0
ミリスチン酸イソプロピル (1) 4.0
Mirasil CM5 (2) 3.0
ステアリル酸 (1) 3.0
Arlacel 165V (3) 5.0
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4 H−クロメン−6−イル]スルホン酸モノエステル 1.0

グリセリン(87%) (1) 3.0
Germaben II (4) 0.5
脱塩水 100になるまで

RonaCareTM エクトイン (1) 1.0
製剤
最初に、相AおよびBを別々に75℃まで加温する。次いで、攪拌しながら、相Aを相Bに徐々に加え、均一な混合物が生じるまで攪拌を続ける。エマルションを均一化した後に、混合物を攪拌しながら30℃まで冷却する。続いて、混合物を35℃まで加温し、相Cを加え、混合物を均一になるまで攪拌する。
供給源
(1) Merck KGaA
(2) Rhodia
(3) Uniqema
(4) ISP
【0132】
実施例7
W/Oエマルションとしての局所組成物
重量%

Isoian PDI (2) 3.0
流動パラフィン (1) 17.0
ミリスチン酸イソプロピル 5.0
蜜ろう 0.2
Cutina HR (2) 0.3
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−H−クロメン−6−イル]スルホン酸モノエステル 1.0

脱塩水 100になるまで
グリセリン(87%) 4.0
硫酸マグネシウム 1.0
Germaben II-E (3) 1.0

RonaCareTM LPO (1) 2.0
製剤
相AおよびBを75℃まで加温する。攪拌しながら、相Bを相Aに加える。続いて、Turraxを9000rpmで2分間使用して、混合物を均一化する。生じた混合物を30から35℃まで冷却し、Cを攪拌導入する。
供給源
(1) Merck KGaA
(2) Goldschmidt AG
(3) ISP
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明のフラボノイド誘導体のUV吸収スペクトルの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステル、その生理学的に許容される塩および溶媒和物。
【請求項2】
シダストルムアクミナトゥム(Sidastrum acuminatum)、シダストルムバレレンス(Sidastrum burrerense)、シダストルムE.G.ベーカー(Sidastrum E.G.Baker)、シダストルムキクランサム(Sidastrum kicranthum)、シダストルムロディエゲンス(Sidastrum lodiegense)、シダストルムマルチフロラム(Sidastrum multiflorum)、シダストルムミクランサム(Sidastrum micranthum)、シダストルムパニクラトゥム(Sidastrum paniculatum)、シダストルムストリクトゥム(Sidastrum strictum)、シダストルムテフアカニュム(Sidastrum tehuacanum)またはシダストルムキンケネルビム(Sidastrum quinquenervium)から選択される植物原料を抽出することにより得られる、[5−ヒドロキシ−7−メトキシ−2−(4’−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−クロメン−8−イル]スルホン酸モノエステル、その生理学的に許容される塩および溶媒和物を含む抽出物。
【請求項3】
シダストルムミクランサム種の植物原料の抽出により得られる、請求項2に記載の抽出物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物を少なくとも含み、場合によって賦形剤および/または補助剤を含む調製物。
【請求項5】
医薬品であることを特徴とする、請求項4に記載の調製物。
【請求項6】
化粧用組成物であることを特徴とする、請求項4に記載の調製物。
【請求項7】
皮膚手入れ用組成物であることを特徴とする、請求項5または6に記載の調製物。
【請求項8】
a)請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物と、
b)皮膚に許容される賦形剤と、
c)場合によって、皮膚ケアおよび/または炎症阻害作用を有する1種または複数のさ らなる活性成分と
を含む局所使用のための調製物。
【請求項9】
1種または複数のUVフィルターをさらに含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の調製物。
【請求項10】
1種または複数のさらなる抗酸化剤を含むことを特徴とする、請求項4ないし9の1項または複数項に記載の調製物。
【請求項11】
フラボノイドおよび/またはクマラノンからなる群から選択される1種または複数のさらなる化合物を含むことを特徴とする、請求項4ないし10の1項または複数項に記載の調製物。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物で強化されていることを特徴とする食品。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物を含むことを特徴とする食品サプリメント。
【請求項14】
化粧品調製物、医薬調製物、請求項11に記載の食品および/または食品サプリメントを調製するための、請求項1に記載の化合物または請求項2または3に記載の抽出物の使用。
【請求項15】
環境の影響、特に乾燥に対する皮膚の耐性を高め、皮膚老化を予防し、皮膚構造を改善し、特に、平滑な皮膚を形成するための医薬および/または化粧品調製物を調製するための、請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物の使用。
【請求項16】
酸化ストレスに対して保護し、アレルギー、炎症および/または刺激を除去するための医薬および/または化粧品製剤を調製するための、請求項1に記載の化合物および/または請求項2または3に記載の抽出物の使用。
【請求項17】
シダストルムアクミナトゥム、シダストルムバレレンス、シダストルムE.G.ベーカー、シダストルムキクランサム、シダストルムロディエゲンス、シダストルムマルチフロラム、シダストルムミクランサム、シダストルムパニクラトゥム、シダストルムストリクトゥム、シダストルムテフアカニュムまたはシダストルムキンケネルビム種の植物原料を抽出することによる、請求項1に記載の化合物を調製する方法。
【請求項18】
使用される植物原料が、シダストルムミクランサムであることを特徴とする、請求項17に記載の方法。


【図1】
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【公表番号】特表2007−513100(P2007−513100A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541814(P2006−541814)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012538
【国際公開番号】WO2005/054222
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】