プラズマ処理装置
【課題】大型基板を処理できるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は、チャンバと、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、前記第1電極上に形成されて前記第1電極と電気的に接続されるコンデンサ部と、前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極と、を含むことを特徴とする。
【解決手段】本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は、チャンバと、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、前記第1電極上に形成されて前記第1電極と電気的に接続されるコンデンサ部と、前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極と、を含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ処理装置に関し、より詳細には大型基板用のプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示パネルまたは太陽電池パネルは、安い費用で大量生産するために、一度に多くのパネルを生産する方法を用いている。液晶表示パネルまたは太陽電池パネルにおいて個別的な大きさは数十センチメートルの規格を有するが、これを一度に製造するために製造工程では一つの大きなパネルを製造した後に、いくつかのパネルに分けて製造される。最近では製造工程で使われる一つの単位パネルの一辺が、少なくとも3m以上のパネルが製造されている。
【0003】
このような大型パネルの製造では既存の半導体の製造工程のように、プラズマを利用した多様な工程が含まれている。プラズマを利用する工程としては、エッチング、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)、スパッタリング法(Sputtering)等がある。しかし、液晶表示パネルまたは太陽電池パネルではプラズマ工程を大型パネルに適用する場合、比較的小さなサイズで製造される半導体とは異なって様々な問題が発生することがある。
【0004】
液晶表示パネルまたは太陽電池パネルの製造に使われるプラズマ処理装置は誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)と2周波重畳の平行平板プラズマ(Capacitively Coupled Plasma:CCP)とが主に採用されている。しかし、均一なプラズマの生成が難しく、高コストであるため、誘導結合プラズマの場合、2m以上の大きさを有するパネルには使われない。平行平板プラズマの場合は装置が単純であり、均一なプラズマの形成が相対的に容易であるため、現在は一辺が2m以上のパネルの製造に使われている。しかし、製造装置がますます大きくなるにつれて、3m以上の大きさを有するパネルを製造する場合、平行平板プラズマでもプラズマの密度が不均一になって、これに伴い、製造されるパネルのプラズマ処理が不均一になる不良が発生して、深刻な問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許7661388号明細書
【特許文献2】特開2008−042117号公報
【特許文献3】特開2008−042115号公報
【特許文献4】特許第4298876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、大型基板を処理できるプラズマ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置はチャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極、前記第1電極上に形成して前記第1電極と電気的に接続するコンデンサ部及び前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記コンデンサ部は複数の定格コンデンサを含んでもよい。
【0009】
また、前記コンデンサ部は前記チャンバ外部で調節が可能な複数の可変コンデンサを含んでもよい。
【0010】
また、前記可変コンデンサの各々は真空コンデンサを含んでもよい。
【0011】
また、前記コンデンサ部はセラミックを含み、前記セラミックはプラズマ密度の補正のために、位置により各々異なる厚さを有してもよい。
【0012】
また、前記セラミックは流入されるガスが移動できる多数の孔が形成された多孔質セラミックを含んでもよい。
【0013】
また、前記第1電極を貫くガス導入部をさらに含み、前記ガス導入部によって供給されたガスが前記多孔質セラミックを通して拡散され、対象基板にプラズマ化学気相成長法を用いてもよい。
【0014】
また、前記第2電極はガスホールをさらに含み、ハニカム構造から形成してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置は、チャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極、前記チャンバと離隔されて前記第1電極の周辺に形成されるバッフルプレート及び前記第1電極の周辺部で発生するプラズマの密度を調節する調節部を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記バッフルプレートは前記チャンバの側壁から離隔されて前記チャンバの内部に配置され、前記調節部は前記チャンバの側壁と前記バッフルプレートの間に配置されてもよい。
【0017】
また、前記調節部は誘電体を含んでもよい。
【0018】
また、前記調節部はローパスフィルタを含んでもよい。
【0019】
また、前記ローパスフィルタはプラズマ生成周波数を遮断し、バイアスに利用される周波数を通過してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置はチャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極及び前記第1電極上に位置して前記第1電極上から移動する前記高周波電力を減殺する抵抗部を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記抵抗部は抵抗率が2.0μ/cm以上の金属を含んでもよい。
【0022】
また、前記抵抗部は、鉄、ニッケル、コバルト、白金のうち一つの金属から構成してもよい。
【0023】
また、前記抵抗部は抵抗率を調節することのできる半導体を含んでもよい。
【0024】
また、前記抵抗部は、窒化ホウ素セラミックを含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プラズマ生成電極の位置により別途のコンデンサを設置して容量を設定することができ、プラズマ生成電極とプラズマ表面との間で発生するシース容量を均一に維持することができる。従って、プラズマを均一に生成することができ、大型基板のプラズマ処理において不均一発生を抑制するプラズマ処理装置を提供することができる。
【0026】
また、本発明によれば、チャンバとバッフルプレートとの間に高インピーダンスの調節部を挿入して対象基板の側面部で発生する不均一現象を抑制することができる。調節部は、低誘電率の誘電体またはローパスフィルタを使うことによって、チャンバの側壁に近いプラズマの密度がわい曲されることを防止するプラズマ処理装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明によれば、プラズマ生成電極の表面に抵抗体を形成することによって、高周波の電源が抵抗体で減殺されて両方向に移動する異なる二つの波形が混合され形成される定在波の発生を防止することができる。従って、電極の位置別に発生する電圧の不均一を抑制し、これによって均一なプラズマを形成するプラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図2】図1のA部分を示す拡大部分構成図である。
【図3】従来のプラズマ処理装置の電波の流れを示す構成図である。
【図4】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図5】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図6】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図7】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図8】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図9】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図10】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図11】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図19】図18の電極部の第2電極を示す平面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図21】図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【図22】図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【図23】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図24】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図25】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図26】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図27】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成図である。図2は図1のA部分を示す拡大部分構成図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置1000はチャンバ140、ガス供給部150、第1電極110、複数のコンデンサ130、及び複数の第2電極120を含む。チャンバ140内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部150はチャンバ140内部で必要なガスを供給する。チャンバ140にはガス供給口141及びガス排出口142が形成され、ガス供給口141を通してガス供給部150と接続される。ガス供給部150のガス供給により圧力を調節する。チャンバ140外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部160及びこれを調節する調整回路161が設置される。高周波電源部160はチャンバ140内部に高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路161は、チャンバ内部140に供給される高周波電源を制御する。調整回路161は供給電極112と電気的に接続され、供給電極112は第1電極110と電気的に接続される。従って、第1電極110には高周波電源が供給される。
【0032】
供給電極112にはプラズマ処理装置の工程により、図示しないが、上部に形成される電極及び処理対象基板を固定するためのチャック、冷却装置及び化学気相成長法(CVD)のための成膜ガス供給部などが形成される。エッチング装置の場合、ガス供給口141を通してガスが引入されてチャンバ140内部に拡散される。このガスは接地電極170内に拡散され、接地電極170の上に形成される多数のシャワーヘッドを通して対象基板10に向かって均一に供給される。チャンバ140内にガスを供給し、圧力を一定に調節し、高周波電源を第1電極110に供給すると、プラズマ20が生成される。
【0033】
第1電極110上には複数のコンデンサ130が形成される。複数のコンデンサ130の各々は第2電極120と電気的に接続され、複数の第2電極120の全体面積は第1電極110の面積と実質的に同一に形成される。第2電極120上にプラズマ処理のための対象基板10が実装される。第2電極120上に実装された対象基板10の上にプラズマ20が形成されて各種プラズマ処理を行うことができるようになる。
【0034】
プラズマ処理では、プラズマ20と対象基板10との間にプラズマシース(sheath)が形成される。プラズマシースは容量成分であり、電極電圧、生成されたプラズマの密度、電子温度などによってその厚さ及び容量成分が決定される。このように生成されたプラズマを利用してエッチング(etching)、スパッタリング法(sputtering)、化学気相成長法(CVD)等のプラズマ処理が行われる。尚、第1電極110、供給電極112、第2電極120の保護のために誘電体が充填される。供給電極112及び第1電極110は第1電極保持誘電体111によって保護され、第2電極120は第2電極保持誘電体121によって保護される。
【0035】
図2を参照すると、プラズマ20及び第1電極110との間の電圧差(V10 V1N)は、プラズマ20と、対象基板10または各々の第2電極120との間のシース電圧(V1SH VNSH)と、第2電極120の各々と第1電極110との間の電圧(V10S VN0S)との和で決定される。第2電極120の各々と第1電極110との間の電圧(V10S VN0S)は、コンデンサの電圧と同一である。プラズマシース30の容量(C1SH CNSH)を制御するために、コンデンサ(C10S CN0S)の各々の容量を制御する。従って、対象基板10上に形成されるプラズマシース30の容量を均一に誘導する。複数のコンデンサ130は第2電極120上に現れる高周波波形の位置にともなう差を減殺する。従って、対象基板10が非常に大きいパネルの場合でも、全体的にプラズマの不均一を減らしながらプラズマ処理ができるようにする。
【0036】
コンデンサ130は定格コンデンサを含む。プラズマ処理装置内でプラズマが不均一に発生する地点に対応する容量の定格コンデンサを設置すると、プラズマ処理装置内のプラズマを均一に分布させることができる。また、高度に均一なプラズマ処理装置を使うために、コンデンサ130は、容量調節可能コンデンサを含んでもよい。またコンデンサ130は反固定コンデンサまたは可変コンデンサを含んでもよい。望ましくは、コンデンサ130は真空コンデンサを含む。真空コンデンサは周辺から簡単に得ることのできるコンデンサである。可変コンデンサはプラズマ処理装置1000が組み立てされた後、第2電極120を分解することなく、容量の調節が可能になることが有利である。これを適用するためには可変コンデンサに別途のモータを装着して外部でのコンデンサの容量を簡単に制御できるように製作される。また、第2電極120上に生成される電圧をモニタするために、別途のモニタ回路を設置してもよい。既に使われている高インピーダンスの電極をモニタ用として接続するのはプラズマ処理装置1000の制御効果をより一層向上させるためである。
【0037】
コンデンサ130の容量は単位面積当たりとして示されるが、100pF/cm2〜0.01pF/cm2の範囲であってもよい。望ましくは、コンデンサ130は、3pF/cm2〜0.05pF/cm2の範囲である。第2電極120の面積を1m2とすると、調整用コンデンサ130の容量範囲は、30000pF〜100pFを用いることが望ましい。
【0038】
図3は従来のプラズマ処理装置の電波の流れを示す構成図である。図4〜図11は、図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【0039】
図3を参照すると、一般的なプラズマ処理装置の電波は、供給電極212に高周波電源200を供給することによって発生される。高周波電源200は供給電極212及び第1電極210の表面に沿って移動するので、第1電極210への電波の移動は、供給電極212と第1電極210が接する所で第1電極210の両端へ行く電波の波形と、第1電極210の両端で再び第1電極210の中心部に戻る電波の波形が異なって形成される。また、第1電極210の表面に流れる電波の定在波201は、第1電極210の位置によって異なって形成される。図3に示したグラフは第1電極210の対応する位置に発生する電波の定在波201を示したものであって、定在波201は第1電極210中心部で最大の振幅202を有し、第1電極210の終端で最小の振幅203を有する。従って、第1電極210の位置により異なる強度の波形を有し、これはまもなく生成されるプラズマの不均一を発生させる。従って、これを調節する必要がある。本発明の実施形態で用いるコンデンサ部130はこのような定在波201の不均一を均一に制御するものである。
【0040】
図4〜図11は電力周波数13.56MHzを採用し、7mの電極でプラズマ生成した時の電極上の電波1、電波2、及びこの定在波、並びに本発明の実施形態で用いるコンデンサを適用したプラズマのシース電圧(補正波)を示すグラフである。
【0041】
一般的にプラズマの生成で採用できる周波数は13.56MHzが主に使われる。しかし、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は2MHz〜60MHzまでの高周波に適用可能である。図4〜図11では13.56MHzを採用している。また、従来のプラズマ処理装置で1辺7mの電極でプラズマ生成した時の電極上の電波1、電波2、定在波を示した。電波1及び電波2は一つの高周波電源で第1電極に電源を供給する場合、中心部から両端へ行く方向が電波1であり、両端から中心部に戻る波形が電波2である。電波1及び電波2の波形の和として定在波が形成される。
【0042】
図4〜図11を参照すると、電波1及び電波2の和が定在波を形成する。図4〜図11は、第1電極の電波1及び電波2の半周期の波形を共に示した。図4〜図11は時間が変化しながら電波1及び電波2が移動する過程である。電波1及び電波2が混合すると、定在波が形成され、振幅の強度は、ほぼ2倍程度で形成される。定在波は、電波1及び電波2がいかなる位相差を有しても最終的には定在波一つの波形が形成されて部分的に振幅が強い所と弱い所が形成される。従って、定在波の分布帯でプラズマの強度が決定され、プラズマは対象基板10上に不均一に形成される。
【0043】
しかし、本発明の実施形態に係る補正波の場合、第2電極120上では均一な分布を示す。補正波は第1電極110上に形成される可変型コンデンサを介して補正を行った後、第2電極120上に形成される波形である。プラズマの密度を1011cm−3にし、電子温度を2eVにして、可変型コンデンサを第2電極120と第1電極110との間に形成して、第2電極120とプラズマ20との間に発生する電位差を示すと、補正波の形態で示される。
【0044】
再び、図4に示すグラフを参照すると、従来のプラズマ処理装置による第1電極210上の定在波の分布は電位差が発生して、中心部において周辺部より相対的に高い電位分布を示しているが、本発明の実施形態の補正波の分布はコンデンサによって補正されることで一定分布を見せていることが分かる。図5〜図11のグラフにおいても同様に、時間の流れにより電波1及び電波2の波形が変化しても、第2電極120の位置による補正波の分布は均一に形成されることが分かる。よって、プラズマの生成が対象基板10にわたって均一に形成されることによって対象基板10のプラズマ処理は均一に発生する。
【0045】
図12〜図13は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【0046】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は第1電極310、コンデンサ部321及び第2電極320を除いては、図1に示すプラズマ処理装置1000と実質的にその構成及び作動原理は同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0047】
本発明の他の実施形態に係る電極部は供給電極312、第1電極310、コンデンサ部321及び第2電極320を含む。コンデンサ部321は一つの誘電体を含む。コンデンサ部321は複数個の可変型コンデンサの代りに、一つの誘電体を含み、第2電極320と第1電極310との間にコンデンサを形成する。この場合、第2電極320の分布によるコンデンサ部321の容量の大きさは、誘電体の厚さに変化を与えることで制御する。図12を参照すると、誘電体の厚さは中心部で厚く形成され、周辺部では薄く形成される。図12に示したように、本発明の実施形態に係るコンデンサは周辺部に行くほどその容量が大きくなることになる。誘電体は周辺部に行くほど薄く形成されてコンデンサの容量はより一層増加する。従って、本発明の他の実施形態では中心部での距離により異なる厚さを有する誘電体を使うことによって、複数個のコンデンサを代替することができる。
【0048】
図13を参照すると、供給電極312及び第1電極が移動可能なように形成される。供給電極312及び第1電極が個別的に移動すると、第1電極310と誘電体との間には別途の空間322が形成される。形成された空間322は第1電極310と第2電極320との距離がより長くなるので、空間322が大きくなるほどコンデンサ部321に形成される容量が小さくなる。従って、空間322の距離を調節しながらコンデンサ部321の容量を制御することが可能になる。
【0049】
図14〜図17は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【0050】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は第2電極125、126、127、128を除いては図1に示すプラズマ処理装置1000の構成及び作動原理が実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0051】
図14〜図17を参照すると、第2電極125、126、127、128は、多様な形態で分割される。第2電極125、126、127、128は各々一つのコンデンサと接続されるので、補正される容量の大きさが同一である。従って、第2電極125、126、127、128の形状はプラズマ処理装置でプラズマの不均一を解消することにおいて大変重要な部分である。第2電極125、126、127、128の分割方法は図14に示したように中心から等間隔で形成される四角形状であってもよい。しかし、一般的に第2電極上に形成される定在波の電位差は等間隔で発生されず、中心部からの距離によって異なる。従って、図15に示したように定在波の差が大きな部分であり、位置により他の間隔を有するように分割することができる。また、図16に示したように第2電極127を正方向の形状で分割することができる。また、図17に示したように第2電極128を円形に近い形態で分割することができる。図17に示した第2電極128のように円形で分割する場合には、中心部からの間隔をより均等にすることができる。また、第2電極125、126、127、128は、数mm〜数十mmの程度で部分的にオーバーラップされるように形成することができる。オーバーラップされた第2電極の部分は電極間の電位の不連続性を減殺させることができる。
【0052】
図18は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。図19は図18の電極部の第2電極を示す平面図である。
【0053】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は電極部を除いて、図1に示すプラズマ処理装置1000の構成及び作動原理が実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0054】
本発明の他の実施形態に係る電極部は化学気相成長法(CVD)で使われる。化学気相成長法(CVD)で用いる時にはプラズマ生成電極側で成膜ガスを供給する必要がある。本発明の他の実施形態に係る電極部は多孔質のセラミック材質の誘電体421を使うことによって、誘電体421に形成される多孔質を通して成膜ガスが供給される。誘電体421はコンデンサの役割とガス供給部の役割を同時に果たす。成膜ガスは第1電極410上に形成される供給管450を通して誘電体421に供給され、誘電体421で拡散して第2電極420上に供給される。誘電体421の多孔質を通して成膜ガスが拡散及び伝達される場合には別途の管を介してガスを供給することにより均一にガスを供給することができる。第2電極420上には供給された成膜ガスを噴出させるガスホール425が形成される。第2電極420はハニカム構造の形状で製作される。第2電極420の中心にガスホール425が形成される。第2電極420は、図14〜図17の実施形態で言及したように多様な形態で製作することができる。
【0055】
図20は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【0056】
図20を参照すると、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置5000はチャンバ540、ガス供給部550、第1電極510、バッフルプレート581及び調節部580を含む。チャンバ540内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部550はチャンバ540内部に必要なガスを供給する。チャンバ540にはガス供給口541及びガス排出口542が形成され、ガス供給口541を通してガス供給部550と接続される。ガス供給部550のガス供給により圧力を調節する。チャンバ540外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部560及びそれを調節する調整回路561が設置される。調整回路561の場合、設計によってはチャンバ540の内部に設置してもよい。高周波電源部560はチャンバ540内部で高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路561はチャンバ内部540に供給する高周波電源を制御する。調整回路561は供給電極512と電気的に接続し、供給電極512は第1電極510と電気的に接続する。従って、第1電極510には高周波電源が供給される。第1電極510上には電気的に接続されて複数個に分割される第2電極520が配置される。また、チャンバ540には内部に供給電極512及び第1電極510を含む接地されたケース515が別途に設置される。ケース515は、発生される静電気などから供給電極512及び第1電極510を保護する。
【0057】
本発明の他の実施形態では第1電極510及び第2電極520の周辺に形成されるバッフルプレート581がチャンバ540の側壁から離隔して形成される。調節部580は、チャンバ540とバッフルプレート581との間に高インピーダンス値を有することによりプラズマの不均一を改善する。調節部580を形成する方法としては、低誘電率の誘電体を挿入する方法と、プラズマ励起周波数を遮断する回路を挿入する方法がある。プラズマ20は第1電極510または第2電極520と接地されたチャンバ540との間に形成されるので、側壁の部分まで形成される。しかし、チャンバ540の側壁部は第1電極510または第2電極520との距離などの条件が異なるので、異なった密度のプラズマが形成されやすい。従って、第1電極510または第2電極520の端部には中心部分と密度が異なるプラズマが形成される。しかし、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置5000は、調節部580によりチャンバ540側壁のインピーダンス低下を防ぐことができるので、均一なプラズマを発生することができる。また、第1電極510及び第2電極520の保護のために誘電体が充填される。前記第1電極510及び第2電極520は電極保持誘電体521によって保護される。
【0058】
図21〜図22は図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【0059】
図21を参照すると、本発明の他の実施形態に係る調節部680は厚く、且つ、低誘電率の誘電体を含む。調節部680はチャンバ540の側壁とバッフルプレート681との間に形成される。図21に示したように、バッフルプレート681にチャンバ540の側壁と対向する側壁を形成し、バッフルプレート681の側壁とチャンバ540の側壁との間に調節部680を形成する。誘電体680は比較的低誘電率の誘電体を含み、具体的には高純度のポリテトラフルオロエチレンまたは石英などを含む。誘電体680の厚さは5mm以上、望ましくは1cm以上である。従って、誘電体680は高いインピーダンス値を有して、プラズマ20形成に少ない影響を及ぼし、プラズマは均一に形成される。
【0060】
図22を参照すると、本発明の他の実施形態に係る調節部780は、ローパスフィルタ710を含む。ローパスフィルタ710はチャンバ540の側壁とバッフルプレート781との間に形成されてプラズマ励起周波数を遮断する。ローパスフィルタ710は遮断する周波数をプラズマ生成で利用している周波数を高周波数にし、通過する周波数はバイアス用で用いる周波数にする。実際にプラズマ生成で採用できる周波数は、1MHzから60MHzまで効果がある。ローパスフィルタ710は導体711、抵抗体712、及び誘電体713から形成される。ローパスフィルタ710は並列共振回路から構成される。ローパスフィルタ710の周辺にはプラズマが進入しないように別途の誘電体壁720を形成する。このローパスフィルタ710は接地電位に対して高インピーダンスを生じさせる。ローパスフィルタ710により電極の長さが1m以上の大型プラズマ処理装置や、電極の最大長と電極間の距離の比が3以上の構造のプラズマ処理装置において、周辺部のプラズマ密度の上昇を抑制する。従って、均一なプラズマ処理ができる。
【0061】
図23は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。図24〜図27は、従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極による電波の分布を示すグラフである。
【0062】
図23を参照すると、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置8000はチャンバ840、ガス供給部850、第1電極810、及び抵抗部890を含む。チャンバ840内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部850はチャンバ840内部に必要なガスを供給する。チャンバ840にはガス供給口841及びガス排出口842が形成され、ガス供給口841を通じてガス供給部850と接続される。ガス供給部850のガス供給により圧力を調節する。チャンバ840外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部860及びそれを調節する調整回路861が設置される。高周波電源部860はチャンバ840内部に高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路861はチャンバ内部840に供給する高周波電源を制御する。調整回路861は供給電極812と電気的に接続し、供給電極812は第1電極810と電気的に接続される。従って、第1電極510には高周波電源が供給される。また、供給電極812及び第1電極810の保護のために誘電体が充填される。供給電極812及び第1電極810は、電極保持誘電体811によって保護される。
【0063】
本発明の他の実施形態では第1電極810上に抵抗部890を含む。抵抗部890は抵抗体シーツで製作されて第1電極810上に取り付ける形で形成される。抵抗部890は定在波を発生させずに、均一なプラズマ処理を可能にする。抵抗体890は、鉄、ニッケル、コバルト、白金などの抵抗率が2.0μ/cm以上ある材料またはこれらの合金を含む。また、抵抗体890は燐またはホウ素などが混入されたシリコン、抵抗率を調整することのできる半導体、電気抵抗を有するセラミックなどが含まれる。プラズマ密度の均一性は、抵抗部890の抵抗率を調整することで達成される。
【0064】
図24及び図25を参照すると、従来のプラズマ処理装置において移動する電波は均一な振幅で進行する。従って、図24に示した波形及び図25に示した波形を合算すると、定在波が形成される。定在波は、一つの独立した波として、振幅は高点と低点を有することになってプラズマの不均一を招くことは図4〜図11に示すグラフで説明した。
【0065】
図26及び図27を参照すると、本発明の他の実施形態の抵抗部890で移動する電波は電波が移動するということによって振幅が減殺される。図26及び図27に示したように、移動により減殺される電波は定在波を形成せず、NODEも発生しない。従って、抵抗部890には均一なエネルギー分布を有するようになり、対象基板10のプラズマ処理を均一にできる。抵抗部890がエネルギーを吸収して定在波自体を遮断する方法をもってプラズマの均一性を誘導する。
【0066】
以上、説明したように、本発明の実施形態によると、プラズマ生成電極の位置により別途のコンデンサを設置して容量を設定することができ、プラズマ生成電極とプラズマ表面との間で発生するシース容量を均一に維持することができる。従って、プラズマを均一に生成することができ、大型基板のプラズマ処理において不均一な発生を抑制することができる。コンデンサは可変型コンデンサまたは位置により異なる厚さを有するセラミックを利用することができる。また、第2電極に成膜ガスのためのガスホールを形成することによって、より均一に化学気相成長法(CVD)を進行することができる。
【0067】
なお、チャンバとバッフルプレートとの間に高インピーダンスの調節部を挿入して対象基板の側面部で発生する不均一現象を抑制する。調節部は低誘電率の誘電体またはローパスフィルタを使うことができるが、これによって、チャンバの側壁に近いプラズマの密度がわい曲されることが防止される。ローパスフィルタを適用する場合、チャンバ側壁を通じる電波を周波数別に選別できてより一層効果的にプラズマの均一性を確保することができる。
【0068】
また、プラズマ生成電極の表面に抵抗体を形成することによって、高周波の電源が抵抗体で減殺されて両方向に移動する異なる二つの波形が混合して形成される定在波の発生を防止することができる。従って、電極の位置別に発生する電圧の不均一を抑制し、これによって均一なプラズマが形成できるようになる。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0070】
10…対象基板、20…プラズマ、1000…プラズマ処理装置、110…第1電極、120…第2電極、130…コンデンサ部、140…チャンバ、160…高周波電源、5000…プラズマ処理装置、510…第1電極、520…第2電極、540…チャンバ、580…調節部、581…バッフルプレート、560…高周波電源、8000…プラズマ処理装置、810…第1電極、840…チャンバ、890…抵抗部、860…高周波電源。
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマ処理装置に関し、より詳細には大型基板用のプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示パネルまたは太陽電池パネルは、安い費用で大量生産するために、一度に多くのパネルを生産する方法を用いている。液晶表示パネルまたは太陽電池パネルにおいて個別的な大きさは数十センチメートルの規格を有するが、これを一度に製造するために製造工程では一つの大きなパネルを製造した後に、いくつかのパネルに分けて製造される。最近では製造工程で使われる一つの単位パネルの一辺が、少なくとも3m以上のパネルが製造されている。
【0003】
このような大型パネルの製造では既存の半導体の製造工程のように、プラズマを利用した多様な工程が含まれている。プラズマを利用する工程としては、エッチング、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD)、スパッタリング法(Sputtering)等がある。しかし、液晶表示パネルまたは太陽電池パネルではプラズマ工程を大型パネルに適用する場合、比較的小さなサイズで製造される半導体とは異なって様々な問題が発生することがある。
【0004】
液晶表示パネルまたは太陽電池パネルの製造に使われるプラズマ処理装置は誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)と2周波重畳の平行平板プラズマ(Capacitively Coupled Plasma:CCP)とが主に採用されている。しかし、均一なプラズマの生成が難しく、高コストであるため、誘導結合プラズマの場合、2m以上の大きさを有するパネルには使われない。平行平板プラズマの場合は装置が単純であり、均一なプラズマの形成が相対的に容易であるため、現在は一辺が2m以上のパネルの製造に使われている。しかし、製造装置がますます大きくなるにつれて、3m以上の大きさを有するパネルを製造する場合、平行平板プラズマでもプラズマの密度が不均一になって、これに伴い、製造されるパネルのプラズマ処理が不均一になる不良が発生して、深刻な問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許7661388号明細書
【特許文献2】特開2008−042117号公報
【特許文献3】特開2008−042115号公報
【特許文献4】特許第4298876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、大型基板を処理できるプラズマ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置はチャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極、前記第1電極上に形成して前記第1電極と電気的に接続するコンデンサ部及び前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前記コンデンサ部は複数の定格コンデンサを含んでもよい。
【0009】
また、前記コンデンサ部は前記チャンバ外部で調節が可能な複数の可変コンデンサを含んでもよい。
【0010】
また、前記可変コンデンサの各々は真空コンデンサを含んでもよい。
【0011】
また、前記コンデンサ部はセラミックを含み、前記セラミックはプラズマ密度の補正のために、位置により各々異なる厚さを有してもよい。
【0012】
また、前記セラミックは流入されるガスが移動できる多数の孔が形成された多孔質セラミックを含んでもよい。
【0013】
また、前記第1電極を貫くガス導入部をさらに含み、前記ガス導入部によって供給されたガスが前記多孔質セラミックを通して拡散され、対象基板にプラズマ化学気相成長法を用いてもよい。
【0014】
また、前記第2電極はガスホールをさらに含み、ハニカム構造から形成してもよい。
【0015】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置は、チャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極、前記チャンバと離隔されて前記第1電極の周辺に形成されるバッフルプレート及び前記第1電極の周辺部で発生するプラズマの密度を調節する調節部を含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記バッフルプレートは前記チャンバの側壁から離隔されて前記チャンバの内部に配置され、前記調節部は前記チャンバの側壁と前記バッフルプレートの間に配置されてもよい。
【0017】
また、前記調節部は誘電体を含んでもよい。
【0018】
また、前記調節部はローパスフィルタを含んでもよい。
【0019】
また、前記ローパスフィルタはプラズマ生成周波数を遮断し、バイアスに利用される周波数を通過してもよい。
【0020】
本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置はチャンバ、前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部、前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極及び前記第1電極上に位置して前記第1電極上から移動する前記高周波電力を減殺する抵抗部を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記抵抗部は抵抗率が2.0μ/cm以上の金属を含んでもよい。
【0022】
また、前記抵抗部は、鉄、ニッケル、コバルト、白金のうち一つの金属から構成してもよい。
【0023】
また、前記抵抗部は抵抗率を調節することのできる半導体を含んでもよい。
【0024】
また、前記抵抗部は、窒化ホウ素セラミックを含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、プラズマ生成電極の位置により別途のコンデンサを設置して容量を設定することができ、プラズマ生成電極とプラズマ表面との間で発生するシース容量を均一に維持することができる。従って、プラズマを均一に生成することができ、大型基板のプラズマ処理において不均一発生を抑制するプラズマ処理装置を提供することができる。
【0026】
また、本発明によれば、チャンバとバッフルプレートとの間に高インピーダンスの調節部を挿入して対象基板の側面部で発生する不均一現象を抑制することができる。調節部は、低誘電率の誘電体またはローパスフィルタを使うことによって、チャンバの側壁に近いプラズマの密度がわい曲されることを防止するプラズマ処理装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明によれば、プラズマ生成電極の表面に抵抗体を形成することによって、高周波の電源が抵抗体で減殺されて両方向に移動する異なる二つの波形が混合され形成される定在波の発生を防止することができる。従って、電極の位置別に発生する電圧の不均一を抑制し、これによって均一なプラズマを形成するプラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図2】図1のA部分を示す拡大部分構成図である。
【図3】従来のプラズマ処理装置の電波の流れを示す構成図である。
【図4】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図5】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図6】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図7】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図8】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図9】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図10】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図11】図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図13】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図16】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図17】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【図18】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【図19】図18の電極部の第2電極を示す平面図である。
【図20】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図21】図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【図22】図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【図23】本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【図24】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図25】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図26】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【図27】従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極に従う電波の分布を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の構成図である。図2は図1のA部分を示す拡大部分構成図である。
【0031】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置1000はチャンバ140、ガス供給部150、第1電極110、複数のコンデンサ130、及び複数の第2電極120を含む。チャンバ140内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部150はチャンバ140内部で必要なガスを供給する。チャンバ140にはガス供給口141及びガス排出口142が形成され、ガス供給口141を通してガス供給部150と接続される。ガス供給部150のガス供給により圧力を調節する。チャンバ140外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部160及びこれを調節する調整回路161が設置される。高周波電源部160はチャンバ140内部に高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路161は、チャンバ内部140に供給される高周波電源を制御する。調整回路161は供給電極112と電気的に接続され、供給電極112は第1電極110と電気的に接続される。従って、第1電極110には高周波電源が供給される。
【0032】
供給電極112にはプラズマ処理装置の工程により、図示しないが、上部に形成される電極及び処理対象基板を固定するためのチャック、冷却装置及び化学気相成長法(CVD)のための成膜ガス供給部などが形成される。エッチング装置の場合、ガス供給口141を通してガスが引入されてチャンバ140内部に拡散される。このガスは接地電極170内に拡散され、接地電極170の上に形成される多数のシャワーヘッドを通して対象基板10に向かって均一に供給される。チャンバ140内にガスを供給し、圧力を一定に調節し、高周波電源を第1電極110に供給すると、プラズマ20が生成される。
【0033】
第1電極110上には複数のコンデンサ130が形成される。複数のコンデンサ130の各々は第2電極120と電気的に接続され、複数の第2電極120の全体面積は第1電極110の面積と実質的に同一に形成される。第2電極120上にプラズマ処理のための対象基板10が実装される。第2電極120上に実装された対象基板10の上にプラズマ20が形成されて各種プラズマ処理を行うことができるようになる。
【0034】
プラズマ処理では、プラズマ20と対象基板10との間にプラズマシース(sheath)が形成される。プラズマシースは容量成分であり、電極電圧、生成されたプラズマの密度、電子温度などによってその厚さ及び容量成分が決定される。このように生成されたプラズマを利用してエッチング(etching)、スパッタリング法(sputtering)、化学気相成長法(CVD)等のプラズマ処理が行われる。尚、第1電極110、供給電極112、第2電極120の保護のために誘電体が充填される。供給電極112及び第1電極110は第1電極保持誘電体111によって保護され、第2電極120は第2電極保持誘電体121によって保護される。
【0035】
図2を参照すると、プラズマ20及び第1電極110との間の電圧差(V10 V1N)は、プラズマ20と、対象基板10または各々の第2電極120との間のシース電圧(V1SH VNSH)と、第2電極120の各々と第1電極110との間の電圧(V10S VN0S)との和で決定される。第2電極120の各々と第1電極110との間の電圧(V10S VN0S)は、コンデンサの電圧と同一である。プラズマシース30の容量(C1SH CNSH)を制御するために、コンデンサ(C10S CN0S)の各々の容量を制御する。従って、対象基板10上に形成されるプラズマシース30の容量を均一に誘導する。複数のコンデンサ130は第2電極120上に現れる高周波波形の位置にともなう差を減殺する。従って、対象基板10が非常に大きいパネルの場合でも、全体的にプラズマの不均一を減らしながらプラズマ処理ができるようにする。
【0036】
コンデンサ130は定格コンデンサを含む。プラズマ処理装置内でプラズマが不均一に発生する地点に対応する容量の定格コンデンサを設置すると、プラズマ処理装置内のプラズマを均一に分布させることができる。また、高度に均一なプラズマ処理装置を使うために、コンデンサ130は、容量調節可能コンデンサを含んでもよい。またコンデンサ130は反固定コンデンサまたは可変コンデンサを含んでもよい。望ましくは、コンデンサ130は真空コンデンサを含む。真空コンデンサは周辺から簡単に得ることのできるコンデンサである。可変コンデンサはプラズマ処理装置1000が組み立てされた後、第2電極120を分解することなく、容量の調節が可能になることが有利である。これを適用するためには可変コンデンサに別途のモータを装着して外部でのコンデンサの容量を簡単に制御できるように製作される。また、第2電極120上に生成される電圧をモニタするために、別途のモニタ回路を設置してもよい。既に使われている高インピーダンスの電極をモニタ用として接続するのはプラズマ処理装置1000の制御効果をより一層向上させるためである。
【0037】
コンデンサ130の容量は単位面積当たりとして示されるが、100pF/cm2〜0.01pF/cm2の範囲であってもよい。望ましくは、コンデンサ130は、3pF/cm2〜0.05pF/cm2の範囲である。第2電極120の面積を1m2とすると、調整用コンデンサ130の容量範囲は、30000pF〜100pFを用いることが望ましい。
【0038】
図3は従来のプラズマ処理装置の電波の流れを示す構成図である。図4〜図11は、図1及び図3のプラズマ処理装置の電極で電波の分布を示すグラフである。
【0039】
図3を参照すると、一般的なプラズマ処理装置の電波は、供給電極212に高周波電源200を供給することによって発生される。高周波電源200は供給電極212及び第1電極210の表面に沿って移動するので、第1電極210への電波の移動は、供給電極212と第1電極210が接する所で第1電極210の両端へ行く電波の波形と、第1電極210の両端で再び第1電極210の中心部に戻る電波の波形が異なって形成される。また、第1電極210の表面に流れる電波の定在波201は、第1電極210の位置によって異なって形成される。図3に示したグラフは第1電極210の対応する位置に発生する電波の定在波201を示したものであって、定在波201は第1電極210中心部で最大の振幅202を有し、第1電極210の終端で最小の振幅203を有する。従って、第1電極210の位置により異なる強度の波形を有し、これはまもなく生成されるプラズマの不均一を発生させる。従って、これを調節する必要がある。本発明の実施形態で用いるコンデンサ部130はこのような定在波201の不均一を均一に制御するものである。
【0040】
図4〜図11は電力周波数13.56MHzを採用し、7mの電極でプラズマ生成した時の電極上の電波1、電波2、及びこの定在波、並びに本発明の実施形態で用いるコンデンサを適用したプラズマのシース電圧(補正波)を示すグラフである。
【0041】
一般的にプラズマの生成で採用できる周波数は13.56MHzが主に使われる。しかし、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置は2MHz〜60MHzまでの高周波に適用可能である。図4〜図11では13.56MHzを採用している。また、従来のプラズマ処理装置で1辺7mの電極でプラズマ生成した時の電極上の電波1、電波2、定在波を示した。電波1及び電波2は一つの高周波電源で第1電極に電源を供給する場合、中心部から両端へ行く方向が電波1であり、両端から中心部に戻る波形が電波2である。電波1及び電波2の波形の和として定在波が形成される。
【0042】
図4〜図11を参照すると、電波1及び電波2の和が定在波を形成する。図4〜図11は、第1電極の電波1及び電波2の半周期の波形を共に示した。図4〜図11は時間が変化しながら電波1及び電波2が移動する過程である。電波1及び電波2が混合すると、定在波が形成され、振幅の強度は、ほぼ2倍程度で形成される。定在波は、電波1及び電波2がいかなる位相差を有しても最終的には定在波一つの波形が形成されて部分的に振幅が強い所と弱い所が形成される。従って、定在波の分布帯でプラズマの強度が決定され、プラズマは対象基板10上に不均一に形成される。
【0043】
しかし、本発明の実施形態に係る補正波の場合、第2電極120上では均一な分布を示す。補正波は第1電極110上に形成される可変型コンデンサを介して補正を行った後、第2電極120上に形成される波形である。プラズマの密度を1011cm−3にし、電子温度を2eVにして、可変型コンデンサを第2電極120と第1電極110との間に形成して、第2電極120とプラズマ20との間に発生する電位差を示すと、補正波の形態で示される。
【0044】
再び、図4に示すグラフを参照すると、従来のプラズマ処理装置による第1電極210上の定在波の分布は電位差が発生して、中心部において周辺部より相対的に高い電位分布を示しているが、本発明の実施形態の補正波の分布はコンデンサによって補正されることで一定分布を見せていることが分かる。図5〜図11のグラフにおいても同様に、時間の流れにより電波1及び電波2の波形が変化しても、第2電極120の位置による補正波の分布は均一に形成されることが分かる。よって、プラズマの生成が対象基板10にわたって均一に形成されることによって対象基板10のプラズマ処理は均一に発生する。
【0045】
図12〜図13は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。
【0046】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は第1電極310、コンデンサ部321及び第2電極320を除いては、図1に示すプラズマ処理装置1000と実質的にその構成及び作動原理は同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0047】
本発明の他の実施形態に係る電極部は供給電極312、第1電極310、コンデンサ部321及び第2電極320を含む。コンデンサ部321は一つの誘電体を含む。コンデンサ部321は複数個の可変型コンデンサの代りに、一つの誘電体を含み、第2電極320と第1電極310との間にコンデンサを形成する。この場合、第2電極320の分布によるコンデンサ部321の容量の大きさは、誘電体の厚さに変化を与えることで制御する。図12を参照すると、誘電体の厚さは中心部で厚く形成され、周辺部では薄く形成される。図12に示したように、本発明の実施形態に係るコンデンサは周辺部に行くほどその容量が大きくなることになる。誘電体は周辺部に行くほど薄く形成されてコンデンサの容量はより一層増加する。従って、本発明の他の実施形態では中心部での距離により異なる厚さを有する誘電体を使うことによって、複数個のコンデンサを代替することができる。
【0048】
図13を参照すると、供給電極312及び第1電極が移動可能なように形成される。供給電極312及び第1電極が個別的に移動すると、第1電極310と誘電体との間には別途の空間322が形成される。形成された空間322は第1電極310と第2電極320との距離がより長くなるので、空間322が大きくなるほどコンデンサ部321に形成される容量が小さくなる。従って、空間322の距離を調節しながらコンデンサ部321の容量を制御することが可能になる。
【0049】
図14〜図17は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の第2電極を示す平面図である。
【0050】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は第2電極125、126、127、128を除いては図1に示すプラズマ処理装置1000の構成及び作動原理が実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0051】
図14〜図17を参照すると、第2電極125、126、127、128は、多様な形態で分割される。第2電極125、126、127、128は各々一つのコンデンサと接続されるので、補正される容量の大きさが同一である。従って、第2電極125、126、127、128の形状はプラズマ処理装置でプラズマの不均一を解消することにおいて大変重要な部分である。第2電極125、126、127、128の分割方法は図14に示したように中心から等間隔で形成される四角形状であってもよい。しかし、一般的に第2電極上に形成される定在波の電位差は等間隔で発生されず、中心部からの距離によって異なる。従って、図15に示したように定在波の差が大きな部分であり、位置により他の間隔を有するように分割することができる。また、図16に示したように第2電極127を正方向の形状で分割することができる。また、図17に示したように第2電極128を円形に近い形態で分割することができる。図17に示した第2電極128のように円形で分割する場合には、中心部からの間隔をより均等にすることができる。また、第2電極125、126、127、128は、数mm〜数十mmの程度で部分的にオーバーラップされるように形成することができる。オーバーラップされた第2電極の部分は電極間の電位の不連続性を減殺させることができる。
【0052】
図18は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置の電極部を示す構成図である。図19は図18の電極部の第2電極を示す平面図である。
【0053】
本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置は電極部を除いて、図1に示すプラズマ処理装置1000の構成及び作動原理が実質的に同一である。従って、重複する説明は省略する。
【0054】
本発明の他の実施形態に係る電極部は化学気相成長法(CVD)で使われる。化学気相成長法(CVD)で用いる時にはプラズマ生成電極側で成膜ガスを供給する必要がある。本発明の他の実施形態に係る電極部は多孔質のセラミック材質の誘電体421を使うことによって、誘電体421に形成される多孔質を通して成膜ガスが供給される。誘電体421はコンデンサの役割とガス供給部の役割を同時に果たす。成膜ガスは第1電極410上に形成される供給管450を通して誘電体421に供給され、誘電体421で拡散して第2電極420上に供給される。誘電体421の多孔質を通して成膜ガスが拡散及び伝達される場合には別途の管を介してガスを供給することにより均一にガスを供給することができる。第2電極420上には供給された成膜ガスを噴出させるガスホール425が形成される。第2電極420はハニカム構造の形状で製作される。第2電極420の中心にガスホール425が形成される。第2電極420は、図14〜図17の実施形態で言及したように多様な形態で製作することができる。
【0055】
図20は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。
【0056】
図20を参照すると、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置5000はチャンバ540、ガス供給部550、第1電極510、バッフルプレート581及び調節部580を含む。チャンバ540内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部550はチャンバ540内部に必要なガスを供給する。チャンバ540にはガス供給口541及びガス排出口542が形成され、ガス供給口541を通してガス供給部550と接続される。ガス供給部550のガス供給により圧力を調節する。チャンバ540外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部560及びそれを調節する調整回路561が設置される。調整回路561の場合、設計によってはチャンバ540の内部に設置してもよい。高周波電源部560はチャンバ540内部で高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路561はチャンバ内部540に供給する高周波電源を制御する。調整回路561は供給電極512と電気的に接続し、供給電極512は第1電極510と電気的に接続する。従って、第1電極510には高周波電源が供給される。第1電極510上には電気的に接続されて複数個に分割される第2電極520が配置される。また、チャンバ540には内部に供給電極512及び第1電極510を含む接地されたケース515が別途に設置される。ケース515は、発生される静電気などから供給電極512及び第1電極510を保護する。
【0057】
本発明の他の実施形態では第1電極510及び第2電極520の周辺に形成されるバッフルプレート581がチャンバ540の側壁から離隔して形成される。調節部580は、チャンバ540とバッフルプレート581との間に高インピーダンス値を有することによりプラズマの不均一を改善する。調節部580を形成する方法としては、低誘電率の誘電体を挿入する方法と、プラズマ励起周波数を遮断する回路を挿入する方法がある。プラズマ20は第1電極510または第2電極520と接地されたチャンバ540との間に形成されるので、側壁の部分まで形成される。しかし、チャンバ540の側壁部は第1電極510または第2電極520との距離などの条件が異なるので、異なった密度のプラズマが形成されやすい。従って、第1電極510または第2電極520の端部には中心部分と密度が異なるプラズマが形成される。しかし、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置5000は、調節部580によりチャンバ540側壁のインピーダンス低下を防ぐことができるので、均一なプラズマを発生することができる。また、第1電極510及び第2電極520の保護のために誘電体が充填される。前記第1電極510及び第2電極520は電極保持誘電体521によって保護される。
【0058】
図21〜図22は図20のB部分を示す拡大部分構成図である。
【0059】
図21を参照すると、本発明の他の実施形態に係る調節部680は厚く、且つ、低誘電率の誘電体を含む。調節部680はチャンバ540の側壁とバッフルプレート681との間に形成される。図21に示したように、バッフルプレート681にチャンバ540の側壁と対向する側壁を形成し、バッフルプレート681の側壁とチャンバ540の側壁との間に調節部680を形成する。誘電体680は比較的低誘電率の誘電体を含み、具体的には高純度のポリテトラフルオロエチレンまたは石英などを含む。誘電体680の厚さは5mm以上、望ましくは1cm以上である。従って、誘電体680は高いインピーダンス値を有して、プラズマ20形成に少ない影響を及ぼし、プラズマは均一に形成される。
【0060】
図22を参照すると、本発明の他の実施形態に係る調節部780は、ローパスフィルタ710を含む。ローパスフィルタ710はチャンバ540の側壁とバッフルプレート781との間に形成されてプラズマ励起周波数を遮断する。ローパスフィルタ710は遮断する周波数をプラズマ生成で利用している周波数を高周波数にし、通過する周波数はバイアス用で用いる周波数にする。実際にプラズマ生成で採用できる周波数は、1MHzから60MHzまで効果がある。ローパスフィルタ710は導体711、抵抗体712、及び誘電体713から形成される。ローパスフィルタ710は並列共振回路から構成される。ローパスフィルタ710の周辺にはプラズマが進入しないように別途の誘電体壁720を形成する。このローパスフィルタ710は接地電位に対して高インピーダンスを生じさせる。ローパスフィルタ710により電極の長さが1m以上の大型プラズマ処理装置や、電極の最大長と電極間の距離の比が3以上の構造のプラズマ処理装置において、周辺部のプラズマ密度の上昇を抑制する。従って、均一なプラズマ処理ができる。
【0061】
図23は本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置を示す構成図である。図24〜図27は、従来のプラズマ処理装置及び図23のプラズマ処理装置において電極による電波の分布を示すグラフである。
【0062】
図23を参照すると、本発明の他の実施形態に係るプラズマ処理装置8000はチャンバ840、ガス供給部850、第1電極810、及び抵抗部890を含む。チャンバ840内部はプラズマ処理のためのプラズマが形成される空間である。ガス供給部850はチャンバ840内部に必要なガスを供給する。チャンバ840にはガス供給口841及びガス排出口842が形成され、ガス供給口841を通じてガス供給部850と接続される。ガス供給部850のガス供給により圧力を調節する。チャンバ840外部には高周波(Radio Frequency:RF)電源部860及びそれを調節する調整回路861が設置される。高周波電源部860はチャンバ840内部に高周波電源(RF Power)を供給する。調整回路861はチャンバ内部840に供給する高周波電源を制御する。調整回路861は供給電極812と電気的に接続し、供給電極812は第1電極810と電気的に接続される。従って、第1電極510には高周波電源が供給される。また、供給電極812及び第1電極810の保護のために誘電体が充填される。供給電極812及び第1電極810は、電極保持誘電体811によって保護される。
【0063】
本発明の他の実施形態では第1電極810上に抵抗部890を含む。抵抗部890は抵抗体シーツで製作されて第1電極810上に取り付ける形で形成される。抵抗部890は定在波を発生させずに、均一なプラズマ処理を可能にする。抵抗体890は、鉄、ニッケル、コバルト、白金などの抵抗率が2.0μ/cm以上ある材料またはこれらの合金を含む。また、抵抗体890は燐またはホウ素などが混入されたシリコン、抵抗率を調整することのできる半導体、電気抵抗を有するセラミックなどが含まれる。プラズマ密度の均一性は、抵抗部890の抵抗率を調整することで達成される。
【0064】
図24及び図25を参照すると、従来のプラズマ処理装置において移動する電波は均一な振幅で進行する。従って、図24に示した波形及び図25に示した波形を合算すると、定在波が形成される。定在波は、一つの独立した波として、振幅は高点と低点を有することになってプラズマの不均一を招くことは図4〜図11に示すグラフで説明した。
【0065】
図26及び図27を参照すると、本発明の他の実施形態の抵抗部890で移動する電波は電波が移動するということによって振幅が減殺される。図26及び図27に示したように、移動により減殺される電波は定在波を形成せず、NODEも発生しない。従って、抵抗部890には均一なエネルギー分布を有するようになり、対象基板10のプラズマ処理を均一にできる。抵抗部890がエネルギーを吸収して定在波自体を遮断する方法をもってプラズマの均一性を誘導する。
【0066】
以上、説明したように、本発明の実施形態によると、プラズマ生成電極の位置により別途のコンデンサを設置して容量を設定することができ、プラズマ生成電極とプラズマ表面との間で発生するシース容量を均一に維持することができる。従って、プラズマを均一に生成することができ、大型基板のプラズマ処理において不均一な発生を抑制することができる。コンデンサは可変型コンデンサまたは位置により異なる厚さを有するセラミックを利用することができる。また、第2電極に成膜ガスのためのガスホールを形成することによって、より均一に化学気相成長法(CVD)を進行することができる。
【0067】
なお、チャンバとバッフルプレートとの間に高インピーダンスの調節部を挿入して対象基板の側面部で発生する不均一現象を抑制する。調節部は低誘電率の誘電体またはローパスフィルタを使うことができるが、これによって、チャンバの側壁に近いプラズマの密度がわい曲されることが防止される。ローパスフィルタを適用する場合、チャンバ側壁を通じる電波を周波数別に選別できてより一層効果的にプラズマの均一性を確保することができる。
【0068】
また、プラズマ生成電極の表面に抵抗体を形成することによって、高周波の電源が抵抗体で減殺されて両方向に移動する異なる二つの波形が混合して形成される定在波の発生を防止することができる。従って、電極の位置別に発生する電圧の不均一を抑制し、これによって均一なプラズマが形成できるようになる。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0070】
10…対象基板、20…プラズマ、1000…プラズマ処理装置、110…第1電極、120…第2電極、130…コンデンサ部、140…チャンバ、160…高周波電源、5000…プラズマ処理装置、510…第1電極、520…第2電極、540…チャンバ、580…調節部、581…バッフルプレート、560…高周波電源、8000…プラズマ処理装置、810…第1電極、840…チャンバ、890…抵抗部、860…高周波電源。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、
前記第1電極上に形成されて前記第1電極と電気的に接続されるコンデンサ部と、
前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記コンデンサ部は複数の定格コンデンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記コンデンサ部は前記チャンバ外部で調節が可能な複数の可変コンデンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記可変コンデンサ各々は真空コンデンサを含むことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記コンデンサ部はセラミックを含み、前記セラミックはプラズマ密度の補正のために、位置に従って各々異なる厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記セラミックは流入するガスが移動できる多数の孔が形成された多孔質セラミックを含むことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第1電極を貫通するガス導入部をさらに含み、
前記ガス導入部によって供給されたガスが前記多孔質セラミックを通して拡散され、対象基板にプラズマ化学気相成長法を用いることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記第2電極はガスホールをさらに含み、ハニカム構造から形成されることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、
前記チャンバと離隔されて前記第1電極の周辺に形成されるバッフルプレートと、
前記第1電極の周辺部で発生するプラズマの密度を調節する調節部と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記バッフルプレートは前記チャンバの側壁から離隔されて前記チャンバの内部に配置され、前記調節部は前記チャンバの側壁と前記バッフルプレートとの間に配置されることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記調節部は誘電体を含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記調節部はローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記ローパスフィルタはプラズマ生成周波数を遮断し、バイアスに利用する周波数を通過させることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置されて高周波電力が印加される第1電極と、
前記第1電極上に位置して前記第1電極上に移動する前記高周波電力を減殺する抵抗部と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記抵抗部は抵抗率が2.0μ/cm以上の金属を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記抵抗部は、鉄、ニッケル、コバルト、白金のうちの一つの金属を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記抵抗部は抵抗率が調節できる半導体を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記抵抗部は窒化ホウ素セラミックを含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項1】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、
前記第1電極上に形成されて前記第1電極と電気的に接続されるコンデンサ部と、
前記コンデンサ部上に形成されて前記コンデンサ部と電気的に接続される複数の第2電極と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記コンデンサ部は複数の定格コンデンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記コンデンサ部は前記チャンバ外部で調節が可能な複数の可変コンデンサを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記可変コンデンサ各々は真空コンデンサを含むことを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記コンデンサ部はセラミックを含み、前記セラミックはプラズマ密度の補正のために、位置に従って各々異なる厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記セラミックは流入するガスが移動できる多数の孔が形成された多孔質セラミックを含むことを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記第1電極を貫通するガス導入部をさらに含み、
前記ガス導入部によって供給されたガスが前記多孔質セラミックを通して拡散され、対象基板にプラズマ化学気相成長法を用いることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記第2電極はガスホールをさらに含み、ハニカム構造から形成されることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置され、高周波電力が印加される第1電極と、
前記チャンバと離隔されて前記第1電極の周辺に形成されるバッフルプレートと、
前記第1電極の周辺部で発生するプラズマの密度を調節する調節部と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記バッフルプレートは前記チャンバの側壁から離隔されて前記チャンバの内部に配置され、前記調節部は前記チャンバの側壁と前記バッフルプレートとの間に配置されることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記調節部は誘電体を含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記調節部はローパスフィルタを含むことを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記ローパスフィルタはプラズマ生成周波数を遮断し、バイアスに利用する周波数を通過させることを特徴とする請求項12に記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
チャンバと、
前記チャンバ内に必要なガスを供給するガス供給部と、
前記チャンバ内に配置されて高周波電力が印加される第1電極と、
前記第1電極上に位置して前記第1電極上に移動する前記高周波電力を減殺する抵抗部と、
を含むことを特徴とするプラズマ処理装置。
【請求項15】
前記抵抗部は抵抗率が2.0μ/cm以上の金属を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項16】
前記抵抗部は、鉄、ニッケル、コバルト、白金のうちの一つの金属を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項17】
前記抵抗部は抵抗率が調節できる半導体を含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【請求項18】
前記抵抗部は窒化ホウ素セラミックを含むことを特徴とする請求項14に記載のプラズマ処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−174682(P2012−174682A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161940(P2011−161940)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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